JP2001512673A - Kcnqカリウムチャンネルおよびそれの活性調節方法 - Google Patents

Kcnqカリウムチャンネルおよびそれの活性調節方法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、カリウムチャンネルを限定しているKCNQタンパク質に関する。特に本発明は、本明細書中で報告するヒトKCNQ2 、ヒトKCNQ3 、マウスKCNQ2 およびラットKCNQ2 タンパク質に関する。KCNQ2 およびKCNQ3 タンパク質は神経系選択的であり、神経伝達と神経保護に関与するのかもしれない。本発明のKCNQ2 およびKCNQ3 は、運動失調、ミオキミア、痙攣(例えばてんかん性発作)、アルツハイマー病、パーキンソン病、年齢に伴う記憶減退、学習機能不全、運動ニューロン病、発作などといった障害の治療に有用であるタンパク質の活性調節についてアッセイするのに利用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】発明の分野 本発明は、カリウムチャンネルの核酸およびタンパク質、並びに関連するベク
ター、宿主細胞、それらの調製方法および使用方法に関する。本明細書中に開示
するカリウムチャンネルタンパク質に結合しそして/または他の方法で活性調節
する化合物についてのスクリーニング方法も本発明に含まれる。更に、本発明は
、本明細書中に開示するカリウムチャンネルの活性調節方法、例えば前記カリウ
ムチャンネルの開放/活性化または閉鎖/不活性化方法も包含する。
【0002】発明の背景 イオンチャンネルの中でカリウムイオン(K+ )チャンネルは最も偏在的であ
り且つ多様である。それらには、6つ,4つまたは2つの膜貫通領域を有するチ
ャンネルという3つの主な構造類型(クラス)が含まれる。6膜貫通領域カリウ
ムチャンネルはシェーカー様(Shaker-like )、イーグ様(eag-like)およびス
ロ様(Slo-like)に細分される。最近のKvLQT1の同定により、6膜貫通領域カリ
ウムチャンネルの新規ファミリーが樹立された。Barhanin他 (1996) Nature 384
:78-80 ; Sanguinetti他 (1996) Nature 384:80-83 ; Yang 他 (1997) Proc. Na tl. Acad. Sci. USA 94:4017-4022 ; Wang他 (1996) Nature Genetics 12:17-23
。DNA配列およびタンパク質配列データバンクの検索から、C.エレガンス( C. elegans )とヒトにおいてKvLQT1関連チャンネルの追加の潜在的メンバーの存
在が明らかになった。Wei 他 (1996) Neuropharmacology 35:805-29 ; Yang他 (
1997) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94:4017-4022 。
【0003】 1または複数の種類のK+ チャンネルは細胞膜上にあり、それらは他のイオン
よりもK+ に対して著しく選択的である。興奮性細胞では、K+ チャンネルは活
動電位構造を調節する。カリウムの流入が静止膜電位の再分極、維持および過分
極の主要機構である。Halliwell (1990) Potassium channnels-structure, cla ssification, function and therapeutic potential (N.S. Cook編), 348-381 ;
Jan, L.Y. & Jan, Y.N. (1992) Ann. Rev. Physiol. 54: 537-555 ; Pongs (19
92) Physiol. Rev. 72:S69-S88。
【0004】 ニューロンでは、K+ チャンネルがニューロンの興奮性、活動電位の形状と始
動パターンを調節する。それらのチャンネルは様々な刺激、例えば細胞内第一メ
ッセンジャー、膜電位、イオンおよび神経伝達物質により開閉され得る。 Hille
(1992) Ionic channels of excitable membranes ; Catterall (1995) Ann. R ev. Biochem. 64:493-531 。ニューロンのK+ チャンネルは神経伝達と神経保護
といったニューロン機能にとって非常に重要であり、それらは知覚、学習、行動
などに影響を及ぼし得る。
【0005】 最近、KvLQT1およびKvLQT1関連チャンネルに対する命名法が変更された。Bier
vert他 (1998) Science 279:403-406 。KvLQT1はKCNQ1 と命名し直され、そして
KvLQT1関連チャンネル(KvLR1 とKvLR2 )はそれぞれKCNQ2 およびKCNQ3 と命名
し直された。従って、本明細書全体を通して、KCNQ1 への言及はKvLQT1と同意義
であり;KCNQ2 への言及はKvLR1 と同意義であり;そしてKCNQ2 への言及はKvLR
2 と同意義である。
【0006】 特発性全身てんかんの一種である良性家族性新生児痙攣("BFNC")は、新生児
の常染色体で優性遺伝する障害である。BFNCは最近2つの推定K+ チャンネルKC
NQ2 遺伝子であるKCNQ3 遺伝子中の突然変異に結び付けられた。Biervert他, 前
掲;Charlier他 (1998) Nature Genetics 18:53-55 ; Singh他 (1988) Nature G enetics 18:25-29。KCNQ2 の予備的な機能特徴づけは、この遺伝子が電圧活性化
+ チャンネルをコードすることを確証した(Singh 他, 前掲)。
【0007】発明の要約 本発明は、KCNQ2 (以前はKvLR1 と呼ばれていた)およびKCNQ3 (以前はKvLR
2 と呼ばれていた)と称する新規神経系特異的カリウムチャンネルを開示する。
本発明には、ヒト KCNQ2(図2)、ヒト KCNQ3(図23)、マウス KCNQ2(図10)
およびラット KCNQ2(図16と図17)が含まれる。本発明は、それらのタンパク質
のアミノ酸配列と前記タンパク質をコードする核酸配列、並びに遺伝暗号の縮重
による前記核酸配列の変異体を包含する。
【0008】 本発明は、本明細書中に開示するヌクレオチド配列の共通配列と少なくとも約
70%相同である核酸分子を提供する。好ましくは、本発明は、(a) 本発明のKCNQ
2 および/またはKCNQ3 タンパク質をコードする、単離精製された核酸分子;(b
) (a) に相補的な核酸配列;(c) (a) に対して少なくとも70%の配列相同性、よ
り好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは
少なくとも95%、最も好ましくは少なくとも98%の配列相同性を有する核酸配列
;または(d) 緊縮条件下で(a) もしくは(b) にハイブリダイズするであろう(a)
もしくは(b) の断片であって、好ましくは少なくとも15ヌクレオチドを含んで成
る断片を提供する。本発明のKCNQ2 およびKCNQ3 タンパク質をコードする好まし
い核酸配列は、配列番号3、配列番号17、配列番号7および配列番号5に与えら
れる。
【0009】 本明細書中に開示するタンパク質の共通配列に対して少なくとも約70%相同で
あるアミノ酸配列も本発明の範囲内に含まれる。好ましくは、本発明は、(a) 本
発明のKCNQ2 および/またはKCNQ3 タンパク質を含んで成るアミノ酸配列;並び
に(b) (a) に対して少なくとも70%の配列相同性、より好ましくは少なくとも80
%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%、最も好ま
しくは少なくとも98%の配列相同性を有するアミノ酸配列を包含する。本発明の
KCNQ2 およびKCNQ3 タンパク質を含む好ましいアミノ酸配列は、配列番号4、配
列番号18、配列番号8および配列番号6に与えられる。
【0010】 本発明は更に、新規核酸分子、関連するベクター、宿主、および使用方法に関
する。好ましくは、前記核酸分子はDNA分子である。更に好ましいのは、配列
番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8および配列番号18のアミノ酸配列
をコードするヌクレオチド配列、並びにそれらの配列に約70%以上相同であるタ
ンパク質をコードするヌクレオチド配列である。配列番号1に約80%以上相同で
あるヌクレオイド配列も好ましいが、最も好ましいのは、配列番号3、配列番号
5、配列番号7および配列番号17である。
【0011】 本発明は更に、縮重オリゴヌクレオチドプライマーを使ったPCRにより得ら
れる核酸に関する。当業者は、本明細書中に記載の共通配列に基づいて、そのよ
うなプライマーを開発することができるだろう。PCR技術はWhite 他 (1989) Trends Genet. 5:185-189 中に記載されている。
【0012】 本発明はまた、KvLR/KCNQタンパク質をコードする核酸配列を含んで成る核酸
ベクター、そのようなベクターを含む宿主、およびKvLR/KCNQタンパク質のアミ
ノ酸配列を含んで成るポリペプチドにも関する。好ましくは、前記ベクターが全
長KvLR/KCNQタンパク質をコードし、そして前記ポリペプチドが全長KvLR/KCNQ
タンパク質である。本発明者らは、カエル発現ベクター、例えばpSP64Tもしくは
その誘導体〔Melton他 (1984) Nucl. Acids Res. 12:7057-7070 〕;哺乳動物細
胞発現ベクター、例えばpcDNA3(Invitorogen より入手可能);または細菌細胞
発現ベクター、例えばpET-30(Novagen またはPromega より入手可能)を優先す
る。
【0013】 本発明は更に、上記ベクターにより形質転換された宿主細胞にも関する。本発
明者らはアフリカツメガエル(Xenopus )卵母細胞、哺乳動物細胞(例えばHEK2 93 , CHO, L929 )、および細菌細胞〔例えば大腸菌(E.coli)、特にBL21(DE3
), Novagenより入手可能〕を優先する。本発明者らは、ATCC受託番号 CRL-1573
(American Type Culture Collection, 10801 University Boulevard, Manassas
VA 20110-2209 )を特に優先する。
【0014】 本発明は、KCNQ/KvLR タンパク質をコードする核酸の検出方法およびKCNQ/KvL
R タンパク質に結合しそして/または他の方法で活性調節する分子の検出方法に
も関する。「活性調節する」とは、チャンネル開放因子/活性化因子とチャンネ
ル閉鎖因子/不活性化因子の両方を包含する。
【0015】 本発明は、KCNQタンパク質の活性調節方法、具体的にはKCNQ2 および/または
KCNQ3 チャンネルを開放/活性化または閉鎖/不活性化する方法にも関する。更
に、本発明は、KCNQタンパク質を活性調節することによる病気の治療方法も包含
する。 上記および下記において本明細書中に引用する全ての参考文献の全内容が本明
細書中に組み込まれる。
【0016】発明の具体的説明 下記の定義は、特定の場合に異なって定義されない限り、本明細書全体を通し
て使われる用語に適用する。 「クローニング」:遺伝物質、例えばゲノム、ゲノムライラリーまたはcDN
Aから、プラスミドまたは別のベクター中への特定遺伝子の単離。 「KvLRタンパク質」:共通配列(配列番号2)に対して少なくとも約70%の相
同性を有するタンパク質。それは「KCNQタンパク質」、「KvLR/KCNQタンパク質
」または「KCNQ/KvLRタンパク質」と称する場合もある。
【0017】 「KCNQ1 」:以前KvLQT1として知られていたタンパク質。 「KCNQ2 」:以前KvLR1 として知られていたタンパク質。 「KCNQ3 」:以前KvLR1 として知られていたタンパク質。
【0018】 「緊縮条件」(核酸ハイブリダイゼーションに関して使われる):例えば、少
なくとも約42℃の温度で1×SSCと0.1 %SDS中で洗浄するサザンブロッテ
ィング。追加の緊縮条件については、Maniatis他, Molecular Cloning: A Labor atiry Manual , Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, NY (198
2)を参照のこと。
【0019】 「多重コピープラスミド」:細胞中に複数のコピーが存在するプラスミド(典
型的には10〜30コピー)。 「ノーザンブロッティング」:相補的核酸、典型的にはcDNAまたはオリゴ
ヌクレオチドとのハイブリダイゼーションにより特定のRNA断片を同定する方
法。
【0020】 「転写解読枠」または「ORF」:アミノ酸をコードする一連のヌクレオチド
トリプレットを含有し且ついずれの終止コドンも欠いているDNA配列。 「プラスミド」:微生物中に見つかる細胞質性の自己複製DNA要素。 「プロモーター」:RNAポリメラーゼがそこに結合しそして転写を開始する
DNA上の一領域。 「サザンブロッティング」:相補的核酸、典型的にはcDNAまたはオリゴヌ
クレオチドとのハイブリダイゼーションにより特定のDNA断片を同定する方法
【0021】 本明細書中のその他の用語の定義については、Sherman 他, Laboratory Cours e Manual for Methods in Yeast Genetics , Cold Spring Harobor Laboratory,
Cold Spring Harbor, NY (1987) および Lewin, B., Genes IV, Oxford Univers
ity Press, Oxford (1990)を参照されたい。
【0022】 本明細書中の下記の略号には、特定の場合に異なって定義されない限り、次の
定義を適用する。 BFNC 良性家族性新生児痙攣 BLAST ベーシック位置整列検察ツール CHO チャイニーズハムスター卵巣細胞 DTT ジチオスレイトール DRG 脊髄神経節 EDTA エチレンジアミン四酢酸 EST 発現配列標識 GPCR Gタンパク質連結レセプター
【0023】 OFR 転写解読枠 PAGE ポリアクリルアミドゲル電気泳動 PBS リン酸塩緩衝食塩水 PCR ポリメラーゼ連鎖反応 SDS ドデシル硫酸ナトリム SSC 150 mM NaCl, 15 mMクエン酸二ナトリウム・2 H2O を含有する緩衝液,
pH 7.0 TEA テトラエチルアンモニウム その他の略号については、Aldrichimica Acta , 第17巻,第1号 (1984) を参
照されたい。
【0024】 用途および有用性 当業者は、KCNQタンパク質が神経伝達に関連するかもしれないと考える。当業
者は、KCNS/KvLRの活性調節因子(モジュレーター)についてアッセイするのに
本発明のKCNQ/KvLRタンパク質を使用することができる。KCNQ活性調節因子は運
動失調、ミオキミア、痙攣(例えばてんかん性発作)、アルツハイマー病、パー
キンソン病、年齢に伴う記憶減退、学習機能不全、運動ニューロン病、発作など
といった障害の治療に有用であろう。
【0025】 KCNQ2 とKCNQ3 は神経系選択的カリウムチャンネルであるため、どんなKCNQ2/
KCNQ3 特異的活性調節因子でも薬剤特異性が組み込まれている。重要なのは、KC
NQ/KCNQ3特異的活性調節因子が、多種類のカリウムチャンネルを含む心臓に対し
て副作用を回避するということである。
【0026】 本発明のKCNQ核酸またはアンチセンス核酸は治療薬または診断薬として有用で
ある。そういった遺伝子療法に向けて、下記に記載のようにそして当該技術分野
で更に詳細に記載されているように、本発明の核酸をベクター中に組み込むこと
ができそして/または製剤化することができる。
【0027】 当業者は、ベクター、細胞または細胞系および抗体を調製する際に本発明のポ
リペプチドおよび核酸を使用することができる。それらの全てがKCNQ2/KCNQ3 タ
ンパク質活性調節因子の同定のためのアッセイにおいて有用である。
【0028】 KCNQ2 および/またはKCNQ3 タンパク質活性調節因子は、サル、イヌ、ネコ、
マウス、ラット、ヒト等といった様々な哺乳動物種に投与することができる。既
知の方法により、当業者はKCNQ2/KCNQ3 タンパク質活性調節因子を常用の全身投
