JP2001518884A - 水系HBr溶液からアルカノール類を回収する方法 - Google Patents

水系HBr溶液からアルカノール類を回収する方法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、アルカノールと水系臭化水素酸を含んでなる流体から、過剰量の臭化アルキルを生成させずに、アルカノール類を回収する方法を提供する。本発明の一定の態様では、アルカノールと水系臭化水素酸を含んでなる流体が、蒸留塔に、そのカラムの塔頂と塔底の間の個所で導入されて、それにより、有意量の臭化アルキルを生成させることなく、アルカノールと臭化水素酸を分離できる蒸留装置が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】 水系HBr溶液からアルカノール類を回収する方法 関連特許の参照 本出願は、本明細書中にその全体が参照引用されている1997年4月3日に 出願された米国特許仮出願60/043,903号で優先権を主張するものであ る。 発明の背景発明の属する技術分野 本発明は、一般的には、アルカノール、臭化水素酸および水を含んでなる流体 から、過度の臭化アルキルを生成させずに、アルカノール類を回収する方法に関 する。さらに特定すれば、本発明は、アルカノール、臭化水素酸および水を含ん でなる流体を、蒸留塔に、その蒸留塔の塔底と塔頂の間の個所で導入し、それに より、そのアルカノールと臭化水素酸を、有意量の臭化アルキルを生成させるこ となしに分離するための蒸留装置に関する。関連技術の考察 低級臭化アルキル類は、臭化水素酸と対応するアルカノールとの反応で容易に 合成できることはよく知られている。例えば、米国特許第5,138,110号 明細書[発明者:セガール(Segall)]には、酸水溶液中で、ハロゲン化 水素とアルカノールから、低級ハロゲン化アルキル類を連続的に製造する方法が 開示されている。実際には、この酸が臭化水素酸(“HBr”)で、その温度が 高い場合には、その反応が起きるのを防ぐのは困難であるが、より低い温度と大 量の水が存在することが、臭化アルキルの生成を遅延させる既知の要因である。 この水は、反応成分を稀釈すること、および次に示したアルカノールへの逆反応 を進めることの両方に役立つ: HBr+R−OH←→RBr+H2O 化学工業における特定の操作では、アルカノールの水溶液とHBrを含んでな る工程流(プロセス・ストリーム)が生成し、そして標準的には、再循環のため に、複数の成分を分離する必要がある。この分離は、単蒸留で達成できるが、そ れら成分の大きい割合が、その工程中における臭化アルキルの生成で失われる。 この臭化アルキルの生成は、高温での滞留時間が比較的長いために、その蒸留フ ラスコ中で起きる他に、それら成分が精留により分離されるような長い時間では 恐らく気相中でも起きるであろう。そのアルカノールがメタノールである工程で は、揮発性の臭化メチルが大量に生成される。この臭化メチルは、有用な土壌殺 菌剤として有利に販売されていたので、或る時点では、これは好都合であった; しかし最近は、臭化メチルはオゾン破壊化学物質として分類され、その製造は非 常に制限されるようになった。この臭化メチルが、焼却により分解されるためだ けに捕集されるのならば、製造コストに厳しい影響及ぼすであろうから、臭化ア ルキルの生成を避けるか、もしくは最少に抑えることができる方法の開発に対す る非常に大きい需要が存在することになる。 HBrが混ざっている水系アルカノール流を生成する、化学工業で良く知られ ている工程の一例は、合成樹脂用の難燃剤として広く用いられている、テトラブ ロモビスフェノール‐A(“TBBPA”)の製造である。普通、ビスフェノー ル‐Aを、アルカノールまたはアルカノール水溶液(一般に、メタノール、エタ ノールもしくはプロパノール)に溶かし、それに元素臭素を添加して反応させて TBBPAを生成させる。芳香族環に導入される各臭素原子当たり1モルの臭化 水素が生成する。このビスフェノール‐Aが臭素化されると、それは溶け難くな り、溶液から沈降し始める。普通、水を追加して、沈降をさらに促進させる。こ の生成物は、ろ過で分離され、そして純度を上げるためにさらに処理される。例 えば、水、もしくは水/アルカノール溶液で洗滌し、その洗滌液(この場合、H Brとアルカノールを含んでなる)は、場合により、再循環のために母液に添加 される。アルカノール溶媒は、TBBPA工程で用いられる最も有用で、最も経 済的な溶媒である一方で、TBBPA工程にアルカノール溶媒を使用することの 深刻な欠点は、生成したHBrの少くとも一部が、臭素化反応中または、それに 続くアルカノール/HBr分離中に、アルカノールと反応して臭化アルキルを生 成することである。 このTBBPA法では、望ましくない臭化アルキルの生成を、臭素化中および 溶媒回収中に最少に抑える選択が存在する。例えば、前者に関しては、そのアル カノール溶媒と水を混ぜると、臭化アルキルの生成が或る程度遅延することが良 く知られている;しかし水の添加水準が高いと、溶解度も低下し、臭素化度の低 い反応種が生成物と共に沈殿してくる原因となり分析純度が低下する。さらに、 このアルカノールは、まだHBrから分離されなければならず、そしてこの技術 分野で知られている分離法は、追加の臭化アルキルを生成させる原因になる。 