JP2005081478A - 積層シート材のトリミングカッタ - Google Patents
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Abstract
【課題】 正確で綺麗な切断ができる積層シート材のトリミングカッタ
【解決手段】 円板刃15に摺接する固定刃10が設けられたカッタフレーム1上を、円板刃15を支持したキャリッジ20がねじ軸8とめねじ30により移動駆動され、キャリッジ20がカッタフレーム上を切断方向に移動すると、キャリッジ20のギヤ30がカッタフレーム1に設けられたラックギヤ5に噛み合って、円板刃15がトルク伝達機構21により被切断シート材に食い込む方向に回転しながら積層シート材を切断する。トルク伝達機構21は、円板刃15の周速の移動方向成分v3 と移動速度v1 との比率がv3 /v1 =1.0〜1.5に設定されている。トルク伝達機構21の一部が、円板刃15を軸16に装着したままキャリッジから脱着できるようにユニット化されている。円板刃15の刃先角度αはα=15°〜30°であり、ユニット化した紙押さえ手段を装着する。
【選択図】 図2
【解決手段】 円板刃15に摺接する固定刃10が設けられたカッタフレーム1上を、円板刃15を支持したキャリッジ20がねじ軸8とめねじ30により移動駆動され、キャリッジ20がカッタフレーム上を切断方向に移動すると、キャリッジ20のギヤ30がカッタフレーム1に設けられたラックギヤ5に噛み合って、円板刃15がトルク伝達機構21により被切断シート材に食い込む方向に回転しながら積層シート材を切断する。トルク伝達機構21は、円板刃15の周速の移動方向成分v3 と移動速度v1 との比率がv3 /v1 =1.0〜1.5に設定されている。トルク伝達機構21の一部が、円板刃15を軸16に装着したままキャリッジから脱着できるようにユニット化されている。円板刃15の刃先角度αはα=15°〜30°であり、ユニット化した紙押さえ手段を装着する。
【選択図】 図2
Description
本発明は、複数のシート材を中綴じして折り込んだ書類や雑誌などの端部をトリミングする積層シート材のトリミングカッタに関するものである。
中綴じした複数の紙の端部をトリミングする際に、直線刃の切断装置を使用すると紙が逃げて斜めに切断され正確な切断ができない欠陥が発生することがある。また、厚い紙や枚数の多い紙をトリミングする場合には、切断力によって固定刃や可動刃の中間部が撓んで切断不能になることあるので、これを防止するために固定刃と可動刃を極めて剛性の高いものにしなければならず、装置の大型化と重量増加が避けられなかった。
また、従来の円板刃を回転駆動しないローラ型シート材切断装置は、積層シート材のトリミングカッタとして使用する場合、円板刃の移動駆動力や回転駆動力が十分得られないという問題点があった。単層シート材切断装置としては、ラックとギヤにより円板刃を回転駆動する切断装置が開示されている(特許文献2)が、積層シート材のトリミングカッタとしては実用化されていなかった。
そこで本発明者らは、先にこれを解決するローラ型シート材切断装置を開示した(特許文献1)。
特開2002−326186号公報
実開平03−88688号公報
前記従来のローラ型シート材切断装置は、構造上円板刃の回転速度を自由に限定することが困難であったために、積層シート材のトリミングカッタとして使用する場合には後述するような問題点があった。
本発明は、上記特許文献1のローラ型シート材切断装置をさらに改善し、円板刃の回転速度を適切に設定し、キャリッジの移動と円板刃の回転駆動力を強化し、かつ所要動力を低減して厚い紙や枚数の多い紙をトリミングする場合にも安定してトリミングできる積層シート材のトリミングカッタを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の積層シート材のトリミングカッタは、キャリッジに支持された円板刃を、カッタフレームに切断方向へ伸張して設けられた固定刃に摺接させつつ回転させながら移動駆動して積層シート材を切断するトリミングカッタにおいて、前記円板刃の周速の円板刃移動方向成分v3 と該円板刃の移動速度v1 との比率が積層シート材の上面の接点において、v3 /v1 =1.0〜1.5であることを特徴とするものである。
前記円板刃の速度比v3/v1 の効果について、図5に示すローラ型シート材切断装置による切断の機構から説明する。図において、円板刃15の刃先は固定刃10に対してオーバーラップ量t2 をもって配設される。切断時に円板刃15は速度v1 で切断方向に移動するが、積層シート材S1 は厚さt1 を有するので、切断の開始点は積層シート材S1 の上面の図のk点になる。ここで円板刃の周速をv2 とするとv2 の円板刃移動方向成分は図のv3 になる。当然、切断を進行させるためにはv1 ≦v3 になるように周速v2 を選択しなければならない。
発明者らは実験の結果、前記円板刃の周速の移動方向成分v3と移動速度v1との比率v3/v1が切断状態に影響があることを見出し、v3/v1=1.0〜1.5とした。好ましくはv3/v1 =1.1〜1.3である.
