JPH09191883A - ヒトNBPhoxタンパク質をコードするDNA - Google Patents

ヒトNBPhoxタンパク質をコードするDNA

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JPH09191883A
JPH09191883A JP8004729A JP472996A JPH09191883A JP H09191883 A JPH09191883 A JP H09191883A JP 8004729 A JP8004729 A JP 8004729A JP 472996 A JP472996 A JP 472996A JP H09191883 A JPH09191883 A JP H09191883A
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human
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seq
nbphox
dna
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Masahiro Yokoyama
昌宏 横山
Yoshisuke Nishi
義介 西
Kenichi Matsubara
謙一 松原
Kimisaku Ookubo
公策 大久保
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Japan Tobacco Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、神経芽腫細胞において特異的に発
現するヒトNBPhoxタンパク質をコードする、単離
されたホメオボックス遺伝子を提供する。 【解決手段】 本発明の遺伝子は、ヒト神経芽腫細胞m
RNA由来のcDNAライブラリーからプラークハイブ
リダイゼーション法等により調製でき、配列番号2に示
す配列番号からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヒトNBPhox
(neuroblastoma specific paired-like homeobox)を
コードするDNAに関する。
【0002】
【従来技術】胚発生過程で前後軸が確立し文節構造が形
成されると、各体節が独自の構造を形成するようにな
る。この各体節の特異性決定を司るのがホメオティック
遺伝子である。ホメオティック遺伝子は発生過程で固有
の体節予定領域で発現し、そのタンパク質産物は転写因
子として固有の標的遺伝子群の発現調節を行っている。
ホメオティック遺伝子は、ホメオボックス遺伝子群に属
する一群の遺伝子である。
【0003】ホメオボックス遺伝子は、ショウジョウバ
エにおいて初めて発見されたが、他の生物においても種
々のものが見いだされている。ホメオボックス遺伝子
は、典型的にはホメオボックスという180塩基対から
なる互いに極めて類似したドメインを持っている。この
ドメインはタンパク質産物中ホメオドメインと呼ばれる
3個のアルファヘリックス構造をとり、DNAへの結合
ドメインとして機能している(Trends Genet. 6巻 3
23頁 (1990))。このホメオボックスを持つ遺伝子、
すなわちホメオボックス遺伝子は脊椎動物においても存
在し、生物の種を越えてDNA配列が保存されており
(サイエンス249巻374頁 (1990))、生物個体の
発生、形態形成にとって最も重要な遺伝子群の一つと考
えられている。最近の遺伝子ターゲティングの手法を用
いて、マウス個体レベルでのホメオボックス遺伝子群の
機能解析が進んでいる。ホメオボックス遺伝子の異常と
ヒトの疫病(奇形、癌等)との関連もクローズアップさ
れてきている(Cell 67巻 767頁 (1991)、Cell 69巻 25
1頁 (1992)、Cell 69巻 719頁 (1992)、Nature Genetic
s 3巻 299頁 (1993))。
【0004】ホメオボックス遺伝子の中で、神経特異的
に発現しているホメオボックス遺伝子Phox2は、1
993年マウスの神経芽腫細胞のcDNAライブラリー
から単離同定された280個のアミノ酸をコードする遺
伝子で、神経系特異的に発現している細胞接着分子 neu
ral cell adhesion molecule(NCAM)遺伝子の転写
を正に制御する転写因子である。成体マウスでのPho
x2の発現は、末梢神経では自律神経系の神経節におい
て強く発現し、脳では後脳において発現している。脳の
発生過程におけるPhox2の発現は、(ノル)アドレ
ナリン系神経細胞およびその前駆細胞において強く発現
している(Development 119巻 881頁 (1993))。この事
からPhox2は、NCAM遺伝子の転写制御のみなら
ず、神経細胞の神経伝達物質に関する表現型への分化を
調節している因子の一員であると考えられている。
【0005】以上のようにホメオボックス遺伝子は生物
個体の発生、形態形成にとって最も重要な遺伝子群の一
つであり、その中でも神経特異的ホメオボックス遺伝子
は中枢神経系および末梢神経系の神経細胞の分化過程に
おいて重要な働きをしていると考えられる。ヒトの神経
特異的ホメオボックス遺伝子をクローニングし、その構
造を明確にすることは脳、神経系の発生、分化を研究す
るうえで非常に重要である。
【0006】さらに、得られた遺伝子が組織あるいは癌
細胞特異的な発現パターンを示すものであるなら、その
遺伝子断片が組織や細胞を認識する、あるいは癌の診断
に有効な遺伝子マーカーにもなり得る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、神経芽腫細
胞において特異的に発現するヒトNBPhoxタンパク
質をコードする、単離されたホメオボックス遺伝子を提
供する。本発明はさらに、神経芽腫細胞において特異的
に発現するヒトNBPhoxタンパク質を提供する。
【0008】さらに本発明は、ヒト神経芽腫の診断のた
めのプローブまたはプライマーとして有用なDNA断片
を提供する。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を重ねた結果、ホメオボックス遺伝子であるヒトNBP
hoxをコードするcDNAを単離し、その塩基配列を
決定して、そのアミノ酸配列を推定した。その結果、ヒ
トNBPhoxタンパク質は、後述の配列表において配
列番号1で表されるアミノ酸配列を有することが判明し
