JP2004517103A - 薬剤、治療用ペプチド/タンパク質およびワクチンの経口送達のための新規なビタミンb12−生物分解性微粒子状接合体キャリヤー系 - Google Patents

薬剤、治療用ペプチド/タンパク質およびワクチンの経口送達のための新規なビタミンb12−生物分解性微粒子状接合体キャリヤー系 Download PDF

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Abstract

本発明は、間にスペーサーを有するビタミンB12 (VB12)にカップリングした粒状キャリヤー系に装填される薬剤、治療用タンパク質/ペプチド、およびワクチンの経口送達のための新規な複合体であって、スペーサーを有するキャリヤー系が式 VB12−R′/R″−N(式中、R′またはR″はスペーサーおよび/またはNHまたはCOOHまたはSH基を供給するためのVB12の誘導体形成のための薬剤であり、Nは注射可能な薬剤、治療用タンパク質/ペプチド、およびワクチンの送達のための微粒子またはナノ粒子キャリヤーである)を有する複合体に関する。

Description

【0001】
【発明の背景】
発明の分野
本発明は、間にスペーサーを有するビタミンB12(VB12)にカップリングした粒状キャリヤー系に装填される薬剤、治療用タンパク質/ペプチド、およびワクチンの経口送達のための複合体である。典型的には、VB12は腸を介するエンドサイトーシスのリガンドとして作用し、粒状系は腸内で不安定な薬剤を保護しそれらを全身の送達先および/または必要とされる特異的部位に送達するための積荷として作用する。
【0002】
背景技術
多くのペプチド/タンパク質、医薬品およびワクチンは現在は注射によって投与されるが、この送達法は多数の欠点を有しており、科学界はこれらの生物薬剤の代替経口送達系を開発すべく努力している。非経口送達の本来の限界としては、(1)患者の従順さ(これらの分子の半減期が短いため繰り返し注射を行う必要がある)、(2)繰り返し行われる長期間の投薬計画の必要によって引起されるこの形態の送達による不快さ、(3)皮下インスリンなどの分子に対する患者内および間でのバイオアベイラビリティの変動が大きいこと、および(4)特に皮下注射の非生理学的送達パターンが挙げられる。更に、投薬および/または送達様式の変化によって送達される実際の薬剤が少し増加することにより、これらの生物活性薬剤のほとんどに対する所望な応答のダウンレギュレーションを引起すことがある。対照的に、ほとんどの場合には、正常な生理学的リズムを模する脈動性または平坦な送達プロフィールが必要である。上記の問題とは異なり、非経口ワクチンは、予防接種を繰返し行う必要があり且つそれらは体液性免疫のみを誘発するため、効力が限定されている。
【0003】
上記の問題点を解決するために、様々な非侵襲的送達系が試みられてきた。これらの経路に共通する主要な送達バリヤーは、(1) 生物活性薬剤の粒度および親水性が大きいため固有透過性に乏しく、(2) 在来の薬剤の幾つかとは異なり管腔プロテアーゼおよび細胞ペプチダーゼによるGITの不都合な環境における酵素分解である。これらの確率は経口経路についてはすばらしいものであるが、便宜上、および患者の従順さ、並びに安全性、あまり緊要でない品質管理、治療費用、およびワクチンについては、制限のない頻度の増強の可能性に関して油点を有する。更に、経口ワクチンは、(局在化sIgAを産生することによる)腸内病原体だけでなく、通常の普及した粘膜免疫応答を産生することによって他の粘膜(呼吸器および性器)に感染する広汎な病原体に対しても防御力を提供する。更に、経口ワクチンは年配者で特に有用であることを明らかにすることができ、粘膜免疫は、全身性免疫と異なり、年齢に関連した機能障害とは思われないからである。この様式の免疫は極めて若年層でも有益であることがあり、粘膜免疫は全身性免疫より個体発生で早く発現するからである。過去数十年に亙り、透過エンハンサー(ZOT、長期使用で毒性を有することが明らかになっている)、酵素阻害剤、界面活性剤、エマルション、結腸をターゲットとする系、生物粘着系および粒子系を用いて経口タンパク質/ワクチン系を開発するため、かなりの努力が行われてきた。経口系を開発する試みは多いが、有望な治療薬の要求は、特に新規ペプチドの確認が増加し、バイオテクノロジー領域からの現存するタンパク質薬剤の生産が増加しており、高いままである。
【0004】
ペプチド/タンパク質薬剤およびワクチンは、ほとんどが非経口経路で投与される。経口投与の問題点は、
1)腸の過酷な環境での消化管プロテアーゼによる上記生物活性薬剤の分解、
2) それらの大きさが大きく、親水性であるため、腸での透過性の問題が生じ、
3) これらの生物活性薬剤がもろいため、経口投薬形態として処方されることがなく、最後に
4) それらのイン・ビボでの半減期が短いことである。
【0005】
過去三〜四十年に亙り、エマルション、微小球、ナノ粒子、リポソームのような小胞キャリヤーのような様々な処方法を用い、透過エンハンサーおよびプロテアーゼ阻害剤を用いて、タンパク質−キャリヤー接合体により経口経路によってそれらを送達するため、努力が払われてきた。
【0006】
最近、固有の透過性に乏しいという問題は、腸から循環に医薬品を輸送する特異的キャリヤー機構による送達によって克服することができることが示された。これに関して、Russell−Jonesおよび共同研究者ら[1994]は、全身循環へのVB12キャリヤーの内因子(IF)依存性摂取を妨げないやり方でこれらの生物活性薬剤をビタミンB12(VB12)とカップリングすることができることを見いだした。 LHRH(Russell − Jones 1998)、インターフェロン(Habberfield and Jensen−Pippo PPO, 1996)、G−CSFおよびエリトロポエチン(Habberfield, 1996)の経口VB12接合体では、幾つかの興味深い結果が得られている。しかしながら、このような接合体の経口送達は、VB12の摂取が限定されており(1ナノモル/用量)、共有結合により生物活性が失われており、VB12のIF親和性が失われ(立体因子)、最後にこれらの接合体がGIT分解を受けやすいため、多くの他の生物活性薬剤では成功していない。上記の問題点を解決するため、本発明者らは、経口投与の後に回腸細胞によるVB12−IF−IFRリガンド依存性エンドサイトーシスによって全身循環へ標的設定することができる経口送達系(VB12−球接合体)を作成すべく努力した。VB12をコーティングしたポリスチレンナノ粒子(非生物分解性、疎水性)のイン・ビトロ輸送が、Caco−2細胞培養物(Russell Jones, 1997, 1999)で示された。しかしながら、輸送のレベルは、一般に他のポリマー粒子にまで敷衍することはできない。これは、疎水性材料が細胞表面の脂質二重層によって一層容易に吸収されるので、疎水性のような様々な物理化学的特性によって説明することができる。また、薬剤送達の必要条件の一つは、ナノ粒子の作成に用いるポリマーは全身環境中でまたは医薬分子を放出することによって生物活性応答を開始する酵素によって容易且つ徐々に分解されるものとすることである。従って、輸送研究について非生物分解性ポリマーの使用は、必ずしも一般の他の生物分解性ポリマーによる摂取を示すものではない。更に、親水性ペプチド/タンパク質またはワクチン生物分解性薬剤の疎水性のポリマーキャリヤーへ装填する系の開発は、確実に明確ではない。
【0007】
これらの方法の総てで、送達が幾らか増進したが、治療上関連のある用量送達を達成するための主要な障害突破は達成されていない。最近、送達しようとするタンパク質薬剤とカップリングしているキャリヤー分子としてVB12を用いる送達系、すなわちVB12−タンパク質接合体が共同発明者の一人によって発明された。
【0008】
VB12は十二指腸で腸の内因子と結合し(VB12 + IF→VB12IF) 、the 総VB12IF複合体は小腸の回腸で内因子受容体(IFR)に結合する。そこから、これがエンドサイトーシスされた後、トランスコボラミン(TcII)によってトランスサイトーシスを受けて、全身循環に到達する。
【0009】
従って、タンパク質をVB12とカップリングするときには、これはVB12分子と共に同時輸送されて、全身循環に到達する。
【0010】
この方法については、二つの条件が満足されねばならない。すなわち、
ケース1: VB12分子は、送達しようとするタンパク質にカップリングした後にそのIF親和性をほじしなければならない。
ケース2: また、タンパク質分子は、VB12にカップリングした後にその生物活性を保持しなければならない。
【0011】
ケース1については、天然のVB12(シアノコバラミン)はタンパク質に直接カップリングすることはできず、すなわちVB12はカップリングによりIF親和性を喪失する。
【0012】
従って、上記の手法では、VB12は加水分解し、3個の異性体(a、bおよびe異性体)を形成する。3種類の異性体のうち、「e」異性体は他の分子へカップリングした後にもかなりのIF親和性を保持している。
【0013】
