JP2001521178A - 広角度光学リターダー - Google Patents

広角度光学リターダー

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JP2001521178A JP2000517297A JP2000517297A JP2001521178A JP 2001521178 A JP2001521178 A JP 2001521178A JP 2000517297 A JP2000517297 A JP 2000517297A JP 2000517297 A JP2000517297 A JP 2000517297A JP 2001521178 A JP2001521178 A JP 2001521178A
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
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Abstract

(57)【要約】 アクリロニトリルを基材としたリターダーにおいて、比較的均一な性能が、入射角が広範囲にわたって変化するときに得られる。強化材料がアクリロニトリルを基材とした重合体とブレンドされて、リターダーの加工性を容易にし、光学的性能を犠牲にしないでリターダーの機械的性質を改善する。比較的均一な広角度を提供するゴム改質アクリロニトリルを基材としたリターダーが従来の加工技術を用いて製造される。そのようなリターダーは、比較的広い範囲の入射角を使用する多数の特定用途に特に適している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 背景技術 本発明は、一般に光学リターダーに、厳密には、広範囲の入射角度で使用でき
る光学リターダーに関する。
【0002】 光学リターダーは、一般にそのリターダーを通過する偏光の相対的位相を変更
するようにして使用される。光学リターダーは、偏光の制御が必要とされる用途
で使用する場合に特に適している。偏光は、一般に単一面に対する電界(または
磁界)ベクトル振動の制限を指す。電磁放射の偏光方向は、その電界が前後に振
動する方向であると一般に考えられる。偏光ベクトルは、光面内のビーム方向と
直交する。
【0003】 偏光は、多数の異なる形態をとり得る。光ビームが唯一つの方向の所与ポイン
トにおいて振動する場合、そのビームは直線(または面)偏光であると言われる
。振動の方向は偏光方向である。光ビームが、90°だけ位相が異なる二つの直
交偏光方向を有する場合、そのビームは、楕円または円偏光であると言われる。
円偏光は、二つの振動の大きさが等しい(すなわち、電界ベクトルの先端が円運
動する)場合に起こる。楕円偏光は、それらの二つの振動の大きさが等しくない
(すなわち、電界ベクトルの先端が楕円運動する)場合に起こる。対照的に、非
偏光に対する直交振動は、概して任意に変化する位相差に相等しい。
【0004】 直線偏光は、その電界が単一面で振動するものを除いて非偏光ビームから全て
の偏波を除去することによって得られる。光学リターダーは、例えば、直線偏光
を円形または楕円偏光に変更するために、使用される。この偏光を制御するため
に使用される場合、リターダーは、通常1/2および1/4波長リターデーショ
ンを導入するように構成される。一般に、そのようなリターダーは、偏光の二つ
の直線成分間に所望の相対的位相遅れを生成するために使用される。
【0005】 光学リターダーの一つの典型的使用は、システム内の他の光学素子の機械的ま
たは光学的変位によって導入された偏光の二つの成分間の位相差を補正するため
に入射光の位相遅れを導入するために使用される補償板である。例えば、液晶デ
ィスプレイ(LCD)では、液晶セルの複屈折が、直線偏光を僅かに楕円偏光と
なるようにする。リターダーは、楕円偏光を直線偏光に戻るように変換するため
に使用される。この補償リターダーは、光路内に配置され、液晶の複屈折によっ
て導入された特定の位相差に同調される。
【0006】 典型的な光学リターダーは、複屈折材料から構成される。これらの複屈折材料
は、そのリターダーの二つの直交する平面内軸に沿ってファーストおよびスロー
通路を形成する。複屈折リターダーの軸が入射光の偏光方向に対して45°をな
すように位置調整されると、そのリターダーは、二つの偏光成分間の位相差を導
入または補償するために使用される。複屈折リターダーのファーストおよびスロ
ー通路は、リターダーの平面内軸に沿って偏光された光に対して異なる屈折率と
なる。二本の偏光軸間のより大きなリターデーション差は、二本の平面内軸間の
屈折率差を増すことによって、および/またはリターダーの厚みを増大させるこ
とによって達成される。故に、リターダー内の複屈折材料の厚みおよび屈折率を
制御することによって、リターダーの光学的特性を制御できる。
【0007】 リターダーの平面内軸に沿って偏光された光に対する屈折率に加えて、厚み方
向に偏光された光に対する屈折率は、所定の用途でのリターダーの性能に影響を
及ぼす可能性ある。例えば、LCDディスプレイ技術で使用される補償板は、比
較的広角度範囲で補償板に入射する光の比較的均一なリターデーションを提供し
なければならない。LCDディスプレイに対して広くなった可視角度範囲が、厚
み方向に偏光された光に対する屈折率を制御したリターデーションフィルムを採
用することによって得られることが提案されている。
【0008】 均一広角性能を有するリターダーを造る現在の試みは、製造するのに高価とな
り且つ難しく、均一な広角光学特性を得るために限定的にしか達成できないこと
が分かっている。均一な広角性能を得るための試みは、様々であり、例えば、延
伸時に延伸方向と垂直をなす方向にフィルムを収縮させること、電界をかけた状
態で溶融重合体または重合体溶液から生成された原料フィルムの複屈折を、延伸
によって、制御すること、電界下で作製されたフィルムを従来の位相リターダー
上に積層すること等を含む。このような工程は、典型的に非常に複雑且つ高価と
なり、限定的にしか目的を達成できない。リターダーの複屈折部分を形成する際
に採用される工程および材料が複雑になればなるほど、そのような材料をリター
ダー内に組み込むことが益々難しくなる。
【0009】 発明の開示 一般に、本発明は、光学リターダーに関する。ある態様では、リターダーの面
に垂直な角度から少なくとも約30度の最大角度まで変化する比較的広範囲の入
射角にわたりリターダーに入射する光を均一に遅延させる光学リターダーが提供
される。光学リターダーは、基材と、その基材上に配置されたアクリロニトリル
を基材とした重合体およびエラストマ共重合体をブレンドしたフィルムとを含む
。リターデーションの大きさは、入射角が垂直入射から最大角の入射まで変化す
ると垂直入射リターデーションの約25%未満だけ変化する。ある態様では、こ
の最大角度は、約60度よりも大きい場合もある。最大角度がより小さい場合に
は、リターデーションの変化も小さくなる。
【0010】 他の態様では、アクリロニトリルを基材としたリターダーミラーが提供される
。そのリターダーミラーで反射した直線偏光は、実質的に直交する直線偏光に回
転される。偏光の向きを回転すると、リターダーミラー上への比較的広範囲の入
射角にわたって比較的均一となる。他の態様では、反射防止光学的構造体は、そ
