JP2002012010A - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ

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JP2002012010A JP2000198072A JP2000198072A JP2002012010A JP 2002012010 A JP2002012010 A JP 2002012010A JP 2000198072 A JP2000198072 A JP 2000198072A JP 2000198072 A JP2000198072 A JP 2000198072A JP 2002012010 A JP2002012010 A JP 2002012010A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カーカスコードの耐引き抜け性を十分に確保
するとともに、ビード部耐久性を向上させる。 【解決手段】 ビードコア4間にトロイダルに延在させ
て、それぞれの側部部分6を、横断面形状が六角形をな
すビードコア4の周りで、タイヤ幅方向の内側から外側
に向けて巻き回した少なくとも一枚のカーカスプライ5
を具えるものであり、前記巻き回し部7のカーカスコー
ド10の、ビードベース3a側に向くビードコア表面4
aに対してカーカスプライ5の巻き回し方向に隣接する
ビードコア表面4b上での延在部分10aの、ビードコ
ア中心軸線Cに対する傾き角αと、このビードコア表面
4bに対してカーカスプライ5の巻き回し方向にさらに
隣接するビードコア表面4c上での延在部分10bの、
同様の傾き角βとが、 70°≦α<90° α>βのときは α−β≦20° α≦βのときは β−α≦10° の条件を満たしてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は空気入りタイヤ、
とくに、タイヤビード部に配設したビードコアの周りに
巻き返したカーカスプライ側部部分を、タイヤ半径方向
外方へ大きく巻上げて固定することに起因する、その巻
上げ端のセパレーションを防止するとともに、カーカス
コードの引き抜けをもまた十分に防止するビード部構造
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般的な空気入りタイヤ、たとえば重荷
重用空気入りラジアルタイヤでは、タイヤの負荷転動に
際するカーカスコードの引き抜けを防止すべく、カーカ
スプライの側部部分を、ビードコアの周りで、タイヤ半
径方向の内側から外側に向けて高く巻上げて固定するこ
ととしているも、これによれば、カーカスプライの巻上
げ端へのセパレーションの発生が否めないことから、近
年は、特開平11−321244号公報に開示されてい
るように、カーカスに、ビードコアの周りに実質的に一
周巻回され、かつその端部がビードコアの周りで終端す
る巻き付け部を有する巻き付けカーカスプライを含める
ことで、タイヤを軽量化しつつ、ビード部耐久性を向上
させる技術が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、この提案技
術は、前記巻き付け部のカーカスコードの、ビードコア
の外周面を通る部分と、ビードコア内周面を通る部分と
の相対関係につき、ビードコアの外周面を通る部分のタ
イヤ周方向線となす角度θ1を30〜90°とするとと
もに、ビードコアの内周面を通る部分のタイヤ周方向線
となす角度θ2を30〜90°として、これらの角度θ
1,θ2が90°より小さい場合には、ビードコアの外
周面および内周面のそれぞれを通る部分を互いに交差す
る向きに配することとするものであり、かかる配置の下
では、図4に示すように、カーカスコード31の、ビー
ドコア32の外周面を通る部分31aと、それの内周面
を通る部分31bとのそれぞれが相互に異なった方向に
延在することにり、それらの延在部分、なかでもとくに
部分31aは、カーカスコード31の、ラジアル方向に
延びる本体部分に対して周方向の延在角度を大きく異に
するため、カーカスコード31への張力の作用による、
そのカーカスコード31の真直化傾向の下で、巻き付け
部に生じる周方向の変形ないしは変位が大きくなり、こ
の結果としてプライ端での周方向歪が増加し、しかも、
カーカスコード31に作用する張力が、その全長にわた
って均等に分散されずに局部的な応力集中を生じ易く、
タイヤの転動による繰り返しの応力集中によって、コー
ド31の疲労破断のおそれが高くなる等により、タイヤ
ビード部の、耐久性の実質的な向上をもたらし得ないと
いう問題があった。
