JPH11279671A - 耐蝕性、高硬度特殊銅合金 - Google Patents

耐蝕性、高硬度特殊銅合金

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JPH11279671A
JPH11279671A JP11985698A JP11985698A JPH11279671A JP H11279671 A JPH11279671 A JP H11279671A JP 11985698 A JP11985698 A JP 11985698A JP 11985698 A JP11985698 A JP 11985698A JP H11279671 A JPH11279671 A JP H11279671A
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JP
Japan
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copper
alloy
titanium
copper alloy
nickel
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JP11985698A
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English (en)
Inventor
Tsuneaki Mikawa
恒昭 三川
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JAPAN MIKAROI KK
Original Assignee
JAPAN MIKAROI KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 黄金色に極めて近い色合で、耐蝕性に優れた
高硬度で電気伝導性の良い銅合金を提供すること。 【解決手段】 主成分である銅にアルミニウム2〜10
重量%、ニッケル2〜5重量%、鉄0.5〜5重量%、
マンガン0.1〜3重量%、チタン0.001〜1重量
%、ボロン0.001〜0.5重量%及び銅の不可避的
不純物によりなる銅合金で、チタン、マンガン、ボロン
の微量添加によって微細な金属間化合物が形成され、熱
処理過程の結晶粒成長が抑制されることにより強力で機
械的性質の良い、黄金色に極めて近い色合の導電用銅合
金を開発した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】銅は一般的な金属材料として
広範多岐に用いられているが、炭酸ガスの存在下におい
て緑色に変色し 酸性類の水溶液及び塩類に侵されやす
いという欠点がある。また、高硬度合金であるベリリウ
ム銅合金は製造段階での有毒性が指摘されている。本発
明は銅を主成分とする特殊銅合金で、優れた耐蝕性と良
好な機械的強度を有する銅合金に関するものでり、電子
部品、バネ材料、軸受材等への利用が期待される。
【0002】
【従来の技術】銅合金には、黄銅、青銅、洋白、りん青
銅、ベリリウム銅等があり、電導性、耐熱性、耐蝕性、
耐磨耗性等により、電子部品、軸受材等に利用されてい
る。リードフレーム用としては、銅 ニッケル すず系
強力合金や、銅中にアルミナ微粒子を分散させたODS
合金等が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の銅合金の例にお
いてアルミニウム、ニッケル、鉄及びボロンが使用され
これらに加えてチタン等も付加されている。これらの例
において、アルミニウムは銅合金の耐蝕性を強化すると
ともに時効硬化の要素をあたえ、軟鉄に匹敵する機械的
強度を与えうることが知られている。ニッケルは銅の耐
蝕性を改善し又、鉄と共動して機械的性質に好影響を与
えることが知られている。ボロンは銅に対して脱酸的に
作用し耐熱、耐蝕性に寄与することが知られている。し
かしながら従来の銅合金は、機械的強度はそれほど高い
ものがなく唯一高硬度のベリリウム銅は製造段階におけ
る有毒性が指摘されている。銅、ニッケル、錫系強力合
金はスピノーダル銅合金として知られ、リードフレーム
材料として使用されているほかバネ材料であるベリリウ
ム銅に代わって多く用いれられるようになっている。た
だし電気伝導度が小さいという欠点がある。本発明は、
自ら発明した特許第955313号 耐蝕性、析出硬化
