JP2001515776A - 分離法 - Google Patents

分離法

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JP2001515776A
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カール・ロイター
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ロイター・ヒェーミシェ・アパラーテバウ・コマンディート・ゲゼルシャフト
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    • B01DSEPARATION
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    • B01DSEPARATION
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    • B01D9/0036Crystallisation on to a bed of product crystals; Seeding
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
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Abstract

(57)【要約】 乳濁液に凝集混合物中の所望物質の種結晶および少なくとも1種の他の物質の種結晶を播種して連続相で所望物質および他の物質の結晶化を行なうことを特徴とする、凝集混合物を含有する連続相中の液滴からなる乳濁液を生成し、過飽和する凝集混合物から所望物質を分離するための結晶化法が記載されている。本方法により分離される物質、および本方法を実施するための装置もまた記載されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は結晶化、さらに詳しくは化学物質を分離および精製する手段としての
結晶化の分野に関する。
【0002】 物質の混合物から所望の物質を乳濁結晶化により選択的に結晶化させることは
知られている。乳濁結晶化法において、所望の物質は混合物の乳化液滴を生成し
、その乳濁液に所望物質の種結晶の懸濁液を加えて選択的にその物質を結晶化さ
せることにより、またはその乳濁液を冷却して結晶化を引き起こすことにより選
択的に結晶化される(EP 0548028 A1;DaveyらのNature、第375巻、第664〜666 頁(1995年6月22日);I.HoleciのChemicky prumysi 14/39、第638〜641頁(1964
年)参照)。
【0003】 今般、驚くべきことに、精製成分の収量は乳濁液中の所望物質および1種また
は2種以上の他の物質の種結晶を播種することにより劇的に増加することができ
ることを見い出した。他の物質は下記で詳しく説明されるように、それらが存在
する混合物中の濃度、およびそれらの選択的結晶化とその後の取り出しを可能に
するそれらの物理化学的特性に従って選択される。本発明の方法により収量を劇
的に増加することができる。この改良は工業上の分離法の重要な利点となる。
【0004】 本発明は、凝集混合物を含有する連続相中の液滴からなる乳濁液を生成し、過
飽和する凝集混合物から所望の物質を分離するための結晶化法を提供する。過飽
和は当該技術分野で知られている方法により、例えば超音波または高温で過剰量
の凝集混合物を乳濁液に溶解することにより達成される。本方法は乳濁液に凝集
混合物中の所望物質の種結晶および少なくとも1種の他の物質の種結晶を播種し
て連続相で所望物質および他の物質の結晶化を行なうことを特徴とする。本発明
はまた、下記で説明されるように本方法により分離される物質、および本方法を
実施するための装置も包含する。
【0005】 本明細書で使用される用語は下記の意味を有する。 「乳濁液」は、それらを生成する方法と共に、それ自体当該技術分野で知られ
ている。「乳濁液」は定義によれば、「連続相」に分散させた「液滴」である。
本発明において、乳濁液は物質の凝集混合物を含有し、それらの物質のうち少な
くとも1つは他の物質からの分離が求められる「所望」の物質である。凝集混合
物は乳濁液全体に存在するが、典型的には殆んどが液滴中に存在する。典型的に
は少なくとも30重量%、より典型的には少なくとも50重量%の凝集混合物が
液滴中に含まれる。
【0006】 したがって、乳濁液の液滴は凝集混合物を含有し、さらに場合により下記で定
義されるような1種または2種以上の溶媒および溶媒添加剤を含有する。液滴の
直径は典型的には液滴が「微小滴」であり、乳濁液が「微小乳濁液」である場合
の500nm未満、例えば5〜200nmから、液滴および乳濁液が単に「液滴」お
よび「乳濁液」と呼ばれる場合の0.2〜100μm、例えば0.5〜50μmまで
変動する。簡単にするため、本明細書で使用される「液滴」および「乳濁液」な
る用語は微小液滴および微小乳濁液もまた包含する。
【0007】 本明細書で使用される「凝集混合物」は所望の物質および1種または2種以上
の不純物を含有する混合物を意味する。凝集混合物は液体または固体、あるいは
液体および固体である。凝集混合物は場合により下記のような1種または2種以
上の溶媒に溶解または分散させることができる。凝集混合物の液滴は典型的に1
