JP2002337472A - ブランケットおよびその製造法 - Google Patents

ブランケットおよびその製造法

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JP2002337472A
JP2002337472A JP2001148665A JP2001148665A JP2002337472A JP 2002337472 A JP2002337472 A JP 2002337472A JP 2001148665 A JP2001148665 A JP 2001148665A JP 2001148665 A JP2001148665 A JP 2001148665A JP 2002337472 A JP2002337472 A JP 2002337472A
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rubber
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Akihiro Muneta
明博 棟田
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Fujikura Composites Inc
Original Assignee
Fujikura Rubber Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シリコーンゴムによる優れたインキ転写性を
確保しながら、良好なインキ受理性を発揮することがで
きるオフセット印刷用のブランケットを提供することに
ある。 【解決手段】 基布を貼り合わせてなる基材層10の上
に表面層30を形成してなるオフセット印刷用のブラン
ケットであって、前記表面層30は、架橋したシリコー
ンゴム層30Bの上に、硫黄架橋したゴムシート62を
重ね合わせてなる積層シートを加熱処理した後、当該硫
黄架橋したゴムシート62を分離することにより得られ
るシリコーンゴム層30Cからなることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オフセット印刷用
のブランケットおよびその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近において、プラズマディスプレイパ
ネル(PDP)のアドレス電極の印刷、セラミック積層
基盤への回路印刷、エッチングレジストの印刷などの技
術分野において、オフセット印刷法の適用が検討されて
いる。
【0003】図1は、このようなオフセット印刷に使用
するブランケットの層構成の一例を示す断面図である。
このブランケットは、基布を貼り合わせてなる基材層6
0の表面に、接着ゴム層70(ゴム系の接着剤)を介し
て表面層80が積層形成されて構成されている。
【0004】ブランケットを構成する基材層60は、第
1の基布611と、クッション層62と、第2の基布6
12と、接着ゴム層63と、第3の基布613とが積層
されて形成されている。ここに、基材層60を構成する
基布(第1の基布611,第2の基布612,第3の基
布613)は、綿布などからなり、これらの基布により
ブランケットの伸びが抑制される。基材層60を構成す
るクッション層62は、ニトリルゴム系のスポンジゴム
からなり、第1の基布611と第2の基布612とを接
着させるとともに、ブランケットに圧縮特性を付与する
ために形成されている。基材層60を構成する接着ゴム
層63は、ニトリルゴムからなり、第2の基布612と
第3の基布613とを接着させるために形成されてい
る。
【0005】ブランケットを構成する表面層80は、イ
ンキの受理および転写が行われる層であり、その表面特
性は印刷品質に大きな影響を与える。ここに、表面層8
0の構成材料としては、転写不良(転写時におけるイン
キの凝集破壊)を防止するなどの観点から、シリコーン
ゴムが使用されるようになってきている。シリコーンゴ
ムからなる表面層80によれば、WFBL効果に起因す
る低い表面張力により、受理したインキをほぼ100%
の割合で転写(剥離)することができ、このようにして
転写形成される印刷画像は鮮明性に優れたものとなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、シリコ
ーンゴムからなる表面層は、低い表面張力のためにイン
キ受理性に劣るという問題がある。この結果、画像形成
に必要な量のインキを受理することができず、所期の印
刷膜厚が得られなかったり、印刷画像に欠損部が発生し
たりすることがある。そして、印刷画像の欠損部は、回
路および電極において致命的な欠陥となる。
【0007】このため、シリコーンゴムからなる表面層
を備えたブランケットを用いる場合には、オフセット印
刷における印刷速度を、通常の100mm/秒程度から
30〜50mm/秒に低下させないと、印刷に必要なイ
ンキを受理することができず、印刷効率の点から不利で
あった。
【0008】ここに、インキの受理は、電極および回路
形成に使用される金属ペーストなど、当該インキの粘度
が高いものほど困難となる傾向がある。また、非画像領
域がシリコーンゴム層で構成されている水無し平版を使
