JP2002011405A - 浸漬塗布方法及び有機感光体ドラムの製造方法 - Google Patents

浸漬塗布方法及び有機感光体ドラムの製造方法

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JP2002011405A JP2000194800A JP2000194800A JP2002011405A JP 2002011405 A JP2002011405 A JP 2002011405A JP 2000194800 A JP2000194800 A JP 2000194800A JP 2000194800 A JP2000194800 A JP 2000194800A JP 2002011405 A JP2002011405 A JP 2002011405A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗料中の有機溶剤の放出を十分に防止するこ
とができる浸漬塗布方法及びOPCドラムの製造方法を
提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明の浸漬塗布方法は、水と混和せ
ず、かつその比重が水より重い塗料6の表面に水を浮か
べて水層7を形成し、水層7を通して被塗布物1を塗料
6中に浸漬し、塗料6から引き上げて被塗布物上1に塗
料6を塗布をすることを特徴とする。この発明によれ
ば、被塗布物1を水層7を通して塗料に浸漬して引き上
げる時に、被塗布物に塗布された塗料からのみ有機溶剤
が蒸発し、被塗布物を浸漬しない時は有機溶剤の蒸発が
水層7により妨げられる。このため、水層7がない場合
に比べて有機溶剤の大気中への放出が十分に低減され
る。従って、本発明は、環境的に好ましくない塩素を含
む有機溶剤を用いる場合に有効である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば電子写真複
写機やレーザープリンタ等に搭載される有機感光体ドラ
ム(OPCドラム)の製造に用いる浸漬塗布方法及び有
機感光体ドラムの製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】電子写真方式を採用する画像形成装置には
感光体が搭載されており、現在ではそのほとんどがOP
Cドラムとなっている。中でも現在の主流は、円筒基材
上にCGL(電荷発生層)及びCTL(電荷輸送層)を
順次積層した機能分離型OPCドラムである。OPCド
ラムは低コストで且つ種々の画像形成装置に使用される
ので、現在では年間に数千万本が生産されている。
【0003】従来、こうしたOPCドラムにおけるCG
L又はCTLは、感光材料と結着樹脂等を有機溶剤に溶
解した溶液に円筒基材(あるいは円筒基材の上にCGL
を形成したもの)を浸漬して引き上げた後、円筒基材上
に塗布された溶液を乾燥させることにより得られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た従来のOPCドラムの製造方法においては、円筒基材
を浸漬する溶液中に有機溶剤が含まれており、その溶液
の表面から有機溶剤が常に蒸発している。そして、蒸発
した有機溶剤は通常大気中に放出される。従来、溶液中
に含まれる有機溶剤の放出について特に問題視されるこ
とはなかったが、近年は環境問題の高まりにより、大気
汚染の防止のために少しでも有機溶剤の放出量を抑制す
ることが望まれている。
【0005】また、有機溶剤が溶液から蒸発すると、有
機溶剤を含む溶液の粘度が増加し、円筒基材上に形成さ
れる感光層の厚さが必要以上に大きくなり、感光層の感
光特性が著しく低下するおそれがある。感光特性は、感
光層が所望の厚さよりわずか1〜2μm大きくなるだけ
で著しく低下する。
【0006】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、塗料中の有機溶剤の放出を十分に防止することがで
きる浸漬塗布方法及びOPCドラムの製造方法を提供す