与剤形、例えば錠剤、カプセル剤、エリキシル剤または注射製剤中に含めること
ができる。上記剤形は必要な生理的に許容される任意の担体材料、賦形剤、滑剤
、緩衝剤、抗菌剤、増量剤(例えばマンニトール)、抗酸化剤(アスコルビン酸
または亜硫酸水素ナトリウム)等を更に含むであろう。
【0029】 調製方法 一般的調製方法 本明細書は、KCNQ2 (KvLR1) およびKCNQ3 (KvLR2) の全長ヒトcDNAクロー
ン、好ましくは配列番号3に示されるヒト KCNQ2核酸配列(図2)、配列番号4
に示されるヒト KCNQ2アミノ酸配列(図2)、配列番号17に示されるヒト KCNQ3
核酸配列(図23)および配列番号18に示されるヒト KCNQ3アミノ酸配列(図23)
のクローニングと機能的発現を記載する。また、KCNQ2 の全長マウスcDNAク
ローン(マウスKvLR1 ;図10)、好ましくは配列番号5に示されるマウスKCNQ2
核酸配列、および配列番号6に示されるマウスKCNQ2 アミノ酸配列も開示される
。更に、本発明はラット KCNQ2配列(図16と図17)、好ましくは配列番号7に示
されるラット KCNQ2核酸配列、および配列番号8に示されるラットKCNQ2 アミノ
酸配列を包含する。ヒト、マウスおよびラット KCNQ2およびKCNQ3 のチャンンル
開閉速度論と巨視的流れ特性は、KCNQ1 のものと同様である。しかしながら、KC
NQ2 およびKCNQ3 は神経系に特異的に限局化し、そして異なる薬理学的性質を有
する。
【0030】 本発明の次のKCNQ2 およびKCNQ3 タンパク質をコードするヌクレオチド配列を
含んで成るDNAクローンを、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション
("ATCC")(10801 University Blvd., Manassas, VA 20110-2209 )に1988年 月 日 に寄託した:ヒト KCNQ2:ATCC受託番号 ;ヒト KCNQ3:ATCC
受託番号 ;およびマウス KCNQ2:ATCC受託番号 。ここに言及す
る寄託は、特許手続上の微生物の国際的承認に関するブダペスト条約の規定のも
とに維持されるだろう。それらの寄託は、単に当業者への便宜性のために与えら
れるのであって、35 U.S.C.112のもとに寄託が要求されることの許諾ではない。
寄託材料に含まれるポリヌクレオチドの配列、並びにそれによりコードされるポ
リペプチドのアミノ酸配列は参考として本明細書中に含められ、そして万が一の
本明細書中の配列の記載との争いの場合に照査するものである。寄託材料を製造
し、使用し、または販売する権利を要求するかもしれないが、この結果そういっ
たいかなる権利も認められない。
【0031】 核酸 ヒト KCNQ2、ヒト KCNQ3、マウス KCNQ2およびラット KCNQ2遺伝子配列を手中
にして、当業者は既知方法により本発明の KCNQ 核酸を得ることができる。その
ような方法としては次のものが挙げられる:(1) サザンおよびノーザンブロッテ
ィング、(2) ウエスタンイムノブロッティング、(3) 化学合成、(4) プライマー
からのポリメラーゼ連鎖反応(PCR)による合成、(5) 発現クローニング、お
よび(6) 減算cDNAクローニング。
【0032】 当業者は、本発明のKCNQタンパク質をコードする核酸を変更して有用な突然変
異を作製することもできる。例えば、核酸中に追加の制限エンドヌクレアーゼ認
識部位を提供するように配列を変更することができる。そのような突然変異はサ
イレントであってもよく、または変異コドンによりコードされるアミノ酸を変更
してもよい。例えば、KCNQ2 をコードする核酸を突然変異させて、コードされる
ポリペプチド中の1もしくは複数のアミノ酸を削除、置換、挿入、反転または付
加を生じるさせることにより、それらの変更された核酸配列を調製することがで
きる。部位特異的突然変異誘発方法については、Taylor, J.W.他 (1985) Nucl. Acids Res. 13:8749-64 およびKunkel, J.A. (1985) Proc. Natl. Acad. Sci. U SA 82:482-92を参照のこと。更に、部位特異的突然変異誘発のためのキットも販
売業者(例えば BioRad Laboratories, Richmond, CA ; Amersham Corp., Arlin
gton Heights, IL)から入手可能である。破壊、欠失および先端切取り方法につ
いては、Sayers, J.R.他 (1988) Nucl. Acids Res. 16:791-800 を参照のこと。
【0033】 本発明は、(1) 二者択一スプライスエキソン変異体;(2) 対立遺伝子変異体;
および(3) 融合構成物がKCNQ活性調節部位を含んで成るキメラチャンネルを包含
する、変更された核酸も含む。そのような変更された核酸は、本開示の知識が与
えられれば、当業者により調製することができる。
【0034】 発現ベクター 本発明は更に、本発明のKCNQタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含ん
で成る発現ベクターに関する。好ましくは、発現ベクターは配列番号1、配列番
号3、配列番号5、配列番号7または配列番号17に示される核酸配列の全部もし
くは一部を含んで成る。
【0035】 発現ベクターは通常はプラスミドであるが、同等の機能を果たし当業者が今後
知るようになる他のベクター形態も本発明に含まれる。当業者は適当な宿主細胞
の染色体中にKCNQタンパク質をコードする配列を安定に組み込むこともできよう
【0036】 発現ベクターは典型的にはKCNQタンパク質の発現に影響を及ぼし得る調節要素
を含む。それらの調節要素は非相同のまたは生来のKCNQ要素であることができる
。典型的には、ベクターは複製開始点、プロモーターおよび転写終結配列を含有
する。ベクターは更に別の調節要素、例えば発現生成物の安定性に備えるmRNA安
定性配列;発現生成物の分泌に備える分泌リーダー配列;構造遺伝子の発現を調
節可能にする(例えば増殖培地中の栄養素もしくは他の誘導物質の存在または不
在により)環境フィードバック調節配列;形質転換宿主細胞中での表現型選択を
提供することができるマーカー配列;制限エンドヌクレアーゼによる開裂部位を
提供する制限部位;並びに様々な種類の宿主、例えば原核生物、酵母、真菌、植
物および高等真核生物中での発現を可能にする配列を含んでもよい。
【0037】 本発明の発現ベクターは本発明の核酸およびタンパク質の少なくとも複製を指
令することができ、好ましくは発現を指令することができる。適当な複製開始点
としては、例えば、Col E1複製開始点, SV40ウイルス複製開始点およびM13 複製
開始点が挙げられる。適当なプロモーターとしては、例えば、シトメガロウイル
スプロモーター、lacZプロモーター、gal10 プロモーター、およびオートグラフ
ァ・カリフォルニカ(Autographa califormica)多核性多面体ウイルス(AcMNPV
)多面体プロモーターが挙げられる。適当な終結配列としては、例えば、ウシ成
長ホルモン、SV40、lacZおよびAcMNPV多面体ポリアデニル化シグナルが挙げられ
る。適当なマーカーの例としては、ネオマイシン、アンピシリンおよびヒグロマ
イシン耐性などが挙げられる。
【0038】 本発明のKCNQタンパク質をコードするDNAを、幾つかの市販のベクター中に
挿入することができる。ベクターの例としては、哺乳動物細胞と適合性であるベ
クター、例えばpcDNA3またはpCEP4 ;バキュロウイルスベクター、例えばpBlueB
ac;原核ベクター、例えばpcDNA2;および酵母ベクター、例えばpYes2 が挙げら
れる。ベクター操作技術については、Sambrook他 (1989) Molecular Cloning : A Labboratory Manual , 第2版,Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring
Harbor, NY を参照のこと。
【0039】 宿主細胞 本発明は更に、本発明のKCNQタンパク質、好ましくはKCNQ2 および/またはKC
NQ3 タンパク質をコードする配列を含んで成る発現ベクターを含有する宿主細胞
に関する。宿主細胞は、好ましくは配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列
番号7または配列番号17に示されるのと実質的に同じヌクレオチド配列を有する
DNA配列の全部または一部、特にそれのコード領域、を含んで成る発現ベクタ
ーを含有する。適当な宿主細胞としては、原核細胞(例えばE.コリ HB101, DH
5 α, XL1 Blue, Y1090 およびJM101 株)と真核細胞〔例えば、スポドプテラ・
フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)昆虫細胞、CHO 細胞、COS-7 細胞、HE
K 293 細胞、ヒト皮膚繊維芽細胞およびS.セレビシエ(S. cerevisiae)細胞
〕の両方を包含する。
【0040】 当業者は当該技術分野で既知の様々な方法により、発現ベクターを宿主細胞中
に導入することができる。典型的な方法は、リン酸カルシウム沈澱、エレクトロ
ポレーション、リポソーム融合、核注入、およびウイルスまたはファージ感染に
よるトランスフェクションである。次いで大量のKCNQタンパク質の発現を可能に
する条件下で宿主細胞を培養することができる。
【0041】 そのような変更された宿主細胞は、次の6つの一般的アプローチのいずれかに
より同定することができる: (a) KCNQタンパク質をコードする配列に相補的なプローブを用いたDNA−D
NAハイブリダイゼーション(サザンブロッティング)。 (b) チミジンキナーゼ活性、抗生物質に対する耐性などのマーカー遺伝子機能
の検出。マーカー遺伝子は、同一のまたは異なるプロモーターの調節下に、KCNQ
配列と同じプラスミド上に配置することができる。 (c) ハイブリダイゼーションアッセイによるmRNA転写物の検出(例えばR
NA配列に相補的なプローブを使ったノーザンブロッティングまたはヌクレアー
ゼ保護アッセイ)。
【0042】 (d) 遺伝子発現の免疫検出(例えばKCNQタンパク質に対する抗体を使ったウエ
スタンブロッティングによる)。 (e) 例えばパッチ−クランプ分析、放射性同位体(例えば86Rb)流出、または
膜電位感受性試薬(例えばMolecular Probes InternationalからのDibac )によ
る、カリウムチャンネル活性の検出。 (f) 発現ベクター配列またはKCNQタンパク質をコードする配列に相同であるプ
ライマーを使ったPCR。このPCRは宿主細胞中の発現系への組込みを表す、
推定長さのDNA断片を生成する。
【0043】 当業者は、様々な既知方法によりDNA配列を決定することができる。例えば
、Sanger他 (1977) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 74:5463-5467 に記載のジデオ
キシチェーンターミネーション法、および Maxam-Gilbert (1977) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 74:560-564 に記載のマキサム−ギルバート法を参照のこと。
【0044】 本発明の宿主細胞は、現在明らかである様々な方法で使用することができる。
該細胞は、KCNQタンパク質に結合するかまたは別の方法で活性調節もしくは機能
調節する化合物(そのような化合物はKCNQ2 および/またはKCNQ3 タンパク質活
性の調節、例えば活性化に有用である)についてスクリーニングするために使用
でき;シグナル形質導入機構を研究するために使用でき;そして下記に記載する
用途に向けてKCNQタンパク質を調製するために使用できる。
【0045】 全ての発現ベクターとDNA調節配列が本発明のDNA配列を発現する機能を
等しく良好に果たすわけではないだろう。宿主細胞機能の全てが同じ発現系で等
しく良好に機能するわけではないだろう。しかしながら、当業者は、過度の実験
を行う必要なく且つ本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書中に与えられ
た教示を利用して、発現ベクター、DNA調節配列および宿主細胞の中で選択を
行うことができる。
【0046】 ポリペプチド 本発明は更に、KCNQ2 および/またはKCNQ3 タンパク質のアミノ酸配列の全部
または一部を含んで成るポリペプチドに関する。本発明者らは、配列番号2、配
列番号4、配列番号6、配列番号8または配列番号18に示されるアミノ酸配列の
一部または全部を含んで成るポリペプチドを特に優先する。KCNQ2 および/また
はKCNQ3 タンパク質の一部を使用する場合、その部分がK+ チャンネル活性を示
すかまたはK+ チャンネル活性を示すように調節できるのが好ましい。例えば、
本発明の範囲内では、タンパク質はK+ チャンネル活性を示さないけれども、該
タンパク質またはその一部を活性化するであろう化合物についてスクリーニング
するのに利用できるような、1または複数の突然変異を含むことができるKCNQ2
および/またはKCNQ3 の全部または一部を含んで成るポリペプチドである。
【0047】 当業者は、当該技術分野で周知の方法によりそれらのポリペプチドを調製する
ことができる。例えば、化学合成、例えばHoughton他 (1985) Proc. Natl. Acad . Sci. USA 82:5131-5135 により記載された固相法を用いることができる。別法
はmRNAの試験管内翻訳である。また、上述した宿主細胞中で前記ポリペプチ
ドを生産させることもでき、これは好ましい方法である。例えば、配列番号1、
配列番号3、配列番号5または配列番号17の全部または一部を含んで成るDNA
を上述したようなPCRにより合成し、合成したDNAを発現ベクター中に挿入
し、その発現ベクターを用いて宿主細胞を形質転換せしめ、そして宿主細胞を培
養して所望のポリペプチドを生産させることができる。
【0048】 当業者は幾つかの既知の技術のいずれか、例えばイオン交換クロマトグラフィ
ー、ゲル濾過クロマトグラフィーおよびアフィニティークロマトグラフィーによ
り、そのようなペプチドを単離・精製することができる。そのような技術はタン
パク質の修飾を必要とする場合がある。そのような場合、例えば、ニッケルカラ
ム上での精製を可能にするためにタンパク質にヒスチジン標識を付加することが
できる。
【0049】 当業者は、本発明のポリペプチドを様々な方法で利用することができる。例え
ば、それらを使ってポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体を生産させる
ことができる。次いで、そのような抗体を免疫検出(例えば、放射免疫測定法、
エンザイムイムノアッセイ、または免疫細胞化学)、様々な起源からのポリペプ
チドの免疫精製(例えばアフィニティークロマトグラフィー)、または免疫療法
(例えばカリウムチャンネル阻害または活性化)に利用することができる。
【0050】 当業者は既知の技術によりKNCQポリペプチドを変更することができる。そのよ
うな変更は、高または低活性を引き起こすか、高レベルのタンパク質生産を可能
にするか、またはタンパク質の精製を単純化することができる。そういった変更
は、結合に関与する特異的KCNQ2 および/またはKCNQ3 アミノ酸の同定を助け、
ひいてはKCNQ2/KCNQ3 活性調節因子の合理的な薬物デザインを助けるだろう。ま
た、関与するアミノ酸残基の極性、電荷、溶解性、疎水性、親水性および/また
は両性性質の類似性に基づいてアミノ酸置換を行うことができる。例えば、負電
荷を有するアミノ酸としてはアスパラギン酸とグルタミン酸が挙げられ;正電荷
を有するアミノ酸としてはリジンとアルギニンが挙げられ;無電荷で極性の先端
基または無極性先端基を有するアミノ酸としては、次のものが挙げられる:ロイ
シン、イソロイシン、バリン、グリシン、アラニン;アスパラギン、グルタミン
;セリン、スレオニン;フェニルアラニン;チロシン。そのように変更されたポ
リペプチドは全て本発明の範囲内に含められる。
【0051】 本発明者らは上記ポリペプチドの多数の別の変異体を検討中である。そのよう
な変異体としては、上記ポリペプチドの塩およびエステル、並びに上記ポリペプ
