JP2001355960A - 冷蔵庫 - Google Patents

冷蔵庫

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JP2001355960A
JP2001355960A JP2000180841A JP2000180841A JP2001355960A JP 2001355960 A JP2001355960 A JP 2001355960A JP 2000180841 A JP2000180841 A JP 2000180841A JP 2000180841 A JP2000180841 A JP 2000180841A JP 2001355960 A JP2001355960 A JP 2001355960A
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resin
heat insulating
insulating sheet
hollow particles
heat
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Application number
JP2000180841A
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English (en)
Inventor
Runa Nakamura
瑠奈 中村
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スペースを取らずに断熱性能を向上させるこ
とができ、しかも消費電力を抑えた冷蔵庫を提供する。 【解決手段】 断熱性板状体で構成された物品収納部1
1,12の内面に、中空粒子および/または気泡を内包
する樹脂組成物からなる断熱性シート20を積層した構
成とする。厚さを大きくすることなく、物品収納部の断
熱性能が向上し、冷却状態の物品の温度を維持する能力
を向上させることができ、したがって物品の冷却のため
のエネルギー効率を向上させることができる。また、断
熱性シートが持つ吸音、防振効果により、外部に向かっ
ての音や振動が伝わりにくいという効果も奏する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、家庭用の冷蔵庫、
冷凍庫或いは冷凍冷蔵庫を始めとして、業務用のショウ
ケース、ディープフリーザー、さらには倉庫等の大型の
冷蔵庫、冷凍庫をも含めたいわゆる冷蔵庫に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】一般に家庭用等の冷蔵庫は、箱型をした
本体内の物品収納部に、食料品を始めとする各種の物品
を冷やしたり凍らせたりした状態で保管するように構成
されている。そして、冷却効果を上げるため、ウレタン
フォームなどの断熱性板状体を用いて物品収納部の回り
を囲む構成を採っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の冷蔵庫
における熱漏洩量は、冷蔵庫内外の温度差と、断熱材で
あるウレタンフォームの厚さと熱伝導率で決まる。とこ
ろが、省スペースの観点から冷蔵庫本体の内容積と外寸
法に制限があるため、むやみにウレタンフォームを厚く
することはできない。このため、断熱材にウレタンフォ
ームのみを使用している限りはそれほど熱漏洩量を減少
させることができず、したがって消費電力もそれほど低
減できない。
【0004】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、スペースを取
らずに断熱性能を向上させることができ、しかも消費電
力を抑えた冷蔵庫を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の冷蔵庫は、断熱性板状体で構成された物品
収納部の内面に、中空粒子および/または気泡を内包す
る樹脂組成物からなる断熱性シートを積層したことを特
徴としている。
【0006】また、上記構成の冷蔵庫において、断熱性
シートは、中空粒子および/または気泡を内包する樹脂
組成物が含浸性基材の少なくとも一部に含浸したもので
あることを特徴としている。
【0007】また、上記構成の冷蔵庫において、断熱性
シートは、露出面側にさらに被覆層が積層されているこ
とを特徴としている。
