JP2002001082A - 加熱撹拌処理装置 - Google Patents

加熱撹拌処理装置

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JP2002001082A
JP2002001082A JP2000186057A JP2000186057A JP2002001082A JP 2002001082 A JP2002001082 A JP 2002001082A JP 2000186057 A JP2000186057 A JP 2000186057A JP 2000186057 A JP2000186057 A JP 2000186057A JP 2002001082 A JP2002001082 A JP 2002001082A
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stirring
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heating
hollow
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Kazumi Sugiyama
和己 杉山
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SUGIYAMA SEISAKU KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 露出する熱風噴出孔からの熱風の放出を防止
して、内容物内の熱風噴出孔から効率的に熱風を供給
し、内容物を均一に加温するとともに、均一で十分な酸
素等の気体の供給を行うことができる加熱撹拌処理装置
を提供すること。 【解決手段】 撹拌槽1内に収容した内容物を撹拌する
撹拌機構2と、内容物を加熱する熱風供給機構3とを備
えた加熱撹拌処理装置において、撹拌機構2が、横設し
た回転軸7から突設された複数の中空輻9と、この中空
輻9に固定された撹拌翼8a、8bとを備えるととも
に、熱風供給機構3が、回転軸7の中空部と中空輻9と
からなる熱風送気経路と、撹拌翼8a、8b又はその近
傍に形成され、熱風送気経路から供給された熱風を噴出
する熱風噴出孔10aと、内容物が存在する位置の熱風
噴出孔10aのみから熱風が噴出するように熱風送気経
路に選択的に熱風を供給する熱風切換手段19とを備え
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、食品関連
産業、農林水産物の加工工場、一般家庭から排出される
残飯、野菜屑等の有機性廃棄物(本明細書において、単
に「有機性廃棄物」という。)、窯業や食品の原材料等
の各種物質の加熱撹拌処理を行う装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、食品関連産業や農林水産
物の加工工場、一般家庭から排出される有機性廃棄物の
大部分は、焼却や埋め立てにより処理されている。とこ
ろで、有機性廃棄物は腐敗しやすく不衛生で、悪臭を発
生したり、有害昆虫や有害動物の発生の原因になること
や、焼却や埋め立てによる有機性廃棄物の処理能力の限
界等の点から、有機性破棄物を衛生的に処理できる装置
の開発が要請されている。この要請に対応するように、
近年、有機性廃棄物を醗酵させて一次有機肥料に転換す
る有機性廃棄物処理装置が多数提案されている。
【0003】現在、一般に供せられている有機性廃棄物
処理装置では、水分除去による乾燥減容方式と、微生物
による醗酵分解方式とが広く利用されている。この2つ
の処理方式のうち、醗酵分解方式は、乾燥減容方式に比
べ、処理のためのコストの大半を占めている熱エネルギ
ーが、微生物による醗酵分解の際発生する醗酵熱を利用
できることから、大幅な省エネルギーが可能であり、ま
た、装置としても比較的簡単な機能を有する機器の構成
で足りるため、現在ではこの醗酵分解方式による有機性
廃棄物処理装置が圧倒的にその主流を占めている。
【0004】この醗酵分解方式による処理装置は、撹拌
槽の形状とそれに附属する撹拌機構の違いにより、竪型
撹拌式と横型撹拌式に大別することができる。竪型撹拌
式の処理装置としては、例えば、本願出願人が特許第3
005462号公報により提唱している装置があり、ま
た、横型撹拌式の処理装置は、例えば、特開平7−96
269号公報等により開示されている。これら竪横撹拌
式処理装置のうち、特に横型撹拌式処理装置は、古くか
ら化学材料や窯業原料の撹拌による混合分散のために広
く使用されてきたが、この技術の応用が現在の有機性廃
棄物処理装置に生かされている。
【0005】これらの醗酵分解方式による有機性廃棄物
処理装置では、適量の醗酵菌を添加した含有水分量の多
い有機性廃棄物を撹拌槽内に収容し、醗酵菌である微生
物の生息に必要な加温及び空気の供給を行いながら、撹
拌機構によって解すように撹拌をし、有機性廃棄物と醗
酵菌を幅広く接触させる。その結果、有機性廃棄物は醗
酵菌による醗酵分解を受けながら含有水分の蒸散ととも
に一次有機肥料へと転換される。
【0006】すなわち、醗酵分解方式による有機性廃棄
物の処理は、醗酵菌を主体とした微生物群の分泌する細
胞外酵素による酵素分解であり、膨大な個体数を有する
微生物群に対し、その生体の活性化に必須である温度、
湿度及び酸素を適正なかたちで供給しなければならな