用するオフセット印刷にあっては、表面層(シリコーン
ゴム)によるインキの受理は特に困難である。
【0009】本発明は以上のような事情に基いてなされ
たものである。本発明の目的は、シリコーンゴムによる
優れたインキ転写性を確保しながら、良好なインキ受理
性を発揮することができるオフセット印刷用のブランケ
ットを提供することにある。本発明の他の目的は、イン
キ転写性およびインキ受理性に優れたブランケットを好
適に製造する方法を提供することにある。
【0010】上記の目的を達成するために、本発明者等
が鋭意研究を重ねた結果、架橋したシリコーンゴム層の
上に、硫黄架橋したゴムシートを重ね合わせて、これを
加熱処理すると、当該シリコーンゴム層の表面特性が変
化して、そのインキ受理性が格段に向上することを見出
し、かかる知見に基いて本発明を完成するに至った。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明のブラ
ンケットは、基布を貼り合わせてなる基材層の上に表面
層を形成してなるオフセット印刷用のブランケットであ
って、前記表面層は、架橋したシリコーンゴム層の上
に、硫黄架橋したゴムシートを重ね合わせてなる積層シ
ートを加熱処理した後、当該硫黄架橋したゴムシートを
分離することにより得られるシリコーンゴム層からなる
ことを特徴とする。
【0012】本発明のブランケットにおいては、下記の
形態が好ましい。 (1)前記表面層の表面張力の極性項が0.5dyne
/cm以上であること。 (2)前記表面層の表面張力の極性項が0.5〜7.5
dyne/cmであること。 (3)3000ポイズ(25℃)以上のインキを受理
し、転写するオフセット印刷に供されるものであるこ
と。 (4)水無し平版を使用するオフセット印刷に供される
ものであること。 (5)前記基材層の裏面側に、樹脂フィルムからなる目
止層が形成されていること。 (6)前記基材層の一部を構成する層として、クッショ
ン層を有していること。 (7)ニトリルゴム系の接着剤により基布を貼り合わせ
て基材層が構成されていること。
【0013】本発明の製造法は、請求項1乃至請求項6
の何れかに記載のブランケットを製造する方法であっ
て、下記の工程を含むことを特徴とする。
【0014】(1)ゴム系の接着剤により基布を貼り合
わせて基材層を形成する工程(以下、この工程を「基材
層の形成工程」ともいう。)。 (2)樹脂フィルムの表面に、架橋したシリコーンゴム
層を形成し、このシリコーンゴム層の上に、硫黄架橋し
たゴムシートを重ね合わせることにより、前記樹脂フィ
ルムと、前記シリコーンゴム層と、前記硫黄架橋したゴ
ムシートとの積層シートを得、この積層シートを加熱処
理した後、前記シリコーンゴム層から、前記硫黄架橋し
たゴムシートを分離除去する工程(以下、この工程を
「表面層の形成工程」ともいう。)。これにより、樹脂
フィルムと、加熱処理されたシリコーンゴム層との積層
体が得られる。 (3)前記基材層の表面に、シリコーンゴム系の接着剤
を介して、加熱処理された前記シリコーンゴム層を貼り
合わせ、これを熱プレスすることによって前記接着剤を
構成するシリコーンゴムを架橋させて前記基材層と前記
シリコーンゴム層とを接着させることにより、前記基材
層と、前記接着剤による接着ゴム層と、前記シリコーン
ゴム層からなる表面層と、前記樹脂フィルムとの積層体
を形成する工程(以下、この工程を「基材層と表面層と
の接着工程」ともいう。)。
【0015】
【作用】架橋したシリコーンゴム層の上に、硫黄架橋し
たゴムシートを重ね合わせてなる積層シートを加熱処理
する(硫黄架橋したゴムシートを面接触させた状態で、
架橋したシリコーンゴム層を加熱処理する)ことによ
り、当該硫黄架橋したゴムシートを剥離した後における
当該シリコーンゴム層は、その表面特性が変化し、特に
表面張力の極性項が大幅に上昇する。これは、硫黄架橋
したゴムシート中に残留している架橋剤および/または
架橋促進剤由来の物質が、シリコーンゴム層中に移行し
拡散したからであると推測される。そして、表面特性が
変化した当該シリコーンゴム層からなる表面層には、イ
ンキに対する適度な付着性(インキ転写性を損なわない
程度の付着性)が付与され、これにより、ブランケット
のインキ受理性が格段に向上する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。図2は、本発明のブランケットの層構成の一例を
示す断面図である。この例のブランケットは、基布を貼
り合わせてなる基材層10の表面に、接着ゴム層20
(シリコーンゴム系の接着剤)を介して表面層30が積
層形成されているといともに、基材層10の裏面側に
は、接着ゴム層15を介して目止層40が形成されて構
成されている。
【0017】<基材層>図2に示すブランケットを構成
する基材層10は、第1の基布111と、クッション層
(圧縮層)12と、第2の基布112と、接着ゴム層1
3と、第3の基布113とが積層されて形成されてい
る。基材層10の厚さは、例えば1.2〜1.8mmと
される。
【0018】基材層10を構成する第1の基布111、
第2の基布112および第3の基布113としては、通
常綿布が使用される。第1の基布111と第2の基布1
