JP3313408B2 - 位相差素膜、位相差板およびそれを用いた液晶表示装置 - Google Patents
位相差素膜、位相差板およびそれを用いた液晶表示装置Info
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Description
トラスト比を改善した液晶表示装置を与えることのでき
る位相差素膜、位相差板および液晶表示装置に関するも
のである。
偏光板/駆動用液晶セル/色相補償用液晶セル/第2偏
光板の構成を有するSTN液晶表示装置が開発されてい
る。(「日経マイクロデバイス、1987年8月号、3
6〜38頁」および「日経マイクロデバイス、1987
年10月号、84〜88頁」の記事参照)
なり、駆動用液晶セルを通過する間に位相差を生じて楕
円偏光となるが、そのときの楕円率および方位角は各波
長により異なる。しかしながら、駆動用液晶セルを経た
透過光は色相補償用液晶セルを通過する間に逆方向にツ
イストされ、楕円偏光は再び直線偏光となり(つまり位
相差が打ち消され)、第2の偏光板を経て取り出され
る。これにより、透過光の波長依存性はなくなり、実質
的に白黒表示となる。従って、もし必要ならカラーフィ
ルターを付加してフルカラー化することもできる。
晶セルを用いるSTN液晶表示装置は、厚さが厚く、重
量が大で、かつコストが高くなるという不利があり、ま
た反射型にすると暗くなりすぎるという問題もある。
液晶セルに代えて、一軸延伸した高分子フィルムからな
る位相差素膜の両面に光等方性のフィルムを積層した位
相差板を用いる方式(以下FTNモードと呼ぶ)が注目
されている。このFTNモードの液晶表示装置の基本構
成は、偏光板/液晶セル/位相差板/偏光板である。
昭64−519号公報には、上記の目的の一軸延伸フィ
ルムとしてポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリ
エーテルアミド、ポリエチレンなどが使用できることが
示されている。
ビニルアルコールまたはその誘導体からなるフィルムを
一軸方向に延伸した後、ホウ酸を含む水溶液で処理した
フィルムの両面または片面に光学的に無配向の高分子フ
ィルムを貼合した位相差板が示されている。ここでポリ
ビニルアルコールの誘導体とは、ポリビニルブチラー
ル、ポリビニルホルマールなどのポリビニルアセタール
である。
平1−124821号公報には、配向された合成樹脂フ
ィルムからなる光学的位相差素膜フィルムまたはその少
なくとも片面に光等方性非晶質フィルムを積層した光学
的位相差基板を、液晶セルを構成する一方の透明電極支
持用基板として用いることが示されている。また特開平
1−127329号公報には、上と同じ光学的位相差基
板を、粘着剤層を介して剥離シート上に積層した光学的
位相機能を有する積層体が示されている。そしてこれら
の公報には、上記の位相差素膜フィルム用の高分子とし
て、ポリカーボネート、フェノキシ樹脂、ポリパラバン
酸樹脂、フマール酸樹脂、ポリアミノ酸樹脂、ポリスチ
レン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリ
ーレンエステル、ポリビニルアルコール、エチレン−ビ
ニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリメチル
メタクリレート、ポリエステル、セルロース系高分子な
どが用いられることが記載されている。なおこれらの出
願および次に述べる特開平2−158701号公報の出
願は、いずれも本出願人のうちのもう一人の出願にかか
るものである。
向した流延法フィルムからなるレターデーション値30
〜1000nmの複屈折性単位フィルムの複数層をそれぞ
れの光軸方向を同一方向に合せた状態で積層一体化した
複屈折性多層フィルムからなる複合位相板が示されてお
り、フィルム素材としては、フェノキシエーテル型架橋
性樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂な
どの架橋性樹脂、ポリカーボネート、ポリアリーレンエ
ステル、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、
ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、エチレン−ビニルアル
