JP2002357603A - スクリーニング方法 - Google Patents

スクリーニング方法

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JP2002357603A
JP2002357603A JP2001291523A JP2001291523A JP2002357603A JP 2002357603 A JP2002357603 A JP 2002357603A JP 2001291523 A JP2001291523 A JP 2001291523A JP 2001291523 A JP2001291523 A JP 2001291523A JP 2002357603 A JP2002357603 A JP 2002357603A
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JP2001291523A
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Yukio Toyoda
幸生 豊田
Kenjiro Okazaki
賢治朗 岡崎
Makoto Kobayashi
真 小林
Shota Ikeda
正太 池田
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】PH領域を有するGRK蛋白質もしくはその部
分ペプチドとGベータガンマ蛋白質の結合を阻害し、G
蛋白質共役型レセプター脱感作阻害を直接的に確認でき
ることを特徴とする心不全治療薬または高血圧症治療薬
などのスクリーニング方法を提供する。 【解決手段】本発明のスクリーニング方法により大量の
化合物を迅速かつ簡便にスクリーニングでき、該スクリ
ーニング方法により得られるGRK蛋白質とGベータガ
ンマ蛋白質の結合を変化させる化合物は心不全症、高血
圧症などの治療薬として有用である。GRK2とGベー
タガンマ蛋白質の結合を阻害することにより、GRKの
βARへのリン酸化作用を抑制し、その脱感作を阻害で
きるので新しい作用機作に基づく医薬品の開発が可能で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プレクストリン相
同領域(以下、PH領域と略す場合がある)を有するG
RK蛋白質(例、GRK2蛋白質)もしくはその部分ペ
プチド(例、GRK2PH相同領域)とGベータガンマ
蛋白質の結合を阻害し、G蛋白質共役型レセプター脱感
作阻害を直接的に確認できることを特徴とする心不全治
療薬または高血圧症治療薬などのスクリーニング方法な
どに関する。
【0002】
【従来の技術】G蛋白質関連リン酸化酵素(以下、GR
Kと略す)はG蛋白質共役型レセプターがリガンドと結
合した後の構造変化に伴いG蛋白質共役型レセプターを
リン酸化し、細胞内にシグナル伝達を担うリン酸化酵素
である(Freedman, N.ら(1995)ジャーナル・オブ・
バイオロジカル・ケミストリー(J. Biol. Chem.)、2
70巻、No.30、17953−61)。GRKは現
在までに6種類が同定されており、これらのうちβ−ア
ドレナリンレセプターキナーゼであるGRK2およびG
RK3にはそのC末端にPH領域が存在することが知ら
れている。また、G蛋白質のサブユニットであるGベー
タガンマ蛋白質はG蛋白質共役型レセプターの構造変化
によりレセプターに結合し、Gアルファサブユニット蛋
白質を解離させた後、GRK2と結合しGRK2のリン
酸化酵素活性速度を高めている。GRK2がGベータガ
ンマ蛋白質への結合によりG蛋白質共役型レセプターの
位置する膜に誘導されるためである(Inglese, J.ら
(1992)ネイチャー(Nature)、359巻、
147−150)。In vitroにおいては、酵素活性速度
はGベータガンマ蛋白質の共存により、2−4倍増強さ
れるためGベータガンマ蛋白質とGRKの結合がG蛋白
質共役型レセプターのリン酸化の大きな要素である(Pi
tcher, J.A.ら(1992)サイエンス(Scienc
e)、257巻、1264−1267;Chong, M.ら
(1993)ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミス
トリー(J. Biol. Chem.)、268巻、No.21、1
5412−15418)。また、心不全は現在、神経体
液系の疾患と考えられており、交感神経活性の亢進など
により心不全病態が増悪することが分かっている。心不
全患者では、心不全病態における交感神経系の興奮によ
り心臓は過剰なカテコールアミン(アドレナリン、ノル
アドレナリン)の刺激を受け続け、ついにはそれらの応
答性が低下する。この不応答性はカテコールアミンのレ
セプターであるG蛋白質共役型レセプターの一つである
ベータアドレナリンレセプター(以下、βARと略す)
の脱感作によるものであり、βARの脱感作はGRK2
のβARのリン酸化により誘導されることが分かってい
る。また、上記のごとく、GRK2がβARに対するリ
ン酸化酵素活性を発揮するためにはGベータガンマ蛋白
質の結合が不可欠である。また、GRK2はプレクスト
リン相同領域と呼ばれる様々なシグナル伝達蛋白質の共
通構造部位でGベータガンマ蛋白質と結合することが分
かっている(Koch, W. J.ら(1993)ジャーナル・オ
ブ・バイオロジカル・ケミストリー(J. Biol. Chem.)、
268巻、No.11、8256−8260;Touhara,
K.ら(1994)ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケ
ミストリー(J. Biol. Chem.)、269巻、No.1
4、10217−10220;Wang, D.ら(1994)
バイオケミカル・アンド・バイオフィジカル・リサーチ・コ
ミュニケーションズ(Biochem. Biophys. Res. Commu
n.)、203巻、No.1、29−35)。PH領域の
部分ペプチドを心不全病態マウスmuscle LIM protein欠
損マウスに投与することで心不全病態の改善が認められ
ることが分かっている(Rockman, H. A.ら(1998)
プロシーディングス・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・
オブ・サイエンス・オブ・ザ・ユナイテッド・ステーツ・オブ
・アメリカ(Proc. Natl. Acad. Sci. USA)、95巻、
7000−7005)。また、最近の報告ではマウス血
管壁にGRK2を強制発現させると高血圧になることが
分かり、GRK2が高血圧症候群に関与しているという
報告も得られている。GRK2とGベータガンマ蛋白質
の結合を指標にしたアッセイ系としては、共沈法(Touh
ara, K.ら(1994)ジャーナル・オブ・バイオロジカ
ル・ケミストリー(J. Biol. Chem.)、269巻、N
o.14、10217−10220)、ROS ass
ay法(DebBurman, S.ら(1996)ジャーナル・オブ
・バイオロジカル・ケミストリー(J. Biol. Chem.)、2
71巻、No.37、22552−22562)、BEAC
ORE(ビアコア社)などがあげられるが、これらは手技
的には非常に煩雑で、大量の検体を処理するのは不可能
であり、現在までに簡便、大量にかつ、迅速に実施でき
るスクリーニング系は存在しなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】GRK2とGベータガ
ンマ蛋白質の結合を変化させる化合物は心不全症治療薬
もしくは高血圧症治療薬に成りうる。GRK2とGベー
タガンマ蛋白質の結合を阻害することにより、GRK2
のβARへのリン酸化作用を抑制し、その脱感作を阻害
できる。また、PH領域をもつ各種GRKや、その他の
PH領域依存性Gベータガンマ蛋白質結合酵素の結合阻
害を直接検出することにより、明確な作用機作を持つ化
合物を見いだすことができる。現状では、心不全治療薬
として、利尿剤、強心剤、アンギオテンシン転換酵素阻
害剤、ベータ遮断薬などがあるが、このスクリーニング
系を用いることにより新しい作用機作に基づく医薬品の
開発が可能になる。しかし、さらに大量の化合物をスク
リーニングするには簡便、大量にかつ、迅速に実施でき
るスクリーニング系が必要とされた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究を
重ねた結果、GRK(特に、GRK2)PH領域とGベ
ータガンマ蛋白質の結合に影響を与える物質を簡便、高
速、大量にスクリーニングする方法を完成させた。即
ち、GRK PH領域を大腸菌で発現させ、蛋白質とし
て精製した。このGRK PH領域を固相化した後、ウ
シ脳より分離、精製したGベータガンマ蛋白質を作用さ
せ、ウサギ抗Gベータガンマ蛋白質抗体と西洋わさびペ
ルオキシダーゼ結合ヤギ抗ウサギIgG抗体で、結合し
たGベータガンマ蛋白質を定量的に検出する方法を完成
した。このスクリーニング法によるスクリーニングの結
果、心筋細胞でβAR脱感作作用を阻害する薬物を見い
だした。この薬物は、ROS assayにおいてもG
RK阻害活性を示すことを見いだした。本発明者らは、
これらの知見に基づきさらに研究した結果、本発明を完
成した。
【0005】すなわち、本発明は (1)(i)固相化した、プレクストリン相同領域を有
するGRK蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその
塩と、Gベータガンマ蛋白質もしくはその部分ペプチド
またはその塩および標識化された抗Gベータガンマ蛋白
質抗体とを同時あるいは連続的に反応させた場合と、
(ii)固相化した、プレクストリン相同領域を有する
GRK蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩お
よび試験化合物と、Gベータガンマ蛋白質もしくはその
部分ペプチドまたはその塩および標識化された抗Gベー
タガンマ蛋白質抗体とを同時あるいは連続的に反応させ
た場合における、固相上の該GRK蛋白質もしくはその
部分ペプチドまたはその塩と該Gベータガンマ蛋白質も
しくはその部分ペプチドまたはその塩との複合体に結合
した抗Gベータガンマ蛋白質抗体の結合量を測定し、比
較することを特徴とする該GRK蛋白質もしくはその部
分ペプチドまたはその塩と該Gベータガンマ蛋白質もし
くはその部分ペプチドまたはその塩との結合性を変化さ
せる化合物またはその塩のスクリーニング方法、(2)
(i)固相化した、プレクストリン相同領域を有するG
RK蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩と、
Gベータガンマ蛋白質もしくはその部分ペプチドまたは
その塩および標識化された抗Gベータガンマ蛋白質抗体
とを同時あるいは連続的に反応させた場合と、(ii)
固相化した、プレクストリン相同領域を有するGRK蛋
白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩および試験
化合物と、Gベータガンマ蛋白質もしくはその部分ペプ
チドまたはその塩および標識化された抗Gベータガンマ
蛋白質抗体とを同時あるいは連続的に反応させた場合に
おける、固相上の標識剤の活性を測定し、比較すること
を特徴とする該GRK蛋白質もしくはその部分ペプチド
またはその塩と該Gベータガンマ蛋白質もしくはその部
分ペプチドまたはその塩との結合性を変化させる化合物
またはその塩のスクリーニング方法、(3)(i)固相
化した、プレクストリン相同領域を有するGRK蛋白質
もしくはその部分ペプチドまたはその塩と、Gベータガ
ンマ蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩、抗
Gベータガンマ蛋白質抗体および標識化された抗Ig抗
体とを同時あるいは連続的に反応させた場合と、(i
i)固相化した、プレクストリン相同領域を有するGR
K蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩および
試験化合物と、Gベータガンマ蛋白質もしくはその部分
ペプチドまたはその塩、抗Gベータガンマ蛋白質抗体お
よび標識化された抗Ig抗体とを同時あるいは連続的に
反応させた場合における、固相上の標識剤の活性を測定
し、比較することを特徴とする該GRK蛋白質もしくは
その部分ペプチドまたはその塩と該Gベータガンマ蛋白
質もしくはその部分ペプチドまたはその塩との結合性を
変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法、
(4)プレクストリン相同領域を有するGRK蛋白質が
GRK2蛋白質である上記(1)〜(3)記載のスクリ
ーニング方法、(5)プレクストリン相同領域を有する
GRK蛋白質もしくはその部分ペプチドがGRK2蛋白
質のプレクストリン相同領域を有するポリペプチドであ
る上記(1)〜(3)記載のスクリーニング方法、
(6)固相化したGベータガンマ蛋白質もしくはその部
分ペプチドまたはその塩に、プレクストリン相同領域を
有するGRK蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはそ
の塩を接触させた場合と、固相化したGベータガンマ蛋
白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩に試験化合
物およびプレクストリン相同領域を有するGRK蛋白質
もしくはその部分ペプチドまたはその塩を接触させた場
合における、固相化した該Gベータガンマ蛋白質もしく
はその部分ペプチドまたはその塩に対する該GRK蛋白
質もしくはその部分ペプチドまたはその塩の結合量を測
定し、比較することを特徴とする該GRK蛋白質もしく
はその部分ペプチドまたはその塩と該Gベータガンマ蛋
白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩との結合性
を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方
法、(7)プレクストリン相同領域を有するGRK蛋白
質がGRK2蛋白質である請求項6記載のスクリーニン
グ方法、(8)上記(1)〜(7)のいずれかに記載の
スクリーニング方法を用いて得られるプレクストリン相
同領域を有するGRK蛋白質もしくはその部分ペプチド
またはその塩とGベータガンマ蛋白質もしくはその部分
ペプチドまたはその塩との結合性を変化させる化合物ま
たはその塩、(9)上記(8)記載の化合物またはその
塩を含有するG蛋白質共役型レセプター蛋白質のリン酸
化阻害剤、(10)上記(8)記載の化合物またはその
塩を含有するG蛋白質共役型レセプター蛋白質の脱感作
阻害剤、(11)G蛋白質共役型レセプター蛋白質がベ
ータアドレナリンレセプター蛋白質である上記(9)ま
たは(10)記載の剤、(12)上記(8)記載の化合
物またはその塩を含有する心不全症または高血圧症の予
防・治療剤、(13)上記(8)記載の化合物またはそ
の塩の有効量を哺乳動物に投与することを特徴とする心
不全症または高血圧症の予防・治療方法、(14)心不
全症または高血圧症の予防・治療剤を製造するための上
記(8)記載の化合物またはその塩の使用、(15)上
記(8)記載の化合物またはその塩の有効量を哺乳動物
に投与することを特徴とするG蛋白質共役型レセプター
蛋白質の脱感作阻害方法、(16)G蛋白質共役型レセ
プター蛋白質の脱感作阻害剤を製造するための上記
(8)記載の化合物またはその塩の使用等に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明のスクリーニング方法を用
いれば、G蛋白質共役型レセプター脱感作阻害作用を持
つ化合物を容易かつ高速にスクリーニングでき、さらに
この方法によりPH領域をもつGRK蛋白質や他の蛋白
質(例えば、Sos1、Dbl1、IRS−1、スペク
トリン、Ras−GRF、Atk、Ras−GAP、P
LC−γなど)とGベータガンマ蛋白質との結合に影響
を与える物質についてもスクリーニングが可能である。
GRK蛋白質は前述のように、G蛋白質共役型レセプタ
ーがリガンドと結合した後の構造変化に伴いG蛋白質共
役型レセプターをリン酸化し、細胞内にシグナル伝達を
担うリン酸化酵素であり、現在までに6種類が同定され
ている。本発明のスクリーニング方法においては、PH
領域を有するGRK蛋白質であって、Gベータガンマ蛋
白質に結合し得るものは全て対象となり、少なくともG
RK2蛋白質とGRK3蛋白質においてはC末端領域に
PH領域が存在することが確認されている(DebBurman,
S. K.ら、J. Biol. Chem.、第271巻、第37号、2
2552−22562頁(1996))。以下、本明細
書においては、もっぱらGRK2蛋白質について述べる
が、他のGRK蛋白質(特に、GRK3蛋白質)につい
てもPH領域が存在し、Gベータガンマ蛋白質に結合し
得る限り、本発明のスクリーニング方法が適用できる。 〔GRK2蛋白質について〕本発明のスクリーニング方
法で用いられるGRK2蛋白質(以下、本発明のGRK
2蛋白質と略称する場合がある。)とは、配列番号:1
で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一
のアミノ酸配列を含有する蛋白質である。該蛋白質は、
例えば、哺乳動物(例えば、ヒト、モルモット、ラッ
ト、マウス、ウサギ、ブタ、ヒツジ、ウシ、サルなど)
のあらゆる細胞(例えば、脾細胞、神経細胞、グリア細
胞、膵臓β細胞、骨髄細胞、メサンギウム細胞、ランゲ
ルハンス細胞、表皮細胞、上皮細胞、内皮細胞、繊維芽
細胞、繊維細胞、筋細胞、脂肪細胞、免疫細胞(例、マ
クロファージ、T細胞、B細胞、ナチュラルキラー細
胞、肥満細胞、好中球、好塩基球、好酸球、単球)、巨
核球、滑膜細胞、軟骨細胞、骨細胞、骨芽細胞、破骨細
胞、乳腺細胞、肝細胞もしくは間質細胞、またはこれら
細胞の前駆細胞、幹細胞もしくはガン細胞など)や血球
系の細胞、またはそれらの細胞が存在するあらゆる組
織、例えば、脳、脳の各部位(例、嗅球、扁頭核、大脳
基底球、海馬、視床、視床下部、視床下核、大脳皮質、
延髄、小脳、後頭葉、前頭葉、側頭葉、被殻、尾状核、
脳染、黒質)、脊髄、下垂体、胃、膵臓、腎臓、肝臓、
生殖腺、甲状腺、胆のう、骨髄、副腎、皮膚、筋肉、
肺、消化管(例、大腸、小腸)、血管、心臓、胸腺、脾
臓、顎下腺、末梢血、末梢血球、前立腺、睾丸、精巣、
卵巣、胎盤、子宮、骨、関節、骨格筋などに由来する蛋
白質であってもよく、また合成蛋白質であってもよい。
【0007】配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と
実質的に同一のアミノ酸配列としては、例えば、配列番
号:1で表わされるアミノ酸配列と約50%以上、好ま
しくは約60%以上、より好ましくは約70%以上、さ
らに好ましくは約80%以上、なかでも好ましくは約9
0%以上、最も好ましくは約95%以上の相同性を有す
るアミノ酸配列などが挙げられる。配列番号:1で表わ
されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含
有する蛋白質としては、例えば、配列番号:1で表わさ
れるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を有
し、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と実質的に
同質の活性を有する蛋白質などが好ましい。実質的に同
質の活性としては、例えば、G蛋白質共役型レセプター
(例、βAR)のリン酸化酵素活性、シグナル情報伝達
作用、Gベータガンマ蛋白質との結合活性などが挙げら
れる。実質的に同質とは、それらの活性が性質的に同質
であることを示す。したがって、G蛋白質共役型レセプ
ターのリン酸化酵素活性、シグナル情報伝達作用、Gベ
ータガンマ蛋白質との結合活性などの活性が同等(例、
約0.01〜100倍、好ましくは約0.5〜20倍、
より好ましくは約0.5〜2倍)であることが好ましい
が、これらの活性の程度や蛋白質の分子量などの量的要
素は異なっていてもよい。G蛋白質共役型レセプターの
リン酸化酵素活性、シグナル情報伝達作用、Gベータガ
ンマ蛋白質との結合活性などの活性の測定は、公知の方
法に準じて行なうことができるが、例えば、後に記載す
るスクリーニング方法に従って測定することができる。
【0008】また、GRK2蛋白質としては、配列番
号:1で表わされるアミノ酸配列中の1または2個以上
(好ましくは、1〜30個程度、より好ましくは1〜1
0個程度、さらに好ましくは数個(1〜5個))のアミ
ノ酸が欠失したアミノ酸配列、配列番号:1で表わさ
れるアミノ酸配列に1または2個以上(好ましくは、1
〜30個程度、より好ましくは1〜10個程度、さらに
好ましくは数個(1〜5個))のアミノ酸が付加したア
ミノ酸配列、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列
中の1または2個以上(好ましくは、1〜30個程度、
より好ましくは1〜10個程度、さらに好ましくは数個
(1〜5個))のアミノ酸が他のアミノ酸で置換された
アミノ酸配列、またはそれらを組み合わせたアミノ酸
配列を含有する蛋白質なども用いられる。
【0009】本明細書における蛋白質(GRK2蛋白質
もしくはその部分ペプチド、Gベータガンマ蛋白質等)
は、ペプチド標記の慣例に従って、左端がN末端(アミ
ノ末端)、右端がC末端(カルボキシル末端)である。
配列番号:1で表わされるアミノ酸配列を含有する蛋白
質をはじめとする、本発明の蛋白質は、C末端がカルボ
キシル基(−COOH)、カルボキシレート(−CO
-)、アミド(−CONH2)またはエステル(−CO
OR)の何れであってもよい。ここでエステルにおける
Rとしては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、
イソプロピルもしくはn−ブチルなどのC1-6アルキル
基、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシルなどのC
3-8シクロアルキル基、例えば、フェニル、α−ナフチ
ルなどのC6-12アリール基、例えば、ベンジル、フェネ
チルなどのフェニル−C1-2アルキル基もしくはα−ナ
フチルメチルなどのα−ナフチル−C1-2アルキル基な
どのC7-14アラルキル基のほか、経口用エステルとして
汎用されるピバロイルオキシメチル基などが用いられ
る。蛋白質がC末端以外にカルボキシル基(またはカル
ボキシレート)を有している場合、カルボキシル基がア
ミド化またはエステル化されているものも本発明の蛋白
質に含まれる。この場合のエステルとしては、例えば上
記したC末端のエステルなどが用いられる。さらに、本
発明における蛋白質には、上記した蛋白質において、N
末端のメチオニン残基のアミノ基が保護基(例えば、ホ
ルミル基、アセチルなどのC2-6アルカノイル基などの
1-6アシル基など)で保護されているもの、N端側が
生体内で切断され生成したグルタミル基がピログルタミ
ン酸化したもの、分子内のアミノ酸の側鎖上の置換基
(例えば、−OH、−SH、アミノ基、イミダゾール
基、インドール基、グアニジノ基など)が適当な保護基
(例えば、ホルミル基、アセチルなどのC2-6アルカノ
イル基などのC1-6アシル基など)で保護されているも
の、あるいは糖鎖が結合したいわゆる糖蛋白質などの複
合蛋白質なども含まれる。本発明のGRK2蛋白質の具
体例としては、例えば、配列番号:1で表わされるアミ
ノ酸配列を含有する蛋白質などが挙げられる。
【0010】GRK2蛋白質の部分ペプチドとしては、
上記した本発明のGRK2蛋白質の部分ペプチドであれ
ば何れのものであってもよいが、後述するPH領域を有
することが必要である。GRK2蛋白質の部分ペプチド
のアミノ酸の数は、上記したPH領域を有し、かつ本発
明のGRK2蛋白質の構成アミノ酸配列のうち少なくと
も100個以上、好ましくは137個以上、より好まし
くは150個以上、さらに好ましくは200個以上のア
ミノ酸配列を有するペプチドなどが好ましい。
【0011】また、GRK2蛋白質の部分ペプチドは、
上記アミノ酸配列中の1または2個以上(好ましくは、
1〜10個程度、さらに好ましくは数個(1〜5個))
のアミノ酸が欠失し、または、そのアミノ酸配列に1ま
たは2個以上(好ましくは、1〜20個程度、より好ま
しくは1〜10個程度、さらに好ましくは数個(1〜5
個))のアミノ酸が付加し、または、そのアミノ酸配列
中の1または2個以上(好ましくは、1〜10個程度、
より好ましくは数個、さらに好ましくは1〜5個程度)
のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されていてもよい。ま
た、GRK2蛋白質の部分ペプチドはC末端がカルボキ
シル基(−COOH)、カルボキシレート(−CO
-)、アミド(−CONH2)またはエステル(−CO
OR)の何れであってもよい。さらに、GRK2蛋白質
の部分ペプチドには、上記した本発明のGRK2蛋白質
と同様に、N末端のメチオニン残基のアミノ基が保護基
で保護されているもの、N端側が生体内で切断され生成
したGlnがピログルタミン酸化したもの、分子内のア
ミノ酸の側鎖上の置換基が適当な保護基で保護されてい
るもの、あるいは糖鎖が結合したいわゆる糖ペプチドな
どの複合ペプチドなども含まれる。
【0012】GRK2蛋白質のPH領域を有するポリペ
プチドとしては配列番号:2で表されるアミノ酸配列と
同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋
白質が挙げられる。配列番号:2で表わされるアミノ酸
配列と実質的に同一のアミノ酸配列としては、例えば、
配列番号:2で表わされるアミノ酸配列と約50%以
上、好ましくは約60%以上、より好ましくは約70%
以上、さらに好ましくは約80%以上、なかでも好まし
くは約90%以上、最も好ましくは約95%以上の相同
性を有するアミノ酸配列などが挙げられる。配列番号:
2で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸
配列を含有する蛋白質としては、例えば、配列番号:2
で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配
列を有し、配列番号:2で表わされるアミノ酸配列と実
質的に同質の活性を有する蛋白質などが好ましい。実質
的に同質の活性としては、例えばGベータガンマ蛋白質
との結合活性などが挙げられる。実質的に同質とは、そ
の活性が性質的に同質であることを示す。したがって、
Gベータガンマ蛋白質との結合活性などの活性が同等
(例、約0.01〜100倍、好ましくは約0.5〜2
0倍、より好ましくは約0.5〜2倍)であることが好
ましいが、これらの活性の程度や蛋白質の分子量などの
量的要素は異なっていてもよい。Gベータガンマ蛋白質
との結合活性などの活性の測定は、公知の方法に準じて
行なうことができるが、例えば、後に記載するスクリー
ニング方法に従って測定することができる。
【0013】また、GRK2蛋白質のPH領域を有する
ペプチドとしては、配列番号:2で表わされるアミノ
酸配列中の1または2個以上(好ましくは、1〜30個
程度、より好ましくは1〜10個程度、さらに好ましく
は数個(1〜5個))のアミノ酸が欠失したアミノ酸配
列、配列番号:2で表わされるアミノ酸配列に1また
は2個以上(好ましくは、1〜30個程度、より好まし
くは1〜10個程度、さらに好ましくは数個(1〜5
個))のアミノ酸が付加したアミノ酸配列、配列番
号:2で表わされるアミノ酸配列中の1または2個以上
(好ましくは、1〜30個程度、より好ましくは1〜1
0個程度、さらに好ましくは数個(1〜5個))のアミ
ノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列、または
それらを組み合わせたアミノ酸配列を含有する蛋白質
なども用いられる。
【0014】GRK2蛋白質のPH領域を有するポリペ
プチドの誘導体としては、上記した「配列番号:2で表
されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含
有する蛋白質」などが挙げられる。
【0015】本発明のGRK2蛋白質またはその部分ペ
プチドの塩としては、酸または塩基との生理学的に許容
される塩が挙げられ、とりわけ生理学的に許容される酸
付加塩が好ましい。この様な塩としては、例えば、無機
酸(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸)との
塩、あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン
酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン
酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベ
ンゼンスルホン酸)との塩などが用いられる。
【0016】本発明のGRK2蛋白質またはその塩は、
上記した哺乳動物の細胞または組織から公知の蛋白質の
精製方法によって製造することもできる(Benovic, J.
