JP2002002146A - ブランケットおよびプラズマディスプレイパネルの製造法 - Google Patents

ブランケットおよびプラズマディスプレイパネルの製造法

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JP2002002146A
JP2002002146A JP2000184501A JP2000184501A JP2002002146A JP 2002002146 A JP2002002146 A JP 2002002146A JP 2000184501 A JP2000184501 A JP 2000184501A JP 2000184501 A JP2000184501 A JP 2000184501A JP 2002002146 A JP2002002146 A JP 2002002146A
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Akihiro Muneta
明博 棟田
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Fujikura Rubber Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 (1)PDPのアドレス電極の形成に要求さ
れる高い解像度および高い印刷精度を十分に満足するこ
とができ、裏面側から糸毛羽などの異物を発生させるこ
とがなく、クリーンルームにおける印刷作業にも好適に
使用することができるブランケットを提供すること。
(2)アドレス電極を高い印刷精度で効率的に形成する
工程を含むPDPの製造法を提供すること。 【解決手段】 本発明のブランケットは、基布を貼り合
わせてなる基材層10の表面に、印刷方向に配向された
状態で短繊維が加硫ゴム中に含有されてなる短繊維補強
ゴム層20と、加硫ゴムからなる表面層30とが積層形
成されていることを特徴とする。本発明の製造法は、本
発明のブランケットを使用して行うオフセット印刷法に
よりアドレス電極を形成する工程を含むことを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オフセット印刷用
のブランケット、および当該ブランケットを使用して行
うオフセット印刷法によってアドレス電極を形成する工
程を含むプラズマディスプレイパネルの製造法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】最近において、平板状の蛍光表示体とし
てプラズマディスプレイが注目されている。図1は交流
型のプラズマディスプレイパネル(以下、「PDP」と
もいう。)の断面形状を示す模式図である。同図におい
て、1および2は、対向配置されたガラス基盤、3は隔
壁であり、ガラス基盤1、ガラス基盤2および隔壁3に
よりセルが区画形成されている。4はガラス基盤1に固
定されたバス電極、5はガラス基盤2に固定されたアド
レス電極、6はセル内に保持された蛍光物質、7は、バ
ス電極4を被覆するようガラス基盤1の表面に形成され
た誘電体層である。
【0003】ここに、PDPのアドレス電極を形成する
方法として、フォトリソグラフィーが利用されており、
この方法によれば、高い印刷精度でアドレス電極を形成
することができる。然るに、フォトリソグラフィーによ
るアドレス電極の形成法は、工程数が多くて煩雑であ
り、PDPの製造コストの上昇を招く。
【0004】一方、ガラス基盤への各種回路パターンの
印刷、カラー液晶ディスプレイ用のカラーフィルターの
印刷など、高い印刷精度を要するオフセット印刷に使用
されるブランケットとして、本発明者は、基材層(基布
および圧縮層)の表面に、水素化ニトリルゴムからなる
表面層(インキ受理転移層)を設けたブランケットを提
案している(特開平8−169189号公報参照)。
【0005】そこで、本発明者は、PDPのアドレス電
極を形成する方法として、上記のようなブランケットを
使用するオフセット印刷法の利用可能性について検討し
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報に記載のものを含めて従来公知のブランケットを使用
して行うオフセット印刷法では、比較的平坦度が低いP
DP用のガラス基盤上に、PDPのアドレス電極の形成
に要求される解像度(微細線幅の形成および微小間隔の
確保)並びに印刷精度(版に対する印刷パターンエリア
の位置精度)を十分に満足する印刷パターンを形成する
ことができない。
【0007】また、ブランケットの裏面は、通常、綿布
などを貼り合わせてなる基材層から構成されている。こ
