JP2002003557A - プロピレン系ブロック共重合体の製造法 - Google Patents

プロピレン系ブロック共重合体の製造法

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JP2002003557A
JP2002003557A JP2000185653A JP2000185653A JP2002003557A JP 2002003557 A JP2002003557 A JP 2002003557A JP 2000185653 A JP2000185653 A JP 2000185653A JP 2000185653 A JP2000185653 A JP 2000185653A JP 2002003557 A JP2002003557 A JP 2002003557A
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csi
propylene
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hydrocarbon group
slurry
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JP2000185653A
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Shiro Goto
志郎 後藤
Fumihiko Shimizu
史彦 清水
Atsushi Hosoi
淳 細井
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Japan Polychem Corp
Original Assignee
Japan Polychem Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】外観、耐衝撃性に優れたプロピレン系ブロック
共重合体の製造方法の提供。 【解決手段】立体規則性触媒の存在下、α−オレフィン
の重合を水素の存在下に液相で行う第1重合工程、第1
重合工程で得られた重合体を存在させた、プロピレンと
プロピレン以外のα−オレフィンの共重合を第1重合工
程で立体規則性触媒の作用下気相で行う第2重合工程を
含むプロピレン系ブロック共重合体の連続製造方法であ
って、(1)第1重合工程の重合槽から抜き出した重合
体スラリーを沈降液力分級器を含む分級システムで、大
粒径粒子スラリーと小粒径粒子スラリーとに分級、大粒
径粒子スラリーを第2重合工程に送り、小粒径粒子スラ
リーを第1重合工程に戻すこと(2)立体規則性触媒は
(A)Tr、Mg、ハロゲンを含む固体成分に、特定の
ケイ素化合物を接触させる固体触媒(B)有機アルミニ
ウム化合物(C)特定の有機ケイ素化合物を含むことを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】(発明の属する技術分野)本発明は、プロ
ピレン系ブロック共重合体の製造法に関する。さらに詳
しくは、本発明は、きわめて活性が高く、かつ、プロピ
レン単独重合体部分において高い立体規則性が得られる
触媒を使用し、粉体性状、外観ならびに機械物性、とり
わけ耐衝撃性に優れたプロピレン系ブロック共重合体の
製造法に関する。
【0002】(従来技術)結晶性ポリプロピレンの耐衝
撃性を改良する方法としては、(1) 少量のα−オレ
フィンを共重合する方法、(2) ゴム成分を機械的に
ブレンドする方法、(3) プロピレンを主成分とする
重合を行い、ついで、プロピレンとプロピレン以外のα
−オレフィンを共重合させる、いわゆるブロック共重合
を行う方法などが知られている。しかしながら、(1)
の方法は、耐衝撃性の改良効果の割に剛性の低下が大き
く、結果的に剛性〜耐衝撃性バランスが低下するという
問題点があるようである。また、(2)の方法において
は、剛性〜耐衝撃性バランスは改良されるものの、ブレ
ンドに用いられるゴムが一般に高価であるため、コスト
的に不利にならざるを得ない。こうした背景をふまえ、
結晶性ポリプロピレンの耐衝撃性を改良する方法として
もっともよく用いられているのは、(3)のブロック共
重合である。ブロック共重合は、プロピレンを主成分と
するブロックからなる樹脂質成分の存在下に、プロピレ
ンとエチレン等との共重合体ブロックからなるゴム質成
分を生成させることからなっていて、両成分の配合を引
き続く重合によって行うところから、ケミカルブレンド
とも呼ばれて賞用されている。ところで、ブロック共重
合を行うにあたり、製造コスト削減のためには、各ブロ
ックの生成を別々の重合槽で(そして、必要に応じて各
ブロックの生成を2槽以上で)行う連続プロセスを使用
するのが、回分式プロセスに比べて有利である。しか
し、過度に多数の重合槽を用いる多槽プロセスは、建設
コストや運転コストの面で不利であることから、各ブロ
ックの生成をなるべく少ない数の重合槽で行うのが望ま
しいと言える。したがって、AB 2種のブロックから
なるブロック共重合体は、2槽の連続プロセスによって
製造するのが最も望ましいと言える。そして、第1槽で
プロピレンを主成分とする樹脂質成分を作り、第2槽で
ゴム質成分を作ることがよく行われている。ところで、
単純な2槽連続プロセスで得られるプロピレン系ブロッ
ク共重合体は、回分式プロセスで得られるものに比べ
て、一般に耐衝撃性ならびに外観が劣る傾向がある。こ
れは、次のようなメカニズムによるものと推定される。
すなわち、単純な2槽連続プロセスにおいては滞留時間
分布が存在するため、かなり多くの重合体/触媒粒子
が、所定の滞留時間を経ることなく、第1槽の重合槽か
ら第2槽の重合槽へと移送される(これをショート・パ
スと称する)。第1槽をショートパスした重合体/触媒
粒子は、所定の滞留時間を経ていないために樹脂質成分
の生成が充分でないうえ、所定の滞留時間を経たものに
比べて高活性である。このため、該ショートパス粒子
は、第2槽において、所定量を越えた高ゴム含量の重合
体粒子を形成する。こうした高ゴム含量の粒子に含まれ
るゴム質成分は、溶融混練時に分散不良を起こすため、
成形体において、いわゆるフィッシュアイ(ゲルとも言
う)を形成する。このようなフィッシュアイは、外観を
悪化させるだけでなく、フィッシュアイの界面は、過大
な応力集中点になるため、破壊の起点となりやすい。し
たがって、耐衝撃性、特に低温耐衝撃性が低下すると考
えることができる。したがって、成形品に含まれるフィ
ッシュアイ(ゲル)の個数と耐衝撃性(特に低温耐衝撃
性)との間には相関があり、フィッシュアイ(ゲル)の
少ないものほど、ゴム質成分の含量見合いで耐衝撃性
(特に低温耐衝撃性)が高い。以上のメカニズムにもと
づくならば、外観の悪化と耐衝撃性の低下を防ぐために
は、第1槽(すなわち、第1重合工程)における粒子の
ショート・パスを抑制すればよいことになる。このよう
な目的のために、例えば特公昭49−12589号にお
いては、第1段階で複数の重合槽を直列に接続する方法
が公開されている。しかしながら、こうした方法は、必
然的に多槽プロセスとなり、コスト的に不利であること
は、先に述べた通りである。また、第1槽における粒子
のショート・パスを抑制する別の方法として、分級シス
テムを使用する方法が知られている。例えば、特開昭5
1−135987号や特開昭55−116716号にお
いて、第1槽のポリプロピレン粒子を濃縮・分級し、第
1槽をショート・パスした触媒粒子や、成長不十分な小
粒径粒子を除去する方法が知られている。さらに、特開
昭55−106533号において、第1槽の重合体スラ
リーを、撹拌しながら抜出し、該抜出しスラリーを向流
洗浄することにより、実質的に小粒子成分の少ないスラ
リーを得て、第2段共重合槽に供給する方法が知られて
いる。しかしながら、こうした単なる分級システムで
は、若干の耐衝撃性改良効果は見られるものの、まだ十
分とは言えなかった。また、特開平7−286004号
においては、サイクロンを用いた分級システムにより、
オレフィン重合体を連続的に製造する手法が公開されて
いる。しかしながら、該手法においては、以下の問題を
有している。第1には、小粒径粒子、とりわけ、74μ
未満の微粉の分離が不十分であり、ショートパス抑制効
果が低い。第2には、サイクロンを使用した分級システ
ムの場合、分級効率を上げるためにリサイクル率を上げ
ると、生産性が著しく低下するという欠点がある。一
方、ショートパスを抑制する観点とは別に、ゴム重合の
段階である種の助剤を供給することにより、プロピレン
系ブロック共重合体の耐衝撃性を改良する技術が知られ
ている。例えば、特開昭55−115417号において
は、第3級アミン、ケトン、エーテル、エステル、酸ア
ミド、リン酸アミドを供給する技術が、特開昭57−1
47508号においては、ハロゲン含有アルミニウム化
合物を供給する技術が、特開昭61−69821号にお
いては、アルコールを供給する技術が、特開昭62−1
16618号においては、グリコールエーテルを供給す
る技術が、特開平1−152116号においては、硫化
水素を供給する技術が、それぞれ公開されている。しか
しながら、発明者らの知見によると、マグネシウム化合
物担持型の高活性触媒を使用した場合には、助剤の供給
による耐衝撃性の改良方法は、満足できるものではなか
った。具体的には、耐衝撃性を改良しようとすると、ゴ
ムの重合活性を著しく低下させる必要があった。このた
め、第1槽におけるプロピレン重合体の活性とのギャッ
プが大きくなり、生産性の低下を余儀なくされるもので
あった。このように、従来技術は、コスト・物性等の面
でさまざまな課題を有していたと言うことができよう。
こうした問題をふまえ、本発明者らは、特開平9−27
8847号、特開平9−316146号、特開平10−
120741号、特開平10−120742号におい
て、特定の触媒と分級プロセスを組み合わせ、所望によ
り活性水素化合物の存在下でゴム質成分の重合を行うこ
とにより、粉体性状、外観ならびに物性に優れるブロッ
ク共重合体を低コストで製造できることを示した。しか
しながら、これらの特許で開示されている触媒性能に
は、さらなる改善の余地があった。
【0003】(発明が解決しようとする課題)本発明が
解決しようとする課題は、活性、立体規則性に優れた触
媒を用い、粉体性状、外観、機械物性に優れたプロピレ
ン系ブロック共重合体の製造法を提供することにある。
【0004】(課題を解決するための手段)本発明は、
特定の立体規則性触媒成分、すなわち、下記成分
(A)、(B)、(C)を組み合わせてなる特定の立体
規則性触媒を使用し、該触媒の存在下、第1段階重合工
程において、液体プロピレンを主成分とするα−オレフ
ィンの重合を、沈降液力分級器と濃縮器からなる分級シ
ステムを使用して行い、次に、第2段階重合工程とし
て、プロピレンとプロピレン以外のα−オレフィンの共
重合を、第1段階重合工程での立体規則性触媒の作用下
で、必要に応じて、活性制御剤の存在下に行うことによ
り、良好な粉体性状、耐衝撃性ならびに外観に優れたプ
ロピレン系ブロック共重合体を低コストで製造できるこ
とを見出した。本発明は、この発見にもとづくものであ
る。
【0005】(発明の要旨)本発明は、立体規則性触媒
の存在下、第1段階重合工程において、液体プロピレン
を主成分とするα−オレフィンの重合を、水素の存在下
に単独の重合槽で行い、次に、第2段階重合工程とし
て、第1段階重合工程で得られた重合体をプロピレン・
α−オレフィン共重合槽に送り、プロピレンとプロピレ
ン以外のα−オレフィンの共重合を、第1段階重合工程
での立体規則性触媒の作用下に、実質的に気相中で行う
プロピレン系ブロック共重合体の連続製造法であって、
下記の要件、すなわち、 (1) 第1段階重合工程の重合槽から抜き出した重合
体スラリーを、沈降液力分級器を含む分級システムを用
いて、大粒径粒子を多く含むスラリーと小粒径粒子を多
く含むスラリーとに分級し、大粒径粒子を多く含むスラ
リーを第2段階重合工程に送り、小粒径粒子を多く含む
スラリーを、元の第1段階重合工程の重合槽に戻すこ
と。 (2) 立体規則性触媒として、下記成分(A)、
(B)、(C)を組み合わせてなる触媒を使用するこ
と。 (A) チタン、マグネシウム、ハロゲン、電子供与性
化合物を必須成分として含有する固体成分に、一般式
(R1)(R23-mSi(OR3m(ここで、R1は分岐
鎖状脂肪族炭化水素基または環状脂肪族炭化水素基であ
り、R2は、R1と同一もしくは異なる炭化水素基または
ヘテロ原子含有炭化水素基であり、R3は、炭素数2以
上の炭化水素基であり、mは、1≦m≦3なる数を表
す)を接触させてなる固体触媒成分。 (B) 有機アルミニウム化合物。 (C) 一般式(R44-nSi(OR5n(ここで、R
4は炭化水素基であり、R5は、炭素数1以上12以下の
炭化水素基であり、nは、1≦n≦3なる数を表す)で
表される有機ケイ素化合物。を満たすことを特徴とする
プロピレン系ブロック共重合体の製造法に存する。
【0006】(本発明の効果)本発明の特定の触媒は、
活性、立体規則性がきわめて高く、生成するブロック共
重合体は、粉体性状、外観ならびに機械的物性に優れて
おり、工業的にきわめて価値が高い。
【0007】(本発明の主要構成要件と発明の実施の形
態) (i) 本発明の主要構成要件 本発明は、特定のマグネシウム化合物担持型の触媒を用
いたうえで、沈降液力分級器と濃縮器からなる分級シス
テムを用い、さらに必要に応じて、第2段階重合工程に
おいて、活性水素化合物の存在下にプロピレンとα−オ
レフィンの共重合を行うことにより、良好な耐衝撃性を
有するプロピレン系ブロック共重合体を得ることに成功
したものである。この特定の要件の充足によって良好な
耐衝撃性を有するプロピレン系ブロック共重合体が得ら
れるということは、思いがけなかったものと解される。
しかし、本発明者らは、本発明完成の過程において得ら
れた知見から、耐衝撃性が向上する理由について、現時
点において、次のような推定を行っている。従来の技術
の項でも述べたように、一般に連続プロセスで得られた
プロピレン系ブロック共重合体の耐衝撃性が劣る理由
は、滞留時間分布によって、所定量を越える高いゴム含
量の重合体粒子が生成し、こうした高ゴム含量粒子由来
のゴムが、混練時に分散不良を起こすためと考えること
ができる。したがって、こうした高ゴム含量の粒子生成
を抑制できれば、良好な耐衝撃性が得られると考えるこ
とができる。この手法としては、(a) 第1段階重合
におけるショート・パスを抑制する方法、ならびに、
(b) 第2段階重合工程における共重合活性を制御
し、過度に高いゴム含量粒子の生成を抑制する方法、の
ふたつを考えることができる。本発明において、請求項
(1)〜(3)は、主として(a)の方法を採用したも
のであり、請求項(4)〜(6)は、これらふたつの方
法を同時に採用したものである。第1段階重合工程にお
けるショート・パスを抑制するためには、なんらかの手
段で、第1段階重合工程において滞留時間の短い触媒を
分離する必要がある。この場合、最も実用的な分離方法
は、分級器による粒径にもとづく分離である。なぜなら