【0008】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明すると、図1は本発明に係る冷蔵庫の一
例を横から見た状態で示す一部破断断面図である。
【0009】図1において10は冷蔵庫本体であり、断
熱性板状体11で構成された物品収納部として冷凍室1
2と冷蔵室13を有している。断熱性板状体11として
は、例えば、表裏2枚の鋼板の間にポリウレタン樹脂の
発泡体を充填したもの等が使用される。そして図示の例
では、それに加えて物品収納部の内面裏側に断熱性シー
ト20が積層されている。また、図1において14はコ
ンプレッサー、15は凝縮器、16は蒸発器であり、1
7はファンモータである。
【0010】図示の例では、物品収納部自体を構成する
断熱性板状体11に加えて、断熱性シート20を物品収
納部の内面裏側に積層している。すなわち、図示の如き
冷蔵庫では、特に背面部にコンプレッサー14、凝縮器
15、ファンモータ17等の熱を出すものが集まってい
るため、この背面部に位置する断熱性板状体11のとこ
ろに断熱性シート20を積層したものである。なお、本
発明では、断熱シート20を積層する部位はこれに限定
されるものではなく、さらに物品収納部の側面、天井と
広げてもよく、物品収納部の内面全体に渡って積層して
もよい。
【0011】断熱性シート20としては、中空粒子およ
び/または気泡を内包する樹脂組成物からなるものが好
ましく、この樹脂組成物からなるシートは、樹脂組成物
からなるシートの単独タイプ、基材の上に樹脂組成物か
らなるシートが積層した積層タイプ、もしくは含浸性基
材に樹脂組成物が含浸した含浸タイプのいずれかであ
る。さらに、断熱性シート20は、化粧を伴ったもので
あってもよい。
【0012】中空粒子および/または気泡を内包する樹
脂組成物からなる断熱性シート20は、ポリエチレン樹
脂やポリプロピレン樹脂等の合成樹脂の発泡シートであ
ってもよい。
【0013】断熱性シート20の厚みとしては、厚い方
が断熱性能が優れているが、冷蔵庫内面に厚いものを貼
ると、物品収納部の容積が減るため、0.5〜5mm程
度が好ましい。
【0014】図2は含浸タイプの断熱性シートを例示し
た断面図で、図2(A)の断熱性シート20は、高分子
マトリックス21中に中空粒子22を内包した樹脂組成
物が含浸性基材24に含浸したもの、図2(B)の断熱
性シート20は、高分子マトリックス21中に気泡23
を内包した樹脂組成物が含浸性基材24に含浸したも
の、図2(C)の断熱性シート20は、高分子マトリッ
クス21中に中空粒子22および気泡23の両方を内包
した樹脂組成物が含浸性基材24に含浸したものであ
る。
【0015】なお、含浸タイプにおいては、含浸性基材
24の一方の面から他方の面に到達しない部分含浸(厚
み方向の一部への含浸)を行って、他方の面の近傍に未
含浸の部分を残すこともあり、未含浸の部分には接着剤
が浸透しやすいので、接着性を向上させることができ
る。
【0016】中空粒子および/または気泡を内包する樹
脂組成物からなるシートの単独タイプのものは、図2に
示す含浸タイプのものから、含浸性基材24を除いたも
のであり、含浸性基材24を除去し、片面に基材を積層
したものが、積層タイプに相当する。
【0017】断熱性シート20に被覆層を積層した形態
を採ることもできる。図3は断熱性シート20に被覆層
を積層した例で、図3(A)は断熱性シート20を対象
物に貼るときの露出面側に被覆層25を積層した例を示
しており、図3(B)は断熱性シート20を対象物に貼
るときの貼る側に被覆層25を積層した例を示してい
る。また、図3(C)は断熱性シート20の両面に被覆
層25を積層した例を示している。
【0018】中空粒子としては、アクリル、アクリルニ
トリル等のアクリル系樹脂、ポリスチレン樹脂等の合成
樹脂を素材とする有機質のものや、シリカ、アルミナ等
を主成分とする無機質のものがあり、天然品としては、
火山性のシラスバルーンのようなものも利用できる。ま
た、後述する親水性や疎水性の中空粒子も使用可能であ
る。
【0019】また、気泡を発生させるための発泡剤の一
種であるマイクロカプセル型のものであって、予め発泡
させたものを使用することもでき、このようなマイクロ
カプセル型発泡剤の発泡済みのものも、中空粒子として
扱える。マイクロカプセル型発泡剤の発泡済のものの例
として、松本油脂製薬(株)製の中空粒子(品番で「F
−80ED」、もしくは「F−80E」)は、密度が
