JP2002003460A - C−h−酸性化合物のアミノ誘導体の製造法 - Google Patents

C−h−酸性化合物のアミノ誘導体の製造法

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JP2002003460A JP2001154248A JP2001154248A JP2002003460A JP 2002003460 A JP2002003460 A JP 2002003460A JP 2001154248 A JP2001154248 A JP 2001154248A JP 2001154248 A JP2001154248 A JP 2001154248A JP 2002003460 A JP2002003460 A JP 2002003460A
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Guenther Dr Koehler
ケーラー ギュンター
Wolfgang Dr Kleemiss
クレーミス ヴォルフガング
Frank Dr Bauer
バウアー フランク
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C231/00Preparation of carboxylic acid amides
    • C07C231/10Preparation of carboxylic acid amides from compounds not provided for in groups C07C231/02 - C07C231/08

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一般式I: 【化1】 のC−H−酸性化合物のアミノ誘導体を、簡単な方法
で、ニトロソ化および引き続く水素添加によって、高い
収量および高い純度で製造する方法の提供。 【解決手段】 一般式II: 【化2】 の化合物と亜硝酸とを反応させ、この場合、カルボン酸
無水物1〜10当量の存在下にニトロソ化を実施し、場
合によっては反応塩の分離後、反応生成物を接触水素添
加させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般式I:
【0002】
【化3】
【0003】[式中、Rは炭素原子1〜10個を有す
る、非分枝鎖状または分枝鎖状アルキル基、殊にメチル
基、エチル基またはプロピル基、炭素原子5〜12個を
有する脂環式基、アリール基、殊にフェニル基またはナ
フチル基、炭素原子7〜12個を有するアルキルアリー
ル基、例えばエチルフェニル基、または炭素原子7〜1
2個を有するアラルキル基、例えばベンジル基またはフ
ェニルエチル基を表し、およびXならびにXは同一
または異なった求電子性基を表す]で示されるC−H−
酸性化合物のアミノ誘導体を、カルボン酸無水物1〜1
0モル(式IIの化合物に対して)の存在下に、一般式
II:
【0004】
【化4】
【0005】[式中、XおよびXは前記の意味を表
す]で示されるC−H−酸性化合物と、他の酸によって
亜硝酸塩から遊離される亜硝酸とを反応させ、それによ
って式IIの化合物の事実上完全な変換が達成され、か
つIIのニトロソ化生成物のO−アシル誘導体が、場合
によっては反応塩の分離後、接触水素添加に供給される
ことによって製造する方法に関する。
【0006】
【従来の技術】一般式Iのアミノ誘導体は、薬学分野お
よび農業分野で使用できる化合物にとって、貴重な中間
生成物である。例として、相応するN−アセタミド−マ
ロン酸エステルが挙げられる。
【0007】マロン酸誘導体、例えばエステル、アミ
ド、イミドエステル、またはマロジニトリルをニトロソ
化する一連の方法は、公知になっていた。J. B. Pain
e 他は、例えば J. Org. Chem. 50, 5598〜5604 (1
