JP2002000289A - ヌクレオシド−5’−燐酸エステルの製造法 - Google Patents

ヌクレオシド−5’−燐酸エステルの製造法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヌクレオシドまたはその前駆体、特に難溶性
のヌクレオシドまたはその前駆体を原料として、酵素的
にヌクレオシド−5’−燐酸エステルを効率よく製造す
る方法を提供する。 【解決手段】 ヌクレオシドまたはその前駆体の結晶
を、好ましくは比表面積が0.4m2/g以上となるよ
うに、物理的処理により粉砕し、粉砕したヌクレオシド
またはその前駆体の結晶を酵素触媒下で燐酸供与体と反
応させ、ヌクレオシドを燐酸化してヌクレオシド−5’
−燐酸エステルを生成せしめる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヌクレオシド−
5’−燐酸エステルの製造法に関する。ヌクレオシド−
5’−燐酸エステルは、調味料、医薬並びにそれらの原
料等として有用である。
【0002】
【従来の技術】ヌクレオシドを酵素的に燐酸化してヌク
レオシド−5’−燐酸エステルを製造する方法として、
種々の方法が知られている。中でも、副産物が少なく、
かつ、効率のよいヌクレオシド−5’−燐酸エステルの
製造法として、酸性フォスファターゼをpH3.0〜5.5の条
件下でヌクレオシド並びにポリ燐酸(塩)、フェニル燐
酸(塩)及びカルバミル燐酸(塩)から成る群より選択
される燐酸供与体に作用させてヌクレオシド−5’−燐
酸エステルを製造する方法が開発されている(WO96/376
03、特開平10-201481)。また、これらの方法におい
て、好ましい酸性フォスファターゼとして、燐酸エステ
ル加水分解活性が低下した変異型酸性フォスファターゼ
(WO96/37603)、あるいは、ヌクレオシドに対する親和
性が上昇し及び/又は温度安定性が向上した変異型フォ
スファターゼ(特開平10-201481)が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の方法において
は、基質(原料)として各種ヌクレオシドが利用可能で
あるが、難溶性のヌクレオシドを基質とする際、易溶性
のヌクレオシドに比べて反応収率が低下するという問題
があった。
【0004】本発明は、上記観点からなされたものであ
り、ヌクレオシドまたはその前駆体、特に難溶性のヌク
レオシドまたはその前駆体を原料として、酵素的にヌク
レオシド−5’−燐酸エステルを効率よく製造する方法
を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】難溶性のヌクレオシドで
あっても、有機溶剤、硼酸あるいはジメチルスルホキシ
ドのような界面活性剤を反応系に添加することによっ
て、ヌクレオシド−5’−燐酸エステルの生成収率を向
上させることができる場合がある(WO96/37603、特開平
10-201481)。しかし、一般的に有機溶剤や界面活性剤
などにより酵素の失活が誘発される恐れがあり、好まし
くない場合も少なくないと考えられる。そこで本発明者
は、種々検討を行った結果、ヌクレオシド結晶を微細化
することによって、反応系へのヌクレオシドの供給速度
を向上させることができ、ヌクレオシド−5’−燐酸エ
ステルの生成収率を向上させることができることを見出
し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、以
下のとおりである。
【0006】(1)ヌクレオシドまたはその前駆体の結
晶を物理的処理により粉砕し、粉砕したヌクレオシドま
たはその前駆体の結晶を酵素触媒下で燐酸供与体と反応
させ、ヌクレオシドを燐酸化してヌクレオシド−5’−
燐酸エステルを生成せしめることを特徴とするヌクレオ
シド−5’−燐酸エステルの製造法。 (2)ヌクレオシドまたはその前駆体の結晶を、比表面
積が0.4m2/g以上となるように物理的処理により
粉砕する(1)のヌクレオシド−5’−燐酸エステルの
製造法。 (3)前記酵素が酸性フォスファターゼである(1)又
は(2)のヌクレオシド−5’−燐酸エステルの製造
法。 (4)前記酸性フォスファターゼは、ヌクレオシドに対
する親和性が上昇した酸性フォスファターゼである
(3)のヌクレオシド−5’−燐酸エステルの製造法。 (5)前記反応をpH3.0〜5.5の条件下で行う
(3)又は(4)のヌクレオシド−5’−燐酸エステル
の製造法。 (6)前記ヌクレオシドがグアノシンである(1)〜
(5)のいずれか一項に記載のヌクレオシド−5’−燐
酸エステルの製造法。 (7)比表面積が0.4m2/g以上であるヌクレオシ
ドまたはその前駆体の結晶を酵素触媒下で燐酸供与体と