【0004】この発明は、上記提案技術が抱えるこのよ
うな問題点を解決することを課題とするものであり、そ
れの目的とするところは、カーカスコードの、ビードコ
アとの接触長さをできるだけ長くして、カーカスコード
の耐引き抜け性を十分に高めることを前提に、そのカー
カスコードの、上述したような大きな角度変化に起因す
る周方向の変形ないしは変位の発生を十分に防止すると
ともに、カーカスコードへの張力の作用による応力の集
中を有効に防止することで、ビード部耐久性を大きく向
上させた空気入りタイヤを提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明の空気入りタイ
ヤは、ビード部に配設したリング状のビードコア間にト
ロイダルに延在させて、それぞれの側部部分を、横断面
形状が多角形をなすビードコアの周りで、タイヤ幅方向
の内側から外側にまたは、外側から内側に向けて巻き回
した少なくとも一枚のカーカスプライを具えるものであ
り、その巻き回し部のカーカスコードの、ビードベース
側に向くビードコア表面に対してカーカスプライの巻き
回し方向に隣接するビードコア表面上での延在部分の、
ビードコア中心軸線に対する傾き角αと、このビードコ
ア表面に対してカーカスプライの巻き回し方向にさらに
隣接するビードコア表面上での延在部分の、同様の傾き
角βとが、 70°≦α<90° より好適には70°≦α<80° α>βのときは α−β≦20° より好適にはα−β≦15° α≦βのときは β−α≦10° より好適にはβ−α≦8°の条件を満たすものである。
【0006】このタイヤでは、カーカスプライの側部部
分をビードコアの周りに巻き回して、その側部部分か
ら、半径方向外方への高い巻上げ部を取り除くことによ
り、カーカスプライ巻上げ端へのセパレーションの発
生、ひいては、そのセパレーションに原因をおく、ビー
ド部クラックの発生および成長を有効に防止できること
はもちろん、カーカスコードの、ビードコアへの巻き回
し部で、ビードベース側に向くビードコア表面に対して
カーカスプライの巻き回し方向に隣接するビードコア表
面上での延在部分の傾き角αを、70°以上90°未満
とし、併せて、そのビードコア表面に対してカーカスプ
ライの巻き回し方向にさらに隣接するビードコア表面上
での延在部分の傾き角βと、前記傾き角αとの差を、2
0°以下もしくは10°以下とすることで、ビードコア
の周りでの長いコードパスを確保して、カーカスコード
の耐引き抜け性を十分に高めてなお、カーカスコードの
延在方向の、比較的小さな角度変化の下で、カーカスコ
ードの急激な角度変化に起因する、前述したようなビー
ド部耐久性の毀損のうれいなしに、カーカスプライ端部
でのカーカスコードの延在方向を、カーカスプライ本体
部分のそれに十分近づけることができ、これがため、カ
ーカスコードの巻き回し部での周方向の変形ないしは変
位を抑制して、プライ端での歪の低減を実現するととも
に、カーカスコードへの局部的な応力集中を防止するこ
とができる。
【0007】またここでは、傾き角αを70°以上90
°未満の範囲とすることにより、ラジアルタイヤにおけ
るカーカスコードの巻き回し部の、周方向の変形ないし
は変位を抑制し、カーカスプライ端での歪を低減させる
ことができる。いいかえれば、それが70°未満では、
巻き込みの根元から先端までのパスが離れることによる
カーカスプライ端の歪を十分に低減させることができな
い。
【0008】そしてさらに、α>βの場合に、 α−β≦20° とすることで、ビードコアの周りのコードパスを十分長
く確保して、カーカスコードの引き抜けのおそれを十分
に除去する。上記角度差が20°を越えると、巻付きの
成形がむつかしくなる。
【0009】また、α≦βの場合に、 β−α≦10° とすることで、ビードコアの周りのコードパスを十分長
く確保する。その差が10°を越えると、コードパスが
短くなりすぎて、カーカスコードの引き抜けのおそれが
高く成る他、巻付き成形がむずかしくなる。
【0010】かかるタイヤにおいて、巻き回し部に、ビ
ードコアの隅部と対応して位置する三個所以上の折曲げ
加工部を設けた場合には、カーカスコードをビードコア
の外輪郭に正確に沿わせて巻き回すことができるととも
に、カーカスコードのスプリングバックを有利に防止し
て、カーカスコードの引き抜け等をより効果的に防止す
ることができる。
【0011】またここで、ビードコアの周りに、カーカ
スプライに外接させてワイヤチェーファを配設する場合
には、ビード部の補強効果が高くなる。
【0012】そしてまた、カーカスプライの巻き回し部
の外周側からサイドウォール部にかけてビードフィラを
