JP2002000280A - 新規生理活性ペプチドおよびその用途 - Google Patents

新規生理活性ペプチドおよびその用途

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JP2002000280A
JP2002000280A JP2001112830A JP2001112830A JP2002000280A JP 2002000280 A JP2002000280 A JP 2002000280A JP 2001112830 A JP2001112830 A JP 2001112830A JP 2001112830 A JP2001112830 A JP 2001112830A JP 2002000280 A JP2002000280 A JP 2002000280A
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amino acid
leu
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seq
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Tetsuya Otaki
徹也 大瀧
Satoshi Kumano
聡 熊野
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
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Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 新規生理活性ペプチド及びその用途の提供。 【解決手段】 マウス由来の特定のアミノ酸配列と同一
もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有し、かつラ
ット由来の3種類の特定のアミノ酸配列のいずれかと同
一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するガラ
ニンレセプター蛋白質に結合する能力を有するペプチド
もしくはその前駆体又はそのアミドもしくはそのエステ
ル又はその塩に関する。本発明ペプチドをコードするD
NA等は、(i)組換え型レセプター蛋白質の発現系を
用いたレセプター結合アッセイ系の開発と医薬品候補化
合物のスクリーニング、(ii)副作用の少ない、記憶機
能改善剤、食欲改善剤又は子宮、腎臓、前立腺、精巣も
しくは骨格筋における機能調節剤等の医薬の開発等に用
いることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラニン・レセプ
ターに対する活性化因子(リガンドペプチド等)に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ガラニン(galanin)は、ブタ小腸抽出液
中に最初に見出された29アミノ酸残基からなる生理活
性ペプチドであり〔フェブス・レター(FEBS Lett.),
164, pp124-128 (1983)〕、ブタ以外にも、多くの哺乳
類、鳥類、爬虫類、魚類にわたって見出されている。ガ
ラニンのアミノ酸配列は、ヒト(FEBS Lett., 283, pp18
9-194 (1991))、ウシ(FEBS Lett., 234, pp400-406 (19
88))、ラット(J. Biol.Chem., 262, pp 16755-16758 (1
987))、ヒツジ(Peptides, 12, pp855-859 (1991))など
で報告されており、N末端からの15アミノ酸残基は種
間で保存されている。ブタ・ガラニンには、123アミノ
酸残基からなる前駆体蛋白質〔preprogalanin(1-123);
Proc. Natl. Acad. Sci. USA,83, pp6287-6291 (198
6)〕、また、ガラニンに比べてN端に9残基長い前駆体p
reprogalanin(24-61) amide、ガラニンのN端4残基を欠
落したpreprogalanin(37-61) amideが知られている(Pep
tides, 13, pp1055-1060 (1992))。ガラニンの生理作用
としては、脳海馬でのアセチルコリン遊離阻害作用(Br
ain Research, 709, pp81-87 (1996))、脳視床下部で
の節食中枢促進作用(Obesity Research, 3, pp5735-58
95 (1995))、脳下垂体での下垂体ホルモン放出促進作
用(Neuroscience Letter, 75, pp49-54 (1987); Endoc
rinology, 134, pp529-536 (1994); Peptides, 7, pp51
-53, (1986))、膵臓でのインスリン分泌阻害作用(Act
a Physiol. Scand., 139, pp591-596 (1990))などが知
られており、その生理作用はガラニンレセプターを介し
て発揮されるものと考えられている。ガラニン・レセプ
ターには、3種類のサブタイプ(GALR1、GALR2、GALR3)
が存在しており、GALR1についてはヒト、ラットおよび
マウス(Proc. Natl. Acad. Sci. USA , 90, pp3845-38
49 (1993); J. Mol. Neurosci., 6, pp33-41 (1995);FE
BS Lett., 411, pp225-230 (1997))、GALR2 について
はラット(FEBS Lett.,405, pp285-290 (1997); Mol. Ph
armacol., 52, pp337-343 (1997); J. Biol.Chem., 27
2, pp24612-24616 (1997))、GALR3についてはラット(J.
Biol. Chem.,272, pp31949-31952 (1997))の各遺伝子
がクローニングされている。また、これら3種類のガラ
ニン・レセプターは、Gタンパク質共役型レセプターに
特徴的な7個の疎水的領域(膜貫通ドメイン)を有して
おり、Gタンパク質を活性化することにより細胞内情報
伝達系を刺激するものと考えられる。ガラニンは、これ
ら3種類のいずれのサブタイプのガラニン・レセプター
とも結合することが確認されている。ガラニンの結合親
和性はGALR1に対して最も強く、次いでGALR2、GALR3の
順に強く、GALR3に対する親和性はGALR1に対する親和性
に比べて約10倍弱い(J. Biol. Chem. 272, 31949-31
952, 1997)。また、ガラニンは、GALR1発現細胞ではcA
MPの産生阻害を引き起こすこと(Proc. Natl.Acad. Sc
i. USA 90, 3845-3849, 1993)、GALR2発現細胞ではcAM
Pの産生阻害を引き起こすこと(Mol. Pharmacol., 52,
pp337-343 (1997))、イノシトール・りん酸代謝系の亢
進や細胞内カルシウムイオン濃度の上昇を引き起こすこ
と(J.Biol. Chem. 272, 24612-24616, 1997)が報告さ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来、G蛋白質共役型
レセプターと生理活性物質(即ち、リガンド)との結合
を阻害する物質や、結合して生理活性物質(即ち、リガ
ンド)と同様なシグナル伝達を引き起こす物質は、これ
らレセプターの特異的なアンタゴニストまたはアゴニス
トとして、生体機能を調節する医薬品として活用されて
きた。従って、このように生体内での生理発現において
重要であるばかりでなく、医薬品開発の標的ともなりう
るG蛋白質共役型レセプター蛋白質を新規に見出し、そ
の新規G蛋白質共役型レセプター蛋白質の特異的リガン
ドを見出すことは、アゴニスト、アンタゴニストを見出
す際に、非常に重要な手段となる。さらにその際、レセ
プターの生理機構を明らかにするため、ヒトレセプター
遺伝子あるいはリガンド遺伝子に対する例えばマウス等
のカウンターパート遺伝子を取得し、その遺伝子産物の
蛋白化学的諸性質、生物学的諸活性を検索し、また動物
体内での質的、量的動態や生理機構を詳細に調べて、ヒ
トにおける機能を推定することは、有効な医薬を創製す
る上でも重要な事柄である。さらに候補となるアゴニス
ト、アンタゴニストを選択する際に、種差の有無を認識
しながら、候補化合物を選定、決定することは、医薬品
の創製上欠くべからざる項目となっている。本発明は、
上記のように、有用なガラニンレセプターに対する特異
的なヒト由来のリガンド(WO99/48920号)
の、マウスホモログリガンド(以下、「本発明のペプチ
ド」と称する場合がある)を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ガラニン
・レセプターGALR2発現細胞およびガラニン・レセプタ
ーGALR1発現細胞を構築し、これらを用いることによ
り、ガラニン・レセプターのそれぞれのサブタイプに対
するアゴニスト活性を測定する簡便なアッセイ法、即
ち、[35S]GTPγS結合試験法を完成した。このアッセ
イ法により、GALR2アゴニストをスクリーニングした結
果、 ガラニン・レセプターのそれぞれのサブタイプに
対する活性化作用がガラニンとは異なる、マウス由来の
新規活性化因子を見出すことに成功した。さらに、本発
明者らは、この知見に基づきこの新規活性化因子とガラ
ニン・レセプターとの結合性を変化させる化合物のスク
リーニングが可能であることを見出した。すなわち、本
発明は、(1)配列番号:1で表されるアミノ酸配列と
同一または実質的に同一のアミノ酸配列を含有すること
を特徴とするペプチドもしくはその前駆体またはそのア
ミドもしくはそのエステルまたはその塩、(2)配列番
号:2で表されるアミノ酸配列と同一または実質的に同
一のアミノ酸配列を含有することを特徴とする上記
(1)記載の前駆体、(3)上記(1)記載のペプチド
もしくは前駆体をコードするDNAを含有するDNA、
(4)配列番号:3または配列番号:20で表される塩
基配列を含有する上記(3)記載のDNA、(5)上記
(3)記載のDNAを含有する組み換えベクター、
(6)上記(5)記載の組み換えベクターで形質転換さ
れた形質転換体、(7)上記(6)記載の形質転換体を
培養し、上記(1)に記載のペプチドもしくは前駆体ま
たはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩を生
成・蓄積せしめることを特徴とする、上記(1)に記載
のペプチドもしくは前駆体またはそのアミドもしくはそ
のエステルまたはその塩の製造方法、(8)上記(1)
記載のペプチドもしくは前駆体に対する抗体、(9)上
記(8)記載の抗体を含有してなる医薬、(10)上記
(8)記載の抗体を含有してなる診断薬、(11)上記
(1)記載のペプチドもしくは前駆体またはそのアミド
もしくはそのエステルまたはその塩を含有してなる医
薬、(12)記憶機能改善剤、食欲調節剤、子宮機能調
節剤、腎臓機能調節剤、前立腺機能調節剤、精巣機能調
節剤または骨格筋機能調節剤である上記(11)記載の
医薬、(13)上記(1)記載のペプチドもしくはその
前駆体またはそのアミドもしくはそのエステルまたはそ
の塩を用いることを特徴とする、配列番号:11、配列
番号:12または配列番号:13で表わされるアミノ酸
配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有
するレセプター蛋白質に対するアゴニストまたはアンタ
ゴニストのスクリーニング方法、(14)上記(13)
記載のスクリーニング方法によって得られる化合物また
はその塩、(15)上記(14)記載の化合物またはそ
の塩を含有する記憶機能改善剤、食欲調節剤、子宮機能
調節剤、腎臓機能調節剤、前立腺機能調節剤、精巣機能
調節剤または骨格筋機能調節剤、(16)記憶機能改善
作用、食欲調節作用、子宮機能調節作用、腎臓機能調節
作用、前立腺機能調節作用、精巣機能調節作用または骨
格筋機能調節作用を有する医薬を製造するための上記
(1)記載のペプチドもしくはその前駆体またはそのア
ミドもしくはそのエステルまたはその塩、上記(3)
記載のDNA、または上記(8)記載の抗体の使用、
および(17)上記(1)記載のペプチドもしくはそ
の前駆体またはそのアミドもしくはそのエステルまたは
その塩、上記(3)記載のDNA、または上記
(8)記載の抗体を哺乳動物に投与することを特徴とす
る記憶機能改善、食欲調節、子宮機能調節、腎臓機能調
節、前立腺機能調節、精巣機能調節または骨格筋機能調
節方法などに関する。
【0005】
【発明の実施の形態】本明細書において、「実質的に同
一」とは蛋白質の活性、例えばレセプターに対するアゴ
ニスト活性、即ち、リガンドの有するレセプターを活性
化させる活性、リガンドのレセプターへの結合活性など
が、実質的に同じことを意味する。アミノ酸の置換、欠
失、付加あるいは挿入は、しばしばペプチドの生理的な
特性や化学的な特性に大きな変化をもたらさないが、こ
うした場合その置換、欠失、付加あるいは挿入を施され
たペプチドは、そうした置換、欠失、付加あるいは挿入
のされていないものと実質的に同一であるとされるであ
ろう。該アミノ酸配列中のアミノ酸の実質的に同一な置
換物としては、例えば、そのアミノ酸が属するクラスの
うちの他のアミノ酸類から選ぶことができる。非極性
(疎水性)アミノ酸としては、アラニン、ロイシン、イ
ソロイシン、バリン、プロリン、フェニルアラニン、ト
リプトファン、メチオニンなどがあげられる。極性(中
性)アミノ酸としてはグリシン、セリン、スレオニン、
システイン、チロシン、アスパラギン、グルタミンなど
があげられる。陽電荷をもつ(塩基性)アミノ酸として
はアルギニン、リジン、ヒスチジンなどがあげられる。
負電荷をもつ(酸性)アミノ酸としては、アスパラギン
酸、グルタミン酸などがあげられる。本発明のペプチド
は、ガラニンレセプターに対して結合能を有するペプチ
ドである。好ましくはガラニンレセプターに対する活性
化作用を有し、公知のガラニン以外のリガンドペプチド
である。なお、ガラニンレセプターについては後述のと
おりである。
【0006】本発明のペプチドとしては、例えば、配列
番号:1で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質
的に同一のアミノ酸配列を含有し、かつ配列番号:1
1、配列番号:12または配列番号:13で表されるア
ミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列
を含有するレセプター蛋白質に対する結合する能力(好
ましくはレセプター蛋白質を活性化する能力など)を有
するペプチド等があげられる。なお、配列番号:11は
ラット型のGALR1(ガラニンレセプター・タイプ
1)の全アミノ酸配列を、配列番号:12はラット型の
GALR2(ガラニンレセプター・タイプ2)の全アミ
ノ酸配列を、配列番号:13はラット型のGALR3
(ガラニンレセプター・タイプ3)の全アミノ酸配列を
示す。
【0007】本発明のペプチド、その製造法および用途
を以下にさらに詳細に説明する。本発明の上記ペプチド
の由来はマウスであり、その組織(例えば、下垂体、膵
臓、脳、腎臓、肝臓、生殖腺、甲状腺、胆のう、骨髄、
副腎、皮膚、筋肉、肺、消化管、血管、心臓、精巣な
ど)または細胞などに由来するペプチドであってもよ
く、また合成ペプチドであってもよい。例えば、本発明
のペプチドとしては、配列番号:1で表わされるアミノ
酸配列と約90%以上(好ましくは95%以上、より好
ましくは98%以上)の相同性を有するアミノ酸配列を
含有するペプチドなどがあげられる。
【0008】「実質的に同質の活性」としては、例えば
ガラニン・レセプターGALR1、GALR2またはGALR3に結合
する活性、ガラニン・レセプターGALR1、GALR2またはGA
LR3を活性化する活性、またはそれに伴い引き起こされ
るアラキドン酸遊離、細胞内Ca 2+遊離、細胞内cAMP生成
阻害、イノシトールリン酸産生(阻害)、細胞膜電位変
動、細胞内蛋白質の燐酸化、細胞内pHの変化などのシグ
ナル伝達活性系を活性化させる能力において同質である
ことを示す。従って、これら活性の強弱やペプチドの分
子量などの量的要素は異なっていてもよい。本発明のペ
プチドとして具体的には、次のようなものがあげられ
る。配列番号:1で表されるアミノ酸配列もしくはその
部分配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を
含有するペプチドもしくはその部分ペプチドに対して、
1もしくは複数個のアミノ酸が置換、欠失、付加あるい
は挿入されているアミノ酸配列を含有するペプチドは実
質的に同一のアミノ酸配列を含有するペプチドとしてあ
げられる。例えば、(1)配列番号:1で表されるアミ
ノ酸配列もしくはその部分配列中の1個以上10個以
下、好ましくは1個以上5個以下、より好ましくは1個
以上3個以下のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、
(2)配列番号:1で表されるアミノ酸配列もしくはそ
の部分配列に1個以上10個以下、好ましくは1個以上
5個以下、より好ましくは1個以上3個以下のアミノ酸
が付加した(または挿入された)アミノ酸配列、(3)
配列番号:1で表されるアミノ酸配列もしくはその部分
配列中の1個以上10個以下、好ましくは1個以上5個
以下、より好ましくは1個以上3個以下のアミノ酸が他
のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列を含有するペプチ
ドなどがあげられる。「実質的に同質のアミノ酸配列」
としては、その配列と90%以上、より好ましくは95
%以上、さらに好ましくは98%以上の相同性を有する
アミノ酸配列があげられる。
【0009】本明細書におけるペプチドは、ペプチド標
記の慣例に従って左端がN末端(アミノ末端)、右端が
C末端(カルボキシル末端)である。本発明のペプチド
は、C末端が通常カルボキシル基(−COOH)または
カルボキシレート(−COO)であるが、C末端がア
ミド(−CONH)またはエステル(−COOR)で
あってもよい。エステルのRとしては、例えばメチル、
エチル、n−プロピル、イソプロピルもしくはn−ブチ
ルなどのC1−6アルキル基、シクロペンチル、シクロ
ヘキシルなどのC3−8シクロアルキル基、フェニル、
α−ナフチルなどのC6−12アリール基、ベンジル、
フェネチル、ベンズヒドリルなどのフェニル−C1−2