い。したがって、この醗酵分解方式による有機性廃棄物
処理装置では、撹拌槽内に収容した有機性廃棄物を微生
物群の住処であるホーラ材に対し、満遍なく混合分散さ
せ、かつ微生物群が活性化するための加温及び酸素供給
を、微生物すべてに均等に与え、それを促すことが最も
大切な条件となる。前出の特許第3005462号公報
記載の竪型撹拌式処理装置は、前記の条件をすべて満足
するために発明されたものであり、その実際の効果は、
他の方式と比較して必要処理時間が約75%に減少する
等の高効率になっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図12
(a)に示すように、前記竪型撹拌式処理装置では、そ
の構造上、竪型撹拌槽に対し、垂直回転軸に進行方向に
向けて先端を下方に傾斜して形成した撹拌翼(パドル)
を突設している。そして、垂直回転軸の回転とともに、
撹拌翼の背部に形成した熱風噴出孔から熱風を供給する
ことにより、有機性廃棄物を均一に加温し、これにより
併せて均一で十分な酸素供給をすることができる。
【0008】このとき、撹拌翼は撹拌槽内に収容された
有機性廃棄物と、前記ホーラ材との混合物に対しすべて
が埋没しており、各撹拌翼背部に配設された熱風噴出孔
よりほぼ均等な圧力損失を受けながら熱風は噴出してい
る。この熱風の効果により微生物、すなわち醗酵菌が活
性化され、有機性廃棄物の酵素分解が進行する。そし
て、含有水分の蒸散や酵素分解により有機性廃棄物が減
容しても、この状態は保持される。
【0009】しかしながら、撹拌翼により内容物内に熱
風を噴出するこの方法は、下記の理由により、横型撹拌
式の有機性廃棄物処理装置には採用することができなか
った。
【0010】すなわち、図12(b)に示すように、横
型撹拌式処理装置の構造は、一般にU字型の断面形状を
有する撹拌槽と、その回転中心に設置された回転軸及び
それに突設された中空輻の先端に位置する撹拌翼で構成
されており、撹拌槽内に有機性廃棄物を収容して回転軸
を回転させ、パドルにより有機性廃棄物と微生物群のホ
ーラ材を混合分散させるようになっている。
【0011】このとき、内容物である有機性廃棄物とホ
ーラ材の混合物の挙動姿勢は撹拌のための撹拌翼や中空
輻の撹拌抵抗により、撹拌翼の回転方向側では山状に盛
り上がり、逆の方向では谷状に窪むようになる。加え
て、この型式装置によるの混合分散を目的とした機械効
率の最大値における混合容量は、撹拌槽容量の60%程
度が適正とされることから、回転軸から半径外方向に突
出する輻及び撹拌翼は、その回転により常に一部が内容
物の外に露出することになり、この度合いは、水分蒸発
や醗酵分解とともに有機性廃棄物が減容されていくと更
に大きくなる。
【0012】このような状況で、前記特許第30054
62号による方式を採用し、撹拌翼背部の熱風噴出孔か
ら熱風を供給したとしても、内容物の外に露出している
熱風噴出孔では、撹拌槽の内容物に埋没している熱風噴
出孔に比べ熱風の圧力損失が非常に低くなることから、
熱風は露出している撹拌翼の熱風噴出孔から優先的に放
出され、最も必要とされる内容物内には供給されないこ
とになる。
【0013】他方、従来広く採用されている横型撹拌式
の有機性廃棄物処理装置では、加温や酸素供給に対し下
記の方式が採用されている。まず加温の方式は、撹拌槽
外部を電気式発熱体や、循環温水等による加温ジャケッ
トで覆い内容物を間接的に加温し、さらに、撹拌槽内に
加熱空気を注入し、内容物の表面を直接加温する方式が
広く採用されている。また、酸素供給に関しては、前記
した加熱空気の注入により撹拌槽内の空気を新鮮化する
一方、その雰囲気に露出する撹拌翼や輻を回転させ、内
容物を撹拌するときの巻き込み空気による効果によりな
される。
【0014】この方式で、まず加温の効果を考察する
と、撹拌槽外部からの発熱体等による間接加熱の方式で
は、内容物が有機性廃棄物と微生物群のホーラ材の混合
物ということからして、その熱伝導率の低さが問題とな
る。外部からの発熱体によって撹拌槽の中央部までの層
域を均一に加熱することは、直接加熱の加熱空気により
内容物の表面を加温したとしても、熱の伝播性の低さか
ら内容物全体への効果は期待することができない。この
方式で、内容物の熱伝導率の低さに抗し、内容物全体を
微生物群が活性化する適正温度まで昇温させるために
は、発熱体や加熱空気との間で大きな温度勾配が必要と
なり、均一な加温は困難になる。
【0015】次に酸素供給であるが、上記方法では、撹
拌翼や輻が空気を内容物に巻き込ませるという消極的な
方式であるために、十分な期待はできない。この方法に
よると、撹拌槽内の内容物に対する酸素供給範囲は、回
転軸に輻を介して取付けられた撹拌翼の通過する各々の
部位、それも撹拌翼が内容物に入り込む部位だけにな
る。それ以外に、撹拌による内容物の、回転方向側の盛
り上り部が反対側方向の谷側部に崩れ落ちる際の空気の
巻き込み現象も考えられるが、いずれにしても膨大な微
生物群に供給する酸素供給量として十分であるとはいえ
ない。
【0016】本発明は、上記従来の有機性廃棄物処理装
置の有する問題点に鑑み、露出する熱風噴出孔からの熱
風の放出を防止して、内容物内の熱風噴出孔から効率的
に熱風を供給し、内容物を均一に加温するとともに、均
一で十分な酸素等の気体の供給を行うことができる加熱