反応させ、ヌクレオシドを燐酸化してヌクレオシド−
5’−燐酸エステルを生成せしめることを特徴とするヌ
クレオシド−5’−燐酸エステルの製造法。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のヌクレオシド−5’−燐酸エステルの製造法に
おいては、ヌクレオシドまたはその前駆体の結晶を物理
的処理により粉砕し、粉砕したヌクレオシドまたはその
前駆体の結晶を酵素触媒下で燐酸供与体と反応させ、ヌ
クレオシドを燐酸化してヌクレオシド−5’−燐酸エス
テルを生成せしめる。ヌクレオシドまたはその前駆体の
結晶の物理的処理による粉砕は、例えば、ヌクレオシド
またはその前駆体の結晶を水中でスラリーとし、一般的
に用いられている粉砕機(例えばスイスWAB社製DYNO-MI
LL等)を用いて粉砕することによって行うことができ
る。このような処理によって、微細化された結晶のスラ
リーが得られる。
【0008】本発明においては、ヌクレオシドまたはそ
の前駆体の結晶を粉砕することによって、ヌクレオシド
−5’−燐酸エステルを生成する反応の効率を高めるこ
とができる。したがって、前記反応効率が向上する限
り、粉砕の程度は特に問わないが、好ましくは、粉砕後
の結晶の比表面積が0.4m2/g以上、より好ましく
は0.8m2/g以上となるように粉砕することが望ま
しい。比表面積の上限は特に制限されないが、ヌクレオ
シド−5’−燐酸エステルの生成効率の向上は結晶の比
表面積が一定以上になると頭打ちになるので、通常は1
2/g程度で十分であると考えられる。
【0009】粉砕によって微細化された結晶の平均粒径
は、例えば、stokesの抵抗則に基づく沈降法に従い、沈
降式粒度分布測定装置(例えば、島津製作所(株)遠心沈
降式粒度分布測定装置SA-CP3)を用いて測定することが
できる。また、こうして測定される平均粒径に基づい
て、微結晶の比表面積を計算することができる。
【0010】粉砕するヌクレオシドまたはその前駆体の
結晶は、精製されたものであってもよく、ヌクレオシド
またはその前駆体を産生する微生物の培養液中に蓄積す
る結晶スラリーをそのまま用いてもよい。
【0011】本発明に用いる酵素としては、ヌクレオシ
ドまたはその前駆体への、燐酸供与体からの燐酸基の転
移によりヌクレオシド−5’−燐酸エステルを生成する
反応を触媒するものであれば制限はない。
【0012】酵素の由来は特に制限されず、微生物、植
物又は動物等に由来する酵素を用いることができるが、
微生物に由来するものが好ましい。また、酵素は、微生
物の野生株又は変異株から調製したものであってもよ
く、遺伝子工学的手法を用いて作製された形質転換株か
ら調製したものであってもよい。さらに、酵素を産生す
る微生物の菌体を含む培養物、該培養物から分離・回収
した菌体、該菌体を固定化処理、アセトン処理、凍結乾
燥処理等した菌体処理物を使用することもできる。
【0013】本発明に用いる好ましい酵素として、酸性
フォスファターゼ(EC 3.1.3.2)が挙げられる。酸性ホ
スファターゼとしては、微生物に由来するものが好まし
く、特に好適な例として、モルガネラ属、エシェリヒア
属、プロビデンシア属、エンテロバクター属、クレブシ
エラ属又はセラチア属に属する細菌が、当該酵素活性を
有しており、これら細菌に由来する酵素がある。そのよ
うな細菌の代表例として以下のような菌株を挙げること
ができる。
【0014】 モルガネラ・モルガニ(Morganella morganii) NCIMB 10466 モルガネラ・モルガニ(Morganella morganii) IFO 3168 モルガネラ・モルガニ(Morganella morganii) IFO 3848 エシェリヒア・ブラッタエ(Escherichia blattae) JCM 1650 エシェリヒア・ブラッタエ(Escherichia blattae) ATCC 33429 エシェリヒア・ブラッタエ(Escherichia blattae) ATCC 33430 プロビデンシア・スチュアルティ(Providencia stuartii) ATCC 29851 プロビデンシア・スチュアルティ(Providencia stuartii) ATCC 33672 エンテロバクター・アエロゲネス(Enterobacter aerogenes) IFO 12010 エンテロバクター・アエロゲネス(Enterobacter aerogenes) IFO 13534 クレブシエラ・プランティコラ(Klebsiella planticola) IFO 14939 クレブシエラ・プランティコラ(Klebsiella planticola) IAM 1133 セラチア・フィカリア(Serratia ficaria) IAM 13540 セラチア・ マルセセンス(Serratia marcescens) IAM 12143