た。本明細書において、”NBPhox”は、神経系特
異的に発現している細胞接着分子 neural cell adhesio
n molecule(NCAM)遺伝子の転写を制御する転写因
子であって、神経細胞の神経伝達物質に関する表現型へ
の分化を調節する機能をも有するタンパク質を意味す
る。
【0010】以下、本発明を詳細に説明する。
【0011】NBPhox遺伝子 本発明のNBPhox遺伝子は、配列表の配列番号1で
示されるアミノ酸配列又は該アミノ酸配列において1又
は複数のアミノ酸が付加、欠如または置換されており、
かつヒトNBPhoxの生物活性を有するタンパク質を
コードするDNAである。本発明のDNAが、ヒトNB
Phoxの生物活性を有するタンパク質をコードする事
実は、配列番号1における97番目−158番目の部分
がDevelopment119巻881頁 (199
3)に報告されているマウスのPhox2のホメオドメ
インと100%の相同性を有することにより確認され
た。
【0012】本発明により決定されたヒトNBPhox
をコードする遺伝子の塩基配列は、配列番号2にそれが
コードする推定アミノ酸配列とともに示されている。こ
の配列から明らかなように、このcDNAは塩基番号1
から945の合計945塩基対からなる。塩基番号1か
ら3は翻訳開始遺伝暗号に相当し、塩基番号943から
945までは翻訳停止遺伝暗号に相当する。この塩基番
号943から945の配列(***)はTGA、TAA
またはTAGのいずれでもよい。配列番号1は配列番号
2に示す塩基配列から推定されるアミノ酸を示したもの
である。
【0013】従って、本発明の遺伝子は下記実施例に記
載されているように、ヒト神経芽腫細胞mRNA由来の
cDNAライブラリーから、例えばプラークハイブリダ
イゼーション法を利用して得ることもできるが、本発明
により決定されたDNAの塩基配列に基づいて、ヒト神
経芽腫細胞mRNA由来のcDNAライブラリーを鋳型
とするPCR法により、又はヒト神経芽腫細胞mRNA
を出発物質とするRT−PCR法により容易に調製する
こともできる。このように調製したヒトNBPhox
cDNAを利用して後述する方法により変異体を調製す
ることもできる。
【0014】1つのアミノ酸をコードするコドンは複数
存在するので、コードされるアミノ酸配列が同じであれ
ば、どのような塩基配列のDNAも本発明の範囲に含ま
れる。従って、配列番号1で示されるアミノ酸配列をコ
ードするいずれのDNAも本発明の範囲に含まれる。
【0015】さらに、一般に生理活性を有するペプチド
のアミノ酸配列が多少変更された場合、即ち、該アミノ
酸配列の中の1又は複数のアミノ酸が置換され若しくは
欠失し、または1又は複数のアミノ酸が付加された場合
でも該ペプチドの生理活性が維持される場合があること
は周知の事実である。したがって、配列番号1で示され
るアミノ酸配列において、このような修飾が加えられ、
かつヒトNBPhoxの生物活性を有するヒトNBPh
oxタンパク質の変異体も本発明の範囲内である。さら
に、当該変異体タンパク質をコードするDNAも本発明
の範囲に含まれる。
【0016】アミノ酸の付加、欠失または置換による変
異体は、例えばそれをコードするDNAに例えば、周知
技術である部位特異的変異誘発(例えば、Nucleic Acid
Research, Vol.10, No.20, p.6487-6500, 1982)を施
すことにより作成できる。本明細書において「1又は複
数のアミノ酸」とは、部位特異的変異誘発法により付
加、欠失または置換できる程度の数のアミノ酸を意味す
る。
【0017】部位特異的変異誘発法は、例えば、所望の
変異である特定の不一致の他は、変異を受けるべき一本
鎖ファージDNAに相補的な合成オリゴヌクレオチドプ
ライマーを用いて次のように行うことができる。即ち、
プライマーとして上記合成オリゴヌクレオチドを用いて
ファージに相補的な鎖を合成させ、得られた二重鎖DN
Aで宿主細胞を形質転換する。形質転換された細菌の培
養物を寒天にプレートし、ファージを含有する単一細胞
からプラークを形成せしめる。そうすると、理論的には
50%の新コロニーが一本鎖として変異を有するファー
ジを含有し、残りの50%が元の配列を有する。上記所
望の変異を有するDNAと完全に一致するものとはハイ
ブリダイズするが、元の鎖を有する不一致のものとはハ
イブリダイズしない温度において、得られたプラークを
キナーゼ処理された合成プローブとハイブリダイズさせ
る。次に該プローブとハイブリダイズするプラークを拾
い、培養しDNAを回収する。
【0018】尚、酵素などの生物活性ペプチドのアミノ
酸配列にその活性を喪失せしめない1又は複数のアミノ
酸の置換、欠失または挿入を施す方法としては、上記の
部位特異的変異誘発の他にも、遺伝子を変異源で処理す
る方法及び遺伝子を選択的に開裂し、次に選択されたヌ
クレオチドを除去、付加または置換し、次いで連結する
方法もある。尚、上記した本発明のDNAの両端、即ち
翻訳開始暗号および翻訳停止暗号は、それぞれ任意のD
NA断片と結合することができる。このDNA断片の塩
基配列のサイズは重要ではなく、バクテリア等の有する
核外遺伝子と連結するための適当なDNA断片であれば
よい。例えば下記実施例においては翻訳開始暗号は配列
番号3で表される塩基配列を有するDNA断片と翻訳停
止暗号は配列番号4で表される塩基配列を有するDNA
断片とそれぞれ結合されている。
【0019】変異体は保存的に置換された配列を含んで
いてもよく、これは、特定のアミノ酸残基が類似の物理
化学的特徴を有する残基によって置き換えられていても
よいことを意味している。保存的置換の非限定的な例に
は、Ile、Val、Leu又はAla相互の置換の如
き脂肪族基含有アミノ酸残基の間の置換、又はLysと
Arg間の如き極性基含有アミノ酸残基の間の置換が含
まれる。
【0020】本発明の範囲内に入る塩基配列には、温和
な又は苛酷なストリンジェンシーの条件下で本明細書に
開示したヒトNBPhox塩基配列にハイブリダイズ
し、かつ生物学的に活性なヒトNBPhoxをコードす
る単離されたDNA及びRNAが含まれる。温和なスト
リンジェンシーによるハイブリダイゼーションの条件
は、例えば、Sambrookら, Molecular Cloning: A Labor
atory Manual, 2 ed. Vol.1, pp. 1. 101-104, Cold Sp
ring Harbor Laboratory Press, (1989)に記載された条
