JP2001521431A - 電気手術器具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 負荷インピーダンスの変化、特に、負荷リアクタンスの変化に感応性を有する電気手術器具において、固定周波数のラジオ波発生器は、少なくとも一つの出力デバイス及びこの出力デバイスに連結された負荷依存共振状態の出力ネットワークから成る出力ステージ（Ｑ１，Ｑ２，ＴＲ２−ＴＲ４，Ｃ１，ＶＣ２，４２）を有する。負荷リアクタンスの変動を補正するために、出力ネットワークは動的可変コンデンサ（ＶＣ２）を有する。このコンデンサはネットワークの同調をほぼ一定に維持する。コンデンサ（ＶＣ２）の変動は負荷リアクタンスの変化に起因して出力ステージにおいて発生する位相差の変動に応答する位相比較器及びサーボデバイス（４４）によって行われる。

Description

【発明の詳細な説明】 電気手術器具 この発明は、様々なインピーダンス負荷で使用するためのラジオ波発生器に関 する。さらに詳しくは、この発明は、そのようなラジオ波発生器を備えた単極電 極ユニットを有する電気手術器具に関する。ここで使用されるラジオ波発生器は 基本的にその動作周波数が５MHzを越えるようなものである。 周知の電気手術システムはハンドピースと、そのハンドピースから突出した単 一の処理電極を有する単極電極ユニットと、発生器ユニットと、発生器ユニット をハンドピースに連結するケーブルとを有する。このようなシステムは種々のタ イプの電気手術用に一般的に使用されている。通常は、導電性パッドが患者の体 に取り付けられる。導電性パッドは発生器ユニットのリターン端子に接続され、 電気手術電流用のリターン経路が形成されている。このシステムの欠点は、リタ ーンパッドの領域における組織に手術電流が集中し、また、特に、高周波数にお いては、発生器とハンドピースとを結ぶケーブルによって予期し得ない無効分(r eactive components)が生成され、それによって、電極に予期し得ない電圧レベ ルがもたらされることである。 これらの欠点は、本願出願人による国際出願第PCT/GB96/02577号に記載されて いる器具によって少なくとも一部が克服される。この国際出願に開示されている 電気手術器具は、ハンドピースと、そのハンドピースから突出した単一の処理電 極を有する単極電極ユニットと、ハンドピース内に配置されたラジオ波発生器と を有している。発生器は単一の直接ラジオ波出力コネクションを有し、その出力 コネクションは電極に連結されている。そうでなければ、発生器は外部要素から 絶縁されている。特に、発生器は他の直接ラジオ波出力コネクション、たとえば 、アースされた要素やリターンパッドへのコネクションは何ら有していない。ハ ンドピース内に発生器を設けることによって、ケーブルを通じてラジオ波電流を 供給することの効果に起因する不測のインピーダンス変化が防止される。発生器 の回りに配置された導電シールドを通じての漂遊容量カップリング(Stray capac iti ve coupling)によって、ラジオ波リターン電流が患者と発生器との間を流れる。 好ましくは、発生器の動作周波数は５MHz以上である。周波数が高くなればな るほど、高周波領域におけるリターン経路のリアクタンスが低下し、それに伴う 達成可能な電流レベルは大きくなる。発生器はハンドピース内のバッテリから電 力の供給を受けることができる。このため、放射妨害が最小限に抑えられている 。 発生器の回りには導電シールドがあるため、漂遊容量の変動が最小限に抑制さ れる。この漂遊容量の変動はハンドピースを握る使用者の握り方の違いによって 生じるものである。シールドは、好ましくは、発生器から絶縁されており、チュ ーブ状のハンドピース本体、たとえば、金属製ケーシングの形態のハンドピース 本体を形成することができる。なお、ハンドピース本体は電気絶縁性材料で形成 することも可能であり、その場合には、電気絶縁性材料の金属化によって導電シ ールドが形成される。ハンドピース本体の外側に金属化層が設けられる場合、又 は、ハンドピース本体自体が金属である場合には、外側の金属面は電気絶縁性の 外層によって被覆されることが好ましい。シールドが設けられていることによっ て、漂遊容量の変動が低減される。これは、関連する発生器コンダクタとシール ドとの間の静電容量が一定となり、さらに、シールドが患者に容量連結された一 定領域に対する導電体として機能するからである。 シールドは漂遊容量の変動を低減するけれども、これに起因する可変インピー ダンス負荷によってエネルギー効率を維持することが極めて困難となる。