L.ら(1987)、ジャーナル・オブ・バイオロジカル・
ケミストリー(J. Biol. Chem.)、262巻、No.1
9、9026−9032)し、後に記載する本発明のG
RK2蛋白質をコードするDNAを含有する形質転換体
を培養することによっても製造することができる(Koc
h, W. J.ら(1993)、ジャーナル・オブ・バイオロジ
カル・ケミストリー(J. Biol. Chem.)、268巻、N
o.11、8256−8260)。また、後に記載する
蛋白質合成法またはこれに準じて製造することもでき
る。哺乳動物の組織または細胞から製造する場合、哺乳
動物の組織または細胞をホモジナイズした後、酸などで
抽出を行ない、該抽出液を逆相クロマトグラフィー、イ
オン交換クロマトグラフィーなどのクロマトグラフィー
を組み合わせることにより精製単離することができる。
【0017】本発明のGRK2蛋白質もしくはその部分
ペプチドまたはその塩またはそのアミド体の合成には、
通常市販の蛋白質合成用樹脂を用いることができる。そ
のような樹脂としては、例えば、クロロメチル樹脂、ヒ
ドロキシメチル樹脂、ベンズヒドリルアミン樹脂、アミ
ノメチル樹脂、4−ベンジルオキシベンジルアルコール
樹脂、4−メチルベンズヒドリルアミン樹脂、PAM樹
脂、4−ヒドロキシメチルメチルフェニルアセトアミド
メチル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、4−(2’,
4’−ジメトキシフェニル−ヒドロキシメチル)フェノ
キシ樹脂、4−(2’,4’−ジメトキシフェニル−F
mocアミノエチル)フェノキシ樹脂などを挙げること
ができる。このような樹脂を用い、α−アミノ基と側鎖
官能基を適当に保護したアミノ酸を、目的とする蛋白質
の配列通りに、公知の各種縮合方法に従い、樹脂上で縮
合させる。反応の最後に樹脂から蛋白質を切り出すと同
時に各種保護基を除去し、さらに高希釈溶液中で分子内
ジスルフィド結合形成反応を実施し、目的の蛋白質また
はそのアミド体を取得する。上記した保護アミノ酸の縮
合に関しては、蛋白質合成に使用できる各種活性化試薬
を用いることができるが、特に、カルボジイミド類がよ
い。カルボジイミド類としては、DCC、N,N’−ジ
イソプロピルカルボジイミド、N−エチル−N’−(3
−ジメチルアミノプロリル)カルボジイミドなどが用い
られる。これらによる活性化にはラセミ化抑制添加剤
(例えば、HOBt、HOOBt)とともに保護アミノ
酸を直接樹脂に添加するか、または、対称酸無水物また
はHOBtエステルあるいはHOOBtエステルとして
あらかじめ保護アミノ酸の活性化を行なった後に樹脂に
添加することができる。
【0018】保護アミノ酸の活性化や樹脂との縮合に用
いられる溶媒としては、蛋白質縮合反応に使用しうるこ
とが知られている溶媒から適宜選択されうる。例えば、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセ
トアミド、N−メチルピロリドンなどの酸アミド類、塩
化メチレン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素
類、トリフルオロエタノールなどのアルコール類、ジメ
チルスルホキシドなどのスルホキシド類、ピリジン、ジ
オキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類、アセ
トニトリル,プロピオニトリルなどのニトリル類、酢酸
メチル,酢酸エチルなどのエステル類あるいはこれらの
適宜の混合物などが用いられる。反応温度は蛋白質結合
形成反応に使用され得ることが知られている範囲から適
宜選択され、通常約−20℃〜50℃の範囲から適宜選
択される。活性化されたアミノ酸誘導体は通常1.5〜
4倍過剰で用いられる。ニンヒドリン反応を用いたテス
トの結果、縮合が不十分な場合には保護基の脱離を行う
ことなく縮合反応を繰り返すことにより十分な縮合を行
なうことができる。反応を繰り返しても十分な縮合が得
られないときには、無水酢酸またはアセチルイミダゾー
ルを用いて未反応アミノ酸をアセチル化することができ
る。
【0019】原料のアミノ基の保護基としては、例え
ば、Z、Boc、ターシャリーペンチルオキシカルボニ
ル、イソボルニルオキシカルボニル、4−メトキシベン
ジルオキシカルボニル、Cl−Z、Br−Z、アダマンチ
ルオキシカルボニル、トリフルオロアセチル、フタロイ
ル、ホルミル、2−ニトロフェニルスルフェニル、ジフ
ェニルホスフィノチオイル、Fmocなどが用いられ
る。カルボキシル基は、例えば、アルキルエステル化
(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ターシ
ャリーブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シク
ロヘプチル、シクロオクチル、2−アダマンチルなどの
直鎖状、分枝状もしくは環状アルキルエステル化)、ア
ラルキルエステル化(例えば、ベンジルエステル、4−
ニトロベンジルエステル、4−メトキシベンジルエステ
ル、4−クロロベンジルエステル、ベンズヒドリルエス
テル化)、フェナシルエステル化、ベンジルオキシカル
ボニルヒドラジド化、ターシャリーブトキシカルボニル
ヒドラジド化、トリチルヒドラジド化などによって保護
することができる。セリンの水酸基は、例えば、エステ
ル化またはエーテル化によって保護することができる。
このエステル化に適する基としては、例えば、アセチル
基などの低級アルカノイル基、ベンゾイル基などのアロ
イル基、ベンジルオキシカルボニル基、エトキシカルボ
ニル基などの炭酸から誘導される基などが用いられる。
また、エーテル化に適する基としては、例えば、ベンジ
ル基、テトラヒドロピラニル基、t−ブチル基などであ
る。チロシンのフェノール性水酸基の保護基としては、
例えば、Bzl、Cl2−Bzl、2−ニトロベンジ
ル、Br−Z、ターシャリーブチルなどが用いられる。
ヒスチジンのイミダゾールの保護基としては、例えば、
Tos、4−メトキシ−2,3,6−トリメチルベンゼ
ンスルホニル、DNP、ベンジルオキシメチル、Bu
m、Boc、Trt、Fmocなどが用いられる。
【0020】原料のカルボキシル基の活性化されたもの
としては、例えば、対応する酸無水物、アジド、活性エ
ステル〔アルコール(例えば、ペンタクロロフェノー
ル、2,4,5−トリクロロフェノール、2,4−ジニ
トロフェノール、シアノメチルアルコール、パラニトロ
フェノール、HONB、N−ヒドロキシスクシミド、N
−ヒドロキシフタルイミド、HOBt)とのエステル〕
などが用いられる。原料のアミノ基の活性化されたもの
としては、例えば、対応するリン酸アミドが用いられ
る。保護基の除去(脱離)方法としては、例えば、Pd
−黒あるいはPd−炭素などの触媒の存在下での水素気
流中での接触還元や、また、無水フッ化水素、メタンス
ルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオ
ロ酢酸あるいはこれらの混合液などによる酸処理や、ジ
イソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、ピペリ
ジン、ピペラジンなどによる塩基処理、また液体アンモ
ニア中ナトリウムによる還元なども用いられる。上記酸
処理による脱離反応は、一般に約−20℃〜40℃の温
度で行なわれるが、酸処理においては、例えば、アニソ
ール、フェノール、チオアニソール、メタクレゾール、
パラクレゾール、ジメチルスルフィド、1,4−ブタン
ジチオール、1,2−エタンジチオールなどのようなカ
チオン捕捉剤の添加が有効である。また、ヒスチジンの
イミダゾール保護基として用いられる2,4−ジニトロ
フェニル基はチオフェノール処理により除去され、トリ
プトファンのインドール保護基として用いられるホルミ
ル基は上記の1,2−エタンジチオール、1,4−ブタ
ンジチオールなどの存在下の酸処理による脱保護以外
に、希水酸化ナトリウム溶液、希アンモニアなどによる
アルカリ処理によっても除去される。
【0021】原料の反応に関与すべきでない官能基の保
護ならびに保護基、およびその保護基の脱離、反応に関
与する官能基の活性化などは公知の基または公知の手段
から適宜選択しうる。蛋白質のアミド体を得る別の方法
としては、例えば、まず、カルボキシ末端アミノ酸のα
−カルボキシル基をアミド化して保護した後、アミノ基
側にペプチド(蛋白質)鎖を所望の鎖長まで延ばした
後、該ペプチド鎖のN末端のα−アミノ基の保護基のみ
を除いた蛋白質とC末端のカルボキシル基の保護基のみ
を除去した蛋白質とを製造し、この両蛋白質を上記した
ような混合溶媒中で縮合させる。縮合反応の詳細につい
ては上記と同様である。縮合により得られた保護蛋白質
を精製した後、上記方法によりすべての保護基を除去
し、所望の粗蛋白質を得ることができる。この粗蛋白質
は既知の各種精製手段を駆使して精製し、主要画分を凍
結乾燥することで所望の蛋白質のアミド体を得ることが
できる。蛋白質のエステル体を得るには、例えば、カル
ボキシ末端アミノ酸のα−カルボキシル基を所望のアル
コール類と縮合しアミノ酸エステルとした後、蛋白質の
アミド体と同様にして、所望の蛋白質のエステル体を得
ることができる。
【0022】GRK2蛋白質の部分ペプチドまたはその
塩は、公知のペプチドの合成法に従って、あるいは本発
明のGRK2蛋白質を適当なペプチダーゼで切断するこ
とによって製造することができる。ペプチドの合成法と
しては、例えば、固相合成法、液相合成法のいずれによ
っても良い。すなわち、GRK2蛋白質を構成し得る部
分ペプチドもしくはアミノ酸と残余部分とを縮合させ、
生成物が保護基を有する場合は保護基を脱離することに
より目的のペプチドを製造することができる。公知の縮
合方法や保護基の脱離としては、例えば、以下の〜
に記載された方法が挙げられる。 M. BodanszkyおよびM.A. Ondetti、ペプチド シンセ
シス(Peptide Synthesis)、Interscience Publisher
s、New York(1966年) SchroederおよびLuebke、ザ ペプチド(The Peptid
e)、Academic Press、New York(1965年) 泉屋信夫他、ペプチド合成の基礎と実験、丸善(株)
(1975年) 矢島治明および榊原俊平、生化学実験講座1、蛋白質
の化学IV、205(1977年) 矢島治明監修、続医薬品の開発 第14巻、ペプチド
合成、広川書店 また、反応後は通常の精製法、例えば、溶媒抽出・蒸留
・カラムクロマトグラフィー・液体クロマトグラフィー
・再結晶などを組み合わせてGRK2蛋白質の部分ペプ
チドを精製単離することができる。上記方法で得られる
部分ペプチドが遊離体である場合は、公知の方法によっ
て適当な塩に変換することができるし、逆に塩で得られ
た場合は、公知の方法によって遊離体に変換することが
できる。
【0023】本発明で用いられるGRK2蛋白質をコー
ドするDNAとしては、配列番号:1で表わされるアミ
ノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を
含有する蛋白質をコードする塩基配列を有するDNAを
含有するDNAであればいかなるものであってもよい。
また、ゲノムDNA、ゲノムDNAライブラリー、前記
した組織・細胞由来のcDNA、前記した組織・細胞由
来のcDNAライブラリー、合成DNAのいずれでもよ
い。ライブラリーに使用するベクターはバクテリオファ
ージ、プラスミド、コスミド、ファージミドなどいずれ
であってもよい。また、前記した組織・細胞よりRNA
画分を調製したものを用いて直接Reverse Transcriptas
e Polymerase Chain Reaction(以下、RT−PCR法
と略称する)によって増幅することもできる。より具体
的には、(1)ハイストリンジェントな条件下で、配列
番号:1で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質
的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質またはペプチ
ドをコードする塩基配列を有するDNAを含有するDN
Aの有する配列とハイブリダイズするDNA、(2)遺
伝コードの縮重のため、配列番号:1で表わされるアミ
ノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を
含有する蛋白質またはペプチドをコードする塩基配列を
有するDNAを含有するDNAの有する配列および
(1)に定められている配列とハイブリッド形成しない
が、同一アミノ酸配列をもつ蛋白質またはペプチドをコ
ードするDNAなどが用いられる。より具体的には、G
RK2蛋白質をコードするDNAとしては、例えば、
(1)配列番号:3で表わされる塩基配列を含有するD
NAの部分塩基配列を有するDNA、または(2)配列
番号:3で表わされる塩基配列を含有するDNAとハイ
ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNA
を有し、GRK2蛋白質と実質的に同質の活性(例、G
蛋白質共役型レセプター(例、βAR)のリン酸化酵素
活性、シグナル情報伝達作用、Gベータガンマ蛋白質と
の結合活性)を有する蛋白質をコードするDNAの部分
塩基配列を有するDNAなどが用いられる。配列番号:
3で表わされる塩基配列を含有するDNAとハイストリ
ンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAとして
は、例えば、配列番号:3で表わされる塩基配列と約7
0%以上、好ましくは約80%以上、より好ましくは約
90%以上、最も好ましくは約95%以上の相同性を有
する塩基配列を含有するDNAなどが用いられる。ハイ
ブリダイゼーションは、公知の方法あるいはそれに準じ
た方法に従って行うことができる。上記ハイストリンジ
ェントな条件としては、例えば42℃、50%ホルムア
ミド、4×SSPE(1×SSPE=150mM Na
Cl、10mM NaH2PO4・H2O、1mM EDT
A、pH7.4)、5×デンハート溶液、0.1%SD
Sである。本発明で用いられるGRK2蛋白質をコード
するDNAは以下の遺伝子工学的手法によっても製造す
ることができる。GRK2蛋白質を完全にコードするD
NAのクローニングの手段としては、本発明のGRK2
蛋白質の部分塩基配列を有する合成DNAプライマーを
用いて公知のPCR法による前記DNAライブラリー等
からの目的とするDNAの増幅、または適当なベクター
に組み込んだDNAを例えばGRK2蛋白質をコードす
る塩基配列の一部あるいは全領域を有するDNA断片も
しくは合成DNAを標識したものとのハイブリダイゼー
ションによる選別をあげることができる。ハイブリダイ
ゼーションの方法は、例えば Molecular Cloning(2nd
ed.;J. Sambrooket al., Cold Spring Harbor Lab. P
ress, 1989)に記載の方法などに従って行われる。ま
た、市販のライブラリーを使用する場合、添付の使用説
明書に記載の方法に従って行う。クローン化された本発
明で用いられるGRK2蛋白質をコードするDNAは目
的によりそのまま、または所望により制限酵素で消化し
たり、リンカーを付加したりして使用することができ
る。該DNAはその5’末端側に翻訳開始コドンとして
のATGを有し、また3’末端側には翻訳終止コドンと
してのTAA、TGAまたはTAGを有していてもよ
い。これらの翻訳開始コドンや翻訳終止コドンは、適当
な合成DNAアダプターを用いて付加することもでき
る。
【0024】本発明で用いられるGRK2蛋白質の発現
ベクターは、例えば、(イ)本発明で用いられるGRK
2蛋白質をコードするDNA(例えば、cDNA)から
目的とするDNA断片を切り出し、(ロ)該DNA断片
を適当な発現ベクター中のプロモーターの下流に連結す
ることにより製造することができる。ベクターとして
は、大腸菌由来のプラスミド(例、pBR322、pB
R325、pUC12、pUC13)、枯草菌由来のプ
ラスミド(例、pUB110、pTP5、pC19
4)、酵母由来プラスミド(例、pSH19、pSH1
5)、λファージなどのバクテリオファージ、レトロウ
イルス、ワクシニアウイルス、バキュロウイルスなどの
動物ウイルスなどが用いられる。好ましくは、5’上流
側もしくは3’下流側にグルタチオンSトランスフェラ
ーゼ、6回繰り返しヒスチジン配列などの精製時や検出
時に用いることのできるアミノ酸配列(タグ)を連結で
きる発現ベクター(例、pGEX−6P、pTrc−H
is)が用いられる。用いられるプロモーターとして
は、遺伝子の発現に用いる宿主に対応して適切なプロモ
ーターであればいかなるものでもよい。形質転換する際
の宿主が動物細胞である場合には、SV40由来のプロ
モーター、レトロウイルスのプロモーター、メタロチオ
ネインプロモーター、ヒートショックプロモーター、サ
イトメガロウイルスプロモーター、SRαプロモーター
などが利用できる。宿主がエシェリヒア属菌である場合
は、Trpプロモーター、T7プロモーター、lacプ
ロモーター、recAプロモーター、λPLプロモータ
ー、lppプロモーターなどが、宿主がバチルス属菌で
ある場合は、SPO1プロモーター、SPO2プロモー
ター、penPプロモーターなど、宿主が酵母である場
合は、PHO5プロモーター、PGKプロモーター、G
APプロモーター、ADH1プロモーター、GALプロ
モーターなどが好ましい。宿主が昆虫細胞である場合
は、ポリヘドリンプロモーター、P10プロモーターな
どが好ましい。発現ベクターには、以上の他に、所望に
よりエンハンサー、スプライシングシグナル、ポリA付
加シグナル、選択マーカー、SV40複製オリジン(以
下、SV40oriと略称する場合がある)などを含有
しているものを用いることができる。選択マーカーとし
ては、例えば、ジヒドロ葉酸還元酵素(以下、dhfr
と略称する場合がある)遺伝子〔メソトレキセート(M
TX)耐性〕、アンピシリン耐性遺伝子(以下、Amp
rと略称する場合がある)、ネオマイシン耐性遺伝子
(以下、Neorと略称する場合がある、G418耐
性)等があげられる。特に、CHO(dhfr-)細胞
を用いてDHFR遺伝子を選択マーカーとして使用する
場合、チミジンを含まない培地によっても選択できる。
また、必要に応じて、宿主に合ったシグナル配列を、ポ
リペプチドまたはその部分ペプチドのN末端側に付加す
る。宿主がエシェリヒア属菌である場合は、PhoA・
シグナル配列、OmpA・シグナル配列などが、宿主が
バチルス属菌である場合は、α−アミラーゼ・シグナル
配列、サブチリシン・シグナル配列などが、宿主が酵母
である場合は、メイティングファクターα(MFα)・
シグナル配列、インベルターゼ・シグナル配列など、宿
主が動物細胞である場合には、例えばインシュリン・シ
グナル配列、α−インターフェロン・シグナル配列、抗
体分子・シグナル配列などがそれぞれ利用できる。この
ようにして構築されたGRK2蛋白質をコードするDN
Aを含有するベクターを用いて、形質転換体を製造する
ことができる。宿主としては、たとえばエシェリヒア属
菌、バチルス属菌、酵母、昆虫または昆虫細胞、動物細
胞などが用いられる。エシェリヒア属菌としては、エシ
ェリヒア・コリ(Escherichia coli)K12・DH1
〔プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミ
ー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー
(Proc. Natl. Acad. Sci. USA)、60巻、160(1
968)〕、JM103〔ヌクレイック・アシッズ・リ
サーチ(Nucleic Acids Research)、9巻、309(1
981)〕、JA221〔ジャーナル・オブ・モレキュ
ラー・バイオロジー(Journal of Molecular Biolog
y)、120巻、517(1978)〕、HB101
〔ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー、4
1巻、459(1969)〕、C600〔ジェネティッ
クス(Genetics)、39巻、440(195
4)〕などが用いられる。バチルス属菌としては、たと
えばバチルス・サチルス(Bacillus subtilis)MI1
14〔ジーン、24巻、255(1983)〕、207
−21〔ジャーナル・オブ・バイオケミストリー(Jour
nal of Biochemistry)、95巻、87(1984)〕
などが用いられる。酵母としては、たとえばサッカロマ
イセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)AH
22、AH22R-、NA87−11A、DKD−5
D、20B−12などが用いられる。昆虫としては、例
えばカイコの幼虫などが用いられる〔前田ら、ネイチャ
ー(Nature)、315巻、592(198
5)〕。昆虫細胞としては、例えば、ウイルスがAcN
PVの場合は、夜盗蛾の幼虫由来株化細胞(Spodoptera
frugiperda cell;Sf細胞)、Trichoplusia niの中
腸由来のMG1細胞、Trichoplusia niの卵由来のHi
gh FiveTM細胞、Mamestra brassicae由来の細胞
またはEstigmena acrea由来の細胞などが用いられる。
ウイルスがBmNPVの場合は、蚕由来株化細胞(Bomb
yx mori N;BmN細胞)などが用いられる。該Sf細
胞としては、例えば、Sf9細胞(ATCCCRL17
11)、Sf21細胞〔以上、Vaughn, J.L.ら、イン・
ヴィトロ(in Vitro)、13巻、213−217頁(1
977年)〕などが用いられる。動物細胞としては、た
とえばサルCOS−7細胞、Vero細胞、チャイニー
ズハムスター細胞CHO、DHFR遺伝子欠損チャイニ
ーズハムスター細胞CHO(dhfr- CHO細胞)、
マウスL細胞、マウス3T3細胞、マウスミエローマ細
胞,ヒトHEK293細胞、ヒトFL細胞、293細
胞、C127細胞、BALB3T3細胞、Sp−2/O
細胞などが用いられる。
【0025】エシェリヒア属菌を形質転換するには、た
とえばプロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカ
デミー・オブ・サイエンジイズ・オブ・ザ・ユーエスエ
ー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA)、69巻、2110
(1972)やジーン(Gene)、17巻、107
(1982)などに記載の方法に従って行なわれる。バ
チルス属菌を形質転換するには、たとえばモレキュラー
・アンド・ジェネラル・ジェネティックス(Molecular
& General Genetics)、168巻、111(197
9)などに記載の方法に従って行われる。酵母を形質転
換するには、たとえばプロシージングズ・オブ・ザ・ナ
ショナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・
ザ・ユーエスエー(Proc. Natl.Acad. Sci. USA)、7
5巻、1929(1978)に記載の方法に従って行な
われる。昆虫細胞または昆虫を形質転換するには、たと
えばバイオ/テクノロジー(Bio/Technology)、6巻、
47−55頁(1988年)などに記載の方法に従って
行なわれる。動物細胞を形質転換するには、たとえばヴ
ィロロジー(Virology)、52巻、456(1
973)に記載の方法に従って行なわれる。発現ベクタ
ーの細胞への導入方法としては、例えば、リポフェクシ
ョン法〔Felgner, P.L. et al.、プロシージングズ・オ
ブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンジイ
ズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci.