件を意味する。Sambrookらにより定義されているよう
に、温和なストリンジェンシーの条件には、5×SS
C,0.5%SDS,1.0mMEDTA(pH8.0)の前
洗浄用溶液と約55℃,5×SSC,一晩のハイブリダ
イゼーション条件の使用が含まれる。苛酷なストリンジ
ェンシーの条件には、より高温のハイブリダイゼーショ
ンと洗浄が含まれる。その際、プローブの長さ等の各種
要因に応じて温度及び洗浄溶液の塩濃度は適宜調節され
る。
【0021】ヒトNBPhox遺伝子の分化・発生の研
究試薬としての使用 本発明のヒトNBPhox遺伝子のDNAは、ヒト臓
器、細胞における発現パターンの違いを比較するために
使用することができる。これにより、ヒト臓器、細胞の
分化、発生の研究が促進される。例えば、本発明者らは
ノーザン解析の結果からヒトNBPhoxはヒト肝臓癌
細胞腫株、ヒト子宮頚癌細胞株、ヒト成人の脳、膵臓、
腎臓、骨格筋、肝臓、肺、胎盤、心臓には発現しておら
ず、ヒトの神経芽腫細胞だけに発現しているという結果
を得ている。
【0022】ヒトNBPhox遺伝子のプローブとして
の使用 本発明は、上記のようにヒトNBPhoxがヒトの神経
芽腫細胞にだけ発現しているという発見に基づき、ヒト
NBPhox遺伝子の配列に特異的にハイブリダイズす
るDNA断片を適当な標識で標識して、ヒト神経芽腫細
胞を同定するためのプローブとして使用し、ヒト神経芽
腫の診断を行う技術を提供する。
【0023】プローブは、配列番号2、3または4のい
ずれの配列に基づいて設計してもよい。その長さは少な
くとも連続する15塩基以上であることが好ましいが、
15塩基以上であれば、各配列番号の全長まであるいは
配列番号3、2および4の合計の全長までのいずれの長
さであってもよい。例えば、プローブとして使用可能な
ものは、配列番号5の配列を有するものである。プロー
ブは一本鎖でも二本鎖でもよいが少なくとも使用時には
一本鎖となる。さらに、上述したように塩基配列2、3
もしくは4から選定されたDNA断片プローブを、ヒト
NBPhox遺伝子に特異的にハイブリダイズする性質
を失わないように、塩基の追加、削除、変更等により修
飾した配列も本発明に含まれる。
【0024】限定されるわけではないが、プローブは本
明細書に開示された方法により得られた単離されたNB
Phox遺伝子のcDNA断片を、適当な制限酵素によ
って切断することにより調製できる。または、NBPh
ox遺伝子を含む試料を用いてPCR反応を行うことに
よって、プローブを調製することもできる。あるいは、
市販のDNA合成機(例えば、パーキンエルマー社製)
により慣用された方法により、プローブとなる一本鎖D
NAを合成することもできる。
【0025】プローブは慣用された方法により、例え
ば、放射性同位元素、検出可能な酵素等により標識でき
る。例えば32Pを用いる場合、一般にNBPhox遺伝
子のcDNA断片を使用する場合は、ランダムプライミ
ングラベルにより標識し、また、合成プライマーを使用
する場合はリン酸化酵素により5'末端標識すると都合
がよい。NBPhoxを含むと予想される試料と、上記
本発明のプローブとのハイブリダイゼーションは、慣用
された方法により行うことができる。一般には、中程度
のハイブリダイゼーション強度(42℃〜50℃でハイ
ブリダイゼーションを行い、0.1xSSCで洗浄)に
よって行う。
【0026】例えば、患者の骨髄液から抽出したmRN
Aを電気泳動し、ナイロンメンブレンにトランスファー
したものとプローブとのハイブリダイゼーションがオー
トラジオグラフ等により検出された場合、当該試料は神
経芽腫細胞を含有すると診断される。神経芽腫細胞は小
児の副腎髄質と全身の交感神経節から発生する癌であ
り、骨に転移が起こりやすいのが特徴である。小児癌の
検査は、これまで尿中に含まれる神経芽細胞の検出によ
って行っていたが、尿中に神経芽細胞が排出されない場
合もある。したがって、骨髄液中に神経芽腫細胞が含ま
れるか否かを調べることによって、小児癌発見の精度を
上げることが可能である。
【0027】ヒトNBPhox遺伝子のPCRプライマ
ーとしての使用 ヒトNBPhox遺伝子の配列又はその相補鎖の一部分
とハイブリダイズするDNA断片は、PCRのプライマ
ーとして用いることもできる。このようなDNA断片の
組をプライマーとしてPCRを行い、試料中のmRNA
から調製されたcDNAが増幅されるか否かを調べるこ
とにより、ヒト神経芽腫細胞の存在を調べることができ
る。
【0028】本発明のプライマーは配列番号2、3また
は4から以下の条件を満たすように2つ選定することが
できる。
【0029】1)プライマーの長さが15−30塩基、
好ましくは、20−25塩基であること; 2)プライマーの中のG(グアニン)+C(シトシン)
の割合が40−60%、好ましくは45−55%、より
好ましくは約50%であること; 3)プライマーの配列に含まれるA(アデニン)、T
(チミン)、G(グアニン)、C(シトシン)の分布が
部分的に偏らないこと、例えば、GTが繰り返し分布す
るような領域は特異性が低いと考えられるのでプライマ
ーとして採用できない。
【0030】4)選定される2つのプライマーに対応す
るヒトNBPhox遺伝子の塩基配列上の距離が100
−1000塩基、好ましくは。150−500塩基、よ
り好ましくは15−300塩基であること;および 5)各プライマー自身の内部または2つのプライマー間
に相補的な配列部分が存在しないこと。
【0031】好ましいプライマーの例は、以下の通りで
ある。
【0032】5’側プライマー: 5'−ATTCGC
TTGGGGGTCCCTTC−3'(配列番号2の塩基
番号854−873) 3’側プライマー: 5'−CGAGACACCCCT
GCAAACGT−3'(配列番号4の塩基番号111
8−1137の相補配列) これらのプライマーは、2つを組にして用いてもよく、
それぞれを別の適当なDNA断片と組にして用いてもよ
い。さらに、上述の好ましいプライマーをNBPhox
に特異的にハイブリダイズする性質を失わないように、
塩基の追加、削除、変更等により修飾した配列もPCR
プライマーとして使用可能である。
【0033】プライマーの配列が選定されれば市販のD
NA合成機(例えば、パーキンエルマー社製)により慣
用された方法により、プライマーとなる一本鎖DNAを
合成できる。プライマーは一本鎖でも二本鎖でもよいが
使用時には一本鎖となる。
【0034】さらに、上述した選定条件を満たすように
配列番号2、3または4から選択した塩基配列を、NB
