JP2001515960A - 析出硬化および固溶体硬化を特長とする銅基合金 - Google Patents

析出硬化および固溶体硬化を特長とする銅基合金

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JP2001515960A
JP2001515960A JP2000510901A JP2000510901A JP2001515960A JP 2001515960 A JP2001515960 A JP 2001515960A JP 2000510901 A JP2000510901 A JP 2000510901A JP 2000510901 A JP2000510901 A JP 2000510901A JP 2001515960 A JP2001515960 A JP 2001515960A
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エイチ.・マンドゥル (David H. Mandle) デービッド
ディー.・ファーカーソン (Daniel D. Farquharson) ダニエル
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デュエラー コーポレーション
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】Ni 0.4−3.0重量%、Sn 1.0−11.0重量%、Si 0.1−1.0重量%、P 0.01−0.35重量%、残部実質的にCuからなる燐青銅合金。この合金は電気リード導電体用および電気または電子相互接続用に適している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本出願は米国出願第60/057,777号(1997年9月5日出願)の優
先権を主張し、その全内容を引用によりここに導入するものである。
【0002】 本発明は銅合金に関し、詳しくは電気電子相互接続部品および高温スイッチン
グを含むスイッチ用途に特に有用な銅合金に関する。この合金は「スプリング型
」(spring type)用途に特に有望である。
【0003】
【従来の技術】
いくつかの群の銅合金が種々の技術において知られている。例えばMikaw
aらの米国特許第5,041,176号明細書はニッケル(Ni)0.1−10
%;錫(Sn)0.1−10%;ケイ素(Si)0.05−5%;鉄(Fe)0
.01−5%;およびホウ素(B)0.0001−1%を重量で含有する銅合金
を開示している。この開示によるとNi−Si金属間化合物が合金中に均一に分
散されて形成されることが必要である。Feは時効硬化のために必要とされる。
しかしながら、Fe濃度が5%より大きいと、導電性が弱められ、腐食が深刻な
問題となる。Bが合金に導入されると耐腐食性、硬度および強度が改善される。
焼戻し温度400−450℃で析出硬化することにより高硬度が達成される。S
iも脱酸剤として働く。 Mikawa合金は導電性、熱伝導性、強度、硬度、メッキ性、ハンダ性、弾
力性および酸に対する抵抗性を含む耐腐食性が良好である電子部品に用いるのに
適しているものの、この合金は本発明により得られるものとは組成が異なり、異
なる性質を示す。
【0004】 他の比較合金はKubosonoらの米国特許第5,516,484号明細書
に開示されている。Kubosonoらはグラファイト金型を用いた水平連続鋳
造により加工される銅−ニッケル基合金である。このNi−Cu合金系は本質的
に本発明の合金とは異なる。この合金では銅(Cu)は望ましくない不純物であ
り、その含有量は0.02%未満に抑える必要がある。Kubosonoらは、
Bが存在しないと、Siの添加により得られる効果が認められないことを教示し
ている。
【0005】 Kimらの米国特許第5,334,346号明細書は電気・電子部品用高性能
銅合金を開示している。Kim合金は銅並びにNi 0.5−2.4重量%;S
i 0.1−0.5重量%;P 0.02−0.16重量%;およびマグネシウ
