JP2001518496A - 5−アザキノキサリンをベースとする化合物によりセリン/トレオニンプロテインキナーゼの機能を調整する方法 - Google Patents

5−アザキノキサリンをベースとする化合物によりセリン/トレオニンプロテインキナーゼの機能を調整する方法

Info

Publication number
JP2001518496A
JP2001518496A JP2000514630A JP2000514630A JP2001518496A JP 2001518496 A JP2001518496 A JP 2001518496A JP 2000514630 A JP2000514630 A JP 2000514630A JP 2000514630 A JP2000514630 A JP 2000514630A JP 2001518496 A JP2001518496 A JP 2001518496A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
alkyl
compound
formula
halogen
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000514630A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001518496A5 (ja
Inventor
マクマホン ジェラルド
クッチャー ベルンハルト
グンター エックハルト
アップ ハーラルト
Original Assignee
アスタ メディカ アクチエンゲゼルシャフト
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by アスタ メディカ アクチエンゲゼルシャフト filed Critical アスタ メディカ アクチエンゲゼルシャフト
Publication of JP2001518496A publication Critical patent/JP2001518496A/ja
Publication of JP2001518496A5 publication Critical patent/JP2001518496A5/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/33Heterocyclic compounds
    • A61K31/395Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins
    • A61K31/495Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having six-membered rings with two or more nitrogen atoms as the only ring heteroatoms, e.g. piperazine or tetrazines
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D471/00Heterocyclic compounds containing nitrogen atoms as the only ring hetero atoms in the condensed system, at least one ring being a six-membered ring with one nitrogen atom, not provided for by groups C07D451/00 - C07D463/00
    • C07D471/02Heterocyclic compounds containing nitrogen atoms as the only ring hetero atoms in the condensed system, at least one ring being a six-membered ring with one nitrogen atom, not provided for by groups C07D451/00 - C07D463/00 in which the condensed system contains two hetero rings
    • C07D471/04Ortho-condensed systems
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/33Heterocyclic compounds
    • A61K31/395Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins
    • A61K31/495Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having six-membered rings with two or more nitrogen atoms as the only ring heteroatoms, e.g. piperazine or tetrazines
    • A61K31/4985Pyrazines or piperazines ortho- or peri-condensed with heterocyclic ring systems
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P1/00Drugs for disorders of the alimentary tract or the digestive system
    • A61P1/16Drugs for disorders of the alimentary tract or the digestive system for liver or gallbladder disorders, e.g. hepatoprotective agents, cholagogues, litholytics
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Plural Heterocyclic Compounds (AREA)
  • Nitrogen Condensed Heterocyclic Rings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 本発明は、部分的にセリン/トレオニンプロテインキナーゼの機能を5−アザキノキサリンをベースとする化合物によって調整する方法に関する。該方法はセリン/トレオニンプロテインキナーゼ、例えばRAFを発現する細胞を導入している。更に、本発明は生物におけるセリン/トレオニンプロテインキナーゼ関連の異常状態を本発明により同定された化合物を使用して予防および治療する方法を記載している。更に、本発明は5−アザキノキサリン化合物および該化合物を含有する医薬品組成物に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】従来の技術 本発明の背景の以下の記載は本発明の理解を助けるが、本発明に対する直接の
先行技術であるとは認められない。
【0002】 細胞のシグナル伝達は、細胞プロセスを調節する外部の刺激を細胞の内部に中
継する種々の必須の機構である。シグナル伝達の重要な生化学的機構の1つはタ
ンパク質の可逆的なリン酸化に関連し、これはその構造および機能の変化によっ
て成熟タンパク質の活性を調節することを可能にする。
【0003】 真核生物で最も特徴的なプロテインキナーゼはタンパク質をセリン、トレオニ
ンおよびチロシン残基のアルコール部でリン酸化する。これらのキナーゼは殆ど
が、セリンおよびトレオニンのリン酸化に特異的およびチロシンのリン酸化に特
異的な2つのグループに含まれる。“二者特異性(dual specificity)”キナー
ゼと呼ばれる幾つかのキナーゼはチロシンならびにセリン/トレオニン残基での
リン酸化が可能である。
【0004】 またプロテインキナーゼは細胞中のその所在によって分類することができる。
幾つかのキナーゼは細胞膜外のリガンドを結合できる膜内外レセプターである。
リガンドの結合はレセプタープロテインキナーゼの触媒活性を変化させる。その
他は、膜内外ドメインを欠損する非レセプタータンパク質である。非レセプター
のプロテインキナーゼは、細胞膜の内表面から細胞核までの種々の細胞の区画で
見いだすことができる。
【0005】 多くのキナーゼは調節カスケードに関連し、その基質は活性がリン酸化状態に
よって調節されている他のキナーゼを含んでよい。最終的には、下流のエフェク
ターの活性は前記の経路の活性化に起因するリン酸化によって調整される。
【0006】 セリン/トレオニンキナーゼファミリーは、細胞増殖、細胞移行、細胞分化、
遺伝子発現、筋収縮、グルコース代謝、細胞タンパク質合成および細胞周期の調
節をコントロールするカスケードを含むシグナルカスケードの多くの段階を調節
するメンバーを含む。
【0007】 セリンおよびトレオニン残基を標的にタンパク質をリン酸化する非レセプター
プロテインキナーゼの例はRAFである。RAFは他のプロテインキナーゼ、例
えばリン酸化ひいてはマイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)の活
性化をもたらす他のプロテインキナーゼの触媒活性を調整する。RAFそれ自体
は、膜に連結しているタンパク質RASによって活性化され、またRASはリガ
ンド活性化チロシンレセプタープロテインキナーゼ、例えば上皮細胞成長因子レ
セプター(EGFR)および血小板由来成長因子レセプター(PDGFR)に応
じて活性化される。細胞イベントの制御におけるRAFの生物学的な重要性は、
RAFの変化形が生物に癌をもたらす可能性が見いだされたことによって強調さ
れている。悪性腫瘍におけるRAFの重要性に関する証拠はMonia他.,1
996,Nature Medicine2:668に提供されており、全ての 図面および表を含む全内容において引用することにより本明細書に記載されたも
のとする。
【0008】 癌および他の病気のための新規の治療を開発するために、生物医学の研究者お
よび化学者はプロテインキナーゼの機能を阻害する分子を設計し、合成し、かつ
試験している。幾つかの小さな有機分子はプロテインキナーゼの機能を調整する
化合物のクラスを形成する。プロテインキナーゼの機能を阻害すると報告されて
いる分子の例はビス単環式、二環式もしくは複素環式アリール化合物(PCT WO92/20642号)、ビニレン−アザインドール誘導体(PCT WO9 4/14808号)、1−シクロプロピル−4−ピリジルキノロン(米国特許第
5330992号明細書)、スチリル化合物(Levitzki他による、米国
特許第5217999号、表題“EGFレセプタープロテインチロシンキナーゼ
を阻害するスチリル化合物”Lyon&Lyon Docket No.208/
050)、スチリル置換ピリジル化合物(米国特許第5302606号明細書)
、一定のキナゾリン誘導体(EP出願第0566266号(A1))、セレオイ
ンドールおよびセレニド(PCT WO94/03427号)、三環式ポリヒド ロキシル化合物(polyhydroxylic compound)(PCT WO92/21660号
)およびベンジルホスホン酸化合物(PCT WO91/15495号)である 。
【0009】 細胞膜を透過することができ、かつ酸加水分解に耐性である化合物は、患者に
経口で適用した後に高度に生物学的利用能があるので潜在的に有利である。しか
しながら、これらのプロテインキナーゼインヒビターの多くはプロテインキナー
ゼの機能を僅かに弱く阻害するだけである。更に、多くは種々のプロテインキナ
ーゼを阻害し、従って疾患のための治療剤のように多様な副作用をもたらす。
【0010】 癌の治療のための化合物の開発における多大な進歩に拘わらず、該分野におい
ては特定のプロテインキナーゼの機能を調整することが可能な特定の構造および
置換パターンの同定が必要とされている。
【0011】本発明の概略 本発明は、セリン/トレオニンプロテインキナーゼの機能を5−アザキノキサ
リンをベースとする化合物によって調整する方法に部分的に向けられている。該
方法はRAFのようなセリン/トレオニンプロテインキナーゼを発現する細胞を
導入している。更に、本発明は、本明細書に記載されるような方法で同定された
化合物によって、セリン/トレオニンプロテインキナーゼに関連する生物の異常
状態を予防および治療する方法を記載している。更に、本発明は、本発明の方法
によって同定された化合物を含有する医薬品組成物に関する。
【0012】I.セリン/トレオニンプロテインキナーゼ機能を調整する化合物のスクリーニ ング方法 本発明の方法は、レセプターおよびサイトゾルのセリン/トレオニンプロテイ
ンキナーゼの両者の機能を調整するための手段を提供している。前記方法は、イ
ンビトロおよびインビボの両者で酵素を調整する手段を提供している。インビト
ロでの適用のためには、本発明の方法は部分的にセリン/トレオニンプロテイン
キナーゼの機能を調整する化合物の同定方法に関する。
【0013】 従って第1の態様において、本発明はアザベンズイミダゾールをベースとする
化合物によって、セリン/トレオニンプロテインキナーゼの機能を調整する方法
を特徴とする。場合によりアザベンズイミダゾール化合物は有機基で置換されて
いる。該方法はセリン/トレオニンプロテインキナーゼを発現する細胞と前記化
合物とを接触させることからなる。
【0014】 用語“機能”はセリン/トレオニンプロテインキナーゼの細胞での役割を示し
ている。セリン/トレオニンプロテインキナーゼファミリーは細胞増殖、細胞移
行、細胞分化、遺伝子発現、筋収縮、グルコース代謝、細胞タンパク質合成、な
らびに細胞周期の調節をコントロールするカスケードを含むシグナル伝達カスケ
ードにおける多くの段階を調節するメンバーを含む。
【0015】 用語“触媒活性”は、本発明に関してはプロテインキナーゼが基質をリン酸化
する速度を定義している。触媒活性は、例えば生成物に変換された基質の量を時
間の関数として決定することによって測定できる。基質のリン酸化はプロテイン
キナーゼの活性部位で生じる。活性部位は通常、基質がプロテインキナーゼに結
合しかつリン酸化される空隙である。
【0016】 本明細書で使用されるような用語“基質”はセリン/トレオニンプロテインキ
ナーゼによってリン酸化される分子を示している。有利には基質はペプチドであ
り、より有利にはタンパク質である。プロテインキナーゼRAFに関して、有利
な基質はMEKであり、かつMEKの基質はMAPKである。
【0017】 用語“活性化する”はプロテインキナーゼの細胞での機能を増大させることを
意味する。有利にはプロテインキナーゼ機能は本来の結合パートナーとの相互作
用であり、より有利には触媒活性である。
【0018】 用語“阻害する”はプロテインキナーゼの細胞での機能を低下させることを意
味する。有利にはプロテインキナーゼ機能は本来の結合パートナーとの相互作用
であり、より有利には触媒活性である。
【0019】 用語“調整する”は、複合体がプロテインキナーゼおよび本来の結合パートナ
ー間で形成する確率を増大または減少させることによってプロテインキナーゼの
機能を変化させることを意味する。有利には調整物質は、複合体がプロテインキ
ナーゼと本来の結合パートナーとの間で形成する確率を増大させ、より有利には
複合体がプロテインキナーゼと本来の結合パートナーとの間で形成する確率をプ
ロテインキナーゼに作用する化合物の濃度に依存して増大または減少させ、最も
有利には複合体がプロテインキナーゼと本来の結合パートナーとの間で形成する
確率を減少させる。有利には調整物質はプロテインキナーゼの触媒活性を活性化
するか、より有利にはプロテインキナーゼの触媒活性を該プロテインキナーゼに
作用する化合物の濃度に依存して活性化もしくは阻害するか、または最も有利に
はプロテインキナーゼの触媒活性を阻害する。
【0020】 用語“複合体”は互いに結合した少なくとも2つの分子の集合を示す。しばし
ばシグナル伝達複合体は互いに結合した少なくとも2つの分子を有する。例えば
プロテインチロシンレセプタープロテインキナーゼ、GRB2、SOS、RAF
およびRASは会合し、マイトジェンリガンドに応じてシグナル伝達複合体を形
成する。
【0021】 用語“本来の結合パートナー”は細胞中でプロテインキナーゼに結合するポリ
ペプチドを示す。本来の結合パートナーは、プロテインキナーゼシグナル伝達プ
ロセスにおいてシグナルを伝える役割を果たす。プロテインキナーゼと本来の結
合パートナー間での相互作用の変化は、相互作用を形成する確率の増大または減
少としてか、またはプロテインキナーゼ/本来の結合パートナー複合体の濃度の
増大または減少として明らかにすることができる。
【0022】 プロテインキナーゼの本来の結合パートナーはプロテインキナーゼの細胞内領
域に高い親和性で結合することができる。高い親和性は10-6M以下のオーダー
の平衡結合定数を表す。更にまた、本来の結合パートナーは過渡的にプロテイン
キナーゼの細胞内領域と相互作用し、これを化学的に修飾する。プロテインキナ
ーゼの本来の結合パートナーは、限定されないがSRCホモロジー2(SH2)
または3(SH3)ドメイン、他のホスホリルチロシン結合(PTB)ドメイン
、グアニンヌクレオチド変換因子、プロテインホスファターゼならびに他のプロ
テインキナーゼを含む群から選択される。プロテインキナーゼとその本来の結合
パートナー間での相互作用における変化を決定する方法は、この分野では容易に
実用可能である。
【0023】 用語“セリン/トレオニンプロテインキナーゼ”は、セリンおよびトレオニン