Phoxに特異的にハイブリダイズする性質を失わない
ように、塩基の追加、削除、変更等により修飾した配列
も本発明の範囲に含まれる。
【0035】PCRのDNA鎖合成反応に用いるポリメ
ラーゼは熱耐性ポリメラーゼ(典型的にはTaqポリメ
ラーゼ)を使用するのが好ましい。PCR反応用のポリ
メラーゼ、デオキシリボ核酸(dATP、dCTP、d
GTP、dTTP)、反応溶液等は必要であればキット
として市販されている。
【0036】PCR反応は、試料中のmRNAから調製
されたcDNAとプライマーとのアニーリング、ポリメ
ラーゼ反応および熱変性の3工程からなる一連の複製反
応を1サイクルとする。必ずしも以下の条件に拘束され
るわけではないが、本発明においては、アニーリングは
35〜70℃、好ましくは45〜55℃、より好ましく
は約55℃で、20秒〜2分、好ましくは約1分行う。
ポリメラーゼ反応は、60〜80℃、好ましくは70〜
75℃で、1〜3分行う。熱変性は90〜95℃で、3
0秒〜1分行う。サイクル数は、25〜35回とするの
が好ましい。PCR反応は、市販のPCR用自動機器
(例えば、パーキンエルマー社製)を用いて行うことが
できる。
【0037】PCR反応の結果、例えば、患者の骨髄液
のmRNAから調製したcDNAの中にNBPhox遺
伝子が存在する場合、使用した2種類のプライマーがア
ニーリングした鋳型DNAの間の領域が増幅される。反
応後の溶液をアガロースやポリアクリルアミド等の媒体
中で電気泳動すると、使用したプライマーから予想され
る長さのバンドを検出することができる。このようにし
てバンドが検出される場合、試料中に神経芽腫細胞が存
在すると診断される。
【0038】組換えNBPhoxポリペプチドの製造 さらに、本発明はヒトNBPhox cDNAを含む発
現ベクター、及びこれら発現ベクターを含有する宿主細
胞をNBPhoxの発現に適する条件下で培養して、そ
の発現されたNBPhoxを回収することにより組換え
NBPhoxポリペプチドを製造する方法も提供する。
【0039】本発明の組換えNBPhoxポリペプチド
を製造するためには、使用する宿主細胞に応じて選ばれ
た発現ベクターに、哺乳動物、微生物、ウィルス、又は
昆虫遺伝子等から誘導された、適当な転写又は翻訳調節
ヌクレオチド配列に連結したヒトNBPhoxDNA配
列を挿入する。調節配列の例として、転写プロモータ
ー、オペレーター、又はエンハンサー、mRNAリボソ
ーム結合部位、及び転写及び翻訳の開始及び終結を制御
する適切な配列が挙げられる。加えて、ヒトNBPho
x遺伝子に本来存在しない適切なシグナルペプチドをコ
ードする配列を発現ベクター内に組み込んでもよい。
【0040】ヒトNBPhoxポリペプチドの発現に適
する宿主細胞には、原核細胞、酵母又は高等真核細胞が
含まれる。細菌、真菌、酵母、及び哺乳動物細胞宿主で
用いる適切なクローニング及び発現ベクターは、例え
ば、Pouwels ら, Cloning Vectors: A Laboratory Manu
al, Elsevier, New York, (1985)に記載されている。
【0041】原核生物には、グラム陰性又はグラム陽性
菌、例えば、大腸菌又は枯草菌が含まれる。大腸菌のよ
うな原核細胞内では、NBPhoxポリペプチドは、原
核細胞内でも組換えポリペプチドの発現を容易にするた
めにN末端メチオニン残基を含んでもよい。このN末端
Metは、発現後に組換えNBPhoxポリペプチドか
ら切り離すことができる。
【0042】原核宿主細胞内で用いる発現ベクターは、
一般に1又は2以上の表現型選択可能マーカー遺伝子を
含む。表現型選択可能マーカー遺伝子は、例えば、抗生
物質耐性を付与するか又は独立栄養要求性を付与する遺
伝子である。原核宿主細胞に適する発現ベクターの例に
は、pBR322(ATCC37017)の如き市販の
プラスミドまたはそれらから誘導されるものが含まれ
る。pBR322は、アンピシリン及びテトラサイクリ
ン耐性のための遺伝子を含有するので、形質転換細胞を
同定するのが簡単である。適切なプロモーターおよびN
BPhox DNA配列が、このpBR322ベクター
内に挿入される。他の市販のベクターには、例えば、p
KK223−3(スェーデン、ウプサラの Pharmacia F
ine Chemicals)及びpGEM1(米国、ウィスコンシ
ン州、マジソンの Promega Biotec)が含まれる。
【0043】原核宿主細胞用の発現ベクターに普通に用
いられるプロモーター配列には、β−ラクタマーゼ(ペ
ニシリナーゼ)、ラクトースプロモーター(Chang ら,N
ature 275:615, 1978;及び Goeddelら, Nature 281:54
4, 1979)等が含まれる。特に有用な原核宿主細胞発現
系は、ファージλPLプロモーター及びcI857ts
不耐熱性レプレッサー配列を用いる。λPLプロモータ
ーの誘導体を取り込んでいるアメリカン・タイプ・カル
チャー・コレクションから入手できるプラスミドベクタ
ーには、プラスミドpHUB2(大腸菌株JMB9(A
TCC37092)内に存する)及びpPLc28(大
腸菌RP1(ATCC53082)内に存する)が含ま
れる。
【0044】また、ヒトNBPhoxを酵母宿主細胞内
で発現させてもよい。好ましくはサッカロミセス属(例
えば、S.セレビシエ)を用いるが、ピキア (Pichia)
又はクルイベロミセス (Kluyveromyces)の如き他の酵母
の属を用いてもよい。酵母ベクターは、2μ酵母プラス
ミドからの複製起点の配列、自律複製配列(ARS)、
プロモーター領域、ポリアデニル化のための配列、転写
終結のための配列、及び選択可能なマーカー遺伝子を含
有することが多い。酵母α因子リーダー配列を用いて、
ヒトNBPhoxポリペプチドの分泌を行わせることも
できる。酵母宿主からの組換えポリペプチドの分泌を促
進するのに適する他のリーダー配列も知られている。酵
母を形質転換する方法は、例えば Hinnenら, Proc. Nat
l. Acad.Sci. USA 75:1929, 1978に記載されている。
【0045】哺乳動物又は昆虫宿主細胞培養系を用い
て、組換えヒトNBPhoxポリペプチドを発現するこ
ともできる。哺乳動物起源の株化細胞系も用いることが
できる。哺乳動物宿主細胞発現ベクターのための転写及
び翻訳制御配列は、ウィルスゲノムから得ることができ
る。普通に用いられるプロモーター配列及びエンハンサ
ー配列は、ポリオーマウィルス、アデノウィルス2等か