なお、 この可変インピーダンス負荷は組織と電極との間の境界(tissue-to-electrode i nterface)における状態変化による必然的な負荷変動にも起因している。また、 程度は小さいが、過渡不整合(transient mismatches)に起因する出力装置の破壊 を防止することが困難となる。 これらの困難性に鑑み、本願発明の第１の特徴によれば、負荷が変化する状態 下においてほぼ固定された周波数で動作可能な電気手術用ラジオ波発生器であっ て、出力ステージを有し、この出力ステージは出力デバイスと、この出力デバイ スに連結された出力ネットワークを有し、出力ネットワークは処理電極出力ノー ドを含み、また、出力ネットワークは負荷依存共振状態を有するとともに、負荷 インピーダンスの変化に起因する出力ネットワークのミスチューニングを少なく とも部分的に補 正するために配置された可変リアクタンス素子を含んでいる発生器が提供される 。別の特徴によれば、本願発明は、負荷が変化する状態下においてほぼ固定され た周波数で動作可能な電気手術用ラジオ波発生器であって、発生器の出力ステー ジが共振出力回路を有し、この回路が負荷インピーダンスの変化を少なくとも部 分的に補正するように配置された可変コンデンサ等の可変リアクタンス素子を有 している発生器を提供する。コンデンサは感知された負荷インピーダンスの変化 に応じて自動的に変化させられる。これは、たとえば、出力ステージにおける位 相変化を監視することによって、及び、好ましくは機械的に、コンデンサをドラ イブして、そのキャパシタンスを変化させて感知された位相差が好ましい値又は 好ましい範囲にすることによって行われる。好ましくは、可変コンデンサは発生 器の出力トランス（絶縁形トランス又は単巻トランスのいずれでもよい）の二次 巻線の両端に連結され、並列同調出力回路の一部を形成する。その同調は負荷の インピーダンスによって影響される。 このようにして、負荷リアクタンスの変化は補正され、実行可能な限りにおい て出力共振回路の同調が維持され、それによって、少なくともほぼ真正な負荷イ ンピーダンスを有する出力デバイス（代表的なものはパワーＭＯＳＦＥＴ等の一 対のパワートランジスタスイッチングデバイス）が与えられる。なお、発生器の 負荷インピーダンスの変動は動作周波数を変更することなく広い範囲で適応させ ることが可能である。 この自動同調効果は、高Ｑ出力ステージの使用による発生器アウトプットに対 する十分なカップリングを可能にする。これは上記の自給式の電池で駆動される 手持タイプの電気手術器具の場合に重要であり、器具、使用者及び患者の間に良 好な相互連結が形成されるため、十分な操作が補填される。 可変コンデンサを制御するための負荷リアクタンスを表す位相情報は出力位相 をドライブ信号と比較することによって得られる。ドライブ信号は、たとえば、 出力トランスの一次側に供給されるラジオ波信号又は出力デバイスのベース又は ゲートコネクションに供給されるドライブ信号である。得られる位相差信号はそ の後増幅されて極性を有するコンデンサドライブ信号となる。これにより、負荷 インピーダンスの低下とともに、可変キャパシタンスも低下し、また、可変コン デンサが出力 インピーダンス（たとえば、トランスの二次巻線）の両端に接続されている場合 には、得られた電流の大部分が負荷に供給される。 留意すべき点は、発生器の出力回路はさらに出力カップリングコンデンサを（ すなわち、発生器の出力ラインに直列に）含むことができることであり、可変コ ンデンサは出力共振回路の一部を形成するため、そのカップリングコンデンサか ら構成され得ることである。その場合、低下する負荷インピーダンスは、可変キ ャパシタンスの値を減少させるのに使用されるけれども、得られる出力電流をも 減少させる。このカップリングコンデンサの変動は一つ又は複数の発生器アウト プットにかかる負荷を制限するのに使用することが可能である。 可変コンデンサ自体は並列の平板コンデンサ、及び圧電アタチュエータ等の平 板の間隔を変化させる手段を有する。このようなデバイスは電気手術処置に伴う 高電圧に耐えることが可能であるとともに、一般的には１０ミリ秒以内の迅速な 速さで操作できるという利点を有する。使用される圧電アクチュエータの特性次 第では、応答時間をさらに速くすることも可能である。一般に、高誘電率の層が コンデンサの平板の間に介在されている。 この発明は上記の発生器をハンドピース内に合体させた電気手術器具を含む。 