ケース2: カップリングを容易にして、適当な基を供給し且つタンパク質薬剤の全生物活性を保持するため、各種のスペーサーを用いるe−VB12の各種誘導体。これらの誘導体を、送達しようとするタンパク質薬剤にカップリングする。このようなスペーサーは、e異性体のIF親和性も増加させる。この手法について、本願発明者の一人であるDr. Gregory Russell Jonesは、1995年の叢書の1章を執筆した(ペプチドに基づくドラッグデザイン、第8章)。この章で、著者はこの手法について詳細に記載し、VB−LHRH類似体およびVB12バソプレッシンの結果をまとめ、EPOおよびG−CSFのような他の生物活性薬剤との接合の可能性についても記載した。1995年後半に、2つの研究論文が生物接合体化学に現れた(1) VB12−LHRH類似体(第6巻, 第1号, 1995, 34−42), (2) VB12−EPOおよびVB12−GCSF(第6巻, 第4号, 1995, 461−465)1996年後半に、著者の一人はVB12−EPOおよびVB12−GCSF 接合体の特許を取得した(米国特許第548068号明細書, 1998年8月)。この特許明細書において、著者は、送達しようとするタンパク質薬剤にカップリングした後にIF親和性を保持するVB12の誘導体を記載した。後に、1996年に同様な系についてもう一つの特許明細書(米国特許第5,574,018号明細書)がある、すなわちVB12−EPO, VB12−GSCFおよびVB12−インターフェロン。しかし、用いた誘導体は、VB12のリボースのヒドロキシ部位が異なっている。この部位における誘導体形成およびタンパク質薬剤へカップリングした誘導体もVB12のIF親和性を保持する。しかし、初期の特許明細書には、の任意の誘導体であって、タンパク質薬剤にカップリングした後にIF親和性を保持しているVB12が記載されている。他の特許明細書に用いられているタンパク質薬剤も、インターフェロン以外は同一である。
【0014】
2つの米国特許第5,589,463号明細書および第5,807,832号明細書であって、本願の共同発明者の一人が主要な発明者でもあるものに、VB12−生物活性化学(共有)接合体が記載されている。生物活性薬剤は、タンパク質、ワクチンまたは抗原であることができ(多糖類性であることができる)、または他の生物医薬品(ヘパリン)または在来の薬剤(ネオマイシン)であることができる。発明者らが記載している上記化学複合体は、経口送達ゲル、分散液、エマルション、カプセル、錠剤などに適する既知の投薬形態で処方するためのものである。これらの特許明細書の手法は、上記した他の特許明細書第5,548,064号明細書および第5,574,018号明細書と幾分類似している。
【0015】
これらの総てにも拘わらず、VB12の接合体は下記のような欠点を有する。
1) タンパク質は、消化管でプロテアーゼによる分解から保護されない。
2) 幾つかのタンパク質生物活性薬剤は、嵩張ったVB12(立体因子)へカップリングすることにより活性分子コンホメーションを喪失することがあるので、総てのタンパク質をカップリングすることはできない。
3) VB12輸送系の摂取(1ナノグラムg/用量)は、半減期が非常に短い、すなわち治療関連用量を達成することができないタンパク質には十分ではない。
【0016】
【発明の概要】
本発明は、生物活性薬剤(タンパク質/ワクチンまたは薬剤)がVB12またはその類似体に直接カップリングしない点で全く異なっている。代わりに、VB12またはその類似体は、生物活性薬剤が装填されている微小/ナノ粒子表面に共有結合している。微小およびナノ粒子は、生物分解性で薬学上許容可能なポリマーから構成されている。
【0017】
【発明の具体的説明】
様々なペプチドおよびタンパク質のビタミンB12分子への接合は、腸の上皮細胞を横切るこれらの残基のイン・ビトロおよびイン・ビボ輸送を促進することが示されている。しかしながら、多くのビタミンVB12−医薬品接合体の薬学関連経口送達は、VB12輸送系の摂取容量が限定されており、VB12への接合の際に天然タンパク質の生物活性が喪失し、接合体の内因子(IF)親和性が喪失し、最後に生物活性薬剤がGI分解を受けやすいため、これらの生物活性薬剤の多くでは起こらない。これらの欠点を克服するため、本発明者らはの天然摂取機構によって吸収することができるビタミンB12−粒子(微小球およびナノ粒子)系を開発すべく努力した。様々な生物分解性粒子系(微小球およびナノ粒子)を調製した。これらの粒子をビタミンB12で表面改質し、これらの予備成形した球接合体を治療用タンパク質(インスリン、B型肝炎ワクチン)と共に装填した。幾つかの場合には、装填工程を変更した。イン・ビトロ研究は、インスリンが胃酵素による分解から保護されることを示した。異なる粒度のこれらの系を糖尿病ラットに給餌し、ラットの血中グルコース濃度を経時的に観察した。これらの系の薬理学的バイオアベイラビリティは5〜25%であり、経口生物活性だけでなく、これらの生物医薬品の制御放出の証拠をも示した。これらの系は、ワクチンに装填したVB12微小球およびナノ粒子に関して興味深い結果を示した。例えば、上記キャリヤー系および本明細書に記載した様々な手法は、更に試験および最適化を行ったところ、経口タンパク質の送達について現実性を作ることができる。
【0018】
本発明は、非経口投与される在来の注射可能な薬剤、ペプチドおよびタンパク質医薬品、例えばワクチン、特に経口送達に適する医薬製剤の分野におけるワクチンなどの医薬製剤の分野に関する。
【0019】
本発明によれば、図1(図中、Dは注射可能な薬剤であり、SPはビタミンB12のIF親和性を保持するためのまたはカップリングを容易にするための長鎖スペーサーであり、BDCは生物分解性キャリヤー粒子(微小球/ナノ粒子)である)に示されるように、表面をVB12でコーティングした生物分解性のポリマー粒子内に組込まれたタンパク質薬剤(インスリンおよびB型肝炎ワクチン)を含んでなる薬剤送達系が提供される。
【0020】
経口薬剤送達を成功させるため、VB12は腸上皮を通る循環への初期輸送のまたはワクチンの位置特異的送達のターゲッティングリガンドとして作用する。VB12は、所望な部位が到達するまで、それと共に粒状球(微小球およびナノ粒子)を有する。
【0021】
本発明の態様では、VB12微小球およびVB12−ナノ粒子系は、在来の非経口薬剤、ワクチンなどのペプチド/タンパク質を経口経路によって送達する。様々な生物分解性微小球およびナノ粒子が、現存する天然、半合成および合成ポリマーで調製される。これらの粒子系(微小およびナノ粒子)は、表面改質してVB12接合に適する基を提供することができる。
【0022】
ビタミンB12誘導体または多数のスペーサーとのそれらの各種誘導体(Russell Jones et al 1995aおよび1995b) を、粒状キャリヤーにカップリングした。異なる結合である生物分解性(全身性酵素によって開裂)および非生物分解性共有結合を用いて、VB12を粒子に結合する。カップリングは、イオン、配位、共有および強力な物理吸着結合も伴う。
【0023】
一態様では、送達しようとする薬剤はほとんどの場合に非経口経路によって投与される在来の薬剤、治療用ペプチド/タンパク質、生物医薬品、例えばヘパリンおよび免疫用ワクチンである。
【0024】
本発明のもう一つの態様では、送達しようとする薬剤は、ゲンタマイシンおよびアミカシンから選択されるほとんどの場合に非経口経路によって投与される在来の薬剤、インスリン、EPO、 G−CSF、GM−CSF、VIII因子、LHRH類似体およびインターフェロンから選択される治療用ペプチド/タンパク質、生物医薬品、例えばヘパリンおよび免疫用にB型肝炎表面抗原、腸チフス、およびコレラワクチンから選択されるワクチンである。
【0025】
更にもう一つの態様では、キャリヤー系は、VB12またはその類似体を含んでなる薬学上許容可能なキャリヤーであるか、または非経口投与される薬剤/ワクチンと共に装填されている生物分解性ポリマー粒状キャリヤーにカップリングするそれらの誘導体である。
【0026】
更にもう一つの態様では、キャリヤー系は、天然摂取VB12によって回腸またはその付近における受容体依存性エンドサイトーシスの後にトランスサイトーシスされる。
【0027】
更にもう一つの態様では、VB12は全身および/またはリンパ球の送達先に対する腸のターゲッティングリガンドである。
【0028】
更にもう一つの態様では、VB12は本来のシアノコバラミン(VB12)またはVB12の様々な類似体、すなわちアココバラミン、アデノシルコバラミン、メチルコバラミン、ヒドロキシコバラミン、および/またはそれらの誘導体、またはアルキル鎖がVB12のコバルトに結合しているアルキルコバラミン、またはクロロ、スルフェート、ニトロ、チオを有するシアノコバラミン、またはそれらのアナリド(analide)、VB12のエチルアミド、プロピオンアミド、モノカルボン酸、およびジカルボン酸誘導体、およびその類似体、またはモノカルボキシVB12の「e」異性体のモノカルボン酸、ジカルボン酸およびトリカルボン酸誘導体、およびプロミナミド誘導体、およびVB12の類似体であってコバルトがこれらの誘導体に結合した他の金属(亜鉛またはニッケルなど)および様々なスペーサーによって置換されているもの、または生物分解性粒状キャリヤーにカップリングした後にIF親和性を保持している任意の誘導体である。
【0029】
更にもう一つの態様では、VB12の誘導体が、VB12のリボソーム残基の第一5′−ヒドロキシルおよび2′−ヒドロキシル基および粒状キャリヤーとのカップリングに有用なこの部位で結合した様々なスペーサーの誘導体形成をも含む。
【0030】
更にもう一つの態様では、NHまたはCOOHまたはSH基およびそれらの組合せの供給を目的とするVB12の誘導体形成のためのスペーサーおよび/または薬剤であるR′〜 R″が、二酸またはアルキル二酸(COOH−COOH, (COO(CHCOO))、アルキルジアミン((CHCOO−NH)、またはアルキルジアミド(NHCO(CH)CONH)、またはヒドラジド(NHNH)、またはアルキルジヒドラジド(NHNHCO(CHCONHNH)、または置換SH基を含む薬剤(N−スクシンイミジル3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネートまたはその長鎖アルキル誘導体、または酸無水物[(CH)COCOO)] 、または酸ハロゲン化物スペーサー(R(CHCOCl)、またはアンヒドロキシ活性化エステル官能基(NHS)であって、ペプチド結合または界面活性剤誘導体またはポリマー性スペーサーに用いられるものから選択され、総ての場合に「n」は1、2、3、...無限大の整数である。
【0031】
更にもう一つの態様では、微小球またはナノ粒子が生物分解性であり且つ薬学上許容可能なポリマーから構成されている。
【0032】