臭素化中の臭化アルキルの生成を最少に抑える他の方法に含まれるのは、アル カノールの使用を完全に避けること、またはHBrを、それが生成するにつれて 臭素化系から除去する方法である。例えば、米国特許第4,013,728号明 細書[発明者:ブラッケンリッジ(Brackenridge)]には、TBB PAは、メタノールもしくは他のアルカノール中ではなく酢酸水溶液中で臭素化 できることを開示している。しかし、この方法は、その沈殿から酢酸の最後の痕 跡を乾燥するのが困難な場合が多く、製品に好ましくない臭いが残るので完全に 満足な方法ではない。さらにアルカノール類は、TBBPA法では、素晴らしい 溶媒であり、経済的で、高品質の製品を提供するために必要な溶媒としての多く 性質を有している。さらにまた、米国特許第5,446,212号明細書[発明 者:サンダース達(Sanders et al)]は、過酸化水素のような酸 化剤を臭素化系に添加することにより、HBrを、それが生成するにつれて、そ の臭素化系から除去することにより、臭素化アルキルの生成を減らすことができ ることを開示している。酸化剤を添加すると、HBrは元素臭素に転化される: 2HBr+H22→Br2+H2O しかし、この方法は、そのHBrの全てが臭素に転化されることは実際にはない ので、完全に満足な方法ではない。それ故、この方法は、母液中のHBrの量を 最少にはするが、その中のHBrの存在を排除よることはできない。 上で述べたように、結果として臭化アルキルを生成するもう一つのプロセス工 程は、臭素化後に、そのアルカノール溶媒を回収するために行われる分離工程で ある。例えば、米国特許第5,395,994号明細書[発明者:ウイリアムス 達(Williams et al)]は、アルカノール溶媒を回収する前にH Brを中和する方法を開示しており、そしてドイツ特許DE3341037号明 細書[発明者:ジェンクナー達(Jenkner et al)]は、ヘキサブ ロモシクロドデカンの製造工程からのエタノール‐系母液中のHBrは、蒸留の 前にアルカノールアミンで中和できることを開示している。これは、有効な方法 であるが、大量の塩基の使用と余分の水の添加が必要になる。この塩基と水は廃 棄されるか、再利用のために処理しなければならないことが、この方法のかなり 大きい欠点である。 米国特許第4,990,321号明細書[発明者:サトウ達(Sato et al)]は、蒸留の前に、その溶液を、HBrの濃度が10重量%以下になる まで稀釈することにより、この問題を処理する方法を開示している。これは、臭 化アルキルの生成を減らすが、この場合もまた、除去しなければならず、そして 廃棄されるか再利用のために処理しなければならないところの、かなりの量の水 をこの系に導入することになる。従って、HBrの水系溶液から、低沸点のアル カノール類を過剰量の臭化アルキルを生成させずに除去する、簡単で経済的な方 法に対する需要が今も存在する。 本発明の概要 さて、低沸点のアルカノール類が、簡単な蒸留法を用いて、水系HBrから上 手く回収できることが見いだされた。この方法の基本は、高温での滞留時間が短 いことであり、これは、蒸留容器それ自身に、溶液を供給するのとは対照的に、 精留塔に直接、連続的に溶液を導入することにより達成される。アルカノール類 と幾らかの水が、その溶液から迅速に分離されて塔頂に運ばれ、一方、その酸、 残りの水および任意の固形分は凝縮し、そしてリボイラーに流れて行くような条 件が選ばれる。このカラム内での迅速な分離は、生成する臭化アルキルの量を非 常に減少させる。この精留カラムへの供給は、液体状でもよく、もしくはフラッ シュ蒸留されたその液体の蒸気としてでもよい。本発明は、標準的にその母液が 、他の物質の他にアルカノールと水系HBrを含んでなり、臭化アルキルの生成 が最少に抑えられるのが望ましいところの、テトラブロモビスフェノール‐Aの 製造に特に有用である。 本発明の一つの態様では、(1)塔底端(bottom end)、塔頂端( top end)および塔底端と塔頂端との間で、そしてカラムとの流体連絡路 中に所在する出入口(port)を有する精留カラム中に、水系臭化水素酸が還 流する環境を準備し;(2)その出入口を通して、そのカラムに、アルカノー ルと水系臭化水素酸を含んでなる第1流体を供給し;(3)そのアルカノールの 少くとも約50%を含んでなる第2流体をその塔頂端から回収し;そして(4) 塔底端から、その水系臭化水素酸の少くとも約50%を含んでなる第3流体を回 収する;ことを含んでなる、水系臭化水素酸からアルカノールを分離する方法が 提供される。 本発明はまた、(1)塔底端、塔頂端およびカラムとの流体連絡路中で、塔底 端と塔頂端の間に所在する出入口、塔底端に隣接し且つカラムとの流体連絡路中 にある、そのカラムからの塔底生成物を受取るための第1装置、および塔頂端に 隣接し且つカラムとの流体連絡路中にある、蒸留生成物を受取るための第2装置 ;を有する蒸留カラムを含んでなる蒸留装置を準備し(ここで、この第1装置中 に第4流体が含まれ、そしてその第4流体は液体である);(2)この第4流体 を沸騰させて、そのカラム中に還流環境を準備し;(3)このカラムにその出入 口を通して、アルカノールと水系臭化水素酸を含んでなる第1流体を供給し;( 4)第2装置から、そのアルカノールの少くとも約50%をを含んでなる第2流 体を回収し;そして(5)第1装置からその水系臭化水素酸の少くとも約50% を含んでなる第3流体を回収する、ことを含んでなる、水系臭化水素酸からアル カノールを分離する方法を提供する。 