アルキル、もしくはα−ナフチルメチルなどのα−ナフ
チル−C1−2アルキルなどのC7−14アラルキル基
のほか、経口用エステルとして汎用されるピバロイルオ
キシメチル基などがあげられる。本発明のペプチドがC
末端以外にカルボキシル基またはカルボキシレートを有
している場合、それらの基がアミド化またはエステル化
されているものも本発明のペプチドに含まれる。この時
のエステルとしては、例えば上記したC末端のエステル
と同様なエステルなどが用いられる。
【0010】本発明のペプチドの塩としては、生理学的
に許容される塩基(例えばアルカリ金属など)や酸(有
機酸、無機酸)との塩が用いられるが、とりわけ生理学
的に許容される酸付加塩が好ましい。このような塩とし
ては例えば無機酸(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素
酸、硫酸)との塩、あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ
酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、
酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、シュウ酸、安息香酸、メ
タンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸)との塩などが用
いられる。本発明のペプチドは、ヒトや温血動物の組織
または細胞からペプチドを精製する方法によって製造す
ることもできるし、後述のペプチド合成法に準じて製造
することもできる。また、本発明のペプチドは、それを
コードするDNAを含有する形質転換体を培養すること
によっても製造することができる。該ペプチドをコード
するDNAは、公知のクローニング方法〔例えば、Mole
cular Cloning(2nd ed.;J. Sambrook et al., Cold
Spring Harbor Lab. Press, 1989)に記載の方法など〕
に従って作成することができる。該クローニング方法と
は、(1)該ペプチドのアミノ酸配列に基づきデザイン
したDNAプローブまたはDNAプライマーを用い、c
DNAライブラリーからハイブリダイゼーション法によ
り該ペプチドをコードするDNAを含有する形質転換体
を得る方法、または(2)該ペプチドのアミノ酸配列に
基づきデザインしたDNAプライマーを用い、PCR法
により該ペプチドをコードするDNAを含有する形質転
換体を得る方法があげられる。本発明のペプチドをヒト
や温血動物の組織または細胞から製造する場合、ヒトや
温血動物の組織または細胞をホモジナイズした後、酸、
またはアルコールなどで抽出を行い、該抽出液を、塩
析、透析、ゲル濾過、逆相クロマトグラフィー、イオン
交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラ
フィーなどのクロマトグラフィーを組み合わせることに
より精製単離することができる。
【0011】上記したように本発明のペプチドは、
(1)自体公知のペプチドの合成法に従って、または
(2)本発明のペプチドを含有するペプチドを適当なペ
プチダーゼで切断することによって製造することができ
る。ペプチドの合成法としては、例えば固相合成法、液
相合成法のいずれによっても良い。すなわち、本発明の
ペプチドを構成し得る部分ペプチドもしくはアミノ酸と
残余部分とを縮合させ、生成物が保護基を有する場合は
保護基を脱離することにより目的のペプチドを製造する
ことができる。公知の縮合方法や保護基の脱離としては
たとえば、以下の〜に記載された方法があげられ
る。 M. Bodanszky および M.A. Ondetti、ペプチド シン
セシス (Peptide Synthesis), Interscience Publisher
s, New York (1966年) SchroederおよびLuebke、ザ ペプチド(The Peptide),
Academic Press, New York (1965年) また、反応後は通常の精製法、例えば、溶媒抽出、蒸
留、カラムクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィ
ー、再結晶などを組み合わせて本発明のペプチドを精製
単離することができる。上記方法で得られるペプチドが
遊離体である場合は、公知の方法によって適当な塩に変
換することができ、逆に塩で得られた場合は、公知の方
法によって遊離体に変換することができる。
【0012】本発明のペプチドのアミド体は、アミド形
成に適した市販のペプチド合成用樹脂を用いることがで
きる。そのような樹脂としては例えば、クロロメチル樹
脂、ヒドロキシメチル樹脂、ベンズヒドリルアミン樹
脂、アミノメチル樹脂、4−ベンジルオキシベンジルア
ルコール樹脂、4−メチルベンズヒドリルアミン樹脂、
PAM樹脂、4−ヒドロキシメチルメチルフェニルアセト
アミドメチル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、4−
(2',4'-ジメトキシフェニル−ヒドロキシメチル)フ
ェノキシ樹脂、4−(2',4'-ジメトキシフェニル−Fm
ocアミノエチル)フェノキシ樹脂などをあげることがで
きる。このような樹脂を用い、α−アミノ基と側鎖官能
基を適当に保護したアミノ酸を、目的とするペプチドの
配列通りに、自体公知の各種縮合方法に従い、樹脂上で
縮合させる。反応の最後に樹脂からペプチドを切り出す
と同時に各種保護基を除去し、必要に応じて高希釈溶液
中で分子内ジスルフィド結合形成反応を実施し、目的の
ペプチドを取得する。上記した保護されたアミノ酸の縮
合に関しては、ペプチド合成に使用できる各種活性化試
薬を用いることができるが、特に、カルボジイミド類が
よい。カルボジイミド類としてはDCC、N,N'-ジイソプロ
ピルカルボジイミド、N-エチル-N'-(3-ジメチルアミノ
プロリル)カルボジイミドなどがあげられる。これらに
よる活性化にはラセミ化抑制添加剤(例えば、HOBt、HO
OBtなど)とともに保護されたアミノ酸を直接樹脂に添加
するかまたは、対称酸無水物またはHOBtエステルあるい
はHOOBtエステルとしてあらかじめ保護されたアミノ酸
の活性化を行ったのちに樹脂に添加することができる。
保護されたアミノ酸の活性化や樹脂との縮合に用いられ
る溶媒としては、ペプチド縮合反応に使用しうることが
知られている溶媒から適宜選択されうる。たとえばN,
N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトア
ミド、N−メチルピロリドンなどの酸アミド類、塩化メ
チレン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類、ト
リフルオロエタノールなどのアルコール類、ジメチルス
ルホキシドなどのスルホキシド類、ピリジンなどの三級
アミン類、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエー
テル類、アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニト
リル類、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類ある
いはこれらの適宜の混合物などが用いられる。反応温度
はペプチド結合形成反応に使用され得ることが知られて
いる範囲から適宜選択され、通常約−20℃〜約50℃
の範囲から適宜選択される。活性化されたアミノ酸誘導
体は通常約1.5ないし約4倍過剰で用いられる。ニン
ヒドリン反応を用いたテストの結果、縮合が不十分な場
合には保護基の脱離を行うことなく縮合反応を繰り返す
ことにより十分な縮合を行うことができる。反応を繰り
返しても十分な縮合が得られないときには、無水酢酸ま
たはアセチルイミダゾールを用いて未反応アミノ酸をア
セチル化して、後の反応に影響を及ぼさないようにする
ことができる。原料アミノ酸のアミノ基の保護基として
は、たとえば、Z、Boc、ターシャリーペンチルオキシ
カルボニル、イソボルニルオキシカルボニル、4−メト
キシベンジルオキシカルボニル、Cl-Z、Br-Z、アダマン
チルオキシカルボニル、トリフルオロアセチル、フタロ
イル、ホルミル、2−ニトロフェニルスルフェニル、ジ
フェニルホスフィノチオイル、Fmocなどがあげられる。
カルボキシル基の保護基としては、たとえばRとして上
記したC1−6アルキル基、C3−8シクロアルキル
基、C7−14アラルキル基の他、2−アダマンチル、
4−ニトロベンジル、4−メトキシベンジル、4−クロ
ロベンジル、フェナシル基およびベンジルオキシカルボ
ニルヒドラジド、ターシャリーブトキシカルボニルヒド
ラジド、トリチルヒドラジドなどがあげられる。セリン
およびスレオニンの水酸基は、たとえばエステル化また
はエーテル化によって保護することができる。このエス
テル化に適する基としては例えばアセチル基などの低級
(C1−6)アルカノイル基、ベンゾイル基などのアロ
イル基、ベンジルオキシカルボニル基、エトキシカルボ
ニル基などの炭酸から誘導される基などがあげられる。
また、エーテル化に適する基としては、たとえばベンジ
ル基、テトラヒドロピラニル基、ターシャリーブチル基
などである。チロシンのフェノール性水酸基の保護基と
しては、たとえばBzl、Cl-Bzl、2−ニトロベンジ
ル、Br-Z、ターシャリーブチルなどがあげられる。ヒス
チジンのイミダゾールの保護基としては、Tos、4-メト
キシ-2,3,6-トリメチルベンゼンスルホニル、DNP、ベン
ジルオキシメチル、Bum、Boc、Trt、Fmocなどがあげら
れる。原料のカルボキシル基の活性化されたものとして
は、たとえば対応する酸無水物、アジド、活性エステル
[アルコール(たとえば、ペンタクロロフェノール、2,
4,5-トリクロロフェノール、2,4-ジニトロフェノール、
シアノメチルアルコール、パラニトロフェノール、HON
B、N-ヒドロキシスクシミド、N-ヒドロキシフタルイミ
ド、HOBt)とのエステル]などがあげられる。原料のア
ミノ基の活性化されたものとしては、たとえば対応する
リン酸アミドがあげられる。保護基の除去(脱離)方法
としては、たとえばPd黒あるいはPd炭素などの触媒の存
在下での水素気流中での接触還元や、また、無水フッ化
水素、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン
酸、トリフルオロ酢酸あるいはこれらの混合液などによ
る酸処理や、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチル
アミン、ピペリジン、ピペラジンなどによる塩基処理、
また液体アンモニア中ナトリウムによる還元などもあげ
られる。上記酸処理による脱離反応は一般に−20℃〜
40℃の温度で行われるが、酸処理においてはアニソー
ル、フェノール、チオアニソール、メタクレゾール、パ
ラクレゾール、ジメチルスルフィド、1,4-ブタンジチオ
ール、1,2-エタンジチオールのようなカチオン捕捉剤の
添加が有効である。また、ヒスチジンのイミダゾール保
護基として用いられる2,4-ジニトロフェニル基はチオフ
ェノール処理により除去され、トリプトファンのインド
ール保護基として用いられるホルミル基は上記の1,2-エ
タンジチオール、1,4-ブタンジチオールなどの存在下の
酸処理による脱保護以外に、希水酸化ナトリウム、希ア
ンモニアなどによるアルカリ処理によっても除去され
る。
【0013】原料の反応に関与すべきでない官能基の保
護および保護基、ならびにその保護基の脱離、反応に関
与する官能基の活性化などは公知の基あるいは公知の手
段から適宜選択しうる。本発明のペプチドのアミド体を
得る別の方法としては、まず、カルボキシル末端アミノ
酸のα−カルボキシル基をアミド化した後、アミノ基側
にペプチド鎖を所望の鎖長まで延ばした後、該ペプチド
鎖のN末端のα−アミノ基の保護基のみを除いたペプチ
ドとC末端のカルボキシル基の保護基のみを除いたペプ
チド(またはアミノ酸)とを製造し、この両ペプチドを
上記したような混合溶媒中で縮合させる。縮合反応の詳
細については上記と同様である。縮合により得られた保
護ペプチドを精製した後、上記方法によりすべての保護
基を除去し、所望の粗ペプチドを得ることができる。こ
の粗ペプチドは既知の各種精製手段を駆使して精製し、
主要画分を凍結乾燥することで所望のペプチドのアミド
体を得ることができる。本発明のペプチドのエステル体
を得るにはカルボキシ末端アミノ酸のα−カルボキシル
基を所望のアルコール類と縮合しアミノ酸エステルとし
た後、ペプチドのアミド体と同様にして所望のペプチド
のエステル体を得ることができる。本発明のペプチドと
しては、上記した配列番号:1で表されるアミノ酸配列
もしくはその部分配列と同一もしくは実質的に同一のア
ミノ酸配列を含有するペプチドと同様の作用(例、GALR
1アゴニスト活性、GALR2アゴニスト活性またはGALR3ア
ゴニスト活性など)を有しているものであれば、どのよ
うなペプチドであってもよい。このようなペプチドとし
てはたとえば、上記した配列番号:1で表されるアミノ
酸配列もしくはその部分配列、から1ないし5個以下の
アミノ酸が欠失、付加(挿入)または置換したアミノ酸
配列を有するペプチドをあげることができる。本発明の
ペプチドの前駆体とは、本発明のリガンドペプチドをそ
の部分配列としてコードするペプチドであればいかなる
ものであってもよい。
【0014】本発明のペプチドの前駆体として、具体的
には、例えば、配列番号:2で表されるアミノ酸配列と
同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するペ
プチド(またはポリペプチド)などがあげられる。ここ
で、「実質的に同一のアミノ酸配列」としては、配列番
号:2で表されるアミノ酸配列と80%以上、より好ま
しくは90%以上、さらに好ましくは95%以上、最も
好ましくは98%以上の相同性を有するアミノ酸配列な
どがあげられる。また、「実質的に同一のアミノ酸配
列」としては、(i)配列番号:2で表されるアミノ酸配
列中の1個以上20個以下、好ましくは1個以上10個
以下、より好ましくは1個以上5個以下のアミノ酸が他
のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列、(ii) 配列番
号:2で表されるアミノ酸配列中の1個以上20個以
下、好ましくは1個以上10個以下、より好ましくは1
個以上5個以下のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、(i
ii) 配列番号:2で表されるアミノ酸配列に1個以上2
0個以下、好ましくは1個以上10個以下、より好まし
くは1個以上5個以下のアミノ酸が付加(または挿入)
したアミノ酸配列などがあげられる。「置換、欠失、付
加(または挿入)」の位置は本発明のリガンドペプチド
をその部分配列としてコードする領域以外であれば、特
に限定はされない。配列番号:2で表されるアミノ酸配
列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有す
るペプチド(またはポリペプチド)の具体例としては、
例えば、配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有
し、(i)配列番号:2で表されるアミノ酸配列中の1個
以上20個以下、好ましくは1個以上10個以下、より
好ましくは1個以上5個以下のアミノ酸が他のアミノ酸
で置換されたアミノ酸配列、(ii) 配列番号:2で表さ
れるアミノ酸配列中の1個以上20個以下、好ましくは
1個以上10個以下、より好ましくは1個以上5個以下
のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、(iii) 配列番号:
2で表されるアミノ酸配列に1個以上20個以下、好ま
しくは1個以上10個以下、より好ましくは1個以上5
個以下のアミノ酸が付加(または挿入)したアミノ酸配
列を有するペプチド(またはポリペプチド)などがあげ
られる。本発明のペプチドは、さらに抗リガンドペプチ
ド抗体の調製のための抗原として用いることができる。
このような抗原としてのペプチドは上記した本発明のペ
プチドの他に、例えば、上記本発明のペプチドのN末端
ペプチド、C末端ペプチド、中央部分のペプチドなどの
部分ペプチドなどが用いられる。部分ペプチドとして
は、本発明ペプチドの個々のドメインを個別に含むペプ
チドも用い得るが、複数のドメインを同時に含む部分の
ペプチドでも良い。また、上記の部分ペプチドは、抗リ
ガンドペプチド抗体の調製のための抗原として用いるこ
とができればよいため、(i)上記本発明のペプチドのN
末端ペプチド、C末端ペプチド、中央部分のペプチドな
どの部分ペプチドに1ないし数個(好ましくは1ないし
5個,より好ましくは1または2個)の他のアミノ酸残
基が付加(または挿入)した部分ペプチド、(ii)上記本
発明のペプチドのN末端ペプチド、C末端ペプチド、中
央部分のペプチドなどの部分ペプチドから1ないし数個
(好ましくは1ないし5個,より好ましくは1または2
個)のアミノ酸残基が欠失した部分ペプチド、(iii)
上記本発明のペプチドのN末端ペプチド、C末端ペプチ
ド、中央部分のペプチドなどの部分ペプチドの構成アミ
ノ酸の1ないし数個(好ましくは1ないし5個,より好
ましくは1または2個)が他のアミノ酸残基で置換され
た部分ペプチドなども含まれる。
【0015】上記の部分ペプチドとしてより具体的に
は、例えば、配列番号:1で表されるアミノ酸配列のN
末端から第24番目(Pro)〜第30番目(Asp)
からなる部分アミノ酸配列、第32番目(Gly)〜第
37番目(Ser)からなる部分アミノ酸配列、第55
番目(His)〜第60番目(Thr)からなる部分ア
ミノ酸配列を含有するペプチドなどがあげられる。本明
細書における部分ペプチドもC末端がアミド(-CONH)
またはエステル(-COOR)であってもよい。ここでエステ
ル基の例としては上記したペプチドの場合と同様であ
る。該部分ペプチドがC末端以外にカルボキシル基また
はカルボキシレートを有している場合、それらの基がア
ミド化またはエステル化されているものも本発明の部分
ペプチドに含まれる。この時のエステルとしては、例え
ば、上記したC末端のエステルなどが用いられる。本発
明のペプチドの部分ぺプチドはそれ自体で本発明のペプ
チドが有する活性(例えば、ガラニンレセプターに対す
る活性化作用など)を有していてもよい。本発明のペプ
チドまたはその部分ペプチドは、さらに、機能あるいは