0.02g/cm3 と小さいので、熱伝導性の抑制に効
果的であり、使用することが好ましい。
【0020】一般的に入手が可能で、利用できる中空粒
子の粒径は、0.3〜300μmの範囲であり、これら
の中から選択して1種類または2種類以上を使用する。
【0021】中空粒子自体は比較的丈夫なため、圧縮等
の外力にも耐えるが、中空粒子を合成樹脂塗料組成物、
特に合成樹脂エマルジョン系塗料組成物に分散させると
きは、攪拌操作により塗料組成物中に気泡が入り込みや
すい。
【0022】気泡は、断熱性を向上させる上で役立つの
で、意図的に気泡を発生させたり、或いは、マイクロカ
プセル型や分解型等の化学発泡剤等を使用して発泡さ
せ、気泡を発生させるとよい。中空粒子を伴わず、気泡
のみでも断熱性を与えることができる。
【0023】中空粒子または気泡のいずれかを利用して
断熱性シートを作製して使用したり、中空粒子および気
泡を合成樹脂塗料組成物中に分散させたものを用いて断
熱性シートを作製して使用すると、中空粒子および/ま
たは気泡のつぶれにより、断熱性が経時的に低下する傾
向が見られるので、断熱性シートの耐圧縮性を向上させ
るため、中空粒子の選択を次のような3通りの方式で行
うことが好ましい。 (1)粒径の異なる中空粒子のブレンド。 (2)親水性中空粒子の疎水性中空粒子とのブレンド。 (3)粒径の異なる親水性中空粒子と疎水性中空粒子と
のブレンド。
【0024】上記(1)の粒径の異なる中空粒子のブレ
ンドで、大きい中空粒子の間を小さい中空粒子が埋める
ためには、大きい方の中空粒子の直径aと小さい方の中
空粒子の直径bの関係は、b≧a(2−31/2 )/3
1/2 であり、これを計算すると、b≧0.155aであ
る。また、最も疎な充填である体心立方の場合には、b
=a(2−21/2 )/21/2 であり、これを計算する
と、b=0.414aである。したがって、0.155
a≦b≦0.414aとなり、直径aの中空粒子にブレ
ンドするための中空粒子の直径bが規定される。
【0025】因みに、最も密な六方細密充填の場合に、
直径aの中空粒子の空隙に直径bの中空粒子が隙間な
く、ちょうど入り込むためには、b=2a(11/3)
1/2 /3であり、これを計算すると、b=0.277a
である。
【0026】先に述べたように、入手し得る中空粒子の
粒径は、0.3〜300μmの範囲であるので、この中
から、上記の関係を満たす中空粒子の大小の組み合わせ
を選択して使用する。
【0027】上記において、直径aの中空粒子の単位当
たりの粒子の数N(a)と、直径bの中空粒子が入れる
空隙の数N(b)との関係は、六方細密の場合で、N
(b)/N(a)=8:6であり、体心立方の場合、N
(b)/N(a)=4:2である。これを整理すると、
1/2≦N(a)/N(b)≦3/4であり、それぞれ
の直径の中空粒子をブレンドする際の重量比は、充填の
疎密の度合いを決めた後、中空粒子の数の比、各中空粒
子の比重・粒径からの計算で求める。
【0028】上記(1)の粒径の異なる中空粒子のブレ
ンドを、このような条件下で行い、高分子マトリックス
中に分散させて作製した断熱性シートは、気泡のある部
分では、直径の小さい方の中空粒子が直径の大きい方の
中空粒子の間に充填されて補強されるため、耐圧縮性が
強化され、つぶれにくい構造となる。
【0029】上記(2)の親水性中空粒子と疎水性中空
粒子とのブレンドでは、疎水性の中空粒子が空気との親
水性の方がより高いために、分散の際に塗料組成物中に
取り込まれた気泡を疎水性の中空粒子が取り囲み、外側
が疎水性の二次的な粒子を作り、親水性の中空粒子およ
び親水性の樹脂の間に分散した形の断熱性シートとな
る。
【0030】ここで、親水性の中空粒子とは、材質が、
ガラス、シリカ、シリカ・アルミナ、セラミック、シラ
ス、中空プラスチック、または中空繊維等からなるもの
であり、また、疎水性の中空粒子としては、これらの親
水性の粒子に疎水化処理を行ったものがある。親水性中
空粒子と疎水性中空粒子の混合比は、形成したい気泡の
大きさ、各中空粒子の粒径および比重から計算で求め
る。
【0031】上記(3)の粒径の異なる親水性中空粒子
と疎水性中空粒子とのブレンドは、上記の(1)および
(2)の方式の手段を合わせたもので、粒径の小さい疎
水性粒子と粒径の大きい中空粒子とが混合された中空粒
子の間に気泡を有した構造の断熱性シートが得られる。