985) 中に、氷酢酸中マロン酸ジエチルエステルの溶液
に、硝酸ナトリウム水溶液をゆっくり添加し、均一な溶
液である反応混合物に、苛性ソーダ溶液を添加し、かつ
反応生成物を、ジエチルエーテルを用いた抽出によって
酢酸ナトリウムを含有する水相から分離することによ
る、ヒドロキシイミノマロン酸ジエチルエステルの製造
法を記載している。この方法の場合、水溶液としての酢
酸ナトリウムは、マロン酸ジエチルエステルに対して約
4倍のモル量で生じる。
【0008】ドイツ連邦共和国特許出願公開第2352
706号明細書によれば、シアノ酢酸エチルエステル
は、まず塩化水素を用いて無水アルコール中で、モノイ
ミドマロン酸ジエチルエステル−ヒドロクロリドに変換
され、酢酸中に溶解されている。次に、この溶液に亜硝
酸ナトリウム水溶液が少しずつ添加され、この反応混合
物に、ニトロソ反応終了後に水が添加されている。該反
応生成物は、生じた酢酸ナトリウムを含有する水相か
ら、新たに溶剤を用いた抽出によって分離されている。
【0009】欧州特許出願公開第0517041号明細
書中には、マロン酸ジメチルエステルと水とからなる混
合物に亜硝酸ナトリウムおよび酢酸が添加されることに
よる、ヒドロキシイミノマロン酸ジメチルエステル製造
の例が記載されている。この反応混合物は、ジクロルエ
タンを用いて2回抽出され、かつヒドロキシイミノマロ
ン酸ジメチルエステルが、水相中に残留する酢酸ナトリ
ウムから分離されている。この場合、亜硝酸ナトリウム
は、マロン酸エステル1モル当たり1.2モルの量で使
用されるだけであるが、しかし、21時間の反応時間に
よって工業的処理のための変換は事実上使用できなくな
る。さらに、この方法は水に難溶性のマロン酸ジエステ
ルの反応には不適当である。
【0010】前記の全ての方法の場合、酢酸ナトリウム
は、汚染され、無害化処理の困難な水溶液の形で生じて
いる。したがって、この方法は生態学的理由から、工業
的規模への移行には不適当である。
【0011】ドイツ連邦共和国特許出願公開第9548
73号明細書中には、ヒドロキシイミノマロン酸ジエチ
ルエステルの製造法が記載されているが、この場合、マ
ロン酸ジエチルエステルは、認められるほどには水と混
和性でなく、最終生成物から蒸留によって分離可能な溶
剤、例えばトルオール中に溶解され、この溶液に少なく
ともモル量の亜硝酸ナトリウム、ならびにマロン酸ジエ
ステルに対して水1〜10質量%が添加され、懸濁液
に、ニトロソ化が終了するまで30〜70℃の温度で徐
々に氷酢酸が添加され、該反応溶液が、溶解していない
酢酸ナトリウムから分離され、かつ溶液から晶出された
ヒドロキシイミノマロン酸ジエチルエステルが得られ
る。この方法は、溶剤抽出を用いずに済み、少なくと
も、酢酸ナトリウムの約2/3が固体の形で取得され
る。この方法は、“スムーズで迅速な反応および良好な
収量”が得られるとのことである。しかし、得られた、
融点86.5〜88℃の結晶質生成物は、ヒドロキシイ
ミノマロン酸ジエチルエステルなどではなく、むしろそ
の酢酸ナトリウムとの錯体であったので、少なくとも良
好な収量には当たらない。この生成物は、白金触媒を用
いたアセトアミノマロン酸ジエチルエステルへの水素添
加が、溶剤として特に有利な酢酸無水物中では不可能で
あるほど不純である。
【0012】欧州特許出願公開第0811607号明細
書中には、一般式IIのC−H−酸性化合物、殊に水に
難溶性であるような化合物であっても、アルカリ金属亜
硝酸塩のほんのわずかな過剰量と反応させて、短い反応
時間、高い変換率および良好な収量で、連続反応に必要
とされる高い純度を有するヒドロキシイミノ化合物また
はニトロソ化合物にすることができ、この場合、副生成
物として生じる塩は再使用可能な固体の形で十分に取得
でき、著しく汚染された排水の発生を、十分にかまたは
完全に回避できる方法が記載されている。
【0013】欧州特許出願公開第0811607号明細