ら誘導される。SV40ウィルスゲノム、例えば、SV
40起点、初期及び後期プロモーター、エンハンサー、
スプライス部位、及びポリアデニル化部位から誘導され
るDNA配列を用いて、哺乳動物宿主細胞内での構造遺
伝子配列の発現のための他の遺伝子要素を与えてもよ
い。哺乳動物宿主細胞内で用いるための発現ベクター
は、例えば Okayama及び Berg(Mol. Cell. Biol. 3:28
0, 1983)の方法で構築することができる。
【0046】本発明のヒトNBPhoxタンパク質を産
生する1つの方法は、ヒトNBPhoxをコードするD
NA配列を含む発現ベクターで形質転換した宿主細胞
を、ヒトNBPhoxが発現する条件下で培養すること
を含む。次いで、用いた発現系に依存して、ヒトNBP
hoxタンパク質を培養培地又は細胞抽出液から回収す
る。組換えヒトNBPhoxを精製する操作は、用いた
宿主細胞の型及びヒトNBPhoxが培養培地中に分泌
されるかどうかといった要因に従って適宜選択するであ
ろう。
【0047】本発明のヒトNBPhoxタンパク質は、
ヒトの脳における組織分化過程の研究、並びにヒト神経
系における信号伝達機構の研究のための貴重な試薬にな
ると期待される。さらに、そのような研究の結果ヒトN
BPhoxタンパク質の作用が明らかになれば、ヒトN
BPhoxタンパク質自体、あるいはそのインヒビター
を神経系疾患の治療薬として利用できるものと期待され
る。
【0048】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。以下
の実施例は、配列番号2の核酸配列において、塩基番号
1の塩基に配列番号3で表される配列を有する核酸が、
また塩基番号945の塩基に配列番号4で表される配列
を有する核酸がそれぞれ結合した塩基配列を有するDN
Aの製造法を説明するものである。もっとも、本発明は
下記実施例に限定されるものではないことは明らかであ
る。尚、下記実施例において各操作は、特に明示がない
限り、マニアティス(Maniatis)らのモレキュラー・ク
ローニング・ラボラトリーマニュアル 第2版(198
9)、コールド・スプリング・ハーバー記載の方法によ
り行った。また、制限酵素は市販のものを使用し、その
具体的な使用法は市販品の指示書に従った。さらに、実
施例で使用した神経芽腫細胞CHP134、LA−N−
1,LA−N−2、LA−N−5、MC−NB−1、N
B69およびヒト肝臓癌細胞株HepG2は、理化学研
究所細胞開発銀行より入手可能であり、HeLa、IM
R32は、財団法人がん研究振興財団のJapanes
e Cancer Research Resourc
ers Bankより入手可能である。
【0049】(1)ヒト神経芽腫細胞CHP134のm
RNAの調製 約107個のヒト神経芽腫細胞CHP134(由来 ま
たは入手可能先)に、18mlのD溶液(4Mグアニジ
ンチオシアネート、25mMクエン酸ナトリウム、0.
5%ザルコシル、0.1M 2−メルカプトエタノー
ル)を加え、ラバーポリスマンで細胞をはがし溶解させ
た後、素早くホモジェナイズした。得られたホモジェネ
ートを50mlの遠心管に移し、2M酢酸ナトリウム
(pH4)を2ml加え、混和した。次に、水飽和フェ
ノールを20ml加え、混和した。そして最後にクロロ
ホルムを5ml加え混和した後、15分氷冷した。その
後、4℃で4000×g、1時間遠心した。遠心後、水
層を別の遠心管に移し、その水層に32mlのエタノー
ルを加え、混和した。−20℃に1時間置くことにより
RNAを沈殿させた。遠心分離により回収したRNA
は、80%エタノールで洗浄後、真空乾燥させ、滅菌蒸
留水に溶解した。次に得られたRNA水溶液を以下の手
順で処理してポリ(A)を有するmRNAを分離した。
即ち、滅菌蒸留水に溶解したRNAに2×抽出バッファ
ー(20mMTris−HCl、2mMEDTA、0.
2% SDS)と宝酒造株式会社から市販されているO
ligotex−dT30溶液を2倍量加え、撹拌し
た。撹拌後、65℃で5分間熱処理を施し、3分間氷冷
した。氷冷後、5M NaCl溶液を1/10量加え、
37℃で10分間放置し、遠心分離によりmRNAと結
合しているOligotex−dT30を回収した。回
収したOligotex−dT30は、洗浄バッファー
(10mMTris−HCl、1mMEDTA、0.1
%SDS、0.1MNaCl)により洗浄した。洗浄
後、滅菌蒸留水を加え、65℃で5分間熱処理を施し、
mRNAを溶出した。遠心分離により、溶出したmRN
Aを単離し、エタノール沈殿により回収した。回収した
mRNAを80%エタノールで洗浄後、真空乾燥させ、
滅菌蒸留水に溶解した。このmRNAを用いて以下のc
DNA合成を行った。
【0050】(2) 3’directed cDNA
ライブラリーの作製 大久保らの方法(Dna Seq. 2 (1991) 137-144)によ
り、上記ヒト神経芽腫細胞CHP134のmRNAを用
いて、pUC119をベクターとする3’direct
ed cDNAライブラリーを作製した。この方法によ
り、pUC119のBamHI部位とPstI部位の間
に、cDNAの3’末端の配列が挿入したプラスミドラ
イブラリーを作製した。
【0051】このライブラリーより無作為に約1300
クローンのcDNA塩基配列を解析した。この解析した
クローンの中から、ヒト神経芽腫細胞CHP134にお
いて特異的に発現していると考えられるクローンを選択
した。選択に際しては、大阪大学細胞生体工学センター
の松原謙一教授の研究室において作製された(Gene 135
(1993) 265-274)遺伝子発現情報データバンク(Body
expression map of human genes)を利用した。
【0052】(3) ヒト細胞株およびヒト各臓器にお
けるGS008886遺伝子の発現の確認 ヒト神経芽腫細胞CHP134において特異的に発現し
ていると考えられるクローンの一つとして、GS008886
遺伝子を選択した。GS008886遺伝子の塩基配列を後述
の配列表において配列番号5として示す。ノーザン解析
法を利用してGS008886遺伝子のヒト細胞株およびヒト
各臓器における発現を解析した。ヒト細胞株の解析とし
て、ヒト神経芽腫細胞株CHP134、LA−N−1、
LA−N−2、LA−N−5、MC−NB−1、NB6
9、IMR32、ヒト肝臓癌細胞腫HepG2、ヒト子
宮頚癌細胞株HeLa由来の全RNA30μgをアガロ
ースで電気泳動後、トランスファーしたナイロンメンブ
レンを作製した。また、ヒト脳、膵臓、腎臓、骨格筋、
