JP2001514316A - 架橋粒子 - Google Patents

架橋粒子

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Abstract

(57)【要約】 本発明は医薬用薬剤を送達するのに有用な架橋粒子を提供するものである。この粒子は少なくとも一つのポリマー化合物とスペーサー化合物とからなり、ポリマーとスペーサーはそれぞれ、反応性のカルボキシル、ヒドラジジル、アミノおよび/またはチオール基を備えている。ポリマーとスペーサーそれぞれの反応性基が共有結合することにより、粒子が架橋される。粒子内に含まれる医薬用薬剤からなる組成物が開示されている。粒子内に医薬用薬剤を内包させ、また、使用時に患者の体内でその粒子が医薬用薬剤を調節しながら放出するための、粒子の製造方法も開示されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 技術分野 本発明は医薬品の送達に有用な架橋粒子に関するものである。特に、本発明は
該粒子を安定化させ、脊椎動物の体内での取り込みと医薬用薬剤の放出を調節す
る改良された方法に関する。
【0002】 発明の背景 活性部位に医薬用薬剤を有効に送達し、医薬用薬剤を適切な速度で放出せしめ
ることは、薬学的治療の開発と改善の面で、永年の課題であった。特に、治療用
薬剤をうまく投与しようとすると、脊椎動物の胃腸管の場合には、物理的・化学
的に多くの障壁が存在することはよく知られている。たとえば、治療用の薬剤は
、体内の酵素類、胃における酸性、腸におけるアルカリ性に耐えて活性を維持し
なければならず、しかも、胃腸の粘膜の中に浸透して血流中に入り、活性が要求
されている部位に到達せねばならない。その上、これらの事がすべて適切な速度
で起こり、治療薬が正しく送達されねばならないのである。
【0003】 従来から、これらの問題を解決するために多くの試みがなされてきた。たとえ
ば、活性な薬剤を特別大量に投与すれば、少なくともなにがしかの薬剤は分解さ
れずに目的の活性部位に到達せしめ得るという点では有効であるとも言える。こ
の方法は腸溶性の薬剤の投与の場合には明らかに問題があり、不経済でもある。
ある場合には、加圧錠や腸溶コーティングのような単純で機械的な手段の方が、
対象の薬剤の腸での耐性を改善し、薬物の放出を調整するためには、適している
こともあろう。最近では、リポソームや脂質のマイクロバブルを開発して活性な
薬剤をカプセル化できるようにする研究もかなり進んでいる。しかし、これらの
方法は、いかなる場合にも有効であるというわけではない。
【0004】 医薬用薬剤を保護しその放出速度を調節するために、薬剤をミクロ粒子やナノ
粒子でカプセル化することは米国特許第5,352,461号に記載されている
。この特許は、2,5−ジケト−3,6−ジ(4−スクシニルアミノブチル)ピ
ペラジンから形成した自己会合性粒子によるドラッグ・デリバリー・システムに
関するもので、これはpHに敏感なために、pHが高くなるとばらばらにほぐれ
て内包していた医薬用薬剤を放出すると主張されている。インスリンやヘパリン
のような薬剤を内包して、これらの分子を胃での酸性や胃腸内の酵素から保護し
、薬剤を血液内に放出することができるとされる他の粒子類が、国際特許公報第
WO 88/01213号において提案されている。ビスアミドジカルボン酸の
自己会合性を利用した、pH滴定可能な自己会合性粒子については、Bergeronら
による研究に述べられている(J. Amer. Chem. Soc., 1995, 117, 6658-6665) 。これらの粒子も、低pH域での安定性とpHが高くなるにつれて不安定になる
いう性質を持っている。
【0005】 国際特許公報第WO 96/29991号では、ポリアミノ酸、さらに詳しく
はポリロイシングルタメートを用いた自己会合性粒子の製造が述べられている。
天然アミノ酸から製造したこれらの粒子は、粒子サイズが調節でき、広いpH範
囲で安定である。
【0006】 医薬用薬剤、特にペプチドやタンパク質を内包させるための粒子は、種々のア
ニオン性ポリマーとカチオン性ポリマーを高分子電解質錯形成反応させることに
よっても作ることができる。アニオン性ポリマーとしては、各種のものがあるが
、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、グアラン、ポリグルタ
ミン酸やそれらの誘導体など天然由来物がある。カチオン性ポリマーの例をあげ
れば、ポリリシンやゼラチンがある。これ以外のポリカチオンやポリアニオンは
、欧州特許第671169号、米国特許第4,835,248号、米国特許第5
,041,291号などに詳しく述べられており、そっくりそのまま参考のため
にここに採用できる。
【0007】 残念なことに、従来技術では医薬品の送達のための粒子の有効性に限度がある
。それというのも、これらの粒子は多くの場合、非経口投与や経腸的投与では内
包した医薬用薬剤を早く放出しすぎることが判っている。そのため、グルタルア
ルデヒドを架橋剤に使用して、安定化されたミクロ粒子を開発しようという努力
が続けられてきた。しかしながらこの架橋方法では、内包された医薬用薬剤が変
質を受けることがあるという難点があり、これが好ましくないことは明らかであ
る。さらに困ったことには、この架橋反応はアルカリ性の条件下で実施するのが
好ましいのだが、その条件は、多くのpHに敏感な粒子が内包している医薬用薬
剤を速やかに放出する条件と一致しているのである。
【0008】 したがって、pHに敏感な粒子に使用するのに適した粒子安定化の実際的な方
法で、その際に内包する医薬用薬剤をほとんどあるいは全然変質させないような
方法が、切実に求められているのは明らかである。とりわけ、医薬用薬剤の送達
に使用可能な方法が大いに期待されている。
【0009】 発明の開示 したがって、本発明の目的は、内包している医薬用薬剤の変質を抑制あるいは
抑止する粒子安定化の実際的な方法を提供することである。 本発明のさらなる目的は、内包している医薬用薬剤の変質を抑制あるいは抑止
した医薬用薬剤の送達方法を提供することである。
【0010】 上記の目的を達成するために、本発明の一つの側面では、以下の成分を使用し
て調製できる架橋粒子が提供される。 その成分とは、 a)粒子を形成しうる、いずれも、活性なカルボキシル、ヒドラジジル、アミノ
および/またはチオール基を含有する一種以上のポリマー、および b)二つ以上のカルボキシル、ヒドラジジル、アミノおよび/またはチオール基
を含有するスペーサー、で ここで、架橋はポリマー(類)とスペーサーのカルボキシル基と、ヒドラジジル
、アミノおよびまたはチオール基の間のカルボジイミド結合により達成されるも
のである。
【0011】 本発明の他の実施態様によれば、架橋粒子内部に内包された医薬用薬剤を含む
組成物を提供することであり、ここで架橋粒子は、 a)粒子を形成しうる、いずれも、活性なカルボキシル、ヒドラジジル、アミノ
および/またはチオール基を含有する一種以上のポリマー、および b)二つ以上のカルボキシル、ヒドラジジル、アミノおよび/またはチオール基
を含有するスペーサー、を含み、 ここで、架橋は医薬用薬剤の存在下で実施され、ポリマー(類)とスペーサーの
カルボキシル基と、ヒドラジジル、アミノおよびまたはチオール基の間のカルボ
ジイミド結合により触媒作用をうける。
【0012】 本発明のさらに他の実施態様によれば、適切な条件下で以下のものを反応させ
ることを含む架橋粒子の製造方法を提供することである。それらの成分は、 a)粒子を形成しうる、いずれも、活性なカルボキシル、ヒドラジジル、アミノ
および/またはチオール基を含有する一種以上のポリマー、および b)二つ以上のカルボキシル、ヒドラジジル、アミノおよび/またはチオール基
を含有するスペーサー、であり、 ここで、架橋はポリマー(類)とスペーサーのカルボキシル基と、ヒドラジジル
、アミノおよびまたはチオール基の間のカルボジイミド結合により達成されるも
のである。
【0013】 本発明の別の実施態様によれば、架橋粒子を一つ以上の医薬用薬剤に反応させ
ることを含む一つ以上の医薬用薬剤を含む組成物の製造方法を提供するものであ
り、該粒子は、 a)粒子を形成しうる、いずれも、活性なカルボキシル、ヒドラジジル、アミノ
および/またはチオール基を含有する一種以上のポリマー、および b)二つ以上のカルボキシル、ヒドラジジル、アミノおよび/またはチオール基
を含有するスペーサー、よりなり、 ここで、架橋はポリマー(類)とスペーサーのカルボキシル基と、ヒドラジジル
、アミノおよびまたはチオール基の間のカルボジイミド結合により達成される。
【0014】 本発明のさらに別の実施態様によれば、患者の体内で医薬用薬剤を調節しなが
ら放出する方法を提供するもので、該患者に架橋粒子に内包された医薬用薬剤を
含有する組成物の有効量を投与することを含み、ここで、該粒子は a)内包性の粒子を形成しうる、いずれも、活性なカルボキシル、ヒドラジジル
、アミノおよび/またはチオール基を含有する一種以上のポリマー、および b)二つ以上のカルボキシル、ヒドラジジル、アミノおよび/またはチオール基
を含有するスペーサー、を含有している。
【0015】 これら実施態様において、スペーサーとしては化学式が NH2NHCO−R−CONHNH2 であるものが好ましい。ここでRは、直接つないでいる結合であるか、直鎖、分
岐鎖または環状のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基またはアリール基で
あり、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基においては、その炭素原子数が
10までのものである。また、スペーサーを以下の化合物からなる群より選んで