性質がよく知られているタンパク質との融合タンパク質
であってもよい。
【0016】本発明のペプチドの部分ペプチドの塩とし
ては、前述のペプチドの塩と同様のものが用いられる。
本発明のペプチドの部分ペプチドまたはそのアミド、エ
ステルもしくはその塩は、上記したペプチドの場合と同
様の合成法に従って、あるいは本発明のペプチドを適当
なペプチダーゼで切断することによって製造することが
できる。本発明のペプチドをコードするDNAとして
は、例えば、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と
同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有し、好
ましくは、さらに配列番号:11、配列番号:12また
は配列番号:13で表されるアミノ酸配列と同一もしく
は実質的に同一のアミノ酸配列を含有するレセプター蛋
白質に対する結合する能力(好ましくはレセプター蛋白
質を活性化する能力など)を有するペプチドなどをコー
ドする塩基配列を含有するDNAを含有するDNAであ
ればいかなるものであってもよい。さらには上記に具体
的に記載された本発明のペプチドをコードするDNAを
含有するDNAであればいかなるものであっていてもよ
い。また、ゲノムDNA、ゲノムDNAライブラリー、
前記した組織・細胞由来のcDNA、前記した組織・細
胞由来のcDNAライブラリー、合成DNAのいずれで
もよい。ライブラリーに使用するベクターはバクテリオ
ファージ、プラスミド、コスミド、ファージミドなどい
ずれであってもよい。また、前記した組織・細胞よりR
NA画分を調製したものを用いて直接Reverse Transcri
ptase Polymerase Chain Reaction (以下、RT-PCR
法と略称する)によって増幅することもできる。より具
体的には、(1)配列番号:1で表されるアミノ酸配列と
同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するペ
プチドをコードするDNAを含有するDNA (2)ストリ
ンジェントな条件下で(1)で規定された配列とハイブリ
ダイズする哺乳動物由来のDNA、(3)遺伝コードの縮
重のため(1)および(2)に定められている配列とハイブリ
ッド形成しないが、同一アミノ酸配列をもつポリペプチ
ドをコードするDNAなどが用いられる。ハイブリダイ
ゼーションは、自体公知の方法あるいはそれに準じた方
法に従って行うことができる。上記ストリンジェントな
条件としては、例えば42℃、50%ホルムアミド、4
×SSPE(1×SSPE=150mM NaCl,10mM NaHPO
・HO, 1mM EDTA pH7.4)、5×デンハート溶液、0.1
%SDSである。配列番号:1で表されるアミノ酸配列
と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する
ペプチドをコードするDNAを含有するDNAの具体例
としては、配列番号:3で表される塩基配列を含有する
DNAなどがあげられる。また、本発明のペプチドまた
はその部分ペプチドをコードするDNAの中で例えば1
個以上40個以下(好ましくは1個以上30個以下、さ
らに好ましくは1個以上20個以下)の部分塩基配列を
含有するDNA断片はDNA検出プローブとしても好ま
しく用いられる。本発明のペプチドの前駆体をコードす
るDNAとしては、上記の本発明のペプチドの前駆体、
具体的には、配列番号:2で表わされるアミノ酸配列と
同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するペ
プチド(ポリペプチド)などをコードするDNAを含有
するDNAであればいかなるものであってもよい。配列
番号:2で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的
に同一のアミノ酸配列を含有するペプチド(ポリペプチ
ド)をコードするDNAを含有するDNAの具体例とし
ては、配列番号:20で表されるDNAを含有するDN
Aなどがあげられる。
【0017】本発明のペプチドなどをコードするDNA
は、以下の遺伝子工学的手法によっても製造することが
できる。 該遺伝子工学的手法は、例えば Molecular Cl
oning(2nd ed.;J. Sambrook et al., Cold Spring H
arbor Lab. Press, 1989)に記載の方法などがあげられ
る。また、市販のライブラリーやキットを使用する場合
には、添付の使用説明書に記載の方法に従って行えばよ
い。本発明のペプチドなどをコードするDNAは、その
ペプチドのアミノ酸配列またはその一部に基づきDNA
断片を合成し標識したプローブを、ゲノムDNAまたは
cDNAのライブラリー等とハイブリダイゼーションに
することよって選別することができる。本発明のペプチ
ドなどを完全にコードするDNAのクローニングの手段
としては、本発明のペプチドの部分塩基配列を有する合
成DNAプライマーを用いて、自体公知のPCR法によ
ってゲノムDNAまたはcDNAのライブラリー等から
目的とするDNAを増幅するか、または適当なベクター
に組み込んだDNAを例えば本発明のペプチドなどの一
部あるいは全領域を有するDNA断片もしくは合成DN
Aを用いて標識したものとのハイブリダイゼーションに
よって選別することができる。クローン化された本発明
のペプチドなどをコードするDNAは目的によりそのま
ま、または所望により制限酵素で消化したり、リンカー
を付加したりして使用することができる。該DNAはそ
の5’末端側に翻訳開始コドンとしてのATGを有し、
また3’末端側には翻訳終止コドンとしてのTAA、T
GAまたはTAGを有していてもよい。これらの翻訳開
始コドンや翻訳終止コドンは、適当な合成DNAアダプ
ターを用いて付加することもできる。本発明のペプチド
などの発現ベクターは、例えば、(イ)本発明のペプチ
ドをコードするDNAから目的とするDNA断片を切り
出し、(ロ)該DNA断片を適当な発現ベクター中のプ
ロモーターの下流に連結することにより製造することが
できる。ベクターとしては、大腸菌由来のプラスミド
(例、pBR322,pBR325,pUC12,pU
C13)、枯草菌由来のプラスミド(例、pUB11
0,pTP5,pC194)、酵母由来プラスミド
(例、pSH19,pSH15)、λファージなどのバ
クテリオファージ、レトロウイルス,ワクシニアウイル
ス,バキュロウイルスなどの動物ウイルスなどが用いら
れる。
【0018】本発明で用いられるプロモーターとして
は、遺伝子の発現に用いる宿主に対応して適切なプロモ
ーターであればいかなるものでもよい。形質転換する際
の宿主が動物細胞である場合には、SV40由来のプロ
モーター、レトロウイルスのプロモーター、メタロチオ
ネインプロモーター、ヒートショックプロモーター、サ
イトメガロウイルスプロモーター、SRαプロモーター
などが利用できる。宿主がエシェリヒア属菌である場合
は、trpプロモーター、T7プロモーター、lacプ
ロモーター、recAプロモーター、λPLプロモータ
ー、lppプロモーターなどが、宿主がバチルス属菌で
ある場合は、SPO1プロモーター、SPO2プロモー
ター、penPプロモーターなど、宿主が酵母である場
合は、PHO5プロモーター、PGKプロモーター、G
APプロモーター、ADH1プロモーター、GALプロ
モーターなどが好ましい。宿主が昆虫細胞である場合
は、ポリヘドリンプロモーター、P10プロモーターな
どが好ましい。発現ベクターには、以上の他に、所望に
よりエンハンサー、スプライシングシグナル、ポリA付
加シグナル、選択マーカー、SV40複製オリジン(以
下、SV40oriと略称する場合がある)などを含有
しているものを用いることができる。選択マーカーとし
ては、例えば、ジヒドロ葉酸還元酵素(以下、dhfr
と略称する場合がある)遺伝子〔メソトレキセート(M
TX)耐性〕、アンピシリン耐性遺伝子(以下、Amp
と略称する場合がある)、ネオマイシン耐性遺伝子
(以下、Neoと略称する場合がある、G418耐
性)等があげられる。特に、CHO(dhfr)細胞
を用いてDHFR遺伝子を選択マーカーとして使用する
場合、チミジンを含まない培地によっても選択できる。
また、必要に応じて、宿主に合ったシグナル配列を、ペ
プチドまたはその部分ペプチドのN末端側に付加する。
宿主がエシェリヒア属菌である場合は、phoA・シグナル
配列、OmpA・シグナル配列などが、宿主がバチルス属
菌である場合は、α−アミラーゼ・シグナル配列、サブ
チリシン・シグナル配列などが、宿主が酵母である場合
は、メイテイングファクターα(MFα)・シグナル配
列、インベルターゼ・シグナル配列など、宿主が動物細
胞である場合には、例えばインシュリン・シグナル配
列、α−インターフェロン・シグナル配列、抗体分子・
シグナル配列などがそれぞれ利用できる。このようにし
て構築されたペプチドをコードするDNAを含有するベ
クターを用いて、形質転換体を製造することができる。
【0019】宿主としては、たとえばエシェリヒア属
菌、バチルス属菌、酵母、昆虫または昆虫細胞、動物細
胞などが用いられる。エシェリヒア属菌としては、エシ
ェリヒア・コリ(Escherichia coli)K12・DH1
〔プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミ
ー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー
(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),60巻,160
(1968)〕,JM103〔ヌクイレック・アシッズ・
リサーチ,(Nucleic Acids Research),9巻,309
(1981)〕,JA221〔ジャーナル・オブ・モレキ
ュラー・バイオロジー(Journal of Molecular Biolog
y)〕,120巻,517(1978)〕,HB101
〔ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー,4
1巻,459(1969)〕,C600〔ジェネティック
ス(Genetics),39巻,440(1954)〕などが用
いられる。バチルス属菌としては、たとえばバチルス・
サチルス(Bacillus subtilis)MI114〔ジーン,
24巻,255(1983)〕,207−21〔ジャーナ
ル・オブ・バイオケミストリー(Journal of Biochemis
try),95巻,87(1984)〕などが用いられる。
酵母としては、たとえばサッカロマイセス セレビシエ
(Saccharomyces cerevisiae)AH22,AH22
,NA87−11A,DKD−5D,20B−12
などが用いられる。昆虫としては、例えばカイコの幼虫
などが用いられる〔前田ら、ネイチャー(Nature),3
15巻,592(1985)〕。昆虫細胞としては、例え
ば、ウイルスがAcNPVの場合は、夜盗蛾の幼虫由来
株化細胞(Spodoptera frugiperda cell;Sf細胞)、
Trichoplusia niの中腸由来のMG1細胞、Trichoplusi
a niの卵由来の High FiveTM 細胞、Mamestra brassi
cae 由来の細胞または Estigmena acrea 由来の細胞な
どが用いられる。ウイルスがBmNPVの場合は、蚕由
来株化細胞(Bombyx mori N;BmN細胞)などが用い
られる。該Sf細胞としては、例えば、Sf9細胞(AT
CC CRL1711)、Sf21細胞〔以上、Vaughn, J.L.ら、
イン・ヴィトロ(in Vitro),13巻,213−217
頁(1977年)〕などが用いられる。動物細胞として
は、たとえばサルCOS−7細胞、Vero細胞、チャイ
ニーズハムスター細胞CHO、DHFR遺伝子欠損チャ
イニーズハムスター細胞CHO(CHO/dhfr
細胞)、マウスL細胞、マウス3T3細胞、マウスミエ
ローマ細胞、ヒトHEK293細胞、ヒトFL細胞、2
93細胞、C127細胞、BALB3T3細胞、Sp−
2/O細胞などが用いられる。
【0020】エシェリヒア属菌を形質転換するには、た
とえばプロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカ
デミー・オブ・サイエンジイズ・オブ・ザ・ユーエスエ
ー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),69巻,21
10(1972)やジーン(Gene),17巻,107(1
982)などに記載の方法に従って行なわれる。バチル
ス属菌を形質転換するには、たとえばモレキュラー・ア
ンド・ジェネラル・ジェネティックス(Molecular & G
eneral Genetics),168巻,111(1979)など
に記載の方法に従って行われる。酵母を形質転換するに
は、たとえばプロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル
・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユー
エスエー(Proc. Natl.Acad. Sci. USA),75巻,
1929(1978)に記載の方法に従って行なわれる。
昆虫細胞または昆虫を形質転換するには、たとえばバイ
オ/テクノロジー(Bio/Technology),6巻, 47−5
5頁(1988年)などに記載の方法に従って行なわれ
る。動物細胞を形質転換するには、たとえばヴィロロジ
ー(Virology),52巻,456(1973)に記載の方
法に従って行なわれる。発現ベクターの細胞への導入方
法としては、例えば、リポフェクション法〔Felgner,
P.L. et al. プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル
・アカデミー・オブ・サイエンジイズ・オブ・ザ・ユー
エスエー(Proceedings of the National Academy of S
ciences of the United States of America),84
巻,7413頁(1987年)〕、リン酸カルシウム法
〔Graham, F. L. and van der Eb,A. J.ヴィロロジー
(Virology),52巻,456−467頁(1973
年)〕、電気穿孔法〔Nuemann, E. et al. エンボ・ジ
ャーナル(EMBO J.),1巻,841−845頁(19
82年)〕等があげられる。このようにして、本発明の
ペプチドなどをコードするDNAを含有する発現ベクタ
ーで形質転換された形質転換体が得られる。なお、動物
細胞を用いて、本発明のペプチド等を安定に発現させる
方法としては、上記の動物細胞に導入された発現ベクタ
ーが染色体に組み込まれた細胞をクローン選択によって
選択する方法がある。具体的には、上記の選択マーカー
を指標にして形質転換体を選択する。さらに、このよう
に選択マーカーを用いて得られた動物細胞に対して、繰
り返しクローン選択を行なうことにより本発明のペプチ
ド等の高発現能を有する安定な動物細胞株を得ることが
できる。また、dhfr遺伝子を選択マーカーとして用
いた場合、MTX濃度を徐々に上げて培養し、耐性株を
選択することにより、dhfr遺伝子とともに、本発明
のペプチドなどをコードするDNAを細胞内で増幅させ
て、さらに高発現の動物細胞株を得ることもできる。上
記の形質転換体を本発明のペプチド等をコードするDN
Aが発現可能な条件下で培養し、本発明のペプチド等を
生成、蓄積せしめることによって、本発明のペプチド等
を製造することができる。宿主がエシェリヒア属菌、バ
チルス属菌である形質転換体を培養する際、培養に使用
される培地としては液体培地が適当であり、その中には
該形質転換体の生育に必要な炭素源、窒素源、無機物そ
の他が含有せしめられる。炭素源としては、たとえばグ
ルコース、デキストリン、可溶性澱粉、ショ糖など、窒
素源としては、たとえばアンモニウム塩類、硝酸塩類、
コーンスチープ・リカー、ペプトン、カゼイン、肉エキ
ス、大豆粕、バレイショ抽出液などの無機または有機物
質、無機物としてはたとえば塩化カルシウム、リン酸二
水素ナトリウム、塩化マグネシウムなどがあげられる。
また、酵母エキス、ビタミン類、生長促進因子などを添
加してもよい。培地のpHは約5〜8が望ましい。エシ
ェリヒア属菌を培養する際の培地としては、例えばグル
コース、カザミノ酸を含むM9培地〔ミラー(Mille
r),ジャーナル・オブ・エクスペリメンツ・イン・モ
レキュラー・ジェネティックス(Journal of Experimen
ts in Molecular Genetics),431−433,Cold S
pring Harbor Laboratory, New York 1972〕が好ま
しい。ここに必要によりプロモーターを効率よく働かせ
るために、たとえば3β−インドリルアクリル酸のよう
な薬剤を加えることができる。宿主がエシェリヒア属菌
の場合、培養は通常約15〜43℃で約3〜24時間行
い、必要により、通気や撹拌を加えることもできる。宿
主がバチルス属菌の場合、培養は通常約30〜40℃で
約6〜24時間行ない、必要により通気や撹拌を加える
こともできる。宿主が酵母である形質転換体を培養する
際、培地としては、たとえばバークホールダー(Burkho
lder)最小培地〔Bostian, K. L. ら、「プロシージン
グズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイ
エンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Ac
ad. Sci. USA),77巻,4505(1980)〕や
0.5%カザミノ酸を含有するSD培地〔Bitter, G. A.
ら、「プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・ア
カデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエス
エー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),81巻,5
330(1984)〕があげられる。培地のpHは約5
〜8に調整するのが好ましい。培養は通常約20℃〜3
5℃で約24〜72時間行い、必要に応じて通気や撹拌
を加える。宿主が昆虫細胞である形質転換体を培養する
際、培地としては、Grace's Insect Medium(Grace, T.