のため、当該ブランケットの裏面から糸毛羽などの異物
が発生し、当該異物がブランケットの表面層(インキ受
理・転移層)に付着して形成されたアドレス電極に欠陥
を生じさせたり、周囲の環境を汚染したりすることがあ
り、クリーンルームなどで印刷作業を行う場合に適当で
はない。
【0008】本発明は以上のような事情に基いてなされ
たものである。本発明の目的は、PDPのアドレス電極
の形成などに要求される高い解像度および高い印刷精度
を十分に満足することができるオフセット印刷用のブラ
ンケットを提供することにある。本発明の他の目的は、
裏面側から糸毛羽などの異物を発生させることがなく、
クリーンルームにおける印刷作業にも好適に使用するこ
とができるブランケットを提供することにある。本発明
の他の目的は、アドレス電極を高い印刷精度で効率的に
形成する工程を含むPDPの製造法を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のブランケット
は、基布を貼り合わせてなる基材層の表面に、印刷方向
に配向された状態で短繊維が加硫ゴム中に含有されてな
る短繊維補強ゴム層と、表面粗さ(Ra)が0.3〜
1.0μmである加硫ゴムからなる表面層とが積層形成
されていることを特徴とする。
【0010】本発明のブランケットにおいては、下記の
形態が好ましい。 〔a〕前記基材層の裏面側に目止層が形成されているこ
と。 〔b〕前記目止層が、フッ素樹脂フィルムからなるこ
と。 〔c〕前記目止層が、アクリル樹脂フィルムとフッ素樹
脂フィルムとの積層フィルムからなること。 〔d〕前記短繊維補強ゴム層および前記表面層を構成す
る加硫ゴムが水素化ニトリルゴムであること。 〔e〕前記短繊維補強ゴム層の厚さが100〜500μ
mであり、前記表面層の厚さが30〜300μmである
こと。 〔f〕基材層の一部を構成する層として、クッション層
を有していること。 〔g〕印刷方向における引張応力(1%モジュラス)が
20〜40N・m-1、圧縮方向に100μmの歪みを与
えたときの応力が0.1〜0.5MPaであり、短繊維
の配向方向における短繊維補強ゴム層の引張応力(10
%モジュラス)が1.3MPa以上であること。 〔h〕PDPのアドレス電極を形成するために使用され
るものであること。
【0011】本発明の製造法は、本発明のブランケット
を使用して行うオフセット印刷法によりアドレス電極を
形成する工程を含むことを特徴とする。
【0012】
【作用】〔1〕基材層と表面層との間に短繊維補強ゴム
層が設けられているので、ブランケットとしての強度
(引張応力)が向上して表面における伸びが抑制され
る。この結果、伸びに起因する印刷位置のずれが防止さ
れ、版に対する印刷パターンエリアの位置精度が向上す
る。
【0013】〔2〕表面粗さ(Ra)が0.3〜1.0
μmである表面層によりブランケットの表面が構成され
ているので、印刷時における圧縮応力がミクロレベルで
均一化され、形状に乱れのない鮮明な印刷パターンを形
成することができ、高解像度の印刷が可能になる。
【0014】〔3〕後述する実施例の結果からも明らか
なように、本発明のブランケットは、印刷方向における
伸縮程度を示す周長変化率が小さく、しかも、当該周長
変化率の歪量(押込量)に対する依存性も低い。従っ
て、本発明のブランケットを使用して行うオフセット印
刷においては、アドレス電極を形成する際の印圧をある
程度大きく設定することができ、PDP用のガラス基盤
のように精度(平坦度)の低いガラス基盤に対しても高
い位置精度で印刷パターン(アドレス電極)を形成する
ことができる。
【0015】〔4〕基材層(10)の裏面側に目止層
(50)が形成されていることにより、基材層を構成す
る基布に由来する糸毛羽などの異物を当該裏面側から発
生させることはない。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。図2は、本発明のブランケットの一例を模式的に
示す断面図である。この例のブランケットは、基布を貼
り合わせてなる基材層10の表面に、短繊維補強ゴム層
20と、表面層30とが積層形成されて構成されてい
る。
【0017】<基材層>図2に示すブランケットを構成
する基材層10は、基布111と、クッション層12
と、基布112と、接着層13と、基布113とが積層
されて形成されている。かかる基材層10の厚さは、例
えば1.2〜1.6mmとされる。
【0018】基材層10を構成する基布111〜113
としては、通常綿布が使用される。基布111と基布1
12との間に設けられたクッション層12は、ブランケ
ットに好適な圧縮特性を付与し、印圧を緩和して良好な
