JP3407527B2 - 電子機器用銅合金材 - Google Patents

電子機器用銅合金材

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JP3407527B2 JP03667596A JP3667596A JP3407527B2 JP 3407527 B2 JP3407527 B2 JP 3407527B2 JP 03667596 A JP03667596 A JP 03667596A JP 3667596 A JP3667596 A JP 3667596A JP 3407527 B2 JP3407527 B2 JP 3407527B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リードフレームな
どの電子機器に用いられる電気機器用銅合金材に係り、
特に、高強度で、電気・熱伝導性に優れた電子機器用銅
合金材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子機器用の銅合金材には、製造工程中
に変形および破損しない強度、耐熱姓、打ち抜き加工お
よび曲げ加工に対する加工性、発生する熱を外部に放出
するための熱伝導性、メッキ性、ハンダ付け性、耐食性
等の特性が要求されると共に、低コストであることが望
まれている。特に、リードフレーム材のような用途にお
いては、これらの特性の中でも、素子の小型化・高集積
化に対応した特性が強く要求されている。
【0003】すなわち、材料の薄板化が進み、かつ、熱
の発生量が増加しているため、より高強度で、十分な放
熱性を確保できる良好な電気・熱伝導性を有した材料が
求められており、このような要求を満たす材料として、
高強度銅合金材が注目されており、種々の材料が開発さ
れている。その中でも特に、Cu−Ni−Si系合金
(コルソン合金)を基本とする合金は、引張強度が約7
00MPaの高強度を期待できるため、開発の対象とさ
れている。
【0004】このCu−Ni−Si系合金は、析出硬化
型の合金であり、通常800℃程度の高温から急冷する
溶体化処理と、300〜500℃程度に加熱保持する時
効処理とを施すことによって、合金元素をNi2 Siの
化合物の形でCu母相中に析出させ、転位が運動する際
の障害物としているため、合金強度が高いという特徴が
ある。また、Cu−Ni−Si系合金は、合金元素を母
相中に積極的に析出させているため、固溶状態にある合
金と比較して電気・熱伝導性を良好に保ちやすいという
特徴がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、Cu−
Ni−Si系合金を、通常の単純な溶体化処理および時
効処理によって作製した場合、強度面では引張強度が約
700MPaの高強度が得られるものの、導電率が30
〜40%IACS程度しか得られないという問題があっ
た。この程度の導電率では、Cu−Ni−Si系合金を
QFP(Quad Flat Package )リードフレーム等に用い
た場合、十分とは言えない。
【0006】導電率が30〜40%IACS程度しか得
られないのは、母相中に析出することなく、固溶状態で
残留している合金元素の量が多いためである。そこで、
十分な析出を起こさせるために時効処理温度を上昇させ
ると、導電率を向上させることができる。しかし、その
場合、析出物が粗大になるために強度が低下してしまう
という問題があった。すなわち、微細なNi2 Siの化
合物が、多量に析出したCu−Ni−Si系合金は存在
していなかった。
【0007】そこで、本発明は、上記課題を解決し、高
強度で、電気・熱伝導性に優れた電子機器用銅合金材を
提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に請求項1の発明は、Cu−Ni−Si系の電子機器用
銅合金材において、化学組成が、 Ni:1.0〜5.0mass%、 Si:0.2〜1.0mass%、 Zn:0.1〜5.0mass%、 P:0.003〜0.05mass%、 残部がCuおよび不可避不純物からなると共に、Ni/