性銅合金を改善し、黄金色を保持した高硬度でかつ電気
伝導性の良い耐蝕性銅合金を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】HSLA(high s
trength low alloy)合金とは、添加
元素が微量でかつ強力な合金のことである。従来強力な
合金を開発する基本方針として、多量の添加元素加えた
高合金とするのが常道であった。HSLAはこれと逆の
発想であり、特殊な添加元素の微量添加(マイクロアロ
イ)で、結晶粒が、極めて微細となり、そのため強化さ
れるのである。本発明は、チタン、マンガン、ボロンを
マイクロアロイとして用いることにより、微細な金属間
化合物を形成し、熱処理過程の結晶粒成長を抑制して、
強力で機械的性質のよい銅合金を開発した。本発明は銅
を主成分として、アルミニウム2〜10% 鉄〜0.5
〜5%、ニッケル2〜5%、チタン0.001〜1%、
マンガン0.1〜3%、ボロン0.001〜0.5%に
より本質的になり、砒素、アンチモン、鉛、ビスマス等
の不可避的不純物よりなる組織を特性とするものであ
る。
【0005】この発明の合金の特性は、析出硬化性であ
り、低温焼鈍により硬度が更に向上する。即ちニッケル
チタン(Ni3Ti)、鉄 チタン(Fe2Ti)の
形で時効硬化する。この金属間化合物は、耐蝕性、加工
性を向上させる。
【0006】一般に銅に他の元素を添加すると、従弾性
(ヤング率)が下がる傾向になるがニッケルを添加する
とヤング率が向上する。銅、アルミニウム、ニッケル、
鉄、チタン、ボロン合金は金属間化合物を作り大きな強
度と耐熱及び高力性導電性をもたせる目的である。この
合金特性はアルミニウム、ニッケル、鉄、チタンの量に
よって大きく変化する。この合金は高温に連続加熱して
も強度は維持できる。ボロンはマンガンと共動して合金
の硬度及び強度を増大させるとともに、低温焼鈍により
硬度が増大する、すなわち析出硬化性を付与する。焼入
温度は摂氏850度2時間焼き戻し、摂氏400〜45
0度で1〜2時間で時効硬化する。
【0007】
【発明の実施の形熊】本発明の特殊銅合金は、比重比に
おいて、アルミニウムの含有量が多くなると銅合金の延
性に悪い作用を及ぼし、又、0.1%以下の少ない添加
では耐蝕性が悪くなるので、2〜10%の範囲で使用す
る。望ましい硬度と延性をあたえ、かつ耐蝕性の向上の
ためには、5〜7.5%の範囲で使用することが好まし
い。ニッケルは5%以上添加すると加工性が減退し、銅
の電導性をそこなう傾向があり、0.1%以下では効果
がない。ニッケルは合金の色を白くする傾向があるので
黄金色を与えるためには、2〜3%で用いるのが好まし
い。鉄の成分は強度を向上させる作用をはたすという利
点もあるが、5%以上の添加は融点を高めて、その加工
性を悪くするばかりでなく機械的性質も退行する。0.
5%以下では所望の強度を確保することができないこと
から、1〜3%で用いるのが望ましい。マンガンの成分
は、0.01〜5%の範囲で用いると機械的性質、特に
硬度及び強度を著しく高め組織が向上し、耐蝕性も向上
する。0.01%以下では所望の効果が得られず、5%
を越えると鋳造性が低下することからその含有量を0.
01〜3%にした。ボロンは耐熱、耐蝕性に寄与すると
ともに、マンガンと共晶して合金の硬度及び強度を増大
させ効果があり、低温焼鈍によりさらに硬度が増大す
る、すなわち析出硬化性を付与する。しかし1%以上を
加えると合金の加工性に悪影響を与えるので、0.05
%で用いる。0.001%以下では効果がない。チタン
の成分には合金の耐蝕性及び冷間加工性を一段と向上さ
せる作用があるがその含有量が0.001%未満では所
望の効果が得られず1%を越えると鋳造性が低下するこ
とから、0.001〜1%と定めた。上記の残量を銅と
して本発明の特殊銅合金とするものである。
【0008】
【実施例】本発明の特殊銅合金は、銅、ニッケル、鉄、
マンガン及びボロンを溶解融合しこの溶解混合物にチタ
ンを添加し、最後にアルミニウムを加え溶解融合せしめ
ることにより、金属間化合物を作り、時効硬化性をもた
せる事によって、加工性が良く高硬度の銅合金として優
れた性質を備えることができた。この合金の特性はアル
ミニウム、ニッケル、鉄、及びチタンの量によって大き
く変化する。時効硬化性は、焼き入れ後に冷間加工を施
すことにより時効硬化性は促進される。チタンは銅中に
高温で約8%固溶し、固溶度が温度とともに変化する著