【0015】より好ましくは、ヌクレオシドに対する親
和性が上昇した酸性フォスファターゼ(特開平10-20148
1参照)が挙げられる。このような酸性フォスファター
ゼとして具体的には、後記参考例1記載のエシェリヒア
・ブラッタエ由来変異型酸性フォスファターゼ、エンテ
ロバクター・アエロゲネス由来新規変異型酸性フォスフ
ァターゼ、及び、特開平10-201481号公報記載の各種変
異型酸性フォスファターゼが挙げられる。
【0016】また、酸性フォスファターゼは、本来、燐
酸エステルを酸性条件下で加水分解する反応を触媒する
酵素であり、燐酸転移反応により生成するヌクレオシド
−5’−燐酸エステルを分解するヌクレオチダーゼ活性
を有しているが、ヌクレオチダーゼ活性(燐酸エステル
加水分解活性)が低下した変異型酸性フォスファターゼ
(WO96/37603参照)も、本発明に好適に使用することが
できる。さらに、温度安定性の向上した酸性フォスファ
ターゼ、又は、ヌクレオシドに対する親和性が上昇し、
かつ、温度安定性の向上した酸性フォスファターゼ(特
開平10-201481)も、本発明に好適に用いることができ
る。
【0017】本発明においては、微細化されたヌクレオ
シドまたはその前駆体の結晶を用いる以外は、通常のヌ
クレオシドまたはその前駆体を酵素的に燐酸化してヌク
レオシド−5’−燐酸エステルを生成せしめる方法と同
様にして燐酸化反応を行うことができる。
【0018】酵素として酸性フォスファターゼを用いる
場合は、燐酸化反応をpH3.0から5.5の範囲の弱酸性に調
製することが好ましい。
【0019】本発明に用いるヌクレオシドまたはその前
駆体としては、プリンヌクレオシド類として、イノシ
ン、グアノシン、アデノシン、キサントシン、プリンリ
ボシド、6−メトキシプリンリボシド、2,6−ジアミ
ノプリンリボシド、6−フルオロプリンリボシド、6−
チオプリンリボシド、2−アミノ−6−チオプリンリボ
シド、メルカプトグアノシン等、ピリミジンヌクレオシ
ド類として、ウリジン、シチジン、5−アミノウリジ
ン、5−ヒドロキシウリジン、5−ブロモウリジン、6
−アザウリジン等が挙げられる。燐酸化反応によりこれ
らの天然型ヌクレオシド及び非天然型ヌクレオシドの
5’位が特異的に燐酸化され、それぞれ対応するヌクレ
オシド−5’−燐酸エステルが生成する。
【0020】本発明においては、上記のようなヌクレオ
シドまたはその前駆体のうち、溶解度の低いもの、例え
ばグアノシン、イノシン、アデノシン等、特にグアノシ
ン、アデノシン等のような難溶性のヌクレオシドを用い
た場合、特に高い効果が期待できる。これらヌクレオチ
ド等の製造法は、公知の方法を用いることができ、例え
ばグアノシンは特公昭57−14160号公報、イノシ
ンは特公昭57−22558号公報、特公昭62−37
959号公報、アデノシンは特公平4−52118号公
報記載の方法を採用できる。
【0021】反応液に添加するヌクレオシドまたはその
前駆体の濃度は1〜20g/dlが望ましい。水に難溶性のヌ
クレオシドまたはその前駆体を使用する場合には、それ
らの結晶を粉砕して微細化することに加えて、硼酸ある
いはジメチルスルホキシドのような界面活性剤を反応液
に添加すると、さらに反応収率が向上する場合がある。
【0022】また、本発明に用いる燐酸供与体として
は、酵素反応によりヌクレオシドまたはその前駆体へ燐
酸基を転移してヌクレオシド−5’−燐酸エステルを生
成し得るものであれば特に制限されないが、具体的に
は、ポリ燐酸(塩)、フェニル燐酸(塩)、アセチル燐
酸(塩)及びカルバミル燐酸(塩)等が挙げられる。ポ
リ燐酸(塩)としては、ピロ燐酸、トリポリ燐酸、トリ
メタ燐酸、テトラメタ燐酸、ヘキサメタ燐酸もしくはそ
れらの混合物、又はそれらのナトリウム塩、カリウム塩
もしくはそれらの塩混合物などが、フェニル燐酸(塩)
としては、フェニル燐酸ジナトリウム、フェニル燐酸ジ
カリウム、O,O−ジフェニル燐酸無水物もしくはそれ
らの混合物などが、カルバミル燐酸(塩)としては、カ
ルバミル燐酸ジナトリウム、カルバミル燐酸ジカリウ
ム、カルバミル燐酸ジアンモニウム、カルバミル燐酸ジ
リチウムもしくはそれらの混合物などが使用可能であ
る。燐酸供与体の使用濃度は、燐酸受容体であるヌクレ
オシドまたはその前駆体の濃度によって決定される。通
常、ヌクレオシドまたはその前駆体の1〜5倍量が望ま
しい。
【0023】反応は通常、温度20〜60℃、好ましくは30
〜40℃で、pH3.5〜6.5、好ましくはpH3.5〜5.5の弱酸性
側が好結果を与える。反応には静置又は撹はんのいずれ