チドの前駆体(例えばメチオニン、N−ホルミルメチオニンおよびリーダー配列
のようなN末端置換基を揺するもの)が挙げられる。本発明はこういった変異体
を包含する。
【0052】 核酸の検出方法 本発明は更に、KNCQタンパク質をコードする核酸の検出方法に関する。この方
法では、(a) 未知の配列の核酸を、既知のコード配列(例えば、配列番号1、配
列番号3、配列番号5、配列番号7または配列番号17からの少なくとも約10ヌク
レオチドの配列、特にそれのコード領域の配列)を有する核酸と接触させ、ここ
で後者の核酸は検出マーカーを有しており;(b) 未知の配列の核酸のいずれかに
結合したマーカーの存在を検出する。結合したマーカーの存在が所望の核酸の存
在を示す。この方法は別の組織からのKCNQ核酸(異なる調節要素を有してもよい
)および別の種(例えばサル)からの核酸を検出するために用いることができる
【0053】 当業者は一般に本発明において分析しようとする核酸を獲得する方法を知って
いる。ゲノムDNAの場合、組織を迅速に凍結させ、組織を容易に消化可能な切
片に粉砕し、そして粉砕組織をプロテイナーゼKとSDS中でインキュベートし
て大部分の細胞性タンパク質を分解することができる。次いでフェノール/クロ
ロホルム/イソアミルアルコール連続抽出によりゲノムDNAを除タンパクし、
エタノール沈澱によりDNAを回収し、それを乾燥しそして緩衝液中に再懸濁さ
せることができる。RNAの場合、培養した細胞を4Mグアニジン塩溶液中で溶
解させ、溶解物を20ゲージの注射針に通して、塩化セシウム段階的勾配によりR
NAをペレットにし、そして上清を除去することができる。ペレットが精製RN
Aを含むはずである。
【0054】 検出可能なマーカーは、相補的核酸の1つのヌクレオチドに連結された放射性
イオンであることができる。汎用される放射性標識は32Pと35Sであるが、ビオ
チンのような他の標識を使用してもよい。当業者は相補的核酸に標識を取り付け
る様々な方法を理解している(例えば、32Pまたは35Sの結合に用いられるラン
ダムプライマー法)。
【0055】 当業者は一般にそのような核酸の検出方法をいかに実施するかを理解している
。例えば、放射性標識されたKCNQ相補的オリゴヌクレオチドプローブを使ってサ
ザンまたはノーザンブロットを実施することができる。次いでオートラジオグラ
フィーによりハイブリダイゼーションを検出することができる。マーカーによっ
て別の検出方法(例えば分光測光法)を使用してもよい。
【0056】 KCNQ2/KCNQ3 タンパク質の活性調節因子の検出方法 本発明は更に、本発明のKCNQ2 および/またはKCNQ3 タンパク質の活性調節因
子(モジュレーター)の検出方法に関する。KCNQタンパク質活性調節因子につい
てのスクリーニングは、KCNQタンパク質を発現している細胞において分子(例え
ばポリペプチド、天然生成物、合成化合物)の結合を検出することを必然的に伴
う。
【0057】 KCNQタンパク質のクローニングと配列決定は、KCNQタンパク質に結合しそして
/または活性調節する天然生成物と合成化合物についてのスクリーニングに有用
な細胞の作製を可能にする。KCNQタンパク質活性調節因子の検出方法は、本明細
書中に記載のように適当なベクターを用いて適合性宿主を形質転換せしめること
を必要とする。そうして形質転換された細胞を試験物質(例えば合成化合物また
は天然生成物)で処理し、次いで試験物質の存在下または非存在下での活性を測
定する。
【0058】 遺伝子療法 当業者は、KCNQ関連適応症に対する治療薬としてセンスまたはアンチセンス核
酸分子を使用することもできる。所望のDNAまたはRNAの合成を指令するベ
クターを作製するか、または技術の現状において記載されたようにして核酸を製
剤化することができる。
【0059】 幾つかの文献がアンチセンス分子の有用性を記載している。Toulme & Helene
(1988) Gene 72:51-58 ; Inouye (1988) Gene 72:25-34 ; Uhlmann & Peyman (
1990) Chemical Reviews 90:543-584 ; Biotechnology Newswatch (1990 年1月
15日)第4頁; Robertson, Nature Biotechnology 15:209 (1997) ; Gibbons &
Dzau (1996) Science 272: 689-693 を参照のこと。当業者は、ゲノムDNAお
よび/またはcDNA、5′および3′隣接調節領域、別の隣接配列、イントロ
ン配列、並びにトリプレットDNAの生成に使われる非伝統的ワトソン&クリッ
ク塩基対合配列に基づいてそれらをデザインすることができる。そのようなアン
チセンス分子は、アンチセンスオリゴデオキシリボヌクレオチド、オリゴリボヌ
クレオチド、オリゴヌクレオチド類似体などを包含し、それらは少なくとも約15
〜25塩基を含むだろう。
【0060】 アンチセンス分子は共有結合によりまたは非共有結合により KCNQ DNAまた
はRNAに結合できる。そのような結合は、例えば、 KCNQ DNAまたはRNA
を開裂させるかまたは開裂を促進し、核または細胞質mRNAの分解を増加させ
、あるいは転写、翻訳、トランス活性化因子の結合またはプレmRNAスプライ
シングもしくはプロセシングを阻害することができる。アンチセンス分子は、安
定性、細胞内外への輸送、結合親和性、標的分子の開裂などを増加させる追加の
機能性を有してもよい。それらの作用の全てがKCNQタンパク質の発現を減少させ
、よってアンチセンス分子をKCNQタンパク質活性調節因子として有用なものにす
る。
【0061】好ましい実施態様の具体的記載 ヒトKCNQ2 およびKCNQ3 遺伝的特性 KCNQ1 配列を使ったGenBank データベースのGCG BLAST 検索により、KCNQ1 関
連の(KCNQ2/KCNQ3)EST(expressed sequence tag)を発見した。ESTクロ
ーンの共通配列から誘導したプライマーを使って、ヒト脳由来cDNAを増幅さ
せ、そしてそれぞれKCNQ2 とKCNQ3 について877 bp断片と325 bp断片を単離した
(図1,プローブI)。両遺伝子の全長cDNA配列を得るために、本発明者ら
は5' RACE PCR、cDNAライブラリーのスクリーニング、およびGene Trapp
er技術を使った。KCNQ2 (配列番号3)とKCNQ3 (配列番号17)のgo合成全長c
DNAは、それぞれ871 アミノ酸ポリペプチド(配列番号4)と854 アミノ酸ポ
リペプチド(配列番号18)をコードする転写解読枠を含んでいる(図2と図23)
。両DNAのDNA配列分析と概念翻訳は、それらが電圧開閉型カリウムチャン
ネルの構造的特徴を有するタンパク質をコードし、そしてKCNQ1 に最も密接に関
連していることを明らかにした。Sanguinetti 他 (1996) Nature 384:80-83 ; Y
ang 他 (1997) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94:4017-4022 。KCNQ2 はKCNQ3 と
高度の配列相同性(約70%)を示し、このことはそれらが同じサブファミリーに
属することを示唆する。両タンパク質ともKCNQ1 よりも長いC末端領域(〜200
アミノ酸)を有している。KCNQ2 の開始コドンは共通リボソーム結合部位(即ち
Kozak)ACCATGG により隣接されている(図2)。
【0062】 アミノ酸レベルでは、配列分析の結果、KCNQ2/KvLR1 がGYG(即ち Gly-Tyr
-Gly)カリウムチャンネル孔「シグネチャー配列」を含んでおり、従ってカリウ
ム選択的チャンネルをコードするらしいことが明らかになった。KCNQ2 とKCNQ1
(KvLQT1)の比較は、膜貫通領域と孔領域において約60%のアミノ酸配列相同性
があることを示した(図3)。KCNQ3 は、膜貫通領域と孔領域においてKCNQ2 と
同程度の相同性(約56%)を示した(図4)。アミノ末端領域とカルボキシ末端
領域の相同性は中央部の保存領域に比較してすっと低かった(図3)。そのよう
な観察結果は、KCNQ2/KvLR1 とKCNQ3/KvLR2 がイオンチャンネルのKCNQ1/KvLQT1
ファミリーの追加の構成員であることを示唆した。
【0063】 KCNQ2 およびKCNQ3 特異的転写物はヒト脳においてのみ検出可能である(図5
)。この発現パターンは、ノーザンブロットにより示されたようにヒト心臓と膵
臓において強力に発現されるKCNQ1/KvLQT1とは異なっている。Sanguinetti 他 (
1996) Nature 384:80-83 ; Yang 他 (1997) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94:40
17-4022 。ヒトKCNQ2/KvLR1 の発現は、海馬、尾状核および扁桃で高く、胸腺で
中程度であり、そして視床下核、黒質および脳梁で弱い(図5)。別のノーザン
ブロットは、ヒトKCNQ2/KvLR1 の発現が大脳皮質で高く、被殻、側頭葉、前頭葉
、後頭極および小脳で中程度であり、そして髄質と脊髄で低いことをを示す(図
5)。KCNQ3 はほぼ同じ脳内発現パターンを示す(図5)。KCNQ2/KvLR1 を発現
する細胞型を更に特徴づけるために、マウス特異的KCNQ2/KvLR1 cDNA断片を
単離し、そしてin situ ハイブリダイゼーションプローブとして使った。その結
果(図9)は、KCNQ2/KvLR1 が、学習と記憶に重要であるマウス海馬と歯状回に
おいて発現されることを示す。
【0064】 電気生理学的性質 全長ヒトKCNQ2 およびKCNQ3 cDNAをアフリカツメガエル(Xenopus )発現
ベクター中にサブクローニングし、そして試験管内転写によりcRNAを作製し
た。転写されたcRNAをアフリカツメガエル卵母細胞中で発現させることによ
り、ヒトKCNQ2 およびKCNQ3 によりコードされるチャンネルの性質を調べた。図
6は、水(図6A)または14 ng のヒトKCNQ2/KvLR1 cRNA(図6B)のいず
れかを5日前に注入した卵母細胞から記録した電流を比較する。ヒトKCNQ2/KvLR
1 cRNAを注入した卵母細胞は、−60 mV より正の電位で活性化される外向き
の電流を示し、そして+40 mV で1μAの最大振幅を有した。同様な電流は水を
注入した対照卵母細胞では全く観察されず、対照卵母細胞で記録された小さな漏
れ電流または内因性電流は決して+40 mV で0.15 mA を越えることはなかった。
ヒトKCNQ2/KvLR1 電流はhKCNQ1/KvLQT1 電流と非常に類似した、急速に活性化す
る遅延型整流器電流表現型を示した。Barhanin他 (1996) Nature 384:78-80 ; S
anguinetti他 (1996) Nature 384:80-83 ; Yang 他 (1997) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94:4017-4022 。KCNQ2/KvLR1 電流は正電圧では弱い整流を示した。
【0065】 巨視的KCNQ2/KvLR1 およびKCNQ1/KvLQT1電流は類似しているけれども、KCNQ2/
KvLR1 テール電流には、KCNQ1/KvLQT1テール電流で観察される「フック」が欠け
ている。図6Cは、KCNQ2/KvLR1 を発現している卵母細胞(n=12)でのピーク
電流−電圧(I−V)関係を示す。2, 10, 40 および98 mM のK+ を含有する液
浴中でテール電流逆転電位を調査することにより、表示される電流のK+ 選択性
を調べた。逆転電位は、K+ 選択的チャンネルを示唆するネルンスト電圧にぴっ
たり従った(n=6;図6D)。KCNQ2/KvLR1 電流の逆転電位は、外部K+ 濃度
の10倍変化につき52 mV だけシフトした。破線はネルンスト式から推定された傾
きを有する。
【0066】 KCNQ3 cRNAを注入した卵母細胞における脱分極電圧段階により誘起された
一群の電流を図18Aに示す。I−V関係から明らかなように、電流は−70 mV よ
り正の電圧で活性化し、そして0mVよりも大きい電圧では内側に整流する(図18
B)。KCNQ3 逆転電位は、外部K+ 濃度の10倍変化につき49 mV だけシフトした
(図18C)。よって、KCNQ3 はまだK+ に優先選択的であるけれども、KCNQ2 よ
りもK+ 選択性がわずかに小さい。
【0067】 KCNE1 (KCNE1 は"minK"または"Isk" としても知られる)とKCNQ1/KvLQT1との
同時発現は、KCNQ1/KvLQT1電流の振幅と開閉速度論を著しく変える。Barhanin他
(1996) Nature 384:78-80 ; Sanguinetti他 (1996) Nature 384:80-83 ; Yang
他 (1997) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94:4017-4022 。minKはK+ + チャンネ
ルをコードするかまたは調節すると思われるポリペプチドである。Folander他 (
1990) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:2875-2979 ; Varnum他 (1993) Proc. Na tl. Acad. Sci. USA 90:11528-11532 ; Ben-Efraim他 (1996) J. Biol. Chem. 2
71:8768-8771。これらの研究は、心臓での遅い遅延型整流器電流を裏付ける、mi
nKとKCNQ1/KvLQT1とが一緒に会合してK+ チャンネルを形成することを示唆して
いる。minKとKCNQ2/KvLR1 との同様な会合も調べた。KCNE1 とKCNQ2/KvLR1 の同
時発現は、卵母細胞のKCNQ2/KvLR1 電流にほとんど影響がなかったので、minKと
KCNQ2/KvLR1 を同時注入した卵母細胞において、各チャンネルに選択的な阻害剤
を使ってKCNQ1/KvLQT1とKCNQ2/KvLR1 により運ばれる別々の電流を図形で描写す
ることができた。よって、KCNQ2/KvLR1 は、KCNQ1/KvLQT1がするのとは異なる形
でKCNE1 と相互作用する。別のKCNQメンバーがKCNE1 に構造的に類似したタンパ
ク質と機能的に相互作用するのかもしれない。
【0068】 薬理学的性質 脳や他の組織に存在する様々なカリウムチャンネルの阻害剤を使ってKCNQ2/Kv
LR1 の薬理学を研究した。1個の卵母細胞から記録されるKCNQ2/KvLR1 電流に対
する0.2 mMの4−アミノピリジン(4-AP)、10μM E-4031 、10μM クロフィリウ
ム、0.1 mMチャリブドトキシンおよび 1 mM テトラエチルアンモニウム(TEA) の
効果を図7に示す。それらの各化合物を個別の卵母細胞をにおいても試験したが
、各剤の効果に違いはなかった。
【0069】 チャリブドトキシン(charybdotoxin) は、様々なCa2+活性型および電圧依存性
−K+ チャンネルを阻害するサソリ毒タンパク質である。Miller他 (1985) Natu re 313:316-318 ; Sugg 他 (1990) J. Biol. Chem. 265:18745-18748。チャリブ
ドトキシンは試験した濃度ではKCNQ2/KvLR1 電流を阻害しなかった。この毒素は
KCNQ1/KvLQT1に対しても全く効果がなかった。
【0070】 E-4031 (10 mM)はIKrの選択的阻害剤である。Sanguinetti 他 (1990) J. Gen . Physiol. 96:195-215 。4-AP (0.2 mM) はShaker様K+ チャンネルの阻害剤で
ある。Deal他 (1996) Physiol. Rev. 76:49-67。E-4031も4-APもKCNQ2/KvLR1 電
流に対して有意な効果を与えなかった。同様に、どちらの試薬もKCNQ1/KvLQT1電
流を阻害しなかった。Yang他 (1997) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94:4017-402
1 。
【0071】 TEA は弱いKCNQ1/KvLQT1阻害剤であるが、一方クロフィリウムはKCNQ1/KvLQT1
