JP2001516420A - 蒸気タービンおよび蒸気タービン用翼 - Google Patents

蒸気タービンおよび蒸気タービン用翼

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、壁(3)を有する通流路(2)を備えた蒸気タービン(1)に関する。通流路(2)内の翼環(55)内に翼(5)が配置される。通流路(2)の壁(3)は、作動流体(13)が通流路(2)を通流することによって所期の流体作用を達成する溝構造部(6)を備える。特に、翼環(55)の2つの翼(5)の間にはそれぞれ溝構造部(6)を有する間隔面(31)が存在する。本発明は蒸気タービン用翼にも関する。

Description

【発明の詳細な説明】 蒸気タービンおよび蒸気タービン用翼 本発明は、通流路およびその中に配置された翼を有する蒸気タービン、並びに 蒸気タービン用翼に関する。 ドイツ国特許出願公開第19546008号明細書には、タービンの前端段お よび終端段の湿気を含んだ蒸気領域内に適用するためのタービン翼が記載されて いる。このタービン翼は打付けられる水滴による浸食消耗を免れない。この浸食 消耗は、タービン翼の翼板がその入口端縁領域内および翼背面領域内、またはそ れらの少なくとも一部の領域内に、翼板の前面の表面荒さに対して明らかに強調 された表面荒さを備えることによって減少させることができる。この表面荒さに よってタービン翼の表面に水フィルムが保持される。この水フィルムは打付けら れる水滴による浸食作用を阻止する。 ドイツ国特許第3609541号明細書では、乱流となって流れる流体の流体 抵抗を減少させることが取扱われている。抵抗の減少は乱れた壁押圧応力を減少 させることによって達成される。そのため流体の表面には複数のフィン段にした フィンを備えている。フィンは通流方向に見て側方に互いにずらして配置され、 通流方向に見た長さは短い。ドイツ国特許第3609541号明細書は航空機の 翼面の流体抵抗を減少させることについて具体的に開示している。 ドイツ国特許出願公開第4319628号明細書では、流体機械の流体に接す る表面の構造問題が取扱われている。溝構造を採用することによって流体損失が 最低限に抑えられる。そこでは流体ポンプ固有の問題が考慮されている。 ドイツ国実用新案第9013099号は、ハブおよび少なくとも1個のロータ 板を備えた、通流媒体からのエネルギー吸収または通流媒体へのエネルギー付与 のためのロータに関する。ロータの効率向上は、ロータのロータ板が波形形状を 備えることによって達成される。このロータ板は、止むを得ず必要とされる波形 形状のために、完全に波形の起伏をもって付加的に上張りされ得る。 米国特許第3481531号明細書には特にガスタービン用の遠心圧縮機用羽 根車が記載されている。この羽根車は放射方向外側に延びる複数の羽根を備え、 その間に羽根車壁が存在している。羽根車壁は放射方向外側に延びる溝を備えて おり、それにより壁に付着しているガスの境界層が破られ、エネルギー損失が大 幅に低減されるようにしている。 米国特許第4023350号明細書はガスタービンの圧力損失を低減する装置 を開示している。この装置は、ガスタービンの翼環の隣接する2つの翼の間に延 びる一連の突出部を備えている。この一連の突出部は渦の発生に役立ち、それに より境界層の厚み、ひいては横流に基づく損失を減少させることができる。 1994年のVDI(ドイツ技術者協会)報告第1109号、第241ページ には、イエッターおよびリースが論文「種々の製造品質のタービン翼プロファイ ルの流体技術的特性」においてタービン翼プロファイルの効率に与える表面荒さ の影響について記載している。そこでは、例えばフライス加工による溝のような 表面荒さがプロファイルによる損失に影響を与えるが、その影響は他のパラメー タとの関係もあって必ずしも正確に定量化することはできないと述べられている 。 