も良い。すなわち、ヒドラジン、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド
、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、
マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジドまたはブタジエン酸ジヒドラジ
ド、グルタミン酸ジヒドラジド、アスパラギン酸ジヒドラジド、リンゴ酸ジヒド
ラジド、酒石酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒド
ラジド、およびフタル酸ジヒドラジドからなる群である。
【0016】 さらなる実施態様において、スペーサーを以下の化合物からなる群より選んで
も良い。すなわち、マロン酸、マレイン酸、リンゴ酸、クエン酸、グルタミン酸
、アスパラギン酸、コハク酸、アジピン酸、グルタル酸、ジメチルグルタル酸、
シュウ酸、フマル酸、フタル酸、酒石酸、イソフタル酸、およびテレフタル酸、
およびそれらの分岐アルキル誘導体で、該アルキル誘導体のアルキル基は炭素原
子数が10までであるようなものからなる群である。
【0017】 さらに別の実施態様においては、スペーサーは少なくとも一つの反応性カルボ
キシル基と少なくとも一つの反応性ヒドラジジル基を含有する。また、スペーサ
ーに少なくとも一つの生分解性の結合を含んでいてもよい。生分解性の結合とし
てはエステル結合でもよく、たとえば、スペーサーがアミノ酸の2−アミノエチ
ルエステルの場合である。好ましい実施態様としては、スペーサーがグリシンま
たはフェニルアラニンの2−アミノエチルエステルか、またはそれらのスクシン
イミジル誘導体の場合である。グリシンおよびフェニルアラニンの2−アミノエ
チルエステルのジスクシンイミジル誘導体をN,N’−ジスクシンイミジル−(
2−アミノ−2−ベンジルエタン酸)、N,N’−ジスクシンイミジル−2−ア
ミノ−エチル−エタン酸、エチレングリコールビス(スクシンイミジルスクシネ
ート)からなる群より選ぶのも好ましい実施態様である。
【0018】 架橋粒子は目標の化合物と共有結合していてもよい。他の実施態様においては
、医薬用薬剤は以下のものからなる群より選ばれる。すなわち、ペプチドおよび
タンパク質医薬品、DNA、RNA、)、抗体、ワクチン、造影剤、ホルモン、
多糖、抗生物質、抗凝血剤、免疫調節剤、細胞障害性薬剤、ステロイド、うっ血
除去剤、麻酔剤、鎮静剤からなる群である。より好ましい実施態様では、医薬用
薬剤は次の群より選ばれる。すなわち、カルシトニン、エリトロポイエチン、ト
ロンボポイエチン、顆粒状コロニー刺激因子、幹細胞因子、黄体形成ホルモン放
出ホルモン(LHRH)類縁体、ソマトスタチン、インスリン、インターフェロ
ンおよびプラスミノーゲン活性化阻害剤からなる群である。
【0019】 本発明におけるこの他の目的、特徴、長所などは以下の詳細な記述において明
らかになるであろう。しかしながら、発明の好ましい実施態様を示すための詳細
な記述や特定の実施例は、単に説明を目的とするだけのものである。この詳細な
説明により、本発明の精神および範囲の中で種々の変更・改善を加えうることは
、熟練当業者には明らかなところであるからである。
【0020】 発明の詳細な説明 不安定であること、取り込みが不十分であること、または放出速度が不適切で
あることにより、効能が失われる恐れのある薬剤を送達するのに有用である架橋
結合粒子が提供される。特に、本発明によって包含される薬剤としては、タンパ
ク質分解減成が生じるかまたは胃および小腸内では不安定であるペプチドおよび
タンパク質薬品が含まれる。
【0021】 一般に、治療薬を投与する好適な方法は、腸を介するもの、特に経口ルートに
よるものである。この方法は投与が容易であり、このため患者の容認度も高い。
しかし、現在、経口ルートを介して効果的に送達することができない治療薬は多
い。このような薬剤の例としては、ペプチドおよびタンパク質薬品があり、これ
らには、カルシトニン、エリトロポイエチン、トロンボポイエチン、無顆粒球コ
ロニー刺激因子、幹細胞因子、LHRHアナログ、ソマトスタチン、インシュリ
ン、インターフェロン、プラスミノゲン活性阻害剤、組換え抗体、およびモノク
ローナル抗体が含まれる。本発明においては、用語「薬剤」はいかなる意味にお
いてもペプチドおよびタンパク質薬品に限定されるものではなく、本発明の架橋
結合粒子を用いることによって送達が支援され得るすべての治療薬、予防薬また
は診断薬を含む。例えば、DNAおよびRNA(センスまたはアンチセンス)種
、抗体、ワクチン、ならびにもっと伝統的な化学療法薬の送達が想定される。従
って、用語「薬剤」は、単純な有機または無機化合物、栄養剤、および金属、放
射性同位体、放射線不透過性または放射線透過性薬剤などの造影剤を包含するも
のとする。「伝統的な」化学療法薬の例としては、ホルモン、ヘパリンなどの多
糖類、抗体、抗炎症性化合物、抗ウィルス、欠陥作用剤、神経刺激剤、抗凝固剤
、免疫調節剤、細胞毒性剤、ステロイド、鬱血除去剤、麻酔薬、鎮静剤、および
他の治療、予防または診断のために患者に送達する必要のある薬剤が含まれる。
上記に列挙した薬剤種類はすべてを網羅するものではない。
【0022】 さらに、本発明の薬剤はさまざまな形態で、例えば、電荷または非電荷分子と
して、分子錯体の成分として、塩、アミン、エーテル、エステル、またはアミド
類として、もしくは問題の薬剤の他の誘導体または前薬剤として存在することが
できる。
【0023】 本発明は薬剤の腸内送達に制限されない。例えば、薬剤の非経口送達の場合も
また、標的器官または標的部位に達するために薬剤が体内の関門(胃腸粘膜以外
)を貫通しなければならないときなどに、本発明の利点が得られる。このような
障害物の1つの例としては、血液脳関門がある。さらに、薬剤を、特定の活性部
位に送達しそこに保持することもできる。
【0024】 本発明においては、用語「架橋結合」は、粒子を含むポリマー内および/また
はポリマー間に共有化学結合が導入されることを示す。この架橋結合により、粒
子の安定性が高まり、これにより内部に捕捉された薬剤がより良好に保護され、
また薬剤放出のタイミングおよび速度に対して行い得る制御レベルが向上する。
【0025】 本発明の架橋結合技法は、既知のまたは将来考案されるかもしれないすべての
粒子タイプに対しても、その粒子のポリマー成分が反応性カルボキシル基、ヒド
ラジジル基、アミノ基および/またはチオール基を含むか、または含むように改
変することができるならば、適用することができる。本明細書においては、用語
「反応性」とは、これらの基が好ましくは粒子の外表面に存在し、他の官能基に
よって妨害されず、よって本発明によって包含される架橋結合反応が生じること
が可能となることを示す。
【0026】 また、用語「粒子」は、その立体形状または配座に関係なく、薬剤を送達する
すべての粒子を包含する。本発明の粒子は、薬剤を完全にまたは部分的に包容す
るか、または薬剤を粒子のポリマーマトリックス内に捕捉するものであるとよい
。既に微粒子またはナノ粒子として分類されている粒子がこの定義の範囲に含ま
れる。よって、平均粒径は約10nmから900μmの間であるのがよい。例え
ば、薬剤の制御放出のために体内の特定の領域に配置される移植片として働くよ
うに意図された粒子は、平均粒径が400〜800μmであるのが適切である。
一方、細胞による内面化(internalisation)、または胃腸粘膜を通る輸送を必要 とする粒子は約10μmより小さい平均粒径がよい。これに対して、皮下投与さ
れる粒子は、粒子が全身循環に再侵入するのを防ぐために平均粒径が10μmよ
り大きいのが適切である。
【0027】 使用される粒子の形状および立体配座は、その粒子の意図された用途に依存す
る。詳しくは、粒子形状または配座は、送達される薬剤の立体形状すなわち配座
についての知識に基づいて選択するのがよい。
【0028】 以下の文献は、本発明に関連して使用することができるか、または使用するよ
うに改変することができる様々なタイプの粒子について述べている。これらの文
献は全体が本明細書において参考として援用される。文献およびこれらに開示さ
れる粒子タイプについての以下の列挙はすべてを網羅するものではない。米国特
許第5,352,461号、国際特許公開WO88/01213、Bergeronら、J. Am. Chem. Soc.,
1995, 117, 6658-6665、国際特許公開WO96/29991、欧州特許第6712169号、なら びに米国特許第4,835,248号および第5,041,291号。
【0029】 一般的に、薬剤送達用粒子は多くの方法により形成することができる。それら
のいくつかを以下に概略的に示す。これらは、いかなる意味においても本発明の
意図された範囲を制限するものではない。
【0030】 (i)溶剤蒸発 この技法では、ある溶剤に溶解している化合物を非混和性溶剤中に分散させ、
第1の溶剤を蒸発により除去する。この方法で形成される粒子は、多くの水に不 溶の化合物を非経口投与するために使用されている。このような系の例としては
、抗菌剤であるグリセオフルビンを内部に捕捉するポリ乳酸−グリコール酸ナノ
粒子の形成が挙げられる。
【0031】 (ii)脱溶解(Desolvation) この方法では、化合物を第1の液体(溶剤)に溶解させて、この溶剤に第2の液
体(第1の液体に混和するが、この化合物は溶解しない)を加える。第2の液体の
添加量が多くなるに従って、化合物は脱溶解される。脱溶解プロセス中、化合物
富有相(コアセルベート)は、化合物不足相中の微小滴として分散している富有
量の化合物を含む。この段階で、この合体材料を適切な架橋結合剤によって科学