書による方法は、一般式IIの化合物を、他の酸によっ
て亜硝酸塩から遊離される亜硝酸を用いて、水および不
活性有機溶剤の存在下にニトロソ化させることである。
この場合、不活性有機溶剤もしくは、できるだけ均質な
反応混合物を可能にする溶剤混合物が使用している。反
応塩は、反応後に大部分が沈殿し、濾過によって分離す
ることができる。
【0014】欧州特許出願公開第0811607号明細
書によれば、脂肪族エーテルまたは脂環式エーテル、例
えばジブチルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、
テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンおよびジアル
コキシアルカンが適当な溶剤である。前記の欧州特許出
願明細書の実施例中では、主に1,4−ジオキサンが溶
剤として使用されている。
【0015】前記の方法によれば、一般式IIの化合物
は99%を上回って変換される。ニトロソ化生成物は、
それぞれヒドロキシイミノ化合物またはアセトキシイミ
ノ化合物の形で、約85%の収量および高い純度で得ら
れる。
【0016】欧州特許出願公開第0811607号明細
書中では、亜硝酸の遊離が可能にされかつ促進されるの
で、ニトロソ化反応のためには、水が反応混合物の必須
成分であることが明確に指摘されている。
【0017】欧州特許出願公開第0811607号明細
書中に記載された方法により、相応するニトロソ化生成
物の良好な収量が得られるとしても、しかしながらこの
方法には数多くの欠点がある。
【0018】水と部分的に混和性の溶剤、例えば1,4
−ジオキサンの使用は、この溶剤が、反応後および場合
によっては他の反応前に、水洗によってかまたは蒸留に
よって反応混合物から部分的または全体的に分離されな
ければならないこととなる。これは費用がかかり、かつ
この製造法を著しく高価なものにげする。さらに、有機
相の水洗の場合、前記溶剤の相当量が洗浄水中に達する
ということが問題となる。この種の負荷された排水の無
害化処理は、高価およびコスト高である。さらに、1,
4−ジオキサンは詳細には有毒な溶剤であり、この溶剤
の使用は工業界ではできるだけ回避されている。
【0019】さらに、欧州特許出願公開第081160
7号明細書中では、第2の溶剤の使用が記載されてお
り、この溶剤の添加により、ニトロソ化反応後に反応塩
の十分な沈殿を生じている。メチル−t−ブチルエーテ
ルが好適である。亜硝酸塩から亜硝酸を遊離させるため
に、前述の実施例中では酢酸が使用されている。ニトロ
ソ化反応後および反応塩の分離後、反応生成物は、すな
わち4つの異なる溶剤− 水、1,4−ジオキサン、メ
チル−t−ブチルエーテルおよび酢酸 − からなる混
合物中に存在する。他の反応 − 常法によればヒドロ
キシイミノ化合物の相応するアセタミド化合物への接触
水素添加 − の前に、少なくとも溶剤の一部は蒸留に
よって除去される。生じる蒸留物は、後処理または廃棄
に費用をかけなければならない。
【0020】さらに、前記の特許出願明細書によれば、
反応後に酢酸ナトリウム−三水和物の注入によって反応
塩の沈殿が生じている。これは発熱プロセスである。工
業界では、このような作業工程は、結晶熱を十分迅速に
放出できると保証できないので、実行不可能であるか、
または極めて実行が困難である。
【0021】欧州特許出願公開第0811607号明細
書によるニトロソ化後には、相応するヒドロキシイミノ
化合物とアシルオキシイミノ化合物とからなる混合物が
存在する。このことから、相応する飽和アシルアミノ化
合物が接触水素添加によって得られることになる場合、
先行する工程における清浄化および完全な水の除去の後
に、過剰のカルボン酸無水物との反応が行われなければ
ならない。これによって、水素添加によって飽和アシル
アミノ化合物を生じる、相応するアシルオキシ化合物が
わずかに存在することが保証される。これに反してヒド