12との間に設けられたクッション層12は、ブランケ
ットに好適な圧縮特性を付与し、印圧を緩和して良好な
印刷を可能にするために形成された任意の層である。か
かるクッション層12の構成材料としては、ニトリルゴ
ムなどからなるスポンジゴムを例示することができ、ク
ッション層12を構成するスポンジゴムは、連泡型であ
っても独立気泡型であってもよい。
【0019】第2の基布112と第3の基布113との
間に設けられた接着ゴム層13は、これらを接着するた
めの接着剤層である。かかる接着ゴム層13の構成材料
としてはニトリルゴムを例示することができる。
【0020】<接着ゴム層>基材層10と表面層30と
の間に設けられた接着ゴム層20は、これらを接着する
ためのシリコーンゴム系の接着剤層である。接着ゴム層
20を構成するシリコーンゴムとしては、シリカなどの
充填剤を含有する過酸化物架橋型のシリコーンゴム(M
Q,VMQ,PVMQ,FVMQ)を例示することがで
きる。
【0021】<表面層>表面層30は、架橋したシリコ
ーンゴム層の上に、硫黄架橋したゴムシートを重ね合わ
せて積層シートを得、この積層シートを加熱処理した
後、当該硫黄架橋したゴムシートを剥離することによっ
て得られるシリコーンゴム層(架橋処理と加熱処理が施
されたシリコーンゴム層)からなる。
【0022】(1)架橋したシリコーンゴム層:ここ
に、表面層を得るための架橋したシリコーンゴム層は、
未架橋のシリコーンゴムを樹脂フィルムの表面にコーテ
ィングし、当該未架橋のシリコーンゴムを架橋すること
により形成することができる。かかる未架橋のシリコー
ンゴムは、過酸化物架橋型のシリコーンゴムであっても
よいが、付加架橋型のシリコーンゴムであることが好ま
しい。
【0023】付加架橋型のシリコーンゴムとしては、ビ
ニル基含有オルガノポリシロキサンからなる主剤と、オ
ルガノハイドロジェンポリシロキサンからなる硬化剤
と、付加反応触媒とを含有するシリコーンゴム組成物を
例示することができる。
【0024】ここに、主剤として使用することのできる
ビニル基含有オルガノポリシロキサンは、ケイ素原子に
結合されたビニル基(Si−CH=CH2 )を1分子中
に2個以上有するオルガノポリシロキサンである。ビニ
ル基含有オルガノポリシロキサン1分子中に存在するS
iO(シロキサン結合)単位の数としては、500〜3
000であることが好ましく、更に好ましくは800〜
2000、特に好ましくは800〜1000である。ビ
ニル基含有オルガノポリシロキサンの分子構造として
は、直鎖状、分岐状、網目状の何れであってもよいが、
直鎖状であることが好ましい。
【0025】また、硬化剤として使用することのできる
オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、ケイ素原子
に結合された水素原子(ビニル基との付加反応に供され
るSiH基)を1分子中に2個以上、好ましくは3個以
上有するオルガノポリシロキサンである。オルガノハイ
ドロジェンポリシロキサン1分子中に存在するSiO
(シロキサン結合)単位の数としては、100〜200
0であることが好ましく、更に好ましくは100〜15
00、特に好ましくは500〜1500である。オルガ
ノハイドロジェンポリシロキサンの分子構造は、分岐状
または網目状であることが好ましく、このような分子構
造を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、
シリコーンレジン系の硬化剤である。
【0026】また、付加反応触媒としては、白金ブラッ
ク、塩化第二白金、塩化白金酸と一価アルコールとの反
応物、塩化白金酸とオレフィン類との錯体、白金ビスア
セトアセテート、パラジウム系触媒、ロジウム系触媒な
どの白金族金属系触媒を挙げることができる。
【0027】(2)硫黄架橋したゴムシート:架橋した
シリコーンゴム層上に重ね合わされる硫黄架橋したゴム
シートを得るための未架橋ゴム(原料ゴム)としては、
硫黄架橋可能なゴムであれば特に限定されるものではな
いが、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブ
タジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SB
R)、ニトリルゴム(NBR)およびブチルゴム(II
R)などを挙げることができ、これらのうち、天然ゴム
およびイソプレンゴムが好ましい。
【0028】硫黄架橋型の未架橋ゴム(ゴム組成物)に
は、硫黄および/または有機含硫黄化合物(架橋促進
剤)が含有されている。未架橋ゴムにおける硫黄の配合
割合としては、原料ゴム100質量部あたり、0.5〜
5重量部であることが好ましく、更に好ましくは1〜4
重量部とされる。硫黄の配合割合が過小である場合に
は、得られる架橋ゴムシートを用いて処理されたシリコ
ーンゴム層(表面層)のインキ受理性を十分に向上させ
ることができない。他方、硫黄の配合割合が過大である
場合には、得られる架橋ゴムシートを用いて処理された
シリコーンゴム層(表面層)のインキ転写性が損なわれ
る傾向がある。
【0029】未架橋ゴムに含有される有機含硫黄化合物
(架橋促進剤)としては、2−メルカプトベンゾチアゾ