この方式では、粒径の大きい中空粒子の間に粒径の小さ
い疎水性粒子が充填されるので、中空粒子の間に形成さ
れる気泡の壁が強化され、つぶれにくい構造の断熱性シ
ートが得られる。
【0032】高分子マトリックスとしては、次に挙げる
ような樹脂が使用できる。例えば、ニトロセルロース、
酢酸セルロース、酪酢酸セルロース、エチルセルロー
ス、ポリアミド樹脂、塩化ゴム、環化ゴム、ポリアミド
樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共
重合樹脂、エチレン/酢酸ビニル共重合樹脂、塩素化ポ
リプロピレン、もしくはアクリル樹脂等の熱可塑性樹脂
の有機溶剤溶液、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノー
ル樹脂、レゾルシノール樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹
脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ
イミド、ポリアミドイミド、ポリベンツイミダゾール、
ポリベンゾチアゾールもしくはポリウレタン樹脂等の熱
硬化性樹脂であり、これらの樹脂は、水または有機溶剤
に溶解した樹脂溶液とすることができる。
【0033】あるいは、スチレンマレイン樹脂、ポリ酢
酸ビニル樹脂、アクリル系樹脂、もしくはウレタン系の
エマルジョン、または、天然ゴム、再生ゴム、スチレン
−ブタジエンゴム、アクリルニトリル−ブタジエンゴ
ム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、ポリスルフィドゴ
ム、シリコーンゴム、ポリウレタンゴム、ステレオゴム
(合成天然ゴム)、エチレンプロピレンゴム、もしくは
ブロックコポリマーゴム(SBS、SIS、SEBS
等)も使用することができ、これらの樹脂は、有機溶剤
溶液ないしラテックス等として利用することができる。
【0034】気泡を生じさせるには、機械的に気体、特
に不活性ガス、好ましくは低熱伝導性のガスの泡を塗料
組成物中に取り込んで、含浸性基材に含浸させ、加熱発
泡させる場合と、以下に述べるような有機化合物からな
る化学発泡剤を塗料組成物中に配合して含浸させ、加熱
発泡させる場合とがある。
【0035】発泡剤と言うと、一般的には、分解型等の
化学発泡剤を指すことが多いが、ここでは、機械的な方
法における泡も含めて、発泡剤と称することとし、いず
れも利用し得る。
【0036】化学発泡剤としては、アゾジカルボンアミ
ド、アビゾスイソブチロニトリル、バリウムアゾジカル
ボキシラート、もしくはp−トルエンスルホニルセミカ
ルバジド等のアジ系発泡剤、ベンゼンスルホニルヒドラ
ジド、p−トルエンスルホニルヒドラジド、もしくは
4,4’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド等
のスルホニルヒドラジド系、ジニトロソペンタメチレン
テトラミン等のニトロソ系、重炭酸ナトリウム、もしく
は重炭酸アンモニウムがある。
【0037】発泡剤の作用から見ると機械的なガスの泡
に近いものとして、アクリロニトリル樹脂等を素材とす
る外壁にイソブタン、ネオペンタン等の低沸点炭化水素
を内包させたマイクロカプセル型発泡剤があり、比較的
低温での発泡に適している。なお、化学発泡剤を使用す
るときは、必要に応じ、発泡温度を低下させて発泡しや
すくするための発泡助剤を使用してもよい。このような
マイクロカプセル型発泡剤としては、例えば、松本油脂
製薬(株)製の発泡剤(品番で「F−46」、「F−5
0」、「F−55」、「F−80」、もしくは「F−8
5」)が使用でき、これらは、発泡倍率も20倍以上あ
り、好ましい。
【0038】これらの発泡剤を用いた塗料組成物を、含
浸性基材に塗布ないし含浸させ、加熱発泡させる場合に
は、乾燥させた後の膜厚の0.1〜100倍とすること
が好ましく、0.1倍未満では、発泡による断熱性向上
効果が乏しく、100倍を越えると、断熱性はあるもの
の、圧縮強度が低下するため、つぶれやすくなるためで
ある。
【0039】含浸性基材としては、天然繊維、合成繊
維、ロックウール、ガラス繊維、炭素繊維等の繊維を原
料として製造されたフェルト、不織布、布、もしくはこ
れらの前記繊維を原料として抄造された紙(特に低密度
紙)、またはセラミックスシート等のシートであって、