印刷を可能にするための任意の層である。かかるクッシ
ョン層12の構成材料としては、ニトリルゴムなどから
なるスポンジゴムを例示することができ、クッション層
12を構成するスポンジゴムは、連泡型であっても独立
気泡型であってもよい。クッション層12の厚さは、例
えば300〜500μmとされる。
【0019】基布112と基布113との間に設けられ
た接着層13は、これらを接着するための層である。か
かる接着層13の構成材料としてはニトリルゴムを例示
することができる。
【0020】<短繊維補強ゴム層>図2に示すブランケ
ットを構成する短繊維補強ゴム層20は、印刷方向に配
向された状態で短繊維が加硫ゴム中に含有されて構成さ
れている。
【0021】かかる短繊維の種類としては、ナイロン繊
維、ポリエステル繊維、アラミド繊維、チラノ繊維、カ
ーボン繊維、ガラス繊維などを例示することができる。
また、短繊維の長さとしては、好適な補強効果(伸びの
抑制効果)を発現させる観点から0.1〜8mmである
ことが好ましい。また、短繊維の繊維径としては2〜2
0μmであることが好ましい。また、短繊維の含有割合
としては、ゴム成分に対して5〜30体積%であること
が好ましい。短繊維の含有割合が過小である場合には、
伸びの抑制効果を十分に発揮することができない。一
方、この割合が過大である場合には、ゴム中に存在する
短繊維が均一に分散されず、逆に補強性が失われる傾向
がある。
【0022】短繊維補強ゴム層20を構成する加硫ゴム
としては、特に限定されるものではく、ニトリルゴム、
水素化ニトリルゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴムなど
を例示することができ、これらのうち、水素化ニトリル
ゴムを使用することが好ましい。また、当該加硫ゴムに
は、充填剤などの各種ゴム用配合剤が含有されていても
よい。
【0023】短繊維補強ゴム層20の厚さは100〜5
00μmであることが好ましく、更に好ましくは200
〜400μmとされる。この厚さが100μm未満であ
る場合には、十分な補強効果(伸びの抑制効果)を発現
することができない。一方、この厚さが500μmを超
える場合には、印刷位置の再現性が低下する傾向があ
る。また、本発明のブランケットに好適な強度(引張応
力)を付与する観点から、短繊維の配向方向(印刷方
向)における短繊維補強ゴム層20の引張応力(10%
モジュラス)は1.3MPa以上であることが好まし
い。
【0024】<表面層>図2に示すブランケットを構成
する表面層30は、インキの受理・転移のために好適な
表面粗さ(Ra)を有する加硫ゴム層からなる。表面層
30の表面粗さ(Ra)は、0.3〜1.0μmとさ
れ、好ましくは0.3〜0.7μmとされる。表面層3
0の表面粗さ(Ra)が1.0μmを超える場合には、
形状に乱れのない鮮明な印刷パターンを形成することが
できない。一方、この表面粗さ(Ra)が0.3μm未
満である場合には、ガラス基盤に対する密着性が過大と
なり、インキのミスティング(糸引き現象)の原因とな
る。表面層30を構成する加硫ゴムとしては、特に限定
されるものではいが、ニトリルゴム、水素化ニトリルゴ
ム、フッ素ゴム、シリコーンゴムなどを挙げることがで
きる。これらのうち、充填剤を配合しなくても、また
は、充填剤の配合量が少量であっても、十分な強度を発
現させることができる観点から水素化ニトリルゴムを使
用することが好ましい。ここに、水素化ニトリルゴムの
水素化率は45%以上であることが好ましい。また、当
該加硫ゴムには、充填剤など各種ゴム用配合剤が含有さ
れていてもよい。さらに、表面層30を構成する加硫ゴ
ムと、短繊維補強ゴム層20を構成する加硫ゴムとが同
一のゴム材料からなることが好ましい。表面層30の厚
さは30〜300μmであることが好ましく、更に好ま
しくは50〜200μmとされる。表面層30の厚さは
30μm未満である場合には、鮮明性に優れた印刷パタ
ーンを形成することが困難となる。一方、この厚さが3
00μmを超える場合には、最表層の伸び(印刷時の押
込量に起因する表面層30の伸び)が大きくなり、印刷
精度が損なわれる傾向がある。
【0025】<ブランケットの製造法>図3(1)〜
(4)は、図2に示したような層構成のブランケットを
製造する方法の一例を示す説明図である。図3(1)に
示すように、短繊維補強ゴム層形成用の材料層20A
(短繊維を含有する未加硫ゴム)を基材層10の表面に
形成する。ここに、材料層20Aの形成方法としては、
トッピング法またはコーティング法を挙げることができ
る。また、短繊維を配向させる方法としては、基材層1
0の表面に材料層20Aを形成するときのトッピング速