的に架橋結合させ、微粒子またはナノ粒子を形成することができる。このように
してゼラチンまたはBSAのナノ粒子を調製することができる。これらタンパク
質の溶液を硫酸ナトリウムまたは硫酸アンモニウム溶液を添加することによって
脱溶解させる。脱溶解の時点で濁度が増加する。この時点で、グルタルアルデヒ
ドまたはブタンジオン(butanedione)などの適切な架橋結合剤を添加することに よって、ナノ粒子を形成することができる。
【0032】 (iii)複合コアセルベーション この方法では、反対の電荷を有する2つの高分子電解質を水様媒体中で混合し
て、自発的な液体/液体相分離を生じさせる。この現象は、適切なイオン電荷密
度および鎖長を有するポリマーに限定される。典型的には、これらのミクロスフ
ェアは、ポリグルタミン酸、カルボキシメチルセルロース、アラビアゴム、アル
ギナート、またはポリリン酸塩などのポリアニオンを、ゼラチンまたはポリリシ
ンなどのポリカチオンに添加することによって形成される。
【0033】 (iv)ポリマー/ポリマー不相溶性 この方法は、共通の溶剤に溶解した2つの化学的に異なるポリマーが通常は不
相溶であるという観察に基づく。従って、この混合物は2つの相を形成する傾向 にある。不溶相を用いてコア粒子をコートしてマイクロカプセルを形成する。1
つの例は、ポリエチレンを添加することによってシクロヘキサンからエチレンセ
ルロースを沈殿させることであろう。
【0034】 (v)界面重合化 この技法では、それぞれが相互に不混和の液体に溶解した2つの反応物が、こ
れら2つの液体間の界面に分散し、ここで反応してカプセル壁を形成する。この
ようなカプセル形成の例は、油相中に溶解した塩化セバコイル(Sebacoyl)の混
合物をエチレンジアミンを含有する水様相中に乳化させる場合に生じると考えら
れる。
【0035】 上記の記載から分かるように、様々な異なる種類のポリマーから、薬剤送達に
使用することができる粒子を形成することができる。
【0036】 本発明の粒子を架橋結合させるプロセスは、粒子を形成する1つのポリマーま
たは複数のポリマーのカルボキシル基、ヒドラジジル基、アミノ基、および/ま
たはチオール基を、2つ以上のカルボキシル基、ヒドラジジル基、アミノ基、お
よび/またはチオール基を含むスペーサを用いて反応させることによって行われ
る。この反応は典型的には少なくとも1つのカルボジイミドの存在によって引き
起こされる。好適な架橋結合反応としては、ヒドラジドとカルボキシル基との間
のヒドラジドボンドの生成、アミンとカルボキシル基との間のアミドの生成、カ
ルボキシル基とチオール基との間のチオエステルの生成、および2つのチオール
基間のジスルフィドの生成が挙げられる。選択された粒子系の1つまたは複数の
ポリマーが反応性カルボキシル基、ヒドラジジル基、アミノ基、および/または
チオール基を含まない場合は、これを行うように化学的に改変する必要があるこ
とは当業者であれば明瞭に理解されよう。典型的な反応では、カルボキシル基を
含有するポリマーを、そのポリマーをジヒドラジジルスペーサおよび適切なカル
ボジイミドと反応させることによって、ヒドラジジル基に置換させることができ
る(実施例7および8、ならびにRussell-Jonesら、Bioconjugate Chemistry, 6
, 459-465参照)。
【0037】 本発明で使用するのに適したポリマーとしては以下のものが挙げられるが、こ
れらに限定されない。ポリグルタミン酸、ポリアスパラギン酸、およびポリリシ
ンなどのポリアミノ酸;ポリ(N−アシルヒドロキシプロピンエステル;ポリセ
バシン酸、ポリフマル酸;ポリ乳酸;ポリグリコール酸;ポリ乳酸−co−グリ
コール酸;カルボキシメチルセルロース;アラビアゴム;アルギナート;ポリリ
ン酸塩:ヘパリン;ゼラチン;セバシン酸とフマル酸とのコポリマー;ビスカル
ボキシフェノキシプロパンとセバシン酸とのコポリマー;ポリカルボキシフェノ
キシ酢酸;ポリカルボキシフェノキシ吉草酸;ポリ−ε−カプロラクトンおよび
関連ポリマー(ポリ−ε−カプロラクトン−co−δ−バレロラクトン、ポリ−
ε−カプロラクトン−co−DL−乳酸);ヒアルロン酸;キチン;キトサン;
デキストラン;カルボキシ−デキストラン;コラーゲン;アルブミン;フィブリ
ノゲン;および他の天然に生じるポリマー。 図式1は、本発明によって想定される反応図式の例を示す。この図式では、先
ずトリカルボン酸、クエン酸が2倍モル超過のEDACおよびNHSと反応する
。得られるジスクシニミジルエステルをアジピルヒドラジジド改変ポリマーと反
応させて、共有架橋結合ポリマーを形成する(実施例8参照)。
【0038】
【化1】
【0039】
【化2】
【0040】 以下の図式2は、本発明によって想定される一般的な反応図式の別の例を示す
。図式2では、ポリマーのカルボン酸が、1/2モル等量のアジピルジヒドラジ
ドの存在下でEDACと反応して、共有架橋結合ポリマーを形成する(実施例3
参照)。
【0041】
【化3】
【0042】 本発明によれば、本発明で用いることができるカルボジイミドのタイプには特
別な制約はないが、いくつかの特に好適なカルボジイミドとして以下のものが挙
げられる。N−エチルーN’−(3−ヂメチルアミノプロピル)−カルボジイミ
ド(EDCまたはEDACとして知られる)、NN’−ジシクロヘキシル−カル
ボジイミド(DCC)、N’−ジイソプロピル−カルボジイミド、N’N’−ジ
−タート−ブチルカルボジイミド1−シクロ−ヘキシル−3−(4−ジエチルア
ミノシクロヘキシル)カルボジイミド、1,3−ジ−(4−ジエチルアミノシク
ロ−ヘキシル)カルボジイミド、1−シクロヘキシル−3−(ジエチルアミノエ
チル)カルボジイミド、1−シクロヘキシル−3−(2−モルホリニル−(4)
−エチル)カルボジイミド、1−シクロヘキシル−3−(4−ジエチル−アミノ
シクロヘキシル)カルボジイミド(Sheehanら、J. Org. Chem. 21, 439-441 (19
56))。実際において、活性エステルを生成する任意の「カップリング剤」、例 えば、BOP、PyBOP、TSTU、HBTU、TBTU、HBPyU、DP
PA、IIDQ、EEDQを用いることができる。これらのカップリング剤はペ
プチド合成の分野では周知である。
【0043】 本発明によって想定されるジヒドラジドスペーサは、以下の一般式Iによるも
のを含むが、これらに限定されない。 NH2NHCO−R−CONHNH2 式I ここでRは直接ボンド、もしくは直鎖、側鎖または環状アルキル基、アルケニル
基、アルキニル基またはアリール基を表す。Rは好ましくは10個までの炭素原
子を含む。
【0044】 好適なジヒドラジドは以下のものから選択されるが、これらに限定されない。
シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、リンゴ酸ジヒドラジド、ノルボ
ルネン(norbornene) ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジド、酒石酸ジヒドラジ ド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド
、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、またはブタジエン酸(butad
ienoic)ジヒドラジド。またジヒドラジンを用いてもよい。
【0045】 本発明により利用することができるカルボン酸スペーサとしては以下のものが
ある。マロン酸、マレイン酸、クエン酸、グルタミン酸、アスパラギン酸、コハ
ク酸、アジピン酸、グルタル酸、ジメチルグルタル酸、シュウ酸、フマル酸、フ
タル酸、酒石酸、イソフタル酸、テレフタル酸、およびこれらの側鎖アルキル誘
導体。
【0046】 スペーサはまた、2つ以上のカルボキシル基、ヒドラジジル基、アミノ基、お
よび/またはチオール基を含むことが可能であり、さらには、カルボキシル基、
ヒドラジジル基、アミノ基、および/またはチオール基の組み合わせでもよい。
これはポリマー上に存在する反応基の性質に依存する。すなわち、ポリマー上に
カルボキシル反応基のみが存在する場合は、ヒドラジジル反応基、アミノ反応基
、またはチオール反応基を含むスペーサを用いるとよい。これは他の反応基の場
合も成り立つ。ポリマーが例えばカルボキシル基とヒドラジジル基の両方を含む
場合は、スペーサもまたこれら反応基の両方を含むのが適切であろう。
【0047】 一般に、架橋結合反応を行う場合に用いなければならない条件は、単に、必要
とされる架橋結合レベルに依存して、ほぼモル等量のスペーサおよびカルボジイ
ミドを提供することである。次に約2〜24時間、好ましくは少なくとも4時間
反応させて、架橋結合を進行させ終了させる必要がある。蒸留水またはPBS、
塩水、ヘペスなどの他の適切な緩衝液に対して透析を行うことによって、架橋結
合したカプセル状の粒子を取り出すことができる。
【0048】 薬剤は、好ましくは粒子を生成するのに必要な成分の混合物内に薬剤を含める
ことによって、粒子形成時に粒子内に組み込むことができる。もしくは、高分子
電解質錯化を介してナノ粒子を形成する場合などでは、薬剤を、その溶解度に依
存してポリカチオンまたはポリアニオン相のいずれかに混入させて、その混合物
を徐々に沈殿相に添加することができる(実施例1および2を参照)。
【0049】 本発明の好適な実施形態では、スペーサは、特定の環境下で制御しながら減成
させることができる生物分解性リンケージを含む。例えば、所定の環境下で切断
されるリンケージユニットをスペーサに取り込んで、これにより、その生物分解
性リンケージが、粒子がその捕捉している薬剤を放出できるように切断されるよ
うにすることが可能である。これらの生物分解性リンケージは、特に所望の環境