ば、滞留時間の短い触媒が形成する重合体粒子の粒径は
一般に小さく、逆に、滞留時間の長い粒子の場合は大粒
径となるため、小粒径粒子の分離は、滞留時間の短い粒
子の分離につながるからである。次に、第2段階重合工
程における共重合活性の制御は、一般には触媒毒として
知られる化合物を共存させることによって可能となる。
第2段階重合工程に供給される有機アルミニウム化合物
に対して、適当な量の触媒毒を供給し、この供給量の制
御によって、共重合活性を制御することができる。こう
した制御によって、ある程度活性を抑制することが可能
であり、過度に高いゴム含量粒子の生成を抑制すること
ができる。本発明においては、第1段階重合工程におけ
るショート・パスを抑制しているので、高ゴム含量の粒
子の生成を効果的に抑制することが可能になっている。
また、第1段階重合工程におけるショート・パスを抑制
したうえに、さらに、第2段階重合工程において共重合
活性を制御することにより、いっそう効果的に、高ゴム
含量の粒子の生成を抑制することが可能になっている。
これらの効果のために、高い耐衝撃性の発現が可能にな
ったものと発明者らは推定している。本発明によるブロ
ック共重合体の製造法は、基本的には、プロピレンを主
成分とするα−オレフィン重合体を生成させる工程(第
1段階重合工程)と、プロピレンとプロピレン以外のα
−オレフィンの共重合体を生成させる工程(第2段階重
合工程)とからなるものであって、第2段階重合工程に
供給される重合体の分級に関する要件、さらに、第2段
階重合工程において、必要に応じて、共重合活性を制御
する化合物を共存させるという共重合方法に関する要件
に大きな特徴がある。 前者の要件は、主として、第1
段階重合工程での滞留時間が短い重合体が、第2段階重
合工程に供給されるのを抑制することに関する要件であ
る。通常、連続重合法においては、重合体の重合工程で
の滞留時間と重合体の粒径との間には、ある一定の関係
が成立し、一般に滞留時間の長い重合体の粒径は大き
く、滞留時間の短い重合体の粒径は小さい。このため、
分級システムを使用すれば、粒径の小さい滞留時間の短
い重合体は元の重合槽に戻されるので、第2段階重合工
程への供給が抑制される。後者の要件は、前述のよう
に、第2段階重合工程における共重合活性を制御する手
法に関する要件である。活性制御剤を使用することによ
って、所定量を超える過度に高いゴム含量粒子の生成を
効果的に抑制することが可能となる。以下、本発明の実
施の形態を、より詳しく説明する。
【0008】(ii) プロピレン系ブロック共重合体 本発明のプロピレン系ブロック共重合体とは、一般に、
立体規則性触媒の存在下、第1段階重合工程において、
プロピレンを主成分とするα−オレフィンの重合を行
い、次に、第2段階重合工程として、プロピレンとプロ
ピレン以外のα−オレフィンの共重合を、第1段階重合
工程での立体規則性触媒の作用下に行って得られるプロ
ピレン系の重合体である。なかでも、第1段階重合工程
でプロピレンの単独重合を行い、第2段階重合工程でプ
ロピレンとエチレンの共重合を行って得られる、いわゆ
るプロピレン・エチレンブロック共重合体の製造が、物
性に優れた重合体を低コストで得ることが可能なため、
望ましい実施形態のひとつである。このようにして得ら
れたブロック共重合体は、一般に、プロピレン系重合体
とプロピレン・α−オレフィン共重合体の混合物となっ
ている。なお、第1段階重合工程で得られるプロピレン
系重合体と、第2段階重合工程で得られるプロピレン・
α−オレフィン共重合体とが化学的に結合した、いわゆ
る真のブロック共重合体が含有されていてもよい。本発
明のブロック共重合体の成分であるプロピレン系重合体
とプロピレン・α−オレフィン共重合体に関して、組
成、組成分布、分子量、分子量分布、立体規則性、立体
規則性分布などの構造因子については、特に制限はな
く、用途に応じて任意に設計したブロック共重合体を製
造することができる。なお、好ましい実施形態として、
以下の設定を挙げることができる。
【0009】(a) MFR 以下、MFRは、230℃,2.16kg荷重で測定し
た値を示す。第1段階重合工程で得られるプロピレン系
重合体のMFRとしては、0.1〜3000g/10m
in、好ましくは、0.1〜2000g/10minで
あり、さらに好ましくは、0.3〜1000g/10m
inである。また、第2段階重合工程を終え、最終的に
得られるブロック共重合体のMFRとしては、0.01
〜1000g/10min、好ましくは、0.01〜5
00g/10min、さらに好ましくは、0.1〜30
0g/10minである。 (b) 各段の重合量比 第1段階重合工程と第2段階重合工程で得られる各段の
重合量比は、97/3〜3/97(重量比)、好ましく
は、96/4〜20/80(重量比)、さらに好ましく
は、95/5〜30/70(重量比)である。 (c) 第1段階重合工程で得られるプロピレン系重合
体の立体規則性 第1段階重合工程で得られるプロピレン系重合体の立体
規則性を、いわゆる冷キシレン可溶分量(CXS)で評
価した場合、CXS≦8(重量%)、好ましくは、CX
S≦5(重量%)、さらに好ましくは、CXS≦3(重
量%)である。 (d) プロピレン・α−オレフィン共重合体の組成 第2段階重合工程で得られるプロピレン・α−オレフィ
ン共重合体の組成としては、プロピレンとプロピレン以
外のα−オレフィンとの重量比で、0/100〜95/
5、好ましくは、0/100〜90/10、さらに好ま
しくは、0/100〜80/20である。 (e) プロピレン・α−オレフィン共重合体の分子量 第2段階重合工程で得られるプロピレン・α−オレフィ
ン共重合体の分子量としては、重量平均分子量Mwとし
て、Mw=5万〜1,000万、好ましくは、Mw=5
万〜500万、さらに好ましくは、Mw=10万〜35
0万である。
【0010】(iii) 製造 本発明におけるプロピレン系重合体の製造は、以下のよ
うにして行われる。すなわち、立体規則性触媒の存在
下、第1段階重合工程において、液体プロピレンを主成
分とするα−オレフィンの重合を、水素の存在下に単独
の重合槽で行い、第1段階重合工程の重合槽から抜き出
した重合体スラリーを、沈降液力分級器を含む分級シス
テムを用いて、大粒径粒子を多く含むスラリーと小粒径
粒子を多く含むスラリーとに分級し、大粒径粒子を多く
含むスラリーを第2段階重合工程に送り、小粒径粒子を
多く含むスラリーを、元の第1段階重合工程の重合槽に
戻し、次に、第2段階重合工程として、第1段階重合工
程で得られた重合体をプロピレン・α−オレフィン共重
合槽に送り、プロピレンとプロピレン以外のα−オレフ
ィンの共重合を、第1段階重合工程での立体規則性触媒
の作用下に、実質的に気相中で連続的に行うという製造
法である。なお、分級システムについては後述する。本
発明の製造において使用できる触媒として、一般に下記
成分を組み合わせてなるプロピレン重合用触媒を挙げる
ことができる。ここで、「組み合わせてなる」とは、成
分が例示のもののみからなることを意味するものではな
く、合目的的な第4成分の共存を排除するものではな
い。 (A) チタン、マグネシウム、ハロゲン、電子供与性
化合物を必須成分として含有する固体成分に、一般式
(R1)(R23-mSi(OR3m(ここで、R1は分岐
鎖状脂肪族炭化水素基または環状脂肪族炭化水素基であ
り、R2は、R1と同一もしくは異なる炭化水素基または
ヘテロ原子含有炭化水素基であり、R3は、炭素数2以
上の炭化水素基であり、mは、1≦m≦3なる数を表
す)を接触させてなる固体触媒成分。 (B) 有機アルミニウム化合物。 (C) 一般式(R44-nSi(OR5n(ここで、R
4は炭化水素基であり、R5は、炭素数12以下の炭化水
素基であり、nは、1≦n≦3なる数を表す)で表され
る有機ケイ素化合物、または、一般式(R6)(R7
3-nSi(OR8 n(ここで、R6は分岐鎖状脂肪族炭化
水素基または環状脂肪族炭化水素基であり、R7は、R6
と同一もしくは異なる炭化水素基またはヘテロ原子含有
炭化水素基であり、R8は、炭素数1以上12以下の炭
化水素基であり、nは、1≦n≦3なる数を表す)で表
される有機ケイ素化合物。
【0011】(iv) 固体触媒成分(A) 本発明の固体触媒成分(A)は、特定の固体成分と特定
のケイ素化合物との接触生成物である。このような本発
明の固体触媒成分(A)は、合目的的な他の成分の共存
を排除するものではない。本発明で用いられる固体成分
は、チタン、マグネシウムおよびハロゲンを必須成分と
して含有してなるプロピレンの立体規則性重合用固体成
分である。ここで、「必須成分として含有し」とは、チ
タン、マグネシウム、ハロゲン以外に、合目的的な他元
素の共存を排除するものではなく、さらに、必須成分で
ある上記三成分は、それぞれが、合目的的な任意の化合
物として存在してもよく、また、相互に結合したものと
して存在してもよいことを示すものである。
【0012】(v) 固体成分 チタン、マグネシウムおよびハロゲンを含む固体成分そ
のものは、公知のものである。例えば、特開昭53−4
5688号、特開昭54−3894号、特開昭54−3
1092号、特開昭54−39483号、特開昭54−
94591号、特開昭54−118484号、特開昭5
4−131589号、特開昭55−75411号、特開
昭55−90510号、特開昭55−90511号、特
開昭55−127405号、特開昭55−147507
号、特開昭55−155003号、特開昭56−186
09号、特開昭56−70005号、特開昭56−72
001号、特開昭56−86905号、特開昭56−9
0807号、特開昭56−155206号、特開昭57
−3803号、特開昭57−34103号、特開昭57
−92007号、特開昭57−121003号、特開昭
58−5309号、特開昭58−5310号、特開昭5
8−5311号、特開昭58−8706号、特開昭58
−27732号、特開昭58−32604号、特開昭5
8−32605号、特開昭58−67703号、特開昭
58−117206号、特開昭58−127708号、
特開昭58−183708号、特開昭58−18070
9号、特開昭59−149905号、特開昭59−14
9906号、特開昭63−108008号、特開平3−
72503号、特開平7−258328号、特開平8−
269125号、特開平10−168142号、特開平
11−21309号各公報等に記載のものが使用可能で
ある。本発明において使用されるマグネシウム源となる
マグネシウム化合物としては、マグネシウムジハライ
ド、ジアルコキシマグネシウム、アルコキシマグネシウ
ムハライド、マグネシウムオキシハライド、ジアルキル
マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウ
ム、マグネシウムカルボン酸塩を挙げることができる。
これらのなかでも、マグネシウムジハライド、ジアルコ
キシマグネシウム、または一般式: Mg(OR92-p
p (ここで、R9は、炭化水素基、好ましくは炭素
数1〜12程度のものであり、Xはハロゲンを示し、p
は、0≦p≦2なる数を示す)で表されるマグネシウム
化合物が好ましい。また、チタン源となるチタン化合物
としては、一般式Ti(OR104-qq(R10は、炭化
水素基、好ましくは、炭素数1〜10程度のものであ
り、Xはハロゲンを示し、qは0≦q≦4である)で表
される化合物を挙げることができる。具体例としては、
TiCl4、TiBr4、Ti(OC25)Cl3、Ti
(OC252Cl2、Ti(OC253Cl、Ti
(O−i−C37)Cl3、Ti(O−n−C49)C
3、Ti(O−n−C492Cl2、Ti(OC
25)Br3、Ti(OC25)(O−n−C492
l、Ti(O−n−C493Cl、Ti(OC65
Cl3、Ti(O−i−C492Cl2、Ti(O−n
−C511)Cl3、Ti(O−n−C613)Cl3、T
i(OC254、Ti(O−n−C374、Ti(O
−n−C494、Ti(O−i−C494、Ti(O
−n−C6134、Ti(O−n−C8174、Ti
(OCH2CH(C25)C494等が挙げられる。ま
た、TiX4(ここで、Xはハロゲンである)に、後述
する電子供与体を反応させた分子化合物をチタン源とし
て用いることもできる。そのような分子化合物の具体例
としては、TiCl4・CH3COC25、TiCl4
CH3CO225、TiCl4・C65NO2、TiCl
4・CH3COCl、TiCl4・C65COCl、Ti
Cl4・C65CO225、TiCl4・C65(CO2
25 2、TiCl4・ClCOC25、TiCl4
44O等が挙げられる。さらに、TiCl3(TiC
4を水素で還元したもの、アルミニウム金属で還元し
たもの、あるいは有機金属化合物で還元したもの等を含
む)、TiBr3、Ti(OC25)Cl2、TiC
2、ジシクロペンタジエニルチタニウムジクロライ
ド、シクロペンタジエニルチタニウムトリクロライド等
のチタン化合物の使用も可能である。これらのチタン化
合物の中でもTiCl4、Ti(O−n−C494、T
i(O−n−C49)Cl3、Ti(OC25)Cl3
が好ましい。ハロゲンは、上述のマグネシウム、および
または、チタンのハロゲン化合物から供給されるのが普
通であるが、他のハロゲン源、例えばAlCl3等のア
ルミニウムのハロゲン化物やSiCl4等のケイ素のハ
ロゲン化物、PCl3、PCl 5等のリンのハロゲン化
物、WCl6等のタングステンのハロゲン化物、MoC
5等のモリブデンのハロゲン化物といった公知のハロ
ゲン化剤から供給することもできる。触媒成分中に含ま
れるハロゲンは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、または
これらの混合物であってもよく、特に塩素が好ましい。
本発明に用いられる固体成分の製造にあたっては、上記
必須成分の他にAl(OC253、Al(O−i−C3
73、Al(OCH32Cl等のアルミニウム化合
物、およびB(OCH33、B(OC253、B(O
653等のホウ素化合物等の他成分の使用も可能で
あり、これらがアルミニウムおよびホウ素等の成分とし
て固体成分中に残存することは差し支えない。さらに、
この固体成分を製造する場合に、電子供与体を内部ドナ
ーとして使用して製造することもできる。この固体成分
の製造に利用できる電子供与体(内部ドナー)として
は、アルコール類、フェノール類、ケトン類、アルデヒ
ド類、カルボン酸類、有機酸または無機酸類のエステル
類、エーテル類、酸アミド類、酸無水物類のような含酸
素電子供与体、アンモニア、アミン、ニトリル、イソシ
アネートのような含窒素電子供与体などを例示すること
ができる。より具体的には、(イ) メタノール、エタ
ノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘ
キサノール、オクタノール、ドデカノール、オクタデシ
ルアルコール、ベンジルアルコール、フェニルエチルア
ルコール、イソプロピルベンジルアルコールなどの炭素
数1ないし18のアルコール類、(ロ) フェノール、
クレゾール、キシレノール、エチルフェノール、プロピ