度またはコーティング速度を制御する方法を挙げること
ができる。具体的には、100cm/分以上の速度でト
ッピングすることにより、また、70cm/分以上の速
度でコーティングすることにより、短繊維が配向された
状態で未加硫ゴム中に含有されてなる材料層20Aを形
成することができ、これを加硫することにより、印刷方
向に短繊維が配向された状態の短繊維補強ゴム層を形成
することができる。
【0026】図3(2)に示すように、表面層形成用の
材料層30A(未加硫ゴム)をポリエステルフィルム4
0の表面(表面粗さ(Ra):0.3〜0.7μm)に
形成する。ここに、材料層30Aの形成方法としてはコ
ーティング法を挙げることができる。
【0027】図3(3)に示すように、基材層10−材
料層20Aの積層体と、ポリエステルフィルム40−材
料層30Aの積層体とを貼り合わせ、次いで、材料層2
0Aおよび材料層30Aを圧縮条件下に加硫する。ここ
に、圧縮条件(面圧)としては、例えば0.5MPa程
度とされ、加硫条件としては、例えば155℃で15分
間とされる。これにより、図3(4)に示すように、基
材層10と短繊維補強ゴム層20と表面層30とポリエ
ステルフィルム40とからなる積層体が得られる。ここ
に、ポリエステルフィルム40は、本発明のブランケッ
ト(基材層10と短繊維補強ゴム層20と表面層30と
の積層体)の使用時まで保護フィルムとして機能する。
そして、ポリエステルフィルム40を剥離することによ
り、その表面状態が転写された表面層30があらわれ
る。
【0028】<目止層>図4は、本発明のブランケット
の他の例を模式的に示す断面図である。この例のブラン
ケットは、基材層10の表面に、短繊維補強ゴム層20
と、表面層30とが積層形成されているとともに、基材
層10の裏面側には接着層15を介して目止層50が形
成されて構成されている。
【0029】この例のブランケットにおいて、基材層1
0、短繊維補強ゴム層20および表面層30は、それぞ
れ、図2に示したブランケットと同様の構成である。
【0030】図4に示すブランケットを構成する目止層
50としては、フッ素樹脂フィルム、フッ素樹脂フィル
ム(外側層)とアクリル樹脂フィルム(内側層)との積
層フィルムなどを挙げることができる。ここに、フッ素
樹脂フィルムの市販品としては、PVFフィルム「テド
ラ」(デュポン社製)を挙げることができ、前記積層フ
ィルムの市販品としては「KFCフィルム」(呉羽化学
工業(株)製)を挙げることができる。目止層50とし
てフッ素樹脂フィルムを使用することにより、基材層1
0を構成する基布に由来する糸毛羽、接着層15などに
配合された充填材に由来する異物を封止することがで
き、これらをブランケットの裏面側から発生させること
を確実に防止することができる。
【0031】目止層50厚さは15〜30μmであるこ
とが好ましい。この厚さが過小である場合には、裏面側
からの異物の発生を十分に防止することができない。一
方、この厚さが過大である場合には、得られるブランケ
ットの剛性が過大となり、印刷機のシリンダーへの装着
が困難になり、繰り返し増締を必要としてしまう。
【0032】目止層50と基材層10との間に設けられ
た接着層15は、これらを接着するための層である。接
着層15の厚さは、例えば20〜100μmとされる。
【0033】目止層50としてフッ素樹脂フィルムを使
用する場合において、接着層15の構成材料(接着剤)
としては、イソシアネート化合物を含有するニトリルゴ
ムを挙げることができる。また、目止層50として、ア
クリル樹脂フィルムを内側層とする前記積層フィルムを
使用する場合には、接着層15の構成材料(接着剤)と
してニトリルゴムを挙げることができ、イソシアネート
化合物を添加しなくても十分な接着力を確保することが
できる。
【0034】図4に示す層構成のブランケットによれ
ば、接着層15を介して基材層10の裏面側に形成され
た目止層50により、当該基材層10を構成する基布に
由来する糸毛羽などの異物を、当該裏面側から発生させ
ることを確実に防止することができる。
【0035】図4に示す層構成のブランケットを製造す
る方法としては、図2に示した層構成のブランケットを
製造した後、その裏面(基布113の面)に接着剤を塗
布して目止層50を貼り付ける方法を挙げることができ
る。
【0036】<ブランケットの物性>本発明のブランケ
ットの印刷方向における引張応力(1%モジュラス)
は、20〜40N・m-1であることが好ましく、更に好
ましくは30〜40N・m-1である。かかる引張応力が
10N・m-1以上、特に30N・m-1以上である本発明
のブランケットによれば、伸びに起因する印刷位置のず