の強力阻害剤である。Yang他 (1997) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94:。クロフ
ィリウムは心性IKrとIKsも阻害する。Arena 他 (1988) Molecular Pharmacolo gy 34:60-66 ; Colatsky他 (1990) Circulation 82:2235-2242。対照的に、KCNQ
2/KvLR1 に対してはクロフィリウムはほとんど効果がなく、一方でTEA は1 mMの
濃度で85%以上電流を阻害した。
【0072】 KCNQ3 の薬理学はKCNQ2 のそれとは有意に異なっていた(図18D)。クロフィ
リウム(10 μM)はKCNQ3 電流を対照のものから30%減少させたが、KCNQ2 に対し
てはほとんど効果がなかった。TEA は1 mMの濃度でKCNQ2 を強力に阻害したが、
KCNQ3 に対しては5 mMの濃度でもほとんど阻害しなかった。CTX (100 nM), 4-AP
(2 mM) およびE-4031 (10μM)もKCNQ3 電流に対して全く効果がなかった。
【0073】 これらの結果から理解できるように、KCNQ3/KvLR2, KCNQ2/KvLR1およびKCNQ1/
KvLQT1の薬理学的性質は全く異なっている。
【0074】 KCNQ2 とKCNQ3 は機能的に相互作用する 異なる脳領域でKCNQ2 とKCNQ3 の発現パターンが重複することは(図5)、こ
れら2つのチャンネル間の機能的相互作用について試験するように本発明者らを
促した。KCNQ2 とKCNQ3 を単独でまたは一緒に注入した卵母細胞において脱分極
電圧段階により誘起された電圧群を図19A〜19Cに示す。2つのチャンネルを同
時発現している卵母細胞より記録された電流振幅は、各チャンネルを個別に注射
した卵母細胞のものよりも15倍大きかった。KCNQ2, KCNQ3およびKCNQ2 +KCNQ3
についての+30 mV でのピーク電流振幅は、それぞれ0.98±0.09μM(n=6)
、0.98±0.06μM(n=5)および14.2±0.62μM(n=6)であった。3つの
別々の卵母細胞バッチにおいて量的に類似した結果が得られた。I−V関係は、
KCNQ2 +KCNQ3 電流が−60 mV より正の電圧で活性化されるが、KCNQ2 および特
にKCNQ3 とは異なり、正電圧では整流しなかった(図19D)。テール電流の逆転
電位は外部K+ 濃度の10倍変化につき57 mM だけシフトした。このことは、KCNQ
2 +KCNQ3 がK+ にほぼ完全に選択的であることを示す(図19E)。KCNQ2 +KC
NQ3 電流は5 mM TEAおよび10μM クロフィリウムによる阻害には選択性が弱く、
100 nM CTXまたは2 mM 4-AP に対しては選択的でなかった(図19F)。E-4031 (
10μM)もKCNQ2 +KCNQ3 電流を阻害しなかった(図示してない)。これらの結果
は、KCNQ2 +KCNQ3 が相互作用して、単独のKCNQ2 チャンネルともKCNQ3 チャン
ネルとも異なる性質を有するチャンネルを構成することを強く示唆している。
【0075】 NCE1はKCNQ2 +KCNQ3 チャンネルと相互作用する βサブユニットKCNE1 は、KCNQ1 チャンネルの振幅および開閉速度論を大幅に
変更する。Barhanin他 (1996) Nature 384:78-80 ; Sanguinetti他 (1996) Natu re 384:80-83 ; Yang 他 (1997) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94:4017-4022 ;
Romey 他 (1997) J. Biol. Chem. 272:16173-16716。KCNQ2 とKCNQ3 は同じK+ チャンネルサブファミリーの構成員であるので、KCNE1 とKCNQ2 +KCNQ3 チャン
ネルとの相互作用について調べた。図20は、KCNE1 のみ(図20A)、KCNQ2 +KC
NQ3 (図20B)およびKCNQ2 +KCNE3 +KCNE1 (図20C)を発現している卵母細
胞において1秒の脱分極電圧段階により誘起された電流を示す。KCNE1 はKCNQ2
+KCNQ3 電流振幅を有意に減少させ、開閉速度論を遅くした。KCNE1 を同時発現
している卵母細胞では+30 mV でのピーク電流振幅が62±6.0 %(n=6)だけ
減少した。活性化電流を二指数(bi-exponential)関数に近似させて、活性化の
緩急(fast and slow )時定数を求めた。+10 mM でのKCNQ2 +KCNQ3 電流の活
性化の緩急時定数は、それぞれ50.1±3.4 ms(n=6)と239.3 ±17.5 ms (n
=6)であった。KNCE1 をKCNQ2 +KCNQ3 と一緒に注入した時、それらの値は12
4.7 ±8.8 ms(n=5)と680.7 ±71.4 ms (n=6)にシフトした。これとも
う2つの追加の卵母細胞バッチ中、各グループからの15個以上の卵母細胞におい
て同様な結果が得られた。使用した電流段階の時間(1秒)と電流を示すスケー
ルのために、KCNE1 電流は存在しないように見える。しかしながら、図20Aの挿
入部分に明確に示されるように、同じ卵母細胞における5秒の電圧段階が典型的
なKCNE1 電流を誘起させた。開閉速度論に対するKCNE1 の効果はKCNQ1 チャンネ
ルおよびKCNQ2 +KCNQ3 チャンネルと同様である。対照的に、KCNE1 はKCNQ1 電
流を増大するがKCNE2 +KCNQ3 電流を阻害する。
【0076】 これらの結果は、2つの無関係のK+ チャンネルをコードする遺伝子のいずれ
かにおける突然変異がなぜ同じ表現型を与えるのかを説明する。KCNQ2 かKCNQ3
のいずれかにおけるBFNC関連突然変異は、KCNQ2 +KCNQ3 電流振幅の顕著な減少
を引き起こすことができる。ある研究は、機能的でない、先端の切り取られたKC
NQ2 タンパク質をもたらすBFNC関連突然変異が、卵母細胞において発現される野
性型KCNQ2 チャンネルの優性−陰性阻害を果たせないことを示している。Bierve
rt他 (1998) Science 279:403-406 。KCNQ2 とKCNQ3 との相乗的相互作用を証明
する本発明は、この所見にもっともな説明を提供すると考える。即ち、KCNQ2 中
の突然変異は、野性型KCNQ3 チャンネルと共に同時発現させた時にのみ優性−陰
性効果をもたらすことができ、またその逆もそうである。
【0077】 分子遺伝学 分子生物学の最近の進歩により、本発明者がカリウムチャンネルを神経系の疾
患と関連づけられるようになった。より最近になって、上述したように、特発性
全身てんかんの一クラスが、KCNQ2 およびKCNQ3 中の突然変異に関連づけられた
。Biervert他, 前掲;Charlier他, 前掲;およびSingh 他, 前掲。ヒトKCNQ2 と
ヒトKCNQ3 の同定および発現は、BFNCや他の潜在的なヒト疾患との関係を更に研
究できるようにするだろう。本発明は、当業者がこれからKCNQ2 および/または
KCNQ3 の活性調節因子、例えば活性化因子を同定できるようにするだろう。KCNQ
2 および/またはKCNQ3 の活性調節因子は、BFNCのような病気の治療の機会を提
供することができる。更に、ヒトKCNQ2 とKCNQ3 は学習と記憶に関連する領域で
高レベルで発現されるので、KCNQ2 および/またはKCNQ3 の活性調節因子は、加
齢に伴う記憶減退、パーキンソン病またはアルツハイマー病の薬理学的治療の機
会も提供し得る。
【0078】 マウスKvLR1 KvLQT1遺伝子に類似した脳の発現配列標識(EST,公開ドメインデータベース)
を使って出発して、マウス脳ライブラリーから新規カリウムチャンネル遺伝子を
クローニングしそして機能的に発現させた。図10A〜図10Dは、722 アミノ酸(
配列番号6)と80.4 kDaの計算分子量を有するタンパク質をコードするマウスKC
NQ2/KvLR1 遺伝子(配列番号5)を示す。ヒドロパシー分析(図10E)は、電圧
開閉カリウムチャンネルに典型的な1つの孔ドメインと6つの膜貫通領域を有す
るKvLR1 のコンピューター作成トポロジーを表す。
【0079】 マウスKCNQ2/KvLR1 チャンネルとマウスKCNQ1/KvLQT1チャンネルとのアミノ酸
整列を図11に示す。全体で、2つのチャンネル間に40%の相同性があり、貫通領
域と孔領域では62.5%の相同性がある。系統学的分析は、マウスKCNQ2/KvLR1 遺
伝子がKCNQ1/KvLQT1遺伝子ファミリーの一構成員であること、そしてHERG遺伝子
および他の電圧開閉ファミリー構成員とは遠縁であることを示唆する。電圧開閉
カリウムチャンネルに特徴的であるシグネチャーアミノ酸配列がマウスKCNQ2/Kv
LR1 内に存在しており、反復アルギニンパターンが電圧センサーとして知られる
S4膜貫通領域の中に、そしてGYG配列が孔領域の中に見つかる。幾つかの3'
RACE クローンの更なる分析は、S6膜貫通領域の先に多様性があることを示す
。今日までに、2つの二者択一のスプライスエキソンAとBが同定されており、
そのアミノ酸配列を図12に示す。
【0080】 マウスKCNQ2/KvLR1 の組織分布を調べるために、孔領域または電圧センサー領
域を含まないマウスKCNQ2/KvLR1 チャネルからのプローブを使ってノーザンブロ
ット分析を行った。該遺伝子のこの配列は別のチャンネルとの起こり得る交差反
応性を回避する。図13に示す結果は、非常に豊富な8.2 kbメッセージが脳内にお
いてのみ観察され、末梢組織には観察されないことを示す。絶対的ではないけれ
ども、ノーザンブロットをより長時間暴露させても、図5に示されるような末梢
組織における該メッセージの存在は認められなかった。
【0081】 脳内でのメッセージ限局化をより高度に分析するために、in situ ハイブリダ
イゼーションを実施した。ラット脳の大部分に及ぶ広範囲分布として、KCNQ2/Kv
LR1 遺伝子の非保存的領域に特異的なアンチセンスリボプローブとの陽性のハイ
ブリダイゼーションシグナルが観察された。しかしながら、強力なシグナルは次
の領域に更に限定された分布として観察された:梨状皮質、視床下部視索上核、
扁桃、海馬(CA1,2および3領域並びに歯状回を含む)、MO5(脳幹の三
叉神経運動核)、顔面神経核、舌下神経核、オリーブ核、小脳核、延髄巨大細胞
核、中庭神経外側および内側核、脊髄の運動核、並びに脊髄神経節の感覚ニュー
ロン。中程度のハイブリダイゼーションシグナルは皮質、中隔、線条、視床下部
、視床、内側手綱、黒質緻密質、乳状体核、外側および内側膝状体、束間核、小
脳のプルキンエ細胞と顆粒細胞、傍小脳脚核、背側および腹側蝸牛神経核、並び
に他の脳幹核においても観察される。三領域の合成図を図14に示す。
【0082】 機能的発現について試験するために、マウスKCNQ2/KvLR1 遺伝子からcRNAを調
製しそしてアフリカツメガエル卵母細胞に注入した。二電極電圧クランプにより
、マウスKCNQ2/LR1 cRNAを注入した卵母細胞(n>20)において一群の外側電流
を発生させた。最短で48時間後、水を注入した対照細胞または未注入の対照細胞
において同じプロトコルで発生した本来の電流とは質と量の面で異なる電流(Ca 2+ 活性クロリド電流および別の本来の電流を表す)が発生した。マウスKCNQ2 を
安定発現しているCHO 細胞から同様な電流が得られ、それをパッチ−クランプ技
術を使って記録した。単一チャンネル伝導率は内外対等の140 mMカリウムでは24
〜30 pS であると見積もられた(図22)。
【0083】 心筋細胞でもマウスKCNQ2/KvLR1 がIKsおよびIKr電流について同様な薬理学
を有するかどうかを調べるために、マウスKCNQ2 を発現している卵母細胞におい
てクロフィリウムを試験した。20μM 濃度で、クロフィリウムはマウスKCNQ2 媒
介電流を部分的に遮断することが示された。イベリオトキシン、α−デンドロト
キシンおよびチャリブドトキシンといった別の特異的K+ チャンネル遮断毒素は
、マウスKCNQ2 媒介電流に対して何ら有意な効果がなかった。
【0084】材料と方法 ヒトKCNQ2 ヒトKCNQ2 (ヒトKvLR1 )およびヒトKCNQ3 (ヒトKvLR2 )の分子クローニング と発現 KvLQT1関連EST 配列〔EST# yn72g11, yo31c08, ys93a07(配列はGenbank デー
タベ−ス中に見つけることができる)〕から誘導したプライマーを使って、ヒト
脳もしくは胎児脳cDNAライブラリーまたは Marathon-Ready cDNA(Clon
tech)を増幅させることにより、5' RACE PCRを行った(図1)。PCR生成
物をゲル精製し、サブクロ−ニングし、そして配列決定した。標準プロトコルに
従って、KCNQ2 またはKCNQ3 配列の特異的領域を含有するランダムプライムド32 P標識DNAプロ−ブを使ってcDNAライブラリーをスクリーニングしそして
ノ−ザンブロット分析を行った。例えば、KCNQ2 プローブI(図1)をノーザン
ブロット分析に使用し;プローブII(図1)を標準プロトコルに従ったヒト脳c
DNAライブラリーのスクリーニングに使用した。
【0085】 製造業者のマニュアル(LifeTechnologies)に記載されたプロトコルを使って
Gene Trapper実験を行った。制限酵素消化と重複するcDNAクローンの連結に
より、複合全長ヒトKCNQ2 およびヒトKCNQ3 cDNAクローンを得た。全長cD
NAをpSP64Tプラスミド由来のアフリカツメガエル発現ベクター中にサブクロー
ニングした。mMESSAGE mMACHINE Kit (Ambion)を使って、マイクロインジェクシ
ョン用のキャップ付cRNAを合成した。
【0086】 図9Aと図9Bに示すようなKCNQ2 の発現の検出のために、Fagan 他 (1996) J. Neurosci. 16 (19): 6208-6218 に本質的に記載された通りに、組織処理、組
織学的分析およびin situ ハイブリダイゼーション分析を行った。
【0087】KCNQ2 とKCNQ3 の電気生理学および薬理学的性質 Yang他(前掲)に記載された通りに、第V期および第VI期アフリカツメガエル
卵母細胞をコラーゲナーゼ処理により脱ろ胞し、cRNAを注入した。KCNQ2 (1
5 ng), KCNQ3 (15 ng)またはKCNE1 (2 ng)cRNAを単独でまたは組み合わせて
注入した後3〜5日目の間に、二微小電極電圧クランプ(DaganTEV-200)技術を
使って、室温で電流を記録した。微小電極(0.8 〜1.5 MΩ)を3 M KCl で満た
した。浴液はmMで 96 NaCl, 2 KCl, 0.4-1.8 CaCl2, 1-2 MgCl2 および5 HEPES
(pH 7.5)を含んだ。ある実験ではNaClによる等モル置換によりKCl を変更した。
【0088】 外部K+ 濃度に対するテ−ル電流逆転電位の依存性を測定することにより、K + 選択性を評価した。外部K+ 濃度を2,10,40および98 mM の中で変化させな
がら、+20 mV への電圧段階の後に−110 mMから+10 mV の電圧でテール電流を
惹起させた。試験電位に対するテ−ル電流振幅のプロットからゼロ切片を測定す
ることにより、各条件下での電流逆転電位を求めた。
【0089】 電圧クランプコマンドを作りそしてデータを得るためにはAxoclamp (Axon Ins
truments) を使用し、データ分析にはAxoraph (Axon Instruments)を使用した。
全てのデータはローパスフィルター速度の少なくとも2倍の速度でサンプリング
した。実験は22〜25℃で行った。クロフィリウムはRBI Biochemicalsより入手し
、そして4−アミノピリジン(4-AP) 、TEA およびチャリブドトキシンはSigma
Chemical Co.より入手した。E-4031はEsai Research Laboratoriesにより発表さ
れた情報を使って合成した。
【0090】マウスKvLR1 プローブ調製およびライブラリースクリーニング KvLQT 遺伝子に対する相同性を有する公開データベースからユニーク発現配列
標識(EST;expressed sequence tag)を同定した。PCR実験用にEST配