ム(Mg)0.02−0.2重量%から本質的になる。KimらはNiSiお
よびNiPが銅地(copper matrix)に析出する場合の析出硬化
を議論している。遊離のSiおよびPが少しでも超過すると脆い金属間化合物を
形成し、剥離および亀裂を生じると教示されている。Mgは遊離のSiおよびP
を除去するスカベンジャー元素として提案されている。しかしながら、Mgの含
有量が増加するにつれて、導電性および合金の有用性が低下する。亜鉛(Zn)
およびFeもスカベンジャーとしての可能性が開示されている。この合金はSn
を含有していない。
【0006】 Hashizumeらの米国特許第5,064,611号明細書はNi 1−
8%;P 0.1−0.8%;Si 0.6−1.0%;場合によってZn 0
.03−0.5%、およびCuを含有する銅合金を製造する方法を開示している
。NiおよびNiSiは導電性の低下を最低限に抑えつつ合金の機械的
強度を向上するための金属間化合物として開示されている。Snはこの合金には
存在しない。
【0007】 銅−錫合金、すなわち青銅(bronze)の例として、Asaiらの米国特
許第5,021,105号明細書はSn 2.0−7.0%;Ni、コバルト(
Co)またはクロム(Cr)1.0−6.0%;Si 0.1−2.0%;およ
びCuを含む合金を開示している。この合金は伸び率3−20%;強度70−1
00kg/mm;および導電率10−30%IACSを示すように加工しても
よい。Niは強度向上のために重要であると開示され;Crは熱間ロール特性お
よび耐熱性を向上すると開示され;そしてCoは有効な耐熱性に寄与すると開示
されている。Asaiらによれば、Sn含有量はこの合金を加工するのに用いら
れる熱間ロール法により7%に制限される。Asaiらは燐(P)を構成成分と
して開示していない。従って、この合金は上述のようにMikawaらに対する
制限と同様の制限がある。
【0008】 同様に、Aritaらの米国特許第4,337,089号明細書はNi 0.
5−3.0%;Sn 0.3−0.9%;P 0.01−0.2%;マンガン(
Mn)またはSi 0.0−0.35%;およびCuを含有するCu−Ni−S
n合金を開示している。この合金はその加工中に熱処理と冷間ロールを組み合わ
せることにより60kg/mmの引張強度および6%より大きい伸び率を特長
とする(すなわち、曲げ加工に必要な機械的性質を提供する)。Aritaらで
はSiまたはMnは強度を向上するために導入されている。しかしながら、Ar
itaらに開示されている低Sn含有量では本発明の成形性−強度結合特性が得
られない。
【0009】 Takedaらの米国特許第5,132,083号明細書はNi 1−5%;
Si 0.2−5%;B 1%未満;P 2%未満;Mn 3%未満; および
Cuを含有する粉末であるレーザーパッド材料を教示している。Snおよび鉛(
Pb)は任意成分であり、それぞれ8−15%である。この粉末はレーザー処理
すると耐スライド摩耗性に優れる銅レーザーパッド材料を製造することができる
。レーザーパッドに関する化学的機作(chemistries)は本発明の合
金におけるものとは同じではない。例えば、パッド材料を処理するのにロールが
けは熱間も冷間も行わない。
【0010】 銅および銅合金を定義し同定するための手段を提供する名称系はUNS(統一
番号システム)(Unified Numbering System)として
知られている。このシステムは北米で汎用されており、接頭辞C−に続く5桁(
最近、3桁から拡張された)のナンバリングを使用する。このナンバリングシス
テムは仕様書ではなく、むしろ工場製品を同定するための有効なナンバーコード
である。下記のC−名称はUNS番号を参照する。合金を含む一般的技術は組成
においてある点で類似するが、合金の特定の含有量と処理によって決まる異なる
所望の性質を表す多くの特許性のある合金を含む。 UNS合金C85800は鉛含有黄色真鍮であり、Sn 1.5%、Pb 1
.5%、Zn 31−41%、Fe 0.5%、Sb 0.05%;Ni 0.