撹拌処理装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の加熱撹拌処理装置は、撹拌槽内に収容した
内容物を撹拌する撹拌機構と、内容物を加熱する熱風供
給機構とを備えた加熱撹拌処理装置において、前記撹拌
機構が、横設した回転軸から突設された複数の中空輻
と、該中空輻に固定された撹拌翼とを備えるとともに、
前記熱風供給機構が、回転軸の中空部と中空輻とからな
る熱風送気経路と、撹拌翼又はその近傍に形成され、該
熱風送気経路から供給された熱風を噴出する熱風噴出孔
と、内容物が存在する位置の熱風噴出孔のみから熱風が
噴出するように前記熱風送気経路に選択的に熱風を供給
する熱風切換手段とを備えたことを特徴とする。
【0018】この加熱撹拌処理装置では、熱風切換手段
が、内容物が存在する位置の熱風噴出孔のみから熱風が
噴出するように、熱風送気経路に選択的に熱風を供給す
ることから、撹拌翼や中空輻が回転によって内容物の外
に露出した場合に、熱風噴出孔の噴出動作を止めること
ができ、これにより、内容物より露出する熱風噴出孔か
らの熱風の放出を防止して、内容物内の熱風噴出孔から
効率的に熱風を供給し、内容物を均一に加温するととも
に、均一で十分な酸素等の気体の供給を行うことができ
る。
【0019】この場合において、前記熱風切換手段を、
前記回転軸の中空部に固定軸を配設し、該固定軸に、回
転軸の内面に摺接し、所定の回転角で中空輻の開口を遮
蔽する遮蔽部材を配設して構成することができる。な
お、ここでいう固定軸とは、回転軸を回転可能に支持す
る固定部材側から延設された非回転の軸のことをいう。
【0020】これにより、撹拌翼や中空輻が回転によっ
て内容物の外に露出した場合でも、そのときの回転角の
範囲で中空輻の開口を遮蔽し、熱風噴出孔の噴出動作を
止め、内容物より露出する熱風噴出孔からの熱風の放出
を防止して、内容物内の熱風噴出孔から効率的に熱風を
供給することができる。
【0021】また、前記撹拌翼を、撹拌槽内に収容した
内容物の移動方向が、撹拌槽の中心部と外周部で異なる
ように配設し、内容物が撹拌槽内で軸方向に移動しなが
ら循環するようにすることができる。
【0022】これにより、内容物の混合分散を繰り返し
行い、内容物の均一化を効率的に行うことができる。
【0023】さらに、前記撹拌翼を、少なくとも中空輻
の軸を中心として角度調節可能に固定することができ
る。
【0024】これにより、撹拌槽内の内容物の混合分散
能力を、処理する内容物の特性に合わせて最適に調整
し、内容物に対し広範囲に加温と酸素供給をすることが
できる。
【0025】そして、撹拌機構と熱風供給機構を制御す
る制御機構が、内容物の性状、容量等の複数の物理的条
件に基づいた撹拌機構と熱風供給機構の運転条件をそれ
ぞれ記憶するとともに、処理する内容物の物理的条件を
入力することにより、前記運転条件を自動的に組み合わ
せて決定することもできる。
【0026】これにより、内容物の物理的条件に応じて
処理装置の各機構が最適な運転を行い、微生物群による
醗酵分解の効率を高めて、内容物、より具体的には、有
機性廃棄物の分解処理を効率よく確実に行うことができ
る。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の加熱撹拌処理装置
の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0028】本発明の加熱撹拌処理装置の一実施例とし
ての有機性廃棄物処理装置を、図1〜図6に示す。この
有機性廃棄物処理装置は、図1に示すように、有機性廃
棄物を投入する投入口1aと、処理後に得られる一次有
機肥料を排出する排出口1bとを備えた撹拌槽1と、撹
拌槽1内に収容した内容物を撹拌する撹拌機構2と、内
容物に熱風を供給し、内容物に対し加温と酸素(空気)
供給を行う熱風供給機構3と、撹拌槽1内の空気中に含
まれる微粉粒子を濾過するためのエアフィルタ機構4
と、エアフィルタ機構4からの空気を脱臭して大気中に
放出する脱臭機構5と、上記撹拌機構2、熱風供給機構
3、及び脱臭機構5を制御する制御機構6とを備えてい
る。
【0029】撹拌機構2は、断面U字形状の撹拌槽1内
の円弧部中心に略水平に配設した中空の回転軸7と、該
回転軸7から半径外方向に突設された長短の複数の中空
輻9と、該中空輻9に固定された撹拌翼8a、8bとを
備えている。これらの撹拌翼8a、8bの背面には、熱
風噴出孔10aを備えた熱風噴出ノズル10が付設され
ている。
【0030】回転軸7は、撹拌槽1両端面の鏡板11に
それぞれ取付けられたベアリング12により回転可能に
支持され、スプロケットやチェーン等適宜の伝導機構1
3を介してモータ14により回転駆動される。
【0031】一方、熱風供給機構3は、本実施例では2
系統形成されており(一方は図示省略)、管路16とロ
ータリージョイント17、及び回転軸7の中空部と中空
輻9の中空部とにより形成した熱風送気経路と、撹拌翼
8a、8bの背面に配設され、熱風送気経路から供給さ
れた熱風を噴出する熱風噴出孔10aと、内容物が存在
する位置の熱風噴出孔10aのみから熱風が噴出するよ
うに熱風送気経路に選択的に熱風を供給する熱風切換手
段とを備えている。この熱風供給機構3は、送風機14
により発生させた高圧空気をヒータユニット15により
加熱し、熱風送気経路を介して、撹拌翼8a、8bの背
面に配設した熱風噴出ノズル10の熱風噴出孔10aか