下でリンケージの切断が可能となるように仕向けることができる。いくつかの生
物分解性リンケージの例としては、所定の条件下で切断可能なジスルフィドボン
ド、アゾ基およびエステルが挙げられる。適切なチオール切断リンカーとしては
、シスタミン、シスチン、および酸化グルタチオンがある。後者の2つはNHS
およびカルボジイミドにより活性化され、ヒドラジジル基を架橋結合するために
用いることができる。ペンダントヒドラジジル基と直接反応し得る他のチオール
切断可能架橋結合剤としては、とりわけ、ビス−[β−(4−アジドサリチルア
ミド)エチル]ジスルフィド、ジチオビス−(スクシニミジルプロピオネート)
、ジメチル3,3’−ジチオビスプロピオニミデート、3,3’−ジチオビス(
スルホスクシニミジルプロピオオネート)、スルホスクシニミジル2−(m−ア
ジド−o−ニトロベンズアミド)エチル−1,3’−ジチオプロピオネート、N
−スクシニミジル6−(4’−アジド−2’−ニトロフェニル−アミノ)ヘキサ
ノエート、およびスルホスクシニミジル−2−(p−アジド−サリチルアミド)
エチル−1,3−ジチオ−プロピオネートが挙げられる。
【0050】 適切なエステラーゼ切断可能リンケージとしては、グリシンの2−アミノエチ
ルエステル、フェニルアラニンの2−アミノエチルエステルを含む既知のアミノ
酸の2−アミノエチルエステル、およびN,N’−ジスクシニミジル−(2−ア ミノ−2−ベンジル−エタノエート、N,N’−ジスクシニミジル−2−アミノ −エチル−エタノエート、およびエチレングリコールビス[スクシニミジルスク
シネート]を含むこれらのジスクシニミジル誘導体から形成されるものが挙げら
れる。
【0051】 本発明の別の実施形態によれば、本発明の架橋結合粒子を、アクティブに胃腸
粘膜を通って吸収されるかまたは腸上皮細胞に結合される化合物(以後「標的化
合物」と呼ぶ)にリンクさせることが可能である。例えば、本発明の粒子をビタ
ミンB12またはそのアナログにリンクさせることができ、これが粒子を内因子(
IF)に結合させて、これにより錯体が腸からアクティブに取り込まれることが
可能になる。このような標的化合物の使用については、WO87/02251、PCT/AU94/0
0273、およびPCT/AU94/00274に記載されている。これらの文献は本明細書におい
てその全体が参考として援用されている。
【0052】 本発明の粒子はまた、通常バクテリアおよびウィルスの表面に存在しまた腸上
皮に特異的に結合し得るウィルス付着因子、バクテリアの繊毛、毒性結合サブユ
ニット、血球凝集素、レクチンまたはバクテリアインベーシンにリンクさせるこ
とができる。従って、これらの原因物質に結合することによって、腸上皮を標的
とする(薬剤の腸内通過を遅らせる)ことができるか、または、標的分子および
付着薬剤の腸上皮細胞壁を通しての取り込みおよびトランスサイトーシスを誘引
することができる。
【0053】 バクテリア付着因子のいくつかの例としては、IgA結合タンパク質(ARP
2、ARP4、bac;Fischetti, ASM News, 62, 405-410 (1996))、グルー プB連鎖球菌からのIgA結合タンパク質(Russell-Jonesら、1984);ibc 抗原への特別な関連を有するグループB連鎖球菌のタンパク質抗原、Russell-Jo
nesら、J. Exp. Med., 160, 1476-1484 (1984);フィブリノゲン結合タンパク質
(Mrp4、Sfb、PrtF、fnbA、FnBP、FnBP;Fischetti、19
96上掲)などの様々なStreptococcal種から単離されるタンパク質、ならびにS.a
ureusからのコラーゲン結合因子(cna)および凝集因子(clfA)が挙げ られる。 バクテリアの上皮表面への付着を担当することが示されている他の構造体とし
ては、繊条表面付着因子または繊毛がある。これらの付着因子としては、K88
、K99(Mouricoutら、Infect. Immun., 58, 98-106 (1990))、新生子牛およ
び子豚に生息するE.coli上に見られるF41および987P繊毛、ヒトに下痢を
生じさせるE.coli株上に見られるCFAIおよびCFAII繊毛、ならびにPseu
domonas aeruginosaPAK繊毛(Irvinら、Infect. Immun., 57, 3720-3726 (19
89);Doigら、Infect. Immun., 58, 124-130 (1990))が挙げられる。また、ヒ ト腎盂腎炎に関連するE.coli株から単離されるタイプ「P」繊毛がある(Isberg 、Science, 252, 934-938 (1991))。A.viscosisおよびA.naeslundii上にそれぞ
れ見られるタイプ1およびタイプ2フィムブリエもまた、これらバクテリアの付
着およびこれに続く内面化に潜在的な役割を果たす。同様に、N.gonorrhoeaeの 表面の36kDaタンパク質が、これら有機体のヒト上皮細胞の表面ラクロシル
セラミドへの結合に関係しており、上皮細胞によるこれらの有機体の取り込みを
担当しているかもしれない(Paruchuriら、Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 87,
333-337 (1990))。
【0054】 多くのバクテリアが、バクテリアインベーシンとして知られる、これらバクテ
リアの上皮侵入を担当しているとされる繊毛とは異なる表面構造体を有している
。これらは本発明により使用することができる。例えば、L.Manocytogenes のi
nlA遺伝子によってコードされる表面タンパク質であるインターナリンは、腸
上皮細胞内のListeriaの内面化を担当する(Cossart、J. Cell. Biochem. Suppl
. BOOI, pp.36 (1994);Falkow、Cell, 65, 1099-1102 (1991);Mengaudら、Cel
l, 84, 923-932 (1996);Lingnauら、Infect. Immn., 63, 3896-3903 (1995);D
reversら、Infect. Immun., 63, 4268-4276 (1995))。Listeriaの内面化は上皮
細胞上のE.cadherinへのインターナリンの結合に続いて誘発される(Falkow、19
91上掲;Mengaudら、1996上掲)。インターナリンと同様の機能を有するタンパ ク質がYersinia pseudotuberculosisの表面に見られる。このタンパク質、イン ベーシンは、Y. pseudotuberculosisの外膜内に位置する986アミノ酸タンパ ク質である(Falkow (1991)上掲;Isberg (1985)上掲。Yersinia pseudotuberc
ulosisによってコードされる単一遺伝子座により、Escherichia coliK−12に
よる培養動物細胞の侵入が可能となる)。E.coliK12など他のグラム陰性バク
テリアの表面上でのこのタンパク質の発現により、これらの細胞は効率的に上皮
細胞に付着し上皮細胞によって内面化され得る(Falkow (1991)上掲;Isbergら(
1985)上掲)。同様に、インターナリンによりコートされたラテックス粒子は、 培養哺乳類細胞によって内面化される(Isberg (1991))。Y.pseudotuberculosi
sからの第2のタンパク質、ail遺伝子産物が多くの真核細胞へのこれらの有機
体の結合を担当するが、2〜3の細胞タイプでの取り込みを促進させるだけであ
る(上掲)。
【0055】 本発明の粒子とリンクするのに適したその他の構造体/たんぱく質には、ウィ
ルス性赤血球凝集素として知られるウィルスの表面構造体に結合した後に、腸管
または気道上皮に到達する多くのウィルスの表面たんぱく質が含まれる。このよ
うに特異的に結合するたんぱく質はロタウィル(VP7)、アデノウィルス、ノー
ウォークウィルスの表面に見出されていた[フクハラ(Fukuhara)ら, J.Virol,62,
2209-2218 (1988); ヨルケン(Yolken), Lennette (編) Vol.6; 273-291 (1985)]
。同じように表面赤血球凝集素もインフルエンザの取り込みと初期結合の後にウ
ィルスの酸誘発融合を膜に誘発することが示唆されてきた[ワルトン(Wharton)
ら,J. Biol. Chem., 263; 4474-4480(1988)]。
【0056】 その他の赤血球凝集素分子はロタウィルスなどのウィルス表面に存在し、腸管
上皮細胞を跨ぐこれらのウィルスの結合、インターナリゼーションおよびトラン
スサイトーシスを助けている[ケルヨ(Keljo)ら,J. Ped. Gastroenterol. Nutrio
n, 7, 249-256(1988)]。しかしながら、一部ウィルスのエンドサイトへの結合の
後に表面赤血球凝縮素が分割し、結果的にエンドサイトーシスでなく細胞膜の直
接的穿通でウィルスの細胞内進入を可能にする融合誘導たんぱく質の生成を示唆
する証拠がある[ケルヨ(Keljo)ら,J. Virol, 62, 1136-1144(1988);フクハラ (Fukuhara)ら, (1988) 同]。このような分子は腸管上皮細胞への薬剤ターゲッ
トに幾分の用途があると思われるが、エンドサイトーシスされた物質はトランス
サイトーシスされないので血液循環への薬剤送達には適当でないと思われる。
【0057】 粘膜取り込みおよび線毛、ウィルス性赤血球凝縮素などの付着因子の輸送を別
にして、分子を種々の毒素や植物レクチンの結合サブユニットに共有結合的にリ
ンクさせ、経口投与の後にリンクした分子の取り込みを誘発する可能性も見出さ