5%(Coを含む)、Mn 0.25%、As 0.05%、S 0.05%、
P 0.01%、Al 0.55%、Si 0.25%、およびCu 57.0
%以上を含有している。
【0011】 電子産業では、必要な強度および成形性を持ち、100℃まで使用できる燐青
銅が知られている。しかしながら、より高温、例えば120℃、140℃および
150℃まであるいは150℃を越える温度に耐える合金に対する需要が存在す
る。高温度を適用すると電子処理速度がより速くなり、合金をより高温の温度環
境で使用することが可能となる。 従って、本発明は従来知られているものに比べて特性が大幅に改善されている
燐青銅合金を提供する。本発明は処理されたときに所望の弾性および強度特性並
びに特に高温時に優れた耐久性を持つ合金を経済的な価格で提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明に従う粒子分散性の向上した燐青銅はニッケル含有量が0.4−3.0
重量%;Si含有量が0.1−1.0重量%、P含有量が0.01−0.35重
量%;Sn含有量が1.0−11.0重量%;であり、銅を含む。Snは与えら
れた強度レベルでの成形性を向上する。Pは最適の弾力及び強度特性を付与する
のを助けるとともに、銅基合金を鋳造する際の流動性を与えるのを助ける。Pは
またメルトの脱酸を助ける。Siは溶融工程において調節されない量で失われる
ことはなく、合金中のSiとNiの化学量論的関係を維持することを可能にする
【0013】 Sn含有量8重量%未満およびP含有量0.01−0.2重量%がある実施形
態では特に好ましい。
【0014】 固溶体硬化は錫、燐および銅の寄与によるものであるが、析出硬化は合金地中
に析出されるケイ化ニッケルおよび燐化ニッケルに起因する。
【0015】 銅ベースの固溶体化は合金元素が溶解されて均一な液状溶液を形成するときに
起きる。溶液が凍結され次いでロールがけ/焼き鈍しされると、合金金属は溶解
し、固溶体を形成する。合金元素はそれにより地の結晶の一体的部分となる。
【0016】 固溶体中の元素を置換すると導電率は低下するけれども金属の強度が増加しや
すい。増加した強度はスリップに対する抵抗が大きくなることと関係している。
溶質原子は銅原子とは大きさが異なるので、スリップ耐性を付与する格子構造の
ねじれを引き起こす。すなわち、より大きなエネルギーが格子をねじ曲げるのに
必要とされる。
【0017】 予備的分析の示すところでは、この合金は応力緩和、すなわち、所与の一定の
拘束下、特にある用途において遭遇する高温における固体応力の経時低下に対し
て抵抗性である。本発明に従う燐青銅は安定した機械的特性、最適の耐力(yi
eld strength)およびすぐれた成形性を有する。この合金は例えば
操作温度が140℃、150℃またはそれより高温、例えば特定の用途における
200℃までの温度に達するような高温用途において特に有効である。この合金
は適度の導電率を有する高強度合金として設計されている。これらの用途におい
てはこれまで匹敵する合金が得られていない。
【0018】 この合金群は既知の燐青銅の強度と成形性を有するが、特に高温での応力緩和
に対する抵抗性が優れている。
【0019】 例示的方法においては、合金用材料は所望の濃度に従って混合され、チャネル
式または無コア式(coreless)電気誘導炉内で溶融される。得られたメ
ルトをグラファイトダイを通して水平連続鋳造する。この方法は場合によって水
平薄片連続鋳造(horizontal thin strip contin
uous casting)と呼ばれる。特に強い冷却を用いて、固化した材料
の適度の焼き入れを保証してすべての溶質を溶液状態に維持することができる。
【0020】 好適な鋳造の実施はグラファイトダイアッセンブリ内で特に強い冷却を用いて
、固化したばかりの金属の、その固相線(solidus)温度から450℃未
満の温度までの、十分に迅速な焼き入れを保証している。これにより、溶質は高
度に(概算約90%)溶液として止まり、冷却相の間に顕著に析出する時間を持
たないことが保証される。
【0021】 この強い冷却は高熱伝導率(最低0.77cal/cm/sec)銅板の使用
を含み、この銅板には高熱伝導率グラファイトダイ(最低0.29cal/cm
