JP3844983B2 - 用紙切断装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はプリンタ、発券機等の装置において、紙およびプラスチックフィルム等のシートを切断するための用紙切断装置の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の用紙切断装置としては、移動刃を保持し、この移動刃を長手方向に真直状に形成した固定刃に当接させながら走行させるための移動刃キャリアには、その先端部が用紙に引っかからないようにスキーの先端形状のように形成された用紙抑え部材が取りつけられていた。あるいは、移動刃キャリアは、その先端部が用紙に引っかからないように逃げた形状に形成されていた。このような用紙切断装置の従来例として、以下に第1従来例について説明する。また、用紙が固定刃の表面から浮き上がることによって、用紙が移動刃キャリアによって押されて切断されずしわにならないように、移動刃キャリアの走行の動力を使って移動刃を回転駆動するための転動車輪によって用紙を固定刃の表面に押し付けるように構成されていた。このような用紙切断装置の従来例として、以下に第2従来例について説明する。
【0003】
図14は、第1従来例における用紙切断装置における用紙切断装置に用紙を装着した状態を斜め上方から見た状態を示す斜視図である。図15は、第2従来例における用紙切断装置における用紙切断装置を示し、(A)は上面図、(B)は正面図、(C)は左側面図である。
【0004】
図14を用いて第1従来例である「実開平1−149289号公報」について主に明細書を引用して説明する。案内板502には、ロール紙501の幅方向におけるカッタ505の移動軌跡に沿ってロール紙501の幅方向に延在するスリット507が形成されており、このスリット507を介してカッタ505の上部が案内板502の上方に突出している。前記スリット507を上下方向に挿通し得る基部508aと、この基部508aの上端に接続され前記スリット507の幅方向に延在する水平方向の支持部508bとからなり全体としてほぼT字形を成している支持部材508取りつけられている。この支持部材508の支持部508b上には、前記カッタ505の両側に近接配置され、スリット507の長手方向にそれぞれ延在する細長い板ばね状の1対の受け部材510、510の基端部が固着されており、これらの受け部材510、510のそれぞれの中間部は、各受け部材自体の弾性により案内板502上に軽く圧接するようになっている。また、前記カッタ505の前方に達する前記受け部材510、510の先端部は案内板502の表面502aから離間する方向にそれぞれ湾曲され、ロール紙501を傷つけないようになっている。
【0005】
次に作用について説明する。カッタ505が矢印cの方向に移動すると、それぞれの先端部がカッタ505より先行する両受け部材510、510がロール紙501をカッタ505の両側において案内板502の表面502a上に抑えつけている状態において回転しているカッタ505によりロール紙501をその幅方向に徐々に切断する。このとき、受け部材510の先端部が案内板502の表面502aから離間するように湾曲しているため、ロール紙501を受け部材510と案内板502との間に容易に挟持することができるし、またカッタ505の両側に位置する両受け部材510、510の中間部によりロール紙501の浮上が阻止されるので、ロール紙501を安定的に切断することができる。
【0006】
図15を用いて第2従来例である「特許第3141337号公報」について主に明細書を引用して説明する。カッタ移動刃605と移動刃ホルダ651と用紙押さえローラ653はかん合構造で一体化され、一体回転可能となっている。また、移動刃ホルダ651は移動刃軸619に挿入され、滑動回転可能となっている。カッタ移動刃605の移動刃軸619は、カッタ固定刃602に対して所定傾斜角度θz°傾斜している。同じく、この移動刃軸619は、カッタ移動刃605の刃先がカッタ固定刃602の刃先に僅かにオーバーラップする位置に配置されている。これによってカッタ移動刃605の刃先はカッタ固定刃602の刃先に対して1点で接触するようになっている。この接点は、シートを切断するときの切断点である。また、用紙押さえローラ653はゴム等の弾性体である。用紙押さえローラ653はわずかに変形した状態でカッタ固定刃602に押し付けられている。この時、用紙押さえローラ653の変形量は経時的に組成変形しない程度が望ましい。また、用紙押さえローラ653の素材には硬度の高いゴム材が望ましい。
