JP2002004970A - 燃料噴射装置 - Google Patents
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Abstract
更する必要がなく、かつ開弁に必要な制御室の圧力の増
加量を一定にすることで、開弁に必要なピエゾスタック
の伸び量を最小にし、装置の小型化を可能にする。 【解決手段】 噴孔を開閉するニードル3と一体に摺動
する変位拡大ピストン2の上端面2cに面して背圧室6
を設けてコモンレール圧を導入し、ピストン2の下端面
2bに加わる燃料圧およびニードル3に加わる燃料圧と
バランスさせる。これにより、ニードル2にはスプリン
グ13の閉弁方向の付勢力のみが作用するので、コモン
レール圧によらず一定のスプリング力で作動が可能とな
る。また、背圧室6を噴孔33に供給する燃料を蓄える
蓄圧室11に連通させたので、開弁時に背圧室6の燃料
を速やかに排出して、圧力増加を抑制し、ニードル2を
速やかにリフトさせる。
Description
レール燃料噴射システムに好適に用いられる燃料噴射装
置に関する。
81号公報に記載されるピエゾ駆動式の燃料噴射装置が
あり、コモンレール内の高圧燃料を内燃機関の各気筒に
噴射供給するために用いられている。図5に示すよう
に、この燃料噴射装置は、ハウジング100の上半部内
に収容したピエゾスタック102を伸縮させることによ
り、制御室101内の燃料を増減し、これに伴ってニー
ドル103を駆動する構成を有している。制御室101
はレギュレータを介して高圧ポンプに連通し、ピエゾス
タック102の収縮時にほぼコモンレール圧となるよう
に制御されている。この時、ニードル103は、下端部
103cがシート部111に着座して、燃料溜まり10
5と噴孔112の連通を遮断している。
ジング100の第1ガイド穴104内に摺動可能に保持
され、大径の上端部103aが第2ガイド穴106内に
摺動可能に位置している。上端部103a上方のスプリ
ング室107には、スプリング109が収容されて、ニ
ードル103に閉弁方向の力を作用させている。一方、
ニードル103には、上端部103aと中間部103b
の段差面110に加わる制御室101内の燃料圧、中間
部103bと下端部103cの段差面108に加わる燃
料溜まり105の燃料圧、および下端部103cの直径
とシート部の直径の差に相当する面積に加わる燃料溜ま
り105の燃料圧とによる開弁方向の力が作用してお
り、この開弁力が、スプリング109の閉弁力を上回る
とニードル103がリフトする。
チャートに基づいて説明する。図中、時間(1) は駆動回
路から電圧が印加されてピエゾスタック102が伸長を
始める時間を、時間(2) はニードル103がリフトを開
始する時間を、時間(3) はニードル103のリフト量が
最大になる時間を示している。図6(a)において、ピ
エゾスタック102が収縮状態にある、時間(1) 以前で
は、スプリング109による閉弁方向の力が、開弁方向
に作用する力の総和より大きく、ニードル103はシー
ト部111に押圧されて閉弁している。また、制御室1
01および燃料溜まり105内はコモンレール圧に保た
れている。時間(1) において、ピエゾスタック102が
伸び始めると、制御室101内の容積が減少して圧力が
上昇し、段差面110に作用する開弁方向の力が次第に
増加する。
の力より大きくなると、ニードル103がシート部11
1から離れてリフトし始め、燃料の噴射が開始される。
時間(2) から時間(3) にかけて、制御室101の圧力は
スプリング109が収縮することによる反発力の増加に
より徐々に増加する。時間(3) でピエゾスタック102
の伸び量が最大になり、ニードル103のリフト量が最
大になる。
置では、上述したように、開弁方向に作用する力を燃料
圧が受持ち、閉弁方向に作用する力をスプリング109
が受持つ構造となっている。ところが、この構造では、
制御室101および燃料溜まり105の圧力がコモンレ
ール圧によって変動し、図6(a)に示すように、コモ
ンレール圧が高くなると、制御室101および燃料溜ま
り105の圧力が増加して開弁方向の力が増加する。こ
のため、装置によって異なるコモンレールの設定圧に合
