JP2002008453A - 自己融着性絶縁電線およびそれを用いた自己融着性リッツ線 - Google Patents

自己融着性絶縁電線およびそれを用いた自己融着性リッツ線

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JP2002008453A
JP2002008453A JP2001076790A JP2001076790A JP2002008453A JP 2002008453 A JP2002008453 A JP 2002008453A JP 2001076790 A JP2001076790 A JP 2001076790A JP 2001076790 A JP2001076790 A JP 2001076790A JP 2002008453 A JP2002008453 A JP 2002008453A
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insulated wire
fusing
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polyamide resin
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JP2001076790A
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Kazue Tamura
和重 田村
Toramori Araki
寅盛 荒木
Seiichi Nagamine
誠一 永峰
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自己融着性絶縁電線およびそれを用いた自己
融着性リッツ線の融着層に含まれる残留溶剤量を低減す
る。また、該自己融着性絶縁電線および自己融着性リッ
ツ線を用いて成形された偏向コイルの歪を低減させ、良
好な接着性および耐熱変形性を有するようにする。さら
に、偏向コイルの経日加熱後における線間接着力の低下
を防止する。 【解決手段】 絶縁電線上に、105〜150℃の温度
範囲に融点があり、25℃における0.5重量%メタク
レゾール溶液の相対粘度が1.4〜1.6である結晶性
共重合ポリアミド樹脂を含有し、場合により200〜3
00℃の温度範囲に融点を有する高融点ナイロン樹脂お
よび(または)酸化防止剤を含有してなる融着層を有す
ることを特徴とする自己融着性絶縁電線およびそれを用
いた自己融着性リッツ線を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、テレビ受像器やコ
ンピューターディスプレイ用の偏向ヨークコイルの製造
に用いる自己融着性絶縁電線およびそれを用いた自己融
着性リッツ線に関する。
【0002】
【従来の技術】自己融着性絶縁電線は、最外層に融着層
が設けられているため、金型にコイル巻線後、通電加熱
または溶剤処理などの方法により最外層の融着層が溶解
または膨潤し、線間相互を融着固化せしめ得ることか
ら、簡単に自己支持型のコイルを作ることが可能であ
る。このように、自己融着性絶縁電線は、電気機器コイ
ルの生産性を高め、製造コストを低減させることができ
るため、家庭用電気機器、OA機器、電装品、CRTデ
ィスプレイ用偏向ヨークなどのコイル用途に広く実用化
されている。
【0003】近年、CRTディズプレイ装置は、小型
化、耐熱化、高電圧化、高周波化が進んでいる。そのた
め、CRTディスプレイの重要部品である偏向ヨークコ
イルは、コイル成形時、すなわち、巻線用金型にコイル
巻線後、熱融着して成形したときに、初期歪(コイルの
寸法と巻線用金型寸法との差であり、コイルのネック径
やネジレ量を測定することにより評価することができ
る)が小さいことや、常温時および高温時の寸法変化が
少ないことなどが望まれている。
【0004】前記要求に対応することができる自己融着
性絶縁電線としては、常温時および高温時に優れた耐熱
変形性および接着強度特性を有することが必要である。
【0005】また、近年、CRTディスプレイの高精細
度化、高周波数化に伴う偏向ヨークコイルにおける渦電
流損や表皮効果損失によるコイル自体の発熱を低減する
ために、導体径の細い自己融着性絶縁電線を撚り合わせ
た自己融着性リッツ線が用いられることが多くなってい
る。
【0006】従来、自己融着性絶縁電線の融着層を形成
する融着樹脂としては、エポキシ樹脂(フェノキシ樹
脂)が使用されていたが、近年、耐熱性や接着性のバラ
ンスがよい共重合ポリアミド樹脂が使用されるようにな
ってきている。
【0007】このような自己融着性絶縁電線は、導体上
に絶縁塗料、たとえばポリエステルイミド塗料、ポリエ
ステルイミドウレタン塗料、ポリウレタン塗料などを、
複数回、塗布・焼付した絶縁電線のうえに、共重合ポリ
アミド樹脂などの融着樹脂をクレゾール、芳香族ナフサ
などの溶剤に溶解させた融着塗料を、ダイスにより塗布
し、これを焼付炉内に導入して溶剤を蒸発させ、融着層
を形成することにより製造されている。
【0008】この製造方法の場合、融着塗料用として、
溶剤に溶解する樹脂であればいかなる樹脂でも使用する
ことができること、絶縁電線への塗布時に必要な粘度低
下が可能であること、などの利点がある。
【0009】従来から自己融着性絶縁電線の製造に用い
られている融着塗料には、粘度を低くして塗布作業性を
良好にするために、一般に、85重量%(以下、%とい
う)をこえる多量の溶剤が使用されている。
【0010】しかし、この溶剤は、自己融着性絶縁電線
製造時の焼付工程において焼付炉内で蒸発させてしまう
ため、製品である自己融着性絶縁電線としてみた場合、
融着層形成には不必要な成分である。しかも、前記のよ
うにこの溶剤量が多いため、その分、融着塗料中には融
着層形成のための有効成分である皮膜成分が少なくな
り、1回の塗布・焼付で形成される融着層の膜厚は薄く
なってしまう。この結果、所望の厚さの融着層を得るた
めには、多数回の塗布・焼付が必要であり、非常に不経
済である。
【0011】さらに、近年、省資源、省エネルギーに対
する要望が強くなっており、資材の有効利用が重要にな
っている。資材の有効利用は、環境汚染問題にも好まし
い結果をもたらすと考えられる。
【0012】前記見地からみて、融着塗料において、融
着層形成のための有効成分でない溶剤の使用量を低減さ
せることができるならば、省資源、環境汚染防止などに
おける効果が大きいことは明白である。
【0013】また、一般的に融着塗料の溶剤としてクレ
ゾールなどのフェノール系有機溶剤が使用されている
が、このように融着塗料中の溶剤量が多いと、焼付時の
溶剤の蒸発が不充分となり、融着層中に微量残留し(そ
の残留量は自己融着性絶縁電線の融着層重量に対して約
1.0%以上である)、この残留溶剤はコイル巻作業時
の通電加熱時などに揮散するという問題を惹き起こす。
クレゾールなどのフェノール系有機溶剤は、臭気、環境