ルフェノール、イソプロピルフェノール、ノニルフェノ
ール、ナフトールなどのアルキル基を有してよい炭素数
6ないし25のフェノール類、(ハ) アセトン、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェ
ノン、ベンゾフェノンなどの炭素数3ないし15のケト
ン類、(ニ) アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒ
ド、オクチルアルデヒド、ベンズアルデヒド、トルアル
デヒド、ナフトアルデヒドなどの炭素数2ないし15の
アルデヒド類、(ホ) ギ酸メチル、酢酸メチル、酢酸
エチル、酢酸ビニル、酢酸プロピル、酢酸オクチル、酢
酸シクロヘキシル、酢酸セロソルブ、プロピオン酸エチ
ル、酪酸メチル、吉草酸エチル、ステアリン酸エチル、
クロル酢酸メチル、ジクロル酢酸エチル、メタクリル酸
メチル、クロトン酸エチル、シクロへキサンカルボン酸
エチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プ
ロピル、安息香酸ブチル、安息香酸オクチル、安息香酸
シクロヘキシル、安息香酸フェニル、安息香酸ベンジ
ル、安息香酸セロソルブ、トルイル酸メチル、トルイル
酸エチル、トルイル酸アミル、エチル安息香酸エチル、
アニス酸メチル、アニス酸エチル、エトキシ安息香酸エ
チル、γ−ブチロラクトン、α−バレロラクトン、クマ
リン、フタリドなどの有機酸モノエステル、または、フ
タル酸ジエチル、フタル酸ジプロピル、フタル酸ジブチ
ル、フタル酸ジヘプチル、コハク酸ジエチル、マレイン
酸ジブチル、1,2−シクロヘキサンカルボン酸ジエチ
ル、炭酸エチレン、ノルボルナンジエニル−1,2−ジ
メチルカルボキシラート、シクロプロパン−1,2−ジ
カルボン酸−n−ヘキシル、1,1−シクロブタンジカ
ルボン酸ジエチルなどの有機酸多価エステルの炭素数2
ないし20の有機酸エステル類、(ヘ) ケイ酸エチ
ル、ケイ酸ブチル、フェニルトリエトキシシランなどの
ケイ酸エステルのような無機酸エステル類、但し、請求
項(3)(A)に示した一般式(R1)(R23-mSi
(OR3mで表されるケイ素化合物は除く、(ト) ア
セチルクロリド、ベンゾイルクロリド、トルイル酸クロ
リド、アニス酸クロリド、塩化フタロイル、イソ塩化フ
タロイルなどの炭素数2ないし15の酸ハライド類、
(チ) メチルエーテル、エチルエーテル、イソプロピ
ルエーテル、ブチルエーテル、アミルエーテル、テトラ
ヒドロフラン、アニソール、ジフェニルエーテルなどの
炭素数2ないし20のエーテル類、(リ)酢酸アミド、
安息香酸アミド、トルイル酸アミドなどの酸アミド類、
(ヌ) メチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミ
ン、トリブチルアミン、ピペリジン、トリベンジルアミ
ン、アニリン、ピリジン、ピコリン、テトラメチルエチ
レンジアミンなどのアミン類、(ル) アセトニトリ
ル、ベンゾニトリル、トルニトリルなどのニトリル類、
(ヲ) 2−(エトキシメチル)−安息香酸エチル、2
−(t−ブトキシメチル)−安息香酸エチル、3−エト
キシ−2−フェニルプロピオン酸エチル、3−エトキシ
プロピオン酸エチル、3−エトキシ−2−s−ブチルプ
ロピオン酸エチル、3−エトキシ−2−t−ブチルプロ
ピオン酸エチルなどのアルコキシエステル化合物類、
(ワ)2−ベンゾイル安息香酸エチル、2−(4’−メ
チルベンゾイル)安息香酸エチル、2−ベンゾイル−
4,5−ジメチル安息香酸エチルなどのケトエステル化
合物類等を挙げることができる。これらの電子供与体
は、二種類以上用いることができる。これらの中で好ま
しいのは有機酸エステル化合物および酸ハライド化合物
であり、特に好ましいのはフタル酸ジエステル化合物、
酢酸セロソルブエステル化合物およびフタル酸ジハライ
ド化合物である。
【0013】(vi) 固体成分との接触に使用するケ
イ素化合物 本発明において、先に説明した固体成分との接触に用い
られるケイ素化合物は、一般式(R1)(R23-mSi
(OR3m(ここで、R1は、分岐鎖状脂肪族炭化水素
基または環状脂肪族炭化水素基であり、R2は、R1と同
一もしくは異なる炭化水素基またはヘテロ原子含有炭化
水素基であり、R3は、炭素数2以上の炭化水素基であ
り、mは、1≦m≦3なる数を表す)で表されるもので
ある。このケイ素化合物は、上述の一般式で示されるケ
イ素化合物のうち、複数種の混合物であってもよい。こ
こで、R1が分岐脂肪族炭化水素基である場合は、ケイ
素原子に隣接する炭素原子から分岐しているものが好ま
しい。その場合の分岐基は、アルキル基、シクロアルキ
ル基またはアリール基(例えば、フェニル基またはメチ
ル置換フェニル基)であることが好ましい。さらに好ま
しいR1は、ケイ素原子に隣接する炭素原子、すなわち
a−位炭素原子が2級または3級の炭素原子であるもの
である。とりわけ、ケイ素原子に結合している炭素原子
が3級のものが好ましい。R1が分岐炭化水素基である
場合の炭素数は通常3〜20、好ましくは4〜10であ
る。また、R1が環状脂肪族炭化水素基である場合の炭
素数は通常4〜20、好ましくは5〜10である。R2
はR1と同一もしくは異なる炭化水素基またはヘテロ原
子含有炭化水素基が好ましく、炭素数が1〜20、好ま
しくは1〜10の炭化水素基あるいはヘテロ原子含有炭
化水素基である。R3は炭素数2以上の炭化水素基であ
り、炭素数が2〜20、好ましくは2〜10、さらに好
ましくは2〜4の脂肪族炭化水素基である。こうしたケ
イ素化合物の具体例は、下記の通りである。なお、以下
の式において、nはノルマルを、iはイソを、sはセカ
ンダリーを、tはターシャリーを、cはシクロを表す。
(CH33CSi(CH3)(OC252、(CH33
CSi(CH3)(O−n−C372、(CH33CS
i(CH3)(O−i−C372、(CH3 3CSi
(CH3)(O−n−C492、(CH33CSi(C
3)(O−i−C492、(CH33CSi(C
3)(O−t−C492、(CH33CSi(C
3)(O−n−C6132、(CH33CSi(C
3)(O−n−C8172、(CH33CSi(C
3)(O−n−C10212、(CH33CSi(C2
5)(OC252、(CH33CSi(n−C37
(OC252、(CH33CSi(i−C37)(O
252、(CH33CSi(n−C4 9)(OC2
52、(CH33CSi(i−C49)(OC
252、(CH3 3CSi(s−C49)(OC
252、(CH33CSi(t−C49)(OC
252、(CH33CSi(n−C511)(OC
252、(CH33CSi(c−C59)(OC
252、(CH33CSi(n−C613)(OC
25 2、(CH33CSi(c−C611)(OC
252、(CH33CSi(C2 5)(O−n−C3
72、(CH33CSi(C25)(O−i−C37
2、(CH33CSi(C25)(O−n−C492
(CH33CSi(C25)(O−i−C492
(CH33CSi(C25)(O−s−C492
(CH33CSi(C25)(O−t−C492
(CH33CSi(C25)(O−n−C6132
(CH33CSi(C25)(O−n−C8172
(CH33CSi(C25)(O−n−C10212
(CH33CSi(i−C37)(O−n−C
372、(CH33CSi(i−C37)(O−i−
372、(CH33CSi(i−C37)(O−n
−C492、(CH33CSi(i−C37)(O−
i−C492、(CH33CSi(i−C37)(O
−s−C492、(CH33CSi(i−C37
(O−t−C492、(CH 33CSi(i−C
37)(O−n−C6132、(CH33CSi(i−
37)(O−n−C8172、(CH33CSi(i
−C37)(O−n−C10212、(CH33CSi
(O−n−C37)(OC252、(CH33CSi
(O−i−C37)(OC252、(CH33CSi
(O−n−C49)(OC252、(CH33CSi
(O−i−C49)(OC252、(CH33CSi
(O−s−C49)(OC252、(CH33CSi
(O−t−C49)(OC252、(CH33CSi
(O−n−C511)(OC252、(CH33CSi
(O−c−C59)(OC252、(CH33CSi
(O−n−C613)(OC252、(CH33CSi
(O−c−C611)(OC252、(i−C372
Si(OC252、(i−C492Si(OC25
2、(s−C492Si(OC252、(neo−C5
112Si(OC252、(c−C592Si(O
252、(c−C592Si(O−n−C
372、(c−C592Si(O−n−C492
(c−C592Si(O−n−C5112、(c−C5
92Si(O−n−C8172、(c−C6112
i(OC252、(c−C6112Si(O−n−C3
72、(c−C6112Si(O−n−C492
(c−C6112Si(O−n−C5112、(c−C
6112Si(O−n−C8172、(c−C611
Si(CH3)(OC252、(c−C611)Si
(CH3)(O−n−C372、(c−C61 1)Si
(CH3)(O−n−C492、(c−C611)Si
(CH3)(O−n−C5112、(c−C611)Si
(CH3)(O−n−C8172、(c−C611)Si
(C25)(OC252、(c−C611)Si(n−
49)(OC252、(c−C611)Si(c−C
59)(OC252、(C253CSi(CH3
(OC252、(C253CSi(CH3)(O−n
−C372、(C253CSi(CH3)(O−i−
372、(C253CSi(CH3)(O−n−C4
92、(C253CSi(CH3)(O−i−C
492、(C253CSi(CH3)(O−t−C4
92、(C253CSi(CH3)(O−n−C
6132、(C253CSi(CH3)(O−n−C8
172、(C253CSi(CH3)(O−n−C10
212、(C253CSi(C25)(OC
252、(C253CSi(n−C37)(OC
252、(C253CSi(i−C37)(OC
252、(C253CSi(n−C49)(OC
252、(C253CSi(i−C49)(OC
252、(C253CSi(s−C49)(OC
252、(C253CSi(t−C49)(OC
252、(C253CSi(n−C511)(OC2
52、(C25 3CSi(c−C59)(OC
252、(C253CSi(n−C613)(OC2
52、(C253CSi(c−C611)(OC25
2、H(CH32C(CH32CSi(CH3)(OC2
52、H(CH32C(CH32CSi(C25
(OC252、H(CH32C(CH32CSi(n
−C37)(OC252、H(CH32C(CH32
CSi(i−C37)(OC252、H(CH32
(CH32CSi(n−C49)(OC252、H
(CH32C(CH32C(CH3)Si(O−n−C3
72、H(CH32C(CH32CSi(CH3
(O−i−C372、H(CH32C(CH32CS
i(CH3)(O−n−C492、H(CH32C(C
32CSi(C25)(O−n−C372、(C
32(C25)CSi(CH3)(OC252、(C
3 2(C25)CSi(CH3)(O−n−C
372、(CH32(C25)CSi(CH3)(O−
n−C492、(CH32(C25)CSi(C
25)(O−n−C492、(CH33CSi(OC2
53、(CH33CSi(O−n−C373、(C
33CSi(O−i−C373、(CH33CSi
(O−n−C493、(CH33CSi(O−i−C4
93、(CH33CSi(O−t−C493、(C
33CSi(O−n−C6123、(CH33CSi
(O−n−C8173、(CH33CSi(O−n−C
10213、(CH32(C25)CSi(OC
253、(CH32(C25)CSi(O−n−C3
73、(CH32(C25)CSi(O−i−C37
3、(CH32(C25)CSi(O−n−C493
(CH32(C25)CSi(O−i−C493
(CH32(C25)CSi(O−t−C493
(CH32(C25)CSi(O−n−C6123
(CH32(C25)CSi(O−n−C8173
(CH32(C25)CSi(O−n−C10213
(CH3)(C252CSi(OC253、(CH3
(C252CSi(O−n−C373、(CH3
(C252CSi(O−i−C373、(CH3
(C252CSi(O−n−C493、(CH3
(C252CSi(O−i−C493、(CH3
(C252CSi(O−t−C493、(CH3
(C252CSi(O−n−C6133、(CH3
(C252CSi(O−n−C8173、(CH3
(C252CSi(O−n−C10213、H(C
32C(CH32CSi(OC253、H(CH3
2C(CH32CSi(O−n−C373、H(C
32C(CH32CSi(O−i−C373、H
(CH32C(CH32CSi(O−n−C493
H(CH32C(CH32CSi(O−i−C
493、H(CH32C(CH32CSi(O−t−
493、H(CH32C(CH32CSi(O−n
−C6123、H(CH32C(CH32CSi(O−
n−C8173、H(CH32C(CH32CSi(O
−n−C10213、(CH33CSi(CH3)(OC
25)(O−n−C37)、(CH33CSi(C
3)(OC25)(O−n−C49)、(CH33
Si(CH3)(OC25)(O−n−C817)、
【0014】
【化1】
【0015】等を挙げることができる。
【0016】(vii) 固体成分との接触に使用する
任意成分 さらに、本発明の固体触媒成分(A)の製造において
は、上記の必須成分の他に必要に応じて任意成分を含ん
でなりうることは前記の通りである。そのような任意成
分として適当なものとして、以下の化合物を挙げること
ができる。
【0017】(イ) ビニルシラン化合物 ビニルシラン化合物としては、モノシラン(SiH4
中の少なくとも一つの水素原子がビニル基(CH2=C
H−)に置き換えられ、そして残りの水素原子のうちの
いくつかが、ハロゲン(好ましくはCl)、アルキル基
(好ましくは炭素数1〜12の炭化水素基)、アリール
基(好ましくはフェニル基)、アルコキシ基(好ましく
は炭素数1〜12のアルコキシ基)、その他で置き換え
られた構造を示すものである。より具体的には、CH2
=CH−SiH3、CH2=CH−SiH2(CH3)、C
2=CH−SiH(CH32、CH2=CH−Si(C
33、CH2=CH−SiCl3、CH2=CH−Si
Cl2(CH3)、CH2=CH−SiCl(CH32
CH2=CH−SiH(Cl)(CH3)、CH2=CH
−Si(C253、CH2=CH−SiCl(C25
2、CH2=CH−SiCl2(C25)、CH2=CH−
Si(CH32(C25)、CH2=CH−Si(C
3)(C252、CH2=CH−Si(n−C
49)、CH2=CH−Si(C653、CH2=CH
−Si(CH3)(C652、CH2=CH−Si(C
32(C65)、CH2=CH(CH32(C64
3)、(CH2=CH)(CH32Si−O−Si(C
32(CH=CH2)、(CH2=CH)2SiH2