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、被塗布物を塗料に浸漬して被塗布物を引
き上げることにより被塗布物に塗料を塗布する浸漬塗布
方法において、塗料として、水に対する溶解度が0.1
%以下の有機溶剤を含み且つ水より重い比重を有するも
のを用い、塗料の表面に水を浮かべて水層を形成し、水
層を通して被塗布物を塗料中に浸漬して塗料から被塗布
物を引き上げることにより被塗布物に塗料を塗布するこ
とを特徴とする。
【0008】この発明によれば、被塗布物を水を通して
塗料に浸漬して引き上げるときに、被塗布物に塗布され
た塗料からのみ有機溶剤が蒸発し、被塗布物を浸漬しな
いときは有機溶剤の蒸発が水層により妨げられる。この
ため、水層がない場合に比べて有機溶剤の大気中への放
出が十分に低減される。従って、本発明は、環境的に好
ましくない塩素を含む有機溶剤を用いる場合に有効であ
る。
【0009】また本発明は、上記浸漬塗布方法により、
水に対する溶解度が0.1%以下の有機溶剤と感光材料
とを含み且つ水より重い比重を有する塗料を、被塗布物
としての円筒基材に塗布する塗布工程を少なくとも1つ
含むことを特徴とする。
【0010】この発明によれば、塗料中の有機溶剤の低
減が十分防止されるため、有機溶剤の減少による塗料の
粘度の増加が十分防止され、円筒基材を塗料に浸漬させ
たときに、塗料が円筒基材に必要以上に塗布されなくな
る。塗布される塗料の厚さは、感光層の特性を大きく左
右する重要な要素であるため、感光層の感光特性の低下
が十分に防止されることになる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を用いて詳細に説明する。図1は、本発明のOPC
ドラムの製造方法により製造されるOPCドラムの一例
を示す一部拡大断面図である。図1に示すように、OP
Cドラム10においては、円筒基材1の表面に必要に応
じて下引き層2が形成され、その上にCGL(電荷発生
層)3とCTL(電荷輸送層)4が積層されている。通
常、CGL3の膜厚は0.1〜1μm、CTL4の膜厚
は、10〜30μmである。下引き層2の膜厚は0.1
〜2μm程度である。
【0012】次に、本発明のOPCドラムの製造方法に
ついて説明する。
【0013】OPCドラムに用いる円筒基材1は、基本
的には円筒状に成型できる材料であれば特に制限はない
が、成型性、加工性、強度などの観点からは、金属、特
にアルミニウム、アルミニウム合金あるいはステンレス
が好適である。
【0014】図1に示すように、円筒基材1の表面上に
は、必要に応じて下引き層2を形成する。下引き層2
は、円筒基材1上に下引き層形成用塗布液を塗布し、乾
燥させることにより形成される。
【0015】次に、電荷発生材料(感光材料)と、有機
溶剤と、結着樹脂とを含む電荷発生層形成用塗布液(塗
料)を用意する。
【0016】電荷発生材料としては、例えばフタロシア
ニン、ペリレン、ビスアゾ顔料などが挙げられる。有機
溶剤としては、水に対する溶解度が0.1%以下のもの
が用いられる。ここで、溶解度は下記式:溶解度=10
0×(溶解した有機溶剤の重量)/(水の重量)(%)
で定義される。
【0017】水に対する溶解度が0.1%を超えると、
水が塗料に混和して塗料の表面が白化し、均一な塗膜が
できなくなり、塗料の特性が悪化する。水に対する有機
溶剤の溶解度は、好ましくは0.05%以下であり、最
も好ましくは0%である。こうした有機溶剤としては、
例えばモノクロロベンゼン、塩化メチレン、クロロホル
ム、クロロセン等が挙げられる。結着樹脂としては、例
えばポリビニルブチラール、ポリエステル等が挙げられ
る。
【0018】上記電荷発生層形成用塗布液の比重は水よ
り重くなっている。塗布液全体としての比重を水より重
くするには、結着樹脂の比重が1より大きいことが好ま
しい。この点、上述したポリビニルブチラール、ポリエ
ステルは、その種類にもよるが、比重が1.1〜1.2
であるので結着樹脂として好適である。電荷発生材料も
一般に比重は1より大きい。また上記結着樹脂、電荷発
生材料はいずれも水に溶解性を有しない。なお、塗布液