の構造の非垂直角度性能を改善するためにアクリロニトリルを基材としたリター
ダーを含む。
【0011】 本発明の上記要約は、本発明の各例示された態様または全ての手段を説明する
ものではない。次の図面や詳細な説明は、様々な態様をより特定的に例示する。
【0012】 本発明は、多数の光学リターダーに適用可能である。本発明は、遅延されるべ
き光が入射角度の比較的広範囲でリターダー上に入射する環境で使用される光学
リターダーに特に適している。そのようなリターダーは、光学的補償板、1/2
波長および1/4波長リターダー等としての使用に適している。本発明の説明を
容易にするために、そのようなリターダーの様々な例が以下に提供される。
【0013】 本発明の一つの特定実施例による光学リターダーが図1Aと関連して説明され
る。図1Aの光学リターダー101は、アクリロニトリルを基材とした重合体フ
ィルムから形成される。このフィルムは、三つの相互に直交する軸で、すなわち
、二つの平面内軸xおよびy、および厚みの方向の第3軸zで説明できる。図1
Bに示されるように、図1Aに示されたアクリロニトリルを基材としたリターデ
ーションフィルム101は、基材105上に配置される。この基材105は、様
々な目的を果たすようにしても良い。例えば、この基材は、ガラスなど、光学的
に中性であり、主にその機械的性質のために、および/またはそのリターデーシ
ョンフィルム101を他の光学素子に付着させるための基礎として使用されても
良い。この基材は、一つ以上の光学的機能を果たしても良い。例えば、この基材
は、ミラー、偏光子などであっても良く、そこではリターデーションフィルムが
より大規模な光学的構造内の光学リターダーとして機能する。この基材は、重合
体フィルムであっても良い。この重合体フィルムは、アクリロニトリルを基材と
したリターダーの光学的性能と協働して作用し、所望の全光学的性能を得るため
に等方性であっても、複屈折(平面内または平面外)であっても良い。このフィ
ルムは、補償板と組み合わせて光学的性能を改善するようにしても良い。
【0014】 一般に、リターデーションフィルム101は、任意の適当な基板105と関連
させて使用される。このリターデーションフィルム101は、その基材に積層さ
れ、接着剤で付着される、或いは適当に基材上に配置されても良い。基材105
上にリターデーションフィルム101を配置するために使用される工程および方
法が、最終のリターダー構造の光学的性能に悪影響を及ぼさないようにしっかり
注意が払われなければならない。
【0015】 以下でより詳細に説明されるように、アクリロニトリルを基材としたリターデ
ーションフィルムは、広範囲の角度にわたってリターダーに入射する光の比較的
均一なリターデーションを有することが望ましい用途での使用に特に適している
ということが本発明との関連で判定されている。図1Aを再び参照して、リター
ダー101のリターデーションおよび角度性能は、フィルムの厚みd、およびx
、yおよびz軸の方向にそれぞれ偏光された光に対するフィルムの相対的屈折率
、nおよびnの関数である。平面内軸に沿った複屈折は、例えば、フィ
ルムに入射する偏光に対して短および長光路を構成する。一般に、その光は、平
面内屈折率の軸に対して45°の角度で位置調整された偏光方向でフィルム上に
入射する。
【0016】 フィルムのリターデーションは、入射面に対して平行(p)および垂直(s)
な方向に沿って位置調整された偏光EpおよびEsの直線成分間に導入された位
相差として一般に定義される。理想的1/4波長リターダーでは、例えば、一方
の軸に沿って偏光された光(すなわち、その軸に沿った偏光の成分)は、他方の
平面内軸に沿って偏光された光に対して、その波長の4分の一だけ、遅延される
。偏光された光が最初に直線偏光されると、二つの成分は、同相または位相が1
80°異なる(すなわち、その位相差は0またはπラジアンに等しい)。直線偏
光された光が1/4波長リターダーを通過すると、π/2ラジアンの位相差が二
つの成分間に導入される。二つの成分EpとEsとの間の総位相差は、π/2ま
たは3π/2となる。このように、1/4波長リターダーは、直線偏光された光
と円偏光された光との間で変換するために使用できる。
【0017】 光がリターダーの面と垂直をなす角度でリターダーに入射すると、リターデー
ションは、フィルムの厚み、および平面内屈折率nとnとの差の関数である
。入射角が垂直入射角からずれると、リターダーを通過する光のリターデーショ
ンも、リターダーの厚み方向zに偏光された光に対する屈折率nによって影響
を受ける。所定のリターダーの非垂直性能は、垂直入射角におけるリターデーシ
ョンの大きさを、垂直入射と異なる入射光に対するリターデーションの大きさと
比較することによって考えることができる。
【0018】 既知屈折率を有する所定のリターダーでは、異なる角度におけるリターデーシ
ョンの相対的大きさは、次の関係式を使用して調べることができる。
【0019】
【数6】 ここで、δは、sおよびpフィールド間のリターデーションの大きさであり、
dはフィルムの厚み、n、nおよびnは所定波長の光に対するフィルムの
それぞれの屈折率、およびφはx−z面の入射角(フィルムの面に対して直角な
軸から測定された)である。故に、等式(1)のリターデーションの大きさは、
x−z面の入射角の関数として、入射光がリターダーを透過するときに、入射光
のs偏光成分とp偏光成分とによって経験した遅延の差を表す。等式(1)はこ
のリターデーションを表現する一つの方法として提供されることは理解されよう
。 同様の式は、他の面(例えば、y−z面)で変化する光の関数として光のリター
デーションを表現するために得られる。
【0020】 上記関係において、光がフィルムに対して垂直な方向にフィルムに入射する場
合(すなわち、φ=0)、リターデーションの大きさδは、厚みdと、次の関係
式によって示される平面内屈折率の差との関数として減少する。
【0021】
【数7】
【0022】 故に、垂直入射角の光に対する所望リターデーションは、フィルムの厚みと平
面内屈折率とを制御することによって得ることができる。より高いリターデーシ
ョンが、nとnとの間の差を増大することによって、および/またはその厚
みを増大することによって得ることができる。
【0023】 必要なリターデーションの量は、一般にそのリターダーが使用される特定用途
、およびリタードされるべき光の波長による。典型的な1/4波長リターダーは
、例えば、約115nm〜約158nmのリターデーション値を有する。典型的
な1/2波長リターダーは、約230nm〜約316nmのリターデーション値
を有する。全波長リターダーも、二つの成分の位相を2πラジアンシフトするだ
けに使用される。115nm〜158nmのリターデーション値を有するアクリ
ロニトリルを基材としたリターダーに特に適した多数の用途がある。特に指示さ
れない限り、以下で詳述された議論では、約550nmの波長を有する光(可視
光のほぼ中心波長)が、リターダーの性能の特性を明らかにするために使用され
る。このような光はリターダーの特性を表すための手段として適切に使用される
が、リターダーは全可視範囲に及ぶ、または任意の特定波長またはその波長帯域
における光を遅延するために使用されても良いことは理解されよう。
【0024】 垂直に入射する光のリターデーションと垂直からずれた(非垂直)の光のリタ