の方法も採用し得る。反応時間は、使用する酵素の活
性、基質濃度などの条件によって異なるが、1〜100時
間である。
【0024】このようにして生成したヌクレオシド−
5’−燐酸エステルを反応終了混合物より採取分離する
には、合成吸着樹脂を用いる方法や沈殿剤を用いる方
法、その他通常の採取分離方法が採用できる。
【0025】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明する。
【0026】
【参考例1】エシェリヒア・ブラッタエ由来変異型酸性
フォスファターゼ遺伝子の取得 エシェリヒア・ブラッタエJCM1650由来野生型酸性フォ
スファターゼをコードする遺伝子を含むプラスミドpEPI
305(WO96/37603参照)を用い、このプラスミドDNAに遺
伝子工学的手法により部位特異的変異を導入し、変異型
酸性フォスファターゼをコードする遺伝子を作製した
(特開平10-201481参照)。
【0027】pEPI305はエシェリヒア・ブラッタエJCM16
50に由来する野生型酸性フォスファターゼをコードする
遺伝子を含む、制限酵素ClaIと制限酵素BamHIで切り出
される2.4Kbpの大きさのDNA断片を、ClaI及びBamHIで切
断したpBluescript KS(+)(ストラタジーン社製)に結
合したプラスミドDNAである。pEPI305をエシェリヒア・
コリ JM109に保持させた株は、AJ13144と命名され、平
成8年2月23日付で工業技術院生命工学工業技術研究所
(郵便番号305 日本国茨城県つくば市東一丁目1番
3号)にブタペスト条約に基づき国際寄託され、受託番
号FERM BP-5423が付与されている。
【0028】DNA合成装置(アプライドバイオシステム
社製モデル394)を用いてホスホアミダイト法にて配列
番号1及び配列番号2に示すオリゴヌクレオチドMUT300
及びMUT370をそれぞれ合成した。
【0029】鋳型としてpEPI305 1ng、プライマーとし
てM13プライマーRV(宝酒造社製)およびMUT370オリゴ
ヌクレオチド各2.5μmolおよびタックDNAポリメラーゼ
(宝酒造社製)2.5ユニットをdATP、dCTP、dGTP、dTTP
各200μM、塩化カリウム50mMおよび塩化マグネシウム
1.5mMを含む100mM トリス−塩酸緩衝液(pH8.3)100μl
に添加し、94℃を30秒、55℃を2分、72℃を3分のサイク
ルを25回繰り返すPCR反応を行った。PCR反応はサ
ーマルサイクラーPJ2000型(宝酒造社製)を用いて行っ
た。また別に、鋳型としてプラスミドDNA pEPI305 1n
g、プライマーとしてM13プライマーM3(宝酒造社製)お
よびMUT300オリゴヌクレオチド各2.5μmolを用いて同様
にPCR反応を行った。それぞれの反応液をマイクロス
ピンカラムS-400(ファルマシア社製)を用いてゲル濾
過により精製し、プライマーを除去した。
【0030】それぞれのPCR反応液1μlをdATP、dCT
P、dGTP、dTTP各200μM、塩化カリウム 50mMおよび塩化
マグネシウム 1.5mMを含む100mM トリス−塩酸緩衝液
(pH8.3)95μlに添加し、94℃で10分加熱後、60分間か
けて37℃まで冷却した後、37℃で15分保温しヘテロ二本
鎖を形成させた。これにタックDNAポリメラーゼ2.5ユニ
ットを添加して72℃で3分反応を行い、ヘテロ二本鎖を
完成させた。次に、この反応液にM13プライマーRVおよ
びM13プライマーM3各2.5μmolを添加して、94℃を30
秒、55℃を2分、72℃を3分のサイクルを10回繰り返すP
CR反応を行った。
【0031】2回目のPCR反応の生成物をClaIとBamHI
で切断後フェノール/クロロホルム抽出し、エタノール
沈殿した。このDNA断片をClaIとBamHIで切断したpBlues
cript KS(+)に結合し、得られたプラスミドDNAを用いて
常法によりエシェリヒア・コリJM109(宝酒造製)を形
質転換した。これを100μg/mlのアンピシリンを含むL
寒天培地上にプレーティングし、形質転換体を得た。
形質転換体よりアルカリ溶菌法によりプラスミドを調製
し、塩基配列の決定を行い、目的の塩基が置換されてい
ることを確認した。塩基配列の決定は Taq DyeDeoxy Te
rminator Cycle Sequencing Kit (アプライドバイオケ
ミカル社製)を用い、サンガーらの方法(J. Mol. Bio
l., 143, 161(1980))に従って行った。
【0032】このようにして、成熟蛋白質の63番目の
ロイシン残基(CTG)がグルタミン残基(C*AG)に、6
5番目のアラニン残基(GCG)がグルタミン残基(*C*A