列からオリゴヌクレオチドを合成した。正プライマー(配列番号15)は 5'-GAG TAT GAG AAG AGC TCG GA-3' であり、逆プライマーは 5'-CAG ATG TGG CAA AGA CGT TGC-3' であった。
【0091】 ランダムヘキサマーを使ってラット脳ポリA+ RNAを逆転写し、上記プライ
マーをPCRにより増幅させた〔94℃, 60秒;55℃, 90秒;72℃, 120 秒;30サ
イクル〕。ラットKCNQ2/KvLR1 の 240 bp DNA断片をゲル電気泳動により単離
し、pCRII (Invitrogen)中にサブクローニングした。 240 bp DNA断片を32
−dCTPでランダムプライム標識し、それをプローブとして使ってマウスpcDNA1プ
ラスミドライブラリー (Clontech, Palo Alto, CA)をスクリーニングした。標準
フィルターリフトプロトコルを使って合計2×105 コロニーをスクリーニングし
た。フィルターを50%ホルムアミド, 2×PIPES および1%SDS中で42℃で一
晩ハイブリダイズさせ、そして1×SSC中で1回、次いで0.1 ×SSC, 0.1
%SDS中で3回、53℃で各回20分間ずつ洗浄した。フィルターを−70℃で一晩
暴露した。ただ一つの陽性コロニーが同定され、精製されるまで繰り返した。マ
ウスKvLR1 と命名したクローンmbr 26.1をジデオキシターミネーション反応によ
り両鎖について配列決定した。
【0092】 ノーザンブロット 製造業者の教示に従ってマウス多重組織ブロット(Clontech)を使ってノーザン
ブロットを実施した。簡単に言えば、ブロットをExpressHyb溶液と68℃で30分間
予備ハイブリダイズさせた。制限酵素PvuII によりマウスKvLR1 コード領域から
DNA断片を単離し、孔および電圧センサー共通配列を除去し、32P−dCTPでラ
ンダムプライム標識し、100 ℃で5分間変性させ、氷上で冷却し、新鮮なExpres
sHyb溶液に添加した後、ノーザンブロットに添加した。連続攪拌しながらブロッ
トを68℃で60分間インキュベートした。そのブロットを 0.1×SSCと 0.1%S
DS中で50℃にて2回洗浄した。ブロットをサランラップに包み、室温で一晩X
線フィルムに暴露した。該ブロットに提供するアクチンプローブにも同じプロト
コルを使った。
【0093】 in situ ハイブリダイゼーション 成熟ラット脳全体から225 μm の間隔で切断した凍結切片を、氷冷10%ホルム
アルデヒド/PBS中に20分間浸漬することにより固定しそしてPBSですすい
だ。ラットDRGの固定切片を0.1 M Tris, pH 8.0中の0.5% Triton X-100 と0.
05 M EDTA で30分間処理し、そして0.1 M Tris, pH 8.0と0.05 M EDTA で3分間
すすいだ。次いで組織を室温で0.1 M TEA (pH 8.0)+0.25%無水酢酸で10分間処
理し、2×SSCですすぎ(3回)、一連のアルコールで脱水し、クロロホルム
中で脱脂し、そして風乾した。
【0094】 Promega Riboprobe Transcription System II を使って、10μL の合計反応容
量で 250μCi 35S-UTPと 250μCi 35S-CTPを使ってリボプローブを合成した。未
標識のUTP とCTP を各々25μMでそしてATP とGTP を各々500 μMで添加した。
マウスKCNQ2/KvLR1 プラスミド(pBluescript II中にサブクローニングしたヌク
レオチド552-1125)をSac I で直鎖状にしてT3 RNAポリメラーゼを使って転写し
、そしてBamHI を使って直鎖状にしてSP6 RNA ポリメラーゼを使って転写し、そ
れぞれアンチセンスプローブとセンスプローブを作製した。各反応に1μg の直
鎖状プラスミドを加えた。フェノール:クロロホルム抽出と酢酸アンモニウムを
使った2回のエタノール沈澱によりリボプローブを精製した。乾燥させた組織切
片をハイブリダイゼーション緩衝液(50%ホルムアミド, 0.3 M NaCl, 10 mM Tr
is, 1 mM EDTA, 1×デンハーツ溶液, 10%硫酸デキストラン, 500 μg/ml tRNA
および 10 mM DTT)中で55℃で一晩1×107 cpm/mlのリボプローブとハイブリダ
イズさせた。各回5分ずつ4回の4×SSCでの洗浄によりハイブリダイゼーシ
ョン溶液を除去した。切片を 0.02 mg/ml RNアーゼ, 0.5 M NaCl, 10 mM Tris
, pH 8.0および1 mM EDTA 中37℃で30分間インキュベートし、次いで2×SSC
, 1×SSCおよび0.5 ×SSC(全て1 mM EDTA を含む)中で室温で各回10分
ずつ洗浄した。組織切片を0.1 ×SSC, 1 mM EDTA 中55℃で30分間インキュベ
ートし、次いで室温で0.1 ×SSC, 1 mM EDTA 中で手短にすすぎ、脱水し、そ
して風乾した。乾燥させた切片をXOMAT フィルム(Kodak, Rochester, NY)に暴
露し、次いでNTB2乳剤(Kodak, Rochester, NY)中に浸漬して各mRNAの細胞
限局化を調べた。
【0095】 卵母細胞における発現と記録 マウスKCNQ2/KvLR1 cDNAを制限酵素NotIで直鎖状にし、そして製造業者(
Ambion, Austin, TX)の教示に従ってmMessage mMachine T7 RNAポリメラーゼキ
ットを使って試験管内転写した。cRNAをRNアーゼ不含有蒸留水中に溶かし
、1.0 μg/mlの濃度で−70℃で保存した。カエル卵母細胞を調製し、標準技術を
使って注入した(Colman, 1984)。マウスKvLR1 発現実験では、各卵母細胞に約
35〜40 nl のcRNAを注入した。注入後、卵母細胞を(mMで)NaCl, 90; KCl,
1.0; CaCl2, 1.0; MgCl2, 1.0; HEPES, 5.0から成るND96培地中に17℃で維持
した。インキュベーション培地には補足物としてウマ血清とペニシリン/ストレ
プトマイシン(共に最終容量の5%)を添加した。電気生理学実験記録は、cR
NA注入後2〜6日目に開始した。実験開始前に卵母細胞を記録用チャンバー中
に置き、そして(mMで)NaCl, 88; NaHCO3, 2.4; KCl, 1.0; HEPES 10; MgSO4,
0.82; Ca(NO3)2, 0.33; CaCl2, 0.41; pH 7.5 から成る改良バース溶液(MBS
)中でインキュベートした。卵母細胞に電極(1〜2Mオーム)を刺し、標準二
電極電圧クランプ技術を使って全細胞膜電流を記録した(Stuhmer, 1992 ; TEC
200, Dagan Instruments)。電圧クランププロトコルは、典型的には、−60 mV
〜−90 mV の維持電位から+40 mV 〜+50 mV の最大電位への、+10 mV 間隔で
の一連の電圧上昇100-500 ms期間より成る。5 kHzで記録をデジタル化しそして
pClamp 6.0ソフトウエア(Axon Instruments)を使ってコンピューター上に保存
し、そしてClampFitまたはAxoGraphソフトウエア(Axon Instruments)を使って
解析した。
【0096】 CHO細胞における発現と記録 マウスKCNQ2 チャンネルを一時的にまたは安定に発現しているCHO細胞から
パッチクランプ記録物を得た。PC-84 Sachs-Flaming ピペット引取装置(Sutter
Instruments)を使って電極を調製し、そして3〜5Mオームの最終先端抵抗に
火炎磨き仕上げした。ピペットに(mM)KCl (140), MOPS (20), K2EGTA (1.0),
CaCl2 (0.89), pH 7.2から成る溶液を充填した。このピペット溶液はしばしばシ
ール形成を助けるためにMgCl2 (1.0) を含んだ。ポリ−D−リジンをコーティン
グしたカバーガラス上で細胞を増殖させ、そしてCHO細胞を含むカバーガラス
数枚を記録用倒立顕微鏡上のチャンバーの中に置いた。記録する前に、シール形
成の最中に、細胞を(mMで)NaCl (145), KCl (3), CaCl2 (2.5), MgCl2 (1.0),
HEPES (10), pH 7.4 から成る外部溶液の浴に入れた。目視検査のもとに電極を
細胞の表面にまで下げ、次いでギガシール形成後、内−外膜パッチをKCl (140),
MOPS (20), K2EGTA (1.0), CaCl2 (0.89), pH 7.2から成る内部溶液中で切除し
た。対称K+ 条件下で全ての記録を行った。パッチ励起連続および段階プロトコ
ル電圧−クランプ記録を得、そしてAxoPatch 200B Patch Clamp 増幅器とpClamp
ソフトウエア(Axon Instruments)を使って分析を行った。結果を図22に示す。
【0097】 本発明を明確化と理解のために説明および例示により幾らか詳細に記載してき
たけれども、特許請求の範囲内で幾つかの変更や改良を行えることは明白であろ
う。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は全長ヒトKCNQ2/KvLR1 cDNAの単離を示す。全長ヒトKCNQ2/KvLR1 c
DNAは2つの重複するcDNAクローンから誘導した。“S1”〜“S6”は膜貫
通領域1から6を表し;“H5”は孔形成領域(この領域は本明細書中“P”領
域とも呼称する)を意味し;ORF は転写解読枠を表し;3' UTRは3′非翻訳領域
を表す。様々なESTクローンおよびプローブの位置も示される。(この図は縮
尺通りではない。)
【図2】 図2Aと図2BはヒトKCNQ2/KvLR1 のヌクレオチド配列と推定アミノ酸配列を
示す。
【図3】 図3は、ヒトKCNQ2/KvLR1 とヒトKCNQ1/KvLQT1 の配列比較を示す。“I(縦
線)”はアミノ酸配列の一致を示す。両タンパク質のC末端アミノ酸は示してな
い。
【図4】 図4はヒトKCNQ3/KvLR2 とヒトKCNQ1/KvLQT1 の配列比較を示す。“I(縦線
)”はアミノ酸配列の一致を示す。両タンパク質のC末端アミノ酸は示してない
。KCNQ3/KvLR2 のN末端アミノ酸は示してない。
【図5】 図5は、ヒト組織およびヒト脳の様々な部位でのヒトKCNQ2/KvLR1 とKCNQ3/Kv
LR2 の発現を示す。図5AはKCNQ2/KvLR1 を示す。図5BはKCNQ3/KvLR2 を示す
。ポリ(A+ )mRNAノーザンブロットを、個別に放射性標識したKCNQ2 特異
的プローブ(図5A)またはKCNQ3 特異的プローブ(図5B)とハイブリダイズ
させた。RNA分子量マーカーを左に示す。
【図6】 図6はアフリカツメガエル卵母細胞中でのKCNQ2/KvLR1 電流の機能的特徴付け
を示す。 図6Aと6Bでは、水を注入した卵母細胞(図6A)とヒトKCNQ2/KvLR1 cR
NAを注入した卵母細胞(図6B)において、1秒電圧段階により、−80 mV の
保持電位から、10 mV 増分での−100 〜+40 mV の範囲の試験電位へと、一群の
電流を誘起させた。 図6Cは、ヒトKCNQ2/KvLR1 を発現している卵母細胞についてのピーク電流−
電圧(I−V)関係を示す。図6Aと6Bについて上述したプロトコルを使って
電流を記録した。 図6Dは外部K+ 濃度に対するテール電流逆転電位(Erev )の依存を示す。
外部K+ 濃度を2, 10, 40 および98 mM の間で変化させながら、+20 mV への1
秒パルス後に−110 〜+10 mV の電圧でテール電流を惹起させた(n=6卵母細
胞)。各卵母細胞について、テール電流振幅対試験電位のプロットからゼロ切片
を計測することにより、各条件下でのErev を求めた。破線は58 mV の傾きを有
し、そして完全に選択的なK+ チャンネルについてのネルンストの式に従って引
かれたものである。データは6回の実験からの平均±SEMである。
【図7】 図7は、アフリカツメガエル卵母細胞におけるKCNQ2/KvLR1 電流の薬理学的特
徴付けを示す。特に、この図はヒトKCNQ2/KvLR1 電流に対する E-4031, 4-AP, T
EA, チャリブドトキシンおよびクロフィリウムの効果を示す。上に重ねた電流は
、同じ実験の間に、−80 mV から+30 mV への1秒電圧段階の間に記録した電流
である。化合物は上から下の順で浴還流を介して適用した。対照溶液で5分間、
または化合物間で効果が完全に元に戻るまで、浴を灌流させた。3つの追加の卵
母細胞においても同様な結果が得られた。
【図8】 図8は、アフリカツメガエル卵母細胞におけるminKとヒトKCNQ2/KvLR1 との同
時発現を示す。 図8AはヒトKCNQ2/KvLR1 を単独で注入した卵母細胞から記録された膜電流に
対する1 mM TEAの効果を示す。上に重ねた電流は、浴へのTEA の適用の前と後の
、−80 mV の保持電圧から+40mVへの1秒電圧段階の間に記録された電流である
。TEA はKCNQ2/KvLR1 電流を80%以上減少させた。 図8Bは、minKとヒトKCNQ2/KvLR1 を注入した卵母細胞から記録された膜電流
に対する1 mM TEAの効果を示す。電流は図8Aと同じプロトコルを使って誘起さ
せた。TEA はminK+ヒトKCNQ2/KvLR1 電流を一部抑制したが、TEA 不感受性電流
成分の振幅と速度論は、minKのみを注入した卵母細胞において観察された電流と
同様であった。
【図9】 図9は成熟マウスの脳におけるマウスKCNQ2/KvLR1 発現を示す。図9Aは、放
射性標識したアンチセンスKCNQ2/KvLR1 プローブとハイブリダイズさせた、成熟
マウス脳からの冠状切片の暗視野写真であり、この写真はKCNQ2/KvLR1 転写物が
海馬の錐体細胞層にあることを示す。歯状回の顆粒細胞層では低レベルの発現が
観察された。図9Bは図9Aに示したのと同じ領域からの暗視野写真であるが、
センスプローブとハイブリダイズさせたものである。このプローブではKvLR1 特
異的発現はほとんど検出されなかった。倍率:図9Aと図9B共に125倍。 図9Cは部分的マウスKCNQ2/KvLR1 ヌクレオチド配列(配列番号9)とアミノ
酸配列(配列番号10)を示す。この配列は、ヒトKCNQ2/KvLR1 配列に基づいたオ
リゴヌクレオチドMABms 278 (配列番号11)とMABms 315 (配列番号12)を使っ
たマウス脳cDNAライブラリーのPCR増幅を通して得られた。PCR断片を
単離し、サブクローニングし、配列決定した。上記に示した226 bp断片をプロー
ブとしてin situ ハイブリダイゼーションに使用した。ヌクレオチド配列はヒト
KCNQ2/KvLR1 と80%同一である(アミノ酸配列中96%同一)。 MABms 278 (配列番号11): 5'-GGCCGAATTCTGTTTCTCAGCAGCTCCAGC-3' MABms 315 (配列番号12): 5'-GCGCGAATTCGAGCAGCACAGGCA(A/G)AA(A/G)CA-3'
【図10】 図10A〜図10Dは、マウス脳KCNQ2/KvLR1 遺伝子のDNA配列と翻訳アミノ酸
配列を示す。図10Eはマウス脳KCNQ2/KvLR1 遺伝子のヒドロパシー分析を示す。
ヒドロパシープロットは、6つの推定膜貫通領域(S1〜S6)と1つの孔領域
(P)を有する電圧感受性K+ チャンネルに典型的なパターンを示す。
【図11】 図11は、マウス心臓KCNQ1/KvLQT1とマウス脳KCNQ2/KvLR1 カリウムチャンネル
の配列の整列を示す。それらの2つの遺伝子の整列は、40%の全アミノ酸相同性
(陰影を付けた部分により示される)および貫通領域と孔領域内で62.5%の相同
性を示す。推定膜貫通領域と孔領域はボックス内に示される。カリウムチャンネ
ルのシグネチャー配列GYGは孔領域内に観察され、そして電圧センサーRXXQXX
RXXRはS4領域内に見つかる。
【図12】 図12はマウスKCNQ2/KvLR1 の3′末端の二者択一スプライスエキソンを示す。
翻訳されるとAとBに示すアミノ酸配列(配列番号13と14)を与える、少なくと
も2つのスプライスエキソンがマウスKCNQ2/KvLR1 遺伝子のそれぞれアミノ酸位
置372 と406 に同定された。
【図13】 図13はマウス多組織ノーザンブロットを示す。ノーザンブロットはマウスKCNQ
2/KvLR1 遺伝子の断片(ヌクレオチド1140〜2306)を使って探査した。脳では8.