【0007】
シート切断方向(図14の進行方向)にカッタ移動刃605が移動すると、この用紙押さえローラ653の弾性力でカッタ移動刃605の刃先には、図14(A)に示す荷重(Fr)が発生する。この荷重(Fr)は、シート切断時にカッタ移動刃605が受ける切断負荷Aを押さえる効果があり、厚手のシートの切断が容易となる。そしてさらに、カッタ移動刃605は板バネ等の押圧手段でカッタ固定刃602の刃先に所定の荷重(Fs)で押し付けられている。シート切断方向(図14の進行方向)にカッタ移動刃605を移動させると、カッタ移動刃605の刃先には、カッタ移動刃605を回転させるモーメント(M)が発生する。カッタ移動刃605は用紙押さえローラ653の転動力と刃先に発生するモーメント(M)の2力で回転している。この場合、用紙押さえローラ653が組成変形して部分的に転動力を失った場合でも、刃先のモーメント(M)が転動力を補い、カッタ移動刃605の転動不良が発生することは無い。この時θz°は、上記同様0.5°〜6°の範囲内とするのが適当である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前述したように、第1従来例においては、カッタ505の切断走行方向の近傍に先端部が案内板502の表面502aから離間する方向にそれぞれ湾曲した受け部材510が設けられているので、用紙501の端部等にひっかかることはない。しかし、受け部材510のそれぞれの中間部は、各受け部材自体の弾性により案内板502上に軽く圧接するようになっていることもあり、用紙501が非常に薄く剛性が小さいものであった場合には、用紙501は、受け部材510あるいはカッタ505に押されてしわになってしまうという欠点があった。
【0009】
また、第2従来例においては、カッタ移動刃605と用紙押さえローラ653がかん合構造で一体化され、一体回転可能となっていると共にカッタ移動刃605は板バネ等の押圧手段でカッタ固定刃602の刃先に所定の荷重(Fs)で押し付けられているので、用紙押さえローラ653には、カッタ移動刃605をカッタ固定刃602との摩擦抵抗が回転負荷となってかかる。従って、用紙押さえローラ653とカッタ固定刃602との間には大きな摩擦伝達力が要求されるため用紙押さえローラ653は大きな押圧力でカッタ固定刃602に押圧されている。用紙押さえローラ653は大きな押圧力でカッタ固定刃602を押圧しながら走行する。このときカッタ固定刃602と用紙押さえローラ653との間には用紙501が介在しているので、用紙501は用紙押さえローラ653によってカッタ固定刃602に対して移動され、正確に切断することができずしわになってしまうことがある。また、用紙押さえローラ653は大きな押圧力でカッタ固定刃602を押圧しながら走行するので、用紙押さえローラ653の外周が塑性変形したり、外周および軸との摺動部分が摩耗して回転不良を起こすことがあった。
【0010】
本発明の目的は、装着された用紙が剛性が小さい場合であっても、この用紙をしわにすることなく良好な切断結果を得ることができると共に耐久性がある用紙切断装置を得ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明においては、長手方向に真直状に形成したカッタ固定刃と、該カッタ固定刃に当接して回転しながら走行することにより用紙を切断するカッタ移動刃と、該カッタ移動刃を前記カッタ固定刃に押圧するように付勢する移動刃押圧部材と、前記カッタ移動刃を保持する移動刃キャリアと、前記カッタ移動刃を前記移動刃キャリアに回転自在に軸支する移動刃軸と、前記移動刃キャリアを前記カッタ固定刃の長手方向に沿って往復走行するように駆動する移動刃駆動手段よりなる用紙切断装置において、前記移動刃支持軸に回転自在に軸支され前記用紙を前記カッタ固定刃から浮き上がることがないように押さえるための用紙押さえローラを有することを特徴とするものである。
【0012】
また、前記用紙押さえローラは、外周が弾性部材によって形成されていることを特徴とするものである。
【0013】
また、 前記用紙押さえローラは、外周が金属もしくはプラスチックによって形成されていること特徴とするものである。