クラウス・メニー、B.G.トイプナーの著書「流体機械」(シュトゥットガ ルト、1995年)には蒸気タービンが記載されている。そこでは、水力タービ ン、蒸気タービン、ガスタービン、風力機械、渦巻ポンプ、ターボコンプレッサ 、さらにはプロペラが「流体機械」という総称の下にまとめられると述べられて いる。これらの機械はすべて、作動流体からエネルギーを奪い取って他の機械を 駆動し、あるいは逆に作動流体の圧力を高めるために流体にエネルギーを与える という目的のために役立つ点で共通している。簡単なタービンの例では流体機械 の作動態様は次のようである。すなわち、作動流体が機械に流れ込み、まず固定 配置の静翼の翼環を通って通流する。その場合、作動流体の速度つまりその運動 エネルギーが高められる。圧力つまりその位置エネルギーは減少する。同時に、 静翼の形状によって、静翼環のあとに配置されている動翼環の周囲方向の速度成 分が生ずる。作動流体は動翼環を介して、これに接続されているロータに運動エ ネルギーを与える。その場合、動翼の周りを通流する際の作動流体の方向および しばしば速度の値が変化させられる。動翼環は回転運動中シフトされる。作動流 体はエネルギー保有量が減少させられた形で機械から流出する。タービンから得 られた機械エネルギーと作動流体から取り去られたエネルギーとの比がタービン の効率を特徴付ける。 本発明の一つの課題は、高効率の蒸気タービンを提供することである。本発明 の他の課題は、蒸気タービンに対して高効率を与える蒸気タービン用翼を提供す ることである。 蒸気タービンに関する課題は、本発明により、軸線に沿って向けられた通流路 を含み、この通流路は通路壁および通流路内に配置された複数の翼を有する蒸気 タービンにおいて、通路壁は互いに離れた溝頂部を有する少なくとも領域的に一 つの溝構造部を備えることを特徴とする蒸気タービンによって達成される。 この蒸気タービンでは、作動流体の局部的に異なる主通流方向に沿った通流路 の通流が通路壁に設けられた溝構造部によって有利な作用を受ける。その場合、 通路壁はつながっている平面であってはならない。好ましくは、通路壁はリング 状通流路の内壁および外壁から組立てられる。通流の影響は特に作動流体の主通 流方向に直交する方向に向けられる横流、例えば渦流に関係する。横流は溝構造 部によって生ずる高められた流体抵抗によって抑制される。この横流は効率低下 の原因となるので、これを抑制することは蒸気タービンの効率向上に寄与する。 好ましくは、各翼は翼環内に配置され、その翼環内で互いに隣接する2つの翼 の間に通路壁の一部である間隔面が存在する。この間隔面上に溝頂部を有する溝 構造部が延びる。隣接する2つの翼の間を、翼によってそこに定められた主通流 方向に沿って作動流体が流れる。間隔面は主通流方向に、隣接する翼の終端点間 を結ぶ接続線の上に延びる。「その間に存在する」という表現はもとより主通流 方向に沿った広がりの正確な設定として間隔面の位置の特徴付けに用いられるべ きものである。翼環の間隔面は特にこの面に設けられた溝構造部により場合によ っては生ずる横流を抑制する効果的な可能性を提供するものである。翼環という のは例えば、それぞれリング状の内側境界および外側境界の間に翼が配置される か、一方の側にのみ、例えばタービンのロータに翼が取付けられた翼装置と理解 されるべきである。 各翼は間隔面に接する翼板輪郭線を有する翼板を備え、間隔面に延びる溝頂部 にはそれぞれ隣接する翼板輪郭線が位置するようにするのがよい。これらの翼板 輪郭線に対し溝頂部がほぼ同じ向きに走るように向けられるのがよい。こうする ことによって、溝構造部はほぼ作動流体の主通流方向に沿った方向に、従ってひ ょっとしたら生ずる横流にほぼ直交する方向に向けられる。