G)に、66番目のグルタミン酸残基(GAA)がアラニン
残基(G*CA)に、69番目のアスパラギン残基(AAC)
がアスパラギン酸残基(*GAC)に、71番目のセリン残
基(AGC)がアラニン残基(*G*CC)に、72番目のセリ
ン残基(AGT)がアラニン残基(*G*CT)に、74番目の
グリシン残基(GGG)がアスパラギン酸残基( *G*A*T)
に、135番目のスレオニン残基(ACC)がリジン残基
*A*A*A)に、136番目のグルタミン酸残基(GAG)
がアスパラギン酸残基(GA*C)に、153番目のイソロ
イシン残基(ATC)がスレオニン残基(A*CC)にそれぞ
れ置換した、変異型フォスファターゼをコードする変異
型遺伝子を作製した。この変異型遺伝子を含むプラスミ
ドをpEPI370と命名した。
【0033】
【実施例1】エシェリヒア・ブラッタエ由来変異型酸性
フォスファターゼ遺伝子保持株を用いた5’−グアニル
酸の生産 <1>酸性フォスファターゼを含む菌体の調製 参考例1記載のプラスミドpEPI370を保持するエシェリ
ヒア・コリJM109/pEPI370をL培地50mlに接種し、37℃
で16時間培養後、培養液から遠心分離により集菌し、菌
体を取得した。
【0034】<2>ヌクレオシドスラリーの粉砕 グアノシン結晶を水中でスラリーとし、粉砕機(スイス
WAB社製DYNO-MILL)により結晶の粉砕処理を行った。こ
の際、粉砕時間などの条件を変更して様々な粒経の結晶
を取得した。グアノシン結晶は単位重量あたりの比表面
積は0.2m2/gであったものが、粉砕後0.4m2/g以上に増加
し、結晶の微細化が可能であった(表1)。なお、グア
ノシン結晶の比表面積はstokesの抵抗則に基づく沈降法
に従い、沈降式粒度分布測定装置(島津製作所(株)遠心
沈降式粒度分布測定装置SA-CP3)で測定した平均粒経を
もとに算出した。
【0035】<3>5’−グアニル酸の生産 次に酸性ピロ燐酸29.3g、およびグアノシンの未粉砕結
晶又は粉砕結晶のスラリー7.5g(グアノシン含量として)
を水溶液中で混合して苛性ソーダでpH4.5付近に調整
後、上記菌体を100mg添加して最終液量が100mlとなるよ
うに調製し、30℃で40時間反応を行い、生成した5’−
グアニル酸の量を測定した。
【0036】グアノシン結晶の比表面積と最大蓄積時点
での蓄積および収率を表1及び図1に、反応経時収率変
化を図2に示した。その結果、粉砕結晶を基質とした場
合、未粉砕結晶を基質とした場合に比べ、良好に燐酸化
反応が進行し、5’−グアニル酸生成収率で14%以上、
燐酸収率で1.4%以上、成績が向上した。
【0037】
【表1】
【0038】
【実施例2】エシェリヒア・ブラッタエ由来変異型酸性
フォスファターゼ遺伝子保持株を用いた各種ヌクレオシ
ド−5’−燐酸エステルの生産 <1>酸性フォスファターゼを含む菌体の調製 実施例1と同様に、エシェリヒア・コリJM109/pEPI370
をL培地に接種し、37℃で16時間培養後、培養液から遠
心分離により集菌し、菌体を取得した。
【0039】<2>ヌクレオシドスラリーの粉砕 ヌクレオシド結晶を水中でスラリーとし、粉砕機(スイ
スWAB社製DYNO-MILL)により結晶の粉砕処理を行った。
ヌクレオシド結晶は単位重量あたりの比表面積は0.2m2/
gであったものが、粉砕後0.4m2/g以上に増加し、結晶の
微細化が可能であった。なお、比表面積はstokesの抵抗
則に基づく沈降法に従い沈降式粒度分布測定装置(島津
製作所(株)遠心沈降式粒度分布測定装置SA-CP3)で測定
した平均粒経をもとに算出した。
【0040】<3>ヌクレオチドの生産 次に、酸性ピロ燐酸29.3g、および、イノシンもしくは
アデノシンの未粉砕結晶又はこれらのヌクレオシドの粉
砕結晶のスラリー5g(ヌクレオシド含量として)を水溶液
中で混合して苛性ソーダでpH4.5付近に調整後、上記菌
体を100mg添加して最終液量が100mlとなるように調製
後、30℃で24時間反応を行い、生成したヌクレオチドの
量を測定した。最大蓄積時点での蓄積を表2に示した。
その結果、粉砕したヌクレオシドスラリーを基質とした
場合、未粉砕結晶を基質とした場合に比べ良好に燐酸化
反応が進行し、ヌクレオチド生成量の向上が認められ
た。
【0041】
【表2】
【0042】
【実施例3】エンテロバクター・アエロゲネス IFO 120
10由来新規変異型酸性フォスファターゼ遺伝子の作製 エンテロバクター・アエロゲネス IFO 12010由来野生型
酸性フォスファターゼをコードする遺伝子に、遺伝子工
学的手法によって部位特異的変異を導入し、ヌクレオシ
ドに対する親和性が向上した変異型酸性フォスファター
ゼをコードする遺伝子を作製した。