ーデーションとの間の差は、光が垂直から最大非垂直角度まで変化する広範囲の
角度にわたってリターダーに入射するような用途で使用するための光学リターダ
ーの適合性を判定するために使用できる。以下でより詳述されるように、アクリ
ロニトリルを基材としたリターダーは例外的な非垂直光学性能となる。
【0025】 一般に、複屈折は、材料を伸長または延伸することによって重合体材料内に導
入される。材料が延伸されると、分子が延伸方向に整列配置する傾向がある。分
子配向が導入されると、延伸および非延伸方向に偏光された光に対して屈折率差
をつくる。重合体フィルムを延伸すると、延伸方向に偏光された光に対する屈折
率の変化を導入するだけでなく、非延伸および厚み方向における変化をも導入す
る。例えば、幅出し機を使用する典型的な延伸条件下で、非延伸および厚み方向
に偏光された光に対する屈折率の変化は、しばしばかなり異なる。その結果、フ
ィルムが所望の平面内屈折率の不整合を得るために延伸されると、厚み方向の屈
折率が平面内屈折率のいずれとも整合しない。そのような変化は、垂直入射光で
使用されるリターダーの性能には悪影響しないが、その変化は、非垂直入射光、
特に比較的大きな角度が使用されて遅延させる場合にリターダー性能にかなり悪
影響し得る。
【0026】 等式(1)から、非垂直性能の改善は、厚み方向に偏光された光に対する屈折
率nが平面内屈折率nとnとの間にあるときに得られると判定できる。但
し、典型的な延伸条件下で、延伸重合体フィルムの厚み方向の屈折率nは、平
面内屈折率nとnとの間に無い。本発明によれば、アクリロニトリルを基材
とした重合体が延伸されると、所望の不整合が平面内屈折率間で得られ、しかも
非延伸および厚み方向に偏光された光に対して実質的に等しい屈折率を維持でき
る。さらに、密接に整合したnとnとの屈折率は、フィルムが非延伸方向へ
の寸法減少を制限するような方法で(例えば、フィルムが従来の幅出工程を利用
して延伸されるとき)延伸されるときでも得られる。
【0027】 等式(1)から分かるように、入射角度が増すと、リターデーションの量も変
化する。本発明のアクリロニトリルを基材としたリターダーでは、リターデーシ
ョンの変化の大きさは、実質的に等しい屈折率(例えば、nおよびn)の結
果としてかなり低減される。対照的に、例えば、ポリプロピレンなどの典型的な
複屈折重合体は、従来型の幅出し機で延伸されると、非延伸および厚み方向で0
.009程度の屈折率の不整合を示す。この不整合の結果、そのようなリターダ
ーの非垂直性能は、アクリロニトリルを基材としたリターダーと比べると、かな
り損なわれる。
【0028】 アクリロニトリルを基材とした遅延フィルムは、垂直および近垂直入射光を使
用するリターダー用途で使用できるが、そのようなリターダーは、入射光が垂直
入射角から少なくとも約30°の非垂直入射角まで変わるような用途での使用に
特に適している。そのようような用途において、アクリロニトリルを基材とした
リターダーを用いると、垂直および非垂直入射光間のリターデーションの差を得
ることができ、それは垂直入射リターデーションの15%未満であり、好ましく
は約10%未満であり、より好ましくは約6%未満である。入射の非垂直角度が
増すと、そのリターデーション差も増す。但し、60°ほどの非垂直角度で、ア
クリロニトリルを基材としたリターダーのリターデーション差は、垂直入射リタ
ーデーションの30%未満であり、より好ましくは約25%未満であり、さらに
好ましくは約20%未満である。アクリロニトリルを基材としたリターダーは、
より低い入射角度で均一なリターダンスを得るために使用されても良い。例えば
、利点は、最大非垂直角度が少なくとも約15°またはそれよりも少なくても得
られる。アクリロニトリルを基材としたリターダーの典型的な実施例が以下に提
供される。
【0029】 上述のように、広角リターダーの製造のために示唆され、使用された製造技術
は、複雑且つ高価である。そのような技術は、しばしば、多数の材料を共に積層
し、高度に特殊化された設備を使用して複屈折材料を延伸してそれぞれの屈折率
を人工的に制御するなどのステップを含む。対照的に、本発明の一実施例では、
アクリロニトリルを基材としたリターダーが、ほとんどまたは全く改造しないで
、延伸するための幅出し機など、標準加工設備を使用して製造できる。故に、か
なりのコスト節減が達成される。さらに、この工程は、高歩どまりを促進し、ア
クリロニトリルを基材としたリターダーを製造するコストをさらに低減する。
【0030】 光学リターダーに特に適していることが分かった一つのアクリロニトリルを基
材としたフィルムは、アクリロニトリル相と強化材相とのブレンドである。例え
ば、エラストマ(ゴム状)共重合体は、ブレンド内の強化材として使用されても
良い。多数の利点が、強化材相の添加によって得られる。例えば、その結果得ら
れるフィルムの耐衝撃性が増し、そのフィルムがより可撓性になり、亀裂、割れ
および引裂に対する耐性の強化を示す。エラストマ相も延伸性を促進させる。
【0031】 但し、強化材相の添加は、光学リターダーの形成をも考慮しなければならない
。以下でより詳しく説明されるように、一実施例に従って、アクリロニトリルを
基材とした重合体およびエラストマ共重合体ブレンドは、一軸延伸されてリター
ダーの所望の複屈折および厚みを得る。アクリロニトリル重合体およびエラスト
マ共重合体は、加えられた伸びに関して逆に複屈折となるので、エラストマ相の
屈折率の伸びによる変化が延伸されたフィルムの全リターデーションを低減する
。故に、エラストマ共重合体を含むブレンドしたアクリロニトリルを基材とした
フィルムは、同じ全リターデーションを得るためにエラストマ共重合体無しのア
クリロニトリルを基材としたフィルムよりも厚く製造されなければならない。但
し、厚みを増すと、全吸収性および非垂直リターデーションを増す。これらは、
透過度および/または非垂直色変化の低減となり、これらの両方供が多くのリタ
ーデーション用途には有害である。厚みの増大は、フィルムの取り扱い性および
加工性を改善するために、ある場合には望ましくもある(例えば、フィルムの厚
みがあるほど、より容易に積層できる)。
【0032】 用途に応じて、様々な量の強化用共重合体がブレンドに添加されても良い。一
般に、相反する問題が比較検討されなければならない。例えば、使用される強化
材の量は、所望のリターデーションを得るために必要な厚みの増加に対して加重
されなければならない。一般に、エラストマ共重合体が使用されるところでは、
エラストマ相が約18〜20重量%重量未満であることが望ましい。比較的高透
過度が求められるところでは、エラストマ相が約15重量%未満であり、さらに
好ましくは約10重量%であり、さらに好ましくは、約5重量%未満であること
が望ましい。
【0033】 強化材を使用する場合、その強化材の他の光学的特性も考慮されなければなら
ない。一般的に、アクリロニトリルを基材とした重合体と強化材との屈折率が比
較的接近しているのが望ましい。これはリターダーを透過する光が異なる相と相
互に作用するときの光の拡散および反射を最小限に抑えるのに重要である。上記
例では、アクリロニトリルを基材とした重合体とエラストマ共重合体との延伸前
に等方性屈折率を整合させることによって比較的密接な整合を得ることができる
。これは、延伸中の屈折率の異なる変化のため、延伸されたフィルム内に正確な