1.速度比v3/v1が1未満であると、刃先の食い込みが不十分で、シート材が円板刃によって円板刃の移動方向に押されて、切り口の皺や波打ちが顕著になり、綺麗な切断ができない。
2.速度比v3/v1を大きくすると切れ味(切断端面状態)が幾分よくなるが、円板刃の刃先とシート材の摩擦抵抗により駆動負荷が増加する。特に積層シート材の切断の場合には、v3/v1 が1.5を超えると、この摩擦抵抗による切断トルクの増加が問題になる。
1.速度比v3/v1が1未満であると、刃先の食い込みが不十分で、シート材が円板刃によって円板刃の移動方向に押されて、切り口の皺や波打ちが顕著になり、綺麗な切断ができない。
2.速度比v3/v1を大きくすると切れ味(切断端面状態)が幾分よくなるが、円板刃の刃先とシート材の摩擦抵抗により駆動負荷が増加する。特に積層シート材の切断の場合には、v3/v1 が1.5を超えると、この摩擦抵抗による切断トルクの増加が問題になる。
なお、薄い単層シート材の切断の場合は円板刃を積極的に駆動しないで、円板刃と固定刃の摩擦で連れ回りする切断装置が使用されるが、積層シート材の切断においては、シート材と円板刃の摩擦が大きいので、円板刃と固定刃の摩擦では円板刃の回転を確保することは困難である。また、この場合、仮に摩擦抵抗が小さくても、シート材の最上面と最下面の速度比を平均した値が1を超えることはなく、最上面では1未満になって、前記1の問題が生ずる。
一方、上記特許文献2の切断装置では、円板刃の回転駆動力は確保できるが、構造上ラックギヤに噛み合うギヤの径を円板刃の径に対して大きくとれぬために、v3/v1が1.5を超えてしまって、本発明のようにv3/v1=1.0〜1.5を得ることは困難であり、前記2の問題が生ずる。
したがって、円板刃の速度比v3/v1=1.0〜1.5を有するトリミングカッタは、容易に考えられそうでありながら、本発明の今日まで市場になかったものである。
上記速度比の効果を発揮するために、本発明の積層シート材のトリミングカッタは、前記カッタフレームに切断方向に伸張してラックギヤが配設され、該ラックギヤと噛み合って回転するギヤと、該ギヤに連動して前記キャリッジが切断方向に移動するとき前記円板刃を被切断シート材に食い込む方向に回転させるトルク伝達機構とが前記キャリッジに設けられることが望ましい。
すなわち、本発明のトリミングカッタでは、切断時にキャリッジがカッタフレーム上を移動すると、カッタフレームに設けられたラックギヤにキャリッジのギヤ伝達機構のギヤが噛み合って円板刃をシート材に食い込む方向に回転させる。従来の円板刃の回転駆動は回転輪をフレームに摩擦接触させたり、プーリに巻き付けたワイヤなどにより駆動していたため十分な円板刃の回転駆動力得られない場合があった。本発明の切断装置は、円板刃の回転駆動がラックギヤとギヤの噛み合いとトルク伝達機構によって行われるので、従来方法に比して安定した大きな回転駆動力が得られる。
そして、前記円板刃の速度比v3/v1はトルク伝達機構により変えられるので、本発明の構成によれば、前記特許文献2の切断装置ではできなかった速度比v3/v1=1.0〜1.5が簡易に得られる。これにより厚い紙や枚数の多い紙をトリミングする場合にも安定してトリミングできる。
前記トルク伝達機構の一部又は全部と、前記円板刃とが前記キャリッジから脱着できるようにユニット化されることが望ましい。また、前記ユニット化されたトルク伝達機構は、前記円板刃を覆うカバーを備えることが望ましい。
すなわち、従来の切断装置では、円板刃の取り換えの際に円板刃のみを軸から取り外し・装着していたが、円板刃は鋭利な刃先を有するために取り扱いの際に怪我をするなどの危険があった。本発明では、あらかじめ円板刃を軸に装着したトルク伝達機構の一部又は全部を一体化のユニット化してキャリッジに脱着するだけで円板刃の取り換えができ、かつ円板刃はカバ−により覆われているので手に触れることがなく、安全かつ簡易に取り替えることができる。