本発明のもう一つの態様では、(1)塔底端、塔頂端およびカラムとの流体連 絡路中で、塔底端と塔頂端の間に所在する出入口、塔底端に隣接してそのカラム に取付けられそして、カラムとの流体連絡路中にある受容器、および塔頂端に隣 接してそのカラムに取付けられそして、カラムとの流体連絡路中にある凝縮器を 有する蒸留塔を含んでなる蒸留装置を準備し(ここで、この受容器中に第4流体 が含まれており、そしてその第4流体は液体である);(2)この第4流体を沸 騰させて、そのカラム中に還流環境を準備し;(3)このカラムにその出入口を 通して、アルカノールと水系臭化水素酸を含んでなる第1流体を供給し;(4) その凝縮器から少くとも、そのアルカノールの約50%のを含んでなる第2流体 を回収し;そして(5)その受容器からその水系臭化水素酸の少くとも約50% を含んでなる第3流体を回収する、ことを含んでなる、水系臭化水素酸からアル カノールを分離する方法が提供される。 本発明の一つの目的は、単純で、コスト効率の良い装置中で、有意量の対応す る臭化アルキルを生成することなしに、水系HBrからアルカノールを分離する 方法を提供することである。 本発明のもう一つの目的は、TBBPAの製造の際に生成する母液からアルカ ノールを分離する方法を提供することである。 本発明の一つの目的は、臭素化溶媒としてアルカノールを使用してTBBPA を製造する方法を提供することでもあり、その場合、このアルカノールは、有意 量の臭化アルキルを生成することなしに、母液から回収される。 本発明のさらなる目的、利点および特徴が、本明細書中の詳細な説明から明ら かになるであろう。 図面の簡単な説明 本発明の特徴的な利点は、請求の範囲中で指摘されるが、本発明それ自身およ び、本発明がなされ、そして利用される様式は、その一部を形成する以下の図面 と関連付けてなされる以下の説明を参照することにより、より良く理解されるで あろう。 図1は、本発明の蒸留装置の概要図である。 図2は、推奨される、実験室規模での本発明の実施態様を例示している。 図3は、対照例3で用いられる簡単な蒸留装置を例示している。 推奨される実施態様の詳細な説明 さて、本発明の原理を理解するのを容易にするために、特定の実施態様が引用 され、そして、本発明を説明するために、特定の用語が用いられる。それにもか かわらず、それによって、本発明の範囲を限定することを意図するものではない ことは理解されるであろうし、本発明における変更とさらなる改良、および、こ の明細書に説明されているような本発明の原理のさらなる応用は、本発明が関連 している技術分野の習熟者なら普通思い付くに違いないと予想される。 本発明によって、アルカノールと水系臭化水素酸の両方を含んでなる流体を、 望ましくは連続方式で蒸留することによって、水系臭化水素酸からアルカノール を分離する方法が提供される。この方法の基礎は、その流体が、分離が起きる前 に、高温で、その蒸留塔中に短時間だけ、滞留すべきであるということである。 HBrからアルカノールを分離する従来技術では、その混合物が加熱される時、 アルカノールがHBrと反応して対応する臭化アルキルを生成するので、かなり 大きい困難に遭遇してきた。本発明による方法では、迅速な分離のために、その 流体を、リボイラー20ではなく精留塔10に連続的に導入することによって分 離が達成される。このカラム中での条件は、アルカノールと幾らかの水が、その 流体から迅速に除去されて塔頂に運ばれ、一方臭化水素酸と、残りの水および、 その混合物中の任意の非揮発性の物質は凝縮して、そのカラムの塔底10に流体 により連結された容器20(即ちリボイラー)に流入する。本発明は、それによ り有利な結果が達成される何等かの理論によって制約されると考えるものではな いが、そのカラム中での分離が迅速に起きるので、問題になるような臭化アルキ ルの生成なしに、素晴らしい分離が達成されると信じられる。 それ故、本発明の実施に必要な出発原料はアルカノールと水系臭化水素酸を含 んでなる流体である。勿論、本発明は、例えば臭化アルキルや非揮発性物質のよ うな追加の成分をも含んでなる流体を用いても、上手く実施し得る。臭化アルキ ルが存在すると、それも臭化水素酸(“HBr”)から分離され、アルカノール と共に塔頂生成物中に含まれるであろう。アルカノールと臭化アルキルの分離は 、この技術分野で良く知られた方法で上手く達成される。より高濃度の臭化アル キルが許容できるが、その供給液は、約40%以下の臭化アルキルを含んでなる のが望ましい。その供給液中に非揮発性物質が存在すると、そのような物質は、 上手くリボイラー20まで通過し、そこでそれらは、リボイラー20の底部の出 口21を通って上手く排出されるであろう。 本発明の方法に従って分離されるべき流体中のアルカノールは、約120℃以 下の沸点を有するのが望ましい。望ましいアルカノール類は、直鎖および分岐鎖 アルカノールを含む、炭素原子数約1から約4の、例えば、メタノール、エタノ ール、n‐プロパノール、イソプロパノール、ブタノールの異性体類、ペンタノ ール、およびそれらの混合物である。