種または2種以上の界面活性剤を用いて生成することができ、微小滴の場合は典
型的にはさらに1種または2種以上のアルコールを用い、そのアルコールは外部
から分散液に加えることができる、または凝集混合物そのものが一助となりうる
【0008】 本明細書で使用される「所望物質」は−130℃以上、好ましくは−78℃以
上、より好ましくは−20℃以上の融点を有する無機および有機物質を意味する
。本発明の方法は特に従来から精製が困難であった物質、例えば構造異性体、立
体異性体(シス/トランス異性体、ジアステレオマー、エナンチオマーなど)、
同族体および共融混合物に適している。所望の物質は医薬、農薬、芳香剤、食品
添加物、化学中間体などである。所望の物質は凝集混合物中に2種以上存在しう
る。
【0009】 簡単にするため、「所望物質」なる用語は単数で使用される。しかしながら、
凝集混合物は2種以上の所望物質を含有し、それらはすべて本発明の方法により
分離可能なことは明らかである。
【0010】 乳濁液の連続相および液滴は広範囲の溶媒を含有し、それらは溶解性、核形成
性および所望物質の結晶化法の選択性に従って選択される。好ましくは、所望の
物質は液滴よりも連続相に溶解しにくい。所望の物質が水に不溶であるか、また
は実質的に水に不溶である場合、連続相は好都合には極性および親水性である。
【0011】 連続相はさらに所望物質の連続相に対する溶解度および/または連続相の凝固
点を調整する物質を含有する。連続相が水である場合、このような調整物質は好
都合にはCaCl2、NaCl、KCl、MgCl2、AlCl3のような水溶性 無機塩、またはアルコール、エーテル、ケトン、エステル、ラクトン、ジメチル
スルホキシド(DMSO)およびアセトニトリルのような水混和性有機液体である。
水混和性有機液体が好ましい。
【0012】 液滴および連続相で使用するのに適した溶媒および溶媒添加剤を下記に列挙す る。 I.室温(以後「r.t.」)で5v/v%以下の水溶性を有する非極性の親油性溶媒
および添加剤: 1.一般式−(Cn2n+2)−のn−、i−または分枝状アルカン、例えばポリ エチレン、ポリプロピレン、シクロアルカン(例えばシクロペンタン、シクロヘ
キサン); 2.一般式−(C22n)−のn−、i−または分枝状アルケン、例えばシクロ アルケン(シクロヘキセン、テルペン)、ジ−またはポリアルケン; 3.一般式−(Cn2n-2)−のn−、i−または分枝状アルキン、例えばシク ロアルキン、ジ−またはポリアルキン; 4.芳香族炭化水素、例えば未置換芳香族炭化水素(例えばベンゼン、ナフタ
レン)、アルキル化芳香族炭化水素のような置換芳香族炭化水素(例えばトルエ
ン、キシレン、高級アルキル化ベンゼン、アルキル化ナフタレン)、ハロゲン化
物(例えばクロロベンゼン、ヘキサフルオロベンゼン)および/またはニトロ化
物(例えばニトロベンゼン)のようなヘテロ置換芳香族炭化水素、ピリジン、フ
ラン、チオフェンのようなヘテロ芳香族炭化水素、およびポリスチレンのような
ポリマー; 5.鉱油、合成油、作物(crop)の油および/またはシリコーン油(例えばヒ
マシ油、メチルオレエート、ポリシロキサン); 6.ハロゲン化炭化水素、例えばCH2Cl2、CHCl3、CCl4、トリクロ
ロエタン、トリクロロエテン、ポリビニルクロライド; 7.CS2、CO2; 8.全部で4個以上の炭素を有する一般式(Cnm)O(Cxy)のn−、i−
または分枝状エーテル(例えばジエチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル(T
BME)); 9.全部で4個以上の炭素を有する一般式CnmCHOのn−、i−または分
枝状アルデヒド; 10.全部で6個以上の炭素を有する(Cnm)CO(Cxy)(例えば2−ヘキ サノン、メチル−t−ブチルケトン)または約6個以上の炭素を有するシクロケ
トンのようなケトン; 11.全部で5個以上の炭素を有する一般式(Cnm)COO(Cxy)のn−、
i−または分枝状エステル、ジ(メチル−、イソデシル−、イソウンデシル−ま
たはイソトリデシル−)フタレート、カルボン酸ジエステルのようなジエステル
、油および脂肪のようなトリエステル、並びにポリエステル; 12.N,N−ジメチルラウリルアミドのようなアミド、およびポリアミド; 13.(N−オクチルまたはN−ドデシル)ピロリドンのようなラクタム; 14.全部で5個以上の炭素を有する一般式(1,2,...)(Cnm)OHのn−
、i−、分枝状または環状アルカノール、アルケノール、アルキノール、芳香族
および環状アルコール(例えば2−ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジ
ルアルコール、フルフリルアルコールおよびテルピノール); 15.全部で6個以上の炭素を有する一般式(1,2,...)(Cnm)NH2のn
−、i−または分枝状アミンのような第1、第2および第3アミン(例えばドデ
シルアミン)。
【0013】 II.水に対する溶解度が室温で5v/v%以上であり、メチルオレエートに対する
溶解度が5v/v%以上である非極性で親油性および極性で親水性の相に溶解する
両親媒性溶媒: 1.テトラヒドロフラン(THF)のようなエーテル、ジメトキシエタン(DME)
、ジオキサン、トリオキサン、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレ ングリコール(PPG)のようなポリエーテル; 2.全部で5個以下の炭素を有する一般式(1,2,...)(Cnm)OHのn −、i−、シクロ−または分枝状アルコール(例えばイソプロパノール、イソブ
