JPH10298678A - 析出硬化型特殊銅合金 - Google Patents

析出硬化型特殊銅合金

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JPH10298678A
JPH10298678A JP10190197A JP10190197A JPH10298678A JP H10298678 A JPH10298678 A JP H10298678A JP 10190197 A JP10190197 A JP 10190197A JP 10190197 A JP10190197 A JP 10190197A JP H10298678 A JPH10298678 A JP H10298678A
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JP
Japan
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copper alloy
copper
present
alloy
hardness
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JP10190197A
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English (en)
Inventor
Tsuneaki Mikawa
恒昭 三川
Mamoru Itoigawa
守 糸井川
Sukeji Matsubayashi
助治 松林
Hiroatsu Azumai
寛厚 東井
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KANSAI SHINDO KOGYO KK
Original Assignee
KANSAI SHINDO KOGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電気及び熱の良伝導性のみならず、耐食性、硬
度、強度、弾性等の機械的強度を向上させ、しかも加工
性が容易であり、金色の豊かな特殊銅合金を提供する。 【解決手段】重量%で、銅82〜92%、アルミニウム
1〜7%、ニッケル1.5〜6%、鉄0.5〜5%、ボ
ロン0.001〜0.05%を溶解し、これにマンガン
0.1〜2.5%を添加し、最後に亜鉛0.5〜8%を
加えて更に必要に応じてケイ素を添加して、高周波電気
炉で溶解し、チッソガス雰囲気の連続鋳造装置で鋳魂を
製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は銅を主成分とする特
殊アルミニウム銅合金に関するものであり、特に良好な
機械的強度および優れた耐食性を有する銅合金に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】銅は一般的に金属材料として広範多岐に
用いられており、特に電気及び熱の伝導性が大であって
塑性加工が容易な特性を有する。しかしながら炭酸ガス
の存在下において緑色に変色し、また酸性類の水溶液及
びアンモニア、塩類に侵され易く、この様な腐食性を改
善した従来の銅合金は機械的強度に於て銅よりも優れて
いるが、電気及び熱の伝導性が損なわれる欠点を有して
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本願発明は従来の銅或
は銅合金の欠点に鑑み、銅本来の特性である電気及び熱
の伝導性が良い上に、耐食性があり、硬度、強度、弾性
等の機械的強度を向上させた、しかも加工性が容易な、
金色の豊かな特殊銅合金を市場に提供することを目的と
するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために、本発明の請求項1記載の発明は、重量%で、銅
82〜92%、アルミニウム1〜7%、ニッケル1.5
〜6%、鉄0.5〜5%、マンガン0.1〜2.5%、
ボロン0.001〜0.05%および亜鉛0.5〜8%
(以下%はすべて重量%を表すものとする。)を含有す
る析出硬化型特殊銅合金を特徴としたものである。
【0005】また、上記成分に、必要に応じてケイ素を
1%以下添加することにより、上記特性に加えてバネ性
を向上させることを特徴とするものである。
【0006】本発明は銅に対してアルミニウム、ニッケ
ル、鉄、マンガン、ボロンの他に亜鉛を特定の割合使用
すると電気及び熱の伝導性が銅に何ら遜色なく、しかも
前記の様な卓越した特性を有する合金が得られるという
発見に基づくものである。
【0007】本発明の銅合金において、銅に添加元素と
して加えるアルミニウムは7%をこえると合金の延性に
悪影響を及ぼし、1%未満になると耐食性が悪化するこ
とから、1〜7%の範囲に限定した。強度及び延性を与
えるためにはアルミニウムは2〜5%の範囲が好まし
い。ニッケルは6%をこえると延性が減退し伝導性もそ
こなう傾向があり、1.5%未満では金色を与える効果
もないので、1.5〜6%範囲に限定したが、1.7〜
4%が好ましい。鉄は急冷および放冷の際粒子の大きさ
の調整の作用を果たすという利点もあるが、5%をこえ
る添加では融点を高くすると共に冷間加工性を悪くする
ばかりか機械的性質も退行させる。そして、0.5%未
満では効果がないため、総合的見地から1〜3%が好ま
しい。ボロンは耐熱性、耐食性を育与するものである
が、驚くべきことにはマンガンと共通して合金の硬度、
及び強度を増大させると共に低温焼鈍により更に硬度を
増大させる、すなわち析出硬化性を付与することが判明
した。然しボロン0.05%をこえる添加では本合金の
冷間加工性に悪影響を与え、0.001%未満では効果
がなく、0.005〜0.04%が好適である。
【0008】マンガンは0.1〜2.5%の範囲で用い
ると機械的性質特に硬度及び強度を著しく高め、延性が