C.C.,ネイチャー(Nature),195,788(1962))に非働化
した10%ウシ血清等の添加物を適宜加えたものなどが
用いられる。培地のpHは約6.2〜6.4に調整する
のが好ましい。培養は通常約27℃で約3〜5日間行
い、必要に応じて通気や撹拌を加える。宿主が動物細胞
である形質転換体を培養する際、培地としては、たとえ
ば約5〜20%の胎児牛血清を含むMEM培地〔サイエ
ンス(Science),122巻,501(1952)〕,D
MEM培地〔ヴィロロジー(Virology),8巻,396
(1959)〕,RPMI 1640培地〔ジャーナル・
オブ・ザ・アメリカン・メディカル・アソシエーション
(The Journal of the American Medical Associatio
n)199巻,519(1967)〕,199培地〔プロ
シージング・オブ・ザ・ソサイエティ・フォー・ザ・バ
イオロジカル・メディスン(Proceeding ofthe Society
for the Biological Medicine),73巻,1(195
0)〕などが用いられる。pHは約6〜8であるのが好
ましい。培養は通常約30℃〜40℃で約15〜60時
間行い、必要に応じて通気や撹拌を加える。特にCHO
(dhfr)細胞およびdhfr遺伝子を選択マーカーとして
用いる場合には、チミジンをほとんど含まない透析ウシ
胎児血清を含むDMEM培地を用いるのが好ましい。上
記培養物から本発明のペプチドなどを分離精製するに
は、例えば下記の方法により行なうことができる。
【0021】本発明のペプチドなどを培養菌体あるいは
細胞から抽出するに際しては、培養後、公知の方法で菌
体あるいは細胞を集め、これを適当な緩衝液に懸濁し、
超音波、リゾチームおよび/または凍結融解などによっ
て菌体あるいは細胞を破壊したのち、遠心分離やろ過に
よりペプチドの粗抽出液を得る方法などが適宜用い得
る。緩衝液の中に尿素や塩酸グアニジンなどのたんぱく
変性剤や、トリトンX−100(登録商標。以下、TM
と省略することがある。)などの界面活性剤が含まれて
いてもよい。培養液中にペプチドが分泌される場合に
は、培養終了後、自体公知の方法で菌体あるいは細胞と
上清とを分離し、上清を集める。このようにして得られ
た培養上清、あるいは抽出液中に含まれる本発明のペプ
チドなどの精製は、自体公知の分離・精製法を適切に組
み合わせて行なうことができる。これらの公知の分離、
精製法としては、塩析や溶媒沈澱法などの溶解度を利用
する方法、透析法、限外ろ過法、ゲルろ過法、およびS
DS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法などの主とし
て分子量の差を利用する方法、イオン交換クロマトグラ
フィーなどの荷電の差を利用する方法、アフィニティー
クロマトグラフィーなどの特異的親和性を利用する方
法、逆相高速液体クロマトグラフィーなどの疎水性の差
を利用する方法、等電点電気泳動法やクロマトフォーカ
シングなどの等電点の差を利用する方法などが用いられ
る。かくして得られる本発明のペプチドなどが遊離体で
得られた場合には、自体公知の方法あるいはそれに準じ
る方法によって塩に変換することができ、逆に塩で得ら
れた場合には自体公知の方法あるいはそれに準じる方法
により、遊離体または他の塩に変換することができる。
なお、形質転換体が産生する本発明のペプチドなどを、
精製前または精製後に適当な蛋白修飾酵素を作用させる
ことにより、任意に修飾を加えたり、ペプチドを部分的
に除去することもできる。蛋白修飾酵素としては、例え
ば、トリプシン、キモトリプシン、アルギニルエンドペ
プチダーゼ、プロテインキナーゼ、グリコシダーゼなど
が用いられる。かくして生成する本発明のペプチドなど
の存在は特異抗体を用いたエンザイムイムノアッセイな
どにより測定することができる。
【0022】本発明のペプチドなどをコードするDNA
または本発明のペプチドは、ガラニン・レセプター蛋
白質のリガンドの一部、あるいは全長の合成、本発明
のペプチドなどの有する生理作用の探索、合成オリゴ
ヌクレオチドプローブあるいはPCRのプライマーの作
成、G蛋白質共役型レセプター蛋白質のリガンドや前
駆体蛋白質をコードするDNAの入手、組換え型レセ
プター蛋白質の発現系を用いたレセプター結合アッセイ
系の開発と医薬品候補化合物のスクリーニング、抗体
および抗血清の入手、DNA、RNA、抗体または抗
血清を用いた診断薬の開発、記憶機能改善剤(向知能
薬)、食欲調節剤、糖尿病治療薬、下垂体機能改善薬、
子宮機能調節剤、腎臓機能調節剤、前立腺機能調節剤、
精巣機能調節剤または骨格筋機能調節剤(好ましくは、
記憶機能改善剤(向知能薬)、食欲調節剤、子宮機能調
節剤、腎臓機能調節剤、前立腺機能調節剤、精巣機能調
節剤または骨格筋機能調節剤)などの医薬の開発、遺
伝子治療等に用いることができる。特に、後述の組換え
型G蛋白質共役型レセプター蛋白質の発現系を用いたレ
セプター結合アッセイ系によって、ヒトなどの温血動物
に特異的なG蛋白質共役型レセプターアゴニストまたは
アンタゴニストをスクリーニングすることができ、該ア
ゴニストまたはアンタゴニストを各種疾病の予防・治療
剤などとして使用することができる。また、上記に関
し、本発明のペプチドまたはそれをコードするDNA
は、海馬、視床下部、子宮、腎臓、前立腺、骨格筋、膵
臓、精巣、脾臓、心臓、下垂体などで発現しているガラ
ニン・レセプター(GALR)蛋白質がリガンドとして
認識するものであるので、安全で低毒性な医薬として有
用であり、例えば、記憶機能改善剤(向知能薬)、食欲
調節剤、糖尿病治療薬、下垂体機能改善薬、食欲調節
剤、子宮機能調節剤、腎臓機能調節剤、前立腺機能調節
剤または骨格筋機能調節剤(好ましくは、記憶機能改善
剤(向知能薬)、食欲調節剤、子宮機能調節剤、腎臓機
能調節剤、前立腺機能調節剤または骨格筋機能調節剤)
などとして用いることができる。さらに、本発明のポリ
ペプチドまたはそれをコードするDNAは、血中LH濃
度の特異的な上昇作用(LH分泌促進作用)を有し、本
発明のポリペプチドと高い相同性を持つガラニンではL
H分泌促進作用は見られないことから、LH分泌促進作
用は、ガラニンにはない本発明のポリペプチド特異的な
作用である。本発明におけるペプチドまたはそれをコー
ドするDNAは、LHの分泌促進作用を有するため、L
H分泌不全に関係する各種疾患(具体的には、不妊症、
月経不順、月経困難症、無月経症、月経前症候群、更年
期障害、下垂体機能不全または肥満症など)の予防・治
療薬として用いることができる。即ち、本発明のポリペ
プチドまたは本発明のポリペプチドをコードするDNA
を含有するLH分泌調節剤は、LH分泌促進剤として、
不妊症、月経不順、月経困難症、無月経症、月経前症候
群、更年期障害、下垂体機能不全または肥満症などの予
防・治療薬として用いることができる。また、本発明の
ポリペプチドまたは本発明のポリペプチドをコードする
DNAを含有するLH分泌調節剤は、特に、レプチン受
容体に異常に起因する各種疾患(具体的には、肥満症、
不妊症など)の予防・治療薬として有効であると考えら
れる。一方、本発明のポリペプチドは、そのレセプター
蛋白質との親和性が高いため、本発明のポリペプチドま
たはそれをコードするDNAの投与量が増えるとLH分
泌に対し脱感作が起こる結果、LH分泌を抑制する作用
も有する。この場合、本発明のポリペプチドまたはそれ
をコードするDNAを含有するLH分泌調節剤は、LH
分泌抑制剤として、LH過剰分泌に関係する各種疾患
(具体的には、前立腺癌、前立腺肥大症、思春期早発症
またはLH産生下垂体腫瘍など)の予防・治療薬として
用いることができる。
【0023】本発明のペプチドまたはそれをコードする
DNAを上述の医薬として使用する場合、常套手段に従
って実施することができる。例えば、必要に応じて糖衣
や腸溶性被膜を施した錠剤、カプセル剤、エリキシル
剤、マイクロカプセル剤などとして経口的に、あるいは
水もしくはそれ以外の薬学的に許容し得る液との無菌性
溶液、または懸濁液剤などの注射剤の形で非経口的に使
用できる。例えば、該化合物またはその塩を生理学的に
認められる担体、香味剤、賦形剤、ベヒクル、防腐剤、
安定剤、結合剤などとともに一般に認められた製薬実施
に要求される単位用量形態で混和することによって製造
することができる。これら製剤における有効成分量は指
示された範囲の適当な容量が得られるようにするもので
ある。本発明のDNAを用いる場合は、該DNAを単独
またはレトロウイルスベクター、アデノウイルスベクタ
ー、アデノウイルスアソシエーテッドウイルスベクター
などの適当なベクターに挿入した後、常套手段に従って
実施することができる。錠剤、カプセル剤などに混和す
ることができる添加剤としては、例えばゼラチン、コー
ンスターチ、トラガントガム、アラビアゴムのような結
合剤、結晶性セルロースのような賦形剤、コーンスター
チ、ゼラチン、アルギン酸などのような膨化剤、ステア
リン酸マグネシウムのような潤滑剤、ショ糖、乳糖また
はサッカリンのような甘味剤、ペパーミント、アカモノ
油またはチェリーのような香味剤などが用いられる。調
剤単位形態がカプセルである場合には、前記タイプの材
料にさらに油脂のような液状担体を含有することができ
る。注射のための無菌組成物は注射用水のようなベヒク
ル中の活性物質、胡麻油、椰子油などのような天然産出
植物油などを溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実
施にしたがって処方することができる。注射用の水性液
としては、例えば、生理食塩水、ブドウ糖やその他の補
助薬を含む等張液(例えば、D−ソルビトール、D−マ
ンニトール、塩化ナトリウムなど)などがあげられ、適
当な溶解補助剤、たとえばアルコール(たとえばエタノ
ール)、ポリアルコール(たとえばプロピレングリコー
ル、ポリエチレングリコール)、非イオン性界面活性剤
(たとえばポリソルベート80(TM)、HCO−5
0)などと併用してもよい。油性液としてはゴマ油、大
豆油などがあげられ、溶解補助剤として安息香酸ベンジ
ル、ベンジルアルコールなどと併用してもよい。
【0024】また、緩衝剤(例えば、リン酸塩緩衝液、
酢酸ナトリウム緩衝液)、無痛化剤(例えば、塩化ベン
ザルコニウム、塩酸プロカインなど)、安定剤(例え
ば、ヒト血清アルブミン、ポリエチレングリコールな
ど)、保存剤(例えば、ベンジルアルコール、フェノー
ルなど)、酸化防止剤などと配合してもよい。調製され
た注射液は通常、適当なアンプルに充填される。このよ
うにして得られる製剤は安全で低毒性であるので、例え
ばヒトや哺乳動物(例えば、マウス、ラット、モルモッ
ト、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サル、
など)に対して投与することができる。本発明のペプチ
ドまたはそれをコードするDNAの投与量は、症状など
により差異はあるが、該ペプチドを経口投与する場合、
一般的に成人(体重60kgとして)においては、一日
につき約0.1から100mg、好ましくは約1.0か
ら50mg、より好ましくは約1.0から20mgであ
る。該ペプチドを非経口的に投与する(例えば、静脈注
射で投与する)場合は、その1回投与量は、投与対象、
対象臓器、症状、投与方法などによっても異なるが、た
とえば注射剤の形では成人(体重60kgとして)にお
いては、一日につき約0.01から30mg程度、好ま
しくは約0.1から20mg程度、より好ましくは約
0.1から10mg程度である。他の動物の場合も、上
記60kg当たりの投与量をその動物の体重に換算した
量を投与することができる。上記本発明において、ガラ
ニン・レセプターとしては、ヒトや温血動物(例えば、
哺乳温血動物(例、ウサギ、ヒツジ、ヤギ、ラット、マ
ウス、モルモット、ウシ、ウマ、ブタ)、鳥類(例、ニ
ワトリ、ハト、アヒル、ガチョウ、ウズラ)など)のあ
らゆる組織(例えば、下垂体、膵臓、脳、腎臓、肝臓、
生殖腺、甲状腺、胆のう、骨髄、副腎、皮膚、筋肉、
肺、消化管、血管、心臓など)または細胞などに由来す
るG蛋白質共役型レセプター蛋白質であって、GALR
1としては配列番号:11、GALR2としては配列番
号:12、GALR3としては配列番号:13で表わさ
れるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ
酸配列を含有するものであれば如何なるものであっても
よい。即ち、該レセプター蛋白質としては、配列番号:
11、12または13で表わされるアミノ酸配列を含有
する蛋白質などの他に、配列番号:11、12または1
3で表わされるアミノ酸配列と約90〜99.9%の相
同性を有するアミノ酸配列を含有し、配列番号:11、
12または13で表わされるアミノ酸配列を含有する蛋
白質と実質的に同質の活性を有する蛋白質などがあげら
れる。
【0025】これらの蛋白質が示す活性としては、例え
ばリガンド結合活性、シグナル伝達活性などがあげられ
る。実質的に同質とは、それらの活性が性質的に同質で
あることを示す。従って、リガンド結合活性やシグナル
伝達活性の強さなどの強弱、レセプター蛋白質の分子量
などの量的要素は異なっていてもよい。さらに、該レセ
プター蛋白質には、N末端のMetが保護基(例えば、ホ
ルミル基、アセチル基などのC1−6アルカノイル基な
ど)で保護されているもの、N末端のグルタミン残基が
ピログルタミン酸化したもの分子内のアミノ酸の側鎖が
適当な保護基(例えば、ホルミル基、アセチル基などの
1−6アルカノイル基など)で保護されているもの、
あるいは糖鎖が結合したいわゆる糖蛋白質などの複合蛋
白質なども含まれる。該レセプター蛋白質の塩として
は、上記したペプチドの塩と同様のものがあげられる。
該レセプター蛋白質またはその塩またはその部分ペプチ
ドは、ヒトや温血動物の組織または細胞から自体公知の
蛋白質の精製方法によって製造することもできるし、前
述のペプチドをコードするDNAを含有する形質転換体
を培養する方法と同じ方法によっても製造することがで
きる。また、前述のペプチド合成法に準じて製造するこ
ともできる。該レセプター蛋白質の部分ペプチドとして
は、例えば、G蛋白質共役型レセプター蛋白質分子のう
ち、細胞膜の外に露出している部位などが用いられる。
すなわちG蛋白質共役型レセプター蛋白質の疎水性プロ
ット解析において細胞外領域(親水性(Hydrophilic)
部位)であると分析された部分を含むペプチドである。
また、疎水性(Hydrophobic)部位を一部に含むペプチ
ドも同様に用いることができる。個々のドメインを個別
に含むペプチドも用い得るが、複数のドメインを同時に
含む部分のペプチドでも良い。該レセプター蛋白質の部
分ペプチドの塩としては、上記したペプチドの塩と同様
のものが用いられる。
【0026】該ガラニン・レセプター蛋白質をコードす
るDNAとしては、配列番号:11、12または13の
アミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配
列を含有するガラニン・レセプター蛋白質をコードする
塩基配列を含有するものであればいかなるものであって
もよい。また、それらは、ゲノムDNA、ゲノムDNA
ライブラリー、組織・細胞由来のcDNA、組織・細胞
由来のcDNAライブラリー、合成DNAのいずれでも
よい。ライブラリーに使用するベクターはバクテリオフ
ァージ、プラスミド、コスミド、ファージミドなどいず
れであってもよい。また、組織・細胞よりRNA画分を
調製したものを用いて直接自体公知のRT-PCR法に
よって増幅することもできる。配列番号:11、12お
よび13のアミノ酸配列を含有するガラニン・レセプタ
ーをコードするDNAとして具体的には、それぞれ配列
番号:17、18および19で表わされる塩基配列を有
するDNAなどが用いられる。なお、配列番号:17は
ラット型のGALR1(ガラニンレセプター・タイプ
1)のcDNAの塩基配列を、配列番号:18はラット
型のGALR2(ガラニンレセプター・タイプ2)のc
DNAの塩基配列を、配列番号:19はラット型のGA
LR3(ガラニンレセプター・タイプ3)のcDNAの
塩基配列を示す。GALR2(ガラニン・レセプター・
タイプ2)は海馬、視床下部、子宮、腎臓、前立腺、骨
格筋などに多く分布しており、従って、GALR2活性
化能を有するアゴニストである本発明のペプチド(ある
いはGALR2に対するアンタゴニスト、及び本発明の
ペプチドに対する中和抗体)は記憶機能改善剤、食欲改
善剤、または子宮、腎臓、前立腺もしくは骨格筋の機能
改善剤として用いることができる。GALR1(ガラニ
ン・レセプター・タイプ1)は、視床下部、海馬、膵臓
などに多く分布しており、従って、GALR1活性化能
を有するアゴニストである本発明のペプチド(あるいは
GALR1に対するアンタゴニスト、及び本発明のペプ
チドに対する中和抗体)は、抗肥満薬、向知能薬、イン
スリン分泌薬として用いることができる。GALR3
(ガラニン・レセプター・タイプ3)は、精巣、脾臓、
心臓、視床下部、下垂体などに分布しており、従って、
GALR3活性化能を有するアゴニストである本発明の
ペプチド(あるいはGALR3に対するアンタゴニス
ト、及び本発明のペプチドに対する中和抗体)は、精
巣、脾臓、心臓の機能改善剤として用いることができ
る。本発明は、(1)上記のガラニン・レセプターをコ
ードするDNAを含有する形質転換体(細胞)を培養し
て得られる該ガラニン・レセプターを発現している細胞
膜画分に、 被検物質を接触させる場合と、 被検物
質を接触させない場合における、例えば 35S標識グ