【0014】
また、前記用紙押さえローラは、外周が前記用紙を前記カッタ固定刃に押し付けるように構成されていることを特徴とするものである。
【0015】
また、前記用紙押さえローラは、外周が前記用紙の表面に対して僅かに隙間を有するように構成されていることを特徴とするものである。
【0016】
また、前記用紙押さえローラは、外周が移動刃軸の軸方向へ平坦に形成されていることを特徴とするものである。
【0017】
また、前記用紙押さえローラは、外周が移動刃軸の軸方向へ円弧状に形成されていることを特徴とするものである。
【0018】
また、前記カッタ移動刃は移動刃ホルダに保持され、該移動刃ホルダは前記移動刃軸に回転自在に軸支され、該移動刃ホルダと前記用紙押さえローラとの間にスペーサが介在していることを特徴とするものである。
【0019】
また、前記カッタ移動刃は移動刃ホルダに保持され、該移動刃ホルダは前記カッタ移動刃の撓みを防止するためのホルダフランジ部を有することを特徴とするものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を一実施例に基づき図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る第1実施例の用紙切断装置を斜め上方から見た状態を示す斜視図である。図2は、図1における矢視Aの状態を示す正面図である。図3は、図2における蓋体3を透視した状態を示す正面図である。図4は、図3におけるC部を拡大して示す詳細図である。図5は、図4におけるD−D線断面の状態を示す断面図である。図6は、図5における第1実施例のローラ外周部7aを有する用紙押さえローラ7aをローラ外周部107を有する用紙押さえローラ107に組み替えた第2実施例を示す断面図である。図7は、図4における用紙切断装置1に用紙19を装着した状態を示す動作説明図である。図8は、図7の状態から移動刃キャリア5が走行しながら用紙19を切断する状態を示す動作説明図である。図9は、図5における用紙切断装置1に用紙19を装着した状態を示す断面図である。図10は、図6における用紙切断装置101に用紙119を装着した状態を示す断面図である。
【0021】
図11は、本発明に係る第3実施例を示し、第1実施例を示す図5における用紙押さえローラ7を、外周に弾性部材207bが固着された用紙押さえローラ207に組み替えた第3実施例を示す断面図である。図12は、図11における弾性部材207bを有する用紙押さえローラ207を、弾性部材307bを有する用紙押さえローラ307bに組み替えた第4実施例を示す断面図である。図13は、図5における第1実施例の移動刃ホルダ15をホルダフランジ部の外径が大きいものに移動刃ホルダ415組み替えた第5実施例を示す断面図である。
【0022】
図1、および図2において、本発明の第1実施例を示す用紙切断装置1の概要について説明する。枠体2には蓋体3およびカッタ固定刃4が取り付けられており、カッタ固定刃4は蓋体3の上端部によって脱落しないように押さえられている。カッタ固定刃4の図1における右端、および図2における左端のホームポジションには移動刃キャリア5が待機しており、移動刃キャリア5にはカッタ移動刃6が回転自在に取りつけられ、カッタ固定刃4に圧接された状態で待機している。また、カッタ移動刃6と同軸に用紙押さえローラ7が回転自在に取りつけられている。
【0023】
図3、および図4において、図2に示す蓋体3を透視した状態について説明する。枠体2には第1プーリ10aと、第2プーリ10bが互いに間隔をおいて回転自在に取り付けられており、第1プーリ10aと第2プーリ10bとの間には無端ベルトの内側に歯が形成されたキャリア送りベルト12が緊張懸架されている。キャリア送りベルト12には、移動刃キャリア5と連結するためのキャリア連結部材11が取り付けられている。また、枠体2にはカッタ移動刃6を回転自在に保持する移動刃キャリア5が左右往復走行可能に取り付けられている。移動刃キャリア5には連結長孔部5aが形成され、連結長孔部5aにはキャリア連結部材11が上下方向にスライド可能に嵌入している。
【0024】