/sec)が現在の標準的技術によりボルト締めされている。本発明はヘリウム
や水素またはこれらの混合物のような高伝導率ガスあるいは有意な濃度のヘリウ
ムおよび/または水素を含むキャリヤガスをアッセンブリの銅板とグラファイト
板との間に導入する。高伝導率ガスは銅/グラファイト界面の大気O/N
置換し、それにより冷却動作を改善する。
【0022】 鋳造材料は表面切削し、ついで薄く圧延する。圧延の途中で熱処理をして1)
合金元素の溶解を最大にすること、および2)溶解した合金の析出を保証する。
析出物は強度と応力緩和に対する抵抗性を与える。
【0023】 合金のSn濃度(固溶体含有量)が増加するにつれて同じ引張強度を達成する
のに必要な圧延の冷却の度合いが低下する。冷却の度合いがより低い圧延では引
き続き行われる成形操作をより多くすることが可能となる。
【0024】 熱処理後、材料をある用途に対してさらに圧延して強度を増加し、そして最後
の段階で熱的におよび/または機械的に応力緩和してもしなくてもよい。
【0025】 本発明のさらなる実施形態において、溶質の溶液化の改善が鋳造段階または中
間段階での高温熱処理によって得られる。
【0026】 本発明に従う工程段階は以下のプロトコルを含むことができる。 一実施形態(そのように備え付けられた装置(mill)に対して) 鋳造し、 切削し、 均質化(=急速加熱/均質化/焼き入れ)する。 均質化は合金元素の最大の溶液化を保証する。焼き入れは最大の溶液が保持され
ることを保証する。達成温度は800−950℃である。 圧延し、 375−550℃での析出焼き戻しし、 仕上げ圧延し、 種々の引張および耐力条件に対する緩和焼き戻しする。 他の実施形態(そのように備え付けられた装置(mill)に対して) 鋳造し、 切削し、 中間ゲージまで圧延し、 均質化焼き戻しし、 圧延し、 析出焼き戻しし、 仕上げ圧延し、 緩和焼き戻しする。 他の実施形態(導電率を若干犠牲にして最高強度を求めるための) 鋳造し、 切削し、 均質化し、 圧延し、 焼き入れを伴う急速焼き戻しし(規定以下のゲージに達するプロセスにおいて多
数の「焼き入れを伴う焼き戻し」を必要とすることがある。)、 圧延し、 切削硬化焼き戻しする。 他の実施形態 鋳造し、 切削し、 中間ゲージまで圧延し、 均質化し、 圧延し、 焼き入れを伴う急速焼き戻しし(規定以下のゲージに達するプロセスにおいて多
数の「焼き入れを伴う焼き戻し」を必要とすることがある。)、 圧延する。
【0027】 あるいはまた、急速冷却は上述の鋳造の実施において焼き入れに置き換えるこ
とができる。
【0028】 本発明は熱間圧延技術が本願で請求しているレベルでPを使用することができ
なかった本技術における従前の問題点を克服するものである。また、本発明は要
すれば広範囲のSn含有量、例えば7%を超えるSnを含有(ある実施形態では
Sn 8−11%を含有)し、優れた加工特性および製品特性を持つ合金を提供
する。ある用途で望まれるより高い導電率に対しては8%未満のSn含有量が好
ましいけれども、Snが高レベルであるほど他の用途で望まれる、より高い強度
が得られる。これに対して、多くの用途でSn含有量が8重量%以下、例えば7
%、5%およびおそらく3%近いことが必要とされる。ある用途では、1%のS
n含有量がその高導電率と適度の強度とにより有利であることが示されるかもし
れない。Sn含有量が1%未満の合金は潜在的強度レベルが低く、より要求のき
つい弾力接触用途に必要とされる接触力が得られない。
【0029】 0.01−0.20のPレベルは多くの用途において特に有利であることが示
されるであろう。
【0030】 本発明に従う燐青銅中のNiおよびSiは強度を改善し、合金が使用される高
温での合金の応力緩和に対する抵抗性を向上する。
【0031】 本発明は重量で Sn 1.0−11.0% Ni 0.4−3.0% Si 0.1−1.0% P 0.01−0.35%を含む金属合金を提供する。 Cuが残部である。本発明の好適な実施形態は種々の成分の好適な下位範囲(
subranges)に限定してもよく、例えばSn含有量8%未満、1.0−
1.5%、2.1−2.7%、4.7−5.3%、1−7%、7−11%、7−
8%、または7−9%等とすることができる。同様に、Pのような他の成分も好
