JP4881707B2 - 紙葉類の切断刃研磨方法及び紙葉類断裁装置 - Google Patents
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図1には複数の切断刃25が切断線Xに沿って移動する際に紙葉類Pを断裁する走行刃断裁構造を示す。図示10は装置フレームであり、紙載台15と切断刃25とプレス手段20を支持する適宜の枠体で構成されている。この装置フレーム10は例えば製本装置などに組み込まれる場合はシート束の搬送機構部に配置され、その装置仕様に応じて適宜の構造で構成される。図示のものは固定フレーム11と、この固定フレーム11に支持された可動フレーム12とから構成されている。固定フレーム11には紙載台15が一体的に固定され、可動フレーム12は紙載台15に対して上下昇降自在に支持されている。図1に示す構造を説明すると、固定フレーム11は、紙載台15を構成する下枠11aと、その上方に距離を隔てて略々平行する上枠11bと、この上下枠11a、11bを連結する左右の側枠11c、11dとの枠組みで構成されている。また上記可動フレーム12は上記固定フレーム11の側枠11c、11dに形成されたガイド溝11e、11fに嵌合保持され紙載台15に対して上下動自在に支持されている。その上下機構(後述のシフト手段)については後述する。
紙載台15は紙葉類Pを束状に載置するテーブル部材で構成され、装置フレーム10に固定されている。この紙載台15は装置仕様によって水平姿勢又は垂直姿勢或いは所定角度で傾斜した姿勢で構成される。つまり紙載台15に紙葉類を搬送する搬送経路(図示せず)の構成に応じて種々の姿勢で配置され、例えば垂直姿勢の場合にはこの紙載台15に紙葉類Pを押圧保持するニップ手段と協働して紙葉類Pを保持するように構成される。図示のものは水平姿勢で紙葉類Pを搬送する搬送経路(図示せず)に配置される。また、この紙載台15には、例えば紙葉類Pを回転して天部・地部・小口部を切断するトリミングカットする装置構成(製本装置等)にあっては回転テーブル(不図示)が備えられる。この紙載台15には後述する固定刃48(図3参照)又は刃受部材45a、45b(図6(a)、(b)参照)が設けられる。
上述の紙載台15には紙葉類Pを断裁位置に押圧保持するプレス手段20が配置される。これは後述する切断刃25で紙葉類Pを切断する際にその剪断力で紙葉類Pが位置ズレしないように保持する為であり従来から種々の機構が知られている。その一例を説明すると図4(a)に示すプレス手段20は、前述の可動フレーム12に加圧スプリング21を介してプレス部材22で紙載台上の紙葉類Pを押圧保持するようになっている。つまり前記可動フレーム12に一体形成したブラケット12c、12dに左右2本の支持ステム21a、21bが嵌合支持され、この支持ステム21a、21bに板状のプレス部材22が連結固定されている。そしてブラケット12c、12dとプレス部材22との間に加圧スプリング21(図示のものは圧縮スプリング)が嵌装されている。
図1及び図2に示す切断刃25は切断線Xに沿って移動する複数の刃先を備えている。この切断刃25は(1)円形状の円板刃25Aか、又は(2)矩形状の平刃25Bで構成される。上記(1)の円板刃25Aは1枚若しくは複数枚が切断線Xに沿って移動するように配置される。図2(a)には所定間隔Lで複数の円板刃25Aを配置する場合を示し、この円板刃25Aは切断線Xに沿って後述する切断刃保持手段26(図示のものはチェーン構造体)に所定間隔Lで配置されている。この複数の円板刃25Aは図2に示すように同一径、又は図5(d)に示すように切断線Xに沿って徐々に大径の円形状に形成する。
切断刃25を平刃25Bで構成する場合には例えば図5(b)に示すように切断刃25を矩形状の平刃25Bに形成し、切断線Xに沿って1枚若しくは複数枚の刃先で構成する。そして前述の円板刃25Aと同様に紙葉類Pの切断長さ(図2に示すL0)より短い所定間隔Lで複数配置されている。この他、図5(c)には平刃25Bを扇型形状にする場合を示しているがその構成は同図(b)の矩形状と同様である。
