JPH09191882A - ヒト新規k+チャネル蛋白質をコードするdnaおよびその断片 - Google Patents

ヒト新規k+チャネル蛋白質をコードするdnaおよびその断片

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JPH09191882A
JPH09191882A JP8004726A JP472696A JPH09191882A JP H09191882 A JPH09191882 A JP H09191882A JP 8004726 A JP8004726 A JP 8004726A JP 472696 A JP472696 A JP 472696A JP H09191882 A JPH09191882 A JP H09191882A
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JP
Japan
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human
protein
sequence
seq
dna
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JP8004726A
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Masahiro Yokoyama
昌宏 横山
Yoshisuke Nishi
義介 西
Kenichi Matsubara
謙一 松原
Kimisaku Ookubo
公策 大久保
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Japan Tobacco Inc
Original Assignee
Japan Tobacco Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、胎児期及び成人の脳において発現
するヒトK+ チャネル蛋白質をコードする、単離された
遺伝子を提供する。 【解決手段】 本発明の遺伝子は、ヒト神経芽腫細胞由
来のcDNAライブラリーから、プラークハイブリダイ
ゼーション法により調製され、配列番号2に示す塩基配
列よりなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はヒト新規K+ チャネル蛋
白質をコードする遺伝子に関する。
【0002】
【従来の技術】神経細胞、筋細胞などの興奮性細胞、血
管内皮細胞などの非興奮性細胞は、いずれも様々な種類
の細胞膜K+ チャネルを所有し、その機能を調節してい
る。K+ チャネルは多種多様であり、1つの細胞が数種
類のK+ チャネルを発現していることも多い。各チャネ
ルの開閉は膜電位、細胞内セカンドメッセンジャーの挙
動、細胞の代謝変化、GTP結合蛋白質、蛋白キナー
ゼ、ホスファターゼ等、様々な機構により複合的に制
御、修飾され、細胞膜K+ コンダクタンスの微妙な変化
は、細胞機能の巧妙な調節に重要な役割を果たしてい
る。1987年にショウジョウバエのミュータントであ
Shakerから、最初の膜電位依存性K+ チャネル
の遺伝子が単離されて以来(サイエンス 237巻 7
49頁(1987)、サイエンス 237巻、 770
頁(1987)、Cell 50巻 405頁(198
7)、K+ チャネルの分子生物学的研究は爆発的に進め
られてきた。
【0003】以上のようにK+ チャネル蛋白質は中枢神
経系および末梢神経系の神経細胞において、重要な働き
をしている。ヒトK+ チャネル蛋白質をコードする遺伝
子をクローニングし、その構造を明確にすることは脳、
神経系の機能を研究する上で非常に重要である。また、
得られた遺伝子が組織、あるいは癌細胞特異的な発現パ
ターンを示すものであるなら、その遺伝子断片が組織や
細胞を認識する、あるいは癌の診断に有効な遺伝子マー
カーにもなりうる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、胎児
期及び成人の脳において発現するヒトK+ チャネル蛋白
質をコードする遺伝子を提供することにある。本発明は
さらに、神経芽腫細胞において発現するヒトK+ チャネ
ル蛋白質を提供する。
【0005】さらに本発明は、ヒトの神経細胞および神
経芽腫細胞を同定するためのプローブまたはプライマー
として有用なDNA断片を提供することも目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記事情
に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、ヒト新規K+ チャネル
蛋白質をコードするcDNAを単離し、その塩基配列を
決定して、そのアミノ酸配列を推定した。その結果、ヒ
ト新規K+ チャネル蛋白質は、後掲の配列表において配
列番号1で表されるアミノ酸配列を有することが判明し
た。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。
【0008】ヒト新規K+ チャネル蛋白質遺伝子 本発明のヒト新規K+ チャネル蛋白質遺伝子は、配列表
の配列番号1で示されるアミノ酸配列又は該アミノ酸配
列において1又は複数のアミノ酸が付加、欠如若しくは
置換されており、且つヒト新規K+ チャネル蛋白質をコ
ードするDNAである。本発明のDNAがヒト新規K+
チャネル蛋白質の生物活性をコードする事実は、後掲の
実施例中の(7) に説明した理由により確認された。
【0009】本発明により決定されたヒト新規K+ チャ
ネル蛋白質遺伝子をコードする遺伝子の塩基配列は、配
列表の配列番号2にそれがコードする推定アミノ酸配列
とともに示されている。この配列から明らかなように、
このcDNAは、塩基番号1から1182の合計118
2塩基対からなる。塩基番号1から3は翻訳開始遺伝暗
号に相当し、塩基番号1180から1182までは翻訳
停止遺伝暗号に相当する。この塩基番号1180ないし
1182の***はTGA、TAAまたはTAGのいず
れでも良い。配列番号1は配列番号2に示す塩基配列か
ら推定されるアミノ酸を示したものである。
【0010】従って、本発明の遺伝子は下記実施例に記
載されているように、ヒト神経芽腫細胞mRNA由来の
cDNAライブラリーから、例えばプラークハイブリダ
イゼーション法を利用して得ることもできるが、本発明
により決定されたDNAの塩基配列に基づいて、ヒト神
経芽腫細胞mRNA由来のcDNAライブラリーを鋳型
とするPCR法により、又はヒト神経芽腫細胞mRNA
を出発物質とするRT−PCR法により容易に調製する
こともできる。このように調製したヒト新規K+ チャネ
ル蛋白質 cDNAを利用して下記の方法により変異体
を調製することもできる。
【0011】1つのアミノ酸をコードするコドンは複数
存在するので、コードされるアミノ酸配列が同じであれ
ば、どのような塩基配列のDNAも本発明の範囲に含ま
れる。配列番号2に示される推定アミノ酸配列を抜き出
して示したものが配列番号1に示すアミノ酸配列であ
る。従って、本発明には配列番号1で示されるアミノ酸
配列をコードするいずれのDNAも含まれる。
【0012】さらに、一般に生理活性を有するぺプチド
のアミノ酸配列が多少変更された場合、すなわち、該ア
ミノ酸配列の中の1又は複数のアミノ酸が置換され、若
しくは欠失し又は1又は複数のアミノ酸が付加された場
合でも該ぺプチドの生理活性が維持される場合があるこ
とは周知の事実である。したがって、配列番号1で示さ