配設する場合には、そのビードフィラで上記巻き回し部
を押さえ込んで、その巻き回し部の不測の弛みを有利に
防止することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下にこの発明の実施の形態を図
面に示すところに基づいて説明する。図1は、重荷重用
空気入りラジアルタイヤについての実施の形態を、リム
組みタイヤに空気圧を充填した姿勢で示す要部横断面で
あり、図中1はトレッド部を、2は、トレッド部1の側
部から半径方向内方へ延びるサイドウォール部を、そし
て3は、サイドウォール部2の内周側に連続させて設け
たビード部をそれぞれ示し、各ビード部3は、そこに埋
め込み配置されて全体としてリング状をなし、ここでは
横断面形状がほぼ六角形状をなすビードコア4を具え
る。
【0014】またここでは、両ビードコア4間にカーカ
スプライ5をトロイダルに延在させるとともに、少なく
とも一枚のカーカスプライ5の側部部分6をビードコア
4の周りに巻き回して、そのビードコア4の周面に沿わ
せて延在させるとともに、ビードコア4の周りにて終了
させ、これにより、カーカスプライ5の側部部分6か
ら、半径方向外方への高い巻上げ部を取り除く。
【0015】なお図1に示すところでは、カーカスプラ
イ側部部分6のこのような巻き回しを、タイヤ幅方向の
内側から外側に向けて行っているも、その巻き回しを、
図2に示すように、タイヤ幅方向の外側から内側に向け
て行うこともできる。
【0016】このように形成してなる巻き回し部7は、
側部部分6、ひいては、カーカスプライ5の、ビードコ
ア4への十分強固な固定を実現することができ、このこ
とは、たとえば、巻き回し部7の、ビードコア4の隅部
と対応する少なくとも一個所に、そのビードコア4に巻
き付く向きの折曲げ加工部b1,b2,b3を設けて、
巻き回し部7の巻き付き姿勢の確実なる維持を担保した
場合にとくに有利である。
【0017】ところで、図1および2に示すところにお
いて、8は、ビードコア4の周りで、カーカスプライ5
に外接させて配置したワイヤチェーファを、9は、巻き
回し部7の外周側からサイドウォール部2にかけて配設
されて、その巻き回し部7を半径方向に拘束するビード
フィラをそれぞれ示し、またRは、タイヤに組付けたリ
ムを示す。
【0018】そしてまたこのタイヤでは、図3に一例を
示すように、側部部分6に設けた巻き回し部7で、カー
カスプライ5を構成するカーカスコード10の、リング
状ビードコア4のビードベース3a側に向く表面4aに
対してカーカスプライ側部部分6の巻き回し方向に隣接
するビードコア表面4b上での延在部分10aの、ビー
ドコア軸線Cに対する鋭角側の傾き角、すなわち、図3
(b),(c)に示すビードコア表面展開図における傾
き角αを70°以上90°未満、より好ましくは70°
以上80°未満とし、また、そのビードコア表面4bに
対してカーカスプライ5の巻き回し方向にさらに隣接す
るビードコア表面4c上での延在部分10bの、ビード
コア軸線Cに対する傾き角βを、前記傾き角αとの関連
において、図3(b)に示すように、α>βのときは α−β≦20° より好適にはα−β≦15°とし、この一方で、図3
(c)に示すように、α≦βのときは β−α≦10° より好適にはβ−α≦8°とする。
【0019】以上のように構成してなるタイヤによれ
ば、カーカスコード10の巻き回し部7での周方向の角
度変化を少なくして、カーカスプライ端部でのカーカス
コード10の延在方向を、カーカスプライ本体部分のそ
れに揃えることができ、これがため、カーカスコード1
0への張力の作用による、その巻き回し部7の、周方向
での変位ないしは変形を十分に抑制するとともに、その
カーカスコード張力を十分均等に分散してビード部3の
耐久性を有効に向上させることができる。
【0020】以上、この発明の実施の形態を図面に示す
ところに基づいて説明したが、ビードコア4の横断面形
状は、四角形、五角形等とすることもできる。
【0021】
【実施例】以下に、実施例タイヤと、従来タイヤと、比
較タイヤとのそれぞれのビード部耐久試験および、カー
カスコードの耐引き抜け試験について述べる。ここでビ
ード部耐久性は、サイズが315/60 R22.5の
重荷重用ラジアルタイヤにあって、図1および3に示す
ビード部構造を有する実施例タイヤ1〜4、図4に示す
巻き回し構造を有する比較タイヤおよび、図5に示すビ
ード部構造を有する従来タイヤのそれぞれに、9.00
×22.5のリムを組付けるとともに、充填空気圧を9
00kPaとしたところにおいて、最大負荷能力の二倍
に相当する負荷を作用させたドラム走行試験で、ビード
部故障(カーカスプライ端またはワイヤチェーファ端の