更にもう一つの態様では、薬剤を装填したポリマー粒子がイン・ビボで分解して、生物活性応答に対してタンパク質医薬品/ワクチンを放出して送達する。
【0033】
更にもう一つの態様では、粒状キャリヤーが表面COOH、無水物、NH、SH基およびそれらの組合せを含む生物分解性、疎水性または親水性ポリマー微小球/ナノ粒子である。
【0034】
更にもう一つの態様では、粒状キャリヤー系がモノリシック(マトリックス型、架橋)および/または貯蔵所型(マイクロカプセルおよびナノカプセル)または多粒子型(粒子中粒子)であるか、リガンドVB12のポリマーへの共付加によって形成される粒子、すなわち共役ポリマー粒子である。
【0035】
更にもう一つの態様では、粒状キャリヤーが、多糖類ポリマー、すなわち澱粉およびそれらの誘導体、ペクチン、アミロース、グアールガムおよびそれらの誘導体、様々な分子量のデキストランおよびそれらの誘導体、キトサンおよびそれらの誘導体、コンドリオタン硫酸およびそれらの誘導体、および最後に多糖類およびそれらのポリマーの他の天然および半合成誘導体を包含する。
【0036】
更にもう一つの態様では、多糖類の架橋剤が、エピクロルヒドリン、POCl、ホウ砂(グアールガム)、アルデヒド(例えば、グルタルアルデヒド)、および多糖類ポリマーに架橋して粒状キャリヤーを生成する他の架橋剤を包含する。
【0037】
更にもう一つの態様では、親水性の少ない〜疎水性の粒状キャリヤーが、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(ヒドロキシブチレート)、ポリラクチド(コグリコール酸)、(フマル酸:セバシン酸、およびポリフマル酸)のポリ(無水物)微小球、およびポリ(ラクチド(コグリコリド)の生物分解性ポリマー、脂肪族アシル化粒子(脂肪族アシル層によって囲まれた親水性コア)、LDLキャリヤー、多粒子系(異なる親水性または疎水性のポリマーに封入されたポリマー粒子)、および最後にこれらのポリマーの様々な組成物を包含する。
【0038】
更にもう一つの態様では、粒状キャリヤーがアルブミン、ゼラチンのような天然タンパク質ポリマー、半合成またはペプチド基剤の合成ポリマー、およびそれらの誘導体をも包含する。
【0039】
更にもう一つの態様では、塩化テレフタロイル、グルタルアルデヒドのような架橋剤、およびタンパク質ポリマーを架橋して粒状キャリヤーを生成する架橋剤である。
【0040】
更にもう一つの態様では、グルタルアルデヒドのようなモノマーのポリ(グルタルアルデヒド)への重合によって成形される粒子、およびモノマーの重合およびそれらのVB12へのカップリングによって形成される粒子である。
【0041】
薬剤、タンパク質およびワクチンの全身送達の系の粒度が数ナノメートル〜10μm以上である。
【0042】
更にもう一つの態様では、VB12結合および/または複合体形成に適するように表面が改質されまたは活性化されている粒子系である。
【0043】
更にもう一つの態様では、粒子系がVB12で表面改質されており、VB12の生物分解性粒状キャリヤーへのカップリングを包含する。
【0044】
更にもう一つの態様では、VB12誘導体と粒子とのカップリングが間にスペーサーを有するおよび持たない生物分解性および非生物分解性結合を包含する。
【0045】
更にもう一つの態様では、VB12誘導体と粒状キャリヤーまたは表面改質した/活性化した粒子とのカップリングが、1−エチル=3,3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミド(EDAC)または1,1′−カルボニルジイミダゾール(CDI)またはN,N′−ジイソプロピルカルボジイミド(DIPC)のようなカルボジイミドと他のペプチドカップリング剤を用いるアミド結合、またはN−ヒドロキシスクシンイミド活性化カップリング(NHS)、または過ヨウ素酸塩カップリング、またはグルタルアルデヒド活性化カップリング、またはCNBR依存性カップリング、または酸ハロゲン化物によって誘導されるアミドカップリングによるか、または親水性スペーサーエチレングリコールビス(スクシンイミジルスクシネート)(EGS)または疎水性スペーサージスクシンイミジルスベレート(DSS)の使用によるか、またはN−スクシンイミジル=3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネート(SPDP)およびVB12に対するIF親和性を保持する任意の接合体を用いるチオール開裂可能なスペーサーによる。
【0046】
更にもう一つの態様では、カップリングが物理的吸着型または複合体形成を伴う。
【0047】
更にもう一つの態様では、薬剤、治療用ペプチド/タンパク質、およびワクチンが高濃度のVB12と生物カップリングした分解性粒状キャリヤー内に閉込められている。
【0048】
更にもう一つの態様では、所期の生物活性薬剤の装填工程が、粒状球の調製の際または粒子とVB12とのカップリングの際に予備成形した粒状キャリヤー接合体中またはキャリヤー内で行う。
【0049】
更にもう一つの態様では、送達しようとする生物活性薬剤を、1) 接合前/後/中に物理的に粒子中に閉込め、2) 吸着し、または3) 共有結合的にカップリングし、または4) イオン的相互作用、または5) 複合体形成およびVB12粒子系を装填するための任意の他の方法を行う。
【0050】
更にもう一つの態様では、界面活性剤、凝集抑制剤、プロテアーゼ阻害剤、および浸透エンハンサーを処方物のアジュバントとして用いる。
【0051】
更にもう一つの態様では、送達系を、特に内因子(IF)欠損種についてVB12の外来IFと共に同時投与する。
【0052】
更にもう一つの態様では、上記送達系を経口送達に適する投薬形態に処方する。
【0053】
更にもう一つの態様では、経口投薬形態が、溶液、懸濁液、ゲル、ペースト、エリキシル、粘稠なコロイド分散液、錠剤、カプセル、および/または経口制御放出型、および最後に経口経路のための任意の送達形態を包含する。
【0054】
ペプチドおよびタンパク質の経口送達は、過去数十年にわたって製薬工業では定義しにくい標的であった。本発明では、モデルの治療用タンパク質、インスリンおよびワクチンであるB型肝炎ワクチンをモデルタンパク質として選択した。VB12誘導体上での様々な基の存在は、IRスペクトルを元のVB12のIRスペクトルと比較することによって指定した。IF親和性に対して最高の親和性を有するVB12の「e」カルボキシレートを分離して、様々なスペーサーに共有結合し、様々なVB12誘導体を得た(図2)。様々な粒度の様々なVB12粒子系を調製し、それらの表面をVB12接合に適する様々な手段によって改質した(粒度を本文に示した)。これらのVB12にカップリングした粒子系(図1)にインスリンおよびB型肝炎ワクチンを装填した。キャリヤー系のあるものがタンパク質(インスリン)の副治療用量を送達しても、その関連性は免疫応答を開始するのに適していると思われる。従って、非経口的にのみ投与される(従って、モデル薬剤が選択されない)在来の薬剤については問題は著しく単純になり、後の段階で装填される。これらの研究について、主目的はこのキャリヤー系の摂取機構を検討することであるので、透過エンハンサーは送達系と共に用いなかった。上記添加剤は、他の機構により吸収することによってキャリヤー系の効果を強化することができると思われる。イン・ビトロでの酵素研究は、インスリンが球内に閉込められているときには腸酵素の消化作用から保護されるが、遊離のインスリン溶液は同一実験条件下では完全に分解されることを示した(図3)。160〜250nmの粒度範囲の様々なナノ粒子VB12接合体は、モデルタンパク質インスリンで興味深い結果を示した。幾つかの代表的なインスリン送達系の抗糖尿病活性を、図4〜8に示す。これらの系は、5時間目の最大血中グルコース減少が48.4±4.1(初期の%)であった。作用の開始は、総ての送達系について、投与2時間後に観察された。グルコース濃度の最大減少率(%)は、総ての系の微小球接合体について5時間目に見られ、これは6時間目に最大となった。上記結果は、ラットでのVB12吸収について観察されたのと同様な摂取速度を示し、摂取は特異的なVB12依存性吸収によるものであり、数時間かかることを示す。異なる系の予備的評価の際に、作用の時間を総ての系(n=3動物数)について7時間検討したが、後の研究では、摂取は12時間まで継続した(n=5)(図9)。単純なインスリンの抗糖尿病活性を、静脈内(IV)および皮下投与の後に評価した(図10)。薬理学的利用可能性を、上記の結果によって評価した。AUC0−7値は、i.v.経路についてのAUC0−7値と比較すると、ナノ粒子接合体およびより高いナノ粒子接合体(p<0.05)について有意に高かった(p<0.01)。微粒子接合体では、i.v.経路と比較すると、3時間、4時間、5時間および6時間目の血中グルコース濃度が減少したことを除きAUCにはほとんど差がなかったが、インスリンのi.v.投与では、これらの時間に全く活性を示さなかった。様々な粒子接合体の薬理学的利用可能性は、5%から23%程度であった。微粒子接合体は、免疫応答を開始する用量は治療用タンパク質を上回ることはないので、粘膜免疫についてのワクチンで良好な結果を得ることができると期待される(B型肝炎についての検討は進行中である)。10I.U./kgを含むナノ粒子接合体は、最良の結果を示した。摂取研究は、吸収がVB12に特異的なキャリヤー依存性タイプであることを示した(図9)。このキャリヤー系および本発明に記載される様々な手法は、注射可能なタンパク質薬剤/ワクチン、および非経口経路のみで投与される他の在来の薬剤についての現在の要求に取って代わる可能性がある。これらの予備知見は、注射可能な薬剤の経口送達のための送達手法を更に試験して、最適化するための十分なプラットフォームを提供する。
【0055】