れを確実に防止することができ、高い位置精度で印刷パ
ターン(電極パターン)を形成することができる。
【0037】また、本発明のブランケットの圧縮特性と
しては、圧縮方向に100μmの歪みを与えたときの応
力が0.1〜0.5MPaであることが好ましく、更に
好ましくは0.2〜0.4MPaである。このような圧
縮特性を有する本発明のブランケットによれば、印刷さ
れる回路の線幅が、版の線幅を忠実に再現したものとな
る。
【0038】<PDPの製造法>本発明の製造法は、本
発明のブランケットを使用して行うオフセット印刷法に
よりアドレス電極を形成する工程を含む点に特徴を有す
るものである。本発明の製造法における他の工程として
は特に限定されるものではなく、従来公知の工程を採用
することができる。本発明の製造法によれば、フォトリ
ソグラフィーのような煩雑な方法を行うことなく、PD
Pのアドレス電極を高い印刷精度で効率的に形成するこ
とができ、PDPの製造コストの低減を図ることができ
る。
【0039】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明するが、
本発明はこれらによって限定されるものではない。な
お、以下において、「部」は「重量部」を意味するもの
とする。また、本発明のブランケットおよび比較用のブ
ランケットを構成する基材層としては、以下に示すもの
を使用した。
【0040】〔基材層〕 (1)層構成:図2に示した層構成 (2)厚さ:1400μm (3)基布(111)〜(113)の種類:綿布 (4)クッション層(12)の構成材料:ニトリルゴム
からなるスポンジゴム (5)クッション層(12)の厚さ:約400μm (6)接着層(13)の構成材料:ニトリルゴム
【0041】<実施例1>水素化ニトリルゴム100重
量部と、酸化亜鉛5重量部と、硫黄1重量部と、可塑剤
15重量部と、ポリメタクリル酸亜鉛10重量部と、カ
ーボンブラック20重量部と、カーボン繊維からなる短
繊維(繊維径:4μm,長さ:4〜8mm)20重量部
(ゴム分に対して15体積%)とからなる配合物をゴム
ロールを用いて混練し、得られた練り生地をメチルエチ
ルケトンに溶解してゴム溶液を調製した。このようにし
て得られたゴム溶液を、基材層(10)を構成する基布
(111)の表面に、ナイフコーターを用いて100c
m/分の塗布速度でコーティングし、形成された塗膜を
乾燥することにより、短繊維が配向された状態で未加硫
ゴム中に含有されてなる厚さ350μmの材料層(20
A)を形成した。
【0042】短繊維を配合しなかったこと以外は上記の
調製例と同様にしてゴム溶液を調製した。このようにし
て得られたゴム溶液を、厚さ125μmのポリエステル
フィルム(40)の表面にコーティングし、形成された
塗膜を乾燥することにより、未加硫ゴムからなる厚さ3
0μmの材料層(30A)を形成した。
【0043】材料層(20A)が形成された基材層(1
0)と、材料層(30A)が形成されたポリエステルフ
ィルム(40)とを貼り合わせることにより、基材層
(10)と、材料層(20A)と、材料層(30A)
と、ポリエステルフィルム(40)とからなる積層体を
作製した。この積層体に対して面圧0.5MPaの圧縮
をかけた状態で、材料層(20A)および材料層(30
A)を加硫した。ここに、加硫条件としては、155℃
で15分間とした。これにより、厚さ1400μmの基
材層(10)と、印刷方向に短繊維が配向されてなる厚
さ350μmの短繊維補強ゴム層(20)と、厚さ30
μmの表面層(30)とが積層形成されてなり、ポリエ
ステルフィルム(40)により表面層(30)が保護さ
れている本発明のブランケット(1000mm×130
0mm×1780μm)を製造した。
【0044】<実施例2>実施例1と同様にしで得られ
たブランケットの裏面に、イソシアネート化合物を含有
してなるニトリルゴム系の接着剤を塗布し、厚さ30μ
mのPVFフィルム「テドラ」(デュポン社製)を貼り
付けた。これにより、基材層(10)の裏面側に、厚さ
100μmの接着層(15)を介して、厚さ30μmの
目止層(50)が形成されてなる本発明のブランケット
(1000mm×1300mm×1910μm)を製造
した。
【0045】<比較例1>実施例1において材料層(3
0A)を形成するために調製した短繊維を配合していな
いゴム溶液を、厚さ125μmのポリエステルフィルム
の表面にコーティングし、形成された塗膜を乾燥するこ
とにより、未加硫ゴムからなる厚さ380μmの材料層
を形成した。基材層と、材料層が形成されたポリエステ
ルフィルムとを貼り合わせることにより、基材層と、材
料層と、ポリエステルフィルムとからなる積層体を作製