肝臓、肺、胎盤、心臓由来のmRNAを各2μgをアガ
ロースで電気泳動後、トランスファーしたナイロンメン
ブレン(クローンテック社製)を購入して解析に利用し
た。これらのナイロンメンブレンをハイブリパックに入
れ、10mlのハイブリダイゼーション緩衝液(5×S
SPE、50%ホルムアミド、5×Denhardt's、0.5
%ドデシル硫酸ナトリウム、40μg/mlサケ精子D
NA)を加えて42℃、1時間反応させた。
【0053】プローブの32P標識は、pUC119のB
amHI部位とPstI部位の間に挿入されたGS0088
86遺伝子のPCR断片を鋳型として、マルチプライマー
キット(アマシャム社製)を用いて行った。この32P標
識したプローブを上記反応液に加えてさらに14時間以
上ハイブリダイゼーション反応を行った。その後、フィ
ルターを0.1%ドデシル硫酸ナトリウムを含む500
mlの2×SSCにより50℃で2回、20分間ずつ洗
い、さらに0.1%ドデシル硫酸ナトリウムを含む50
0mlの0.1×SSCにより50℃で2回、20分間
ずつ洗った。その後、−70℃でインテンシファイスク
リーンを用いて2日間オートラジオグラフィーを行っ
た。結果は図1に示す。なお、上記PCRにおいて使用
したプライマーの塩基配列は以下の通りである。
【0054】5'-TGTAAAACGACGGCCAGT-3' 5'-ACCATGATTACGCCAAGCTTG-3' GS008886遺伝子はヒト肝臓癌細胞腫株、ヒト子宮頚癌
細胞株、ヒト成人の脳、膵臓、腎臓、骨格筋、肝臓、
肺、胎盤、心臓には発現しておらず、ヒトの神経芽腫細
胞だけに発現していることがわかる。GS008886遺伝子
はヒト神経芽腫細胞の遺伝子マーカーとして利用するこ
とが考えられる。
【0055】(4) ヒト神経芽腫細胞IMR32のm
RNAの調製 GS008886遺伝子の全長cDNAを得るために、cDN
Aライブラリーを作製した。まず、ヒト神経芽腫細胞I
MR32のmRNAの調製を行った。約107個のヒト
神経芽腫細胞IMR32に、18mlのD溶液(4Mグ
アニジンチオシアネート、25mMクエン酸ナトリウ
ム、0.5%サルコシル、0.1M 2−メルカプトエタ
ノール)を加え、ラバーポリスマンで細胞をはがし溶解
させた後、素早くホモジナイズした。得られたホモジネ
ートを50mlの遠心管に移し、2M酢酸ナトリウム
(pH4)を2ml加え、混和した。次に、水飽和フェ
ノールを20ml加え、混和した。そして最後にクロロ
ホルムを5ml加え混和した後、15分氷冷した。その
後、4℃で4000×g、1時間遠心した。遠心後、水
層を別の遠心管に移し、その水層に32mlのエタノー
ルを加え、混和した。−20℃に1時間置くことにより
RNAを沈殿させた。遠心分離により回収したRNA
は、80%エタノールで洗浄後、真空乾燥させ、滅菌蒸
留水に溶解した。次に得られたRNA水溶液を以下の手
順で処理してポリ(A)を有するmRNAを分離した。
即ち、滅菌蒸留水に溶解したRNAに等量の2×抽出バ
ッファー(20mMTris−HCl、2mMEDT
A、0.2% SDS)と宝酒造株式会社から市販され
ているOligotex−dT30溶液を2倍量加え、
撹拌した。撹拌後、65℃で5分間熱処理を施し、3分
間氷冷した。氷冷後、5M NaCl溶液を1/10量
加え、37℃で10分間放置し、遠心分離によりmRN
Aと結合しているOligotex−dT30を回収し
た。回収したOligotex−dT30は、洗浄バッ
ファー(10mMTris−HCl、1mMEDTA、
0.1%SDS、0.1MNaCl)により洗浄した。洗
浄後、滅菌蒸留水を加え、65℃で5分間熱処理を施
し、mRNAを溶出した。遠心分離により、溶出したm
RNAを単離し、エタノール沈殿により回収した。回収
したmRNAを80%エタノールで洗浄後、真空乾燥さ
せ、滅菌蒸留水に溶解した。このmRNAを用いて以下
のcDNA合成を行った. (5) cDNAライブラリーの作製 調製したmRNAからのcDNA合成は、GIBCO
BRL社から市販されている逆転写酵素SUPER S
CRIPT IIを用い、製品に添付されているプロト
コールに従って行った。逆転写酵素により、mRNAに
相補的なcDNAを合成した後、リボヌクレアーゼH
で、RNA鎖にニックとギャップを入れ、これを大腸菌
DNAリガーゼを用いて修復合成することにより、RN
A鎖をcDNAに置換した。最後に、T4DNAポリメ
ラーゼにより、cDNA鎖の両端を平滑化した。続い
て、アマシャム社から市販されているλMOSSlox
ライブラリーシステムを用いて、cDNAライブラリー
を作製した。方法は、すべて製品に添付されているプロ
トコールに従って行った。即ち、まず、合成cDNAの
両端にEcoRIアダプターを付加し、これと予めEc
oRIで切断処理が施されているλMOSSloxアー
ムとを連結した。その後、インビトロパッケージングを
行い、大腸菌ER株(製品に付属)に感染させることに
より、cDNAライブラリーを作製した。
【0056】(6) GS008886遺伝子の全長cDNA
クローンの選抜 上記(5)に従って調製したcDNAライブラリーのう
ち、約10万個のファージ群を大腸菌ER株に吸収させ
て寒天プレートにまき、37℃で12時間培養した。そ
の寒天上にナイロンメンブレンフィルターを置き、1分
間放置してファージをフィルターに吸着させた後、フィ
ルターを寒天から剥がし、変性液(0.5MNaOH、
1.5MNaCl)中で5分間変性処理を行った。ペー
パータオル上で十分変性液を除いた後、中和液(3M酢
酸ナトリウムpH5.5)中で5分間中和反応をし、紫
外線照射を行い、続いて2×SSC(1×SSCは、
0.15M塩化ナトリウムを含む15mMクエン酸ナト
リウム塩酸緩衝液、pH7)中で30分間洗浄した。こ
のフィルターをハイブリダイゼーション液(7%ポリエ
チレングリコール6000、10%ドデシル硫酸ナトリウ
ム)に浸し、65℃にて1時間反応させた。
【0057】プローブの32P標識は、上記(3)におい
て調製したGS008886遺伝子のPCR断片を鋳型とし
て、マルチプライマーキット(アマシャム社製)を用い
て行った。この32P標識したプローブを上記反応液に加
えてさらに14時間以上ハイブリダイゼーション反応を
行った。その後、フィルターを0.1%ドデシル硫酸ナ
トリウムを含む500mlの2×SSCにより65℃で
2回、20分間ずつ洗い、さらに0.1%ドデシル硫酸
ナトリウムを含む500mlの0.1×SSCにより6