理解を容易にするため、本発明と従来技術との相違を図11に図解的に示す。そこに示されるように、図11(A)は、従来技術であって、VB12、生物活性共有結合複合体が溶液として、または分散液として、またはペーストとして処方され、または適当な投薬形態で錠剤として用いられるものを表し、図11(B)は、本発明であって、VB12またはその類似体が生物活性成分が装填される微小球/ナノ粒子表面に共有結合的にカップリングして、投薬形態を処方するものを表している。
【0056】
本発明の理解を容易にするため、初期の特許と本発明の図解表現を図11に示し、ビタミンB12が生物活性材料に共有結合しており、溶液、分散液、ペースト、および錠剤形態として投与される。本発明では、生物活性薬剤(タンパク質/ワクチンまたは薬剤)はビタミンB12またはその類似体に直接カップリングしておらず、代わりにビタミンB12またはその類似体が生物活性成分を装填する微小球/ナノ粒子に共有結合的にカップリングして、投薬形態を処方する。微粒子およびナノ粒子は、生物分解性であり且つ薬学上許容可能なポリマーから構成されている。
【0057】
図11に示されるように、Dは生物活性材料であり、SPはビタミンB12のIF親和性を保持し、および/またはカップリングの場合の長鎖スペーサーである。BDCは生物分解性キャリヤー粒子(微小球/ナノ粒子)であり、VB12はビタミンB12である。
【0058】
様々なVB12球接合体を、架橋のようにして調製した。下記のものは本発明の例示のために挙げるものであり、従って、本発明の範囲を制限するものと解釈すべきではない。
【0059】
【実施例】
セクション1
1.0 接合に適するVB 12 類似体の合成
元のVB12(図2, 1a)に穏和な酸加水分解(0.4M, HCl, 72時間室温)を施し、コリン環の3個のプロピオンアミド側鎖(b, dおよびe)の1個から一酸誘導体を生成した。IFに最高の親和性を有するVB12の「e」モノカルボキシレート(1b) (Kolhouse and Allen, 1977) を、DOWEX AG 1x2 (Biorad) クロマトグラフィーおよび半調製C18−RP−HPLC(5−100%/0.1%トリフルオロ酢酸)の組合わせてよってbおよびd異性体混合物から分離した(Anton et al., 1980)。
【0060】
1.1 」VB 12 のアミノ誘導体の合成 (Russell Jones et al., 1995):
「e」 VB12のアミノ誘導体を、VB12の「e」異性体(1b)を1,2−ジアミノエタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,12−ジアミノドデカン、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン、および1,6−ジアミノ−3,4−ジチアヘキサン(a.k.aシスタミン)と反応させて、それぞれ1c, 1d, 1e, 1f および1gのアミノ「e」VB12誘導体を生成した。これらの反応は、それぞれ20倍モル過剰量のジアミンおよび1−エチル−3−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]カルボジイミド(EDAC)を用いてpH6.5で行った。
【0061】
別の反応で、1,12−ジアミノドデカンを元のVB12(1a) にカップリングして、ジイソプロピルエチルアミンを含む乾燥DMF中1,1′−カルボニルジイミダゾールを用いてVB12を活性化した後、アミノ−ドデシル−5′O−VB12 (1h)を生成した。他のアミン誘導体も、この部位で調製することができる(データーは示さず)。
【0062】
VB12の総てのアミノ誘導体を、5〜100%/0.1%TFAのグラディエントを用いるRP−HPLC(半調製C4カラム)によって精製した。溶出した材料をS−セファロースに吸着させ、0.1M HClで溶出することによって更に精製した。アミノ誘導体はフェノールに抽出し、フェノール相に塩化メチレンを加えた後水に逆抽出することによって更に精製した。最後に、それぞれの生成物を凍結乾燥し、赤色粉末状生成物として回収した。
【0063】
1.2 Synthesis of ジチオピリジル(DTP)アミノVB 12 誘導体の合成
3種類のジチオピリジル(DTP)アミノ−eVB12 誘導体を、スクシンイミジル3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネート(SPDP)を2−アミノエチル−eVB12 (1c)、6−アミノヘキシル−eVB12 (1d)、および12−アミノドデシル−5′OVB12(1h)と反応させて調製し、(1i)、(1j)および(1k)の各誘導体を得た。典型的には、反応はアミノ−VB12 誘導体(50 mg/ml)を0.1 M NaCl を含む0.1 M PO4緩衝液, pH 7.5に溶解した後、SPDP(50 mg/ml、アセトン中)溶液800μlをアミノ−eVB12誘導体に加えることによって行った。室温にて一晩反応を行った後、DTP−アミノ−eVB12 生成物を半調製C4カラム上でRP−HPLCによって精製した後、凍結乾燥した。
【0064】
1.3 長鎖ジチオピリジル (DTP) アミノ−VB 12 誘導体の合成
これらの誘導体は、6−アミノヘキシル−eVB12(1d)からジスクシンイミジルスベレート(DSS)([[モノスクシンイミジル)スベリル]ヘキシル]−eVB12を生成)および1,12−ジアミノドデカンと逐次反応により[[(12−]アミノドデシル)スベリル]ヘキシル]−eVB12(1 l)を得た。得られたこの生成物を、末端アミノ基でSPDPを用いて誘導体形成し、RP−HPLC上で精製し、凍結乾燥して、誘導体(1 m)を得た。
【0065】
1.4 e−VB 12 カルボキシレートのヒドラジジル誘導体の合成
これらの誘導体は、COOH粒子にカップリングするために調製した。ヒドラジド−eVB12(1 n)は、第三ブチレートカルバゼートのeVB12 カルボキシレートへのカップリングの後、t−Boc基を除去して遊離ヒドラジドを生成させる二段階合成によって調製した。シス−ヒドラジド−eVB12 は、eVB12 シスタミン(1 g)から合成した。この材料のeVB12 シス−ヒドラジド(1 o)への転換は、eVB12シスタミンのスクシニル化の後、生成する末端カルボキシル基をeVB12ヒドラジドについて上記した手続きによってヒドラジドに転換することによって進行した。(アジピルヒドラジド)−eVB12 試薬(1 p)は、eVB12カルボキシレートと20倍過剰量のアジピルヒドラジドからEDACの付加によって一段階で容易に調製された。
【0066】
1.5 eVB 12 のアニリド誘導体
eVB12 カルボキシレート(1b)をNHSおよびEDACで活性化した後、パラーアミノフェニル酢酸にカップリングし、VB12アニリド(1q)を得た。
【0067】
1.6 ヒンダードチオール基を含むVB 12 誘導体の形成
アミノエチルeVB12(1c)を、標準的な文献条件を用いて4−[(スクシンイミジルオキシ)−カルボニル]−∝−メチル−∝−(2−ピリジルジチオ)トルエンとカップリングした(Blackey et al., 1987)。生成物である∝−メチル−∝−(2−ピリジルジチオ)トリル]−ヘキシル]e−VB12 (1r)をRP−HPLCによって精製した。
【0068】
1.7 VB 12 のヨードアセタミド誘導体の形成
アミノエチルeVB12 を、ヨード酢酸のNHSエステルと反応させることによってヨードアセタミド誘導体に転換した。生成物(1s)をRP−HPLCによって精製した。
【0069】
1.8 eVB 12 のテトラペプチドスペーサー誘導体の形成
eVB12 カルボキシレート(1b)を上記のようにEDACおよびNHSで活性化し、テトラペプチドGGEA−OMeを重炭酸塩緩衝液,pH9.5に溶解したものに加えた。生成物VB12−GGEA−OMe(1t)を、RP−HPLCによって精製した。
【0070】
VB12の構造およびIF親和性に対する結合の部位は図2に示した通りであり、
Figure 2004517103
【0071】
セクション II
薬剤装填のための粒状キャリヤーは、生物分解性の天然、半合成および合成ポリマーを用いて調製した。この部では、様々な手法によって調製したポリマー性粒状キャリヤーについて述べる。
【0072】
2.0 架橋した多糖類コアの調製
澱粉(DSM/DSN)およびデキストラン(DDM/DDN)の多糖類(PC)微粒子/ナノ粒子 を、エマルションおよびゲル法によって調製した。
【0073】
2.1.1 架橋したポリマーゲルの音波処理によるPCコアの調製
PCポリマーコアを、幾つかの点を改質したSamain et al (1989)の方法に準じて調製した。ポリマー澱粉 (ジャガイモ, 可溶性) / デキストラン(分子量 66,000および10,000)2gを1M NaOHに激しく攪拌しながら均質に分散(加水分解)した。次に、エピクロルヒドリン(0.18〜0.4ml)を一定攪拌下で加え、架橋した。浸透を停止し、柔らかなゲルが得られるまで(通常は2〜6時間)、反応を70〜80℃で進行させた。生成するゲルを水で希釈し、機械的に粉砕し、プローブ音波処理装置(M/s Branson ultrasonified)で音波処理を施した。このようにして得られた粒子を遠心分離によって様々な粒度に分画し、沈澱物(凝集物および大粒子)を廃棄した。
【0074】
最後に、選択した画分を凍結乾燥によって乾燥し(DDM1, DDM2およびDDM3) 、または噴霧乾燥し(DSM1 およびDSM2) [ミニスプレー乾燥機: 入口温度200℃、出口温度140℃、ポンプ制御 3、アスピレーター制御 19、加熱制御 12、流量表示装置 700]、微粉末粒子を得た。
【0075】
2.1.2 POCl を用いる架橋加水分解澱粉
これは、幾つかの点を改質したIgnacio De Miguel et al., 1995の方法に準じて行った。この手続きでは、可溶性澱粉(ジャガイモ)5gを2M NaOH(10〜12ml)に均質化することによって可溶化した。氷槽に浸漬することによって、温度を4℃に調整した後、POCl(2.5g,0.33M)を10M NaOH 7.5mlの溶液と共に攪拌下にて滴加した。架橋剤を加えた後、更にレベル3で15分間攪拌した(ホモジナイザー)。次に、製剤のpHを希HClで7に調製した。生成するゲルを水で希釈し、音波処理を施し、遠心分離した後、噴霧乾燥(上記と同一条件)により、微粉末(DSN1 and DSN2)を得た。