整合を生成しないが、これらの屈折率は多くの用途には十分接近したものである
。材料、組成および初期屈折率を選択することも可能であっても良い、それで配
向の工程で、二つの相の屈折率が互いに接近し、延伸されたフィルム内の曇りを
さらに低減または除去することができる。
【0034】 本発明の理解を容易にするために、アクリロニトリルを基材とした重合体/エ
ラストマ共重合体ブレンドから成る例示的リターダーを説明する。以下の例は、
ウエブがキャストされ、幅出し機を使用して横断方向に延伸される工程を説明す
るが、多数の他の典型的なフィルム加工技術の任意ものが使用される。例えば、
その重合体は押出注型法または溶液流延法であっても良い。ウエブは、開口ホイ
ール上にまたはニップ内にキャストされても良い。延伸は、様々に影響を受ける
。例えば、そのフィルムは、典型的な機械方向延伸機および/または幅出し機(
例えば、機械的およびリニアモータ)を用いて一軸(機械または横断方向)また
は二軸延伸される。フィルムは、ニップ内で圧延することによって、溶融重合体
を冷却前にウエブに延伸することによってなど、吹込フィルム(シングルおよび
ダブルバブル)工程を使用して延伸されても良い。
【0035】 一つの特定実施例では、リターダーは、ゴム改質アクリロニトリル−メチルア
クリレート共重合体(72〜99.5%共重合体、18〜0.5%エラストマ相
)を用いて製造される。このアクリロニトリル−メチルアクリレート共重合体組
成は、70〜100%アクリロニトリルおよび30〜0%メチルアクリレートの
範囲である。エラストマ相は、30〜10%アクリロニトリルと70〜90%ブ
タジエンを含有する。10%および18%エラストマ相を有するゴム改質アクリ
ロニトリル−メチルアクリレート共重合体は、BP Chemicals社(B
arex 210および218)から入手できる。
【0036】 ここで提供された例は、メチルアクリレートで共重合化したアクリロニトリル
を使用するが、他のタイプのアクリロニトリルを基材とした重合体が使用されて
も良い。例えば、アクリロニトリルを含有する適当な共重合体は、約20℃未満
のガラス転移温度(Tg)を有する様々な(メタ)アクリレートモノマーでアク
リロニトリルを共重合化することによって得られる。そのような(メタ)アクリ
レートモノマーは、例えば、メチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチ
ルアクリレート、イソオクチルアクリレート、および2−エチルヘキシルアクリ
レートまたはそのようなモノマーの混合物を含む。
【0037】 本発明の一実施例に従って、ゴム改質アクリロニトリルを基材とした光学リタ
ーダーが製造された。これらのリターダーは、10%または18%のいずれかの
エラストマ相を有するアクリロニトリルを基材とした組成であった。共重合体相
組成は、75%アクリロニトリルおよび25%メチルアクリレートであった。エ
ラストマ相は、70%ブタジエンおよび30%アクリロニトリルを含有した。上
記のように、エラストマ相を含有すると、その組成に靱性を与える。二つの相(
共重合体およびブタジエンを基材としたエラストマ相)の組成は、密接に整合し
た屈折率を得るように選択される。そのような組成は、押出および射出成形等級
でBP Chemicals社(Barex 210および218)から入手
できる。アクリロニトリル樹脂のBarex系は、典型的に、高気体遮断梱包
材等を形成するために使用される。
【0038】 上記組成のウエブは、254〜355μmの初期厚みを有するキャストであっ
た。このキャストウエブは、ほぼ100〜140nmの目標リターデーション値
を得るように加工された。このキャストウエブは幅出し機で一軸延伸された。そ
のようなフィルムの延伸温度は、一般に約25℃〜120℃の範囲である。その
延伸温度は、好ましくは約90℃〜110℃であり、さらに好ましくは約90℃
〜105℃である。そのような工程の延伸比は、ほぼ1.5:1〜5.0:1の
範囲である。延伸比は、より好ましくは約2.0:1〜5.0:1であり、さら
に好ましくは約2.5:1〜4.0:1である。適切な延伸速度は、毎秒約1%
〜3000%の範囲である。延伸速度は、より好ましくは毎秒約5%〜1000
%であり、さらに好ましくは毎秒約10%〜200%である。
【0039】 18%エラストマ組成を使用すると、目標リターデーション値がかなり厚みが
大きな初期ウエブでしか得られず延伸された厚みを増す(例えば、254〜63
5μm)ことが明らかであった。故に、18%エラストマ相からなるリターダー
は、透過度の減少およびさらに悪い非垂直性能を示す。エラストマ相の最適濃度
は、5〜10%であるように思われる。そのような濃度は、比較的高いリターデ
ーション値および光透過度が求められたところの最適釣合を取るように考えられ
る。より完全に以下で説明されるように、約10%のエラストマ相を含有する組
成から製造されたリターダーは、比較的安価な方法で製造でき、広範囲の入射角
にわたって比較的均一な性能を有する。
【0040】 上述のように、アクリロニトリルを基材とした組成内に、エラストマ相など、
強化材を含有すると、延伸によりフィルム内に所望の複屈折を導入させる能力を
低減する傾向がある。典型的な幅出し機工程では、フィルムは所望のリターデー
ションを得るためにその破断点近辺まで多くの場合延伸されなければならないの
で、初期ウエブが延伸前に機械方向への配向について実質的に自由であることが
望ましい。これは、延伸方向への所望の配向が得られる前に非延伸方向への初期
配向が幅出し機工程中に克服されねばならないからである。例えば、高透過性1
/4波長リターダーを得るために幅出し機内の10%ゴム改質アクリロニトリル
を基材としたウエブを延伸するには、典型的に、予備延伸したウエブが機械方向
のいかなる配向からも自由でなければならない。故に、キャストウエブは、機械
方向の故意でないまたは残留分子の配向を最小限に抑える、またはある場合には
除去するように最初にキャストされなければならないことが望ましい。
【0041】 ある場合では、フィルムは、キャスト工程の要件を緩和する初期配向の方向に
延伸されても良い。例えば、フィルムは、キャストされ、次に、長さ方向延伸機
(LO)を用いて機械方向に延伸されても良い。そのようなLO工程は、初期機
械方向を利用する。事実、そのような場合、機械方向の延伸が、所望の複屈折の
形成を助けるようにキャスト中に意図的に導入されても良い。他の延伸工程が使
用されることもある。機械方向の延伸は、溶融重合体がダイを出た後、凝固前に
その溶融重合体内に導入される。一般に、延伸前に、フィルムが延伸される方法
および/または方向に関係なく、そのフィルムが非延伸方向に実質的に配向がな
いことが望ましい。
【0042】 均一な厚みのキャストウエブが上述されたが、キャストウエブの厚みが部分的
に変更されても良い。上述のように、リターデーションはリターダー厚みの関数
である。故に、フィルムをその全域で変化するリターデーション分布を有するリ
ターダーフィルムが、キャスト工程を制御することによって製造されてウエブ上
の異なる点で厚みの差を造るようにしても良い。
【0043】 本発明のキャストウエブは、従来型の幅出し機を使用してキャスト方向と直交
する方向に延伸されても良い。その延伸温度、速度および比率は、延伸ウエブの
平面内屈折率間に所望の屈折率差を導入するように選択される。このように、所