れた。本発明に拠る受容体仲介取り込みを創始する殆どの関連毒素はABnサブユ ニット構造から成るもので、サブユニットAが毒性の要因であり、Bサブユニット
は毒素の特異的結合ユニットとして機能する。これらの毒素には、大腸菌易熱性
毒素、コレラ毒、カンピロバクター・ジェジュニ(Campylobacter jejuni)易熱性
毒素、C.ボツリヌスC2毒素、破傷風毒素、ジフテリア毒素などのコレラ毒素様分
子およびシュードモナス外毒素A(シアース(Searsら,Microbiol. Rev. 60, 167-2
15(1996); ワクスマン (Waksman) ら, Biochem.Biophys.Acta, 614, 249-296(19
80)) 、ベロトキシン、シガ毒素 [オカーマン (Okerman), Veterinary Microbiol
, 14, 33-46(1987)] が含まれる。これらの毒素はすべて毒性の活性を発揮する ために先ず膜に結合し、次に膜を越えなければならないという共通の特性を共有
する。上皮細胞に結合し、上皮細胞によってインターナライズされるのはこの毒
素の能力であり、それによって分子が上皮細胞内部に輸送し、或いは上皮細胞を
跨いで分子を輸送する適宜な伝達体となる。
【0058】 一般構造AB の幾つかの植物毒素は細胞に結合してインターナライズされる可 能性を持つことが特定され、本発明に拠るターゲッティングに適宜な分子である
。これらの毒素はすべて経口投与で活性を示し、それゆえに腸細胞に結合し、腸
細胞によってインターナライズされる能力を有する。これらの毒素にはリシン、
アブリン、ビスカミン、モデシンおよびD-ガラクトースに結合するボルケンシン
が含まれる[スチルペ(Stirpe)ら,FEBS, 195,1-8(1986)]。腸管上皮細胞に結合
して取り込みを起こす可能性があるその他のA-B毒素には、ボツリヌス毒素(C.ボ
ツリヌスからの)が含まれる[ブラウステイン(Blaustein)ら,FEBS, 225,115-120
(1987)]。
【0059】 本発明は患者体内に制御された薬剤を放出する重要な方法に関し、患者は本発
明になる架橋粒子でカプセル化されたまたは内包された薬剤からなる組成物を投
与される。広い意味では、この方法はどんな脊椎動物の治療、予防または診断に 用いることができるが、対象とする動物は哺乳類が好適である。特に好適な動物
はマウス、モルモット、ウサギなどの実験膨物、猫、犬などの家庭用動物、ウマ
、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ブタなどの飼育動物、ライオン、トラ、像などの捕獲さ
れた野生動物、人、チンパンジーおよびサルなどの霊長類である。
【0060】 本発明になる架橋粒子との複合で与えられた場合に送達される薬剤の有効量は
種々のファクタに左右される。これらファクタの本質は当業者には明らかであろ
う。たとえば関連するファクタには、対象とする脊椎動物の種、年齢、性、動物
が罹患している障害、罹患のし易さ、動物の身長および体重、送達する薬物の種
類が含まれる。投与用量は架橋粒子が取り込みを助けるほかの物質とリンクして
いるかどうか、粒子の安定性、カプセル化されたまたは内包薬物の放出にわたっ
て制御されるレベルにも左右され、これらは架橋の程度および架橋の種類に関連
する。これらのファクタすべてが当業者によって考慮されて適切な用量が確定さ
れる。薬剤の最適または適切な用量の決定に用いられるルーチンな投与量計画は
当業者に周知である。
【0061】 本発明に拠る組成物は1種類以上の薬剤に適切な担体および/または賦形剤と 共に投与することもできる。担体または賦形剤の種類は投与経路、架橋粒子の性
質、対象とする薬剤の性質などのファクタに依存する。適切な薬剤の担体および
賦形剤に関する完全な考察がワデ(Wade)、ウェーラー(Weller)編、「薬剤賦形剤
ハンドブック(HANDBOOK OF PHARMACEUTICAL EXCIPIENTS)」第2版(1994,The Ph
armaceutical Press, London)に記載があり、その全てを参照して本明細書の一 部とする。
【0062】 上述したように、本発明になる組成物は腸内または非経口投与のいずれでも投
与可能である。本発明に拠る好適な実施例では経口投与であるが、投与経路はた
とえば直腸投与、或いは胃または小腸への直接投与も可能である。さらに、本発
明になる組成物は筋内、腹腔内、皮下、目、耳、窒内、局所的、臓器内直接また
は他の非経口的手段で投与することもできる。これらの手段を経由する投与では
、組成物が前掲「薬剤賦形剤ハンドブック」記載の適切な担体および/または賦
形剤とともに適切な投与容量形態で与えられる必用があることを当業者は察知す
るであろう。
【0063】 本発明をこのように一般的に説明したが、本発明は以下に非限定的に例示した
実施例を参照することによってより詳細に理解されるであろう。
【0064】
【実施例】
実施例1.ゼラチンおよびカルボキシメチルセルロースを用いる高分子電解質 複合体生成を経由する含インスリンナノ粒子の合成 カルボキシメチルセルロース(低粘度、50~200cps)を蒸留水(DW)に5%で溶解 し、1M塩酸でpHを3.9に調整した。ゼラチン(Bloom175)をDWに5%で溶解し、1M塩 酸でpHを3.9に調整した。20mMのHClにインスリン20mg/mlを溶解し、400μlを60
℃に加熱したゼラチン4.0mlに加えた。インスリン/ゼラチン混合物を激しく撹 拌しながらカルボキシメチルセルロース(5%)2.0mlに加えた。撹拌を15分継続し 、この間に12mlのDWを加えた。アジピルヒドラジド(100mg/ml DW,48mg)を溶液
に加え、次にEDTA(100mg/ml)48mgを加えた。溶液を4時間以上撹拌した後にDWに 対向させて完全透析した。
【0065】 実施例2.高分子電解質複合体生成を経由する含インスリンゼラチン/ポリグ ルタメートナノ粒子の合成 ポリグルタメート(17,500MW)を蒸留水(DW)に0.25%で溶解し、1M塩酸でpHを3
.9に調整した。ゼラチン(Bloom175)をDWに5%で溶解し1M塩酸でpHを3.9に調整し た。20mMのHClにインスリン20mg/mlを溶解し、350μlを60℃に加熱したゼラチ ン4.0mlに加えた。激しく撹拌しながらインスリン/ゼラチン混合物をゆっくり0
.25%のポリグルタメート4.0mlに加えた。撹拌を15分継続し、この間に8mlのDW を加えた。アジピルヒドラジド(100mg/ml DW,5mg)を溶液に加え、次にEDTA(10
0mg/ml)5mgを加えた。溶液を4時間以上撹拌した後にDWに対向させて完全透析し た。
【0066】 実施例3.高分子電解質複合体生成を経由する含インスリンゼラチン/アルギ ネートナノ粒子の合成 ナトリウムアルギネート(低粘度、250cps)を蒸留水(DW)に1.25%で溶解し、1
M塩酸でpHを3.9に調整した。ゼラチン(Bloom175)をDWに1.25%で溶解し、1M塩酸で
pHを3.9に調整した。l20mMのHCにインスリン20mg/mlを溶解し、1.0mlを60℃に
加熱したゼラチン5.0mlに加えた。激しく撹拌しながらインスリン/ゼラチン混 合物をゆっくりアルギネート(1.25%)10.0mlに加えた。撹拌を15分継続し、この 間に15mlのDWを加えた。アジピルヒドラジド(60mg@,100mg/ml DW)を溶液に加
え、次にEDTA(100mg/ml)60mgを加えた。溶液を4時間以上撹拌した後にDWに対向 させて完全透析した。
【0067】 実施例4.ラット腹腔内注入後のゼラチン/CMC高分子電解質複合体ナノ粒子か
らのインスリンのインビボ放出 雄性ウィスターラットを抑制装置に入れ、意識のあるラットの尾静脈から血液
試料を採取した。次にインスリン100μg用量または100μgのインスリンを含むゼ
ラチン/CMCナノ粒子のプレパラートのいずれかをラット腹腔内に注入した。注 入後60,120,180,240および300分にラット尾静脈から血液を採取した。収集した 血液を4℃で凝固させ、その後で血清を遠心分離した。血液のグルコースレベル を市販のSigma(#GAGO-20)などの標準グルコースアッセイを用いて測定した。結 果を図1に示す。
【0068】 実施例5.EDTAおよびアジピルヒドラジッド濃度を変動させることによる高分 子電解質複合体(PEC)ナノ粒子からのインスリン放出の修飾 PECナノ粒子からのインスリン放出速度を上記手順の任意の方法で生成したPEC
ナノ粒子の架橋に使用したEDTAおよびアジピルヒドラジッド濃度を変動させるこ
とで修飾した。放出速度は架橋リンカーの濃度を減少させることで増加した。逆
に、架橋リンカー濃度の増加で放出速度は減少した(図2参照)。
【0069】 実施例6.ヒドラジディル-ポリグルタミン酸の調製 ポリグルタミンをDWに25.8mg/mlでDWに溶解した。アジピルヒドラジド(87mg/m
l DW)をポリグルタメートに2:5の容積割合で加えた。固形EDTA(4mg/mlポリグル
タメート)を溶液に加え、2時間反応させた。得られた溶液をDWに対向させて完全
透析し、凍結乾燥した。
【0070】 実施例7.ヒドラジディル-カルボキシメチルセルロースの調製 カルボキシメチルセルロースをDWに25mg/mlでDWに溶解した。アジピルヒドラ ジド(87mg/ml DW)をポリグルタメートに2:5の容積割合で加えた。固形EDTA(4mg
/mlカルボキシメチルセルロース)を溶液に加え、2時間反応させた。得られた溶 液をDWに対向させて完全透析して凍結乾燥した。
【0071】 実施例8.インスリンを含有しアジピルヒドラジディル-ポリグルタミン酸とゼ
ラチンから生成させたPECナノ粒子の調製 アジピル-ヒドラジディル-ポリグルタメートをDWに2.5mg/mlでDWに溶解し、1.