上記形状の切断刃25A及び25Bは、(1)無限ループ軌跡を描く切断刃保持手段26xに固定されるか、又は(2)切断線Xに沿って直線軌跡で往復動するスライド部材26yに保持される。まず、上記(1)の切断刃保持手段26xについて説明すると、図2に示すように、この切断刃保持手段26xは切断刃25A、25Bを切断線Xに沿って走行させるように保持する。この為、切断刃保持手段26xはチェーン、ベルトなどの可撓性無端帯で構成され、図示のものは伝動用チェーン構造を採用している。図2(a)及び(b)に切断刃保持手段26に伝動用チェーンを用いた場合の一例を示すが、樹脂或いは金属製のリンクセグメント26aを連結ピン26bで連鎖状に連結し、この連結ピン26bには軸ローラ26cが遊動回転するように嵌合されている。このような切断刃保持手段26xに円板刃25A(図2参照)又は平刃25B(図5(b)参照)が所定間隔Lで複数取付けられている。
次に図7に示す切断刃保持手段26を切断線Xに沿って直線的に往復動するスライド部材26yで構成する場合について説明する。このスライド部材26yは適宜形状の板部材で形成され、前記可動フレーム12に設けられたガイドレール29に摺動自在に嵌合支持されている。そしてこのスライド部材26yに円板刃、平刃などの複数の切断刃25d、25e、25fが固定支持される。またスライド部材26yには駆動ベルト30が左右一対のプーリ30a、30bに掛け渡してあり、その一方のプーリ30aには駆動モータMLが連結してある。従って駆動モータMLの正逆回転によってスライド部材(切断刃保持手段)26yはガイドレール29に案内され、切断線Xに沿って往復動することとなり、これに取付けた切断刃25d、25e、25fも図7(a)左右方向に往復動することとなる。
前述のように複数の切断刃25A、25Bを備えた切断刃保持手段26は、切断線Xに沿って移動走行するように左右一対の回転輪27に張設される。つまり切断刃保持手段26xがチェーン構造体である場合には前述のスプロケット27R、27L間に、また切断刃保持手段26がベルト部材である場合にはプーリ(27R、27L)間に架け渡される。そして回転輪27の一方27Lには駆動モータなどの刃走行駆動手段MLが連結されている。
上述の図2(a)に示す切断刃保持手段26xに支持された複数の切断刃25には前記切断線Xに沿って直線的に移動走行するようにガイド手段35が必要となる。図3(a)にその断面構成を示す。同図に示すものは切断線Xに沿って定規状に切断刃25を案内するガイド手段35が設けられ、このガイド手段35は前記可動フレーム12か又は前記固定フレーム11に配置される。前者について説明すると図2に示すように切断線Xに沿ってガイド部材(ガイド手段;以下同様)35が可動フレーム12に固定されている。そしてこのガイド部材35には切断刃25を嵌合する案内溝35aが設けられ、この案内溝35aには前記チェーン構造体の軸ローラ26cと摺接してチェーン構造体が蛇行するのを防止するチェーン摺接面35bと、切断刃25A(又は25B)と摺接してこれを切断線Xに沿って直線運動するように案内する刃摺接面35cとが設けられている。
前述した図2(a)に示す切断刃25Aは束状の紙葉類Pを切断する場合には上層紙から下層紙に徐々に刃送りする必要がある。このため図2(a)の装置には刃送り機構40が設けられる。この刃送り機構40は(1)切断刃保持手段26を紙載台15に対して垂直方向に上下動するシフト手段41で構成されている。このシフト手段41は、切断刃保持手段(チェーン構造体)26xのスプロケット27R、27Lを前記可動フレーム12に支持(軸受け支持)し、この可動フレーム12自体を紙載台15に対して上下動するように構成する。つまり前記可動フレーム12は固定フレーム11に形成したガイド溝11e、11fに嵌合支持され上下動自在に構成されている。そして上記可動フレーム12は固定フレーム11に設けた回転軸13に偏心カム14が嵌合され、この偏心カム14を有するブラケット16に固定されている。そして回転軸13には刃送り駆動手段を構成するシフトモータMSが連結され、図示13aは伝動用のタイミングベルトである。従ってシフト手段41は可動フレーム12と、この可動フレーム12を上下動する偏心カム14と、上記シフトモータMSで構成されることとなる。そしてこの可動フレーム12に切断刃保持手段26と切断刃25が搭載されている。