コール共重合体、ポリビニルアルコール、アモルファス
ポリオレフィン、フマール酸樹脂、ポリアミノ酸樹脂、
ABS樹脂などが用いられることが記載されている。
変動の存在しない熱可塑性高分子フィルムを押出方向に
対して直角方向に一軸または二軸に延伸して形成される
フィルムからなり、そのレターデーション値が1200
nm以下であり、そのレターデーション値のフレ幅が10
%以下である主として位相差板用の光学用フィルムが示
されており、熱可塑性高分子としては、ポリカーボネー
ト系樹脂、ポリ(メタ)アクリレート系樹脂、ポリスチ
レン系樹脂、アクリロニトリル系樹脂、ポリエステル系
樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル共重
合体等)、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、
ポリオレフィン系樹脂、ポリサルフォン、ポリエーテル
サルフォン、フッ素系樹脂などが用いられるとしてあ
る。
固有複屈折値を有する分子が面配向したフィルムと正の
固有複屈折値を有する高分子から形成される一軸延伸フ
ィルムとを、液晶セルと偏光板との間に挿入してなる液
晶表示装置が示されており、前者の高分子の例としては
ポリスチレン系重合体またはアクリル酸エステル系重合
体が、後者の高分子の例としてはポリカーボネート、ポ
リアリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエー
テルスルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェ
ニレンオキサイド、ポリアリルスルホン、ポリアミドイ
ミド、ポリオレフィン、ポリアクリロニトリル、セルロ
ース、ポリエステルなどがあげられている。
ビニルアルコールフィルムを一軸方向に延伸して得られ
るレターデーション値が300〜800nmの位相差フィ
ルムにポリサルフォン系またはポリアリレート系フィル
ムを積層してなる位相差板が示されている。
数列挙した文献に記載の高分子から作製した一軸延伸フ
ィルムからなる位相差素膜またはその両面または片面に
光等方性フィルムを積層した位相差板によっては、ST
Nセルによって生じた位相差を光の全ての波長にわたっ
て補償することができず、着色を生じたり、コントラス
ト比が低くなるという問題を充分には解決できなかっ
た。
用液晶セルを用いるSTN液晶表示装置の問題点である
厚さおよび重量については解決しながらも、着色やコン
トラスト比についてはなお色相補償用液晶セルを用いる
方式に比し劣っており、この点が高分子フィルムからな
る位相差板を用いたFTNモードの重大な解決課題とな
っている。
は位相差板を色相補償に用いたFTNモードにおいて、
従来懸案となっていた着色やコントロール比の問題を根
本的に解決することを目的になされたものである。
屈折率nD が1.60以上、アッベ数νD が30.0以下、ガラ
ス転移点Tg が60〜160℃のフィルムを与える高分
子(A) と屈折率nD が1.60未満のフィルムを与える高分
子(B) との組成物から製膜された高分子フィルムを少な
くとも一軸方向に延伸した延伸フィルムからなるもので
ある。また、本発明の液晶表示装置は、上記位相差素膜
が液晶セルを挟持する一対の偏光板間に少なくとも一層
形成されてなることを特徴とするものである。
ン値Rが60〜1000nmでありかつ式 νRF=△n・d (450nm)/△n・d (590nm) で定義される波長分散値νRFが1.10以上であることが特
に望ましい。
膜の少なくとも片面に光等方性フィルムを積層してなる
ものである。また、本発明の別な液晶表示装置は、上記
位相差板が、液晶セルを挟持する一対の偏光板間に少な
くとも一層形成されてなることを特徴とするものであ
る。
れる。
準拠して測定したD線(589nm)に対する屈折率を言
い、屈折率nD が1.60未満のときは、他の条件を満たし
ていても着色やコントラスト比の問題を解決することが
できない。
(nF −nC )で表わされる指標であり、nD 、nF 、
nC はそれぞれD線(589nm)、F線(486nm)、
C線(656nm)に対する屈折率である。このアッベ数
νD が30.0を越えるときは、他の条件を満たしていても
着色やコントラスト比の問題を解決することができな
い。
にあることも要求され、ガラス転移点Tg が60℃未満