この器具はハンドピースから突出する単極の処理電極を有し、発生器の可変リア クタンス素子は、好ましくは、電極のハンドピース内への差込の位置又はその近 傍に配置されている。 本発明による装置の好ましい実施の形態は添付の図面を参照して記載される。 図１は使用状態における電気手術器具の図である。 図２は器具の縦略断面図である。 図３は使用中における器具の対応電気回路図である。 図４は図１及び図２の一部を形成する本発明による発生器の単純化された回路 図である。 図５は位相比較器の回路図である。 図６は本発明による交流発生器の単純化された回路図である。 図１を参照すると、自給式の(self-contained)電気手術器具は細長い円筒状の ハンドピース１０を有している。このハンドピースは、図示のように、鉛筆を持 つようにして（“Pencil−fashion”）握ることができる。ハンドピースの一端 １０Ａはテーパ状に形成されており、その端部からは軸方向に単一の処理電極１ ２の形態を有する電極ユニットが突出しており、患者の体１４に接触させること ができるようになっている。テーパ状の端部１０Ａには操作スイッチ１６が設け られている。ハンドピースの本体１０は金属シートから形成可能であり、例えば 、フィルム材料で形成された絶縁カバーが設けられている。また、ハンドピース 本体１０は電気絶縁性のプラスチック材料で成形し、その内面又は外面を金属化 することも可能である。外面が金属化される場合には、電気絶縁性のコーティン グが施され、金属化部分が使用者の手から絶縁される。 図２の略断面図において、ハンドピース本体１０が導電性シールド１０Ｓ及び 絶縁ケース１０Ｃを有するものとして示されている。ラジオ波発生器及びバッテ リを有する内部の電気ユニット１８はシールド１０Ｓ内に収容されている。電気 ユニット１８は図示のようにシールド１０Ｃによって完全に覆われていることは 必ずしも必要ないけれども、少なくとも発生器の部分はシールドの長手方向の部 分に対応していることが好ましい。シールド１０Ｃは多くの有用な特性を有する 。内部の電気ユニット１８はケース内での重量分布が不均一であるため、アース に対する異なる電位を有する。シールド１０Ｃはそれに対して均一な面すなわち 均一な電位を付与する。絶縁層１０１のサイズ及び厚さを最小にすることによっ て、シールドのサイズを最大にすることができ、患者、使用者及び外部のアース された物体の容量結合を最大にすることができる。 シールドをその周方向に連続する形状にすることによって、内部の電気部材も ＲＦ放射の予想妨害レベルに対して効果的に遮蔽される。ケースを金属以外で形 成してのケースシールド機能を付与することもさらに有用である。その理由は、 シールドは均一な熱分布を付与するため、不効率性に起因して電気ユニット内で 発生する電力消失が改善されるからである。 次に、図３を参照して、使用中における器具の対応回路を考慮する。ハンドピ ース本体の内部には、ラジオ波（ＲＦ）発生器１８Ｇが設けられている（スイッ チ１６及びシールド１０Ｓは図３には示されていない）。このラジオ波発生器は ５MHzを越える産業用、科学用又は医療用の帯域内の周波数で動作可能である。 好ましい器具においては、動作周波数は４０．６５MHzである。その他の可能な 周波数は６．７９MHz、１３．６５MHz、２７．１MHz及び９１５ＭＨｚである。 発生器は電極１２（図１）に連結された出力コネクションを有し、患者へ電流を 直接伝導するための他の出力コネクションは有していない。発生器１８Ｇの導電 素子（この素子は図３において番号２０で略示されている）はアンテナ２２とし て機能し、図３において第２のアンテナとして示されている患者１４に対して、 キャパシタンス２４を介してハンドピース本体１０の導電性シールド１０Ｓによ って間接的に容量結合されている。組織境界への電極はライン２６によって示さ れている。このように、使用中においては、発生器１８Ｇのアクティブな出力コ ネタションは手術中の組織を通じて患者１４に結合される。この組織の抵抗は図 ３において抵抗２８によって示されている。この抵抗の値は通常１ｋΩであり、 １００Ωまで下げることも可能である。 発生器１８Ｇの放射コンダクタ２０はまたキャパシタンス３０によって使用者 に対して容量結合されている。このキャパシタンスは発生器−シールド間のキャ パシタンス及びシールド−使用者間のキャパシタンスに対して直列に接続されて いる。使用者[USER]３２はさらにキャパシタンス３４として示されるように地面 に対して容量結合されている。