れるアミノ酸配列において、このような修飾が加えら
れ、かつヒト新規K+ チャネル様蛋白質の変異体も本発
明の範囲内である。さらに、当該変異体蛋白質をコード
するDNAも本発明の範囲に含まれる。
【0013】アミノ酸の付加、欠失又は置換による変異
体は、例えばそれをコードするDNAに、例えば、周知
技術である部位特異的変異誘発(例えばNucleic Acid R
esearch, Vo1.10, No.20, p6487-6500, 1982) を施すこ
とにより実施することができる。本明細書において「1
又は複数のアミノ酸」とは、部位特異的変異誘発法によ
り付加、欠失又は置換できる程度の数のアミノ酸を意味
する。
【0014】部位特異的変異誘発は、例えば、所望の変
異である特定の不一致の他は変異を受けるべき一本鎖フ
ァージDNAに相補的な合成オリゴヌクレオチドプライ
マーを用いて次のように行うことができる。すなわち、
プライマーとして上記合成オリゴヌクレオチドを用いて
ファージに相補的な鎖を合成させ、得られた二重鎖DN
Aで宿主細菌を形質転換する。形質転換された細菌の培
養物を寒天にプレートし、ファージを含有する単一細胞
からプラークを形成せしめる。そうすると、理論的に
は、50%の新コロニーが単鎖として変異を有するファ
ージを含有し、残りの50%が元の配列を有する。得ら
れたプラークを上記所望の変異を有するDNAと完全に
一致するものとはハイブリッド形成するが、もとの鎖を
有する不一致のものとはハイブリッド形成しない温度に
おいて、キナーゼ処理された合成プローブとハイブリッ
ド形成せしめる。次に該プローブとハイブリッド形成す
るプラークを拾い、培養し、DNAを回収する。
【0015】なお、酵素のアミノ酸配列に、酵素活性を
喪失せしめない1又は複数のアミノ酸の置換、欠失又は
挿入の方法としては、上記の部位特異的変異誘発の他に
も、遺伝子を変異原で処理する方法及び遺伝子を選択的
に開裂し、次に選択されたヌクレオチドを除去、付加、
又は置換し、次いで連結する方法もある。なお、上記し
た本発明のDNAの両端、すなわち翻訳開始暗号および
翻訳停止暗号は、それぞれ任意のDNA断片と結合する
ことができる。このDNA断片の塩基配列及びサイズは
重要ではなく、バクテリア等の有する核外遺伝子と連結
するための適当なDNA断片であればよい。例えば下記
実施例においては翻訳開始暗号は配列番号3で表される
塩基配列を有するDNA断片と翻訳停止暗号は配列番号
4で表される塩基配列を有するDNA断片とそれぞれ結
合されている。
【0016】変異体は保存的に置換された配列を含んで
いてもよく、これは、特定のアミノ酸残基が類似の物理
化学的特徴を有する残基によって置き換えられていても
よいことを意味している。保存的置換の非限定的な例に
は、Ile、Val、Leu又はAla相互の置換の如
き脂肪族基含有アミノ酸残基の間の置換、又はLysと
Arg間の如き極性基含有アミノ酸残基の間の置換が含
まれる。
【0017】本発明の範囲内に入る塩基配列には、温和
な又は苛酷なストリンジェンシーの条件下で本明細書に
開示したヒト新規K+ チャネル様蛋白質の塩基配列にハ
イブリダイズし、かつ生物学的に活性なヒト新規K+
ャネル様蛋白質をコードする単離されたDNA及びRN
Aが含まれる。温和なストリンジェンシーによるハイブ
リダイゼーションの条件は、例えば、Sambrookら, Mole
cular Cloning: A Laboratory Manual, 2 ed. Vol.1, p
p. 1. 101-104, Cold Spring Harbor Laboratory Pres
s, (1989)に記載された条件を意味する。Sambrookらに
より定義されているように、温和なストリンジェンシー
の条件には、5×SSC,0.5%SDS,1.0mMED
TA(pH8.0)の前洗浄用溶液と約55℃,5×SS
C,一晩のハイブリダイゼーション条件の使用が含まれ
る。苛酷なストリンジェンシーの条件には、より高温の
ハイブリダイゼーションと洗浄が含まれる。その際、プ
ローブの長さ等の各種要因に応じて温度及び洗浄溶液の
塩濃度は適宜調節される。
【0018】ヒト新規K+ チャネル様蛋白質遺伝子の分
化、発生の研究試薬としての使用 ヒト新規K+ チャネル様蛋白質遺伝子のDNAは、ヒト
臓器、細胞における発現パターンの違いを比較するため
に使用することができる。これにより、ヒト臓器、細胞
の分化、発生の研究が促進される。例えば、本発明者ら
は、ノーザン解析の結果からヒト新規K+ チャンネル蛋
白質はヒト肝臓癌細胞株、ヒト子宮頚癌細胞株、ヒト成
人の膵臓、腎臓、骨格筋、肝臓、肺、胎盤、心臓には発
現しておらず、ヒト神経芽腫細胞およびヒト成人の脳だ
けに発現しているという結果を得ている。
【0019】ヒト新規K+ チャネル様蛋白質遺伝子のプ
ローブとしての使用 本発明は、上記のようにヒト新規K+ チャネル様蛋白質
がヒト神経芽腫細胞、ヒト成人の脳および睾丸にだけ発
現しているという発見に基づき、ヒト新規K+チャネル
様蛋白質遺伝子の配列に特異的にハイブリダイズするD
NA断片を適当な標識で標識して、ヒト神経芽腫細胞お
よびヒト成人の脳の同定を行う技術を提供する。
【0020】プローブは配列番号2、3または4のいず
れの配列に基づいて設計してもよい。その長さは少なく
とも連続する15塩基以上であることが好ましいが、1
5塩基以上であれば、各配列番号の全長まであるいは配
列番号3、2および4の合計までのいずれの長さであっ
てもよい。例えばプローブとして使用可能な部分は、配
列番号5に相当する部分である。プローブは一本鎖でも
二本鎖でもよいが少なくとも使用時には一本鎖となる。
さらに、上述したように塩基配列2から選定されたDN
A断片プローブを、ヒト新規K+ チャネル様蛋白質遺伝
子に特異的にハイブリダイズする性質を失わないよう
に、塩基の追加、削除、変更等により修飾した配列も本
発明に含まれる。
【0021】限定されるわけではないが、プローブは本
明細書に開示された方法により得られた単離されたヒト
新規K+ チャネル様蛋白質遺伝子のcDNA断片を、適
当な制限酵素によって切断することにより調製できる。
または、ヒト新規K+ チャネル様蛋白質遺伝子を含む試
料を用いてPCR反応を行うことによって、プローブを
調製することもできる。あるいは、市販のDNA合成機
(例えば、パーキンエルマー社製)により慣用された方
法により、プローブとなる一本鎖DNAを合成すること
もできる。
【0022】プローブは慣用された方法により、例え
ば、放射性同位元素、検出可能な酵素等により標識でき
る。例えば32Pを用いる場合、一般にヒト新規K+ チャ
ネル様蛋白質遺伝子のcDNA断片を使用する場合は、
ランダムプライミングラベルにより標識し、また、合成
プライマーを使用する場合はリン酸化酵素により5'末
端標識すると都合がよい。ヒト新規K+ チャネル様蛋白
質を含むと予想される試料と、上記本発明のプローブと
のハイブリダイゼーションは、慣用された方法により行
うことができる。一般には、中程度のハイブリダイゼー
ション強度(42℃〜50℃でハイブリダイゼーション
を行い、0.1×SSCで洗浄)によって行う。
【0023】例えば、患者の骨髄液から抽出したmRN
Aを電気泳動し、ナイロンメンブレンにトランスファー
したものとプローブとのハイブリダイゼーションがオー
トラジオグラフ等により検出された場合、当該試料は神
経芽腫細胞を含有すると診断される。神経芽腫細胞は小
児の副腎髄質と全身の交感神経節から発生する癌であ
り、骨に転移が起こりやすいのが特徴である。小児癌の