(CH2=CH)2SiCl2、(CH2=CH)2Si
(CH32、(CH2=CH)2Si(C652等を例
示することができる。
【0018】(ロ) 周期律表第I〜III族金属の有
機金属化合物 周期律表第I族〜第III族金属の有機金属化合物を任
意成分として使用することも可能である。本発明で使用
する周期律表第I族〜第III族金属の有機金属化合物
は、少なくとも一つの有機基金属結合を持つ。その場合
の有機基としては、炭素数1〜20程度、好ましくは1
〜6程度のヒドロカルビル基が代表的である。原子価の
少なくとも一つが有機基で充足されている有機金属化合
物の金属の残りの原子価(もしそれがあれば)は、水素
原子、ハロゲン原子、ヒドロカルビルオキシ基(ヒドロ
カルビル基は、炭素数1〜20程度、好ましくは1〜6
程度)、あるいは酸素原子を介した当該金属(具体的に
は、メチルアルモキサンの場合の−O−Al(CH3
−)その他で充足される。このような有機金属化合物の
具体例を挙げれば、(イ) メチルリチウム、n−ブチ
ルリチウム、第三ブチルリチウム等の有機リチウム化合
物、(ロ) ブチルエチルマグネシウム、ジブチルマグ
ネシウム、ヘキシルエチルマグネシウム、ブチルマグネ
シウムクロライド、第三ブチルマグネシウムブロマイド
等の有機マグネシウム化合物、(ハ) ジエチル亜鉛、
ジブチル亜鉛等の有機亜鉛化合物、(ニ) トリメチル
アルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチ
ルアルミニウム、トリn−ヘキシルアルミニウム、ジエ
チルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムハ
イドライド、ジエチルアルミニウムエトキシド、エチル
アルミニウムセスキクロライド、エチルアルミニウムジ
クロライド、メチルアルモキサン等の有機アルミニウム
化合物がある。このうちでは、特に有機アルミニウム化
合物が好ましい。上記任意成分(イ) ビニルシラン化
合物および(ロ) 有機金属化合物は、1種または2種
以上を組み合わせて使用することができる。これらの任
意成分を使用すると、本発明の効果はより大きくなる。
【0019】(viii) 固体触媒成分(A)の製造 固体触媒成分(A)は、該固体触媒成分(A)を構成す
る各成分を、または必要により前記任意成分を段階的に
あるいは一時的に相互に接触させて、その中間および/
または最後に有機溶媒、例えば炭化水素溶媒またはハロ
ゲン化炭化水素溶媒で洗浄することによって製造するこ
とができる。その場合に、チタン、マグネシウムおよび
ハロゲンを必須成分とする固体生成物を先ず製造し、そ
れを前記一般式のケイ素化合物と接触させる方式(いわ
ば二段法)によることもできるし、チタン、マグネシウ
ムおよびハロゲンを必須成分とする固体生成物をつくる
過程で既にこのケイ素化合物を存在させることによって
一挙に成分(A)を製造する方式(いわば一段法)によ
ることも可能である。好ましい方式は前者である。前記
の成分(A)を構成する各成分の接触条件は、本発明の
効果が認められるかぎり任意のものでありうるが、一般
的には、次の条件が好ましい。接触温度は、50〜20
0℃程度、好ましくは0〜100℃である。接触方法と
しては、回転ボールミル、振動ミル、ジェットミル、媒
体撹拌粉砕機などによる機械的な方法、不活性希釈剤の
存在下に撹拌により接触させる方法などがある。このと
き使用する不活性希釈剤としては、脂肪族または芳香族
の炭化水素およびハロ炭化水素、ポリシロキサン等が挙
げられる。固体触媒成分(A)を構成する各成分使用量
の量比は、本発明の効果が認められるかぎり任意のもの
でありうるが、一般的には、次の範囲内が好ましい。チ
タン化合物の使用量は、使用するマグネシウム化合物の
使用量に対してモル比で0.0001〜1000の範囲
内がよく、好ましくは0.01〜10の範囲内である。
ハロゲン源としてそのための化合物を使用する場合は、
その使用量はチタン化合物および/またはマグネシウム
化合物がハロゲンを含む、含まないにかかわらず、使用
するマグネシウムの使用量に対してモル比で0.01〜
1000の範囲内がよく、好ましくは0.1〜100の
範囲内である。固体触媒成分(A)の製造に際して、固
体成分と接触させる一般式(R1)(R23-mSi(O
3mで表されるケイ素化合物の使用量は、固体触媒成
分(A)を構成するチタン成分に対するケイ素の原子比
(ケイ素/チタン)で0.01〜1000、好ましくは
0.1〜100の範囲内である。ビニルシラン化合物を
使用するときのその使用量は、固体触媒成分(A)を構
成するチタン成分に対するモル比で0.001〜100
0の範囲内がよく、好ましくは0.01〜100の範囲
内である。アルミニウムおよびホウ素化合物を使用する
ときのその使用量は、前記のマグネシウム化合物の使用
量に対してモル比で0.001〜100の範囲内がよ
く、好ましくは0.01〜1の範囲内である。電子供与
体を使用するときのその使用量は、前記のマグネシウム
化合物の使用量に対してモル比で0.001〜10の範
囲内がよく、好ましくは0.01〜5の範囲内である。
固体触媒成分(A)は、前記した固体成分および一般式
(R1)(R23-mSi(OR3mで表されるケイ素化
合物(以下、(イ)〜(ヘ)においては、単にケイ素化
合物と記す)の接触により、必要により電子供与体等の
他成分を用いて、例えば以下のような製造方法により製
造される。 (イ) ハロゲン化マグネシウムと必要に応じて電子供
与体、チタン含有化合物、ケイ素化合物を接触させる方
法。 (ロ) アルミナまたはマグネシアをハロゲン化リン化
合物で処理し、それにハロゲン化マグネシウム、電子供
与体、ケイ素化合物、チタンハロゲン含有化合物を接触
させる方法。 (ハ) ハロゲン化マグネシウムとチタンテトラアルコ
キシドおよび特定のポリマーケイ素化合物を接触させて
得られる固体成分に、チタンハロゲン化合物および/ま
たはケイ素のハロゲン化合物を接触させた反応生成物を
不活性有機溶媒で洗浄後、ケイ素化合物を接触させる方
法。なお、このポリマーケイ素化合物としては、一般
式: (Si(H)(R11)O)r (ここで、R11
炭素数1〜10程度の炭化水素基であり、rはこのポリ
マーケイ素化合物の粘度が1〜100センチストークス
程度となるような重合度を示す)で示されるものが適当
である。具体的には、メチルハイドロジェンポリシロキ
サン、エチルハイドロジェンポリシロキサン、フェニル
ハイドロジェンポリシロキサン、シクロヘキシルハイド
ロジェンポリシロキサン、1,3,5,7−テトラメチ
ルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7,9−ペン
タメチルシクロペンタシロキサン等が好ましい。 (ニ) マグネシウム化合物をチタンテトラアルコキシ
ドおよび/または電子供与体で溶解させて、ハロゲン化
剤またはチタンハロゲン化合物で析出させた固体成分
に、ケイ素化合物、チタン化合物を接触させるかまた
は、各々別に接触させる方法。 (ホ) グリニヤ試薬等の有機マグネシウム化合物をハ
ロゲン化剤、還元剤等と作用させた後、これに必要に応
じて電子供与体を接触させ、次いでケイ素化合物、必要
に応じてチタン化合物を接触させるかまたは、各々別に
接触させる方法。 (ヘ) アルコキシマグネシウム化合物にハロゲン化剤
および/またはチタン化合物、ケイ素化合物を電子供与
体の存在下もしくは不存在下に接触させるかまたは、各
々別に接触させる方法。これらの製造方法の中でも
(イ)、(ハ)、(ニ)および(ヘ)が好ましい。な
お、一般式(R1)(R23-mSi(OR3mと固体成
分との接触工程において、スルホン酸エステル化合物を
共存させるか、または、接触工程の前もしくは後に、ス
ルホン酸エステルを添加してもよい。固体触媒成分
(A)は、その製造の中間および/または最後に不活性
有機溶媒、例えば脂肪族または芳香族炭化水素溶媒(例
えば、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、シクロヘキサン
等)、あるいはハロゲン化炭化水素溶媒(例えば、塩化
n−ブチル、1,2−ジクロロエチレン、四塩化炭素ク
ロルベンゼン等)で洗浄することができる。本発明で使
用する固体触媒成分(A)は、ビニル基含有化合物、例
えばオレフィン類、ジエン化合物、スチレン類等を接触
させて重合させることからなる予備重合工程を経たもの
として使用することもできる。予備重合を行う際に用い
られるオレフィン類の具体例としては、例えば炭素数2
〜20程度のもの、具体的にはエチレン、プロピレン、
1−ブテン、3−メチルブテン−1、1−ペンテン、1
−ヘキセン、4−メチルペンテン−1、1−オクテン、
1−デセン、1−ウンデセン、1−エイコセン等があ
り、ジエン化合物の具体例としては、1,3−ブタジエ
ン、イソプレン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキ
サジエン、1,3−ペンタジエン、1,4−ペンタジエ
ン、2,4−ペンタジエン、2,6−オクタジエン、c
is−2,trans−4−ヘキサジエン、trans
−2,trans−4−ヘキサジエン、1,3−ヘプタ
ジエン、1,4−ヘプタジエン、1,5−ヘプタジエ
ン、1,6−ヘプタジエン、2,4−ヘプタジエン、ジ
シクロペンタジエン、1,3−シクロヘキサジエン、
1,4−シクロヘキサジエン、シクロペンタジエン、
1,3−シクロヘプタジエン、4−メチル−1,4−ヘ
キサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,
9−デカジエン、1,13−テトラデカジエン、p−ジ
ビニルベンゼン、m−ジビニルベンゼン、o−ジビニル
ベンゼン、ジシクロペンタジエン等がある。また、スチ
レン類の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレ
ン、アリルベンゼン、クロルスチレン等がある。これら
は、混合物として使用することもできる。チタン成分と
上記のビニル基含有化合物の反応条件は、本発明の効果
が認められるかぎり任意のものでありうるが、一般的に
は次の範囲内が好ましい。ビニル基含有化合物の予備重
合量は、チタン固体成分1グラムあたり0.001〜1
00グラム、好ましくは0.1〜50グラム、さらに好
ましくは0.5〜10グラムの範囲内である。予備重合
時の反応温度は−150〜150℃、好ましくは0〜1
00℃である。そして、「本重合」、すなわちα−オレ
フィンの重合のときの重合温度よりも低い重合温度が好
ましい。反応は、一般的に撹拌下に行うことが好まし
く、そのときn−ヘキサン、n−ヘプタン等の不活性溶
媒を存在させることもできる。
【0020】(ix) 有機アルミニウム化合物(B) 本発明で用いられる有機アルミニウム化合物(B)の具
体例としては、R12 3- sAlXsまたはR13 3-tAl(O
14t(ここで、R12およびR13は炭素数1〜20の
炭化水素基または水素原子であり、R14は炭化水素基で
あり、Xはハロゲンであり、sおよびtはそれぞれ0≦
s<3、0<t<3である)の一般式で表されるもので
ある。具体的には、(イ) トリメチルアルミニウム、
トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウ
ム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニ
ウム、トリデシルアルミニウムなどのトリアルキルアル
ミニウム、(ロ)ジエチルアルミニウムモノクロライ
ド、ジイソブチルアルミニウムモノクロライド、エチル
アルミニウムセスキクロライド、エチルアルミニウムジ
クロライドなどのアルキルアルミニウムハライド、
(ハ) ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブ
チルアルミニウムハイドライドなどのアルキルアルミニ
ウムハイドライド、(ニ) ジエチルアルミニウムエト
キシド、ジエチルアルミニウムフェノキシドなどのアル
キルアルミニウムアルコキシド等が挙げられる。これら
(イ)〜(ニ)の有機アルミニウム化合物を複数種併用
することもできる。例えば、トリエチルアルミニウムと
ジエチルアルミニウムエトキシドの併用、ジエチルアル
ミニウムモノクロライドとジエチルアルミニウムエトキ
シドとの併用、エチルアルミニウムジクロライドとエチ
ルアルミニウムジエトキシドとの併用、トリエチルアル
ミニウムとジエチルアルミニウムエトキシドとジエチル
アルミニウムモノクロライドとの併用等が挙げられる。
また、(イ)〜(ニ)の有機アルミニウム化合物に対し
て、メチルアルモキサン、エチルアルモキサン、イソブ
チルアルモキサン等のアルモキサンを併用することもで
きる。
【0021】(x) 有機ケイ素化合物(C) 本発明で用いられるケイ素化合物(C)は、(R44
nSi(OR5n(ここで、R4は炭化水素基であり、R
5は、炭素数1以上12以下の炭化水素基であり、n
は、1≦n≦3なる数を表す)の一般式で表される有機
ケイ素化合物である。ここで、R4は炭素数1〜30、
好ましくは1〜20の炭化水素基である。R5は炭素数
1〜12、好ましくは、1〜10の炭化水素基である。
本発明で使用できるケイ素化合物の具体例は、下記の通
りである。なお、以下の式において、nはノルマルを、
iはイソを、sはセカンダリーを、tはターシャリー
を、cはシクロを表す。Si(OCH34、Si(OC
254、Si(O−n−C374、Si(O−i−C
374、Si(O−n−C494、Si(O−i−C
494、Si(O−s−C494、Si(O−t−C
494、Si(O−n−C6134、CH3Si(OC
33、CH3Si(OC253、C25Si(OCH
33、C25Si(OC253、CH2=CH−Si
(OCH33、CH2=CH−Si(OC253、n−
37Si(OCH33、n−C37Si(OC25
3、i−C37Si(OCH33、i−C37Si(O
253、n−C49Si(OCH33、n−C49
Si(OC253、n−C817Si(OCH33、n
−C817Si(OC253、C65Si(OC
33、C65Si(OC 253、(CH32Si
(OCH32、(CH32Si(OC252、(C
32Si(O−n−C372、(CH32Si(O
−i−C372、(CH32Si(O−n−C
492、(CH32Si(O−i−C492、(CH
3 2Si(O−s−C492、(CH32Si(O−
t−C492、(C252Si(OCH32、(C2
52Si(OC252、(CH2=CH)2Si(O
CH32、(CH2=CH)2Si(OC252、(n
−C372Si(OCH 32、(n−C372Si
(OC252、(i−C372Si(OCH32
(i−C372Si(OC252、(C652Si
(OCH32、(C6 52Si(OC252、(CH
33Si(OCH3)、(CH33Si(OC25)、
(CH33Si(O−n−C37)、(CH33Si
(O−i−C37)、(CH33Si(O−n−C
49)、(CH33Si(O−i−C49)、(C