タノール、シクロブタノール、シクロペンタノール)、フェノール、フルフリル
アルコールのような芳香族アルコール、プロピレングリコール、ブタンジオール
、ヒドロキノンのようなジオール、またはポリオール; 3.エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンのような
アミノアルコール; 4.全部で7個以下の炭素を有する一般式(1,2,...)(Cnm)NH2のn −、i−または分枝状アミンのような第1、第2および第3アミン(アニリン、
シクロヘキシルアミン、ピリジン、モルホリン)、ポリアミン; 5.全部で3個以下の炭素を有するアルデヒド(例えばホルムアルデヒド、ア
セトアルデヒド); 6.全部で6個以下の炭素を有する一般式(Cnm)CO(Cxy)のn−、i
−または分枝状ケトンまたは環状ケトン(アセトン、2−ブタノン、シクロヘキ
サノン); 7.全部で4個以下の炭素を有する一般式(Cnm)COO(Cxy)のn−、
i−または分枝状エステル、ジ−、トリエステルエチレングリコールジアセテー
ト、ジメチルアジペート、ジメチルグルタメート、ジメチルスクシネート、トリ
メチルホスフェート); 8.γ−ブチロラクトンのようなラクトン; 9.ホルムアミド、ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトアミドのようなア ミド; 10.(N−メチル、N−エチル、N−イソプロピルまたはN−ヒドロキシエチ
ル)ピロリドンのようなラクタム; 11.イミダゾール、トリアゾールのような他のヘテロ環化合物; 12.全部で5個以下の炭素を有する一般式CnmCOOHのn−、i−または
分枝状カルボン酸。
【0014】 III.メチルオレエートに対する溶解度が5v/v%以下である極性で親水性の溶 媒または溶媒添加剤: 1.水; 2.DMSO; 3.ジ−またはポリカルボン酸(例えばシュウ酸、酒石酸); 4.所定のジ−またはポリアルコール(例えばエタンジオール、グリセリン、
PVA); 5.アミノ酸; 6.糖。
【0015】 IV.キラルな溶媒および添加剤:カンフェン、メントール、1,1′−ビ−2− ナフトール、フェンコン、ニコチン、エフェドリン、2−アミノ−1−ブタノー
ル、マンデリン酸およびそのエステル、乳酸およびそのエステル、カンファー酸
およびそのエステル、カンフェン−10−スルホン酸およびそのエステル、モッ
シャー酸(Mosher's acid)、酒石酸およびそのエステル、例えばメンチルエス テル、ドデシルエステル、天然および合成α−アミノ酸およびその誘導体、糖お
よびその誘導体(例えばビタミンC)。
【0016】 乳濁液が微小乳濁液である場合、典型的にはさらに1種または2種以上のアル
コールが分散液に加えられる。このようなアルコールにはイソブタノール、1−
ブタノール、2−ブタノール、2−ペンタノール、2−ヘキサノール、2−オク
タノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、テ
ルピネオールおよびフルフリルアルコールがある。これらのアルコールは2〜8
0重量%、好ましくは3〜50重量%、より好ましくは5〜40重量%の量で分
散液に存在する。本発明の乳濁液は通常1種または2種以上の界面活性剤、すな
わち乳濁液の液滴の生成および安定化を手助けする可溶化剤、界面活性剤および
/または分散剤を含有する。このような可溶化剤、界面活性剤および/または分
散剤は乳濁液の性質に従って選択され、非イオン性、アニオン性および/または
カチオン性である。この界面活性剤は通常0.1〜99重量%、好ましくは0.2
〜33重量%の量で存在する。 下記に適当な可溶化剤、界面活性剤および分散剤を列挙するが、これらに限定
されない:
【0017】 I.非イオン性界面活性剤、例えばエトキシル化またはエトキシル化およびプロ
ポキシル化[アルキルフェノール、ジ−またはトリスチリルフェノール、油(例
えばヒマシ油)、オレイン酸、脂肪または合成アルコール、脂肪または合成アミ
ンまたはアミド];例えば(エトキシル化)オレイン酸または脂肪酸のエトキシ
ル化またはエトキシル化およびプロポキシル化糖エステル(例えばソルビタンモ
ノラウレート、POP−POEグリセロールソルビタン脂肪エステル);スクロ
グリセリド;エトキシル化糖エーテル(例えばアルキルポリグルコシド);シリ
コーン界面活性剤(例えばポリオキシアルキレンポリメチルシロキサン単位を有
するシリコーングリコールコポリマー);アセチレン系ジオール(例えば2,4,
7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール);
【0018】 II.アニオン性界面活性剤、例えばアルキルアレンスルホネート(例えばドデシ
ルベンゼンスルホネート);アルキルジフェニルエーテルスルホネート塩;スル
ホスクシネート(例えばジオクチルスルホスクシネート);(エトキシル化)ア
ルキルスルフェート(例えばラウリルスルフェート、ラウリルエーテルスルフェ
ート);リン酸の(フッ素化)モノ−、ジ−および/またはトリエステルおよび
その塩(アルコールとして例えば(エトキシル化)アルキル−,ジ−またはトリ
スチリルフェノール、全部で8個以上18個以下の炭素を有するCnm−OHの
アルカノール、2−エチルヘキシル−またはラウリルアルコールを使用すること