検査は、これまで尿中に含まれる神経芽細胞の検出によ
って行っていたが、尿中に神経芽細胞が排出されない場
合もある。したがって、骨髄液中に神経芽腫細胞が含ま
れるか否かを調べることによって、小児癌発見の精度を
上げることが可能である。
【0024】ヒト新規K+ チャネル様蛋白質遺伝子のP
CRプライマーとしての使用 ヒト新規K+ チャネル様蛋白質遺伝子の配列又はその相
補鎖の一部分とハイブリダイズするDNA断片は、PC
Rのプライマーとして用いることもできる。このような
DNA断片の組をプライマーとしてPCRを行い、試料
中のmRNAから調製されたcDNAが増幅されるか否
かを調べることにより、ヒト神経芽腫細胞およびヒト成
人の脳の存在を調べることができる。
【0025】本発明のプライマーは配列番号2、3また
は4から以下の条件を満たすように2つ選定することが
できる。
【0026】1)プライマーの長さが15−30塩基、
好ましくは、20−25塩基であること; 2)プライマーの中のG(グアニン)+C(シトシン)
の割合が40−60%、好ましくは45−55%、より
好ましくは約50%であること; 3)プライマーの配列に含まれるA(アデニン)、T
(チミン)、G(グアニン)、C(シトシン)の分布が
部分的に偏らないこと、例えば、GTが繰り返し分布す
るような領域は特異性が低いと考えられるのでプライマ
ーとして採用できない。
【0027】4)選定される2つのプライマーに対応す
るヒト新規K+ チャネル様蛋白質遺伝子の塩基配列上の
距離が100−1000塩基、好ましくは。150−5
00塩基、より好ましくは15−300塩基であるこ
と;および 5)各プライマー自身の内部または2つのプライマー間
に相補的な配列部分が存在しないこと。
【0028】好ましいプライマーの例は、以下の通りで
ある。
【0029】5’側プライマー: 5’−AGTCGG
CCTGGAGATTCTAC−3’(配列番号5の塩
基番号6−25) 3’側プライマー: 5’−AACAACAAAAAG
TGGGGTTT−3’(配列番号5の塩基番号165
−184の相補配列) これらのプライマーは、二つを組にして用いてもよく、
それぞれを他の適当なDNA断片と組にして用いてもよ
い。さらに、上記の好ましいプライマーをヒトAMYに
特異的にハイブリダイズする性質を失わないように、塩
基の追加、削除、変更等により修飾した配列もPCRプ
ライマーとして使用可能である。
【0030】プライマーの配列が選定されれば市販のD
NA合成機(例えば、パーキンエルマー社製)により慣
用された方法により、プライマーとなる一本鎖DNAを
合成できる。プライマーは一本鎖でも二本鎖でもよいが
使用時には一本鎖となる。
【0031】さらに、上述した選定条件を満たすように
配列番号2、3または4から選択した塩基配列を、ヒト
新規K+ チャネル様蛋白質に特異的にハイブリダイズす
る性質を失わないように、塩基の追加、削除、変更等に
より修飾した配列も本発明の範囲に含まれる。
【0032】PCRのDNA鎖合成反応に用いるポリメ
ラーゼは熱耐性ポリメラーゼ(典型的にはTaqポリメ
ラーゼ)を使用するのが好ましい。PCR反応用のポリ
メラーゼ、デオキシリボ核酸(dATP、dCTP、d
GTP、dTTP)、反応溶液等は必要であればキット
として市販されている。
【0033】PCR反応は、試料中のmRNAから調製
されたcDNAとプライマーとのアニーリング、ポリメ
ラーゼ反応および熱変性の3工程からなる一連の複製反
応を1サイクルとする。必ずしも以下の条件に拘束され
るわけではないが、本発明においては、アニーリングは
35〜70℃、好ましくは45〜55℃、より好ましく
は約50℃で、20秒から2分、好ましくは約1分行
う。ポリメラーゼ反応は、60〜80℃、好ましくは7
0〜75℃で、1〜3分行う。熱変性は90〜95℃
で、30秒〜1分行う。サイクル数は、25〜35回と
するのが好ましい。PCR反応は、市販のPCR用自動
機器(例えば、パーキンエルマー社製)を用いて行うこ
とができる。
【0034】PCR反応の結果、例えば、患者の骨髄液
のmRNAから調製したcDNAの中にヒト新規K+
ャネル様蛋白質遺伝子が存在する場合、使用した2種類
のプライマーがアニーリングした鋳型DNAの間の領域
が増幅される。反応後の溶液をアガロースやポリアクリ
ルアミド等の媒体中で電気泳動すると、使用したプライ
マーから予想される長さのバンドを検出することができ
る。このようにしてバンドが検出される場合、試料中に
神経芽腫細胞が存在すると診断される。
【0035】組換えヒト新規K+ チャネル様蛋白質の製
さらに、本発明はヒト新規K+ チャネル様蛋白質 cD
NAを含む発現ベクター、及びこれら発現ベクターを含
有する宿主細胞をヒト新規K+ チャネル様蛋白質の発現
に適する条件下で培養して、その発現されたヒト新規K
+ チャネル様蛋白質を回収することにより、組換えヒト
新規K+ チャネル様蛋白質を製造する方法も提供する。
【0036】本発明の組換えヒト新規K+ チャネル様蛋
白質を製造するためには、使用する宿主細胞に応じて選
ばれた発現ベクターに、哺乳動物、微生物、ウィルス、
又は昆虫遺伝子等から誘導された、適当な転写又は翻訳
調節ヌクレオチド配列に連結したヒト新規K+ チャネル
様蛋白質のDNA配列を挿入する。調節配列の例とし
て、転写プロモーター、オペレーター、又はエンハンサ
ー、mRNAリボソーム結合部位、及び転写及び翻訳の
開始及び終結を制御する適切な配列が挙げられる。加え
て、ヒト新規K+ チャネル様蛋白質遺伝子に本来存在し
ない適切なシグナルペプチドをコードする配列を発現ベ
クター内に組み込んでもよい。
【0037】ヒト新規K+ チャネル様蛋白質の発現に適
する宿主細胞には、原核細胞、酵母又は高等真核細胞が
含まれる。細菌、真菌、酵母、及び哺乳動物細胞宿主で
用いる適切なクローニング及び発現ベクターは、例え
ば、Pouwels ら, Cloning Vectors: A Laboratory Manu
al, Elsevier, New York, (1985)に記載されている。
【0038】原核生物には、グラム陰性又はグラム陽性
菌、例えば、大腸菌又は枯草菌が含まれる。大腸菌のよ
うな原核細胞内では、ヒト新規K+ チャネル様蛋白質
は、原核細胞内でも組換えポリペプチドの発現を容易に
するためにN末端メチオニン残基を含んでもよい。この
N末端Metは、発現後に組換えヒト新規K+ チャネル
様蛋白質から切り離すことができる。
【0039】原核宿主細胞内で用いる発現ベクターは、
一般に1又は2以上の表現型選択可能マーカー遺伝子を
含む。表現型選択可能マーカー遺伝子は、例えば、抗生
物質耐性を付与するか又は独立栄養要求性を付与する遺
伝子である。原核宿主細胞に適する発現ベクターの例に
は、pBR322(ATCC37017)の如き市販の
プラスミドまたはそれから誘導されるものが含まれる。
pBR322は、アンピシリン及びテトラサイクリン耐
性のための遺伝子を含有するので、形質転換細胞を同定
するのが簡単である。適切なプロモーターおよびヒト新
規K+ チャネル様蛋白質 DNA配列が、このpBR3
22ベクター内に挿入される。他の市販のベクターに
は、例えば、pKK223−3(スェーデン、ウプサラ
の Pharmacia Fine Chemicals)及びpGEM1(米
国、ウィスコンシン州、マジソンの Promega Biotec)
が含まれる。
【0040】原核宿主細胞用の発現ベクターに普通に用
いられるプロモーター配列には、β−ラクタマーゼ(ペ
ニシリナーゼ)、ラクトースプロモーター(Chang ら,N