した。この積層体に対して面圧0.5MPaの圧縮をか
けた状態で、材料層を加硫した。ここに、加硫条件とし
ては、155℃で15分間とした。これにより、厚さ1
400μmの基材層と、厚さ380μmの表面層とが積
層形成されてなり、ポリエステルフィルムにより表面層
が保護されている比較用のブランケット(1000mm
×1300mm×1780μm)を製造した。
【0046】<表面粗さ(Ra)>実施例1〜2および
比較例1に係るブランケットの各々について、ポリエス
テルフィルムを剥がし、表面層の表面粗さ(Ra)を測
定した。結果を表1に示す。
【0047】<引張応力>実施例1〜2および比較例1
に係るブランケットの各々について、印刷方向となる短
繊維の配向方向における引張応力(1%伸長時における
1m幅あたりの張力)を測定した。また、実施例1〜2
に係るブランケットを構成する短繊維補強ゴム層の各々
についても、短繊維の配向方向における引張応力(10
%モジュラス)をJISK 6301に準拠して測定し
た。以上の結果を表1に併せて示す。
【0048】<微小変形時における圧縮特性>実施例1
〜2および比較例1に係るブランケットの各々につい
て、「オートグラフ AG−1000D」(島津製作所
製)を用いて、圧縮方向に100μmの歪みを与えたと
きの応力を測定した。結果を表1に併せて示す。
【0049】<周長変化率の測定>実施例1〜2および
比較例1に係るブランケットの各々について、版胴を圧
接したときの周長の変化率(周長変化率)を測定した。
ここに、歪量(圧縮応力)を0.1mm、0.2mmお
よび0.3mmとした。結果を表1に併せて示す。
【0050】<解像度の評価>実施例1〜2および比較
例1に係るブランケットの各々をオフセット印刷機に装
着し、図5〔1〕〜〔3〕に示すような平行線状のパタ
ーンPを有する版〔(線幅L/線間距離S):(50μ
m/50μm),(40μm/40μm),(30μm
/30μm),(20μm/20μm)〕を使用し、P
DP用のガラス基盤に対して銀ペーストを印刷材料とす
るオフセット印刷を行うことにより、印刷可能な(線幅
L/線間距離S)の最小値、および印刷可能な断線距離
(図5〔1〕の断線距離r)の最小値を測定して解像度
を評価した。ここに、印刷条件としては、印圧(押込
量)を200μm、版圧(押込量)を200μm、印刷
速度を200mm/秒とした。結果を表1に併せて示
す。
【0051】ここに、「印刷可能な(線幅L/線間距離
S)」とは、形成された印刷パターンにおける線幅およ
び線間距離が、それぞれ、版上のサイズ(線幅L/線間
距離S)と比較して20%以上の増減がない(増減が±
20%未満である)ときの当該版上のサイズ(線幅L/
線間距離S)をいう。また、「印刷可能な断線距離r」
とは、形成された印刷パターンにおける断線距離が、版
上の断線距離(r)の20%を下回らない(20%以内
の減になる)ときの当該版上の断線距離(r)をいう。
【0052】<異物の発生状況>実施例1〜2および比
較例1に係るブランケットの各々の裏面に、粘着テープ
を貼り付けて異物の採取を試みたところ、実施例1およ
び比較例1に係るブランケットからは糸毛羽状の異物が
採取されが、実施例2に係るブランケットからは異物を
採取することはできなかった。
【0053】
【表1】
【0054】
【発明の効果】本発明のブランケットによれば、PDP
のアドレス電極の形成などに要求される高い解像度およ
び高い印刷精度を十分に満足することができる。本発明
のブランケットによれば、裏面側から糸毛羽などの異物
を発生させることがなく、クリーンルームにおける印刷
作業にも好適に使用することができる。本発明の製造法
によれば、PDPのアドレス電極を高い印刷精度で効率
的に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】PDPの断面形状を示す模式図である。
【図2】本発明のブランケットの一例を模式的に示す断
面図である。
【図3】図2に示したような層構成のブランケットを製
造する方法の一例を示す説明図である
【図4】本発明のブランケットの他の例を模式的に示す
断面図である。
【図5】実施例および比較例で得られたブランケットの
解像度を評価するための版のパターン形状を示す説明図
であり、(1)は、印刷方向に伸びる平行線状のパター
ン、(2)は、印刷方向に対して直交する方向に伸びる
平行線状のパターン、(3)は、印刷方向に対して45
°の方向に伸びる平行状のパターンである。
【符号の説明】