33Si(O−s−C49)、(CH33Si(O−
t−C49)、(C 253Si(OCH3)、(C
253Si(OC25)、(C253Si(O−n−
37)、(C253Si(O−i−C37)、(C2
53Si(O−n−C49)、(C253Si(O
−i−C49)、(C253Si(O−s−C
49)、(C253Si(O−t−C49)、(C6
53Si(OCH3)、(C653Si(OC25)、
(CH33CSi(CH3)(OCH32、(CH33
CSi(CH3)(OC252、(CH33CSi(C
3)(O−n−C372、(CH33CSi(C
3)(O−i−C372、(CH33CSi(C
3)(O−n−C492、(CH33CSi(C
3)(O−i−C492、(CH33CSi(C
3)(O−t−C492、(CH33CSi(C
3)(O−n−C6132、(CH33CSi(C
3)(O−n−C8172、(CH33CSi(C
3)(O−n−C10212、(CH33CSi(C2
5)(OCH32、(CH33CSi(C25)(O
252、(CH33CSi(n−C37)(OC
32、(CH33CSi(n−C37)(OC25
2、(CH33CSi(i−C37)(OCH32
(CH33CSi(i−C37)(OC252、(C
33CSi(n−C49)(OCH3 2、(CH33
CSi(n−C49)(OC252、(CH33CS
i(i−C 49)(OCH32、(CH33CSi(i
−C49)(OC252、(CH33CSi(s−C4
9)(OCH32、(CH33CSi(s−C49
(OC252、(CH33CSi(t−C49)(O
CH32、(CH33CSi(t−C49)(OC
252、(CH33CSi(n−C511)(OC
32、(CH33CSi(n−C511)(OC
252、(CH33CSi(c−C 59)(OCH3
2、(CH33CSi(c−C59)(OC252
(CH33CSi(n−C613)(OCH32、(C
33CSi(n−C613)(OC252、(C
33CSi(c−C611)(OCH32、(CH3
3CSi(c−C611)(OC252、(CH33
Si(C25)(O−n−C372、(CH33CS
i(C25)(O−i−C372、(CH33CSi
(C25)(O−n−C492、(CH33CSi
(C25)(O−i−C4 92、(CH33CSi
(C25)(O−s−C492、(CH33CSi
(C25)(O−t−C492、(CH33CSi
(C25)(O−n−C6132、(CH33CSi
(C25)(O−n−C8172、(CH33CSi
(C25)(O−n−C10212、(CH33CSi
(i−C37)(O−n−C372、(CH33CS
i(i−C37)(O−i−C372、(CH33
Si(i−C37)(O−n−C492、(CH33
CSi(i−C37)(O−i−C492、(CH3
3CSi(i−C37)(O−s−C492、(C
33CSi(i−C37)(O−t−C492
(CH33CSi(i−C37)(O−n−C
6132、(CH33CSi(i−C37)(O−n−
8172、(CH33CSi(i−C37)(O−n
−C10212、(CH33CSi(OCH3)(OC2
52、(CH33CSi(O−n−C37)(OC2
52、(CH33CSi(O−i−C37)(OC2
52、(CH33CSi(O−n−C49)(OC2
52、(CH33CSi(O−i−C49)(OC2
52、(CH33CSi(O−s−C49)(OC2
52、(CH 33CSi(O−t−C49)(OC2
52、(CH33CSi(O−n−C511)(OC2
52、(CH33CSi(O−c−C59)(OC2
52、(CH33CSi(O−n−C613)(OC2
52、(CH33CSi(O−c−C611)(OC2
52、(i−C372Si(OCH32、(i−C3
72Si(OC252、(i−C492Si(OC
32、(i−C492Si(OC252、(s−C
492Si(OCH32、(s−C492Si(OC
252、(neo−C5112Si(OCH32
(neo−C5112Si(OC252、(c−C5
92Si(OCH32、(c−C592Si(OC2
52、(c−C592Si(O−n−C372、(c
−C592Si(O−n−C492、(c−C59
2Si(O−n−C5112、(c−C 592Si(O
−n−C8172、(c−C6112Si(OC
32、(c−C6112Si(OC252、(c−
6112Si(O−n−C372、(c−C611
2Si(O−n−C492、(c−C6112Si(O
−n−C5112、(c−C6112Si(O−n−C
8172、(c−C611)Si(CH3)(OC
32、(c−C611)Si(CH3)(OC
252、(c−C611)Si(CH3)(O−n−C3
72、(c−C611)Si(CH3)(O−n−C4
92、(c−C611)Si(CH3)(O−n−C5
112、(c−C611)Si(CH3)(O−n−C8
172、(c−C611)Si(C25)(OC
32、(c−C611)Si(C25)(OC
252、(c−C611)Si(n−C49)(OCH
32、(c−C611)Si(n−C49)(OC
252、(c−C611)Si(c−C59)(OCH
32、(c−C611)Si(c−C59)(OC
252、(C253CSi(CH3)(OCH32
(C253CSi(CH3)(OC252、(C
253CSi(CH3)(O−n−C372、(C2
53CSi(CH3)(O−i−C37 2、(C25
3CSi(CH3)(O−n−C492、(C253
Si(CH3)(O−i−C492、(C253CS
i(CH3)(O−t−C492、(C253CSi
(CH3)(O−n−C6132、(C253CSi
(CH3)(O−n−C8172、(C253CSi
(CH3)(O−n−C10212、(C253CSi
(C25)(OCH32、(C253CSi(C
25)(OC252、(C253CSi(n−C
37)(OCH32、(C25 3CSi(n−C
37)(OC252、(C253CSi(i−C
37)(OCH32、(C253CSi(i−C
37)(OC252、(C253CSi(n−C
49)(OCH32、(C253CSi(n−C
49)(OC252、(C253CSi(i−C
49)(OCH32、(C253CSi(i−C
49)(OC252、(C253CSi(s−C
49)(OCH32、(C253CSi(s−C
49)(OC252、(C253CSi(t−C
4 9)(OCH32、(C253CSi(t−C
49)(OC252、(C253CSi(n−C5
11)(OCH32、(C253CSi(n−C511
(OC252、(C253CSi(c−C59)(O
CH32、(C253CSi(c−C59)(OC2
52、(C253CSi(n−C613)(OC
32、(C253CSi(n−C613)(OC
252、(C253CSi(c−C611)(OC
32、(C253CSi(c−C611)(OC
252、H(CH32C(CH32CSi(CH3
(OCH32、H(CH32C(CH32CSi(CH
3)(OC252、H(CH32C(CH32CSi
(C25)(OCH32、H(CH32C(CH32
Si(C25)(OC252、H(CH32C(C
32CSi(n−C37)(OCH32、H(C
32C(CH32CSi(n−C37)(OC25
2、H(CH32C(CH32CSi(i−C37
(OCH32、H(CH32C(CH32CSi(i−
37)(OC252、H(CH32C(CH32
Si(n−C49)(OCH32、H(CH32C(C
32CSi(n−C49)(OC252、H(C
32C(CH32C(CH3)Si(O−n−C
372、H(CH32C(CH32CSi(CH3
(O−i−C372、H(CH32C(CH32CS
i(CH3)(O−n−C492、H(CH32C(C
32CSi(C25)(O−n−C372、(C
32(C25)CSi(CH3)(OCH3 2、(C
32(C25)CSi(CH3)(OC252、(C
32(C25)CSi(CH3)(O−n−C
372、(CH32(C25)CSi(CH3)(O−
n−C492、(CH32(C25)CSi(C
25)(O−n−C492、(CH33CSi(OC
33、(CH33CSi(OC253、(CH33
CSi(O−n−C373、(CH33CSi(O−
i−C373、(CH33CSi(O−n−C
493、(CH33CSi(O−i−C493、(C
33CSi(O−t−C493、(CH33CSi
(O−n−C6123、(CH33CSi(O−n−C
8173、(CH33CSi(O−n−C1 0213
(CH32(C25)CSi(OCH33、(CH32
(C25)CSi(OC253、(CH32(C
25)CSi(O−n−C373、(CH 32(C2
5)CSi(O−i−C373、(CH32(C25
CSi(O−n−C493、(CH32(C25)C
Si(O−i−C493、(CH32(C25)CS
i(O−t−C493、(CH32(C25)CSi
(O−n−C6123、(CH32(C25)CSi
(O−n−C8173、(CH32(C25)CSi
(O−n−C10213、(CH3)(C252CSi
(OCH33、(CH3)(C252CSi(OC
253、(CH3)(C252CSi(O−n−C3
73、(CH3)(C252CSi(O−i−C37
3、(CH3)(C252CSi(O−n−C493
(CH3)(C252CSi(O−i−C493
(CH3)(C252CSi(O−t−C493
(CH3)(C252CSi(O−n−C6133
(CH3)(C252CSi(O−n−C8173
(CH3)(C252CSi(O−n−C10213
H(CH32C(CH32CSi(OCH33、H(C
32C(CH32CSi(OC253、H(CH3
2C(CH32CSi(O−n−C373、H(C
32C(CH32CSi(O−i−C373、H
(CH32C(CH3 2CSi(O−n−C493
H(CH32C(CH32CSi(O−i−C
493、H(CH32C(CH32CSi(O−t−
493、H(CH32C(CH32CSi(O−n
−C6123、H(CH32C(CH32CSi(O−
n−C8173、H(CH32C(CH32CSi(O
−n−C10213、(CH33CSi(CH3)(OC
3)(O−n−C37)、(CH33CSi(CH3
(OC25)(O−n−C37)、(CH33CSi
(CH3)(OC25)(O−n−C49)、(CH3
3CSi(CH3)(OC25)(O−n−C817)、
【0022】
【化2】
【0023】等を挙げることができる。なお、これら
は、混合物として用いることもできる。また、成分
(C)が、(R6)(R73-nSi(OR8n(ここ
で、R6は分岐鎖状脂肪族炭化水素基または環状脂肪族
炭化水素基であり、R7は、R6と同一もしくは異なる炭
化水素基またはヘテロ原子含有炭化水素基であり、R8
は、炭素数1以上12以下の炭化水素基であり、nは、
1≦n≦3なる数を表す)の一般式で表される有機ケイ
素化合物の場合には、先に挙げた有機ケイ素化合物のう
ち、該規定を満たすものを適宜選択して使用することが
できる。なお、これらは、混合物として用いてもよい。
本発明のプロピレン重合において、成分(A)、成分
(B)および成分(C)の使用量は、本発明の効果が認
められる限り任意のものでありうるが、一般的には次の
範囲内が好ましい。成分(B)の使用量は、反応器に供
給するプロピレンに対して、0.1〜10000 mo
l.ppm、好ましくは1〜1000mol.ppm、
さらに好ましくは、10〜300 mol.ppmの範
囲内である。また、成分(C)の使用量は、反応器に供
給するプロピレンに対して、0.0000001〜10
0 mol.ppm、好ましくは0.000001〜5
0mol.ppm、特に好ましくは0.00001〜2
0 mol.pmの範囲内である。
【0024】(xi) 第1段階重合工程 本発明において、第1段階重合工程における重合は、液
体プロピレンを媒体とする重合方法が用いられる。プロ
ピレン自身を媒体とする重合方法は、第1段階重合工程
において、短時間で高い触媒効率が得られるため、コス
ト上有利であるばかりでなく、分級システムとして、湿
式分級(詳細後記)の採用が可能になるという利点があ
る。なお、湿式分級は、乾式分級よりも一般に高い分級
効率が得られるため、第1段階重合工程におけるショー
ト・パスを抑制するうえで有利である。さらに、本発明
では、沈降液力分級器による湿式分級を用いるが、分級
用の媒体として液体プロピレンが使用できるため、こと
さら他の媒体を使用する必要がないという利点もある。
さらに、重合体と未反応プロピレンの分離が容易である
という利点もある。重合槽は、従来公知の任意の重合槽
を使用することができる。すなわち、タンク型の攪拌重
合槽やループ型の重合槽などを使用することができる。
重合槽に供給するオレフィンとしては、プロピレンが主
体であるが、コモノマーとして、エチレン、1−ブテ
ン、1−ペンテン、ヘキセン、オクテンなどを使用して
もよい。また、これらの混合物を用いてもよい。これら
プロピレン以外のα−オレフィンの重合量は、第1段階
重合工程で得られる重合体中にしめる割合として、10
%以下にすることが好ましい。これは、こうしたプロピ
レン以外のα−オレフィンの重合量が10%を超える
と、剛性の過度の低下や、耐熱性の低下、製品のべたつ
き増大などの悪影響が顕著になるためである。なお、プ
ロピレンやコモノマー中に、メタン、エタン、プロパン
などの不活性炭化水素化合物が含まれていてもよい。上
記オレフィンは、重合槽に供給する前に、モレキュラー
シーブなどで脱水などの精製を行ったうえで使用するの
が普通である。本発明において、重合温度に特に制限は
ないが、通常、40〜120℃、好ましくは、50〜9
0℃で行われる。圧力にも特に制限はないが、通常1〜
100atm、好ましくは、5〜40atmの圧力で行
われる。重合は水素の存在下で行われる。水素も、重合
槽に供給する前に、脱水や脱酸素などの精製を行うのが
普通である。水素の供給量に特に制限はなく、使用する
触媒の性質に応じて、所望の分子量を得るのに必要な量
の水素を供給すれば良い。水素供給量は、流量計による
水素供給速度の実測値と、プロセス・ガスクロマトグラ
フによる重合槽内の水素濃度の実測値を併用して制御す
るのが好ましい。第1段階重合工程で得られるプロピレ
ン系重合体のMFRは、任意に設定できるが、通常は先
の(ii) プロピレン系ブロック共重合体の項で述べ
たように、0.1〜3000(g/10min)の範囲
で目的に応じて設定する。第1段階重合工程の重合体生
成量が、最終的に得られる重合体中にしめる割合に特に
制限はない。しかし、剛性と耐衝撃性のバランスを考慮
すると、(ii)プロピレン系ブロック共重合体の項で
述べたように、3〜97重量%の範囲となるようにする
のが好ましい。すなわち、第2段階重合工程におけるプ
ロセス性能を考慮して、このような比率になるように、
第1段階重合工程における運転条件を設定する。第1段
階重合工程における平均滞留時間は、0.1〜8時間、
好ましくは、0.5〜5時間、さらに好ましくは、0.