ら熱風を噴出し、撹拌槽1内の内容物に加温及び酸素
(空気)供給を行うことができる。
【0032】撹拌翼8a、8bは、本実施例では、相互
に逆方向に傾斜した正送撹拌翼8aと逆送撹拌翼8bと
を長尺側の中空輻9に取付けている。この正送及び逆送
撹拌翼8a、8bは、内容物に対し撹拌による混合分散
を行い、さらに附属した熱風噴出ノズル10からの熱風
による加温及び酸素供給を行っている。撹拌翼8a、8
bの形状は、有機性廃棄物が野菜等の繊維質が多いこと
や嵩比重が小さいことから、あまりその面積を大きくす
ると撹拌の際に抵抗が大きくなって、有機性廃棄物が撹
拌翼と共廻りし、目的である混合分散ができなくなるた
め、本実施例では面積の小さい短冊型を採用している。
【0033】また、これらの撹拌翼8a、8bは、その
支持体である中空輻9に対し、中空輻9の軸を中心とし
て捻り角が任意に調整できる構造となっており、必要に
よっては、容易に取外して交換できる構造となってい
る。すなわち、本実施例では、図4に示すように、中空
輻9に対して各撹拌翼8a、8bと一体をなすカラーC
を差し込み、任意の捻り角で締結ボルトBによりカラー
Cと中空輻9を固定している。カラーCには、前記熱風
噴出ノズル10が一体に固定されており、この熱風噴出
ノズル10も前記角撹拌翼8a、8bと共に捻り角が任
意に調整できる構造となっている。これにより、各撹拌
翼8a、8bとの組み合わせによって、内容物に対し広
範囲に加温と酸素供給を行うことができる。
【0034】一方、撹拌翼8a、8bの捻り角は、特に
大容量の処理を行う場合、内容物の撹拌による混合分散
を行う上で重要な要素となる。このため、本実施例で
は、撹拌翼8a、8bを、撹拌槽1内に収容した内容物
の移動方向が、撹拌槽1の中心部と外周部で異なるよう
に配設し、内容物が撹拌槽1内で軸方向に移動しながら
循環するようにしている。
【0035】例えば、図12(b)は、撹拌による内容
物の撹拌槽内における挙動を表しているが、処理容量が
少量で処理装置も小型の場合には、同図に示すように撹
拌翼による内容物の掻き上げ作用により、内容物は回転
軸の回転方向側に盛り上がり、反対方向には谷状の分布
を示す。このとき、内容物は雪崩現象によって盛り上が
り部分から谷側に移行し、さらに撹拌翼が内容物に食い
込むことによって内容物の移相が起こり、その結果が混
合分散効果となる。このように、撹拌槽の内容積が小さ
く、その直径及び長さが短小の場合は、この混合分散は
ある程度の効率を得る。
【0036】しかし、大容量の場合を考察すると、例え
ば、図5に示すように、撹拌槽1の直径及び長さが当然
大きくなることから、特に、撹拌槽1の長さ方向への内
容物の移動と混合分散が困難となる。この撹拌槽1の長
さ方向への混合分散の効率的な手段として、正送及び逆
送撹拌翼8a、8bの捻り角による回転軸7方向への、
ベクトル分の推力成分により内容物を移行させ、撹拌槽
1内全体の混合分散性を向上させることができる。
【0037】この効果によって、図5(a)に示すよう
に、撹拌槽1の中央部に位置する内容物は、回転軸7の
長手方向中央部を境に、対称的な捻り角を持った正送撹
拌翼8aの前記作用により、撹拌槽両端の鏡板11の方
向にそれぞれ移送される。このとき、各鏡板11の周辺
に集合した内容物を、さらに撹拌槽1の中央部に返送し
なければならず、この運動の繰り返しにより内容物の混
合分散が行われる。そのため、内容物の中央部への返送
を目的とした別系統の逆送撹拌翼8bを必要とする。撹
拌槽1中央部の内容物を各鏡板11の方向に移送させる
ための流路は、主として撹拌槽1内の壁面に近い外周部
とすると、逆送撹拌翼8bにより作り出される内容物の
逆送流路は回転軸7に近い内側中央部となる。このよう
に、撹拌槽1内に収容した内容物の移動方向を、撹拌槽
1の中心部と外周部で異なるようにし、内容物が撹拌槽
1内で軸方向に移動しながら循環することにより、内容
物の混合分散を繰り返し行い、内容物の均一化を効率的
に行うことができる。
【0038】ただし、例えば、図5(b)に示すよう
に、回転軸7を中心とした断面形状から考察して、正送
撹拌翼8a及び逆送撹拌翼8bの間には、旋回直径の違
いによる周速差が発生するため、正送と逆送では内容物
の移送速度の差が生じることになる。このため、逆送撹
拌翼8bの数を増やす等して対応しているが、実際に
は、内容物の正送と逆送のお互いの流路境界面での抵抗
の違い等があるため、全体移送速度を理論的に決定する
のは困難である。したがって、本実施例のように、正逆
及び逆送各撹拌翼8a、8bの捻り角を実施に合わせて
調整できることが非常に効果的となる。
【0039】次に、熱風供給機構3の熱風切換手段につ
いて説明する。熱風切換手段は、本実施例では、図1〜
図4に示すように、回転軸7の中空部に固定軸18を配
設し、該固定軸18に、回転軸7の内面に摺接し、所定
の回転角で中空輻9の開口を遮蔽する遮蔽部材19を配
設して構成されている。具体的には、回転軸7の中空部
に、固定軸18に対し板スプリング20を介して取付け
られた半裁筒状の遮蔽部材19を、回転軸7に突設され
た中空輻9の開口部位にそれぞれ配設する。
【0040】板スプリング20は、中空回転軸7の内面
に遮蔽部材19を付勢して密着させることにより、両者
間の高圧熱風の漏洩防止を行う。遮蔽部材19は、耐摩
耗性、耐熱性、低摩擦性の機能を併せ持った材質で、本
実施例ではテフロン(登録商標)樹脂(PTFE)を利