の比重は、全体として水より重ければよく、塗布液を構
成する各成分の比重がそれぞれ水より重いことは必ずし
も必要ではない。
【0019】ここで、本発明の浸漬塗布法を用いて、上
記電荷発生層形成用塗布液を円筒基材1上に塗布する方
法について説明する。まず図2(a)に示すように、浸
漬塗布槽5の中に上記電荷発生層形成用塗布液6を入れ
る。
【0020】次に、浸漬塗布槽5の中に水を入れる。す
ると、上述したように、電荷発生層形成用塗布液6は、
水に対する溶解度が低く、かつその比重が水より重いの
で、水は電荷発生層形成用塗布液6の表面上に浮いて水
層7を形成し、攪拌しない限り、この状態が保たれる。
このような水層7が形成されると、電荷発生層形成用塗
布液6に含まれる有機溶剤は水層7に遮られて蒸発しな
くなり、有機溶剤の大気中への放出が十分に抑制される
のである。代わりに水層7から水が蒸発することになる
が、蒸発によって水が減少した場合にはその分を補えば
よい。
【0021】次に、図2(b)に示すように、上記円筒
基材(被塗布物)1を、水層7を通して電荷発生層形成
用塗布液6中に浸漬し、次いで引き上げる。こうして円
筒基材1上に電荷発生層形成用塗布液6を塗布する(塗
布工程)。その際、有機溶剤を含む電荷発生層形成用塗
布液6は、水よりは円筒基材1に対して濡れやすい性質
があるために、円筒基材1の表面に選択的に付着して被
膜9を形成し、水は円筒基材1又は被膜9上ではじかれ
て付着することがない。
【0022】このとき、電荷発生層形成用塗布液6中の
有機溶剤の放出が十分防止されるため、有機溶剤の減少
による塗布液6の粘度の増加が十分防止される。このた
め、円筒基材1を塗布液6に浸漬させたときに、塗布液
6が円筒基材1上に必要以上に塗布されることがない。
塗布される塗布液6の厚さは、得られる感光層の特性を
大きく左右する重要な要素であるため、本発明によれ
ば、感光層の感光特性の低下が十分に防止されることに
なる。
【0023】円筒基材1を引き上げた後は、電荷発生層
形成用塗布液6を乾燥させる。このとき、有機溶剤の大
気中への放出を回避するためには、円筒基材1上に電荷
発生層形成用塗布液6を塗布したものをチャンバーに入
れて加熱し、このとき発生する排ガス中の有機溶媒を活
性炭等で吸着して回収する。こうして、図2(c)に示
すように、円筒基材1上にCGL3が形成される。
【0024】次に、電荷輸送材料(感光材料)と、水に
対する溶解度が0.1%以下の有機溶剤と、結着樹脂と
を含む電荷輸送層形成用塗布液を用意する。
【0025】電荷輸送材料としては、例えばヒドラゾン
化合物、スチルベン化合物、ベンジジン化合物、ブタジ
エン化合物、トリフェニルアミン化合物等が挙げられ
る。有機溶剤としては、電荷発生層形成用溶液の場合と
同じものが用いられる。結着樹脂としては、例えばポリ
カーボネート、ポリアリレート、ポリメチルメタクリレ
ート等が挙げられる。
【0026】電荷輸送層形成用塗布液全体としての比重
を水より重くするには、結着樹脂の比重が1より大きい
ことが好ましい。この点、ポリカーボネートは比重が約
1.2、ポリアリレートは比重が1.21、ポリメチル
メタクリレートは比重が1.18〜1.2であるので好
適である。電荷輸送材料は一般に比重は1より大きい。
また上記結着樹脂、電荷輸送材料はいずれも水に溶解性
を有しない。
【0027】次に、浸漬塗布槽11内に、塗料として、
上記電荷輸送層形成用塗布液12を入れ、更に浸漬塗布
槽11内に水を入れる。このとき、電荷輸送層形成用塗
布液12は、水より比重が大きいので、浸漬塗布槽11
内では、図2(d)に示すように、電荷輸送層形成用塗
布液12と水とに分離され、電荷輸送層形成用塗布液1
2の上に水層13が形成されることになる。
【0028】そして、上述した浸漬塗布方法を用いて、
円筒基材1上にCGL3を形成したもの(被塗布物)
を、浸漬塗布槽11の水層13を通して電荷輸送層形成
用塗布液12に浸漬し、引き上げる。こうして円筒基材
1上にCGL3を介して電荷輸送層形成用塗布液12を
塗布する(塗布工程)。
【0029】このとき、電荷輸送層形成用塗布液12中
の有機溶剤の放出が十分防止されるため、有機溶剤の減