【0043】特開平10-201481号公報の実施例24記載
の方法にて取得したエンテロバクター・アエロゲネス I
FO 12010由来野生型酸性フォスファターゼをコードする
遺伝子を含むプラスミドpENP110より、野生型酸性フォ
スファターゼをコードする遺伝子を含む、制限酵素SalI
と制限酵素KpnIで切り出される1.6kbpの大きさのDNA断
片を切り出し、SalI及びKpnIで切断したpUC19(酒造社
製)に結合し、このプラスミドをpENP120と命名した。
【0044】DNA合成装置(アプライドバイオシステム
社製モデル394)を用いてホスホアミダイト法にて配列
表に示す配列のオリゴヌクレオチドMUT110(配列番号
3)、MUT120(配列番号4)、MUT130(配列番号5)、
MUT140(配列番号6)、MUT150(配列番号7)を合成し
た。
【0045】鋳型としてpENP120 1ng、プライマーとし
てM13プライマーM4(宝酒造社製)およびMUT110オリゴ
ヌクレオチド各2.5μmol、およびタックDNAポリメラー
ゼ(宝酒造社製)2.5ユニットを、dATP、dCTP、dGTP、d
TTP各200μM、塩化カリウム 50mMおよび塩化マグネシウ
ム 1.5mMを含む100mM トリス−塩酸緩衝液(pH8.3)100
μlに添加し、94℃を30秒、55℃を2分、72℃を3分のサ
イクルを25回繰り返すPCR反応を行った。PCR反応
はサーマルサイクラーPJ2000型(宝酒造社製)を用いて
行った。また別に、鋳型としてプラスミドDNA pENP120
1ng、プライマーとしてM13プライマーRV(宝酒造社製)
およびMUT6プライマー(宝酒造社製)各2.5μmolを用い
て同様にPCR反応を行った。それぞれの反応液をマイ
クロスピンカラムS-400(ファルマシア社製)を用いて
ゲル濾過により精製し、プライマーを除去した。
【0046】それぞれのPCR反応液1μlを、dATP、dC
TP、dGTP、dTTP各200μM、塩化カリウム50mMおよび塩化
マグネシウム 1.5mMを含む100mM トリス−塩酸緩衝液
(pH8.3)95μlに添加し、94℃で10分加熱後、60分間
かけて37℃まで冷却した後、37℃で15分保温しヘテロ二
本鎖を形成させた。これにタックDNAポリメラーゼ2.5ユ
ニットを添加して72℃で3分反応を行い、ヘテロ二本鎖
を完成させた。次に、この反応液にM13プライマーRVお
よびM13プライマーM3各2.5μmolを添加して、94℃を30
秒、55℃を2分、72℃を3分のサイクルを10回繰り返すP
CR反応を行った。
【0047】2回目のPCR反応の生成物をSalI及びEco
RIで切断後フェノール/クロロホルム抽出し、エタノー
ル沈殿した。このDNA断片をSalI及びEcoRIで切断したpU
C19に結合し、得られたプラスミドDNAを用いて常法によ
りエシェリヒア・コリJM109(宝酒造製)を形質転換し
た。これを100μg/mlのアンピシリンを含むL寒天培地
上にプレーティングし、形質転換体を得た。形質転換体
よりアルカリ溶菌法によりプラスミドを調製し、塩基配
列の決定を行い、目的の塩基が置換されていることを確
認した。塩基配列の決定は Taq DyeDeoxy Terminator
Cycle Sequencing Kit(アプライドバイオケミカル社
製)を用い、サンガーらの方法(J. Mol.Biol., 143, 1
61 (1980))に従って行った。このようにしてプロ蛋白
質の92番目のグリシン残基(GGC)がアスパラギン酸残
基(G*A*C)に置換した変異型フォスファターゼをコー
ドする変異型遺伝子を作製した。この変異型遺伝子を含
むプラスミドをpENP130と命名した。
【0048】変異を導入したプラスミドを鋳型として同
様の操作を繰り返し、累加的に部位特異的変異を導入し
た。形質転換体よりアルカリ溶菌法によりプラスミドを
調製し、塩基配列の決定を行い、目的の塩基が置換され
ていることを確認した。作製した変異型フォスファター
ゼをコードする変異型遺伝子と変異部位を表3に示し
た。なお変異部位のアミノ酸残基はシグナルペプチドが
切断される前のプロ蛋白質のアミノ酸配列中のアミノ酸
残基を示している。
【0049】
【表3】
【0050】変異型酸性フォスファターゼ遺伝子を含む
プラスミドを導入したエシェリヒア・コリ JM109/pENP1
70、および野生型酸性フォスファターゼ遺伝子を含むプ
ラスミドを導入したエシェリヒア・コリ JM109/pENP120
を、アンピシリン100μg/mlおよびIPTG 1mMを含むL培
地50mlに接種し、37℃で16時間培養した。それぞれの菌
の培養液2Lから遠心分離により菌体を集め、生理食塩水