患者１４も（図３においてキャパシタンス３６と して示されるように）地面に対して容量結合されているので、使用者３２及び患 者１４の間に間接及び直接の容量通路(capacitive path)が存在する。同様に、 発生器の導電素子２０からハンドピース本体１０（特に、シールド１０Ｓ）のキ ャパシタンス３８を通じて地面に至る間接通路及び患者１４と地面との間の直列 のキャパシタンス３６がある。発生器−患者間の直接キャパシタンス２４に起因 する発生器１８Ｇと患者１４との間の総キャパシタンス、ハンドピース−使用者 間のキャパシタンス３０、使用者−地面間のキャパシタンス３４、本体−地面間 のキャパシタンス３８、及び患者−地面間のキャパシタンス３６は、それぞれ少 なくとも１５pFである。 図示されていないが、バッテリもハンドピース本体１０内に収容されている。 これは好ましくはニッケル−カドミウムバッテリ又はリチウム−イオンバッテリ であり、本体１０の対向端に設けられた端子を通じて電極１２から充電可能であ る。 なお、限定的ではないが、この器具は、主として、脊髄手術、神経手術、成形 手術、耳鼻咽喉手術、歯科手術などの精密な手術作業、及び事務作業を意図した ものである。 図面の図４を参照すると、器具の発生器はトランジスタＱ４に基づく固定周波 数水晶発振器、及びトランジスタＱ１，Ｑ２に基づくプッシュプル出力ステージ を有する。固定周波数水晶発振器はトランジスタＱ３ドライバーステージを供給 するとともにドライバートランスＴＲ１を有する。トランジスタＱ１，Ｑ２は高 電圧源（一般には５０Ｖ）に接続されたＭＯＳＦＥＴデバイス（ＭＯＳ電界効果 トランジスタ）であり、共通の出力コネクション４０を有する。この出力コネク ションから発信器の周波数におけるラジオ波出力信号がカップリングコンデンサ Ｃ５を通じて出力トランスＴＲ２の一次巻線へ供給される。出力トランスＴＲ２ の二次巻線カップリングコンデンサＣ１を介して発生器アウトプット４２へ連結 されている。可変コンデンサＶＣ２は電極の地面への漂遊容量を表すキャパシタ ンスＣ_STRAY及びそれに接続されたコンダクタとともに同調素子として機能する 。トランスＴＲ２の一次及び二次巻線と直列に感知トランスＴＲ３，ＴＲ４がそ れぞれ連結されている。これらの二次巻線は位相比較器及びサーボドライブ回路 [PHASE COMPARATOR AND SERVO DRIVE]４４に供給して、可変コンデンサＶＣ２を ドライブする。 示されているように、出力ステージは二つの共振回路を有している。直列の回 路はコンデンサＣ５、トランスＴＲ２，ＴＲ３の漏れインダタタンス(leakage i nductance)を有し、他の直列の回路は可変コンデンサＶＣ２、結合コンデンサＣ １及び漂遊容量Ｃ_STRAYによって形成されたコンデンサ列(capaciltor array)と もにトランスＴＲ２（メイン素子）の二次巻線、トランスＴＲ４の一次巻線（信 号レベルのみ）を有する。これら二つの共振回路の間の位相関係は負荷及び漂遊 容量の両方とともに変化する。直列の共振回路は比較的影響を受けないけれども 、アウトプット４２に接続された並列回路(parallel circuit)は負荷及び漂遊容 量の両 方によって影響される。したがって、トランスＴＲ３，ＴＲ４を使用して、出力 回路（アウトプット４２に接続された）及び出力回路の上流の回路、この場合に は出力トランスＴＲ２の一次巻線に接続された回路から感知信号を誘導すること によって、位相の異なる信号を誘導することができる。この位相の異なる信号は 、コンデンサＶＣ２のキャパシタンスを変化させて、負荷及び漂遊容量の離調変 動(detuning variations)を補正するのに使用することができる。 この点において、ある固定された値のインピーダンス整合回路はスイッチング 効率を損なう出力スイッチングデバイスＱ１，Ｑ２に対して必然的に誘導性又は 容量性のいずれかと思われる。しかしながら、こうしたインピーダンスの変化は 位相変化に伴うものであるため、高周波を最小にするための共振タンク回路を使 用している出力ステージを使用して、位相比較器用の位相感知信号を誘導するこ とができる。 位相比較器はトランスＴＲ３，ＴＲ４とともに図５により詳細に示されている 。位相比較器４４の信号レベルは上記のトランスＴＲ３，ＴＲ４の二次巻線によ って与えられる。これらはトランスＴＲ２に接続された同調回路のそれぞれから の位相情報を与える。並列位相[parallel phase]信号を受信するトランス用のス プリット巻線を使用することによって、交流(alternate cycles)の独立半波整流 がダイオードＤ１１，Ｄ１２によって発生する。