Siの重量比が4.5〜5.5であり、引張強さが72
0MPa以上、導電率が48%IACS以上である。
【0009】請求項2の発明は、溶体化処理の後、加工
率40%以下の圧延を施し、その後、400〜500℃
で30min〜3hrの第1次時効処理を施し、その後
さらに、350〜450℃で30min〜3hrの第2
次時効処理を施す請求項1記載の電子機器用銅合金材で
ある。
【0010】
【0011】上記数値の限定理由を以下に述べる。
【0012】NiおよびSiの添加量を上記範囲に限定
した理由は、時効処理後の固溶元素(Ni2 Si)の量
を減少させるためであり、上記範囲より添加量が少ない
と十分な強度が得られず、逆に、上記範囲より添加量が
多いと析出しきれない固溶元素の量が増加するためであ
る。
【0013】Znはハンダ付け時の界面剥離性を改善さ
れるために添加されており、添加量を上記範囲に限定し
た理由は、上記範囲より添加量が少ないと界面剥離性の
改善が十分に図れず、逆に、上記範囲より添加量が多い
と様々な悪影響を及ぼし、特に導電率が低下するためで
ある。
【0014】Pは合金鋳造時のSiの酸化による悪影響
を防止するための脱酸剤として添加されており、添加量
を上記範囲に限定した理由は、上記範囲より添加量が少
ないと脱酸剤としての効果が十分に得られず、逆に、上
記範囲より添加量が多いと様々な悪影響を及ぼし、特に
導電率が低下するためである。
【0015】Ni/Siの重量比を上記範囲に限定した
理由は、固溶元素であるNi2 Siの析出が十分に起っ
た時に、余剰分として存在するNiまたはSiの量を少
なくするためである。
【0016】加工率を40%以下に限定した理由は、加
工率が40%を越える場合、時効処理工程で析出するN
2 Siが粗大化し易くなり、期待する強度が得られな
いためである。
【0017】第1次時効処理は微細な形状のNi2 Si
を多量に析出させるために施されており、時効処理温度
および時効処理時間を400〜500℃、30min〜
3hrと限定した理由は、上記範囲より低温・短時間で
は固溶元素であるNi2 Siの析出が十分に起こらず、
強度および導電率共に十分な値が得られず、逆に、上記
範囲より高温・長時間ではNi2 Siの粗大化が起こっ
て十分な強度が得られないためである。
【0018】第2次時効処理は第1次時効処理で析出し
たNi2 Siを粗大化させることなく、新たに、微細な
Ni2 Siを追加析出させるために第1次時効処理より
も低温で施されており、時効処理温度および時効処理時
間を350〜450℃、30min〜3hrと限定した
理由は、上記範囲より低温・短時間では固溶元素である
Ni2 Siの追加析出が十分に起こらず、逆に、上記範
囲より高温・長時間では第1次時効処理で析出したNi
2 Siが粗大化したり、新たに粗大なNi2 Siが析出
するためである。
【0019】以上の構成によれば、Cu−Ni−Si系
の電子機器用銅合金材において、Ni、Siなどの化学
組成を限定すると共に、Ni/Siの重量比を限定し、
さらに時効処理を2段階に分けて行うため、引張強さが
720MPa以上、導電率が48%IACS以上の電子
機器用銅合金材を得ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0021】本発明の電子機器用銅合金材は、化学組成
が、 Ni:1.0〜5.0mass%、 Si:0.2〜1.0mass%、 Zn:0.1〜5.0mass%、 P:0.003〜0.05mass%、 残部がCuおよび不可避不純物からなる合金を、700
〜1,000℃に加熱した後に急冷して溶体化処理を施
し、その後、加工率40%以下の冷間圧延を施し、その
後、400〜500℃で30min〜3hrの第1次時
効処理を施し、その後さらに、350〜450℃で30
min〜3hrの第2次時効処理を施してなるのもので
ある。
【0022】溶体化処理と時効処理との間に冷間圧延を
行うと、溶体化された材料の結晶格子内に適度な格子欠
陥を導入することができる。この格子欠陥は、析出物形
成の核として働くため、適当な条件の冷間圧延を行うこ