ができる);エトキシル化ジ−またはトリスチリルフェノールスルフェート;
【0019】 III.カチオン性界面活性剤、例えばプロトン化(エトキシル化)第1、第2ま たは第3アミンまたはジアミン;(エトキシル化)第4アンモニウム塩(例えば
トリメチルオレイルアンモニウムクロライド);
【0020】 IV.両性界面活性剤、例えばN−ココ−β−アミノ酪酸;アミンオキシド; V.ポリマー界面活性剤、例えばポリエチレンオキシド/ポリプロピレンオキシ
ドコポリマー;アクリル系ポリマー;ポリビニルアルコール;改質ポリエステル
;デンプン;グラフトポリマー;
【0021】 VI.可溶化剤、例えばナフタレンスルホネート;クモールスルホネート; VII.分散剤、例えばフェニルスルホネート;(アルキル−)ナフタレンスルホ ネート;ポリカルボキシレート;アクリル系ポリマー;マレイン酸/アクリル酸
コポリマー;マレイン酸/メチルビニルエーテルコポリマー;ポリビニルピロリ
ドン;ポリビニルピロリドン/ポリスチレンコポリマー;(エトキシル化)リグ
ニンスルホネート。
【0022】 播種する前に、過飽和乳濁液は播種する物質とは別の物質の種結晶を含まない
ことが望ましい。存在する種結晶は何れも超音波または加熱により溶解すること
ができ、過飽和乳濁液中におけるこのような種結晶の溶解を以後「均質化」と呼
ぶ。
【0023】 凝集混合物中の所望物質の種結晶および少なくとも1種の他の物質の種結晶の
播種は同時にまたは連続的に行なうことができる。得られる種々の結晶性物質か
らなる混合物の分離が下記の方法の何れかにより連続工程で効果的に行なえる場
合、同時播種が可能である。
【0024】 播種は様々な方法により行なわれる。種結晶はその量、大きさ、性質および結
晶形態に応じて選択される。他の物質の種結晶と大きさまたは量が異なる所望物
質の種結晶の選択は他の物質の結晶からの所望物質の結晶の分離を容易にする。
【0025】 種結晶はまた異なる形態、性質、大きさ、および異なる量の結晶の混合物を構
成することができる。これらは微粉砕することができ、または前もって所定の大
きさまで成長させることもできる。これらは別々にまたはプレミックスとして、
そして粉末として、好ましくは懸濁液として加えることができる。
【0026】 所望物質の種結晶は所望物質の共結晶または塩であり、それにより所望物質の
共結晶または塩の結晶化を行なうことができる。 播種の間、一次または二次核形成により起こる播種していない物質の結晶化を
阻害することが通常望ましい。
【0027】 一次核形成は適度な過飽和により、結晶化阻害剤、界面活性剤および溶媒の適
当な選択および量により、温度、粘度および攪拌の選択により阻害することがで
きる。二次核形成は適当で穏やかな攪拌により、また選択的に粉々に壊れにくい
より密集した結晶形態に成長させることにより阻害することができる。
【0028】 結晶の成長速度は通常のパラメーター、例えば過飽和度、結晶化する物質の連
続相に対する溶解度(溶媒、界面活性剤および添加剤の適当な選択により制御す
ることができる)、および結晶表面に吸着されるミクロ環境(例えば界面活性剤
、分散剤、抑制剤層として働く、または不適当に吸着した分子を排除するポリマ
ー)を調整することにより最適化することができる。
【0029】 この結晶化工程は広範囲(例えば−20℃〜+80℃)の最適温度で行なうこ
とができる。好ましくは分散液の温度は一定に維持される。前記の添加剤は凍結
防止剤としても働くことができる。 この結晶化工程はさらに結晶化中の適当な攪拌(例えば攪拌、振とう、ポンプ
作用および/または超音波)により最適化することができる。
【0030】 結晶化終了後、簡単にろ過し、例えば連続相で使用される溶媒と同様または同
一の溶媒で完全に洗浄することにより結晶を得ることができる。例えば、水中油
形乳濁液からの結晶は水で洗浄して、他方、油中水形乳濁液からの結晶は油で洗
浄して残留する乳濁液、界面活性剤、分散剤、溶媒などを除去することができる
。溶媒はさらに、洗浄液中の結晶性沈澱物の完全な再分散を手助けしてその洗浄
工程の効率を良くする追加の界面活性剤または分散剤を含有することができる。
【0031】 本発明は様々な態様の乳濁液系を包含する。乳濁液は「水中油形(o/w)」ま
たは「油中水形(w/o)」乳濁液である。本明細書で使用される「油」は水にあ
まり溶解しない溶媒、例えば前記で述べた何れかの水にあまり溶解しない溶媒を
意味する。o/wおよびw/o形乳濁液、並びにそれらを生成する方法は当該技
術分野で知られている。凝集混合物を好都合には前記で述べたような1種以上の
非極性、両親媒性または極性溶媒と組合せて凝集混合物の過飽和溶液を生成する
ことができ、あるいは凝集混合物はそれ自体液滴である。
【0032】 連続播種: 最も基本的な形態において、本発明の乳濁結晶化の連続播種は次の工程に従っ
て行なわれる: (1) 乳濁液に所望物質の種結晶を播種して所望物質の結晶化を行ない、得ら れる結晶を取り出し;そして (2) 工程(1)の後に残留する乳濁液に他の物質の種結晶を播種して他の物質 の結晶化を行ない、得られる結晶を取り出す。 第3またはそれ以上の物質を凝集混合物から分離する場合、第3またはそれ以
上の工程が加えられ、各工程は異なる播種物質を使用する以外は工程(1)または
(2)と同様に行なわれる。この手順により、非常に高い収率、非常に高い純度お
よび非常に合理的なコストで、従来は分離することが困難または不可能であった
