JP2002105097A - ステロール類の回収方法 - Google Patents

ステロール類の回収方法

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JP2002105097A
JP2002105097A JP2000299169A JP2000299169A JP2002105097A JP 2002105097 A JP2002105097 A JP 2002105097A JP 2000299169 A JP2000299169 A JP 2000299169A JP 2000299169 A JP2000299169 A JP 2000299169A JP 2002105097 A JP2002105097 A JP 2002105097A
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JP
Japan
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sterols
crystals
organic solvent
temperature
crystallizer
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JP2000299169A
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English (en)
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Hideo Kawachi
秀夫 河内
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ステロール類の晶析において、固液分離性の
よい大きな結晶を取得するには、冷却晶析の場合冷却速
度を小さくする方法や種晶を添加する方法があるが、前
者は晶析に要する時間が長くなること、後者は種晶を別
途準備する必要があるほか、オペレータが運転状況をみ
ながら手動あるいは半自動状態で添加する必要があり、
特に連続プロセスの場合はこの点が問題であった。 【解決手段】 ステロール類を含有する有機溶媒を、予
め含有するステロール類の一部が結晶として析出する状
態まで冷却し、晶析装置へ供給することを特徴とするス
テロール類の回収方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はステロール類の回収
方法に関する。より詳細には、コレステロール、シトス
テロール、エルゴステロール等のステロールを固液分離
性の良好な粒径の大きい結晶として取得する方法に関す
る。これらステロール類は、ビタミンDや医薬品等の中
間体として有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】細菌や生物細胞、酵素を用いた有用物質
の生産は工業的規模で広く行われているが、生産される
有用物質、いわゆるバイオ製品は温度など環境の変化に
敏感で、加熱蒸発など従来からの分離精製法が適用でき
ないものも多い。このような物質の精製分離方法として
は、比較的温和な条件下で物質を結晶化させ固液分離に
よって分離する晶析法が広く用いられている。コレステ
ロール、シトステロール、エルゴステロールといったス
テロール類においても、従来、動物あるいは植物、また
は酵母より有機溶剤を用いて抽出し、その抽出液より冷
却晶析によって回収することがおこなわれている。晶析
は非常に有用な分離精製方法であるが、得られる結晶の
大きさが固液分離性に影響することから、結晶の大きさ
を制御する方法、特に粒径の大きな結晶を得る方法が必
要であり、一般に、冷却晶析の場合冷却速度を小さくす
る方法や、種晶を添加する方法が行われている。
【0003】しかしながら、前者は晶析に要する時間が
長くなること、後者は種晶を別途準備する必要があるほ
か、オペレータが運転状況をみながら手動あるいは半自
動状態で添加する必要があり、特に連続プロセスの場合
はこの点が問題であった。
【0004】コレステロール、シトステロール、エルゴ
ステロールといったステロール類においても、通常、動
物、植物、または酵母より有機溶剤を用いて抽出し、そ
の抽出液から冷却晶析によって回収されることから、上
記と同様の問題を有していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、連続プロセ
スにおいてステロール類の回収をおこなう場合の、結晶
の大きさを制御するという課題に解決法を提供し、ステ
ロール類の回収を簡単に、工業的に有利に実施できるよ
うにするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、ステロール類
を含有する有機溶媒を、予め含有するステロール類の一
部が結晶として析出する状態まで冷却し、晶析装置へ供
給することを特徴とするステロール類の回収方法であ
る。本発明の方法によれば、予め種晶を準備することな
く連続的に種晶を供給するのと同様の効果を得ることが
できる。また、晶析装置内をステロール類を含有する有
機溶媒の飽和状態となる温度より低く、かつ結晶が発生
する温度より高い温度に保持することにより、新たに微
細な結晶を生成することなく、連続的に供給される結晶
をもとにして結晶は成長し、固液分離性のよい大きな結
晶を得ることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の概略を図1〜3に示す。
図1で示される装置において、ステロール類を含む有機
溶媒は装置下部のノズル1より供給されるが、冷却器2
を通過することにより溶液中のステロールの一部が結晶
となった状態で供給される。晶析装置3の内部では、供
給された結晶をもとにして結晶が成長する。成長した結
晶はスラリーとしてノズル4より払い出され、固液分離
装置5でろ液と分離され結晶が回収される。
【0008】ステロールの一部が予め結晶となった状態
で晶析装置に供給する方法としては、図2に示すよう
に、冷却装置を備えた第2の供給ノズル6を設け、供給
するステロール溶液の一部を冷却するような方法も可能
である。予め調製する結晶量の制御の容易さという観点
からは、このような供給液の一部を冷却する方法が好ま
しい。
【0009】晶析装置3としては、一般的な攪拌槽型や
ドラフトチューブ型のほか、図3のような塔型の連続晶
析装置を使用することもできる。塔型の連続晶析装置を
用いる場合には、ステロール類の回収された液がノズル
7より取り出される。
【0010】本発明で用いるステロール類としては、コ
