JP2002001695A - 糊付紙用カッタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転刃のカッタ接触面に付着する糊により回
転刃が回転不能にならないようにする。 【解決手段】 回転刃２のカッタ接触面２ａに、刃先２
ｂからその回転刃２の回転中心に向かって所定量Ｌだけ
離れた位置に、所定の高さＨの防護壁８を回転方向に全
周に亘って設ける。それにより、糊面を有する糊付紙２
０を繰返し切断することにより、その糊付紙２０に付着
されている糊２１の一部がカッタ接触面２ａに付着して
も、その糊２１は防護壁８の部分で堰き止められて、そ
れよりも回転刃２の回転中心側には付着しない。したが
って、受けベアリング７に糊２１が付着して、その受け
ベアリング７が回転不能になるのを防止することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、固定刃と、その
固定刃の刃先にカッタ接触面を接触させながら上記固定
刃に沿って回転しながら移動する回転刃とを備え、その
固定刃と回転刃とにより片面に糊が付着された糊付紙を
カットする糊付紙用カッタに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の糊付紙を切断可能なカッタとして
は、例えば特開平１１−２２６８９４号公報に記載され
ているものがある。このカッタは、印字装置の固定部等
に切断方向に沿って固定された固定刃と、その固定刃の
長手方向に沿って回転しながら移動する回転刃とを備
え、その固定刃の上にセットした糊付紙を、回転刃を回
転させながら固定刃の長手方向に沿って移動させること
により切断する。

【０００３】そして、このカッタは、回転刃が固定刃に
対して最も深くラップする部分(最下位置)の刃先に対応
する固定刃の部位に、回転刃の刃先が接触しないように
するための逃げ部となる溝を、その固定刃の長手方向の
全域に亘って形成している。また、回転刃の固定刃と接
触する部位と反対側となる上部側に、その回転刃の刃先
付近にシリコンオイルを付着させるための２枚のフェル
ト部材からなるオイル含浸フェルトを常に接触させてい
る。

【０００４】それにより、回転刃の刃先付近は２枚のオ
イル含浸フェルトの間に接触しながら回転するので、片
面に糊が付着されている糊付紙を回転刃で切断しても、
その糊付紙に付着している糊が回転刃に付着しにくい。
また、その糊が回転刃に付着したときでも、その糊をオ
イル含浸フェルトにより払拭して取り除くことができ
る。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに２枚のオイル含浸フェルトを回転刃の刃先付近に挾
むようにして摺接させるカッタの場合には、その２枚の
オイル含浸フェルトを使用する分だけ部品点数が多くな
ると共に、それを組付ける手間もかかる。

【０００６】また、図３に示すように、回転刃１１の厚
さ方向を薄くして小型化するために回転刃１１のカッタ
接触面１１ａに受けベアリング１２を転接させているカ
ッタでは、上記のような２枚のオイル含浸フェルト１
３，１４を回転刃１１の刃先付近に挾むように摺接させ
ようとしても、その一方のオイル含浸フェルト１４が受
けベアリング１２と干渉してしまうため、それができな
いということがあった。

【０００７】すなわち、図４に示すように、回転刃３１
と一体に固定した支軸３２を、ある程度のピッチを持た
せて２個所で軸受２３，２４により回転可能に支持する
ようにしているものでは、回転刃３１を固定刃３５に接
触させても、その回転刃３１は矢示Ａ方向に倒れにく
い。しかしながら、この場合にはカッタ全体の厚さｔが
厚くなる。

【０００８】そこで、カッタ全体の厚さを薄くするた
め、図３に示したように回転刃１１に軸受１７を一体に
圧入し、その軸受１７を支軸１５に対して回転可能に取
り付け、その回転刃１１を圧縮コイルスプリング１６に
より固定刃３５側に押圧してカッタ接触面１１ａを固定
刃３５に圧接させる構成にすると、回転刃１１が矢示Ａ
方向に倒れやすくなる。

【０００９】そのため、この場合にはカッタ接触面１１
ａに受けベアリング１２を転接させて回転刃１１の倒れ
を規制し、カッタ接触面１１ａと固定刃３５との圧接状
態を安定させる必要がある。ところが、このような構成
にすると、受けベアリング１２が邪魔になって回転刃１
１のカッタ接触面１１ａにオイル含浸フェルト１４を接
触させることができなくなる。

【００１０】したがって、このような構成のカッタで
は、糊付紙２０の切断を長期間行うと、その糊付紙２０
に付着されている糊がカッタ接触面１１ａに付着して、
その糊が受けベアリング１２の部分にまで達するように
なると、それが原因で受けベアリング１２が機能しなく
なり、回転刃１１が回転できなくなってしまうという問
題点があった。

【００１１】この発明は上記の問題点に鑑みてなされた
ものであり、部品点数を増やすことなしに、糊面を有す
る糊付紙を回転刃と固定刃とにより連続して切断して
も、回転刃のカッタ接触面に付着する糊により回転刃が
回転不能にならないようにすることを目的とする。