ール(M)、ジベンゾチアジルジスルフィド(DM)、
2−メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩(MZ)など
のチアゾール類;テトラメチルチウラムジスルフィド
(TT)、テトラメチルチウラムモノスルフィド(T
S)などのチウラム類を挙げることができ、これらは単
独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができ
る。これらの有機含硫黄化合物(架橋促進剤)の配合割
合としては、原料ゴム100質量部あたり0.2〜4重
量部であることが好ましい。未架橋ゴムには、原料ゴム
の基本性能を満足するために各種のの配合剤を適宜使用
することができる。
【0030】前記架橋したシリコーンゴム層の上に、前
記硫黄架橋したゴムシートを重ね合わせて積層シートを
得、この積層シートを加熱処理した後に、当該硫黄架橋
したゴムシートを分離することによって、表面層30を
構成するシリコーンゴム層(加熱処理が施されてなる架
橋したシリコーンゴム層)が形成される。
【0031】(3)表面層の表面特性:この表面層30
は、架橋されたシリコーンゴム層からなる従来公知の表
面層と比較して、表面張力(極性項・分散項・水素結合
成分)が高く、インキに対する適度な付着性(インキ転
写性を損なわない程度の付着性)を有している。
【0032】ここに、インキに対する良好な付着性(イ
ンキ受理性)を本発明のブランケットに発現させる観点
から、表面層30の表面張力の極性項は0.5dyne
/cm以上であることが好ましい。また、インキ受理性
およびインキ転写性をバランスよく発現させる観点か
ら、表面層30の表面張力の極性項は0.5〜7.5d
yne/cmであることが更に好ましい。表面張力の極
性項が過小である表面層では、良好なインキ受理性を発
現することができない。また、当該極性項が過大である
表面層では、良好なインキ転写性が損なわれることがあ
る。
【0033】また、表面層30の表面張力の分散項は2
5dyne/cm以上であることが好ましい。また、表
面層30の表面張力の水素結合成分は、0.5dyne
/cm以上であることが好ましい。また、極性項と、分
散項と、水素結合成分との合計として求められる表面層
30の表面張力は、26dyne/cm以上であること
が好ましく、更に好ましくは28dyne/cm以上で
ある。本発明において、表面層30の表面張力(極性
項、分散項および水素結合成分)は、後述する実施例に
記載の方法により測定される接触角から求められる。
【0034】表面層30の表面粗さ(Ra)は、0.3
〜1.0μmとされ、好ましくは0.5〜0.7μmと
される。表面層30の表面粗さ(Ra)が過大となる場
合には、鮮明な印刷画像を形成することができない。表
面層30の厚さは30〜500μmであることが好まし
く、更に好ましくは50〜350μmとされる。表面層
30の硬度は、JIS−A硬度計で30〜70であるこ
とが好ましく、更に好ましくは40〜60とされる。表
面層の硬度が過大である場合には、印刷画像が潰れてし
まい、版に対する印刷寸法の安定性が低下する。一方、
この硬度が過小である場合には、圧力が十分に掛から
ず、受理不良や転写不良を招きやすい。
【0035】<目止層>接着ゴム層15を介して、基材
層10(第3の基布113)の裏面に形成された目止層
40は、樹脂フィルムから構成される任意の層である。
目止層40を構成する樹脂フィルムとしては、フッ素樹
脂フィルム、フッ素樹脂フィルム(外側層)とアクリル
樹脂フィルム(内側層)との積層フィルムなどを挙げる
ことができる。
【0036】ここに、フッ素樹脂フィルムの市販品とし
ては、PVFフィルム「テドラ」(デュポン社製)を挙
げることができ、前記積層フィルムの市販品としては
「KFCフィルム」(呉羽化学工業(株)製)を挙げる
ことができる。目止層40厚さは15〜30μmである
ことが好ましく、更に好ましくは15〜20μmとされ
る。
【0037】目止層40が形成されていることにより、
基材層10を構成する基布(第1の基布111,第2の
基布112,第3の基布113)に由来する糸毛羽等の
異物が当該裏面側から発生することを確実に防止するこ
とができ、周囲の環境を汚染するようなことがない。こ
れにより、クリーンルーム内での印刷にも好適に使用す
ることができる。
【0038】目止層40と基材層10との間に設けられ
た接着ゴム層15は、これらを接着するための接着剤層
である。目止層40としてフッ素樹脂フィルムを使用す
る場合において、接着ゴム層15の構成材料(接着剤)
としては、イソシアネート化合物を含有するニトリルゴ
ムを挙げることができる。また、目止層40として、ア
クリル樹脂フィルムを内側層とする前記積層フィルムを
使用する場合には、接着ゴム層15の構成材料(接着
剤)としてニトリルゴムを挙げることができ、イソシア
ネート化合物を添加しなくても十分な接着力を確保する
ことができる。
【0039】<ブランケットの製造法>図2に示したよ
うな層構成を有する本発明のブランケットは、(1)基
材層の形成工程、(2)表面層の形成工程、(3)基材
層と表面層との接着工程を含む方法(本発明の製造法)
によって製造することができる。以下、本発明の製造法