0M塩酸でpHを3.9に調整した。インスリンを20mMのHClに20mg/mlで溶解し、60℃ に加熱したゼラチン溶液(Bloom175,10mg/ml DW, pH3.9)に加えてゼラチン中0.8m
g/mlのインスリン溶液とした。溶液を等容積の温(60℃)アジピル-ヒドラジディ ル-ポリグルタメートに激しく撹拌しながら加えた。撹拌を15分継続した後に溶液
を1:3 DWで稀釈した。クエン酸(100mg/ml)を等容積のNHS(100mg/mlアセトン)に
混合し、重量で2倍過剰のEDACと反応させてNHS-エステルを調製した。10分間活 性化した後にNHS2-クエン酸塩をマイクロ粒子にアジピル-ヒドラジディル-ポリ グルタメートと等重量で加えた。一晩かけて反応を進行させた後に反応物をDWに
対向させて完全透析した。
【0072】 実施例9.インスリンを含有しヒドラジディル-カルボキシメチルセルロースと
ゼラチンから生成させたPECナノ粒子の調製 アジピル-ヒドラジディル-カルボキシメチルセルロースをDWに25mg/mlでDWに 溶解し、1.0M塩酸でpHを3.9に調整した。インスリンを20mMのHClに20mg/mlで溶 解し、60℃に加熱したゼラチン溶液(Bloom175,8mg/ml DW, pH3.9)に加えてゼラ チン中0.8mg/mlインスリン溶液とした。溶液を1/2容積の温(60℃)アジピル-ヒド
ラジディル-カルボキシメチルセルロースに激しく撹拌しながら加えた。撹拌を15
分継続した後に溶液を1:3DWで稀釈した。クエン酸(100mg/ml)を等容積のNHS(10
0mg/mlアセトン)に混合し、重量で2倍過剰のEDACと反応させてNHS-エステルを生
成させた。10分間活性化した後にNHS2-クエン酸塩をマイクロ粒子にアジピル-ヒ
ドラジディル-カルボキシメチルセルロースと等重量で加えた。一晩かけて反応 を進行させた後に反応物をDWに対向させて完全透析した。
【0073】 実施例10.2-アミノエチル-2-アミノエタノエート(AEAE)の調製 (a)Boc-グリシンとBoc-エタノールアミンとのカップリング
【0074】
【化4】
【0075】 Boc-グリシン(12.0g,0.068mol)とカルボニルジイミダゾール(12.1g,0.074mo
l)とをDMF(50mL)に溶解した。激しくCO2を発生する溶液を室温で1時間撹拌した 。Boc-エタノールアミン(10.0g、0.062mol)のDMF(10mL)溶液を活性エステル溶液
に滴下させて加え、次にDIEA(11.9mL,8.80g,0.068mol)を加えて常温で一晩撹拌
を継続した。溶液を水(200mL)に注入しエーテル(3x75mL)で抽出し、炭酸水素ナ トリウム飽和液で洗浄した(1x100mL)。MgSO4で乾燥して溶媒を除去し無色油状生 成物(18.1g,92%)を得た。生成物はさらに純化しないで使用した。
【0076】 (b)Boc-保護基の除去およびスクシニル化 粗ジ-Bocエステル(22.9g,0.072mol)を0℃でトリフルオロ酢酸(20mL)に溶解した 。激しくCO2を発生する溶液を0℃で1時間撹拌した。トリフルオロ酢酸を減圧下 で除去し、残渣をアセトニトリル(30mL)に溶解してから溶媒を除去した。粗ビス
-TFA塩をTHF(20mL)に溶解し、固形無水炭酸カリ(20g)を加えて混合物を室温で1 時間撹拌した。溶液を乾燥し(Na2SO4)、溶液を無水コハク酸(22.7g、0.23mol)の
THF(120mL)溶液に濾過注入した。DIEA(30mL,22.3g,0.17mol)を加えてアルカリ
性溶液とし室温で撹拌を続けた。1時間間隔でDIEAのアリコート(5mL,3.7g,0.029
mol)を2回加えて24時間撹拌を継続した。減圧下で大部分のTHFを除去し懸濁物を
炭酸水素ナトリウム飽和溶液(200mL)と酢酸エチル(100mL)との2相溶液に注入し た。有機層を除去し水溶液層を酢酸エチル(100mL)で抽出した。水溶液層を塩酸(
10M)でpH1の酸性にして酢酸エチル(3x150mL)で抽出し、乾燥(Na2SO4)して溶媒
を除去した。残渣をエーテル(50mL)に懸濁させ0℃に冷却してから濾過して微細 な針状生成物(6.01g,25%)を得た。
【0077】 (c)ジヒドラジディルエステル架橋リンカーの調製
【0078】
【化5】
【0079】 前述の二酸(987mg,3.10mmol)のDMF(20mL)溶液にPyBOP(3.72g,7.15mmol)
とt-ブチルカルバゼート(950mg,7.19mmol)を加え、次にDIEA(2.20mL,1.65g,
0.013mol)を加えて室温で一晩撹拌を続けた。溶液を炭酸水素ナトリウム飽和溶
液(100mL)に注入し、酢酸エチルで抽出(3x50mL)、乾燥(MgSO4)して溶媒を除 去し、残った油状生成物をTFA(10mL)に溶解して室温で1時間撹拌した。エタノー
ルを加え(20mL)減圧下で溶媒を除去してジヒドラジドが黄色油状生成物として得
られた(506mg,47%)。
【0080】 実施例11.2-アミノエチル-2-アミノ-ベンジルエタノエート(AEABE)の調製 (a)Boc-フェニルアラニンとBoc-エタノールアミンとのカップリング
【0081】
【化6】
【0082】 Boc-フェニルアラニン(15.7g,0.059mol)とカルボニルジイミダゾール(10.1g
,0.062mol)とをDMF(60mL)に溶解した。激しくCO2を発生する溶液を室温で1時間 撹拌した。Boc-エタノールアミン(9.35g、0.058mol)のDMF(10mL)溶液を活性エス
テル溶液に滴下させて加え、次にDIEA(12.0mL,8.9g,0.069mol)を加えて常温で 一晩撹拌を継続した。溶液を水(200mL)に注入しエーテルで抽出(3x75mL)し、炭 酸水素ナトリウム飽和液で洗浄した(1x100mL)。MgSO4で乾燥して溶媒を除去し無 色油状生成物(18.15g,92%)を得た。生成物を最後に固形化させ、さらに純化しな
いで使用した。
【0083】 (b)Boc-保護基の除去およびスクシニル化
【0084】
【化7】
【0085】 粗ジ-Bocエステル(9.83g,0.024mol)を0℃でトリフルオロ酢酸(20mL)に溶解し た。激しくCO2を発生する溶液を0℃で1時間撹拌した。トリフルオロ酢酸を減圧 下で除去し、残渣をアセトニトリル(30mL)に溶解してから溶媒を除去した。粗ビ
ス-TFA塩をTHF(20mL)に溶解し、固形無水炭酸カリ(20g)を加えて混合物を室温で
1時間撹拌した。溶液を乾燥し(Na2SO4)、溶液を無水コハク酸(4.98g,0.050mol) のTHF(30mL)溶液に濾過注入した。DIEA(20mL,14.8g,0.11mol)を加えてアルカ リ性溶液として室温で24時間撹拌を続けた。減圧下で大部分のTHFを除去し懸濁 物を炭酸水素ナトリウム飽和溶液(200mL)と酢酸エチル(100mL)との2相溶液に注 入した。有機層を除去し水溶液層を酢酸エチル(100mL)で抽出した。水溶液層を 塩酸(10mL)でpH1の酸性にして酢酸エチルで抽出(3x150mL)し、乾燥(Na2SO4)し
て溶媒を除去した。残渣を酢酸エチル/ヘキサンから再結晶し、無色粉末生成物(
2.04g,22%)を得た。
【0086】 実施例12.イソブチルシアノアクリレート(IBCA)とカルボキシメチルセルロース
を用いる含インスリンナノ粒子の調製 インスリンを0.1Mの塩酸に100mg/mlで溶解した。インスリンのアリコート(120
μl)を等量のミグリオル(miglyol)と混ぜ合わせた。溶液を急速渦動化し、エタノ ール12mlを加えて溶液を再度渦動化した。最後に120μlのIBCAを加え、溶液をゆ
っくり24mlの0.25%PE6800中に滴下した。15分後に6mlの0.25%CMCを溶液に加え、
90分さらに撹拌を続けた。次に溶液を等容積に二分し、一方の溶液にアジピルジ
ヒドラジド(AH)24mgと48mgのEDACを加えた。ラットで試験する前に、粒子を一晩
架橋させた。図3にみられるように、EDACとAHをナノ粒子に添加すると、血清グ ルコースの修飾で判断されるように、インスリン放出速度が著しく増加する。
【0087】 実施例13.エステラーゼで切断可能なAEABEで架橋したインスリン含有高分子電 解質ナノ粒子の調製 アジピル-ヒドラジディル-カルボキシメチルセルロースをDWに2.5mg/mlで溶解
し、1.0Mの塩酸でpHを3.9に調整した。インスリンを20mMのHClに20mg/mlで溶解 し、8mgをゼラチンの2.5mg/ml溶液(pH3.9)2mlに加えた。溶液を16mlの温(60℃)ア
ジピル-ヒドラジディル-カルボキシメチルセルロースに激しく撹拌しながら加え
た。撹拌を15分継続した後に、溶液を4個の等容量試料に分割した。AEABE(40mg@
100mg/ml)を30mgのNHS(100mg/ml DMF)に混合し、60mgのEDACと反応させてNHS-エ
ステルを生成させた。10分間活性化した後に、NHS2-AEABEのアリコート20,10お よび5mgをナノ粒子に加えた。一晩かけて反応を進行させ、次にラットの腹腔内 に投与して試験した。図4に示すように、エステラーゼ切断可能架橋リンカーの 量を増加するとインビボでのインスリン放出が減少した。
【0088】 実施例14.エステラーゼで切断可能なAEABEで架橋したインスリン含有IBCAナノ 粒子の経口投与 インスリンを0.1Mの塩酸に100mg/mlで溶解した。インスリンのアリコート(120
μl)を等量のミグリオル(miglyol)と混ぜ合わせた。溶液を急速渦動化し、エタノ ール12mlを加えて溶液を再度渦動化した。最後にIBCAの120μlを加え、溶液をゆ
っくり24mlの0.25%PE6800に滴下した。15分後に6mlの0.25%アジピル-ヒドラジデ
ィル-CMCを溶液に加え、一晩撹拌を続けた。次に粒子を22mlまでに濃縮した。AE
ABE(60mg@100mg/ml)を60mgのNHS(100mg/ml DMF)と混合し、60mgのDCC[ジシ
クロヘキシルカルボジイミド(Dicyclohexylcarbodiimide),103mg/ml DMF]との
反応によってNHS-エステルを生成させた。10分活性化の後、(NHS)2-AEABEの5お よび40mgアリコートをナノ粒子のアリコート11mlに加えた。一晩かけて反応を進
行させた。次に粒子をDWに対向させて完全に透析し、遊離のAEABEを除去した。 それぞれの試料をさらに二分した。一方の溶液にアジピルジヒドラジド-eVB12(
20mg)と20mgのEDACを加え、他の試料にはTSTU-活性化eVB12(20mg)24gを加え、2
時間反応させた。次に試料を蒸留水に対向させて透析し、ラットに経口投与して
試験した。図5に示すように、調製した全ての粒子が経口投与後、5時間に渡って
血清グルコースの減少を示した。
【0089】 本明細書に用いた用語「を含む」、或いはその類義語「から成る」の含意は文
脈上の必用がない限り言及された要素または完全体、或いは要素または完全体の
群を包含し、他のいかなる要素または完全体、或いは要素または完全体の群を排