7〜3.0時間程度になるように設定する。ここで、平
均滞留時間は、第1段階重合工程における重合体滞留量
を、単位時間あたりに第1段階重合工程から第2段階重
合工程に抜き出す重合体量で割ったものである。なお、
第1段階重合工程から抜き出され、第2段階重合工程に
送られる重合体の平均CEは、あるレベルよりも高い方
が好ましい。ここで、CEとは触媒効率を表し、単位固
体触媒重量あたりの生成重合体量を意味する。平均CE
が低い場合には、触媒コストが上がるばかりでなく、最
終的に得られる重合体に含まれる触媒残渣が多くなるた
め、重合体の熱安定性や耐候性が低下する欠点がある。
これを防止するためには、添加剤のフィード量を増やし
たり、脱灰処理をしたりする方法が可能であるが、いず
れもコストアップ要因であって、好ましいとは言えな
い。したがって、上述の平均CEとしては、20,00
0g/g以上が好ましく、さらに好ましくは、30,0
00g/g以上である。
【0025】(xii) 分級 本発明においては、第1段階重合工程から第2段階重合
工程へのショートパスを抑制するために、沈降液力分級
器と濃縮器からなる分級システムが使用される。システ
ムの構成としては、ショートパスを抑制するという目的
が達成されるものであれば、特に制限はない。ここで、
液力分級器とは、第1段階重合工程から抜き出したスラ
リーを、装置内部において分級用媒体(好ましくは、濃
縮器により得られた低濃度スラリーの上澄み液(詳細後
記)と向流接触させることによって、重合体粒子を粒径
によって分離する装置のことである。この液力分級器に
おいては、分級器に供給された重合体粒子のうち、大粒
径粒子は分級器内を向流液に逆らって沈降する確率が高
く、このようにして沈降した大粒径粒子を多く含むスラ
リーは、分級器胴部の抜出し口より抜き出され、第2段
階重合工程へと送られる。一方、小粒径粒子は、上記向
流液に同伴して上昇する確率が高い。かくして小粒径粒
子を多く含むスラリーは、分級器上部から抜き出され、
粒径による分離が行われることになる。このようにして
得られた小粒径粒子を多く含むスラリーは、元の重合槽
に戻しされ、引き続き重合を継続するため、触媒の原単
位向上が可能となる。本発明においては、液力分級器
は、スラリーの濃縮器と組み合わせて使用される。この
場合、濃縮器としては、液体サイクロン、遠心分離器、
濾過器などが用いられるが、連続運転の場合、液体サイ
クロンが操作性に優れ、装置も小型かつ安価で、設置面
積も少なくてすむことから、好適に用いられる。液体サ
イクロンの操作条件を適切に選ぶと、粒子をほとんど含
まない上澄液と濃厚スラリーとに分離することが可能で
ある。このようにして得られた重合体粒子をほとんど含
まない上澄液を分級器の向流に使用すれば、プロセスで
使用する液量の低減が可能となり、プロセスに対する負
荷を下げることができて有利である。第1段階重合工程
における重合槽から抜き出したスラリーを、濃縮器に先
に供給するか、沈降液力分級器に先に供給するかについ
ては任意であるが、沈降液力分級器に先に供給する方
が、圧力損失が小さいので、スラリー供給ポンプの小型
化が可能となり有利である。さらに、濃縮器から得られ
た上澄液の流量操作領域を大きく取れるというメリット
もある。このようにして、第1段階重合工程から得られ
た重合体のうち、沈降液力分級器下部より抜き出された
比較的大きな粒径を有する粒子を多く含む粒子群が、第
2段階重合工程へと送られる。
【0026】(xiii) 重合体の移送 第1段階重合工程から第2段階重合工程への重合体の移
送については、本発明の目的が達成される限りにおい
て、任意の方法をとることができる。例えば、重力を用
いて移送する方法、第1段階重合工程と第2段階重合工
程との圧力差を用いて移送する方法、ポンプを用いて移
送する方法、ブロワ−を用いて移送する方法、および、
これらの組み合わせを使用する方法などを挙げることが
できる。本発明において、分級システムから取り出され
たプロピレン重合体粒子群は、重合体と液体プロピレン
からなるスラリーとして得られるが、こうした液体プロ
ピレンを含有する状態で、重合体が第2段階重合工程の
気相重合槽に供給された場合には、気相重合槽内の温度
分布が大きくなったり、重合体の流動状態の不均一性が
増大するといった好ましくない事態が生じやすい。こう
した事態を避けるためには、第2段階重合工程の気相重
合槽に重合体スラリーが供給される前に、重合体が実質
的に液を含まない状態にしておくことが望ましい。本発
明においては、第1段階重合工程が液体プロピレンを媒
体とする重合であるため、脱ガスシステムで液体プロピ
レンを気化させることによって、上述の問題を避けるこ
とができる。脱ガスシステムに特に制限はないが、二重
管式熱交換器と流動フラッシュ槽から構成されるシステ
ムが好適に使用される。
【0027】(xiv) 第2段階重合工程 第2段階重合工程における気相重合においては、第1段
階重合工程で生成したプロピレン系重合体の存在下に、
第1段階重合工程での立体規則性触媒の作用下に、プロ
ピレンとα−オレフィンの共重合を行わせる。ここで、
「第1段階重合工程での立体規則性触媒の作用下に」と
は、第2段階重合工程での共重合反応の少なくとも一部
が第1段階重合工程で使用された立体規則性触媒活性に
よって生起ないし継続することを意味するものである。
したがって、この第2段階重合工程の共重合反応は、第
1段階重合工程で生成された重合体に同伴されて第2段
階重合工程に存在することになった立体規則性触媒の活
性によって、その実質的に全ての共重合反応がもたらさ
れるもの、および第1段階重合工程由来の触媒活性と第
2段階重合工程で新たに追加された触媒ないし触媒成分
による活性とによって共重合反応がもたらされるものが
ある。しかし、本発明の特徴は、第1段階重合工程にお
けるショートパスの抑制にあるので、第2段階重合工程
は、実質的に第1段階重合工程での立体規則性触媒の作
用のみによって実施することが好ましい。この第2段階
重合工程における気相重合は、本発明の要件を満たす第
1段階重合工程由来の重合体/粒子を使用する条件下で
行う点を除けば、合目的な任意の方法によって実施する
ことができる。第2段階重合工程には、必要に応じて、
補助的に有機アルミニウム化合物を供給することができ
る。有機アルミニウム化合物としては、前記有機アルミ
ニウム化合物成分(B)の項で例示した化合物、もしく
はそれらの混合物を使用することができる。第2段階重
合工程で使用されるプロピレン以外のα−オレフィンと
しては、好ましくは炭素数2〜12のもの、例えば、エ
チレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセンなど
を挙げることができる。このうち好ましく用いられるの
は、エチレン、1−ブテンであり、最も好ましいものは
エチレンである。なお、プロピレンやコモノマー中に、
メタン、エタン、プロパンなどの不活性炭化水素化合物
が含まれていてもよい。これらのオレフィンは、重合槽
に供給する前に、モレキュラーシーブなどで脱水などの
精製を行ったうえで使用するのが普通である。気相中の
プロピレン濃度は、一般に、90モル%未満であればよ
いが、好ましくは、30〜85モル%である。気相中の
プロピレン濃度をこのような範囲に制御することによっ
て、最終的に得られるブロック共重合体の衝撃強度が改
良されやすい。本発明においては、必要に応じて、活性
制御剤の存在下で、第2段階重合工程が行われる。ここ
で、活性制御剤とは、重合活性を低下させる作用を有す
る物質である。そして、該活性制御剤の供給量を制御す
ることによって、第2段階重合工程におけるゴム質成分
の重合活性を制御することが可能となる。活性制御剤と
して用いられる化合物に特に制限はなく、重合活性を低
下させる作用を有している限り、任意の化合物を使用す
ることができる。一般的には、窒素原子、酸素原子のよ
うないわゆるヘテロ原子を有する化合物がよく用いられ
る。また、これらの化合物は、重合活性を低下させる作
用を有している限り、活性水素を有していても有してい
なくてもよい。例えば、酸素原子を有する化合物で、活
性水素を持たない化合物としては、一般に、エーテル
類、ケトン類、エステル類、アルコキシシラン類を挙げ
ることができる。(イ) エーテル類としては、エーテ
ル酸素と結合する炭化水素残基が合計炭素数2〜18程
度、好ましくは4〜12程度のものであって、エーテル
酸素をその内部に有するもの、例えば、ジエチルエーテ
ル、ジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジメチ
ルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーエル、
エチレンオキシド、テトラヒドロフラン、2,2,5,
5−テトラメチルテトラヒドロフラン、ジオキサンなど
を、(ロ) ケトン類としては、ケトンカルボニル基と
結合する炭化水素残基が合計炭素数2〜18程度、好ま
しくは4〜12程度のもの、例えば、アセトン、ジエチ
ルケトン、メチルエチルケトン、アセトフェノンなど
を、(ハ) エステル類としては、カルボン酸部分がア
リールないしアラルキルカルボン酸(アリール基ないし
アリール部分はフェニルまたは低級(C1〜C4程度)
アルキルおよび(または)低級(C1〜C4程度)アル
コキシ置換フェニルが好ましく、アラルキル基のアルキ
ル部分は、C1〜C6程度が好ましく、カルボキシル基
は1〜3個程度が好ましい)、または脂肪族カルボン酸
(カルボキシル基(1〜3個程度)以外の部分が炭素数
1〜20程度、好ましくは2〜12程度のエーテル酸素
を含んでいても良い脂肪族炭化水素残基であるもの)で
あり、アルコール部分が炭素数1〜8程度、好ましくは
1〜4程度のもの(上記のカルボン酸の対応ヒドロキシ
置換誘導体の分子内エステルを包含する)、例えば、フ
ェニル酢酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、
安息香酸フェニル、トルイル酸メチル、トルイル酸エチ
ル、アニス酸メチル、アニス酸エチル、メトキシ安息香
酸メチル、メトキシ安息香酸エチル、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、フタル酸ジメチル、フタル酸
ジエチル、フタル酸ジプロピル、フタル酸ジブチル、フ
タル酸ジイソブチル、フタル酸ジヘキシル、γ−ブチロ
ラクトン、エチルセロソルブなどを、(ニ)アルコキシ
シラン類としては、本発明で用いられるケイ素化合物
(C)として例示した化合物を挙げることができる。窒
素原子を有する化合物で、活性水素を持たない化合物と
しては、一般に、第3級アミンを挙げることができる。
具体的には、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ト
リ−n−プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、ト
リ−n−ブチルアミン、トリイソブチルアミンなどを挙
げることができる。これらの化合物のなかでは、比較的
低炭素数のケトンやエーテルが好ましく、なかでも、ア
セトン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロ
ピレングリコールジメチルエーテルがもっとも好まし
い。活性制御剤として用いられる活性水素を有する化合
物としては、すなわち、水、アルコール、フェノール、
カルボン酸、スルホン酸、第3級アミンを除くアミンな
どを挙げることができる。具体的には、アルコールとし
ては、炭素数1〜12程度の脂肪族アルコール、例え
ば、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコー
ル、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、
n−ヘキシルアルコール、n−オクチルアルコール、n
−ドデカノール、2−エチルヘキシルアルコール、シク
ロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリ
コールなどを、官能基を有するアルコール、例えば、メ
トキシエタノール、エトキシエタノール、ジエチレング
リコールなどを挙げることができる。フェノールとして
は、フェノール、クレゾール、キシレノール、t−ブチ
ルフェノール、2,6−ジメチル−4−t−ブチルフェ
ノールなどを挙げることができる。カルボン酸として
は、炭素数1〜12程度のもの、例えば、ギ酸、酢酸、
プロピオン酸、酪酸、ステアリン酸、アクリル酸、メタ
クリル酸、安息香酸、サリチル酸などを挙げることがで
きる。スルホン酸としては、メタンスルホン酸、エタン
スルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン
酸、4−エチルベンゼンスルホン酸などを挙げることが
できる。第3級アミンを除くアミンとしては、メチルア
ミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、i−プロピ
ルアミン、n−ブチルアミン、n−オクチルアミン、シ
クロヘキシルアミン、アニリン、ベンジルアミン、ジメ
チルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミ
ン、ジ−i−プロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、
ジ−n−オクチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジ
フェニルアミン、ジベンジルアミンなどを挙げることが
できる。なお、これらの活性水素化合物は、単独で用い
てもよいし、混合物を用いてもよい。これらの活性水素
化合物のうち、好ましいものは、比較的沸点が低く、か
つ臭いがあまり強くないものである。とりわけ、比較的
低炭素数のアルコールが好ましく、なかでも、エタノー
ル、i−プロピルアルコールが最も好ましい。活性制御
剤の供給量に特に制限はなく、必要とする活性抑制効果
が得られる量を供給することができる。なお、活性制御
剤として活性水素化合物を有する化合物を使用する場
合、好ましくは、第2段階重合工程に供給される有機ア
ルミニウム化合物中のアルミニウムに対して、1.0モ
ル比を越える量とする。1.0モル比よりも少ない供給
量の場合、耐衝撃性および/または粒子流動性の改良効
果が、1.0モル比よりも多い場合に比べて、やや小さ
い傾向がある。耐衝撃性を改良する観点からは、該モル
比は高い方が良いが、高すぎると、ゴムの重合活性の低
下が顕著となり、生産性の点から好ましくない。したが
って、活性水素化合物の好ましい供給量は、第2段階重
合工程に供給される有機アルミニウム化合物中のアルミ
ニウムに対して、1.0モル比を越え、3.0モル比未
満、さらに好ましくは、1.1モル比以上、2.5モル
比以下である。活性制御剤の供給方法は任意である。n
−ヘキサン、トルエンなどの溶媒に溶解させて供給して
もよいし、溶媒を使用することなく直接供給してもよ
い。また、供給位置は、第2段階重合工程におけるプロ
ピレン・α−オレフィン共重合を活性制御剤の存在下で
行うという目的が達成されるものであれば、任意の位置
で供給することが可能である。具体的には、第2段階重
合工程における気相重合槽の分散板下部より供給する方
法、気相重合槽の循環ガスラインに供給する方法、気相
重合槽内の重合粒子からなるベッド層に供給する方法、
該ベッド層の上部から供給する方法、第1段階重合工程
と第2段階重合工程の間の脱ガス槽に供給する方法、該
脱ガス槽と第2段階重合工程における気相重合槽との間
の移送配管内に供給する方法などを上げることができ
る。供給位置は、1ヶ所でもよいし、必要に応じて、2
ヶ所以上の供給位置を設定してもよい。これらのうち、
活性制御剤の効果的な分散を考慮すると、気相重合槽分
散板の下部から供給する方法が好ましい。第2段階重合
工程における重合体生成量は、第1段階重合工程におけ
る重合体生成量に応じて、設定することができる。通常
は、剛性と耐衝撃性のバランスを考慮して、(ii)
プロピレン系ブロック共重合体の項で記載したように、
第1段階重合工程および第2段階重合工程の重合比率
を、重量比で、97/3〜3/97、好ましくは、96
/4〜20/80、さらに好ましくは、95/5〜30
/70となるように設定する。重合温度、重合時間、重
合圧力にも特に制限はないが、上述の重合比率を考慮し
て、重合温度=0〜100℃、好ましくは、25〜90
℃、重合時間=0.1〜6時間、好ましくは、0.5〜
3時間、重合圧力=0.1〜100atm、好ましく
は、1〜40atmの範囲から選択される。なお、ここ
で重合時間は、第2段階重合工程における重合体の平均
滞留時間で定義される。第2段階重合工程で得られる共
重合体の分子量は、任意に設定できるが、通常は、物性
と成形性とのバランスから、重量平均分子量Mwとし
て、5万〜1,000万、好ましくは、好ましくは、M
w=5万〜500万、さらに好ましくは、Mw=10万
〜350万である。なお、分子量の制御には、通常水素
が用いられる。第2段階重合工程で得られた共重合体の
分子量と、共重合体が全重合体中にしめる比率によっ
て、最終的に得られるブロック共重合体のMFRが決ま
る。このMFRの範囲に特に制限はないが、成形性を考
慮すると、通常は0.01〜1000g/10min、
好ましくは、0.01〜500g/10min、さらに
好ましくは、0.1〜300g/10minである。第
2段階重合工程の気相重合に用いられる重合槽の形式
は、特に限定されない。すなわち、公知の流動床、撹拌
流動床、撹拌槽などが使用可能である。なお、これら第
1段階および第2段階の重合の後、引き続き第3段階以
降の重合を行うこともできる。該重合段階では、気相中
のプロピレン濃度が90モル%未満となるような重合、
すなわち、プロピレンとエチレンの共重合や、エチレン
単独重合、エチレンと他のα−オレフィンとの共重合な
どを行うことができる。
【0028】(実施例)以下の実施例は、本発明をさら
に具体的に説明するためのものである。本発明は、その
要旨を逸脱しない限り、これによって限定されるもので
はない。なお、以下の実施例において、Me、Et、B
u、Phはそれぞれメチル基、エチル基、n−ブチル
基、フェニル基を表わす。また、m.r.は、モル比を
表わす。また、DEP、TOL、TEA、TBEDMS
は、それぞれ、フタル酸ジエチル、トルエン、トリエチ
ルアルミニウム、t−BuEtSi(OMe)2を表わ
す。t−Buはターシャリーブチル基を表わす。 [MFR]MFRは、タカラ社製のメルトインデクサー
を使用し、JIS−K6758に準拠して測定した。 [CXS]CXSは、次の方法により測定した。ポリプ
ロピレン粉末試料約1gをナス型フラスコ中に精秤し、
これに200mlのキシレンを加え、加熱沸騰させ完全
に溶解した。その後、これを25℃の水浴中で急冷し、
析出した固体部分をろ過し、ろ液のうち50mlを白金
皿中で蒸発乾固、さらに減圧乾燥して重量を秤量した。
CXSは、ポリプロピレン粉末試料中のキシレン可溶分
量として算出した。 [物性測定]ブロック共重合体中の物性測定は、次の方
法により行った。重合体パウダー100重量部に対し
て、フェノール系酸化防止剤として、チバガイギー社製
「イルガノックス1010」を0.075重量部、リン
系熱安定剤として、チバガイギー社製「イルガフォス1
68」を0.03重量部、滑剤として、日本油脂社製ス
テアリン酸カルシウムを0.075重量部、核剤とし
て、タルクを0.3重量部配合して、ヘンシェルミキサ
ーで混合して試料を作成した。ついで、大阪精機社製の
40mmf押出機を用い、窒素ガスでシールしたホッパ
ーから、試料を投入し、温度220℃、スクリュー回転
数100rpmで押し出してペレット化した。得られた
ペレットについて、以下に示す物性測定を行った。ま
ず、外観の指標となるゲル数は、次のようにして測定し
た。上述の方法で得られたペレットを、T字型のダイス
を有する押出機を用いて、厚さ30mのフィルムに成形
し、フィルム250cm2あたりで、直径0.05mm
以上のゲルがいくつあるかをカウントし、ゲル数とし
た。機械物性の指標となる曲弾性率(FM)、Izo
d、面衝撃強度は、次のようにして測定した。上述の方
法で得られたペレットを、日本製鋼社製N70BII射
出成型機により、可塑化シリンダ温度220℃、金型温
度20℃で、物性測定用の試験片を射出成形した。射出
成形後、23℃の恒温室で4〜7日間放置した後、F
M、Izod、面衝撃強度に関する物性測定を行った。
FMは、JIS−K−7203に準拠して、室温23±
1℃で測定した。Izodは、JIS−K−7110に
準拠して、同じく室温23±1℃で測定した。低温耐衝
撃性の尺度となる面衝撃強度は、以下の測定法で行っ
た。すなわち、38mmφ×2.0mmの射出成形片を
試験片とし、先端の曲率半径1/2インチの衝撃子を、
−30℃に保持された試験片の上に垂直に置き、荷重を
衝撃子に対して落下させて破壊エネルギーを測定した。
なお、1点の測定に4個の試料を使用し、4個のうち2
個が破壊される最低のエネルギーを、面衝撃強度とし
た。
【0029】(実施例1) (1) 固体成分の製造 攪拌翼、温度計、ジャケット、冷却コイルを備えた10
0リッターの反応器に、Mg(OEt)230molを
仕込み、次いで、Ti(OBu)4を、仕込んだMg
(OEt)2中のマグネシウムに対して、Ti(OB
u)4/Mg=0.60(m.r.)となるように仕込
んだ。さらに、トルエンを19.2 kg仕込み、攪拌
しながら昇温した。139℃で3時間反応させた後、1
30℃に降温して、MeSi(OPh)3のトルエン溶
液を、先に仕込んだMg(OEt)2中のマグネシウム
に対して、MeSi(OPh)3/Mg=0.67
(m.r.)になるように添加した。なお、ここで用い
たトルエン量は、7.8kgであった。添加終了後、1
30℃で2時間反応させ、その後、室温に降温し、Si
(OEt) 4を添加した。Si(OEt)4の添加量は、
先に仕込んだMg(OEt)2中のマグネシウムに対し
て、Si(OEt)4/Mg=0.056(m.r.)
となるようにした。次に、得られた反応混合物に対し
て、マグネシウム濃度が、0.58(mol/L・TO
L)になるように、トルエンを添加した。さらに、フタ
ル酸ジエチルを、先に仕込んだMg(OEt)2中のマ
グネシウムに対して、DEP/Mg=0.10(m.
r.)になるように添加した。得られた混合物を、引き
続き攪拌しながら10℃に冷却し、TiCl4を2時間
かけて滴下して均一溶液を得た。なお、TiCl4は、
先に仕込んだMg(OEt)2中のマグネシウムに対し
て、TiCl4/Mg=4.0(m.r.)になるよう
にした。TiCl4添加終了後、攪拌しながら0.5℃
/minで15℃まで昇温し、同温度で1時間保持し
た。次いで、再び0.5℃/minで50℃まで昇温
し、同温度で1時間保持した。さらに、1℃/minで
118℃まで昇温し、同温度で1時間処理を行った。処
理終了後、攪拌を停止し、上澄み液を除去した後、トル
エンで、残液率=1/73になるように洗浄し、スラリ
ーを得た。次に、ここで得られたスラリーに、室温で、
トルエンとTiCl4を添加した。なお、TiCl4は、
先に仕込んだMg(OEt)2中のマグネシウムに対し
て、TiCl4/Mg(OEt)2=5.0(m.r.)