USA)、84巻、7413頁(1987年)〕、リン酸
カルシウム法〔Graham, F. L. and van der Eb, A.
J.、ヴィロロジー(Virology)、52巻、45
6−467頁(1973年)〕、電気穿孔法〔Nuemann,
E.ら、エンボ・ジャーナル(EMBO J.)、1巻、
841−845頁(1982年)〕等があげられる。こ
のようにして、本発明で用いられるGRK2蛋白質をコ
ードするDNAを含有する発現ベクターで形質転換され
た形質転換体が得られる。なお、動物細胞を用いて、本
発明で用いられるGRK2蛋白質を安定に発現させる方
法としては、上記の動物細胞に導入された発現ベクター
が染色体に組み込まれた細胞をクローン選択によって選
択する方法がある。具体的には、上記の選択マーカーを
指標にして形質転換体を選択する。さらに、このように
選択マーカーを用いて得られた動物細胞に対して、繰り
返しクローン選択を行なうことによりGRK2蛋白質の
高発現能を有する安定な動物細胞株を得ることができ
る。また、dhfr遺伝子を選択マーカーとして用いた
場合、MTX濃度を徐々に上げて培養し、耐性株を選択
することにより、dhfr遺伝子とともに、GRK2蛋
白質をコードするDNAを細胞内で増幅させて、さらに
高発現の動物細胞株を得ることもできる。上記の形質転
換体を本発明で用いられるGRK2蛋白質をコードする
DNAが発現可能な条件下で培養し、GRK2蛋白質を
生成、蓄積せしめることによって、GRK2蛋白質を製
造することができる。宿主がエシェリヒア属菌、バチル
ス属菌である形質転換体を培養する際、培養に使用され
る培地としては液体培地が適当であり、その中には該形
質転換体の生育に必要な炭素源、窒素源、無機物その他
が含有せしめられる。炭素源としては、たとえばグルコ
ース、デキストリン、可溶性澱粉、ショ糖など、窒素源
としては、たとえばアンモニウム塩類、硝酸塩類、コー
ンスチープ・リカー、ペプトン、カゼイン、肉エキス、
大豆粕、バレイショ抽出液などの無機または有機物質、
無機物としてはたとえば塩化カルシウム、リン酸二水素
ナトリウム、塩化マグネシウムなどがあげられる。ま
た、酵母エキス、ビタミン類、生長促進因子などを添加
してもよい。培地のpHは約5〜8が望ましい。
【0026】エシェリヒア属菌を培養する際の培地とし
ては、例えばグルコース、カザミノ酸を含むM9培地
〔ミラー(Miller)、ジャーナル・オブ・エクスペリメ
ンツ・イン・モレキュラー・ジェネティックス(Journa
l of Experiments in Molecular Genetics)、431−
433、Cold Spring Harbor Laboratory、New York、
1972〕が好ましい。ここに必要によりプロモーター
を効率よく働かせるために、たとえば3β−インドリル
アクリル酸のような薬剤を加えることができる。宿主が
エシェリヒア属菌の場合、培養は通常約15〜43℃で
約3〜24時間行い、必要により、通気や撹拌を加える
こともできる。宿主がバチルス属菌の場合、培養は通常
約30〜40℃で約6〜24時間行ない、必要により通
気や撹拌を加えることもできる。宿主が酵母である形質
転換体を培養する際、培地としては、たとえばバークホ
ールダー(Burkholder)最小培地〔Bostian, K. L.ら、
プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー
・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Pr
oc. Natl. Acad. Sci. USA)、77巻、4505(19
80)〕や0.5%カザミノ酸を含有するSD培地〔Bit
ter, G. A.ら、プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナ
ル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユ
ーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA)、81巻、
5330(1984)〕があげられる。培地のpHは約
5〜8に調整するのが好ましい。培養は通常約20℃〜
35℃で約24〜72時間行い、必要に応じて通気や撹
拌を加える。宿主が昆虫細胞である形質転換体を培養す
る際、培地としては、Grace's Insect Medium(Grace,
T.C.C.、ネイチャー(Nature)、195、788
(1962))に非動化した10%ウシ血清等の添加物
を適宜加えたものなどが用いられる。培地のpHは約
6.2〜6.4に調整するのが好ましい。培養は通常約
27℃で約3〜5日間行い、必要に応じて通気や撹拌を
加える。宿主が動物細胞である形質転換体を培養する
際、培地としては、たとえば約5〜20%の胎児ウシ血
清を含むMEM培地〔サイエンス(Science)、
122巻、501(1952)〕、DMEM培地〔ヴィ
ロロジー(Virology)、8巻、396(195
9)〕、RPMI 1640培地〔ジャーナル・オブ・
ザ・アメリカン・メディカル・アソシエーション(The
Journal of The American Medical Association)、1
99巻、519(1967)〕、199培地〔プロシー
ジング・オブ・ザ・ソサイエティ・フォー・ザ・バイオ
ロジカル・メディスン(Proceeding of The Society fo
r The Biological Medicine)、73巻、1(195
0)〕などが用いられる。pHは約6〜8であるのが好
ましい。培養は通常約30℃〜40℃で約15〜60時
間行い、必要に応じて通気や撹拌を加える。特にCHO
(dhfr-)細胞およびdhfr遺伝子を選択マーカ
ーとして用いる場合には、チミジンをほとんど含まない
透析ウシ胎児血清を含むDMEM培地を用いるのが好ま
しい。上記培養物から本発明で用いられるGRK2蛋白
質を分離精製するには、例えば下記の方法により行なう
ことができる。GRK2蛋白質を培養菌体あるいは細胞
から抽出するに際しては、培養後、公知の方法で菌体あ
るいは細胞を集め、これを適当な緩衝液に懸濁し、超音
波、リゾチームおよび/または凍結融解などによって菌
体あるいは細胞を破壊したのち、遠心分離やろ過により
GRK2蛋白質の粗抽出液を得る方法などが適宜用い得
る。緩衝液の中に尿素や塩酸グアニジンなどのタンパク
変性剤や、トリトンX−100(登録商標。以下、TM
省略することがある。)、ザルコシンなどの界面活性剤
が含まれていてもよい。
【0027】培養液中に本発明で用いられるGRK2蛋
白質が分泌される場合には、培養終了後、公知の方法で
菌体あるいは細胞と上清とを分離し、上清を集める。こ
のようにして得られた培養上清、あるいは抽出液中に含
まれるGRK2蛋白質の精製は、公知の分離・精製法を
適切に組み合わせて行なうことができる。これらの公知
の分離、精製法としては、塩析や溶媒沈澱法などの溶解
度を利用する方法、透析法、限外ろ過法、ゲルろ過法、
およびSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法など
の主として分子量の差を利用する方法、イオン交換クロ
マトグラフィーなどの荷電の差を利用する方法、アフィ
ニティークロマトグラフィーなどの特異的親和性を利用
する方法、逆相高速液体クロマトグラフィーなどの疎水
性の差を利用する方法、等電点電気泳動法やクロマトフ
ォーカシングなどの等電点の差を利用する方法などが用
いられる。このようにして得られる本発明で用いられる
GRK2蛋白質が遊離体で得られた場合には、公知の方
法あるいはそれに準じる方法によって塩に変換すること
ができ、逆に塩で得られた場合には公知の方法あるいは
それに準じる方法により、遊離体または他の塩に変換す
ることができる。なお、組換え体が産生するGRK2蛋
白質を、精製前または精製後に適当な蛋白修飾酵素を作
用させることにより、任意に修飾を加えたり、蛋白質
(ペプチド)を部分的に除去することもできる。蛋白修
飾酵素としては、例えば、トリプシン、キモトリプシ
ン、アルギニルエンドペプチダーゼ、プロテインキナー
ゼ、グリコシダーゼなどが用いられる。またN末端アミ
ノ酸を欠失させるためには、エドマン(Edman)試
薬(フェニルイソチオシアネート)を用いた公知のエド
マン法を用いることが可能である。このようにして生成
するGRK2蛋白質の存在は特異抗体を用いたエンザイ
ムイムノアッセイなどにより測定することができる。
【0028】〔Gベータガンマ蛋白質について〕本発明
のスクリーニング方法で用いられるGベータガンマ蛋白
質(以下、本発明のGベータガンマ蛋白質と略称する場
合がある。)とは、配列番号:4で表わされるアミノ酸
配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有
するGベータ蛋白質と配列番号:6で表わされるアミノ
酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含
有するGガンマ蛋白質との複合体である。該蛋白質は、
例えば、哺乳動物(例えば、ヒト、モルモット、ラッ
ト、マウス、ウサギ、ブタ、ヒツジ、ウシ、サルなど)
のあらゆる細胞(例えば、脾細胞、神経細胞、グリア細
胞、膵臓β細胞、骨髄細胞、メサンギウム細胞、ランゲ
ルハンス細胞、表皮細胞、上皮細胞、内皮細胞、繊維芽
細胞、繊維細胞、筋細胞、脂肪細胞、免疫細胞(例、マ
クロファージ、T細胞、B細胞、ナチュラルキラー細
胞、肥満細胞、好中球、好塩基球、好酸球、単球)、巨
核球、滑膜細胞、軟骨細胞、骨細胞、骨芽細胞、破骨細
胞、乳腺細胞、肝細胞もしくは間質細胞、またはこれら
細胞の前駆細胞、幹細胞もしくはガン細胞など)や血球
系の細胞、またはそれらの細胞が存在するあらゆる組
織、例えば、脳、脳の各部位(例、嗅球、扁頭核、大脳
基底球、海馬、視床、視床下部、視床下核、大脳皮質、
延髄、小脳、後頭葉、前頭葉、側頭葉、被殻、尾状核、
脳染、黒質)、脊髄、下垂体、胃、膵臓、腎臓、肝臓、
生殖腺、甲状腺、胆のう、骨髄、副腎、皮膚、筋肉、
肺、消化管(例、大腸、小腸)、血管、心臓、胸腺、脾
臓、顎下腺、末梢血、末梢血球、前立腺、睾丸、精巣、
卵巣、胎盤、子宮、骨、関節、骨格筋などに由来する蛋
白質であってもよく、また合成蛋白質であってもよい。
【0029】配列番号:4もしくは配列番号:6で表わ
されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列とし
ては、例えば、配列番号:4もしくは配列番号:6で表
わされるアミノ酸配列と約50%以上、好ましくは約6
0%以上、より好ましくは約70%以上、さらに好まし
くは約80%以上、なかでも好ましくは約90%以上、
最も好ましくは約95%以上の相同性を有するアミノ酸
配列などが挙げられる。配列番号:4もしくは配列番
号:6で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミ
ノ酸配列を含有する蛋白質としては、例えば、配列番
号:4もしくは配列番号:6で表わされるアミノ酸配列
と実質的に同一のアミノ酸配列を有し、配列番号:4も
しくは配列番号:6で表わされるアミノ酸配列を含有す
る蛋白質と実質的に同質の活性を有する蛋白質2種の複
合体蛋白質などが好ましい。実質的に同質の活性として
は、例えば、G蛋白質共役型レセプター(例、βAR)
への結合活性、シグナル情報伝達作用、GRK2蛋白質
との結合活性などが挙げられる。実質的に同質とは、そ
れらの活性が性質的に同質であることを示す。したがっ
て、G蛋白質共役型レセプターへの結合活性、シグナル
情報伝達作用、GRK2蛋白質との結合活性などの活性
が同等(例、約0.01〜100倍、好ましくは約0.
5〜20倍、より好ましくは約0.5〜2倍)であるこ
とが好ましいが、これらの活性の程度や蛋白質の分子量
などの量的要素は異なっていてもよい。G蛋白質共役型
レセプターへの結合活性、シグナル情報伝達作用、GR
K2蛋白質との結合活性などの活性の測定は、公知の方
法に準じて行なうことができるが、例えば、後に記載す
るスクリーニング方法に従って測定することができる。
【0030】また、Gベータガンマ蛋白質としては、
配列番号:4で表わされるアミノ酸配列中の1または2
個以上(好ましくは、1〜30個程度、より好ましくは
1〜10個程度、さらに好ましくは数個(1〜5個))
のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、配列番号:4で
表わされるアミノ酸配列に1または2個以上(好ましく
は、1〜30個程度、より好ましくは1〜10個程度、
さらに好ましくは数個(1〜5個))のアミノ酸が付加
したアミノ酸配列、配列番号:4で表わされるアミノ
酸配列中の1または2個以上(好ましくは、1〜30個
程度、より好ましくは1〜10個程度、さらに好ましく
は数個(1〜5個))のアミノ酸が他のアミノ酸で置換
されたアミノ酸配列、またはそれらを組み合わせたア
ミノ酸配列を含有する蛋白質と配列番号:6で表わさ
れるアミノ酸配列中の1または2個以上(好ましくは、
1〜30個程度、より好ましくは1〜10個程度、さら
に好ましくは数個(1〜5個))のアミノ酸が欠失した
アミノ酸配列、配列番号:6で表わされるアミノ酸配
列に1または2個以上(好ましくは、1〜30個程度、
より好ましくは1〜10個程度、さらに好ましくは数個
(1〜5個))のアミノ酸が付加したアミノ酸配列、
配列番号:6で表わされるアミノ酸配列中の1または2
個以上(好ましくは、1〜30個程度、より好ましくは
1〜10個程度、さらに好ましくは数個(1〜5個))
のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列、
またはそれらを組み合わせたアミノ酸配列を含有する
蛋白質の複合体なども用いられる。
【0031】本発明のGベータガンマ蛋白質の具体例と
しては、例えば、配列番号:4で表わされるアミノ酸配
列を含有する蛋白質と配列番号:6で表わされるアミノ
酸配列を含有する蛋白質との複合体などが挙げられる。
【0032】Gベータガンマ蛋白質の部分ペプチドとし
ては、上記した本発明のGベータガンマ蛋白質の部分ペ
プチドであれば何れのものであってもよいが、例えば、
配列番号:4で表されるアミノ酸配列の第1番目から第
145番目の配列を含有する部分ペプチドなどが用いら
れる〔Goldman, S.P.ら、バイオケミカル・アンド・バイ
オフィジカル・リサーチ・コミュニケーションズ(B.
B.R.C.)、240巻(1997)〕。Gベータガ
ンマ蛋白質の部分ペプチドのアミノ酸の数は、上記した
本発明のGベータガンマ蛋白質の構成アミノ酸配列のう
ち少なくとも20個以上、好ましくは50個以上、より
好ましくは100個以上のアミノ酸配列を有するペプチ
ドなどが好ましい。
【0033】また、Gベータガンマ蛋白質の部分ペプチ
ドは、上記アミノ酸配列中の1または2個以上(好まし
くは、1〜10個程度、さらに好ましくは数個(1〜5
個))のアミノ酸が欠失し、または、そのアミノ酸配列
に1または2個以上(好ましくは、1〜20個程度、よ
り好ましくは1〜10個程度、さらに好ましくは数個
(1〜5個))のアミノ酸が付加し、または、そのアミ
ノ酸配列中の1または2個以上(好ましくは、1〜10
個程度、より好ましくは数個、さらに好ましくは1〜5
個程度)のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されていても
よい。また、Gベータガンマ蛋白質の部分ペプチドはC
末端がカルボキシル基(−COOH)、カルボキシレー
ト(−COO-)、アミド(−CONH2)またはエステ
ル(−COOR)の何れであってもよい。さらに、Gベ
ータガンマ蛋白質の部分ペプチドには、上記した本発明
のGRK2蛋白質と同様に、N末端のメチオニン残基の
アミノ基が保護基で保護されているもの、N端側が生体
内で切断され生成したGlnがピログルタミン酸化した
もの、分子内のアミノ酸の側鎖上の置換基が適当な保護
基で保護されているもの、あるいは糖鎖が結合したいわ
ゆる糖ペプチドなどの複合ペプチドなども含まれる。
【0034】本発明のGベータガンマ蛋白質またはその
部分ペプチドの塩としては、酸または塩基との生理学的
に許容される塩が挙げられ、とりわけ生理学的に許容さ
れる酸付加塩が好ましい。この様な塩としては、例え
ば、無機酸(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫
酸)との塩、あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プ
ロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石
酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスル
ホン酸、ベンゼンスルホン酸)との塩などが用いられ
る。
【0035】本発明のGベータガンマ蛋白質もしくはそ
の部分ペプチドまたはその塩は、上記した哺乳動物の細
胞または組織から公知の蛋白質の精製方法によって製造
することもできる〔Katada, T.ら、メソッド・イン・エン
ザイモロジー(Method in ENZYMOLOGY)、237巻、1
31(1994)〕し、後に記載する本発明のGベータ
ガンマ蛋白質をコードするDNAを含有する形質転換体
を培養することによっても製造することができる〔Grab
er S.G.ら、ジャーナル・オブ・バイオロジカルケミスト
リー(J. Biol. Chem.)、267巻、19(199
2)〕。また、上記したGRK2蛋白質合成法と同様の
方法またはこれに準じた方法により製造することもでき
る。哺乳動物の組織または細胞から製造する場合、哺乳
動物の組織または細胞をホモジナイズした後、酸などで
抽出を行ない、得られた抽出液を逆相クロマトグラフィ
ー、イオン交換クロマトグラフィーなどのクロマトグラ
フィーを組み合わせることにより精製単離することがで
きる。
【0036】Gベータガンマ蛋白質の部分ペプチドまた
はその塩は、公知のペプチドの合成法に従って、あるい
は本発明のGベータガンマ蛋白質を適当なペプチダーゼ
で切断することによって製造することができる。ペプチ
ドの合成法としては、例えば、固相合成法、液相合成法
のいずれによっても良い。すなわち、Gベータガンマ蛋
白質を構成し得る部分ペプチドもしくはアミノ酸と残余
部分とを縮合させ、生成物が保護基を有する場合は保護
基を脱離することにより目的のペプチドを製造すること
ができる。公知の縮合方法や保護基の脱離としては、例
えば、以下の〜に記載された方法が挙げられる。 M. BodanszkyおよびM.A. Ondetti、ペプチド シンセ
シス(Peptide Synthesis)、Interscience Publisher
s、New York(1966年) SchroederおよびLuebke、ザ ペプチド(The Peptid
e)、Academic Press、NewYork(1965年) 泉屋信夫他、ペプチド合成の基礎と実験、丸善(株)
(1975年) 矢島治明および榊原俊平、生化学実験講座1、蛋白質
の化学IV、205、(1977年) 矢島治明監修、続医薬品の開発 第14巻、ペプチド
合成、広川書店 また、反応後は通常の精製法、例えば、溶媒抽出・蒸留
・カラムクロマトグラフィー・液体クロマトグラフィー
・再結晶などを組み合わせてGベータガンマ蛋白質の部
分ペプチドを精製単離することができる。上記方法で得
られる部分ペプチドが遊離体である場合は、公知の方法
によって適当な塩に変換することができるし、逆に塩で
得られた場合は、公知の方法によって遊離体に変換する
ことができる。
【0037】本発明で用いられるGベータ蛋白質をコー
ドするDNAとしては、配列番号:4で表わされるアミ
ノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を
含有する蛋白質をコードする塩基配列を有するDNAを
含有するDNAであればいかなるものであってもよい。
本発明で用いられるGガンマ蛋白質をコードするDNA
としては、配列番号:6で表わされるアミノ酸配列と同
一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白
質をコードする塩基配列を有するDNAを含有するDN
Aであればいかなるものであってもよい。また、GRK
2蛋白質との結合が確認されるなら他のサブタイプのG
ベータ蛋白質、Gガンマ蛋白質をコードするDNAであ
っても良い。また、ゲノムDNA、ゲノムDNAライブ
ラリー、前記した組織・細胞由来のcDNA、前記した
組織・細胞由来のcDNAライブラリー、合成DNAの
いずれでもよい。ライブラリーに使用するベクターはバ
クテリオファージ、プラスミド、コスミド、ファージミ
ドなどいずれであってもよい。また、前記した組織・細
胞よりRNA画分を調製したものを用いて直接Reverse
Transcriptase Polymerase Chain Reaction(RT−P
CR法)によって増幅することもできる。より具体的に
は、(1)ハイストリンジェントな条件下で、配列番
号:4もしくは配列番号:6で表わされるアミノ酸配列
と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する
蛋白質またはペプチドをコードする塩基配列を有するD
NAを含有するDNAの有する配列とハイブリダイズす
るDNA、(2)遺伝コードの縮重のため、配列番号:
4もしくは配列番号:6で表わされるアミノ酸配列と同
一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白
質またはペプチドをコードする塩基配列を有するDNA
を含有するDNAの有する配列および(1)に定められ
ている配列とハイブリッド形成しないが、同一アミノ酸
配列をもつ蛋白質またはペプチドをコードするDNAな
どが用いられる。より具体的には、Gベータ蛋白質をコ
ードするDNAとしては、例えば、(1)配列番号:5
で表わされる塩基配列を含有するDNAの部分塩基配列
を有するDNA、Gガンマ蛋白質をコードするDNAと
しては、例えば、配列番号:7で表わされる塩基配列を
含有するDNAの部分塩基配列を有するDNA、または
(2)配列番号:5もしくは配列番号:7で表わされる
塩基配列を含有するDNAとハイストリンジェントな条
件下でハイブリダイズするDNAを有し、複合体として
Gベータガンマ蛋白質と実質的に同質の活性(例、GR
K2蛋白質またはその部分ペプチドとの結合活性)を有
する蛋白質をコードするDNAの部分塩基配列を有する
DNAなどが用いられる。配列番号:5で表わされる塩
基配列を含有するDNAとハイストリンジェントな条件
下でハイブリダイズするDNAとしては、例えば、配列
番号:5で表わされる塩基配列と約70%以上、好まし
くは約80%以上、より好ましくは約90%以上、最も
好ましくは約95%以上の相同性を有する塩基配列を含
有するDNAなどが用いられる。配列番号:7で表わさ
れる塩基配列を含有するDNAとハイストリンジェント
な条件下でハイブリダイズするDNAとしては、例え
ば、配列番号:7で表わされる塩基配列と約70%以
上、好ましくは約80%以上、より好ましくは約90%
以上、最も好ましくは約95%以上の相同性を有する塩
基配列を含有するDNAなどが用いられる。ハイブリダ
イゼーションは、公知の方法あるいはそれに準じた方法
に従って行うことができる。上記ハイストリンジェント
な条件としては、例えば42℃、50%ホルムアミド、
4×SSPE(1×SSPE=150mM NaCl、
10mM NaH2PO4・H2O、1mM EDTA、p
H7.4)、5×デンハート溶液、0.1%SDSであ
る。本発明で用いられるGベータガンマ蛋白質をコード
するDNAは以下の遺伝子工学的手法によっても製造す
ることができる。Gベータ蛋白質、Gガンマ蛋白質を完
全にコードするDNAのクローニングの手段としては、
本発明のGベータ蛋白質、Gガンマ蛋白質の部分塩基配
列を有する合成DNAプライマーを用いた公知のPCR
法による前記DNAライブラリー等からの目的とするD
NAの増幅、または適当なベクターに組み込んだDNA
を例えばGベータ蛋白質もしくはGガンマ蛋白質をコー
ドする塩基配列の一部あるいは全領域を有するDNA断
片もしくは合成DNAを標識したものとのハイブリダイ
ゼーションによる選別をあげることができる。ハイブリ
ダイゼーションの方法は、例えばMolecular Cloning
(2nd ed.;J. Sambrook et al., Cold SpringHarbor
Lab. Press, 1989)に記載の方法などに従って行われ
る。また、市販のライブラリーを使用する場合、添付の
使用説明書に記載の方法に従って行う。クローン化され
た本発明で用いられるGベータ蛋白質、Gガンマ蛋白質