の具体的な一例について説明する。
【0040】(1)基材層の形成工程:図3(1)に示
すように、第3の基布113の表面に、ニトリルゴム系
の接着剤層13A(未架橋ゴム層)と、第2の基布11
2と、ニトリルゴム系のクッション層形成用材料層12
A(未架橋ゴム層)と、第1の基布111とを積層し、
この積層体を加熱することにより、接着剤層13Aを架
橋させるとともに、クッション層形成用材料層12Aを
構成するニトリルゴムを架橋および発泡させる。これに
より、図3(2)に示すように、第3の基布113の表
面に、接着ゴム層13と、第2の基布112と、クッシ
ョン層12と、第1の基布111とが積層されてなる基
材層10が得られる。次いで、図3(3)に示すよう
に、基材層10(第3の基布113)の裏面に、適宜の
接着剤(接着ゴム層15)を用いて目止層40を貼り付
ける。
【0041】(2)表面層の形成工程:図4(1)に示
すように、主剤と硬化剤と付加反応触媒とを配合してな
る未架橋シリコーンゴム層30Aを樹脂フィルム50の
表面(表面粗さ(Ra)=0.3〜1.0μm)に形成
する。ここに、未架橋シリコーンゴム層30Aの形成方
法としてはコーティング法を挙げることができる。次い
で、未架橋シリコーンゴム層30A中における主剤と硬
化剤とを付加反応(架橋反応)させる。なお、硫黄が存
在する場合にはシリコーンゴムの架橋反応が進行しない
ため、未架橋シリコーンゴム層中に硫黄を含有させるこ
とはできない。これにより、図4(2)に示すように、
架橋したシリコーンゴム層30Bを樹脂フィルム50の
表面に形成することができる。他方、図4(3)に示す
ように、ナイロンなどからなる基布61の表面にゴム糊
(図示省略)を下引きした後、カレンダーによって硫黄
架橋型の未架橋ゴムをトッピングして未架橋ゴム層62
Aを形成し、これを架橋(硫黄架橋)させる。次いで、
図4(4)に示すように、基布61を剥離することによ
り、硫黄架橋したゴムシート62Bを得る。
【0042】次いで、図4(5)に示すように、樹脂フ
ィルム50の表面に形成したシリコーンゴム層30Bの
上に、硫黄架橋したゴムシート62Bを重ね合わせる
(積層する)。これにより、樹脂フィルム50と、架橋
したシリコーンゴム層30Bと、硫黄架橋したゴムシー
ト62Bとの積層シートが得られる。ここに、樹脂フィ
ルム50の厚さは50〜300μm、架橋したシリコー
ンゴム層30Bの厚さは30〜500μm、硫黄架橋し
たゴムシート62Bの厚さは100〜500μmとされ
る。
【0043】次いで、このようにして得られた積層シー
トを加熱処理する。このとき、架橋したシリコーンゴム
層30Bと、硫黄架橋したゴムシート62Bとが確実に
面接触していることが必要である。加熱処理の具体的方
法としては、当該積層シートを芯金に複数回巻き付けた
状態(巻締め状態)で、100〜150℃で10〜60
分間、好ましくは120〜140℃で20〜40分間に
わたり加熱する方法を挙げることができる。この加熱処
理は、加硫缶内で水蒸気雰囲気下に実施することが好ま
しい。これにより、樹脂フィルム50と、加熱処理され
たシリコーンゴム層30Cと、硫黄架橋したゴムシート
62Bとの積層体が得られる。
【0044】次いで、図4(6)に示すように、加熱処
理されたシリコーンゴム層30Cの表面から、硫黄架橋
したゴムシート62Bを剥離除去する。この硫黄架橋し
たゴムシート62Bは、容易に剥離することができると
ともに、複数回にわたり繰り返して使用することができ
る。これにより、樹脂フィルム50と、加熱処理された
シリコーンゴム層30C(表面層30)との積層体が得
られる。
【0045】(3)基材層と表面層との接着工程:図5
(1)に示すように、シリカおよび過酸化物架橋剤を含
有するシリコーンゴム系の接着剤層20A(未架橋ゴム
層)を基材層10の表面に形成し、次いで、この接着剤
層20Aを介して、上記の工程(2)で得られた樹脂フ
ィルム50とシリコーンゴム層30C(表面層30)と
の積層体を貼り合わせる。これにより、目止層40と、
接着ゴム層15と、基材層10と、接着剤層20A(未
架橋ゴム層)と、表面層30と、樹脂フィルム50との
積層体が得られる。次いで、この積層体を熱プレスする
ことにより接着剤層20Aを構成するシリコーンゴムを
過酸化物架橋する。これにより、図5(2)に示すよう
に、目止層40と、接着ゴム層15と、基材層10と、
接着ゴム層20と、表面層30と、樹脂フィルム50と
が積層されてなる本発明のブランケットが得られる。な
お、未架橋シリコーンゴム層30Aの被着体(基材)と
して使用された樹脂フィルム50は、ブランケットの使
用時まで保護フィルムとして機能する。そして、樹脂フ
ィルム50を剥離することにより、その表面状態(表面
粗さ(Ra)=0.3〜1.0μm)が転写された平滑
性に優れた表面層30があらわれる。
【0046】上記のような製造法によれば、基材層10
を形成する際の架橋(ニトリルゴムの架橋)と、表面層
30を形成する際の架橋(シリコーンゴムの付加架橋)
と、基材層10と表面層30とを接着するための接着剤
層20Aの架橋(シリコーンゴムの過酸化物架橋)と
が、それぞれ別工程で実施されているので、各々の架橋
反応をスムーズに進行させることができる。ニトリルゴ