5℃で2回、20分間ずつ洗った。その後、−70℃で
インテンシファイスクリーンを用いて2日間オートラジ
オグラフィーを行った。
【0058】プローブとして用いたGS008886遺伝子の
配列を含むcDNAが挿入されているファージDNAに
は、32Pで標識したDNAプローブが結合する。従っ
て、ナイロンメンブレンフィルターに吸着されたファー
ジDNAのプラークに相当する部分はX線フィルムに黒
点を生じる。この黒点を生じたプラークのファージを寒
天プレートから単離し、約3.0kbpの長さのcDN
Aが挿入されているクローンを得た。
【0059】得られたファージクローンから大腸菌BM
株(アマシャム社製品に付属)を用いた方法により、挿
入断片を含むプラスミドを回収した。この際の詳細な方
法は全てアマシャム社のプロトコールに従った。
【0060】(7) cDNA挿入断片の全塩基配列の
決定 cDNA挿入断片の全塩基配列をダイデオキシターミネ
ーターキット(ABI社製)を用いてプライマーウォー
キング法により決定した。決定した全塩基配列を配列番
号2、3および4として示す。ここで配列番号3で表さ
れる配列は配列番号2で表される配列の塩基番号1の塩
基に結合しており、配列番号4で表される配列は配列番
号2で表される配列の塩基番号945の塩基に結合して
いる。クローンpHNBPhoxは、3074塩基対を
挿入DNA断片として含み、翻訳開始遺伝暗号ATGか
ら翻訳停止遺伝暗号TAGまでの945塩基対を連続し
た最も大きなオープンリーディングフレームとして持っ
ていた。配列番号2で表されるDNA塩基配列から誘導
されるアミノ酸配列を配列番号1として配列表に示し
た。
【0061】クローンpHNBPhoxに挿入されたD
NA断片の塩基配列から推定されるアミノ酸配列は、マ
ウスPhox2のアミノ酸配列と一部相同性を示した。
最も相同性の高かった領域はマウスPhox2のホメオ
ドメインであり、この領域において、アミノ酸配列は1
00%一致した。この領域は転写因子がDNAと直接結
合するのに最も重要な領域である。またマウスPhox
2のアミノ末端領域の酸性領域においても高い相同性を
示した。この領域は基本転写因子との相互作用において
最も重要な領域である。
【0062】Phox2は、1993年マウスの神経芽
腫細胞のcDNAライブラリーから単離同定された28
0個のアミノ酸をコードする遺伝子で、神経系特異的に
発現している細胞接着分子 neural cell adhesion mole
cule(NCAM)遺伝子の転写を正に制御する転写因子
である。成体マウスでのPhox2の発現は、末梢神経
系では自律神経系の神経節において強く発現し、脳では
後脳において発現している。脳の発生過程におけるPh
ox2の発現は、(ノル)アドレナリン系神経細胞およ
びその前駆細胞において発現している(Development 11
9巻 881頁 (1993))。このことからPhox2は、NC
AM遺伝子の転写制御のみならず、神経細胞の神経伝達
物質に関する表現型への分化を調節している因子の一員
であると考えられている。
【0063】クローンpHNBPhoxにコードされて
いるアミノ酸配列に、転写因子のDNA結合領域である
ホメオドメインが含まれており、しかもその配列がPh
ox2のホメオドメインの配列と一致することから、ク
ローンpHNBPhoxにコードされるタンパク質もP
hox2と同様に細胞接着分子NCAM遺伝子の転写を
制御し、かつ神経細胞の分化を調節している因子の一員
であると考えられる。
【0064】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、ヒ
トNBPhoxをコードする遺伝子が提供された。この
遺伝子はヒト神経芽腫細胞を同定するためのプローブま
たはプライマーとして利用することできる、すなわち本
発明によりヒト神経芽腫同定するためのプローブまたは
プライマーとして利用可能なDNA断片が提供された。
【0065】
【配列表】
【0066】配列番号:1 配列の長さ:314アミノ酸残基 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 配列の種類:タンパク質 配列: Met Tyr Lys Met Glu Tyr Ser Tyr Leu Asn Ser Ser Ala Tyr Glu Ser 1 5 10 15 Cys Met Ala Gly Met Asp Thr Ser Ser Leu Ala Ser Ala Tyr Ala Asp 20 25 30 Phe Ser Ser Cys Ser Gln Ala Ser Gly Phe Gln Tyr Asn Pro Ile Arg 35 40 45 Thr Thr Phe Gly Ala Thr Ser Gly Cys Pro Ser Leu Thr Pro Gly Ser 50 55 60 Cys Ser Leu Gly Thr Leu Arg Asp His Gln Ser Ser Pro Tyr Ala Ala 65 70 75 80 Val Pro Tyr Lys Leu Phe Thr Asp His Gly Gly Leu Asn Glu Lys Arg 85 90 95 Lys Gln Arg Arg Ile Arg Thr Thr Phe Thr Ser Ala Gln Leu Lys Glu 100 105 110 Leu Glu Arg Val Phe Ala Glu Thr His Tyr Pro Asp Ile Tyr Thr Arg 115 120 125 Glu Glu Leu Ala Leu Lys Ile Asp Leu Thr Glu Ala Arg Val Gln Val 130 135 140 Trp Phe Gln Asn Arg Arg Ala Lys Phe Arg Lys Gln Glu Arg Ala Ala 145 150 155 160 Ala Ala Ala Ala Ala Ala Ala Lys Asn Gly Ser Ser Gly Lys Lys Ser 165 170 175 Asp Ser Ser Arg Asp Asp Glu Ser Lys Glu Ala Lys Ser Thr Asp Pro 180 185 190 Asp Ser Thr Gly Gly Pro Gly Pro Asn Pro Asn Pro Thr Pro Ser Cys 195 200 205 Gly Ala Asn Gly Gly Gly Gly Gly Gly Pro Ser Pro