【００１２】

【課題を解決するための手段】この発明は上記の目的を
達成するため、固定刃と、その固定刃の刃先にカッタ接
触面を接触させながら上記固定刃に沿って回転しながら
移動する回転刃とを備え、上記固定刃と上記回転刃とに
より糊付紙をカットする糊付紙用カッタにおいて、上記
回転刃の上記カッタ接触面に、その回転刃の刃先から回
転刃の回転中心に向かって所定量離れた位置に所定の高
さの防護壁を回転方向に全周に亘って設けたものであ
る。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。図１はこの発明による糊付紙用
カッタの固定刃と回転刃の位置関係を一部断面にして示
す側面図、図２は同じくその固定刃と回転刃を回転刃の
背面側から見た斜視図である。

【００１４】この糊付紙用カッタは、装置の図示しない
フレームに固定された長尺の固定刃１と、その固定刃１
の刃先１ａにカッタ接触面２ａを接触させながら固定刃
１に沿って回転しながら図２の矢示Ｂ方向に移動する回
転刃２とを備えている。その回転刃２は、図１に示すよ
うにホルダ３に一端が固定された支軸４に、軸受５を介
して回転自在に取り付けられており、その回転刃２と一
体の軸受５とホルダ３の内面との間に介装した圧縮コイ
ルスプリング６により固定刃１側に付勢されている。

【００１５】また、ホルダ３のカッタ接触面２ａに対向
する面３ａに受けベアリング７を回転可能に取り付け、
その受けベアリング７をカッタ接触面２ａに転接自在に
当接させている。それにより、回転刃２のカッタ接触面
２ａが固定刃１の刃先１ａに、糊付紙２０の切断に適し
た接触圧で接触すると共に、回転刃２の矢示Ａ方向への
倒れが受けベアリング７により規制される。

【００１６】回転刃２のカッタ接触面２ａには、その回
転刃２の刃先２ｂからその回転刃２の回転中心に向かっ
て所定量Ｌだけ離れた位置であり、受けベアリング７よ
りも外側になる位置に、所定の高さＨの防護壁８を回転
方向に全周に亘って設けている。この糊付紙用カッタ
は、図２に示すように片面に糊が付着された糊付紙２０
を固定刃１上の所定の切断位置にセットし、回転刃２を
矢示Ｂ方向に移動させることにより、図１に示すように
糊付紙２０を所望の長さに切断する。

【００１７】そして、回転刃２は、それを固定刃１に沿
って移動させた際に、カッタ接触面２ａの一部が固定刃
１の刃先１ａに圧縮コイルスプリング６の付勢力により
押し当てられているので、それが支軸４を中心にして回
転しながら糊付紙２０を切断していく。

【００１８】その糊付紙２０が所望の長さに切断される
と、糊付紙２０が所定量送り出されることにより、糊付
紙２０が再び所定の切断位置にセットされ、図２で右側
の移動限（仮想線図示）まで移動して停止している回転
刃２が、今度は反対方向の矢示Ｃ方向に回転しながら移
動して、次の切断動作を行う。

【００１９】こうして、糊面を有する糊付紙２０を繰返
し切断する動作を行っていくと、その糊付紙２０に付着
されている糊の一部が、図１に示すように回転刃２のカ
ッタ接触面２ａに付着していき、それが次第に蓄積され
ていくようになる。しかしながら、この糊付紙用カッタ
では、前述したように回転刃２のカッタ接触面２ａに所
定の高さＨの防護壁８を回転方向に全周に亘って設けて
いるので、そのカッタ接触面２ａに蓄積されていく糊２
１は防護壁８の部分で堰き止められて、それを越えるこ
とはない。

【００２０】したがって、その防護壁８よりも支軸４側
に位置する受けベアリング７には糊２１が付着しないの
で、受けベアリング７は常にカッタ接触面２ａに接触し
て転接自在な状態が保たれ続けるため、回転刃２が回転
不能になるのを防止することができる。

【００２１】

【発明の効果】以上説明したように、この発明による糊
付紙用カッタによれば、回転刃のカッタ接触面に、その
回転刃の刃先から回転中心に向かって所定量離れた位置
に所定の高さの防護壁を回転方向に全周に亘って設けて
いるので、糊付紙を切断した際に糊が回転刃のカッタ接
触面に付着しても、その糊は防護壁で堰き止められるた
め、その防護壁を越えて更に内側にまで達することはな
いので、回転刃が回転不能になるのを防止することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明による糊付紙用カッタの固定刃と回転
刃の位置関係を一部断面にして示す側面図である。

【図２】同じくその固定刃と回転刃を回転刃の背面側か
ら見た斜視図である。

【図３】回転刃の厚さ方向を薄くしたカッタの一例を一
部断面状態にして示す側面図である。

【図４】回転刃を固定した支軸を２個所で軸受により支
持するようにしたカッタの一例を示す図３と同様な側面
図である。

【符号の説明】

１：固定刃 １ａ：刃先 ２：回転刃 ２ａ：カッタ接触面 ２ｂ：刃先 ８：防護壁 ２０：糊付紙

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 固定刃と、その固定刃の刃先にカッタ接
   触面を接触させながら前記固定刃に沿って回転しながら
   移動する回転刃とを備え、前記固定刃と前記回転刃とに
   より糊付紙をカットする糊付紙用カッタにおいて、 前記回転刃の前記カッタ接触面に、該回転刃の刃先から
   該回転刃の回転中心に向かって所定量離れた位置に所定
   の高さの防護壁を回転方向に全周に亘って設けたことを
   特徴とする糊付紙用カッタ。