ここで、トルク伝達機構はギヤ伝達としてもタイミングベルトその他の伝達機構にしても良い。
ここで、トルク伝達機構はギヤ伝達としてもタイミングベルトその他の伝達機構にしても良い。
前記キャリッジを移動駆動させる移動手段は、カッタフレームに設けられたねじ軸と前記キャリッジに設けられためねじとを螺合させて行うことが望ましい。キャリッジを移動させる移動駆動手段としては、従来からワイヤ・プーリ方式などが使用されているが、厚い紙や枚数の多い紙をトリミングする場合にはワイヤとプーリが滑るなどして大きな駆動力が得られない場合がある。本発明では、キャリッジに設けられためねじに螺合させたねじ軸を回転してキャリッジを移動するので大きな駆動力が確実に得られる。
前記キャリッジに、切断時に固定刃の撓みを防止するように固定刃の下部を支持するローラが設けられることが望ましい。このように、固定刃の下部をキャリッジのローラが支えながら切断することにより、円板刃がシート材を切断するときに生ずる固定刃を撓ませる力がこのキャリッジのローラにより受けられるので、固定刃の長さ方向中間部における切断においても固定刃が撓むことがない。これにより固定刃の断面を小さくしても確実な切断ができる。
前記円板刃の刃先角度αがα=15°〜30°であることが望ましい。実験の結果、刃先角度αは小さい方が切断面は綺麗になるが、刃先角度が余り小さいと刃先の強度が落ち、また刃先加工も困難である。そこでα=15°〜30°とした。好ましくは20°〜25°である。ここで刃先角度とは図4に示すαの数値をいい、図4(b)のように逃げ角βをとってもよい。
また本発明の積層シート材のトリミングカッタは、ユニット化した紙押さえ手段を装着したことを特徴とするものである。紙押さえを備えることにより、切断時に積層された紙などのずれを防止するので綺麗な切断ができる。また、紙押さえをユニット化することにより、組み立てが簡単になり組み立て工数を低減できコストが低減される。
このように、本発明の円板刃は切断時に被切断シート材を引き込む方向に回転しているので、積層されたシート材に食い込んで切断し、切断されるシート材が逃げることがなく綺麗なトリミングが確実に行われる。また、固定刃の下部をキャリッジのローラが支えながら切断するので、固定刃の長さ方向中間部における切断においても固定刃が撓むことない。これにより固定刃の断面を小さくすることができ確実な切断ができる。
本発明の積層シート材のトリミングカッタによれば、厚い紙や枚数の多い紙などの積層シート材が確実に綺麗にトリミングできる。また円板刃の取り換えが安全にでき保守が容易である。さらに紙押さえがユニットかされているので、組み立て工数を低減できる。
以下、本発明の実施の形態を図面により具体的に説明する。
図1は本発明実施形態の積層シート材のトリミングカッタの全体の外観図、図2は本発明実施形態の積層シート材のトリミングカッタの主要部の斜視図(カッタフレームを切り取ってある)、図3はその断面図である。
図1は本発明実施形態の積層シート材のトリミングカッタの全体の外観図、図2は本発明実施形態の積層シート材のトリミングカッタの主要部の斜視図(カッタフレームを切り取ってある)、図3はその断面図である。
まず図1の外観図に基づいてカッタ全体の構成を説明する。カッタフレーム1に固定刃10が固定されている。キャリッジ20は、キャリッジを移動させる案内部23と円板刃を備える円板刃ユニット21とを組み立てて構成される。キャリッジ20は図示しないねじ軸8に螺合するめねじ部を備え、ねじ軸8がモータ45によりプーリ46、ベルト47、プーリ48を介して回転駆動されることによりカッタフレーム1に沿って移動駆動される。カッタフレーム1の上面の通紙面の上に切断時に被切断シート材を押さえる紙押さえユニット40が設けられている。