残基でタンパク質をリン酸化する他の酵素に対して少なくとも10%のアミノ酸
同一性を有するアミノ酸配列の酵素を示している。セリン/トレオニンプロテイ
ンキナーゼは、タンパク質におけるセリンおよびトレオニン残基へのホスフェー
トの付加を触媒する。セリン/トレオニンプロテインキナーゼは膜結合タンパク
質またはサイトゾルのタンパク質として存在してよい。
【0024】 本明細書で使用されるような用語“接触する”は、本発明の5−アザキノキサ
リン化合物を含有する溶液を、方法の細胞を浸している液体培地と混合すること
を示す。該化合物を含有する溶液は別の成分、例えばジメチルスルホキシド(D
MSO)を含有していてよく、これは1種以上の5−アザキノキサリン化合物を
方法の細胞中に取り込むことを容易にする。5−アザキノキサリンを含有する溶
液を細胞を浸している培地へと導出装置、例えばピペット系の装置またはシリン
ジベースの装置を使用して添加してよい。
【0025】 用語“5−アザキノキサリンをベースとする化合物”は化学的置換基によって
置換された5−アザキノキサリン有機化合物を示す。5−アザキノキサリン化合
物は一般的構造:
【0026】
【化4】
【0027】 の5−アザキノキサリン化合物を示す。
【0028】 用語“置換された”は、本発明に関しては任意の数の化学的置換基で誘導体化
された5−アザキノキサリン化合物を示す。
【0029】 有利な態様においては、本発明はセリン/トレオニンプロテインキナーゼRA
Fの機能を調整する方法に関する。
【0030】 RAFプロテインキナーゼはタンパク質標的をセリンまたはトレオニン残基に
おいてリン酸化する。1種のかかるタンパク質標的はマイトジェン活性化プロテ
インキナーゼ(MARK)をリン酸化し、引き続き活性化するプロテインキナー
ゼ(MEK)である。RAF自体は、マイトジェン誘発レセプタープロテインチ
ロシンキナーゼ、例えば上皮成長因子レセプター(EGFR)および血小板由来
成長因子レセプター(PDGFR)に応じて膜結合グアニン三リン酸加水分解酵
素RASによって活性化される。
【0031】 本発明の方法は、細胞におけるRAFプロテインキナーゼの機能を調整する化
合物を検出することができる。RAFは、マイトジェンで活性化されるプロテイ
ンキナーゼ(MAPK)もリン酸化するプロテインキナーゼ(MEK)をリン酸
化する。RAFによるMEKのリン酸化だけをモニターするアッセイは高感度で
はない。それというのもMEKのリン酸化レベルは重要でないからである。この
感度のジレンマを克服するために、本発明のアッセイにおいてMEKおよびMA
PKの両者のリン酸化を実施する。MAPKリン酸化シグナルはMEKリン酸化
シグナルを増幅させ、かつRAF依存性リン酸化をアッセイ、例えば酵素結合イ
ムノソルベントアッセイで実施することができる。更に、本発明のアッセイは、
短時間で多くの化合物を迅速にモニターできる高いスループット方式で実施され
る。
【0032】 別の態様においては、本発明はセリン/トレオニンプロテインキナーゼの機能
を調整する化合物を同定するための、セリン/トレオニンプトレインキナーゼを
発現する細胞と該化合物とを接触させてかつ細胞での効果をモニターする工程を
有する方法を記載している。
【0033】 用語“モニターする”は方法の細胞への前記化合物の添加の効果を観察するこ
とを意味する。該効果は細胞表現型、細胞増殖、プロテインキナーゼの触媒活性
での変化またはプロテインキナーゼと本来の結合パートナーとの間での相互作用
における変化において明らかにすることが可能である。
【0034】 用語“効果”は、細胞表現型または細胞増殖での変化の有無を記載している。
“効果”はまたプロテインキナーゼの触媒活性での変化の有無を記載している。
“効果”はまたプロテインキナーゼおよび本来の結合パートナー間の相互作用の
変化の有無を記載している。
【0035】 本発明の有利な実施態様はセリン/トレオニンプロテインキナーゼの機能を調
整する化合物の同定方法に関し、その際、効果は細胞表現型での変化の有無であ
る。
【0036】 用語“細胞表現型”は細胞もしくは組織の外観または細胞もしくは組織の機能
を示している。細胞表現型の例は細胞サイズ(縮小または拡大)、細胞増殖(細
胞数の減少もしくは増加)、細胞分化(細胞の形状の変化の有無)、細胞生存、
アポトーシス(細胞死)または代謝栄養の利用(例えばグルコース摂取)である
。細胞表現型での変化の有無は従来公知の技術によって容易に測定される。
【0037】 別の有利な態様において、本発明はセリン/トレオニンプロテインキナーゼの
機能を調整する化合物の同定方法に関し、その際、該効果は細胞増殖における変
化の有無である。
【0038】 用語“細胞増殖”は、細胞の群が分割する速度を示している。容器中で成長す
る細胞の数は、定義された容量での細胞の数を一般的な光学顕微鏡を使用して視
覚的に計数する場合に当業者によって定量することができる。選択的に、細胞増
殖速度は、適当な培地中の細胞密度を光学的または導電的に測定する研究室規模
の装置によって定量する事ができる。
【0039】 別の有利な態様において、本発明は、効果がセリン/トレオニンプロテインキ
ナーゼと本来の結合パートナーとの間の相互作用の変化の有無である、セリン/
トレオニンプロテインキナーゼの機能を調整する化合物の同定方法に関する。
【0040】 本明細書中での用語“相互作用”は、プロテインキナーゼの細胞内領域と本来
の結合パートナーまたは化合物間で形成される複合体を記載している。また用語
“相互作用”は本発明の化合物と研究中のプロテインキナーゼの細胞内領域なら
びに細胞外領域との間に形成される複合体に拡張できる。サイトゾルのプロテイ
ンキナーゼは細胞外領域を有していないが、レセプタープロテインキナーゼは細
胞外および細胞内領域の両者を有している。
【0041】 本明細書中で使用されるような用語“細胞内領域”は細胞内に存在するプロテ
インキナーゼの部分を示している。本明細書で使用されるような用語“細胞外領
域”は細胞の外側に存在するプロテインキナーゼの部分を示している。
【0042】 有利な態様において、本発明はセリン/トレオニンプロテインキナーゼの機能
を調整する化合物の同定方法に関し、該方法は以下の工程を含んでいる: (a)細胞を溶解させ、セリン/トレオニンプロテインキナーゼを含有する細胞
溶解産物にし、 (b)セリン/トレオニンプロテインキナーゼと抗体とを吸着させ、 (c)吸着させたセリン/トレオニンプロテインキナーゼを1種以上の基質とイ
ンキュベートし、 (d)1種以上の基質を固体担体もしくは抗体に吸着させる。細胞の効果をモニ
ターする工程は、1種以上の基質のホスフェート濃度の測定を含む。
【0043】 本明細書で使用されるような用語“溶解”は細胞の内容物が遊離するように細
胞の外被を破壊する方法を示している。細胞溶解は当業者に公知の多数の方法に
よって実施される。有利には該方法はソニケーションまたは細胞シェアリング技
術(cell sheering technique)によって、より有利には界面活性剤技術によっ て実施される。
【0044】 本明細書で使用されるような用語“抗体”はプロテインキナーゼに特異的に結
合するタンパク質分子を示している。有利には抗体は1種類のプロテインキナー
ゼに結合し、かつより有利にはRAFプロテインキナーゼに特異的に結合する。
【0045】 本明細書で使用されるような用語“特異的に結合する”は別のプロテインキナ
ーゼまたは細胞タンパク質より高い親和性でタンパク質に結合する抗体を示して
いる。プロテインキナーゼに特異的に結合する抗体は、任意の他のプロテインキ
ナーゼまたは細胞タンパク質より高い濃度の特異的プロテインキナーゼに結合す
る。
【0046】 本明細書で使用されるような用語“吸着”は分子と抗体または固体担体の表面
との結合を示している。固体担体の例は化学修飾セルロース、例えばホスホセル
ロース、およびナイロンである。抗体は一般的な当業者個人によく知られている
技術を使用して固体担体に結合させることができる。例えばHarlo&Lan
e,Antibodies,A Laboratory Manual,1989
,Cold Spring Harbor Laboratories参照。
【0047】 本明細書で使用されるような用語“ホスフェート濃度を測定する”は一般的な
当業者に通常知られている技術を示している。これらの技術は基質中のホスフェ
ート濃度の定量または基質中のホスフェートの相対量の測定を含む。これらの技
術は膜への基質の吸着ならびに放射性測定による基質中のホスフェート量の検出
を含んでもよい。
【0048】 別の有利な態様において、本発明はセリン/トレオニンプロテインキナーゼの
機能を調整する化合物の同定方法に関し、該方法は以下の工程を更に含んでいる
: (a)細胞を溶解させ、RAFを含有する溶解産物にし、 (b)RAFと抗体とを吸着させ、 (c)吸着したRAFをMEKおよびMAPKと一緒にインキュベートし、 (d)固体担体または1種以上の抗体にMEKおよびMAPKを吸着させる。細
胞における効果の測定の工程は前記のMEKおよびMAPKのホスフェート濃度
をモニターすることを含む。
【0049】 有利な態様において、本発明はセリン/トレオニンプロテインキナーゼの機能
を調整する化合物の同定方法に関し、その際、5−アザキノキサリンをベースと
する化合物は本明細書で定義されるような式Iまたは本明細書に示されるその任
意の組で示される構造を有している。
【0050】 用語“化合物”は化合物、またはその製薬学的に認容性の塩、エステル、アミ
ド、プロドラッグ、異性体または代謝物を示している。
【0051】 用語“製薬学的に認容性の塩”は化合物の生物学的活性および特性が排除され
ていない化合物の製剤を示している。製薬学的塩は本発明の化合物と無機酸もし
くは有機酸、例えば塩化水素酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、メタンスル
ホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸およびその類
似物との反応によって得ることができる。
【0052】 用語“プロドラッグ”はインビボで親ドラッグに変換される薬剤を示している
。プロドラッグは、幾つかの場合においては親ドラッグよりも投与が容易である
。例えばプロドラッグが経口投与によって生物学的に利用可能であるが、親ドラ
ッグは利用できないか、またはプロドラッグは溶解度を改善し、静脈内投与を可
能にすることもできる。
【0053】 別の有利な態様においては、本発明はセリン/トレオニンプロテインキナーゼ
の機能を調整する化合物の同定方法に関し、その際、5−アザキノキサリンをベ
ースとする化合物は式Iに示される構造を有し、SAQAR化合物からなる群か
ら選択される。
【0054】 用語“SAQAR化合物”は式Iおよび以下の表に番号A−1からA−90を
通して示される構造を有している5−アザキノキサリンをベースとする化合物を
示している:
【0055】
【化5】
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】
【表3】
【0059】II.異常状態の予防または治療の方法 別の態様においては、本発明は生物における異常状態の予防または治療の方法
を特徴としている。該方法は以下の工程を有している: (a)本明細書で提供される任意の制約を有する式Iによって本明細書中で規定
される、本発明の化合物を生物に投与し、 (b)異常状態を促進または途絶させる。
【0060】 用語“生物”は少なくとも1つの細胞を有する生命体に関する。生物は1つの
真核細胞と同様に単純であってよいか、またはほ乳類と同様に複雑であってよい
【0061】 用語“予防”は、生物が異常状態を生ずるかまたは進行する可能性の減少また
はその可能性の排除の本発明の方法を示している。
【0062】 用語“治療”は、治療効果を有しかつ生物における異常状態を少なくとも部分
的に緩和もしくは排除する、本発明の方法を示している。
【0063】 用語“治療効果”は異常状態(例えば癌)を惹起するかまたは貢献する細胞増
殖の阻害を示している。また用語“治療効果”は異常状態を惹起するかまたは貢
献する成長因子の阻害を示している。治療効果は異常状態の1つ以上の症状をあ
る程度まで緩和する。癌の治療に関しては、治療効果は1つ以上の以下のことを
示している: (a)腫瘍サイズの縮小、(b)腫瘍の転移の阻害(すなわち緩和または停止)
、(c)腫瘍の成長の阻害ならびに(d)異常状態に関連する1つ以上の症状を
ある程度まで緩和する。白血病に対する効力を示す化合物は本明細書に記載され
るように同定できるが、但しむしろ転移を阻害するよりも、その代わりに該化合
物は細胞増殖もしくは細胞成長を遅延または低下させる。
【0064】 用語“異常状態”は、生物におけるその通常の機能から逸脱した、該生物の細
胞または組織での機能を示している。異常状態は細胞増殖、細胞分化または細胞
生存に関してもよい。
【0065】 異常型の細胞増殖状態は癌、例えば線維症性疾患およびメサンギウム疾患、異
常な血管形成および脈管形成、創傷治癒、乾癬、糖尿病および炎症を含む。
【0066】 異常型の分化状態は、神経変性疾患に限定されず、遅い創傷治癒速度および組
織移植技術を含む。
【0067】 異常型の細胞生存状態はプログラムされた細胞死(アポトーシス)経路を活性
化するかまたは排除する状態に関する。幾つかのプロテインキナーゼはアポトー
シス経路に関連している。任意の1つのプロテインキナーゼの機能における異常
型は細胞の不死化または早期の細胞死をもたらすことがある。
【0068】 細胞の増殖、分化および生存は従来の方法で容易に測定できる現象である。該
方法は細胞数の観察または時間(例えば日)に関する顕微鏡下での細胞の外観を
含んでよい。
【0069】 用語“投与”は広範に生物への措置に関し、殊に化合物を生物の細胞または組
織への導入方法に関する。異常状態は、生物の細胞または組織が生物の内部また
は外部に存在する場合に回避または治療することができる。生物の外部に存在す
る細胞は細胞培養皿中で保持するかまたは生育させることができる。生物内に存
在する細胞に関しては、多くの技術が化合物を投与するための、(限定されない
が)経口、非経口、経皮、注入およびエーロゾル投与を含む技術において存在す
る。生物の外部の細胞のために、多数の技術は化合物を投与するための、(限定
されないが)マイクロインジェクション技術、形質転換技術および賦形剤技術を
含む技術に存在する。
【0070】 有利な態様において、本発明は生物における異常状態の予防または治療の方法
に関し、その際、5−アザキノキサリンをベースとする化合物は明細書中で定義
されるような式Iまたは明細書に示されるその任意の組に示される構造を有して
いる。
【0071】 他の有利な態様において、本発明は生物における異常状態の予防または治療の
方法に関し、その際、5−アザキノキサリンをベースとする式Iに示される構造
を有する化合物はSAQAR化合物からなる群から選択される。
【0072】 別の有利な態様において、本発明は生物における異常状態の予防または治療の
方法に関し、その際、生物はほ乳類である。
【0073】 用語“ほ乳類”は有利にはマウス、ラット、ウサギ、モルモットおよびヤギ、
より有利にはサルおよび類人猿、最も有利にはヒトのような生物を示している。
【0074】 更に別の有利な態様において、本発明は生物の異常状態の予防または治療の方
法に関し、その際、異常状態は癌もしくは線維症性疾患である。
【0075】 別の有利な態様において、本発明は生物の異常状態の予防または治療の方法に
関し、その際、癌は肺癌、卵巣癌、乳癌、脳癌、軸性脳内癌(intra-axial brai
n cancer)、結腸癌、前立腺癌、肉腫、カポジ肉腫、黒色腫および神経膠腫から
なる群から選択される。
【0076】 更に別の有利な態様において、本発明は生物の異常状態の予防または治療の方
法に関し、その際、該方法は、セリン/トレオニンプロテインキナーゼと本来の
結合パートナー間の相互作用を特徴とするシグナル伝達経路の異常型に関連する
異常状態に適用する。
【0077】 用語“シグナル伝達経路”はシグナルの伝達を示している。一般に細胞外シグ
ナルは細胞膜を通って伝達されて細胞内シグナルになる。このシグナルは細胞応
答を刺激することができる。またこの用語は細胞内全体に伝達されるシグナルを
含む。シグナル伝達プロセスに関連するポリペプチド分子は一般に、レセプター
および非レセプタープロテインキナーゼ、レセプターおよび非レセプタープロテ
インホスファターゼ、ヌクレオチド変換因子および転写因子である。
【0078】 シグナル伝達プロセスに関する用語“異常型”は、生物において過剰に発現す
るかまたは過少に発現し、触媒活性が野生型のプロテインキナーゼ活性より低い
かまたは高いように変異させ、最早本来の結合パートナーと相互作用できないか
、最早別のプロテインキナーゼもしくはプロテインホスファターゼによって修飾
されないか、または最早本来の結合パートナーと相互作用しないように変異した
プロテインキナーゼを示している。
【0079】 用語“異常な相互作用の促進または中断”は、本発明の化合物を生物の細胞ま
たは組織に投与することによって達成できる方法を示している。化合物はプロテ
インキナーゼと本来の結合パートナー間の相互作用を複雑な界面での多数の原子
との有利な相互作用の形成によって促進する事ができる。選択的に、化合物はプ
ロテインキナーゼと本来の結合パートナー間の相互作用を複合体の境界面の原子
間で形成する有利な相互作用を損なわせることによって阻害することができる。
別の有利な態様において、本発明は生物の異常状態の予防または治療の方法に関
し、その際、セリン/トレオニンプロテインキナーゼはRAFである。