混合物(例えばラセミ混合物)を分離することができる。 殆どの場合、播種前に過飽和乳濁液を均質化する必要がある。
【0033】 連続播種は上記工程を同時に、また並行に実施することにより最も効果的に行
なわれる。これを行なうために、工程(2)の後に残留する乳濁液は工程(1)の乳
濁液として使用され、他方、工程(1)の後に残留する乳濁液は工程(2)の乳濁液
として使用される。これらの工程は図1に示されるようにバッチ式で、または図
2に示されるように連続的に行なうことができる。凝集混合物から第3物質を分
離するための第3工程が本方法に存在する場合、第3工程の後に残留する乳濁液
が工程(1)の乳濁液として使用される。
【0034】 同様に、凝集混合物から4種の物質を取り出すための適当な連続播種工程は次
の通りである: (1) 乳濁液に所望物質の種結晶を播種して所望物質の結晶化を行ない、得ら れる結晶を取り出し; (2) 工程(1)の後に残留する乳濁液に第2物質の種結晶を播種して第2物質 の結晶化を行ない、得られる結晶を取り出し; (3) 工程(2)の後に残留する乳濁液に第3物質の種結晶を播種して第3物質 の結晶化を行ない; (4) 工程(3)の後に残留する乳濁液に第4物質の種結晶を播種して第4物質 の結晶化を行ない;そして 工程(4)の後に残留する乳濁液を工程(1)の乳濁液として使用する。 もちろん、5種以上の物質を凝集混合物から分離する場合、本方法を並行様式
で拡張することができる。また、工程の順序を所望により変えることができる;
すべての工程を1回繰り返した後、「残留する乳濁液」から播種した各物質の少
なくとも一部を取り出すことが重要である。
【0035】 同時播種: 前記で述べたように、得られる種々の結晶性物質からなる混合物の分離が下記
の方法の何れかにより連続工程で効果的に行なえる場合、同時播種が可能である
。同時播種は幾つかの状況下で特に適当である、例えば: 1.所望物質と同時に結晶化させる第2成分が有意に所望物質の液滴に対する
溶解度に寄与する場合;または 2.長い滞留時間の後でさえ、所望物質および他の物質の混合結晶(例えばラ
セミ結晶)の自然成長が最小量であり、そのため均質化工程の前に乳濁液を何回
も再装入することができる場合;または 3.特に凝集混合物がすでに所定の割合の所望物質まで減少した後、他の物質
の自然核形成を完全に阻害することが困難な場合;または 4.結晶化が液滴の体積分率が低い乳濁液中で行なわれる場合。
【0036】 凝集混合物の物質をすべて結晶化させることが望ましい場合もある。幾つかの
物質は飽和に満たない濃度で凝集混合物中に存在してもよい。この場合、加えら
れた種結晶は容易に溶解する。しかしながら、混合物が同時乳濁結晶化法により
他の物質を十分に減少させる場合、飽和に満たない物質の濃度は過飽和レベルま
で到達する。本方法のこの時点でこれらの物質は播種によっても結晶化しうる、
すなわちこれらの物質の種結晶は同時乳濁結晶化法の後半に加える必要がある。
1種以上の他の存在する物質の減少により別の成分が自然に結晶化し始めること
もある。また、凝集混合物の幾つかの微量成分の濃度は主要な成分の再装入およ
び結晶化(数回)の後に十分に増加するだけである。従って、これらの初期結晶
化工程後にだけ、微量成分の種結晶が加えられる。
【0037】 特に溶媒を殆ど含まない乳濁液が使用され、凝集混合物のほぼすべての成分が
結晶化により取り出されると、乳濁液の液滴は完全になくなり、純粋な物質から
なる個々の結晶の混合物が得られる。存在する界面活性剤および分散剤の連続相
に対する溶解度およびミセル溶解度は通常低いため、1回の結晶化工程で非常に
高い収率の所望物質が純粋な結晶として得られる。殆どまたはすべての物質を播
種することにより液滴の物質をより完全に結晶化させることができるならば、そ
れだけ乳濁液を凝集混合物の再装入、結晶化、再装入などにより再使用すること
ができる場合が多い。その結果、より高い総収率で所望物質が得られ、乳濁液の
構成成分(すなわち界面活性剤、溶媒など)のロスは最小限になる。
【0038】 その後の異なる結晶種の分離: 同時結晶化後、個々の結晶の混合物の所望の結晶性成分を他の結晶性成分から
分離する必要がある。幾つかの方法を使用してこれを行なうことができる:
【0039】 A.篩分けによる分離 所望成分のある大きさの均一な種結晶および他のすべての物質の異なる大きさ
の均一な種結晶を播種することにより、または所定量の所望成分の種結晶および
大幅に異なる量(例えば10〜100倍)の他のすべての物質の種結晶を播種す
ることにより、所望物質の結晶の大きさは他の物質の結晶の大きさと十分に異な
るため、一方の成分の微結晶を通らせ、他方の成分の大きな結晶を引き止める所
定の大きさの孔を有する篩を使用する簡単な篩分け法による分離が可能になる。
厚い結晶層はそれ自体定まっていない大きさの孔を有する篩として働いて小さな
粒子まで保持するため、篩の表面に沿って厚い結晶層が堆積することは回避すべ
きである。したがって、クロスフロー篩分け法、または例えばろ過した母液です
ぐ徹底的にすすぐ篩分け法が好ましい。好ましくは、篩分け法はより高温での個
々の結晶の再溶融を回避するため、結晶化温度で行なわれる。2回目の篩分けま
たはろ過工程により、他の物質のすべての微結晶が乳濁液から篩分けまたはろ去
される。すべての小さな結晶を除去するために、保持された大きな結晶フラクシ
ョンは微細ろ過工程を通過させた結晶化工程の乳濁液で、またはo/w形乳濁液