このことは、主通流 方向に直交する方向の流体抵抗を高め、従って横流を抑制するのに役立つ。 翼の第1の部分は動翼として構成されるのがよい。これに関連して翼の第2の 部分は静翼として構成されるのがよい。 数個の翼がそれぞれ根元部を備え、その根元部により翼はロータまたはケーシ ングの全ての翼に対して共通の周方向に走る溝内に差込まれるのがよい。これに よって形成される翼環の翼では、翼の根元部が互いに突き当る。この根元部はそ れぞれ通路壁の一部を形成する通流路側の根元部表面を備えている。通路壁は、 通流路側の根元部表面に、すなわち翼の根元部に溝構造部を備えることができる 。それにより、流体機械内に組込む前に製造技術的に簡単な方法で個々の翼の根 元部に溝構造部を取付けることが可能になる。 さらに好ましくは、いずれか1つの翼が、単一の翼に対してのみ設計された、 ロータまたはケーシングの溝内に差込まれるようにするのがよい。この翼によっ て翼環全体が形成されるものとする。この場合、間隔面はほぼ翼環のそれぞれの 溝に隣接する翼同士の間にあるロータ表面によって形成される。 翼の一部は、各翼が複合体から破壊によってしか分解できないように相互に結 合されて複合体を構成するのがよい。この複合体は翼環またはその一部とするの がよい。この翼環またはその一部は例えば溶接によって作られ、あるいは一つま たは複数のコンパクト材料片から翼の浸食によって作られ、続いて組合わせるこ とができる。 隣接する溝頂部間の間隔は0.01mm〜10mmとするのがよい。さらに好 ましくは、隣接する2つの溝頂部はそれぞれ溝基底部を含んで溝を形成し、各溝 の溝深さは、溝頂部間の接続線から溝基底部の最深点まで測定して、1μm〜1 mmとするのがよい。 各翼は翼板を備え、少なくとも1つの翼板に少なくとも部分的に翼板溝構造部 が延びるようにするのがよい。これによって、流体機械中の作動流体の通流が溝 構造部を介しても翼の翼板に影響を及ぼすことが可能になる。 翼に関する課題は、本発明により、翼表面を備え、翼を流体機械内に取付ける ための取付部を有する根元部と、翼軸線に沿って連続した根元部領域、中央領域 および頭部領域を有する翼板表面を備え根元部に接する翼板とを備えた、翼軸線 に沿って設けられている流体機械用翼において、翼表面は互いに間隔をおいて配 置された溝頂部を有する溝構造部を備え、溝頂部によって作動流体による翼表面 の所期の流体作用が達成され、根元部領域及び/又は頭部領域に溝構造部が延び 、中央領域は平坦である流体機械用翼によって達成される。 こうすることによって、翼板の各端縁領域内の翼の洗流が溝構造部によって影 響を受ける。平坦にすることによってそこで、中央領域の表面、場合によっては 溝領域が、根元部領域及び/又は頭部領域の溝に比べて低いか小さい荒さまたは 高まりを生ずるように共通化される。 好ましくは、溝頂部はそれぞれ翼軸線に直角な平面に対し拡がり角をもって延 び、第1の溝頂部の第1の拡がり角と、第2の溝頂部の、第1の拡がり角とは異 なる第2の拡がり角とが設定される。 翼表面の溝構造部によって、流体機械に組込まれた翼の洗流は、流体機械の効 率改善をもたらすような作用を与える。特に場合によっては生ずる横流を溝構造 部の助けによって弱めることができる。横流は作動流体の主通流方向に直交する 向きに生ずる付随的通流である。この横流は効率低下を生ずるので、その横流を 低減することによって効率を向上させることができる。 翼の根元部は翼板に接する取付装置を構成し、これを介して翼が流体機械、例 えばタービンのロータまたは内部ケーシングに結合される。その場合、翼車の複 数の翼の根元部は単一の部分に、例えば翼車を形成する部分に、集約することが できる。さらに翼は頭部を備えることもできる。この頭部は例えば翼と流体機械 のケーシングまたはロータとの間の間隙を通る漏れ流体のシールに役立つ。 