ature 275:615, 1978;及び Goeddelら, Nature 281:54
4, 1979)等が含まれる。特に有用な原核宿主細胞発現
系は、ファージλPLプロモーター及びcI857ts
不耐熱性レプレッサー配列を用いる。λPLプロモータ
ーの誘導体を取り込んでいるアメリカン・タイプ・カル
チャー・コレクションから入手できるプラスミドベクタ
ーには、プラスミドpHUB2(大腸菌株JMB9(A
TCC37092)内に存する)及びpPLc28(大
腸菌RP1(ATCC53082)内に存する)が含ま
れる。
【0041】また、ヒト新規K+ チャネル様蛋白質を酵
母宿主細胞内で発現させてもよい。好ましくはサッカロ
ミセス属(例えば、S.セレビシエ)を用いるが、ピキ
ア (Pichia) 又はクルイベロミセス (Kluyveromyces)の
如き他の酵母の属も用いてもよい。酵母ベクターは、2
μ酵母プラスミドからの複製起点の配列、自律複製配列
(ARS)、プロモーター領域、ポリアデニル化のため
の配列、転写終結のための配列、及び選択可能なマーカ
ー遺伝子を含有することが多い。酵母α因子リーダー配
列を用いて、ヒト新規K+ チャネル様蛋白質の分泌を行
わせることもできる。酵母宿主からの組換えポリペプチ
ドの分泌を促進するのに適する他のリーダー配列も知ら
れている。酵母を形質転換する方法は、例えば Hinnen
ら, Proc.Natl. Acad. Sci. USA 75:1929, 1978に記載
されている。
【0042】哺乳動物又は昆虫宿主細胞培養系を用い
て、組換えヒト新規K+ チャネル様蛋白質を発現するこ
ともできる。哺乳動物起源の株化細胞系も用いることが
できる。哺乳動物宿主細胞発現ベクターのための転写及
び翻訳制御配列は、ウィルスゲノムから得ることができ
る。普通に用いられるプロモーター配列及びエンハンサ
ー配列は、ポリオーマウィルス、アデノウィルス2等か
ら誘導される。SV40ウィルスゲノム、例えば、SV
40起点、初期及び後期プロモーター、エンハンサー、
スプライス部位、及びポリアデニル化部位から誘導され
るDNA配列を用いて、哺乳動物宿主細胞内での構造遺
伝子配列の発現のための他の遺伝子要素を与えてもよ
い。哺乳動物宿主細胞内で用いるための発現ベクター
は、例えば Okayama及び Berg(Mol. Cell. Biol. 3:28
0, 1983)の方法で構築することができる。
【0043】本発明のヒト新規K+ チャネル様蛋白質を
産生する1つの方法は、ヒト新規K+ チャネル様蛋白質
をコードするDNA配列を含む発現ベクターで形質転換
した宿主細胞を、ヒト新規K+ チャネル様蛋白質が発現
する条件下で培養することを含む。次いで、用いた発現
系に応じて、ヒト新規K+ チャネル様蛋白質を培養培地
又は細胞抽出液から回収する。組換えヒト新規K+ チャ
ネル様蛋白質を精製する操作は、用いた宿主細胞の型及
びヒト新規K+ チャネル様蛋白質が培養培地中に分泌さ
れるかどうかといった要因に従って適宜選択する。
【0044】本発明のヒト新規K+ チャネル様蛋白質
は、ヒトの中枢神経系および神経内分泌系の研究のため
の貴重な試薬になると期待される。さらに、そのような
研究の結果ヒト新規K+ チャネル様蛋白質の作用が明ら
かになれば、ヒト新規K+ チャネル様蛋白質自体、ある
いはそのインヒビターを神経系疾患の治療薬として利用
できるものと期待される。
【0045】
【実施例】以下、この発明を実施例により説明する。以
下の実施例は、後掲の配列表において配列番号2で表さ
れる塩基配列に、塩基番号1の塩基に配列番号3で表さ
れる配列を有する塩基対が、また塩基番号1182の塩
基に配列番号4で表される配列を有する塩基対がそれぞ
れ結合した塩基配列を有するDNAの製造法を説明する
ものである。もっとも、本発明は下記実施例に限定され
るものではないことは明らかである。なお、下記実施例
において、各操作は、特に明示がない限り、マニアテイ
ス(Maniatis)ら、〔モレキュラー・クローニ
ング・ラボラトリーマニュアル 第2版(1989)、
コールド・スプリング・ハーバー〕記載の方法により行
った。また、制限酵素は市販のものを用い、その具体的
な使用法は市販品の指示書に従った。さらに、使用した
神経芽腫細胞CHP134、LA−N−1、LA−N−
2、LA−N−5、MC−NB−1、NB69、および
ヒト肝臓癌細胞株HepG2は、理化学研究所細胞開発
銀行より入手可能であり、HeLaおよびIMR32
は、財団法人がん研究振興財団のJapaneseCa
ncer Research Resourcers
Bankより入手可能である。
【0046】(1) ヒト神経芽腫細胞CHP134の
mRNAの調製 約107 個のヒト神経芽腫細胞CHP134に、18m
lのSolutionD液(4M グアニジンチオシア
ネート、25mM クエン酸ナトリウム、0.5% サ
ルコシル、0.1M 2−メルカプトエタノール)を加
え、ラバーポリスマンで細胞をはがし溶解させた後、素
早くホモジナイズした。得られたホモジネートを50m
lの遠心管に移し、2M 酢酸ナトリウム(pH4)を
2ml加え、混和した。次に、水飽和フェノ−ルを20
ml加え、混和した。そして最後に、クロロホルムを5
ml加え混和した後、15分氷冷した。その後、4℃で
4000×g、1時間遠心した。遠心後、水層を別の遠
心管に移し、その水層に32mlのエタノールを加え、
混和した。−20℃に1時間置くことによりRNAを沈
殿させた。遠心分離により回収したRNAは、80%エ
タノールで洗浄後、真空乾燥させ、滅菌蒸留水に溶解し
た。次に得られたRNA水溶液を、以下の手順で処理し
てポリ(A)を有するmRNAを分離した。すなわち、
滅菌蒸留水に溶解したRNAに、等量の2×eluti
on buffer(20mM Tris−HCl,2
mM EDTA,0.2% SDS)と、宝酒造株式会
社から市販されているOligotex−dT30溶液
を2倍量加え、攪拌した。攪拌後、65℃で5分間熱処
理を施し、3分間氷冷した。氷冷後、5M NaCl溶
液を1/10量加え、37℃で10分間放置し、遠心分
離によりmRNAと結合しているOligotex−d
T30を回収した。回収したOligotex−dT3
0は、washing buffer(10mM Tr
is−HCl,1mM EDTA,0.1% SDS,
0.1M NaCl)により洗浄した。洗浄後、滅菌蒸
留水を加え、65℃で5分間熱処理を施し、mRNAを
溶出した。遠心分離により、溶出したmRNAを単離
し、エタノール沈殿により回収した。回収したmRNA
は、80%エタノールで洗浄後、真空乾燥させ、滅菌蒸
留水に溶解した。このmRNAを用いて以下のcDNA
合成を行った。
【0047】(2) 3’diected cDNAラ
イブラリーの作製 大久保らの方法(Dna Seq.2(1991)13
7−144)により、上記のヒト神経芽腫細胞CHP1
34のmRNAを用いて、pUC119をベクターとす
る3’directed cDNAライブラリーを作製
した。この方法により、pUC119のBamHIサイ
トとPst Iサイトの間に、cDNAの3’末端の配
列が挿入したプラスミドライブラリーを作製した。
【0048】このライブラリーより無作為に約1300
クローンのcDNA塩基配列を解析した。この解析した
クローンの中から、ヒト神経芽腫細胞CHP134にお
いて特異的に発現していると考えられるクローンを選択
した。選択に際しては、大阪大学細胞生体工学センター
の松原謙一教授の研究室において作製された(Gene