では耐熱性が不足し、一方ガラス転移点Tg が160℃
を越えるときには延伸性が損なわれる。
ては、臭素化または塩素化されたフェノキシエーテル系
重合体、ポリエチレンナフタレート、ビスフェノール−
芳香族ジカルボン酸重縮合体(ビスフェノールA、テト
ラブロモビスフェノールA、1,1−ビス−(4−ヒド
ロキシフェニル)−シクロヘキサン、4,4’−ジヒド
ロキシテトラフェニルメタン、ビスフェノールSなどの
ビスフェノールと、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフ
タレン−2,6−ジカルボン酸、ピリジン−2,5−ジ
カルボン酸、ジフェニル−4,4−ジカルボン酸などの
ジカルボン酸またはその誘導体との重縮合物)、ポリビ
ニルナフタレン、ポリビニルカルバゾール、ポリペンタ
ブロモフェニルメタクリレート、ポリペンタクロロフェ
ニルメタクリレート、ポリα−ナフチルメタクリレー
ト、ポリp−ジビニルベンゼンなどが例示される。該高
分子(A) は、共重合体(グラフト共重合体を含む)、共
存重合体、後変性物、ブレンド物などであってもよい。
素化されたフェノキシエーテル系架橋性樹脂およびポリ
エチレンナフタレートが特に重要である。これらの高分
子からのフィルムの特性値は、その分子量、製膜法、ハ
ロゲン化度などによっても左右されるが、代表的な特性
値は次の通りである。
る高分子フィルムは、下記のように屈折率nD 、アッベ
数νD またはガラス転移点Tg が上記の範囲からはずれ
ており、所期の目的を充分には果たしえない。
体:nD が 1.60 弱 ポリテトラフルオロエチレン:nD が1.35
を与える高分子が用いられる。ただし極端に屈折率nD
が小さくなると高分子(A) に配合して製膜したときに光
の散乱を生ずるので、屈折率nD は1.50以上であること
が望ましい。
アッベ数νD については特に限定はなく、アッベ数νD
が30.0以下であっても30.0を越えていてもよいが、30.0
以下であるものは少ないので、通常は30.0を越えている
場合が多い。ガラス転移点Tg についても、高分子(A)
とのブレンドにより耐熱性や延伸性が確保されるので、
60℃未満であっても160℃を越えていても差し支え
ない。
ボネート、フェノキシエーテル系重合体、ポリスチレ
ン、ナイロン6、ポリブチレンテレフタレート、ポリア
リレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリ
フェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキサイド、
ポリパラバン酸樹脂などが例示される。
を製膜することにより高分子フィルムが得られる。製膜
法としては流延法や溶融成形法が採用される。
点Tg よりも5〜40℃、殊に10〜30℃程度高い温
度あるいはその前後の温度で行うのが通常であり、延伸
後にはエイジングを行うことが好ましい。延伸倍率は一
方向におおむね 1.1〜6倍、殊に 1.2〜4倍に延伸する
ことが多い。直角方向の延伸倍率を制限するか直角方向
の収縮を抑制した状態で一方向に延伸することも可能で
あり、この場合は二軸延伸になる。
0〜1000nmであることが特に望ましい。延伸フィル
ムのレターデーション値Rが60nm未満では位相差機能
が不足し、一方1000nmを越えるときはフィルム厚を
極端に厚くしなければならないところ、そのように厚く
すると光学的均一製が損なわれる上、色相補償効果が減
少する。
それと直角方向の屈折率、n2 はn1 方向と直交する屈
折率、なお屈折率はナトリウムD線に対するもの)で示
される指標である。
値νRFが1.10以上であることが特に望ましい。ここで波
長分散値νRFとは、式 νRF=△n・d (450nm)/△n・d (590nm) で定義される指標であり、この値が1.10未満では分散性
が不足し、表示の着色およびコントラスト比の問題を解
決することができない。波長分散値νRFは、1.10〜1.18
というように液晶と同程度の値を有することが好ましい
が、液晶セルの補償条件によっては 1.2以上というよう
な大きな値で顕著な色相補償効果が現れる場合もある。
よび波長分散値νRFが得られるように、高分子(A) と高
分子(B)との配合割合、高分子フィルムの厚さや延伸条
件を選ぶべきである。高分子(A) と高分子(B)との配合