【0080】III.本発明の化合物および医薬品組成物 別の態様においては、本発明は式I:
【0081】
【化6】
【0082】 [式中、 (a)R1、R2およびR6は独立して、 (i)水素、 (ii)飽和もしくは不飽和のアルキル、 (iii)X2およびX3が独立して水素、飽和もしくは不飽和のアルキル、5員
もしくは6員のアリール環部またはヘテロアリール環部からなる群から選択され
る、式:NX23のアミン、 (iv)ハロゲンもしくはトリハロメチル、 (v)X4が水素、アルキルおよび5員もしくは6員のアリール環部またはヘテ ロアリール環部からなる群から選択される、式:−CO−X4のケトン、 (vi)X5、X6およびX7が独立してアルキルおよび5員もしくは6員のアリ ール環部またはヘテロアリール環部からなる群から選択され、かつnが0または
1である、式:−(X5n−COOHのカルボン酸または式:−(X6n−CO
O−X7のエステル、 (vii)X8およびX9が独立して水素、飽和もしくは不飽和のアルキル、およ
びアルキル、ハロゲン、トリハロメチル、カルボキシレート、ニトロおよびエス
テルからなる群から独立に選択される1個以上の置換基で場合により置換されて
いる5員もしくは6員のアリール環部またはヘテロアリール環部からなる群から
選択され、nが0または1である、式:(X8n−OHのアルコールまたは式:
−(X8n−O−X9のアルコキシ部、 (viii)X10がアルキル、ヒドロキシル、および場合によりアルキル、ハロ
ゲン、トリハロメチル、カルボキシレート、ニトロもしくはエステルからなる群
から独立に選択される1個以上の置換基で置換されている5員もしくは6員のア
リール環部またはヘテロアリール環部からなる群から選択される、式:−NHC
OX10のアミド、 (ix)X11およびX12が水素、アルキル、および5員もしくは6員のアリール
環部またはヘテロアリール環部からなる群から選択される、−SO2NX1112 、 (x)アルキル、ハロゲン、トリハロメチル、カルボキシレート、ニトロおよび
エステル部からなる群から独立に選択される1個、2個または3個の置換基で場
合により置換されている5員もしくは6員のアリール環部またはヘテロアリール
環部、 (xi)式:−CO−Hのアルデヒド、 (xii)X13が飽和もしくは不飽和のアルキルおよび5員もしくは6員のアリ
ール環部またはヘテロアリール環部からなる群から選択される、式:−SO2− X13のスルホン、 からなる群から選択され、 (b)X1は窒素、硫黄および酸素からなる群から選択される]に示される構造 を有する5−アザキノキサリン化合物を特徴とする。
【0083】 用語“飽和アルキル”はアルケン部またはアルキン部を有さないアルキル部を
示している。アルキル部は分枝鎖状または非分枝鎖状であってよい。
【0084】 用語“不飽和アルキル”は少なくとも1つのアルケン部またはアルキン部を有
するアルキル部を示している。
【0085】 用語“アミン”は式:NR12 [式中、 R1およびR2は独立して水素、飽和もしくは不飽和のアルキル、およびアルキル
、ハロゲン、トリハロメチル、カルボキシレート、ニトロおよびエステル部から
なる群から独立に選択される1個以上の置換基で場合により置換されている5員
もしくは6員のアリール環部またはヘテロアリール環部からなる群から選択され
る]の化学的部分を示している。
【0086】 用語“アリール”は共役π電子系を有する少なくとも1つの環を有し、炭素環
式アリール基(例えばフェニル)および複素環式アリール基(例えばピリジン)
の両者を包含する芳香族基を示している。用語“炭素環式”は1個以上の共有的
に閉環した環構造を有し、かつ環の骨格を形成する原子が全て炭素である化合物
を示している。従ってこの用語は炭素環式を、環骨格が炭素と異なる少なくとも
1個の原子を有する複素環式と区別する。用語“ヘテロアリール”は少なくとも
1個の複素環を有するアリール基を示している。
【0087】 用語“ハロゲン”はフッ素、塩素、臭素およびヨウ素からなる群から選択され
る原子を示している。
【0088】 用語“ケトン”はRおよびR’が飽和もしくは不飽和のアルキルおよび5員も
しくは6員のアリール環部またはヘテロアリール環部からなる群から選択され、
かつnが0または1である、式:−(R)n−CO−R’を有する化学的部分を 示している。
【0089】 用語“カルボン酸”はRが飽和もしくは不飽和のアルキルおよび5員もしくは
6員のアリール環部またはヘテロアリール環部からなる群から選択され、かつn
が0または1である、式:−(R)n−COOHを有する化学的部分を示してい る。
【0090】 用語“エステル”はRおよびR’が独立して飽和もしくは不飽和のアルキルお
よび5員もしくは6員のアリール環部またはヘテロアリール環部からなる群から
選択され、かつnが0または1である、式:−(R)n−COOR’を有する化 学的部分を示している。
【0091】 用語“アルコール”はRが水素、飽和もしくは不飽和のアルキル、およびアル
キル、ハロゲン、トリハロメチル、カルボキシレート、ニトロおよびエステル部
から独立に選択される1個以上の置換基で場合により置換されている5員もしく
は6員のアリール環部またはヘテロアリール環部からなる群から選択される、式
:−ROHの化学的置換基を示している。
【0092】 用語“アミド”はRが水素、アルキル、ヒドロキシル、およびアルキル、ハロ
ゲン、トリハロメチル、カルボキシレート、ニトロまたはエステルから独立に選
択される1個以上の置換基で場合により置換されている5員もしくは6員のアリ
ール環部またはヘテロアリール環部からなる群から選択される、式:−NHCO
Rの化学的置換基を示している。
【0093】 用語“アルコキシ部”はRが水素または飽和もしくは不飽和のアルキル部であ
る、式:−ORの化学的置換基を示している。
【0094】 用語“アルデヒド”はRが飽和もしくは不飽和のアルキルおよび5員もしくは
6員のアリール部またはヘテロアリール部からなる群から選択され、nが0また
は1である、式:−(R)n−CHOを有する化学的部分を示している。
【0095】 用語“スルホン”はRが飽和もしくは不飽和のアルキルおよび5員もしくは6
員のアリール部またはヘテロアリール部からなる群から選択される、式:−SO 2 −Rの化学的部分を示している。
【0096】 別の有利な態様において、本発明はR3およびR4が独立して水素および飽和も
しくは不飽和のアルキルからなる群から選択される、式Iに示される構造を有す
る5−アザキノキサリンをベースとする化合物に関する。
【0097】 もう1つの有利な態様においては、本発明はR3およびR4が水素である、式I
に示される構造を有する5−アザキノキサリンをベースとする化合物に関する。
【0098】 他の有利な態様において、本発明はR1およびR2が水素、飽和もしくは不飽和
のアルキル、およびアルキル、ハロゲン、トリハロメチル、ヒドロキシ、アルコ
キシ、カルボキシレート、ニトロおよびエステル部からなる群から独立に選択さ
れる1個、2個または3個の置換基で場合により置換されている5員もしくは6
員のアリール環部またはヘテロアリール環部からなる群から選択される、式Iに
示される構造を有する5−アザキノキサリンをベースとする化合物に関する。
【0099】 更に他の有利な態様において、本発明はR1がアルキル、ハロゲン、ヒドロキ シおよびアルコキシ部からなる群から独立に選択される1個、2個または3個の
置換基で場合により置換されているフェニルである、式Iで示される構造を有す
る5−アザキノキサリンをベースとする化合物に関する。
【0100】 別の有利な態様においては、本発明はR1がフェニルである、式Iに示される 構造を有する5−キノキサリンをベースとする化合物に関する。
【0101】 更に別の有利な態様において、本発明はR1が4−ヒドロキシフェニルである 、式Iに示される構造を有する5−アザキノキサリンをベースとする化合物に関
する。
【0102】 他の有利な態様において、本発明はR2が水素、飽和もしくは不飽和のアルキ ル、およびアルキル、ハロゲン、ヒドロキシおよびアルコキシ部からなる群から
独立に選択される1個、2個または3個の置換基で場合により置換されているフ
ェニルからなる群から選択される、式Iに示される構造を有する5−アザキノキ
サリンをベースとする化合物に関する。
【0103】 別の有利な態様において、本発明はR2が水素である、式Iに示される構造を 有する5−アザキノキサリンをベースとする化合物に関する。
【0104】 更に別の有利な態様において、本発明はR2がメチルである、式Iに示される 構造を有する5−アザキノキサリンをベースとする化合物に関する。
【0105】 更に別の有利な態様において、本発明はR2がフェニルである、式Iに示され る構造を有する5−アザキノキサリンをベースとする化合物に関する。
【0106】 別の有利な態様において、本発明はX1が窒素または酸素である、式Iに示さ れる構造を有する5−アザキノキサリンをベースとする化合物に関する。
【0107】 更に別の有利な態様においては、本発明はX1が酸素である、式Iに示される 構造を有する5−アザキノキサリンをベースとする化合物に関する。
【0108】 更に別の有利な態様においては、本発明はX1が窒素である、式Iに示される 構造を有する5−アザキノキサリンをベースとする化合物に関する。
【0109】 他の有利な態様においては、本発明はR6が水素;アルキル、ハロゲン、トリ ハロメチル、ヒドロキシ、アルコキシ、カルボキシレート、ニトロおよびエステ
ル部からなる群から独立に選択される1個、2個または3個の置換基で場合によ
り置換されている5員もしくは6員のアリール環部またはヘテロアリール環部で
場合により置換されている飽和もしくは不飽和のアルキル;アルキル、ハロゲン
、トリハロメチル、ヒドロキシ、アルコキシ、カルボキシレート、ニトロおよび
エステル部からなる群から独立に選択される1個、2個または3個の置換基で場
合により置換されている5員もしくは6員のアリール環部またはヘテロアリール
環部からなる群から選択される、式Iに示される構造を有する5−アザキノキサ
リンをベースとする化合物に関する。
【0110】 更に他の有利な態様において、本発明はR6およびX1部が一緒になってSAQ
AR置換基からなる群から選択される化合物を形成する、式Iに示される構造を
有する5−アザキノキサリンをベースとする化合物に関する。
【0111】 用語“SAQAR置換基”はメトキシ、ベンジルアミノ、4−フルオロベンジ
ルアミノ、2−カルボキシベンジルアミノ、3−カルボキシベンジルアミノ、4
−カルボキシベンジルアミノ、2−ニトロベンジルアミノ、3−ニトロベンジル
アミノ、4−ニトロベンジルアミノ、2−メチルベンジルアミノ、3−メチルベ
ンジルアミノ、4−メチルベンジルアミノ、2−クロロベンジルアミノ、3−ク
ロロベンジルアミノ、4−クロロベンジルアミノ、2−フルオロベンジルアミノ
、3−フルオロベンジルアミノ、4−フルオロベンジルアミノ、2−(トリフル
オロメチル)ベンジルアミノ、3−(トリフルオロメチル)ベンジルアミノ、4
−(トリフルオロメチル)ベンジルアミノ、フェネチル−1−アミノ、フェニル
アミノ、2−カルボキシフェニルアミノ、3−カルボキシフェニルアミノ、4−
カルボキシフェニルアミノ、2−ニトロフェニルアミノ、3−ニトロフェニルア
ミノ、4−ニトロフェニルアミノ、2−メチルフェニルアミノ、3−メチルフェ
ニルアミノ、4−メチルフェニルアミノ、2−クロロフェニルアミノ、3−クロ
ロフェニルアミノ、4−クロロフェニルアミノ、2−フルオロフェニルアミノ、
3−フルオロフェニルアミノ、4−フルオロフェニルアミノ、2−(トリフルオ
ロメチル)フェニルアミノ、3−(トリフルオロメチル)フェニルアミノ、4−
(トリフルオロメチル)フェニルアミノ、ピリド−2−アミノ、ピリド−3−ア
ミノ、ピリド−4−アミノおよびピリド−2−メチルアミノからなる置換基の群
を示している。
【0112】 用語“ベンジルアミノ”は以下の式:
【0113】
【化7】
【0114】 [式中、 アリール環は2、3または4位で場合により置換されていてよい]に示される構
造を有する基を示している。
【0115】 用語“フェニルアミノ”は以下の式:
【0116】
【化8】
【0117】 [式中、 アリール環は2、3または4位で場合により置換されていてよい]に示される構
造を有する基を示している。
【0118】 用語“フェネチル−1−アミノ”は、以下の式:
【0119】
【化9】
【0120】 に示される構造を有する基を示している。
【0121】 用語“ピリド−2−アミノ”は2位においてNH基で置換されているピリジン
環を示している。同様に、用語“ピリド−3−アミノ”および“ピリド−4−ア
ミノ”は3位および4位でそれぞれNH基によって置換されているピリジン環を
示している。
【0122】 更に別の有利な態様において、本発明は、5−アザキノキサリンをベースとす
る化合物がSAQAR化合物からなる群から選択される、式Iに示される構造を
有する5−アザキノキサリンをベースとする化合物に関する。
【0123】IV.本発明の合成法 別の態様において、本発明は明細書中に示されるような式Iの構造を有する化
合物または明細書中に示される任意の組またはその塩、および生理学的に認容性
の賦形剤または希釈剤を含有する医薬品組成物を特徴とする。
【0124】 有利な態様においては、本発明は5−アザキノキサリンをベースとする化合物
がSAQAR化合物からなる群から選択される、医薬品組成物に関する。
【0125】 用語“医薬品組成物”は本発明の5−アザキノキサリン化合物と他の化学的成
分、例えば希釈剤または賦形剤との混合物を示している。医薬品組成物は生物へ
の化合物の投与を容易にする。限定されるものではないが、経口、注入、エーロ
ゾル、非経口および局所適用を含む技術において、化合物を投与するための多く
の技術が存在する。また医薬品組成物は化合物と無機酸、例えば塩化水素酸、臭
化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−ト
ルエンスルホン酸、サリチル酸およびその類似体との反応によって得ることがで
きる。
【0126】 用語“生理学的に認容性”は化合物の生物学的活性および特性を排除しない賦
形剤または希釈剤を定義している。
【0127】 用語“賦形剤”は細胞または組織への化合物の導入を容易にする化学的化合物
を定義している。例えばジメチルスルホキシド(DMSO)は、生物の細胞また
は組織中への多くの有機化合物の取り込みを容易にするように通常使用されてい
る賦形剤である。
【0128】 用語“希釈剤”は関連の化合物を溶解し、かつ化合物の生物学的に活性な形を
安定化する、水に希釈された化学的化合物を定義している。該技術においては緩
衝溶液中に溶解された塩を希釈剤として使用する。1種の通常使用される緩衝溶
液はリン酸緩衝食塩水である。それというのもヒトの血液の塩条件とよく似てい
るからである。緩衝塩は低濃度で溶液のpHをコントロールできるので、緩衝希
釈剤は化合物の生物学的活性をめったに変化させない。
【0129】 更に別の態様においては、本発明は、以下の工程を有する本発明の化合物の合
成方法を特徴としている: (a)2−アミノ−6−クロロ−3−ニトロピリジンと、アルコールおよびアミ
ンからなる群から選択される第2の反応物とを溶剤中および塩基の存在下で反応
させ、第1の中間物質を得、 (b)第1の中間物質と1,2−ジオンとを触媒および還元剤の存在下に反応さ
せ、 (d)最終生成物を精製する。
【0130】 用語“1,2−ジオン”は、R1およびR2が水素;アルキル、ハロゲン、トリ
ハロメチル、ヒドロキシ、アルコキシ、カルボキシレート、ニトロおよびエステ
ル部からなる群から独立に選択される1個、2個または3個の置換基で場合によ
り置換されている5員もしくは6員のアリール環部またはヘテロアリール環部で
場合により置換されている飽和もしくは不飽和のアルキル;およびアルキル、ハ
ロゲン、トリハロメチル、ヒドロキシ、アルコキシ、カルボキシレート、ニトロ
およびエステル部からなる群から独立に選択される1個、2個または3個の置換
基で場合により置換されている5員もしくは6員のアリール環部またはヘテロア
リール環部からなる群から独立に選択される、式:R1−C(O)C(O)−R2 の化学的部分を示している。
【0131】 有利な態様おいて、本発明は、溶剤がn−ブタノールである本発明の化合物の
合成方法に関する。
【0132】 別の有利な態様において、本発明は、塩基が粉末の炭酸カリウムである本発明
の化合物の合成方法に関する。
【0133】 更に別の有利な態様において、本発明は、第2の反応物がSAQAR反応物か
らなる群から選択される本発明の化合物の合成方法に関する。
【0134】 用語“SAQAR反応物”はメタノール、ベンジルアミン、4−フルオロベン
ジルアミン、2−カルボキシベンジルアミン、3−カルボキシベンジルアミン、
4−カルボキシベンジルアミン、3−ニトロベンジルアミン、4−ニトロベンジ
ルアミン、2−ニトロベンジルアミン、2−メチルベンジルアミン、3−メチル
ベンジルアミン、4−メチルベンジルアミン、2−クロロベンジルアミン、3−
クロロベンジルアミン、4−クロロベンジルアミン、2−フルオロベンジルアミ
ン、3−フルオロベンジルアミン、4−フルオロベンジルアミン、2−(トリフ
ルオロメチル)ベンジルアミン、3−(トリフルオロメチル)ベンジルアミン、
4−(トリフルオロメチル)ベンジルアミン、フェネチル−1−アミン、アニリ
ン、2−カルボキシアニリン、3−カルボキシアニリン、4−カルボキシアニリ
ン、2−ニトロアニリン、3−ニトロアニリン、4−ニトロアニリン、2−トル
イジン、3−トルイジン、4−トルイジン、2−クロロアニリン、3−クロロア
ニリン、4−クロロアニリン、2−フルオロアニリン、3−フルオロアニリン、