用している。この遮蔽部材19の巾は、中空輻9の開口
の直径より十分大きい巾を有し、また、この遮蔽部材1
9の円弧長を変更することにより、熱風噴出を止める中
空輻9の回転角の範囲を調整することができる。
【0041】固定軸18は、中空輻9の開口部位に各々
の遮蔽部材19を当接させるために配設されており、図
6に示すように、この固定軸18の両端は、熱膨張を考
慮してダイヤフラム型のスプリング板22を介し撹拌機
構2の固定側部材に取付けられている。スプリング板2
2には、固定軸18の取付回転角の調整が行えるように
回転角調整プレート24が固定され、この回転角調整プ
レート24が、固定側部材としてのロータリージョイン
ト17の外カバー23に固定され、また、併せてロータ
リージョイント17内部の高圧熱風が洩れないように考
慮されている。
【0042】この回転角調整プレート24による固定軸
18の回転角調整は、遮蔽部材19の位置決めを行い、
遮蔽部材19による中空輻9開口の遮蔽範囲、すなわち
熱風噴出を止める中空輻9の回転角の範囲を調整するこ
とができる。この固定軸18の回転角調整は、図12
(b)に示すように、撹拌槽7内の内容物が正送及び逆
送撹拌翼8a、8bにより撹拌作用を受けている際に、
内容物は回転方向側に盛り上がり、その反対は谷状の分
布を起こす前記の理由により、熱風噴出ノズル10によ
る熱風放出範囲を決定する上で有効であり、特に、中空
輻9に取付けられた正送及び逆送撹拌翼8a、8bの捻
り角を変更した場合には、内容物の分布位置が変化する
ため必要となる。
【0043】また、固定軸18には、板スプリング20
を介して複数個の遮蔽部材19が同一線上に配設されて
いるが、この遮蔽部材19を中空回転軸7の内面に押し
つけている板スプリング20の反力によって、固定軸1
8は、遮蔽部材19の取付側と反対側に曲がりを受け
る。この固定軸18の曲がりは高圧熱風の漏洩につなが
るため、これを防止する方法として、遮蔽部材19が板
スプリング20を介して取付けられている部位の隣接部
又は中間部に、スペーサとして反力防止ユニット21を
固定軸18に取り付けることが望ましい。この反力防止
ユニット21は、中空輻9の開口を遮蔽しない位置に設
置するようにする(図3においては、遮蔽部材19及び
反力防止ユニット21の形状が分かり易いように、両部
材を同じ断面位置に記載しているが、実際は、反力防止
ユニット21は遮蔽部材19と固定軸18の軸方向に位
置を変えて設置するようにする。)が、その設置位置や
設置個数は、固定軸18の強度や板スプリング20のバ
ネ定数等の条件から、適宜決定することができる。な
お、遮蔽部材19は、複数のものが一体に連続するよう
に形成することにより構成を簡素化させることができ
る。しかし、回転軸7の回転トルクが、一体化した遮蔽
部材19との摩擦によって増大することにより、不利な
点も発生する。
【0044】このように、撹拌翼8a、8bが内容物か
ら外に露出する部分で、遮蔽部材19で中空輻9の開口
を遮蔽することにより、撹拌翼8a、8bの熱風噴出ノ
ズル10からの熱風を、内容物の中に埋没しているとき
のみ放出することができ、これにより、送風機14から
供給される高圧の熱風はすべて内容物中に放出され、内
容物の全体に加温と酸素供給が満遍なく行われる。その
結果、撹拌槽1内の微生物群の活性化が増進し、有機性
廃棄物の酵素分解が促進され、処理の効率が大幅に増大
し、併せて省エネルギー効果も大きくなる。
【0045】なお、ロータリージョイント17は、熱風
供給機構3で発生させた高圧熱風を回転している中空の
回転軸7に供給する熱風送気経路の一部として使用す
る。本実施例では、熱風供給機構3の配設位置や、前記
固定軸18の端面支持の都合上、回転軸7に対し他の部
分の熱風送気経路が直角に交差することから、管路16
の導入管をロータリージョイント本体外カバー23の接
線方向に取付け、また、ロータリージョイント17の内
部には高圧熱風送気の圧力損失を低減するために、裁頭
円錐形状の整流板25が取付けてある。そして、軸シー
ルはグランドパッキング26をパッキングケース27で
締め込む方法を採用している。
【0046】また、撹拌槽1内では、有機性廃棄物の微
生物群による醗酵分解や乾燥の進行と共に微粉末が発生
するが、前記エアフィルタ機構4は、この微粉末が撹拌
槽1より排出される排気ガス中に混入して、排気ガス処
理の次工程である脱臭機構5に影響を及ぼさないように
設置されている。このエアフィルタ機構4は、フィルタ
箱の内部にフィルタエレメント(図示省略)を挿入した
ものからなり、これにより、排気ガス中の微粉末を濾過
除去を行うようになっている。
【0047】脱臭機構5は、撹拌槽1内からエアフィル
タ機構4を経由して排出される排気ガス中の悪臭成分を
処理し、無臭化した排気ガスを大気に放出するためのも
のである。有機性廃棄物が微生物群による醗酵分解の過
程で、アンモニアを始め硫化水素、メチルカブタン、ア
ミン類等が析出し悪臭成分となるが、これらの成分を吸
着又は分解し、長期間にわたって確実に脱臭できる高性
能の脱臭機構を備えた脱臭装置を設けることが望まし
い。本実施例では、本願出願人による特許第28926
14号に記載の脱臭機構を採用し良好な結果を得てい
る。
【0048】制御機構6は、撹拌機構2や熱風供給機構
3、その他の附属機構の駆動を制御し、有機性廃棄物処
理装置の稼動自動化を可能とするものである。この制御