割合は、重量比で20:80〜95:5、好ましくは3
0:70〜90:10の範囲から選択することが多い
が、必ずしもこの範囲に限られるものではない。
とも片面に光等方性フィルムを積層して保護し、位相差
板とするのが通常である。
ルロース系高分子(たとえばセルローストリアセテー
ト)、ポリカーボネート、ポリパラバン酸系樹脂、ポリ
スチレン、ポリエーテルスルホン、ポリアリーレンエス
テル、ポリスルホン、ポリ塩化ビニル、ポリ−4−メチ
ルペンテン、ポリフェニレンオキサイド、耐透気性樹
脂、架橋性樹脂硬化物などがあげられる。ここで耐透気
性樹脂とはポリビニルアルコール、エチレン−ビニルア
ルコール共重合体、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビ
ニリデンなど、架橋性樹脂硬化物とはフェノキシエーテ
ル型架橋性樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、アクリ
ルエポキシ樹脂、ウレタン樹脂などであり、単層フィル
ムのみならず、たとえばエチレン−ビニルアルコール共
重合体/フェノキシエーテル型架橋性樹脂など複層構成
のフィルムを用いることもできる。光等方性フィルムの
レターデーション値は30nm以下、さらには10nm以下
であることが望ましい。
とも片面に感圧性接着剤層を介して剥離シートを積層す
ると、液晶表示装置製造に供するまでの取り扱い上有利
である。
れに偏光板を積層一体化して偏光板付き位相差板とした
り、液晶セルの基板としてあるいは液晶セル製造前の基
板に積層一体化して位相差板付き液晶セル基板とするこ
ともできる。
TN(スーパー・ツイステド・ネマチック)方式の液晶
表示装置に用いる色相補償、つまりFTNモードに用い
る位相差素膜または位相差板として特に有用である。そ
のほか、ゴーグル用透明体、防眩用透明体、光学用フィ
ルターなどの用途にも用いることができる。
以上、アッベ数νD が30.0以下、ガラス転移点Tg が6
0〜160℃の高分子フィルムを少なくとも一軸方向に
延伸したものは、波長分散値νRFが大きくなるという
「素質」を有することが見い出された。従って、このよ
うな特性値を有する高分子フィルムを選択し、厚さを加
味して延伸すると、レターデーション値が60〜100
0nmでかつ波長分散値νRFが1.10以上である延伸フィル
ムを得ることができる。この延伸フィルムは波長分散値
νRFが大きいので、これを位相差素膜として用いると
(2枚以上用いることもできる)、着色およびコントラ
スト比を顕著に改善することができる。
高分子は一般に高価であり、また製膜性や延伸性も必ず
しも円滑であるとは限らないので、コスト的に不利とな
る上、製造工程上も高度の技術を要することがある。そ
こで本発明においては、高分子(B) の屈折率nD に留意
して光の散乱が起きないようにしながら高分子(B) を高
分子(A) に配合してバランスをとると共に、必要なレタ
ーデーション値Rおよび波長分散値νRFを確保するので
ある。
る。以下「部」とあるのは重量部である。
4、DSCで測定したガラス転移点Tg 149℃を与え
る下記の化1で示される臭素含量52.9重量%の臭素化フ
ェノキシエーテル樹脂(東都化成株式会社製のYPB−
43C)と、流延製膜したときに屈折率nD 1.59、アッ
ベ数νD 30.3、DSCで測定したガラス転移点Tg 13
5℃を与えるポリカーボネートとを準備した。
に、上記の臭素化フェノキシエーテル樹脂20部および
ポリカーボネート5部をシクロヘキサノン75部に溶解
した溶液を流延した後、残留溶媒量が5重量%になるま
で不完全乾燥させてから、ポリエステルフィルムより剥
離し、ついで残留溶媒がなくなるまで乾燥した。得られ
たフィルムの厚さは110μm 、屈折率nD は1.63、ア
ッベ数νD は25、DSCで測定したガラス転移点Tg
は138℃、レターデーション値Rは2nmであった。
に2倍延伸した後、同温度で8秒間エイジングを行って
から両耳端部をカットした。これにより、厚さが78μ
m 、レターデーション値Rが575nm、波長分散値νRF
が1.13の延伸フィルムからなる位相差素膜が得られたの
で、この位相差素膜の両面に厚さ60μm のセルロース
トリアセテートフィルムからなる光等方性フィルムをウ
レタン系接着剤により積層接着して位相差板を作製し
た。
製剥離シートの剥離処理面に厚さ30μm のアクリル系