ロキシイミノ化合物とアシルオキシアミノ化合物とから
なる混合物が水素添加される場合には、ヒドロキシイミ
ノ化合物は相応する遊離アミノ化合物へと変換できる。
該遊離アミノ化合物は、相応するアシルアミノ化合物よ
りも明らかに反応性が高く、例えば重合によって著量の
収量損失をまねくことがある。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】したがって課題は、一
般式IIのC−H−酸性化合物を、簡単な方法で、ニト
ロソ化および引き続く水素添加により高い収量および高
い純度で、相応するアシルアミノ化合物へと変換させる
ことができる方法を提供することであった。この場合、
一方では反応生成物の後処理、他方では生じた溶剤混合
物の後処理を簡単にすることができるよう、使用される
溶剤の数はできるだけ少なくなければならない。
【0023】さらに、反応の際に生じる塩は、反応の間
に可能な限り連続的に沈殿することになり、それによっ
て、引続く種晶の添加による晶出はもはや不必要になる
ので、その結果、晶出工程の制御されていない放熱を阻
止することができる。
【0024】さらにアセトイミドマロネートはオキシム
よりも安定な中間生成物である。この安定性は、安全工
学的理由ならびに収量の最適化の理由から望まれてい
る。
【0025】
【課題を解決するための手段】ところで、ニトロソ化
を、有利に相応するカルボン酸無水物の過剰量で実施す
る場合に、一般式IIのC−H−酸性化合物を、極めて
良好な収量で、相応するニトロソ化生成物のアシル化合
物へと変換できることが見いだされた。
【0026】
【発明の実施の形態】したがって、本発明の対象は、一
般式I:
【0027】
【化5】
【0028】[式中、Rは炭素原子1〜10個を有す
る、非分枝鎖状または分枝鎖状アルキル基、殊にメチル
基、エチル基またはプロピル基、炭素原子5〜12個を
有する脂環式基、アリール基、殊にフェニル基またはナ
フチル基、炭素原子7〜12個を有するアルキルアリー
ル基、例えばエチルフェニル基、または炭素原子7〜1
2個を有するアラルキル基、例えばベンジル基またはフ
ェニルエチル基を表し、およびXならびにXは同一
または異なった求電子性基を表す]で示されるC−H−
酸性化合物のアミノ誘導体を、一般式II:
【0029】
【化6】
【0030】[式中、XおよびXは前記の意味を表
す]で示される化合物と、他の酸によって亜硝酸塩から
遊離される亜硝酸とを反応させることによって製造する
方法であり、式IIの化合物に対してカルボン酸無水物
1〜10モルの存在下にニトロソ化を実施し、それによ
って、式IIの化合物の完全な変換が達成され、かつI
Iのニトロソ化生成物のO−アシル誘導体を、場合によ
っては反応塩の分離後に、接触水素添加に供給すること
によって特徴付けられる。
【0031】この場合、C−H−酸性化合物は、有利に
カルボン酸無水物および懸濁されたかまたは溶解された
亜硝酸塩と一緒に予め装入するか、または段階的もしく
は連続的に供給してもよい。亜硝酸の遊離のために使用
される酸は、前記の温度で供給してもよい。第1ニトロ
ソ化生成物、ヒドロキシイミノ化合物は、この反応条件
下に直ちにアシル化され、したがってニトロソ化平衡か
ら除かれる。
【0032】驚くべきことに、反応混合物がほとんど無
水であるにもかかわらず、一般式IIの相応するC−H
−酸性化合物のアシルオキシイミノ化合物の合成は極め
て高い収量および短い反応時間で達成される。C−H−
酸性化合物またはアルカリ金属亜硝酸塩を通して反応混
合物中に入っていたかもしれない湿分の痕跡は、カルボ
ン酸無水物によってか、または水和物形成塩によって極
めて迅速に消費されたと思われる。
【0033】この発見は、欧州特許出願公開第0811
607号明細書中で、水が一般式IIのC−H−酸性化
合物のニトロソ化にとって不可欠な反応混合物の成分で
あると主張されているという点で、全く驚異的なことで