アノシン-5'-O-3-チオ三りん酸の該細胞膜画分に対する
結合量を測定し、比較することを特徴とするガラニンレ
セプター活性化物質(アゴニスト)またはその塩のスク
リーニング方法、および(2)上記のガラニン・レセプ
ターをコードするDNAを含有する形質転換体(細胞)
を培養して得られる該ガラニン・レセプターを発現して
いる細胞膜画分に、 ガラニンまたは本発明ペプチド
を接触させる場合と、 ガラニンまたは本発明ペプチ
ドを被検物質存在下で接触させる場合における、例えば
35S標識グアノシン-5'-O-3-チオ三りん酸の該細胞
膜画分に対する結合量を測定し、比較することを特徴と
するガラニンレセプター活性化阻害物質(アンタゴニス
ト)またはその塩のスクリーニング方法などを提供す
る。
【0027】本発明のスクリーニング方法を以下に具体
的に説明する。上記ガラニン・レセプター蛋白質として
は、GALR1、GALR2またはGALR3のいずれ
のガラニン・レセプター蛋白質またはその部分ペプチド
を含有し、そのレセプター機能を有するものであれば何
れのものであってもよいが、形質転換体(細胞)を用い
て該ガラニン・レセプター蛋白質を大量発現している培
養細胞より調製した細胞膜画分(その調製法は後述す
る)などが好ましい。該ガラニン・レセプター蛋白質を
含有する細胞としては、ガラニン・レセプター蛋白質を
発現する宿主細胞をいうが、該宿主細胞としては、例え
ば、前述の酵母、昆虫細胞、動物細胞などがあげられる
が、動物細胞が好ましい。該膜画分としては、細胞を破
砕した後、それ自体公知の方法で得られる細胞膜が多く
含まれる画分のことをいう。細胞の破砕方法としては、
Potter−Elvehjem型ホモジナイザーで細胞を押し潰す方
法、ワーリングブレンダーやポリトロン(Kinematica社
製)による破砕、超音波による破砕、フレンチプレスな
どで加圧しながら細胞を細いノズルから噴出させること
による破砕などがあげられる。細胞膜の分画には、分画
遠心分離法や密度勾配遠心分離法などの遠心力による分
画法が主として用いられる。例えば、細胞破砕液を低速
(500rpm〜3000rpm)で短時間(通常、約
1分〜10分)遠心し、上清をさらに高速(15000
rpm〜30000rpm)で通常30分〜2時間遠心
し、得られる沈澱を膜画分とする。該膜画分は主として
膜蛋白質と細胞膜を構成するりん脂質から成り、発現し
たガラニン・レセプターと同時に該細胞が本来発現して
いるG蛋白も含まれている。該ガラニン・レセプターを
含有する細胞や膜画分中のガラニンレセプターの量は、
膜画分蛋白質 1 mg 当たり1-100 pmolであるのが好まし
く、5-20 pmolであるのがより好適である。該ガラニン
・レセプターの発現量が多いほど膜画分当たりのレセプ
ターを活性化する活性(リガンド結合活性、比活性)が
高くなり、高感度なスクリーニング系の構築が可能にな
るばかりでなく、同一ロットで大量の試料を測定できる
ようになる。ガラニン・レセプターを活性化する化合物
(アゴニスト)のスクリーニング方法として具体的に
は、まずガラニン・レセプターを含有する細胞の膜画分
を、スクリーニングに適したバッファーに懸濁すること
により該レセプター標品を調製する。該バッファーとし
ては、pH約4〜約10(望ましくはpH約6〜約8)
の約1〜5mMのマグネシウムイオンを含むリン酸バッ
ファーまたはトリス−塩酸バッファーなどのいずれでも
良く、さらにグアノシン二りん酸(GDP)を約0.1
nM〜100μM、好ましくは約0.1〜1μM添加す
るとよい。また、プロテアーゼによる該レセプターや被
検物質の分解を抑える目的で、PMSF、ロイペプチ
ン、E−64(ペプチド研究所製)、ペプスタチンなど
のプロテアーゼ阻害剤を添加してもよい。 約0.01〜
10mlの該レセプター溶液に、一定量(5000cp
m〜50000cpm)の35S標識グアノシン-5'-O-
3-チオ三りん酸、および被検物質を添加する。一方、被
検化合物を加えず、35S標識グアノシン-5'-O-3-チオ
三りん酸のみを添加した反応系(対象群)も用意する。
反応は約0〜50℃、好ましくは約4℃〜37℃で約2
0分〜24時間、好ましくは約30分〜3時間行う。反
応後、ガラス繊維濾紙等で濾過し、適量の同バッファー
で洗浄した後、ガラス繊維濾紙に残存する35S標識グ
アノシン-5'-O-3-チオ三りん酸の放射活性を液体シンチ
レーションカウンターで計測する。被検化合物を加えな
い場合の放射活性に比べて被検化合物を加えた場合の放
射活性の増加分の高い化合物であれば、それを該ガラニ
ン・レセプターを活性化する能力のある候補化合物とし
て選択することができる。該ガラニン・レセプターの活
性化を阻害する化合物(アンタゴニスト)のスクリーニ
ングを行うには、上記アゴニストのスクリーニングの場
合と同様に細胞膜画分を用意し、これに一定量(500
0cpm〜50000cpm)の35S標識グアノシン
-5'-O-3-チオ三りん酸、および10−4〜10−6
のガラニンあるいは本発明によるペプチド、および被検
物質を添加する。 また、35S標識グアノシン-5'-O-3
-チオ三りん酸とガラニンあるいは本発明によるペプチ
ドを添加し被検化合物を加えない反応系(対象群)も用
意する。上記と同様に反応を行い、被検化合物を加えな
い場合の放射活性に比べて被検化合物を加えた場合の放
射活性の減少の大きい化合物であれば、それを該ガラニ
ン・レセプターの活性化を阻害する能力のある候補化合
物として選択することができる。
【0028】該被検物質としては、例えばペプチド、タ
ンパク、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産
物、細胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出液などがあ
げられ、これら化合物は新規な化合物であってもよい
し、公知の化合物であってもよい。ガラニン・レセプタ
ー・アゴニストは、ガラニン・レセプターに対する本発
明のペプチドが有する生理活性と同様の作用を有してい
るので、本発明のペプチドと同様に安全で低毒性な医薬
として有用である。逆に、ガラニン・レセプター・アン
タゴニストは、ガラニン・レセプター蛋白質に対する本
発明のペプチドが有する生理活性を抑制することができ
るので、該レセプター活性を抑制する安全で低毒性な医
薬として有用である。上記のスクリーニング方法を用い
て得られる物質の塩としては、例えば、薬学的に許容可
能な塩などが用いられる。例えば、無機塩基との塩、有
機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性ま
たは酸性アミノ酸との塩などがあげられる。無機塩基と
の塩の好適な例としては、例えばナトリウム塩、カリウ
ム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウ
ム塩などのアルカリ土類金属塩、ならびにアルミニウム
塩、アンモニウム塩などがあげられる。有機塩基との塩
の好適な例としては、例えばトリメチルアミン、トリエ
チルアミン、ピリジン、ピコリン、2,6−ルチジン、
エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノー
ルアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルア
ミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミンなどとの
塩あげられる。無機酸との塩の好適な例としては、例え
ば塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸などとの塩があげら
れる。有機酸との塩の好適な例としては、例えばギ酸、
酢酸、プロピオン酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マ
レイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスル
ホン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸などとの塩があ
げられる。塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、
例えばアルギニン、リジン、オルチニンなどとの塩があ
げられ、酸性アミノ酸との好適な例としては、例えばア
スパラギン酸、グルタミン酸などとの塩があげられる。
本発明のスクリーニング方法を用いて得られる物質また
はその塩を上述の医薬として使用する場合、上記の本発
明のペプチドを医薬として実施する場合と同様にして実
施することができる。本発明のペプチドに対する抗体
(例えば、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体)
または抗血清は、本発明のペプチドを抗原として用い、
自体公知の抗体または抗血清の製造法に従って製造する
ことができる。
【0029】例えば、ポリクローナル抗体は、後述の方
法に従って製造することができる。 [ポリクローナル抗体の作製]本発明のペプチドに対す
るポリクローナル抗体は、それ自体公知あるいはそれに
準じる方法にしたがって製造することができる。例え
ば、免疫抗原(ペプチド等抗原)とキャリアー蛋白質と
の複合体をつくり、後述のモノクローナル抗体の製造法
と同様に温血動物(例えば、哺乳温血動物(例、ウサ
ギ、ヒツジ、ヤギ、ラット、マウス、モルモット、ウ
シ、ウマ、ブタ)、鳥類(例、ニワトリ、ハト、アヒ
ル、ガチョウ、ウズラ)など)に免疫を行ない、該免疫
動物から本発明のペプチドに対する抗体含有物を採取し
て、抗体の分離精製を行なうことにより製造できる。哺
乳動物を免疫するために用いられる免疫抗原とキャリア
ー蛋白質との複合体に関し、キャリアー蛋白質の種類お
よびキャリアーとハプテン(本発明のペプチドまたはそ
の部分ペプチド)との混合比は、キャリアーに架橋させ
て免疫したハプテンに対して抗体が効率良くできれば、
どの様なものをどの様な比率で架橋させてもよいが、例
えば、ウシ血清アルブミン、ウシサイログロブリン、キ
ーホール・リンペット・ヘモシアニン等のキャリアー・
タンパク質を重量比でハプテン1に対し、約0.1〜2
0、好ましくは約1〜5の割合でカップリングさせる方
法が用いられる。また、ハプテンとキャリアーのカップ
リングには、種々の縮合剤を用いることができるが、グ
ルタルアルデヒドやカルボジイミド、マレイミド活性エ
ステル、チオール基、ジチオピリジル基を含有する活性
エステル試薬等が用いられる。縮合生成物は、上記温血
動物に対して、抗体産生が可能な部位にそれ自体あるい
は担体、希釈剤とともに投与される。投与に際して抗体
産生能を高めるため、完全フロイントアジュバントや不
完全フロイントアジュバントを投与してもよい。投与
は、通常約2〜6週毎に1回ずつ、計約3〜10回程度
行なわれる。ポリクローナル抗体は、上記の方法で免疫
された哺乳動物の血液、腹水など、好ましくは血液から
採取される。抗血清中の本発明のペプチドに対する抗体
価の測定は、後述のハイブリドーマ培養上清の抗体価の
測定と同様にして測定できる。抗体の分離精製は、後述
のモノクローナル抗体の分離精製と同様の免疫グロブリ
ンの分離精製法に従って行なうことができる。
【0030】また、モノクローナル抗体は、後述の方法
に従って製造することができる。 〔モノクローナル抗体の作製〕 (a)モノクロナール抗体産生細胞の作製 本発明のペプチドは、温血動物(例えば、哺乳温血動物
(例、ウサギ、ヒツジ、ヤギ、ラット、マウス、モルモ
ット、ウシ、ウマ、ブタ)、鳥類(例、ニワトリ、ハ
ト、アヒル、ガチョウ、ウズラ)など)に対して投与に
より抗体産生が可能な部位にそれ自体あるいは担体、希
釈剤とともに投与される。投与に際して抗体産生能を高
めるため、完全フロイントアジュバントや不完全フロイ
ントアジュバントを投与してもよい。投与は通常2〜6
週毎に1回ずつ、計2〜10回程度行われる。モノクロ
ーナル抗体産生細胞の作製に際しては、抗原を免疫され
た上記の温血動物、たとえばマウスなどから抗体価の認
められた個体を選択し最終免疫の2〜5日後に脾臓また
はリンパ節を採取し、それらに含まれる抗体産生細胞を
骨髄腫細胞と融合させることにより、モノクローナル抗
体産生ハイブリドーマを調製することができる。抗血清
中の抗体価の測定は、例えば後記の標識剤で標識化され
たペプチドまたはその部分ペプチドと抗血清とを反応さ
せたのち、抗体に結合した標識剤の活性を測定すること
によりなされる。融合操作は既知の方法、たとえばケー
ラーとミルスタインの方法〔ネイチャー(Nature)、25
6、495 (1975)〕等に従い実施できる。融合促進剤とし
てはポリエチレングリコール(PEG)やセンダイウィ
ルスなどがあげられるが、好ましくはPEGが用いられ
る。骨髄腫細胞としてはたとえばNS−1、P3U1、
SP2/0、AP−1などがあげられるが、P3U1が
好ましく用いられる。用いられる抗体産生細胞(脾臓細
胞)数と骨髄腫細胞数との好ましい比率は1:1〜2
0:1程度であり、PEG(好ましくはPEG1000
〜PEG6000)が10〜80%程度の濃度で添加さ
れ、20〜40℃、好ましくは30〜37℃で1〜10
分間インキュベートすることにより効率よく細胞融合を
実施できる。本発明のペプチドに対する抗体産生ハイブ
リドーマのスクリーニングには種々の方法が使用できる
が、たとえば本発明のペプチド抗原を直接あるいは担体
とともに吸着させた固相(例、マイクロプレート)にハ
イブリドーマ培養上清を添加し、次に放射性物質や酵素
などで標識した抗免疫グロブリン抗体(細胞融合に用い
られる細胞がマウスの場合、抗マウス免疫グロブリン抗
体が用いられる)またはプロテインAを加え、固相に結
合した本発明のペプチドに対するモノクローナル抗体を
検出する方法、抗免疫グロブリン抗体またはプロテイン
Aを吸着させた固相にハイブリドーマ培養上清を添加
し、放射性物質や酵素などで標識した本発明のペプチド
を加え、固相に結合した本発明のペプチドに対するモノ
クローナル抗体を検出する方法などがあげられる。本発
明のペプチドに対するモノクローナル抗体の選別は、自
体公知あるいはそれに準じる方法に従って行なうことが
できる。通常HAT(ヒポキサンチン、アミノプテリ
ン、チミジン)を添加した動物細胞用培地で行なわれ
る。選別および育種用培地としては、ハイブリドーマが
生育できるものならばどのような培地を用いても良い。
例えば、1〜20%、好ましくは10〜20%の牛胎児
血清を含むRPMI 1640培地、1〜10%の牛胎
児血清を含むGIT培地(和光純薬工業(株))あるい
はハイブリドーマ培養用無血清培地(SFM−101、
日水製薬(株))などを用いることができる。培養温度
は、通常20〜40℃、好ましくは約37℃である。培
養時間は、通常5日〜3週間、好ましくは1週間〜2週
間である。培養は、通常5%炭酸ガス下で行なわれる。
ハイブリドーマ培養上清の抗体価は、上記の抗血清中の
本発明のペプチドに対する抗体価の測定と同様にして測
定できる。 (b)モノクロナール抗体の精製 本発明のペプチドに対するモノクローナル抗体の分離精
製は通常のポリクローナル抗体の分離精製と同様に免疫
グロブリンの分離精製法〔例、塩析法、アルコール沈殿
法、等電点沈殿法、電気泳動法、イオン交換体(例、D
EAE)による吸脱着法、超遠心法、ゲルろ過法、抗原
結合固相あるいはプロテインAあるいはプロテインGな
どの活性吸着剤により抗体のみを採取し、結合を解離さ
せて抗体を得る特異的精製法〕に従って行われる。
【0031】上記の(a)および(b)の方法に従って
製造させる本発明のペプチドに対する抗体は、それぞれ
本発明のペプチドを特異的に認識することができるの
で、被検液中の本発明のペプチドの定量、特にサンドイ
ッチ免疫測定法による定量などに使用することができ
る。すなわち、本発明は、例えば、(i)本発明のペプ
チドに反応する抗体と、被検液および標識した本発明の
ペプチドとを競合的に反応させ、該抗体に結合した標識
した本発明のペプチドの割合を測定することを特徴とす
る被検液中の本発明のペプチドの定量法、(ii)被検液
と担体上に不溶化した抗体および標識化された抗体とを
同時あるいは連続的に反応させたのち、不溶化担体上の
標識剤の活性を測定することを特徴とする被検液中の本
発明のペプチドの定量法において、一方の抗体が、本発
明のペプチドのN端部を認識する抗体で、他方の抗体が
本発明のペプチドのN端部以外の部位(例えば、C端
部)に反応する抗体であることを特徴とする被検液中の
本発明のペプチドの定量法を提供する。本発明のペプチ
ドを認識するモノクローナル抗体を用いて本発明のペプ
チドの測定を行なえるほか、組織染色等による検出を行
なうこともできる。これらの目的には、抗体分子そのも
のを用いてもよく、また、抗体分子のF(ab') 、F
ab'、あるいはFab画分を用いてもよい。本発明の
抗体を用いる測定法は、特に制限されるべきものではな
く、被測定液中の抗原量(例えばリガンドペプチド量)
に対応した抗体、抗原もしくは抗体−抗原複合体の量を
化学的または物理的手段により検出し、これを既知量の
抗原を含む標準液を用いて作製した標準曲線より算出す
る測定法であれば、いずれの測定法を用いてもよい。例
えば、ネフロメトリー、競合法、イムノメトリック法お
よびサンドイッチ法が好適に用いられるが、感度、特異
性の点で、後述するサンドイッチ法を用いるのが特に好
ましい。標識物質を用いる測定法に用いられる標識剤と
しては、放射性同位元素、酵素、蛍光物質、発光物質な
どがあげられる。放射性同位元素としては、例えば〔