除するものでない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、オスのウィスターラットに、インシュリン、ならびにゼラチンおよび
カルボキシメチルセルロース(CMC)から形成された架橋結合粒子内に捕捉さ
れたインシュリンを静脈内投与した後の血清グルコースレベルの変化のプロット
を示す。このプロットは、(時間0での血清グルコース濃度に対する)血清グル
コース濃度のパーセンテージを時間に対して示す。投与後0、1、2、3、4、
5および6時間経過した時点で血液分析を行った。ラットには、架橋結合度の高
い粒子、中程度の架橋結合粒子、架橋結合度の低い粒子、またはインシュリンコ
ントロールのいずれかが投与される。各ラットには、100μgのインシュリン
か、または100μgのインシュリンを含有する粒子製剤のいずれかを投与した
【図2】 図2は、オスのウィスターラットに、インシュリン、ならびにゼラチンおよび
ポリグルタミン酸[Gel/P−Glu]またはゼラチンおよびアジピルヒドラ
ジジル[Gel/AH−P−Glu]から形成された架橋結合粒子内に捕捉され
たインシュリンを静脈内投与した後の血清グルコースレベルの変化のプロットを
示す。このプロットは、(時間0での血清グルコース濃度に対する)血清グルコ
ース濃度のパーセンテージを時間に対して示す。投与後0、1、2、3、4、5
および6時間経過した時点で血液分析を行った。各ラットには、100μgのイ
ンシュリンか、または100μgのインシュリンを含有する粒子製剤のいずれか
を投与した。
【図3】 図3は、インシュリン含有粒子の投与によるラットのグルコースレベルへの効
果を示す。EDACおよびAHを含む架橋結合の場合に、粒子からのインシュリ
ン放出速度が大きく低下した。
【図4】 図4は、エステラーゼ切断可能架橋結合剤の増量が、AH−CMCナノ粒子か
らのインシュリンのインビボでの放出速度に与える効果を示す。
【図5】 図5は、ビタミンB12共役インシュリン含有IBCAナノ粒子の経口投与後
、ラットの血清グルコースレベルが低下することを示す。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年2月29日(2000.2.29)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 1/28 C08L 1/28 5/04 5/04 77/04 77/04 89/06 89/06 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GE,GH,GM,HR ,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP, KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,L V,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI, SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,U S,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 スターリング,スコット マシュー オーストラリア国 ニュー・サウス・ウェ ールズ 2207、ベックスレー、キングスラ ンド・ロード 11 (72)発明者 マッケヴァン,ジョン ファーガス オーストラリア国 ニュー・サウス・ウェ ールズ 2223、オートレー、レッティア・ ストリート 3/3 Fターム(参考) 4C076 AA64 AA65 AA67 AA95 CC01 CC04 CC06 CC07 CC11 CC21 CC30 CC32 CC41 CC50 DD49 DD52 EE24 EE26 EE32 EE41 EE42 EE58 FF31 FF36 FF63 GG22 4C090 AA09 BA29 BD31 DA23 DA25 4F070 AA54 AA55 AC40 AC45 AE08 DA22 DA24 DA33 DC16 4J001 DA01 DB01 DB09 EA36 EA37 EB04 EB05 EB06 EB07 EB08 EB23 EB35 EB36 EB37 EB67 EE42B FA03 FB01 FB03 FC01 FD01 GE11 JA20 4J002 AA031 AA051 AA071 AB002 AB031 AB051 AD002 AD011 BH021 CF181 CF191 CL021 CM041 EA026 FD202 FD206 GB04 HA09

Claims (47)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒子を形成しうる少なくとも一つのポリマーを含む架橋粒子
    であって、ここで該ポリマーが、 (i)カルボキシル、ヒドラジジル、アミノ、およびチオール基からなる群より
    選ばれた反応性基と、 (ii)カルボキシル、ヒドラジジル、アミノ、およびチオール基からなる群よ
    り選ばれた反応性基を少なくとも二つ含有するスペーサーとが、共有結合されて
    いることを含む、 架橋粒子。
  2. 【請求項2】 スペーサーがNH2NHCO−R−CONHNH2の化学式を
    有しており、ここでRは、直接つないでいる結合であるか、直鎖、分岐鎖または
    環状のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基またはアリール基であり、これ
    らのアルキル基、アルケニル基、アルキニル基においては、その炭素原子数が1
    0までのものである、請求項1の架橋粒子。
  3. 【請求項3】 スペーサーが、ヒドラジン、シュウ酸ジヒドラジド、マロン
    酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸
    ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジドまたはブタジエ
    ン酸ジヒドラジド、グルタミン酸ジヒドラジド、アスパラギン酸ジヒドラジド、
    リンゴ酸ジヒドラジド、酒石酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、イソ
    フタル酸ジヒドラジド、およびフタル酸ジヒドラジドからなる群より選ばれたも
    のである、請求項2の架橋粒子。
  4. 【請求項4】 スペーサーが、マロン酸、マレイン酸、リンゴ酸、クエン酸
    、グルタミン酸、アスパラギン酸、コハク酸、アジピン酸、グルタル酸、ジメチ
    ルグルタル酸、シュウ酸、フマル酸、フタル酸、酒石酸、イソフタル酸、および
    テレフタル酸およびそれらの分岐アルキル誘導体であって、ここで該アルキル誘
    導体のアルキル基は炭素原子数が10までであるようなものからなる群より選ば
    れたものである、請求項1の架橋粒子。
  5. 【請求項5】 スペーサーが少なくとも一つの反応性カルボキシル基と少な
    くとも一つの反応性ヒドラジジル基を含有する、請求項1の架橋粒子。
  6. 【請求項6】 該スペーサーが少なくとも一つの生分解性結合を含有する、
    請求項1の架橋粒子。
  7. 【請求項7】 該粒子が目標の化合物と共有結合している、請求項1の架橋
    粒子。
  8. 【請求項8】 粒子を形成しうる少なくとも一つのポリマーを含む架橋粒子
    の内部に医薬用薬剤を含有する組成物であって、ここで該ポリマーが、 (i)カルボキシル、ヒドラジジル、アミノ、およびチオール基からなる群より
    選ばれた反応性基と、 (ii)カルボキシル、ヒドラジジル、アミノ、およびチオール基からなる群よ
    り選ばれた反応性基を少なくとも二つ含有するスペーサーとが、共有結合されて
    いる、ことからなる、組成物。
  9. 【請求項9】 該スペーサーがNH2NHCO−R−CONHNH2の化学式
    を有しており、ここでRは、直接つないでいる結合であるか、直鎖、分岐鎖、ま
    たは環状のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基またはアリール基であり、
    これらのアルキル基、アルケニル基、アルキニル基においては、その炭素原子数
    が10までのものである、請求項8の組成物。
  10. 【請求項10】 該スペーサーが、ヒドラジン、シュウ酸ジヒドラジド、マ
    ロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピ
    ン酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジドおよびブタ
    ジエン酸ジヒドラジドからなる群より選ばれたものである、請求項9の組成物。
  11. 【請求項11】 該スペーサーが、マロン酸、マレイン酸、クエン酸、グル
    タミン酸、アスパラギン酸、コハク酸、アジピン酸、グルタル酸、ジメチルグル
    タル酸、シュウ酸、フマル酸、フタル酸、酒石酸、イソフタル酸、およびテレフ
    タル酸およびそれらの分岐アルキル誘導体であって、ここで該アルキル誘導体の
    アルキル基は炭素原子数が10までであるようなものからなる群より選ばれたも
    のである、請求項8の組成物。
  12. 【請求項12】 スペーサーが少なくとも一つの反応性カルボキシル基と少
    なくとも一つの反応性ヒドラジジル基を含有する、請求項8の組成物。
  13. 【請求項13】 該スペーサーが少なくとも一つの生分解性の結合を含有す
    る、請求項8の組成物。
  14. 【請求項14】 該生分解性の結合がエステル結合である、請求項8の組成
    物。
  15. 【請求項15】 該スペーサーがアミノ酸の2−アミノエチルエステルであ
    る、請求項8の組成物。
  16. 【請求項16】 該スペーサーが、グリシンおよびフェニルアラニンの2−
    アミノエチルエステル、およびグリシンおよびフェニルアラニンの2−アミノエ
    チルエステルのジスクシンイミジル誘導体からなる群より選ばれたものである、
    請求項15の組成物。
  17. 【請求項17】 グリシンおよびフェニルアラニンの2−アミノエチルエス
    テルのスクシンイミジル誘導体が、N,N’−ジスクシンイミジル−(2−アミ
    ノ−2−ベンジルエタン酸)、N,N’−ジスクシンイミジル−2−アミノ−エ
    チル−エタン酸、エチレングリコールビス(スクシンイミジルスクシネート)か
    らなる群より選ばれる、請求項16の組成物。
  18. 【請求項18】 該医薬用薬剤が、ペプチドおよびタンパク質医薬品、DN
    A、RNA、)、抗体、ワクチン、造影剤、ホルモン、多糖、抗生物質、抗凝血
    剤、免疫調節剤、細胞障害性薬剤、ステロイド、うっ血除去剤、麻酔剤、鎮静剤
    からなる群より選ばれる、請求項8の組成物。
  19. 【請求項19】 該医薬用薬剤が、カルシトニン、エリトロポイエチン、ト