望のリターデーションδは、関係式δ=d(n−n)に従って得られと同時
に、非延伸および厚み方向に偏光された光に対する延伸ウエブの屈折率を実質的
に整合させる。非垂直リターデーションは等式(1)(nとn実質的に等し
い)から決定される。
【0044】 図2A〜2Cは、本発明によるアクリロニトリルを基材としたリターダーの様
々な光学的特性を示す。上記汎用工程を使用して、透明アクリロニトリルを基材
としたリターダーフィルムが得られた。10%ゴム改質アクリロニトリル−メチ
ルアクリレート312μm厚さの押出されたウエブが使用され、その初期等方性
がその形成時に実質的に維持された。このウエブは、横方向のその元の幅の3倍
まで一軸延伸された。その延伸温度は約90℃であった。その結果得られたフィ
ルムは、延伸方向に偏光された550nmの光に対して1.5128(n)と
、非延伸および厚み方向の両方(nとnとのそれぞれ)に偏光された550
nmの光に対して1.5142との屈折率を有するほぼ88.5μmの厚みであ
った。
【0045】 上記フィルムのリターデーション値は、測定され、等式(1)を使用して決定
されたリターデーション値と比較された。図2Aは、垂直、10°、30°およ
び40°の入射角でフィルムに対し、測定されたリターデーション値201と、
等式(1)を用いて測定された屈折率から得られたリターデーション値との比較
を示す。入射角が垂直から40度まで増加するとリターデーションの差は、垂直
入射リターデーションのほぼ10%(13nm)となる。対照的に、同様の垂直
リターデーションを有するポリプロピレンフィルムは、40°の入射角において
ほぼ50%(60nm)だけ異なる。ポリスチレンフィルムのリターデーション
は、40°の非垂直における入射光に対してほぼ80%(100nm)だけ降下
するが、垂直角度の入射で許容可能なリターデーション性能を有する。
【0046】 等式(1)を使用して、入射光が上記フィルムに対する垂直入射から移動する
ときのリターデーション差が決定された。図2Bは、様々な入射角におけるフィ
ルムのリターデーション値(nm)211、入射光が非垂直に移動するときのリ
ターデーションの変化213、および垂直入射角でのリターデーションを百パー
セントとしてそれぞれの入射角におけるリターデーションを列挙する。図2Cは
、入射角の関数としてフィルムのリターデーション値(nm)のプロットを示す
【0047】 第2アクリロニトリルを基材としたリターダーフィルムは、317.5μmの
厚みの光学的に等方性の押出されたフィルムを95℃の温度で横断方向にその元
の幅の4倍まで一軸延伸することによって製造された。その結果得られたフィル
ムはほぼ84μmであった。nが延伸方向に偏光された光に対する屈折率であ
る、各方向に沿って偏光された光に対する屈折率は、次のように488nm、5
50nmおよび700nmにおける光に対して測定された。
【0048】
【表1】
【0049】 図3Aは、様々な角度301におけるフィルム上への550nm入射光に対す
るリターデーション値(nm)303を列挙する表を示す。図3Aは、入射光が
垂直入射から移動するときのリターデーション(nm)の差305を列挙する。
図3Aは、垂直入射角におけるリターデーション値を百パーセントとして非垂直
入射角におけるリターデーション307をさらに列挙する。図3Bは、入射角の
関数としてリターデーション値(nm)を示す。図3Cは、角度の関数としてリ
ターデーション差(nm)を示す。これらの図に示されるように、アクリロニト
リルを基材としたリターダーの非垂直性能は、他のシングルフィルムリターダー
と比べて比較的均一であり、均一なリターデーションが広範囲の入射角に対して
要求される多数の用途にそのリターダーを巧く適するようにする。
【0050】 上述のように、アクリロニトリルを基材としたリターダーの非垂直性能の改善
は、nおよびn屈折率の整合の結果である。図4A〜4Bは、いかにn
よびn間の差の増加がリターダーの非垂直性能に影響するかを示す。図4Aで
は、入射角の関数として、アクリロニトリルを基材としたリターダーのリターデ
ーション値401は、図3A〜3Cと関連して説明されたリターダーに対して示
される。列403、405および407は、屈折率nおよびnの差が0.0
003から0.0009までそれぞれ増すときの同じ垂直軸リターデーション値
を有するリターダーの非垂直性能を示す。広角入射でのリターデーションは大き
く変わる。
【0051】 図4Aに示されるように、nとn間の差が大きくなると、より大きい入射
角でのリターデーションの降下を増大させる。ある用途では、垂直入射と60°
の入射との間の全体のリターデーション差は、垂直入射リターデーションの約2
0%(例えば、20〜30nm)未満であるのが望ましい。これは、実質的に等
しいnおよびn屈折率を有するアクリロニトリルを基材としたリターダーを
用いて得られる。例えば、上記データが示すように、屈折率が少なくとも小数点
以下第四位まで等しいと、比較的均一な広角性能となる。図4Bは、上記フィル
ムの非垂直リターデーション411の、屈折率から計算したものとの比較をプロ
ットする。
【0052】 図4Aおよび4Bのデータで示されるように、nおよびnの僅かな変化で
もリターダーの非垂直性能に強い影響を与える。これは、アクリロニトリルを基
材とした光学リターダーの、特に均一な広角性能が要求される用途で使用される
そのようなリターダーの特定の適用性を強化する。さらに、そのようなリターダ
ーは、均一な厚みおよび光学的特性を有する比較的大規模なリターダーの製造を
可能にし且つ比較的単純である方法を用いて製造できる。
【0053】 上記例では、ブタジエンエラストマ強化材料がアクリロニトリルを基材とした
リターダーに添加されるが、他のアクリロニトリルを基材としたリターダーも同
様の望ましい光学的性質を有することは理解されよう。一般に、他の適当な材料
は、それらがそのリターダーの光学的性能に強く影響を及ぼさない限り、そのリ
ターダーに添加されても良い。例えば、イソプレンを基材としたゴム、天然ゴム
などが使用されることもある。
【0054】 上述のように、アクリロニトリルを基材としたリターダーは、広範囲の入射角
で比較的均一なリターデーションを必要とする用途に特に適している。そのよう
な用途での、本発明のより特定的な実施例を以下で説明する。
【0055】 本発明の一実施例に従って、アクリロニトリルを基材としたリターダーは、リ
ターダーまたは偏光回転ミラーの基部として使用される。実例により、但しその
例に限定されることなく、特定の1/4波長ミラーを説明する。この1/4波長
ミラーは、90度だけ、そのミラーから反射した、直線偏光の偏光方向を回転す
るために使用される。一つの特定の1/4波長ミラー構成500が図5Aに示さ
れる。アクリロニトリルを基材としたリターダー501は、ミラー503の反射
面と平行な面に配置される。光源は直線偏光505を入射角φでミラーに入射さ
せる。リターダー501は、リターダー表面に対して垂直な角度(すなわち、φ
=0)でそのリターダー上の入射光がその波長の四分の一だけ遅延されるように
、入射光に関して方向付けられる。この構成で、直線偏光505は、それがリタ
ーダー501を透過すると、第1回転方向で、円偏光505Aに変換される。
【0056】 この円偏光505Aは、ミラー505の表面で反射する。ミラー503で反射
