JPH0866896A - シート切断装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 固定刃を無くし、回転刃だけで切断する、安
価なシート切断装置を提供する。 【構成】 レール11に沿って往復動するスライダー９に
２個一対の軸受４，５を設け、回転刃３を有する駆動軸
１を支持する。回転刃３の両側に隣接して、一対の軸受
４，５に駆動軸１とは偏心して設けられた偏心軸に回転
自在の一対の回転輪６を装着し、この回転輪６の外周に
は軟質で滑りにくい円環７を嵌着している。シートを切
断する際は、回転刃３の刃先の逃げ溝８aを有するシー
ト載置台８にシートを載せ、スライダー９の移動と共に
回転輪６の外周に嵌着された円環７が逃げ溝８aの両側
のシート上を転動しながら押圧し、回転刃３の回転によ
りシートを切断していく。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、回転刃でシートを切断
する切断装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、回転刃が移動してシートを切断し
ていく形式の切断装置は、一般に、回転刃と、この回転
刃が擦り合う固定刃との組合せからなるものである。例
えば、特開平３−10790号公報、特開昭62−166989号公
報、特公平５−43470号公報等参照。

【０００３】図５は、従来のこの種の切断装置における
シート切断モデルを示したものである。20はシート、21
は回転刃であり、回転しながら紙面に対して垂直方向に
移動する。22は固定刃である。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この種
の切断装置は、固定刃が必要不可欠であり、また、回転
刃と固定刃の互いの位置関係や作用が切れ味という品質
に大きく影響する。従って、機構上の精度が要求され、
構造が複雑になって、コストを下げるにも限界があっ
た。

【０００５】本発明は、上記問題点を解決しようとする
もので、紙や樹脂等のシート材で、比較的薄い、切断エ
ネルギーの小さいものを切断するのに好適であり、固定
刃を無くし、回転刃だけで切断するようにした、安価な
シート切断装置を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のシート切断装置は、ガイド部材に沿って往
復動する走行体と、この走行体に設けられた２個一対の
軸受と、回転刃を有しその両側を前記一対の軸受に回転
自在に支持され、駆動力を受けて回転する駆動軸と、回
転刃の両側に隣接して配置され、前記一対の軸受に駆動
軸とは偏心してそれぞれ設けられた偏心軸に回転自在に
装着された一対の回転輪と、この回転輪の外周に嵌着さ
れた軟質の円環と、回転刃の刃先の逃げ溝を有し切断す
るシートを載置するシート載置台とから構成される。

【０００７】

【作用】上記構成によれば、シート載置台上に載置した
シートを切断するとき、走行体の移動と共に回転輪の外
周に嵌着された円環が逃げ溝の両側のシート上を転動し
ながら押圧し、回転刃の回転によりシートを切断してい
く。

【０００８】

【実施例】以下、図面を参照して実施例を詳細に説明す
る。図１は、本発明の一実施例を示したもので、11はガ
イド部材としてのレール、９は、レール11に係合して軽
い力により摺動し、往復動する走行体としてのスライダ
ーである。４および５はスライダー９に設けられた２個
一対の軸受であり、その軸受４，５に駆動軸１が回転自
在に支持されている。回転軸１には、一部角断面形状を
有する駆動ジョイント２が圧入されており、その駆動ジ
ョイント２には、中心に角穴を持つ回転刃３が嵌合され
ている。

【０００９】軸受４，５は、図１のＸ−Ｘ断面を部分的
に示した図２にあるように、駆動軸１とはεだけ偏心し
た偏心軸４a，５aを有し、この偏心軸４a，５aに、回転
刃３の両側に隣接して回転自在の一対の回転輪６が装着
され、その回転輪６の外周には軟質で滑りにくい、例え
ばゴム製の円環７が嵌着されている。10は軸受５が固定
されたブラケットである。

【００１０】８は回転刃３の刃先の逃げ溝８aを有し、
切断するシートを載置するシート載置台であり、円環７
のこのシート載置台８に当たる部分はその押圧力で適度
に変形するようになっている。