機構6は、撹拌槽1内に収容した内容物の温度を測定す
る温度センサー(図示省略)及び熱風供給機構3が発生
する熱風の温度を測定する温度センサー(図示省略)に
より検出した数値と、熱風送気用送風機14の回転数変
更による熱風送気量の調整、そして微生物群の有機性廃
棄物分解における処理工程時間、撹拌機構2の稼動選択
等の有機性廃棄物処理装置の各機構の運転条件を、処理
する有機性廃棄物の性状や容量等の物理的条件により選
択し、予め制御機構6のプログラムロジックコントロー
ラ(PLC)にパラメータとして記憶しているデータに
照合させ、その有機性廃棄物に最適な運転条件を決定
し、その処理を行うことができる。本実施例では、この
プログラムロジックコントローラへのデータ登録や装置
の操作は、図10〜図11に示すように、液晶表示画面
のあるタッチパネルを利用している。
【0049】ところで、有機性廃棄物を一次有機肥料化
させるための処理工程は、一般には次のように行われて
いる。なお、実際には、毎日排出されている一般家庭や
事業所系からの有機性廃棄物は、有機物の種類、その容
量、含有水分率等の物理的性状が一定ではなく、むしろ
大幅に変化する。有機性廃棄物処理装置においては、常
にこの変化に対応して、24時間以内に確実に処理をし
なければならない。
【0050】一般に、有機性廃棄物の処理工程は、その
進行というかたちで検出する方法として、温度センサー
や湿度センサー、二酸化炭素センサー等を組み合わせ、
温度や湿度、二酸化炭素を検出することにより、有機性
廃棄物の処理工程を制御する方法がある。湿度センサー
は処理工程上、排気ガスに含まれる水分量により処理工
程の終了を予測することができる。また、微生物群の分
泌する酵素による有機性廃棄物の醗酵分解処理であるこ
とから、酵素分解の際、二酸化炭素と水に分解される原
理から、二酸化炭素センサーは、排気ガス中の二酸化炭
素量を計測して処理工程の進行状況を推測することがで
きる。しかしながら、処理すべき有機性廃棄物は、上記
のように性状や容量が大幅に異なることがある。しか
も、一定量の微生物群により酵素分解を行うことから、
前記センサーの組み合わせによる情報だけで、大幅に変
化する有機性廃棄物の処理工程の進行管理を行うのは困
難である。また、各センサー類は、処理装置の排気ガス
流路内に設置しなければならならない。この排気ガス中
には有機物の醗酵分解過程で析出するアンモニア、硫化
水素、メチルメルカプタン、アミン類系ガス等が含ま
れ、さらに、処理工程が進行するにつれて、分解された
有機物が微粉状となり排気ガス中に混入もする。一方、
各センサーの測定部は、薄膜による電気抵抗や、分子レ
ベルの計測が行われるような精密なものであり、上記排
気ガスのような劣悪な環境の中でセンサーの測定部を露
出すると、その寿命は著しく短いものとなる。このよう
な理由により、各種センサーを応用した有機性廃棄物処
理装置における処理工程の制御は実用的ではない。
【0051】そこで、本実施例の有機性廃棄物処理装置
では、処理すべき有機性廃棄物の性状を、例えば、処理
を行う容量を、多い、標準、少ない、に分類する。次
に、処理を行う有機性廃棄物の含有水分を、多い、標
準、少ない、に分類する。また、必要であれば、処理を
行う有機性廃棄物が、野菜や果物の皮等の繊維質、魚や
肉類等の蛋白類、飯や麺類等の澱粉質、あるいはこれら
の混合物等に分類する。これに対し、処理装置側からの
条件として、撹拌槽内の環境温度である槽内温度、酸素
(空気)供給量、醗酵分解の各工程における処理時間、
使用する微生物の特性に合わせたヒータ熱風温度等の任
意に可変できる要素を持たせた機器、及びその可変運転
のための制御系を用意する。そして、今までの実機によ
る実測値や試運転による資料をもとに、有機性廃棄物の
性状や処理容量に合わせ、変更可能な機器の運転条件の
パラメータ資料を予め作成し、このパラメータを処理装
置に附属している電気制御装置のマイクロコンピュータ
又はプログラムロジックコントローラ等に記憶させる。
【0052】このように、処理すべき有機性廃棄物の性
状や容量の情報等を前記電気制御系に与えることによ
り、記憶されているパラメータのデータの組み合わせに
よって、処理装置の各機構が最適な運転を行うことがで
きる。このパラメータの数値は、有機性廃棄物の処理経
験によってデータ量が増大するため、処理装置を稼動す
る時間とともに最適化される。また、適宜、その場に応
じた運転条件を作り稼動することも可能である。これに
より、あらゆる形状の有機性廃棄物に対し、微生物群に
よる醗酵分解の効率が高まる。その結果、画一的な時間
による制御の場合と比較して、有機性廃棄物の微生物群
により醗酵分解させる処理が、より効率よくかつ確実性
をもって行うことができる。
【0053】さらに、本実施例の有機性廃棄物処理装置
による有機性廃棄物の処理工程を説明する。まず、予め
撹拌槽1内に適量収容してある微生物群の居留するホー
ラ材に対し、処理すべき有機性廃棄物を投入する。この
とき、その有機性廃棄物の容量及び性状等の物理的条件
を、制御機構6に実装してあるタッチパネルの運転画面
(図7の画面No.3)に登録する。そして、“運転”
により処理装置を起動させる。以降は、指定された運転
モードにより自動的に処理が行われる。なお、図8は運
転プログラムを示し、図9は本実施例における各機器の
動作用の初期設定のためのパラメータシートを示してい
る。