ある。
【0034】前記の特許出願明細書中では、反応の際に
生じる水を捕捉するために、ニトロソ化反応中に少量の
酸無水物を使用できると記載されているが、しかし、こ
の場合、少量の無水物のみを扱っているのであり、した
がって、反応の間には十分な水が混合物中に存在するこ
とが明示されているのである。欧州特許出願公開第08
11607号明細書によれば、反応混合物中の十分な含
水量は、反応が有効な速度を用いて進行するための本質
的な前提条件であるはずである。
【0035】反応塩は、本発明による方法の場合、反応
の間に連続的に沈殿するので、その結果、ニトロソ化反
応後の注入を不要にできる。またニトロソ化反応後、ヒ
ドロキシイミノ化合物もなく、わずかなアシルオキシ化
合物が存在し、その結果、ニトロソ化および反応塩の分
離後および接触水素添加前に、無水物の過剰量との前も
って行われる反応はもはや不必要になる。すなわち、本
発明による方法によれば、反応段階が節約される。
【0036】反応後、反応塩は濾別でき、かつ濾液に接
触水素添加を施すことができる。この場合、一般式Iの
化合物は良好な収量および高い純度で得られる。
【0037】求電子性基XおよびXは同一または異
なっていてもよい。XおよびXは有利に基:−CO
OR′、−C(NR′)OR″、−CONR′R″、C
OR′を表し、この場合、R′およびR″は水素を表す
か、または有利にRに関して前記された、好ましい意味
を含む意味を表し、ならびに基:−CN、−NOを意
味する。
【0038】本発明による方法のための出発物質として
特に好適なC−H−酸性化合物からは次のものが挙げら
れる:マロン酸ならびにそのエステルおよびイミドエス
テル、例えばマロン酸ジメチルエステル、マロン酸ジエ
チルエステル、マロン酸ジイソブチルエステル、マロン
酸ジ−2−エチルヘキシルエステル、マロン酸ジベンジ
ルエステルおよびモノイミドマロン酸ジエチルエステ
ル;マロン酸アミドまたはマロン酸アミドエステル、例
えばマロン酸ジアミド、N,N′−ジメチルマロン酸ジ
アミド、N′,N′,N′,N′−テトラメチルマロン
酸ジアミドおよびN,N−ジメチルアミドマロン酸エチ
ルエステル;マロン酸ジニトリル;シアノ酢酸およびそ
のエステル、例えばシアノ酢酸エチルエステル;β−ケ
ト酸およびその誘導体、例えばアセト酢酸またはベンゾ
イル酢酸およびそのエステルまたはアミド、例えばアセ
ト酢酸エチルエステル、アセト酢酸−N,N−ジメチル
アミドおよびベンゾイル酢酸エチルエステル;1,3−
ジケトン、例えばアセチルアセトン、ベンゾイルアセト
ンおよびジベンゾイルアセトンおよびジベンゾイルメタ
ン;ニトロ化合物、例えばジニトロメタン、ニトロ酢酸
エチルエステルおよびニトロアセトニトリル;式II中
の基−CH−を側鎖にするもう1つの求電子性基を有
する芳香族化合物、例えばフェニル酢酸エステル、フェ
ニルアセトニトリル(ベンジルニトリル)および4−ニ
トロフェニルアセトニトリル。
【0039】前記の求電子性基の中のエステル基は、炭
素原子1〜12個を有する非分枝鎖状または分枝鎖状ア
ルキル基、炭素原子5〜12個を有する脂環式基、アリ
ール基、炭素原子合計で7〜18個を有するアルキルア
リール基、または炭素原子を同様に7〜18個有するア
ラルキル基である。常用の前記化合物中のアルキル基
は、互いに無関係にそれぞれ炭素原子1〜10個を含有
する。
【0040】本来のニトロソ化剤、亜硝酸は、現場で、
他の酸によって亜硝酸塩から遊離される。適当な亜硝酸
塩は、殊にアルカリ金属亜硝酸塩、例えば亜硝酸ナトリ
ウムまたは亜硝酸カリウム、または炭素原子1〜10個
を含有する、非分枝鎖状または分枝鎖状アルキル基を有
する有機亜硝酸塩である。これらは一般に、IIのC−
H−酸性化合物1モル当たり1〜3モルの量で使用され
る。有利に亜硝酸塩は、C−H−酸性化合物1モル当た
り1.0〜1.7モル、殊に1.05〜1.4モルの量