した光505Bは逆回転方向で円偏光される。その反射光は、角度φでリターダ
ー501上に戻される。この反射された円偏光505Bはリターダー501を二
度透過するので、もう1/4波長の位相差が導入されてその円偏光505Bを直
線偏光507に変換する。この反射した直線偏光507の偏光方向は、その入射
光505の初期偏光方向と実質的に直交する。
【0057】 当然理解されるように、上記説明は、垂直に入射し且つリターダー501を透
過する度に正確に1/4波長遅延すると仮定している。入射角φが垂直から変化
すると、相対的位相シフトがリターダー501の非垂直リターデーション偏差の
結果として影響を受ける。故に、直線偏光505がより大きな入射角でリターダ
ーを透過すると、リターダー501によって偏光内に導入された楕円率が増大す
る。非垂直入射光が反射すると、それは、実質的に平坦なミラーであると仮定し
て、再び入射角φでリターダーを透過して戻る。非垂直リターデーション差によ
って導入される楕円率は、第1透過によって導入された楕円率に加わる。
【0058】 上記議論が例示するように、初期直線偏光505がリターダーを二度透過する
。1/4波長ミラー500を反射した偏光507内に導入された楕円率は、入射
角で異なる。そのような楕円率は、反射光の直線偏光状態に頼るこれらの用途の
性能を低下させることとなる。故に、1/4波長ミラーおよび比較的広角入射を
用いる用途では、反射光が、90°だけ回転される偏光の方向で、実質的に直線
偏光されるように、非垂直リターデーション差を最小限に抑えることが望ましい
【0059】 上記からの理解されるように、アクリロニトリルを基材としたリターダーで構
成された1/4波長ミラー500は、比較的コストおよび複雑さを抑えて構成さ
れる形態で比較的均一な非垂直性能を提供する。この構成は、実質的な楕円率を
比較的大きな入射角における回転された直線偏光に導入することなく、直線偏光
の偏光方向の回転ができるようになる。一般に、非垂直入射角において導入され
た楕円率0からの任意の偏差が、約10%未満であることが望ましい。それらの
偏差は約5%未満であることがより好ましい。ある入射では、その楕円率が全入
射角に対して1%未満でなければならない。アクリロニトリルを基材としたリタ
ーダーの上記説明から分かるように、上記結果は、リターダーの特定広角光学性
能の故に得ることができる。
【0060】 図5Aにおいて、リターダー501は、ミラー503から分離された状態とし
て示される。図5Bにおいて、遅延ミラー510の他の実施例が示され、そこで
はアクリロニトリルを基材としたリターダー511が積層される、或いは接着剤
514でミラーに付着される。ミラー配置構成の光学的性能は、図5Aに関連し
て上述されたものとほぼ同じである。但し、その構成により導入されたいかなる
付加的要素にも考慮しなければならない。例えば、積層欠陥、接着剤の屈折率な
どが考慮されなければならない。
【0061】 例えば、図5Aおよび5Bで示されたタイプの、リターダーミラーを組み込む
光学系が、図6に示される。図6の光学系は、屈曲光路を組み込む投影ディスプ
レイシステム600である。屈曲光路投影ディスプレイシステムの略動作は、図
6で示される。以下でより詳細に説明されるように、この投影システム600は
、広範囲の入射角で動作しなければならない重要な要素としてアクリロニトリル
を基材とした1/4波長リターダー/ミラー配置構成605を組み入れる。ディ
スプレイシステム600の動作は、1/4波長リターダー/ミラー配置構成60
5で反射した光が大いに直線偏光される(例えば、最小限の楕円率を示す)こと
も必要である。そのようなシステムのより詳細な記述については、「Optic
al System Including a Reflective Pol
arizer for a Rear Projection Picture
Display Apparatus」の名称での米国特許第5,557,3
43号、および「Projecting Images」の名称での公開欧州出
願第EP 0,783,133号への参照が行われても良い。
【0062】 図6の光学系では、表示されるべき画像を表す光は、画像源601からスクリ
ーンアセンブリ603上に投影される。光源601からの光602は、第1方向
に直線偏光される。スクリーンアセンブリ603の後部表面は、反射偏光子を含
む。反射偏光フィルムは、Dual Brightness Enhancem
ent Film(DBEF)の名称でMinnesota Mining a
nd Manufacturing Company社から入手できる。他の反
射偏光フィルムは、「Optical Film」の名称で1995年3月10
日にファイルされた米国特許出願第08/402,041号、および「An O
ptical Film」の名称で1996年2月29日にファイルされた第0
8/610,092号に記載されており、その内容が引用によりここに含められ
る。
【0063】 スクリーンアセンブリの反射偏光子は、一方の特定直線偏光の光を反射し、逆
の(直交する)直線偏光の光を透過する。反射偏光子の向きおよび反射偏光子上
の初期入射光の偏光方向は、入射光がアクリロニトリルを基材とした遅延ミラー
アセンブリ605に向かって反射偏光子によって始めに反射されるようになって
いる。この遅延ミラーアセンブリ605は、図5Aおよび図5Bで示されたタイ
プのものであっても良く、90°だけ直線偏光の偏光方向を回転するように作用
する。
【0064】 動作時、直線偏光は、反射偏光子で反射し、遅延ミラー605上に入射する。
光は反射し、その偏光方向は、その偏光方向が反射偏光子の通過方向と整列配置
するように90°だけ回転される。故に、その光は視るためのスクリーンアセン
ブリ603を通過する。全ての光がスクリーンを通過して視る方の輝度が増すこ
とが望ましい。但し、元の偏光の方向に尚も整列配置された光の成分がスクリー
ンで反射されるので、光の若干の楕円性もスクリーンを通過する光の量を低減す
る。
【0065】 図6に示された光学的配列から理解されるように、光は広範囲の入射角φ1、
φ2、…φnでリターダーミラー605上に入射する。そのような用途では、最
大の入射角はかなり大きい。上述のように、リターダーミラー605で反射した
光に導入されたいかなる楕円率もディスプレイ装置の全体性能を低下させる。図
6に示された投影装置では、リターダーミラー605は、入射角が変化したとき
に反射光内に導入された楕円率を最小限に抑えることができるようにアクリロニ
トリルを基材としたリターダーから形成される。一般に、そのようなシステム内
のゼロの楕円率からの偏差が5%未満であることが望ましい。ある場合では、そ
の楕円率が1%未満であることが最も好ましい。上記議論は、垂直の入射角にお
いてゼロの楕円率であると仮定するが、垂直の入射角でリターダーミラー上に入
射する光も若干の楕円率でリターダーミラーから反射する場合、最大楕円率に対
する好適なパーセントも適切となる。
【0066】 上述のアクリロニトリルを基材としたリターダーは、上記許容範囲内の楕円率
変化を示す遅延ミラー内に組み込まれる。故に、アクリロニトリルを基材とした
リターダーミラーを組み入れる投影装置は、多くの典型的リターダーと比較して
改善した性能を有し、比較的安価に製造される。さらに、上述のように製造され
たアクリロニトリルリターダーは、ミラー表面および他の基材への積層に十分に