4−フルオロアニリン、2−(トリフルオロメチル)アニリン、3−(トリフル
オロメチル)アニリン、4−(トリフルオロメチル)アニリン、2−アミノピリ
ジン、3−アミノピリジン、4−アミノピリジンおよび2−メチルアミノピリジ
ンからなる反応物の群を示している。
【0135】 更に別の有利な態様において、本発明は、第3の反応物が4−ヒドロキシフェ
ニルグリオキサール、1−フェニル−1,2−プロパンジオンおよびベンジルか
らなる群から選択される本発明の化合物の合成方法に関する。
【0136】 本明細書で使用されるような用語“触媒”は、反応物の群に添加した場合に反
応物が反応して生成物を形成する速度を増大させることができる化学的分子を示
している。多くの種類の触媒は当業者に公知である。
【0137】 有利な態様において、本発明は、還元剤が水素である本発明の化合物の合成方
法に関する。
【0138】 別の有利な態様において、本発明は、触媒がラネーニッケルである本発明の化
合物の合成方法に関する。
【0139】 前記の本発明の概略は限定するものでなく、かつ本発明の他の特徴および利点
は有利な態様の以下の記載ならびに請求の範囲から明らかである。
【0140】有利な態様の記載 本発明は部分的に、セリン/トレオニンプロテインキナーゼの機能を5−アザ
キノキサリンをベースとする化合物によって調整する方法に関する。更に、本発
明は部分的に、セリン/トレオニンプロテインキナーゼの機能を調整する化合物
を同定する方法に関する。該方法はセリン/トレオニンプロテインキナーゼ、例
えばRAFを発現する細胞を導入している。
【0141】 RAFは、活性化RAS(グアニン三リン酸加水分解酵素)に結合する場合に
細胞膜に会合される非レセプタープロテインキナーゼである。RASは、活性化
レセプタープロテインチロシンキナーゼ、例えばEGFRまたはPDGFRがア
ダプタータンパク質GRB2ならびにグアニンヌクレオチド交換因子SOSに結
合する場合に活性化する。SOSはRASからグアニン二リン酸を除去し、それ
をグアニン三リン酸に置き換え、それによってRASを活性化する。次いでRA
SはRAFに結合し、引き続きRAFを活性化する。次いでRAFは他のタンパ
ク質標的をセリン残基およびトレオニン残基でリン酸化し、例えばキナーゼ(M
EK)はマイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)をリン酸化し、引
き続き活性化する。このように、RAFはマイトジェン活性化シグナル伝達にお
いて中間制御因子の役割を果たす。
【0142】 細胞内でのRAFの重要な制御機能のために、RAFのアミノ酸配列の改変は
その機能を変化させることがあり、従って細胞の挙動を変えることがある。細胞
増殖におけるRAFの機能は、RAFのアミノ酸に対する突然変異は腫瘍および
癌に関連するという観察によって強調される。細胞に癌をもたらすRAFの突然
変異は、調節された触媒活性を示さないRAF分子をもたらすので、RAFのイ
ンヒビターは該細胞において癌を惹起する細胞増殖を緩和するか、更には排除す
ることがある。
【0143】 本発明の方法は細胞におけるプロテインキナーゼRAFの機能を調整する化合
物を検出する事ができる。RAFは、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(
MAPK)もリン酸化するプロテインキナーゼ(MEK)をリン酸化する。RA
FによるMEKのリン酸化をモニターするだけのアッセイは感度が高くない。そ
れというのも、MEKのリン酸化レベルは重要でないからである。この感度のジ
レンマを克服するために、本発明のアッセイにおいて、引き続きMEKおよびM
APKの両者をリン酸化させる。MAPKリン酸化シグナルはMEKリン酸化シ
グナルを増幅し、酵素結合イムノゾルバントアッセイにおいてRAF依存性リン
酸化が可能である。更に、本発明のアッセイは有利には、多くの化合物を短時間
で迅速にモニターできるような高いスループット方式で実施される。
【0144】 本発明の方法はRAFプロテインキナーゼの機能を阻害する化合物を同定して
いる。これらの化合物は5−アザキノキサリンをベースとする誘導体である。5
−アザキノキサリンをベースとする誘導体は、細菌のヌクレオチド合成に関連す
る酵素の阻害能力に関して試験されるが、前記の化合物は依然としてプロテイン
キナーゼ阻害に関しては有意に調査されていない。
【0145】 RAFは他のセリン/トレオニンプロテインキナーゼに対して著しいアミノ酸
ホモロジーを示すので、同様に本発明の5−アザキノキサリンをベースとする化
合物はRAF以外のセリン/トレオニンプロテインキナーゼを阻害することがで
きる。このように本発明の方法はレセプターおよび非レセプターセリン/トレオ
ニンプロテインキナーゼを含むRAF以外のセリン/トレオニンプロテインキナ
ーゼに関する。
【0146】 また本発明の方法は、方法の高いスループットの側面が広範な分子を短時間で
試験することができるように細胞内のRAF機能を調整する他の化合物に関する
。従って本発明の方法は、RAF機能を調整する本発明に開示されていない存在
する分子を同定することができる。
【0147】I.5−アザキノキサリンをベースとする化合物の生物学的活性 本発明の5−アザキノキサリンをベースとする化合物をRAFプロテインキナ
ーゼ機能を阻害する能力に関して試験した。これらの阻害研究の生物学的アッセ
イおよび結果を以下に報告する。プロテインキナーゼの機能を調整する5−アザ
キノキサリンをベースとする化合物を測定するために使用される方法は、方法の
高いスループットの側面に関してタン他(Tang et al)によるU.S.Appl
ication Serial No.08/702232、および1996年8
月23日に提出された表題“インドリノン組み合わせライブラリーならびに関連
生成物および疾患の治療のための方法”(Lyon & Lyon Docket No.221/187)に 記載の方法と類似している。前記の第08/702232号明細書は全ての図面
を含み、引用することにより本明細書に記載されたものとする。
【0148】II.1,4,5−トリアザナフタレンをベースとする化合物によって治療する ための標的の疾患 本明細書に記載される方法、化合物および医薬品組成物をRAFプロテインキ
ナーゼの機能を調整することによって細胞増殖疾患を阻害するように設計する。
増殖疾患は、生物を害する、多細胞生物の1つ以上の細胞の部分集合の不所望な
細胞増殖をもたらす。本明細書に記載される方法、化合物および医薬品組成物は
生物の他の疾患、例えば早期の細胞死(すなわち神経疾患)または炎症を治療お
よび予防するために有用であることもある。これらの疾患は、不適切に機能する
RAF分子または不適切に機能するRAF関連のプロテインキナーゼ分子に起因
する場合がある。
【0149】 RAFプロテインキナーゼまたはRAFに関連するプロテインキナーゼの機能
における変化は、一定の疾患において明らかな細胞増殖性の状態の促進または低
下をもたらすことがある。異常型細胞増殖の状態は癌、線維症性疾患、メサンギ
ウム疾患、異常な血管形成および脈管形成、創傷治癒、乾癬、再狭窄および炎症
を含む。
【0150】 線維症性疾患は、細胞の細胞外マトリクスの異常な形成に関する。線維症性疾
患の例は肝硬変である。肝硬変は肝瘢痕の形成をもたらす細胞外マトリクス成分
の濃度の増大を特徴としている。肝硬変は肝臓の硬変症のような疾患を惹起する
ことがある。
【0151】 メサンギウム細胞増殖疾患は、メサンギウム細胞の異常な増殖のために生ずる
。メサンギウム増殖疾患は種々のヒトの腎疾患、例えば腎炎、糖尿病性腎障害、
悪性腎硬化症、血栓性細小血管症候群、移植拒絶反応および糸球体症を含む。
【0152】 本発明の方法および化合物によって治療できる有利な種類の癌は、肺癌、卵巣
癌、乳癌、脳癌、軸性脳内癌、結腸癌、前立腺癌、カポジ肉腫、黒色腫および神
経膠腫である。本発明の化合物および方法が癌細胞の増殖を止めかつ後退させる
という証拠は文献によって本明細書に提供されている。
【0153】 脈管形成および血管形成の疾患は血管の過剰な増殖に起因する。血管の増殖は
通常の生理学的プロセス、例えば胚発生、黄体形成、創傷治癒および臓器の再生
に必要である。しかしながらまた、血管の増殖は癌腫瘍発生にも必須である。血
管増殖の他の例は、新生毛細血管が関節を侵害し、かつ軟骨を破壊する関節炎を
含む。更に、血管増殖疾患は眼球の疾患、例えば網膜中の新生毛細血管がガラス
体を侵害し、出血および失明をもたらす糖尿病性網膜症を含む。反対に、血管の
収縮、狭窄または閉鎖に関連する疾患、例えば再狭窄はプロテインキナーゼの逆
の調節に関連している。
【0154】 更に、血管形成および脈管形成は悪性の充実性腫瘍の成長および転移に関連し
ている。著しく成長している癌腫瘍は継続的な成長のために栄養および酸素に富
んだ血液供給が必要である。その結果、異常に多くの毛細血管が腫瘍と共同して
成長し、かつ腫瘍への供給管路として作用する。腫瘍に供給する栄養の他に、腫
瘍にとどまった新生血管は腫瘍細胞のための出入口を提供し、循環が始まり、か
つ生物の離れた部位に転移する。Folkman,1990,J.Natl.C
ancer Inst.82:4−6。
【0155】 不適当なRAF活性は細胞増殖疾患を刺激することがある。RAFプロテイン
キナーゼの機能を調整するために特別に設計された分子は細胞増殖の阻害を示す
。特にRAFプロテインキナーゼをコードするメッセンジャーRNAおよびこれ
からのブロック翻訳物の両者に結合するように設計されたアンチセンス核酸分子
は効果的にA549細胞の形質転換をインビトロで後退させる。Monia e t al.,1996,Nature Medicine 2:688は引用する ことにより全ての図面および表を含み本明細書に記載されたものとする。A54
9細胞はヒト悪性細胞である。
【0156】 これらのRAF標的のアンチセンス研究は、RAFプロテインキナーゼの機能
を調整する本発明の5−アザキノキサリン分子が生物において悪性細胞の増殖を
止め、かつ大抵は後退させることができるという証拠を提供している。これらの
5−アザキノキサリン化合物は例によって本明細書中に提供されるインビトロ法
で試験することができる。更に、5−アザキノキサリン化合物も、例によって本
明細書で提供される異種移植法によって前記化合物の腫瘍細胞におけるインビボ
での効果に関して試験することができる。
【0157】 不適切なRAF活性が特定の種類の細胞の不所望な細胞増殖を刺激できる少な
くとも2つの方法が存在する: (1)特定の細胞の増殖を直接刺激するか、または (2)腫瘍組織のような特定の範囲の脈管形成を増大させ、それにより組織の成
長を促進する。
【0158】 本発明の方法は、まず細胞増殖疾患がRAF作動性(RAF driven)であるかを
同定する。かかる疾患が同定された場合、かかる疾患に悩む患者を、この技術に
熟練した医師または獣医師によく知られた方法を使用する症状の分析によって同
定することができる。次いでかかる患者を本明細書に記載のように治療すること
ができる。
【0159】 細胞増殖疾患がRAF作動性であるかの決定はまず、患者の体の細胞または特
定の場所に発生するRAF活性のレベルを決定することによって達成できる。例
えば癌細胞の場合には1種以上のRAF活性を非RAF作動性癌およびRAF作
動性癌に関して比較できる。癌細胞がRAF作動性癌より高いレベルのRAF活
性を有している、有利にはRAF作動性癌と同じまたはそれより高い場合には、
これらは記載されたRAFを調整する方法ならびに本発明の化合物を使用する治
療のための候補である。
【0160】 非癌細胞の不所望な増殖のために引き起こる細胞増殖性疾患の場合には、RA
F活性のレベルを一般的母集合で生じるレベル(例えば細胞増殖疾患に悩む人々
および動物を除く人々および動物の一般的母集合で生じる平均レベル)と比較す
る。不所望の細胞増殖疾患が一般的母集合で生じるよりも高いRAFレベルを特
徴とする場合、該疾患は本発明のRAF調整方法および化合物を使用する治療の
ための候補である。
【0161】III.5−アザキノキサリンをベースとする化合物の医薬品組成物および投与 該化合物の医薬品製剤の製造方法、患者に投与すべき化合物量の決定方法なら
びに化合物を生物への投与の方法はタン他(Tang et al)による米国特許明細書
第08/702232号明細書および1996年8月23日に提出された表題“
インドリン組み合わせライブラリーならびに疾患を治療するための生成物および
方法”(Lyon & Lyon Docket No. 221/187)ならびにブゼッティ他(Buzzetti e
t al)による国際特許文献WO96/22976号ならびに1996年8月1日
に公表された表題“チロシンキナーゼインヒビターとしての水溶性3−アリーリ
デン−2−オキシンドール誘導体”に開示されており、両者は全ての図面を含み
、全内容において引用することにより本明細書に記載されたものとする。かかる
記載が本発明に適用可能であり、これに容易に適応できるということは当業者に
よって理解されるものである。
【0162】実施例 以下の実施例は本発明の種々の態様および特徴を制限するものでなく、かつ代
表例にすぎない。実施例は本発明の化合物の合成方法およびRAFプロテインキ
ナーゼにおける該化合物の効果を測定するための方法を記載している。
【0163】 該方法で使用される細胞は市販されている。該細胞が有する核酸ベクターも市
販されており、種々のプロテインキナーゼのための遺伝子配列は配列データバン
クで容易に入手できる。このように当業者は、市販の細胞、市販の核酸ベクター
およびプロテインキナーゼ遺伝子を組み合わせることによって当業者が容易に使
用できる技術を使用して適した方法で細胞系を容易に再形成することができる。
【0164】例1:本発明の5−アザキノキサリンをベースとする化合物の合成方法 本発明を以下の制限するものでない例において説明するが、例中で特に記載が
ない場合は: (i)蒸発は真空中で回転蒸発器によって実施した; (ii)作業は窒素のような不活性ガス雰囲気下で実施した; (iii)高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)はメルク(E. Merck, Da
rmstadt, Germany)社のMerck LiChrosorb RP−18逆相シリ
カ上で実施した; (iv)収率は例としてのみ与えたものであり、必ずしも得られる最大値ではな
い; (v)融点は逆修正し、HWSマインツSG2000デジタル融点装置(MWS Ma
inz SG 2000 digital melting point aparatus)を使用して測定した; (vi)本発明の式(I)の全ての化合物の構造をBruker AMX500 −NMR分光光度計上でのプロトン磁気共鳴分光法によって、元素微量分析、お
よび一定の場合には質量分光法によって確認した; (vii)構造の純度をシリカゲル(Merck Silica Gel 60 F254)を使用する薄
層クロマトグラフィー(TLC)またはHPLCによって実施した; (viii)中間体は一般に十分に特徴付けておらず、純度は薄層クロマトグラ
フィー(TLC)またはHPLCによって評価した。
【0165】合成方法 化合物A−2:6−ベンジルアミノ−3−(4−ヒドロキシフェニル)−5−ア ザキノキサリン 4−ヒドロキシフェニルグリオキサールを公表されている方法(J. Amer. Che
m. Soc., 71, 1045(1949))によって4−ヒドロキシアセトフェノン(Lancaster
, Acros)から製造した。
【0166】 2−アミノ−6−ベンジルアミノ−3−ニトロピリジンを以下のように2−ア
ミノ−6−クロロ−3−ニトロピリジンから製造した:n−ブタノール(100
ml)中の2−アミノ−6−クロロ−3−ニトロピリジン(17.35g、0.
01モル)、ベンジルアミン(Fluka)(10.72g、0.10モル)ならび に粉末の炭酸カリウム(10.4g、0.035モル)を還流下に2時間加熱し
た。懸濁液を濾過し、室温に冷却した後に固体を濾過により回収し、ブタノール
で洗浄し、真空中で50℃で乾燥させ、2−アミノ−6−ベンジルアミノ−3−
ニトロピリジン(22.2g、91%、融点145〜146℃)を得た。
【0167】 6−ベンジル−3−(4−ヒドロキシフェニル)−5−アザキノキサリンを以
下のように2−アミノ−6−ベンジルアミノ−3−ニトロピリジンから製造した
:2−アミノ−6−ベンジルアミノ−3−ニトロピリジン(25g、0.10モ
ル)をH2の5.5バール下にラネーニッケル10gの存在下でジオキサン40 0ml中で60℃で水素添加した。2時間後に、反応混合物を室温に冷却し、濾
過し、かつ4−ヒドロキシフェニルグリオキサールを添加し、アルゴン雰囲気下
で2時間撹拌した。次いで懸濁液を水で希釈し、固体を濾過によって回収し、水
で洗浄し、2−プロパノールから再晶出させ、50℃で真空中に乾燥させ、6−
ベンジルアミノ−3−(4−ヒドロキシフェニル)−5−アザキノキサリン(8
g、24.4%、融点271〜273℃)を得た。
【0168】化合物A−1:6−フェニルアミノ−3−(4−ヒドロキシフェニル)−5−ア ザキノキサリン 化合物A−2の方法でベンジルアミンの代わりにフェニルアミンに置き換えて
、同様の方法で6−フェニルアミノ−3−(4−ヒドロキシフェニル)−5−ア
ザキノキサリンが得られた。
【0169】化合物A−3:6−メトキシ−2−メチル−3−フェニル−5−アザキノキサリ 化合物A−2の方法で4−ヒドロキシフェニルグリオキサールの代わりに1−
フェニル−1,2−プロパンジオンと置き換え、ベンジルアミンの代わりにメタ