【0054】以下に、各工程の詳細な説明を記載する。 予備混合 予め撹拌槽1内に適量収容してある微生物群の居留する
ホーラ材に対し、処理すべき有機性廃棄物を投入した
際、ホーラ材と有機性廃棄物を満遍なく混合分散するこ
とにより有機性廃棄物の単体表面に微生物群を着床さ
せ、その醗酵分解の効率を高めるとともに、その時点で
活性化していない微生物群に対し徐々に活性化を与え、
さらにホーラ材の保水性を利用して投入された有機性廃
棄物の保有していた多量の水分を撹拌槽1内に均一に分
散させ、醗酵分解の条件を作り出すための工程。
【0055】醗酵工程 前工程で活性化した微生物群が、自身で分泌する細胞外
酵素により有機性廃棄物を積極的に分解を行う。この工
程では、撹拌槽1内が投入した有機性廃棄物により水分
過多の状態になりがちなので、熱風供給機構3から送り
出された熱風により余剰水分を蒸発させ、併せて微生物
の活性化により分化や分裂を続ける膨大な個体数の微生
物群に対する加温及び酸素供給を行う。
【0056】熟成工程 有機性廃棄物処理の仕上げともいえる工程で、前醗酵工
程において有機性廃棄物は積極的な分解がされるもの
の、この時点では投入された個体の大きさの大小により
未分解部分もかなり残っている。一方、撹拌槽1内全体
の環境は水分量も比較的減少し、この熟成工程で処理の
目的である有機性廃棄物の現状に合わせて分解及び含有
水分量を30〜35%までに調整する。
【0057】保温工程 実機が使用される環境が寒冷地で、特に冬期有機性廃棄
物の処理が全工程にわたり終了した段階で、処理装置が
自動的に終了停止すると、処理が終了した有機性廃棄物
が、その残留水分により残留している微生物群が凍結す
る可能性がある。このような状況を防止するため、この
保温工程により、次回の微生物群による醗酵分解に備え
て加温を行い凍結を防止する。
【0058】抜出工程 有機性廃棄物の処理を終了した時点で、処理装置は処理
が終了した内容物を一次有機肥料として抜き出しを行う
が、この抜き出し作業を行う工程である。撹拌槽1の排
出口1bを開き撹拌機構2の運転を行うと、規定された
容量を残し撹拌槽1内の内容物は自動的に排出される。
残された容量の内容物が次回の微生物群に対するホーラ
材の役目を果たす。
【0059】本実施例による処理装置の各機器運転は、
図9のパラメータシートに示すように、処理すべき有機
性廃棄物の処理容量、すなわち量過少、量標準、量過
多、の三種類で、熱風供給機構3のヒータによる熱風温
度、撹拌槽1内の内容量の温度、そして熱風送気用送風
機14による風量の三種類を、予め登録設定してあるパ
ラメータ数値により制御を行う。
【0060】同時に、図7に示すように、処理すべき有
機性廃棄物の代表的な性状である含水率を基準にして、
水過少、水標準、水過多、の三種類を選択し醗酵分解の
各段階における工程時間を予め登録設定してあるパラメ
ータ数値により制御を行う。なお、図10〜図11は、
操作及びデータ登録用タッチパネルの画面を本実施例に
基づいて表している。
【0061】以上、本発明の加熱撹拌処理装置につい
て、有機性廃棄物処理装置を例に説明したが、本発明は
上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、
例えば、熱風噴出孔は中空輻に形成する等、その趣旨を
逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することが
でき、また、その適用対象も上記実施例の有機性廃棄物
に限定されず、窯業や食品の原材料等の任意の物質の加
熱撹拌処理を行う装置に適用することができる。
【0062】
【発明の効果】本発明の加熱撹拌処理装置によれば、熱
風切換手段が、内容物が存在する位置の熱風噴出孔のみ
から熱風が噴出するように、熱風送気経路に選択的に熱
風を供給することから、撹拌翼や中空輻が回転によって
内容物の外に露出した場合に、熱風噴出孔の噴出動作を
止めることができ、これにより、内容物より露出する熱
風噴出孔からの熱風の放出を防止して、内容物内の熱風
噴出孔から効率的に熱風を供給し、内容物を均一に加温
するとともに、均一で十分な酸素等の気体の供給を行う
ことができ、効率的で、確実な加熱撹拌処理を実施する
ことができる。
【0063】また、熱風切換手段を、前記回転軸の中空
部に固定軸を配設し、該固定軸に、回転軸の内面に摺接
し、所定の回転角で中空輻の開口を遮蔽する遮蔽部材を
配設して構成することにより、撹拌翼や中空輻が回転に
よって内容物の外に露出した場合でも、そのときの回転
角の範囲で中空輻の開口を遮蔽し、熱風噴出孔の噴出動
作を止め、内容物より露出する熱風噴出孔からの熱風の
放出を防止して、内容物内の熱風噴出孔から効率的に熱
風を供給することができる。
【0064】さらに、撹拌翼を、撹拌槽内に収容した内
容物の移動方向が、撹拌槽の中心部と外周部で異なるよ
うに配設し、内容物が撹拌槽内で軸方向に移動しながら
循環させることにより、内容物の混合分散を繰り返し行
い、内容物の均一化を効率的に行うことができる。
【0065】そして、撹拌翼を、少なくとも中空輻の軸
を中心として角度調節可能に固定することにより、撹拌
槽内の内容物の混合分散能力を、処理する内容物の特性
に合わせて最適に調整し、内容物に対し広範囲に加温と
酸素供給をすることができる。
【0066】また、撹拌機構と熱風供給機構を制御する
制御機構が、内容物の性状、容量等の複数の物理的条件