適している。
【0067】 図7は、本発明の他の特定実施例による光学的構成を示す。図7の実施例では
、アクリロニトリルを基材としたリターダー701は、防眩光学的構成に組み込
まれる。この防眩光学的構成は、例えば、二色偏光子など、吸収偏光子703を
含む。この偏光子703は、その偏光子上に入射する未偏光705を直線偏光す
る。アクリロニトリルを基材としたリターダー701は、吸収偏光子に対する向
きに配置されて直線偏光706を、第1回転方向を有する円偏光に変換する。円
偏光が、防眩構成で保護されている光学素子707の表面で反射する場合、その
光は、逆方向に回転する円偏光として反射する。その円偏光708はリターダー
701を透過して戻る。故に、上記遅延ミラーの場合、光の偏光方向は90°だ
け回転される。90°回転した光は、吸収偏光子に衝突するが、今回は吸収の方
向に直線偏光されて、それによって光学素子707の表面を反射した光が防眩構
造を出て行くのを禁止または防止する。
【0068】 光学素子707は、まぶしさを低減することが望まれる任意のタイプの反射表
面であっても良い。例えば、コンピュータモニターのスクリーンであっても良い
。そのような用途では、偏光子703およびアクリロニトリルを基材としたリタ
ーダー701は、従来から知られている様々な方法のいずれかで、モニターの前
面に付着、或いは配置される。当然ながら、その光学素子707がモニターであ
る場合には、そのモニターを出て行く光721は、アクリロニトリルを基材とし
たリターダー701を透過し、吸収偏光子703によって偏光されよう。
【0069】 リターダーミラーの上記説明においてと同様に、アクリロニトリルを基材とし
たリターダーの非垂直性能は、光学素子707で反射する光が、反射の際に吸収
偏光子703によって吸収されるべく正しく偏光されることを確実にするために
重要である。さらに、比較的大きな入射角φが反射防止光学的構造によって見ら
れることは理解されよう。例えば、コンピュータモニターは、反射や眩しさの原
因となる光源がそのモニターに関して比較的斜めの角度に配置されるような環境
でしばしば使用される。故に、リターダーの改善された広角性能が、保護されて
いる光学素子707からの眩しさまたは反射をさらに低減または除去するように
働く。
【0070】 一実施例では、入射光に対面する吸収偏光子703の表面は、偏光子からのい
かなる反射も低減するためにA/R被覆されても良い。この吸収偏光子703は
、積層される、或いはガラスまたは他のフィルムなどの基材に付着されても良い
。その基材は、A/R被覆されても良い。1/4波長フィルム701は、積層に
より、或いは基材に付着されても良い。ある場合には、これは、偏光子が付着さ
れる同じ基材であっても良い。様々な要素がガラス間で積層されても良い。一枚
以上のガラス表面がA/R被覆されても良い。
【0071】 上述のように、本発明は、多数の光学リターダーに適用可能である。光が広範
囲の角度でリターダーに入射するような用途で特に有用となると考えられる。故
に、本発明は、上述された特定例に限定されるものではなく、むしろ添付請求項
で適切に定義されたように本発明の全ての態様を含むものと理解されるべきであ
る。
【図面の簡単な説明】
本発明は添付の図と関連した本発明の様々な実施例の詳細な説明を考慮してよ
り完全に理解されよう。
【図1A】 本発明の一実施例によるリターダーを例示する。
【図1B】 本発明の一実施例によるリターダーを例示する。
【図2A】 本発明の実施例によるリターダーの特性を例示する。
【図2B】 本発明の実施例によるリターダーの特性を例示する。
【図2C】 本発明の実施例によるリターダーの特性を例示する。
【図3A】 本発明の実施例によるリターダーの特性を例示する。
【図3B】 本発明の実施例によるリターダーの特性を例示する。
【図3C】 本発明の実施例によるリターダーの特性を例示する。
【図4A】 本発明の実施例によるリターダーの特性を例示する。
【図4B】 本発明の実施例によるリターダーの特性を例示する。
【図5A】 本発明の一実施例による光学リターダーの特定用途を例示する
【図5B】 本発明の一実施例による光学リターダーの特定用途を例示する
【図6】 本発明の一実施例による光学リターダーの他の特定用途を例示す
る。
【図7】 本発明の一実施例による光学リターダーの他の特定用途を例示す
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,LS,M W,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY ,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM ,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY, CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,E S,FI,GB,GE,GH,GM,GW,HU,ID ,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ, LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD,M G,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT ,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL, TJ,TM,TR,TT,UA,UG,UZ,VN,Y U,ZW (72)発明者 ボイド,ゲイリー ティー. アメリカ合衆国,ミネソタ 55133−3427, セント ポール,ピー.オー.ボックス 33427 (72)発明者 クマー,ラメシュ アメリカ合衆国,ミネソタ 55133−3427, セント ポール,ピー.オー.ボックス 33427 Fターム(参考) 2H049 BA06 BA07 BA25 BA42 BB46 BB50 BB63 BC22 BC24 【要約の続き】

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 その平面に垂直な角度から少なくとも約30度の最大角度φ
    maxまで変化する比較的広範囲の入射角にわたってその上に入射する可視光を
    均一に遅延させるための光学リターダーであって、 基材と、 前記基材上に配置されたアクリロニトリルを基材とした重合体およびエラスト
    マ共重合体のフィルムであって、関係式 【数1】 で表現されるリターデーション量δを有し、 ここでnおよびnは前記フィルムの直交する平面内軸xおよびyに沿って
    偏光された関連の波長での光に対する前記フィルムの屈折率であり、dはxおよ
    びyの平面内軸と互いに直交するz軸の方向の前記フィルムの厚さであり、n
    は前記z軸に沿って偏光された関連の前記波長での光に対する前記フィルムの屈
    折率であり、φはx−z平面内の入射角である、フィルムとを具備し、 前記フィルムのリターデーション量δは、関連の前記波長での光の入射角φが
    垂直から前記最大角度φmaxまで変化するときに、垂直入射でのリターデーシ
    ョン量の約25%未満だけ変化する、光学リターダー。