となるようにした。また、トルエンは、TiCl4濃度
が、2.0(mol/L・TOL)になるように調製し
た。このスラリーを攪拌しながら昇温し、118℃で1
時間反応を行った。反応終了後、攪拌を停止し、上澄み
液を除去した後、トルエンで、残液率=1/150とな
るように洗浄し、固体成分のスラリーを得た。
【0030】(2) 固体触媒成分(A)の製造 実施例1(1)で得られた固体成分のうち、400g
を、攪拌翼、温度計、冷却ジャケットを有する別の反応
器に移送し、ノルマルヘキサンを加えて、固体成分の濃
度として5.0(g/l)になるように希釈した。得ら
れたスラリーを攪拌しながら、15℃で、トリメチルビ
ニルシラン、TEAおよびTBMDESを添加した。こ
こで、TBMDESは、t−ブチルメチルジエトキシシ
ランを示し、t−ブチルは、ターシャリーブチル基を示
す。なお、TEA、トリメチルビニルシラン、TBMD
ESの添加量は、それぞれ、固体触媒成分(A)中の固
体成分1gに対して、3.1(mmol)、0.2(m
l)、0.2(ml)となるようにした。添加終了後、
引き続き攪拌しながら、15℃で1時間保持し、さら
に、30℃に昇温して、同温度で2時間攪拌した。次
に、再び15℃に降温し、同温度を保持しながら、反応
器の気相部に、1.2kgのプロピレンガスを72分か
けて定速でフィードして予備重合を行った。フィード終
了後、攪拌を停止して上澄み液を除去した後、ノルマル
ヘキサンで洗浄を行い、固体触媒成分(A)のスラリー
を得た。なお、残液率は、1/12とした。得られた固
体触媒成分(A)は、固体触媒成分(A)1gあたり、
2.8gのプロピレン重合体を有していた。
【0031】(3) プロピレン・エチレンブロック共
重合体の製造 図 2に示したように、内容積0.4m3の攪拌装置付
き液相重合槽1、0.5m3の攪拌式気相重合槽8の間
に、沈降液力分級器4、濃縮器3(液体サイクロン)、
および向流ポンプ13からなる分級システム、および、
二重管式熱交換器5と流動フラッシュ槽6からなる脱ガ
スシステムを組み込んだプロセスにより、プロピレン・
エチレンブロック共重合体の連続製造を実施した。液相
重合槽1には、液化プロピレン、水素、TEA、TBE
DMSを連続的にフィードした。なお、液化プロピレ
ン、TEA、TBEDMSのフィード量は、それぞれ、
170kg/hr、20.0 g/hr、2.0 g/
hrであり、水素は、全圧が32.1kgf/cm2
になるようにフィードした。さらに、実施例1(2)で
得られた固体触媒成分(A)を、(A)中に含まれる固
体成分として、0.71g/hrとなるようにフィード
した。また、重合温度が70℃となるように、重合槽1
を冷却した。この重合槽で重合したスラリーは、スラリ
ーポンプ2を用いて液力分級器4に約12m3/hrの
体積流量でフィードした。液力分級器4の下部からは、
大粒径粒子を比較的多く含むスラリーを抜き出し、残り
のスラリーは、液力分級器4の上部から、濃縮器3に供
給した。濃縮器3の上部からは、固体粒子がほとんど存
在しない上澄液を取り出し、これをポンプ13を用い
て、液力分級器下部に向流として供給した。一方、濃縮
器3下部から抜き出した小粒径粒子を比較的多く含むス
ラリーは、液相重合槽1に循環させた。液力分級器4の
下部から抜き出したスラリーの抜き出しレートは、該ス
ラリーに含まれるポリプロピレン粒子として、約40k
g/hrになるように調節した。該ポリプロピレン粒子
の液相重合槽1ならび循環ラインにおける平均滞留時間
は1.0時間であった。また、該ポリプロピレン粒子の
平均粒径Dp50は620μm、平均CEは62,20
0g/g、重合活性Kは2,220gPP/gCAT・
hr・atm、MFRは70g/10min、CXSは
1.1重量%であった。なお、重合活性Kは、触媒中の
固体成分1gあたり、平均滞留時間1hrあたり、プロ
ピレン分圧1atmあたりのポリプロピレン収量(g)
で定義する。また、触媒効率CEは、固体触媒成分
(A)中に含まれる固体成分1gあたりのポリプロピレ
ン収量(g)で定義する。液力分級器4の下部より抜き
出された先述のスラリーは、二重管式熱交換器5を経
て、流動フラッシュ槽6にフィードされた。流動フラッ
シュ槽6においては、下部より加熱したプロピレンガス
をフィードしながら、槽内温度を70℃に維持した。こ
こで得られた固体状ポリプロピレン粒子は、気相重合槽
8に送られた。先述の液力分級器4下部より抜き出され
たスラリーは、後流の二重管式熱交換器5を経て、流動
フラッシュ槽6にフィードされた。流動フラッシュ槽6
においては、下部より加熱したプロピレンガスをフィー
ドしながら、槽内温度を70℃に維持した。ここで得ら
れた固体状ポリプロピレン粒子を、気相重合槽8に送
り、プロピレンとエチレンの共重合(EPR重合)を行
った。混合効果を高めるため、補助的に撹拌翼を設けた
気相重合槽8では、ガス・ブロアー7によって、エチレ
ン、プロピレン、水素の混合ガスを循環させた。エチレ
ンとプロピレンは、エチレンとプロピレンの分圧の和が
16.0kgf/cm 2G、かつ、プロピレンのモル分
率が55mol%で一定になるようにフィードした。ま
た、水素は、水素濃度が2.0mol%となるようにフ
ィードした。また、活性制御剤としてエタノールをフィ
ードした。エタノールのフィード量は、気相重合槽8に
供給される重合体粒子に随伴して供給されるトリエチル
アルミニウム中のアルミニウムに対して、1.2(m.
r.)となるようにした。重合温度は70℃で、気相重
合槽8から抜き出したプロピレン・エチレンブロック共
重合体の抜き出しレートが、約47kg/hrになるよ
うに調節した。気相重合槽8における平均滞留時間は、
1.0hrであった。気相重合槽8から抜き出された重
合体粒子を分析したところ、MFRは34g/10mi
n、かさ密度は0.48g/cc、EPR含量は14.
8重量%であった。なお、プロピレン・エチレンブロッ
ク共重合体の平均CEは、73,000g/gであっ
た。
【0032】(4) 物性測定結果 実施例1(3)で得られたブロック共重合体について、
ゲル数を測定したところ、ゲル数=50個/250cm
2であり、ゲルの少ない良好な外観を示していた。ま
た、機械物性として、FM、Izod、面衝撃強度を測
定したところ、FM=14,800kgf/cm2、I
zod=9.9kgf・cm/cm、面衝撃強度=11
3kgf・cmであり、剛性・耐衝撃性バランスは良好
であった。
【0033】(比較例1) (1) 固体触媒成分(A)の製造 TBMDESのかわりに、TBEDMSを使用した以外
は、実施例1(2)と同様にして、固体触媒成分(A)
の製造を行った。得られた固体触媒成分(A)は、固体
触媒成分(A)1gあたり、2.7gのプロピレン重合
体を有していた。
【0034】(2) プロピレン・エチレンブロック共
重合体の製造 固体触媒成分(A)として、比較例1(1)で得られた
ものを用いた以外は、実施例1(3)と同様にしてプロ
ピレン・エチレンブロック共重合体の連続製造を行っ
た。液力分級器4の下部から抜き出したスラリーに含ま
れるポリプロピレン粒子の平均粒径Dp50は520μ
m、平均CEは39,000g/g、重合活性Kは1,
390gPP/gCAT・hr・atm、MFRは68
g/10min、CXSは1.4重量%であった。ま
た、気相重合槽8から抜き出されたプロピレン・エチレ
ンブロック共重合体粒子を分析したところ、MFRは2
9.4g/10min、かさ密度は0.48g/cc、
EPR含量は15.2重量%であった。また、プロピレ
ン・エチレンブロック共重合体の平均CEは、46,0
00g/gであった。
【0035】(3) 物性測定結果 比較例1(2)で得られたブロック共重合体について、
ゲル数を測定したところ、ゲル数=110個/250c
2であり、ゲルの少ない良好な外観を示していた。ま
た、機械物性として、FM、Izod、面衝撃強度を測
定したところ、FM=14,400 kgf/cm2
Izod=10.1kgf・cm/cm、面衝撃強度=
115kgf・cmであり、剛性・耐衝撃性バランスは
良好であった。このように、比較例1では、ブロック共
重合体の粉体性状、外観、機械物性については良好であ
るものの、実施例1と比較して、触媒活性が劣ってい
る。
【0036】(比較例2) (1) プロピレン・エチレンブロック共重合体の製造 図 3に示したように、分級システムを含まない通常の
連続プロセスにより、プロピレン・エチレンブロック共
重合体の連続製造を実施した。固体触媒成分(A)とし
て、実施例1(1)で得られたものを用いて、実施例1
(3)と同様にしてプロピレン・エチレンブロック共重
合体の連続製造を行った。重合槽1から抜き出したスラ
リーに含まれるポリプロピレン粒子の平均粒径Dp50
は570μm、平均CEは49,800g/g、重合活
性Kは1,780gPP/gCAT・hr・atm、M
FRは70g/10min、CXSは1.1重量%であ
った。気相重合槽8から抜き出されたプロピレン・エチ
レンブロック共重合体粒子を分析したところ、MFRは
29.5g/10min、かさ密度は0.43g/c
c、EPR含量は18.6重量%であった。また、プロ
ピレン・エチレンブロック共重合体の平均CEは、6
1,200g/gであった。
【0037】(2) 物性測定結果 比較例2(2)で得られたブロック共重合体について、
ゲル数を測定したところ、ゲル数は4,000個/25
0cm2以上と多発したため、正確な測定はできなかっ
た。このため、外観は不良であった。また、機械物性と
して、FM、Izod、面衝撃強度を測定したところ、
FM=13,000kgf/cm2、Izod=10.
5kgf・cm/cm、面衝撃強度=100kgf・c
mであり、剛性・耐衝撃性バランスは不良であった。こ
のように、比較例2では、触媒活性、ブロック共重合体
の粉体性状、外観、機械物性のすべての点において、実
施例1と比較して劣っている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のプロピレン系重合体の製造に適した
触媒について、その理解を助けるためのフローチャー
ト。
【図2】 本発明の一様態を示すプロセスフローシー
ト。
【図3】 本発明の比較例を示すプロセスフローシー
ト。
【符号の説明】
1 液相重合槽 2 スラリーポンプ 3 濃縮器 4 液力分級器 5 二重管式熱交換機 6 流動フラッシュ槽 7 ガスブロワー 8 気相重合槽 9 循環ガスクーラー 10 ガスブロワー 11 熱交換機 12 サイクロン 13 向流ポンプ 14 サイクロン 15 ホッパー 16 スクリューフィーダー 17 乾燥機 18 ホッパー 19 パウダーサンプリングライン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 細井 淳 三重県四日市市東邦町1番地 日本ポリケ ム株式会社プロセス開発センター内 Fターム(参考) 4J026 HA04 HA27 HA34 HA38 HB02 HB03 HB04 HB20 HB27 HB35 HB38 HB42 HB46 HB48 HE01 HE06 4J028 AA01A AB01A AC02A AC03A AC04A AC05A AC06A AC07A BA01A BA02B BB00A BB01B BC04A BC07A BC14B BC15B BC16B BC18B BC24B BC27B BC32A BC32B BC34A BC34B CA15A CA22A CA25A CB22A CB25A CB27A CB42A CB52A CB53A CB56A CB58A CB62A CB66A CB68A CB91A CB92A EA02 EB02 EB04 EB05 EB07 EB08 EB09 EC02 ED01 ED02 ED09 FA03 FA04 FA07 FA09 GA12 GA26

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】立体規則性触媒の存在下、第1段階重合工
    程において、液体プロピレンを主成分とするα−オレフ
    ィンの重合を、水素の存在下に単独の重合槽で行い、次
    に、第2段階重合工程として、第1段階重合工程で得ら
    れた重合体をプロピレン・α−オレフィン共重合槽に送
    り、プロピレンとプロピレン以外のα−オレフィンの共
    重合を、第1段階重合工程での立体規則性触媒の作用下
    に、実質的に気相中で行うプロピレン系ブロック共重合
    体の連続製造法であって、下記の要件を満たすことを特
    徴とするプロピレン系ブロック共重合体の製造法。 (1) 第1段階重合工程の重合槽から抜き出した重合
    体スラリーを、沈降液力分級器を含む分級システムを用
    いて、大粒径粒子を多く含むスラリーと小粒径粒子を多
    く含むスラリーとに分級し、大粒径粒子を多く含むスラ
    リーを第2段階重合工程に送り、小粒径粒子を多く含む
    スラリーを、元の第1段階重合工程の重合槽に戻すこ
    と。 (2) 立体規則性触媒として、下記成分(A)、
    (B)、(C)を組み合わせてなる触媒を使用するこ
    と。 (A) チタン、マグネシウム、ハロゲン、電子供与性
    化合物を必須成分として含有する固体成分に、一般式
    (R1)(R23-mSi(OR3m(ここで、R1は分岐
    鎖状脂肪族炭化水素基または環状脂肪族炭化水素基であ
    り、R2は、R1と同一もしくは異なる炭化水素基または
    ヘテロ原子含有炭化水素基であり、R3は、炭素数2以
    上の炭化水素基であり、mは、1≦m≦3なる数を表
    す)を接触させてなる固体触媒成分。 (B) 有機アルミニウム化合物。 (C) 一般式(R44-nSi(OR5n(ここで、R
    4は炭化水素基であり、R5は、炭素数1以上12以下の
    炭化水素基であり、nは、1≦n≦3なる数を表す)で
    表される有機ケイ素化合物。
  2. 【請求項2】分級を行うに際し、第1段階重合工程の重
    合槽から抜き出した重合体スラリーを、まず沈降液力分
    級器に供給し、液力分級器内で、該重合体スラリーと液
    体プロピレンを主とする液体(向流と称する)とを向流
    接触させ、大粒径粒子を多く含むスラリーと小粒径粒子
    を多く含むスラリーとに分級し、小粒径粒子を多く含む
    スラリーを濃縮器に供給して、高濃度スラリーと低濃度
    スラリーを取り出し、高濃度スラリーは、第1段階重合
    工程の重合槽に戻し、低濃度スラリーは、先の向流とし
    て使用することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】立体規則性触媒として、下記の成分
    (A)、(B)、(C)を組み合わせてなる触媒を使用
    することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の
    プロピレン系ブロック共重合体の製造法。 (A) チタン、マグネシウム、ハロゲン、電子供与性
    化合物を必須成分として含有する固体成分に、一般式
    (R1)(R23-mSi(OR3m(ここで、R1は分岐
    鎖状脂肪族炭化水素基または環状脂肪族炭化水素基であ
    り、R2は、R1と同一もしくは異なる炭化水素基または
    ヘテロ原子含有炭化水素基であり、R3は、炭素数2以
    上の炭化水素基であり、mは、1≦m≦3なる数を表
    す)を接触させてなる固体触媒成分。 (B) 有機アルミニウム化合物。 (C) 一般式(R6)(R73-nSi(OR8n(こ
    こで、R6は分岐鎖状脂肪族炭化水素基または環状脂肪
    族炭化水素基であり、R7は、R6と同一もしくは異なる
    炭化水素基またはヘテロ原子含有炭化水素基であり、R
    8は、炭素数1以上12以下の炭化水素基であり、n
    は、1≦n≦3なる数を表す)で表される有機ケイ素化
    合物。
  4. 【請求項4】第2段階重合工程におけるプロピレンとプ
    ロピレン以外のα−オレフィンの共重合を、第1段階重
    合工程での立体規則性触媒の作用下で、かつ、活性制御
    剤の存在下に行うことを特徴とする請求項1、請求項
    2、または請求項3に記載のプロピレン系ブロック共重
    合体の製造法。
  5. 【請求項5】活性制御剤が、活性水素化合物であること
    を特徴とする請求項4に記載のプロピレン系ブロック共
    重合体の製造法。
  6. 【請求項6】第2段階重合工程に供給される有機アルミ
    ニウム化合物中のアルミニウムに対して、活性水素化合
    物の供給量を1.0モル比より大とすることを特徴とす
    る請求項5に記載のプロピレン系ブロック共重合体の製
    造法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008150466A (ja) * 2006-12-15 2008-07-03 Japan Polypropylene Corp プロピレン系ブロック共重合体の気相連続製造方法
JP2009173897A (ja) * 2007-12-28 2009-08-06 Sumitomo Chemical Co Ltd プロピレン−エチレンブロック共重合体の製造方法
US8685879B2 (en) 2011-04-29 2014-04-01 Basf Corporation Emulsion process for improved large spherical polypropylene catalysts

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