面で有害であるため、これらの問題を解決するために
は、融着層中に残留する溶剤量をできるだけ低減するこ
とが好ましい。
【0014】前記問題の解決のために、たとえば特開平
8−17251号公報には、融着塗料の溶剤として臭
気、環境の面で問題の少ないベンジルアルコールを使用
することにより、このような問題を解消する技術が開示
されているが、ベンジルアルコールはコストが非常に高
く、実用的ではない。
【0015】また、別の方法として、融着塗料中の溶剤
量を減らして樹脂成分を高濃度化する方法があり、この
場合、残留溶剤量の問題は解消されるが、通常の塗布温
度では融着塗料粘度が高くなり、製線が困難になる。そ
れゆえ、高濃度の融着塗料を用いる場合には、塗布時の
塗料粘度を低減させるために、塗料温度をより高温にせ
ざるを得ない。
【0016】しかし、この場合には、熱によって融着塗
料中の溶剤が揮散し、塗布・焼付作業環境を悪化させる
だけでなく、長時間使用すると、塗料が経時的に高濃度
化し、増粘する問題が生ずる。一般的に、自己融着性絶
縁電線を製造する際には融着塗料を循環再利用している
ため、このように融着塗料が増粘すると、最終的には製
線不能となる。
【0017】この問題を改善する方法として、融着塗料
に使用する共重合ポリアミド樹脂の分子量(相対粘度)
を低くする方法があり、この方法によると、融着塗料を
低粘度化することができるため、高濃度化することが可
能である。
【0018】しかし、分子量の低い共重合ポリアミド樹
脂を含有した融着層を有する自己融着性絶縁電線および
自己融着性リッツ線から成形されたコイルは、初期歪が
大きいこと、常温および高温での耐熱変形性に劣るこ
と、接着強度が低いことなどの問題があるだけでなく、
このコイルが偏向ヨークなどに組み込まれて使用される
と、使用時に発生する熱によりコイル中の線間接着強度
が低下するという問題がある。このように接着力が低下
したコイルは、線と線とがばらけやすく、画面上の色ず
れ(ミスコンバーゼンス)の原因となる。
【0019】このような問題を低減する方法として、た
とえば特開平5−59329号公報には、25℃におけ
る0.5%クレゾール溶液の相対粘度が1.8以下であ
り、かつ、末端カルボキシル基と末端アミノ基との含有
モル比率が1:4〜4:1のポリアミドを主成分とする
被覆材溶液を被覆基材に塗布し、その乾燥中または乾燥
後に加熱再重合させることにより強靭な被膜を得る方法
が記載されている。
【0020】前記被覆材溶液の濃度として1〜20%と
記載されているが、実際に使用されているものは10%
であり、この濃度では融着層中に残留する溶剤量が低減
することはない。また、比較的低分子量のものを加熱再
重合させるため、初期歪が大きくなる。
【0021】また、特開平5−225831号公報に
は、その実施例において、導体上に絶縁皮膜を介して、
融点が110℃、30℃の還元比粘度が1.02〜1.
30の共重合ポリアミドを主成分とする融着皮膜を設け
た、高温で形状保持が可能で、かつ、流動性がよく固着
しやすい自己融着性絶縁電線が記載されている。そし
て、前記融着皮膜を設けるために使用する融着塗料とし
て、樹脂分が不明(実施例には200%と記載されてい
るが誤記と考えられる)のメタクレゾール溶液が使用さ
れている。
【0022】しかし、特開平5−225831号公報に
記載の方法の場合、融着塗料に含まれる樹脂分が不明の
ため、融着層中に残留する溶剤量が低減するか否かわか
らず、また、自己融着性絶縁電線の融着皮膜の強度が充
分でないため、初期歪が大きくなると考えられる。
【0023】また、残留溶剤量を低減させるために焼付
時の炉温度を高くする方法もあるが、この場合、融着樹
脂の熱分解が起こりやすくなり、偏向ヨークコイルとし
たときの熱変形性が低下し、コイルとして使用不可能に
なりやすくなる。しかし、前記焼付時の炉温度を高くす
ることによる問題を解決する方法に対する提案は、現在
までなされていない。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記のごと
き自己融着性絶縁電線および自己融着性リッツ線におけ
る問題を解消した自己融着性絶縁電線および自己融着性
リッツ線を提供することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明は、絶縁電線上
に、105〜150℃の温度範囲に融点があり、25℃
における0.5%メタクレゾール溶液の相対粘度が1.
4〜1.6である結晶性共重合ポリアミド樹脂を含有す
る塗料が塗布・焼付された融着層が形成されており、か
つ、形成された融着層を溶解させ、0.5%メタクレゾ
ール溶液にした場合の相対粘度が1.4〜1.6である
ことを特徴とする自己融着性絶縁電線(請求項1)、絶
縁電線上に、105〜150℃の温度範囲に融点があ
り、25℃における0.5%メタクレゾール溶液の相対
粘度が1.4〜1.6である結晶性共重合ポリアミド樹
脂と、200〜300℃の温度範囲に融点を有する高融
点ナイロンおよび(または)酸化防止剤を含有してなる
融着層を有することを特徴とする自己融着性絶縁電線
(請求項2)、結晶性共重合ポリアミド樹脂の25℃に
おける0.5%メタクレゾール溶液の相対粘度が1.4
7〜1.57である請求項1または2記載の自己融着性
絶縁電線(請求項3)、結晶性共重合ポリアミド樹脂の
結晶化エネルギーが10J/g以上である請求項1、2
または3記載の自己融着性絶縁電線(請求項4)、高融
点ナイロンの添加量が、結晶性共重合ポリアミド樹脂1
00重量部(以下、部という)に対して2〜10部であ
る請求項2、3または4記載の自己融着性絶縁電線(請
求項5)、高融点ナイロンが66ナイロンである請求項
2、3、4または5記載の自己融着性絶縁電線(請求項
6)、高融点ナイロンが46ナイロンである請求項2、
3、4または5記載の自己融着性絶縁電線(請求項
7)、酸化防止剤の添加量が、結晶性共重合ポリアミド
樹脂100部に対して0.3〜5部である請求項2、
3、4、5、6または7記載の自己融着性絶縁電線(請
求項8)、酸化防止剤がフェノール系酸化防止剤である
請求項2、3、4、5、6、7または8記載の自己融着
性絶縁電線(請求項9)、酸化防止剤が、N,N′−ヘ
キサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオナミド]
である請求項2、3、4、5、6、7または8記載の自
己融着性絶縁電線(請求項10)、自己融着性絶縁電線
中の残留溶剤量が、融着層樹脂重量に対して0.8%以
下である請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9ま
たは10記載の自己融着性絶縁電線(請求項11)、請
求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または
11記載の自己融着性絶縁電線を素線とし、複数本の素
線を撚り合わせてなることを特徴とする自己融着性リッ
ツ線(請求項12)、および自己融着性絶縁電線の導体