135(1993)265−274)遺伝子発現情報
データバンク(Body expression ma
p of human genes)を利用した。
【0049】(3) ヒト細胞株およびヒト各臓器にお
けるGS008740遺伝子の発現の確認 ヒト神経芽腫細胞CHP134において特異的に発現し
ていると考えられるクローンの1つとして、GS008740
遺伝子を選択した。GS008740遺伝子の塩基配列を後掲
の配列表において配列番号5として示す。ノーザン解析
法を利用して、GS008740遺伝子のヒト細胞株およびヒ
ト各臓器における発現を解析した。ヒト細胞株の解析と
して、ヒト神経芽腫細胞株CHP134、LA−N−
1、LA−N−2、LA−N−5、MC−NB−1、N
B69、IMR32、ヒト肝臓癌細胞株HepG2、ヒ
ト子宮頚癌細胞株HeLa由来の全RNA30μgをア
ガロースゲルで電気泳動後、トランスファーしたナイロ
ンメンブレンを作製した。そして、ヒト脳、膵臓、腎
臓、骨格筋、肝臓、肺、胎盤、心臓由来のmRNA各2
μgをアガロースゲルで電気泳動後、トランスファーし
たナイロンメンブレン(クローンテック社製)を購入し
て解析に利用した。これらのナイロンメンブレンをハイ
ブリパックに入れ、10mlのハイブリダイゼーション
緩衝液(5×SSPE、50%ホルムアミド、5×De
nhardt’s、0.5%ドデシル硫酸ナトリウム、
40μg/mlサケ精子DNA)を加えて42℃、1時
間反応させた。
【0050】プローブの32P標識は、pUC119のB
amHIサイトとPstIサイトの間に挿入されたGS
008740遺伝子のPCR断片を鋳型として、マルチプライ
マーキット(アマシャム社製)を用いて行った。この32
P標識したプローブを上記反応液に加えてさらに14時
間以上ハイブリダイゼーション反応を行った。その後、
フィルターを0.1%ドデシル硫酸ナトリウムを含む5
00mlの2×SSCにより50℃で2回、20分間ず
つ洗い、さらに0.1%ドデシル硫酸ナトリウムを含む
500mlの0.1×SSCにより50℃で2回、20
分間ずつ洗った。その後、−70℃でインテンシファイ
スクリーンを用いて2日間オートラジオグラフィーを行
った。結果は図1に示す。なお、上記PCRにおいて使
用したプライマーの塩基配列は次のとおりである。
【0051】5'-TGTAAAACGACGGCCAGT-3' 5'-ACCATGATTACGCCAAGCTTG-3' GS008740遺伝子はヒト肝臓癌細胞株、ヒト子宮頚癌細
胞株、ヒト成人の膵臓、腎臓、骨格筋、肝臓、肺、胎
盤、心臓には発現しておらず、ヒト神経芽腫細胞および
ヒト成人の脳だけに発現していることが分かる。GS00
8740遺伝子はヒト神経芽腫細胞およびヒト成人の脳の遺
伝子マーカーとして利用することが考えられる。
【0052】(4) ヒト神経芽腫細胞IMR32のm
RNAの調製 GS008740遺伝子の全長cDNAを得るために、cDN
Aライブラリーを作製した。まず、ヒト神経芽腫細胞I
MR32のmRNAの調製をおこなった。約107 個の
ヒト神経芽腫細胞IMR32に、18mlのSolut
ion D液(4M グアニジンチオシアネート、25
mM クエン酸ナトリウム、0.5%サルコシル、0.
1M 2−メルカプトエタノール)を加え、ラバーポリ
スマンで細胞をはがし溶解させた後、素早くホモジナイ
ズした。得られたホモジネートを50mlの遠心管に移
し、2M 酢酸ナトリウム(pH4)を2ml加え、混
和した。次に、水飽和フェノ−ルを20ml加え、混和
した。そして最後に、クロロホルムを5ml加え混和し
た後、15分氷冷した。その後、4℃で4000×g、
1時間遠心した。遠心後、水層を別の遠心管に移し、そ
の水層に32mlのエタノールを加え、混和した。−2
0℃に1時間置くことによりRNAを沈殿させた。遠心
分離により回収したRNAは、80%エタノールで洗浄
後、真空乾燥させ、滅菌蒸留水に溶解した。次に得られ
たRNA水溶液を、以下の手順で処理してポリ(A)を
有するmRNAを分離した。すなわち、滅菌蒸留水に溶
解したRNAに、等量の2×elution buff
er(20mM Tris−HCl,2mM EDT
A,0.2% SDS)と、宝酒造株式会社から市販さ
れているOligotex−dT30溶液を2倍量加
え、攪拌した。攪拌後、65℃で5分間熱処理を施し、
3分間氷冷した。氷冷後、5M NaCl溶液を1/1
0量加え、37℃で10分間放置し、遠心分離によりm
RNAと結合しているOligotex−dT30を回
収した。回収したOligotex−dT30は、wa
shing buffer(10mM Tris−HC
l,1mM EDTA,0.1%イSDS,0.1M
NaCl)により洗浄した。洗浄後、滅菌蒸留水を加
え、65℃で5分間熱処理を施し、mRNAを溶出し
た。遠心分離により、溶出したmRNAを単離し、エタ
ノール沈殿により回収した。回収したmRNAは、80
%エタノールで洗浄後、真空乾燥させ、滅菌蒸留水に溶
解した。このmRNAを用いて以下のcDNA合成を行
った。
【0053】(5) cDNAライブラリーの作製 調製したmRNAからのcDNA合成は、GIBCO
BRL社から市販されている逆転写酵素SUPER S
CRIPT IIを用い、製品に添付されているプロト
コールに従って行った。逆転写酵素により、mRNAに
相補的なcDNAを合成した後、リボヌクレアーゼH
で、RNA鎖にニックとギャップを入れ、これを大腸菌
DNAリガーゼを用いて修複合成することにより、RN
A鎖をcDNA鎖に置換した。最後に、T4 DNAポ
リメラーゼにより、cDNA鎖の両端を平滑化した。続
いて、アマシャム社から市販されているλMOSSlo
ライブラリーシステムを用いて、cDNAライブラリ
ーを作製した。方法は、すべて製品に添付されているプ
ロトコールに従って行った。すなわち、まず、合成cD
NAの両端にEcoRIアダプターを付加し、これと予
めEcoRIで切断処理が施されているλMOSSlo
アームとを連結した。その後、インビトロパッケージ
ングを行い、大腸菌ER株(製品に付属)に感染させる
ことにより、cDNAライブラリーを作製した。
【0054】(6) GS008740遺伝子の全長cDNA
クローンの選抜 上記(5)において調製したcDNAライブラリーのう
ち、約10万個のファージ群を大腸菌ER株に吸収させ
て寒天プレートにまき、37℃で12時間培養した。そ
の寒天上にナイロンメンブレンフィルターを置き、1分
間放置してファージをフィルターに吸着させた後、フィ
ルターを寒天から剥がし、変性液(0.5M NaO
H,1.5M NaCl)中で5分間変性処理を行っ
た。ペーパータオル上で十分変性液を除いた後、中和液
(3M 酢酸ナトリウム pH5.5)中で5分間中和
反応をし、紫外線照射をおこない、続いて2×SSC
(1×SSCは0.15M塩化ナトリウムを含む15m
Mクエン酸ナトリウム塩酸緩衝液、pH7)中で30分
間洗浄した。このフィルターをハイブリダイゼーション
液(7%ポリエチレングリコール6000、10%ドデ
シル硫酸ナトリウム)に浸し、65℃にて1時間反応さ
せた。
【0055】プローブの32P標識は、上記(3)におい
て調製したGS008740遺伝子のPCR断片を鋳型とし
て、マルチプライマーキット(アマシャム社製)を用い
て行った。この32P標識したプローブを上記反応液に加
えてさらに14時間以上ハイブリダイゼーション反応を
行った。その後、フィルターを0.1%ドデシル硫酸ナ
トリウムを含む500mlの2×SSCにより65℃で