をコードするDNAは目的によりそのまま、または所望
により制限酵素で消化したり、リンカーを付加したりし
て使用することができる。該DNAはその5’末端側に
翻訳開始コドンとしてのATGを有し、また3’末端側
には翻訳終止コドンとしてのTAA、TGAまたはTA
Gを有していてもよい。これらの翻訳開始コドンや翻訳
終止コドンは、適当な合成DNAアダプターを用いて付
加することもできる。
【0038】本発明で用いられるGベータ蛋白質、Gガ
ンマ蛋白質の発現ベクターは、例えば、(イ)本発明で
用いられるGベータ蛋白質、Gガンマ蛋白質をコードす
るDNA(例えば、cDNA)から目的とするDNA断
片を切り出し、(ロ)該DNA断片を適当な発現ベクタ
ー中のプロモーターの下流に連結することにより製造す
ることができる。ベクターとしては、大腸菌由来のプラ
スミド(例、pBR322、pBR325、pUC1
2、pUC13)、枯草菌由来のプラスミド(例、pU
B110、pTP5、pC194)、酵母由来プラスミ
ド(例、pSH19、pSH15)、λファージなどの
バクテリオファージ、レトロウイルス、ワクシニアウイ
ルス、バキュロウイルスなどの動物ウイルスなどが用い
られる。好ましくは、5’上流側もしくは3’下流側に
グルタチオンSトランスフェラーゼ、6回繰り返しヒス
チジン配列などの精製時や検出時に用いることのできる
アミノ酸配列(タグ)を連結できる発現ベクター(例、
pGEX−6P、pTrc−His)が用いられる。用
いられるプロモーターとしては、遺伝子の発現に用いる
宿主に対応して適切なプロモーターであればいかなるも
のでもよい。形質転換する際の宿主が動物細胞である場
合には、SV40由来のプロモーター、レトロウイルス
のプロモーター、メタロチオネインプロモーター、ヒー
トショックプロモーター、サイトメガロウイルスプロモ
ーター、SRαプロモーターなどが利用できる。宿主が
エシェリヒア属菌である場合は、Trpプロモーター、
T7プロモーター、lacプロモーター、recAプロ
モーター、λPLプロモーター、lppプロモーターな
どが、宿主がバチルス属菌である場合は、SPO1プロ
モーター、SPO2プロモーター、penPプロモータ
ーなど、宿主が酵母である場合は、PHO5プロモータ
ー、PGKプロモーター、GAPプロモーター、ADH
1プロモーター、GALプロモーターなどが好ましい。
宿主が昆虫細胞である場合は、ポリヘドリンプロモータ
ー、P10プロモーターなどが好ましい。発現ベクター
には、以上の他に、所望によりエンハンサー、スプライ
シングシグナル、ポリA付加シグナル、選択マーカー、
SV40複製オリジン(以下、SV40oriと略称す
る場合がある)などを含有しているものを用いることが
できる。選択マーカーとしては、例えば、ジヒドロ葉酸
還元酵素(以下、dhfrと略称する場合がある)遺伝
子〔メソトレキセート(MTX)耐性〕、アンピシリン
耐性遺伝子(以下、Amprと略称する場合がある)、
ネオマイシン耐性遺伝子(以下、Neorと略称する場
合がある、G418耐性)等があげられる。特に、CH
O(dhfr-)細胞を用いてDHFR遺伝子を選択マ
ーカーとして使用する場合、チミジンを含まない培地に
よっても選択できる。また、必要に応じて、宿主に合っ
たシグナル配列を、ポリペプチドまたはその部分ペプチ
ドのN端末側に付加する。宿主がエシェリヒア属菌であ
る場合は、PhoA・シグナル配列、OmpA・シグナ
ル配列などが、宿主がバチルス属菌である場合は、α−
アミラーゼ・シグナル配列、サブチリシン・シグナル配
列などが、宿主が酵母である場合は、メイティングファ
クターα(MFα)・シグナル配列、インベルターゼ・
シグナル配列など、宿主が動物細胞である場合には、例
えばインシュリン・シグナル配列、α−インターフェロ
ン・シグナル配列、抗体分子・シグナル配列などがそれ
ぞれ利用できる。このようにして構築されたGベータ蛋
白質もしくはGガンマ蛋白質をコードするDNAを含有
するベクターを用いて、形質転換体を製造することがで
きる。また、共発現を行うことにより、同時にGベータ
ガンマ蛋白質複合体を得ることもできる。宿主として
は、たとえばエシェリヒア属菌、バチルス属菌、酵母、
昆虫または昆虫細胞、動物細胞などが用いられる。エシ
ェリヒア属菌としては、エシェリヒア・コリ(Escheric
hia coli)K12・DH1〔プロシージングズ・オブ・
ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・
オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. US
A)、60巻、160(1968)〕、JM103〔ヌ
クレイック・アシッズ・リサーチ(Nucleic Acids Rese
arch)、9巻、309(1981)〕、JA221〔ジ
ャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー(Journa
l of Molecular Biology)、120巻、517(197
8)〕、HB101〔ジャーナル・オブ・モレキュラー
・バイオロジー、41巻、459(1969)〕、C6
00〔ジェネティックス(Genetics)、39
巻、440(1954)〕などが用いられる。バチルス
属菌としては、たとえばバチルス・サチルス(Bacillus
subtilis)MI114〔ジーン、24巻、255(1
983)〕、207−21〔ジャーナル・オブ・バイオ
ケミストリー(Journal of Biochemistry)、95巻、
87(1984)〕などが用いられる。酵母としては、
たとえばサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyce
s cerevisiae)AH22、AH22R-、NA87−1
1A、DKD−5D、20B−12などが用いられる。
昆虫としては、例えばカイコの幼虫などが用いられる
〔前田ら、ネイチャー(Nature)、315巻、592
(1985)〕。昆虫細胞としては、例えば、ウイルス
がAcNPVの場合は、夜盗蛾の幼虫由来株化細胞(Sp
odoptera frugiperda cell;Sf細胞)、Trichoplusia
niの中腸由来のMG1細胞、Trichoplusia niの卵由来
のHigh FiveTM細胞、Mamestra brassicae由来
の細胞またはEstigmena acrea由来の細胞などが用いら
れる。ウイルスがBmNPVの場合は、蚕由来株化細胞
(Bombyx mori N;BmN細胞)などが用いられる。該
Sf細胞としては、例えば、Sf9細胞(ATCCCR
L1711)、Sf21細胞〔以上、Vaughn, J.L.ら、
イン・ヴィトロ(in Vitro)、13巻、213−217
頁(1977年)〕などが用いられる。動物細胞として
は、たとえばサルCOS−7細胞、Vero細胞、チャ
イニーズハムスター細胞CHO、DHFR遺伝子欠損チ
ャイニーズハムスター細胞CHO(dhfr- CHO細
胞)、マウスL細胞、マウス3T3細胞、マウスミエロ
ーマ細胞、ヒトHEK293細胞、ヒトFL細胞、29
3細胞、C127細胞、BALB3T3細胞、Sp−2
/O細胞などが用いられる。
【0039】エシェリヒア属菌を形質転換するには、た
とえばプロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカ
デミー・オブ・サイエンジイズ・オブ・ザ・ユーエスエ
ー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA)、69巻、2110
(1972)やジーン(Gene)、17巻、107
(1982)などに記載の方法に従って行なわれる。バ
チルス属菌を形質転換するには、たとえばモレキュラー
・アンド・ジェネラル・ジェネティックス(Molecular
& General Genetics)、168巻、111(197
9)などに記載の方法に従って行われる。酵母を形質転
換するには、たとえばプロシージングズ・オブ・ザ・ナ
ショナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・
ザ・ユーエスエー(Proc. Natl.Acad. Sci. USA)、7
5巻、1929(1978)に記載の方法に従って行な
われる。昆虫細胞または昆虫を形質転換するには、たと
えばバイオ/テクノロジー(Bio/Technology)、6巻、
47−55頁(1988年)などに記載の方法に従って
行なわれる。動物細胞を形質転換するには、たとえばヴ
ィロロジー(Virology)、52巻、456(1
973)に記載の方法に従って行なわれる。発現ベクタ
ーの細胞への導入方法としては、例えば、リポフェクシ
ョン法〔Felgner, P.L. et al.、プロシージングズ・オ
ブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンジイ
ズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci.
USA)、84巻、7413頁(1987年)〕、リン酸
カルシウム法〔Graham, F. L. and van der Eb, A.
J.、ヴィロロジー(Virology)、52巻、45
6−467頁(1973年)〕、電気穿孔法〔Nuemann,
E. et al.、エンボ・ジャーナル(EMBO J.)、
1巻、841−845頁(1982年)〕等があげられ
る。このようにして、本発明で用いられるGベータ蛋白
質もしくはGガンマ蛋白質をコードするDNAを含有す
る発現ベクターで形質転換された形質転換体が得られ
る。なお、動物細胞を用いて、本発明で用いられるGベ
ータガンマ蛋白質を安定に発現させる方法としては、上
記の動物細胞に導入された2種の発現ベクターが染色体
に組み込まれた細胞をクローン選択によって選択する方
法がある。具体的には、上記の選択マーカーを指標にし
て形質転換体を選択する。さらに、このように選択マー
カーを用いて得られた動物細胞に対して、繰り返しクロ
ーン選択を行なうことによりGベータガンマ蛋白質の高
発現能を有する安定な動物細胞株を得ることができる。
また、dhfr遺伝子を選択マーカーとして用いた場
合、MTX濃度を徐々に上げて培養し、耐性株を選択す
ることにより、dhfr遺伝子とともに、Gベータガン
マ蛋白質をコードするDNAを細胞内で増幅させて、さ
らに高発現の動物細胞株を得ることもできる。上記の形
質転換体を本発明で用いられるGベータ蛋白質およびG
ガンマ蛋白質をコードするDNAを含有する発現ベクタ
ーをコードするDNAが発現可能な条件下で培養し、G
ベータガンマ蛋白質を生成、蓄積せしめることによっ
て、Gベータガンマ蛋白質を製造することができる。宿
主がエシェリヒア属菌、バチルス属菌である形質転換体
を培養する際、培養に使用される培地としては液体培地
が適当であり、その中には該形質転換体の生育に必要な
炭素源、窒素源、無機物その他が含有せしめられる。炭
素源としては、たとえばグルコース、デキストリン、可
溶性澱粉、ショ糖など、窒素源としては、たとえばアン
モニウム塩類、硝酸塩類、コーンスチープ・リカー、ペ
プトン、カゼイン、肉エキス、大豆粕、バレイショ抽出
液などの無機または有機物質、無機物としてはたとえば
塩化カルシウム、リン酸二水素ナトリウム、塩化マグネ
シウムなどがあげられる。また、酵母エキス、ビタミン
類、生長促進因子などを添加してもよい。培地のpHは
約5〜8が望ましい。
【0040】エシェリヒア属菌を培養する際の培地とし
ては、例えばグルコース、カザミノ酸を含むM9培地
〔ミラー(Miller)、ジャーナル・オブ・エクスペリメ
ンツ・イン・モレキュラー・ジェネティックス(Journa
l of Experiments in Molecular Genetics)、431−
433、Cold Spring Harbor Laboratory、New York
(1972)〕が好ましい。ここに必要によりプロモー
ターを効率よく働かせるために、たとえば3β−インド
リルアクリル酸のような薬剤を加えることができる。宿
主がエシェリヒア属菌の場合、培養は通常約15〜43
℃で約3〜24時間行い、必要により、通気や撹拌を加
えることもできる。宿主がバチルス属菌の場合、培養は
通常約30〜40℃で約6〜24時間行ない、必要によ
り通気や撹拌を加えることもできる。宿主が酵母である
形質転換体を培養する際、培地としては、たとえばバー
クホールダー(Burkholder)最小培地〔Bostian, K. L.
ら、プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデ
ミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー
(Proc. Natl. Acad. Sci. USA)、77巻、4505
(1980)〕や0.5%カザミノ酸を含有するSD培
地〔Bitter, G. A.ら、プロシージングズ・オブ・ザ・
ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ
・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA)、
81巻、5330(1984)〕があげられる。培地の
pHは約5〜8に調整するのが好ましい。培養は通常約
20℃〜35℃で約24〜72時間行い、必要に応じて
通気や撹拌を加える。宿主が昆虫細胞である形質転換体
を培養する際、培地としては、Grace's Insect Medium
(Grace, T.C.C.、ネイチャー(Nature)、19
5、788(1962))に非動化した10%ウシ血清
等の添加物を適宜加えたものなどが用いられる。培地の
pHは約6.2〜6.4に調整するのが好ましい。培養
は通常約27℃で約3〜5日間行い、必要に応じて通気
や撹拌を加える。宿主が動物細胞である形質転換体を培
養する際、培地としては、たとえば約5〜20%の胎児
ウシ血清を含むMEM培地〔サイエンス(Scienc
e)、122巻,501(1952)〕,DMEM培地
〔ヴィロロジー(Virology)、8巻、396
(1959)〕、RPMI 1640培地〔ジャーナル
・オブ・ザ・アメリカン・メディカル・アソシエーショ
ン(The Journal of The American Medical Associatio
n)199巻、519(1967)〕、199培地〔プ
ロシージング・オブ・ザ・ソサイエティ・フォー・ザ・
バイオロジカル・メディスン(Proceeding of The Soci
ety for The Biological Medicine)、73巻、1(1
950)〕などが用いられる。pHは約6〜8であるの
が好ましい。培養は通常約30℃〜40℃で約15〜6
0時間行い、必要に応じて通気や撹拌を加える。特にC
HO(dhfr-)細胞およびdhfr遺伝子を選択マ
ーカーとして用いる場合には、チミジンをほとんど含ま
ない透析ウシ胎児血清を含むDMEM培地を用いるのが
好ましい。上記培養物から本発明で用いられるGベータ
ガンマ蛋白質を分離精製するには、例えば下記の方法に
より行なうことができる。Gベータガンマ蛋白質を培養
菌体あるいは細胞から抽出するに際しては、培養後、公
知の方法で菌体あるいは細胞を集め、これを適当な緩衝
液に懸濁し、超音波、リゾチームおよび/または凍結融
解などによって菌体あるいは細胞を破壊したのち、遠心
分離やろ過によりGベータガンマ蛋白質の粗抽出液を得
る方法などが適宜用い得る。緩衝液の中に尿素や塩酸グ
アニジンなどのタンパク変性剤や、トリトンX−100
TM、ザルコシンなどの界面活性剤が含まれていてもよ
い。
【0041】培養液中に本発明で用いられるGベータガ
ンマ蛋白質が分泌される場合には、培養終了後、公知の
方法で菌体あるいは細胞と上清とを分離し、上清を集め
る。このようにして得られた培養上清、あるいは抽出液
中に含まれるGベータガンマ蛋白質の精製は、公知の分
離・精製法を適切に組み合わせて行なうことができる。
これらの公知の分離、精製法としては、塩析や溶媒沈澱
法などの溶解度を利用する方法、透析法、限外ろ過法、
ゲルろ過法、およびSDS−ポリアクリルアミドゲル電
気泳動法などの主として分子量の差を利用する方法、イ
オン交換クロマトグラフィーなどの荷電の差を利用する
方法、アフィニティークロマトグラフィーなどの特異的
親和性を利用する方法、逆相高速液体クロマトグラフィ
ーなどの疎水性の差を利用する方法、等電点電気泳動法
やクロマトフォーカシングなどの等電点の差を利用する
方法などが用いられる。このようにして得られる本発明
で用いられるGベータガンマ蛋白質が遊離体で得られた
場合には、公知の方法あるいはそれに準じる方法によっ
て塩に変換することができ、逆に塩で得られた場合には
公知の方法あるいはそれに準じる方法により、遊離体ま
たは他の塩に変換することができる。なお、組換え体が
産生するGベータガンマ蛋白質を、精製前または精製後
に適当な蛋白修飾酵素を作用させることにより、任意に
修飾を加えたり、蛋白質(ペプチド)を部分的に除去す
ることもできる。蛋白修飾酵素としては、例えば、トリ
プシン、キモトリプシン、アルギニルエンドペプチダー
ゼ、プロテインキナーゼ、グリコシダーゼなどが用いら
れる。またN末端アミノ酸を欠失させるためには、エド
マン(Edman)試薬(フェニルイソチオシアネー
ト)を用いた公知のエドマン法を用いることが可能であ
る。このようにして生成するGベータガンマ蛋白質の存
在は特異抗体を用いたエンザイムイムノアッセイなどに
より測定することができる。
【0042】〔GRK2蛋白質もしくはその部分ペプチ
ドまたはその塩、またはGベータガンマ蛋白質もしくは
その部分ペプチドまたはその塩に対する抗体について〕
本発明のスクリーニング方法において使用し得るGRK
2蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩、また
はGベータガンマ蛋白質、もしくはその部分ペプチドま
たはその塩に対する抗体は、前記したGRK2蛋白質も
しくはその部分ペプチドまたはその塩、またはGベータ
ガンマ蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩を
認識し得る抗体であれば、ポリクローナル抗体、モノク
ローナル抗体の何れであってもよい。GRK2蛋白質も
しくはその部分ペプチドまたはその塩、またはGベータ
ガンマ蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩
(以下、抗体の説明においては、これら蛋白質等を単に
本発明の蛋白質と略記する)に対する抗体は、本発明の
蛋白質を抗原として用い、公知の抗体または抗血清の製
造法に従って製造することができる。 〔モノクローナル抗体の作製〕 (a)モノクロナール抗体産生細胞の作製 本発明の蛋白質は、温血動物に対して投与により抗体産
生が可能な部位にそれ自体あるいは担体、希釈剤ととも
に投与される。投与に際して抗体産生能を高めるため、
完全フロイントアジュバントや不完全フロイントアジュ
バントを投与してもよい。投与は通常2〜6週毎に1回
ずつ、計2〜10回程度行われる。用いられる温血動物
としては、例えば、サル、ウサギ、イヌ、モルモット、
マウス、ラット、ヒツジ、ヤギ、ニワトリが挙げられる
が、マウスおよびラットが好ましく用いられる。モノク
ローナル抗体産生細胞の作製に際しては、抗原で免疫さ
れた温血動物、例えばマウスから抗体価の認められた個
体を選択し最終免疫の2〜5日後に脾臓またはリンパ節
を採取し、それらに含まれる抗体産生細胞を同種または
異種動物の骨髄腫細胞と融合させることにより、モノク
ローナル抗体産生ハイブリドーマを調製することができ
る。抗血清中の抗体価の測定は、例えば、後記の標識化
蛋白質と抗血清とを反応させたのち、抗体に結合した標
識剤の活性を測定することにより行なうことができる。
融合操作は既知の方法、例えば、ケーラーとミルスタイ
ンの方法〔ネイチャー(Nature)、256、49
5(1975)〕に従い実施することができる。融合促
進剤としては、例えば、ポリエチレングリコール(PE
G)やセンダイウィルスなどが挙げられるが、好ましく
はPEGが用いられる。
【0043】骨髄腫細胞としては、例えば、NS−1、
P3U1、SP2/0、AP−1などの温血動物の骨髄
腫細胞が挙げられるが、P3U1が好ましく用いられ
る。用いられる抗体産生細胞(脾臓細胞)数と骨髄腫細
胞数との好ましい比率は1:1〜20:1程度であり、
PEG(好ましくはPEG1000〜PEG6000)
が10〜80%程度の濃度で添加され、20〜40℃、
好ましくは30〜37℃で1〜10分間インキュベート
することにより効率よく細胞融合を実施できる。モノク
ローナル抗体産生ハイブリドーマのスクリーニングには
種々の方法が使用できるが、例えば、蛋白質抗原を直接
あるいは担体とともに吸着させた固相(例、マイクロプ
レート)にハイブリドーマ培養上清を添加し、次に放射
性物質や酵素などで標識した抗免疫グロブリン抗体(細
胞融合に用いられる細胞がマウスの場合、抗マウス免疫
グロブリン抗体が用いられる)またはプロテインAを加
え、固相に結合したモノクローナル抗体を検出する方
法、抗免疫グロブリン抗体またはプロテインAを吸着さ
せた固相にハイブリドーマ培養上清を添加し、放射性物
質や酵素などで標識した蛋白質を加え、固相に結合した
モノクローナル抗体を検出する方法などが挙げられる。
モノクローナル抗体の選別は、公知あるいはそれに準じ
る方法に従って行なうことができる。通常HAT(ヒポ
キサンチン、アミノプテリン、チミジン)を添加した動
物細胞用培地で行なうことができる。選別および育種用
培地としては、ハイブリドーマが生育できるものならば
どのような培地を用いても良い。例えば、1〜20%、
好ましくは10〜20%のウシ胎児血清を含むRPMI
1640培地、1〜10%のウシ胎児血清を含むGI
T培地(和光純薬工業(株))あるいはハイブリドーマ
培養用無血清培地(SFM−101、日水製薬(株))
などを用いることができる。培養温度は、通常20〜4
0℃、好ましくは約37℃である。培養時間は、通常5
日〜3週間、好ましくは1週間〜2週間である。培養
は、通常5%炭酸ガス下で行なうことができる。ハイブ
リドーマ培養上清の抗体価は、上記の抗血清中の抗体価
の測定と同様にして測定できる。
【0044】(b)モノクロナール抗体の精製 モノクローナル抗体の分離精製は、公知の方法、例え
ば、免疫グロブリンの分離精製法〔例、塩析法、アルコ
ール沈殿法、等電点沈殿法、電気泳動法、イオン交換体
(例、DEAE)による吸脱着法、超遠心法、ゲルろ過
法、抗原結合固相あるいはプロテインAあるいはプロテ
インGなどの活性吸着剤により抗体のみを採取し、結合
を解離させて抗体を得る特異的精製法〕に従って行なう
ことができる。
【0045】〔ポリクローナル抗体の作製〕本発明のポ
リクローナル抗体は、公知あるいはそれに準じる方法に
従って製造することができる。例えば、免疫抗原(本発
明の蛋白質抗原)自体、あるいはそれとキャリアー蛋白
質との複合体をつくり、上記のモノクローナル抗体の製
造法と同様に温血動物に免疫を行ない、得られた免疫動
物から本発明の蛋白質に対する抗体含有物(例えば、抗
血清)を採取して、抗体の分離精製を行なうことにより
製造することができる。温血動物を免疫するために用い
られる免疫抗原とキャリアー蛋白質との複合体に関し、
キャリアー蛋白質の種類およびキャリアーとハプテンと
の混合比は、キャリアーに架橋させて免疫したハプテン
に対して抗体が効率良くできれば、どの様なものをどの
様な比率で架橋させてもよいが、例えば、ウシ血清アル
ブミンやウシサイログロブリン、ヘモシアニン等を重量
比でハプテン1に対し、約0.1〜20、好ましくは約
1〜5の割合でカプルさせる方法が用いられる。また、
ハプテンとキャリアーのカプリングには、種々の縮合剤
を用いることができるが、グルタルアルデヒドやカルボ
ジイミド、マレイミド活性エステル、チオール基、ジチ
オビリジル基を含有する活性エステル試薬等が用いられ
る。縮合生成物は、温血動物に対して、抗体産生が可能
な部位にそれ自体あるいは担体、希釈剤とともに投与さ
れる。投与に際して抗体産生能を高めるため、完全フロ
イントアジュバントや不完全フロイントアジュバントを
投与してもよい。投与は、通常約2〜6週毎に1回ず
つ、計約3〜10回程度行なわれる。ポリクローナル抗
体は、上記の方法で免疫された温血動物の血液、腹水な
ど、好ましくは血液から採取することができる。抗血清
中のポリクローナル抗体価の測定は、上記の抗血清中の
抗体価の測定と同様にして測定できる。ポリクローナル
抗体の分離精製は、上記のモノクローナル抗体の分離精
製と同様の免疫グロブリンの分離精製法に従って行なう
ことができる。
【0046】〔GRK2蛋白質もしくはその部分ペプチ