セパレーション等)によって走行不能になるまでの走行
距離を測定することにより求め、従来タイヤをコントロ
ールとして指数評価した。
【0022】また、カーカスコードの耐引き抜け性は、
内部に水圧を加えて、引き抜けるまでの圧力を測定すに
ことにより評価した。
【0023】その結果を表1に示す。なお指数値は大き
いほどすぐれた結果を示すものとした。
【表1】
【0024】表1によれば、実施例タイヤはいずれも、
従来タイヤおよび比較タイヤのそれぞれに比して、ビー
ド部耐久性を大きく向上させることができ、また、コー
ドの耐引き抜け性を十分に高め得ることが解る。
【0025】
【発明の効果】かくしてこの発明によれば、とくに、巻
き回し部のカーカスコードの、ビードベース側に向くビ
ードコア表面に対してカーカスプライの巻き回し方向に
隣接するビードコア表面上での延在部分の、ビードコア
中心軸線に対する傾き角を70°以上90°未満とする
とともに、その表面に対してカーカスプライの巻き回し
方向にさらに隣接するビードコア表面上での延在部分
の、同様の傾き角と、上記傾き角との差を一定の範囲に
特定することにより、カーカスコードの耐引き抜け性を
十分に確保して、タイヤビード部の耐久性を大きく向上
させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態を示す要部横断面図で
ある。
【図2】 他の実施形態を示す要部横断面図である。
【図3】 カーカスプライの側部部分巻き回し部でのカ
ーカスコードの延在態様を例示する説明図である。
【図4】 提案技術におけるカーカスコードの延在態様
を示す図3(a)と同様の図である。
【図5】 従来タイヤのビード部構造を示す横断面図で
ある。 1 トレッド部 2 サイドウォール部 3 ビード部 3a ビードベース 4 ビードコア 4a,4b,4c ビードコア表面 5 カーカスプライ 6 側部部分 7 巻き回し部 8 ワイヤチェーファ 9 ビードフィラ 10 カーカスコード 10a,10b 延在部分 α,β 傾き角 C ビードコア中心軸線 b1,b2,b3 折曲げ加工部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビード部に配設したリング状のビードコ
    ア間にトロイダルに延在させて、それぞれの側部部分
    を、横断面形状が多角形をなすビードコアの周りで、タ
    イヤ幅方向の内側から外側にまたは、外側から内側に向
    けて巻き回した少なくとも一枚のカーカスプライを具え
    る空気入りタイヤにおいて、 前記巻き回し部のカーカスコードの、ビードベース側に
    向くビードコア表面に対してカーカスプライの巻き回し
    方向に隣接するビードコア表面上での延在部分の、ビー
    ドコア中心軸線に対する傾き角αと、このビードコア表
    面に対してカーカスプライの巻き回し方向にさらに隣接
    するビードコア表面上での延在部分の、同様の傾き角β
    とが、 70°≦α<90° α>βのときは α−β≦20° α≦βのときは β−α≦10° の条件を満たしてなる空気入りタイヤ。
  2. 【請求項2】 傾き角αを、 70≦α<80 としてなる請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 【請求項3】 それぞれの傾き角α,βを、 α>βのときは α−β≦15 α≦βのときは β−α≦8 としてなる請求項1もしくは2に記載の空気入りタイ
    ヤ。
  4. 【請求項4】 巻き回し部に、ビードコアの隅部と対応
    して位置する三個所以上の折曲げ加工部を設けてなる請
    求項1に記載の空気入りタイヤ。
  5. 【請求項5】 ビードコアの周りに、カーカスプライに
    外接させてワイヤチェーファを配設してなる請求項1も
    しくは4に記載の空気入りタイヤ。
  6. 【請求項6】 カーカスプライの巻き回し部の外周側か
    らサイドウォール部にかけてビードフィラを配設してな
    る請求項1,4もしくは5に記載の空気入りタイヤ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009023197A (ja) * 2007-07-19 2009-02-05 Bridgestone Corp スティフナーの形成方法
JP2015105000A (ja) * 2013-11-29 2015-06-08 東洋ゴム工業株式会社 空気入りタイヤ

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