わせて、閉弁方向に作用する力を受持つスプリング力を
増加させる、つまりスプリング109を交換する必要が
生じる。
グ109を交換せずに設定圧の変化に対応した場合を考
えると、コモンレール圧が高い状態でも閉弁を維持する
必要から、スプリング109は閉弁力(スプリング力)
の大きいものを用いる必要がある。この時、コモンレー
ル圧が低い状態では、閉弁力が燃料圧による開弁力より
はるかに大きくなり、時間 (2)´で開弁するまでに必要
な制御室101圧力の増加量が大きくなる。つまり、制
御室101の容積を大きく減少させる必要があるため
に、ピエゾスタック102の伸び量が大きくなり、ピエ
ゾスタック102を含む駆動部の体格が大きくなって、
装置全体が大型化する問題がある。
圧に応じてスプリング109を変更する必要がなく、か
つ開弁に必要な制御室の圧力の増加量を一定にすること
で、開弁に必要なピエゾスタックの伸び量を最小にし、
装置の小型化を可能にすることにある。
噴射装置は、噴孔を開閉するニードルに開弁方向の燃料
圧を作用させる制御室と、上記ニードルに閉弁方向の付
勢力を作用させるスプリング部材を有し、該制御室内の
燃料をピエゾ駆動部により加圧して上記ニードルをリフ
トさせるものである。そして、上記ニードルと一体に摺
動するピストン部材を設けて、該ピストン部材の下端面
に上記制御室内の燃料圧を作用させる一方、上端面に閉
弁方向の燃料圧を作用させる背圧室を設けて、該背圧室
を燃料供給路に連通させ、かつ上記噴孔に供給する燃料
を蓄える蓄圧室を設けて、上記背圧室と上記蓄圧室とを
連絡穴にて連通させたことを特徴とする。
ピストン部材の上端面に、閉弁方向の燃料圧を作用させ
る背圧室を設けたので、開弁方向の燃料圧とほぼバラン
スし、上記ニードルには、上記スプリング部材の閉弁力
のみが作用する。よって、コモンレール圧の設定圧変化
に応じて、上記スプリング部材を変更する必要がなく、
開弁に必要な制御室の圧力増加量を一定とできる。しか
も、上記背圧室を連絡穴にて上記蓄圧室に連通させたの
で、例えば、上記ピストン部材の移動に伴い上記背圧室
の容積が縮小しても、上記背圧室内の燃料が上記連絡穴
から上記蓄圧室に排出されて、上記背圧室の圧力上昇を
抑制する。従って、上記ニードルを速やかにリフトさせ
ることができ、開弁に必要なピエゾの伸び量を最小にし
て、ピエゾ駆動部の体格を小型にすることができる。
ける。これにより、開弁時の上記背圧室から上記蓄圧室
への燃料の排出、あるいは、閉弁時の上記蓄圧室から上
記背圧室への燃料の導入がより速やかになされる。
ニードルまたは上記ニードルと上記ピストン部材を連結
する軸部材の外周に設け、上記蓄圧室内に上記スプリン
グ部材を配設する。このようにすると、ハウジング径を
大きくすることなく、上記蓄圧室の容積を確保でき、装
置の小型化が可能である。
1の実施の形態を説明する。図1は、本実施の形態の燃
料噴射装置の全体構成図で、高圧ポンプで加圧した高圧
燃料をコモンレールに蓄圧し、エンジンの各気筒に対応
して設けたインジェクタIに供給する構成を有してい
る。高圧ポンプには図略の燃料タンクからフィードポン
プを経て燃料が供給される。インジェクタIは、ピスト
ン部材である変位拡大ピストン2が摺動自在に配設され
る本体ハウジング1を有し、ハウジング1の下端にはニ
ードル3を収容するノズルボデー31が、上端にはピエ
ゾ駆動部4を構成するピエゾスタック41を収容するピ
エゾカバー42が固定してある。ノズルボデー31はノ
ズルリテーナ32で、ピエゾカバー42はリテーナ43
を用いてハウジング1にそれぞれ固定される。
口部内に嵌着される容器状のホルダ44と、ホルダ44
内に収容されるピストン45を有する。ホルダ44の上
端面はピエゾカバー42の下端面に当接している。リテ
ーナ43はこれらピエゾカバー42およびホルダ44に
外挿されてハウジング1に螺結されており、ピエゾカバ
ー42およびホルダ44には下向きの力が作用してハウ
ジング1に密着している。ピストン45はホルダ44内
周面とわずかなクリアランスを有して摺動可能であり、
その上面はピエゾスタック41の下面に当接している。
そして、ピストン45下面とホルダ44との空間46に
配したスプリング47の付勢力がピストン45を介して