このような構成において、カッタフレーム1の通紙面に図示しない被切断シート材を置き、紙押さえユニット40により被切断シート材を押さえた状態で、キャリッジを切断方向に移動させると、円板刃がシート材に食い込むように回転しながら移動してシート材をトリミングする。
図2および図3を用いてさらに詳細について説明する。カッタフレーム1は鋼板から成形された図に示すような異形断面の棹状をなしている。そしてカッタフレーム1の固定刃受部2に固定刃10が図示しないねじ止めなどにより固定されている。カッタフレーム1と固定刃10の上面は被切断積層シート材の通紙面になる。カッタフレーム1のスカート部3の内面にラックギヤ5が図示しないボルトなどにより固定されている
キャリッジ20は、図の上部の円板刃ユニット21と下部の案内部23とから構成され、図1の外観図に示すような箱型をなして両者が図示しないボルトなどで結合されて着脱できるようになっている。
円板刃ユニット21の刃物フレーム22に円板刃15の刃物軸16が回転自在に軸支され、刃物軸16には刃駆動ギヤ35が固着されている。そして円板刃15はカバー18で覆われている。
円板刃15は、外周に切刃15aが設けられた薄板円板からなり、その中心孔に刃物軸16が挿通されナット19により固定される。そして図示しないバネにより、切刃15aが固定刃10に圧接するように付勢されている。円板刃15の中心孔は刃物軸16の挿通部の軸形状に合わせたキー溝孔あるいは角孔などの回り止めが付され、刃駆動ギヤ35により円板刃15が確実に回転駆動されるようになっている。
キャリッジ20の下部の案内部23は、異形断面のガイドフレーム24とギヤフレーム25が結合されて構成される。
ガイドフレーム24にはねじ軸8に螺合するめねじ部9が設けられて移動手段を構成し、ねじ軸8を回転駆動することにより、キャリッジ20がカッタフレーム1に沿って移動する。また、ガイドフレーム24には、水平軸の第1ローラ26と、垂直軸の第2ローラ27と、水平軸の第3ローラ28が回転自在に設けられている。そして第1ローラ26は、カッタフレーム1の固定刃受部2の下部2aに接し、第2ローラ27は固定刃受部2の側面2bに接する。第3ローラ28は、カッタフレーム1のスカート部3の下部に設けられたスカートガイド部4に接するようになっている。案内部23はこれらの3つのローラにより支持案内されてカッタフレーム1の異形断面内を移動するようになっている。
第1ローラ26は、カッタフレーム1の固定刃受部の下面2aを支持して、シート材を切断するときに円板刃が固定刃にかける力を受けるので、固定刃の長さ方向中間部における切断時においても固定刃が撓むことがない。これにより固定刃の断面を小さくすることができ確実な切断ができる。第2ローラ27は固定刃受部の側面2bを支持して、円板刃の刃先が固定刃に摺接する力を受け切断を確実にする。第3ローラ28は、第1ローラ26とともにガイドフレーム24を水平方向に支持する。
ガイドフレーム24に軸29が回転自在に支持され、軸29に前記第3ローラ28と、カッタフレーム1に設けられたラックギヤ5に噛み合うギヤ30と、ギヤフレーム25側にギヤ32が設けられている。
ギヤフレーム25とガイドフレーム24は結合され、ギヤフレーム25に前記ギヤ32に噛み合う第1、第2中間ギヤ33、34が回転自在に支持されている。そして、案内部23と円板刃ユニット21を組み立てたとき第2中間ギヤ34が刃物軸16の刃駆動ギヤ35とが噛み合って、これらによりギヤ伝達機構31を構成している。これにより、キャリッジ20が切断方向に移動すると、ラックギヤ5と噛み合ってギヤ30が回転し、ギヤ32、第1、第2中間ギヤ33、34、刃駆動ギヤ35を介して円板刃15がシート材に食い込む方向に回転駆動される。
ここで、ギヤ32と円板刃駆動ギヤ35のギヤ比は円板刃の周速の円板刃移動方向成分v3 と移動の速度v1との比率がv3/v1=1.0〜1.5になるように設定されている。なお本実施形態では、ギヤ30の回転を円板刃15の回転に伝達するトルク伝達機構をギヤ伝達機構31により行ったが、v3/v1=1.0〜1.5を確実に保てる方法であれば、ギヤでなくタイミングベルトなどの他の伝達手段によっても良い。