直列位相[series phase]信号の 両方の位相を混合することによって、位相比較器が補正される。しかしながら、 二つの感知信号が相互に９０°のオフセットの位相関係を有しているときには、 半波整流器Ｄ１１，Ｄ１２のアウトプットにおいて発生した誤差電圧[error vol tage]のみが零になる。予め設定された位相シフトは、図５に示されるように、 トランスＴＲ４の二次巻線の両端に接続された可変抵抗ＲＶ１及びコンデンサＣ １３を組み合わせて、出力トランスＴＲ２（図４）の一次側と二次側との間に好 ましい位相差を設定することによって与えられる。整流器の出力電圧の平滑化は 図５に示された抵抗−コンデンサ組み合わせＲ１１，Ｃ１１及びＲ１２，Ｃ１２ によって行われ、アウトプット４６から誘導される出力誤差電圧は比較器（図示 せず）によって増幅され、所定のドライバ回路（図示せず）へと送られる。この ドライバ回路はフィードバッタループにおける電位不安定性を補正するために優 先極に 連結されている。この電位不安定性は、たとえば、可変コンデンサＶＣ２に接続 されたアセンブリ内の機械的共鳴に起因するものである。 再度図４を参照すると、出力コンデンサ配置における可変コンデンサＶＣ２、 カップリングコンデンサＣ１及び漂遊容量Ｃ_STRAYは全て出力共振回路の同調に 対して効果を有する。タンクコンデンサとして可変コンデンサ素子を使用するこ とによって、最大の電流供給が得られる。特に、比較器及びドライバの配列は、 負荷インピーダンスが減少し、それに対応して出力トランスＴＲ２の両端に位相 差の変化が発生するときに、可変コンデンサＶＣ２のキャパシタンスが減少して 、得られる電流の大部分が負荷に供給されるように考慮されている。留意すべき 点は、可変コンデンサは代わりに出力カップリングコンデンサ（Ｃ１）として使 用することもできる。この場合、負荷インピーダンスの減少によって可変カップ リングキャパシタンス及び得られる電流の両方が減少する。このことは、ラジオ 波スイッチングデバイスＱ１，Ｑ２が重負荷に対して保護される必要がある場合 には有用である。 可変コンデンサＶＣ２は別の形態でもよい。並列の平板コンデンサとして構成 し、平板の離間間隔が圧電セラミッタアクチュエータによって制御されるように することは好ましい。アクチュエータは二つの異なる形態、(a)バイメタルスト リップに似た方法で作用する曲げストリップ、又は(b)細長いソリッド圧電素子 （単層でも多層でもよい）で製造することが可能である。この種のアクチュエー タは米国、オハイオ州、ベッドフォードのモーガン・マトロック・インコーポレ ーテッド(Morgan Matroc，Inc.)から入手できる。 曲げストリップタイプのアクチュエータは印加される電圧の変化に応答して機 械的動作を起こす。これは、二つの接合された材料の膨張の差によって生じるも のである。曲げはメタル基板に接合された圧電セラミック材料によって達成でき る。セラミックは圧縮及び膨張に対して分極される(poled)ため、動作は両方向 に起こり得る。また、メタル基板の両面に圧電材料をコーティングして、それぞ れのコーティングが反対方向に分極されるようにして、動作程度を向上させるこ とも可能である。電圧がストリップに印加されると、曲げが発生する。適正な動 作を発生させて可変コンデンサのキャパシタンスを変化させるために、印加され る 電圧は一般的には５０ボルトから１００ボルトの間である。基本的には、８から ２４pFのキャパシタンス変化が達成可能である。 細長い圧電アクチュエータでは、圧電動作が直接利用される。アクチュエータ はサンドイッチ状のデバイスとして形成されており、印加される電圧に応じて十 分な動作を引き起こす。一般に、細長い圧電アクチュエータは曲げストリップタ イプのものよりも応答速度が速い。 また、移動コイルデバイスを使用するなどの、電気機械式方法又は電磁式方法 によって可変コンデンサＶＣ２のキャパシタンスを変化させることも可能である 。 コンデンサ自体（図示されていない）は並列の平板を有し、それらの間には高 誘電率の誘電層が介在されている。好ましい材料は薄層の形態で入手できる雲母 である。このような材料は４０から２００kV/mmの誘電耐力を有する。コンデン サは上記のようにタンク回路同調コンデンサ又は出力カップリングコンデンサと して使用されるので、コンデンサの平板の両端にかかる電圧は１kVに達すること がある。一般的には、誘電層の厚さは２５マイクロメータから５０マイクロメー タの範囲である。