本発明の方法により、広い範囲でアルカノ ールの割合が異なる流体を上手く分離できるが、その分離が、経済的に価値があ るためには、その流体が、少くとも約5重量%のアルカノールを含んでなるのが 望ましい。より望ましくは、この流体供給液は約20%から約80重量%までの アルカノールを、そして最も望ましくは、約40%から約60%のアルカノール を含んでなる。 本発明の方法により分離されるべき流体中の水系臭化水素酸は広い範囲で割合 が変動する水とHBrを含んでなる。HBrと水の比は、約20:80から約4 5:55重量比であるのが望ましい。HBrの比がより大きいと、その蒸留塔の 中で48%HBrの共沸混合物が生成する結果になり、そのカラム中で生成する 臭化アルキルの量が許容できない程増加する。一方、約20:80より小さい比 は、本発明の分離装置で受入れることが可能であり、比が小さいことを特徴とす る流体は、図3に描写されているような、普通の回分式供給蒸留装置を用いて、 過剰な量の臭化アルキルを生成することなく、分離できる十分な水を含んでなる 。この流体供給液は約5%から約47重量%HBr含んでなるのが望ましく、よ り望ましくは、約15%から約30重量%HBrを含んでなる。 本発明の望ましい態様では、この流体は、約10:90から約98:2重量比 のアルカノール:HBrを含んでおり、より望ましくは、約35:65から約8 5:15、そして最も望ましくは、約65:35から約75:25のアルカノー ル:HBrを含んでいる。テトラブロモビスフェノール‐A(“TBBPA”) 母液は、大規模な工業的製造工程における流体副生物であり、本発明の方法によ り上手く分離できる。本明細書で用いられる“TBBPA”母液という用語は、 TBBPAの製造の際に生成する水系アルカノール/HBr流体のことである。 普通、TBBPA母液には、例えば臭素化フェノールのような非‐揮発性の物質 も含まれている。本発明の方法の条件下では、TBBPA母液中の非‐揮発性の 物質は、容器20の中に残り、そしてその容器20中で分離した相を上手く生成 し、容器20から流し出されるかポンプで排出され、連続様式で上手く操業でき る分離法にかけることができる。 アルカノールと水系臭化水素酸の分離は、本発明の方法に従って、カラム10 の塔底11と塔頂19の間に位置する供給口15を有する蒸留カラム10を有す る装置を用いて上手く行うことができる。この供給口15は、カラム10に流体 を供給するための導管を備えているので便利である。この供給口15は、カラム 10の塔底11から、そのカラムの長さの約1/10から約9/10の距離に位 置しているのが望ましい。かくして、例えば、高さ10mのカラムが用いられる なら、その供給口15は、そのカラムの塔底から約1mから約9mの位置にある のが望ましい。この供給口15は、その塔底11からカラムの長さの約1/5か ら約4/5に位置しているのがより望ましく、そして塔底11からカラムの長さ の約1/2から約2/3に位置しているのが最も望ましい。 この装置は、カラム10の塔底11に隣接して且つそのカラムとの流体通路中 に取付けられている容器20、およびカラム10の塔頂19との流体通路中に取 付けられている凝縮器50をも含んでなる。非常に多様な蒸留塔が、この流体を 、上のアルカノールに富んだ相と下の酸に富んだ相に分離するであろうと予想さ れるが、このカラムは、その中に固体構造物を含んでいるのが望ましい。このよ うな固体構造物の例は、充填物およびプレートである。本発明の特に望ましい態 様では、例えば、Oldershaw(オールダーシャウ)カラムまたは充填式 カラムが便利に用いられる。 図2に描かれているような装置を用いる、本発明を実施する望ましい方法では 、二つのOldershawカラム12、18は、サイドアーム17を有するク ライゼン(Claisen)アダプター16を用いて連結されている。それ故、 このサイドアーム17は出入り口を構成しており、二つのカラム12、18とア ダプター16は一緒になって、この蒸留塔の塔底11と塔頂19の間に出入り口 を有する連続式カラムを形成している。このカラムの高さ、理論段数および供給 口の所在場所は可変で、この技術分野の習熟者なら、分離されるべきアルカノー ルの個性とその流体中での濃度に応じて、特別の試験をしなくても、選定できる であろう。本発明の望ましい態様では、このOldershawカラムは、約1 0個のストリッピング・トレーと約5個の精留トレー(rectificati on trays)を含んでなる。またこの蒸留ヘッド30は、標準的には、カ ラム10と凝縮器50の間で、両者を含む流体通路の中に所在する。例えば、磁 気的に制御される蒸留ヘッドのような、留出物の組成を非常に上手く制御できる ものが選定される。あるいはまた、常用の蒸留ヘッド35も使用することができ る。この装置は、凝縮器50からの留出物を受取るための受器40も含んでいる のが望ましい。本明細書中で説明され、そして特許請求される特徴を有するシス テム において、非常に多様な代替の立体配置が使用できることおよび、大流量の供給 流体を工業的規模で分離するために非常に好ましい装置が設計できることが、容 易に理解できるであろう。このような変更は、明らかに本発明の範囲内に含まれ る。 