ねじ軸8は図示しない軸受けによりカッタフレーム1に回転自在に支持され、前述したように図1のモータ45により、プーリ46、ベルト47、プーリ48を介して回転駆動される。そしてねじ軸8を回転することにより、めねじ部9が螺合して円板刃15を支持したキャリッジ20を移動駆動する。
カッタフレーム1の通紙面の上に紙押さえ手段40が装着される。紙押さえ手段40は、モータ41が一体にされたユニットになっており、モータの回転を紙押さえラムの上下運動に変えて、被切断シート材を紙押さえラムにより押さえながら切断するように切断動作と同期されている。このようにユニット化された紙押さえ手段を用いることによりユニットの組み立て工数が低減される。
以下、上記構成のトリミングカッタの動作について説明する。トリミングする積層シート材をカッタフレーム1の通紙面に載せて、紙押さえ手段40のモータ41により紙押さえラムを駆動してシート材を押さえる。この状態でモータ45によりねじ軸8を回転駆動するとキャリッジ20が切断方向に移動する。このとき、キャリッジ20のギヤ30がフレーム1のラックギヤ5に噛み合って回転し、ギヤ32、第1、第2中間ギヤ33、34、刃駆動ギヤ35を介して円板刃15をシート材に食い込む方向に回転させる。このとき、前述の円板刃周速の円板刃移動方向成分v3と移動の速度v1との比率がv3/v1=1.0〜1.5になるようにギヤ比が設定されている。
このように本発明のトリミングカッタは、積層シート材を引き込みながら切断していくので、シート材が逃げることがなく綺麗な切断ができる。この際に、キャリッジの移動がねじ軸とめねじ部により行われるので、大きな切断送り力を確保することが可能になる。また円板刃15の回転がラックとギヤのかみ合わせにより行われるので円板刃15の回転に大きなトルクをかけることができる。これにより厚い積層シートでも確実なトリミングが可能になる。
また、固定刃10の下側はカッタフレーム1の固定刃受け部2を介してキャリッジの第1ローラ26により支持されているので、切断力によって固定刃が撓むようなことがなく、固定刃の断面を小さくすることができる。
[実施例1]
本発明実施例1は前記構成の積層シート材のトリミングカッタにより、円板刃移動方向成分v3 と移動速度v1 の比率v3/v1 を一定にして、円板刃の刃先角度を15°と30°に変え、下記条件でトリミングして刃先角度の影響について試験した。
円板刃外径:φ60mm
刃先角度:15°と30°
円板刃オーバーラップ量: 3.5mm
円板刃周速の円板刃移動方向成分/移動速度:v3/v1=1.3
切り落し幅: 2mm
被切断材: 100μmm厚普通紙(80ポンド紙)
積層枚数: 10〜30枚
本発明実施例1は前記構成の積層シート材のトリミングカッタにより、円板刃移動方向成分v3 と移動速度v1 の比率v3/v1 を一定にして、円板刃の刃先角度を15°と30°に変え、下記条件でトリミングして刃先角度の影響について試験した。
円板刃外径:φ60mm
刃先角度:15°と30°
円板刃オーバーラップ量: 3.5mm
円板刃周速の円板刃移動方向成分/移動速度:v3/v1=1.3
切り落し幅: 2mm
被切断材: 100μmm厚普通紙(80ポンド紙)
積層枚数: 10〜30枚
トリミングした切り屑の状態を図6および図7に示す。図6は刃先角度15°、図7は刃先角度30°の切り屑の状態を示す。両図を比較すると、刃先角度15°、30°ともに、積層枚数10枚では切り屑はいずれもねじれは余りなく切断面は良好であった。しかし、積層枚数20枚および30枚においては刃先角度15°の図6ではいずれも切り屑のねじれがなく切断面は良好であったが、刃先角度30°の図7では積層枚数20枚になるとねじれが発生し、30枚では切り屑はねじれてからみあい、切断面は辛うじて許容できるレベルであった。この結果から円板刃の刃先角度は30°以下を要することが分かった。