レステロール、デスモステロール、7−デヒドロコレス
テロール、α−シトステロール、β−シトステロール、
ジヒドロ−β−シトステロール、γ−シトステロール、
エルゴステロール、22−ジヒドロエルゴステロール等
が挙げられ、好ましくはコレステロール、β−シトステ
ロール、エルゴステロールである。
【0011】本発明で用いる有機溶媒としては、脂肪族
炭化水素、水溶性アルコール、またはこれらの混合物が
好ましく、結晶の沈降、払い出しの容易さの観点から
は、上記溶媒の中でも常温において比重0.9以下のも
のがより好ましい。具体的には、ヘキサン、ヘプタン、
オクタン、メチルアルコール、エチルアルコール、イソ
プロピルアルコール、またはこれらの混合物が挙げら
れ、より好ましくはヘキサンである。
【0012】装置に供給するステロール溶液の濃度はス
テロールの種類や使用する溶媒によって一概には言えな
いが、例えば溶媒にヘキサンを用いる場合には、エルゴ
ステロールでは通常0.5〜20g/L、好ましくは2
〜10g/Lであり、コレステロールでは通常1〜50
g/L、好ましくは10〜40g/Lである。
【0013】本発明において、予め結晶の状態で晶析装
置に供給されるステロールの量としては、通常、供給さ
れるステロール全量の0.05〜20重量%、好ましく
は0.1〜10重量%である。
【0014】ステロール溶液の供給速度、および冷却器
の温度は、予め結晶の状態で供給されるステロールの量
が、上記の範囲となるよう適宜設定すればよい。図2ま
たは図3に示すような供給液の一部を予め冷却する方法
においては、冷却器は結晶が生じる温度より十分低い温
度(例えば0〜20℃)とし、2つの供給ノズルの流量
比を調節すればよい。
【0015】また、本発明においては、晶析装置4内部
の温度は、供給されたステロール溶液が飽和状態となる
温度より低く、かつ結晶が発生する温度より高い温度に
保持するのが好ましい。当該温度範囲は、当業者におい
て過飽和領域として知られているものである。当該温度
に保持することにより、晶析装置内部で新たに微細な結
晶が生成することを抑制し、供給される結晶をもとにし
て結晶を成長させ、固液分離性のよい粒径の大きな結晶
を得ることができる。操作時間(連続晶析装置を用いる
態様においては滞留時間)は、通常、10分〜5時間程
度であり、生産性の観点から好ましくは30分〜2時間
である。
【0016】
【実施例】以下、本発明について実施例に基づきさらに
具体的に説明するが、本発明はこのような実施例によっ
て何ら限定されるものではない。
【0017】(実施例1)温度50℃、濃度3g/Lの
エルゴステロールのヘキサン溶液を内径30mm、高さ
450mmの塔型晶析装置に連続的に供給し、エルゴス
テロールの回収をおこなった。晶析装置全体の温度は3
0℃とした。攪拌回転速度は20rpm、液供給速度は
10ml/分とし、うち1ml/minは10℃に冷却
して別に供給した。平均滞留時間は30分である。1時
間20分連続運転(送液量800ml)後、装置下部よ
り回収されたエルゴステロールの結晶を顕微鏡で観察し
たところ、結晶の大きさはおおむね50ミクロン程度ま
で成長し、固液分離性は良好であった。
【0018】(比較例1)温度50℃、濃度3g/Lの
エルゴステロールのヘキサン溶液を内径30mm、高さ
450mmの塔型晶析装置に連続的に供給し、エルゴス
テロールの回収をおこなった。晶析装置の上部を20℃
に冷却し、ここで結晶析出をおこなわせた。攪拌回転速
度は20rpm、液供給速度は10ml/分とした。平
均滞留時間は30分である。1時間20分連続運転(送
液量800ml)後、装置下部より回収されたエルゴス
テロールの結晶を顕微鏡で観察したところ、結晶の大き
さは10ミクロン程度と小さかった。
【0019】
【発明の効果】本発明の方法により、ステロール類を簡
便な操作で固液分離性の良い粒径の大きな結晶として取
得することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法の概略図
【図2】溶液の供給を別の態様で行う場合の概略図
【図3】塔型連続晶析装置を用いる場合の概略図
【符号の説明】
1 ステロール溶液の供給ノズル 2 冷却器 3 晶析装置 4 結晶払い出しノズル 5 固液分離装置 6 第2のステロール溶液の供給ノズル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01D 9/02 606 B01D 9/02 606 608 608A 620 620 625 625A

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステロール類を含有する有機溶媒溶液
    を、予め含有するステロールの一部が結晶として析出す
    る状態まで冷却し、晶析装置へ供給することを特徴する
    ステロール類の回収方法。
  2. 【請求項2】 ステロール類を含有する有機溶媒の一部
    を、予め結晶が析出する状態まで冷却し、供給すること
    を特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 晶析装置内をステロール類を含有する有
    機溶媒の飽和状態となる温度より低く、かつ結晶が発生
    する温度より高い温度に保持することを特徴とする請求
    項1または2記載の方法。
  4. 【請求項4】 ステロール類がコレステロール、シトス
    テロール、エルゴステロールより選ばれてなることを特
    徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 【請求項5】 有機溶媒が常温において比重0.9以下
    の脂肪族炭化水素、水溶性アルコール、またはこれらの
    混合物である請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】 有機溶媒がヘキサン、ヘプタン、オクタ
    ン、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピ
    ルアルコール、またはこれらの混合物である請求項1〜
    3のいずれかに記載の方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2004046163A1 (ja) * 2002-11-08 2004-06-03 Kaneka Corporation エルゴステロールの分離方法

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