「溝構造部」という用語は、翼表面の種々の領域で構造部の構成が異なり得る 、または翼表面の互いに分離された領域が場合によっては異ならせて構成された 溝を備え得る、ということを包含するものである。溝は翼表面の種々の場所に例 えばその深さや幅、形状または延伸方向を異ならせることができる。 好ましくは、第1の溝頂部は根元部の領域内または根元部領域内にあり、第1 の拡がり角は0°〜20°である。 根元部は根元部表面を備え、この根元部表面を介して溝構造部が少なくとも部 分的に延びるのがよい。さらには、頭部表面を有し翼軸線に沿って根元部とは反 対側に位置する頭部が設けられ、頭部表面の上に溝構造部が少なくとも部分的に 延び、特に第2の溝頂部は頭部表面内にあるのがよい。溝構造部は翼表面の他の 領域内のほかに頭部表面上に他の延伸方向を備えることができる。翼の端縁領域 内に横流が生じやすい。その横流を弱めることは効率改善を意味することにもな る。根元部及び/又は頭部が溝構造部を備える場合は、場合により生じ得る横流 をそれらの領域内で弱めることができる。 隣接する溝頂部の間の間隔は0.01mm〜10mmであるようにするのがよ い。さらには、隣接する2つの溝頂部はそれぞれ溝基底部を含んで溝を形成し、 各溝の溝深さは、溝頂部間の接続線から溝基底部の最深点まで測定して、1μm 〜1mmであるようにするのがよい。 次に図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。 図1は蒸気タービンの縦断面図、 図2は溝構造部を有する翼環の一部切欠斜視図、 図3はタービン翼の側面図、 図4は図3のタービン翼の断面図、 図5は溝構造の概略構成図、さらに、 図6は根元部を有する蒸気タービン翼の要部側面図をそれぞれ示す。 異なる図において同一符号は同一要素を示している。 図1には、軸線4に沿って入口側1Aから出口側1Bの方向に向かう蒸気ター ビン1の縦断面図が示されている。ここには軸線4に関して鏡面対称の図の半分 しか示されていない。表面14Bを有するロータ14が軸線4に沿って延びてお り、内周面15Aを有するケーシング15によって取り囲まれている。ケーシン グ15は、断面環状の、軸線4に対して直角な方向を向いた蒸気導入用の入口通 路16を備えている。蒸気タービン1を駆動する作動流体は蒸気13である。入 口通路16は環状の通流路2内に連通している。通流路2は軸線4に沿って入口 側1Aから出口側1Bにまで延びており、通路壁3によって画定されている。こ の通路壁3は一方ではロータ14の表面14Bの一部によって形成される内周壁 3Aからなり、通路壁3は他方ではケーシング15の内周面15Aの一部によっ て形成される外周壁3Bからなっている。内周壁3Aは軸線4に対して同心的な シリンダを形成しているのに対して、外周壁3Bは軸線4に対して同心的な円錐 台を形成している。外周壁3Bは、通流路2が軸線4に沿って次第に大きな断面 となるように、入口側1Aから出口側1Bの方向に次第に拡大している。通流路 2は、軸線4に対して直角な、かつ入口通路16に対して直角な方向を向いた出 口通路18に連通している。通流路2に沿って複数の翼5がそれぞれ翼環55に 配設されている。各翼5は翼軸線57(図3参照)に沿って整列されている。各 翼5の翼軸線57は軸線4に対して直角の方向を向いており、各翼5は通流路2 の高さ全体にわたって延びる程度にまっすぐで長い。翼環55A,55Bはその 一方に静翼5Aを備え、他方に動翼5Bを備えている。ここで、静翼5Aを有す る翼環55Aと動翼5Bを有する翼環55Bとが軸線4に沿って交互に配置され ている。静翼5Aはケーシング15に固定されている。動翼5Bはロータ14に 取付けられる。動翼5Bを有する翼環55Bは例示的に、ハンマーの頭部状の取 付部56Aを有する動翼5Bが対応する形状をもってロータ14に形成された溝 14Aにはめ込まれるように示されている。 