適には、例えば0.01−0.2%、0.01−0.06%、0.05−0.1
8%または0.2%、等に限定してもよい。Si含有量は0.22−0.30%
または0.4−0.5%とすることができる。Ni含有量は1.3−1.7%、
2.5−3.0%、または1.0−3.0%、等とすることができる。 もちろん、本発明者は経済的に除去されない不純物が少量存在することを意図
している。
【0032】 本発明の他の好適な実施形態では、本合金は、重量で Sn 1.0−11.0% Ni 0.4−3.0% Si 0.1−1.0% P 0.01−0.35%、 または各元素のより少ない好適な範囲と残部Cuとから本質的になる。
【0033】 さらに好適な実施形態では、本発明の合金は、重量で Sn 1.0−7.0% Ni 0.4−3.0% Si 0.1−1.0% P 0.01−0.2% と残部Cuとから本質的になる。この場合も、用途によってはより少ない具体的
な下位範囲が意図されている。
【0034】 本発明のさらに別の好適な実施形態では、合金は、重量で Sn 1.0−11.0% Ni 0.4−3.0% Si 0.1−1.0% P 0.01−0.35%、または特に、 Sn 1.0−7.0% Ni 1.0−3.0% Si 0.2−1.0% P 0.02−0.2% とそれぞれの場合残部Cuとからなる。
【0035】 予備的分析では、請求の範囲に記載された本発明に従う合金は従来知られてい
る合金よりも改善された特性、例えば、導電率および引張強度を示す。この合金
を導入した装置は製造および保守がより経済的になり、耐久性も改善される。表
1は本発明の例示合金をいくつかの標準的な燐青銅合金と比較したものである。
【0036】 実施例 本発明の一実施形態において、合金MHP101と表示されている合金を以下
の化学的組成で鋳造した。 Cu 95.67%、 Sn 2.46%、P 0.057%、Ni 1.5
0%、Si 0.28%および除去不能の不純物。 この材料を、特に断らない限り0.0070インチ厚で露出状態で下記の機械
的特性を持つように加工した。 − 引張強度 91.9ksi − 耐力 @.2 84.4ksi − 2インチ伸び率 13.9% − 粒径 0.010mm − 導電率 31.1%I.A.C.S. − 良方向曲げ(180度) 0.690インチ幅で平坦、露出 − 悪方向曲げ(180度) 0.690インチ幅で半径0.006インチ、露 出 0.690インチ幅で平坦、各面に40マイクロ インチの錫メッキ − 悪方向曲げ(180度) 0.020インチ幅で平坦、露出 − 弾性率 20psi×10、引張 − 密度 68°Fで0.323 lbn/立方インチ 軟化挙動は図1にC51100合金(4%Sn燐青銅)およびC52100(
8%Sn燐青銅)のデータと比較して示す。温度における時間は1時間であった
。 応力緩和挙動を図2にC51100合金と比較して示す。試験応力は初期応力
の80%であり、試験サンプルにおける初期応力は88ksiであった。試験温
度は150℃であった。 本発明のMHP101および他の合金についての期待される電子用途ガイドデ
ータを同様のUNS表示合金と比較して表1に示す。
【0037】
【表1】 電子用途合金ガイド
【0038】 MHP101について集めたデータから確認されることは、本発明の合金処方
が、比較に用いたC51100のような標準燐青銅合金に対してこれまで提案さ
れているよりも高い温度において応力緩和に対する抵抗性を与える。さらに、錫
含有量がより大きい燐青銅と等しい強度を導電率を向上させて達成することがで
きる。
【0039】 本発明の合金の一例である、合金MHP101はこのように優れた成形性を持
つことが示されている。 また、この合金はより高い弾性率を有するため、コネクタの設計者に所定の撓
み(deflection)において向上した接触力を持つ材料を提供する。
【0040】 本発明はまた上述の鋳造材料用合金を提供する。
【0041】 本発明はまた上述よりも狭い範囲の構成成分、例えばP 0.02−0.2%
を要求することがある、一定の用途に対する実施形態を含む。上述の範囲の下位
範囲のすべてが本発明の一部であると意図されている。
【0042】 7%を越えるSn、たとえば公称(nominal)Sn含有量が8%、9%