ドまたはその塩とGベータガンマ蛋白質もしくはその部
分ペプチドまたはその塩との結合性を変化させる化合物
またはその塩のスクリーニング方法について〕GRK2
蛋白質もしくはその部分ペプチド(例、GRK2蛋白質
のPH領域を有するポリペプチドもしくはその誘導体)
またはその塩およびGベータガンマ蛋白質もしくはその
部分ペプチドまたはその塩を用いることを特徴とする、
GRK2蛋白質もしくはその部分ペプチド(例、GRK
2蛋白質のPH領域を有するポリペプチドもしくはその
誘導体)またはその塩とGベータガンマ蛋白質もしくは
その部分ペプチドまたはその塩との結合性を変化させる
化合物またはその塩のスクリーニング方法、またはGR
K2蛋白質もしくはその部分ペプチド(例、GRK2蛋
白質のPH領域を有するポリペプチドもしくはその誘導
体)またはその塩およびGベータガンマ蛋白質もしくは
その部分ペプチドまたはその塩を含有することを特徴と
する、GRK2蛋白質もしくはその部分ペプチド(例、
GRK2蛋白質のPH領域を有するポリペプチドもしく
はその誘導体)またはその塩とGベータガンマ蛋白質も
しくはその部分ペプチドまたはその塩との結合性を変化
させる化合物またはその塩のスクリーニング用キット
(以下、本発明のスクリーニング方法、本発明のスクリ
ーニング用キットと略記する)について以下に詳述す
る。GRK2蛋白質もしくはその部分ペプチド(例、G
RK2蛋白質のPH領域を有するポリペプチドもしくは
その誘導体)またはその塩およびGベータガンマ蛋白質
もしくはその部分ペプチドまたはその塩との結合アッセ
イ系、または組換え型Gベータガンマ蛋白質の発現系を
構築し、該発現系を用いたGRK2蛋白質もしくはその
部分ペプチド(例、GRK2蛋白質のPH領域を有する
ポリペプチドもしくはその誘導体)またはその塩との結
合アッセイ系を用いることによって、GRK2蛋白質も
しくはその部分ペプチド(例、GRK2蛋白質のPH領
域を有するポリペプチドもしくはその誘導体)またはそ
の塩とGベータガンマ蛋白質もしくはその部分ペプチド
またはその塩との結合性を変化させる化合物(例えば、
ペプチド、蛋白質、非ペプチド性化合物、合成化合物、
発酵生産物など)またはその塩をスクリーニングするこ
とができる。このような化合物には、GRK2、βA
R、Gベータガンマ蛋白質を介して細胞刺激活性(例え
ば、アラキドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内C
2+遊離、細胞内cAMP生成、細胞内cGMP生成、
イノシトールリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白
質のリン酸化、c−fosの活性化、pHの低下などを
促進する活性または抑制する活性など)を有する化合物
と該細胞刺激活性を有しない化合物などが含まれる。
「GRK2蛋白質もしくはその部分ペプチド(例、GR
K2蛋白質のPH領域を有するポリペプチドもしくはそ
の誘導体)またはその塩とGベータガンマ蛋白質もしく
はその部分ペプチドまたはその塩との結合性を変化させ
る」とは、GRK2蛋白質もしくはその部分ペプチド
(例、GRK2蛋白質のPH領域を有するポリペプチド
もしくはその誘導体)またはその塩とGベータガンマ蛋
白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩との結合を
阻害する場合と促進する場合の両方を包含するものであ
る。具体的には、本発明は、(i)Gベータガンマ蛋白
質もしくはその部分ペプチドまたはその塩に、GRK2
蛋白質もしくはその部分ペプチド(例、GRK2蛋白質
のPH領域を有するポリペプチドもしくはその誘導体)
またはその塩を接触させた場合と(ii)該Gベータガ
ンマ蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩に、
GRK2蛋白質もしくはその部分ペプチド(例、GRK
2蛋白質のPH領域を有するポリペプチドもしくはその
誘導体)またはその塩および試験化合物を接触させた場
合との例えば該Gベータガンマ蛋白質もしくはその部分
ペプチドまたはその塩に対するGRK2蛋白質もしくは
その部分ペプチド(例、GRK2蛋白質のPH領域を有
するポリペプチドもしくはその誘導体)またはその塩の
結合量を測定して比較することを特徴とする、GRK2
蛋白質もしくはその部分ペプチド(例、GRK2蛋白質
のPH領域を有するポリペプチドもしくはその誘導体)
またはその塩とGベータガンマ蛋白質もしくはその部分
ペプチドまたはその塩との結合性を変化させる化合物ま
たはその塩のスクリーニング方法を提供する。
【0047】GRK2蛋白質もしくはその部分ペプチド
またはその塩とGベータガンマ蛋白質もしくはその部分
ペプチドまたはその塩との結合量の測定は、特に制限さ
れるべきものではなく、被測定液中の抗原量(例えば、
Gベータガンマ蛋白質量)に対応した抗体、抗原もしく
は抗体−抗原複合体の量を化学的または物理的手段によ
り検出し、これを既知量の抗原を含む標準液を用いて作
製した標準曲線より算出する測定法であれば、いずれの
測定法を用いてもよい。標識物質を用いる測定法に用い
られる標識剤としては、例えば、放射性同位元素、酵
素、蛍光物質、発光物質などが用いられる。放射性同位
元素としては、例えば、〔125I〕、〔131I〕、
3H〕、〔14C〕などが用いられる。上記酵素として
は、安定で比活性の大きなものが好ましく、例えば、β
−ガラクトシダーゼ、β−グルコシダーゼ、アルカリフ
ォスファターゼ、パーオキシダーゼ、リンゴ酸脱水素酵
素などが用いられる。蛍光物質としては、例えば、フル
オレスカミン、フルオレッセンイソチオシアネートなど
が用いられる。発光物質としては、例えば、ルミノー
ル、ルミノール誘導体、ルシフェリン、ルシゲニンなど
が用いられる。さらに、抗体あるいは抗原と標識剤との
結合にビオチン−アビジン系を用いることもできる。
【0048】抗原あるいは抗体の不溶化に当っては、物
理吸着を用いてもよく、また通常蛋白質あるいは酵素等
を固相化(不溶化)するのに用いられる化学結合を用い
る方法でもよい。担体としては、アガロース、デキスト
ラン、セルロースなどの不溶性多糖類、ポリスチレン、
ポリアクリルアミド、シリコン等の合成樹脂、あるいは
ガラス等が挙げられる。例えば、固相化(不溶化)した
GRK2蛋白質もしくはその部分ペプチドにGベータガ
ンマ蛋白質および試験化合物を含有する被検液を反応さ
せ(1次反応)、さらに標識化した抗Gベータガンマ蛋
白質抗体を反応させ(2次反応)たのち、固相化(不溶
化)担体上の標識剤の活性を測定することによりGRK
2蛋白質もしくはその部分ペプチドに結合したGベータ
ガンマ蛋白質量を定量することができる。1次反応と2
次反応は逆の順序に行っても、また、同時に行なっても
よいし時間をずらして行なってもよい。標識化剤および
固相化の方法は前記のそれらに準じることができる。ま
た、本発明のスクリーニング方法において、標識用抗体
に用いられる抗体は必ずしも1種類である必要はなく、
測定感度を向上させる等の目的で2種類以上の抗体の混
合物を用いてもよい。また、固相化(不溶化)したGR
K2蛋白質もしくはその部分ペプチドにGベータガンマ
蛋白質および試験化合物を含有する被検液を反応させ
(1次反応)、さらに抗Gベータガンマ蛋白質抗体を反
応させ(2次反応)、さらに、標識化した抗Ig抗体を
反応させ(3次反応)たのち、固相化(不溶化)担体上
の標識剤の活性を測定することにより、より良好にGR
K2蛋白質もしくはその部分ペプチドに結合したGベー
タガンマ蛋白質量を定量することができる。上記2次反
応と3次反応などに用いられる抗体は、Gベータガンマ
蛋白質がGRK2蛋白質もしくはその部分ペプチドと結
合する部位とは異なる部位に結合する抗体が好ましく用
いられる。
【0049】具体的には本発明は (1)固相化したGRK2蛋白質もしくはその部分ペプ
チド(例、GRK2蛋白質のPH領域を有するポリペプ
チドもしくはその誘導体)またはその塩と、Gベータガ
ンマ蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩とを
接触させた場合と、固相化したGRK2蛋白質もしくは
その部分ペプチド(例、GRK2蛋白質のPH領域を有
するポリペプチドもしくはその誘導体)またはその塩お
よび試験化合物とGベータガンマ蛋白質もしくはその部
分ペプチドまたはその塩とを接触させた場合における、
固相上のGRK2蛋白質もしくはその部分ペプチド
(例、GRK2蛋白質のPH領域を有するポリペプチド
もしくはその誘導体)またはその塩に結合する該Gベー
タガンマ蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩
の結合量を測定し、比較することを特徴とするGRK2
蛋白質もしくはその部分ペプチド(例、GRK2蛋白質
のPH領域を有するポリペプチドもしくはその誘導体)
またはその塩とGベータガンマ蛋白質もしくはその部分
ペプチドまたはその塩との結合性を変化させる化合物ま
たはその塩のスクリーニング方法、(2)固相化したG
RK2蛋白質もしくはその部分ペプチド(例、GRK2
蛋白質のPH領域を有するポリペプチドもしくはその誘
導体)またはその塩と、Gベータガンマ蛋白質もしくは
その部分ペプチドを含有する細胞または該細胞の膜画分
とを接触させた場合と、固相化したGRK2蛋白質もし
くはその部分ペプチド(例、GRK2蛋白質のPH領域
を有するポリペプチドもしくはその誘導体)またはその
塩および試験化合物とGベータガンマ蛋白質もしくはそ
の部分ペプチドを含有する細胞または該細胞の膜画分と
を接触させた場合における、固相上のGRK2蛋白質も
しくはその部分ペプチド(例、GRK2蛋白質のPH領
域を有するポリペプチドもしくはその誘導体)またはそ
の塩に結合する該細胞または該膜画分の結合量を測定
し、比較することを特徴とするGRK2蛋白質もしくは
その部分ペプチド(例、GRK2蛋白質のPH領域を有
するポリペプチドもしくはその誘導体)またはその塩と
Gベータガンマ蛋白質もしくはその部分ペプチドとの結
合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング
方法、(3)固相化したGRK2蛋白質もしくはその部
分ペプチド(例、GRK2蛋白質のPH領域を有するポ
リペプチドもしくはその誘導体)またはその塩と、Gベ
ータガンマ蛋白質もしくはその部分ペプチドをコードす
るDNAを含有する形質転換体を培養することによって
細胞膜上に発現したGベータガンマ蛋白質もしくはその
部分ペプチドとを接触させた場合と、固相化したGRK
2蛋白質もしくはその部分ペプチド(例、GRK2蛋白
質のPH領域を有するポリペプチドもしくはその誘導
体)またはその塩および試験化合物とGベータガンマ蛋
白質もしくはその部分ペプチドをコードするDNAを含
有する形質転換体を培養することによって細胞膜上に発
現したGベータガンマ蛋白質もしくはその部分ペプチド
とを接触させた場合における、固相上のGRK2蛋白質
もしくはその部分ペプチド(例、GRK2蛋白質のPH
領域を有するポリペプチドもしくはその誘導体)または
その塩に結合する該Gベータガンマ蛋白質もしくはその
部分ペプチドの結合量を測定し、比較することを特徴と
するGRK2蛋白質もしくはその部分ペプチド(例、G
RK2蛋白質のPH領域を有するポリペプチドもしくは
その誘導体)またはその塩とGベータガンマ蛋白質もし
くはその部分ペプチドとの結合性を変化させる化合物ま
たはその塩のスクリーニング方法を提供する。
【0050】より具体的には、(4)固相化したGRK
2蛋白質もしくはその部分ペプチド(例、GRK2蛋白
質のPH領域を有するポリペプチドもしくはその誘導
体)またはその塩と、標識化されたGベータガンマ蛋白
質もしくはその部分ペプチドまたはその塩とを接触させ
た場合と、固相化したGRK2蛋白質もしくはその部分
ペプチド(例、GRK2蛋白質のPH領域を有するポリ
ペプチドもしくはその誘導体)またはその塩および試験
化合物と標識化されたGベータガンマ蛋白質もしくはそ
の部分ペプチドまたはその塩とを接触させた場合におけ
る、固相化上のGRK2蛋白質もしくはその部分ペプチ
ド(例、GRK2蛋白質のPH領域を有するポリペプチ
ドもしくはその誘導体)またはその塩に結合する該Gベ
ータガンマ蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその
塩の結合量を測定し、比較することを特徴とするGRK
2蛋白質もしくはその部分ペプチド(例、GRK2蛋白
質のPH領域を有するポリペプチドもしくはその誘導
体)またはその塩とGベータガンマ蛋白質もしくはその
部分ペプチドまたはその塩との結合性を変化させる化合
物またはその塩のスクリーニング方法、(5)固相化し
たGRK2蛋白質もしくはその部分ペプチド(例、GR
K2蛋白質のPH領域を有するポリペプチドもしくはそ
の誘導体)またはその塩と、Gベータガンマ蛋白質もし
くはその部分ペプチドまたはその塩および標識化された
抗Gベータガンマ蛋白質抗体とを同時あるいは連続的に
反応させた場合と、固相化したGRK2蛋白質もしくは
その部分ペプチド(例、GRK2蛋白質のPH領域を有
するポリペプチドもしくはその誘導体)またはその塩お
よび試験化合物と、Gベータガンマ蛋白質もしくはその
部分ペプチドまたはその塩および標識化された抗Gベー
タガンマ蛋白質抗体とを同時あるいは連続的に反応させ
た場合における、固相(不溶化担体)上のGRK2蛋白
質もしくはその部分ペプチドまたはその塩とGベータガ
ンマ蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩の複
合体に結合した抗Gベータガンマ蛋白質抗体の結合量を
例えば標識剤の活性を測定して算出し、比較することを
特徴とするGRK2蛋白質もしくはその部分ペプチド
(例、GRK2蛋白質のPH領域を有するポリペプチド
もしくはその誘導体)またはその塩とGベータガンマ蛋
白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩との結合性
を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方
法、(6)固相化したGRK2蛋白質もしくはその部分
ペプチド(例、GRK2蛋白質のPH領域を有するポリ
ペプチドもしくはその誘導体)またはその塩と、Gベー
タガンマ蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその
塩、抗Gベータガンマ蛋白質抗体および標識化された別
の抗体(例、抗Ig抗体)とを同時あるいは連続的に反
応させた場合と、固相化したGRK2蛋白質もしくはそ
の部分ペプチド(例、GRK2蛋白質のPH領域を有す
るポリペプチドもしくはその誘導体)またはその塩およ
び試験化合物と、Gベータガンマ蛋白質もしくはその部
分ペプチドまたはその塩、抗Gベータガンマ蛋白質抗体
および標識化された別の抗体(例、抗Ig抗体)とを同
時あるいは連続的に反応させた場合における、固相(不
溶化担体)上の標識剤の活性を測定し、比較することを
特徴とするGRK2蛋白質もしくはその部分ペプチド
(例、GRK2蛋白質のPH領域を有するポリペプチド
もしくはその誘導体)またはその塩とGベータガンマ蛋
白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩との結合性
を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法
を提供する。上記(4)〜(6)において、Gベータガ
ンマ蛋白質としては、Gベータガンマ蛋白質を含有する
細胞または該細胞の膜画分、Gベータガンマ蛋白質をコ
ードするDNAを含有する形質転換体を培養することに
よって細胞膜上に発現したGベータガンマ蛋白質を用い
てもよい。
【0051】上記したスクリーニング方法において、試
験化合物としては、例えば、ペプチド、タンパク、非ペ
プチド性化合物、合成化合物、発酵生産物、細胞抽出
液、植物抽出液、動物組織抽出液などが挙げられ、これ
ら化合物は新規な化合物であってもよいし、公知の化合
物であってもよい。
【0052】本発明のスクリーニング方法に用いるGベ
ータガンマ蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその
塩としては、上記のGベータガンマ蛋白質もしくはその
部分ペプチドまたはその塩を含有するものであれば何れ
のものであってもよいが、ヒト、ヒト以外の温血動物、
魚類などの臓器の膜画分などが好適である。しかし、特
にヒト由来の臓器は入手が極めて困難なことから、スク
リーニングに用いられるものとしては、組換え体を用い
て大量発現させたGベータガンマ蛋白質などがあるが、
ウシ脳膜画分などから精製されたものが適している。G
ベータガンマ蛋白質を遺伝子工学的に製造するには、前
述の方法などが用いられる。本発明のスクリーニング方
法において、Gベータガンマ蛋白質を含有する細胞ある
いは該細胞膜画分などを用いる場合、後述の調製法に従
えばよい。Gベータガンマ蛋白質を含有する細胞を用い
る場合、公知の方法で膜画分を得て適当な界面活性剤で
抽出すればよい。Gベータガンマ蛋白質を含有する細胞
としては、各種臓器(たとえば、下垂体、膵臓、脳、腎
臓、肝臓、生殖腺、甲状腺、胆のう、骨髄、副腎、皮
膚、筋肉、肺、消化管、血管、心臓など)より分離した
細胞およびGベータガンマ蛋白質を発現した宿主細胞を
いうが、該宿主細胞としては、前述の大腸菌、枯草菌、
酵母、昆虫細胞、動物細胞などがあげられる。膜画分と
しては、細胞を破砕した後、公知の方法で得られる細胞
膜が多く含まれる画分のことをいう。細胞の破砕方法と
しては、Potter−Elvehjem型ホモジナイザーで細胞を押
し潰す方法、ワーリングブレンダーやポリトロン(Kine
matica社製)による破砕、超音波による破砕、フレンチ
プレスなどで加圧しながら細胞を細いノズルから噴出さ
せることによる破砕などがあげられる。細胞膜の分画に
は、分画遠心分離法や密度勾配遠心分離法などの遠心力
による分画法が主として用いられる。例えば、細胞破砕
液を低速(500rpm〜3000rpm)で短時間
(通常、約1分〜10分)遠心し、上清をさらに高速
(15000rpm〜30000rpm)で通常30分
〜2時間遠心し、得られる沈澱を膜画分とする。該膜画
分中には、発現したGベータガンマ蛋白質と細胞由来の
リン脂質や膜蛋白質などの膜成分が多く含まれる。該G
ベータガンマ蛋白質を含有する細胞や膜画分中のGベー
タガンマ蛋白質の量は、通常、脳の場合、0.05%−
0.5%程度含有されている。望ましくは細胞膜画分を
得て、陰イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過、疎
水クロマトグラフィーなどを用いて精製する。他の分離
モードを用いても良い。例えば、陽イオンクロマトグラ
フィー、逆相クロマトグラフィー、等電点電気泳動など
が挙げられる。前述のグルタチオンSトランスフェラー
ゼ、6回繰り返しヒスチジン配列などの、精製時や検出
時に用いられるタグを連結できる発現ベクターを用いて
強制発現を行った場合は、グルタチオン結合カラムクロ
マトグラフィーやキレートカラムクロマトグラフィーが
用いられる。
【0053】GRK2蛋白質もしくはその部分ペプチド
(例、GRK2蛋白質のPH領域を有するポリペプチド
もしくはその誘導体)またはその塩とGベータガンマ蛋
白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩との結合性
を変化させる化合物をスクリーニングする前記の(1)
〜(6)を実施するためには、適当なGベータガンマ蛋
白質画分と、固相化したGRK2蛋白質もしくはその部
分ペプチドまたはその塩が用いられる。Gベータガンマ
蛋白質画分としては、天然型のGベータガンマ蛋白質画
分(例、ウシ脳、各種哺乳動物血小板、末梢血など)
か、またはそれと同等の活性を有する組換え型Gベータ
ガンマ蛋白質画分などが望ましい。ここで、同等の活性
とは、同等の結合活性などを示す。具体的には、GRK
2蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩とGベ
ータガンマ蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその
塩との結合性を変化させる化合物のスクリーニングを行
うには、まずGRK2蛋白質もしくはその部分ペプチド
またはその塩を適当な固相に固相化する。固相としては
通常、ELISA用結合型ポリスチレンプレート(ヌン
ク社、コーニングコースター社等)が用いられるが、固
相化が可能なものならば、ポリスチレンビーズ、セファ
デックス、セルロファイン、セファロース、ニトロセル
ロースメンブレン、ナイロンメンブレンなどでも良い。
前述のグルタチオンSトランスフェラーゼ、6回繰り返
しヒスチジン配列などの、精製時や検出時に用いられる
タグを連結できる発現ベクターを用いて強制発現を行っ
た場合は、グルタチオンビーズ(アマシャムファルマシ
アバイオテク社)や、キレートビーズ(アマシャムファ
ルマシアバイオテク社、キアゲン社)も使用できる。本
発明の好ましい態様によれば、複数の試料収容部(穴)
を有するプレート(例えば、24〜1536穴マイクロ
プレート、好ましくは24〜96穴マイクロプレート)
を用い、各試料収容部にGRK蛋白質もしくはその部分
ペプチドまたはその塩を固相化する。このようなプレー
トを用いることにより、洗浄操作等を簡便にし、高速に
スクリーニングできるというメリットが生ずる。精製G
ベータガンマ蛋白質やGベータガンマ蛋白質を含有する
細胞または細胞の膜画分を、スクリーニングに適したバ
ッファーに懸濁することによりGベータガンマ蛋白質標
品を調製する。バッファーには、pH4〜10(望まし
くはpH6〜8)のリン酸バッファー、トリス−塩酸バ
ッファーなどのGRK2蛋白質もしくはその部分ペプチ
ドまたはその塩とGベータガンマ蛋白質との結合を阻害
しないバッファーであればいずれでもよい。また、非特
異的結合を低減させる目的で、CHAPS、Tween
−80TM(花王−アトラス社)、ジギトニン、デオキシ
コレート、コレート、ルブロール(シグマ社)などの界面
活性剤をバッファーに加えることもできる。さらに、プ
ロテアーゼによるGベータガンマ蛋白質やGRK2蛋白
質またはそれらの部分ペプチドの分解を抑える目的でP
MSF、ロイペプチン、E−64(ペプチド研究所
製)、ペプスタチンなどのプロテアーゼ阻害剤を添加す
ることもできる。
【0054】例えば上記した(4)のスクリーニング方
法を実施するに際しては、0.01ml〜10mlの該
標識化Gベータガンマ蛋白質標品溶液に、一定量の10
-3〜102μMの試験化合物を共存させる。非特異的結
合量(NSB)を知るために大過剰の未標識のGRK2
蛋白質またはその部分ペプチドを加えた反応チューブも
用意する。混合液を固相化したGRK2蛋白質またはそ
の部分ペプチドに添加する。反応は0℃から50℃、望
ましくは4℃から37℃で20分から24時間、望まし
くは30分から3時間行う。反応後、適量のバッファー
で洗浄した後、Gベータガンマ蛋白質を標識化した標識
物の一般的測定法に従って、結合した標識物を定量す
る。拮抗する物質がない場合のカウント(B0)から非
特異的結合量(NSB)を引いたカウント(B0−NS
B)を100%とした時、特異的結合量(B−NSB)
が例えば50%以下になる試験化合物を拮抗阻害能力の
ある候補物質として選択することができる。
【0055】例えば上記した(5)のスクリーニング方
法を実施するに際しては、0.01ml〜10mlの該
Gベータガンマ蛋白質標品溶液に、一定量の10-3〜1
2μMの試験化合物を共存させる。非特異的結合量
(NSB)を知るために大過剰の未標識のGRK2蛋白
質またはその部分ペプチドを加えた反応チューブも用意
する。混合液を固相化したGRK2蛋白質またはその部
分ペプチドに添加する。反応は0℃から50℃、望まし
くは4℃から37℃で20分から24時間、望ましくは
30分から3時間行う。反応後、適量のバッファーで洗
浄した後、Gベータガンマ蛋白質に特異結合する標識化
抗Gベータガンマ蛋白質抗体を添加し、上述の様に再び
反応させる。反応後、適量のバッファーで洗浄した後、
抗Gベータガンマ蛋白質抗体を標識化した標識物の一般
的測定法に従って、結合した標識物を定量する。拮抗す
る物質がない場合のカウント(B0)から非特異的結合
量(NSB)を引いたカウント(B0−NSB)を10
0%とした時、特異的結合量(B−NSB)が例えば5
0%以下になる試験化合物を拮抗阻害能力のある候補物
質として選択することができる。
【0056】例えば上記した(6)のスクリーニング方
法を実施するに際しては、0.01ml〜10mlの該
Gベータガンマ蛋白質標品溶液に、一定量の10-3〜1