感圧性接着剤層を形成した感圧性接着剤層付き剥離シー
トを用意し、上記で得た位相差板の両面に積層した。位
相差板の使用時には剥離シートのみを剥離除去しながら
対象物に貼着することになる。
/位相差板/偏光板よりなる構成の液晶表示装置を作製
した。図1に本実施例の位相差板を用いた液晶表示装置
の概略図を示す。液晶セル(102) には透明電極(104) と
ラビング処理された配向膜(105) が形成された基板(10
3) がスペーサー(106) を介して対向し液晶(107) が充
填されている。この液晶セル(102) の下側に位相差板(1
09) があり、これを上側偏光板(101) と下側偏光板(10
8) で挟んでいる。図1の液晶表示装置を上から見た場
合の各軸の関係を図4に示す。(401) は液晶のねじれ角
の大きさ、(403) は水平方向から液晶セルの上側基板の
ラビング方向(402) までの角度、(404) は液晶セル(10
2) の下側基板のラビング方向。(406) は水平方向から
上側偏光板の偏光軸方向(405) までの角度、(408) は水
平方向から下側偏光板の偏光軸方向(407) までの角度、
(410) は水平方向から位相差板の延伸軸方向(409) まで
の角度である。角度の方向は時計回りを正とする。液晶
の屈折率異方性Δnとセル厚dとの積Δndを0.86μm
とした。このとき液晶のねじれ角(401) を下から上に向
かって右回りの240度、角度(403) を30度、角度(4
06) を65度、角度(408)を95度、角度(410) を50
度とした。偏光板としては、ポリビニルアルコール−ヨ
ウ素系偏光素膜の両面にセルローストリアセテートフィ
ルムを貼着した可視光線透過率42%、偏光度99%の
偏光板を用い、液晶セルに封入する液晶としては波長分
散値νLCが1.14となるネマチック液晶を用いた。この液
晶は下記の化2の組成物からなっている。
ト比が大幅に改善されている上、明るさについても若干
改善されており、色相補償用液晶セルを用いる方式の液
晶表示装置と実質的に遜色のないものであった。なお、
位相差板の代わりに位相差素膜を用いても良い。
8、DSCで測定したガラス転移点Tg 113℃を与え
るポリエチレンナフタレートと、溶融製膜したときに屈
折率nD 1.56、アッベ数νD 36、DSCで測定したガ
ラス転移点Tg 72℃を与えるポリエチレンテレフタレ
ートとを準備した。
チレンテレフタレートとの重量比で70:30の組成物
を押出機に供給して温度290℃で溶融製膜し、厚さ9
2μm 、ガラス転移点Tg が108℃、レターデーショ
ン値Rが18nmのフィルムを得た。
に 1.9倍延伸した後、同温度で4秒間エイジングを行っ
てから両耳端部をカットした。これにより、厚さが65
μm、レターデーション値Rが575nm、波長分散値ν
RFが1.15の延伸フィルムからなる位相差素膜(位相差
板)が得られた。
て液晶表示装置を作製した。この液晶表示装置は着色お
よびコントラスト比が大幅に改善されており、色相補償
用液晶セルを用いる方式の液晶表示装置と実質的に遜色
のないものであった。
シエーテル樹脂を用いたほかは実施例1を繰り返したと
ころ、実施例1に準ずる好ましい結果が得られた。
さは170μm 、屈折率nD は1.59、アッベ数νD は3
0.3、ガラス転移点Tg は140℃、レターデーション
値Rは7nmであった。
に2倍延伸した後、温度165℃で6秒間エイジングを
行ってから両耳端部をカットし、厚さ110μm 、レタ
ーデーション値Rが570nm、波長分散値νRFが1.09の
延伸フィルムからなる位相差素膜を得た。
m のセルローストリアセテートフィルムからなる光等方
性フィルムをウレタン系接着剤により積層接着して位相
差板を作製した。
て液晶表示装置を作製した。この液晶表示装置は表示が
青色に着色し、コントラスト比が低かった。
リビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重
合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレ
フタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化
ビニル、ポリスチレン、フェノキシエーテル系重合体、
ポリアクリロニトリルについても延伸倍率 1.5〜4の一