【0076】
2.2 乳化法による界面間架橋
2.2.1 エピクロルヒドリンを用いる架橋
上記の方法で調製したPCコアの幾つかは形状が幾分不規則であり、新たな微粒子をエマルション法によって調製した。典型的には、多糖類(2g, デキストラン分子量10,000または可溶性澱粉5g)を、1M NaOH(5〜10ml)に可溶化した。ポリマー水相をスパン80(2%)を含む液状パラフィン(20〜30ml)中で15,000〜22,000rpmで10〜15分間攪拌することによって乳化し、ポリマー液滴を微細な状態に分散した。次に、エピクロルヒドリン(0.5〜1.0ml)を70〜80℃で2〜3時間1000〜5000rpmで一定攪拌で加えた後、水(2〜5ml)を加え、断続的に水を加えながら更に2〜3時間攪拌した。白色エマルションが淡黄色に変化し、(攪拌を停止したとき)コロイド粒子系が目に見えるほど分離するまで、攪拌を停止した。生成する粒子を等容の石油エーテル/ヘキサンおよび十分な水で3回洗浄した。有機相を分離し、水性粒子系から油相を除去した。水性粒子系を上記と同様にして凍結乾燥/噴霧乾燥して、DDN1/DDN2およびDDN3 / DSN3を得た。
【0077】
2.2.2 エマルション法によるPOCl を用いる架橋
澱粉(ジャガイモ、可溶性)を2M NaOH(12.5ml)中で可溶化し、2%スワン80を含む流動パラフィン(40ml)中で22,000rpmで15分間攪拌することにより乳化した。分散水性ポリマーの温度を4℃にし(氷槽浸漬)、架橋を10M NaOH(7.5ml)の溶液と共にPOCl3(0.66M,2.5g)を加えることによって行った。この工程は、低rpmで攪拌下にて行った。油相を、等容のヘキサン/石油エーテルで3回洗浄することによって除去した(分離漏斗)。水相を十分に希釈して、pHを7.0とし、最後に上記のようにして噴霧乾燥し、微粉末DSN4を得た。
【0078】
2.3 架橋グアールガム (GG) およびキトサンヒドロゲルの調製 (Kabir et al., 1998)
キトサン5gを、0.5M酢酸溶液(300ml)中で可溶化した。同様に、グアールガム4gを800ml水に45℃で2時間分散した。架橋を、25%(w/v)グルタルアルデヒドを加えることによって行った。反応混合物を0.5M濃HSOを加えた後、キトサンエマルションおよびグアールガムエマルションについては25%(w/v)グルタルアルデヒドを同一rpmで攪拌下にて加えることによって、22,000rpmで30 間ホモジナイズした。反応混合物を15,000rpmで更に30分間攪拌し、密封容器(分離漏斗)に48時間保持した。油相を等容のヘキサンで繰返し洗浄することによって除去した。水相を5%(w/v)NaHCOと3〜4時間攪拌することによって混合した後、痕跡量のアルデヒドも見られなくなるまで水1リットルで洗浄した。次に、粒子系を噴霧乾燥し、それぞれキトサン生成物(DCN1およびDCN2)、およびグアールガム生成物(DGM1 およびDGM2)を得た。
【0079】
2.4 溶媒蒸発法によるナノ粒子の調製
Ando et al., 1999 (幾らかの改質有り)の手続き
ポリ(メチルメタクリレート)(PMAM/PMAN)、ポリ(ヒドロキシブチレート)(PHBM/PHBN)、ポリ(D,L−ラクチド)(PLAM/PLAN)、および様々な比率のポリ(DL−ラクチドコグリコール酸)(85:15)(PLGAM/PLGAN)を水−油−水二重エマルション溶媒蒸発法によって調製した。
【0080】
タンパク質生物活性薬剤はもろいため、冷凍製剤(低温)および炭水化物(凍結乾燥およびエマルションの浸透圧バランス)によりカプセル封入した。典型的な手続きを、PLGAポリマーについて概説する。B型肝炎表面抗原500μl(500μg)または80〜100mMトレハロースを含む100IUインスリン100〜200μlを、100mgのPLGAを含む9〜10mlジクロロメタン中で4〜6℃で10秒間音波処理することによって乳化した。主要なエマルション温度を内部水相の凍結温度より低くした後(ドライアイス/アセトン)、100mMトレハロースを含む5%PVA(88%加水分解)50〜60mlで(4〜7℃)で6000〜9000rpmで30〜50秒間乳化した。生成する第二のエマルションを1%PVA100mlで希釈し、系を6〜9時間磁気攪拌して、有機相を蒸発させた。コロイド粒子を最終的に遠心分離によって集め、水で3回洗浄し、PVA並びにタンパク質生物活性薬剤の過剰量を除去した。粒度は、音波処理/攪拌のレベルを変化させることによって、および遠心分離工程によっても制御して、微小球およびナノ粒子を生成し、最終的に凍結乾燥によって乾燥した。
【0081】
2.5 アルブミン微小球の調製
2.5.1 塩化テレフタロイル架橋
3−4 ml solutions of (20−25% w/v)ヒト血清アルブミン(HSA)をカーボネート緩衝液(pH 9.8)に溶解したもの3〜4mlを、4〜5%(v/v)ソルビタントリオレエートを含むクロロホルム:シクロヘキサン(1:4wv/v)混合物(15ml)中で個別に乳化した。次に、塩化テレフタロイルの20〜35%溶液を、それぞれ加えた(0.5,1,1.25および2.5%w/v)。5〜30分間反応させた後、微小球を洗浄し、遠心分離し、PBS7.4に再懸濁し、最終的に凍結乾燥した。条件1) pH 9.8, TC 2.5%, 時間5分間、および2) pH 9.0, TC 2.5% および時間30分間で作成した微小球を、接合に用いた。
【0082】
2.5.2 エマルション法を用いるグルタルアルデヒド架橋
100mgHSA0.5mlを、水性ポリマー相を滴加により徐々に加えることによって綿実油100ml中でホモジナイズし、w/oエマルションを得た。グルタルアルデヒド(25%w/v)の水性溶液0.1mlを安定化エマルションに加え、攪拌を1時間継続した後、アセトン50mlを加えた。1分後、微小球を遠心分離によって集め、水で洗浄し、10%w/vグリシン溶液で反応を停止させて(反応性アルデヒド希を除去し)、適当に遠心分離し、水で洗浄して、凍結乾燥した。2個の遠心分離画分HSAMおよびHSANを選択した。
【0083】
2.6 ゼラチンナノ粒子の調製
これらは、Lig et al., 1997 の改質法に準じて調製した。7%w/v水性ゼラチンよmlを、綿実油90mlに40℃で加えた。この二相系を、22,000rpmの速度で7〜9分間ホモジナイズし、w/oエマルションを形成した。
【0084】
エマルションを冷蔵庫に保管することによって4℃(ゼラチンのゲル化点)の温度まで冷却したところ、エマルションはゼラチンナノ粒子の形成を伴いながら懸濁液に変化し、油相をヘキサン/石油エーテルで洗浄した。次に、水性粒子相を凍結乾燥して、DGNIを得た。
* 架橋が伴うときには、薬剤装填を様々な段階で、すなわち粒子カーゴの調製後またはVB12誘導体のカップリング後に行う。
【0085】
2.7 ポリ(無水物)ナノ粒子の調製:ファージ反転ナノ−カプセル封入(PIN)法
ポリ(無水物)WPは、Mathiowitz et al (1997) の手続きによって調製した。カプセル封入しようとするタンパク質(100IU/mg,インスリン/HBsAg500μg/mg(カプセル封入しようとする適当量を含む0.5〜1ml)を、ポリフマル酸とセバシン酸の無水物ポリマー、およびポリ(FA:SA,20:80)、およびポリフマル酸:ポリラクチド(コグリコール酸)[ポリ(FA:PLGA)50:50]を含むジクロロメタン2〜4%w/vで音波処理を4〜6℃で10〜20秒間行った。次に、生成する分散液を石油エーテルのような非溶媒の未攪拌槽に速やかに投入し(ポリマー溶媒−非溶媒非:100)、ポリマーナノ粒子を得た。所望な粒度は、初期ポリマー%,溶媒−非溶媒比および非溶媒の選択を変更することによって調製することができる。選択された最適処方物は、ポリ[FA:SA]80:20 商標 AFSNおよびポリ[FA:PLGA]50:50 商標 AFPLGANであった。
【0086】
2.8 ポリグルタルアルデヒドナノ粒子
幾つかの改質点を有するMargel, et al., (1979)の方法。10N NaOHを、界面活性剤 (Guar C13 (1% およびポリエチレンオキシド分子量10,000(s)/またはAerosol 604 (1%))を含むグルタルアルデヒド(3〜25%)水溶液100mlの溶液にpHがアルカリ性になるまで(7〜14、好ましくは9〜11)滴加した。混合物を密封容器中でNガスで脱気し、機械振盪装置上で周囲温度で24時間攪拌した。4〜6時間について1時間毎の間隔で、pHを11に調整した。最後に、系を水で十分に透析し、遠心分離して、PGL球(ナノ粒子)を得た。様々な粒度の粒子は、モノマー濃度、界面活性剤、またはpHを変化させることによって調節することができる。
【0087】
様々な最適化条件の2種類の製剤PGLN1(200nm)(COOH)およびPGLN2(400nm)(CHO)をカップリングに用いた。
【0088】
セクション III
3.0 VB 12 カップリングに適する粒状球の表面誘導体形成
粒状キャリヤー(微小球/ナノ粒子)の表面活性化の様々な方法を、以下に示す。
【0089】
3.1.1 過ヨード酸塩酸化による活性化
過ヨード酸酸化に用いた特定の画分は、DSM1, DSM2, DSN1, DSN2, DSN3, DSN4, DCN1, DGN1およびDGN2であった。
微粒子の計量分(250〜500mg)を蒸留水(5〜10ml)に懸濁し、マグネチックスターラーで攪拌した。次に、過ヨード酸ナトリウム(粒子と等重量)を加え、混合を暗所で45〜50分間継続した。酸化した粒子系を透析または遠心分離によって十分に洗浄し、最後に凍結乾燥した。