に基づいた撹拌機構と熱風供給機構の運転条件をそれぞ
れ記憶するとともに、処理する内容物の物理的条件を入
力することにより、前記運転条件を自動的に組み合わせ
て決定することにより、内容物の物理的条件に応じて処
理装置の各機構が最適な運転を行い、微生物群による醗
酵分解の効率を高めて、内容物、より具体的には、有機
性廃棄物の分解処理を効率よく確実に行うことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の加熱撹拌処理装置の一実施例を示す透
視図である。
【図2】同実施例の撹拌機構を示す一部切欠斜視図であ
る。
【図3】同実施例の回転軸と中空輻を示す断面図であ
る。
【図4】同実施例の回転軸と中空輻、撹拌翼を示す一部
切欠斜視図である。
【図5】同実施例の撹拌による内容物の挙動を示し、
(a)は回転軸に平行な断面図、(b)は回転軸に直交
する断面図である。
【図6】同実施例のロータリージョイントを示す分解斜
視図である。
【図7】同実施例の運転操作時の制御機構のモニター画
面を示す説明図である。
【図8】同実施例の運転プログラムを示すフローチャー
トである。
【図9】同実施例の制御機構のパラメータシートを示す
説明図である。
【図10】同実施例の制御機構のタッチパネルの画面を
示す第1説明図である。
【図11】同実施例の制御機構のタッチパネルの画面を
示す第2説明図である。
【図12】有機性廃棄物処理装置の撹拌状態を示し、
(a)は縦型撹拌式処理装置の例を示す断面図、(b)
は横型撹拌式処理装置の例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 撹拌槽 2 撹拌機構 3 熱風供給機構 4 エアフィルタ機構 5 脱臭機構 6 制御機構 7 回転軸 8a 正送撹拌翼 8b 逆送撹拌翼 9 中空輻 10 熱風噴出ノズル 10a 熱風噴出孔 11 鏡板 12 ベアリング 13 伝導機構 14 送風機 15 ヒータユニット 16 管路 17 ロータリージョイント 18 固定軸 19 遮蔽部材 20 板スプリング 21 反力防止ユニット 22 スプリング板 23 外カバー 24 回転角調整プレート 25 整流板 26 グランドパッキング 27 パッキングケース
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F26B 11/14 B09B 3/00 ZABA 21/00 303H Fターム(参考) 3L113 AA06 AA08 AB02 AB03 AC08 AC25 AC45 AC46 AC48 AC52 AC54 AC58 AC63 AC68 AC75 AC83 AC87 BA01 CA02 CA03 CA04 CA08 CB24 CB29 DA01 DA11 4D004 AA02 AA03 AA04 AC01 AC04 BA04 CA04 CA15 CA19 CA22 CB04 CB28 CB32 CB36 DA02 DA20 4G037 CA01 CA05 CA18 EA03 4G078 AA02 AB20 BA01 DA01 DC06 DC08

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 撹拌槽内に収容した内容物を撹拌する撹
    拌機構と、内容物を加熱する熱風供給機構とを備えた加
    熱撹拌処理装置において、前記撹拌機構が、横設した回
    転軸から突設された複数の中空輻と、該中空輻に固定さ
    れた撹拌翼とを備えるとともに、前記熱風供給機構が、
    回転軸の中空部と中空輻とからなる熱風送気経路と、撹
    拌翼又はその近傍に形成され、該熱風送気経路から供給
    された熱風を噴出する熱風噴出孔と、内容物が存在する
    位置の熱風噴出孔のみから熱風が噴出するように前記熱
    風送気経路に選択的に熱風を供給する熱風切換手段とを
    備えたことを特徴とする加熱撹拌処理装置。
  2. 【請求項2】 前記熱風切換手段を、前記回転軸の中空
    部に固定軸を配設し、該固定軸に、回転軸の内面に摺接
    し、所定の回転角で中空輻の開口を遮蔽する遮蔽部材を
    配設して構成したことを特徴とする請求項1記載の加熱
    撹拌処理装置。
  3. 【請求項3】 前記撹拌翼を、撹拌槽内に収容した内容
    物の移動方向が、撹拌槽の中心部と外周部で異なるよう
    に配設し、内容物が撹拌槽内で軸方向に移動しながら循
    環するようにしたことを特徴とする請求項1又は2記載
    の加熱撹拌処理装置。
  4. 【請求項4】 前記撹拌翼を、少なくとも中空輻の軸を
    中心として角度調節可能に固定したことを特徴とする請
    求項1、2又は3記載の加熱撹拌処理装置。
  5. 【請求項5】 撹拌機構と熱風供給機構を制御する制御
    機構が、内容物の性状、容量等の複数の物理的条件に基
    づいた撹拌機構と熱風供給機構の運転条件をそれぞれ記
    憶するとともに、処理する内容物の物理的条件を入力す
    ることにより、前記運転条件を自動的に組み合わせて決
    定することを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の
    加熱撹拌処理装置。
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