2μMの試験化合物を共存させる。非特異的結合量
(NSB)を知るために大過剰の未標識のGRK2蛋白
質またはその部分ペプチドを加えた反応チューブも用意
する。混合液を固相化したGRK2蛋白質またはその部
分ペプチドに添加する。反応は0℃から50℃、望まし
くは4℃から37℃で20分から24時間、望ましくは
30分から3時間行う。反応後、適量のバッファーで洗
浄した後、抗Gベータガンマ蛋白質に特異結合する抗G
ベータガンマ蛋白質抗体(望ましくは、ウサギ抗Gベー
タ蛋白質抗体)を添加し、上述の様に再び反応させる。
反応後、適量のバッファーで洗浄した後、標識抗Ig抗
体(望ましくはペルオキシダーゼ標識ヤギ抗ウサギIg
G抗体)を添加し、上述の様に再び反応させる。反応
後、適量のバッファーで洗浄した後、酵素反応を行う。
反応後、酵素活性を分光光度計で計測する。拮抗する物
質がない場合のカウント(B0)から非特異的結合量
(NSB)を引いたカウント(B0−NSB)を100
%とした時、特異的結合量(B−NSB)が例えば50
%以下になる試験化合物を拮抗阻害能力のある候補物質
として選択することができる。上述のような本発明のス
クリーニング方法によれば、電気泳動やウェスタンブロ
ッティングなどの工程を省略することができる。
【0057】別の態様として、本発明は(7)固相化し
たGベータガンマ蛋白質もしくはその部分ペプチドまた
はその塩に、GRK2蛋白質もしくはその部分ペプチド
(例、GRK2蛋白質のPH領域を有するポリペプチド
もしくはその誘導体)またはその塩を接触させた場合
と、固相化したGベータガンマ蛋白質もしくはその部分
ペプチドまたはその塩に試験化合物およびGRK2蛋白
質もしくはその部分ペプチド(例、GRK2蛋白質のP
H領域を有するポリペプチドもしくはその誘導体)また
はその塩を接触させた場合における、固相化したGベー
タガンマ蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩
に対する該GRK2蛋白質もしくはその部分ペプチド
(例、GRK2蛋白質のPH領域を有するポリペプチド
もしくはその誘導体)またはその塩の結合量を測定し、
比較することを特徴とするGRK2蛋白質もしくはその
部分ペプチド(例、GRK2蛋白質のPH領域を有する
ポリペプチドもしくはその誘導体)またはその塩とGベ
ータガンマ蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその
塩との結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリ
ーニング方法を提供する。
【0058】より具体的には、(8)固相化したGベー
タガンマ蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩
に、標識化されたGRK2蛋白質もしくはその部分ペプ
チド(例、GRK2蛋白質のPH領域を有するポリペプ
チドもしくはその誘導体)またはその塩を接触させた場
合と、固相化したGベータガンマ蛋白質もしくはその部
分ペプチドまたはその塩に試験化合物および標識化され
たGRK2蛋白質もしくはその部分ペプチド(例、GR
K2蛋白質のPH領域を有するポリペプチドもしくはそ
の誘導体)またはその塩を接触させた場合における、固
相化したGベータガンマ蛋白質もしくはその部分ペプチ
ドまたはその塩に対する該GRK2蛋白質もしくはその
部分ペプチド(例、GRK2蛋白質のPH領域を有する
ポリペプチドもしくはその誘導体)またはその塩に対す
る結合量を測定し、比較することを特徴とするGRK2
蛋白質もしくはその部分ペプチド(例、GRK2蛋白質
のPH領域を有するポリペプチドもしくはその誘導体)
またはその塩とGベータガンマ蛋白質もしくはその部分
ペプチドまたはその塩との結合性を変化させる化合物ま
たはその塩のスクリーニング方法、(9)(A)(i)
固相化したGベータガンマ蛋白質もしくはその部分ペプ
チドまたはその塩と、(ii)GRK2蛋白質もしくは
その部分ペプチド(例、GRK2蛋白質のPH領域を有
するポリペプチドもしくはその誘導体)またはその塩お
よび(iii)標識化された抗GRK2蛋白質抗体また
は標識化されたGRK2蛋白質の部分ペプチド(GRK
2蛋白質のPH領域を有するポリペプチドもしくはその
誘導体)に対する抗体とを同時あるいは連続的に反応さ
せた場合と、(B)(i)固相化したGベータガンマ蛋
白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩および(i
i)試験化合物と、(iii)GRK2蛋白質もしくは
その部分ペプチド(例、GRK2蛋白質のPH領域を有
するポリペプチドもしくはその誘導体)またはその塩お
よび(iv)標識化された抗GRK2蛋白質抗体または
標識化されたGRK2蛋白質の部分ペプチド(GRK2
蛋白質のPH領域を有するポリペプチドもしくはその誘
導体)に対する抗体とを同時あるいは連続的に反応させ
た場合における、固相(不溶化担体)上の標識剤の活性
を測定し、比較することを特徴とするGRK2蛋白質も
しくはその部分ペプチド(例、GRK2蛋白質のPH領
域を有するポリペプチドもしくはその誘導体)またはそ
の塩とGベータガンマ蛋白質もしくはその部分ペプチド
またはその塩との結合性を変化させる化合物またはその
塩のスクリーニング方法、(10)(A)(i)固相化
したGベータガンマ蛋白質もしくはその部分ペプチドま
たはその塩と、(ii)GRK2蛋白質もしくはその部
分ペプチド(例、GRK2蛋白質のPH領域を有するポ
リペプチドもしくはその誘導体)またはその塩、(ii
i)抗GRK2蛋白質抗体または標識化されたGRK2
蛋白質の部分ペプチド(GRK2蛋白質のPH領域を有
するポリペプチドもしくはその誘導体)に対する抗体お
よび標識化された別の抗体(例、抗Ig抗体)とを同時
あるいは連続的に反応させた場合と、(B)(i)固相
化したGベータガンマ蛋白質もしくはその部分ペプチド
またはその塩および(ii)試験化合物と(iii)G
RK2蛋白質もしくはその部分ペプチド(例、GRK2
蛋白質のPH領域を有するポリペプチドもしくはその誘
導体)またはその塩、(iv)抗GRK2蛋白質抗体ま
たは標識化されたGRK2蛋白質の部分ペプチド(GR
K2蛋白質のPH領域を有するポリペプチドもしくはそ
の誘導体)に対する抗体および標識化された別の抗体
(例、抗Ig抗体)とを同時あるいは連続的に反応させ
た場合における、固相(不溶化担体)上の標識剤の活性
を測定し、比較することを特徴とするGRK2蛋白質も
しくはその部分ペプチド(例、GRK2蛋白質のPH領
域を有するポリペプチドもしくはその誘導体)またはそ
の塩とGベータガンマ蛋白質もしくはその部分ペプチド
またはその塩との結合性を変化させる化合物またはその
塩のスクリーニング方法を提供する。
【0059】上記したスクリーニング方法において、試
験化合物としては、例えば、ペプチド、蛋白質、非ペプ
チド性化合物、合成化合物、発酵生産物、細胞抽出液、
植物抽出液、動物組織抽出液などが挙げられ、これら化
合物は新規な化合物であってもよいし、公知の化合物で
あってもよい。
【0060】GRK2蛋白質またはその部分ペプチドと
しては、組換え体を用いて大量発現させたGRK2蛋白
質またはその部分ペプチドなどが用いられる。GRK2
蛋白質またはその部分ペプチドを遺伝子工学的に製造す
るには、前述の方法などが用いられる。GRK2蛋白質
またはその部分ペプチド(例、GRK2蛋白質のPH領
域を有するポリペプチドもしくはその誘導体)またはそ
の塩とGベータガンマ蛋白質もしくはその部分ペプチド
またはその塩との結合性を変化させる化合物をスクリー
ニングする前記の(7)〜(10)を実施するために
は、適当なGRK2蛋白質またはその部分ペプチド
(例、GRK2蛋白質のPH領域を有するポリペプチド
もしくはその誘導体)またはその塩と、固相化したGベ
ータガンマ蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその
塩が用いられる。具体的には、GRK2蛋白質もしくは
その部分ペプチドまたはその塩とGベータガンマ蛋白質
もしくはその部分ペプチドまたはその塩との結合性を変
化させる化合物のスクリーニングを行うには、まずGベ
ータガンマ蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその
塩を適当な固相に固相化する。通常、ELISA用結合
型ポリスチレンプレート(ヌンク社、コーニングコース
ター社等)が用いられるが、固相化が可能なものなら
ば、ポリスチレンビーズ、セファデックス、セルロファ
イン、セファロース、ニトロセルロースメンブレン、ナ
イロンメンブレンなどでも良い。前述のグルタチオンS
トランスフェラーゼ、6回繰り返しヒスチジン配列など
の、精製時や検出時に用いられるタグを連結できる発現
ベクターを用いて強制発現を行った場合は、グルタチオ
ンビーズ(アマシャムファルマシアバイオテク社)や、
キレートビーズ(アマシャムファルマシアバイオテク
社、キアゲン社)も使用できる。本発明の好ましい態様
によれば、前述のような複数の試料収容部を有するプレ
ートが用いられる。精製したGRK2蛋白質またはその
部分ペプチドを、スクリーニングに適したバッファーに
懸濁することによりGRK2蛋白質またはその部分ペプ
チド標品を調製する。バッファーには、pH4〜10
(望ましくはpH6〜8)のリン酸バッファー、トリス
−塩酸バッファーなどのGRK2蛋白質もしくはその部
分ペプチドまたはその塩とGベータガンマ蛋白質もしく
はその部分ペプチドまたはその塩との結合を阻害しない
バッファーであればいずれでもよい。また、非特異的結
合を低減させる目的で、CHAPS、Tween−80
TM(花王−アトラス社)、ジギトニン、デオキシコレ
ート、コレート、ルブロール(シグマ社)などの界面活性
剤をバッファーに加えることもできる。さらに、プロテ
アーゼによるGベータガンマ蛋白質やGRK2蛋白質ま
たはその部分ペプチドの分解を抑える目的でPMSF、
ロイペプチン、E−64(ペプチド研究所製)、ペプス
タチンなどのプロテアーゼ阻害剤を添加することもでき
る。
【0061】例えば上記した(8)のスクリーニング方
法を実施するに際しては、0.01ml〜10mlの標
識化GRK2蛋白質またはその部分ペプチド標品溶液
に、一定量の10-3〜102μMの試験化合物を共存さ
せる。非特異的結合量(NSB)を知るために大過剰の
未標識のGベータガンマ蛋白質を加えた反応チューブも
用意する。混合液を固相化したGベータガンマ蛋白質に
添加する。反応は0℃から50℃、望ましくは4℃から
37℃で20分から24時間、望ましくは30分から3
時間行う。反応後、適量のバッファーで洗浄した後、G
RK2蛋白質またはその部分ペプチドを標識化した標識
物の一般的測定法に従って、結合した標識物を定量す
る。拮抗する物質がない場合のカウント(B0)から非特
異的結合量(NSB)を引いたカウント(B0−NS
B)を100%とした時、特異的結合量(B−NSB)
が例えば50%以下になる試験化合物を拮抗阻害能力の
ある候補物質として選択することができる。
【0062】例えば上記した(9)のスクリーニング方
法を実施するに際しては、0.01ml〜10mlの該
GRK2蛋白質またはその部分ペプチド標品溶液に、一
定量の10-3〜102μMの試験化合物を共存させる。
非特異的結合量(NSB)を知るために大過剰の未標識
のGベータガンマ蛋白質を加えた反応チューブも用意す
る。混合液を固相化したGベータガンマ蛋白質に添加す
る。反応は0℃から50℃、望ましくは4℃から37℃
で20分から24時間、望ましくは30分から3時間行
う。反応後、適量のバッファーで洗浄した後、GRK2
蛋白質またはその部分ペプチドに特異結合する標識化抗
GRK2蛋白質抗体を添加し、上述の様に再び反応させ
る。反応後、適量のバッファーで洗浄した後、抗GRK
2蛋白質抗体を標識化した標識物の一般的測定法に従っ
て、結合した標識物を定量する。拮抗する物質がない場
合のカウント(B0)から非特異的結合量(NSB)を引
いたカウント(B0−NSB)を100%とした時、特
異的結合量(B−NSB)が例えば50%以下になる試
験化合物を拮抗阻害能力のある候補物質として選択する
ことができる。
【0063】例えば上記した(10)のスクリーニング
方法を実施するに際しては、0.01ml〜10mlの
該GRK2蛋白質またはその部分ペプチド標品溶液に、
一定量の10-3〜102μMの試験化合物を共存させ
る。非特異的結合量(NSB)を知るために大過剰の未
標識のGベータガンマ蛋白質を加えた反応チューブも用
意する。混合液を固相化したGベータガンマ蛋白質に添
加する。反応は0℃から50℃、望ましくは4℃から3
7℃で20分から24時間、望ましくは30分から3時
間行う。反応後、適量のバッファーで洗浄した後、GR
K2蛋白質またはその部分ペプチドに特異結合する抗G
RK2蛋白質抗体(望ましくは、ウサギ抗GRK2蛋白
質 PH領域抗体)を添加し、上述の様に再び反応させ
る。反応後、適量のバッファーで洗浄した後、標識抗I
g抗体(望ましくはペルオキシダーゼ標識ヤギ抗ウサギ
IgG抗体)を添加し、上述の様に再び反応させる。反
応後、適量のバッファーで洗浄した後、酵素反応を行
う。反応後、酵素活性を分光光度計で計測する。拮抗す
る物質がない場合のカウント(B0)から非特異的結合
量(NSB)を引いたカウント(B0−NSB)を10
0%とした時、特異的結合量(B−NSB)が例えば5
0%以下になる試験化合物を拮抗阻害能力のある候補物
質として選択することができる。
【0064】本発明のスクリーニング用キットはGベー
タガンマ蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩
およびGRK2蛋白質もしくはその部分ペプチドまたは
その塩を含有する。本発明のスクリーニング用キットの
例としては、次のものがあげられる。 1.スクリーニング用試薬 (1)測定用緩衝液および洗浄用緩衝液 リン酸緩衝食塩水溶液(シグマ社製)に、0.025%の
ルブロールPX(シグマ社製)を加えたもの。孔径0.
45μmのフィルターで濾過滅菌し、4℃で保存する
か、あるいは用時調製しても良い。 (2)Gベータガンマ蛋白質標品 ウシ大脳より公知の方法で精製されたGベータガンマ蛋
白質。 (3)固相化GRK蛋白質(例えば、GRK2蛋白質)
のPH領域を有するポリペプチド 大腸菌よりグルタチオンSトランスフェラーゼタグを付
加して、発現、精製させたGRK PH領域を公知の方
法で固相化したEIA用プレート (4)ウサギ抗Gベータ蛋白質抗体 ウサギより得られたGベータガンマ蛋白質を認識する抗
体を含有する抗血清。 (5)ペルオキシダーゼ標識ヤギ抗ウサギIgG抗体 ペルオキシダーゼを結合させたヤギより得られたウサギ
IgGを認識する抗体。 2.測定法 (1)GRK蛋白質のPH領域を有するポリペプチドを
固相化した96穴EIA用プレートを、測定用緩衝液
0.2mlで2回洗浄する。 (2)10-6〜10-10Mの試験化合物溶液50μlと
Gベータガンマ蛋白質標品50μlを混合した後、洗浄
したGRK PH領域を固相化した96穴EIA用プレ
ートに50μl添加し、1時間室温で反応する。反応終
了後、測定用緩衝液0.2mlで4回洗浄する。 (3)ウサギ抗Gベータ蛋白質抗体を測定用緩衝液で希
釈し、洗浄したGRKPH領域を固相化した96穴EI
A用プレートに50μl添加し、1時間室温で反応す
る。反応終了後、測定用緩衝液0.2mlで4回洗浄す
る。 (4)ペルオキシダーゼ標識ヤギ抗ウサギIgG抗体を
測定用緩衝液で希釈し、洗浄したGRK PH領域を固
相化した96穴EIA用プレートに50μl添加し、1
時間室温で反応する。反応終了後、測定用緩衝液0.2
mlで4回洗浄する。 (5)ペルオキシダーゼ基質溶液を洗浄したGRK P
H領域を固相化した96穴EIA用プレートに50μl
添加し、10分間、室温で反応する。反応終了後、分光
光度計で450nmの吸収を測定する。
【0065】本発明のスクリーニング方法またはスクリ
ーニング用キットを用いて得られる化合物またはその塩
は、PH領域を有するGRK(特には、GRK2)蛋白
質(以下、GRK蛋白質と略記する場合がある)もしく
はその部分ペプチドまたはその塩とGベータガンマ蛋白
質またはその塩との結合性を変化させる(結合を阻害あ
るいは促進する)化合物であり、具体的にはベータアド
レナリンレセプターなどのG蛋白質共役型レセプターの
脱感作作用に阻害する化合物またはその塩、あるいは脱
感作作用阻害活性を有しない化合物である。該化合物と
しては、ペプチド、タンパク、非ペプチド性化合物、合
成化合物、発酵生産物などがあげられ、これら化合物は
新規な化合物であってもよいし、公知の化合物であって
もよい。さらに選択された化合物がGRK(特には、G
RK2)蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩
とGベータガンマ蛋白質もしくはその部分ペプチドまた
はその塩との結合性を変化させることを既存の方法で確
認できる。具体的な評価方法は以下の(i)または(i
i)に従えばよい。 (i)前記のスクリーニング方法で示されるバインディ
ング・アッセイを行い、GRK(特には、GRK2)蛋
白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩とGベータ
ガンマ蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩と
の結合性を変化させる(特に、結合を阻害する)化合物
を得た後、該化合物が上記した心筋細胞のカテコールア
ミン(ノルアドレナリン、アドレナリンなど)再刺激に
対する細胞内cAMP生成低下を阻害する活性を有して
いるか否かを測定する。 (ii)前記のスクリーニング方法で示されるバインデ
ィング・アッセイを行い、GRK蛋白質もしくはその部
分ペプチドまたはその塩とGベータガンマ蛋白質もしく
はその部分ペプチドまたはその塩との結合性を変化させ
る(特に、結合を阻害する)化合物を得た後、ウシ網膜
より分離したRod Outer Segment(以下、ROSと略す
ことあり)膜を用いて、公知の方法でROS assa
yを行う。GRKの基質として、ROS膜中にはG蛋白
質共役型レセプターであるRodpsinが含まれる。
GRKは、膜上でG蛋白質のアルファサブユニットと解
離した状態のGベータガンマ蛋白質をアンカーとして膜
近傍に移行し、Rodpsinに対するリン酸化活性を
亢進する。つまり、この公知のアッセイ系でRodps
inに対するリン酸化を阻害、もしくは促進することを
確認すれば良い。
【0066】GRK2などのGRKまたはその塩はG蛋
白質共役型レセプター、特にβARの脱感作機構などに
関与していることから、上記のスクリーニング方法また
はスクリーニング用キットを用いて得られる化合物のう
ち、GRK(特には、GRK2)蛋白質もしくはその部
分ペプチドまたはその塩とGベータガンマ蛋白質もしく
はその部分ペプチドまたはその塩との結合を阻害する化
合物は、(1)G蛋白質共役型レセプターのリン酸化阻
害剤、(2)G蛋白質共役型レセプターの脱感作阻害
剤、(3)慢性心不全、急性心不全、代償性心不全など
の心不全症、高血圧症などの予防・治療剤、などとして
用いることができる。また、G蛋白質共役型レセプター
との関連が深い疾患、例えば、薬物依存、パーキンソン
病、痴呆、末梢動脈閉塞症、糖尿病性腎症、尿失禁、鬱
病、肥満などの予防・治療剤などとしても有用である。
上記のスクリーニング方法またはスクリーニング用キッ
トを用いて得られる化合物の塩としては、例えば、薬学
的に許容可能な塩などが用いられる。例えば、無機塩基
との塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との
塩、塩基性または酸性アミノ酸との塩などがあげられ
る。無機塩基との塩の好適な例としては、例えばナトリ
ウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム
塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、ならび
にアルミニウム塩、アンモニウム塩などがあげられる。
有機塩基との塩の好適な例としては、例えばトリメチル
アミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、2,
6−ルチジン、エタノールアミン、ジエタノールアミ
ン、トリエタノールアミン、シクロヘキシルアミン、ジ
シクロヘキシルアミン、N,N’−ジベンジルエチレン
ジアミンなどとの塩などがあげられる。無機酸との塩の
好適な例としては、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、リ
ン酸などとの塩があげられる。有機酸との塩の好適な例
としては、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、フマル
酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク
酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン
酸、安息香酸などとの塩があげられる。塩基性アミノ酸
との塩の好適な例としては、例えばアルギニン、リジ
ン、オルチニンなどとの塩があげられ、酸性アミノ酸と
の好適な例としては、例えばアスパラギン酸、グルタミ
ン酸などとの塩があげられる。
【0067】本発明のスクリーニング方法またはスクリ
ーニング用キットを用いて得られる化合物またはその塩
を上述の医薬として使用する場合、常套手段に従って実
施することができる。例えば、必要に応じて糖衣や腸溶
性被膜を施した錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、マイ
クロカプセル剤などとして経口的に、あるいは水もしく
はそれ以外の薬学的に許容し得る液との無菌性溶液、ま
たは懸濁液剤などの注射剤の形で非経口的に使用でき
る。例えば、該化合物またはその塩を生理学的に認めら
れる担体、香味剤、賦形剤、ベヒクル、防腐剤、安定
剤、結合剤などとともに一般に認められた単位用量形態
で混和することによって製造することができる。これら
製剤における有効成分量は指示された範囲の適当な用量
が得られるようにするものである。錠剤、カプセル剤な
どに混和することができる添加剤としては、例えばゼラ
チン、コーンスターチ、トラガントガム、アラビアゴム
のような結合剤、結晶性セルロースのような賦形剤、コ
ーンスターチ、ゼラチン、アルギン酸などのような膨化
剤、ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、ショ
糖、乳糖またはサッカリンのような甘味剤、ペパーミン
ト、アカモノ油またはチェリーのような香味剤などが用
いられる。調剤単位形態がカプセルである場合には、前
記タイプの材料にさらに油脂のような液状担体を含有す
ることができる。注射のための無菌組成物は注射用水の
ようなベヒクル中の活性物質、胡麻油、椰子油などのよ
うな天然産出植物油などを溶解または懸濁させるなどの
通常の製剤実施にしたがって処方することができる。注
射用の水性液としては、例えば、生理食塩水、ブドウ糖
やその他の補助薬を含む等張液(例えば、D−ソルビト
ール、D−マンニトール、塩化ナトリウムなど)などが
あげられ、適当な溶解補助剤、たとえばアルコール(た
とえばエタノール)、ポリアルコール(たとえばプロピ
レングリコール、ポリエチレングリコール)、非イオン
性界面活性剤(たとえばポリソルベート80(TM)、H
CO−50)などと併用してもよい。油性液としてはゴ
マ油、大豆油などがあげられ、溶解補助剤として安息香
酸ベンジル、ベンジルアルコールなどと併用してもよ
い。また、緩衝剤(例えば、リン酸塩緩衝液、酢酸ナト
リウム緩衝液)、無痛化剤(例えば、塩化ベンザルコニ
ウム、塩酸プロカインなど)、安定剤(例えば、ヒト血
清アルブミン、ポリエチレングリコールなど)、保存剤
(例えば、ベンジルアルコール、フェノールなど)、酸
化防止剤などと配合してもよい。調製された注射液は通
常、適当なアンプルに充填される。
【0068】このようにして得られる製剤は安全で低毒
性であるので、例えば哺乳動物(例えば、ヒト、マウ
ス、ラット、モルモット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウ
シ、ネコ、イヌ、サル、チンパンジーなど)に対して投
与することができる。本発明のスクリーニング方法また
はスクリーニング用キットを用いて得られる化合物また
はその塩の投与量は、症状などにより差異はあるが、経
口投与の場合、一般的に成人(体重60kgとして)に
おいては、一日につき約0.1から1000mg、好ま
しくは約1.0から300mg、より好ましくは約3.