2回、20分間ずつ洗い、さらに0.1%ドデシル硫酸
ナトリウムを含む500mlの0.1×SSCにより6
5℃で2回、20分間ずつ洗った。その後、−70℃で
インテンシファイスクリーンを用いて2日間オートラジ
オグラフィーを行った。
【0056】プローブとして用いたGS008740遺伝子の
配列を含むcDNAが挿入されているファージDNAに
は、32P標識したDNAプローブが結合する。したがっ
てナイロンメンブレンフィルターに吸着されたファージ
DNAのプラークに相当する部分はX線フィルムに黒点
を生じる。この黒点を生じたプラークのファージを寒天
プレートから単離し、約1.5kbpの長さのcDNA
が挿入されているクローンを得た。
【0057】得られたファージクローンから大腸菌BM
株(アマシャム社製品に付属)を用いた方法により、イ
ンサートを含むプラスミドを回収した。この際の詳細な
方法は、すべてアマシャム社のプロトコールに従った。
【0058】(7) cDNAインサートの全塩基配列
の決定 cDNAインサートの全塩基配列をダイデオキシターミ
ネーターキット(ABI社製)を用いてプライマーウォ
ーキング法により決定した。決定した全塩基配列を後掲
の配列表において配列番号2、3および4として示す。
ここで配列番号3で表される配列は配列番号2で表され
る配列の塩基番号1の塩基に結合しており、配列番号4
で表される配列は配列番号2で表される配列の塩基番号
1182の塩基に結合している。クローンpHKCは、
1448塩基対を挿入DNAとして含み、翻訳開始遺伝
暗号ATGから翻訳停止遺伝暗号TAGまでの1182
塩基対を連続した最も大きなオープンリーディングフレ
ームとして持っていた。配列番号2で表されるDNA塩
基配列から誘導されるアミノ酸配列を配列番号1として
配列表に示した。
【0059】クローンpHKCに挿入されたDNA塩基
配列から誘導されるアミノ酸配列は、既知のK+ チャネ
ルのアミノ酸配列と一部相同性を示した。最も相同性の
高かった領域はK+ チャネルのH5領域(Hydrop
hobic segment5)であり、この領域はK
+ チャネルの孔(ポア)を形成する部分で、重要な領域
である(Neuron 5巻 767頁(1990)、
サイエンス 251巻 939頁(1991)、サイエ
ンス 251巻 942頁(1991)、Nature
349巻 700頁(1991))。このH5領域に
はコンセンサス配列と呼ばれるポア形成に影響のある配
列があり(Biophys.J.,vol.66,10
61−1067(1994))、クローンpHKCに挿
入されたDNA配列から誘導されるアミノ酸配列は、コ
ンセンサス配列を保持しており、またアミノ酸配列は1
00%一致した。また、クローンpHKCに挿入された
DNA塩基配列から誘導されるアミノ酸配列は、J.M
ol.Biol.vol.157,105(1982)
のHydrophathy analysisによれ
ば、膜電位依存性K+ チャネルの構造上の特徴であるこ
とが知られている6つの膜貫通部位S1、S2、S3、
S4、S5およびS6セグメントを持ち、さらにこのS
4セグメントは、図2に示すとおり、204番目のグル
タミン残基を除けば、正電荷を帯びたアルギニンまたは
リジン残基が3残基おきに存在するK+ チャネル蛋白質
に特徴的な一次構造をとっている。このような一次構造
は、電位センサーの機能に関与していると考えられてい
る(Nature 349巻305頁(1991))。
S4セグメント内の正電荷を帯びたアミノ酸残基は、チ
ャネル活性化の際に観察されるゲート電流に関与するこ
とも示されている(Nature 353巻 752頁
(1991))。またS4セグメントのアミノ酸配列
は、電位依存性K+ チャネルがチャネル構造を形成する
上で重要な核(core)になるとも考えられている
(Nature 345巻 672頁(1991))。
これらのことからクローンpHKCは新規の膜電位依存
性K+ チャネルをコードする遺伝子であると考えられ
る。
【0060】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
ヒト新規K+ チャネル蛋白質をコードする遺伝子が提供
された。この遺伝子はヒト脳および神経芽腫細胞の特異
的な遺伝子マーカーとして利用することができる。すな
わち、本発明により、神経芽腫細胞を同定するためのプ
ローブまたはプライマーとして利用可能なDNA断片が
提供された。
【0061】
【配列表】
【0062】配列番号1 配列の長さ: 393 アミノ酸 配列の型:アミノ酸 鎖の数: 一本鎖 トポロジー: 直線状 配列の種類: タンパク質 配列 Met Val Gln Lys Ser Arg Asn Gly Gly Val Tyr Pro Gly Pro Ser Gly 1 5 10 15 Glu Lys Lys Leu Lys Val Gly Phe Val Gly Leu Asp Pro Gly Ala Pro 20 25 30 Asp Ser Thr Arg Asp Gly Ala Leu Leu Ile Ala Gly Ser Glu Ala Pro 35 40 45 Lys Arg Gly Ser Ile Leu Ser Lys Pro Arg Ala Gly Gly Ala Gly Ala 50 55 60 Gly Lys Pro Pro Lys Arg Asn Ala Phe Tyr Arg Lys Leu Gln Asn Phe 65 70 75 80 Leu Tyr Asn Val Leu Glu Arg Pro Arg Gly Trp Ala Phe Ile Tyr His 85 90 95 Ala Tyr Val Phe Leu Leu Val Phe Ser Cys Leu Val Leu Ser Val Phe 100 105 110 Ser Thr Ile Lys Glu Tyr Glu Lys Ser Ser Glu Gly Ala Leu Tyr Ile 115 120 125 Leu Glu Ile Val Thr Ile Val Val Phe Gly Val Glu Tyr Phe Val Arg 130 135 140 Ile Trp Ala Ala Gly Cys Cys Cys Arg Tyr Arg Gly Trp Arg Gly Arg 145 150 155 160 Leu Lys Phe Ala Arg Lys Pro Phe Cys Val Ile Asp Ile Met Val Leu 165 170 175 Ile Ala Ser Ile Ala Val Leu Ala Ala Gly Ser Gln Gly Asn Val Phe 180 185 190 Ala Thr Ser Ala Leu Arg Ser Leu Arg Phe Leu Gln Ile Leu Arg Met 195 200 205 Ile Arg Met Asp Arg Arg Gly Gly Thr Trp Lys Leu Leu Gly Ser Val 210 215 220 Val Tyr Ala His Ser Lys Glu Leu Val Thr Ala Trp Tyr Ile Gly Phe 225 230 235 240 Leu Cys Leu Ile Leu Ala Ser Phe Leu Val Tyr Leu Ala Glu Lys Gly 245 250 255 Glu Asn Asp His Phe Asp Thr Tyr Ala Asp Ala Leu Trp Trp Gly Leu 260 265 270 Ile Thr Leu Thr Thr