この蒸気タービン1の運転の際は、作動流体、ここでは蒸気13が入口通路1 6を通して流れ込み、局部的に変化する主通流方向60(図4参照)に沿って通 流路2を通り、出口通路18を介して蒸気タービン1から流出する。通流路2内 で蒸気13は静翼5Aによって動翼5Bの方に方向転換される。蒸気13により 動翼5Bに伝達された力はロータ14の回転運動に変換される。つまり、蒸気1 3の運動エネルギーはロータ14の運動エネルギーに変換される。ロータ14の 回転運動は例えば図示されていない発電機で電気エネルギーを発生するために利 用される。通流路2内では、蒸気13の主通流方向60に対して付加的に主通流 方向60に対して直交する方向に向いた横流61(図4参照)を生ずることがあ る。この横流61は通常、ロータ14の機械エネルギーには変換されない蒸気1 3のエネルギー損失を意味し、それは効率低下を意味する。この横流61は、図 1には示されずに図2で詳細に説明される、通路壁3に設けられた溝構造部6に よって低減される。 図2には動翼5Bを有する翼環55Bの一部が斜視図として示されている。動 翼5Bはロータ14の周囲に沿って配置されている。各動翼5Bはロータ14に 取付けられている。各動翼5Bは翼板51を備えている。各翼板51は翼板輪郭 線52でロータ14と接している。隣接する2つの動翼5B間にはそれぞれ間隔 面31が存在している。これは両動翼5Bの翼板輪郭線52により翼環55Bに 方向転換して流れ込む蒸気13の主通流方向60に沿って画定される。間隔面3 1は主通流方向60にもっぱら両動翼5B間に存在する領域を介して延びている 。各動翼5Bは、ロータ14とは反対側の、ケーシング15の内周面15Aの端 部によって画定される。しかしその場合、動翼5Bがケーシング15に接触する ことはなく、間隙を保っている。図示していない適当なシール部、例えば動翼5 Bおよびケーシング15の互いにかみ合うかみ合い部が上記間隙をシールする。 各間隔面31には、溝頂部9を有する溝構造部6が延びている。隣接する2つの 溝頂部9はそれぞれ溝基底部10を含み、溝8を形成する。各溝8は溝頂部9か ら溝頂部9への間隔wと、溝8の溝基底部10から溝頂部9間の接続線までの高 さhとを持っている。しかし、溝構造部6の溝8は流体通流状況に従い異なる幅 および高さ、または形状にすることもできる。各溝頂部9はそれに近接する翼板 輪郭線52と同じ方向に向けられる。溝構造部6は翼環55Bに沿って通流する 作動流体を主通流方向60(図4参照)に沿って導き、場合によって生ずる、主 通流方向60に直交する方向の横流61(図4参照)、例えば渦流をその横流6 1に対して高められた流体抵抗によって弱める。この弱め作用は上述したように 通常は効率向上を意味する。 図3には動翼5Bの側面図が示されている。動翼5Bは翼軸線57に沿う方向 に向けられている。翼軸線57に沿ってハンマー頭部状の取付部56Aおよび翼 軸線57に直交する方向に向いた根元板56Bを有する根元部56と、翼板51 と、頭部54とが延びている。翼板51の表面上に溝構造部6が設けられている 。溝構造部6は翼板表面51aにおいて根元部領域41が根元部56に隣接し、 かつ頭部領域43が頭部54に隣接して延びている。翼板表面51aの中央領域 42は平坦である。作動流体である蒸気13が翼5に沿って通流する際、溝構造 部 6により翼板51の端縁領域の通流のみが都合よく作用を受ける。端縁領域には 明らかに横流が生じ得るので、端縁領域における横流をうまく抑制することが可 能になる。 動翼5Bは取付部56Aが溝14A(図1参照)に差込まれる。同一構造の複 数の動翼5Bから、各根元部56に隣接する動翼5Bの翼環55Bが形成されて いる。動翼5Bの根元板56Bは通路壁3の一部を形成する。