で1回洗浄した。菌体を50mlの100mM燐酸バッファー(pH
7.0)に懸濁し、4℃で20分間超音波処理を行い菌体を破
砕した。処理液を遠心分離して不溶性画分を除き、無細
胞抽出液を調製した。それぞれの無細胞抽出液を用いて
燐酸転移反応におけるイノシンに対するKm値を測定し
た。
【0051】ヌクレオシドへの燐酸転移活性の測定は、
イノシンを基質として、次の条件で行った。イノシン40
μmol/ml、ピロ燐酸ナトリウム100μmol/ml、酢酸ナト
リウム緩衝液(pH4.0)100μmol/ml及び酵素を含む反応
液(1ml)でpH4.0、30℃で10分反応を行った。2N塩酸20
0μlを添加して反応を停止した後、遠心分離により沈澱
を除き、燐酸転移反応により生成した5’−イノシン酸
を定量した。この標準反応条件にて1分間に1μmolの
5’−イノシン酸を生成する酵素量を1unitと定めた。
なお、イノシン及び5’−イノシン酸は、高速液体クロ
マトグラフィー(HPLC)により、下記の条件にて分
析した。
【0052】カラム:Cosmosil 5C18-AR (4.6×150m
m)〔ナカライテスク社製品〕 移動相:5mM 燐酸カリウムバッファー(pH 2.8)/メタ
ノール=95/5 流速:1.0ml/min 温度:室温 検出:UV245nm
【0053】上記の組成の反応条件においてイノシン濃
度を10から100μmol/mlまで変化させて燐酸転移活性を
測定し、Hanes-Woolfプロット(Biochem.J., 26,1406
(1932))により燐酸転移反応におけるイノシンの速度定
数を求めた。
【0054】エシェリヒア・コリ JM109/pEPI305で発現
している野生型酵素のKm値は200mMと算出された。一
方、本実施例で作製したエシェリヒア・コリ JM109/pEP
I330で発現している変異型酵素のKm値は40mMと算出さ
れ、新たに構築したエンテロバクター・アエロゲネス由
来変異型酸性フォスファターゼは、イノシンに対するKm
値が大きく低下し、イノシンに対する親和性が向上して
いることが明らかになった。
【0055】
【実施例4】エンテロバクター・アエロゲネス由来変異
型酸性フォスファターゼ遺伝子保持株を用いた5’−グ
アニル酸の生産 <1>酸性フォスファターゼを含む菌体の調製 実施例3で取得したエンテロバクター・アエロゲネス由
来変異型酸性フォスファターゼ遺伝子を導入したエシェ
リヒア・コリ JM109/pENP170を、IPTG 1mMを含むL培地5
0mlに接種し、37℃で16時間培養後、培養液から遠心
分離により集菌し、菌体を取得した。
【0056】<2>グアノシン結晶スラリーの粉砕 グアノシン結晶を水中でスラリーとし、粉砕機(スイス
WAB社製DYNO-MILL)により結晶の粉砕処理を行った。グ
アノシン結晶は、単位重量あたりの比表面積は0.2m2/g
であったものが、粉砕後0.4m2/g以上に増加し、結晶の
微細化が可能であった。なお、比表面積はstokesの抵抗
則に基づく沈降法に従い沈降式粒度分布測定装置(島津
製作所(株)遠心沈降式粒度分布測定装置SA-CP3)で測定
した平均粒経をもとに算出した。
【0057】<3>グアノシンの燐酸化 次に酸性ピロ燐酸29.3g、およびグアノシンの未粉砕結
晶又は粉砕結晶のスラリー7.5g(グアノシン含量として)
を水溶液中で混合して苛性ソーダでpH4.5付近に調整
後、上記菌体を100mg添加して最終液量が100mlとなるよ
うに調製し、30℃で40時間反応を行い、生成した5’−
グアニル酸量を測定した。最大蓄積時の反応成績を表4
に示した。グアノシンの粉砕結晶を基質とした場合、未
粉砕結晶を基質とした場合に比べ良好に燐酸化反応が進
行し、5’−グアニル酸収率が19%向上した。
【0058】
【表4】
【0059】
【発明の効果】本発明により、ヌクレオシドまたはその
前駆体、特に難溶性のヌクレオシドまたはその前駆体を
原料として、ヌクレオシド−5’−燐酸エステルを酵素
反応により効率よく製造することができる。
【0060】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> 味の素株式会社(Ajinomoto Co., Inc.) <120> ヌクレオシド−5’−燐酸エステルの製造法(Method for Producing Nuc leoside-5'-Phosphate Ester) <130> P-7411 <140> <141> 2000-06-23 <160> 7 <170> PatentIn Ver. 2.0
【0061】 <210> 1 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: primer for PCR <400> 1 cctcgaggtc gacggtatcg 20