で使用される。
【0041】亜硝酸を亜硝酸塩から遊離する酸として
は、亜硝酸塩を少なくとも部分的にプロトン化できる、
全ての無機酸または有機酸が適当である。適当な無機酸
は、他の塩酸、硫酸、硝酸およびリン酸の中にある。適
当な飽和または不飽和有機酸からは、殊に炭素原子1〜
12個を有するモノカルボン酸、例えばギ酸、酢酸およ
びプロピオン酸、または炭素原子2〜14個を有する飽
和ジカルボン酸または不飽和ジカルボン酸、例えばシュ
ウ酸、マロン酸、グルタル酸、コハク酸、マレイン酸お
よびフマル酸が挙げられる。無機酸としては、硫酸が好
ましく、および有機酸としては酢酸が好ましい。酸は有
利に、少なくとも亜硝酸塩に相応する化学量論量で使用
される。酸対亜硝酸塩の割合は、1〜2対1、有利に
1.0〜1.8対1である。しかし、特に好ましくは化
学量論的過剰量の約1.6倍である。
【0042】カルボン酸無水物としては、混合無水物、
または対称無水物、好ましくはアセト無水物、プロピオ
ン酸無水物、酪酸無水物または安息香酸無水物が使用さ
れる。カルボン酸無水物の存在下にニトロソ化する場
合、生じる相応するヒドロキシイミノ化合物のアシル誘
導体は、一般に引き続く接触水素添加によって、一般式
Iの相応するアシルアミノ化合物へと変換されるので、
望ましいアシルアミノ化合物を得るために用いられるよ
うな無水物の選択肢が生じる。
【0043】反応は、C−H−酸性化合物に対してカル
ボン酸無水物1〜10当量の存在下に実施できる。有利
には、カルボン酸無水物1.05〜5当量、なかでも特
に好ましくは2〜3当量が使用される。
【0044】本発明による方法によるニトロソ化は、
0.8〜20バールの圧力、有利には常圧で、および2
0〜100℃の温度、有利に30〜70℃、特に好まし
くは40〜60℃で実施できる。
【0045】本発明による方法により、C−H−酸性化
合物の完全な変換に必要とされる反応時間は、他の酸の
完全な供給後(供給時間約1〜4時間、有利に2〜3時
間)、約4〜6時間である。すなわち全反応時間は、欧
州特許出願公開第0811607号明細書中に挙げられ
た全反応時間よりも長いが、しかし欧州特許出願公開第
0517041号明細書中に挙げられた全反応時間より
も明らかに短い。
【0046】その上、ニトロソ化の直接の反応生成物は
相応するアセトキシイミノ化合物であるので、本発明に
よる方法には、引き続く実施される無水物との反応を不
要にできるという利点がある。すなわち、このような付
加的な段階のための反応時間が節約される。
【0047】本発明による方法によれば、反応生成物の
後処理もしくは後加工は、接触水素添加によって著しく
簡単な形になる。
【0048】無機亜硝酸塩を使用する場合の反応塩は、
まず濾過または遠心分離によって分離される。濾液は、
場合によっては不活性有機溶剤、例えばメチル−t−ブ
チルエーテル(MTBE)またはトルオールを用いた新
たな沈殿、および引き続く新たな濾過または引き続く新
たな遠心分離の後、常用の条件下に接触水素添加され
る。この場合、全収量中、85〜95%で、相応する一
般式Iのアシルアミノ−化合物が得られる。
【0049】しかし、濾過または遠心分離によって、反
応塩の主要量を分離した後、まず一部の低沸点生成物、
例えば酢酸およびアセト無水物も、場合によっては真空
中で留去でき、残滓は不活性有機溶剤、例えばメチル−
t−ブチルエーテル中で抽出し、かつ有機相を水で洗浄
することができるので、その結果、塩残留物を除去する
ことができる。引続き、常用の方法で接触水素添加を行
うことができる。
【0050】次の例につき、しかし、具体的に挙げられ
た場合に限定されることなく、本発明の対象を詳説す
る。
【0051】
【実施例】例1:マロン酸ジエチルエステル0.38モ
ル、アセト無水物1.14モルおよび亜硝酸ナトリウム
0.5モルからなる混合物中で、40℃の温度で攪拌下
に、反応温度が50℃を上回らないようにして酢酸0.