  2. 【請求項2】 前記基材がミラーを具備する、請求項1記載の光学リターダ
    ー。
  3. 【請求項3】 垂直入射角での前記フィルムのリターデーション量δが約1
    10nm〜約150nmの範囲にある、請求項2記載の光学リターダー。
  4. 【請求項4】 前記基材がガラスを具備する、請求項1記載の光学リターダ
    ー。
  5. 【請求項5】 前記基材が重合体フィルムを具備する、請求項1記載の光学
    リターダー。
  6. 【請求項6】 前記重合体フィルムが等方性である、請求項5に記載の光学
    リターダー。
  7. 【請求項7】 前記重合体フィルムが複屈折である、請求項5に記載の光学
    リターダー。
  8. 【請求項8】 前記最大角度φmaxが少なくとも50度である、請求項1
    に記載の光学リターダー。
  9. 【請求項9】 前記リターデーション量δが前記入射角の範囲にわたって垂
    直入射リターデーション量の約15%未満だけ変化する、請求項8に記載の光学
    リターダー。
  10. 【請求項10】 前記最大角度φmaxが少なくとも60度である、請求項
    8に記載の光学リターダー。
  11. 【請求項11】 前記リターデーション量δが前記入射角の範囲にわたって
    垂直入射リターデーション量の約6%未満だけ変化する、請求項1に記載の光学
    リターダー。
  12. 【請求項12】 前記アクリロニトリルを基材にした共重合体が(メタ)ア
    クリレートモノマー又は複数のモノマーで共重合されたアクリロニトリルを具備
    する、請求項1に記載の光学リターダー。
  13. 【請求項13】 前記(メタ)アクリレートモノマーが、メチルアクリレー
    ト、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、
    または2−エチルヘキシルアクリレートから成るグループから選択されたモノマ
    ーを具備する、請求項12に記載の光学リターダー。
  14. 【請求項14】 前記(メタ)アクリレートモノマーがメチルアクリレート
    を具備する、請求項12に記載の光学リターダー。
  15. 【請求項15】 前記エラストマ共重合体が、アクリロニトリルで共重合化
    されたブタジエンを具備する、請求項14に記載の光学リターダー。
  16. 【請求項16】 その平面に垂直な角度から少なくとも約30度の最大角度
    φmaxまで変化する広範囲の入射角にわたってその上に入射する可視光を遅延
    させる際に使用する光学リターダーであって、 アクリロニトリルを基材とした重合体およびエラストマ共重合体のブレンドか
    ら成るフィルムであって、関係式 【数2】 で表現される平面内リターデーション量δinを有し、ここでnおよびn
    は前記フィルムの直交する平面内軸xおよびyに沿って偏光された関連の波長で
    の光に対する前記フィルムの屈折率であり、dはxおよびyの平面内軸と互いに
    直交するz軸の方向の前記フィルムの厚さであり、関係式 【数3】 で表現される平面外リターデーション量δoutをさらに有し、ここでn
    前記z軸に沿って偏光された関連の前記波長での光に対する前記フィルムの屈折
    率であり、φはx−z平面内の平面外入射角である、フィルムを具備し、 前記最大角度φmaxで前記フィルムに入射する関連の前記波長の光に対して
    前記平面内リターデーションδinと平面外リターデーションδoutとの間の
    リターデーション量差Δδが、前記平面内リターデーションδinの約25%未
    満である、光学リターダー。
  17. 【請求項17】 前記最大角度φmaxが少なくとも50度である、請求項
    16に記載の光学リターダー。
  18. 【請求項18】 前記リターデーション量差Δδが前記平面内リターデーシ
    ョンδinの約15%未満である、請求項17に記載の光学リターダー。
  19. 【請求項19】 前記最大角度φmaxが少なくとも60度である、請求項
    16に記載の光学リターダー。
  20. 【請求項20】 前記リターデーション量差Δδが前記平面内リターデーシ
    ョンδinの約6%未満である、請求項16に記載の光学リターダー。
  21. 【請求項21】 反射した光が初期偏光方向と直交する方向に実質的に直線
    偏光されるように、前記初期偏光方向に直線偏光された可視光を反射する遅延ミ
    ラー、前記光が前記遅延ミラーの平面に垂直な角度から少なくとも約15度の最
    大角度φmaxまで変化する角度で前記リターダーミラーに入射する、前記遅延
    ミラーであって、 実質的に平坦な反射基材と、 前記反射基材と平行に配置された延伸済みアクリロニトリルを基材にした重合
    体リターダーフィルムであって、関係式 【数4】 で表現されるリターデーション量δを有し、ここでnおよびnは前記フィル
    ムの直交する平面内軸xおよびyに沿って偏光された関連の波長の光に対する前
    記リターデーションフィルムの屈折率であり、dはxおよびyの平面内軸と互い
    に直交するz軸の方向の前記リターデーションフィルムの厚さであり、nは前
    記z軸に沿って偏光された関連の前記波長の光に対する前記リターデーションフ
    ィルムの屈折率であり、φは、前記光が前記遅延ミラーに入射する前記x−z平
    面内の角度を表す、重合体リターダーフィルムとを具備し、 前記最大角度φmaxで前記遅延ミラーに入射する関連の前記波長での反射光
    についての前記遅延ミラーによって導入された楕円率は、前記遅延ミラーの表面
    に垂直な角度で前記遅延ミラーに入射する関連の前記波長での前記反射光の楕円
    率の25%以内である、遅延ミラー。
  22. 【請求項22】 部分的反射表面に配置され、前記表面からの可視光の反射
    を実質的に低減するために比較的広範囲の入射角にわたって有効な反射防止(A
    R)光学素子であって、 入射光源と前記反射表面との間に配置された吸収偏光子と、 前記偏光子と前記反射表面との間に配置され、アクリロニトリルを基材とした
    重合体フィルムから構成されたリターダーであって、前記偏光子によって透過さ
    れた偏光を受け、関係式 【数5】 で表現されるリターデーション量だけ前記偏光を遅延させ、ここでnおよび
    は前記フィルムの直交する平面内軸xおよびyに沿って偏光された関連の波
    長での光に対する前記フィルムの屈折率であり、dは前記xおよびy平面内軸と
    相互に直交するz軸の方向の前記フィルムの厚みであり、nは前記z軸に沿っ
    て偏光された関連の波長での光に対する前記フィルムの屈折率であり、φは、前
    記光が前記偏光子から前記フィルムに透過される前記x−z平面内の角度を表す
    、リターダーとを具備し、 ブレンドしたフィルムの表面に垂直な角度で前記ブレンドしたフィルム上に入
    射する関連の波長の光に対するリターデーション量δφ=0が、垂直入射から測
    定して、少なくとも約30°の最大入射角で前記フィルム上に入射する関連の波
    長の光に対するリターデーション量δφmaxの15%以内である、反射防止光
    学素子。
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