【００１１】なお、スライダー９と軸受４、および軸受
５とブラケット10とは、それぞれ一体のものでもよい。
また、図示していないが、スライダー９とブラケット10
とは回転刃３の外部を通って結合されている。

【００１２】次に本実施例の動作を説明する。シート載
置台８上に載置されたシート20を切断する際は、回転刃
３は図示しない駆動源より駆動力を与えられて回転し、
スライダー９の移動により、図２において、矢印Ａの方
向に移動する。レール11とシート載置台８はある一定の
間隔で配置されているから、回転輪６の外周に嵌着され
た円環７は適度に変形して逃げ溝８aの両側のシート上
を押圧し、スライダー９の移動とともに回転輪６が転動
しながら回転刃によりシートを切断していく。

【００１３】図３における７aは、その時の円環７のシ
ート接触面を表わし、３aはシート20と同一面における
回転刃３の断面、３bは回転刃３の進行方向先端の位置
を示している。また、図４は、逃げ溝８aの両側のシー
ト上を矢印のように押圧し、その中央部を回転刃３で切
っていく切断モデルを示したものである。

【００１４】回転刃３の回転駆動は、モータ等の駆動で
もよく、あるいは、スライダー９の移動をラックとピニ
オンを介して駆動軸１に伝えるようにしてもよく、スラ
イダーの移動に用いる紐状体の相対移動差によるもので
もよい。

【００１５】切断が終了すると、終了の信号を検出する
などして、スライダーを原点に復帰させ、次の動作に備
える。復帰する際の回転刃は、どちらに回転しても、ま
た回転しなくてもよい。

【００１６】以上のように構成された本実施例では、固
定刃を使用しないため、切断装置の構造もシンプルで、
部品点数も少なく、従来のものに比較して安価に提供す
ることができる。

【００１７】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
切断線の両側近傍を軟質で滑りにくい円環で押えながら
回転輪が転動し、その中央部を回転刃のみで切断してい
く方式を採用したので、固定刃がなく、従って、従来の
ように回転刃と固定刃との相対位置精度が切れ味品質に
影響を与えるということがなくなり、構造が簡単になっ
て、切断装置を安価に提供することができる効果を有す
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のシート切断装置の一実施例を示す構成
図である。

【図２】本発明の一実施例の回転刃と回転輪の偏心した
位置関係を示す図である。

【図３】本発明の一実施例における切断時の円環のシー
ト押圧面と回転刃の位置関係を示す図である。

【図４】本発明による、回転刃でシートを切断するモデ
ルを示す図である。

【図５】従来例の回転刃と固定刃でシートを切断するモ
デルを示す図である。

【符号の説明】

１ … 駆動軸、 ３ … 回転刃、 ４，５ … 軸受、 ４a
… 偏心軸、 ６ …回転輪、 ７ … 円環、 ８ … シ
ート載置台、 ８a … 逃げ溝、 ９ … スライダー、
11 … レール、 20 … シート。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ガイド部材に沿って往復動する走行体
   と、該走行体に設けられた２個一対の軸受と、回転刃を
   有しその両側を前記一対の軸受に回転自在に支持され、
   駆動力を受けて回転する駆動軸と、前記回転刃の両側に
   隣接して配置され、前記一対の軸受に前記駆動軸とは偏
   心してそれぞれ設けられた偏心軸に回転自在に装着され
   た一対の回転輪と、該回転輪の外周に嵌着された軟質の
   円環と、前記回転刃の刃先の逃げ溝を有し切断するシー
   トを載置するシート載置台とからなり、前記シート載置
   台上に載置したシートを切断するとき、前記走行体の移
   動と共に前記回転輪の外周に嵌着された円環が前記逃げ
   溝の両側のシート上を転動しながら押圧し、前記回転刃
   の回転によりシートを切断することを特徴とするシート
   切断装置。