径が0.10〜0.20mmである請求項12記載の自
己融着性リッツ線(請求項13)に関する。
【0026】請求項1記載の本発明(以下、本発明1と
もいう)では、自己融着性絶縁電線の製造に使用される
融着塗料として、特定の結晶性共重合ポリアミド樹脂を
用いた塗料を使用することにより、従来の融着塗料と比
較して高濃度にすることができる結果、自己融着性絶縁
電線中に残留する溶剤量を大幅に低減させることができ
るため、臭気や作業環境上の問題が少なくなる。また、
初期歪が小さく、耐熱性にも優れる。
【0027】また、請求項2記載の本発明(以下、本発
明2ともいう)でも、自己融着性絶縁電線の製造に使用
される融着塗料として、特定の結晶性共重合ポリアミド
樹脂を用いた塗料を使用することにより、従来の融着塗
料と比較して高濃度にすることができる結果、自己融着
性絶縁電線中に残留する溶剤量を大幅に低減させること
ができるため、臭気や作業環境上の問題が少なくなる。
また、高融点ナイロンを併用する場合には、初期歪が小
さくなり、酸化防止剤を併用する場合には、融着層に用
いられているポリアミド樹脂の熱劣化を防止することに
より、線間接着力が実使用時に低下しにくい偏向ヨーク
コイルを得ることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明1、2に使用される結晶性
共重合ポリアミド樹脂は、融着層の主成分として使用さ
れる成分である。該成分を融着層の主成分とするため、
塗料濃度を高くすることができ、臭気や作業環境上の問
題が少なくなる。また、本発明1に使用される結晶性共
重合ポリアミド樹脂の場合のように、絶縁電線上に融着
層を形成したのち該融着層を溶解させ、0.5%メタク
レゾール溶液にした場合の相対粘度が1.4〜1.6の
場合には、すなわち、塗布した樹脂と溶解させた樹脂と
が実質的に同等の相対粘度を有する場合には、初期歪が
小さく、耐熱性にも優れた融着層が形成される。
【0029】前記結晶性共重合ポリアミド樹脂として
は、DSCで測定した結晶化エネルギーが10J/g以
上、さらには20J/g以上、とくには30J/g以上
のものであるのが好ましい。結晶化エネルギーが10J
/g未満の場合には、成形されたコイルの初期歪が大き
く、接着力が低く、耐熱変形性も低くなる傾向が生ず
る。
【0030】また、前記結晶性共重合ポリアミド樹脂に
おける共重合ポリアミド樹脂というのは、たとえばε−
カプロラクタム、ω−ラウロラクタム、δ−バレロラク
タム、ドデカンジ酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼラ
イン酸、ヘキサメチレンジアミン、シクロヘキサンジア
ミン、イソホロンジアミン、アミノカプロン酸、アミノ
ウンデカン酸、アミノドデカン酸などのポリアミド樹脂
の原料を組み合わせて共重合させたもののことである。
【0031】前記結晶性共重合ポリアミド樹脂は、10
5〜150℃、好ましくは120〜150℃、さらに好
ましくは130〜150℃の温度範囲に融点があり、2
5℃における0.5%メタクレゾール溶液の相対粘度η
rが1.4〜1.6、好ましくは1.47〜1.57で
ある。
【0032】前記結晶性共重合ポリアミド樹脂の融点の
下限を105℃、好ましくは120℃、さらに好ましく
は130℃とした理由は、この種の自己融着性絶縁電線
およびそれを用いた自己融着性リッツ線は、現在でも1
05℃以上の耐熱性が要求されており、将来的には12
0℃以上の耐熱性が要求される可能性があるからであ
る。一方、融点の上限を150℃とした理由は、150
℃をこえる高温条件下の場合、自己融着性絶縁電線およ
びそれを用いた自己融着性リッツ線は、熱による劣化に
より絶縁特性がわるくなるだけでなく、このように融点
が高いと偏向ヨークコイル成形時の接着成形性がわるく
なり、線バラケなどの不具合が生じやすくなるからであ
る。
【0033】前記相対粘度ηrが1.6をこえる場合に
は、分子量が大きくなりすぎ、塗料としたときに塗料粘
度があがるため、塗布・焼付作業性が急激に低下する。
濃度を低減すれば塗布・焼付作業性は改善するが、溶剤
量が多くなり、融着層中に残存しやすくなるため、臭
気,環境面での目的を達成することができなくなる。一
方、前記相対粘度ηrが1.4未満になると、分子量が
小さくなるため、コイルの線間接着性や耐熱変形性が低
下する。
【0034】前記結晶性共重合ポリアミド樹脂は、酸ア
ミド結合の繰り返しによって主鎖を構成する高分子化合
物であり、たとえばラクタムの開環重合体、2塩基酸と
ジアミンとの縮重合体、アミノ酸の縮重合体などがあげ
られる。前記結晶性共重合ポリアミド樹脂は、単独で用
いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0035】前記ラクタムの開環重合体の具体例として
は、たとえばε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタ
ム、δ−バレロラクタムなどの2種以上の共重合体があ
げられる。
【0036】また、前記2塩基酸とジアミンとの縮重合
体の具体例としては、たとえばドデカンジ酸、アジピン
酸、セバシン酸、アゼライン酸などの酸の1種以上と、
ヘキサメチレンジアミン、シクロヘキサンジアミン、イ
ソホロンジアミンなどのアミンの1種以上とからなる共
縮重合体があげられる。
【0037】また、前記アミノ酸の縮重合体の具体例と
しては、たとえばアミノカプロン酸、アミノウンデカン
酸、アミノドデカン酸などの2種以上の共縮重合体があ
げられる。
【0038】さらに、前記ラクタム、2塩基酸とジアミ
ン、アミノ酸の共重合体だけでなく、これらの2種以上
の共重合体であってもよい。
【0039】前記結晶性共重合ポリアミド樹脂は、単独
で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記結晶性共重合ポリアミド樹脂のうちでは、ε−カプ
ロラクタム、ω−ラウロラクタム、ヘキサメチレンジア
ミンドデカノエートの3成分を、重量%で(10〜2
0):(50〜65):(20〜30)で重合反応させ
たものが、結晶性、耐熱性、初期歪などのバランスがよ
い点から好ましい。前記範囲であれば、結晶性共重合ポ
リアミド樹脂の融点が105〜150℃の範囲となる。
また、相対粘度は、原料の配合組成により調整すること
ができる。
【0040】本発明2においては、前記結晶性共重合ポ
リアミド樹脂とともに、200〜300℃の温度範囲に
融点を有する高融点ナイロンおよび(または)酸化防止
剤が使用される。
【0041】前記高融点ナイロンは、コイル成形時、す
なわち、巻線、接着、加圧成形後に室温に戻った状態で
コイル形状が変形し、巻線用金型寸法よりコイル形状が
大きくなり、その変形によりコイルのネジレが発生する
こと、すなわち、初期歪が発生することを防止するため
に使用される。
【0042】前記高融点ナイロンは、200〜300
℃、好ましくは210〜300℃の温度範囲に融点を有