の場合は追加の界面活性剤を含有する水で完全に洗浄される。
【0040】 残留する乳濁液は好ましくは篩分け工程後の結晶から洗い流される。しかしな
がら、乳濁液を含有する粗製物質は何れも完全に洗浄されることが重要である。
そうでなければ、粗製物質は純粋な結晶を再び汚染するからである。これは適当
な分散剤または界面活性剤を洗浄液、例えば水に加えることにより最も良く行な
われる。また、残留する乳濁液が結晶の表面上で乾燥しないように注意を払う必
要がある。乾燥すると乳濁液は分解し、結晶の表面上に沈澱した凝集混合物は容
易に洗い流すことができない。
【0041】 B.選択的沈降、遠心または浮遊による分離 種々の結晶性物質種が密度、大きさまたは形状に関して実質的に相違を示す場
合、またはそれらの表面吸着性が実質的に異なる場合、様々な結晶をバッチ式ま
たは連続式の沈降、遠心または浮遊法により分離することができる。この場合、
大きさが有意に異なる種結晶、または1次または2次元にすぎない形態で早く成
長する種結晶の変形を使用することができる。
【0042】 C.懸濁液中における種々の結晶性物質種の選択的溶融による分離 混合物の2種以上の物質を同時播種することにより得られる結晶団塊の分離は
また、種々の結晶性物質の融点が実質的に異なる場合(例えば10℃以上の差)
、選択的溶融およびその後の溶融結晶種の篩分けまたはオイリングアウト(oili
ng out)により達成することができる。これを行なうために、有利にはすべての
結晶種を最初に乳濁液からろ過し、残留する乳濁液を完全に洗い流す。次に、湿
った結晶ケークを場合により好ましくは希釈懸濁液(例えば0.001〜20w/w%) を得るために適当な分散液および/または界面活性剤を使用して、各物質が実質
的に不溶性の溶媒(例えば有機分子に対して水)中で再び懸濁する。次いで、こ
の懸濁液を低融点の結晶種の融点まで迅速に加熱する。それにより、このフラク
ションは溶融し、油滴を生成する。これらの油滴はろ過工程の直後に取り出すこ
とができる(例えば新しく生成した油滴が堆積した結晶層を通過する必要がない
ようにクロスフローろ過またはベルトフィルターによる)。
【0043】 これらの新しく生成した油滴はまた、迅速に凝集してオイリングアウトする、
すなわち液状の有機相が懸濁液から分離する。オイリングアウト工程はその上で
油滴がオイリングアウトする大きな表面を与えることにより;そこから新しく生
成した油滴が移動して次の表面に到達しなければならない何れかの体積分率の分
散液間の距離を短く維持することにより;そして/または遠心力を加えることに
より促進される。
【0044】 溶融した結晶は非溶融物質から迅速に分離すべきである。そうでなければ、油
滴は完全に平衡になるまで他の物質と一緒に再び飽和する機会を有する。これは
物質の連続相に対する溶解度を低く維持することにより;加熱し、溶融し、油状
物を取り出す時間をできるだけ短くすることにより、例えば懸濁液を標的温度付
近の加熱浴中で薄いホースを通過させ、その後直ちにろ過装置に付すことにより
回避する、または最小限にすることができる。パイプの直径、懸濁液の流量およ
び水浴の温度により、加熱および溶融時間と最後に油滴および結晶をろ過または
オイリングアウトにより分離する時間を最適にすることができる。 この分離工程は他の存在する物質についてそれらの融点まで加熱することによ
り所望の数だけ繰り返すことができる。
【0045】 様々な結晶種が凝集していない単結晶として成長する結晶化条件が使用される
ことが重要である。そうでなければ、様々な大きさの結晶の篩分けによる分離、
選択的な沈降、遠心または浮遊による分離、さらに低融点の結晶を選択的に溶融
し、ろ過またはオイリングアウトすることによる分離は困難である。このような
単結晶は適当な量の界面活性剤および/または分散剤が存在する最適温度および
過飽和条件下、乳濁結晶化により得ることができる。さらに、非常に規則正しい
形の単結晶を得るために油滴の体積分率を低く(例えば乳濁液の0.01〜20%、好
ましくは0.1〜2%)維持することが重要である。
【0046】 一般に、本発明の同時および連続播種の両方において、所望のおよび/または
他の結晶を取り出した後に残留する乳濁液に再び乳濁液および/または凝集混合
物を装入することができる。このようにして残留する乳濁液は有効に再使用され
、それにより一般に無駄が少なくなり、より良い総収率で結晶が得られる。 本発明の分離法はバッチ法または連続法として行なわれる。本法をバッチ式ま
たは連続式で行なう幾つかの態様を図面で詳しく説明する。
【0047】
【実施例】
実施例1 連続播種:バッチ法による(BNA)*(NMP)のエナンチオ選択的乳濁共結晶化(図1 参照) 220リットル(l)の容器1に約10w/w%のイソブタノール、10w/w%の
N−メチルピロリドン、20w/w%のN−エチルピロリドン(それぞれ液滴中の
溶媒として働く)、20w/w%のSYNPERONIC NP10(界面活性剤として働く10 モル%のエチレンオキシドでエトキシル化されたノニルフェノール)および40w
/w%の水からなる約150リットルの乳濁液から生成した懸濁液−乳濁液(サ スポエマルジョン;suspoemulsion)を入れ、それに150〜220g/リット ル(22.5〜30kg)のラセミ形1,1′−ビ−2−ナフトール(BNA)および等モル