ムの架橋反応とシリコーンゴムの架橋反応とを同時に実
施する場合、例えば、未架橋ゴムを有する積層体を一括
して架橋処理する場合には、一方の架橋剤が、他方の架
橋系に移行して、当該他方の架橋系の反応を阻害する傾
向がある。
【0047】上記のように、架橋したシリコーンゴム層
30Bを、硫黄架橋したゴムシート62Bを面接触させ
た状態で加熱処理することにより、当該シリコーンゴム
層(加熱処理されたシリコーンゴム層30C)からなる
表面層30には、インキに対する適度な付着性(インキ
転写性を損なわない程度の付着性)が発現され、これに
より、ブランケットのインキ受理性が格段に向上する。
この理由としては明らかではないが、このような処理が
施されることにより、硫黄架橋したゴムシート62B中
に残留していた架橋剤(硫黄)および/または架橋促進
剤(有機含硫黄化合物)由来の物質が、架橋されたシリ
コーンゴム層30B中に移行して拡散し、これにより当
該シリコーンゴム層の表面特性が変化した(特に、表面
張力の極性項が増加した)からであると考えられる。
【0048】<ブランケットの用途>本発明のブランケ
ットによれば、従来公知のシリコーンゴムからなる表面
層では受理することができなかった高粘度のインキ、例
えば、3000ポイズ(25℃)以上の金属ペースト、
有機金属ペースト、エッチングレジストなどであって
も、確実に受理することができ、しかも、表面層に受理
されたインキを確実に転写することができる。従って、
本発明のブランケットは、高粘度のインキを受理し、転
写するオフセット印刷に特に好適に供することができ
る。
【0049】また、本発明のブランケットの表面層を構
成するシリコーンゴムは、水無し平版の非画像領域を構
成するシリコーンゴムよりもインキに対する付着力が高
く、当該水無し平版の画像領域におけるインキを確実に
受理することができる。従って、本発明のブランケット
は、水無し平版を使用するオフセット印刷特に好適に供
することができる。
【0050】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明するが、
本発明はこれらによって限定されるものではない。な
お、本発明のブランケットおよび比較用のブランケット
を構成する基材層としては、以下に示すものを使用し
た。
【0051】〔基材層〕 (1)基材層の層構成:図2〔図3(2)〕に示した層
構成 (2)基材層の厚さ:1.60mm (3)基布(111)〜(113)の種類:綿布 (4)クッション層(12)の構成材料:ニトリルゴム
からなるスポンジゴム (5)接着ゴム層(13)の構成材料:ニトリルゴム
【0052】また、本発明のブランケットにおいては、
基材層(10)の裏面に、ニトリルゴム系の接着ゴム層
(15)を用いて、厚さ18μmのフッ素樹脂フィルム
からなる目止層(40)を貼り付けた。
【0053】〔作製例1〜3(硫黄架橋したゴムシート
の作製)〕下記表1に示す配合処方に従って、硫黄架橋
型の未架橋ゴム組成物を調製し、これら未架橋ゴム組成
物の各々を、天然ゴム系のラテックスが下引きされたナ
イロン製の基布(61)にトッピングして未架橋ゴム層
(62A)を形成した。次いで、形成された未架橋ゴム
層(62A)の各々を130℃で10分間加熱すること
により架橋することにより架橋ゴム層を形成した。次い
で、この架橋ゴム層から基布(61)を剥離することに
より、厚さ200μmの硫黄架橋したゴムシート(62
B)を作製した。
【0054】
【表1】
【0055】<実施例1>両末端がジメチルビニルシロ
キシ基で封鎖された直鎖状のビニル基含有ジメチルポリ
シロキサン「KE−1935−A」(信越化学工業製)
からなる主剤と、分岐構造を有するメチルハイドロジェ
ンポリシロキサン「KE−1934−B」(信越化学工
業製)からなる硬化剤とを、当該主剤中のビニル基のモ
ル数と、当該硬化剤中のSiH基のモル数とが等しくな
る割合で配合し、白金族金属系触媒を添加した後、トル
エンとヘキサンとの混合溶剤に溶解してシリコーンゴム
組成物を調製した。このようにして得られたシリコーン
ゴム組成物を、厚さ125μm、表面粗さ(Ra)が
0.5μmのPETフィルム「セラピールBL(T)」
(東洋メタライジング社製)の表面にコーティングした
後、当該シリコーンゴム組成物を140℃で3分間加熱
して架橋させることにより、PETからなる樹脂フィル
ム(50)の表面に、厚さ350μmの架橋したシリコ
ーンゴム層(30B)を形成した。
【0056】上記のようにして形成されたシリコーンゴ
ム層(30B)の上に、作製例1で得られた硫黄架橋し
たゴムシート(62B)を積層することにより、樹脂フ
ィルム(50)と、架橋したシリコーンゴム層(30
B)と、硫黄架橋したゴムシート(62B)との積層シ
ートを作製した。この積層シートを、外径250mmの
芯金に複数回巻き付けた状態(巻き締め状態)で、加硫
缶内に仕込み、水蒸気雰囲気下に140℃で30分間に
わたり加熱処理した。その後、加熱処理されたシリコー
ンゴム層(30C)の表面から硫黄架橋したゴムシート
(62B)を剥離除去することにより、樹脂フィルム
(50)と、加熱処理されたシリコーンゴム層(30
C)からなる表面層(30)との積層体を得た。