上述のように切断刃保持手段26に所定間隔Lで配置された円板刃25A及び平刃25Bの刃受け構造について説明すると、切断刃25の刃先に当接する刃受機構は、マナ板状の刃受部材45又は固定刃48で構成される。前者の刃受部材45はゴム或いは樹脂などの軟質材で構成され、刃受ローラ45a又は刃受板部材45bで構成される。図6(a)に示す刃受ローラ45aは前記切断線Xに沿って紙載台15に回転自在(遊動状態)に組み込まれ、紙載台15に紙葉類Pがセットされる際に刃受ローラ45aが転動するように構成されている。従ってローラ外周の刃受け面は断裁の都度外周方向に位置変化するためローラ外周は略々均等に損耗され耐久性に富んだ刃受け構造となる。また図6(b)に示す刃受板部材45bは軟質の板上部材で構成されている。尚この刃受板部材45bを損耗に従って位置移動するように構成することによって耐久性に富んだ刃受け構造となる。
上述のように切断線Xに沿って移動する切断刃(円板刃、平刃)25で紙葉類Pを断裁するのに対し、切断線Xと直交する紙厚さ方向に切断刃25を移動するギロチン刃断裁構造について説明する。図9に示すように紙載台15に前述の装置と同様にプレス手段(不図示)が配置され紙葉類Pを押圧保持する。そして装置フレーム56には図示上下方向に切断刃25Cが移動自在に支持されている。この切断刃25Cの上下方向支持は例えば装置フレーム56に傾斜したガイド溝56aを設け、このガイド溝56aに沿って切断刃25Cが傾斜方向に上下動するように構成する。そしてこの切断刃25Cを上下動する駆動手段57を設ける。図示の駆動手段57は駆動アーム57aと、このアームを揺動する駆動モータMgから構成してある。従って駆動モータMgで駆動アーム57aを図示時計方向に回転するとアーム先端に連結(軸支)された切断刃25Cが下降し、紙載台15上の紙葉類Pを断裁する。このように構成された切断刃25Cはその刃先が紙葉類Pの切断長さより長く形成された平板状の平刃(以下「ギロチン刃」という)で構成される。
本発明は上述の各構成の切断刃25に以下の研磨部材を装備したことを特徴としている。つまり(1)前述の円板刃25Aの場合は紙葉類切断中に従動回転する刃先を研磨する構造(回転刃研磨構造)、(2)前述の切断線X方向に移動する平刃25Bの場合は待機位置に位置する刃先を研磨する構造(走行平刃研磨構造)、(3)前述のギロチン刃の場合は待機位置に位置する刃先を研磨する構造(ギロチン刃研磨構造)をそれぞれ採用する。以下各構成について説明する。
上記(1)の回転刃研磨構造は、図2(a)に示すように切断刃保持手段(チェーン構造体)26xに支持され切断線Xに沿って走行する。この走行は前述のように切断線Xに沿って旋回動するループ状軌跡又は往復動する直線状軌跡を描く。そこでこのような軌跡で移動する回転刃25A(円板刃;以下同様)を紙葉類Pと接する切削部位(図3(a)に示すCp)から離れた非切削部位(図3に示すNCp)に研磨部材37aを設ける。図示のものは前述のガイド部材35に研磨部材装着開口37bを設け、この開口37bに研磨部材37aが配置してある。この研磨部材37aは樹脂製の弾性砥石、ダイヤモンド砥石、金属ヤスリ、紙(布ヤスリ)その他、回転刃25Aの素材に応じた研磨材で構成する。そしてこの研磨部材37aを上記研磨部材装着開口37bに回転刃25Aの刃先面と接する位置に配置し、板バネ37cなどで圧接する。このように構成した研磨部材37aは紙葉類Pを切断する際に回転(従動回転又は駆動回転)する回転刃25Aの刃先を研磨することとなる。従って刃先に生じた錆その他の付着物を除去し、これらの付着物が紙葉類に付着するのを防止する。