【0090】
3.1.2 VB 12 の酸化粒子とのカップリング
次に、酸化した粒子系(100〜150mg)を、アミノVB12誘導体(20〜30mg)と暗所にて4℃で18〜24時間反応させた。接合体を水素化ホウ素ナトリウム(4mg)で4℃で2時間還元し、透析し、最終的に粉末状接合体として凍結乾燥した。
【0091】
使用したVB12誘導体および粒子は、下記の通りであった。
(下表に記載の反応の図解表現)
接合体番号 VB12誘導体+粒子 → 接合体 (粒度)
【0092】
【表1】
Figure 2004517103
【0093】
3.2.1 VB 12 とのカップリングに適するCOOH基を供給するための粒子の表 面誘導体形成
VB12結合の官能基を供給するための球の表面誘導体形成:粒子をPeyrot et al, (1994) によって記載されている方法を用いてスクシニル化し、アミノVB12誘導体へ結合するための官能基を提供した。多糖類コアを最初に完全に乾燥した後、50mg/ml トリエチルアミンを含むジクロロメタン(100mg/ml)に分散した。無水コハク酸(30%w/v)を加え、反応を無水条件下で(35±2℃)にて20時間行った。最後に、選択した画分DDM3, DDM2, DSM1, DDN1, DDN2およびDDN3を蒸留水に対して透析し、凍結乾燥した。
【0094】
3.2.2 スクシニル化粒子とVB 12 誘導体のカップリング
VB12−球接合体を、スクシニル化コア(DDM/DDN)とVB12のアミノ誘導体との直接アミド結合によって調製した。一般に、カップリングは、スクシニル化デキストランコアを0.15M NaOH溶液(pH4.5)に分散させ、これをNH−スペーサー VB12および1−エチル−3[(ジメチルアミノ)プロピル]カルボジイミド(EDAC)と総量が3ml中で混合することによって行った。次に、pHをNaHCOで7.5に調整した。反応混合物を30±2℃で2時間攪拌し、4℃で20時間インキュベーションし、最後に暗桃色〜赤色粉末状生成物として凍結乾燥した。典型的には、スクシニル化コア100mgを、等量のアミノVB12およびEDACのモル過剰量とカップリングした。
【0095】
3.2.3 アミノヘキシル−5′OVB 12 を用いるVB 12 球の代替形成法
1. スクシニル化デキストランコアを100mg/mlで溶液(pH4.5)に分散させ、等容の50mg/mlN−ヒドロキシスクシンイミド(50mg/mlDMF)と十分に混合した。
2. 1−エチル−3−{3−(ジメチルアミノ)プロピル}カルボジイミド(EDAC)(球に対して等重量)を100mg/mlで加え、15分間反応させた。
3. (球に対して)等重量のアミノヘキシル−5′OVB12を0.025M K2CO3の100mg/mlに溶解したものを加え、反応混合物を室温で20時間攪拌した後、十分に透析した後、凍結乾燥した。
【0096】
Figure 2004517103
【0097】
3.3.1 CNBR依存性カップリング
CNBR2gを、通風室でPBS(pH11.5)25mlに溶解した。次に、CNBR溶液を、10〜15分間激しく攪拌しながら粒子懸濁液に加えた。上記反応で、pHはNaOHを加えることによって保持した。粒子を遠心分離し、氷冷蒸留水および重炭酸ナトリウムで十分に洗浄した。
【0098】
3.3.2 カップリング
アミノVB1225mgを、CNBR活性化粒子(100mg)を3ml重炭酸塩緩衝液pH7.5に懸濁したものに加え、4℃で72時間回転により混合し、最後に遠心分離および緩衝液に対する十分な透析によって洗浄した。
Figure 2004517103
【0099】
3.4.1 アミノ基を提供するための多糖類粒子の誘導体形成
ジアミン(1,2−ジアミノエタン)のアミノ基の1個を、50%v/vオキシ塩化ベンジル/無水酢酸を徐々に加えて保護し、Dowexクロマトグラフィーによって精製した。モノ保護ジアミンを過ヨード酸活性化粒子/スクシニル化粒子で処理した。NH基上の保護基を除き、表面上に粒子のアミノ基を生成した。
【0100】
3.4.2 チオール基を提供するための表面改質
アミノ基を改質した粒子系をリン酸緩衝液pH7.5(50mg/ml)に分散した。SPDPをアセトン(50mg/ml)に溶解した。相を十分に混合し、室温で一晩反応を進行させ、過剰の試薬を透析によって除去した。遊離のチオールを、β−メルカプトエタノールで還元して誘導し、最後に凍結乾燥した。
【0101】
3.4.3 ジスルフィド結合によるVB 12 −多糖類接合体の形成
SPDP処理した粒子(25mg/ml;50mg/ml)を、酢酸ナトリウム緩衝液pH4.5に懸濁した。次に、DTPアミノエチル誘導体(10mg/ml)2.5mlを、酢酸緩衝液pH4.5に溶解した。両相を混合し、反応を4℃で48時間進行させた。接合体を透析し、最後に凍結乾燥した。用いた様々な誘導体および上記反応からのそれらの接合体を、下記に示す。
Figure 2004517103
【0102】
3.5.0 非開裂性VB 12 −多糖類コア接合体の形成
1) 表面上のNH基を含む微粒子(モノ保護ジアミンで予め改質したDGN1)を、1.5倍モル過剰量のエチレングリコールビス(スクシンイミジルスクシネート)[EGS]で室温にて20分間処理した。アミノeVB12(1c)を加え、カップリングを一晩行った。生成物を透析し/遠心分離し、凍結乾燥した。
2) 同様に、粒子系(モノ保護ジアミンで予め改質したDGN2)を、ジスクシンイミジルスベレート(DSS)で処理した。反応中間体をアミノVB12(1d) で処理し、接合体を洗浄して、凍結乾燥した。
3) SPDP改質粒子(DSM1)に、ヨードアセタミドヘキシルeVB12(1s) をジイソプロピルエチルアミド/ジエチルホルムアミド(1:20v/v)に溶解したものを(不活性雰囲気で)室温にて30分間激しく攪拌しながら加え、チオエーテル接合体を洗浄して、凍結乾燥した。
4) テトラペプチドeVB12(1t)を、重炭酸塩緩衝液pH9.5の存在下にて室温で30分間アミノ基を含む粒子(モノ保護ジアミンで予め改質したDCN1,3.4.1)に接合し、2%酢酸と混合し、洗浄して、凍結乾燥した。
5) eVB12(1q)のアニリド誘導体を、重炭酸塩緩衝液pH9.5中EDAC/NHSの存在下にて室温で30分間アミノ基を含む粒子とカップリングし、2%酢酸で希釈し、洗浄して、凍結乾燥した。
【0103】
Figure 2004517103
【0104】
3.6 アミノVB 12 /ヒドラジドのアミド接合体およびEDACによる溶媒蒸発によって調整した微粒子
アミノVB12/ヒドラジドVB12およびEDACの20倍モル過剰量を用いて重炭酸塩緩衝液pH7.5中にCOOHを含む粒子に接合し、接合は4℃で一晩行い、洗浄して、凍結乾燥した。用いた粒子およびそれらのVB12誘導体を下記に示す。
【0105】
Figure 2004517103
【0106】
3.6.1 ジスルフィド結合によってカップリングしたVB 12 粒子系
ナノ粒子PLGAN1, PLGAN2, PHBN1およびPLAN1をモノ保護ジアミンで表面改質し、上記のように(3.2.1および3.2.2節)SPDPで処理し、SHを含む粒子を得た。
【0107】
3.6.2 アミノ基を提供するための粒子の誘導体形成
ジアミン(1,2−ジアミノエタン)のアミノ基の1つを50%v/vオキシ塩化ベンジル/無水酢酸を徐々に加えることによって保護し、DOWEXクロマトグラフィーによって精製した。モノ保護ジアミンを粒子系で処理し、NH基上に理由死のアミノ基を生成させた。
【0108】
3.6.3 チオール基を提供するための表面改質
アミノ基を改質した粒子系を、リン酸緩衝液pH7.5(50mg/ml)に分散した。SPDPを、アセトン(50mg/ml)に溶解した。両相を十分に混合し、室温で一晩反応を進行させ、過剰の試薬を透析によって除去した。遊離のチオールをβ−メルカプトエタノールで還元することによって導入し、最後に凍結乾燥した。
【0109】
3.6.4 カップリング
SPDP処理した粒子(25mg/ml;50mg/ml)を酢酸ナトリウム緩衝液pH4.5に懸濁した。次に、DTPアミノエチル誘導体(10mg/ml)2.5mlを酢酸緩衝液pH4.5に溶解した。両相を混合し、反応を4℃で48時間進行させた。接合体を透析した後、凍結乾燥した。
【0110】
6.6.5 ナノ粒子(PLGA)に結合するための表面官能基の同時組込み
VB12結合に適する表面官能基を、調製中にナノ粒子マトリックスに同時投与する。(L−α−ホスファチジルエタノールアミン)を含むナノ粒子を、脂質のクロロホルム溶液をポリマーのジクロロメタン溶液に混合することによって調製した(脂質対ポリマー比1:5)。次に、上記の(PLGA溶媒蒸発法)PGLAN2と同様にして、乳化を行った。形成された粒子をSPDPで改質し、カップリングに適するようにした。
【0111】
これらの系は、VB12のジチオピリジル誘導体へ接合するためにデザインした。
Figure 2004517103
【0112】
3.6.6 コロイド粒子上のVB 12 誘導体コポリマーの吸着
これは、ポロキサマー上でのカップリングにより幾らか改質したNeal et al.の方法によって行った(Neal et al., 1998)。
工程1
ポロキサマー407およびポロキサミン908の末端ヒドロキシル基をアミノ基で置換した後、アミノコポリマーをVB12でカップリングした。
1) 上記のようなEDACの存在下におけるVB12(1b)のe−カルボキシレート。反応を、以前に使用した水性溶媒の代わりに有機溶媒であるテトラヒドロフランを含むように若干改質した。
2) もう一つの反応では、アミノコポリマーをSPDPで改質した後、上記のようにeVB12 (1i) のジチオピリジル誘導体と結合させた。
【0113】