また、枠体2には、第1プーリ10aを回転させてキャリア送りベルト12を駆動し、移動刃キャリア5を往復走行駆動するためのキャリア駆動モータ8が取り付けられている。キャリア駆動モータ8の回転軸8aには主傘歯車9aが固着され、主傘歯車9aには従傘歯車9bが噛み合っており、従傘歯車9bには第1歯車9cが固着され第1歯車9cには第2歯車9dが噛み合っており、第2歯車9dには第3歯車9eが噛み合っており、第3歯車9eには前述した第1プーリ10aが固着されている。従って、キャリア駆動モータ8を駆動することにより第1プーリ10aを回転させ、第1プーリ10aの回転によってキャリア送りベルト12を走行させて移動刃キャリア5を往復走行させるように構成されている。
【0025】
図5において、図4に示すD−D線断面から見た移動刃キャリア5の詳細な構成について説明する。枠体2に形成されている図示せぬ溝部には、カッタ固定刃4がはめ込まれており、蓋体3によって動かないように抑えられている。カッタ固定刃4には真直刃部4aが形成されている。移動刃キャリア5には、第1摺動部5b、第2摺動部5c、および第3摺動部5dが形成され、第1摺動部5bは蓋体3に当接し、第2摺動部5cは枠体2に当接し、第1摺動部5b、第2摺動部5cが協働して移動刃キャリア5を左右方向に支えている。
【0026】
また、移動刃キャリア5には第1軸受け部5eと第2軸受け部5fが形成され、第1軸受け部5eと第2軸受け部5fによって移動刃軸14が取り付けられている。移動刃軸14には移動刃ホルダ15が回転自在にはめ合わされ、移動刃ホルダ15には、円盤状で外周に外周刃先部6aが形成されたカッタ移動刃6と、カッタ移動刃6を保持するための移動刃押さえブッシュ16が圧入されて固着されている。
【0027】
移動刃ホルダ15には、つるまき状の圧縮ばねである移動刃押圧部材17がはめ合わされており、移動刃キャリア5に対して移動刃ホルダ15を右方向に押すことにより、カッタ移動刃6の外周刃先部6aをカッタ固定刃4の真直刃部4aに圧接させ、外周刃先部6aと真直刃部4aとの間で後述する用紙19を剪断するように構成されている。
【0028】
移動刃軸14には用紙押さえローラ7が、移動刃ホルダ15とは独立して回転し得るように回転自在にはめ合わされている。用紙押さえローラ7の軸方向の長さと移動刃ホルダ15の軸方向の長さとを加えた長さは、移動刃キャリア5の壁面の内側寸法より充分に短く設定しており、用紙押さえローラ7と移動刃ホルダ15の双方とも余裕を持って独立して回転し得るよう適切な隙間をもって組み付けられている。用紙押さえローラ7は金属もしくはプラスチックによって形成され、外周には回転軸方向へ平坦なローラ外周部7aが形成されている。ローラ外周部7aは僅かな間隙を持ってカッタ固定刃4に対向している。
【0029】
このように用紙押さえローラ7のローラ外周部7aが僅かな間隙を持ってカッタ固定刃4に対向していることにより、用紙押さえローラ7が用紙19をカッタ固定刃4に対して押さえながらカッタ移動刃6とカッタ固定刃4とにより切断するので、用紙19をしわにすることなく切断することができ、カッタ移動刃6の外周刃先部6aはカッタ固定刃4の真直刃部4aに圧接されるので用紙19をきれいに切断することができる。
【0030】
図6において、前述した図5における用紙押さえローラ7を用紙押さえローラ107に組み替えた第2実施例例について説明する。移動刃軸114には用紙押さえローラ107が、移動刃ホルダ115とは独立して回転し得るように回転自在にはめ合わされている。用紙押さえローラ107は金属もしくはプラスチックによって形成され、外周には回転軸方向へ円弧状のローラ外周部107aが形成されている。ローラ外周部107aは僅かな間隙を持ってカッタ固定刃104に対向している。
【0031】
図7、図8および図9において、第1実施例における用紙切断装置1で用紙19を切断する状態を説明する。図7に示すようにしてカッタ固定刃4に用紙19を載置し、続いて、図示せぬ制御回路により図4に示すキャリア駆動モータ8を駆動するとキャリア送りベルト12が回転して、図8に示すようにして移動刃キャリア5を矢印aの方向に走行させる。移動刃キャリア5が矢印aの方向に走行することにより、用紙押さえローラA7aで用紙19をカッタ固定刃4に対して押さえながら、図9に示すようにしてカッタ移動刃6はカッタ固定刃4と協働して用紙19を剪断する。剪断された用紙右片19bは、カッタ固定刃4に載置された状態であるが、用紙左辺19cは、移動刃キャリア5によって下側に押し下げられる。用紙押さえローラA7aの外周には回転軸方向へ平坦なローラ外周部A7cが形成されているので用紙19に極圧をかけることなく用紙19をカッタ固定刃4に対して押さえることができる。