ノールと置き換え、同様の方法で6−メトキシ−2−メチル−3−フェニル−5
−アザキノキサリンが得られた。
【0170】化合物A−4:6−メトキシ−2,3−ジフェニル−5−アザキノキサリン 化合物A−2のための方法で4−ヒドロキシフェニルグリオキサールの代わり
にベンジルに置き換え、ベンジルアミンの代わりにメタノールに置き換え、同様
の方法で6−メトキシ−2,3−ジフェニル−5−アザキノキサリンが得られた
【0171】化合物A−5:6−(4−フルオロベンジルアミノ)−2−メチル−3−フェニ ル−5−アザキノキサリン 化合物A−2のための方法で4−ヒドロキシフェニルグリオキサールの代わり
に1−フェニル−1,2−プロパンジオンと置き換え、ベンジルアミンの代わり
に4−フルオロベンジルアミンに置き換え、同様の方法で6−(4−フルオロベ
ンジルアミノ)−2−メチル−3−フェニル−5−アザキノキサリンが得られた
【0172】化合物A−6:2,3−ジフェニル−6−(4−フルオロベンジルアミノ)−5 −アザキノキサリン 化合物A−2のための方法において、4−ヒドロキシフェニルグリオキサール
の代わりにベンジルで置き換え、ベンジルアミンの代わりに4−フルオロベンジ
ルアミンで置き換え、同様の方法で2,3−ジフェニル−6−(4−フルオロベ
ンジルアミノ)−5−アザキノキサリンが得られた。
【0173】化合物A−7:3−フェニル−6−フェニルアミノ−5−アザキノキサリン 化合物A−2の方法において、4−ヒドロキシフェニルグリオキサールの代わ
りにフェニルグリオキサールで置き換え、ベンジルアミンの代わりにアニリンで
置き換え、同様の方法で3−フェニル−6−フェニルアミノ−5−アザキノキサ
リンが得られた。
【0174】化合物A−8〜化合物A−26 化合物A−2の方法において、ベンジルアミンの代わりに適当な置換ベンジル
アミンで置き換え、同様の方法で以下の化合物が得られた: 化合物A−8:6−(2−カルボキシベンジルアミノ)−3−(4−ヒドロキシ
フェニル)−5−アザキノキサリン 化合物A−9:6−(3−カルボキシベンジルアミノ)−3−(4−ヒドロキシ
フェニル)−5−アザキノキサリン 化合物A−10:6−(4−カルボキシベンジルアミノ)−3−(4−ヒドロキ
シフェニル)−5−アザキノキサリン 化合物A−11:3−(4−ヒドロキシフェニル)−6−(2−ニトロベンジル
アミノ)−5−アザキノキサリン 化合物A−12:3−(4−ヒドロキシフェニル)−6−(3−ニトロベンジル
アミノ)−5−アザキノキサリン 化合物A−13:3−(4−ヒドロキシフェニル)−6−(4−ニトロベンジル
アミノ)−5−アザキノキサリン 化合物A−14:3−(4−ヒドロキシフェニル)−6−(2−メチルベンジル
アミノ)−5−アザキノキサリン 化合物A−15:3−(4−ヒドロキシフェニル)−6−(3−メチルベンジル
アミノ)−5−アザキノキサリン 化合物A−16:3−(4−ヒドロキシフェニル)−6−(4−メチルベンジル
アミノ)−5−アザキノキサリン 化合物A−17:6−(2−クロロベンジルアミノ)−3−(4−ヒドロキシフ
ェニル)−5−アザキノキサリン 化合物A−18:6−(3−クロロベンジルアミノ)−3−(4−ヒドロキシフ
ェニル)−5−アザキノキサリン 化合物A−19:6−(4−クロロベンジルアミノ)−3−(4−ヒドロキシフ
ェニル)−5−アザキノキサリン 化合物A−20:6−(2−フルオロベンジルアミノ)−3−(4−ヒドロキシ
フェニル)−5−アザキノキサリン 化合物A−21:6−(3−フルオロベンジルアミノ)−3−(4−ヒドロキシ
フェニル)−5−アザキノキサリン 化合物A−22:6−(4−フルオロベンジルアミノ)−3−(4−ヒドロキシ
フェニル)−5−アザキノキサリン 化合物A−23:3−(4−ヒドロキシフェニル)−6−[2−(トリフルオロ
メチル)ベンジルアミノ]−5−アザキノキサリン 化合物A−24:3−(4−ヒドロキシフェニル)−6−[3−(トリフルオロ
メチル)ベンジルアミノ]−5−アザキノキサリン 化合物A−25:3−(4−ヒドロキシフェニル)−6−[4−(トリフルオロ
メチル)ベンジルアミノ]−5−アザキノキサリン 化合物A−26:3−(4−ヒドロキシフェニル)−6−(フェネチル−1−ア
ミノ)−5−アザキノキサリン化合物A−27〜化合物A−48 化合物A−2のための方法において、ベンジルアミンの代わりに適当な置換ア
ニリンに置き換えて、同様の方法で以下の化合物が得られた: 化合物A−27:6−(2−カルボキシフェニルアミノ)−3−(4−ヒドロキ
シフェニル)−5−アザキノキサリン 化合物A−28:6−(3−カルボキシフェニルアミノ)−3−(4−ヒドロキ
シフェニル)−5−アザキノキサリン 化合物A−29:6−(4−カルボキシフェニルアミノ)−3−(4−ヒドロキ
シフェニル)−5−アザキノキサリン 化合物A−30:3−(4−ヒドロキシフェニル)−6−(2−ニトロフェニル
アミノ)−5−アザキノキサリン 化合物A−31:3−(4−ヒドロキシフェニル)−6−(3−ニトロフェニル
アミノ)−5−アザキノキサリン 化合物A−32:3−(4−ヒドロキシフェニル)−6−(4−ニトロフェニル
アミノ)−5−アザキノキサリン 化合物A−33:3−(4−ヒドロキシフェニル)−6−(2−メチルフェニル
アミノ)−5−アザキノキサリン 化合物A−34:3−(4−ヒドロキシフェニル)−6−(3−メチルフェニル
アミノ)−5−アザキノキサリン 化合物A−35:3−(4−ヒドロキシフェニル)−6−(4−メチルフェニル
アミノ)−5−アザキノキサリン 化合物A−36:6−(2−クロロフェニルアミノ)−3−(4−ヒドロキシフ
ェニル)−5−アザキノキサリン 化合物A−37:6−(3−クロロフェニルアミノ)−3−(4−ヒドロキシフ
ェニル)−5−アザキノキサリン 化合物A−38:6−(4−クロロフェニルアミノ)−3−(4−ヒドロキシフ
ェニル)−5−アザキノキサリン 化合物A−39:6−(2−フルオロフェニルアミノ)−3−(4−ヒドロキシ
フェニル)−5−アザキノキサリン 化合物A−40:6−(3−フルオロフェニルアミノ)−3−(4−ヒドロキシ
フェニル)−5−アザキノキサリン 化合物A−41:6−(4−フルオロフェニルアミノ)−3−(4−ヒドロキシ
フェニル)−5−アザキノキサリン 化合物A−42:3−(4−ヒドロキシフェニル)−6−[(2−トリフルオロ
メチル)フェニルアミノ]−5−アザキノキサリン 化合物A−43:3−(4−ヒドロキシフェニル)−6−[(3−トリフルオロ
メチル)フェニルアミノ]−5−アザキノキサリン 化合物A−44:3−(4−ヒドロキシフェニル)−6−[(4−トリフルオロ
メチル)フェニルアミノ]−5−アザキノキサリン 化合物A−45:3−(4−ヒドロキシフェニル)−6−(ピリド−2−アミノ
)−5−アザキノキサリン 化合物A−46:3−(4−ヒドロキシフェニル)−6−(ピリド−3−アミノ
)−5−アザキノキサリン 化合物A−47:3−(4−ヒドロキシフェニル)−6−(ピリド−4−アミノ
)−5−アザキノキサリン 化合物A−48:3−(4−ヒドロキシフェニル)−6−(ピリド−2−メチル
アミノ)−5−アザキノキサリン化合物A−49〜化合物A−67 化合物A−2のための方法において、ベンジルアミンの代わりに適当な置換ベ
ンジルアミンと置き換え、4−ヒドロキシフェニルグリオキサールの代わりにフ
ェニルグリオキサールと置き換えて、同様の方法で以下の化合物が得られた: 化合物A−49:6−(2−カルボキシベンジルアミノ)−3−フェニル−5−
アザキノキサリン 化合物A−50:6−(3−カルボキシベンジルアミノ)−3−フェニル−5−
アザキノキサリン 化合物A−51:6−(4−カルボキシベンジルアミノ)−3−フェニル−5−
アザキノキサリン 化合物A−52:6−(2−ニトロベンジルアミノ−3−フェニル)−5−アザ
キノキサリン 化合物A−53:6−(3−ニトロベンジルアミノ)−3−フェニル−5−アザ
キノキサリン 化合物A−54:6−(4−ニトロベンジルアミノ)−3−フェニル−5−アザ
キノキサリン 化合物A−55:6−(2−メチルベンジルアミノ)−3−フェニル−5−アザ
キノキサリン 化合物A−56:6−(3−メチルベンジルアミノ)−3−フェニル−5−アザ
キノキサリン 化合物A−57:6−(4−メチルベンジルアミノ)−3−フェニル−5−アザ
キノキサリン 化合物A−58:6−(2−クロロベンジルアミノ)−3−フェニル−5−アザ
キノキサリン 化合物A−59:6−(3−クロロベンジルアミノ)−3−フェニル−5−アザ
キノキサリン 化合物A−60:6−(4−クロロベンジルアミノ)−3−フェニル−5−アザ
キノキサリン 化合物A−61:6−(2−フルオロベンジルアミノ)−3−フェニル−5−ア
ザキノキサリン 化合物A−62:6−(3−フルオロベンジルアミノ)−3−フェニル−5−ア
ザキノキサリン 化合物A−63:6−(4−フルオロベンジルアミノ)−3−フェニル−5−ア
ザキノキサリン 化合物A−64:3−フェニル−6−[2−(トリフルオロメチル)ベンジルア
ミノ]−5−アザキノキサリン 化合物A−65:3−フェニル−6−[3−(トリフルオロメチル)ベンジルア
ミノ]−5−アザキノキサリン 化合物A−66:3−フェニル−6−[4−(トリフルオロメチル)ベンジルア
ミノ]−5−アザキノキサリン 化合物A−67:3−フェニル−6−(フェネチル−1−アミノ)−5−アザキ
ノキサリン化合物A−68〜化合物A−89 化合物A−2のための方法において、ベンジルアミンの代わりに適当な置換ア
ニリンと置き換え、4−ヒドロキシフェニルグリオキサールの代わりにフェネチ
ルグリオキサールに置き換え、同様の方法で以下の化合物が得られた: 化合物A−68:6−(2−カルボキシフェニルアミノ)−3−フェニル−5−
アザキノキサリン 化合物A−69:6−(3−カルボキシフェニルアミノ)−3−フェニル−5−
アザキノキサリン 化合物A−70:6−(4−カルボキシフェニルアミノ)−3−フェニル−5−
アザキノキサリン 化合物A−71:6−(2−ニトロフェニルアミノ)−3−フェニル−5−アザ
キノキサリン 化合物A−72:6−(3−ニトロフェニルアミノ)−3−フェニル−5−アザ
キノキサリン 化合物A−73:6−(4−ニトロフェニルアミノ)−3−フェニル−5−アザ
キノキサリン 化合物A−74:6−(2−メチルフェニルアミノ)−3−フェニル−5−アザ
キノキサリン 化合物A−75:6−(3−メチルフェニルアミノ)−3−フェニル−5−アザ
キノキサリン 化合物A−76:6−(4−メチルフェニルアミノ)−3−フェニル−5−アザ
キノキサリン 化合物A−77:6−(2−クロロフェニルアミノ)−3−フェニル−5−アザ
キノキサリン 化合物A−78:6−(3−クロロフェニルアミノ)−3−フェニル−5−アザ
キノキサリン 化合物A−79:6−(4−クロロフェニルアミノ)−3−フェニル−5−アザ
キノキサリン 化合物A−80:6−(2−フルオロフェニルアミノ)−3−フェニル−5−ア
ザキノキサリン 化合物A−81:6−(3−フルオロフェニルアミノ)−3−フェニル−5−ア
ザキノキサリン 化合物A−82:6−(4−フルオロフェニルアミノ)−3−フェニル−5−ア
ザキノキサリン 化合物A−83:3−フェニル−6−[(2−トリフルオロメチル)フェニルア
ミノ]−5−アザキノキサリン 化合物A−84:3−フェニル−6−[(3−トリフルオロメチル)フェニルア
ミノ]−5−アザキノキサリン 化合物A−85:3−フェニル−6−[(4−トリフルオロメチル)フェニルア
ミノ]−5−アザキノキサリン 化合物A−86:3−フェニル−6−(ピリド−2−アミノ)−5−アザキノキ
サリン 化合物A−87:3−フェニル−6−(ピリド−3−アミノ)−5−アザキノキ
サリン 化合物A−88:3−フェニル−6−(ピリド−4−アミノ)−5−アザキノキ
サリン 化合物A−89:3−フェニル−6−(ピリド−2−メチルアミノ)−5−アザ
キノキサリン化合物A−90:6−フェニルアミノ−3−(4−メトキシフェニル)−5−ア ザキノキサリン 化合物A−1のための方法において、4−ヒドロキシフェニルの代わりに置換
4−メトキシフェニルに置き換えて、同様の方法で6−フェニルアミノ−3−(
4−メトキシフェニル)−5−アザキノキサリンが得られた。
【0175】例2:RAFのリン酸化機能を測定するアッセイ 以下のアッセイは標的タンパク質MEKならびにMEKの標的のMAPKのR
AFに触媒されるリン酸化の量を報告する。RAF遺伝子配列はBonner et al.,1985,Molec.Cell.Biol.5:1400−1 407に記載されており、かつ多様な遺伝子配列データバンクで容易に入手でき
る。本発明のこの部分で使用される核酸ベクターおよび細胞系の構築はMorr
ison et al.,1988,Proc.Natl.Acad.Sci.U
SA 85:8855−8859に完全に記載されている。
【0176】材料および試薬 1.Sf9(スポドプテラ フルギペルダ)細胞;GIBCO−BRL、Ga ithersburg、MD 2.RIPAバッファー:20mMのTris/HCl(pH7.4)、13
7mMのNaCl、10%のグリセロール、1mMのPMSF、5mg/Lのア
プロテニン(Aprotenin)、0.5%のTriton X−100; 3.チオレドキシン−MEK融合タンパク質(T−MEK):T−MEK発現
およびアフィニティークロマトグラフィーによる精製は製造者の手順に従って実
施した。カタログ# K 350−01およびR 350−40、インビトロゲン社
、サンディエゴ、CA 4.His−MAPK(ERK2);Hisタグを有するMAPKを、His
−MAPKをコードするpUC18ベクターで形質転換したXL1 Blue細 胞で発現させた。His−MAPKを本明細書に記載のようにNiアフィニティ
ークロマトグラフィーで精製した。カタログ# 27−4949−01、ファルマ
シア、アラミダ、CA。
【0177】 5.ヒツジ抗マウスIgG:ジャクソン研究所、ウエストグローヴ、PA.カ
タログ# 515−006−008、ロット# 28563 6.RAF−1プロテインキナーゼ特異抗体:UBIのURP2653。
【0178】 7.コーティングバッファー:PBS;リン酸緩衝食塩水、GIBCO−BR
L、Gaithersburg、MD 8.ウォッシュバッファー:TBST−50mMのTris/HCl(pH7
.2)、150mMのNaCl、0.1%のTriton X−100 9.ブロックバッファー:TBST、0.1%のエタノールアミン(pH7.
4) 10.DMSO、シグマ、セントルイス、MO 11.キナーゼバッファー(KB):20mMのHepes/HCl(pH7
.2)、150mMのNaCl、0.1%のTriton X−100、1mM のPMSF、5mg/Lのアプロテニン、75μMのオルトバナジン酸ナトリウ
ム、0.5mMのDTTおよび10mMのMgCl2 12.ATPミックス:100mMのMgCl2、300μMのATP、10 μCiのγ−33PのATP(デュポン−NEN)/ml 13.停止溶液:1%のリン酸;フィッシャー、ピッツバーグ、PA 14.ワラックのリン酸セルロースフィルターマット(Wallac Cellulose Pho
sphate Filter mats);ワラック、トゥルク、フィンランド 15.フィルター洗浄溶液:1%のリン酸、フィッシャー、ピッツバーグ、P
A 16.Tomtecプレートハーベスター、ワラック、トゥルク、フィンラン
ド 17.ワラックベータプレートリーダー(Wallac beta plate reader)# 12
05、ワラック、トゥルク、フィンランド 18.化合物のためのNUNC 96ウェルV底ポリプロピレンプレート、応 用科学カタログ# AS−72092手順 以下の工程の全ては特に記載がない限り室温で実施した。
【0179】 1.ELISAプレートコーティング:ELISAウェルをヒツジ抗マウスア
フィニティー精製血清(1μg/コーティングバッファー100μl)100μ
Lで一晩4℃で被覆した。ELISAプレートは4℃で保存する場合は2週間使
用することができる。
【0180】 2.プレートを反転し、液体を除去した。ブロッキング溶液100μLを添加
し、30分間インキュベートした。
【0181】 3.ブロッキング溶液を除去し、ウォッシュバッファーで4回洗浄した。ペー
パータオル上でプレートを拭き、過剰な液体を除去した。
【0182】 4.各ウェルにRAF−1に特異的な抗体1μgを添加し、1時間インキュベ
ートした。工程3に記載のように洗浄した。
【0183】 5.RAS/RAFを有する感染させたSf9細胞からの溶解産物を溶かし、
TBSTで10μg/100μlに希釈した。ウェルに希釈した溶解産物10μ
gを添加し、1時間インキュベートした。インキュベーションの間にプレートを
振盪した。ネガティブコントロールは溶解産物を受容しなかった。RAS/RA
Fを有する感染させたSf9昆虫細胞からの溶解産物を、各ウイルスに関して感
染多重度5で組み換えバキュウロウイルスで細胞を感染させた後に調製し、48
時間後に収穫した。細胞をPBSで1回洗浄し、RIPAバッファー中で溶解さ
せた。不溶性の材料を遠心分離(10000×gで5分間)で除去した。溶解物
のアリコートをドライアイス/エタノール中で凍結させ、使用するまで−80℃
で保管した。
【0184】 6.非結合材料を除去し、前記(工程3)で概説したように洗浄した。
【0185】 7.ウェルあたり2μgのT−MEKおよび2μgのHis−MAEPKを添
加し、容量をキナーゼバッファーで40μlに調整した。細胞抽出物からのT−
MEKおよびMAPKの精製方法は明細書中に例によって提供した。
【0186】 8.化合物(ストック溶液10mg/ml DMSO)または抽出物をTBS T+1%のDMSO中20倍に予備希釈した。予備希釈した化合物/抽出物5μ