上記(2)の走行平刃研磨構造は、図7(a)(b)に従って前述した切断刃保持手段(スライド部材)26yに支持され切断線Xに沿って走行する。この走行は前述のように切断線Xに沿って直線状軌跡を描く。このスライド部材26yは図7(b)に示す待機位置、つまり紙載台15上の紙葉類Pから離間した例えばホームポジションから同図(a)に示す紙葉類Pを切断する位置に移動する。そして同図(a)x−x断面図を図8(a)に、同図(b)y−y断面図を図8(b)に示す。そこでホームポジションHpには研磨材ホルダー59が配置してあり、この研磨材ホルダー59にはホームポジションHpと紙葉類Pの切断位置との間を移動する切断刃25Bを案内するガイド溝59aが形成してある。このガイド溝59aには切断刃25Bの刃先と係合する研磨部材37aがバネ47cで圧接してある(図8(c)参照)。図示のものは刃先の腹部と背部にそれぞれ摺接する2つの研磨部材37aが研磨材ホルダー59内に配置してある。
上記(3)のギロチン刃研磨構造は、図9に基づいて前述したように紙載台15の上方に退避したホームポジションと、紙葉類Pを断裁する切断位置との間で上下動する。そこでこのギロチン刃25Cのホームポジションには図10(a)乃至(c)にその断面を示すように研磨部材37aが適宜の装置フレームに設けてある。この研磨部材37aは装置フレームに設けたガイド溝60に沿って刃先面と摺接する同図(b)(c)の状態と、刃先面から退避した同図(a)の状態に上下動自在に支持されている。そしてバネ60aで常時刃先面と摺接する側に付勢されている。尚研磨部材37aは前述と同様の素材で構成されている。
次に本発明の切断刃研磨方法について説明すると、前述の回転刃研磨の構造にあっては、前記回転刃25Aで紙載台上の紙葉類Pを切断する際に、この回転刃25Aの紙葉類Pと接する切削部位(図3に於けるCp)から離れた非切削部位(図3に於けるNCp)で刃先を研磨部材37aで研磨する方法であって、その構造は前述の通りである。このように紙載台上の紙葉類Pを回転刃25Aで所定の切断線Xに沿って回転しながら切断する。このとき回転刃25Aは切断線Xに沿って移動する過程で回転(駆動回転又は従動回転)する回転刃25Aの刃先を切削位置Cpから離れた非切削位置NCpで研磨することを特徴としている。
11 固定フレーム
11a 下枠
11b 上枠
11c 側枠
11d 側枠
11e ガイド溝
11f ガイド溝
12 可動フレーム
13 回転軸
14 偏心カム
15 紙載台
16 ブラケット
20 プレス手段
21 加圧スプリング
21a 支持ステム
21b 支持ステム
22 プレス部材
23a、23b 第1揺動レバー
23c、23d 第2揺動レバー
25 切断刃
25A 円板刃
25B 平刃
25C ギロチン刃
26 切断刃保持手段
26a リンクセグメント
26b 連結ピン
26c 軸ローラ
27 回転輪
27R、27L スプロケット(プーリ)
28 テンションレバー
35 ガイド手段(ガイド部材)
35a 案内溝
35b チェーン摺接面
35c 刃摺接面
37 研磨手段
40 刃送り機構
45 刃受部材
48 固定刃
49 刃先ガイド面
A 紙葉類断裁装置
ML 駆動モータ(刃走行駆動手段)
MP プレスモータ
MS シフトモータ(刃送り駆動手段)
P 紙葉類
X 切断線
Claims (3)
- 紙葉類を単一又は束状に支持する紙載台と、
上記紙載台上の紙葉類の切断長さより長い刃先を有する平板状の切断刃と、
上記切断刃を上記紙葉類から退避した待機位置と、紙葉類を切断する切断位置との間で往復動する駆動手段と、
上記待機位置に配置され上記切断刃の刃先を研磨する研磨部材と、
を備え、
上記研磨部材は、上記切断刃が待機位置から切断位置に向けて移動するとき、及び上記切断位置から待機位置に復帰移動するとき、それぞれ切断刃の刃先を研磨することを特徴とする紙葉類断裁装置。 - 前記研磨部材は、
前記切断刃の刃先と係合する砥石部材と、
この砥石部材を切断刃の刃先に圧接する付勢手段と、
で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の紙葉類断裁装置。 - 前記切断刃を往復動する駆動手段は、
前記待機位置で切断刃を予め設定した所定量往復動させて前記研磨部材で切断刃の刃先を繰返し研磨することを特徴とする請求項1又は2に記載の紙葉類断裁装置。
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