これらのいずれかの単層のシート、同じものどうしの2
枚以上を積層した、同種のシートの複合シート、もしく
は、これらのシートから選ばれた任意の異なるシートを
2枚以上積層した、異種のシートの複合シートが使用で
きる。片面に含浸性がないか、もしくは乏しいシートで
もよく、例えば、低透湿性シート等が積層されていても
よい。
【0040】フェルトは、元来は、獣毛を集めて、加湿
・加熱しつつ加圧して絡ませ、シート化したものである
が、現在では、原料として天然繊維以外に合成繊維、ロ
ックウール、炭素繊維等も使用されている。不織布は、
繊維(天然繊維も扱うが、通常は合成繊維)を紡糸せず
に直接、機械的、熱的、または化学的な手段により交絡
させてシート化したものである。また、紙は、植物繊維
その他の繊維を絡み合わせ、膠着させて製造したもの
(JISの定義による)である。
【0041】これらの定義から見ても明らかなように、
フェルト、不織布、および紙は、思い浮かべる代表的な
製品どうしは相違して見えるものの、本質的には互いに
区別のつきにくいものであり、ただ、一般的な紙が、そ
の他のものに比べ、密度が高い点で相違する。
【0042】紙類としては、薄葉紙、クラフト紙、チタ
ン紙、樹脂含浸紙、リンター紙、板紙、石膏ボード用原
紙、和紙等も使用できる。より好ましい超低密度紙は、
密度が0.1〜0.5g/cm3 が一般的で、一例とし
て0.2g/cm3 程度のものである。
【0043】フェルト、不織布、および布を含めた場合
も、密度が0.01〜1g/cm3、好ましくは、0.
02〜0.5g/cm3 、より好ましくは、0.02〜
0.25g/cm3 である。下限未満であると強度が低
くなり、取扱い時に損傷の恐れが増加し、上限を越える
と、断熱性が不十分になる。
【0044】布については、繊維としては中空繊維等の
断熱性繊維を使用したものが好ましいが、必ずしも、中
空繊維等の断熱性繊維でない、通常の繊維を使用したも
のでも、目付量の少ない、粗い布であれば、使用可能で
ある。
【0045】セラミックスは耐熱性の必要な高温領域の
断熱材として主に用いられている。通常、ここで用いら
れるセラミックスは珪酸カルシウムなど熱伝導率の低い
焼結成型体である。セラミックスシートはこのようなセ
ラミックスを繊維状に加工し、シート状にしたもので、
各種厚みの製品も市販されている。セラミックスシート
の密度としては0.8〜2.3g/cm3 、厚みとして
は0.2〜5.0mm程度が好ましい。
【0046】なお、上記において繊維としては、木綿、
麻、もしくは羊毛等の天然繊維の単独、もしくは異なる
2種以上、または、レーヨン、ナイロン、ポリエステ
ル、もしくはアクリル等の合成繊維の単独、もしくは異
なる2種以上、ロックウール、ガラス繊維、炭素繊維、
チタン酸カリウム繊維、アルミナ繊維、もしくはシリカ
繊維等が使用できる。紙の場合には、主に植物繊維のパ
ルプが使用される。また、セラミックスシートを構成す
る素材としては、狭義のセラミックスであるケイ酸塩に
限らず、アルミナ、シリカ、もしくはジルコニアの単
独、もしくは異なる2種以上が使用できる。
【0047】以上のような素材を用いて、断熱性シート
を製造するには、高分子マトリックスを構成する樹脂、
好ましくはその樹脂の水溶液、もしくは有機溶剤溶液、
またはエマルジョンと、中空粒子および/または発泡
剤、さらには必要に応じ配合しうる各種の添加剤を混合
し、塗料組成物を調製してシート化する。シート化の方
法としては、剥離性基体に塗布し乾燥後に剥がすキャス
ティング法、基体に塗布して基体が付着したままで製品
とする方法、含浸性基材に含浸して乾燥させる方法等を
利用する。
【0048】含浸を行うには、含浸用塗料組成物を満た
した槽の中に含浸性基材を浸す方法(いわゆるディッピ
ング)によるか、公知の塗布手段により、含浸性基材の
片側もしくは両側から塗布を行う。含浸用塗料が十分浸
透してから、余分の含浸性塗料を、適宜なかき取り装置
または除去装置、例えば、サクションドクター、ドクタ
ーロール、もしくは丸棒にワイヤーを巻き付けたワイヤ
ーバー等により、かき取るかまたは除去し、所定の量の
含浸用塗料を含浸性基材に含浸させる。その後、乾燥さ
せることによって断熱性シートが得られる。
【0049】なお、含浸用塗料組成物の粘度、塗布から
乾燥までの時間を調節すると、一方の側から浸透して含
浸性基材の厚みの途中にとどまる含浸を行うこともで
き、こうすると他方の側の未含浸の部分を利用して、接