2 kbの単一転写物が観察されるが、他の組織では観察されない。
【図14】 図14はラット脳のin situ ハイブリダイゼーションを示す。複合材料はラット
KCNQ2/KvLR1 メッセージが強力に発現される三領域を示す。アンチセンスプロー
ブは海馬、歯状回、皮質、および三叉神経の運動核で強力なシグナルを示す。セ
ンスプローブはわずかなバックグラウンドしか示さない。
【図15】 図15は、アフリカツメガエル卵母細胞において発現させたマウスKCNQ2/KvLR1
媒介全細胞電流の電気生理学的特徴づけを示す。図15Aでは、−80mVから+40mV
までの10 mV ずつの段階的脱分極が、対照細胞とは有意に異なる一群の外向き電
流を発生させた。1 mM TEAの添加はKvLR1 媒介電流を遮断し、またバックグラウ
ンドクロリド電流はTEA により影響を受けなかった。心臓IKsおよびIKr電流の
遮断薬であるクロフィリウムは、−80μV 〜40μV に脱分極させた時にKCNQ2/Kv
LR1 媒介電流を部分的に遮断することがわかった。図15Bは未注射の対照を示す
【図16】 図16は、共通ヌクレオチド配列(配列番号1)と、ヒトKCNQ3/KvLR2 (配列番
号17)、ヒトKCNQ2/KvLR1 (配列番号3)、マウスKCNQ2/KvLR1 (配列番号5)
およびラットKCNQ2/KvLR1 (配列番号7)のヌクレオチド配列との整列を示す。
“I(縦線)”は配列の一致を示し;“−”は非共通配列を示し;そして“*”
は配列の一致を最大にするために導入されたスペースを表す。
【図17】 図17は、共通アミノ酸配列(配列番号2)と、ヒトKCNQ3/KvLR2 (配列番号18
)、ヒトKCNQ2/KvLR1 (配列番号4)、マウスKCNQ2/KvLR1 (配列番号6)およ
びラットKCNQ2/KvLR1 (配列番号8)タンパク質のアミノ酸配列との整列を示す
。“I(縦線)”は配列の一致を示し;“−”は非共通配列を示し;そして“*
”は配列の一致を最大にするために導入されたスペースを表す。
【図18】 図18はKCNQ3 電流の機能的特徴づけを示す。図18Aは、−80 mV の保持電位か
ら、10 mV 増分で−70〜+50 mV に渡る試験電位への、1秒電圧段階により惹起
されたKCNQ3 cRNA注入卵母細胞からの電流の群を示す。図18BはKCNQ3 (n=6
)を発現している卵母細胞についてのI−V関係を示す。図18Aに記載のプロト
コルを使って電流を記録した。図18Cは外部K+ 濃度に対するテール電流Erev の依存を示す。直線は、完全に選択的なK+ チャンネルの場合のネルンスト式に
より推定される傾きを有する。各値は6つの卵母細胞からの平均±SEMである
。図18DはKCNQ3 電流に対する E-4031, 4-AP, TEAおよびクロフィリウムの効果
を示す。上に重ねた電流は、同じ実験において、−80 mV から+20 mV への1秒
電圧段階の間に記録されたものである。化合物は上から下の記載順に浴灌流によ
り適用した。浴は、5分間の間または完全に効果が逆転するまで、化合物と化合
物の間を対照溶液により灌流させた。3つの追加の卵母細胞において同様な結果
が得られた。
【図19】 図19はKCNQ2 とKCNQ3 の同時発現を示す。図19AはKCNQ2 からの電流の群を示
し、図19BはKCNQ3 からのであり、そして図19Cは、−80 mV の保持電位から、
−70〜+50 mV の範囲の試験電流(10 mV 増分)への1秒電位段階により誘起さ
れた、KCNQ2 +KCNQ3 cRNA注入卵母細胞からの電流群を示す。図19Dは、KCNQ2
+KCNQ3 を同時発現している卵母細胞(n=6)についての電流−電圧(I−V
)関係を示す。電流は図19A〜19Cと同じプロトコルを使って記録した。図19E
は、外部K+ 濃度に対するテール電流逆転電位(Erev )の依存を示す。破線は
、完全に選択的なK+ チャンネルについてのネルンスト式により推定される傾き
を有する。各値は6つの卵母細胞からの平均±SEMである。図19Fは、KCNQ2
+KCNQ3 電流に対する 4-AP, TEA, チャリブドトキシンおよびクロフィリウム
の効果を示す。上に重ねた電流は、同じ実験において、−80 mV から+20 mV へ
の1秒電圧段階の間に記録されたものである。化合物は上から下の記載順に浴灌
流により適用した。3つの追加の卵母細胞において同様な結果が得られた。
【図20】 図20は、KCNQ2 + KCNQ3電流とKCNE1 (minK)との相互作用を示す。−80 mV の
保持電位から、−70〜+50 mV の範囲の試験電流(10 mV 増分)への1秒電位段
階により誘起された、KCNE1 (図20A)、KCNQ2 + KCNQ3(図20B)、およびKC
NQ2 + KCNQ3+ KCNE1(図20C)cRNA注入卵母細胞からの電流群を示す。図
20Aの挿入図は、同じ卵母細胞における、−80 mV から−30〜+50 mV の範囲(
20 mV 増分)の電流への5秒電圧段階により誘起されたKCNE1 電流を示す。
【図21】 図21は、ラット脊髄の切断面を示す、ラットKCNQ2 とのin situ ハイブリダイ
ゼーションの写真である。図21(A)は低倍率下での写真であり(55倍);幾つ
かの領域は比較的高いシグナルにより視覚化できる。図21(B)は高倍率下での
写真であり(322 倍);各高シグナル領域は単細胞であり、それらはサイズから
運動ニューロンであるようだ。
【図22】 図22Aは、マウスKCNQ2 を安定発現しているCHO細胞から切除した内−外膜
パッチより記録された巨視的マウスKCNQ2 電流を示す。電流は緩慢な活性化と外
側相反運動を示す。図22Bは、切除した内−外パッチにおける単一チャンネル電
流のパッチ−クランプ記録を示す。パッチ中には少なくとも2つのチャンネルが
あり;KCNQ2 の単一チャンネル伝導率は24〜30 pS であると推定された。全ての
記録は標準技術を使って対称 140 mM K+ で行った。
【図23】 図23は、ヒトKCNQ3 (本明細書中 KvLR2とも称する)のヌクレオチド配列と推
定アミノ酸配列を示す。
【手続補正書】
【提出日】平成13年2月5日(2001.2.5)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】 「KCNQ1」:以前KvLQT1として知られていたタンパク質。 「KCNQ2」:以前KvLR1 として知られていたタンパク質。 「KCNQ3」:以前KvLR2 として知られていたタンパク質。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】 ORF 転写解読枠 PAGE ポリアクリルアミドゲル電気泳動 PBS リン酸塩緩衝食塩水 PCR ポリメラーゼ連鎖反応 SDS ドデシル硫酸ナトリム SSC 150 mM NaCl, 15 mMクエン酸ナトリウム・2 H2O を含有する緩衝液,
pH 7.0 TEA テトラエチルアンモニウム その他の略号については、Aldrichimica Acta , 第17巻,第1号 (1984) を参
照されたい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】 調製方法 一般的調製方法 本明細書は、KCNQ2 (KvLR1) およびKCNQ3 (KvLR2) の全長ヒトcDNAクロー
ン、好ましくは配列番号19に示されるヒト KCNQ2核酸配列(図2)、配列番号20 に示されるヒト KCNQ2アミノ酸配列(図2)、配列番号26に示されるヒト KCNQ3
核酸配列(図23)および配列番号27に示されるヒト KCNQ3アミノ酸配列(図23)
のクローニングと機能的発現を記載する。また、KCNQ2 の全長マウスcDNAク
ローン(マウスKvLR1 ;図10)、好ましくは配列番号22に示されるマウスKCNQ2
核酸配列、および配列番号23に示されるマウスKCNQ2 アミノ酸配列も開示される
。更に、本発明はラット KCNQ2配列(図16と図17)、好ましくは配列番号7に示
されるラット KCNQ2核酸配列、および配列番号8に示されるラットKCNQ2 アミノ
酸配列を包含する。ヒト、マウスおよびラット KCNQ2およびKCNQ3 のチャンンル
開閉速度論と巨視的流れ特性は、KCNQ1 のものと同様である。しかしながら、KC
NQ2 およびKCNQ3 は神経系に特異的に限局化し、そして異なる薬理学的性質を有
する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】 本発明の次のKCNQ2 およびKCNQ3 タンパク質をコードするヌクレオチド配列を
含んで成るDNAクローンを、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション
("ATCC")(10801 University Blvd., Manassas, VA 20110-2209 )に1988年 月1日 に寄託した:ヒト KCNQ2:ATCC受託番号203029;ヒト KCNQ3:ATCC受託番
203030;およびマウス KCNQ2:ATCC受託番号 。ここに言及する寄託は、
特許手続上の微生物の国際的承認に関するブダペスト条約の規定のもとに維持さ
れるだろう。それらの寄託は、単に当業者への便宜性のために与えられるのであ
って、35 U.S.C.112のもとに寄託が要求されることの許諾ではない。寄託材料に
含まれるポリヌクレオチドの配列、並びにそれによりコードされるポリペプチド
のアミノ酸配列は参考として本明細書中に含められ、そして万が一の本明細書中
の配列の記載との争いの場合に照査するものである。寄託材料を製造し、使用し
、または販売する権利を要求するかもしれないが、この結果そういったいかなる
権利も認められない。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0061
【補正方法】変更
【補正内容】
【0061】好ましい実施態様の具体的記載 ヒトKCNQ2 およびKCNQ3 遺伝的特性 KCNQ1 配列を使ったGenBank データベースのGCG BLAST 検索により、KCNQ1 関
連の(KCNQ2/KCNQ3)EST(expressed sequence tag)を発見した。ESTクロ
ーンの共通配列から誘導したプライマーを使って、ヒト脳由来cDNAを増幅さ
せ、そしてそれぞれKCNQ2 とKCNQ3 について877 bp断片と325 bp断片を単離した
(図1,プローブI)。両遺伝子の全長cDNA配列を得るために、本発明者ら
は5' RACE PCR、cDNAライブラリーのスクリーニング、およびGene Trapp
er技術を使った。KCNQ2 (配列番号11)とKCNQ3 (配列番号26の合成全長cD
NAは、それぞれ871 アミノ酸ポリペプチド(配列番号20)と854 アミノ酸ポリ
ペプチド(配列番号27)をコードする転写解読枠を含んでいる(図2と図23)。
両DNAのDNA配列分析と概念翻訳は、それらが電圧開閉型カリウムチャンネ
ルの構造的特徴を有するタンパク質をコードし、そしてKCNQ1 に最も密接に関連
していることを明らかにした。Sanguinetti 他 (1996) Nature 384:80-83 ; Yan
g 他 (1997) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94:4017-4022 。KCNQ2 はKCNQ3 と高
度の配列相同性(約70%)を示し、このことはそれらが同じサブファミリーに属
することを示唆する。両タンパク質ともKCNQ1 よりも長いC末端領域(〜200 ア
ミノ酸)を有している。KCNQ2 の開始コドンは共通リボソーム結合部位(即ち K
ozak)ACCATGG(配列番号19の残基58〜64)により隣接されている(図2)。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0078
【補正方法】変更
【補正内容】
【0078】 マウスKvLR1 KvLQT1遺伝子に類似した脳の発現配列標識(EST,公開ドメインデータベース)
を使って出発して、マウス脳ライブラリーから新規カリウムチャンネル遺伝子を
クローニングしそして機能的に発現させた。図10A〜図10Dは、722 アミノ酸(
配列番号23)と80.4 kDaの計算分子量を有するタンパク質をコードするマウスKC
NQ2/KvLR1 遺伝子(配列番号22)を示す。ヒドロパシー分析(図10E)は、電圧
開閉カリウムチャンネルに典型的な1つの孔ドメインと6つの膜貫通領域を有す
るKvLR1 のコンピューター作成トポロジーを表す。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0079
【補正方法】変更
【補正内容】
【0079】 マウスKCNQ2/KvLR1 チャンネルとマウスKCNQ1/KvLQT1チャンネルとのアミノ酸
整列を図11に示す。全体で、2つのチャンネル間に40%の相同性があり、貫通領
域と孔領域では62.5%の相同性がある。系統学的分析は、マウスKCNQ2/KvLR1 遺
伝子がKCNQ1/KvLQT1遺伝子ファミリーの一構成員であること、そしてHERG遺伝子