とで、析出物を微細な形状でより均一に、より多量に析
出させることができる。ここで、冷間圧延の加工率を高
くすると、多量の格子欠陥が導入されるために析出の進
行は早くなるが、析出物の粗大化も急速に進行し易くな
る。
【0023】本発明の電子機器用銅合金材の化学組成
は、上記の範囲に特に限定されるものではないが、上記
範囲を外れた場合、固溶状態で残留する元素量が多くな
る。化学組成は、 Ni:1.5〜2.5mass%、 Si:0.3〜0.5mass%、 Ni/Sino重量比:4.5〜5.5 Zn:0.1〜5.0mass%、 P:0.003〜0.05mass%、 残部がCuおよび不可避不純物の範囲がより望ましい。
【0024】本発明の電子機器用銅合金材の熱処理およ
び加工条件は、上記の範囲に特に限定されるものではな
いが、第1次時効処理は440〜470℃、また第2次
時効処理は400〜430℃の範囲で行うことがより望
ましい。
【0025】(実施例1) 化学組成が2.5Ni−0.5Si−0.5Zn−0.03P(mass%)、か
つ、Ni/Siの重量比が5.0の合金を、無酸素銅を
母材として高周波溶解炉で溶製し、直径30mm、長さ
250mmのインゴットに鋳造した。これを850℃に
加熱した後に熱間押出加工を施し、幅20mm、厚さ8
mmの合金板を作製する。この合金板に冷間圧延および
中間焼鈍を繰り返して、厚さ0.38mmの合金薄板を
作製する。この合金薄板を800℃に加熱した後に水中
に投入して急冷し、溶体化処理を行い、合金Aを作製す
る。
【0026】(実施例2) 化学組成が3.5Ni−0.7Si−3.5Zn−0.03P(mass%)、か
つ、Ni/Siの重量比が5.0の合金を用いて、実施
例1と同様にして合金Bを作製する。
【0027】(比較例1) 化学組成が6.0Ni−1.2Si−0.5Zn−0.03P(mass%)、か
つ、Ni/Siの重量比が5.0の合金を用いて、実施
例1と同様にして合金Cを作製する。
【0028】(比較例2) 化学組成が2.0Ni−0.5Si−0.5Zn−0.03P(mass%)、か
つ、Ni/Siの重量比が4.0の合金を用いて、実施
例1と同様にして合金Dを作製する。
【0029】(比較例3) 化学組成が3.0Ni−0.5Si−0.5Zn−0.03P(mass%)、か
つ、Ni/Siの重量比が6.0の合金を用いて、実施
例1と同様にして合金Eを作製する。
【0030】表1に、実施例1,2、および比較例1〜
3における合金A〜Eの化学組成、Ni/Siの重量比
を示す。
【0031】
【表1】
【0032】(実施例3)合金Aに冷間圧延を施して
(加工率35%)、厚さを0.25mmにする。その
後、この合金薄板を420℃に加熱した後に、1時間保
持し、焼鈍を行う第1次時効処理を施し、その後、更に
370℃に加熱した後に、1時間保持し、焼鈍を行う第
2次時効処理を施して、試料1を作製する。
【0033】このようにして作製した試料1の引張強さ
および導電率を測定した結果、引張強さが775MP
a、導電率が48.6%IACSであった。
【0034】(実施例4)合金Aに冷間圧延を施して
(加工率35%)、厚さを0.25mmにする。その
後、この合金薄板を470℃に加熱した後に、1時間保
持し、焼鈍を行う第1次時効処理を施し、その後、更に
370℃に加熱した後に、1時間保持し、焼鈍を行う第
2次時効処理を施して、試料2を作製する。
【0035】このようにして作製した試料2の引張強さ
および導電率を測定した結果、引張強さが730Pa、
導電率が49.8%IACSであった。
【0036】(実施例5)合金Aに冷間圧延を施して
(加工率35%)、厚さを0.25mmにする。その
後、この合金薄板を470℃に加熱した後に、1時間保
持し、焼鈍を行う第1次時効処理を施し、その後、更に
410℃に加熱した後に、1時間保持し、焼鈍を行う第
2次時効処理を施して、試料3を作製する。
【0037】このようにして作製した試料3の引張強さ
および導電率を測定した結果、引張強さが726MP
a、導電率が51.0%IACSであった。
【0038】(比較例4)合金Aに冷間圧延を施して
(加工率35%)、厚さを0.25mmにする。その