ピエゾスタック41に上向きに作用してピエゾスタック
41上面をピエゾカバー42頂面に密着させている。よ
って、外部の駆動回路により、ピエゾスタック41上面
に接続するリード線48を介してピエゾスタック41を
伸縮させると、これと密着を保持しつつピストン45が
一体に上下動する。
から突出する先端部に噴孔33を有し、ニードル3がシ
ート面34に着座することにより噴孔33とその上流側
とを遮断するようになしてある。ニードル3の上端は、
変位拡大ピストン2の下面に一体に設けた軸部材2aの
下端に、コネクタ21によって連結されており、連結端
面を密着させていることによりニードル3と変位拡大ピ
ストン2は一体となって上下動する。ハウジング1の下
半部内には、小径の軸部材2a周りに高圧燃料を蓄える
蓄圧室11が形成してあり、ニードル3とノズルボデー
31との間隙によって形成される燃料溜まり35に高圧
燃料を供給している。
上下に区画され、スプリング室を兼ねる下室内には、変
位拡大ピストン2周りにスプリング13が配設されて、
変位拡大ピストン2およびこれと一体のニードル3を下
方(すなわち閉弁方向)に付勢している。蓄圧室11の
上下室は仕切り部材12に設けた複数の通路14によっ
て連通している。
の第1のガイド穴15内にわずかなクリアランスを有し
て摺動可能に保持されており、第1のガイド穴15の上
方に設けた大径の第2のガイド穴16内に、軸部材2a
より大径の変位拡大ピストン2が位置している。この変
位拡大ピストン2の下面2bと、軸部材2a、第2のガ
イド穴16の底部内壁面との間に形成される環状空間に
よって、制御室5が形成され、制御室5はハウジング1
およびホルダ44内に形成される連通路51を介して、
ピストン45下方の空間46に連通している。制御室5
と連通路51および空間46は、図略のオリフィス通路
を介してコモンレールから供給される高圧燃料が満たさ
れ、変位拡大ピストン2に対し上向き(開弁方向)の燃
料圧を作用させている。
ガイド穴16の上部内壁面との間に形成される空間は、
背圧室6としてある。この背圧室6は、ハウジング側方
に突出する燃料供給路17、およびバーフィルタ18を
介してコモンレールに連通し、コモンレールから供給さ
れる高圧燃料によって、変位拡大ピストン2に対し下向
き(閉弁方向)の燃料圧を作用させている。また、蓄圧
室11から上方に延びる連絡穴22が、背圧室6近傍に
て燃料供給路17に接続し、この連絡穴22により背圧
室6と蓄圧室11とが連通している。
イムチャートを用いて説明する。図において、時間よ
り以前は、駆動回路からピエゾスタック41への電圧が
印加がなく、ピエゾスタック41は収縮している。この
時、制御室5と背圧室6および蓄圧室11内の圧力はコ
モンレール内の圧力と等しく、変位拡大ピストン2の上
面2cに作用する背圧室6内の燃料圧による閉弁方向の
力と、下面2bに作用する制御室5内の燃料圧、ニード
ル2とシート面34の直径差に相当する面積に作用する
燃料溜まり35内の燃料圧による開弁方向の力とは、ほ
ぼバランスしている。従って、ニードル2には、スプリ
ング13の付勢力による閉弁方向の力のみが作用し、ニ
ードル2がシート部34に着座するため、燃料の噴射は
行われない。
間においてピエゾスタック41への印加電圧を増加さ
せると、ピエゾスタック41が伸長し、これと一体のピ
ストン45がスプリング47の付勢力に抗して下方に移
動する。これに伴いピストン45下方の空間46の容積
が減少し、連通路51を介してこれと連通する制御室5
内の圧力が上昇して、変位拡大ピストン2の下面2bに
作用する開弁方向の力が増加する。この開弁方向の力
が、スプリング13による閉弁方向の力より大きくなる
と、時間で、変位拡大ピストン2がリフトし始める。
同時に、変位拡大ピストン2と一体のニードル2がリフ
トを開始し、シート面34から離れると、蓄圧室11か
ら燃料溜まり35に供給される燃料が噴孔33から噴射
される。
始すると、背圧室6の容積が減少して圧力が増加する
が、本発明では、背圧室6が連絡穴22を介して蓄圧室
11と連通させているため、変位拡大ピストン2に作用
する閉弁方向の圧力増加が抑制される。すなわち、ニー
ドル2がリフトして燃料が噴射されることによって、蓄