軸延伸フィルムを作製し、その両面にセルローストリア
セテートフィルムからなる光等方性フィルムを貼着して
位相差板としてから液晶表示装置に組み込んだが、比較
例1と同様に表示が着色し、コントラスト比が低かっ
た。
8、DSCで測定したガラス転移点Tg 113℃を与え
るポリエチレンナフタレートと、溶融製膜したときに屈
折率nD 1.56、アッベ数νD 36、DSCで測定したガ
ラス転移点Tg 72℃を与えるポリエチレンテレフタレ
ートとの重量比で70:30の組成物を押出機に供給し
て溶融製膜した後、一方向に延伸し、厚さ78μm 、レ
ターデーション値Rが420nm、波長分散値νRFが1.14
の位相差素膜を得た。
晶セル/位相差素膜/位相差素膜/偏光板よりなる構成
の液晶表示装置を作製した。図2に本実施例の位相差素
膜を用いた液晶表示装置の概略図を示す。液晶セル(20
2) には透明電極(204) とラビング処理された配向膜(20
5) が形成された基板(203) がスペーサー(206) を介し
て対向し液晶(207) が充填されている。この液晶セル(2
02) の下側に位相差素膜(209) ,(210) があり、これを
上側偏光板(201) と下側偏光板(208) で挟んでいる。図
2の液晶表示装置を上から見た場合の各軸の関係を図5
に示す。(501) は液晶のねじれ角の大きさ、(503) は水
平方向から液晶セル(202) の上側基板のラビング方向(5
02) までの角度、(504) は液晶セル(202) の下側基板の
ラビング方向。(506) は水平方向から上側偏光板の偏光
軸方向(505) までの角度、(508) は水平方向から下側偏
光板の偏光軸方向(507) までの角度、(510) は水平方向
から上側位相差素膜の延伸軸方向(509) までの角度、(5
12) は水平方向から下側位相差素膜の延伸軸方向(511)
までの角度である。角度の方向は時計回りを正とする。
液晶の屈折率異方性Δnとセル厚dとの積Δndを0.86
μm とした。このとき液晶のねじれ角(501) を下から上
に向かって右回りの204度、角度(503) を30度、角
度(506) を0度、角度(508) を90度、角度(510) を7
0度、角度(512) を30度とした。この液晶表示装置
は、実施例2よりもさらに着色およびコントラスト比が
改善されており、色相補償用液晶セルを用いる方式の液
晶表示装置と遜色のないものであった。なお、偏光板と
液晶セルの間に、上記位相差素膜2枚の代りに上記位相
差素膜と異なるレターデーション値Rを有する位相差素
膜を3枚以上用いることによっても、上記と同様に着色
およびコントラスト比をさらに改善することができる。
なお、位相差素膜の代わりに位相差板を用いても良い。
8、DSCで測定したガラス転移点Tg 113℃を与え
るポリエチレンナフタレートと、溶融製膜したときに屈
折率nD 1.56、アッベ数νD 36、DSCで測定したガ
ラス転移点Tg 72℃を与えるポリエチレンテレフタレ
ートとの重量比で75:25の組成物を押出機に供給し
て溶融製膜した後、一方向に延伸し、厚さ85μm 、レ
ターデーション値Rが400nm、波長分散値νRFが1.06
の位相差素膜を得た。
相差素膜/液晶セル/位相差素膜/偏光板よりなる構成
の液晶表示装置を作製した。図3に本実施例の位相差素
膜を用いた液晶表示装置の概略図を示す。液晶セル(30
2) には透明電極(304) とラビング処理された配向膜(30
5) が形成された基板(303) がスペーサー(306) を介し
て対向し液晶(307) が充填されている。この液晶セル(3
02) の両側に位相差素膜(309) ,(310) があり、これを
上側偏光板(301) と下側偏光板(308) で挟んでいる。図
3の液晶表示装置を上から見た場合も各軸の関係は図5
と同様に示すことができる。このときも角度の方向は時
計回りを正とする。液晶の屈折率異方性Δnとセル厚d
との積Δndを0.86μm とした。このとき液晶のねじれ
角(501) を下から上に向かって右回りの240度、角度
(503) を30度、角度(506) を80度、角度(508) を1
0度、角度(510) を110度、角度(512) を70度とし
た。この液晶表示装置は、実施例2よりもさらに着色お
よびコントラスト比が改善されており、色相補償用液晶
セルを用いる方式の液晶表示装置と遜色のないものであ