コポリマーのアミノ誘導体についての手続きを概説する(文献:Neal, J.C. et al., 1998)。コポリマーをCHClに溶解した20%w/v溶液を、2倍モル過剰量のp−とるスルホニルクロリドおよびピリジンと室温で24時間反応させた。p−トルエンスルホネートエステル生成物を最初に3M HClで洗浄した後、有機層をNaHCOで洗浄し、回転蒸発を用いてコポリマーを得た。第二工程では、p−トルエンスルホネートエステル生成物を加圧反応容器中で25%w/vNH/HOと120℃で6時間反応させ、アミノ化コポリマーを生成した。反応生成物を室温まで冷却し、CHClで抽出し、アミノ化コポリマーからトルエンスルホン酸アンモニウムを分離した。次に、生成物を塩基(NaOH/HO)で洗浄して、遊離のアミノ生成物を生成した。
【0114】
工程2
VB12のアミノ化コポリマーを、ナノ粒子表面に吸着させた。簡単に説明すれば、VB12から誘導体形成したコポリマーを等容および濃度の微粒子懸濁液と12時間インキュベーションした。
【0115】
ナノ粒子に吸着した接合体
【0116】
【表2】
Figure 2004517103
【0117】
表面吸着
表面COOH基を含む粒子系はアニオン性であり、それらをカチオン性薬剤と混合すると、ナノ粒子表面上でイオン結合により吸着する。表面改質剤の必要量を吸着させることができる。典型的には、5〜10%DMADを有する粒子については、予備成形した粒子95〜90mgを含む10〜20mlに溶解したこの薬剤5〜10mgを氷槽上で音波処理により懸濁し、凍結乾燥によって乾燥した。
Figure 2004517103
【0118】
ナノ粒子のエポキシ活性化 Viond et al., 1998
予備成形したナノ粒子の試料(80)を、氷槽上でホウ酸緩衝液(50 MM, pH5) 10mlに懸濁した。次に、テトラフルオロホウ酸亜鉛水和物(触媒24mg)およびDenacol溶液 (24 mg/4−ml ホウ酸緩衝液)37±1℃で30〜50分間攪拌しながら加えた。ナノ粒子を遠心分離によって分離し、HOで十分に洗浄して未反応不純物を除去した。
Figure 2004517103
アミノ誘導体VB12を、1,1′−カルボニルジイミダゾール活性化によってカップリングする。
【0119】
3.6.7 PIN法によって調製される無水物粒子の接合
ポリ無水物ナノ粒子[ASSN1, AFPLGAN2; それぞれ50 mg]秤量分をホウ酸緩衝液[0.20 M, pH 9.0, 10ml]に懸濁した後、eVB12のヒドラジド誘導体をナノ粒子の無水物基と比較してモル過剰量で加えた。30分後、酢酸緩衝液[0.2 M, pH 5.0, 25 ml] を加えた。接合したナノ粒子を2M NaCl、蒸留水で洗浄し、凍結乾燥した。
Figure 2004517103
【0120】
3.6.8 無水物粒子とeVB 12 のジスルフィド接合
粒子(AFSN1, AFPLGAN2)をモノ保護ジアミンで改質し、保護薬剤を上記の用にして開裂した(3.6.2節)。
【0121】
もう一つの反応では、ナノ粒子(AFSN1)をアルギンアミドで表面改質した(文献:Gao, J. et al., 1998)。簡単に説明すれば、ナノ粒子50mgをホウ酸緩衝液に12mMアルギンアミドを含む溶液に懸濁した(0.20 M, pH 5.0, 9 ml)。粒子を2M NaCl、蒸留水で洗浄し、凍結乾燥した。
【0122】
上記アミノ誘導粒子をSPDPにカップリングして、上記と同様にSH基を含む粒子を得た(3.6.3節)。
【0123】
カップリングは、3.6.4に記載の方法で行った。
Figure 2004517103
【0124】
3.6.9 タンパク質ポリマーを基剤とする微粒子/ナノ粒子のVB 12 への接合
微粒子およびそれらの接合体の様々な画分を、下記に示す。
この反応では、HSAM粒子(100mg)を、シッフ塩基を形成し且つ接合のためのCHO基を生じる25%w/vグルタルアルデヒド/ホウ酸緩衝液の0.25〜0.5mlで活性化した。粒子とVB12誘導体との間のジスルフィドカップリングは、3.6.2.、 3.6.3および3.6.4に記載の方法で行う。
【0125】
【表3】
Figure 2004517103
【0126】
3.7 ポリグルタルアルデヒドナノ粒子のeVB 12 へのカップリング
水性粒子懸濁液 (PGLN2, 100 mg/ml; 5 ml) をPBS(pH 7.4, 15 ml)で希釈した。次に、ヒドラジドVB12誘導体(10 ml, 15−20 mg)溶液を、4℃で2時間攪拌しながら加えた後、グリシン (200 mg)を加え、反応性アルデヒド基を除去し、攪拌を室温で更に1時間継続した。粒子を透析/遠心分離した後、凍結乾燥した。PGLN1を、カルボジイミド化学によってアミノヘキシルeVB12 (1d)とカップリングした。
Figure 2004517103
【0127】
3.8 VB 12 誘導体の共有結合カップリングによる分解可能なヒドロゲル
文献: Zhao, X. and Harris, J. (1998)
二工程ヒドロゲル調製 二官能性PEG−CM−HBA−N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)2000(下記参照)の50mgの二官能性二重エステルPEGから作成された二工程ゲルを、脱イオン水0.25mlに溶解した。この溶液に、FITC−BSA(10mg/ml)を有するまたは含まない緩衝液0.5ml、および8−アームのPEG−アミン溶液(250mg/ml)0.25mlを加えた。激しく振盪した後、溶液を静置した。ゲルが数分で形成した。適当なpH範囲は、5.5〜8であった。
【0128】
PEG−スクシンイミジルカーボネート6800(下記参照)を含む二官能性エステル50mg中でエステルを含む二官能性のPEG−スクシンイミジルカーボネートから作成された二工程ゲルを、脱イオン水0.3mlに溶解した。この溶液に、8−アームのPEG−アミン溶液(250mg/ml)0.3mlを加えた。激しく振盪した後、溶液を静置した。ゲルが数分で形成した。適当なpH範囲は、5.5〜8であった。
【0129】
接合体59および60:アミノおよびヒドラジド誘導体を、調製中にカップリングする。
【0130】
セクション IV
予備成形した接合体へのタンパク質装填(インスリン)
典型的には、単純なウシインスリン溶液(40IU/ml)または500μgのB型肝炎ワクチンの100IUを、多糖類コア100mgを含む予備成形した接合体と混合した。ゲルを凍結乾燥し、暗桃色〜淡赤色粉末を得て、使用まで4〜8℃で保管した。
・架橋が伴うときには、薬剤装填は、異なる段階で行い、すなわち粒子カーゴの調製の後、またはVB12誘導体のカップリングの後に行う。
【0131】
具体的利点
本発明に記載の送達系は、他の報告されているVB12を基剤とする接合系に比較して利点を有する。(1)送達しようとする医薬品は、生物分解性ポリマー静キャリヤーに装填される。(2)本発明で調製される粒子キャリヤーは生物分解性で且つ薬学上許容可能なキャリヤーからなっているので、イン・ビボで分解して、その薬理学的応答に対して生物活性薬剤を放出し、送達し、これは薬剤送達の必要条件である。(3)親基のみで生じるペプチド/タンパク質医薬品またはワクチンまたは薬剤は、医薬目的のために生物分解性ポリマー内に容易に装填することができる。(4)ポリマー粒子は、腸および消化管酵素の過酷な環境から保護される。(5)VB12タンパク質接合系と比較して、摂取は数倍に増幅される。(6)送達しようとする医薬品は化学的に改質されないので、完全な生物活性を保持する。
【0132】
イン・ビボ性能
調製された様々なインスリンを装填した薬剤送達系を、ストレプトゾトシン誘発糖尿病ラットでの抗糖尿病活性化について試験し、結果を概説部に記載している。これらのインスリン薬剤送達系は、糖尿病ラット(n=動物数)に経口投与される。給餌の後、様々な時間間隔で、ラットから採血し、それらの血中グルコース濃度を測定する。
【図面の簡単な説明】
【図1】
VB12とカップリングした粒子系。
【図2】
VB12の構造およびIF親和性についての結合の部位。
【図3】
単純なインスリンおよびインスリンを含むVB12−微小球接合体でのpHの効果およびタンパク質分解を示すグラフ。
【図4】
ストレプトゾトシン誘発糖尿病ラット(n=3)でのインスリンを装填したVB12−球接合体の経口投与の低血糖効果を示すグラフ。
【図5】
ストレプトゾトシン誘発糖尿病ラット(n=3)でのインスリンを装填したVB12−をコーティングした微小球/ナノ粒子接合体の経口投与の低血糖効果を示すグラフ。
【図6】
ストレプトゾトシン誘発糖尿病ラット(n=3)でのインスリンを装填したVB12−をコーティングした微小球/ナノ粒子接合体の経口投与の低血糖効果を示すグラフ。
【図7】
ストレプトゾトシン誘発糖尿病ラット(n=3)でのインスリンを装填したVB12−をコーティングした微小球/ナノ粒子接合体の経口投与の低血糖効果を示すグラフ。
【図8】
ストレプトゾトシン誘発糖尿病ラット(n=3)でのインスリンを装填したVB12−をコーティングした微小球接合体の経口投与の低血糖効果を示すグラフ。
【図9】
効果的送達系(DDN1 CO−NH「e」VB12)およびその摂取研究の用量応答関係を示すグラフ。
【図10】
ストレプトゾトシン誘発糖尿病ラットでI.V.、S.C.および経口経路で投与される単純な接合体およびインスリンの低血糖効果を示すグラフ。
【図11】
初期の発明と比較した本発明の図解表現。

Claims (33)

  1. 間にスペーサーを有するビタミンB12 (VB12)にカップリングした粒状キャリヤー系に装填される薬剤、治療用タンパク質/ペプチド、およびワクチンの経口送達のための新規な複合体であって、スペーサーを有するキャリヤー系が式 VB12−R′/R″−N(式中、R′またはR″はスペーサーおよび/またはNHまたはCOOHまたはSH基を供給するためのVB12の誘導体形成のための薬剤であり、Nは注射可能な薬剤、治療用タンパク質/ペプチド、およびワクチンの送達のための微粒子またはナノ粒子キャリヤーである)を有する複合体。