するものがよい。この温度範囲に融点を有する高融点ナ
イロンであれば、融着層の強度が向上し、コイル成形時
の歪、すなわち初期歪の発生が防止される。融点が20
0℃未満の場合には、前記効果が充分得られなくなり、
一方、融点が300℃をこえる場合には、有機溶剤に対
する溶解性がわるくなり、塗料調製時の作業性がわるく
なる。
【0043】前記高融点ナイロンを結晶性共重合ポリア
ミド樹脂と併用する場合には、絶縁電線上に融着層を形
成したのち該融着層を溶解させ、0.5%メタクレゾー
ル溶液にした場合の相対粘度が1.4〜1.6をはずれ
る場合でも、初期歪が小さく、耐熱性に優れた融着層を
形成することができるが、絶縁電線上に融着層を形成し
たのち該融着層を溶解させ、0.5%メタクレゾール溶
液にした場合の相対粘度が1.4〜1.6になるもの
と、高融点ナイロンとを併用するのが好ましい。この場
合、通常、絶縁電線上に融着層を形成したのち該融着層
を溶解させ、0.5%メタクレゾール溶液にした場合の
相対粘度が1.4〜1.6になる。
【0044】前記高融点ナイロンの具体例としては、た
とえば66−ナイロン、46−ナイロン、6ナイロンな
どのホモポリマーがあげられるが、これらに限定される
ものではなく、高融点ナイロンである限り、共重合ポリ
アミド樹脂も使用することができる。これらは単独で用
いてもよく2種以上を組合わせて用いてもよい。これら
のうちでは、66−ナイロンおよび46−ナイロンが、
初期歪低減効果が大きく、また、接着性を低下させる影
響が少ないことから好ましい。
【0045】前記高融点ナイロンの添加量としては、前
記結晶性共重合ポリアミド樹脂100部に対して2〜1
0部、さらには4〜8部が好ましい。前記添加量が好ま
しいのは以下の理由からである。
【0046】つまり、前記結晶性共重合ポリアミド樹脂
の特徴を阻害しない程度に高融点ナイロンを添加し、高
融点ナイロンを添加することによる効果を最大限に発現
させるようにするためである。添加量が10部をこえる
と、高融点ナイロンの添加による融着層の接着性阻害が
大きくなる傾向が生じる。高融点ナイロンの添加量とし
ては8部以下が望ましい。また、添加量が2部未満の場
合、初期歪を防止する効果が充分得られにくくなる。
【0047】前記酸化防止剤は、融着層に用いられるポ
リアミド樹脂(結晶性共重合ポリアミド樹脂または結晶
性共重合ポリアミド樹脂および高融点ナイロン)の熱劣
化を防止して、偏向ヨークコイルの線間接着力が実使用
時に低下しないようにするために用いられる成分であ
る。
【0048】前記酸化防止剤としては、たとえばフェノ
ール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止
剤、アミン系酸化防止剤など、一般的に知られている酸
化防止剤があげられる。これらのうちでは、フェノール
系酸化防止剤が、酸化防止効果が大きい点から好まし
い。
【0049】前記フェノール系酸化防止剤の具体例とし
ては、たとえばハイドロキノン、ハイドロキノンモノメ
チルエーテル、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノ
ン、2,5−ジ−t−アミルハイドロキノン、t−ブチ
ルカテコール、スチレン化フェノール、2−t−ブチル
−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチルフェ
ノール、ポリブチレーテッドビスフェノールA、ビスフ
ェノールA、2,4,5−トリヒドロキシブチロフェノ
ン、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、
4,6−ジ−t−ブチル−2−メチルフェノール、ブチ
ルヒドロキシアニソール、2,2′−メチレンビス(4
−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−メ
チレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、ト
リス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフ
ェノール)ブタン、1,3,5−トリエチル−2,4,
6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
ベンジル)ベンゼン、テトラキス[メチレン−(3′,
5′−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメ
ート)]メタン、1,3,5−トリス(4−t−ブチル
−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシ
アヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレートなど
や、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社のIRGAN
OX 245、IRGANOX 259、IRGANO
X 565、IRGANOX 1010、IRGANO
X 1035、IRGANOX 1076、IRGAN
OX 1081、IRGANOX 1098(化学名:
N,N′−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロ
ピオナミド])、IRGANOX 1222、IRGA
NOX 1330、IRGANOX 1425WL、I
RGANOX B1171などがあげられる。これらの
うちでは、IRGANOX 1098が自己融着性樹脂
として用いられるポリアミド樹脂(結晶性共重合ポリア
ミド樹脂または結晶性共重合ポリアミド樹脂および高融
点ナイロン)との相溶性がよい点から好ましい。
【0050】前記酸化防止剤の添加量は、自己融着性樹
脂として用いられるポリアミド樹脂100部に対して
0.3〜5.0部、さらには0.4〜3.2部、とくに
は0.4〜1.5部が好ましい。前記酸化防止剤の添加
量が0.3部未満の場合には、ポリアミド樹脂の耐熱分
解性を向上させる効果が発現しにくくなり、5.0部を
こえる場合には、コストがあがるだけでなく、自己融着
性塗料に用いる溶剤に対する溶解性が低下し、塗料焼付
時の作業性が低下する傾向が生じる。
【0051】本発明1の自己融着性絶縁電線は、前記結
晶性共重合ポリアミド樹脂を含む塗膜成分を有機溶剤に
溶解した融着塗料を絶縁電線上に塗布、焼付して形成し
たものであり、本発明2の自己融着性絶縁電線は、前記
結晶性共重合ポリアミド樹脂と高融点ナイロン樹脂およ
び(または)酸化防止剤とを含む塗膜成分を有機溶剤に
溶解した融着塗料を絶縁電線上に塗布、焼付して形成し
たものである。
【0052】前記塗膜成分を溶解するための有機溶剤と
しては、これらの良溶媒であればとくに限定なく使用す
ることができ、たとえばクレゾール、フェノール、キシ
レノール、N−メチルピロリドンなどのほか、メタノー