10 基材層 20 短繊維補強ゴム層 30 表面層 111,112,113 基布 12 クッション層 13 接着層 15 接着層 20A 材料層 30A 材料層 40 ポリエステルフィルム 50 目止層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01J 9/02 H01J 9/02 F 11/02 11/02 B Fターム(参考) 2H113 AA01 AA05 BA05 BB09 BB22 CA17 DA03 DA26 DA46 DA49 DA53 DA57 EA07 EA21 FA10 FA36 2H114 CA03 CA04 DA03 DA26 DA46 DA49 DA52 DA56 DA73 DA78 EA02 EA05 GA12 GA34 GA38 4F100 AK17E AK25E AK27C AK27D AK27J AK29C AK29D AK29J AL01C AL01D AL06C AL06D AL06J AN00C AN00D AN02C AN02D AR00E BA05 BA07 BA10A BA10D BA22C DD07D DG03C DG12A DG12B DH00C EJ06C EJ06D GB90 JA20C JA20D JK02 JK02C JK05 JK11E YY00 YY00C YY00D 5C027 AA02 5C040 GC19 JA12

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基布を貼り合わせてなる基材層(10)
    の表面に、印刷方向に配向された状態で短繊維が加硫ゴ
    ム中に含有されてなる短繊維補強ゴム層(20)と、表
    面粗さ(Ra)が0.3〜1.0μmである加硫ゴムか
    らなる表面層(30)とが積層形成されていることを特
    徴とするブランケット。
  2. 【請求項2】 前記基材層(10)の裏面側に目止層
    (50)が形成されていることを特徴とする請求項1に
    記載のブランケット。
  3. 【請求項3】 前記目止層(50)が、フッ素樹脂フィ
    ルムからなることを特徴とする請求項2に記載のブラン
    ケット。
  4. 【請求項4】 前記目止層(50)が、アクリル樹脂フ
    ィルムとフッ素樹脂フィルムとの積層フィルムからなる
    ことを特徴とする請求項2に記載のブランケット。
  5. 【請求項5】 前記短繊維補強ゴム層(20)および前
    記表面層(30)を構成する加硫ゴムが水素化ニトリル
    ゴムであることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何
    れかに記載のブランケット。
  6. 【請求項6】 前記短繊維補強ゴム層(20)の厚さが
    100〜500μmであり、前記表面層(30)の厚さ
    が30〜300μmであることを特徴とする請求項1乃
    至請求項5の何れかに記載のブランケット。
  7. 【請求項7】 基材層(10)の一部を構成する層とし
    て、クッション層(12)を有していることを特徴とす
    る請求項1乃至請求項6の何れかに記載のブランケッ
    ト。
  8. 【請求項8】 下記に示す物性条件を具備することを特
    徴とする請求項1乃至請求項7の何れかに記載のブラン
    ケット。 (1)印刷方向における引張応力(1%モジュラス):
    20〜40N・m-1 (2)圧縮方向に100μmの歪みを与えたときの応
    力:0.1〜0.5MPa (3)短繊維の配向方向における短繊維補強ゴム層の引
    張応力(10%モジュラス):1.3MPa以上
  9. 【請求項9】 プラズマディスプレイパネルのアドレス
    電極を形成するために使用されることを特徴とする請求
    項1乃至請求項8の何れかに記載のブランケット。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至請求項8の何れかに記載
    のブランケットを使用して行うオフセット印刷法により
    アドレス電極を形成する工程を含むプラズマディスプレ
    イパネルの製造法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102725147A (zh) * 2010-02-23 2012-10-10 惠普发展公司,有限责任合伙企业 能移除的顶部敷层
JP2015104810A (ja) * 2013-11-28 2015-06-08 凸版印刷株式会社 板状樹脂積層体の印刷版、板状樹脂積層体の印刷版を用いた印刷装置

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