圧室11内の圧力が減少するため、連絡穴22の径を十
分大きくすれば、背圧室6の燃料を速やかに蓄圧室11
に排出することができる。よって、変位拡大ピストン2
に作用する閉弁方向の圧力増加を抑制し、瞬間的なピエ
ゾスタック41の動きに合わせた変位拡大ピストン2の
リフトが可能になる。
た場合でも、変位拡大ピストン2に作用する開弁方向の
燃料圧と閉弁方向の燃料圧とはバランスされており、ス
プリング13の閉弁方向の力のみが変位拡大ピストン2
に作用することになる。よって、コモンレール圧にかか
わらず、必要な制御室5の圧力増加量を一定とすること
ができ、時間でピエゾスタック102の伸び量が最大
になり、ニードル103のリフト量が最大になる。従っ
て、コモンレール圧に応じてスプリング13を変更する
必要がなく、ピエゾスタック41の伸び量が最小となる
ようにスプリング力を設定して、ピエゾ駆動部の体格を
小型にすることができる。また、蓄圧室11を軸部材2
a周りに設け、スプリング13を配設する構成としたこ
とにより、装置全体をより小型にすることが可能であ
る。
本実施の形態では、背圧室6と蓄圧室11を連通する連
絡穴22を複数設けている。これにより、変位拡大ピス
トン2のリフト時に、背圧室6から蓄圧室11への燃料
の排出をより速やかに行うことができる。また、図3に
おいて、背圧室6には、図示しないハウジング1内に、
コモンレールから背圧室6へ至る燃料供給通路が形成さ
れている。その他の構成は、上記第1の実施の形態と同
様である。
る作動を説明するためのタイムチャートで、第1の実施
の形態と比較して示している。図中、時間以前は、第
1の実施の形態と同様である。時間で、ニードル3が
リフトを開始すると、連絡穴22を複数設けた第2の実
施の形態では、背圧室6から蓄圧室11へ燃料が排出し
やすいために、背圧室6の圧力上昇が小さく、制御室5
の圧力上昇が速やかになされるために、第1の実施の形
態よりも早い時間´において、変位拡大ピストン2の
リフト量が最大となる。
ック41への印加電圧を減少させてこれを収縮させる
と、ピストン44の上方への移動に伴い、制御室5の圧
力が低下して変位拡大ピストン2が下降を開始する。そ
して、開弁方向の力がスプリング13による閉弁方向の
力より小さくなると、ニードル3がシート面34に着座
して噴射が終了する。この時、変位拡大ピストン2の下
降とともに、背圧室6の容積が増加するが、複数の連通
穴22を有する第2の実施の形態では、容積増加分の燃
料が蓄圧室11から直ちに供給されて、背圧室6の圧力
低下が微小であるために、変位拡大ピストン2が速やか
に下降し、ピエゾスタック41の収縮が終了する時間
より以前に、噴射が終了する。
弁をより迅速に行うことができ、噴射特性を向上させる
ことができる。
ル燃料噴射装置の全体構成図である。
ムチャートである。
である。
ムチャートである。
イムチャートで、(a)はコモンレール圧が変化した場
合の影響を示す図、(b)はスプリングを変更しない場
合のコモンレール圧変化の影響を示す図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 噴孔を開閉するニードルに開弁方向の燃
料圧を作用させる制御室と、上記ニードルに閉弁方向の
付勢力を作用させるスプリング部材を有し、該制御室内
の燃料をピエゾ駆動部により加圧して上記ニードルをリ
フトさせる燃料噴射装置において、上記ニードルと一体
に摺動するピストン部材を設けて、該ピストン部材の下
端面に上記制御室内の燃料圧を作用させる一方、上端面
に閉弁方向の燃料圧を作用させる背圧室を設けて、該背
圧室を燃料供給路に連通させ、かつ上記噴孔に供給する
燃料を蓄える蓄圧室を設けて、上記背圧室と上記蓄圧室
とを連絡穴にて連通させたことを特徴とする燃料噴射装
置。 - 【請求項2】 上記連絡穴を複数設けた請求項1記載の
燃料噴射装置。 - 【請求項3】 上記蓄圧室を、上記ニードルまたは上記
ニードルと上記ピストン部材を連結する軸部材の外周に
設け、上記蓄圧室内に上記スプリング部材を配設した請
求項1または2記載の燃料噴射装置。
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