根元板56Bには 溝構造部6が設けられている。これは図4の断面図における動翼5Bによって示 されている。台形状の根元板56B上には溝頂部9を有する溝構造部6が延びて いる。断面プロファイルの形状は翼板輪郭線52を呈しており、溝頂部9はこの 翼板輪郭線52の形状に追従している。 図5には溝構造部6が概略的に示されている。表面上には互いに直接接する、 断面がほぼU字状をした複数の溝8が互いに平行に配設されている。溝8は、溝 基底部10を含む溝頂部9によって画定されている。この例では、ある溝頂部9 からそれに隣接する溝頂部9までの間隔wはすべて等しい。溝基底部10の最深 点から隣接する溝頂部9間の接続線までの高さhは溝8の場合と同様である。溝 構造部6は作動流体13の流れに対して平行に整列している。作動流体13の主 通流方向11aに対して横流11bが付加的に生じ得る。この横流は横向きの溝 構造部6により高められた流体抵抗を生じさせ、抑制することができる。それは 効率改善に役立たせることができる。 図6には蒸気タービン翼5の要部側面図が示されている。この実施形態では、 溝構造部6は根元部56の根元部表面の根元部移行領域44上にも延びている。 それにより、翼5に沿う流体の流れは根元部表面上にも作用を及ぼすことができ る。溝構造部6は翼の製造時に直接形成することもできるが、それは後で追加し て設けることもできる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),CN,CZ,JP,K R,PL,RU,US (72)発明者 ベル、ラルフ ドイツ連邦共和国 デー―47647 ケルケ ン ザンクト―トーマス―ヴェーク 1 (72)発明者 ジモン、フォルカー ドイツ連邦共和国 デー―45470 ミュー ルハイム アン デア ルール シュティ フトシュトラーセ 46

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.軸線(4)に沿って向けられた通流路(2)を含み、この通流路(2)が通 路壁(3)および通流路(2)内に配置された複数の翼(5)を有する蒸気ター ビン(1)において、通路壁(3)は互いに離れた溝頂部(9)を有する少なく とも領域的に一つの溝構造部(6)を備えていることを特徴とする蒸気タービン (1)。 2.各翼(5)は翼環(55)内に配置され、その翼環(55)内で互いに隣接 する2つの翼(5)の間に通路壁(3)の一部である間隔面(31)が存在し、 この間隔面(31)に溝頂部(9)を有する溝構造部(6)が延びていることを 特徴とする請求項1記載の蒸気タービン(1)。 3.各翼(5)は間隔面(31)に接する翼板輪郭線(52)を有する翼板(5 1)を備え、間隔面(31)に延びる溝頂部(9)にはそれぞれ隣接する翼板輪 郭線(52)が位置し、これらの翼板輪郭線(52)に対し溝頂部(9)がほぼ 同じ向きに走るように向けられていることを特徴とする請求項2記載の蒸気ター ビン(1)。 4.翼(5)の第1の部分が動翼(5B)として構成されていることを特徴とす る請求項1ないし3のいずれか1項に記載の蒸気タービン(1)。 5.翼(5)の第2の部分が静翼(5A)として構成されていることを特徴とす る請求項1ないし4のいずれか1項に記載の蒸気タービン(1)。 6.数個の翼(5)がそれぞれ根元部(56)を備え、その根元部(56)によ り翼(5)はロータ(14)またはケーシング(15)の全ての翼(5)に対し て共通の周方向に走る溝(14A)内に差込まれ、翼(5)はその根元部(56 )によって係止されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項 に記載の蒸気タービン(1)。 7.