Ile Gly Tyr Gly Asp Lys Tyr Pro Gln Thr Trp 275 280 285 Asn Gly Arg Leu Leu Ala Ala Thr Phe Thr Leu Ile Gly Val Ser Phe 290 295 300 Phe Ala Leu Pro Ala Gly Ile Leu Gly Ser Gly Phe Ala Leu Lys Val 305 310 315 320 Gln Glu Gln His Arg Gln Lys His Phe Glu Lys Arg Arg Asn Pro Ala 325 330 335 Ala Gly Leu Ile Gln Ser Ala Trp Arg Phe Tyr Ala Thr Asn Leu Ser 340 345 350 Arg Thr Asp Leu His Ser Thr Trp Gln Tyr Tyr Glu Arg Thr Val Thr 355 360 365 Val Pro Met Tyr Arg Tyr Arg Arg Arg Ala Pro Ala Thr Lys Gln Leu 370 375 380 Phe His Phe Leu Phe Ser Ile Cys Ser 385 390
【0063】配列番号2 配列の長さ: 1182塩基対 配列の型:核酸 鎖の数: 二本鎖 トポロジー: 直線状 配列の種類: cDNA 配列 ATG GTG CAG AAG TCG CGC AAC GGC GGC GTA TAC CCC GGC CCG AGC GGG 48 Met Val Gln Lys Ser Arg Asn Gly Gly Val Tyr Pro Gly Pro Ser Gly 1 5 10 15 GAG AAG AAG CTG AAG GTG GGC TTC GTG GGG CTG GAC CCC GGC GCG CCC 96 Glu Lys Lys Leu Lys Val Gly Phe Val Gly Leu Asp Pro Gly Ala Pro 20 25 30 GAC TCC ACC CGG GAC GGG GCG CTG CTG ATC GCC GGC TCC GAG GCC CCC 144 Asp Ser Thr Arg Asp Gly Ala Leu Leu Ile Ala Gly Ser Glu Ala Pro 35 40 45 AAG CGC GGC AGC ATC CTC AGC AAA CCT CGC GCG GGC GGC GCG GGC GCC 192 Lys Arg Gly Ser Ile Leu Ser Lys Pro Arg Ala Gly Gly Ala Gly Ala 50 55 60 GGG AAG CCC CCC AAG CGC AAC GCC TTC TAC CGC AAG CTG CAG AAT TTC 240 Gly Lys Pro Pro Lys Arg Asn Ala Phe Tyr Arg Lys Leu Gln Asn Phe 65 70 75 80 CTC TAC AAC GTG CTG GAG CGG CCG CGC GGC TGG GCG TTC ATC TAC CAC 288 Leu Tyr Asn Val Leu Glu Arg Pro Arg Gly Trp Ala Phe Ile Tyr His 85 90 95 GCC TAC GTG TTC CTC CTG GTT TTC TCC TGC CTC GTG CTG TCT GTG TTT 336 Ala Tyr Val Phe Leu Leu Val Phe Ser Cys Leu Val Leu Ser Val Phe 100 105 110 TCC ACC ATC AAG GAG TAT GAG AAG AGC TCG GAG GGG GCC CTC TAC ATC 384 Ser Thr Ile Lys Glu Tyr Glu Lys Ser Ser Glu Gly Ala Leu Tyr Ile 115 120 125 CTG GAA ATC GTG ACT ATC GTG GTG TTT GGC GTG GAG TAC TTC GTG CGG 432 Leu Glu Ile Val Thr Ile Val Val Phe Gly Val Glu Tyr Phe Val Arg 130 135 140 ATC TGG GCC GCA GGC TGC TGC TGC CGG TAC CGT GGC TGG AGG GGG CGG 480 Ile Trp Ala Ala Gly Cys Cys Cys Arg Tyr Arg Gly Trp Arg Gly Arg 145 150 155 160 CTC AAG TTT GCC CGG AAA CCG TTC TGT GTG ATT GAC ATC ATG GTG CTC 528 Leu Lys Phe Ala Arg Lys Pro Phe Cys Val Ile Asp Ile Met Val Leu 165 170 175 ATC GCC TCC ATT GCG GTG CTG GCC GCC GGC TCC CAG GGC AAC GTC TTT 576 Ile Ala Ser Ile Ala Val Leu Ala Ala Gly Ser Gln Gly Asn Val Phe 180 185 190 GCC ACA TCT GCG CTC CGG AGC CTG CGC TTC CTG CAG ATT CTG CGG ATG 624 Ala Thr Ser Ala Leu Arg Ser Leu Arg Phe Leu Gln Ile Leu Arg Met 195 200 205 ATC CGC ATG GAC CGG CGG GGA GGC ACC TGG AAG CTG CTG GGC TCT GTG 672 Ile Arg Met Asp Arg Arg Gly Gly Thr Trp Lys Leu Leu Gly Ser Val 210 215 220 GTC TAT GCC CAC AGC AAG GAG CTG GTC ACT GCC TGG TAC ATC GGC TTC 720 Val Tyr Ala His Ser Lys Glu Leu Val Thr Ala Trp Tyr Ile Gly Phe 225 230 235 240 CTT TGT CTC ATC CTG GCC TCG TTC CTG GTG TAC TTG GCA GAG AAG GGG 768 Leu Cys Leu Ile Leu Ala Ser Phe Leu Val Tyr Leu Ala Glu Lys Gly 245 250 255 GAG AAC GAC CAC TTT GAC ACC TAC GCG GAT GCA CTC TGG TGG GGC CTG 816 Glu Asn Asp His Phe Asp Thr Tyr Ala Asp Ala Leu Trp Trp Gly Leu 260 265 270 ATC ACG CTG ACC ACC ATT GGC TAC GGG GAC AAG TAC CCC CAG ACC TGG 864 Ile Thr Leu Thr Thr Ile Gly Tyr Gly Asp Lys Tyr Pro Gln Thr Trp 275 280 285 AAC GGC AGG CTC CTT GCG GCA ACC TTC ACC CTC ATC GGT GTC TCC TTC 912 Asn Gly Arg Leu Leu Ala Ala Thr Phe Thr Leu Ile Gly Val Ser Phe 290 