lを工程6に記載のウェルに添加した。20分間インキュベートした。コントロ
ールは薬剤を受容しなかった。
【0187】 9.5μlのATPミックスの添加によってキナーゼ反応を開始させ、インキ
ュベーション中にELISAプレート振盪器上でプレートを振盪した。
【0188】 10.各ウェルに30μlの停止溶液を添加することによって60分後にキナ
ーゼ反応を停止させた。
【0189】 11.ホスホセルロースマットおよびELISAプレートをTomtecプレ
ートハーベスター中に配置した。収穫し、かつ製造者の推奨するようにフィルタ
ーウォッシュ溶液で洗浄した。フィルターマットを乾燥させた。フィルターマッ
トをシールし、これをホルダ中に配置した。ホルダを放射線検出装置中に挿入し
、フィルターマット上の放射性リンを定量した。
【0190】 選択的に、アッセイプレートの個々のウェルからの40μlのアリコートをホ
スホセルロースフィルターマット上の相応の位置に移してもよい。フィルターを
空気乾燥した後に、フィルターをトレイ中に置いた。トレイを緩慢に振盪し、1
5分の間隔で1時間ウォッシュ溶液を交換した。フィルターマットを空気乾燥さ
せた。フィルターマットをシールし、これを試料中の放射性リンの測定に適当な
ホルダ中に配置した。ホルダを検出装置中に挿入し、フィルターマット上の放射
性リンを定量した。
【0191】 IC50値をRAF−1 ELISAアッセイにおいてプロトコールに従って以 下の5−アザキノキサリンをベースとする化合物に関して測定した:
【0192】
【化10】
【0193】 IC50値は、リン酸化された標的タンパク質の最大量または細胞成長を50%
ずつ低下させるのに必要な5−アザキノキサリンをベースとするインヒビターの
濃度である。RAF−1のリン酸化アッセイで測定したIC50値を第1表に記載
した:
【0194】
【表4】
【0195】例3:MAPKおよびMEKの精製 MAPKおよびMEKタンパク質を、該タンパク質をコードする遺伝子をポリ
ヒスチジンタグを有するタンパク質を発現する市販のベクター中にサブクローニ
ングすることによって細胞中で容易に発現させた。前記タンパク質をコードする
遺伝子は、該タンパク質を使用して通常に作業している研究所からか、またはc
DNAライブラリーを有する細胞からこれらの遺伝子をクローニングすることに
よって容易に得ることができる。該ライブラリーは容易に商業的に得ることがで
き、当業者は多数の遺伝子データベース、例えばGenbankで得られるME
KおよびMAPKの核酸配列から、MEKまたはMAPKをコードするcDNA
分子に相同な核酸プローブを容易に設計することができる。遺伝子のクローニン
グは当業者に現在使用される技術を使用して短時間で達成することができる。
【0196】 細胞抽出物からのMEKおよびMAPKタンパク質の精製はRobbins et al.,1993,J.Biol.Chem.268:5097−510 6を応用した以下のプロトコールを使用して達成できる: 1.当業者に容易に使用されるソニケーション、浸透圧ストレスまたはフレン
チプレス技術によって細胞を溶解した。適当なソニケーションバッファーを以下
に規定した。
【0197】 2.以下に開示した平衡バッファーを使用して、ニッケルまたはコバルトと結
合させた固体担体を平衡化した。ポリヒスチジンタグを特異的に固体担体上のニ
ッケルおよびコバルト原子に結合させた。平衡化は樹脂を固体担体の容量の10
倍に等しい平衡バッファーの量で3回洗浄することによって達成できる。固体担
体は当業者が容易に入手できる。
【0198】 3.細胞溶解産物を固体担体に添加し、ある期間容器中で平衡化させた。選択
的に固体担体をタンパク質クロマトグラフィーカラム内に充填してよく、溶解物
を固体担体中に流動させてもよい。
【0199】 4.固体担体を以下に開示されるウォッシュバッファーで洗浄した。
【0200】 5.固体担体から大部分のタンパク質を除去する溶出バッファーの量(以下に
規定する)で固体担体からMEKまたはMAPKタンパク質を溶出した。
【0201】ソニケーションバッファー 50mMのリン酸ナトリウム(pH8.0) 0.3Mの塩化ナトリウム 10mMのβ−メルカプトエタノール 1%NP40 10mMのNaF 0.5mMのPefablock平衡バッファー 50mMのリン酸ナトリウム(pH8.0) 0.3Mの塩化ナトリウム 10mMのβ−メルカプトエタノール 1%のNP40 10mMのNaF 1mMのイミダゾールウォッシュバッファー 50mMのリン酸ナトリウム(pH8.0) 0.3Mの塩化ナトリウム 10mMのβ−メルカプトエタノール 1%のNP40 10mMのNaF 10mMのイミダゾール溶出バッファー 50mMのリン酸ナトリウム(pH8.0) 0.3Mの塩化ナトリウム 10mMのβ−メルカプトエタノール 1%のNP40 10mMのNaF 10〜500mMのイミダゾール例4:EGFレセプターのリン酸化機能を測定するアッセイ 全細胞におけるEGFレセプターキナーゼ活性(EGFR−NIH3T3アッ
セイ)をタン他によって1996年6月5日に出願されたPCT出願WO964
0116号および全ての図面を含み、全内容において引用することにより本明細
書に記載されたものとする表題“疾患の治療のためのインドリン化合物”に詳細
に記載されるように測定した。
【0202】 EGFレセプターリン酸化アッセイで測定したIC50値を第2表に記載した:
【0203】
【表5】
【0204】例5:RASを発現する細胞の成長における5−アザキノキサリンをベースとす る化合物の効果を測定するアッセイ 以下のアッセイはRASを発現するNIH−3T3細胞の成長速度を測定する
。該アッセイの目的はH−Rasを過剰に発現するNIT3T3細胞の成長にお
ける化合物の効果を測定することである。
【0205】材料 96ウェルの平底滅菌プレート 96ウェルの丸底滅菌プレート 滅菌した25mlまたは100mlの容器(reservoir) ピペット、マルチチャンネルピペットマン 滅菌ピペットチップ 滅菌15mlおよび50ml試験管試薬 1%の酢酸中の0.4%のSRB 10mMトリス塩基 10%のTCA 1%の酢酸 滅菌DMSO(シグマ) DMSO中の化合物(100mM未満のストック溶液) トリプシン−EDTA(GIBCO BRL)細胞系 3T3/H−Ras(発癌性H−Rasのゲノム断片を発現するNIT3T3ク
ローン7細胞) 該細胞を以下のプロトコールを使用して作成することができる: 1.Rasをコードする遺伝子断片をNIT−3T3細胞に安定にトランスフ
ェクトする市販のベクター中にサブクローニングする。該断片はcHa−ras
のゲノムの形質転換対立遺伝子由来である。
【0206】 2.NIT−3T3細胞にサブクローニングしたベクターをリン酸カルシウム
法によってトランスフェクトさせる。Ras構築物を発現する細胞をDMEM中
の2%の血清中で選択した。2週間後に明白なフォーカスが確認された。形質転
換した細胞をプールし、安定に形質転換した細胞系が生じた。
【0207】成長培地 2%の子ウシ血清/DMEM+2mMのグルタミン(Pen/Strep)プロトコール 0日目:細胞のプレーティング アッセイのこの部分は層流フード(laminar flow hood)中で実施した。
【0208】 1.細胞をトリプシン処理した。細胞懸濁液200μlを同中性子体10ml
に移す。クールター計数器で細胞を計数した。
【0209】 2.細胞を成長培地中で60000細胞/mlに希釈した。細胞100μlを
96ウェルの平底プレートの各ウェルに移し、6000細胞/ウェルにした。
【0210】 3.各化合物のためにプレートの半分(4行)を、各化合物濃度のために4通
りのウェルを、かつ培地コントロールのために一連の4ウェルを使用した。
【0211】 4.プレートを緩慢に振盪し、細胞に均一に付着させた。
【0212】 5.プレートを10%のCO2インキュベーター中で37℃でインキュベート した。
【0213】1日目:化合物の添加 アッセイのこの部分は層流フード中で実施した。
【0214】 1.96ウェルの平底プレートにおいて、化合物の最高スクリーニング濃度を
提供する2×最終%DMSOを含有する成長培地120μlを列1〜列11に添
加した。例えば最高濃度が100μlであり、これが100mMのストックから
製造され、1×DMSOが0.1%である場合、2×DMSOは0.2%である
。該プレートを使用して、1個の化合物につき4行で化合物を滴定した。
【0215】 2.滅菌15ml試験管で、成長培地中で化合物の最高濃度の2×溶液を作成
し、2×DMSOを添加した。細胞あたり1mlが必要である。通常、化合物の
出発濃度は100μMであるが、該濃度は化合物の溶解度に依存して変わること
がある。
【0216】 3.2×の出発化合物溶液240μlを96ウェルの丸底プレートの列12中
の4通りのウェルに移した。12μlを列12から列11へ、列11から列10
へ、かつ同様にして列2を経て移すことによってプレートにわたり右から左へ1
:2の連続的希釈を実施した。化合物希釈溶液100μlおよび列1の培地10
0μlを96ウェルの平底プレートの相応のウェル中の細胞の培地100μlに
移した。ウェルあたりの全容量は200μlにすべきである。
【0217】 4.プレートをインキュベーターに戻し、3日間インキュベートした。
【0218】4日目:アッセイの展開 アッセイのこの部分はベンチ上で実施した。
【0219】 1.培地を吸引または流し去った。各ウェルに10%の冷TCA200μlを
添加し、細胞を固定した。プレートを4℃で少なくとも60分間インキュベート
した。
【0220】 2.TCAを捨て、ウェルを水道水で5回すすいだ。プレートをペーパータオ
ル上で逆さにして乾燥させた。
【0221】 3.1ウェルあたり100μlの0.4%SRBで10分間細胞を染色した。
【0222】 4.SRBを流し、1%の酢酸でプレートを5回洗浄した。ペーパータオル上
で逆さにしてプレートを完全に乾燥させた。
【0223】 5.1ウェルあたり100μlの10mMトリス塩基を使用して振盪器上で5
〜10分間染料を可溶化させた。
【0224】 6.630nmを基準として570nmでDynatech ELISAプレ ートリーダー上でプレートを読んだ。
【0225】 RASを過剰に発現する細胞の成長速度を第3表に記載のように阻害する化合
物を選択した。
【0226】
【表6】
【0227】例6:A549細胞の成長における5−アザキノキサリンをベースとする化合物 の効果を測定するアッセイ 以下のアッセイはA549細胞に関する成長速度を測定する。該アッセイの目
的はA549ヒト肺癌細胞の成長における化合物の効果を決定することである。
A549細胞は商業的由来、例えばATCC(CCL185)から容易に入手す
ることができる。
【0228】材料 96ウェルの平底滅菌プレート 96ウェルの丸底滅菌プレート 滅菌の25mlまたは100mlの容器 ピペット、マルチチャンネルピペットマン 滅菌ピペットチップ 滅菌の15mlおよび50mlの試験管試薬 1%の酢酸中0.4%のSRB 10mMのトリス塩基 10%のTCA 1%の酢酸 滅菌DMSO(シグマ) DMSO中の化合物(100mM未満のストック溶液) トリプシン−EDTA(GIBCO BRL)細胞系および成長培地 A549ヒト肺癌細胞(ATCC CCL185) HamのF12−Kにおける10%胎児の子ウシ血清プロトコール 0日目:細胞プレーティング アッセイのこの部分は層流フード中で実施した。
【0229】 1.細胞をトリプシン処理した。細胞懸濁液200μlを同中性子体10ml
に移した。クールター計数器を使用して細胞を計数した。
【0230】 2.細胞を成長培地中で20000細胞/mlに希釈した。細胞100μlを
96ウェルの平底プレートの各ウェルに移し、2000細胞/ウェルにした。
【0231】 3.各化合物のためにプレートの半分(4行)を、各化合物濃度のために4通
りのウェルを、かつ培地コントロールのために一連の4ウェルを使用した。
【0232】 4.プレートを緩慢に振盪し、細胞を均一に付着させた。
【0233】 5.10%CO2インキュベーター中で37℃でプレートをインキュベートし た。
【0234】1日目:化合物の添加 アッセイのこの部分は層流フード中で実施した。
【0235】 1.96ウェルの丸底プレートにおいて、化合物の最高スクリーニング濃度を
提供する2×最終%DMSOを含有する成長培地120μlを列1〜列11に添
加した。例えば最高のスクリーニング濃度が100μMであり、これが100m
Mストックから製造される場合に、1×DMSOは0.1%であり、2×DMS
Oは0.2%である。このプレートを使用して化合物を、化合物あたり4列で滴
定した。
【0236】 2.滅菌15ml試験管において、成長培地+2×DMSO中の化合物の最高
のスクリーニング濃度の2×溶液を製造した。細胞系あたり1mlが必要である
。通常、化合物の出発濃度は100μMであるが、この濃度は化合物の溶解度に
依存して変化することがある。
【0237】 3.2×の出発化合物溶液240μlを96ウェルの丸底プレートの列12中
の4通りのウェルに移した。12μlを列12から列11へ、列11から列10
へ、かつ同様にして列2を通して移すことによってプレートにわたり右から左に
1:2の連続的希釈を実施した。化合物希釈溶液100μlおよび列1の培地1
00μlを96ウェルの平底プレートの相応のウェル中の細胞の培地100μl
に移した。ウェルあたりの全容量は200μlにすべきである。
【0238】 4.プレートをインキュベーターに戻し、3日間インキュベートした。
【0239】5日目:アッセイの展開 アッセイのこの部分はベンチ上で実施した。
【0240】 1.培地を吸引または流し去った。各ウェルに冷10%TCA200μlを添
加し、細胞を固定した。プレートを4℃で少なくとも60分間インキュベートし
た。
【0241】 2.TCAを捨て、ウェルを水道水で5回すすいだ。プレートをペーパータオ
ル上で逆さにして乾燥させた。
【0242】 3.1ウェルあたり100μlの0.4%SRBで10分間細胞を染色した。
【0243】 4.SRBを流し、1%の酢酸でウェルを5回洗浄した。ペーパータオル上で
逆さにしてプレートを完全に乾燥させた。
【0244】 5.1ウェルあたり100μlの10mMトリス塩基を使用して振盪器上で5
〜10分間染料を可溶化させた。
【0245】 6.630nmを基準として570nmでDynatech ELISAプレ ートリーダー上でプレートを読んだ。
【0246】 A549細胞の成長速度を第4表に記載のように阻害する化合物を選択した。
【0247】
【表7】
【0248】例7:RAF調整物質の生物学的活性をインビボで測定するための方法 異種移植研究を使用して、卵巣、黒色腫、前立腺、肺および乳房の腫瘍細胞に
おける本発明の化合物の効果をモニターする事ができる。該アッセイのためのプ
ロトコールはタン他によって1996年6月5日に出願されたPCT出願WO9
640116号ならびに全ての図面を含み、全内容において引用することにより
本明細書に記載されたものとする表題“疾患の治療のためのインドリン化合物”
に詳細に記載されている。
【0249】 本明細書に概略的に記載された発明を全ての要素、本明細書に特に開示されて
いない全ての制限なしに実施してよい。使用されている用語および表現は記載の
用語として使用されるものであり、制限の用語としては使用されず、示されかつ
記載された特徴もしくはその部分に相当する全て以外の用語および表現が使用さ
れるという意図はないが、請求される発明の範囲内で様々な変更が可能である。
従って、本発明は特に有利な態様および任意の特徴によって開示されているが、
本明細書中に開示される概念の変更および変量は当業者に慣例的であり、変量は
従属請求項に定義されるような本発明の範囲内であるべきと考慮されることを理
解するべきである。
【0250】 特許および非特許の文献の両者を含み、先に引用することにより本明細書に記
載されたものとされていない引用文献は、明白に全ての目的のために引用するこ
とによって本明細書に記載されたものとする。他の態様は本願の請求の範囲内で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM ,HR,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG, KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,L U,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO ,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG, SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,U G,US,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 ベルンハルト クッチャー ドイツ連邦共和国 マインタール シュト レーゼンマンシュトラーセ 9 (72)発明者 エックハルト グンター ドイツ連邦共和国 マインタール ヴィン ゲルトシュトラーセ 176 (72)発明者 ハーラルト アップ アメリカ合衆国 カリフォルニア サンフ ランシスコ トゥエンティセブンスストリ ート 630 Fターム(参考) 4C065 AA04 BB10 CC01 DD03 EE02 HH01 JJ07 KK02 KK04 LL01 PP03 PP12 QQ02 QQ03 4C086 AA01 AA02 AA03 AA04 CB09 MA01 MA02 MA03 MA04 MA05 NA14 ZA02 ZA59 ZA66 ZA81 ZB26 ZC02