向上し導電性も損なわないためこの範囲に限定した。亜
鉛および必要に応じて添加するケイ素は粒子を細かくし
結晶組織を緻密とし、冷間加工性を良好にすると共に本
合金の特性の一つであるステンレス性の金色を維持す
る。そして加工製品の外観表面が、望ましいきめこまか
な状態となる。これらの効果を得るために、亜鉛および
必要に応じて添加するケイ素の添加量を亜鉛0.5〜8
%およびケイ素1%以下に限定した。
【0009】亜鉛の添加量は上記範囲において健全な鋳
魂の製造に最適である。又、ケイ素は1%をこえる添加
ではバネ弾性及び導電性を損なう結果となり、併せて熱
間加工性を著しく低下する。
【0010】本発明の析出硬化型特殊銅合金は、加熱温
度850〜950℃で焼入し、400〜450℃で焼戻
しすることにより、導電率が45%IACSを示す。そ
の後40〜80%の冷間加工率で圧延すると、スピネル
硬化性がえられ、その硬度はビッカース硬度340に達
する。
【0011】このスピネル硬化性は銅合金中にマンガン
が存在することで得られるものであり、このマンガンの
代りに他の類似の金属例えばインジウム、チタンを使用
する以外はこの現象はえられない。又本合金はベリリウ
ム銅合金と同様、鋼に匹敵する硬さを示す。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の一例
を示す実施例に基づいて、本発明を詳細に説明する。
【0013】
【実施例】表1は、本発明の析出硬化型銅合金の組成を
示したものである。
【0014】
【表1】
【0015】表1の1で示される本発明の析出硬化型銅
合金は、同表に示される組成からなる金属をまず銅、ニ
ッケル、鉄、アルミニウム、ボロンを溶解し、これにマ
ンガン、ケイ素を添加し、最後に亜鉛を加えて高周波電
気炉で1250〜1350℃で溶解し、チッソガス雰囲
気の連続鋳造装置で鋳塊を製造するものである。得られ
た合金は、極めて溶解しやすく、熱間、冷間加工性及び
機械加工性、切削性も良好であり、比重は8.2であ
る。
【0016】表1の1の合金の構成元素であるケイ素の
代わりにマンガンを添加しても良い。
【0017】表2は加工率80%、容体化処理した表1
の1の組成をもつ本発明の銅合金と、ベリリウム銅、リ
ン青銅、洋白の機械的性質(バネ用)を比較したもので
ある。
【0018】
【表2】
【0019】なお、表2中の比較各合金の金属の組成
は、下記の通りである。
【0020】ベリリウム銅 Be Cu 1.6〜2% 残り リン青銅 Cu Sn P 残り 7〜9% 0.03 〜0.35% 洋 白 Cu Ni Zn 59〜75% 8.5 〜19.5% 残り 本発明の銅合金の各種特性はリン青銅、洋白よりも優秀
であり、高価なベリリウム銅と同等の機械的性質(バネ
用)を有するが、安価である。表3は、加工率50%、
900℃焼鈍後水冷し、450℃で焼戻の熱処理をした
表1の2の組成を持つ本発明の銅合金と、他の合金との
特性の比較を示すものである。
【0021】
【表3】
【0022】なお、表3の比較各合金の金属の組成は、
下記の通りである。 特殊アルミニウム青銅 Cu Al Fe Ni Mn Zn 残 8 〜12% 2 〜5 % 0.5 〜2 % 0.5 〜2 % 0. 5%< Ni・Fe・42合金 Ni Fe 42% 残 KLF−1 Cu Ni Si Zn 残 3.2 % 0.7 % 0.3 % 本発明の合金の各種特性は、他の3種の合金よりもすべ
てにおいて優れている。
【0023】なお本発明の合金は、鋼と同程度の高い硬
度を有するにもかかわらず、ステンレス等に比較して加
工しやすいという優れた特性を有する。
【0024】表4は、表1の2の組成を持つ本発明の銅
合金を900℃で焼鈍した後、加熱率50%で、0.3
mmの厚さの板状に加工し、これを450℃で焼戻しする
硬化処理を行う前後の機械的性質を比較したものであ
る。
【0025】
【表4】
【0026】表4より、硬化処理後には、引張強さ、伸
び、硬さの諸特性が向上したことがわかる。
【0027】表2〜4において、HV0.5 の0.5は硬
度を測る荷重を示し、単位はKgである。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明は、特殊銅合金の特性即ち電気及び熱の伝導性、耐食
性、硬度、強度、弾性等の機械的性質、加工性の向上を
図ったものである。又、同発明は、メッキ、塗装の必要
なく金色の豊かなしかも抗菌性を有し、かつリサイクル
可能な特殊銅合金の提供を図ったものである。又、これ
らの諸特性を備えた合金を従来の合金に比べて安価に提
供するものである。
【0029】上記効果を有する本発明の合金は、電気機
器、通信機、計測機、精密機械部品、車輛、その他色調
が金色で耐食性が高いことから、インテリヤ、建築材
料、船舶、水洗関係など広分野においての活用が可能で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C22F 1/00 661 C22F 1/00 661A 685 685Z 686 686B 691 691Z 692 692Z 694 694A

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、銅82〜92%、アルミニウ
    ム1〜7%、ニッケル1.5〜6%、鉄0.5〜5%、
    マンガン0.1〜2.5%、ボロン0.001〜0.0
    5%および亜鉛0.5〜8%を含有する析出硬化型特殊
    銅合金
JP10190197A 1997-04-18 1997-04-18 析出硬化型特殊銅合金 Pending JPH10298678A (ja)

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Cited By (3)

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