295 300 TTC GCG CTG CCT GCA GGC ATC TTG GGG TCT GGG TTT GCC CTG AAG GTT 960 Phe Ala Leu Pro Ala Gly Ile Leu Gly Ser Gly Phe Ala Leu Lys Val 305 310 315 320 CAG GAG CAG CAC AGG CAG AAG CAC TTT GAG AAG AGG CGG AAC CCG GCA 1008 Gln Glu Gln His Arg Gln Lys His Phe Glu Lys Arg Arg Asn Pro Ala 325 330 335 GCA GGC CTG ATC CAG TCG GCC TGG AGA TTC TAC GCC ACC AAC CTC TCG 1056 Ala Gly Leu Ile Gln Ser Ala Trp Arg Phe Tyr Ala Thr Asn Leu Ser 340 345 350 CGC ACA GAC CTG CAC TCC ACG TGG CAG TAC TAC GAG CGA ACG GTC ACC 1104 Arg Thr Asp Leu His Ser Thr Trp Gln Tyr Tyr Glu Arg Thr Val Thr 355 360 365 GTG CCC ATG TAC AGG TAC CGC CGC CGG GCA CCT GCC ACC AAG CAA CTG 1152 Val Pro Met Tyr Arg Tyr Arg Arg Arg Ala Pro Ala Thr Lys Gln Leu 370 375 380 TTT CAT TTT TTA TTT TCC ATT TGT TCT TAA 1182 Phe His Phe Leu Phe Ser Ile Cys Ser *** 385 390
【0064】配列番号3 配列の長さ: 177 塩基対 配列の型:核酸 鎖の数: 二本鎖 トポロジー: 直線状 配列の種類: cDNA 配列 CGCGGAGCGA GGTGGCCGCA GCGTCTCCGC GCGCGGCCCA AGCCCGGCAG GAGTGCGGAA 60 CCGCCGCCTC GGCCATGCGG CTCCCGGCCG GGGGGCCTGG GCTGGGGCCC GCGCCGCCCC 120 CCGCGCTCCG CCCCCGCTGA GCCTGAGCCC GACCCGGGGC GCCTCCCGCC AGGCACC 177
【0065】配列番号4 配列の長さ: 89塩基対 配列の型:核酸 鎖の数: 二本鎖 トポロジー: 直線状 配列の種類: cDNA 配列 ACCCCACTTT TTGTTGTTCA TTATTTTGAT TGATTTTTTT TCTTTAAAAT GTATTTTTCA 60 CAAAGGAAAA AAAAAAAAAA AAAAAAAAA 89
【0066】配列番号5 配列の長さ:255塩基対 配列の型:核酸 鎖の数: 二本鎖 トポロジー: 直線状 配列の種類: cDNA 配列 GATCCAGTCG GCCTGGAGAT TCTACGCCAC CAACCTCTCG CGCACAGACC TGCACTCCAC 60 GTGGCAGTAC TACGAGCGAA CGGTCACCGT GCCCATGTAC AGGTACCGCC GCCGGGCACC 120 TGCCACCAAG CAACTGTTTC ATTTTTTATT TTCCATTTGT TCTTAAACCC CACTTTTTGT 180 TGTTCATTAT TTTGATTGAT TTTTTTTCTT TAAAATGTAT TTTTCACAAA GGAAAAAAAA 240 AAAAAAAAAA AAAAA 255
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、ヒト細胞株およびヒト各臓器におけ
るGS008740遺伝子の発現を調べるためのノーザン分析
の結果を示す図である。
【図2】 図2は、本発明の遺伝子がコードする蛋白質
の一次構造が、膜電位依存性K+ チャネルに関与する蛋
白質に特徴的であることを示す図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年4月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、ヒト細胞株およびヒト各臓器における
GS008740遺伝子の発現を調べるためのノーザン
分析の結果を示す電気泳動写真である。
【図2】図2は、本発明の遺伝子がコードする蛋白質の
一次構造が、膜電位依存性Kチャネルに関与する蛋白
質に特徴的であることを示す図である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大久保 公策 大阪府吹田市山田丘1−3 大阪大学 細 胞生体工学センター内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号1に記載するアミノ酸配列を有
    するヒトK+ チャネル蛋白質、または上記アミノ酸配列
    において1または複数のアミノ酸残基が付加、欠失若し
    くは置換されている蛋白質であって、かつヒトK+ チャ
    ネル蛋白質の生物活性を有する蛋白質をコードするDN
    A。
  2. 【請求項2】 配列番号1に記載するアミノ酸配列を有
    する蛋白質をコードする請求項1記載のDNA。
  3. 【請求項3】 配列番号2に記載する塩基配列を有す
    る、請求項2記載のに記載のDNA。
  4. 【請求項4】 配列番号2、3若しくは4に記載する塩
    基配列、またはそれらに相補的な塩基配列中の、少なく
    とも連続する15塩基の配列を有するDNA断片よりな
    る、神経芽腫診断用のプローブ。
  5. 【請求項5】 配列番号5に記載する塩基配列を有する
    DNA断片よりなる、請求項4に記載のプローブ。
  6. 【請求項6】 神経芽腫瘍診断のための複製連鎖反応
    (PCR)に用いるプライマーであって、配列番号2、
    3または4に記載されたヒトK+ チャネル蛋白質の生物
    活性を有する蛋白質をコードするDNAの塩基配列から
    以下の条件を満たす2つの領域を選択し: 1)各領域の長さが15−30塩基であること; 2)各領域中のG+Cの割合が40−60%であるこ
    と; 3)各領域中のA、T、G、Cの分布が部分的に偏らな
    いこと; 4)各領域間の距離が100−1000塩基であるこ
    と; 5)各領域自身の中または2つの領域間に相補的な配列
    部分が存在しないこと;そして上記領域と同じ塩基配列
    若しくは上記領域に相補的な塩基配列を有する一本鎖D
    NAを製造し、さらに必要であれば上記ヒトK+ チャネ
    ル蛋白質の生物活性を有する蛋白質をコードするDNA
    の塩基配列に対する結合性を失わないように修飾した上
    記一本鎖DNAを製造することからなる方法によって製
    造された、上記プライマー。
  7. 【請求項7】 以下の塩基配列:5’−AGTCGGC
    CTGGAGATTCTAC−3’(配列番号5の塩基
    番号6−25)および5’−AACAACAAAAAG
    TGGGGTTT−3’(配列番号5の塩基番号165
    −184の相補配列)を有するDNA断片の組よりな
    る、請求項6のプライマー。
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