【0032】
図10において、前述した図6に示す第2実施例の用紙119を切断する状態について説明する。図9に示す第1実施例と同様にして用紙押さえローラ107で用紙119をカッタ固定刃104に対して押さえながら、カッタ移動刃106はカッタ固定刃104と協働して用紙119を剪断する。剪断された用紙右片119bは、カッタ固定刃104に載置された状態であるが、用紙左辺119cは、移動刃キャリア105によって下側に押し下げられる。用紙押さえローラ107の外周には回転軸方向へ円弧状のローラ外周部107aが形成されているので用紙119がローラ外周部B7dに引っ掛かることがない。
【0033】
図11において、前述した図5における用紙押さえローラ7を用紙押さえローラ207に組み替えた第3実施例について説明する。移動刃軸214には用紙押さえローラ207が、移動刃ホルダ115とは独立して回転し得るように回転自在にはめ合わされている。用紙押さえローラ107の外周部にはゴムのような弾性部材によって形成され回転軸方向へ平坦な弾性部材207bが固着されている。弾性部材207bはその弾性力によって用紙219をカッタ固定刃204に軽く圧接するように設定されている。用紙押さえローラ207の外周には弾性部材207bが固着されているので用紙219がカッタ固定刃204に対して滑ることがないので、用紙219を正確にきれいに切断することができる。
【0034】
図12において、前述した図5における用紙押さえローラ7を用紙押さえローラ307bに組み替えた第4実施例について説明する。移動刃軸314には用紙押さえローラ307が、移動刃ホルダ315とは独立して回転し得るように回転自在にはめ合わされている。用紙押さえローラ307の外周部にはゴムのような弾性部材によって形成され回転軸方向へ円弧状の弾性部材307bが固着されている。用紙押さえローラ307の外周には弾性部材307bが固着されているので用紙319がカッタ固定刃304に対して滑ることがないので、用紙319を正確にきれいに切断することができる。また、弾性部材307bの外周は回転軸方向へ円弧状に形成されているので用紙319が弾性部材307bの外周に引っ掛かることがない。
【0035】
図13において、前述した図5における移動刃ホルダ15を移動刃ホルダ415に組み替えると共に、移動刃ホルダ415と用紙押さえローラ407との間にスペーサ418を介在させた第5実施例について説明する。移動刃軸414には移動刃ホルダ415が回転自在にはめ合わされ、移動刃ホルダ415にはカッタ移動刃406が固着されている。移動刃ホルダ415は、カッタ移動刃406の外径よりも僅かに小さく形成された外径を有するホルダフランジ部415aを有している。このホルダフランジ部415aでカッタ移動刃406をバックアップすることにより、移動刃押圧部材417によってカッタ移動刃406の外周刃先部406aがカッタ固定刃404の真直刃部404aに押圧される際に、外周刃先部406aが撓んで逃げないように補強している。また、ホルダフランジ部415aの外周は、用紙419が浮き上がらないように抑えるという機能も有している。移動刃軸414には用紙押さえローラ407が、移動刃ホルダ415とは独立して回転し得るように回転自在にはめ合わされている。
【0036】
そして、移動刃ホルダ415と用紙押さえローラ407との間には、テフロン(登録商標)あるいはデルリン等の摩擦係数が小さい材質で形成されたスペーサ418が組み込まれていると共に、前述した第1実施例と同様にして、用紙押さえローラ407の軸方向の長さと移動刃ホルダ415の軸方向の長さとスペーサ418の厚さとを加えた長さは、移動刃キャリア405の壁面の内側寸法より充分に短く設定しており、用紙押さえローラ407と移動刃ホルダ415の双方とも余裕を持って独立して回転し得るよう適切な隙間をもって組み付けられている。移動刃ホルダ415と用紙押さえローラ407との間に、テフロン(登録商標)あるいはデルリン等の摩擦係数が小さい材質で形成されたスペーサ418を組み込んだことにより、用紙押さえローラ407および移動刃ホルダ415は、第1実施例と比較して独立して回転することができる信頼性が高くなっている。
【0037】