および他の電圧開閉ファミリー構成員とは遠縁であることを示唆する。電圧開閉
カリウムチャンネルに特徴的であるシグネチャーアミノ酸配列がマウスKCNQ2/Kv
LR1 内に存在しており、反復アルギニンパターンが電圧センサーとして知られる
S4膜貫通領域の中に、そしてGYG配列が孔領域の中に見つかる。幾つかの3'
RACE クローンの更なる分析は、S6膜貫通領域の先に多様性があることを示す
。今日までに、2つの二者択一のスプライスエキソンA(配列番号13)とB(配 列番号14) が同定されており、そのアミノ酸配列を図12に示す。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0081
【補正方法】変更
【補正内容】
【0081】 脳内でのメッセージ限局化をより高度に分析するために、in situ ハイブリダ
イゼーションを実施した。ラット脳の大部分に及ぶ広範囲分布として、KCNQ2/Kv
LR1 遺伝子の非保存的領域に特異的なアンチセンスリボプローブとの陽性のハイ
ブリダイゼーションシグナルが観察された。マウスプローブはラット配列と99% 相同であった。 しかしながら、強力なシグナルは次の領域に更に限定された分布
として観察された:梨状皮質、視床下部視索上核、扁桃、海馬(CA1,2およ
び3領域並びに歯状回を含む)、MO5(脳幹の三叉神経運動核)、顔面神経核
、舌下神経核、オリーブ核、小脳核、延髄巨大細胞核、中庭神経外側および内側
核、脊髄の運動核、並びに脊髄神経節の感覚ニューロン。中程度のハイブリダイ
ゼーションシグナルは皮質、中隔、線条、視床下部、視床、内側手綱、黒質緻密
質、乳状体核、外側および内側膝状体、束間核、小脳のプルキンエ細胞と顆粒細
胞、傍小脳脚核、背側および腹側蝸牛神経核、並びに他の脳幹核においても観察
される。三領域の合成図を図14に示す。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0082
【補正方法】変更
【補正内容】
【0082】 機能的発現について試験するために、マウスKCNQ2/KvLR1 遺伝子からcRNAを調
製しそしてアフリカツメガエル卵母細胞に注入した。二電極電圧クランプにより
、マウスKCNQ2/LR1 cRNAを注入した卵母細胞(n>20)において一群の外側電流
を発生させた。最短で48時間後、水を注入した対照細胞または未注入の対照細胞
において同じプロトコルで発生した本来の電流とは質と量の面で異なる電流(Ca 2+ 活性クロリド電流および別の本来の電流を表す)が発生した(図15)。マウス KCNQ2/KvLR1媒介電流は1 mM TEAにより遮断された。 マウスKCNQ2 を安定発現し ているCHO 細胞から同様な電流が得られ、それをパッチ−クランプ技術を使って
記録した。単一チャンネル伝導率は内外対等の140 mMカリウムでは24〜30 pS で
あると見積もられた(図22)。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0097
【補正方法】変更
【補正内容】
【0097】 本発明を明確化と理解のために説明および例示により幾らか詳細に記載してき
たけれども、特許請求の範囲内で幾つかの変更や改良を行えることは明白であろ
う。
【配列表】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
【表9】
【表10】
【表11】
【表12】
【表13】
【表14】
【表15】
【表16】
【表17】
【表18】
【表19】
【表20】
【表21】
【表22】
【表23】
【表24】
【表25】
【表26】
【表27】
【表28】
【表29】
【表30】
【表31】
【表32】
【表33】
【表34】
【表35】
【表36】
【表37】
【表38】
【表39】
【表40】
【表41】
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は全長ヒトKCNQ2/KvLR1 cDNAの単離を示す。全長ヒトKCNQ2/KvLR1 c
DNAは2つの重複するcDNAクローンから誘導した。“S1”〜“S6”は膜貫
通領域1から6を表し;“H5”は孔形成領域(この領域は本明細書中“P”領
域とも呼称する)を意味し;ORF は転写解読枠を表し;3' UTRは3′非翻訳領域
を表す。様々なESTクローンおよびプローブの位置も示される。(この図は縮
尺通りではない。)
【図2】 図2はヒトKCNQ2/KvLR1 のヌクレオチド配列(配列番号19)と推定アミノ酸
配列(配列番号20)を示す。
図2B図2BはヒトKCNQ2/KvLR1 のヌクレオチド配列(配列番号19)と推定アミノ酸 配列(配列番号20)(図2Aの続き)を示す。
図2C図2CはヒトKCNQ2/KvLR1 のヌクレオチド配列(配列番号19)と推定アミノ酸 配列(配列番号20)(図2A〜Bの続き)を示す。
図2D図2DはヒトKCNQ2/KvLR1 のヌクレオチド配列(配列番号19)と推定アミノ酸 配列(配列番号20)(図2A〜Cの続き)を示す。
図2E図2EはヒトKCNQ2/KvLR1 のヌクレオチド配列(配列番号19)と推定アミノ酸 配列(配列番号20)(図2A〜Dの続き)を示す。
図2F図2FはヒトKCNQ2/KvLR1 のヌクレオチド配列(配列番号19)と推定アミノ酸 配列(配列番号20)(図2A〜Eの続き)を示す。
【図3】 図3は、ヒトKCNQ2/KvLR1(配列番号20)とヒトKCNQ1/KvLQT1(配列番号21) の配列比較を示す。“I(縦線)”はアミノ酸配列の一致を示す。両タンパク質
のC末端アミノ酸は示してない。
【図4】 図4はヒトKCNQ3/KvLR2(配列番号18)とヒトKCNQ1/KvLQT1(配列番号21)
配列比較を示す。“I(縦線)”はアミノ酸配列の一致を示す。両タンパク質の
C末端アミノ酸は示してない。KCNQ3/KvLR2 のN末端アミノ酸は示してない。
【図5】 図5は、ヒト組織およびヒト脳の様々な部位でのヒトKCNQ2/KvLR1の発現を 示す。ポリ(A+)mRNAノーザンブロットを、個別に放射性標識したKCNQ2 特異的プローブとハイブリダイズさせた。RNA分子量マーカーを左に示す。
図5B図5Bは、ヒト組織およびヒト脳の様々な部位でのヒトKCNQ3/KvLR2の発現を 示す。ポリ(A+)mRNAノーザンブロットを、個別に放射性標識したKCNQ3 特異的プローブとハイブリダイズさせた。RNA分子量マーカーを左に示す。
【図6】 図6はアフリカツメガエル卵母細胞中でのKCNQ2/KvLR1 電流の機能的特徴付
けを示す。水を注入した卵母細胞において、1秒電圧段階により、−80 mV の保
持電位から、10 mV 増分での−100 〜+40 mV の範囲の試験電位へと、一群の電
流を誘起させた。
図6B図6Bはアフリカツメガエル卵母細胞中でのKCNQ2/KvLR1 電流の機能的特徴付 けを示す。ヒトKCNQ2/KvLR1 cRNAを注入した卵母細胞において、1秒電圧段 階により、−80 mV の保持電位から、10 mV 増分での−100 〜+40 mV の範囲の 試験電位へと、一群の電流を誘起させた。
図6C】 図6Cは、ヒトKCNQ2/KvLR1 を発現している卵母細胞についてのピーク電流−
電圧(I−V)関係を示す。図6Aと6Bについて上述したプロトコルを使って
電流を記録した。
図6D】 図6Dは外部K+ 濃度に対するテール電流逆転電位(Erev)の依存を示す。 外部K+ 濃度を2, 10, 40 および98 mM の間で変化させながら、+20 mV への1
秒パルス後に−110 〜+10 mV の電圧でテール電流を惹起させた(n=6卵母細
胞)。各卵母細胞について、テール電流振幅対試験電位のプロットからゼロ切片
を計測することにより、各条件下でのErevを求めた。破線は58 mV の傾きを有 し、そして完全に選択的なK+ チャンネルについてのネルンストの式に従って引
かれたものである。データは6回の実験からの平均±SEMである。
【図7】 図7は、アフリカツメガエル卵母細胞におけるKCNQ2/KvLR1 電流の薬理学的特
徴付けを示す。特に、この図はヒトKCNQ2/KvLR1 電流に対する E-4031, 4-AP, T
EA, チャリブドトキシンおよびクロフィリウムの効果を示す。上に重ねた電流は
、同じ実験の間に、−80 mV から+30 mV への1秒電圧段階の間に記録した電流
である。化合物は上から下の順で浴還流を介して適用した。対照溶液で5分間、
または化合物間で効果が完全に元に戻るまで、浴を灌流させた。3つの追加の卵
母細胞においても同様な結果が得られた。
【図8】 図8Aは、アフリカツメガエル卵母細胞におけるminKとヒトKCNQ2/KvLR1 との
同時発現を示す。図8AはヒトKCNQ2/KvLR1 を単独で注入した卵母細胞から記録
された膜電流に対する1 mM TEAの効果を示す。上に重ねた電流は、浴へのTEA の
適用の前と後の、−80 mV の保持電圧から+40mVへの1秒電圧段階の間に記録さ
れた電流である。TEA はKCNQ2/KvLR1 電流を80%以上減少させた。
図8B】 図8Bは、アフリカツメガエル卵母細胞におけるminKとヒトKCNQ2/KvLR1 との
同時発現を示す。図8Bは、minKとヒトKCNQ2/KvLR1 を注入した卵母細胞から記
録された膜電流に対する1 mM TEAの効果を示す。電流は図8Aと同じプロトコル
を使って誘起させた。TEA はminK+ヒトKCNQ2/KvLR1 電流を一部抑制したが、TE
A 不感受性電流成分の振幅と速度論は、minKのみを注入した卵母細胞において観
察された電流と同様であった。
【図9】 図9は成熟マウスの脳におけるマウスKCNQ2/KvLR1 発現を示す。図9Aは放
射性標識したアンチセンスKCNQ2/KvLR1 プローブとハイブリダイズさせた、成熟
マウス脳からの冠状切片の暗視野写真であり、この写真はKCNQ2/KvLR1 転写物が
海馬の錐体細胞層にあることを示す。歯状回の顆粒細胞層では低レベルの発現が
観察された。倍率:125倍。
図9B図9Bは成熟マウスの脳におけるマウスKCNQ2/KvLR1 発現を示す。図9Bは図
9Aに示したのと同じ領域からの暗視野写真であるが、センスプローブとハイブ
リダイズさせたものである。このプローブではKvLR1 特異的発現はほとんど検出
されなかった。倍率:125倍。
図9C】 図9Cは部分的マウスKCNQ2/KvLR1 ヌクレオチド配列(配列番号9)とアミノ
酸配列(配列番号10)を示す。この配列は、ヒトKCNQ2/KvLR1 配列に基づいたオ
リゴヌクレオチドMABms 278 (配列番号11)とMABms 315 (配列番号12)を使っ
たマウス脳cDNAライブラリーのPCR増幅を通して得られた。PCR断片を
単離し、サブクローニングし、配列決定した。上記に示した226 bp断片をプロー
ブとしてin situ ハイブリダイゼーションに使用した。ヌクレオチド配列はヒト
KCNQ2/KvLR1 と80%同一である(アミノ酸配列中96%同一)。 MABms 278 (配列番号11): 5'-GGCCGAATTCTGTTTCTCAGCAGCTCCAGC-3' MABms 315 (配列番号12): 5'-GCGCGAATTCGAGCAGCACAGGCA(A/G)AA(A/G)CA-3'
【図10】 図10Aは、マウス脳KCNQ2/KvLR1 遺伝子のDNA配列(配列番号22)と翻訳ア
ミノ酸配列(配列番号23)を示す。
図10B図10Bは、マウス脳KCNQ2/KvLR1 遺伝子のDNA配列(配列番号22)と翻訳ア ミノ酸配列(配列番号23)(図10Aの続き)を示す。
図10C図10Cは、マウス脳KCNQ2/KvLR1 遺伝子のDNA配列(配列番号22)と翻訳ア ミノ酸配列(配列番号23)(図10A〜Bの続き)を示す。
図10D図10Dは、マウス脳KCNQ2/KvLR1 遺伝子のDNA配列(配列番号22)と翻訳ア ミノ酸配列(配列番号23)(図10A〜Cの続き)を示す。
図10E】 図10Eはマウス脳KCNQ2/KvLR1 遺伝子のヒドロパシー分析を示す。ヒドロパシ
ープロットは、6つの推定膜貫通領域(S1〜S6)と1つの孔領域(P)を有
する電圧感受性K+ チャンネルに典型的なパターンを示す。
【図11】 図11は、マウス心臓KCNQ1/KvLQT1(配列番号24)とマウス脳KCNQ2/KvLR1(配 列番号23) カリウムチャンネルの配列の整列を示す。それらの2つの遺伝子の整
列は、40%の全アミノ酸相同性(陰影を付けた部分により示される)および貫通
領域と孔領域内で62.5%の相同性を示す。推定膜貫通領域と孔領域はボックス内
に示される。カリウムチャンネルのシグネチャー配列GYGは孔領域内に観察さ
れ、そして電圧センサーRXXQXXRXXR(配列番号25)はS4領域内に見つかる。
【図12】 図12はマウスKCNQ2/KvLR1 の3′末端の二者択一スプライスエキソンを示す。
翻訳されるとAとBに示すアミノ酸配列(配列番号13と14)を与える、少なくと
も2つのスプライスエキソンがマウスKCNQ2/KvLR1 遺伝子のそれぞれアミノ酸位
置372 と406 に同定された。
【図13】 図13はマウス多組織ノーザンブロットを示す。ノーザンブロットはマウスKCNQ
2/KvLR1 遺伝子の断片(ヌクレオチド1140〜2306)を使って探査した。脳では8.