量、すなわち7.8kgのN−メチルピロリドンを加える。サスポエマルジョンを 分散装置を備えた容器1で攪拌して(BNA)*(NMP)共結晶の均質な微細分散液を得 る。サスポエマルジョンを約2バールの圧力でポンプ2により汲み出して内部に
第2のポリエチレンチューブ(内径18mm,外径22mm)がある長さ100mのTEFL
ONチューブ(内径10mm,外径12mm)からなる予熱器3を通してサスポエマルジョ
ンを室温から約50〜75℃まで加熱する。次に、予め加温したサスポエマルジ
ョンを4.5および7.5kWの2つの電気加熱器により95〜100℃まで加熱さ
れる水で満たされた220リットルのドラム(直径57cm,高さ91cm)中の長さ2
00mのTEFLONチューブ(内径10mm,外径12mm)からなる「ホモジナイザー」4
にポンプ輸送する。ホモジナイザー4を通過すると、すべての固体BNA−結晶
およびBNAの結晶化に関する他のどの種結晶も溶解するため、サスポエマルジ
ョンは乳濁液になる。乳濁液は冷却器5で25〜35℃まで冷却され、高い過飽
和乳濁液が得られる。冷却は予熱器3と同じ構造の冷却器5において逆流する水
道水で行なわれる。今や60〜85℃まで加熱された冷却水はそれ自体逆流する
予熱器3の熱媒体として使用される。
【0048】 30リットルの冷却された高い過飽和乳濁液を注意深く洗浄した30リットル
のポリエチレンボトル6に入れる。それには好ましくは使用前に約30mlのイソ
ブタノールが装入される。これは内面全体を濡らして考えられるすべての種結晶
の核(germ)を溶解し、さらにボトル中の空気を完全にイソブタノールで飽和す
るのに役立つ。このようにして、乳濁液の表面からのイソブタノールの蒸発を最
小限にすることができ、または完全に回避することができ、それにより望ましく
ない自然結晶化を防止する。充填作業の間、空気の乳濁液表面への接近は置換し
た空気が逃れるための微細な開口部だけを有する充填パイプが取り付けられたね
じ込みキャップでボトルを密封することにより最小限にされる。ボトルが充填さ
れた後(15〜30分)、このようにして生成した均質な高い過飽和微小乳濁液は2
5〜35℃で適度な攪拌をしても、例えば密封したドラムを回転装置7の上で転
がしても30分以上殆んど自然結晶化を示さない。
【0049】 次に、約200mlの(R-BNA)*(NMP)−種結晶の懸濁液を微小乳濁液に加える。 この種結晶の懸濁液は3kgのSYNPERONIC NP10、2kgのイソブタノール、2kgの N−メチルピロリドンおよび13kgの水の乳濁液中における約420gの湿った
(R-BNA)*(NMP)−共結晶からなる。この混合物をガラスビーズミルで微粉砕する 。播種した乳濁液を含むボトルをねじ込みキャップで密封し、回転装置7の上に
置き、約30rpmで約30分間転がす。
【0050】 次に、成長した結晶を含む30リットルのサスポエマルジョンを寸法が長さ約
1m、直径約9.5cm、細孔の大きさ27μのストッキング篩8により、または 例えばブフナーロートを使用する吸引ろ過により篩分けする。得られる(R-BNA)* (NMP)の湿った結晶ケークから残留する乳濁液を絞り出す。ラセミ形(BNA)*(NMP)
の自然な核形成が起こらないように、篩分け作業を迅速に、例えば約30〜90
秒で行ない、篩分けされていないサスポエマルジョンと空気の接触を最小限にす
べきである。このような核は篩が保持できる大きさに成長するまで約2〜5分要
する。
【0051】 (R-BNA)*(NMP)の結晶ケークを1〜2回洗浄し、すなわち約2〜3リットルの 水中で再び分散させ、27μの篩を通して再びろ過する。得られる湿った物質は
約90〜100%の(R-BNA)*(NMP)および10〜0%の(S-BNA)*(NMP)からなる。
したがって、30リットルのボトルにつき約400〜2000gの湿ったケーク
に相当する、約10〜50g/リットルの(R-BNA)*(NMP)を受け取る。
【0052】 さらに精製するために、湿ったケークを95%イソブタノールおよび5%NMP からなる約60リットルの混合物中における約38kgの(R-BNA)*(NMP)の湿った ケークの懸濁液(約95%)を60〜80℃まで加熱し、それを適度に攪拌して室
温まで冷却することによりイソブタノールから再び結晶化させることができ、ろ
過後、結晶ケークを冷イソブタノールで洗浄して約18kgの(R-BNA)*(NMP)[R-B
NA:S-BNA>99.9:0.1]を得る。
【0053】 約3kgの(R-BNA)*(NMP)を約30リットルの水と一緒に90℃まで加熱し、9 0分間攪拌することによりNMPを(R-BNA)*(NMP)共結晶から除去する。ろ過し 、乾燥した後、>99%の化学純度および>99%の鏡像異性体純度を有するR
−BNAが得られる。
【0054】 図1を見てわかるように、最初のラインの作業と並行して、同様に構成され、
操作される第2ライン(例えば1′は図1の1に、2′は2に相当する)を同時
に実施し、同様に約150リットルの上記乳濁液で開始し、150〜200g/
リットルのラセミ形BNAを装入する。しかしながら、この場合、過飽和し、均
質化し、結晶化温度まで冷却し、乳濁液に微粉砕した(S-BNA)*(NMP)種結晶を播 種する。(S-BNA)*(NMP)のろ過および洗浄、並びに(S-BNA)*(NMP)共結晶からのNM
Pの除去は(R-BNA)*(NMP)共結晶について前記したように行なわれる。
【0055】 この最初の繰り返しの後、最初のラインから(R-BNA)*(NMP)を減らしたろ液に 、減らした(R-BNA)*(NMP)共結晶の量に相当する量のラセミ形(BNA)*(NMP)共結晶