この蒸留は、常圧、弱い加圧下および減圧下で行われる。バッチ法、半連続法 もしくは、連続法で行われるが、連続法が望ましい。精留カラムへの供給は、液 体状でも、或いは、その液体を高温に短時間曝す方法を用いて気化させた、その 液の蒸気としても行われる。これらの方法に含まれるのは、薄膜法、落下薄膜法 またはワイパー式薄膜法(wiped film method)である。本明 細書の説明を基に、この技術分野の習熟者は、アルカノールの回収を最適化しそ して臭化アルキルの生成を最少に抑える、設計と操業条件を選定することができ るであろう。 本発明の方法に従って、分離を行う望ましい態様では、容器20は、説明した ように蒸留塔10との流体通路中に準備される。この容器20中に、供給流体の 流入のために、そのカラムを上手く調整するための還流始動用流体を装填するが 、この還流始動用流体は、望ましくは水系HBrを、より望ましくは48重量% 以下のHBrを、そして最も望ましくは約20%から約45重量%のHBrを含 んでなる水溶液である。この還流始動用流体は、このカラムに蒸気が還流するよ うになるまで加熱される。このカラムは、説明したように、そのカラムに非常に 多様な流体を還流させることにより、調製され得ることは容易に理解される。本 発明の一定の態様では、還流始動用流体としてHBrが使用されることが推奨さ れているが、本発明は、この推奨によって制約されるものではない。本発明の一 定の態様では、この還流始動用流体は、100℃から約126℃の沸点を有して いるのが望ましい。この還流始動用流体は、水もしくは水溶液であることも望ま しい。本発明の分離は、そのカラムへの供給流体の注入が始められた後、有意の 長い時間の間連続運転されることが期待されるので、この還流始動用流体は、比 較的少ない割合の処理原料から構成される。 このカラム10が、説明したように調製されると、アルカノールと水系HBr を含んでなる流体を計量して、容器20の上方で、アルカノールが上方に向かっ て運ばれるのに十分な位置でカラム10に供給され、一方、酸と水の大半は凝縮 して、供給流体中に存在していた任意の不揮発性物と共にその容器中に捕集され る。 アルカノール、場合により、幾らかの水、その供給溶液中に既に存在していた 臭化アルキルおよび、蒸留中に生成する可能性のある任意の少量の臭化アルキル は、塔頂部に運ばれ、凝縮しそして捕集される。アルカノール類、臭化アルキル 類および水は、次いで、この技術分野で知られている方法で容易に分離される。 本発明の一定の態様では、臭化アルキル類が、例えばTBBPA母液のような供 給流体から、それがカラムに導入される前に除去され、それによって、この蒸留 装置中で臭化アルキルが生成されるとすると、どの位多量の臭化アルキルである かを測定して、本発明の系を、より容易にモニターできるようにする。TBBP A母液が分離される場合、その非揮発性物質は、普通、この条件下で融解してい る臭素化有機液状物を含んでなり、リボイラー中で分離下相を生成するであろう 。好都合なことに、この酸相と有機相は、容器20から連続的に排出されるか、 ポンプで汲み出されて、この蒸留を連続方式で運転することが可能になる。 このカラム中のHBrの濃度は、カラムの塔頂に向かって減少し、そしてアル カノールの濃度は、カラムの塔頂に向かって増大する。本発明の望ましい態様で は、蒸留中の臭化アルキルの生成は、酸の蒸気が未だ存在しているカラムのゾー ンを通過するアルカノールと共に、一定量の水蒸気が上方に運ばれるのを保障す るように、例えば温度、カラムの設計、還流比および圧力のようなプロセス・パ ラメータ調整することにより最少に抑えられる。水の存在は、アルカノールとH Brが反応して対応する臭化アルキルが生成するのを上手く防ぐ。かくして、水 はこの技術分野で知られている方法を用いてアルカノールから容易に分離できる ので、幾らかの水がアルカノールと一緒に捕集されるのは望ましいことである。 さらにまた、アルカノール100重量部当たり3部のような少量の水がキャリー オーバーすると、臭化アルキルの生成が有意に減少することが見いだされた。 留出物(即ち、凝縮器50から回収された流体)は、カラムに最初に導入され た供給流体中のアルカノールの少くとも約50%を含んでいるのが望ましく、さ らに望ましくは少くとも約80%、そして最も望ましくは約90%のアルカノー ルを含んでいる。この流体中のアルカノール:HBrの重量比は、約95:5か ら約100:0までであるのが望ましい。 容器20から回収される流体について言えば、この流体は、カラムに最初に導 入された供給流体中のHBrの少くとも約50%を含んでいるのが望ましく、さ らに望ましくは少くとも約80%、そして最も望ましくは約90%のHBrを含 んでいる。この流体中のアルカノール:HBrの重量比は、約0:100から約 5:95までであるのが望ましく、そしてこの流体は、カラムに最初に導入され た供給流体中の臭化アルキルの約10%以下を含んでいるのが望ましい。 本発明の方法により、流体中のアルカノールと水系HBrを、有意量の臭化ア ルキルを生成することなしに、上手く分離することが達成される。本発明は、以 下の特定実施例を参照として、さらに説明されるが、これらの実施例は例示的な ものであり、本来限定的なものでないことを理解されたい。 