【0062】 <210> 2 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: primer for PCR <400> 2 gcatatagtg ttctttcgcg c 21
【0063】 <210> 3 <211> 31 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: primer for PCR <400> 3 catacctgag cgcccggcga cgtcgcgaat g 31
【0064】 <210> 4 <211> 25 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: primer for PCR <400> 4 ccatacctct accggttggg caacc 25
【0065】 <210> 5 <211> 36 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: primer for PCR <400> 5 cgtggcaagc aggcgcaggc agatgctaac ctgagc 36
【0066】 <210> 6 <211> 35 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: primer for PCR <400> 6 gcagatgctg acctggccgc cggcgacgtc gcgaa 35
【0067】 <210> 7 <211> 33 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: primer for PCR <400> 7 tcaacctgta acactaaaga ccaggacaag ctg 33
【図面の簡単な説明】
【図1】 グアノシン結晶の比表面積と5’−グアニル
酸の収率との関係を示す図。
【図2】 5’−グアニル酸の収率の反応経時変化を示
す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 阿部 重光 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1−1味の素 株式会社発酵技術研究所内 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA05 BA11 BA80 CA04 DA06 EA04 GA11 HA01 HA20 4B064 AF23 AF24 CA21 CB27 CC03 CC24 CD01 CD02 CD12 DA01 DA10

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヌクレオシドまたはその前駆体の結晶を
    物理的処理により粉砕し、粉砕したヌクレオシドまたは
    その前駆体の結晶を酵素触媒下で燐酸供与体と反応さ
    せ、ヌクレオシドを燐酸化してヌクレオシド−5’−燐
    酸エステルを生成せしめることを特徴とするヌクレオシ
    ド−5’−燐酸エステルの製造法。
  2. 【請求項2】 ヌクレオシドまたはその前駆体の結晶
    を、比表面積が0.4m2/g以上となるように物理的
    処理により粉砕する請求項1記載のヌクレオシド−5’
    −燐酸エステルの製造法。
  3. 【請求項3】 前記酵素が酸性フォスファターゼである
    請求項1又は2に記載のヌクレオシド−5’−燐酸エス
    テルの製造法。
  4. 【請求項4】 前記酸性フォスファターゼは、ヌクレオ
    シドに対する親和性が上昇した酸性フォスファターゼで
    ある請求項3記載のヌクレオシド−5’−燐酸エステル
    の製造法。
  5. 【請求項5】 前記反応をpH3.0〜5.5の条件下
    で行う請求項3又は4に記載のヌクレオシド−5’−燐
    酸エステルの製造法。
  6. 【請求項6】 前記ヌクレオシドがグアノシンである請
    求項1〜5のいずれか一項に記載のヌクレオシド−5’
    −燐酸エステルの製造法。
  7. 【請求項7】 比表面積が0.4m2/g以上であるヌ
    クレオシドまたはその前駆体の結晶を酵素触媒下で燐酸
    供与体と反応させ、ヌクレオシドを燐酸化してヌクレオ
    シド−5’−燐酸エステルを生成せしめることを特徴と
    するヌクレオシド−5’−燐酸エステルの製造法。
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