0から50mgである。非経口的に投与する場合は、そ
の1回投与量は投与対象、対象臓器、症状、投与方法な
どによっても異なるが、たとえば注射剤の形では成人の
心不全または高血圧患者(体重60kgとして)への投
与においては、本発明のスクリーニング方法またはスク
リーニング用キットを用いて得られる化合物またはその
塩を一日につき約0.01から30mg程度、好ましく
は約0.1から20mg程度、より好ましくは約0.1
から10mg程度を静脈注射により投与するのが好都合
である。他の動物の場合も、60kg当たりに換算した
量を投与することができる。
【0069】本明細書および図面において、塩基やアミ
ノ酸などを略号で表示する場合、IUPAC-IUB Commission
on Biochemical Nomenclatureによる略号あるいは当該
分野における慣用略号に基づくものであり、その例を下
記する。またアミノ酸に関し光学異性体があり得る場合
は、特に明示しなければL体を示すものとする。 DNA :デオキシリボ核酸 cDNA :相補的デオキシリボ核酸 A :アデニン T :チミン G :グアニン C :シトシン Y :チミンまたはシトシン N :チミン、シトシン、アデニンまたはグ
アニン R :アデニンまたはグアニン M :シトシンまたはアデニン W :チミンまたはアデニン S :シトシンまたはグアニン RNA :リボ核酸 mRNA :メッセンジャーリボ核酸 dATP :デオキシアデノシン三リン酸 dTTP :デオキシチミジン三リン酸 dGTP :デオキシグアノシン三リン酸 dCTP :デオキシシチジン三リン酸 ATP :アデノシン三リン酸 EDTA :エチレンジアミン四酢酸 SDS :ドデシル硫酸ナトリウム TFA :トリフルオロ酢酸 EIA :エンザイムイムノアッセイ GlyまたはG :グリシン AlaまたはA :アラニン ValまたはV :バリン LeuまたはL :ロイシン IleまたはI :イソロイシン SerまたはS :セリン ThrまたはT :スレオニン CysまたはC :システイン MetまたはM :メチオニン GluまたはE :グルタミン酸 AspまたはD :アスパラギン酸 LysまたはK :リジン ArgまたはR :アルギニン HisまたはH :ヒスチジン PheまたはF :フェニルアラニン TyrまたはY :チロシン TrpまたはW :トリプトファン ProまたはP :プロリン AsnまたはN :アスパラギン GlnまたはQ :グルタミン pGlu :ピログルタミン酸 Me :メチル基 Et :エチル基 Bu :ブチル基 Ph :フェニル基 TC :チアゾリジン−4(R)−カルボキ
サミド基 Bom :ベンジルオキシメチル NMP :N−メチルピロリドン PAM :フェニルアセトアミドメチル
【0070】また、本明細書中で繁用される置換基、保
護基および試薬を下記の記号で表記する。 Tos :p−トルエンスルフォニル HONB :N−ヒドロキシ−5−ノルボルネ
ン−2,3−ジカルボキシイミド Bzl :ベンジル Z :ベンジルオキシカルボニル Br−Z :2−ブロモベンジルオキシカルボ
ニル Cl−Z :2−クロルベンジルオキシカルボ
ニル Boc :t−ブチルオキシカルボニル HOBt :1−ヒドロキシベンズトリアゾー
ル DCC :N,N’−ジシクロヘキシルカル
ボジイミド TFA :トリフルオロ酢酸 Fmoc :N−9−フルオレニルメトキシカ
ルボニル DNP :ジニトロフェニル Bum :ターシャリーブトキシメチル Trt :トリチル BSA :ウシ血清アルブミン CHAPS :3−[(3−コラミドプロピル)
ジメチルアンモニオ]−1−プロパンスルホナート PMSF :フェニルメチルスルホニルフルオ
リド E64 :(L−3−trans−カルボキ
オキシラン−2−カルボニル)L−ロイシル−アグマチ
ン GDP :グアノシン−5’−二リン酸 MEM :ミニマムエッセンシャルメジウム
アルファ Fura−2AM :1−[6−アミノ−2−(5−カ
ルボキシ−2−オキサゾリル)−5−ベンゾフラニロキ
シ]−2−(2−アミノ−5メチルフェノキシ)−エタ
ン−N,N,N’,N’−四酢酸ペンタアセトキシメチ
ルエステル HBSS :ハンクス平衡塩液 Fluo−3AM :1−[2−アミノ−5−(2,7
−ジクロロ−6−ヒドロキシ−3−オキシ−9−キサン
テニル)フェノキシ]−2−(2−アミノ−5−メチル
フェノキシ)エタン−N,N,N’,N’−四酢酸ペン
タアセトキシメチルエステル HEPES :2−[4−(2−ヒドロキシエチ
ル)−1−ピペラジニル]エタンスルホン酸 MeBzl :4−メチルベンジル NMP :N−メチルピロリドン
【0071】本願明細書の配列表の配列番号は、以下の
配列を示す。 〔配列番号:1〕GRK2蛋白質の全長アミノ酸配列を
示す。 〔配列番号:2〕GRK2蛋白質のPH領域を有するポ
リペプチドのアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:3〕GRK2蛋白質をコードするcDNA
の塩基配列を示す。 〔配列番号:4〕Gベータ2蛋白質のアミノ酸配列を示
す。 〔配列番号:5〕Gベータ2蛋白質をコードするDNA
の塩基配列を示す。 〔配列番号:6〕Gガンマ5蛋白質のアミノ酸配列を示
す。 〔配列番号:7〕Gガンマ5蛋白質をコードするDNA
の塩基配列を示す。 〔配列番号:8〕実施例1のGRK2 PH領域の取得
に使用したprimer #1の塩基配列を示す。 〔配列番号:9〕実施例1のGRK2 PH領域の取得
に使用したprimer #2の塩基配列を示す。
【0072】
【実施例】以下に実施例、実験例、参考例を示して、本
発明をより詳細に説明するが、これらは本発明の範囲を
限定するものではない。 実施例1 (1)GRK2 PH領域の取得 GRK2 PH領域は、公知のGRK2 cDNA全長配
列(Accession No. X61157)より、primer #1(5'-TACG
CCCTGGGCAAGGACTG-3')〔配列番号:8〕とprimer #2
(5'-TCAGAGGCCGTTGGCACTGC-3')〔配列番号:9〕をも
ちいて、PCR法にて増幅した。増幅したcDNA断片
をpGEX−6P(アマシャムファルマシアバイオテク
社)に挿入し、E. coli JM−109株に遺伝子
導入した。L−brothを用いて、一晩、37℃で前
培養した後、1%植菌し、37℃でさらに3時間培養し
た。3時間経過後、1mM IPTGを添加、さらに3
7℃、5.5時間培養を継続した。その後、5500回
転、10分間の遠心で菌体を集め、トリトンX−100
を用い、超音波処理を行い抽出した。12000回転、
20分間の遠心で澄明な上清を取得し、それをGSTr
ap(アマシャムファルマシアバイオテク社)を用い
て、精製した。精製後、PreSesscion Protease(アマシ
ャムファルマシアバイオテク社)を用いて、グルタチオ
ンSトランスフェラーゼ部位を切断し、再びGSTra
pでPreSesscion ProteaseおよびグルタチオンSトラン
スフェラーゼ部位を吸収した。素通り画分をGRK2
PH領域蛋白質とし、後の実験に用いた。
【0073】(2)スクリーニング 上記のようにして取得したGRK2 PH領域蛋白質を
1μg/mlの濃度でリン酸緩衝食塩水(以下、PBS
と略すことあり)に希釈し、EIA用プレートに50μ
lずつ入れた。4℃で一晩静置し結合させた。さらに内
容液を破棄し、3%ウシ血清アルブミンを含有するPB
S、75μlずつ入れ、室温、1時間静置しブロッキン
グした。使用前に2回、0.05% Tween20を
含有するPBS(以下、T−PBSと略すことあり)、
200μlで2回洗浄した。適当な濃度に希釈した検体
25μlと至適濃度に希釈したGベータガンマ蛋白質2
5μlを混合し、即座にGRK2 PH領域を結合させ
たEIA用プレートに50μlを入れた。室温下で1時
間反応後、T−PBS、200μlで4回洗浄した。洗
浄後、適当に希釈したウサギ抗Gベータ蛋白質抗体50
μlをEIA用プレートに入れた。室温下で1時間反応
後、T−PBS、200μlで4回洗浄した。洗浄後、
適当に希釈したペルオキシダーゼ標識ヤギ抗ウサギIg
G抗体、50μlをEIA用プレートに入れた。室温下
で1時間反応後、T−PBS、200μlで4回洗浄し
た。洗浄後、発色基質(3,3’,5,5’−テトラメ
チルベンジジン塩酸−過酸化水素溶液)を用いて、10
分間、酵素反応を行った。マルチスキャン(大日本製薬
社製)で450nmの吸収を測定した。検体を入れない
ウェルをGベータガンマ蛋白質100%結合とし、Gベ
ータガンマ蛋白質を入れなかったウェルを0%結合と
し、各検体のウェルの吸光度より阻害率を算出した(表
1)。
【表1】 実験結果 固相化したGRK2 PH領域蛋白質と同様のものを検
体として、添加した結果を図1に示す。液層に共存させ
たGRK2 PHの濃度に依存して、固相GRK2 PH
へのGベータガンマ蛋白の結合阻害が認められた。さら
に試験化合物を下記に示す。 (4−アミノ−2−メチル−5−ピリミジニル)メチル
[2−(プロピルジスルファニル)フェニル]ホルムア
ミド(化合物1) (4−アミノ−2−メチル−5−ピリミジニル)メチル
[2−[(4−メトキシフェニル)スルファニル]フェ
ニル]ホルムアミド(化合物2) N−[(4−アミノ−2−メチル−5−ピリミジニル)
メチル]−N−[2−[(2−ニトロフェニル)スルフ
ァニル]フェニル]アミン(化合物3) N−[(4−アミノ−2−メチル−5−ピリミジニル)
メチル]−N−ベンジル−4−[(3,5−ジフェニル
−1H−ピラゾール−1−イル)メチル]ベンズアミド
(化合物4)
【0074】実験例1 化合物のGRK依存性リン酸化阻害作用を評価する目的
で、インビトロのリン酸化アッセイを行った。実験方法
は、方法はコークら(ジャーナル・オブ・バイオロジカ
ルケミストリー、268巻、8256−8260頁)の
方法を一部改変して行った。すなわち、リン酸化基質と
して、ウシの網膜より調製したROS(桿体視細胞外
節)内のロドプシンを用い、ヒトGRK2としては、C
OS−7細胞にヒトGRK2遺伝子(ベノビックら、F
EBSレター、283巻、122−126頁)を導入す
ることにより過剰発現させ、細胞質画分として調製した
ものを用い、G蛋白質βγサブユニット(Gβγ)とし
ては、ウシ脳より調製したものを用いて、5mM ED
TA、5mM MgCl2、0.3mM ATP(20μ
Ci [γ−32P]−ATPを含む)、14μg GRK
2、20μg ROS、200nMGβγを含む50m
Mトリス−塩酸緩衝液(30μl)に光を照射し、室温
で10分間インキュベーションすることによりGRK2
によるロドプシンのリン酸化反応を惹起させた。化合物
はN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解し、
最終1% DMFになるように添加した。SDSサンプ
ルバッファー30μlを添加して反応を停止し、ソニケ
ーターで10分間処理することによりサンプルを可溶化
した。10%ポリアクリルアミドゲルを用いてSDS−
PAGEを行い、CBB染色後にゲルを乾燥した。イメ
ージングプレートを用いてゲル中の[γ−32P]]−A
TPを画像化し、リン酸化ロドプシンの定量を行った。
化合物の GRK依存性リン酸化阻害作用は、Gβγ非
存在下での溶媒処置を0、200nM Gβγ存在下で
の溶媒処置を100としたときの阻害率で示した。試験
化合物としては実施例1と同様の化合物を用いた。
【0075】実験結果 表2に結果を示す。これより、上記化合物は優れたGR
K2阻害作用を示すことが明らかである。
【表2】
【0076】参考例1(化合物1の製造) N−(4−アミノ−2−メチル−5−ピリミジニル)メ
チルベンゾチアゾリウム ブロミド 臭化水素酸塩(6
00mg)を水(5.0ml)に溶解させ、10%水酸
化ナトリウム水溶液(1.70ml)を室温で加え、食
塩を加えて反応液を飽和にした。混合物を室温で1時間
攪拌した。1−プロピルチオ硫酸ナトリウム(500m
g)を室温で加え、混合物を同温で1時間攪拌した。反
応混合物に酢酸エチルを加え、有機層を水及び飽和食塩
水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減
圧下、濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーで精製し、さらに酢酸エチル−ヘキサンで再結晶を
行い、(4−アミノ−2−メチル−5−ピリミジニル)
メチル[2−(プロピルジスルファニル)フェニル]ホ
ルムアミド(化合物1)(295mg)を無色結晶とし
て得た。 mp115−117℃. 元素分析値C16204OS2として Calcd.:C,55.14;H,5.78;N,1
6.08. Found :C,55.01;H,5.72;N,1
6.02.1 H−NMR(CDCl3)δ:0.98(3H,t,J
=7.4Hz),1.63(2H,sextet,J=
7.3Hz),2.45(3H,s),2.63(2
H,t,J=7.2Hz),4.69(2H,br
s),6.02(2H,brs),6.88(1H,d
d,J=7.6,1.0Hz),7.21(1H,t
d,J=7.6,1.4Hz),7.43(1H,t,
J=7.7Hz),7.48(1H,s),7.87
(1H,dd,J=8.1,1.5Hz),8.12
(1H,s). IR(KBr)1667,1593,1557,147
0,1435,1372,764cm-1
【0077】参考例2 4−アミノ−5−ブロモメチル−2−メチルピリミジン
臭化水素酸塩(1.50g)をアセトン(10ml)に
懸濁させ、炭酸カリウム(1.47g)及び2−アミノ
フェニル−(4−メトキシフェニル)スルフィド(2.
15g)のアセトン溶液(20ml)を室温でそれぞれ
加えた。混合物を70℃で18時間攪拌した。反応混合
物を減圧下、濃縮し、残渣に水を加え、酢酸エチルで抽
出した。水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を併せ、
飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し
た。減圧下、溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィーで精製し、さらに酢酸エチル−ジイソ
プロピルエーテルで再結晶を行い、N−[(4−アミノ
−2−メチル−5−ピリミジニル)メチル]−N−[2
−[(4−メトキシフェニル)スルファニル]フェニ
ル]アミン(1.25g)を無色結晶として得た。 mp129−130℃. 元素分析値C19204OSとして Calcd.:C,64.75;H,5.72;N,1
5.90. Found :C,64.53;H,5.86;N,1
5.82.1 H−NMR(CDCl3)δ:2.50(3H,s),
3.76(3H,s),4.13(2H,d,J=5.
2Hz),4.79(1H,t−like),4.91
(2H,s),6.73−6.85(4H,m),7.
03−7.09(2H,m),7.32(1H,t,J
=7.6Hz),7.51(1H,dd,J=7.7,
1.5Hz),8.06(1H,s). IR(KBr)1590,1568,1493,145
6,1287,1244,750cm-1
【0078】参考例3(化合物2の製造) 無水酢酸(2.2ml)へギ酸(1.1ml)を室温で
滴下し、室温で1時間攪拌した。反応混合物をテトラヒ
ドロフラン(15ml)で希釈した。N−[(4−アミ
ノ−2−メチル−5−ピリミジニル)メチル]−N−
[2−[(4−メトキシフェニル)スルファニル]フェ
ニル]アミン(902mg)をテトラヒドロフラン(3
0ml)に溶解させ、0℃で滴下した。混合物を室温で
14時間攪拌した。反応混合物を減圧下、濃縮し、残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、さら
に酢酸エチル−ジイソプロピルエーテルで再結晶を行
い、(4−アミノ−2−メチル−5−ピリミジニル)メ
チル[2−[(4−メトキシフェニル)スルファニル]
フェニル]ホルムアミド(化合物2)(670mg)を
無色結晶として得た。 mp165−166℃. 元素分析値C202042S・0.4H2Oとして Calcd.:C,61.96;H,5.41;N,1
4.45. Found :C,62.22;H,5.36;N,1
4.17.1 H−NMR(CDCl3)δ:2.47(3H,s),
3.84(3H,s),4.73(2H,br),6.
02(2H,br),6.85−6.96(4H,
m),7.11(1H,td,J=7.3,1.9H
z),7.20(1H,td,J=7.5,1.6H
z),7.28−7.32(2H,m),7.55(1
H,s),8.12(1H,s). IR(KBr)1667,1593,1568,155
9,1495,1472,1439,1287,124
8cm-1
【0079】参考例4(化合物3の製造) 4−アミノ−5−ブロモメチル−2−メチルピリミジン
臭化水素酸塩(5.61g)をアセトン(40ml)に
懸濁させ、炭酸カリウム(5.48g)及び2−アミノ
フェニル−(2−ニトロフェニル)スルフィド(7.5
2g)のアセトン溶液(80ml)を室温でそれぞれ加
えた。混合物を65℃で64時間攪拌した。反応混合物
を減圧下、濃縮し、残渣に水を加え、酢酸エチルで抽出
した。水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を併せ、飽
和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。
減圧下、溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィーで精製し、さらに酢酸エチル−ジイソプロ
ピルエーテルで再結晶を行い、N−[(4−アミノ−2
−メチル−5−ピリミジニル)メチル]−N−[2−
[(2−ニトロフェニル)スルファニル]フェニル]ア
ミン(化合物3)(2.36g)を黄色結晶として得
た。 mp176−177℃. 元素分析値C181752S・0.1H2Oとして Calcd.:C,58.55;H,4.70;N,1
8.97. Found :C,58.63;H,4.70;N,1
8.67.1 H−NMR(CDCl3)δ:2.47(3H,s),
4.15(2H,d,J=5.2Hz),4.85(1
H,br−t,J=5.2Hz),4.88(2H,b
r),6.78−6.86(2H,m),6.91(1
H,td,J=7.4,1.2Hz),7.25(1
H,td,J=7.7,1.4Hz),7.34−7.
50(2H,m),7.55(1H,dd,J=7.
4,1.2Hz),8.04(1H,s),8.28
(1H,dd,J=8.1,1.5Hz). IR(KBr)1591,1566,1514,145
1,1335,1306,733cm-1
【0080】参考例5 4−アミノ−5−アミノメチル−2−メチルピリミジン
(2.07g)をジメチルホルムアミド(12ml)に
溶解し、4−ジメチルアミノピリジン(2.07g)を
加えて、氷浴中で攪拌しながら塩化4−クロロメチルベ
ンゾイル(3.20g)を加え、同条件下0.5時間攪
拌した。水(40ml)を加え更に飽和炭酸水素ナトリ
ウム水(10ml)を加えて析出した結晶をろ取し、水
洗し乾燥してN−[(4−アミノ−2−メチル−5−ピ
リミジニル)メチル]−4−(クロロメチル)ベンズア
ミド(2.46g)を無色結晶として得た。 mp300℃以上1 H−NMR(DMSO−d6)δ:2.30(3H,
s),4.24(2H,d),4.82(2H,s),
6.81(2H,br),7.54(2H,d),7.
86(2H,d),7.93(1H,s),9.01
(1H,br−t).
【0081】参考例6 2,4−ジフェニルピラゾ−ル(880mg)をジメチ
ルホルムアミド(6ml)に溶解し、60%油性水素化
ナトリウム(176mg)を加えて15分間攪拌した。
次にヨウ化カリウム(100mg)、N−[(4−アミ
ノ−2−メチル−5−ピリミジニル)メチル]−4−
(クロロメチル)ベンズアミド(1.16g)を加えて
室温で64時間攪拌した。反応液に水(100ml)、
酢酸エチル(200ml)、ヘキサン(50ml)を加
えて振り混ぜ分液した。上層を水洗し減圧下に濃縮し、
残さ(結晶)をイソプロピルエーテルで洗浄しエタノー
ルから再結晶してN−[(4−アミノ−2−メチル−5
−ピリミジニル)メチル]−4−[(3,5−ジフェニ
ル−1H−ピラゾール−1−イル)メチル]ベンズアミ
ドを無色結晶(1.13g)で得た。 mp238−239℃ 元素分析値C29266O・0.02H2Oとして Calcd.:C,73.34%;H,5.53%;
N,17.70% Found :C,73.06%;H,5.66%;
N,17.74%1 H−NMR(DMSO−d6)δ:2.28(3H,
s),4.21(2H,d),5.50(2H,s),
6.78(2H,br),6.99(1H,s),7.
12(2H,d),7.28−7.46(8H,m),
7.77(2H,d),7.86(2H,d),7.9
1(1H,s),8.93(1H,br).
【0082】参考例7(化合物4の製造) N−[(4−アミノ−2−メチル−5−ピリミジニル)
メチル]−4−[(3,5−ジフェニル−1H−ピラゾ
ール−1−イル)メチル]ベンズアミド(474mg)
をジメチルホルムアミド(3ml)に溶解し60%油性
水素化ナトリウム(40mg)を加えて室温で10分間
攪拌した。次にヨウ化カリウム(100mg)、ベンジ
ルクロライド(127mg)を加えて室温で5時間攪拌
した。水と酢酸エチルとで分配し酢酸エチル層を減圧下
に濃縮し、残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー
で精製してN−[(4−アミノ−2−メチル−5−ピリ
ミジニル)メチル]−N−ベンジル−4−[(3,5−
ジフェニル−1H−ピラゾール−1−イル)メチル]ベ
ンズアミド(化合物4)(122mg)を無色結晶とし
て得た。 mp198−199℃ 元素分析値C36326O・0.1H2Oとして Calcd.:C,76.33%;H,5.73%;
N,14.84% Found :C,76.25%;H,5.70%;
N,14.68%1 H−NMR(DMSO−d6)δ:2.30(3H,
s),4.0−4.65(4H,m),5.45(2
H,s),6.85(1H,br),6.96(1H,
s),7.05(2H,d),7.13(1H,b
r),7.25−7.45(15H,m),7.74
(1H,br),7.85(2H,d).
【0083】参考例8 水素化ナトリウム(60%:1.27g)をジメチルホ
ルムアミド(15ml)に懸濁させ、4−メトキシチオ
フェノール(4.05g)のジメチルホルムアミド溶液
(30ml)を0℃で滴下した。混合物を0℃で20分
間攪拌した後、1−フルオロ−2−ニトロベンゼン
(4.08g)を0℃で滴下した。さらにジメチルホル
ムアミド(10ml)を加えた。混合物を0℃で1.5
時間攪拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水及
び飽和食塩水でそれぞれ洗浄した。有機層を無水硫酸マ
グネシウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去し、ジイソ
プロピルエーテル−ヘキサンで再結晶を行い、4−メト
キシフェニル−2’−ニトロフェニルスルフィド(6.
03g)を黄色結晶として得た。 mp99−101℃1 H−NMR(CDCl3)δ:3.88(3H,s),
6.83(1H,dd,J=8.0,1.4Hz),
6.97−7.05(2H,m),7.19(1H,d
dd,J=8.2,7.0,1.3Hz),7.34
(1H,ddd,J=8.0,7.4,1.5Hz),
7.47−7.55(2H,m),8.24(1H,d
d,J=8.0,1.4Hz).
【0084】参考例9 4−メトキシフェニル−2’−ニトロフェニルスルフィ
ド(4.68g)をテトラヒドロフラン:メタノール
(1:1、60ml)に溶解させ、水(40ml)を加
えた。ついで、炭酸カリウム(14.9g)及びハイド
ロサルファイトナトリウム(80%:15.6g)を室
温で加えた。混合物を室温で1時間攪拌した。反応混合
物に酢酸エチルを加え、その混合物を水及び飽和食塩水
でそれぞれ洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで
乾燥した。減圧下、溶媒を留去し、2−アミノフェニル
−4’−メトキシフェニルスルフィド(2.17g)を
オレンジ色油状物として得た。1 H−NMR(CDCl3)δ:3.76(3H,s),
4.26(2H,br),6.68−6.84(4H,
m),7.09−7.22(3H,m),7.40(1
H,dd,J=7.5,1.7Hz).
【0085】参考例10 2−アミノチオフェノール(3.76g)及び10%水
酸化ナトリウム水溶液(50ml)の混合物にテトラブ
チルアンモニウムブロミド(0.48g)を加え、室温
で5分間攪拌した。1−フルオロ−2−ニトロベンゼン
(4.23g)のトルエン溶液(50ml)を加え、室
温で1.5時間攪拌した。反応混合物に酢酸エチルを加
え、その混合物を水及び飽和食塩水でそれぞれ洗浄し
た。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧
下、溶媒を留去し、2−アミノフェニル−2’−ニトロ
フェニルスルフィド(7.53g)を黄色油状物として
得た。 1 H−NMR(CDCl3)δ:4.29(2H,br
s),6.78−6.88(3H,m),7.19−
7.47(4H,m),8.27(1H,dd,J=
8.3,1.7Hz).