【0057】シリカおよび過酸化物架橋剤を含有するシ
リコーンゴム系の接着剤層(20A)を基材層(10)
の表面に形成し、次いで、この接着剤層(20A)を介
して、上記工程で得られた積層体を、表面層(30)を
接着面として貼り合わせた。次いで、熱プレスを行って
接着剤層(20A)を構成するシリコーンゴムを過酸化
物架橋することにより、目止層(40)と、接着ゴム層
(15)と、基材層(10)と、接着ゴム層(20)
と、表面層(30)と、樹脂フィルム(50)との積層
体である本発明のブランケットを製造した。
【0058】<実施例2〜3>作製例1で得られた硫黄
架橋したゴムシートに代えて、作製例2〜3で得られた
硫黄架橋したゴムシートの各々を使用(架橋したシリコ
ーンゴム層に積層)して加熱処理したこと以外は実施例
1と同様にして、本発明のブランケットを製造した。
【0059】<比較例1>実施例1と同様にして、PE
Tからなる樹脂フィルム(50)の表面に、厚さ350
μmの架橋したシリコーンゴム層(30B)を形成する
ことにより、樹脂フィルム(50)と、架橋したシリコ
ーンゴム層(30B)からなる表面層との積層体を得
た。実施例1と同様にして、シリコーンゴム系の接着剤
層を基材層の表面に形成し、次いで、この接着剤層を介
して、上記の積層体を、表面層(架橋したシリコーンゴ
ム層)を接着面として貼り合わせた。次いで、熱プレス
を行って接着剤層を構成するシリコーンゴムを過酸化物
架橋することにより、基材層と、接着ゴム層と、表面層
(加熱処理を行っていない架橋したシリコーンゴム層)
と、樹脂フィルムとの積層体である比較用のブランケッ
トを製造した。
【0060】<ブランケットの表面張力の測定>実施例
1〜3および比較例1により得られたブランケットの各
々について、当該ブランケットを構成する表面層(シリ
コーンゴム層)と、水、1−ブロモナフタレンおよび
1,1,2,2−テトラブロモエタンの各液体との接触
角を、接触角測定装置「CA−Z型」(協和界面科学
(株)製)を用いた液滴法により測定し、測定値に基い
て当該表面層の表面張力(分散項,極性項および水素結
合成分並びにこれらの総和)を求めた。なお、接触角の
測定温度を22〜23℃、液滴の体積を3マイクロリッ
トルとし、測定回数を5回としてその平均値を算出し
た。結果を下記表2に示す。
【0061】
【表2】
【0062】<インキ受理性およびインキ転写性の評価
>図6に示すような平行線状のパターンP(線幅L=7
0μm/線間距離S=50μm)を有する水無し平版を
使用し、実施例1〜3および比較例1に係るブランケッ
トの各々をシリンダーに装着したオフセット印刷機によ
り、銀系導電ペースト〔粘度=3000ポイズ(25
℃)〕からなる印刷材料を、印刷速度を段階的に変化
(10mm/秒,30mm/秒,50mm/秒,70m
m/秒,100mm/秒,150mm/秒,250mm
/秒,300mm/秒,500mm/秒)させてPDP
用のガラス基盤(被転写体)に印刷することにより、下
記の基準に基いて、装着されたブランケットのインキ受
理性およびインキ転写性を評価した。ここに、印刷条件
としては、版圧(押込量)を150μm、印圧(押込
量)を150μmとした。
【0063】『インキ受理性』の評価は、印刷画像を目
視により観察し、インキの受理不良に起因する画像不良
が全く認められないときを「○」、インキの受理不良に
起因する画像不良が認められたときを「△」、インキを
全く受理することができなかったときを「×」とした。
なお、「インキの受理不良に起因する画像不良」とは、
印刷画像の欠損、印刷膜厚の不足、印刷膜厚のバラツキ
の少なくとも1つが発生し、印刷後におけるブランケッ
トの表面層にはインキの残留(パイリング)が認められ
ない場合をいう。
【0064】『インキ転写性』の評価は、印刷画像を目
視により観察し、受理したインキのすべてをガラス基盤
に転写してインキの転写不良に起因する画像不良が全く
認められないときを「◎」、インキの転写不良に起因す
る画像不良が僅かに認められるものの、実用上問題のな
い程度であるときを「○」、インキの転写不良に起因す
る画像不良が認められ、実用上問題であるときを
「△」、受理したインキの殆どが表面層に残留している
ときを「×」とした。なお、「インキの転写不良に起因
する画像不良」とは、印刷画像の欠損、印刷膜厚の不
足、印刷膜厚のバラツキの少なくとも1つが発生し、か
つ、印刷後におけるブランケットの表面層にインキの残
留(パイリング)が認められる場合をいう。結果を下記
表3に示す。
【0065】
【表3】
【0066】表3に示すように、硫黄架橋したゴムシー
トを重ね合わせて加熱処理したシリコーンゴム層を表面
層とするブランケット(実施例1〜3に係るブランケッ
ト)によれば、高速で印刷しても、版面のインキを確実
に受理することができるとともに、当該表面層を構成す
るシリコーンゴムによる優れたインキ転写性が確保され
ている。
【0067】<異物の発生状況>実施例1〜3および比
較例1に係るブランケットの各々の裏面に、粘着テープ
を貼り付けて異物の採取を試みたところ、比較例1に係
るブランケットからは糸毛羽状の異物が採取されが、実
施例1〜3に係るブランケットからは異物を採取するこ
とはできなかった。