実施例1 アルカノールと水系臭化水素酸の連続分離 図2に例示されているような蒸留装置が準備される。この装置は、底部ドレイ ン抜き26、温度計27および電気加熱マントル28を有する500mLの三つ 口丸底フラスコ25から成る。一つの口29には、下方の直径28mmで10ト レーを有するOldershaw蒸留カラム12と、類似の上方の5トレーを有 するカラム18が取付けられており、これらカラムはサイド・アーム17を有す るクライゼン・アダプタ16で連結されている。両カラム12、18は、鏡面処 理され、そして真空ジャケットが付いている。上方のカラム18の塔頂19には 、還流比を制御するために用いられる、磁気的に制御される蒸留ヘッド(図示さ れていない)がかぶされている。この蒸留ヘッドに、約0℃と−6℃の間に維持 された凝縮器55と、臭化アルキルの消失を防ぐためにドライアイス浴46に浸 漬されている500mLのフラス−45からなる受容器(または“容器”“re ceptacle”)が連結されている。サイドアーム17は、分離される流体 を導入するための供給口として用いられる。この流体の測量は、マスターフレッ クス(Masterflex)ポンプ60で行われる。第2のマスターフレック ス・ポンプ65からリボイラー25の口24を通してチューブが挿入されている 。 これは、比較的一定に水準を保つために、そのリボイラーから水系HBr塔底生 成物をポンプで抜出すために用いられる。下相の融解有機物は、もう一つの浸漬 チューブを通してポンプで抜出すか、または底部ドレイン・バルブ26を通して 定期的に排出される。 この操作の出発時点で、このリボイラーに約50から約70グラムの水系HB rが装填される。次いで、蒸気がカラム塔頂19に達するまでリボイラーに熱を 加える。次いで、アルカノールと水系臭化水素酸を含んでなる流体供給液の導入 を、クライゼン・サイドアーム17を通して始める。供給速度は、蒸留が常圧で 行われる場合には、リボイラーの温度を約100℃から約126℃に維持しなが ら、リボイラーにアルカノールが流れてくるのを防ぐような速度に維持される。 約8時間運転後、流体の供給を停止し、留出物と塔底物を捕集し、アルカノール 、臭化アルキル、水およびHBrの量を分析する。そのアルカノールの少くとも 約50%は、留出物の中にあり、そしてそのHBrの少くとも約50%は、塔底 生成物中にある。 実施例2 乾燥留出物が得られるTBBPA母液の分離 実施例1の装置を使用する、操作の出発時点で、このリボイラーに、約28% HBr水溶液58グラムが装填された。リボイラーに熱を加え、ポットの温度約 113℃で、蒸気がカラム塔頂19に達した。50.8%のメタノール、5.2 %の臭化メチル、29.0%の水および18.5重量%のHBrを含むTBBP A母液の供給をクライゼン・サイドアームを通して開始した。この実施例および 他の実施例に関して留意すべき重要な点は、供給される溶液成分の重量は、分析 で求められ、そして装填された原料は、かならずしも100%にならない場合が あることである。また、全ての蒸留は大気圧で行われた;しかし、本発明の方法 は、大気圧より上の圧力でも、下の圧力でも行うことが可能で、この技術分野の 習熟者により、上手く、適当に調整できる範囲である。 供給速度は、ポットの温度を107‐111℃に保持し、そしてヘッド温度を 62‐63℃に保持しながら、大体2.2グラム/分に維持された。約8時間後 に、供給を停止し、留出物と塔底生成物を分析した。結果を表1に示す。 これらの結果は、非常に大きい割合のメタノールが上手く回収されたことを示 しており、そして、留出物の水分含有量は1%以下であった。その代り、或る量 の臭化メチルが、工程中に生成した。しかし、既に、母液中に存在していた量が 42%増加しただけである。 実施例3(対照実施例) 蒸留カラムへの供給を行わないポット蒸留 図3に示してあるように、1000mLの三っ口丸底フラスコ70に、電気加 熱マントル80、機械的撹拌機90、温度計100および、0℃と−6℃の間に 維持された凝縮器120に連結された蒸留ヘッド110を取付けた。凝縮した液 は、臭化アルキルの消失を防ぐためにドライアイス浴140に浸漬されている5 00mLのフラスコ130中に捕集された。この蒸留フラスコ70に、テトラブ ロモビスフェノール‐Aの製造時に生成する母液935.1グラムを装填した。 受取ったままのこの母液は、48.5%のメタノール、2.4%の臭化メチル、 30.2%の水および18.1重量%のHBrを含んでいた。少量の臭素化フェ ノール類と元素臭素も含まれていた。この蒸留フラスコ70を加熱、撹拌し、そ の液の約70%が、蒸気として塔頂に留出され凝縮された。工程中、ポット温度 は、60‐105℃の範囲であり、一方ヘッド温度は、44℃から100℃に上 昇した。 蒸留フラスコの加熱を止め、そして塔底生成物と留出物の量を秤り、次いで分 析し、結果を表2に示した。ストリーム(streams:液流および気流)の 真の重量が第2欄に示されているが、これら成分の重量は、これらストリームの 分析を基づいている。この成分重量の和は、これら混合物の濃度の測定が困難な ために、ストリームの重量に正確には適合しない。 これらの結果は、単蒸留を用いて、TBBPA母液から価値のある成分の大半 を回収することが可能であることを示している。