[実施例2]
実施例2は円板刃周速の円板刃移動方向成分/移動速度:v3/v1の影響について試験した。試験は、円板刃移動方向成分/移動速度をv3/v1 =1.3〜3.0に変えて100μmm厚普通紙(80ポンド紙)を切断し、キャリッジを移動駆動するねじ軸の駆動トルクを測定した。その他の条件は実施例1と同様にした。測定結果を表1および図8に示す。ここでv3/v1を増すと切れ味(切断端面状態)は幾分良くなるが駆動トルクが増すことが判った。
実施例2は円板刃周速の円板刃移動方向成分/移動速度:v3/v1の影響について試験した。試験は、円板刃移動方向成分/移動速度をv3/v1 =1.3〜3.0に変えて100μmm厚普通紙(80ポンド紙)を切断し、キャリッジを移動駆動するねじ軸の駆動トルクを測定した。その他の条件は実施例1と同様にした。測定結果を表1および図8に示す。ここでv3/v1を増すと切れ味(切断端面状態)は幾分良くなるが駆動トルクが増すことが判った。
表1および図8から以下のことが判った。
a.紙の重ね枚数を増すと当然所要トルクが増す。
b.v3/v1=1.3の同じタイプAとタイプBを比較すると、刃先角度15°のタイプBが刃先角度30°のタイプAより所要トルクが小さい。
c.同じ刃先角度15°のタイプB,C,D,Eを比較するとv3/v1が大きくなるほど所要トルクが大きくなる。
e.本実施例で、モータ駆動電流3Aでの切断可能枚数は、タイプC、D、Eでそれぞれ20枚、18枚、12枚であった。
以上の結果からv3/v1=1.0〜1.5が望ましいことが判った。さらに望ましくは1.1〜1.3である。
a.紙の重ね枚数を増すと当然所要トルクが増す。
b.v3/v1=1.3の同じタイプAとタイプBを比較すると、刃先角度15°のタイプBが刃先角度30°のタイプAより所要トルクが小さい。
c.同じ刃先角度15°のタイプB,C,D,Eを比較するとv3/v1が大きくなるほど所要トルクが大きくなる。
e.本実施例で、モータ駆動電流3Aでの切断可能枚数は、タイプC、D、Eでそれぞれ20枚、18枚、12枚であった。
以上の結果からv3/v1=1.0〜1.5が望ましいことが判った。さらに望ましくは1.1〜1.3である。
以上説明したように、本発明構成の積層シート材のトリミングカッタは、回転しながら移動する円板刃を固定刃に摺接させて切断するので、従来の直線刃による切断のように切断される積層シート材が逃げて切り口が曲がるようなことがなく綺麗で確実なトリミングが可能である。
また、円板刃を備えたキャリッジが移動してシート材を切断するとき、カッタフレームに設けられたラックギヤにギヤ伝達機構のギヤが噛み合って円板刃をシート材に食い込む方向に回転駆動するので、従来方法に比して円板刃に安定した大きな回転駆動力が得られる。これにより厚い紙や枚数の多い紙をトリミングする場合にも安定してトリミングできる。
このギヤ伝達機構一部又は全部が円板刃を軸に装着したままキャリッジに脱着できるようにユニット化されるており、円板刃はカバーで覆われたまま脱着できるので、円板刃の取り換えの際に円板刃の鋭利な刃先に触れて怪我をするなどの危険がなく簡易に円板刃の取り換えができる。
また、キャリッジを移動させる移動駆動手段は、カッタフレームに設けられたねじ軸と前記キャリッジに設けられためねじとを螺合させて行われるので、他の方法に比して駆動力が大きくとれ、厚い紙や枚数の多い紙をトリミングする場合にも確実なトリミングができる。
さらに、円板刃の周速v2 の円板刃移動方向成分v3 と該円板刃の移動速度v1との比率がv3/v1=1.0〜1.5にされることにより、トルクが大幅に増すことなく綺麗な切断ができる。好ましくはv3/v1=1.1〜1.3である.