ル、エタノール、2−エチルヘキサノール、ベンジルア
ルコールなどのアルコール系溶剤も使用することができ
る。また、必要に応じてソルベントナフサ、各種芳香族
ナフサ、キシレン、トルエンなどの貧溶媒も前記良溶媒
とともに用いることができる。これらは単独で用いても
よく2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのう
ちでは、クレゾールと芳香族ナフサとの重量比が40:
60〜90:10である混合溶剤が、結晶性共重合ポリ
アミド樹脂の溶解性やコストの面から好ましい。
【0053】前記融着塗料の皮膜成分濃度としては、使
用する絶縁電線のサイズにより異なるが、15〜25
%、さらには16〜25%、とくには17〜22%程度
であるのが好ましい。前記塗膜成分濃度が15%未満の
場合には、目標とする融着層を形成するために多数回の
塗布・焼付が必要で生産性が低下するだけでなく、融着
層中の残留溶剤量が多くなる傾向が生ずる。また、25
%をこえる場合には、融着塗料としたときの粘度があが
るため、塗布・焼付作業性が急激に低下したり、融着塗
料に用いる溶剤に均一に溶解しない場合も起こり得る。
【0054】前記融着塗料には、本発明の効果を損わな
い範囲で、良好な潤滑性を付与して自己潤滑性絶縁電線
として使用するために、さらに適当な潤滑剤(たとえば
低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリメチル
ペンテン、エチレン−プロピレン共重合体などのポリオ
レフィン、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオ
ロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テト
ラフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリビニリデ
ンフルオライドなどのフッ素樹脂、固形パラフィン、マ
イクロクリスタリンワックス、アルナバルワックス、ミ
ツロウ、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、
木ロウ、キャンデリラワックス、セラックロウ、鯨ロ
ウ、エノリンなどのワックス)を添加してもよい。
【0055】本発明の自己融着性絶縁電線に用いられる
絶縁電線は、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム
合金などの導体上に、ポリエステルイミドやポリウレタ
ン、ポリエステル、ポリエステルイミドウレタン、ポリ
アミドイミド、ポリアミドイミドウレタン、ポリイミ
ド、ポリエステルアミド、ポリエステルアミドイミドな
どの絶縁層を設けたものなどであり、従来から使用され
ているものと同様のものであればとくに制限はない。
【0056】前記融着塗料を絶縁電線上に塗布する方法
にはとくに限定はなく、通常知られている塗布法、たと
えばダイス絞り法、フェルト絞り法などの方法で行なえ
ばよい。
【0057】前記融着塗料を絶縁電線上に塗布・焼付す
る回数としては、皮膜厚により異なるが、概ね2〜5回
の範囲であり、好ましくは3〜4回である。塗布・焼付
回数が1回の場合、融着皮膜の偏肉度が大きくなる。ま
た、塗布・焼付回数が5回をこえる場合、生産性が低下
し、コストが高くなる。
【0058】本発明の自己融着性絶縁電線における融着
層の厚さは、自己融着性絶縁電線の品種、サイズにより
異なるが、5〜20μm、さらには5〜15μm、概ね
10μm程度である。前記融着層の厚さが5μm未満の
場合には、偏向コイルとしたときに適切な接着力が得ら
れなくなり、20μmをこえる場合には、コストが高く
なる。
【0059】また、本発明の自己融着性絶縁電線に良好
な潤滑性を付与して自己潤滑性絶縁電線として使用する
ために、本発明の効果を損わない範囲で適当な潤滑剤を
本発明の自己融着性絶縁電線上に塗布してもよい。
【0060】前記のごとき本発明の自己融着性絶縁電線
を複数本(たとえば5〜40本)撚り合わせることによ
り、自己融着性リッツ線として使用することができる。
【0061】前述のごとく、近年、CRTディスプレイ
の高精細度化に伴い、偏向ヨークコイルでの渦電流損や
表皮効果による損失を低減してコイル自体の発熱を低減
させるため、導体径の細い(0.10〜0.20mm)
自己融着性絶縁電線を撚り合わせた自己融着性リッツ線
が用いられることが多くなっている。導体径の細い自己
融着性絶縁電線を製造する、すなわち、導体径の細い絶
縁電線上に融着塗料を塗布・焼付する場合には、導体径
の引き伸びや断線などの不具合が生じやすい。そのた
め、とくに粘度の低い融着塗料を使用することが好まし
い。また、導体径の細い自己融着性絶縁電線は、導体径
の太い自己融着性絶縁電線に比べて単位長さあたりの皮
膜の体積占有率が高いため(融着層皮膜体積も多いた
め)、単位長さあたりの残留溶剤量も多くなる傾向があ
る。それゆえ、本発明の効果が顕著に発現する。
【0062】前述のごとく、従来、自己融着性絶縁電線
を形成するために用いられる融着塗料には、通常、85
%以上の溶剤が含まれている。これは製線時に導体の引
き伸びなどの問題が生じないように、適当な塗料粘度に
調整するためである。ところが、本発明1、2に用いる
結晶性共重合ポリアミド樹脂を用いると、従来の塗料と
比較して、塗料の粘度をあげることなく皮膜成分濃度を
高濃度化することができる。
【0063】また、製線された本発明の自己融着性絶縁
電線は従来品と同様の焼付条件で焼付を行なった場合、
予想を遙かに上回る残留溶剤量の低減化効果を示すもの
である。たとえば、従来技術で、自己融着性絶縁電線の
融着層重量に対して1.0%程度の溶剤が残留する焼付
条件で本発明の自己融着性絶縁電線を製造した場合、残
留溶剤量は0.8%以下、たとえば0.2%程度まで低
減させることができる。
【0064】前述のごとき本発明の自己融着性絶縁電線
の製造に使用する融着塗料を使用し、自己融着性絶縁電
線を製造した場合と従来技術による場合との具体的な対
比を表1に示す。
【0065】
【表1】
【0066】表1に示したように、まず適切に製線でき
るようにするために、塗料粘度を調整する。本具体例の
場合、20dPa・sである。このとき、従来技術では
皮膜成分濃度が15%であるのに対して、本発明の場合
には19%となり、4%分の溶剤使用量を低減すること
ができ、資源の有効活用ができる。また、この塗料を用
いて従来と同様の条件で焼付製線を行なった場合、塗料
中の溶剤量が低減した割合(85%→81%)以上に自
己融着性絶縁電線中の残留溶剤量が大幅に低減し、臭気
や環境面での問題が少なくなる。このことは本発明者ら
がはじめて見出した現象である。
【0067】
【実施例】つぎに、本発明の自己融着性絶縁電線を実施
例および比較例に基づいてさらに詳細に説明するが、本
発明はこれらに限定されるものではない。
【0068】なお、実施例および比較例における評価方
法を以下にまとめて示す。