  2. 送達しようとする薬剤が非経口経路のみによって投与される在来の薬剤、治療用ペプチド/タンパク質、ヘパリンおよび免疫用のワクチンのような他の生物薬剤である、請求項1に記載の複合体。
  3. 送達しようとする薬剤がゲンタマイシンおよびアミカシンから選択される非経口経路のみによって投与される在来の薬剤、インスリン、EPO、G−CSF、GM−CSF、VIII因子、LHRH類似体およびインターフェロンから選択される治療用ペプチド/タンパク質、ヘパリン、および「B」型肝炎表面抗原、腸チフスおよびコレラワクチンから免疫用に選択されたワクチンのような他の生物薬剤である、請求項1に記載の複合体。
  4. キャリヤー系が、非経口的に投与される薬剤/ワクチンと共に装填される生物分解性ポリマー粒状キャリヤーに結合するVB12またはその類似体、またはそれらの誘導体を含んでなる薬学上許容可能なキャリヤーである、請求項1に記載の複合体。
  5. 天然摂取VB12による回腸またはその付近における受容体依存性エンドサイトーシスの後に、キャリヤー系がトランスサイトーシスを受ける、請求項1に記載の複合体。
  6. VB12が全身的および/またはリンパ球の運命に対する腸のターゲッティングリガンドである、請求項1に記載の複合体。
  7. VB12が天然シアノコバラミン(cynocobalamine)(VB12)またはVB12の様々な類似体、すなわちアココバラミン(aquocobalimin)、アデノシルコバラミン、メチルコバラミン、ヒドロキシコバラミン、および/またはそれらの誘導体、またはアルキルコバラミンであって、アルキル鎖がVB12のコバルトに連結しているもの、またはクロロ、スルフェート、ニトロ、チオを有するシアノコバラミン(シアノコバラミン)、またはそれらのアナリド(analide)、VB12のエチルアミド、プロピオンアミド、モノカルボン酸、およびジカルボン酸誘導体、およびその類似体、またはモノカルボキシVB12の「e」異性体のモノカルボン酸、ジカルボン酸およびトリカルボン酸誘導体、およびプロミナミド誘導体、およびVB12の類似体であってコバルトがこれらの誘導体に結合した他の金属(亜鉛またはニッケルなど)および様々なスペーサーによって置換されているもの、または生物分解性粒状キャリヤーにカップリングした後にIF親和性を保持している誘導体である、請求項1に記載の複合体。
  8. VB12の誘導体がVB12のリボソーム残基の第一5′−ヒドロキシルおよび2′−ヒドロキシル基および粒状キャリヤーとのカップリングに有用なこの部位で結合した様々なスペーサーの誘導体形成をも含む、請求項7に記載の複合体。
  9. NHまたはCOOHまたはSH基およびそれらの組合せの供給を目的とするVB12の誘導体形成のためのスペーサーおよび/または薬剤であるR′〜 R″が、二酸またはアルキル二酸(COOH−COOH, (COO(CHCOO))、アルキルジアミン((CHCOO−NH)、またはアルキルジアミド(NHCO(CH)CONH)、またはヒドラジド(NHNH)、またはアルキルジヒドラジド(NHNHCO(CHCONHNH)、または置換SH基を含む薬剤(N−スクシンイミジル3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネートまたはその長鎖アルキル誘導体、または酸無水物[(CH)COCOO)] 、または酸ハロゲン化物スペーサー(R(CHCOCl)、またはアンヒドロキシ活性化エステル官能基(NHS)であって、ペプチド結合または界面活性剤誘導体またはポリマー性スペーサーに用いられるものから選択され、総ての場合に「n」は1、2、3、...無限大の整数である、請求項1に記載の複合体。
  10. 微小球またはナノ粒子が生物分解性であり且つ薬学上許容可能なポリマーから構成されている、請求項1に記載の複合体。
  11. 薬剤を装填したポリマー粒子がイン・ビボで分解して、生物活性応答に対してタンパク質医薬品/ワクチンを放出して送達する、請求項1に記載の複合体。
  12. 粒状キャリヤーが表面COOH、無水物、NH、SH基およびそれらの組合せを含む生物分解性、疎水性または親水性ポリマー微小球/ナノ粒子である、請求項1に記載の複合体。
  13. 粒状キャリヤー系がモノリシック(マトリックス型、架橋)および/または貯蔵所型(マイクロカプセルおよびナノカプセル)または多粒子型(粒子中粒子)であるか、リガンドVB12のポリマーへの共付加によって形成される粒子、すなわち共役ポリマー粒子である、請求項1に記載の複合体。
  14. 粒状キャリヤーが、多糖類ポリマー、すなわち澱粉およびそれらの誘導体、ペクチン、アミロース、グアールガムおよびそれらの誘導体、様々な分子量のデキストランおよびそれらの誘導体、キトサンおよびそれらの誘導体、コンドリオタン硫酸およびそれらの誘導体、および最後に多糖類およびそれらのポリマーの他の天然および半合成誘導体を包含する、請求項1に記載の複合体。
  15. 多糖類の架橋剤が、エピクロルヒドリン、POCl、ホウ砂(グアールガム)、アルデヒド(例えば、グルタルアルデヒド)、および多糖類ポリマーに架橋して粒状キャリヤーを生成する他の架橋剤を包含する、請求項14に記載の複合体。
  16. 親水性の少ない〜疎水性の粒状キャリヤーが、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(ヒドロキシブチレート)、ポリラクチド(コグリコール酸)、(フマル酸:セバシン酸、およびポリフマル酸)のポリ(無水物)微小球、およびポリ(ラクチド(コグリコリド)の生物分解性ポリマー、脂肪族アシル化粒子(脂肪族アシル層によって囲まれた親水性コア)、LDLキャリヤー、多粒子系(異なる親水性または疎水性のポリマーに封入されたポリマー粒子)、および最後にこれらのポリマーの様々な組成物を包含する、請求項12に記載の複合体。
  17. 粒状キャリヤーがアルブミン、ゼラチンのような天然タンパク質ポリマー、半合成またはペプチド基剤の合成ポリマー、およびそれらの誘導体をも包含する、請求項1に記載の複合体。
  18. 塩化テレフタロイル、グルタルアルデヒドのような架橋剤、およびタンパク質ポリマーを架橋して粒状キャリヤーを生成する架橋剤である、請求項15に記載の複合体。
  19. グルタルアルデヒドのようなモノマーのポリ(グルタルアルデヒド)への重合によって成形される粒子、およびモノマーの重合およびそれらのVB12.へのカップリングによって形成される粒子である、請求項1に記載の複合体。
  20. 薬剤、タンパク質およびワクチンの全身送達の系の粒度が数ナノメートル〜10μm以上である、請求項1に記載の複合体。
  21. VB12結合および/または複合体形成に適するように表面が改質されまたは活性化されている粒子系である、請求項1に記載の複合体。
  22. 粒子系がVB12で表面改質されており、VB12の生物分解性粒状キャリヤーへのカップリングを包含する、請求項21に記載の複合体。
  23. VB12誘導体と粒子とのカップリングが間にスペーサーを有するおよび持たない生物分解性および非生物分解性結合を包含する、請求項21に記載の複合体。
  24. VB12誘導体と粒状キャリヤーまたは表面改質した/活性化した粒子とのカップリングが、1−エチル=3,3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミド(EDAC)または1,1′−カルボニルジイミダゾール(CDI)またはN,N′−ジイソプロピルカルボジイミド(DIPC)のようなカルボジイミドと他のペプチドカップリング剤を用いるアミド結合、またはN−ヒドロキシスクシンイミド活性化カップリング(NHS)、または過ヨウ素酸塩カップリング、またはグルタルアルデヒド活性化カップリング、またはCNBR依存性カップリング、または酸ハロゲン化物によって誘導されるアミドカップリングによるか、または親水性スペーサーエチレングリコールビス(スクシンイミジルスクシネート)(EGS)または疎水性スペーサージスクシンイミジルスベレート(DSS)の使用によるか、またはN−スクシンイミジル=3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネート(SPDP)およびVB12に対するIF親和性を保持する任意の接合体を用いるチオール開裂可能なスペーサーによる、請求項1に記載の複合体。
  25. カップリングが物理的吸着型または複合体形成を伴う、請求項1に記載の複合体。
  26. 薬剤、治療用ペプチド/タンパク質、およびワクチンが高濃度のVB12と生物カップリングした分解性粒状キャリヤー内に閉込められている、請求項1に記載の複合体。
  27. 所期の生物活性薬剤の装填工程が、粒状球の調製の際または粒子とVB12とのカップリングの際に予備成形した粒状キャリヤー接合体中またはキャリヤー内で行う、請求項25に記載の複合体。
  28. 送達しようとする生物活性薬剤を、1) 接合前/後/中に物理的に粒子中に閉込め、2) 吸着し、または3) 共有結合的にカップリングし、または4) イオン的相互作用、または5) 複合体形成およびVB12粒子系を装填するための任意の他の方法を行う、請求項26に記載の複合体。
  29. 界面活性剤、凝集抑制剤、プロテアーゼ阻害剤、および浸透エンハンサーを処方物のアジュバントとして用いる、請求項1に記載の複合体。
  30. 送達系を、特に内因子(IF)欠損種についてVB12の外来IFと共に同時投与する、請求項1に記載の複合体。
  31. 複合体が注射用薬剤、治療用タンパク質/ペプチド、およびワクチンの経口送達のためのものである、請求項1に記載の複合体。
  32. 上記送達系を経口送達に適する投薬形態に処方する、請求項1に記載の複合体。
  33. 経口投薬形態が、溶液、懸濁液、ゲル、ペースト、エリキシル、粘稠なコロイド分散液、錠剤、カプセル、および/または経口制御放出型、および最後に経口経路のための任意の送達形態を包含する、請求項32に記載の複合体。
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