少による塗布液12の粘度の増加が十分防止される。こ
のため、円筒基材1を塗布液12に浸漬させたときに、
塗布液12が円筒基材1上に必要以上に塗布されること
がない。塗布される塗布液12の厚さは、得られる感光
層の特性を大きく左右する重要な要素であるため、本発
明によれば、感光層の感光特性の低下が十分に防止され
ることになる。
【0030】円筒基材1を引き上げた後は、電荷輸送層
形成用塗布液12を乾燥させる。このとき、有機溶剤の
大気中への放出を回避するために、円筒体8をチャンバ
ーに入れて加熱し、このとき発生する排ガス中の有機溶
媒を回収する点はCGL3を形成する場合と同様であ
る。
【0031】こうして円筒基材1上にCGL3を介して
CTL4が形成され、CGL3とCTL4とからなる感
光層14が円筒基材1上に形成され、OPCドラム10
が得られる。
【0032】なお、本発明のOPCドラムの製造方法
は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば上
記実施形態では、CGL3の上にCTL4を積層した機
能分離型OPCドラムの製造方法について説明したが、
OPCドラムの製造方法は、円筒基材1の上に単層型の
感光層を形成したOPCドラムの製造にも適用すること
ができる。この場合、塗料中の感光材料として、電荷発
生能と電荷輸送能をともに有するものが用いられる。ま
た機能分離型OPCドラムの製造方法と異なり、塗布工
程は1回でよい。
【0033】また、上記実施形態では、円筒基材1ある
いは円筒基材1の上にCGL3を形成したものに浸漬塗
布法により塗料が塗布されているが、本発明の浸漬塗布
方法では、被塗布物として、円筒基材等に限らず、種々
の物を用いることができる。更に塗料は、有機溶剤(特
に塩素を含む有機溶剤)を含んでいればよく、必ずしも
感光材料を含んでいる必要はない。例えばOPCドラム
以外のものを作製する場合には、感光材料は不要であ
る。以下、本発明の内容を実施例を用いて具体的に説明
する。
【0034】
【実施例】(実施例1)外径30mmφ×長さ334m
mのアルミニウム製円筒基材を用意し、その表面を液体
ホーニング方法によってRa=0.18μmになるよう
粗面化した。
【0035】次に、8ナイロン(ラッカマイド、大日本
インキ化学社製)5重量部(以下「部」という)をメタ
ノール40部および1−ブタノール60部の混合溶媒に
溶解し、得られた下引き層形成用塗布液を円筒基材上に
浸漬塗布した。その後、下引き層形成用塗布液を135
゜Cで10分間乾燥して、円筒基材上に膜厚1μmの下
引き層を形成した。なお、この下引き層形成用塗布液の
有機溶剤は水と混和するアルコールなので、本発明は適
用されない。
【0036】次に、ポリビニルブチラール樹脂(BM−
1、積水化学社製)1部をモノクロロベンゼン25部に
溶解し、これに電荷発生材料であるクロロガリウムフタ
ロシアニン3部を加えてサンドミルで分散した。この分
散液に更にキシレン10部を加えて塗料として電荷発生
層形成用塗布液を得た。その塗料の比重は約1.05で
あった。なお、モノクロロベンゼンの水に対する溶解度
は、0.049%、キシレンの溶解度は0.03%であ
った。
【0037】こうして得られた電荷発生層形成用塗布液
を、内径80mm、高さ380mmの浸漬塗布槽に入
れ、更に浸漬塗布槽内に水を入れ、水の高さが15mm
になるように電荷発生層形成用塗布液6上に水を浮かべ
て水層を形成した。
【0038】その後、下引き層を形成した円筒基材を水
層を通して電荷発生層形成用塗布液中に浸漬し、次いで
150mm/minの速度で引き上げて、円筒基材上に
電荷発生層形成用塗布液の被膜を形成した。その際、水
が被膜の表面に付着することはなかった。
【0039】次に、この円筒基材をチャンバーに入れ、
135℃で40分間乾燥させたところ、下引き層上に膜
厚0.12μmのCGLが得られた。浸漬塗布を行って
いない間、電荷発生層形成用塗布液の表面位置を視認し
たところ、その位置は変化しなかった。このことから、
有機溶剤であるモノクロロベンゼンもキシレンも塗料表