【0069】(融点、結晶化エネルギー)結晶性共重合
ポリアミド樹脂約10mgについて、0℃から300℃
まで10℃/分で昇温し、300℃から0℃まで10℃
/分で降温する測定条件でDSC測定し、得られたピー
クから融点を測定し、結晶化エネルギーについては結晶
化ピーク面積から算出した。
【0070】(結晶性共重合ポリアミド樹脂の相対粘
度、自己融着性絶縁電線の融着層皮膜の相対粘度)結晶
性共重合ポリアミド樹脂約0.25gをメタクレゾール
に0.5%溶液となるように溶解し、得られたメタクレ
ゾール溶液について、25℃でウベローデ粘度計を用い
て相対粘度を測定した。
【0071】自己融着性絶縁電線の融着層皮膜の相対粘
度については、まず自己融着性絶縁電線をメタクレゾー
ルに1時間浸漬し、得られたメタクレゾール溶液を12
0℃で3時間加熱乾燥し、融着層皮膜成分を得た。得ら
れた融着層皮膜成分をメタクレゾールに0.5%となる
ように溶解し、得られたメタクレゾール溶液について前
記と同様に相対粘度を測定した。
【0072】(皮膜成分濃度)融着塗料1.5gを17
0℃で2時間加熱したのち、不揮発分重量を測定し、不
揮発分重量/融着塗料重量により樹脂分濃度を算出し
た。
【0073】(塗料粘度)融着塗料の30℃における粘
度をB型粘度計で測定した。
【0074】(製線作業性)絶縁電線上に融着塗料を塗
布・焼付したとき、導体径が塗布・焼付前と比較して、
3μm以上細くなった場合、あるいは融着塗料の粘度が
高すぎるために塗布・焼付時に断線し、実質上製線でき
ない場合、製線作業性は不良とした。
【0075】(残留溶剤量)自己融着性絶縁電線中の残
留溶剤量をガスクロマトグラフィーにより測定し、自己
融着性絶縁電線の融着層重量あたりの残留溶剤重量の割
合で示した。
【0076】(コイル寸法)図2(a)、(b)に示し
た寸法測定部位について、ネック径Aはノギスで、ネジ
レ量Bはスキマゲージで測定した。
【0077】(耐熱後のネック径変化量(耐熱変形
性))得られた偏向コイルを120℃または130℃に
設定したオーブン中で2時間加熱したのち、室温で放冷
し、コイルのネック径を測定した。加熱前のネック径と
加熱後のネック径の変化量を表わした。
【0078】(接着力)得られた偏向コイルを室温で2
4時間放置したものを、加熱前、そののち115℃で5
日間、20日間加熱したものを、5日後、20日後と
し、それぞれの接着力を、図3に示したように、偏向コ
イルの内側部分1ターンの融着力をテンションゲージで
測定することにより求めた。
【0079】(融着層皮膜厚)最小目盛り1/1000
mmのマイクロメーターを用いて仕上外径と絶縁外径を
測定し、仕上外径と絶縁外径との差の1/2で表わし
た。
【0080】実施例1 融点が130℃で、相対粘度が1.52で、結晶化エネ
ルギーが46.9J/gである結晶性共重合ポリアミド
樹脂A(ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタム、ヘ
キサメチレンジアミンドデカノエートの3成分を前述の
割合で共重合させたもの)を、クレゾールと芳香族(C
9)ナフサとの重量比が70:30の混合溶剤に、皮膜
成分濃度が19%になるように溶解させた融着塗料を得
た。得られた融着塗料の粘度は、30℃で20dPa・
sであった。
【0081】得られた融着塗料を導体径0.15mm、
絶縁外径0.19mmのポリエステルイミド絶縁電線上
に塗布(ダイス絞り法にて塗布)・焼付(炉長3.0
m、炉温300℃、線速60m/min)を3回繰り返
し、融着皮膜厚さ10μmの自己融着性絶縁電線を得
た。
【0082】得られた自己融着性絶縁電線の10本を撚
り合わせて、自己融着性リッツ線とし、つぎにこの自己
融着性リッツ線を、成形条件が55ターン×2本巻、通
電電流55A、通電時間1.5秒、冷却プレス15秒、
金型温度40℃に設定した巻線機により、巻線、融着、
加圧成形して図1に示す偏向ヨークコイルを作製した。
【0083】得られた偏向ヨークコイルについて、図2
(a)、(b)に示した寸法(ネック径A:最もくびれ
た部分の寸法、ネジレ量B:上部フランジ部2を水平面
Hに押し付け、巻線部3の一方を水平面Hに押し付けた
とき、水平面Hから浮き上がっている側の下部フランジ
部4の水平面Hからの距離)を測定した。また、図3の
ようにして接着力を測定した。結果を表2に示す。
【0084】なお、図1中、1は巻き始めの電線、5は
巻き終わりの電線を示す。また、図3中、6はテンショ
ンゲージを示す。
【0085】実施例2 結晶性共重合ポリアミド樹脂を、融点が130℃で、相
対粘度が1.42であり、結晶化エネルギーが44.8
J/gである結晶性共重合ポリアミド樹脂B(ε−カプ
ロラクタム、ω−ラウロラクタム、ヘキサメチレンジア
ミンドデカノエートの3成分を前述の割合で共重合させ
たもの)とした以外は実施例1と同様にして行なった。
結果を表2に示す。
【0086】実施例3 結晶性共重合ポリアミド樹脂を、融点が130℃で、相
対粘度が1.47であり、結晶化エネルギーが47.7
J/gである結晶性共重合ポリアミド樹脂C(ε−カプ
ロラクタム、ω−ラウロラクタム、ヘキサメチレンジア
ミンドデカノエートの3成分を前述の割合で共重合させ
たもの)とした以外は実施例1と同様にして行なった。
結果を表2に示す。
【0087】実施例4 結晶性共重合ポリアミド樹脂を、融点が130℃で、相
対粘度が1.57であり、結晶化エネルギーが50.6
J/gである結晶性共重合ポリアミド樹脂D(ε−カプ
ロラクタム、ω−ラウロラクタム、ヘキサメチレンジア
ミンドデカノエートの3成分を前述の割合で共重合させ
たもの)とした以外は実施例1と同様にして行なった。
結果を表2に示す。
【0088】比較例1 結晶性共重合ポリアミド樹脂を、融点が130℃で、相
対粘度が1.70であり、結晶化エネルギーが41.4
J/gである共重合ポリアミド樹脂イ(ε−カプロラク
タム、ω−ラウロラクタム、ヘキサメチレンジアミンド
デカノエートの3成分を前述の割合で共重合させたも
の)とした以外は実施例1と同様にして行なった。
【0089】本比較例では融着塗料の粘度が高すぎるた
め、断線が多発し、製線が困難であった。得られた自己
融着性絶縁電線は、導体径が約3μm引き伸ばされてい
た。
【0090】結果を表2に示す。
【0091】比較例2 結晶性共重合ポリアミド樹脂を、融点が130℃で、相
対粘度が1.70であり、結晶化エネルギーが41.4
J/gである共重合ポリアミド樹脂イとし、融着塗料の
皮膜成分濃度を14%とした以外は実施例1と同様にし
て行なった。結果を表2に示す。
【0092】比較例3 結晶性共重合ポリアミド樹脂を、融点が130℃で、相
対粘度が1.35であり、結晶化エネルギーが41.0
J/gである共重合ポリアミド樹脂ロ(ε−カプロラク
タム、ω−ラウロラクタム、ヘキサメチレンジアミンド
デカノエートの3成分を前述の割合で共重合させたも
の)とした以外は実施例1と同様にして行なった。結果
を表2に示す。