25I〕、〔131I〕、〔H〕、〔14C〕など
が、上記酵素としては、安定で比活性の大きなものが好
ましく、例えばβ−ガラクトシダーゼ、β−グルコシダ
ーゼ、アルカリフォスファターゼ、パーオキシダーゼ、
リンゴ酸脱水素酵素等が、蛍光物質としては、フルオレ
スカミン、フルオレッセンイソチオシアネートなどが、
発光物質としては、ルミノール、ルミノール誘導体、ル
シフェリン、ルシゲニンなどがそれぞれあげられる。さ
らに、抗体あるいは抗原と標識剤との結合にビオチン−
アビジン系を用いることもできる。抗原あるいは抗体の
不溶化に当っては、物理吸着を用いてもよく、また通常
蛋白質あるいは酵素等を不溶化、固定化するのに用いら
れる化学結合を用いる方法でもよい。担体としては、ア
ガロース、デキストラン、セルロースなどの不溶性多糖
類、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、シリコン等の
合成樹脂、あるいはガラス等があげられる。サンドイッ
チ法においては不溶化した本発明のペプチドに対する抗
体に被検液を反応させ(1次反応)、さらに標識化され
た本発明のペプチドに対する抗体を反応させ(2次反
応)たのち、不溶化担体上の標識剤の活性を測定するこ
とにより被検液中の本発明のペプチド量を定量すること
ができる。1次反応と2次反応は逆の順序に行っても、
また、同時に行なってもよいし時間をずらして行なって
もよい。標識化剤および不溶化の方法は前記のそれらに
準じることができる。また、サンドイッチ法による免疫
測定法において、固相用抗体あるいは標識用抗体に用い
られる抗体は必ずしも1種類である必要はなく、測定感
度を向上させる等の目的で2種類以上の抗体の混合物を
用いてもよい。
【0032】本発明のサンドイッチ法による本発明のペ
プチドの測定法においては、1次反応と2次反応に用い
られる本発明のペプチドに対する抗体は本発明のペプチ
ドの結合する部位が相異なる抗体が好ましく用いられ
る。即ち、1次反応および2次反応に用いられる抗体
は、例えば、2次反応で用いられる抗体が、本発明のペ
プチドのC端部を認識する場合、1次反応で用いられる
抗体は、好ましくはC末端部以外、例えばN末端部を認
識する抗体が用いられる。本発明のペプチドに対する抗
体をサンドイッチ法以外の測定システム、例えば、競合
法、イムノメトリック法あるいはネフロメトリーなどに
用いることができる。競合法では、被検液中の抗原と標
識抗原とを抗体に対して競合的に反応させたのち、未反
応の標識抗原と(F)と抗体と結合した標識抗原(B)
とを分離し(B/F分離)、B,Fいずれかの標識量を
測定し、被検液中の抗原量を定量する。本反応法には、
抗体として可溶性抗体を用い、B/F分離をポリエチレ
ングリコール、前記抗体に対する第2抗体などを用いる
液相法、および、第1抗体として固相化抗体を用いる
か、あるいは、第1抗体は可溶性のものを用い第2抗体
として固相化抗体を用いる固相化法とが用いられる。イ
ムノメトリック法では、被検液中の抗原と固相化抗原と
を一定量の標識化抗体に対して競合反応させた後固相と
液相を分離するか、あるいは、被検液中の抗原と過剰量
の標識化抗体とを反応させ、次に固相化抗原を加え未反
応の標識化抗体を固相に結合させたのち、固相と液相を
分離する。次に、いずれかの相の標識量を測定し被検液
中の抗原量を定量する。また、ネフロメトリーでは、ゲ
ル内あるいは溶液中で抗原抗体反応の結果生じた不溶性
の沈降物の量を測定する。被検液中の抗原量が僅かであ
り、少量の沈降物しか得られない場合にもレーザーの散
乱を利用するレーザーネフロメトリーなどが好適に用い
られる。これら個々の免疫学的測定法を本発明の測定方
法に適用するにあたっては、特別の条件、操作等の設定
は必要とされない。それぞれの方法における通常の条
件、操作法に当業者の通常の技術的配慮を加えて本発明
のペプチドまたはその部分ペプチドの測定系を構築すれ
ばよい。これらの一般的な技術手段の詳細については、
総説、成書などを参照することができる〔例えば、入江
寛編「ラジオイムノアッセイ〕(講談社、昭和49年
発行)、入江 寛編「続ラジオイムノアッセイ〕(講談
社、昭和54年発行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定
法」(医学書院、昭和53年発行)、石川栄治ら編「酵
素免疫測定法」(第2版)(医学書院、昭和57年発
行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(第3版)(医
学書院、昭和62年発行)、「Methods in ENZYMOLOGY」
Vol. 70(Immunochemical Techniques(Part A))、同書
Vol. 73(Immunochemical Techniques(Part B))、 同書
Vol.74(Immunochemical Techniques(Part C))、同書 Vo
l. 84(Immunochemical Techniques(Part D:Selected Im
munoassays))、同書 Vol. 92(Immunochemical Techniqu
es(Part E:Monoclonal Antibodies and General Immuno
assay Methods))、同書 Vol. 121(Immunochemical Tech
niques(Part I:Hybridoma Technology andMonoclonal A
ntibodies))(以上、アカデミックプレス社発行)など参
照〕。以上のように、本発明のペプチドに対する抗体を
用いることによって、本発明のペプチドを感度良く定量
することができる。
【0033】さらには、本発明の抗体を用いて本発明の
ペプチド等の濃度を定量することによって、診断薬とし
て用いることもできる。即ち、(1)本発明のペプチド
等の濃度の変化が検出された場合、例えば、肥満症、痴
呆、糖尿病、または下垂体腫瘍などの疾病である、また
は将来罹患する可能性が高いと、と診断することができ
る。また、本発明の抗体は、体液や組織などの被検体中
に存在する本発明のペプチド等を検出するために使用す
ることができる。また、本発明のペプチド等を精製する
ために使用する抗体カラムの作製、精製時の各分画中の
本発明のペプチド等の検出、被検細胞内における本発明
のペプチドの挙動の分析などのために使用することがで
きる。
【0034】本発明のDNAを用いて、本発明のペプチ
ドを発現するトランスジェニック動物を作製することが
できる。動物としては、哺乳動物(例えば、ラット、マ
ウス、ラット、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サル
など)などが挙げれるが、特に、マウス、ラットなどが
好適である。このような動物は本発明のペプチドの機能
解析、それに関連する疾病の研究等に非常に有用であ
る。本発明のDNAを対象動物に転移させるにあたって
は、該DNAを動物細胞で発現させうるプロモーターの
下流に結合した遺伝子コンストラクトとして用いるのが
一般に有利である。例えば、マウス由来の本発明のDN
Aを転移させる場合、これと相同性が高い動物由来の本
発明のDNAを動物細胞で発現させうる各種プロモータ
ーの下流に結合した遺伝子コンストラクトを、例えば、
マウス受精卵へマイクロインジェクションすることによ
って本発明のレセプター蛋白質を高産生するDNA転移
動物を作出できる。このプロモーターとしては、例え
ば、ウイルス由来プロモーター、メタロチオネイン等の
ユビキアスな発現プロモーターも使用しうるが、好まし
くは脳で特異的に発現するNGF遺伝子プロモーターや
エノラーゼ遺伝子プロモーターなどが用いられる。受精
卵細胞段階における本発明のDNAの転移は、対象動物
の胚芽細胞および体細胞の全てに存在するように確保さ
れる。DNA転移後の作出動物の胚芽細胞において本発
明のペプチドが存在することは、作出動物の子孫が全て
その胚芽細胞及び体細胞の全てに本発明のペプチドを有
することを意味する。遺伝子を受け継いだこの種の動物
の子孫はその胚芽細胞および体細胞の全てに本発明のペ
プチドを有する。本発明のDNA転移動物は、交配によ
り遺伝子を安定に保持することを確認して、該DNA保
有動物として通常の飼育環境で飼育継代を行うことがで
きる。さらに、目的DNAを保有する雌雄の動物を交配
することにより、導入遺伝子を相同染色体の両方に持つ
ホモザイゴート動物を取得し、この雌雄の動物を交配す
ることによりすべての子孫が該DNAを有するように繁
殖継代することができる。本発明のDNAが転移された
動物は、本発明のペプチドが高発現させられているの
で、本発明のペプチドに対するアゴニストまたはアンタ
ゴニストのスクリーニング用の動物などとして有用であ
る。本発明のDNA転移動物を、組織培養のための細胞
源として使用することもできる。例えば、本発明のDN
A転移マウスの組織中のDNAもしくはRNAを直接分
析するか、あるいは遺伝子により発現された本発明のペ
プチドが存在する組織を分析することにより、本発明の
ペプチドについて分析することができる。本発明のペプ
チドを有する組織の細胞を標準組織培養技術により培養
し、これらを使用して、例えば、脳や末梢組織由来のよ
うな一般に培養困難な組織からの細胞の機能を研究する
ことができる。また、その細胞を用いることにより、例
えば、各種組織の機能を高めるような医薬の選択も可能
である。また、高発現細胞株があれば、そこから、本発
明のペプチドを単離精製することも可能である。
【0035】また、上記した方法と同様の方法を用い
て、本発明のペプチドをコードする遺伝子を破壊し、そ
の機能を欠損させたノックアウト動物を作出することも
できる。かかるノックアウト動物も、本発明のペプチド
の機能解析等に非常に有用である。
【0036】本明細書および図面において、塩基やアミ
ノ酸などを略号で表示する場合、IUPAC−IUB
Commission on Biochemical Nomenclature による略号
あるいは当該分野における慣用略号に基づくものであ
り、その例を下記する。またアミノ酸に関し光学異性体
があり得る場合は、特に明示しなければL体を示すもの
とする。 DNA :デオキシリボ核酸 cDNA :相補的デオキシリボ核酸 A :アデニン T :チミン G :グアニン C :シトシン Y :チミンまたはシトシン N :チミン、シトシン、アデニンまたはグアニン R :アデニンまたはグアニン M :シトシンまたはアデニン W :チミンまたはアデニン S :シトシンまたはグアニン I :イノシン H :アデニン、チミンまたはシトシン D :グアニン、アデニンまたはチミン B :グアニン、チミンまたはシトシン RNA :リボ核酸 mRNA :メッセンジャーリボ核酸 dATP :デオキシアデノシン三リン酸 dTTP :デオキシチミジン三リン酸 dGTP :デオキシグアノシン三リン酸 dCTP :デオキシシチジン三リン酸 ATP :アデノシン三リン酸 EDTA :エチレンジアミン四酢酸 SDS :ドデシル硫酸ナトリウム EIA :エンザイムイムノアッセイ GlyまたはG :グリシン AlaまたはA :アラニン ValまたはV :バリン LeuまたはL :ロイシン IleまたはI :イソロイシン SerまたはS :セリン ThrまたはT :スレオニン CysまたはC :システイン MetまたはM :メチオニン GluまたはE :グルタミン酸 AspまたはD :アスパラギン酸 LysまたはK :リジン ArgまたはR :アルギニン HisまたはH :ヒスチジン PheまたはF :フェニルアラニン TyrまたはY :チロシン TrpまたはW :トリプトファン ProまたはP :プロリン AsnまたはN :アスパラギン GlnまたはQ :グルタミン pGlu :ピログルタミン酸 Me :メチル基 Et :エチル基 Bu :ブチル基 Ph :フェニル基 TC :チアゾリジン−4(R)−カルボキサミド基
【0037】また、本明細書中で繁用される置換基、保
護基および試薬を下記の記号で表記する。 Tos:p−トルエンスルフォニル HONB:N−ヒドロキシ−5−ノルボルネンー2,3
−ジカルボキシイミド Bzl:ベンジル Cl−Bzl:ジクロルベンジル Z:ベンジルオキシカルボニル Br−Z:2−ブロモベンジルオキシカルボニル Cl−Z:2−クロルベンジルオキシカルボニル Boc:t−ブチルオキシカルボニル HOBt:1−ヒドロキシベンズトリアゾール DCC:N、N'−ジシクロヘキシルカルボジイミド TFA:トリフルオロ酢酸 Fmoc:N−9−フルオレニルメトキシカルボニル DNP:ジニトロフェニル Bum:ターシャリーブトキシメチル Trt:トリチル PAM:フェニルアセトアミドメチル BHA:ベンツヒドリルアミン Bom:ベンジルオキシメチル OcHex:シクロヘキシルエステル MeBzl:4−メチルベンジル CHO:ホルミル NMP:N−メチルピロリドン
【0038】本願明細書の配列表の配列番号は、以下の
配列を示す。 〔配列番号:1〕本発明のマウス型のGALR2リガン
ド成熟体のアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:2〕本発明のマウス型のGALR2リガン
ド前駆体のアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:3〕本発明のマウス型のGALR2リガン
ドのcDNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:4〕マウス型のGALR2リガンドのcD
NAをクローニングするためのPCRに使用したプライ
マーの塩基配列を示す。 〔配列番号:5〕マウス型のGALR2リガンドのcD
NAをクローニングするためのPCRに使用したプライ
マーの塩基配列を示す。 〔配列番号:6〕配列番号:4および5のプライマーを
用いてクローニングされたcDNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:7〕マウス型のGALR2リガンドのcD
NAをクローニングするための5’RACEに使用した
プライマーの塩基配列を示す。 〔配列番号:8〕マウス型のGALR2リガンドのcD
NAをクローニングするための3’RACEに使用した
プライマーの塩基配列を示す。 〔配列番号:9〕マウス型のGALR2リガンドのcD
NAをクローニングするためのPCRに使用したプライ
マーの塩基配列を示す。 〔配列番号:10〕マウス型のGALR2リガンドのc
DNAをクローニングするためのPCRに使用したプラ
イマーの塩基配列を示す。 〔配列番号:11〕ラット型のGALR1(ガラニン・
レセプター・タイプ1)の全アミノ酸配列を示す。 〔配列番号:12〕ラット型のGALR2(ガラニン・
レセプター・タイプ2)の全アミノ酸配列を示す。 〔配列番号:13〕ラット型のGALR3(ガラニン・
レセプター・タイプ3)の全アミノ酸配列を示す。 〔配列番号:14〕ブタ型のガラニンレセプターリガン
ドのアミノ酸配列(WO99/48920号に記載)を
示す。 〔配列番号:15〕ラット型のガラニンレセプターリガ
ンドのアミノ酸配列(WO99/48920号に記載)
を示す。 〔配列番号:16〕ヒト型のガラニンレセプターリガン
ドのアミノ酸配列(WO99/48920号に記載)を
示す。 〔配列番号:17〕ラット型のGALR1(ガラニン・
レセプター・タイプ1)のcDNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:18〕ラット型のGALR2(ガラニン・
レセプター・タイプ2)のcDNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:19〕ラット型のGALR3(ガラニン・
レセプター・タイプ3)のcDNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:20〕本発明のマウス型のGALR2リガ
ンド前駆体のcDNAの塩基配列を示す。
【0039】後述の実施例1で得られた形質転換体 Esc
herichia coli TOP10/pGR2ML1 は、財団法人発酵研究
所(IFO)に2000年2月2日から寄託番号 IFO 16361
として、また、日本国通商産業省工業技術院生命工学工
業技術研究所(NIBH,日本国茨城県つくば市東1丁
目1番3号)に2000年3月16日から寄託番号 FERM BP-70
92 として寄託されている。
【0040】
【実施例】以下に、実施例を示し、本発明をより詳細に
説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものでは
ない。 実施例1 マウス型リガンドぺプチドcDNAのクローニン
グ マウス精巣Marathon-Ready cDNA (BALB/c mouse由来、C
LONTECH社)を鋳型としてプライマー F/R120とR/R120
(WO99/48920号に記載)を用いてPCRを実施
した。 F/R120: 5'-AGGCTGGACCCTCAATAGTGCTGGTTAC-3' (配列番号:4) R/R120: 5'-CCATCTATGGCCTTCCACAGGTCTAGGA-3' (配列番号:5) PCR反応液組成はExTaq(宝酒造株式会社)を0.5 μl、添
付の10x PCR bufferを5μl、2.5 mM dNTP mixtureを4
μl、プライマーF/R120およびR/R120(それぞれ10 μ
M)を各0.5 μl、および鋳型cDNAを1 μl、蒸留水を34.