面から蒸発しておらず、電荷発生層形成用塗布液の組成
が変化しないことが分かった。従って、塗料の粘度が増
加していないことが分かった。
【0040】(比較例1)水層を形成しなかった以外は実
施例1と同様にして浸漬塗布槽内に電荷発生層形成用塗
布液を入れた。その結果、1時間当たり約5gの有機溶
剤の蒸発が起きた。このため、それによる電荷発生層形
成用塗布液の表面の乾燥や組成の変化が発生しており、
塗料の粘度が増加していることが分かった。従って、安
定的に塗布を継続することはできなかった。
【0041】(実施例2)電荷輸送材料であるN,N′
−ジフェニル−N,N′−(m−トリル)ベンジジン3
6部と重量平均分子量が3万のポリカーボネートZ樹脂
(ユーピロンZ300、三菱ガス化学社製)64部をモ
ノクロロベンゼン288部に溶解して電荷輸送層形成用
塗布液を調製した。これを塗料として、内径80mm、
高さ380mmの浸漬塗布槽に入れ、更に浸漬塗布槽に
水を入れ、その高さが15mmになるように電荷輸送層
形成用塗布液の表面上に水層を形成した。次に、実施例
1で得たCGLを形成した円筒基材を水層を通して電荷
輸送層形成用塗布液中に浸漬し、次いで110mm/m
inの速度で引き上げ、円筒基材のCGL上に電荷輸送
層形成用塗布液の被膜を形成した。その際、水が被膜の
表面に付着することはなかった。続いて被膜を135゜
Cで40分間乾燥して、CGL上に膜厚25μmのCT
Lを形成し、こうしてOPCドラムを得た。
【0042】塗布を行っていない間、電荷輸送層形成用
塗布液の表面位置を視認したところ、その位置は変化し
ていなかった。このことから、モノクロロベンゼンが電
荷輸送層形成用塗布液の表面から蒸発しておらず、電荷
輸送層形成用塗布液の組成が変化しないことが分かっ
た。従って、塗料の粘度が増加していないことが分かっ
た。
【0043】(比較例2)水層を形成しなかった以外は
実施例1と同様にして浸漬塗布槽内に電荷輸送層形成用
塗布液を入れた。その結果、1時間当たり約5gの蒸発
が起きた。このため、塗料の表面の乾燥や組成の変化が
発生しており、塗料の粘度が増加していることが分かっ
た。従って、安定的に塗布を継続することはできなかっ
た。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように本発明の浸漬塗布方
法およびOPCドラムの製造方法によれば、塗料中の有
機溶剤の蒸発を十分に低減することができ、ひいては大
気汚染を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のOPCドラムの製造方法により製造さ
れるOPCドラムの一部を概略的に示す拡大断面図であ
る。
【図2】本発明のOPCドラムの製造方法の一連の工程
図である。
【符号の説明】
1…円筒基材(被塗布物)、6…電荷発生層形成用塗布
液(塗料)、7,13…水層、10…有機感光体ドラ
ム、12…電荷輸送層形成用塗布液(塗料)。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被塗布物を塗料に浸漬して前記被塗布物
    を引き上げることにより前記被塗布物に塗料を塗布する
    浸漬塗布方法において、 前記塗料として、水に対する溶解度が0.1%以下の有
    機溶剤を含み且つ水より重い比重を有するものを用い、 前記塗料の表面に水を浮かべて水層を形成し、 前記水層を通して前記被塗布物を前記塗料中に浸漬して
    前記塗料から引き上げることにより前記被塗布物に前記
    塗料を塗布することを特徴とする浸漬塗布方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の浸漬塗布方法により、
    水に対する溶解度が0.1%以下の有機溶剤と感光材料
    とを含み且つ水より重い比重を有する塗料を、被塗布物
    としての円筒基材に塗布する塗布工程を少なくとも1つ
    含むことを特徴とする有機感光体ドラムの製造方法。
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