後、この合金薄板を470℃に加熱した後に、1時間保
持し、焼鈍を行う第1次時効処理を施し、その後、更に
330℃に加熱した後に、1時間保持し、焼鈍を行う第
2次時効処理を施して、試料4を作製する。
【0039】このようにして作製した試料4の引張強さ
および導電率を測定した結果、引張強さが744MP
a、導電率が41.4%IACSであった。
【0040】(比較例5)合金Aに冷間圧延を施して
(加工率35%)、厚さを0.25mmにする。その
後、この合金薄板を380℃に加熱した後に、1時間保
持し、焼鈍を行う第1次時効処理を施し、その後、更に
370℃に加熱した後に、1時間保持し、焼鈍を行う第
2次時効処理を施して、試料5を作製する。
【0041】このようにして作製した試料5の引張強さ
および導電率を測定した結果、引張強さが620MP
a、導電率が32.6%IACSであった。
【0042】(比較例6)合金Aに冷間圧延を施して
(加工率35%)、厚さを0.25mmにする。その
後、この合金薄板を520℃に加熱した後に、1時間保
持し、焼鈍を行う第1次時効処理を施し、その後、更に
370℃に加熱した後に、1時間保持し、焼鈍を行う第
2次時効処理を施して、試料6を作製する。
【0043】このようにして作製した試料6の引張強さ
および導電率を測定した結果、引張強さが665MP
a、導電率が47.4%IACSであった。
【0044】(比較例7)合金Aに冷間圧延を施して
(加工率50%)、厚さを0.25mmにする。その
後、この合金薄板を470℃に加熱した後に、1時間保
持し、焼鈍を行う第1次時効処理を施し、その後、更に
410℃に加熱した後に、1時間保持し、焼鈍を行う第
2次時効処理を施して、試料7を作製する。
【0045】このようにして作製した試料7の引張強さ
および導電率を測定した結果、引張強さが638MP
a、導電率が48.0%IACSであった。
【0046】(実施例6)合金Bに冷間圧延を施して
(加工率35%)、厚さを0.25mmにする。その
後、この合金薄板を470℃に加熱した後に、1時間保
持し、焼鈍を行う第1次時効処理を施し、その後、更に
410℃に加熱した後に、1時間保持し、焼鈍を行う第
2次時効処理を施して、試料8を作製する。
【0047】このようにして作製した試料8の引張強さ
および導電率を測定した結果、引張強さが733MP
a、導電率が50.2%IACSであった。
【0048】(比較例8)合金Cに冷間圧延を施して
(加工率35%)、厚さを0.25mmにする。その
後、この合金薄板を470℃に加熱した後に、1時間保
持し、焼鈍を行う第1次時効処理を施し、その後、更に
410℃に加熱した後に、1時間保持し、焼鈍を行う第
2次時効処理を施して、試料9を作製する。
【0049】このようにして作製した試料9の引張強さ
および導電率を測定した結果、引張強さが718MP
a、導電率が37.8%IACSであった。
【0050】(比較例9)合金Dに冷間圧延を施して
(加工率35%)、厚さを0.25mmにする。その
後、この合金薄板を470℃に加熱した後に、1時間保
持し、焼鈍を行う第1次時効処理を施し、その後、更に
410℃に加熱した後に、1時間保持し、焼鈍を行う第
2次時効処理を施して、試料10を作製する。
【0051】このようにして作製した試料1の引張強さ
および導電率を測定した結果、引張強さが645MP
a、導電率が46.0%IACSであった。
【0052】(比較例10)合金Eに冷間圧延を施して
(加工率35%)、厚さを0.25mmにする。その
後、この合金薄板を470℃に加熱した後に、1時間保
持し、焼鈍を行う第1次時効処理を施し、その後、更に
410℃に加熱した後に、1時間保持し、焼鈍を行う第
2次時効処理を施して、試料11を作製する。
【0053】このようにして作製した試料11の引張強
さおよび導電率を測定した結果、引張強さが740MP
a、導電率が42.4%IACSであった。
【0054】表2に、実施例3〜6、および比較例4〜
10における試料1〜11の加工率(%)、第1次およ
び第2次の時効処理温度(℃)、引張強さ(MPa)、
導電率(%IACS)を示す。