    ロンボポイエチン、顆粒状コロニー刺激因子、幹細胞因子、黄体形成ホルモン放
    出ホルモン(LHRH)類縁体、ソマトスタチン、インスリン、インターフェロ
    ンおよびプラスミノーゲン活性化阻害剤からなる群より選ばれる、請求項18の
    組成物。
  20. 【請求項20】 架橋粒子が目標の化合物に共有結合されている、請求項8
    の組成物。
  21. 【請求項21】 粒子を形成しうる少なくとも一つのポリマーとスペーサー
    とを反応させることからなる架橋粒子を製造する方法であって、該ポリマーと該
    スペーサーがそれぞれ、カルボキシル、ヒドラジジル、アミノおよびチオール基
    からなる群より選ばれた少なくとも二つの反応性基を含有し、該架橋がカルボジ
    イミドを架橋剤として用いることで達成されている、 方法。
  22. 【請求項22】 スペーサーがNH2NHCO−R−CONHNH2の化学式
    を有しており、ここでRは、直接つないでいる結合であるか、直鎖、分岐鎖また
    は環状のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基またはアリール基であり、こ
    れらのアルキル基、アルケニル基、アルキニル基においては、その炭素原子数が
    10までのものである、請求項21の方法。
  23. 【請求項23】 該スペーサーが、ヒドラジン、シュウ酸ジヒドラジド、マ
    ロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピ
    ン酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジドおよびブタ
    ジエン酸ジヒドラジドからなる群より選ばれたものである、請求項22の方法。
  24. 【請求項24】 該スペーサーが、マロン酸、マレイン酸、クエン酸、グル
    タミン酸、アスパラギン酸、コハク酸、アジピン酸、グルタル酸、ジメチルグル
    タル酸、シュウ酸、フマル酸、フタル酸、酒石酸、イソフタル酸、およびテレフ
    タル酸およびそれらの分岐アルキル誘導体である群より選ばれたものである、請
    求項22の方法。
  25. 【請求項25】 該スペーサーが少なくとも一つの反応性カルボキシル基と
    少なくとも一つの反応性ヒドラジジル基を含有する、請求項22の方法。
  26. 【請求項26】 該カルボジイミドが、N−エチル−N’−(3−ジメチル
    アミノプロピル)カルボジイミド(EDCまたはEDACとして知れれている)
    、N,N’−ジシクロヘキシル−カルボジイミド(DCC)、N’−ジイソプロ
    ピル−カルボジイミド、N’N’−ジ−t−ブチルカルボジイミド、1−シクロ
    ヘキシル−3−(4−ジエチルアミノ−シクロヘキシル)カルボジイミド、1,
    3−ジ−(4−ジエチルアミノシクロヘキシル)カルボジイミド、1−シクロヘ
    キシル−3−(β−ジエチルアミノエチル)カルボジイミド、1−シクロヘキシ
    ル−3−(2−モルホリニル−(4)−エチル)カルボジイミド、および1−シ
    クロヘキシル−3−(4−ジエチル−アミノシクロヘキシル)カルボジイミドか
    らなる群より選ばれたものである、請求項22の方法。
  27. 【請求項27】 該スペーサーが少なくとも一つの生分解性の結合を含有す
    る、請求項22の方法。
  28. 【請求項28】 該架橋粒子が目標の化合物と共有結合している、請求項2
    2の方法。
  29. 【請求項29】 架橋粒子の内部に医薬用薬剤を含有する組成物を製造する
    方法であって、該架橋粒子は粒子を形成しうる少なくとも一つのポリマーを含有
    しており、ここで該ポリマーが、 (i)カルボキシル、ヒドラジジル、アミノ、およびチオール基からなる群より
    選ばれた反応性基と、 (ii)カルボキシル、ヒドラジジル、アミノ、およびチオール基からなる群よ
    り選ばれた反応性基を少なくとも二つ含有するスペーサーとが、共有結合されて
    おり、 該粒子が医薬用薬剤の存在下に少なくとも一つのポリマーとスペーサーとを反応
    させて形成される、 方法。
  30. 【請求項30】 該スペーサーがNH2NHCO−R−CONHNH2の化学
    式を有しており、ここでRは、直接つないでいる結合であるか、直鎖、分岐鎖ま
    たは環状のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基またはアリール基であり、
    これらのアルキル基、アルケニル基、アルキニル基においては、その炭素原子数
    が10までのものである、請求項29の方法。
  31. 【請求項31】 該スペーサーが、ヒドラジン、シュウ酸ジヒドラジド、マ
    ロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピ
    ン酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジドおよびブタ
    ジエン酸ジヒドラジドからなる群より選ばれたものである、請求項30の方法。
  32. 【請求項32】 該スペーサーが、マロン酸、マレイン酸、クエン酸、グル
    タミン酸、アスパラギン酸、コハク酸、アジピン酸、グルタル酸、ジメチルグル
    タル酸、シュウ酸、フマル酸、フタル酸、酒石酸、イソフタル酸、およびテレフ
    タル酸およびそれらの分岐アルキル誘導体であって、ここで該分岐アルキル鎖は
    炭素原子数が10までであるようなもの、からなる群より選ばれたものである、
    請求項30の方法。
  33. 【請求項33】 該スペーサーが少なくとも一つの反応性カルボキシル基と
    少なくとも一つの反応性ヒドラジジル基を含有する、請求項30の方法。
  34. 【請求項34】 該ポリマーと該スペーサーとの反応が、N−エチル−N’
    −(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、NN’−ジシクロヘキシル
    −カルボジイミド、N’−ジイソプロピル−カルボジイミド、N’N’−ジt−
    ブチルカルボジイミド、1−シクロヘキシル−3−(4−ジエチルアミノシクロ
    ヘキシル)カルボジイミド、1,3−ジ−(4−ジエチルアミノシクロヘキシル
    )カルボジイミド、1−シクロヘキシル−3−(β−ジエチルアミノエチル)カ
    ルボジイミド、1−シクロヘキシル−3−(2−モルホリニル−(4)−エチル
    )カルボジイミド、および1−シクロヘキシル−3−(4−ジエチル−アミノシ
    クロヘキシル)カルボジイミドからなる群より選ばれたカルボジイミドにより触
    媒作用を受ける、請求項30の方法。
  35. 【請求項35】 該スペーサーが少なくとも一つの生分解性の結合を含有す
    る、請求項30の方法。
  36. 【請求項36】 該医薬用薬剤が、ペプチドおよびタンパク質医薬品、DN
    A、RNA、抗体、ワクチン、造影剤、ホルモン、多糖、抗生物質、抗凝血剤、
    免疫調節剤、細胞障害性薬剤、ステロイド、うっ血除去剤、麻酔剤、鎮静剤から
    なる群より選ばれる、請求項30の方法。
  37. 【請求項37】 該医薬用薬剤が、カルシトニン、エリトロポイエチン、ト
    ロンボポイエチン、顆粒状コロニー刺激因子、幹細胞因子、黄体形成ホルモン放
    出ホルモン(LHRH)類縁体、ソマトスタチン、インスリン、インターフェロ
    ンおよびプラスミノーゲン活性化阻害剤からなる群より選ばれる、請求項36の
    方法。
  38. 【請求項38】 該架橋粒子が目標の化合物と共有結合している、請求項3
    0の方法。
  39. 【請求項39】 患者の体内に医薬用薬剤を調節しながら放出することを目
    的とする方法であって、該患者に架橋粒子の内部の医薬用薬剤を含有する組成物
    の有効量を投与することからなり、ここで、該架橋粒子は粒子を形成しうる少な
    くとも一つのポリマーを含有し、該ポリマーが、 (i)カルボキシル、ヒドラジジル、アミノ、およびチオール基からなる群より
    選ばれた反応性基と、 (ii)カルボキシル、ヒドラジジル、アミノ、およびチオール基からなる群よ
    り選ばれた反応性基を少なくとも二つ含有するスペーサーとが、共有結合されて
    いることからなる、 方法。
  40. 【請求項40】 該スペーサーがNH2NHCO−R−CONHNH2の化学
    式を有しており、ここでRは、直接つないでいる結合であるか、直鎖、分岐鎖ま
    たは環状のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基またはアリール基であり、
    これらのアルキル基、アルケニル基、アルキニル基においては、その炭素原子数
    が10までのものである、請求項39の方法。
  41. 【請求項41】 該スペーサーが、ヒドラジン、シュウ酸ジヒドラジド、マ
    ロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピ
    ン酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジドおよびブタ
    ンジカルボン酸ジヒドラジドからなる群より選ばれたものである、請求項40の
    方法。
  42. 【請求項42】 該スペーサーが、マロン酸、マレイン酸、クエン酸、グル
    タミン酸、アスパラギン酸、コハク酸、アジピン酸、グルタル酸、ジメチルグル
    タル酸、シュウ酸、フマル酸、フタル酸、酒石酸、イソフタル酸、およびテレフ
    タル酸およびそれらの分岐アルキル誘導体からなる群より選ばれたものである、
    請求項40の方法。
  43. 【請求項43】 該スペーサーが少なくとも一つの反応性カルボキシル基と
    少なくとも一つの反応性ヒドラジジル基を含有する、請求項40の方法。
  44. 【請求項44】 該スペーサーが少なくとも一つの生分解性の結合を含有す
    る、請求項40の方法。
  45. 【請求項45】 該医薬用薬剤が、ペプチドおよびタンパク質医薬品、DN
    A、RNA、抗体、ワクチン、造影剤、ホルモン、多糖、抗生物質、抗凝血剤、
    免疫調節剤、細胞障害性薬剤、ステロイド、うっ血除去剤、麻酔剤、鎮静剤から
    なる群より選ばれる、請求項40の方法。
  46. 【請求項46】 該医薬用薬剤が、カルシトニン、エリトロポイエチン、ト
    ロンボポイエチン、顆粒状コロニー刺激因子、幹細胞因子、黄体形成ホルモン放
    出ホルモン(LHRH)類縁体、ソマトスタチン、インスリン、インターフェロ
    ンおよびプラスミノーゲン活性化阻害剤からなる群より選ばれる、請求項45の
    方法。
  47. 【請求項47】 該架橋粒子が目標の化合物と結合している、請求項40の
    方法。
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