Claims (40)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 5−アザキノキサリンをベースとする化合物によりセリン/
    トレオニンプロテインキナーゼの機能を調整する方法において、セリン/トレオ
    ニンプロテインキナーゼを発現する細胞と前記化合物とを接触させる工程を有す
    ることを特徴とするセリン/トレオニンプロテインキナーゼの機能を調整する方
    法。
  2. 【請求項2】 セリン/トレオニンプロテインキナーゼがRAFである、請
    求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 セリン/トレオニンプロテインキナーゼの機能を調整する化
    合物の同定方法において、以下の工程: (a)セリン/トレオニンプロテインキナーゼを発現する細胞と前記化合物とを
    接触させ、かつ (b)細胞における効果をモニターする を有することを特徴とする方法。
  4. 【請求項4】 効果が細胞の表現型の変化の有無である、請求項3記載の方
    法。
  5. 【請求項5】 効果が細胞の増殖の変化の有無である、請求項3記載の方法
  6. 【請求項6】 効果がセリン/トレオニンプロテインキナーゼの触媒活性の
    変化の有無である、請求項3記載の方法。
  7. 【請求項7】 該効果がセリン/トレオニンプロテインキナーゼと明細書に
    記載されるような本来の結合パートナーとの間の相互作用の変化の有無である、
    請求項3記載の方法。
  8. 【請求項8】 以下の工程: (a)細胞を溶解させ、セリン/トレオニンプロテインキナーゼを含有する溶解
    産物にし、 (b)該セリン/トレオニンプロテインキナーゼを抗体に吸着させ、 (c)吸着させたセリン/トレオニンプロテインキナーゼを1つまたは複数の基
    質と一緒にインキュベートし、 (d)1つまたは複数の前記基質を固体担体に吸着させる からなり、その際、細胞における効果をモニターする工程が1つまたは複数の基
    質のホスフェート濃度の測定からなる、請求項3記載の方法。
  9. 【請求項9】 セリン/トレオニンプロテインキナーゼがRAFであり、か
    つ以下の工程: (a)細胞を溶解させ、RAFを含有する溶解産物にし、 (b)RAFを抗体に吸着させ、 (c)吸着させたRAFをMEKおよびMAPKと一緒にインキュベートし、 (d)MEKおよびMAPKを固体担体または1つもしくは複数の抗体に吸着さ
    せる を有し、その際、細胞における効果を測定する工程がMEKおよびMAPKのホ
    スフェート濃度をモニターすることを含む、請求項3記載の方法。
  10. 【請求項10】 5−アザキノキサリンをベースとする化合物が構造I: 【化1】 [式中、 (a)R1、R2、R3、R4およびR6は、独立して (i)水素、 (ii)アルキル、ハロゲン、トリハロメチル、カルボキシレート、ニトロおよ
    びエステル部からなる群から独立に選択される1個、2個もしくは3個の置換基
    で置換されていてよい5員もしくは6員のアリール環部もしくはヘテロアリール
    環部で置換されていてよい、飽和もしくは不飽和のアルキル、 (iii)X2およびX3が水素、飽和もしくは不飽和のアルキルならびに5員も
    しくは6員のアリール環部またはヘテロアリール環部からなる群から独立に選択
    される、式:NX23のアミン、 (iv)ハロゲンまたはトリハロメチル、 (v)X4が水素、アルキルおよび5員もしくは6員のアリール環部またはヘテ ロアリール環部からなる群から選択される、式:−CO−X4のケトン、 (vi)X5、X6およびX7がアルキルおよび5員もしくは6員のアリール環部 またはヘテロアリール環部から独立に選択され、かつnが0または1である、式
    :−(X5n−COOHのカルボン酸または式:−(X6n−COO−X7のエ ステル、 (vii)X8およびX9が水素、飽和もしくは不飽和のアルキル、ならびにアル
    キル、ハロゲン、トリハロメチル、カルボキシレート、ニトロおよびエステルか
    らなる群から独立に選択される1個以上の置換基で置換されていてよい5員もし
    くは6員のアリール環部またはヘテロアリール環部からなる群から独立に選択さ
    れ、かつnが0または1である、式:(X8n−OHのアルコールまたは式:−
    (X8n−O−X9のアルコキシ部、 (viii)X10がアルキル、ヒドロキシル、ならびにアルキル、ハロゲン、ト
    リハロメチル、カルボキシレート、ニトロもしくはエステルから独立に選択され
    る1個以上の置換基によって置換されていてよい5員もしくは6員のアリール環
    部またはヘテロアリール環部からなる群から選択される、式:−NHCOX10
    アミド、 (ix)X11およびX12が水素、アルキル、ならびに5員もしくは6員のアリー
    ル環部またはヘテロアリール環部からなる群から独立に選択される、−SO2N X1112、 (x)アルキル、ハロゲン、トリハロメチル、カルボキシレート、ニトロならび
    にエステル部からなる群から独立に選択される1個、2個または3個の置換基で
    置換されていてよい5員もしくは6員のアリール環部またはヘテロアリール環部
    、 (xi)式:−CO−Hのアルデヒド、 (xii)X13が飽和もしくは不飽和のアルキルおよび5員もしくは6員のアリ
    ール環部またはヘテロアリール環部から選択される、式:−SO2−X13のスル ホン、 からなる群から独立に選択され、 (b)X1は窒素、硫黄および酸素からなる群から選択される]で示される式を 有する、請求項1記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記のR1、R2、R3、R4およびR6が、独立して (i)水素、 (ii)アルキル、ハロゲン、トリハロメチル、ヒドロキシ、アルコキシ、カル
    ボキシレート、ニトロならびにエステル部からなる群から独立に選択される1個
    、2個または3個の置換基によって置換されていてよい5員もしくは6員のアリ
    ール環部またはヘテロアリール環部で置換されていてよい飽和または不飽和のア
    ルキル、 (iii)アルキル、ハロゲン、トリハロメチル、ヒドロキシ、アルコキシ、カ
    ルボキシレート、ニトロならびにエステル部からなる群から独立に選択される1
    個、2個または3個の置換基で置換されていてよい5員もしくは6員のアリール
    環部またはヘテロアリール環部、 からなる群から選択される、請求項10記載の方法。
  12. 【請求項12】 R1およびR2が、独立して (i)水素、 (ii)アルキル、ハロゲン、トリハロメチル、ニトロ、カルボキシレート、ヒ
    ドロキシならびにアルコキシ部からなる群から選択される置換基で置換されてい
    てよいフェニル、 からなる群から独立に選択される、請求項11記載の方法。
  13. 【請求項13】 X1が窒素または酸素である、請求項12記載の方法。
  14. 【請求項14】 R6およびX1の置換基が一緒になって、明細書に記載され
    ているようなSAQAR置換基からなる群から選択される部を形成する、請求項
    13記載の方法。
  15. 【請求項15】 5−アザキノキサリンをベースとする化合物を、明細書に
    記載されているようなSAQAR化合物からなる群から選択する、請求項14記
    載の方法。
  16. 【請求項16】 生物における異常状態を予防または治療するための方法に
    おいて、該生物に式I: 【化2】 [式中、 (a)R1、R2、R3、R4およびR6は、独立して (i)水素、 (ii)アルキル、ハロゲン、トリハロメチル、カルボキシレート、ニトロなら
    びにエステル部からなる群から独立に選択される1個、2個または3個の置換基
    で置換されていてよい5員もしくは6員のアリール環部またはヘテロアリール環
    部で置換されていてよい飽和もしくは不飽和のアルキル、 (iii)X2およびX3が水素、飽和もしくは不飽和のアルキル、ならびに5員
    もしくは6員のアリール環部またはヘテロアリール環部からなる群から独立に選
    択される、式:NX23のアミン、 (iv)ハロゲンまたはトリハロメチル、 (v)X4が水素、アルキルならびに5員もしくは6員のアリール環部またはヘ テロアリール環部からなる群から選択される、式:−CO−X4のケトン、 (vi)X5、X6およびX7がアルキルおよび5員もしくは6員のアリール環部 またはヘテロアリール環部からなる群から独立に選択され、かつnは0または1
    である、式:−(X5n−COOHのカルボン酸または式:−(X6n−COO
    −X7のエステル、 (vii)X8およびX9が水素、飽和もしくは不飽和のアルキル、ならびにアル
    キル、ハロゲン、トリハロメチル、カルボキシレート、ニトロおよびエステルか
    らなる群から独立に選択される1個以上の置換基で置換されていてよい5員もし
    くは6員のアリール環部またはヘテロアリール環部からなる群から独立に選択さ
    れ、かつnは0または1である、式:(X8n−OHのアルコールまたは式:−
    (X8n−O−X9のアルコキシ部、 (viii)X10がアルキル、ヒドロキシル、ならびにアルキル、ハロゲン、ト
    リハロメチル、カルボキシレート、ニトロまたはエステルからなる群から独立に
    選択される1個以上の置換基で置換されていてよい5員もしくは6員のアリール
    環部またはヘテロアリール環部からなる群から選択される、式:−NHCOX10 のアミド、 (ix)X11およびX12が水素、アルキルおよび5員もしくは6員のアリール環
    部またはヘテロアリール環部からなる群から独立に選択される、−SO2NX1112、 (x)アルキル、ハロゲン、トリハロメチル、カルボキシレート、ニトロおよび
    エステル部からなる群から独立に選択される1個、2個または3個の置換基で置
    換されていてよい5員もしくは6員のアリール環部またはヘテロアリール環部、
    (xi)式:−CO−Hのアルデヒド、 (xii)X13が飽和もしくは不飽和のアルキルおよび5員もしくは6員のアリ
    ール環部またはヘテロアリール環部からなる群から選択される式:−SO2−X1 3 のスルホン からなる群から選択され、 (b)X1は窒素、硫黄および酸素からなる群から選択される]の5−アザキノ キサリンをベースとする化合物を投与する工程を含む方法。
  17. 【請求項17】 R1、R2、R3、R4およびR6が、独立して、 (i)水素、 (ii)アルキル、ハロゲン、トリハロメチル、ヒドロキシ、アルコキシ、カル
    ボキシレート、ニトロおよびエステル部からなる群から独立に選択される1個、
    2個または3個の置換基で置換されていてよい5員もしくは6員のアリール環部
    またはヘテロアリール環部で置換されていてよい飽和または不飽和のアルキル、
    (iii)アルキル、ハロゲン、トリハロメチル、ヒドロキシ、アルコキシ、カ
    ルボキシレート、ニトロおよびエステル部からなる群から独立に選択される1個
    、2個または3個の置換基で置換されていてよい5員もしくは6員のアリール環
    部またはヘテロアリール環部 からなる群から選択される、請求項16記載の方法。
  18. 【請求項18】 R1およびR2は、独立して (i)アルキル、ハロゲン、ヒドロキシおよびアルコキシ部からなる群から選択
    される置換基で置換されていてよいフェニルで置換されていてよいメチル、 (ii)アルキル、ハロゲン、ヒドロキシおよびアルコキシ部からなる群から選
    択される置換基で置換されていてよいフェニル からなる群から選択される、請求項17記載の方法。
  19. 【請求項19】 X1が窒素または酸素である、請求項18記載の方法。
  20. 【請求項20】 R6とX1置換基が一緒になって、明細書中に記載されるよ
    うなSAQAR置換基からなる群から選択される部を形成する、請求項19記載
    の方法。
  21. 【請求項21】 5−アザキノキサリンをベースとする化合物が明細書中に
    記載されるようなSAQAR化合物からなる群から選択される、請求項20記載
    の方法。
  22. 【請求項22】 生物がほ乳類である、請求項16記載の方法。
  23. 【請求項23】 異常状態が癌または線維症性疾患である、請求項16記載
    の方法。
  24. 【請求項24】 異常状態が、肺癌、卵巣癌、乳癌、脳癌、軸性脳内癌、結
    腸癌、前立腺癌、肉腫、カポジ肉腫、黒色腫および神経膠腫から選択される癌で
    ある、請求項23記載の方法。
  25. 【請求項25】 異常状態が、セリン/トレオニンプロテインキナーゼと本
    来の結合パートナーとの間の相互作用を特徴とするシグナル伝達経路の異常に関
    連する、請求項16記載の方法。
  26. 【請求項26】 セリン/トレオニンプロテインキナーゼがRAFである、
    請求項25記載の方法。
  27. 【請求項27】 式I: 【化3】 [式中、 (a)R1、R2、R3、R4およびR6が、独立して (i)水素、 (ii)アルキル、ハロゲン、トリハロメチル、カルボキシレート、ニトロおよ
    びエステル部からなる群から独立に選択される1個、2個または3個の置換基で
    置換されていてよい5員もしくは6員のアリール環部またはヘテロアリール環部
    で置換されていてよい飽和または不飽和のアルキル、 (iii)X2およびX3が水素、飽和もしくは不飽和のアルキル、ならびに5員
    もしくは6員のアリール環部またはヘテロアリール環部からなる群から独立に選
    択される、式:NX23のアミン、 (iv)ハロゲンまたはトリハロメチル、 (v)X4が水素、アルキルおよび5員もしくは6員のアリール環部またはヘテ ロアリール環部からなる群から選択される、式:−CO−X4のケトン、 (vi)X5、X6およびX7がアルキルおよび5員もしくは6員のアリール環部 またはヘテロアリール環部からなる群から独立に選択され、nが0または1であ
    る、式:−(X5n−COOHのカルボン酸または式:−(X6n−COO−X 7 のエステル、 (vii)X8およびX9が水素、飽和もしくは不飽和のアルキル、ならびにアル
    キル、ハロゲン、トリハロメチル、カルボキシレート、ニトロおよびエステルか
    らなる群から独立に選択される1個以上の置換基で置換されていてよい5員もし
    くは6員のアリール環部またはヘテロアリール環部からなる群から独立に選択さ
    れ、かつnが0または1である、式:(X8n−OHのアルコールまたは式:−
    (X8n−O−X9のアルコキシ部、 (viii)X10がアルキル、ヒドロキシル、ならびにアルキル、ハロゲン、ト
    リハロメチル、カルボキシレート、ニトロまたはエステルからなる群から独立に
    選択される1個以上の置換基で置換されていてよい5員もしくは6員のアリール
    環部またはヘテロアリール環部からなる群から選択される、式:−NHCOX10 のアミド、 (ix)X11およびX12が水素、アルキルおよび5員もしくは6員のアリール環
    部またはヘテロアリール環部からなる群から独立に選択される、−SO2NX1112、 (x)アルキル、ハロゲン、トリハロメチル、カルボキシレート、ニトロおよび
    エステル部からなる群から独立に選択される1個、2個または3個の置換基で置
    換されていてよい5員もしくは6員のアリール環部またはヘテロアリール環部、
    (xi)式:−CO−Hのアルデヒド、 (xii)X13が飽和もしくは不飽和のアルキルおよび5員もしくは6員のアリ
    ール環部またはヘテロアリール環部からなる群から選択される、式:−SO2− X13のスルホン からなる群から独立に選択され、 (b)X1は窒素、硫黄および酸素からなる群から選択される]で示される構造 を有する5−アザキノキサリンをベースとする化合物。
  28. 【請求項28】 R1、R2、R3、R4およびR6が、独立して (i)水素、 (ii)アルキル、ハロゲン、トリハロメチル、ヒドロキシ、アルコキシ、カル
    ボキシレート、ニトロおよびエステル部からなる群から独立に選択される1個、
    2個または3個の置換基で置換されていてよい5員もしくは6員のアルキル環部
    またはヘテロアルキル環部で置換されていてよい飽和もしくは不飽和のアルキル
    、 (iii)アルキル、ハロゲン、トリハロメチル、ヒドロキシ、アルコキシ、カ
    ルボキシレート、ニトロおよびエステル部からなる群から独立に選択される1個
    、2個または3個の置換基で置換されていてよい5員もしくは6員のアリール環
    部またはヘテロアリール環部 からなる群から選択される、請求項27記載の化合物。
  29. 【請求項29】 R3およびR4が水素である、請求項28記載の化合物。
  30. 【請求項30】 R1およびR2が、独立して (i)アルキル、ハロゲン、ヒドロキシおよびアルコキシ部からなる群から選択
    される置換基で置換されていてよいフェニルで置換されていてよいメチル、 (ii)アルキル、ハロゲン、ヒドロキシおよびアルコキシ部からなる群から選
    択される置換基で置換されていてよいフェニル からなる群から選択される、請求項29記載の化合物。
  31. 【請求項31】 R1およびR2が水素、メチル、フェニルおよび4−ヒドロ
    キシフェニルからなる群から独立に選択される、請求項29記載の化合物。
  32. 【請求項32】 X1が窒素または酸素である、請求項30記載の化合物。
  33. 【請求項33】 R6およびX1の置換基とが一緒になって、明細書に記載さ
    れるようなSAQAR置換基からなる群から選択される部を形成する、請求項3
    2記載の化合物。
  34. 【請求項34】 5−アザキノキサリンをベースとする化合物を明細書に記
    載されるようなSAQAR化合物からなる基から選択する、請求項33記載の方
    法。
  35. 【請求項35】 請求項26から33までのいずれか1項記載の5−アザキ
    ノキサリン化合物またはその塩、および生理学的に認容性の賦形剤もしくは希釈
    剤を含有する医薬品組成物。
  36. 【請求項36】 工程: (a)第1の反応物と第2の反応物とを溶剤中および塩基の存在下に反応させ、
    その際、第1の反応物は2−アミノ−6−クロロ−3−ニトロピリジンであり、
    第2の反応物はアルコールまたはアミンであり、これにより第1の中間物質を得
    、 (b)第1の中間物質と第3の反応物とを触媒および還元剤の存在下に反応させ
    、その際、第3の反応物は1,2−ジオンであり、 (c)請求項27記載の化合物を精製する からなる、請求項27記載の化合物の合成方法。
  37. 【請求項37】 第2の化合物を明細書に記載されるようなSAQAR反応
    物からなる群から選択する、請求項36記載の方法。
  38. 【請求項38】 第3の反応物が4−ヒドロキシフェニルグリオキサール、
    1−フェニル−1,2−プロパンジオンおよびベンジルからなる群から選択され
    る、請求項36記載の方法。
  39. 【請求項39】 還元剤が水素である、請求項36記載の方法。
  40. 【請求項40】 触媒がラネーニッケルである、請求項36記載の方法。
JP2000514630A 1997-10-06 1998-10-05 5−アザキノキサリンをベースとする化合物によりセリン/トレオニンプロテインキナーゼの機能を調整する方法 Withdrawn JP2001518496A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US6112397P 1997-10-06 1997-10-06
US60/061,123 1997-10-06
PCT/US1998/020910 WO1999017759A2 (en) 1997-10-06 1998-10-05 Methods of modulating serine/threonine protein kinase function with 5-azaquinoxaline-based compounds