比誘電率が６では、２pF/mm²のキャパシタンスを有する並列の 平板コンデンサを形成することができる。デフレタション(deflection)の合計が ５０マイタロメータでは、キャパシタンスは最小となり、０．１６pF/mm²である 。 図１及び２に示されているハンドピース内の可変コンデンサＶＣ２の物理的位 置に関しては、電極２のハンドピース内への差込口の領域にそれを取り付けて、 発生器のアウトプット４２（図４）と露出した電極１２との間のリード長が最小 になるようにすることが有用である。 可変コンデンサＶＣ２及びそれに関連する制御回路の応答速度は急速であるけ れども、電気手術動作特性は負荷インピーダンスの極めて急速な変化に起因して （たとえば、アータの生成及び崩壊に起因して）いくらかの過渡不整合が起こる 程度のものである。出力デバイスＱ１，Ｑ２の過渡電圧(voltagc transient)の 効果を最小にするために、図示のように、出力ＭＯＳＦＥＴデバイスＱ１，Ｑ２ のそれぞれに逆バイアスショットキーダイオードＤ１，Ｄ２が設けられている。 デバイスＱ１，Ｑ２の両端に高い変化率で印加される過剰電圧はダイオードＤ１ ，Ｄ２の伝導性(conduction)によってはそれほど制限されず、むしろ、それらの バ ラクター挙動(varactor behaviour)によって制限される。これらのダイオードＤ １，Ｄ２はスイッチングキャパシタンスを増大させるけれども、これは、出力ス テージを部分誘導負荷としてドライブして、出力デバイスのネット効果が、極端 な不整合が起こったときを除いて、純粋に抵抗性であるようにすることによって 補正することができる。 図４に示されている発生器の出力ステージはレールツーレール(rail-to-rail) 接続されたトーテムポール状のクラスＣの出力ステージである。別の出力ステー ジが図６に示されている。この場合には、それぞれトランジスタＱ４，Ｑ３に基 づいた水晶発振器及びドライバは、クランピングツエナーダイオードＤ３−Ｄ６ が出力デバイスＱ１１，Ｑ１２のゲートコネクションの両端に接続された状態に なるように、それらを維持する。しかしながら、出力デバイスＱ１１，Ｑ１２は 、図６に示されるような別のショットキーダイオードといっしょに、及びそれら の間に直列に連結された出力トランスＴＲ５の一次巻線を有する出力デバイスと いっしょに、ハーフブリッジ状に配置されている。出力共振回路はそれを図４の 実施の形態の場合のように維持する。 単純化のために、位相感知回路は図６では示されていない。しかしながら、留 意されるべきは、図５の位相比較器が、出力デバイスＱ１１，Ｑ１２用のラジオ 波ゲートドライブ回路に連結された一方の入力トランス、及び前記のように出力 トランスＴＲ１の二次巻線に対して直列に連結された他方のトランスといっしょ に使用できることである。 総括すると、上記の回路は、小さい動作範囲で作動する急速応答リニアーアク チュエータの使用によって極めて迅速なキャパシタンス変化を与え、また、出力 共振回路内の可変リアクタンス素子によって位相比較を行う。可変リアクタンス 素子用のドライブは位相比較に応答して供与される。

【手続補正書】特許法第１８４条の８第１項 【提出日】平成１１年４月３０日（１９９９．４．３０） 【補正内容】 １５． ５MHzを越える動作周波数を有する上記請求項のいずれかに記載の発生 器。 １６． 電気手術器具であって、ハンドピースと、このハンドピースから突出さ れた処理電極と、上記請求項のいずれかに記載された発生器とを有し、発生器の 処理電極出力ノードが処理電極に接続されている電気手術器具。 １７． 単一の処理電極を有している請求項１６記載の器具。 １８． 使用中における発生器のラジオ波リターン経路が患者と器具との間の空 気を通じての電磁場伝達によって形成されるように配置されている請求項１７に 記載の器具。 １９． 導電体を有し、この導電体は、器具の使用中に、ラジオ波電流リターン 経路としての患者への漂遊容量カップリングを形成するように配置されている請 求項１６から１８のいずれか一項に記載の器具。 ２０． 単一の直接ラジオ波出力コネクションを有し、リターン経路は漂遊容量 によって患者に対して容量連結された導電体によって使用中に形成される請求項 １６に記載の器具。 ２１． ５MHzを越える周波数で操作可能である請求項１６から２０のいずれか 一項に記載の器具。