2 kbの単一転写物が観察されるが、他の組織では観察されない。
【図14】 図14はラット脳のin situ ハイブリダイゼーションを示す。複合材料はラット
KCNQ2/KvLR1 メッセージが強力に発現される三領域を示す。アンチセンスプロー
ブは海馬、歯状回、皮質、および三叉神経の運動核で強力なシグナルを示す。セ
ンスプローブはわずかなバックグラウンドしか示さない。
【図15】 図15は、アフリカツメガエル卵母細胞において発現させたマウスKCNQ2/KvLR
1 媒介全細胞電流の電気生理学的特徴づけを示す。図15Aでは、−80mVから+40
mVまでの10 mV ずつの段階的脱分極が、対照細胞とは有意に異なる一群の外向き
電流を発生させた。1 mM TEAの添加はKvLR1 媒介電流を遮断し、またバックグラ
ウンドクロリド電流はTEA により影響を受けなかった。心臓IKsおよびIKr電流
の遮断薬であるクロフィリウムは、−80μV 〜40μV に脱分極させた時にKCNQ2/
KvLR1 媒介電流を部分的に遮断することがわかった。
図15B】 図15Bは、図15Aと同様であるが未注射の対照を示す。
【図16】 図16は、共通ヌクレオチド配列(配列番号1)と、ヒトKCNQ3/KvLR2 (配列
番号17)、ヒトKCNQ2/KvLR1 (配列番号3)、マウスKCNQ2/KvLR1 (配列番号5
)およびラットKCNQ2/KvLR1 (配列番号7)のヌクレオチド配列との整列を示す
。“I(縦線)”は配列の一致を示し;“−”は非共通配列を示し;そして“*
”は配列の一致を最大にするために導入されたスペースを表す。
図16B図16Bは、共通ヌクレオチド配列(配列番号1)と、ヒトKCNQ3/KvLR2 (配列 番号17)、ヒトKCNQ2/KvLR1 (配列番号3)、マウスKCNQ2/KvLR1 (配列番号5 )およびラットKCNQ2/KvLR1 (配列番号7)のヌクレオチド配列との整列(図1 6Aの続き)を示す。
図16C図16Bは、共通ヌクレオチド配列(配列番号1)と、ヒトKCNQ3/KvLR2 (配列 番号17)、ヒトKCNQ2/KvLR1 (配列番号3)、マウスKCNQ2/KvLR1 (配列番号5 )およびラットKCNQ2/KvLR1 (配列番号7)のヌクレオチド配列との整列(図1 6A〜Bの続き)を示す。
図16D図16Dは、共通ヌクレオチド配列(配列番号1)と、ヒトKCNQ3/KvLR2 (配列 番号17)、ヒトKCNQ2/KvLR1 (配列番号3)、マウスKCNQ2/KvLR1 (配列番号5 )およびラットKCNQ2/KvLR1 (配列番号7)のヌクレオチド配列との整列(図1 6A〜Cの続き)を示す。
【図17】 図17は、共通アミノ酸配列(配列番号2)と、ヒトKCNQ3/KvLR2(配列番号1
8)、ヒトKCNQ2/KvLR1(配列番号4)、マウスKCNQ2/KvLR1(配列番号6)およ びラットKCNQ2/KvLR1(配列番号8)タンパク質のアミノ酸配列との整列を示す 。“I(縦線)”は配列の一致を示し;“−”は非共通配列を示し;そして“*
”は配列の一致を最大にするために導入されたスペースを表す。
図17B図17Bは、共通アミノ酸配列(配列番号2)と、ヒトKCNQ3/KvLR2(配列番号1 8)、ヒトKCNQ2/KvLR1(配列番号4)、マウスKCNQ2/KvLR1(配列番号6)およ びラットKCNQ2/KvLR1(配列番号8)タンパク質のアミノ酸配列との整列(図1 7Aの続き)を示す。
【図18】 図18はKCNQ3 電流の機能的特徴づけを示す。図18Aは、−80 mV の保持電位
から、10 mV 増分で−70〜+50 mV に渡る試験電位への、1秒電圧段階により惹
起されたKCNQ3 cRNA注入卵母細胞からの電流の群を示す。
図18B】 図18BはKCNQ3 電流の機能的特徴づけを示す。図18BはKCNQ3 (n=6)を発
現している卵母細胞についてのI−V関係を示す。図18Aに記載のプロトコルを
使って電流を記録した。
図18C】 図18Cは外部K+ 濃度に対するテール電流Erevの依存を示す。直線は、完全 に選択的なK+ チャンネルの場合のネルンスト式により推定される傾きを有する
。各値は6つの卵母細胞からの平均±SEMである。
図18D】 図18DはKCNQ3 電流に対する E-4031, 4-AP, TEAおよびクロフィリウムの効果
を示す。上に重ねた電流は、同じ実験において、−80 mV から+20 mV への1秒
電圧段階の間に記録されたものである。化合物は上から下の記載順に浴灌流によ
り適用した。浴は、5分間の間または完全に効果が逆転するまで、化合物と化合
物の間を対照溶液により灌流させた。3つの追加の卵母細胞において同様な結果
が得られた。
【図19】 図19はKCNQ2 とKCNQ3 の同時発現を示す。図19AはKCNQ2 からの電流の群を
示す。
図19B図19BはKCNQ2 とKCNQ3 の同時発現を示す。図19BはKCNQ3 からの電流の群を 示す。
図19C】 図19Cは、−80 mV の保持電位から、−70〜+50 mV の範囲の試験電流(10 m
V 増分)への1秒電位段階により誘起された、KCNQ2 +KCNQ3 cRNA注入卵母細胞
からの電流群を示す。
図19D】 図19Dは、KCNQ2 +KCNQ3 を同時発現している卵母細胞(n=6)についての
電流−電圧(I−V)関係を示す。電流は図19A〜19Cと同じプロトコルを使っ
て記録した。
図19E】 図19Eは、外部K+濃度に対するテール電流逆転電位(Erev)の依存を示す。
破線は、完全に選択的なK+ チャンネルについてのネルンスト式により推定され
る傾きを有する。各値は6つの卵母細胞からの平均±SEMである。
図19F】 図19Fは、KCNQ2+KCNQ3 電流に対する 4-AP, TEA, チャリブドトキシンおよ びクロフィリウムの効果を示す。上に重ねた電流は、同じ実験において、−80 m
V から+20 mV への1秒電圧段階の間に記録されたものである。化合物は上から
下の記載順に浴灌流により適用した。3つの追加の卵母細胞において同様な結果
が得られた。
【図20】 図20はKCNQ2+KCNQ3電流とKCNE1 (minK)との相互作用を示す。−80 mV の保
持電位から、−70〜+50 mV の範囲の試験電流(10 mV 増分)への1秒電位段階
により誘起された、KCNE1 cRNA注入卵母細胞からの電流群を示す。図20Aの
挿入図は、同じ卵母細胞における、−80 mV から−30〜+50 mV の範囲(20 mV
増分)の電流への5秒電圧段階により誘起されたKCNE1 電流を示す。
図20B図20Bは図20Aと同じプラクチスを用いて誘起された、KCNQ2+KCNQ3 cRN A注入卵母細胞からの電流群を示す。
図20C図20Cは図20Aと同じプラクチスを用いて誘起された、KCNQ2+KCNQ3+KCNE1 cRNA注入卵母細胞からの電流群を示す。
【図21】 図21は、ラット脊髄の切断面を示す、ラットKCNQ2 とのin situ ハイブリダ
イゼーションの写真である。図21は低倍率下での写真であり(55倍);幾つか
の領域は比較的高いシグナルにより視覚化できる。
図21B図21Bは、図21Aと同様のラットKCNQ2 とのin situ ハイブリダイゼーション の写真である。 図21は高倍率下での写真であり(322 倍);各高シグナル領域
は単細胞であり、それらはサイズから運動ニューロンであるようだ。
【図22】 図22Aは、マウスKCNQ2 を安定発現しているCHO細胞から切除した内−外膜
パッチより記録された巨視的マウスKCNQ2 電流を示す。電流は緩慢な活性化と外
側相反運動を示す。
図22B】 図22Bは、切除した内−外パッチにおける単一チャンネル電流のパッチ−クラ
ンプ記録を示す。パッチ中には少なくとも2つのチャンネルがあり;KCNQ2 の単
一チャンネル伝導率は24〜30 pS であると推定された。全ての記録は標準技術を
使って対称 140 mM K+で行った。
【図23】 図23は、ヒトKCNQ3(本明細書中 KvLR2とも称する)のヌクレオチド配列 配列番号26) と推定アミノ酸配列(配列番号27)を示す。
図23B図23Aは、ヒトKCNQ3(本明細書中 KvLR2とも称する)のヌクレオチド配列( 配列番号26)と推定アミノ酸配列(配列番号27)(図23Aの続き)を示す。
図23C図23Aは、ヒトKCNQ3(本明細書中 KvLR2とも称する)のヌクレオチド配列( 配列番号26)と推定アミノ酸配列(配列番号27)(図23A〜Bの続き)を示す
図23D図23Aは、ヒトKCNQ3(本明細書中 KvLR2とも称する)のヌクレオチド配列( 配列番号26)と推定アミノ酸配列(配列番号27)(図23A〜Cの続き)を示す
図23E図23Aは、ヒトKCNQ3(本明細書中 KvLR2とも称する)のヌクレオチド配列( 配列番号26)と推定アミノ酸配列(配列番号27)(図23A〜Dの続き)を示す
【手続補正12】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図16C
【補正方法】変更
【補正内容】
【図16C】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 5/10 C12Q 1/00 Z 4H045 C12P 21/08 G01N 33/15 Z C12Q 1/00 33/50 Z G01N 33/15 33/53 D 33/50 C12N 15/00 ZNAA 33/53 5/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR, NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,L S,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL ,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR, BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,E E,ES,FI,GB,GE,GH,GM,GW,HU ,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,M D,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL ,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK, SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,UZ,V N,YU,ZW (72)発明者 ドウォレツキー,スティーブン アメリカ合衆国,コネティカット 06455, ミドルフィールド,ハイ メドー レーン 43 (72)発明者 ヤン,ウェン ピン アメリカ合衆国,ニュージャージー 08540,プリンストン,ラッジャース レ ーン 25 (72)発明者 レベスク,ポール シー. アメリカ合衆国,ペンシルベニア 19067, ヤードレイ,ウエストオーバー ロード 1925 (72)発明者 グリブコフ,バレンティン ケー. アメリカ合衆国,コネティカット 06492, ウォーリングフォード,ウィリアムズ ロ ード 142 (72)発明者 ノイバウアー,マイケル ジー. アメリカ合衆国,ニュージャージー 08558,スキルマン,サイプレス ポイン ト コート 7 (72)発明者 リトル,ウェイン エー. アメリカ合衆国,ペンシルベニア 19465, ポッツタウン,チェスターシャー プレイ ス 1206 Fターム(参考) 2G045 AA40 CB01 DA36 FA34 FB02 FB03 GC18 JA01 4B024 AA01 AA11 BA41 BA63 CA04 CA09 CA11 DA02 EA04 GA03 GA11 GA12 4B063 QA01 QA08 QQ08 QR33 QR59 QR77 QR80 QS36 QX05 4B064 AG27 CA10 CA20 CC24 DA13 4B065 AA90X AA90Y AA91X AA91Y AB01 AB04 BA02 BA08 CA24 CA25 CA44 CA46 4H045 AA10 AA11 BA10 CA40 DA50 DA76 EA21 EA50 FA72 FA74

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 KCNQタンパク質の全部または一部を含んで成るポリペプチド
    をコードする単離された核酸分子であって、前記KCNQタンパク質がヒト KCNQ2タ
    ンパク質、ヒト KCNQ3タンパク質、マウス KCNQ2タンパク質およびラット KCNQ2
    タンパク質から成る群より選ばれる、単離された核酸分子。
  2. 【請求項2】 前記ヒト KCNQ2タンパク質が配列番号4に示されるアミノ酸
    配列を含んで成る、請求項1に記載の核酸分子。
  3. 【請求項3】 前記ヒト KCNQ3タンパク質が配列番号18に示されるアミノ酸
    配列を含んで成る、請求項1に記載の核酸分子。
  4. 【請求項4】 前記マウス KCNQ2タンパク質が配列番号6に示されるアミノ
    酸配列を含んで成る、請求項1に記載の核酸分子。
  5. 【請求項5】 (a) 配列番号3に示される核酸配列の全部または一部;(b)
    (a) の相補体;および(c) 遺伝暗号の縮重による(a) の変異体から成る群より選
    ばれる、請求項1に記載の核酸分子。
  6. 【請求項6】 (a) 配列番号17に示される核酸配列の全部または一部;(b)
    (a) の相補体;および(c) 遺伝暗号の縮重による(a) の変異体から成る群より選
    ばれる、請求項1に記載の核酸分子。
  7. 【請求項7】 (a) 配列番号5に示される核酸配列の全部または一部;(b)
    (a) の相補体;および(c) 遺伝暗号の縮重による(a) の変異体から成る群より選
    ばれる、請求項1に記載の核酸分子。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載の核酸分子を含んで成るベクター。
  9. 【請求項9】 請求項2に記載の核酸分子を含んで成るベクター。
  10. 【請求項10】 請求項3に記載の核酸分子を含んで成るベクター。
  11. 【請求項11】 請求項5に記載の核酸分子を含んで成るベクター。
  12. 【請求項12】 請求項6に記載の核酸分子を含んで成るベクター。
  13. 【請求項13】 請求項8に記載のベクターを含んで成る原核または真核宿
    主細胞。
  14. 【請求項14】 請求項9に記載のベクターを含んで成る原核または真核宿
    主細胞。
  15. 【請求項15】 請求項10に記載のベクターを含んで成る原核または真核
    宿主細胞。
  16. 【請求項16】 請求項11に記載のベクターを含んで成る原核または真核
    宿主細胞。
  17. 【請求項17】 請求項12に記載のベクターを含んで成る原核または真核
    宿主細胞。
  18. 【請求項18】 単離されたKCNQタンパク質またはポリペプチドであって、
    配列番号4に示されるヒト KCNQ2;配列番号18に示されるヒト KCNQ3、配列番号
    6に示されるマウス KCNQ2;および配列番号8に示されるラット KCNQ2から成る
    群より選ばれたアミノ酸配列の全部または一部を含んで成る、単離されたKCNQタ
    ンパク質またはポリペプチド。
  19. 【請求項19】 単離された核酸分子であって、(a) 配列番号3に示される
    ヌクレオチド配列に対して少なくとも80%の配列相同性を示すヌクレオチド配列
    ;(b) 配列番号17に示されるヌクレオチド配列に対して少なくとも80%の配列相
    同性を示すヌクレオド配列;および(c) 配列番号5に示されるヌクレオチド配列
    に対して少なくとも80%の配列相同性を示すヌクレオチド配列から成る群より選
    ばれる、単離された核酸分子。
  20. 【請求項20】 KCNQタンパク質の活性を調節することができる化合物につ
    いてのスクリーニング方法であって、 (a) 請求項13に記載の宿主細胞を準備し; (b) 前記化合物の非存在下で前記KCNQタンパク質の活性を測定し; (c) 前記細胞を前記化合物と接触させ;そして (d) 前記化合物の存在下で前記KCNQタンパク質の活性を測定する という各段階を含んで成り、 前記化合物の存在下での前記KCNQタンパク質の活性と前記化合物の非存在下で
    の前記KCNQタンパク質の活性との差が活性調節タンパク質であることを示す方法
  21. 【請求項21】 請求項18に記載のKCNQタンパク質に特異的な抗体。
  22. 【請求項22】 前記抗体がモノクローナル抗体である、請求項21に記載
    の抗体。
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