以上説明したように、用紙押さえローラは、カッタ移動刃を回転自在に支持している移動刃軸に、カッタ移動刃に対して独立に回転し得るように回転自在に取りつけられているので部品点数が少なく構造も簡単であり廉価に製作することができると共に、用紙をしわにすることなく正確にきれいに切断することができる。
【0038】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように、部品点数が少なく構造も簡単であり、廉価に製作することができると共に、用紙押さえローラが用紙をカッタ固定刃に対して押さえた状態でカッタ移動刃がカッタ固定刃と協働して用紙を切断するので、カッタ移動刃が用紙を切断する際に、カッタ移動刃が用紙を押しのけてしわにしたり紙詰まりを起こすことがなく用紙を正確にきれいに切断することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施例の用紙切断装置を斜め上方から見た状態を示す斜視図である。
【図2】図1における矢視Aの状態を示す正面図である。
【図3】図2における蓋体3を透視した状態を示す正面図である。
【図4】図3におけるC部を拡大して示す詳細図である。
【図5】図4におけるD−D線断面の状態を示す断面図である。
【図6】図5における第1実施例のローラ外周部7aを有する用紙押さえローラ7aをローラ外周部107を有する用紙押さえローラ107に組み替えた第2実施例を示す断面図である。
【図7】図4における用紙切断装置1に用紙19を装着した状態を示す動作説明図である。
【図8】図7の状態から移動刃キャリア5が走行しながら用紙19を切断する状態を示す動作説明図である。
【図9】図5における用紙切断装置1に用紙19を装着した状態を示す断面図である。
【図10】図6における用紙切断装置101に用紙119を装着した状態を示す断面図である。
【図11】本発明に係る第3実施例を示し、第1実施例を示す図5における用紙押さえローラ7を、外周に弾性部材207bが固着された用紙押さえローラ207に組み替えた第3実施例を示す断面図である。
【図12】図11における弾性部材207bを有する用紙押さえローラ207を、弾性部材307bを有する用紙押さえローラ307bに組み替えた第4実施例を示す断面図である。
【図13】図5における第1実施例の移動刃ホルダ15をホルダフランジ部の外径が大きいに移動刃ホルダ415組み替えた第5実施例を示す断面図である。
【図14】第1従来例における用紙切断装置における用紙切断装置に用紙を装着した状態を斜め上方から見た状態を示す斜視図である。
【図15】第2従来例における用紙切断装置における用紙切断装置を示し、(A)は上面図、(B)は正面図、(C)は左側面図である。
【符号の説明】
1 用紙切断装置
2 枠体
3 蓋体
4 カッタ固定刃
5 移動刃キャリア
5a 連結長孔部
6 カッタ移動刃
7 用紙押さえローラ
8 キャリア駆動モータ
8a 回転軸
9a 主傘歯車
9b 従傘歯車
9c 第1歯車
9d 第2歯車
9e 第3歯車
10a 第1プーリ
10b 第2プーリ
11 キャリア連結部材
12 キャリア送りベルト
13 HP検出手段
14 移動刃軸
15 移動刃ホルダ
16 移動刃押さえブッシュ
17 移動刃押圧部材
18 スペーサ
19 用紙
19a 切断部
19b 用紙右片
19c 用紙左片

Claims (1)

  1. 長手方向に真直状に形成したカッタ固定刃と、該カッタ固定刃に当接して回転しながら走行することにより用紙を切断するカッタ移動刃と、該カッタ移動刃を前記カッタ固定刃に押圧するように付勢する移動刃押圧部材と、前記カッタ移動刃を保持する移動刃キャリアと、前記カッタ移動刃を前記移動刃キャリアに回転自在に軸支する移動刃軸と、前記移動刃キャリアを前記カッタ固定刃の長手方向に沿って往復走行するように駆動する移動刃駆動手段と、前記移動刃軸に回転自在に軸支され前記用紙を前記カッタ固定刃から浮き上がることがないように押さえるための用紙押さえローラよりなる用紙切断装置において、前記カッタ移動刃の撓みを防止するためのホルダフランジ部を有する移動刃ホルダを備え、前記カッタ移動刃は前記移動刃ホルダを介して前記移動刃押圧部材により前記カッタ固定刃に押圧するように付勢されていることを特徴とする用紙切断装置。
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