着剤を浸透させ、貼る対象のものとの接着性を高める等
ができる。
【0050】含浸用塗料組成物を構成する素材、特に高
分子マトリックスの素材によっては、一旦、比較的低温
で乾燥させた後、比較的高温度で乾燥させたり、乾燥の
一部、もしくは全部を紫外線照射や電子線照射によって
行ってもよい。
【0051】断熱性シートもしくは被覆層を施した複合
体(まとめて、断熱性シートと称する)は、既に述べた
ように、そのままの状態で断熱を必要とする対象に貼る
ことにより、断熱性を付与することができるが、長時間
使用したり、人や物が接触しやすい部位で使用するに
は、強度が弱く、破損して断熱性を損なう恐れが少なく
ない。このため、断熱性シートを適当な被覆層で被覆す
ることが好ましく、具体的には、湿気を通さない、低透
湿性シートを使用することが好ましい。
【0052】なお、断熱性シートの両面に低透湿性シー
トを積層した場合には、低透湿性シートの端部どうしを
熱シールするか接着して、断熱性シートを2枚の低透湿
性シートにより密封すると、端面からの湿気の侵入を防
止できるので好ましい。この場合、被覆層を一方の低透
湿性シートの代用とすることができる。
【0053】低透湿性シートは、隣接する断熱性シート
への透湿を抑制するか、実質上無くすもので、断熱性シ
ートが、湿気を吸収する等により、断熱性が低下するこ
とを防止するものである。
【0054】低透湿性シートは、断熱性シートの片面に
のみ積層する場合と、両面に積層する場合とがあるが片
面にのみ積層してある場合で、吸湿の程度が大きい懸念
のある環境下で使用する場合、あるいは外力がかかるこ
とが予想される場合には、低透湿性シートの積層してい
ない側が、貼る対象側になるよう、向きを考慮して適用
することが好ましい。
【0055】低透湿性シートと断熱性シートとの積層
は、接着剤を使用するか、熱シールによって行う。ただ
し、断熱性シートの表裏両面に低透湿性シートを配置
し、しかも、低透湿性シートの端面どうしをシールする
場合には、低透湿性シートと断熱性シートとを接着しな
いこともあり得る。
【0056】一般的には、低透湿性シートを積層して
も、断熱性シートの端面は、空気中に露出するため、端
面からの吸湿が問題になる場合には、端面に樹脂塗料を
塗布するか、火炎で素材を溶融させる等してシールする
とよい。
【0057】低透湿性シートの素材としては、例えば、
プラスチックのフィルムが好ましく、プラスチックとし
ては、ポリエチレン樹脂、ポロプロピレン樹脂、ポリメ
チルペンテン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニ
リデン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、塩化ビニル−
酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹
脂、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂、ポリエチ
レンセレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート
樹脂、ポリエチレンナフタレート−イソフタレート共重
合樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリメタクリル
酸エチル樹脂、ポリアクリル酸ブチル樹脂、ナイロン6
又はナイロン66等で代表されるポリアミド樹脂、三酢
酸セルロース樹脂、セロファン、ポリスチレン樹脂、ポ
リカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、又はポリイ
ミド樹脂等がある。
【0058】低透湿性シートには、透湿性の低いポリ塩
化ビニリデン樹脂等の樹脂バインダーを用いて調製され
た別の塗料を塗布するか、金属ないし金属酸化物の薄膜
を形成して気体透過を抑制しておくとよい。これら金属
薄膜においては、一酸化ケイ素と二酸化ケイ素のように
酸化数の異なる金属酸化物どうしの混合物であったり、
ケイ素化合物とアルミニウム酸化物との混合物であって
もよいし、無機酸化物を主体とした有機基と結合したも
のであってもよい。
【0059】薄膜の形成方法としては、例えば、イオン
ビーム法、電子ビーム法等の真空蒸着法、またはスパッ
タリング法等の物理気相成長法、もしくは、プラズマ化