5 μlを混合して作製し、反応条件は94℃・30秒の初期変
性後、94℃・30秒-62℃・30秒-72℃・60秒のサイクル反応
を35回、および72℃・10分の最終伸長反応とした。得ら
れたDNA断片をTOPO TA Cloning Kit (Invitrogen社)を
用いて添付のマニュアルに記載された方法に従ってクロ
ーニングした。クローニングされたDNAの配列をABI377D
NA sequencerを用いて解読し、配列番号:6の配列を得
た。 AGGCTGGACC CTCAATAGTG CTGGTTACCT CCTGGGTCCT GTCCTCCCCG TTTCCTCCAA 60 GGCCGACCAG GGCAGGAAGA GAGACTCAGC TCTTGAGATC CTAGACCTGT GGAAGGCCAT 120 AGATGG 126 (配列番号:6)得られた配列よりプライマー 1F/M120
(配列番号:7 )、1R/M120(配列番号:8)を作成
し、以下に記した5'RACE及び3'RACE実験に用いた。 1F/M120: 5'-TCCAAGGCCGACCAGGGCAGGAAGAGAG -3'(配列番号:7) 1R/M120: 5'-GGTCTAGGATCTCAAGAGCTGAGTCTCT-3' (配列番号:8) 5'RACE及び3'RACEのPCR反応液はTaq(宝酒造株式会社)を
0.5 μl、添付の10x PCR buffer(500 mM KCl-25 mM MgC
l2-100 mM Tris・HCl, pH 8.3)を5 μl、2.5 mM dNTP m
ixtureを4 μl、25 mM MgCl2 を3 μl、10 μMプライマ
ーF/R120(3'RACEの場合)あるいは10 μMプライマーR/R1
20(5'RACEの場合)を 1 μl、10 μMプライマーAP1(プ
ライマーAP1はCLONTECH社のMarathon-Ready cDNA Kitに
添付のもの)を1 μl、鋳型cDNA(CLONTECH社、マウス
精巣Marathon-Ready cDNA)を5 μl、及び蒸留水を31
μlを混合して作製した。反応条件は94℃・60秒の初期変
性後、94℃・30秒-72℃・120秒のサイクル反応を5回、94
℃・30秒-70℃・120秒のサイクル反応を5回、94℃・30秒-6
8℃・120秒のサイクル反応を25回および68℃・10分の最終
伸長反応とした。続いて、該PCR反応の反応液を鋳型と
してnested PCRを実施した。反応液はTaq(宝酒造株式会
社)を0.5 μl、添付の10x PCR buffer(500 mM KCl-25 m
M MgCl2-100 mM Tris・HCl, pH 8.3)を5 μl、2.5 mM d
NTP mixtureを4 μl、25 mM MgCl2を3 μl、10 μMプラ
イマー1F/M120(3'RACEの場合)あるいは10 μMプライマ
ー1R/M120(5'RACEの場合)を 1 μl、10 μMプライマーA
P2(プライマーAP2はCLONTECH社のMarathon-Ready cDNA
Kitに添付のもの)を1 μl、鋳型DNA(該PCR反応液50
倍希釈液)を5 μl、及び蒸留水を31 μlを混合して作
製した。反応条件は94℃・60秒の初期変性後、94℃・30秒
-72℃・120秒のサイクル反応を5回、94℃・30秒-70℃・120
秒のサイクル反応を5回、94℃・30秒-68℃・120秒のサイ
クル反応を25回および68℃・10分の最終伸長反応とし
た。得られたDNA断片をTOPO TA Cloning Kit (Invitrog
en社)を用いて添付のマニュアルに記載された方法に従
ってクローニングした。クローニングされたDNA配列を
解読し、5'端、3'端の配列情報を得た。この配列情報よ
りプライマー1F/M650、1R/M650を作成した。 1F/H650: 5'-GAAAGACAGTCTCAAATCAAGGACCTGC-3' (配列番号:9) 1R/H650: 5'-TGAGCTGGAAACGAAGGAGGAGTGAGGT-3' (配列番号:10) Balb/c mouse由来精巣poly(A)+RNA(ニッポンジーン社
製)から定法によりSupersrcipt II reverse transcript
ase(GIBCO/BRL社製)を用いてsingle strand DNAを合成
した。本DNAを鋳型としてプライマー F/M650とR/M650を
用いてPCRを実施した。PCR反応液はPfu DNA polymerase
(Stratagene社)を1 μl、添付の10x PCRbufferを5 μ
l、2.5 mM dNTP mixtureを4 μl、10 μMプライマーF/M
650及びR/M650を各2.5 μl 、鋳型DNAを1 μl、及び蒸
留水を34.5 μlを混合して作製した。反応条件は94℃・3
0秒の初期変性後、94℃・30秒-67℃・30秒-72℃・4分のサ
イクル反応を30回、および72℃・10分の最終伸長反応と
した。得られたDNA断片をpCRII Blunt TOPO vector (In
vitrogen社)を用いて添付のマニュアルに記載された方
法に従ってクローニングした。クローニングされたDNA
配列を定法によりシークエンシングし、マウスGALR2 li
gand全長ペプチドをコードする180 bpのDNA断片(配
列番号3)を有するpGR2ML1を得ることができた。該プラ
スミドによりトランスフォームさせた大腸菌TOP10を、T
OP10/pGR2ML1と命名した。この180塩基対の塩基配列
から推定されるアミノ酸配列を配列番号:2に示す。ま
た、その成熟部分を配列番号:1に示す。該成熟部分の
アミノ酸配列を、ブタ小腸ガラニン(ガラニン)、ブタ
型GalR2リガンド(P−GALR2L)、ラット型
GalR2リガンド(R−GALR2L)およびヒト型
GalR2リガンド(H−GALR2L)のアミノ酸配
列と比較したところ、該成熟部分のアミノ酸配列はブタ
型GalR2リガンド(P−GALR2L)、ラット型
GalR2リガンド(R−GALR2L)およびヒト型
GalR2リガンド(H−GALR2L)に対して高い
相同性を示した(図1参照)。
【0041】
【発明の効果】本発明のペプチドもしくはその前駆体ま
たはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩は、
ガラニン・レセプターを活性化する能力を有する。従っ
て、ガラニン・レセプターが多く分布している視床下
部、下垂体、子宮、腎臓、前立腺または骨格筋におけ
る、副作用の少ない機能調節剤などの医薬の開発等に用
いることができる。本発明のペプチドもしくはその前駆
体またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩
を用いることによって、ガラニン・レセプターとの結合
性を変化させる化合物のスクリーニングが可能になる。
【0042】
【配列表フリーテキスト】
SEQ ID NO. 4 Designed oligonucleotide Primer to amplify mouse G
ALR2 ligand. SEQ ID NO. 5 Designed oligonucleotide Primer to amplify mouse G
ALR2 ligand. SEQ ID NO. 7 Designed oligonucleotide Primer for 5' RACE to amp
lify mouse GALR2 ligand. SEQ ID NO. 8 Designed oligonucleotide Primer for 3' RACE to amp
lify mouse GALR2 ligand. SEQ ID NO. 9 Designed oligonucleotide Primer to amplify mouse G
ALR2 ligand. SEQ ID NO. 10 Designed oligonucleotide Primer to amplify mouse G
ALR2 ligand.
【0043】
【配列表】 Sequence Listing <110> Takeda Chemical Industries, Ltd. <120> Novel Physiological Active Peptide and its Use <130> 177095 <160> 19 <210> 1 <211> 60 <212> PRT <213> Mouse <400> 1 Ala Pro Ala His Arg Gly Arg Gly Gly Trp Thr Leu Asn Ser Ala Gly 1 5 10 15 Tyr Leu Leu Gly Pro Val Leu Pro Val Ser Ser Lys Ala Asp Gln Gly 20 25 30 Arg Lys Arg Asp Ser Ala Leu Glu Ile Leu Asp Leu Trp Lys Ile Ile 35 40 45 Asp Gly Leu Pro Tyr Ser His Ser Pro Arg Met Thr 50 55 60 <210> 2 <211> 117 <212> PRT <213> Mouse <400> 2 Met Ala Cys Ser Val His Leu Val Leu Phe Leu Thr Ile Leu Leu Ser 1 5 10 15 Leu Ala Glu Thr Pro Glu Ser Ala Pro Ala His Arg Gly Arg Gly Gly 20 25 30 Trp Thr Leu Asn Ser Ala Gly Tyr Leu Leu Gly Pro Val Leu Pro Val 35 40 45 Ser Ser Lys Ala Asp Gln Gly Arg Lys Arg Asp Ser Ala Leu Glu Ile 50 55 60 Leu Asp Leu Trp Lys Ile Ile Asp Gly Leu Pro Tyr Ser His Ser Pro 65 70 75 80 Arg Met Thr Lys Arg Thr Met Gly Glu Thr Phe Val lys Ala Asn Thr 85 90 95 Gly Asp Met His Ile Leu Asp Lys Asn Val Pro Lys Glu Glu Ala Thr 100 105 110 Leu Asp Ser Glu Ser 115 <210> 3 <211> 180 <212> DNA <213> Mouse <400> 3 gcacctgctc acaggggacg aggaggctgg accctcaata gtgctggtta cctcctgggt 60 cctgtcctcc ccgtttcctc caaggccgac cagggcagga agagagactc agctcttgag 120 atcctagacc tgtggaagat cattgatgga cttccttatt cccactctcc aaggatgacc 180 <210> 4 <211> 28 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide Primer to amplify mouse GALR2 ligand <400> 4 aggctggacc ctcaatagtg ctggttac 28 <210> 5 <211> 28 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide Primer to amplify mouse GALR2 ligand <400> 5 ccatctatgg ccttccacag gtctagga 28 <210> 6 <211> 126 <212> DNA <213> Mouse <400> 6 aggctggacc ctcaatagtg ctggttacct cctgggtcct gtcctccccg tttcctccaa 60 ggccgaccag ggcaggaaga gagactcagc tcttgagatc ctagacctgt ggaaggccat 120 agatgg 126 <210> 7 <211> 28 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide Primer for 5' RACE to amplify mouse GALR2 ligand <400> 7 tccaaggccg accagggcag gaagagag 28 <210> 8 <211> 28 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide Primer for 3' RACE to amplify mouse GALR2 ligand <400> 8 ggtctaggat ctcaagagct gagtctct 28 <210> 9 <211> 28 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide Primer to amplify mouse GALR2 ligand <400> 9 gaaagacagt ctcaaatcaa ggacctgc 28 <210> 10 <211> 28 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide Primer to amplify mouse GALR2 ligand <400> 10 tgagctggaa acgaaggagg agtgaggt 28 <210> 11 <211> 346 <212> PRT <213> Rat <400> 11 Met Glu Leu Ala Pro Val Asn Leu Ser Glu Gly Asn Gly Ser Asp Pro 1 5 10 15 Glu Pro Pro Ala Glu Pro Arg Pro Leu Phe Gly Ile Gly Val Glu Asn 20 25 30 Phe Ile Thr Leu Val Val Phe Gly Leu Ile Phe Ala Met Gly Val Leu 35 40 45 Gly Asn Ser Leu Val Ile Thr Val Leu Ala Arg Ser Lys Pro Gly Lys 50 55 60 Pro Arg Ser Thr Thr Asn Leu Phe Ile Leu Asn Leu Ser Ile Ala Asp 65 70 75 80 Leu Ala Tyr Leu Leu Phe Cys Ile Pro Phe Gln Ala Thr Val Tyr Ala 85 90 95 Leu Pro Thr Trp Val Leu Gly Ala Phe Ile Cys Lys Phe Ile His Tyr 100 105 110 Phe Phe Thr Val Ser Met Leu Val Ser Ile Phe Thr Leu Ala Ala Met 115 120 125 Ser Val Asp Arg Tyr Val Ala Ile Val His Ser Arg Arg Ser Ser Ser 130 135 140 Leu Arg Val Ser Arg Asn Ala Leu Leu Gly Val Gly Phe Ile Trp Ala 145 150 155 160 Leu Ser Ile Ala Met Ala Ser Pro Val Ala Tyr Tyr Gln Arg Leu Phe 165 170 175 His Arg Asp Ser Asn Gln Thr Phe Cys Trp Glu His Trp Pro Asn Gln 180 185 190 Leu His Lys Lys Ala Tyr Val Val Cys Thr Phe Val Phe Gly Tyr Leu 195 200 205 Leu Pro Leu Leu Leu Ile Cys Phe Cys Tyr Ala Lys Val Leu Asn His 210 215 220 Leu His Lys Lys Leu Lys Asn Met Ser Lys Lys Ser Glu Ala Ser Lys 225 230 235 240 Lys Lys Thr Ala Gln Thr Val Leu Val Val Val Val Val Phe Gly Ile 245 250 255 Ser Trp Leu Pro His His Val Ile His Leu Trp Ala Glu Phe Gly Ala 260 265 270 Phe Pro Leu Thr Pro Ala Ser Phe Phe Phe Arg Ile Thr Ala His Cys 275 280 285 Leu Ala Tyr Ser Asn Ser Ser Val Asn Pro Ile Ile Tyr Ala Phe Leu 290 295 300 Ser Glu Asn Phe Arg Lys Ala Tyr Lys Gln Val Phe Lys Cys Arg Val 305 310 315 320 Cys Asn Glu Ser Pro His Gly Asp Ala Lys Glu Lys Asn Arg Ile Asp 325 330 335 Thr Pro Pro Ser Thr Asn Cys Thr His Val 340 345 <210> 12 <211> 372 <212> PRT <213> Rat <400> 12 Met Asn Gly Ser Gly Ser Gln Gly Ala Glu Asn Thr Ser Gln Glu Gly 1 5 10 15 Gly Ser Gly Gly Trp Gln Pro Glu Ala Val Leu Val Pro Leu Phe Phe 20 25 30 Ala Leu Ile Phe Leu Val Gly Thr Val Gly Asn Ala Leu Val Leu Ala 35 40 45 Val Leu Leu Arg Gly Gly Gln Ala Val Ser Thr Thr Asn Leu Phe Ile 50 55 60 Leu Asn Leu Gly Val Ala Asp Leu Cys Phe Ile Leu Cys Cys Val Pro 65 70 75 80 Phe Gln Ala Thr Ile Tyr Thr Leu Asp Asp Trp Val Phe Gly Ser Leu 85 90 95 Leu Cys Lys Ala Val His Phe Leu Ile Phe Leu Thr Met His Ala Ser 100 105 110 Ser Phe Thr Leu Ala Ala Val Ser Leu Asp Arg Tyr Leu Ala Ile Arg 115 120 125 Tyr Pro Leu His Ser Arg Glu Leu Arg Thr Pro Arg Asn Ala Leu Ala 130 135 140 Ala Ile Gly Leu Ile Trp Gly Leu Ala Leu Leu Phe Ser Gly Pro Tyr 145 150 155 160 Leu Ser Tyr Tyr Arg Gln Ser Gln Leu Ala Asn Leu Thr Val Cys His 165 170 175 Pro Ala Trp Ser Ala Pro Arg Arg Arg Ala Met Asp Leu Cys Thr Phe 180 185 190 Val Phe Ser Tyr Leu Leu Pro Val Leu Val Leu Ser Leu Thr Tyr Ala 195 200 205 Arg Thr Leu Arg Tyr Leu Trp Arg Thr Val Asp Pro Val Thr Ala Gly 210 215 220 Ser Gly Ser Gln Arg Ala Lys Arg Lys Val Thr Arg Met Ile Ile Ile 225 230 235 240 Val Ala Val Leu Phe Cys Leu Cys Trp Met Pro His His Ala Leu Ile 245 250 255 Leu Cys Val Trp Phe Gly Arg Phe Pro Leu Thr Arg Ala Thr Tyr Ala 260 265 270 Leu Arg Ile Leu Ser His Leu Val Ser Tyr Ala Asn Ser Cys Val Asn 275 280 285 Pro Ile Val Tyr Ala Leu Val Ser Lys His Phe Arg Lys Gly Phe Arg 290 295 300 Lys Ile Cys Ala Gly Leu Leu Arg Pro Ala Pro Arg Arg Ala Ser Gly 305 310 315 320 Arg Val Ser Ile Leu Ala Pro Gly Asn His Ser Gly Ser Met Leu Glu 325 330 335 Gln Glu Ser Thr Asp Leu Thr Gln Val Ser Glu Ala Ala Gly Pro Leu 340 345 350 Val Pro Pro Pro Ala Leu Pro Asn Cys Thr Ala Ser Ser Arg Thr Leu 355 360 365 Asp Pro Ala Cys 370 <210> 13 <211> 370 <212> PRT <213> Rat <400> 13 Met Ala Asp Ile Gln Asn Ile Ser Leu Asp Ser Pro Gly Ser Val Gly 1 5 10 15 Ala Val Ala Val Pro Val Ile Phe Ala Leu Ile Phe Leu Leu Gly Met 20 25 30 Val Gly Asn Gly Leu Val Leu Ala Val Leu Leu Gln Pro Gly Pro Ser 