メタノールの多くは、塔頂に運 ばれ、そして、含まれている少量の酸と共に捕集された。しかし、大量の水も一 緒に蒸留されていても、それは大量の臭化メチルが生成するのを防いでいない。 元の母液中の臭化メチルが僅か22.3グラムで始まっているので、蒸留後のそ の98.6グラムについて、製造業者は真剣に論議しなければならない。それは 、その出発量より342%増えたことを示している。 実施例4 臭化メチルの生成を最少に抑える目的で湿潤留出物を製造するために 蒸留カラムへの供給を行うTBBPA母液の連続蒸留 実施例1の装置を使用し、リボイラー中の酸溶液の濃度がより高くなり、ヘッ ド温度がより高くなるように条件が調整された。これは、水の一部がメタノール および臭化メチルと共‐蒸留される結果になるが、追加の臭化メチルの生成は抑 制された。 操作の出発時点で、このリボイラーに、約48%HBr水溶液59.2グラム が装填された。リボイラーに熱を加え、ポットの温度約120℃で、蒸気がカラ ム塔頂19に達した。45.2%のメタノール、5.2%の臭化メチル、27. 4%の水および22.4%のHBrを含むTBBPA母液の供給をクライゼン・ サイドアームを通して始めた。供給速度は、ポットの温度を118‐120℃に 保持し、そしてヘッド温度を64‐67℃に保持しながら、大体2.9グラム/ 分に維持された。このポット温度は、その酸濃度が、恐らく45%HBrに維持 されていることを示す。約7時間後に、供給を停止し、留出物と塔底生成物を分 析した。結果を表3に示す。 これらの結果は、これらの操業条件を用いて、この母液から殆ど全てのメタノ ールが回収できることを示している。この予備設計を用いて、その流出物は、約 3%の水と1%の酸を含んでいるが、最適化のためには、これらの値がより低い ことが期待されるであろう。最も重要なことは、これらの複雑なストリームの分 析限界の範囲では、蒸留中に臭化メチルは生成しなかったことである。 実施例5 エタノールを用いて製造されたTBBPA母液の 蒸留カラムへの供給を行う連続蒸留 実施例1の装置を使用して、このリボイラーに、HBr水溶液が装填される。 蒸気がカラム塔頂に到達するまでリボイラーに熱を加える。エタノール、臭化エ チル、水およびHBrを含むTBBPA母液の供給をクライゼン・サイドアーム を通して始める。供給速度は、蒸留が常圧で行われる場合には、リボイラーの温 度を約100℃から約126℃に維持しながら、リボイラーにエタノールが流れ てくるのを防ぐような速度に維持される。約7‐8時間後、この供給を停止し、 留出物と塔底物を捕集し、分析する。そのアルカノールの少くとも約50%は留 出物の中にあり、そしてそのHBrの少くとも約50%は塔底生成物中にある。 臭化アルキルは、殆ど、または全く生成しない。 実施例6 1‐プロパノールを用いて製造されたTBBPA母液の 蒸留カラムへの供給を行う連続蒸留 実施例1の装置を使用して、このリボイラーに、HBr水溶液が装填される。 蒸気がカラム塔頂に到達するまでリボイラーに熱を加える。1‐プロパノール、 1‐プロピルブロミド、水およびHBrを含むTBBPA母液の供給をクライゼ ン・サイドアームを通して始める。供給速度は、蒸留が常圧で行われる場合には 、リボイラーの温度を約100℃から約126℃に維持しながら、リボイラーに 1‐プロパノールが流れてくるのを防ぐような速度に維持される。約7‐8時間 後、この供給を停止し、留出物と塔底物を捕集し、分析する。そのアルカノール の少くとも約50%は留出物の中にあり、そしてそのHBrの少くとも約50% は塔底生成物中にある。臭化アルキルは、殆ど、または全く生成しない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 31/10 C07C 31/10 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),IL,JP,K R,US (72)発明者 エアーズ,ジェームズ・ティー アメリカ合衆国アーカンソー州71730,エ ル・ドラド,マグノリア・ハイウェイ 6538 (72)発明者 ライネケ,カール・イー アメリカ合衆国インディアナ州47905,ラ ファイエット,ゲイリー・コート 50

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.塔底端、塔頂端および、塔頂端と塔底端との間で、そしてカラムとの流体 連絡路中に所在する出入口を有する精留カラム中に、水系臭化水素酸が還流する 環境を準備し; そのカラムに、その出入口を通してアルカノールと水系臭化水素酸を含んでな る第1流体を供給し; そのアルカノールの少くとも約50%を含んでなる第2流体をその塔頂端から 回収し;そして 塔底端から、その水系臭化水素酸の少くとも約50%を含んでなる第3流体を 回収する; ことを含んでなる、水系臭化水素酸からアルカノールを分離する方法。 2.第2流体が、そのアルカノールの少くとも約80%を含んでなり;そして 第3流体が、その水系臭化水素酸の少くとも約80%を含んでなる、請求項1に 記載の方法。 3.そのカラムが、予め決められた長さを有し、そしてその出口が、そのカラ ムの塔底から、その長さの少くとも1/10の距離のところに所在する、請求項 1に記載の方法。 