また、前記円板刃の刃先角度αをα=15°〜30°にすることにより、刃先強度の低下や刃先加工の困難さがなく切断面の綺麗なトリミングができる。この刃先角度は好ましくは20°〜25°である。
また本発明の積層シート材のトリミングカッタは、ユニット化した紙押さえ手段を装着しているので、切断時に積層された紙などのずれを防止するので綺麗な切断ができる。また、紙押さえをユニット化することにより、組み立て工数を低減できコストが低減される。
また、本発明の円板刃が被切断シート材を引き込む方向に回転し、シート材に食い込んで切断するのでシート材が逃げることがなく綺麗なトリミングが確実に行われる。さらに、フレームの固定刃受部の下部をキャリッジのローラが支えながら切断するので、固定刃の中間部における切断においても固定刃が撓むことないので固定刃の断面を小さくしても確実な切断ができる。
以上のべたように本発明の積層シート材のトリミングカッタは、厚い紙や枚数の多い紙の積層シート材が確実に綺麗なトリミングができ、円板刃の取り換えが安全にでき保守が容易であるので、積層シート材のトリミングが効率化する。
1 カッタフレーム、2 固定刃受部、3 スカート部、4 スカートガイド部、5 ラックギヤ、8 ねじ軸、9 めねじ部、10 固定刃、15 円板刃、16 刃物軸、18 カバー、19 ナット、20 キャリッジ、21 円板刃ユニット、22 刃物フレーム、23 案内部、24 ガイドフレーム、25 ギヤフレーム、26 第1ローラ、27 第2ローラ、28 第3ローラ、29 軸、30 ギヤ、31 ギヤ伝達機構(トルク伝達機構)、32 ギヤ、33 第1中間ギヤ、34 第2中間ギヤ、35 刃駆動ギヤ、40 紙押えユニット、41 モータ、45 モータ、46 プーリ、47 ベルト、48 プーリ
Claims (8)
- キャリッジに支持された円板刃を、カッタフレームに切断方向へ伸張して設けられた固定刃に摺接させつつ回転させながら移動駆動して積層シート材を切断するトリミングカッタにおいて、前記円板刃の周速の円板刃移動方向成分v3 と該円板刃の移動速度v1 との比率が積層シート材の上面の接点において、v3 /v1 =1.0〜1.5であることを特徴とする積層シート材のトリミングカッタ。
- 前記カッタフレームに切断方向に伸張してラックギヤが配設され、該ラックギヤと噛み合って回転するギヤと、該ギヤに連動して前記キャリッジが切断方向に移動するとき前記円板刃を被切断シート材に食い込む方向に回転させるトルク伝達機構とが前記キャリッジに設けられたことを特徴とする請求項1に記載の積層シート材のトリミングカッタ。
- 前記トルク伝達機構の一部又は全部と、前記円板刃とが前記キャリッジから脱着できるようにユニット化されたことを特徴とする請求項2に記載の積層シート材のトリミングカッタ。
- 前記ユニット化されたトルク伝達機構は、前記円板刃を覆うカバーを備えることを特徴とする請求項2に記載の積層シート材のトリミングカッタ。
- 前記キャリッジを移動駆動させる移動手段は、前記カッタフレームに設けられたねじ軸と前記キャリッジに設けられためねじとを螺合させて行うことを特徴とする請求項1または2に記載の積層シート材のトリミングカッタ。
- 前記キャリッジに、切断時に固定刃の撓みを防止するように固定刃の下部を支持するローラが設けられたことを特徴とする請求項1に記載の積層シート材のトリミングカッタ。
- 前記円板刃の刃先角度αがα=15°〜30°であることを特徴とする請求項1に記載の積層シート材のトリミングカッタ。
- ユニット化した紙押さえ手段を装着したことを特徴とする請求項1から7のいずれかにに記載の積層シート材のトリミングカッタ。
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