【0086】
【発明の効果】本発明のスクリーニング方法により大量
の化合物を迅速かつ簡便にスクリーニングでき、該スク
リーニング方法により得られるGRK蛋白質とGベータ
ガンマ蛋白質の結合を変化させる化合物は心不全症、高
血圧症などの治療薬として有用である。GRKとGベー
タガンマ蛋白質の結合を阻害することにより、GRKの
βARへのリン酸化作用を抑制し、その脱感作を阻害で
きるので新しい作用機作に基づく医薬品の開発が可能で
ある。
【0087】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Takeda Chemical Industries, Ltd. <120> Screening Method <130> P2001-210 <150> JP 2000-297087 <151> 2000-09-26 <160> 9 <210> 1 <211> 689 <212> PRT <213> Human <400> 1 Met Ala Asp Leu Glu Ala Val Leu Ala Asp Val Ser Tyr Leu Met Ala 1 5 10 15 Met Glu Lys Ser Lys Ala Thr Pro Ala Ala Arg Ala Ser Lys Lys Ile 20 25 30 Leu Leu Pro Glu Pro Ser Ile Arg Ser Val Met Gln Lys Tyr Leu Glu 35 40 45 Asp Arg Gly Glu Val Thr Phe Glu Lys Ile Phe Ser Gln Lys Leu Gly 50 55 60 Tyr Leu Leu Phe Arg Asp Phe Cys Leu Asn His Leu Glu Glu Ala Arg 65 70 75 80 Pro Leu Val Glu Phe Tyr Glu Glu Ile Lys Lys Tyr Glu Lys Leu Glu 85 90 95 Thr Glu Glu Glu Arg Val Ala Arg Ser Arg Glu Ile Phe Asp Ser Tyr 100 105 110 Ile Met Lys Glu Leu Leu Ala Cys Ser His Pro Phe Ser Lys Ser Ala 115 120 125 Thr Glu His Val Gln Gly His Leu Gly Lys Lys Gln Val Pro Pro Asp 130 135 140 Leu Phe Gln Pro Tyr Ile Glu Glu Ile Cys Gln Asn Leu Arg Gly Asp 145 150 155 160 Val Phe Gln Lys Phe Ile Glu Ser Asp Lys Phe Thr Arg Phe Cys Gln 165 170 175 Trp Lys Asn Val Glu Leu Asn Ile His Leu Thr Met Asn Asp Phe Ser 180 185 190 Val His Arg Ile Ile Gly Arg Gly Gly Phe Gly Glu Val Tyr Gly Cys 195 200 205 Arg Lys Arg Asp Thr Gly Lys Met Tyr Ala Met Lys Cys Leu Asp Lys 210 215 220 Lys Arg Ile Lys Met Lys Gln Gly Glu Thr Leu Ala Leu Asn Glu Arg 225 230 235 240 Ile Met Leu Ser Leu Val Ser Thr Gly Asp Cys Pro Phe Ile Val Cys 245 250 255 Met Ser Tyr Ala Phe His Thr Pro Asp Lys Leu Ser Phe Ile Leu Asp 260 265 270 Leu Met Asn Gly Gly Asp Leu His Tyr His Leu Ser Gln His Gly Val 275 280 285 Phe Ser Glu Ala Asp Met Arg Phe Tyr Ala Ala Glu Ile Ile Leu Gly 290 295 300 Leu Glu His Met His Asn Arg Phe Val Val Tyr Arg Asp Leu Lys Pro 305 310 315 320 Ala Asn Ile Leu Leu Asp Glu His Gly His Val Arg Ile Ser Asp Leu 325 330 335 Gly Leu Ala Cys Asp Phe Ser Lys Lys Lys Pro His Ala Ser Val Gly 340 345 350 Thr His Gly Tyr Met Ala Pro Glu Val Leu Gln Lys Gly Val Ala Tyr 355 360 365 Asp Ser Ser Ala Asp Trp Phe Ser Leu Gly Cys Met Leu Phe Lys Leu 370 375 380 Leu Arg Gly His Ser Pro Phe Arg Gln His Lys Thr Lys Asp Lys His 385 390 395 400 Glu Ile Asp Arg Met Thr Leu Thr Met Ala Val Glu Leu Pro Asp Ser 405 410 415 Phe Ser Pro Glu Leu His Ser Leu Leu Glu Gly Leu Leu Gln Arg Asp 420 425 430 Val Asn Arg Arg Leu Gly Cys Leu Gly Arg Gly Ala Gln Glu Val Lys 435 440 445 Glu Ser Pro Phe Phe Arg Ser Leu Asp Trp Gln Met Val Phe Leu Gln 450 455 460 Arg Tyr Pro Pro Pro Leu Ile Pro Pro Arg Gly Glu Val Asn Ala Ala 465 470 475 480 Asp Ala Phe Asp Ile Gly Ser Phe Asp Glu Glu Asp Thr Lys Gly Ile 485 490 495 Lys Leu Leu Asp Ser Asp Gln Glu Leu Tyr Arg Asn Phe Pro Leu Thr 500 505 510 Ile Ser Glu Arg Trp Gln Gln Glu Val Ala Glu Thr Val Phe Asp Thr 515 520 525 Ile Asn Ala Glu Thr Asp Arg Leu Glu Ala Arg Lys Lys Ala Lys Asn 530 535 540 Lys Gln Leu Gly His Glu Glu Asp Tyr Ala Leu Gly Lys Asp Cys Ile 545 550 555 560 Met His Gly Tyr Met Ser Lys Met Gly Asn Pro Phe Leu Thr Gln Trp 565 570 575 Gln Arg Arg Tyr Phe Tyr Leu Phe Pro Asn Arg Leu Glu Trp Arg Gly 580 585 590 Glu Gly Glu Ala Pro Gln Ser Leu Leu Thr Met Glu Glu Ile Gln Ser 595 600 605 Val Glu Glu Thr Gln Ile Lys Glu Arg Lys Cys Leu Leu Leu Lys Ile 610 615 620 Arg Gly Gly Lys Gln Phe Ile Leu Gln Cys Asp Ser Asp Pro Glu Leu 625 630 635 640 Val Gln Trp Lys Lys Glu Leu Arg Asp Ala Tyr Arg Glu Ala Gln Gln 645 650 655 Leu Val Gln Arg Val Pro Lys Met Lys Asn Lys Pro Arg Ser Pro Val 660 665 670 Val Glu Leu Ser Lys Val Pro Leu Val Gln Arg Gly Ser Ala Asn Gly 675 680 685 Leu 689 <210> 2 <211> 137 <212> PRT <213> Human <400> 2 Tyr Ala Leu Gly Lys Asp Cys Ile Met His Gly Tyr Met Ser Lys Met 1 5 10 15 Gly Asn Pro Phe Leu Thr Gln Trp Gln Arg Arg Tyr Phe Tyr Leu Phe 20 25 30 Pro Asn Arg Leu Glu Trp Arg Gly Glu Gly Glu Ala Pro Gln Ser Leu 35 40 45 Leu Thr Met Glu Glu Ile Gln Ser Val Glu Glu Thr Gln Ile Lys Glu 50 55 60 Arg Lys Cys Leu Leu Leu Lys Ile Arg Gly Gly Lys Gln Phe Ile Leu 65 70 75 80 Gln Cys Asp Ser Asp Pro Glu Leu Val Gln Trp Lys Lys Glu Leu Arg 85 90 95 Asp Ala Tyr Arg Glu Ala Gln Gln Leu Val Gln Arg Val Pro Lys Met 100 105 110 Lys Asn Lys Pro Arg Ser Pro Val Val Glu Leu Ser Lys Val Pro Leu 115 120 125 Val Gln Arg Gly Ser Ala Asn Gly Leu 130 135 <210> 3 <211> 2067 <212> DNA <213> Human <400> 3 atggcggacc tggaggcggt gctggccgac gtgagctacc tgatggccat ggagaagagc 60 aaggccacgc cggccgcgcg cgccagcaag aagatactgc tgcccgagcc cagcatccgc 120 agtgtcatgc agaagtacct ggaggaccgg ggcgaggtga cctttgagaa gatcttttcc 180 cagaagctgg ggtacctgct cttccgagac ttctgcctga accacctgga ggaggccagg 240 cccttggtgg aattctatga ggagatcaag aagtacgaga agctggagac ggaggaggag 300 cgtgtggccc gcagccggga gatcttcgac tcatacatca tgaaggagct gctggcctgc 360 tcgcatccct tctcgaagag tgccactgag catgtccaag gccacctggg gaagaagcag 420 gtgcctccgg atctcttcca gccatacatc gaagagattt gtcaaaacct ccgaggggac 480 gtgttccaga aattcattga gagcgataag ttcacacggt tttgccagtg gaagaatgtg 540 gagctcaaca tccacctgac catgaatgac ttcagcgtgc atcgcatcat tgggcgcggg 600 ggctttggcg aggtctatgg gtgccggaag cgtgacacag gcaagatgta cgccatgaag 660 tgcctggaca aaaagcgcat caagatgaag cagggggaga ccctggccct gaacgagcgc 720 atcatgctct cgctcgtcag cactggggac tgcccattca ttgtctgcat gtcatacgcg 780 ttccacacgc cagacaagct cagcttcatc ctggacctca tgaacggtgg ggacctgcac 840 taccacctct cccagcacgg ggtcttctca gaggctgaca tgcgcttcta tgcggccgag 900 atcatcctgg gcctggagca catgcacaac cgcttcgtgg tctaccggga cctgaagcca 960 gccaacatcc ttctggacga gcatggccac gtgcggatct cggacctggg cctggcctgt 1020 gacttctcca agaagaagcc ccatgccagc gtgggcaccc acgggtacat ggctccggag 1080 gtcctgcaga agggcgtggc ctacgacagc agtgccgact ggttctctct ggggtgcatg 1140 ctcttcaagt tgctgcgggg gcacagcccc ttccggcagc acaagaccaa agacaagcat 1200 gagatcgacc gcatgacgct gacgatggcc gtggagctgc ccgactcctt ctcccctgaa 1260 ctacactccc tgctggaggg gttgctgcag agggatgtca accggagatt gggctgcctg 1320 ggccgagggg ctcaggaggt gaaagagagc ccctttttcc gctccctgga ctggcagatg 1380 gtcttcttgc agaggtaccc tcccccgctg atccccccac gaggggaggt gaacgcggcc 1440 gacgccttcg acattggctc cttcgatgag gaggacacaa aaggaatcaa gttactggac 1500 agtgatcagg agctctaccg caacttcccc ctcaccatct cggagcggtg gcagcaggag 1560 gtggcagaga ctgtcttcga caccatcaac gctgagacag accggctgga ggctcgcaag 1620 aaagccaaga acaagcagct gggccatgag gaagactacg ccctgggcaa ggactgcatc 1680 atgcatggct acatgtccaa gatgggcaac ccctttctga cccagtggca gcggcggtac 1740 ttctacctgt tccccaaccg cctcgagtgg cggggcgagg gcgaggcccc gcagagcctg 1800 ctgaccatgg aggagatcca gtcggtggag gagacgcaga tcaaggagcg caagtgcctg 1860 ctcctcaaga tccgcggtgg gaaacagttc attttgcagt gcgatagcga ccctgagctg 1920 gtgcagtgga agaaggagct gcgcgacgcc taccgcgagg cccagcagct ggtgcagcgg 1980 gtgcccaaga tgaagaacaa gccgcgctcg cccgtggtgg agctgagcaa ggtgccgctg 2040 gtccagcgcg gcagtgccaa cggcctc 2067 <210> 4 <211> 340 <212> PRT <213> Human <400> 4 Met Ser Glu Leu Glu Gln Leu Arg Gln Glu Ala Glu Gln Leu Arg Asn 1 5 10 15 Gln Ile Arg Asp Ala Arg Lys Ala Cys Gly Asp Ser Thr Leu Thr Gln 20 25 30 Ile Thr Ala Gly Leu Asp Pro Val Gly Arg Ile Gln Met Arg Thr Arg 35 40 45 Arg Thr Leu Arg Gly His Leu Ala Lys Ile Tyr Ala Met His Trp Gly 50 55 60 Thr Asp Ser Arg Leu Leu Val Ser Ala Ser Gln Asp Gly Lys Leu Ile 65 70 75 80 Ile Trp Asp Ser Tyr Thr Thr Asn Lys Val His Ala Ile Pro Leu Arg 85 90 95 Ser Ser Trp Val Met Thr Cys Ala Tyr Ala Pro Ser Gly Asn Phe Val 100 105 110 Ala Cys Gly Gly Leu Asp Asn Ile Cys Ser Ile Tyr Ser Leu Lys Thr 115 120 125 Arg Glu Gly Asn Val Arg Val Ser Arg Glu Leu Pro Gly His Thr Gly 130 135 140 Tyr Leu Ser Cys Cys Arg Phe Leu Asp Asp Asn Gln Ile Ile Thr Ser 145 150 155 160 Ser Gly Asp Thr Thr Cys Ala Leu Trp Asp Ile Glu Thr Gly Gln Gln 165 170 175 Thr Val Gly Phe Ala Gly His Ser Gly Asp Val Met Ser Leu Ser Leu 180 185 190 Ala Pro Asp Gly Arg Thr Phe Val Ser Gly Ala Cys Asp Ala Ser Ile 195 200 205 Lys Leu Trp Asp Val Arg Asp Ser Met Cys Arg Gln Thr Phe Ile Gly 210 215 220 His Glu Ser Asp Ile Asn Ala Val Ala Phe Phe Pro Asn Gly Tyr Ala 225 230 235 240 Phe Thr Thr Gly Ser Asp Asp Ala Thr Cys Arg Leu Phe Asp Leu Arg 245 250 255 Ala Asp Gln Glu Leu Leu Met Tyr Ser His Asp Asn Ile Ile Cys Gly 260 265 270 Ile Thr Ser Val Ala Phe Ser Arg Ser Gly Arg Leu Leu Leu Ala Gly 275 280 285 Tyr Asp Asp Phe Asn Cys Asn Ile Trp Asp Ala Met Lys Gly Asp Arg 290 295 300 Ala Gly Val Leu Ala Gly His Asp Asn Arg Val Ser Cys Leu Gly Val 305 310 315 320 Thr Asp Asp Gly Met Ala Val Ala Thr Gly Ser Trp Asp Ser Phe Leu 325 330 335 Lys Ile Trp Asn 340 <210> 5 <211> 1020 <212> DNA <213> Human <400> 5 ATGAGTGAGC TGGAGCAACT GAGACAGGAG GCCGAGCAGC TCCGGAACCA GATCCGGGAT 60 GCCCGAAAAG CATGTGGGGA CTCAACACTG ACCCAGATCA CAGCTGGGCT GGACCCAGTG 120 GGGAGAATCC AGATGAGGAC CCGGAGGACC CTCCGTGGGC ACCTGGCAAA GATCTATGCC 180 ATGCACTGGG GGACCGACTC AAGGCTGCTG GTCAGCGCCT CCCAGGATGG GAAGCTCATC 240 ATCTGGGACA GCTACACCAC CAACAAGGTC CACGCCATCC CGCTGCGCTC CTCCTGGGTA 300 ATGACCTGTG CCTACGCGCC CTCAGGGAAC TTTGTGGCCT GTGGGGGGTT GGACAACATC 360 TGCTCCATCT ACAGCCTCAA GACCCGCGAG GGCAACGTCA GGGTCAGCCG GGAGCTGCCT 420 GGCCACACTG GGTACCTGTC GTGTTGCCGC TTCCTGGATG ACAACCAAAT CATCACCAGC 480 TCTGGGGATA CCACCTGTGC CCTGTGGGAC ATTGAGACAG GCCAGCAGAC AGTGGGTTTT 540 GCTGGACACA GTGGGGATGT GATGTCCCTG TCCCTGGCCC CCGATGGCCG CACGTTTGTG 600 TCAGGCGCCT GTGATGCCTC TATCAAGCTG TGGGACGTGC GGGATTCCAT GTGCCGACAG 660 ACCTTCATCG GCCATGAATC CGACATCAAT GCAGTGGCTT TCTTCCCCAA CGGCTACGCC 720 TTCACCACCG GCTCTGACGA CGCCACGTGC CGCCTCTTCG ACCTGCGGGC CGATCAGGAG 780 CTCCTCATGT ACTCCCATGA CAACATCATC TGTGGCATCA CCTCTGTTGC CTTCTCGCGC 840 AGCGGACGGC TGCTGCTCGC TGGCTACGAC GACTTCAACT GCAACATCTG GGATGCCATG 900 AAGGGCGACC GTGCAGGAGT CCTCGCTGGC CACGACAACC GCGTGAGCTG CCTCGGGGTC 960 ACCGACGATG GCATGGCTGT GGCCACGGGC TCCTGGGACT CCTTCCTCAA GATCTGGAAC 1020 <210> 6 <211> 68 <212> PRT <213> Human <400> 6 Met Ser Gly Ser Ser Ser Val Ala Ala Met Lys Lys Val Val Gln Gln 1 5 10 15 Leu Arg Leu Glu Ala Gly Leu Asn Arg Val Lys Val Ser Gln Ala Ala 20 25 30 Ala Asp Leu Lys Gln Phe Cys Leu Gln Asn Ala Gln His Asp Pro Leu 35 40 45 Leu Thr Gly Val Ser Ser Ser Thr Asn Pro Phe Arg Pro Gln Lys Val 50 55 60 Cys Ser Phe Leu 65 <210> 7 <211> 204 <212> DNA <213> Human <400> 7 ATGTCTGGCT CCTCCAGCGT CGCCGCTATG AAGAAAGTGG TTCAACAGCT CCGGCTGGAG 60 GCCGGACTCA ACCGCGTAAA AGTTTCCCAG GCAGCTGCAG ACTTGAAACA GTTCTGTCTG 120 CAGAATGCTC AACATGACCC TCTGCTGACT GGAGTATCTT CAAGTACAAA TCCCTTCAGA 180 CCCCAGAAAG TCTGTTCCTT TTTG 204 <210> 8 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer to amplify DNA encoding PH region of GRK2 <400> 8 TACGCCCTGG GCAAGGACTG 20 <210> 9 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer to amplify DNA encoding PH region of GRK2 <400> 9 TCAGAGGCCG TTGGCACTGC 20
【図面の簡単な説明】
【図1】液相GRK2 PH領域蛋白質による競合阻害
曲線を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07D 239/42 C07D 239/42 Z 403/12 403/12 G01N 33/15 G01N 33/15 Z 33/566 33/566 // A61K 31/505 A61K 31/505 31/506 31/506 (72)発明者 池田 正太 大阪府池田市旭丘2丁目12番37号 Fターム(参考) 2G045 AA40 BB50 DA12 DA13 DA14 FB02 4C063 AA01 BB09 CC29 DD22 EE01 4C084 AA17 ZA36 ZA42 ZC41 4C086 BC42 GA07 NA14 ZA36 ZA42 ZC41

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (i)固相化した、プレクストリン相同
    領域を有するGRK蛋白質もしくはその部分ペプチドま
    たはその塩と、Gベータガンマ蛋白質もしくはその部分
    ペプチドまたはその塩および標識化された抗Gベータガ
    ンマ蛋白質抗体とを同時あるいは連続的に反応させた場
    合と、(ii)固相化した、プレクストリン相同領域を
    有するGRK蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはそ
    の塩および試験化合物と、Gベータガンマ蛋白質もしく
    はその部分ペプチドまたはその塩および標識化された抗
    Gベータガンマ蛋白質抗体とを同時あるいは連続的に反
    応させた場合における、固相上の該GRK蛋白質もしく
    はその部分ペプチドまたはその塩と該Gベータガンマ蛋
    白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩との複合体
    に結合した抗Gベータガンマ蛋白質抗体の結合量を測定
    し、比較することを特徴とする該GRK蛋白質もしくは
    その部分ペプチドまたはその塩と該Gベータガンマ蛋白
    質もしくはその部分ペプチドまたはその塩との結合性を
    変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法。
  2. 【請求項2】 (i)固相化した、プレクストリン相同
    領域を有するGRK蛋白質もしくはその部分ペプチドま
    たはその塩と、Gベータガンマ蛋白質もしくはその部分
    ペプチドまたはその塩および標識化された抗Gベータガ
    ンマ蛋白質抗体とを同時あるいは連続的に反応させた場
    合と、(ii)固相化した、プレクストリン相同領域を
    有するGRK蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはそ
    の塩および試験化合物と、Gベータガンマ蛋白質もしく
    はその部分ペプチドまたはその塩および標識化された抗
    Gベータガンマ蛋白質抗体とを同時あるいは連続的に反
    応させた場合における、固相上の標識剤の活性を測定
    し、比較することを特徴とする該GRK蛋白質もしくは
    その部分ペプチドまたはその塩と該Gベータガンマ蛋白
    質もしくはその部分ペプチドまたはその塩との結合性を
    変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法。
  3. 【請求項3】 (i)固相化した、プレクストリン相同
    領域を有するGRK蛋白質もしくはその部分ペプチドま
    たはその塩と、Gベータガンマ蛋白質もしくはその部分
    ペプチドまたはその塩、抗Gベータガンマ蛋白質抗体お
    よび標識化された抗Ig抗体とを同時あるいは連続的に
    反応させた場合と、(ii)固相化した、プレクストリ
    ン相同領域を有するGRK蛋白質もしくはその部分ペプ
    チドまたはその塩および試験化合物と、Gベータガンマ
    蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩、抗Gベ
    ータガンマ蛋白質抗体および標識化された抗Ig抗体と
    を同時あるいは連続的に反応させた場合における、固相
    上の標識剤の活性を測定し、比較することを特徴とする
    該GRK蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩
    と該Gベータガンマ蛋白質もしくはその部分ペプチドま
    たはその塩との結合性を変化させる化合物またはその塩
    のスクリーニング方法。
  4. 【請求項4】 プレクストリン相同領域を有するGRK
    蛋白質がGRK2蛋白質である請求項1〜3記載のスク
    リーニング方法。
  5. 【請求項5】 プレクストリン相同領域を有するGRK
    蛋白質もしくはその部分ペプチドがGRK2蛋白質のプ
    レクストリン相同領域を有するポリペプチドである請求
    項1〜3記載のスクリーニング方法。
  6. 【請求項6】 固相化したGベータガンマ蛋白質もしく
    はその部分ペプチドまたはその塩に、プレクストリン相
    同領域を有するGRK蛋白質もしくはその部分ペプチド
    またはその塩を接触させた場合と、固相化したGベータ
    ガンマ蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩に
    試験化合物およびプレクストリン相同領域を有するGR
    K蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩を接触
    させた場合における、固相化した該Gベータガンマ蛋白
    質もしくはその部分ペプチドまたはその塩に対する該G
    RK蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩の結
    合量を測定し、比較することを特徴とする該GRK蛋白
    質もしくはその部分ペプチドまたはその塩と該Gベータ
    ガンマ蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩と
    の結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニ
    ング方法。
  7. 【請求項7】 プレクストリン相同領域を有するGRK
    蛋白質がGRK2蛋白質である請求項6記載のスクリー
    ニング方法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載のスクリ
    ーニング方法を用いて得られるプレクストリン相同領域
    を有するGRK蛋白質もしくはその部分ペプチドまたは
    その塩とGベータガンマ蛋白質もしくはその部分ペプチ
    ドまたはその塩との結合性を変化させる化合物またはそ
    の塩。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の化合物またはその塩を含
    有するG蛋白質共役型レセプター蛋白質のリン酸化阻害
    剤。
  10. 【請求項10】 請求項8記載の化合物またはその塩を
    含有するG蛋白質共役型レセプター蛋白質の脱感作阻害
    剤。
  11. 【請求項11】 G蛋白質共役型レセプター蛋白質がベ
    ータアドレナリンレセプター蛋白質である請求項9また
    は10記載の剤。
  12. 【請求項12】 請求項8記載の化合物またはその塩を
    含有する心不全症または高血圧症の予防・治療剤。
  13. 【請求項13】 請求項8記載の化合物またはその塩の
    有効量を哺乳動物に投与することを特徴とする心不全症
    または高血圧症の予防・治療方法。
  14. 【請求項14】 心不全症または高血圧症の予防・治療
    剤を製造するための請求項8記載の化合物またはその塩
    の使用。
  15. 【請求項15】 請求項8記載の化合物またはその塩の
    有効量を哺乳動物に投与することを特徴とするG蛋白質
    共役型レセプター蛋白質の脱感作阻害方法。
  16. 【請求項16】 G蛋白質共役型レセプター蛋白質の脱
    感作阻害剤を製造するための請求項8記載の化合物また
    はその塩の使用。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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