【0093】比較例4 結晶性共重合ポリアミド樹脂のかわりに、融点が120
℃で、相対粘度が1.48であり、結晶化エネルギーが
0J/gである共重合ポリアミド樹脂ハ(ε−カプロラ
クタム、ω−ラウロラクタム、イソホロンジアミンアジ
ペートの3成分を共重合させたもの)を使用した以外は
実施例1と同様にして行なった。結果を表2に示す。
【0094】
【表2】
【0095】比較例1では、相対粘度が1.7の結晶性
共重合ポリアミド樹脂を含有する融着塗料を使用するた
め、皮膜成分濃度19%で製線するには粘度が高すぎ、
製線不能となる。
【0096】比較例2では、皮膜成分濃度を14%にす
るため、塗料粘度が製線可能範囲となり、製線は可能と
なるが、溶剤の使用量が多い。それゆえ、この融着塗料
を用いた自己融着性絶縁電線の場合、残留溶剤量が多く
なる。
【0097】比較例3では、相対粘度1.35の結晶性
共重合ポリアミド樹脂を用いるため、コイルの線間接着
力が低く、耐熱後のネック径変化量が大きい。
【0098】比較例4では、非結晶性共重合ポリアミド
樹脂を使用しているため、自己融着性絶縁電線にした場
合に、コイル寸法のネック径およびネジレ量(初期歪)
が大きく、接着力が低く、耐熱後のネック径変化量が大
きくなる。
【0099】一方、本発明における皮膜成分を含有する
融着塗料は、皮膜成分濃度を高くしても、塗料粘度を製
線可能な範囲に調整することができる。また、製線され
た自己融着性絶縁電線の残留溶剤量が少なく、臭気や環
境面での問題が少ない。また、この自己融着性絶縁電線
および自己融着性リッツ線から得られる偏向コイルは、
初期歪が小さく、接着力も高い。また、耐熱変形性も良
好である。
【0100】実施例5 融点が130℃で、25℃における0.5%メタクレゾ
ール溶液の相対粘度が1.52で、結晶化エネルギーが
46.9J/gである結晶性共重合ポリアミド樹脂A1
00部に対して、高融点ナイロンとして66ナイロン
(融点260℃)を3部、酸化防止剤としてIRGAN
OX1098を0.5部添加した皮膜成分をクレゾール
と芳香族(C9)ナフサとの重量比が70:30の混合
溶剤に、皮膜成分濃度が19%になるように溶解させた
融着塗料を得た。得られた融着塗料の粘度は、30℃に
おいて20dPa・sであった。この融着塗料を導体径
0.15mm、絶縁外径0.19mmのポリエステルイ
ミド絶縁電線上に塗布(ダイス絞り法にて塗布)、焼付
(炉長3.0m、炉温300℃、線速60m/min)
を3回繰り返し、融着皮膜厚さ10μmの自己融着性絶
縁電線を得た。
【0101】得られた自己融着性絶縁電線の10本を撚
り合わせて、自己融着性リッツ線とし、つぎにこの自己
融着性リッツ線を、成形条件が55ターン×2本巻、通
電時間1.5秒、通電電流55A、冷却プレス15秒、
金型温度40℃に設定した巻線機により巻線、融着、加
圧成形して、図1に示す偏向ヨークコイルを作製した。
【0102】得られた偏向ヨークコイルについて、図2
(a)、(b)に示した寸法を測定した。また、図3の
ようにして接着力を測定した。結果を表3に示す。
【0103】実施例6 結晶性共重合ポリアミド樹脂を、融点が130℃で、2
5℃における0.5%メタクレゾール溶液の相対粘度が
1.42であり、結晶化エネルギーが44.8cal/
gである結晶性共重合ポリアミド樹脂Bとした以外は実
施例5と同様にして行なった。結果を表3に示す。
【0104】実施例7 結晶性共重合ポリアミド樹脂を、融点が130℃で、2
5℃における0.5%メタクレゾール溶液の相対粘度が
1.47であり、結晶化エネルギーが47.7J/gで
ある結晶性共重合ポリアミド樹脂Cとした以外は実施例
5と同様にして行なった。結果を表3に示す。
【0105】実施例8 結晶性共重合ポリアミド樹脂を、融点が130℃で、2
5℃における0.5%メタクレゾール溶液の相対粘度が
1.57であり、結晶化エネルギーが50.6J/gで
ある結晶性共重合ポリアミド樹脂Dとした以外は実施例
5と同様にして行なった。結果を表3に示す。
【0106】実施例9 結晶性共重合ポリアミド樹脂を、融点が130℃で、2
5℃における0.5%メタクレゾール溶液の相対粘度が
1.50であり、結晶化エネルギーが15.3J/gで
ある結晶性共重合ポリアミド樹脂E(ε−カプロラクタ
ム、ω−ラウロラクタム、ヘキサメチレンジアミンドデ
カノエートの3成分を前述の割合で共重合させたもの)
とした以外は実施例5と同様にして行った。結果を表3
に示す。
【0107】実施例10 66ナイロンの添加量を8.0部とした以外は実施例5
と同様にして行なった。結果を表3に示す。
【0108】実施例11 66ナイロンのかわりに46ナイロン(融点290℃)
を用いた以外は実施例5と同様にして行なった。結果を
表3に示す。
【0109】実施例12 酸化防止剤IRGANOX1098の添加量を3部とし
た以外は実施例5と同様にして行なった。結果を表3に
示す。
【0110】実施例13 高融点ナイロンを添加しない以外は実施例5と同様にし
て行なった。結果を表4に示す。
【0111】実施例14 酸化防止剤を添加しない以外は実施例5と同様にして行
なった。結果を表4に示す。
【0112】比較例5 結晶性共重合ポリアミド樹脂を、融点が130℃で、2
5℃における0.5%メタクレゾール溶液の相対粘度が
1.70であり、結晶化エネルギーが41.4J/gで
ある共重合ポリアミド樹脂イとした以外は実施例5と同
様にして行なった。
【0113】本比較例では融着塗料の粘度が高すぎるた
め、断線が多発し、製線が困難であった。得られた自己
融着性絶縁電線は、導体径が約3μm引き伸ばされてい
た。結果を表4に示す。
【0114】比較例6 結晶性共重合ポリアミド樹脂を、融点が130℃で、2
5℃における0.5%メタクレゾール溶液の相対粘度が
1.70であり、結晶化エネルギーが41.4J/gで
ある共重合ポリアミド樹脂イとし、融着塗料の樹脂分濃
度を14%とした以外は実施例5と同様にして行なっ
た。結果を表4に示す。
【0115】比較例7 結晶性共重合ポリアミド樹脂を、融点が130℃で、2
5℃における0.5%メタクレゾール溶液の相対粘度が
1.35であり、結晶化エネルギーが41.0J/gで
ある共重合ポリアミド樹脂ロとした以外は実施例5と同
様にして行なった。結果を表4に示す。
【0116】比較例8 結晶性共重合ポリアミド樹脂の代わりに、融点が120
℃で、25℃における0.5%メタクレゾール溶液の相
対粘度が1.48であり、結晶化エネルギーが0J/g
である共重合ポリアミド樹脂ハを使用した以外は実施例
5と同様にして行なった。結果を表4に示す。
【0117】
【表3】
【0118】
【表4】
【0119】比較例5では、25℃における0.5%メ
タクレゾール溶液の相対粘度が1.7と著しく高い結晶
性共重合ポリアミド樹脂を含有する皮膜成分濃度19%
の融着塗料を使用するため、粘度が高く、製線が困難で
ある。
【0120】比較例6では、皮膜成分濃度を14%にし
ており、製線は可能であるが、融着塗料中の溶剤量が多