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ， ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，ＫＥ，Ｌ Ｓ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＺ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ， ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，Ｅ Ｅ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ，ＧＷ，ＨＵ ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ， ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，Ｍ Ｄ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ， ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，Ｕ Ｚ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＷ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． 負荷が変化する状態下においてほぼ固定された周波数で動作可能な電気手 術用ラジオ波発生器であって、出力ステージを有し、この出力ステージは出力デ バイスと、この出力デバイスに連結された出力ネットワークを有し、出力ネット ワークは処理電極出力ノードを含み、また、出力ネットワークは負荷依存共振状 態を有するとともに、負荷インピーダンスの変化に起因する出力ネットワータの ミスチューニングを少なくとも部分的に補正するために配置された可変リアクタ ンス素子を含んでいるラジオ波発生器。 ２． 可変リアクタンス素子が出力デバイスと前記ノードとの間の信号通路に接 続されている請求項１に記載の発生器。 ３． 可変リアクタンス素子に連結されたアウトプットを有する感知回路を含み 、この感知回路は負荷インピーダンスの変化を感知して負荷インピーダンス対応 調節信号を前記アウトプットにおいて発生するように配置され、また、リアクタ ンス素子はそのリアクタンスが調節信号に応答して調節され、それによって前記 補正が行われるように配置されている請求項１に記載の発生器。 ４． 感知回路が負荷リアクタンスの変化を感知するように配置されている請求 項３に記載の発生器。 ５． 感知回路がインプットを有する位相比較器を有し、これらのインプットは 出力ステージのそれぞれ異なる部分に連結されるとともに感知回路のアウトプッ トにおいて調節信号を発生するように配置され、この調節信号によってリアクタ ンス素子が調節され、位相比較器のインプットにおける信号間の位相差が予め設 定された値又は予め設定された範囲に調節される請求項３に記載の発生器。 ６． 可変リアクタンス素子が可変コンデンサである請求項１に記載の発生器。 ７． 可変リアクタンス素子がサーボデバイスを含む請求項１に記載の発生器。 ８． 出力ステージが出力トランスを含み、また、可変リアクタンス素子がその トランスの二次巻線に連結されている請求項１に記載の発生器。 ９． 可変リアクタンス素子が並列同調出力ネットワークの一部を形成している 請求項１に記載の発生器。 １０． 可変リアクタンス素子がコンデンサであり、また、同調回路がトランス 巻線を含んでいる請求項９に記載の発生器。 １１． 出力ネットワークが発生器出力ラインを含み、また、可変リアクタンス 素子がその出力ラインに直列に接続されている請求項１に記載の発生器。 １２． 可変リアクタンス素子がコンデンサである請求項１１に記載の発生器。 １３． 可変リアクタンス素子が出力デバイスと発生器の出力ノードとの間の出 力回路の一部を形成している請求項１に記載の発生器。 １４． 発生器がアンテナとして機能する導電素子を有している上記請求項のい ずれかに記載の発生器。 １５． 電気手術器具であって、ハンドピースと、このハンドピースから突出さ れた処理電極と、上記請求項のいずれかに記載された発生器とを有し、発生器の 処理電極出力ノードが処理電極に接続されている電気手術器具。 １６． 単一の処理電極を有している請求項１５記載の器具。 １７． 使用中におけるそのラジオ波リターン経路が患者と器具との間の空気を 通じての電磁場伝達によって形成されるように発生器が配置されている請求項１ ６に記載の器具。