った。なお、液晶セルの両側に配した位相差素膜の一方
または双方に上記位相差素膜と異なるレターデーション
値Rを有する位相差素膜を2枚以上用いることによって
も、上記と同様に着色およびコントラスト比をさらに改
善することができる。また、位相差素膜の代わりに位相
差板を用いても良い。
高分子(A) と高分子(B) とを巧みに組み合わせて製膜
し、ついで延伸することにより、必要なレターデーショ
ン値Rおよび波長分散値νRFを有する延伸フィルムを得
ているので、この位相差素膜または位相差板を組み込ん
だ液晶表示装置は、FTNモードの利点である軽さ、薄
さ、明るさを生かしながら、その欠点であった表示の着
色と低いコントラスト比が顕著に改善されている。
を示す概略図である。
造を示す概略図である。
造を示す概略図である。
係を示す図である。
係を示す図である。
度、 (404) …下側基板のラビング方向、 (405) …上側偏光板の偏光軸方向、 (406) …水平方向から上側偏光板の偏光軸方向までの角
度、 (407) …下側偏光板の偏光軸方向、 (408) …水平方向から下側偏光板の偏光軸方向までの角
度、 (409) …位相差板の延伸軸方向、 (410) …水平方向から位相差板の延伸軸方向までの角
度、 (501) …液晶のねじれ角の大きさ、 (502) …上側基板のラビング方向、 (503) …水平方向から上側基板のラビング方向までの角
度、 (504) …下側基板のラビング方向、 (505) …上側偏光板の偏光軸方向、 (506) …水平方向から上側偏光板の偏光軸方向までの角
度、 (507) …下側偏光板の偏光軸方向、 (508) …水平方向から下側偏光板の偏光軸方向までの角
度、 (509) …上側位相差素膜の延伸軸方向、 (510) …水平方向から上側位相差素膜の延伸軸方向まで
の角度、 (511) …下側位相差素膜の延伸軸方向、 (512) …水平方向から下側位相差素膜の延伸軸方向まで
の角度
Claims (5)
- 【請求項1】屈折率nD が1.60以上、アッベ数νD が3
0.0以下、ガラス転移点Tg が60〜160℃のフィル
ムを与える高分子(A) と屈折率nD が1.60未満のフィル
ムを与える高分子(B) との組成物から製膜された高分子
フィルムを少なくとも一軸方向に延伸した延伸フィルム
からなる位相差素膜。 - 【請求項2】延伸フィルムのレターデーション値Rが6
0〜1000nmでありかつ式 νRF=△n・d (450nm)/△n・d (590nm) で定義される波長分散値νRFが1.10以上である請求項1
記載の位相差板。 - 【請求項3】請求項1記載の位相差素膜の少なくとも片
面に光等方性フィルムを積層してなる位相差板。 - 【請求項4】請求項1の位相差素膜が液晶セルを挟持す
る一対の偏光板間に少なくとも一層形成されてなること
を特徴とする液晶表示装置。 - 【請求項5】請求項3の位相差板が液晶セルを挟持する
一対の偏光板間に少なくとも一層形成されてなることを
特徴とする液晶表示装置。
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JP17318491 | 1991-06-17 | ||
JP18183192A JP3313408B2 (ja) | 1991-06-17 | 1992-06-15 | 位相差素膜、位相差板およびそれを用いた液晶表示装置 |
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ID=26495265
Family Applications (1)
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JP18183192A Expired - Fee Related JP3313408B2 (ja) | 1991-06-17 | 1992-06-15 | 位相差素膜、位相差板およびそれを用いた液晶表示装置 |
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-
1992
- 1992-06-15 JP JP18183192A patent/JP3313408B2/ja not_active Expired - Fee Related
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