いため、この融着塗料を用いた自己融着性絶縁電線中の
残留溶剤量が多くなる。
【0121】比較例7では、25℃における0.5%メ
タクレゾール溶液の相対粘度が1.35の結晶性共重合
ポリアミド樹脂を使用しているため、自己融着性絶縁電
線にした場合に、コイルの初期歪が大きく、線間接着力
が低く、耐熱後のネック径変化量が大きくなる。
【0122】比較例8では、非結晶性共重合ポリアミド
樹脂を使用しているため、自己融着性絶縁電線とした場
合に、コイルの初期歪が大きく、接着力も低い。また、
耐熱後のネック径変化量も大きい。
【0123】一方、本発明における皮膜成分を含有する
融着塗料は、皮膜成分濃度を高くすることができ、塗料
粘度は製線可能な範囲に調整できている。そのため、自
己融着性絶縁電線の残留溶剤量は少ない。また、この自
己融着性絶縁電線および自己融着性リッツ線から得られ
る偏向コイルは、初期歪が小さく、接着力も高い。ま
た、耐熱変形性も良好である。さらに、接着力の経日低
下が実質的におこらない。
【0124】なお、実施例13では、高融点ナイロンを
添加していないため、コイルの初期歪はそれなりに大き
いが、残留溶剤量は少なく、高温でのコイル線間の経日
接着力も良好である。
【0125】また、実施例14では、酸化防止剤を添加
していないため、高温でのコイル線間接着力は経日的に
低下するが、残留溶剤量は少なく、コイルの初期歪も小
さい。
【0126】
【発明の効果】本発明1の自己融着性絶縁電線およびそ
れを用いた自己融着性リッツ線は、融着層に含まれる残
留溶剤量が少ないため、臭気や環境面での問題が少な
い。また、この自己融着性絶縁電線およびそれを用いた
自己融着性リッツ線を用いて製造される偏向ヨークコイ
ルは、コイルの初期歪が小さく、線間接着力、耐熱変形
性が良好である。
【0127】また、本発明2の自己融着性絶縁電線およ
びそれを用いた自己融着性リッツ線は、融着層に含まれ
る残留溶剤量が少ないため、臭気や環境面での問題が少
ない。また、この自己融着性絶縁電線およびそれを用い
た自己融着性リッツ線を用いて製造される偏向ヨークコ
イルは、高融点ナイロンを併用する場合には、コイルの
初期歪が小さく、線間接着力、耐熱変形性が良好であ
る。また、酸化防止剤を併用するばあいには、高温にお
いてもコイルの線間接着力の低下が実質的にない。
【0128】したがって、本発明1、2の自己融着性絶
縁電線およびそれを用いた自己融着性リッツ線は工業上
極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】自己融着性絶縁電線及び自己融着性リッツ線を
用いて作製した偏向コイルの説明図である。
【図2】作製した偏向コイルの寸法測定部位についての
説明図である。
【図3】作製した偏向コイルの接着力の測定方法につい
ての説明図である。
【符号の説明】
1 巻き始めの電線 2 上部フランジ部 3 巻線部 4 下部フランジ部 5 巻き終わりの電線 6 テンションゲージ A ネック径 B ネジレ量 H 水平面

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁電線上に、105〜150℃の温度
    範囲に融点があり、25℃における0.5重量%メタク
    レゾール溶液の相対粘度が1.4〜1.6である結晶性
    共重合ポリアミド樹脂を含有する塗料が塗布・焼付され
    た融着層が形成されており、かつ、形成された融着層を
    溶解させ、0.5重量%メタクレゾール溶液にした場合
    の相対粘度が1.4〜1.6であることを特徴とする自
    己融着性絶縁電線。
  2. 【請求項2】 絶縁電線上に、105〜150℃の温度
    範囲に融点があり、25℃における0.5重量%メタク
    レゾール溶液の相対粘度が1.4〜1.6である結晶性
    共重合ポリアミド樹脂と、200〜300℃の温度範囲
    に融点を有する高融点ナイロンおよび(または)酸化防
    止剤を含有してなる融着層を有することを特徴とする自
    己融着性絶縁電線。
  3. 【請求項3】 結晶性共重合ポリアミド樹脂の25℃に
    おける0.5重量%メタクレゾール溶液の相対粘度が
    1.47〜1.57である請求項1または2記載の自己
    融着性絶縁電線。
  4. 【請求項4】 結晶性共重合ポリアミド樹脂の結晶化エ
    ネルギーが10J/g以上である請求項1、2または3
    記載の自己融着性絶縁電線。
  5. 【請求項5】 高融点ナイロンの添加量が、結晶性共重
    合ポリアミド樹脂100重量部に対して2〜10重量部
    である請求項2、3または4記載の自己融着性絶縁電
    線。
  6. 【請求項6】 高融点ナイロンが66ナイロンである請
    求項2、3、4または5記載の自己融着性絶縁電線。
  7. 【請求項7】 高融点ナイロンが46ナイロンである請
    求項2、3、4または5記載の自己融着性絶縁電線。
  8. 【請求項8】 酸化防止剤の添加量が、結晶性共重合ポ
    リアミド樹脂100重量部に対して0.3〜5重量部で
    ある請求項2、3、4、5、6または7記載の自己融着
    性絶縁電線。
  9. 【請求項9】 酸化防止剤がフェノール系酸化防止剤で
    ある請求項2、3、4、5、6、7または8記載の自己
    融着性絶縁電線。
  10. 【請求項10】 酸化防止剤が、N,N′−ヘキサン−
    1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−
    4−ヒドロキシフェニル)−プロピオナミド]である請
    求項2、3、4、5、6、7または8記載の自己融着性
    絶縁電線。
  11. 【請求項11】 自己融着性絶縁電線中の残留溶剤量
    が、融着層樹脂重量に対して0.8重量%以下である請
    求項1、2、3、4、5、6、7、8、9または10記
    載の自己融着性絶縁電線。
  12. 【請求項12】 請求項1、2、3、4、5、6、7、
    8、9、10または11記載の自己融着性絶縁電線を素
    線とし、複数本の素線を撚り合わせてなることを特徴と
    する自己融着性リッツ線。
  13. 【請求項13】 自己融着性絶縁電線の導体径が0.1
    0〜0.20mmである請求項12記載の自己融着性リ
    ッツ線。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002298652A (ja) * 2001-03-29 2002-10-11 Auto Kagaku Kogyo Kk 自己融着性電気絶縁塗料及びこれを用いた自己融着性絶縁電線
WO2013058318A1 (ja) * 2011-10-19 2013-04-25 古河電気工業株式会社 絶縁塗料、絶縁電線、及び絶縁電線の製造方法

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