35 40 45 Ala Trp Gln Glu Pro Ser Ser Thr Thr Asp Leu Phe Ile Leu Asn Leu 50 55 60 Ala Val Ala Asp Leu Cys Phe Ile Leu Cys Cys Val Pro Phe Gln Ala 65 70 75 80 Ala Ile Tyr Thr Leu Asp Ala Trp Leu Phe Gly Ala Phe Val Cys Lys 85 90 95 Thr Val His Leu Leu Ile Tyr Leu Thr Met Tyr Ala Ser Ser Phe Thr 100 105 110 Leu Ala Ala Val Ser Leu Asp Arg Tyr Leu Ala Val Arg His Pro Leu 115 120 125 Arg Ser Arg Ala Leu Arg Thr Pro Arg Asn Ala Arg Ala Ala Val Gly 130 135 140 Leu Val Trp Leu Leu Ala Ala Leu Phe Ser Ala Pro Tyr Leu Ser Tyr 145 150 155 160 Tyr Gly Thr Val Arg Tyr Gly Ala Leu Glu Leu Cys Val Pro Ala Trp 165 170 175 Glu Asp Ala Arg Arg Arg Ala Leu Asp Val Ala Thr Phe Ala Ala Gly 180 185 190 Tyr Leu Leu Pro Val Ala Val Val Ser Leu Ala Tyr Gly Arg Thr Leu 195 200 205 Cys Phe Leu Trp Ala Ala Val Gly Pro Ala Gly Ala Ala Ala Ala Glu 210 215 220 Ala Arg Arg Arg Ala Thr Gly Arg Ala Gly Arg Ala Met Leu Ala Val 225 230 235 240 Ala Ala Leu Tyr Ala Leu Cys Trp Gly Pro His His Ala Leu Ile Leu 245 250 255 Cys Phe Trp Tyr Gly Arg Phe Ala Phe Ser Pro Ala Thr Tyr Ala Cys 260 265 270 Arg Leu Ala Ser His Cys Leu Ala Tyr Ala Asn Ser Cys Leu Asn Pro 275 280 285 Leu Val Tyr Ser Leu Ala Ser Arg His Phe Arg Ala Arg Phe Arg Arg 290 295 300 Leu Trp Pro Cys Gly Arg Arg Arg His Arg His His His Arg Ala His 305 310 315 320 Arg Ala Leu Arg Arg Val Gln Pro Ala Ser Ser Gly Pro Ala Gly Tyr 325 330 335 Pro Gly Asp Ala Arg Pro Arg Gly Trp Ser Met Glu Pro Arg Gly Asp 340 345 350 Ala Leu Arg Gly Gly Gly Glu Thr Arg Leu Thr Leu Ser Pro Arg Gly 355 360 365 Pro Gln 370 <210> 14 <211> 60 <212> PRT <213> Porcine <400> 14 Ala Pro Val His Arg Gly Arg Gly Gly Trp Thr Leu Asn Ser Ala Gly 1 5 10 15 Tyr Leu Leu Gly Pro Val Leu His Pro Pro Ser Arg Ala Glu Gly Gly 20 25 30 Gly Lys Gly Lys Thr Ala Leu Gly Ile Leu Asp Leu Trp Lys Ala Ile 35 40 45 Asp Gly Leu Pro Tyr Pro Gln Ser Gln Leu Ala Ser 50 55 60 <210> 15 <211> 60 <212> PRT <213> Rat <400> 15 Ala Pro Ala His Arg Gly Arg Gly Gly Trp Thr Leu Asn Ser Ala Gly 1 5 10 15 Tyr Leu Leu Gly Pro Val Leu His Leu Ser Ser Lys Ala Asn Gln Gly 20 25 30 Arg Lys Thr Asp Ser Ala Leu Glu Ile Leu Asp Leu Trp Lys Ala Ile 35 40 45 Asp Gly Leu Pro Tyr Ser Arg Ser Pro Arg Met Thr 50 55 60 <210> 16 <211> 60 <212> PRT <213> Human <400> 16 Ala Pro Ala His Arg Gly Arg Gly Gly Trp Thr Leu Asn Ser Ala Gly 1 5 10 15 Tyr Leu Leu Gly Pro Val Leu His Leu Pro Gln Met Gly Asp Gln Asp 20 25 30 Gly Lys Arg Glu Thr Ala Leu Glu Ile Leu Asp Leu Trp Lys Ala Ile 35 40 45 Asp Gly Leu Pro Tyr Ser His Pro Pro Gln Pro Ser 50 55 60 <210> 17 <211> 1041 <212> DNA <213> Rat <400> 17 atggaactgg ctccggtgaa cctcagtgaa gggaatggga gcgaccctga acctccagcg 60 gaacccaggc cgctcttcgg catcggcgtg gagaacttca tcacgctggt ggtgtttggc 120 cttattttcg cgatgggcgt gctgggcaac agcctggtga tcaccgtgct ggcgcgcagc 180 aaaccgggca agccgcgcag caccaccaac ctgttcatcc tcaacctgag catcgcagac 240 ctggcctacc tgctcttctg catccctttc caggccaccg tgtacgcact gcccacctgg 300 gtgctgggcg ccttcatctg caagtttata cactacttct tcaccgtgtc catgctcgtg 360 agcatcttca ccctggccgc gatgtctgtg gatcgctatg tggccattgt gcattcacgg 420 cgctcctcct ccctcagggt gtcccgcaac gcgctgctgg gcgtgggctt catctgggcg 480 ctgtccatcg ctatggcctc gccggtggcc tactaccagc gcctttttca tcgggacagc 540 aaccaaacct tctgctggga gcactggccc aaccaactcc acaagaaggc ttacgtggtg 600 tgcactttcg tctttggtta ccttctgccc ttactgctca tctgcttttg ctatgccaag 660 gttctcaatc atctgcataa aaagttgaag aacatgtcaa aaaagtcaga ggcatccaag 720 aaaaagactg cacagactgt cctggtggtc gttgtggtat ttggcatatc atggctgccc 780 catcatgtca tccacctctg ggctgagttc ggagcattcc cgctgacccc agcttccttc 840 ttcttcagaa tcactgccca ctgcctggca tacagcaact cctcggtgaa ccccatcatc 900 tacgcctttc tctcagaaaa cttccggaag gcgtacaagc aagtgttcaa gtgccgtgtt 960 tgcaatgagt cgccgcacgg cgatgctaaa gaaaagaacc gaatagatac cccgccctcc 1020 accaactgca cccacgtgtg a 1041 <210> 18 <211> 1119 <212> DNA <213> Rat <400> 18 atgaatggct ccggcagcca gggcgcggag aacacgagcc aggaaggcgg tagcggcggc 60 tggcagcctg aggcggtcct tgtaccccta tttttcgcgc tcatcttcct cgtgggcacc 120 gtgggcaacg cgctggtgct ggcggtgctg ctgcgcggcg gccaggcggt cagcaccacc 180 aacctgttca tcctcaacct gggcgtggcc gacctgtgtt tcatcctgtg ctgcgtgcct 240 ttccaggcca ccatctacac cctggacgac tgggtgttcg gctcgctgct ctgcaaggct 300 gttcatttcc tcatctttct cactatgcac gccagcagct tcacgctggc cgccgtctcc 360 ctggacaggt atctggccat ccgctacccg ctgcactccc gagagttgcg cacacctcga 420 aacgcgctgg ccgccatcgg gctcatctgg gggctagcac tgctcttctc cgggccctac 480 ctgagctact accgtcagtc gcagctggcc aacctgacag tatgccaccc agcatggagc 540 gcacctcgac gtcgagccat ggacctctgc accttcgtct ttagctacct gctgccagtg 600 ctagtcctca gtctgaccta tgcgcgtacc ctgcgctacc tctggcgcac agtcgacccg 660 gtgactgcag gctcaggttc ccagcgcgcc aaacgcaagg tgacacggat gatcatcatc 720 gtggcggtgc ttttctgcct ctgttggatg ccccaccacg cgcttatcct ctgcgtgtgg 780 tttggtcgct tcccgctcac gcgtgccact tacgcgttgc gcatcctttc acacctagtt 840 tcctatgcca actcctgtgt caaccccatc gtttacgctc tggtctccaa gcatttccgt 900 aaaggtttcc gcaaaatctg cgcgggcctg ctgcgccctg ccccgaggcg agcttcgggc 960 cgagtgagca tcctggcgcc tgggaaccat agtggcagca tgctggaaca ggaatccaca 1020 gacctgacac aggtgagcga ggcagccggg ccccttgtcc caccacccgc acttcccaac 1080 tgcacagcct cgagtagaac cctggatccg gcttgttaa 1119 <210> 19 <211> 1113 <212> DNA <213> Rat <400> 19 atggctgaca tccagaacat ttcgctggac agcccaggga gcgtaggggc tgtggcagtg 60 cctgtgatct ttgccctcat cttcctgttg ggcatggtgg gcaatgggct ggtgttggct 120 gtgctactgc agcctggccc aagtgcctgg caggagccaa gcagtaccac agatctcttc 180 atcctcaact tggccgtggc cgacctttgc ttcatcctgt gctgcgtgcc cttccaggca 240 gccatctaca cactggatgc ctggctcttt ggggctttcg tgtgcaagac ggtacatctg 300 ctcatctacc tcaccatgta tgccagcagc ttcaccctgg cggccgtctc cctggacagg 360 tacctggctg tgcggcaccc actgcgctcc agagccctgc gcaccccgcg caacgcgcgc 420 gccgccgtgg ggctcgtgtg gctgctggcg gctctctttt ccgcgcccta cctaagctat 480 tacggcacgg tgcgctacgg cgcgctcgag ctctgcgtgc ccgcttggga ggacgcgcgg 540 cggcgcgcgc tggacgtggc caccttcgcc gcgggctacc tgctgccggt ggccgtggtg 600 agcctggcct acggacgcac gctatgtttc ctatgggccg ccgtgggtcc cgcgggcgcg 660 gcggcagcag aggcgcgcag acgggcgacc ggccgggcgg gacgcgccat gctggcagtg 720 gccgcgctct acgcgctttg ctggggcccg caccacgcgc tcatcctctg cttctggtac 780 ggccgcttcg ccttcagccc ggccacctac gcctgtcgcc tggcctcgca ctgcctcgcc 840 tacgccaact cctgccttaa cccgctcgtc tactcgctcg cctcgcgcca cttccgcgcg 900 cgcttccgcc gcctgtggcc ctgcggccgt cgccgccacc gccaccacca ccgcgctcat 960 cgagccctcc gtcgtgtcca gccggcgtct tcgggccccg ccggttatcc cggcgacgcc 1020 aggcctcgtg gttggagtat ggagcccaga ggggatgctc tgcgtggtgg tggagagact 1080 agactaaccc tgtcccccag gggacctcaa taa 1113 <210> 20 <211> 351 <212> DNA <213> Rat <400> 20 atggcctgct ccgtacatct ggtcctcttc ctcaccatct tgctgagcct ggcagaaaca 60 ccggaatctg cacctgctca caggggacga ggaggctgga ccctcaatag tgctggttac 120 ctcctgggtc ctgtcctccc cgtttcctcc aaggccgacc agggcaggaa gagagactca 180 gctcttgaga tcctagacct gtggaagatc attgatggac ttccttattc ccactctcca 240 aggatgacca aaaggacaat gggagaaacg tttgtcaaag cgaatactgg agatatgcac 300 atactggaca agaatgttcc caaggaagaa gccaccctgg actcagagag t 351
【図面の簡単な説明】
【図1】 ブタ小腸ガラニン(ガラニン)、ブタ型Ga
lR2リガンド(P−GALR2L)、ラット型Gal
R2リガンド(R−GALR2L)、ヒト型GalR2
リガンド(H−GALR2L)ならびに本発明のマウス
型GalR2リガンドのアミノ酸配列を比較する図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 48/00 A61P 13/08 4C085 A61P 1/14 13/12 4H045 13/08 15/04 13/12 15/08 15/04 19/00 15/08 21/00 19/00 25/28 21/00 C07K 14/47 25/28 16/18 C07K 14/47 C12N 1/15 16/18 1/19 C12N 1/15 1/21 1/19 C12P 21/02 C 1/21 G01N 33/15 Z 5/10 33/50 Z C12P 21/02 33/53 D G01N 33/15 33/566 33/50 C12P 21/08 33/53 C12N 15/00 ZNAA 33/566 5/00 A // C12P 21/08 A61K 37/02 Fターム(参考) 2G045 AA40 DA36 FB03 FB07 4B024 AA01 AA11 BA80 CA04 CA20 DA01 DA02 DA05 DA06 DA11 EA04 GA11 HA17 4B064 AG01 AG27 CA01 CA02 CA10 CA19 CA20 CC01 CC24 DA01 DA13 4B065 AA01X AA26X AA58X AA72X AA87X AA91Y AC14 BA02 CA24 CA43 CA44 CA46 4C084 AA16 NA14 ZA15 ZA70 ZA81 ZA85 ZA94 ZA96 4C085 AA13 AA14 CC21 CC29 DD62 4H045 AA10 AA11 AA20 AA30 BA10 CA40 DA75 EA20 EA50 FA71 FA74

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号:1で表されるアミノ酸配列と
    同一または実質的に同一のアミノ酸配列を含有すること
    を特徴とするペプチドもしくはその前駆体またはそのア
    ミドもしくはそのエステルまたはその塩。
  2. 【請求項2】 配列番号:2で表されるアミノ酸配列と
    同一または実質的に同一のアミノ酸配列を含有すること
    を特徴とする請求項1記載の前駆体。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のペプチドもしくは前駆体
    をコードするDNAを含有するDNA。
  4. 【請求項4】 配列番号:3または配列番号:20で表
    される塩基配列を含有する請求項3記載のDNA。
  5. 【請求項5】 請求項3記載のDNAを含有する組み換
    えベクター。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の組み換えベクターで形質
    転換された形質転換体。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の形質転換体を培養し、請
    求項1記載のペプチドもしくは前駆体またはそのアミド
    もしくはそのエステルまたはその塩を生成・蓄積せしめ
    ることを特徴とする、請求項1記載のペプチドもしくは
    前駆体またはそのアミドもしくはそのエステルまたはそ
    の塩の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1記載のペプチドもしくは前駆体
    に対する抗体。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の抗体を含有してなる医
    薬。
  10. 【請求項10】 請求項8記載の抗体を含有してなる診
    断薬。
  11. 【請求項11】 請求項1記載のペプチドもしくは前駆
    体またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩
    を含有してなる医薬。
  12. 【請求項12】 記憶機能改善剤、食欲調節剤、子宮機
    能調節剤、腎臓機能調節剤、前立腺機能調節剤、精巣機
    能調節剤または骨格筋機能調節剤である請求項11記載
    の医薬。
  13. 【請求項13】 請求項1記載のペプチドもしくはその
    前駆体またはそのアミドもしくはそのエステルまたはそ
    の塩を用いることを特徴とする、配列番号:11、配列
    番号:12または配列番号:13で表わされるアミノ酸
    配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有
    するレセプター蛋白質に対するアゴニストまたはアンタ
    ゴニストのスクリーニング方法。
  14. 【請求項14】 請求項13記載のスクリーニング方法
    によって得られる化合物またはその塩。
  15. 【請求項15】 請求項14記載の化合物またはその塩
    を含有する記憶機能改善剤、食欲調節剤、子宮機能調節
    剤、腎臓機能調節剤、前立腺機能調節剤、精巣機能調節
    剤または骨格筋機能調節剤。
  16. 【請求項16】 記憶機能改善作用、食欲調節作用、子
    宮機能調節作用、腎臓機能調節作用、前立腺機能調節作
    用、精巣機能調節作用または骨格筋機能調節作用を有す
    る医薬を製造するための請求項1記載のペプチドもし
    くはその前駆体またはそのアミドもしくはそのエステル
    またはその塩、請求項3記載のDNA、または請求
    項8記載の抗体の使用。
  17. 【請求項17】 請求項1記載のペプチドもしくはそ
    の前駆体またはそのアミドもしくはそのエステルまたは
    その塩、請求項3記載のDNA、または請求項8記
    載の抗体を哺乳動物に投与することを特徴とする記憶機
    能改善、食欲調節、子宮機能調節、腎臓機能調節、前立
    腺機能調節、精巣機能調節または骨格筋機能調節方法。
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