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001518496A true JP2001518496A (ja) 2001-10-16
JP2001518496A5 JP2001518496A5 (ja) 2006-01-05

Family

ID=22033733

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000514630A Withdrawn JP2001518496A (ja) 1997-10-06 1998-10-05 5−アザキノキサリンをベースとする化合物によりセリン/トレオニンプロテインキナーゼの機能を調整する方法

Country Status (31)

Country Link
US (2) US6180631B1 (ja)
EP (1) EP1028729B1 (ja)
JP (1) JP2001518496A (ja)
KR (1) KR100633270B1 (ja)
CN (1) CN1169527C (ja)
AR (1) AR013542A1 (ja)
AT (1) ATE336250T1 (ja)
AU (1) AU757585B2 (ja)
BG (1) BG64969B1 (ja)
BR (1) BR9814814A (ja)
CA (1) CA2306257C (ja)
CY (1) CY1106223T1 (ja)
CZ (1) CZ298775B6 (ja)
DE (1) DE69835612T2 (ja)
DK (1) DK1028729T3 (ja)
ES (1) ES2268791T3 (ja)
HK (1) HK1031836A1 (ja)
HU (1) HUP0100302A3 (ja)
IL (2) IL135103A0 (ja)
MX (1) MXPA03011007A (ja)
NO (1) NO316598B1 (ja)
NZ (1) NZ503431A (ja)
PL (1) PL192039B1 (ja)
PT (1) PT1028729E (ja)
RU (1) RU2223753C2 (ja)
SK (1) SK4722000A3 (ja)
TR (2) TR200000906T2 (ja)
TW (1) TWI245765B (ja)
UA (1) UA71555C2 (ja)
WO (1) WO1999017759A2 (ja)
ZA (1) ZA988961B (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009515853A (ja) * 2005-11-11 2009-04-16 エテルナ ツェンタリス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 新規のピリドピラジン及び前記ピリドピラジンをキナーゼのモジュレーターとして用いる使用
WO2014109414A1 (ja) * 2013-01-11 2014-07-17 富士フイルム株式会社 含窒素複素環化合物またはその塩
JP2014534211A (ja) * 2011-10-28 2014-12-18 アステックス、セラピューティックス、リミテッドAstex Therapeutics Limited Fgfrキナーゼの阻害を介した抗癌ピリドピラジン

Families Citing this family (37)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
UA71555C2 (en) 1997-10-06 2004-12-15 Zentaris Gmbh Methods for modulating function of serine/threonine protein kinases by 5-azaquinoline derivatives
ATE556713T1 (de) * 1999-01-13 2012-05-15 Bayer Healthcare Llc Omega-carboxyarylsubstituierte-diphenyl- harnstoffe als p38-kinasehemmer
US8124630B2 (en) * 1999-01-13 2012-02-28 Bayer Healthcare Llc ω-carboxyaryl substituted diphenyl ureas as raf kinase inhibitors
WO2001032658A1 (fr) * 1999-11-02 2001-05-10 Ajinomoto Co., Inc. Compose de polyazanaphtalene et utilisation medicinale dudit compose
US7371763B2 (en) * 2001-04-20 2008-05-13 Bayer Pharmaceuticals Corporation Inhibition of raf kinase using quinolyl, isoquinolyl or pyridyl ureas
US20080108672A1 (en) * 2002-01-11 2008-05-08 Bernd Riedl Omega-Carboxyaryl Substituted Diphenyl Ureas As Raf Kinase Inhibitors
DK1478358T3 (da) * 2002-02-11 2013-10-07 Bayer Healthcare Llc Sorafenibtosylat til behandling af sygdomme kendetegnet ved unormal angiogenese
WO2004027361A1 (en) * 2002-09-17 2004-04-01 University Of Virginia Patent Foundation Remote temperature sensing of small volume and related apparatus thereof
US7557129B2 (en) 2003-02-28 2009-07-07 Bayer Healthcare Llc Cyanopyridine derivatives useful in the treatment of cancer and other disorders
US20070020704A1 (en) * 2003-05-20 2007-01-25 Scott Wilhelm Diaryl ureas with kinase inhibiting activity
DE102004022383A1 (de) * 2004-05-06 2005-12-01 Zentaris Gmbh Neue Pyridopyrazine und deren Verwendung als Modulatoren von Kinasen
DE10323345A1 (de) 2003-05-23 2004-12-16 Zentaris Gmbh Neue Pyridopyrazine und deren Verwendung als Kinase-Inhibitoren
PL1636228T3 (pl) 2003-05-23 2009-04-30 Aeterna Zentaris Gmbh Nowe pirydopirazyny i ich zastosowanie jako modulatorów kinazy
EP1635835B1 (en) * 2003-06-13 2010-01-06 Novartis AG 2-aminopyrimidine derivatives as raf kinase inhibitors
BR122016015715B8 (pt) 2003-07-23 2021-05-25 Bayer Healthcare Llc composições farmacêuticas de metilamida de ácido 4[4-[3-(4-cloro-3-trifluorometilfenil)-ureido]-3-fluorofenóxi)-piridina-2-carboxílico
US8217042B2 (en) 2005-11-11 2012-07-10 Zentaris Gmbh Pyridopyrazines and their use as modulators of kinases
EP1790342A1 (de) 2005-11-11 2007-05-30 Zentaris GmbH Pyridopyrazin-Derivate und deren Verwendung als Modulatoren der Signaltransduktionswege
WO2010003308A1 (zh) * 2008-07-10 2010-01-14 卞化石 一氧化氮及其信息传递系统在制备恶性肿瘤靶向治疗药物中的应用
GB0812969D0 (en) 2008-07-15 2008-08-20 Sentinel Oncology Ltd Pharmaceutical compounds
GB201007286D0 (en) 2010-04-30 2010-06-16 Astex Therapeutics Ltd New compounds
GB201020179D0 (en) 2010-11-29 2011-01-12 Astex Therapeutics Ltd New compounds
EP2508184A1 (en) 2011-04-06 2012-10-10 Æterna Zentaris GmbH Pyridopyrazine derivatives and their use
GB201118675D0 (en) 2011-10-28 2011-12-14 Astex Therapeutics Ltd New compounds
GB201118652D0 (en) 2011-10-28 2011-12-07 Astex Therapeutics Ltd New compounds
GB201118654D0 (en) 2011-10-28 2011-12-07 Astex Therapeutics Ltd New compounds
GB201209609D0 (en) 2012-05-30 2012-07-11 Astex Therapeutics Ltd New compounds
GB201209613D0 (en) 2012-05-30 2012-07-11 Astex Therapeutics Ltd New compounds
GB201307577D0 (en) 2013-04-26 2013-06-12 Astex Therapeutics Ltd New compounds
DE102013008118A1 (de) * 2013-05-11 2014-11-13 Merck Patent Gmbh Arylchinazoline
SI3122358T1 (sl) 2014-03-26 2021-04-30 Astex Therapeutics Ltd. Kombinacije FGFR- in CMET-inhibitorjev za zdravljenje raka
WO2015144808A1 (en) 2014-03-26 2015-10-01 Astex Therapeutics Ltd Combinations of an fgfr inhibitor and an igf1r inhibitor
JO3512B1 (ar) 2014-03-26 2020-07-05 Astex Therapeutics Ltd مشتقات كينوكسالين مفيدة كمعدلات لإنزيم fgfr كيناز
ES2896400T3 (es) 2014-08-01 2022-02-24 Nuevolution As Compuestos activos frente a bromdominios
JOP20200201A1 (ar) 2015-02-10 2017-06-16 Astex Therapeutics Ltd تركيبات صيدلانية تشتمل على n-(3.5- ثنائي ميثوكسي فينيل)-n'-(1-ميثيل إيثيل)-n-[3-(ميثيل-1h-بيرازول-4-يل) كينوكسالين-6-يل]إيثان-1.2-ثنائي الأمين
US10478494B2 (en) 2015-04-03 2019-11-19 Astex Therapeutics Ltd FGFR/PD-1 combination therapy for the treatment of cancer
KR20180052631A (ko) 2015-09-23 2018-05-18 얀센 파마슈티카 엔.브이. 비-헤테로아릴 치환된 1,4-벤조디아제핀 및 암의 치료를 위한 이의 용도
CN108026095B (zh) 2015-09-23 2021-07-27 詹森药业有限公司 新化合物

Family Cites Families (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4001017A (en) * 1972-12-05 1977-01-04 Ciba-Geigy Ag Process for the photopolymerization of ethylenically unsaturated compounds
US4043819A (en) * 1974-06-11 1977-08-23 Ciba-Geigy Ag Photo-polymerizable material for the preparation of stable polymeric images and process for making them by photopolymerization in a matrix
US5217999A (en) 1987-12-24 1993-06-08 Yissum Research Development Company Of The Hebrew University Of Jerusalem Styryl compounds which inhibit EGF receptor protein tyrosine kinase
DE3804990A1 (de) * 1988-02-18 1989-08-31 Basf Ag Herbizid wirksame, heterocyclisch substituierte sulfonamide
FR2656606B1 (fr) * 1989-12-28 1993-06-25 Roussel Uclaf Utilisation de derives du 9,10-dihydrophenanthrene pour la preparation d'un medicament anti-tumoral, application a titre de medicaments de derives du 9,10-dihydrophenanthrene et produits derives de cette structure.
WO1991015495A1 (en) 1990-04-02 1991-10-17 Pfizer Inc. Benzylphosphonic acid tyrosine kinase inhibitors
US5302606A (en) 1990-04-16 1994-04-12 Rhone-Poulenc Rorer Pharmaceuticals Inc. Styryl-substituted pyridyl compounds which inhibit EGF receptor tyrosine kinase
CA2102780C (en) 1991-05-10 2007-01-09 Alfred P. Spada Bis mono-and bicyclic aryl and heteroaryl compounds which inhibit egf and/or pdgf receptor tyrosine kinase
CA2108889A1 (en) 1991-05-29 1992-11-30 Robert Lee Dow Tricyclic polyhydroxylic tyrosine kinase inhibitors
GB9300059D0 (en) 1992-01-20 1993-03-03 Zeneca Ltd Quinazoline derivatives
CZ283965B6 (cs) 1992-08-06 1998-07-15 Warner-Lambert Company 2-thioindolové, 2-indolinthionové a polysulfidové sloučeniny, 2-selenoindolové, 2-indolinselenonové a selenidové sloučeniny a farmaceutické prostředky na jejich bázi
US5330992A (en) 1992-10-23 1994-07-19 Sterling Winthrop Inc. 1-cyclopropyl-4-pyridyl-quinolinones
GB9226855D0 (en) 1992-12-23 1993-02-17 Erba Carlo Spa Vinylene-azaindole derivatives and process for their preparation
US5700823A (en) * 1994-01-07 1997-12-23 Sugen, Inc. Treatment of platelet derived growth factor related disorders such as cancers
GB9501567D0 (en) 1995-01-26 1995-03-15 Pharmacia Spa Hydrosoluble 3-arylidene-2-oxindole derivatives as tyrosine kinase inhibitors
US5593997A (en) * 1995-05-23 1997-01-14 Pfizer Inc. 4-aminopyrazolo(3-,4-D)pyrimidine and 4-aminopyrazolo-(3,4-D)pyridine tyrosine kinase inhibitors
US5880141A (en) 1995-06-07 1999-03-09 Sugen, Inc. Benzylidene-Z-indoline compounds for the treatment of disease
US5723462A (en) * 1996-04-26 1998-03-03 Neurogen Corporation Certain fused pyrrolecarboxamides a new class of GABA brain receptor ligands
UA71555C2 (en) 1997-10-06 2004-12-15 Zentaris Gmbh Methods for modulating function of serine/threonine protein kinases by 5-azaquinoline derivatives
GB9726851D0 (en) * 1997-12-19 1998-02-18 Zeneca Ltd Human signal transduction serine/threonine kinase

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009515853A (ja) * 2005-11-11 2009-04-16 エテルナ ツェンタリス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 新規のピリドピラジン及び前記ピリドピラジンをキナーゼのモジュレーターとして用いる使用
JP2014534211A (ja) * 2011-10-28 2014-12-18 アステックス、セラピューティックス、リミテッドAstex Therapeutics Limited Fgfrキナーゼの阻害を介した抗癌ピリドピラジン
WO2014109414A1 (ja) * 2013-01-11 2014-07-17 富士フイルム株式会社 含窒素複素環化合物またはその塩
US9783536B2 (en) 2013-01-11 2017-10-10 Fujifilm Corporation Nitrogen-containing heterocyclic compound or salt thereof

Also Published As

Publication number Publication date
AU9514198A (en) 1999-04-27
ZA988961B (en) 1999-10-04
SK4722000A3 (en) 2002-06-04
PT1028729E (pt) 2006-12-29
HUP0100302A3 (en) 2006-03-28
PL192039B1 (pl) 2006-08-31
UA71555C2 (en) 2004-12-15
IL135103A0 (en) 2001-05-20
KR20010030934A (ko) 2001-04-16
WO1999017759A3 (en) 2000-01-06
AR013542A1 (es) 2000-12-27
DK1028729T3 (da) 2006-12-11
EP1028729A2 (en) 2000-08-23
NO316598B1 (no) 2004-03-01
MXPA03011007A (es) 2004-02-27
US6180631B1 (en) 2001-01-30
CZ298775B6 (cs) 2008-01-23
BG64969B1 (bg) 2006-11-30
AU757585B2 (en) 2003-02-27
US6727252B1 (en) 2004-04-27
BG104392A (en) 2000-12-29
CA2306257A1 (en) 1999-04-15
TR200100385T2 (tr) 2002-06-21
RU2223753C2 (ru) 2004-02-20
PL339860A1 (en) 2001-01-15
HK1031836A1 (en) 2001-06-29
ATE336250T1 (de) 2006-09-15
BR9814814A (pt) 2000-10-03
KR100633270B1 (ko) 2006-10-16
CY1106223T1 (el) 2011-06-08
DE69835612D1 (de) 2006-09-28
WO1999017759A2 (en) 1999-04-15
CZ20001129A3 (cs) 2000-10-11
EP1028729B1 (en) 2006-08-16
CN1169527C (zh) 2004-10-06
HUP0100302A2 (hu) 2001-06-28
CN1274284A (zh) 2000-11-22
DE69835612T2 (de) 2007-08-16
NZ503431A (en) 2002-07-26
CA2306257C (en) 2007-09-25
IL135103A (en) 2007-06-17
TWI245765B (en) 2005-12-21
NO20001748D0 (no) 2000-04-05
NO20001748L (no) 2000-04-05
TR200000906T2 (tr) 2000-11-21
ES2268791T3 (es) 2007-03-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100633270B1 (ko) 5-아자퀴녹살린계 화합물, 이의 합성 방법, 이를 사용한 세린/트레오닌 단백질키나제 작용의 조절 방법 및 이를 포함하는 약제학적 조성물
KR100547929B1 (ko) 세린/트레오닌 단백질 키나제 기능을 조절하기 위한 아자벤즈이미다졸계 화합물, 이의 제조방법 및 이를 포함하는 약제학적 조성물
US6204267B1 (en) Methods of modulating serine/thereonine protein kinase function with quinazoline-based compounds
MXPA00003255A (en) Methods of modulating serine/threonine protein kinase function with 5-azaquinoxaline-based compounds
MXPA00002910A (en) Azabenzimidazole-based compounds for modulating serine/threonine protein kinase function
CZ2000990A3 (cs) Způsob in vitro modulace funkce serin/threonin protein kinázy, způsob in vitro identifikace sloučenin pro tuto modulaci, sloučeniny na bázi azabenzimidazolu,jejich použití, způsob jejich výroby a farmaceutické kompozice

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050805

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050805

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20081030