を補足し、容器1′中の開始サスポエマルジョンに加える。同様に、第2ライン
から(S-BNA)*(NMP)を減らしたろ液に、減らした(S-BNA)*(NMP)共結晶の量に相当
する量のラセミ形(BNA)*(NMP)共結晶を補足し、容器1中の開始サスポエマルジ ョンに加える。
【0056】 本方法を多数回繰り返すことにより、100kg以上のS−BNAおよび100
kgのR−BNAを300リットルの開始サスポエマルジョンから分離することが
できる。(R-BNA)*(NMP)および(S-BNA)*(NMP)の結晶ケークを用いて行なわれる乳
濁液のロスだけはケークからの乳濁液の完全な除去により最小限にする必要があ
り、また新しい乳濁液を加えて補わなければならない。
【0057】 実施例2 (BNA)*(NMP)のエナンチオ選択的連続乳濁液結晶化(図2参照) ボトル(図1の6、6′)が充填される工程まで容器9、9′、ポンプ10、
10′、予熱器11、11′、ホモジナイザー12、12′、冷却器13、13
′を使用して実施例1の手順に従う。ボトルの充填の代わりに、過飽和し、均質
化し、再び冷却した乳濁液を約25〜30℃、約100リットル/時で長さ32
4m、内径14mm、外径18mmのTEFLON製結晶成長パイプ16、16′にボンプ
輸送する。種結晶の注入点14、14′において、(R-BNA)*(NMP)および(S-BNA) * (NMP)−種結晶の懸濁液をそれぞれ容器15、15′から30リットルの乳濁液
につき200mlの流量で連続注入する。種結晶の注入点の後に、列をなした静的
または動的混合装置を配置する。結晶成長パイプの流量および長さを結晶成長時
間が約20〜30分となるように合わせる。結晶成長パイプを通過させた後、サ
スポエマルジョンを(例えば吸引ろ過により)篩分けし、上記と同様に空気との
接触を阻害し、ろ過時間をできるだけ短くする。このようにして、個々のボトル
を取り扱うための手作業を回避することができる。
【0058】 時々、ラセミ形BNA−結晶の迅速な成長をもたらす自然核形成が起こり、い
つかは結晶成長パイプの壁のどこかにくっつき、通過する過飽和乳濁液を汚染す
る。これらの「ラセミ化合物潰瘍」はいつかは全パイプを封鎖してしまう。した
がって、ラセミ化合物の成長が見られる場合または周期的に、パイプを加熱する
ことにより(例えばその中に結晶成長パイプが据え付けられた熱パイプを用いる
)、その中に結晶成長パイプを浸漬することができる加熱用温液タンクにより、
または超音波を結晶成長パイプの壁に施すことにより結晶成長パイプ中ですべて
の結晶性物質を再溶解し、過飽和乳濁液を再び均質化することが必要である。別
法として、溶媒または熱い乳濁液を結晶成長パイプにポンプ輸送することができ
る。結晶成長パイプを完全に均質化した後にだけ、過飽和乳濁液の選択的播種は
所望の結晶を良好な純度で再び与える。
【図面の簡単な説明】
【図1】 バッチ式で連続的に播種する本発明方法の実施手順を示す。
【図2】 連続式で連続的に播種する本発明方法の実施手順を示す。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乳濁液に凝集混合物中の所望物質の種結晶および少なくとも
    1種の他の物質の種結晶を播種して連続相で所望物質および他の物質の結晶化を
    行なうことを特徴とする、凝集混合物を含有する連続相中の液滴からなる乳濁液
    を生成し、過飽和する凝集混合物から所望物質を分離するための結晶化法。
  2. 【請求項2】 少なくとも30重量%の凝集混合物が液滴に含まれる請求項
    1記載の方法。
  3. 【請求項3】 所望物質および他の物質の種結晶が同時に播種される請求項
    1または2記載の方法。
  4. 【請求項4】 他の物質の結晶からの所望物質の結晶の分離を容易にするた
    めに所望物質の種結晶は他の物質の種結晶とはその大きさまたは量が異なる請求
    項3記載の方法。
  5. 【請求項5】 所望物質の結晶は他の物質の結晶から篩分け、溶融または沈
    降により分離される請求項1〜4の何れか一項記載の方法。
  6. 【請求項6】 所望物質および他の物質の種結晶は連続的に播種される請求
    項1記載の方法。
  7. 【請求項7】 (1) 乳濁液に所望物質の種結晶を播種して所望物質の結晶 化を行ない、得られる結晶を取り出し;そして (2) 工程(1)の後に残留する乳濁液に他の物質の種結晶を播種して他の物質 の結晶化を行ない、得られる結晶を取り出す 工程からなる請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】 工程(2)の後に残留する乳濁液が工程(1)の乳濁液として使
    用される請求項7記載の方法。
  9. 【請求項9】 播種前に乳濁液および/または凝集混合物を残留する乳濁液
    に再び加える請求項7または8記載の方法。
  10. 【請求項10】 播種前に乳濁液を均質化する請求項1〜9の何れか一項記
    載の方法。
  11. 【請求項11】 所望物質の種結晶は所望物質の共結晶または塩であり、そ
    れにより所望物質の共結晶または塩の結晶化が行なわれることを特徴とする請求
    項1〜10の何れか一項記載の方法。
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