67モルを供給する(供給時間:約3時間)。50℃で
4時間、後攪拌させ、次に室温に冷却する。反応塩を濾
別し、かつメチル−t−ブチルエーテル約100mlを
用いて、塩を後洗浄する。後沈殿した酢酸ナトリウムを
濾別し、母液に白金5g/炭素(5%)を添加する。5
バールの水素圧および45〜50℃の温度で、水素添加
する。約4時間後、水素吸収はもはや生じない。冷却
し、放圧し、かつ溶剤の一部を真空中で蒸留することに
よって除去する。生成物の晶出後、固体を濾過によって
分離する。85%のアセチルアミノマロン酸ジエチルエ
ステルの収率が得られる。
【0052】例2:例1と同様であるが、しかし 供給時間 : 3時間 後反応 : 40℃で1時間 30℃で3時間 濾過、低沸点生成物の留去 MTBE中の抽出、水を用いた洗浄、前記条件下での水
素添加 収率 :90% 例3: マロン酸ジエチルエステル 2.28モル アセト無水物 6.84モル 亜硝酸ナトリウム 3.78モル 酢酸 6.0モル を40℃で装入、3時間で滴加、50℃で4時間の後攪
拌、濾過、上記のように水素添加。
【0053】収率 :87% 例4: マロン酸ジエチルエステル 2.28モル アセト無水物 6.84モル 亜硝酸アミル 3.78モル 酢酸 6.0モル 試験3の場合と同様に試験実施 収率 :78% 例5: マロン酸ジベンジルエステル 2.28モル アセト無水物 6.84モル 亜硝酸ナトリウム 3.78モル 酢酸 6.0モル を40℃で装入、3時間で滴加、50℃で4時間の後攪
拌、濾過、前述のように水素添加。
【0054】収量 :82%
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 フランク バウアー ドイツ連邦共和国 ハルテルン レーマー シュトラーセ 59 アー Fターム(参考) 4H006 AA02 AC51 AC53 AC59 AD17 BC10 BC11 BC31 BD70 BE01 BE02 BE03 BE20 BE90 BT22 BV22

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式I: 【化1】 [式中、Rは炭素原子1〜10個を有する、非分枝鎖状
    または分枝鎖状のアルキル基、炭素原子5〜12個を有
    する脂環式基、アリール基、炭素原子を合計で7〜12
    個有するアルキルアリール基または炭素原子を合計で7
    〜12個有するアラルキル基を表し、およびXならび
    にXは同一または異なった求電子性基を表す]で示さ
    れるC−H−酸性化合物のアミノ誘導体を製造する方法
    において、カルボン酸無水物1〜10当量の存在下に、
    一般式II: 【化2】 の化合物と、亜硝酸塩および無機酸または有機酸から遊
    離される亜硝酸とを反応させ、引続き、IIのニトロソ
    化生成物のO−アシル誘導体を接触水素添加させること
    を特徴とする、C−H−酸性化合物のアミノ誘導体の製
    造法。
  2. 【請求項2】 反応塩を予め分離した後、O−アシル誘
    導体の水素添加を行う、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 求電子性基XおよびXが同一かまた
    は異なっており、および基:−COOR′、−C(N
    R′)OR″、−CONR′R″、COR′(式中、
    R′およびR″が水素を表すか、または炭素原子1〜1
    0個を有する非分枝鎖状または分枝鎖状アルキル基、炭
    素原子5〜12個を有する脂環式基、フェニル基または
    ナフチル基、炭素原子7〜12個を有するアルキルアリ
    ール基、または炭素原子7〜12個を有するアラルキル