または10%の場合は合金に強度が付加される。合金はまた所定の引張強度にお
いて成形性がより良くなる。
【0043】 本発明は特に合金が固溶体硬化、析出硬化および分散硬化の性質を示す実施形
態を含む。
【0044】 本発明の他の態様は燐青銅鋳造物である。この鋳造物の加工から得られる製品
は電気リード導電体用途用の材料として有用である。そのような用途は集積回路
に関連するものおよびエンジンコンパートメント回路のような自動車産業で出会
うものを含む。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の合金MHP101および比較例の合金についての軟化挙動データ曲線
である。
【図2】 実施例の合金MHP101および比較例の合金についての応力緩和データ曲線
である。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年3月3日(2000.3.3)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【請求項12】 P含有量が0.05−0.06重量%である請求項1記載
の合金。
【請求項13】 Ni含有量が1.3−1.7重量%である請求項1記載の
合金。
【請求項14】 Ni含有量が2.5−3.0重量%である請求項1記載の
合金。
【請求項15】 Ni含有量が1.3−1.7重量%であり、Si含有量が
0.22−0.30重量%であり、P含有量が0.01−0.06重量%である
請求項1記載の合金。
【請求項16】 Sn含有量が1.0−1.5重量%、2.1−2.7重量
%、4.7−5.3重量%または7.0−8.0重量%である請求項15記載の
合金。
【請求項17】 Ni含有量が2.5−3.0重量%であり、Si含有量が
0.4−0.5重量%であり、P含有量が0.01−0.06重量%であり、S
n含有量が7.0−8.0重量%である請求項1記載の合金。
【請求項18】 Ni 1.5重量%、Si 0.28重量%、P 0.0
57重量%、Sn 2.46重量%、および残部実質的にCuから本質的になる 請求項1記載の合金。
【請求項19】 請求項1記載の合金の燐青銅鋳造物。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GE,GH,GM,HR ,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP, KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,L V,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI, SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,U S,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 ダニエル ディー.・ファーカーソン (Daniel D. Farquhar son) アメリカ合衆国 コネチカット州 06450 −1010 メリデン 290 プラット スト リート (290 Pratt Stree t Meriden, Connecti cut 06450−1010, United States of America)

Claims (37)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Ni 0.4−3.0重量%、Si 0.1−1.0重量%
    、P 0.01−0.08重量%、Sn 1.0−11.0重量%、および残部
    実質的にCuを含む燐青銅合金。
  2. 【請求項2】 Ni含有量が1.0−3.0重量%である請求項1記載の合
    金。
  3. 【請求項3】 Sn含有量が8重量%未満である請求項1記載の合金。
  4. 【請求項4】 Si含有量が0.22−0.30重量%である請求項1記載
    の合金。
  5. 【請求項5】 Si含有量が0.4−0.5重量%である請求項1記載の合
    金。
  6. 【請求項6】 Sn含有量が1−7重量%である請求項1記載の合金。
  7. 【請求項7】 Sn含有量が1.0−1.5重量%である請求項1記載の合