【0055】
【表2】
【0056】表2に示すように、実施例3〜6の試料1
〜3および8は、使用合金の組成比、Ni/Siの重量
比が本発明で規定した範囲内であり、溶体化後の加工率
が40%以下であると共に、第1次時効処理の温度が4
00〜500℃の範囲内、かつ、第2次時効処理の温度
が350〜450℃の範囲内であるため、引張強さが7
20MPa以上、導電率が48%IACS以上の電子機
器用銅合金材を得ることができる。
【0057】これに対して、比較例4の試料4は、第2
次時効処理の温度が低すぎてNi2 Siの追加析出が十
分に起こらないため、引張強さは744MPaと十分で
あるが、導電率が41.4%IACSと低い。
【0058】比較例5の試料5は、第1次時効処理の温
度が低すぎてNi2 Siの析出が十分に起こらないた
め、引張強さ(620MPa)、導電率(32.6%I
ACS)共に十分な値が得られない。
【0059】比較例6の試料6は、第1次時効処理の温
度が高すぎてNi2 Siの粗大化が起こるため、導電率
は良好である(47.4%IACS)が、引張強さが6
65MPaと低い。
【0060】比較例7の試料7は、溶体化後の加工率が
大きすぎて時効処理で析出するNi2 Siの粗大化を招
くため、導電率は十分である(48.0%IACS)
が、引張強さが638MPaと低い。
【0061】比較例8の試料9は、使用合金のNi含有
量が多すぎて、母相中に析出することなく、固溶状態で
残留しているNi2 Siの量が増加するため、引張強さ
は良好である(718MPa)が、導電率が37.8%
IACSと低い。
【0062】比較例9の試料10は、使用合金のNi/
Siの重量比が小さすぎて、Ni2 Siの析出が十分に
起こった際の余剰Siの量が多いため、導電率は良好で
ある(46.0%IACS)が、引張強さが645MP
aと低い。
【0063】比較例10の試料11は、使用合金のNi
/Siの重量比が大きすぎて、Ni2 Siの析出が十分
に起こった際の余剰Niの量が多いため、引張強さは十
分である(740MPa)が、導電率が42.4%IA
CSと低い。
【0064】本発明の電子機器用銅合金材は、従来の電
子機器用銅合金材に比べて高強度・高導電率であるた
め、リードフレーム材として用いた場合、より小型の、
より多ピンの、或いはより高速のICへの対応が可能で
あり、QFPなどの多ピンリードフレーム製造技術の向
上に対して有益に利用することができる。
【0065】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、次のよう
な優れた効果を発揮する。
【0066】(1) 高強度と高い電気・熱伝導性とを
兼ね備えた電子機器用銅合金材を比較的容易に得ること
ができる。
【0067】(2) 高特性の電子機器用銅合金材、特
に高密度で多ピン化したICリードフレームなどの電子
機器用銅合金材を比較的安価に供給することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 9/00 C22F 1/00 - 3/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Cu−Ni−Si系の電子機器用銅合金
    材において、 化学組成が、 Ni:1.0〜5.0mass%、 Si:0.2〜1.0mass%、 Zn:0.1〜5.0mass%、 P:0.003〜0.05mass%、 残部がCuおよび不可避不純物からなると共に、Ni/
    Siの重量比が4.5〜5.5であり、引張強さが72
    0MPa以上、導電率が48%IACS以上であること
    を特徴とする電子機器用銅合金材。
  2. 【請求項2】溶体化処理の後、加工率40%以下の圧延
    を施し、その後、400〜500℃で30min〜3h
    rの第1次時効処理を施し、その後さらに、350〜4
    50℃で30min〜3hrの第2次時効処理を施して
    なる請求項1記載の電子機器用銅合金材。
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