いずれか1つの翼(5)が、単一の翼(5)に対してのみ設計された、ロー タ(4)またはケーシング(15)の溝(14A)内に差込まれていることを特 徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の蒸気タービン(1)。 8.翼(5)の一部は、相互に結合されて複合体を構成し、特に溶接または翼( 5)の浸食によって各翼(5)が複合体から破壊によってしか分解できないよう に相互に結合されて複合体を構成していることを特徴とする請求項1ないし7の いずれか1項に記載の蒸気タービン(1)。 9.隣接する溝頂部(9)間の間隔(w)は0.01mm〜10mmであること を特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の蒸気タービン(1)。 10.隣接する2つの溝頂部(9)はそれぞれ溝基底部(10)を含んで溝(8 )を形成し、各溝(8)の溝深さ(h)は、溝頂部(9)間の接続線から溝基底 部(10)の最深点まで測定して、1μm〜1mmであることを特徴とする請求 項1ないし9のいずれか1項に記載の蒸気タービン(1)。 11.各翼(5)は翼板(51)を備え、少なくとも1つの翼板(51)に少な くとも部分的に溝構造部(6)が延びていることを特徴とする請求項2ないし1 0のいずれか1項に記載の蒸気タービン(1)。 12.蒸気タービン内に取付けるための取付部(56A)を有する根元部(56 )と、翼軸線(57)に沿って連続した根元部領域(41)、中央領域(42) および頭部領域(43)を有する翼板表面(51A)を備え根元部(56)に接 する翼板(51)とを備え、翼表面(49)を有する、翼軸線(57)に沿って 設けられている蒸気タービン用翼(5)において、翼表面(49)は互いに間隔 をおいて配置された溝頂部(9)を有する溝構造部(6)を備え、この溝頂 部(9)によって作動流体(13)による翼表面(49)の所期の流体作用が達 成され、根元部領域(41)及び/又は頭部領域(43)に溝構造部が延び、中 央領域(42)は平坦であることを特徴とする蒸気タービン用翼(5)。 13.溝頂部(9)はそれぞれ翼軸線(57)に直角な平面に対し拡がり角(α )をもって延び、第1の拡がり角(α1)を有する第1の溝頂部(9a)および 第2の拡がり角(α2)を有する第2の溝頂部(9b)が設けられていることを 特徴とする請求項12に記載の翼(5)。 14.第1の溝頂部(9a)が根元部(56)の領域内または根元部領域(41 )内にあり、第1の拡がり角(α1)は0°〜20°であることを特徴とする請 求項13に記載の翼(5)。 15.第2の溝頂部(9b)は頭部領域(43)内にあり、第2の拡がり角(α 2)は20°〜60°であることを特徴とする請求項13または14に記載の翼 (5)。 16.根元部(56)は根元部表面を備え、この根元部表面を介して溝構造部( 6)が少なくとも部分的に延びていることを特徴とする請求項12ないし15の いずれか1項に記載の翼(5)。 17.頭部表面を有し翼軸線(57)に沿って根元部(56)とは反対側に位置 する頭部(54)が設けられ、頭部表面に溝構造部(6)が少なくとも部分的に 延び、特に第2の溝頂部(9b)は頭部表面内にあることを特徴とする請求項1 2ないし16のいずれか1項に記載の翼(5)。 18.隣接する溝頂部(9)の間の間隔は0.01mm〜10mmであることを 特徴とする請求項12ないし17のいずれか1項に記載の翼(5)。 19.隣接する2つの溝頂部(9)はそれぞれ溝基底部(10)を含んで溝(8 )を形成し、各溝(8)の溝深さは、溝頂部(9)間の接続線から溝基底部(1 0)の最深点まで測定して、1μm〜1mmであることを特徴とする請求項12 ないし18のいずれか1項に記載の翼(5)。
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