学気相成長法、熱化学気相成長法、または光化学気相成
長法等の化学気相成長法が利用できる。
【0060】薄膜の厚みは、好ましくは、50〜300
0Åであり、より好ましくは100〜1000Åであ
る。50Å未満では気体透過を抑制する効果がほとんど
無く、3000Åを越えると薄膜にクラックが生じて気
体透過性が低下する恐れがある上、材料費も割高とな
る。なお、熱伝導性からすると若干不利ではあるが、断
熱性シートが湿気を吸収するのを防止する観点からは、
金属箔を積層したり、上記の合成樹脂シートを構成する
合成樹脂と同様な樹脂をバインダーとする塗料の塗膜を
形成して、低湿性シートに代えることもできる。
【0061】断熱性シートは基本的には以上の要素を有
していればよいが、吸湿した状態では、菌が増殖しやす
く、不衛生な状態に陥りやすいことを考慮すると、抗菌
剤を適用しておくことが好ましい。抗菌剤としては銀、
銅、亜鉛、錫、鉛、ビスマス、カドミウム、クロム、ま
たは水銀等の抗菌性金属材料を、ゼオライト、活性炭、
シリカ、活性白土、酸性白土、アルミナ、活性ボーキサ
イト、骨炭、モレキュラーシーブ、またはガラスビーズ
等の担体に担持させたものが望ましいが、これらの抗菌
性材料、担体の種類およびそれらの使用量等は、特に限
定されるものではない。抗菌剤の適用は、表面への塗
布、もしくは断熱性シートを構成する樹脂組成物への配
合によって行うとよい。
【0062】また、本発明で使用する断熱性シートは、
断熱性シートが中空粒子および/または気泡を内包して
いるために、吸音性や防振性を有しており、冷蔵庫のコ
ンプレッサーやファンモータから発する音や振動を緩和
することができる。
【0063】
【発明の効果】本発明は上述のように構成されているの
で、次に記載する効果を奏する。
【0064】請求項1に記載の発明である冷蔵庫は、断
熱性板状体で構成された物品収納部の内面に、中空粒子
および/または気泡を内包する樹脂組成物からなる断熱
性シートを積層したことを特徴としているので、厚さを
大きくすることなく、物品収納部の断熱性能を向上さ
せ、冷却状態の物品の温度を維持する能力を向上させる
ことができ、したがって物品の冷却のためのエネルギー
効率を向上させることができる。また、断熱性シートが
持つ吸音、防振効果により、外部に向かっての音や振動
が伝わりにくいという効果も奏する。
【0065】請求項2に記載の発明である冷蔵庫は、請
求項1に記載の冷蔵庫において、断熱性シートは、中空
粒子および/または気泡を内包する樹脂組成物が含浸性
基材の少なくとも一部に含浸したものであることを特徴
としているので、上記効果に加え、断熱性シートが含浸
性基材によって強化されており、断熱シートの持つ効果
が長期にわたって維持することができる。
【0066】請求項3に記載の発明である冷蔵庫は、請
求項2に記載の冷蔵庫において、断熱性シートは、露出
面側にさらに被覆層が積層されていることを特徴として
いるので、上記の効果に加え、適用された断熱性シート
を丈夫で耐久性の高いものにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る冷蔵庫の一例を横から見た状態で
示す一部破断断面図である。
【図2】断熱性シートの断面図である。
【図3】被覆層を積層した断熱性シートの断面図であ
る。
【符号の説明】
10 冷蔵庫本体 11 断熱性板状体 12 冷凍室 13 冷蔵室 14 コンプレッサー 15 凝縮器 16 蒸発器 17 ファンモータ 20 断熱性シート 21 高分子マトリックス 22 中空粒子 23 気泡 24 含浸性基材 25 被覆層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 断熱性板状体で構成された物品収納部の
    内面に、中空粒子および/または気泡を内包する樹脂組
    成物からなる断熱性シートを積層したことを特徴とする
    冷蔵庫。
  2. 【請求項2】 断熱性シートは、中空粒子および/また
    は気泡を内包する樹脂組成物が含浸性基材の少なくとも
    一部に含浸したものであることを特徴とする請求項1に
    記載の冷蔵庫。
  3. 【請求項3】 断熱性シートは、露出面側にさらに被覆
    層が積層されていることを特徴とする請求項2に記載の
    冷蔵庫。
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