4.そのカラムが、予め決められた長さを有し、そしてその出口が、そのカラ ムの塔頂から、その長さの少くとも1/10の距離のところに所在する、請求項 1に記載の方法。 5.塔底端、塔頂端、およびカラムへ流体を導入するための、塔頂端と塔底端 の間に所在する出入口;塔底端に隣接し、そしてカラムとの流体連絡路中にある 、そのカラムからの塔底生成物を受取るための第1手段;および塔頂端に隣接し 、そしてカラムとの流体連絡路中にある、蒸留生成物を受取るための第2手段; を有する蒸留カラムを含んでなる蒸留装置を準備し(ここで、第4流体が第1手 段の中に含まれ、その第4流体は液体である); この第4流体を沸騰させて、そのカラム中に還流環境を準備し; このカラムにその出入口を通して、アルカノールと水系臭化水素酸を含んでな る第1流体を供給し; 第2手段から、そのアルカノールの少くとも約50%を含んでなる第2流体を 回収し;そして 第1手段から、その系臭化水素酸の少くとも約50%を含んでなる第3流体を 回収する; ことを含んでなる、水系臭化水素酸からアルカノールを分離する方法。 6.第2流体が、そのアルカノールの少くとも約80%を含んでなり;そして 第3流体が、その水系臭化水素酸の少くとも約80%を含んでなる、請求項5に 記載の方法。 7.塔底端、塔頂端および、カラムへ流体を導入するための、塔底端と塔頂端 の間に所在する出入口;塔底端に隣接し、そしてカラムとの流体連絡路中にある 、そのカラムに取付けられた受容器、および塔頂端に隣接し、そしてカラムとの 流体連絡路中にある、そのカラムに取付けられた凝縮器を有する蒸留塔を含んで なる蒸留装置を準備し(ここで、第4流体がこの受容器中に含まれており、そし てその第4流体は液体である); この第4流体を沸騰させて、そのカラム中に還流環境を準備し; このカラムにその出入口を通して、アルカノールと水系臭化水素酸を含んでな る第1流体を供給し; その凝縮器から、そのアルカノールの少くとも約50%を含んでなる第2流体 を回収し;そして その容器から、その水系臭化水素酸の少くとも約50%を含んでなる第3流体 を回収する; ことを含んでなる、水系臭化水素酸からアルカノールを分離する方法。 8.第4流体が、約100℃から約126℃までの沸点を有する請求項7に記 載の方法。 9.第4流体が、水および水溶液からなる群から選ばれる請求項7に記載の方 法。 10.第2流体が、そのアルカノールの少くとも約80%を含んでなり;そし て第3流体が、その水系臭化水素酸の少くとも約80%を含んでなる、請求項7 に記載の方法。 11.第4流体が、水系臭化水素酸である請求項7に記載の方法。 12.第1流体が、約40重量%以下の臭化アルキルをさらに含んでなり;そ して第2および第3流体中の臭化アルキルの総量が、第1流体中の臭化アルキル の量より実質的に多くない、請求項7に記載の方法。 13.第1流体が、約10:90から98:2までの重量比で、アルカノール /水系臭化水素酸を含んでなる、請求項7に記載の方法。 14.第1流体が、約35:65から85:15までの重量比で、アルカノー ル/水系臭化水素酸を含んでなる請求項7に記載の方法。 15.第1流体が、約65:35から75:25までの重量比で、アルカノー ル/水系臭化水素酸を含んでなる請求項7に記載の方法。 16.第2流体が、約95:5から約100:0までの重量比で、アルカノー ル/水系臭化水素酸を含んでなる請求項7に記載の方法。 17.第3流体が、約0:100から5:95までの重量比で、アルカノール /水系臭化水素酸を含んでなる請求項7に記載の方法。 18.第1流体が、約40重量%以下の臭化アルキルをさらに含んでなり;そ して、その臭化アルキルの約10%未満が第3流体に通される、請求項7に記載 の方法。 19.第1流体が、TBBPA母液を含んでなる、請求項7に記載の方法。 20.このTBBPA母液が、非‐揮発性物質をさらに含んでなる請求項19 記載の方法。 21.第1流体が蒸気である、請求項7に記載の方法。 22.該供給が: アルカノールと水系臭化水素酸を含んでなる液体を準備し; その液体を気化させ;そして その蒸気を、その出入口を通して、そのカラムに供給する; ことを含んでなる請求項7に記載の方法。 23.該アルカノールが、120℃以下の沸点を有する請求項7に記載の方法 。 24.該アルカノールが、約1から約4個の炭素原子を含んでいる請求項7に 記載の方法。 25.該アルカノールが、メタノール、エタノール、n‐プロパノール、イソ プロパノール、ブタノールの異性体類、ペンタノール、およびそれらの混合物か ら成る群から選ばれる、請求項7に記載の方法。 26.第1流体が、少くとも約5重量%のアルカノールを含んでなる請求項7 に記載の方法。 27.第1流体が、約40重量%から約60重量%までのアルカノールを含ん でなる請求項7に記載の方法。 28.第1流体が、約15重量%から約30重量%までの臭化水素酸を含んで なる請求項7に記載の方法。 29.該水系臭化水素酸が、約48重量%以下の臭化水素酸を含んでなる請求 項7に記載の方法。 30.該水系臭化水素酸が、約20重量%から約45重量%までの臭化水素酸 を含んでなる請求項7に記載の方法。
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