【0068】
【発明の効果】(1)本発明のブランケットによれば、
シリコーンゴムによる優れたインキ転写性を確保しなが
ら、良好なインキ受理性を発揮することができる。 (2)本発明の製造法によれば、インキ転写性およびイ
ンキ受理性に優れたブランケットを好適に製造すること
ができる。 (3)本発明に係るブランケットによれば、従来公知の
シリコーンゴムからなる表面層を備えたブランケットと
比較して、印刷速度を格段に向上させることができる。 (4)本発明に係るブランケットによれば、従来公知の
シリコーンゴムからなる表面層では受理することができ
なかった高粘度のインキであっても、確実に受理するこ
とができる。 (5)本発明に係るブランケットによれば、水無し平版
の画像領域におけるインキを確実に受理することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】オフセット印刷に使用する従来公知のブランケ
ットの層構成の一例を示す断面図である。
【図2】本発明のブランケットの層構成の一例を示す断
面図である。
【図3】図2に示したような層構成のブランケットを製
造する方法の一工程(基材層の形成工程)を示す説明図
である。
【図4】図2に示したような層構成のブランケットを製
造する方法の一工程(表面層の形成工程)を示す説明図
である。
【図5】図2に示したような層構成のブランケットを製
造する方法の一工程(基材層と表面層との接着工程)を
示す説明図である。
【図6】実施例および比較例で得られたブランケットを
評価するための版のパターン形状を示す説明図である。
【符号の説明】
10 基材層 111 第1の基布 112 第2の基布 113 第3の基布 12 クッション層 13 接着ゴム層 15 接着ゴム層 20 接着ゴム層 30 表面層(シリコーンゴム層) 30A 未架橋シリコーンゴム層 30B シリコーンゴム層(架橋したシリコーンゴム
層) 30C シリコーンゴム層(加熱処理されたシリコーン
ゴム層) 40 目止層 50 樹脂フィルム 12A クッション層形成用材料層 13A 接着剤層 20A 接着剤層 30A 表面層形成用材料層 61 基布 62A 未架橋ゴム層 62 硫黄架橋したゴムシート

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基布を貼り合わせてなる基材層の上に表
    面層を形成してなるオフセット印刷用のブランケットで
    あって、 前記表面層は、架橋したシリコーンゴム層の上に、硫黄
    架橋したゴムシートを重ね合わせてなる積層シートを加
    熱処理した後、当該硫黄架橋したゴムシートを分離する
    ことにより得られるシリコーンゴム層からなることを特
    徴とするブランケット。
  2. 【請求項2】 前記表面層の表面張力の極性項が0.5
    dyne/cm以上であることを特徴とする請求項1に
    記載のブランケット。
  3. 【請求項3】 前記表面層の表面張力の極性項が0.5
    〜7.5dyne/cmであることを特徴とする請求項
    1に記載のブランケット。
  4. 【請求項4】 3000ポイズ(25℃)以上のインキ
    を受理し、転写するオフセット印刷に供されるものであ
    ることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記
    載のブランケット。
  5. 【請求項5】 水無し平版を使用するオフセット印刷に
    供されるものであることを特徴とする請求項1乃至請求
    項4の何れかに記載のブランケット。
  6. 【請求項6】 前記基材層の裏面側に、樹脂フィルムか
    らなる目止層が形成されていることを特徴とする請求項
    1乃至請求項5の何れかに記載のブランケット。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至請求項6の何れかに記載の
    ブランケットを製造する方法であって、下記の工程を含
    むことを特徴とするブランケットの製造法。 (1)ゴム系の接着剤により基布を貼り合わせて基材層
    を形成する工程。 (2)樹脂フィルムの表面に、架橋したシリコーンゴム
    層を形成し、このシリコーンゴム層の上に、硫黄架橋し
    たゴムシートを重ね合わせることにより、前記樹脂フィ
    ルムと、前記シリコーンゴム層と、前記硫黄架橋したゴ
    ムシートとの積層シートを得、この積層シートを加熱処
    理した後、前記シリコーンゴム層から、前記硫黄架橋し
    たゴムシートを分離除去する工程。 (3)前記基材層の表面に、シリコーンゴム系の接着剤
    を介して、加熱処理された前記シリコーンゴム層を貼り
    合わせ、これを熱プレスすることによって前記接着剤を
    構成するシリコーンゴムを架橋させて前記基材層と前記
    シリコーンゴム層とを接着させることにより、前記基材
    層と、前記接着剤による接着ゴム層と、前記シリコーン
    ゴム層からなる表面層と、前記樹脂フィルムとの積層体
    を形成する工程。
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