    基を表す)を意味するか、または基:−CNおよび−N
    を意味する、請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 C−H−酸性化合物として、マロン酸な
    らびにそのエステルおよびイミドエステル、マロン酸ア
    ミドまたはマロン酸アミドエステル、マロン酸ジニトリ
    ル、シアノ酢酸およびそのエステル、β−ケト酸および
    その誘導体、1,3−ジケトン、式II中の基−CH
    −を側鎖にするもう1つの求電子性基を有するニトロ化
    合物および芳香族化合物を使用する、請求項1から3の
    いずれか1項記載の方法。
  5. 【請求項5】 マロン酸ジメチルエステル、マロン酸ジ
    エチルエステル、マロン酸ジイソブチルエステル、マロ
    ン酸ジ−2−エチルヘキシルエステル、マロン酸ジベン
    ジルエステル、モノイミドマロン酸ジエチルエステル、
    マロン酸ジアミド、N,N′−ジメチルマロン酸ジアミ
    ド、N′,N′,N′,N′−テトラメチルマロン酸ジ
    アミド、N,N−ジメチルアミドマロン酸エチルエステ
    ル、マロン酸ジニトリル、シアノ酢酸エチルエステル、
    アセト酢酸、ベンゾイル酢酸、アセト酢酸エチルエステ
    ル、アセト酢酸−N,N−ジメチルアミド、ベンゾイル
    酢酸エチルエステル、アセチルアセトン、ベンゾイルア
    セトン、ジベンゾイルアセトン、ジベンゾイルメタン、
    ジニトロメタン、ニトロ酢酸エチルエステルおよびニト
    ロアセトニトリル、フェニル酢酸エステル、フェニルア
    セトニトリル(ベンジルニトリル)および4−ニトロフ
    ェニルアセトニトリルを使用する、請求項4記載の方
    法。
  6. 【請求項6】 亜硝酸塩として、アルカリ金属亜硝酸塩
    を使用する、請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】 亜硝酸塩をC−H−酸性化合物1モル当
    たり1〜3モルの量で使用する、請求項1から6までの
    いずれか1項記載の方法。
  8. 【請求項8】 無機酸として、塩酸、硫酸、硝酸または
    リン酸を、酸1〜2モル対亜硝酸塩1モルの割合で使用
    する、請求項1記載の方法。
  9. 【請求項9】 有機酸として、ギ酸、酢酸またはプロピ
    オン酸を、酸1〜2モル対亜硝酸塩1モルの割合で使用
    する、請求項1記載の方法。
  10. 【請求項10】 アセト無水物、プロピオン酸無水物、
    酪酸無水物または安息香酸無水物によって形成される群
    から選択されるカルボン酸無水物1〜10当量を使用す
    る、請求項1記載の方法。
  11. 【請求項11】 0.8〜20バールの圧力および20
    〜100℃の温度でニトロソ化を実施する、請求項1か
    ら10までのいずれか1項記載の方法。
  12. 【請求項12】 反応塩を濾過または遠心分離によって
    分離し、かつ濾液を接触水素添加する、請求項1から1
    1までのいずれか1項記載の方法。
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JPS5541227B2 (ja) 1972-10-24 1980-10-22
EP0517041A1 (en) 1991-06-07 1992-12-09 Fujisawa Pharmaceutical Co., Ltd. New Cephem Compounds
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