しい時効硬化性があらわれる。ニッケル チタン(Ni
3Ti)、鉄 チタン(Fe2Ti)の形で時効硬化す
る。ボロンとマンガンは共晶して、合金の強度及び硬度
を高めるとともに、析出硬化性を付与する事が判明し
た。この銅合金は、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄、
チタン、マンガン、ボロンの7元合金である。上記の配
合の各金属は溶媒金属(銅)を固溶した相が時効硬化の
主要な効果要素になっている。いずれも金属間化合物又
はそれを母体とする固溶体が硬化の主要素である。
【0009】最初に銅、ニッケル、鉄、マンガンおよび
ボロンを溶かし、これにチタンを添加し、最後にアルミ
ニウムを加え摂氏1300〜1400度で溶解融合して
融点1200℃の銅合金を得た。この合金の組成は、ア
ルミニウム 6%、ニッケル2.5%、鉄 3%、マン
ガン 0.5%、チタン 0.01%、ボロン 0.0
02%、残り銅90.99%である。得られた銅合金
を、850℃〜900℃で90分間焼鈍し、0.36m
mの厚さの板に加工し、これを450℃で1〜2時間低
温焼鈍した。このようにして完成した合金の物理的性質
及び機械的性質の測定値結果及び他の銅合金との比較を
表1、表2、表3に示す。
【0010】
【表1】
【0011】
【表2】
【0012】
【表3】
【0013】
【発明の効果】本発明により構成される銅を主成分とす
る特殊銅合金は耐蝕性、電気導電性、熱伝導性、機械的
性質、特に硬度及び弾性が向上した。即ちニッケルはN
i3Ti、鉄はFe2Tiの形で時効硬化する。これら
の合金銅−チタン−ニッケル合金及び銅−チタン−鉄合
金は耐熱性導電用合金として優れた性質を有することが
わかった。加工性、メッキ性もよい事から、電子部品の
用材として使用することができる。また耐蝕性に優れて
いるばかりか、黄金色に非常に近い光沢をもち、人体に
有害な亜鉛を含まず、銅イオンの抗菌作用等から、食
器、水回り用品にも用途が見込める。耐磨耗性、バネ性
の優れた点から、ベリリウム銅に代わるバネ材、軸受け
材としても利用できる。本発明の特殊銅合金の、時効硬
化後の機械的性質は、ビッカース硬さ(HV)は、34
0〜370、引張り強度(kg/mm)120、電気
導電率(IASC%)22という結果を得た。この合金
は、組成の配合及び焼鈍によって硬度、加工性を変化さ
せられる事から、広範な用途に使用することができる。
リン青銅、洋白銅、黄銅は価格的に安価で、大量に使用
されているが、性能の点でベリリウム銅、チタン銅に劣
る。本発明の特殊銅合金は、価格、性能共に両者の中間
にあり、ゴルフクラブヘッド、建築用材、自動車部品船
舶用材、装飾美術工芸品、家庭用品、耐蝕耐水ポンプ等
幅広い用途への活用が期待される。
【0014】(性能試験) (1)導電率 フェルスター社製シグマテストD2068を使用して、
JIS−H0505の方法に準じて測定した。
【0015】(2)引張強度及び破断伸び 供試材幅12.5mm、標点距離50mmで、JIS−
Z2241の方法に準じて測定した。
【0016】(3)ビッカース硬さ 加重0.5kgで、JIS−Z2244の方法に準じて
測定した。
【0017】(4)曲げ加工性 幅5mm、長さ50mmの供試材の中央部で180゜密
着曲げを行い、この曲げ部分の表面状態を目視により観
察した。 評価基準 ○:割れ及びしわの発生がなく、平滑。 ×:割れ又はしわ発生。
【0018】(5)はんだ付け性 供試材を垂直式浸漬法により230℃のSn−40%P
b共晶はんだ浴に10秒間浸漬したものの表面状態を、
目視により観察した。 評価基準 ○:表面平滑 ×:表面が平滑でない、あるいは、はんだで濡れてない
部分あり

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主成分である銅に対し、アルミニウム 2
    〜10重量%、ニッケル 2〜5重量%、ボロン 0.
    001〜0.5重量%、鉄 0.5〜5%重量%、マン
    ガン0.1〜3重量%、チタン 0.001〜1重量%
    を含有させたことを特徴とした析出硬化性の銅合金。
JP11985698A 1998-03-26 1998-03-26 耐蝕性、高硬度特殊銅合金 Pending JPH11279671A (ja)

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