    金。
  8. 【請求項8】 Sn含有量が2.1−2.7重量%である請求項1記載の合
    金。
  9. 【請求項9】 Sn含有量が4.7−5.3重量%である請求項1記載の合
    金。
  10. 【請求項10】 Sn含有量が7−11重量%である請求項1記載の合金。
  11. 【請求項11】 Sn含有量が7−8重量%である請求項1記載の合金。
  12. 【請求項12】 P含有量が0.05−0.08重量%である請求項1記載
    の合金。
  13. 【請求項13】 P含有量が0.01−0.06重量%である請求項1記載
    の合金。
  14. 【請求項14】 Ni含有量が1.3−1.7重量%である請求項1記載の
    合金。
  15. 【請求項15】 Ni含有量が2.5−3.0重量%である請求項1記載の
    合金。
  16. 【請求項16】 Ni含有量が1.3−1.7重量%であり、Si含有量が
    0.22−0.30重量%であり、P含有量が0.01−0.06重量%である
    請求項1記載の合金。
  17. 【請求項17】 Sn含有量が1.0−1.5重量%、2.1−2.7重量
    %、4.7−5.3重量%または7.0−8.0重量%である請求項16記載の
    合金。
  18. 【請求項18】 Ni含有量が2.5−3.0重量%であり、Si含有量が
    0.4−0.5重量%であり、P含有量が0.01−0.06重量%であり、S
    n含有量が7.0−8.0重量%である請求項1記載の合金。
  19. 【請求項19】 Ni 0.4−3.0重量%、Si 0.1−1.0重量
    %、P 0.01−0.08重量%、Sn 1.0−11.0重量%、および残
    部実質的にCuからなる燐青銅合金。
  20. 【請求項20】 Sn含有量が8重量%未満である請求項19記載の合金。
  21. 【請求項21】 Si含有量が0.22−0.30重量%である請求項19
    記載の合金。
  22. 【請求項22】 Si含有量が0.4−0.5重量%である請求項19記載
    の合金。
  23. 【請求項23】 Sn含有量が1−7重量%である請求項19記載の合金。
  24. 【請求項24】 Sn含有量が1.0−1.5重量%である請求項19記載
    の合金。
  25. 【請求項25】 Sn含有量が2.1−2.7重量%である請求項19記載
    の合金。
  26. 【請求項26】 Sn含有量が4.7−5.3重量%である請求項19記載
    の合金。
  27. 【請求項27】 Sn含有量が7−11重量%である請求項19記載の合金
  28. 【請求項28】 Sn含有量が7−8重量%である請求項19記載の合金。
  29. 【請求項29】 P含有量が0.05−0.08重量%である請求項19記
    載の合金。
  30. 【請求項30】 P含有量が0.01−0.06重量%である請求項19記
    載の合金。
  31. 【請求項31】 Ni含有量が1.3−1.7重量%である請求項19記載
    の合金。
  32. 【請求項32】 Ni含有量が2.5−3.0重量%である請求項19記載
    の合金。
  33. 【請求項33】 Ni含有量が1.3−1.7重量%であり、Si含有量が
    0.22−0.30重量%であり、P含有量が0.01−0.06重量%である
    請求項19記載の合金。
  34. 【請求項34】 Sn含有量が1.0−1.5重量%、2.1−2.7重量
    %、4.7−5.3重量%または7.0−8.0重量%である請求項33記載の
    合金。
  35. 【請求項35】 Ni含有量が2.5−3.0重量%であり、Si含有量が
    0.4−0.5重量%であり、P含有量が0.01−0.06重量%であり、S
    n含有量が7.0−8.0重量%である請求項19記載の合金。
  36. 【請求項36】 Ni 1.5重量%、Si 0.28重量%、P 0.0
    57重量%、Sn 2.46重量%、および残部実質的にCuを含む請求項1記
    載の合金。
  37. 【請求項37】 請求項1記載の合金の燐青銅鋳造物。
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