Ala Gly Ala Pro 210 215 220 Gly Ala Ala Gly Pro Gly Gly Pro Gly Gly Glu Pro Gly Lys Gly Gly 225 230 235 240 Ala Ala Ala Ala Ala Ala Ala Ala Ala Ala Ala Ala Ala Ala Ala Ala 245 250 255 Ala Ala Ala Ala Gly Gly Leu Ala Ala Ala Gly Gly Pro Gly Gln Gly 260 265 270 Trp Ala Pro Gly Pro Gly Pro Ile Thr Ser Ile Pro Asp Ser Leu Gly 275 280 285 Gly Pro Phe Gly Ser Val Leu Ser Ser Leu Gln Arg Pro Asn Gly Ala 290 295 300 Lys Ala Ala Leu Val Lys Ser Ser Met Phe 305 310
【0067】配列番号:2 配列の長さ:945塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 配列: ATG TAT AAA ATG GAA TAT TCT TAC CTC AAT TCC TCT GCC TAC GAG TCC 48 Met Tyr Lys Met Glu Tyr Ser Tyr Leu Asn Ser Ser Ala Tyr Glu Ser 1 5 10 15 TGT ATG GCT GGG ATG GAC ACC TCG AGC CTG GCT TCA GCC TAT GCT GAC 96 Cys Met Ala Gly Met Asp Thr Ser Ser Leu Ala Ser Ala Tyr Ala Asp 20 25 30 TTC AGT TCC TGC AGC CAG GCC AGT GGC TTC CAG TAT AAC CCG ATA AGG 144 Phe Ser Ser Cys Ser Gln Ala Ser Gly Phe Gln Tyr Asn Pro Ile Arg 35 40 45 ACC ACT TTT GGG GCC ACG TCC GGC TGC CCT TCC CTC ACG CCG GGA TCC 192 Thr Thr Phe Gly Ala Thr Ser Gly Cys Pro Ser Leu Thr Pro Gly Ser 50 55 60 TGC AGC CTG GGC ACC CTC AGG GAC CAC CAG AGC AGT CCG TAC GCC GCA 240 Cys Ser Leu Gly Thr Leu Arg Asp His Gln Ser Ser Pro Tyr Ala Ala 65 70 75 80 GTT CCT TAC AAA CTC TTC ACG GAC CAC GGC GGC CTC AAC GAG AAG CGC 288 Val Pro Tyr Lys Leu Phe Thr Asp His Gly Gly Leu Asn Glu Lys Arg 85 90 95 AAG CAG CGG CGC ATC CGC ACC ACT TTC ACC AGT GCC CAG CTC AAA GAG 336 Lys Gln Arg Arg Ile Arg Thr Thr Phe Thr Ser Ala Gln Leu Lys Glu 100 105 110 CTG GAA AGG GTC TTC GCG GAG ACT CAC TAC CCC GAC ATC TAC ACT CGG 384 Leu Glu Arg Val Phe Ala Glu Thr His Tyr Pro Asp Ile Tyr Thr Arg 115 120 125 GAG GAG CTG GCC CTG AAG ATC GAC CTC ACA GAG GCG CGA GTC CAG GTG 432 Glu Glu Leu Ala Leu Lys Ile Asp Leu Thr Glu Ala Arg Val Gln Val 130 135 140 TGG TTC CAG AAC CGC CGC GCC AAG TTT CGC AAG CAG GAG CGC GCA GCG 480 Trp Phe Gln Asn Arg Arg Ala Lys Phe Arg Lys Gln Glu Arg Ala Ala 145 150 155 160 GCA GCC GCA GCG GCC GCG GCC AAG AAC GGC TCC TCG GGC AAA AAG TCT 528 Ala Ala Ala Ala Ala Ala Ala Lys Asn Gly Ser Ser Gly Lys Lys Ser 165 170 175 GAC TCT TCC AGG GAC GAC GAG AGC AAA GAG GCC AAG AGC ACT GAC CCG 576 Asp Ser Ser Arg Asp Asp Glu Ser Lys Glu Ala Lys Ser Thr Asp Pro 180 185 190 GAC AGC ACT GGG GGC CCA GGT CCC AAT CCC AAC CCC ACC CCC AGC TGC 624 Asp Ser Thr Gly Gly Pro Gly Pro Asn Pro Asn Pro Thr Pro Ser Cys 195 200 205 GGG GCG AAT GGA GGC GGC GGC GGC GGG CCC AGC CCG GCT GGA GCT CCG 672 Gly Ala Asn Gly Gly Gly Gly Gly Gly Pro Ser Pro Ala Gly Ala Pro 210 215 220 GGG GCG GCG GGG CCC GGG GGC CCG GGA GGC GAA CCC GGC AAG GGC GGC 720 Gly Ala Ala Gly Pro Gly Gly Pro Gly Gly Glu Pro Gly Lys Gly Gly 225 230 235 240 GCA GCA GCA GCG GCG GCG GCC GCG GCA GCG GCG GCG GCG GCA GCG GCA 768 Ala Ala Ala Ala Ala Ala Ala Ala Ala Ala Ala Ala Ala Ala Ala Ala 245 250 255 GCG GCG GCA GCT GGA GGC CTG GCT GCG GCT GGG GGC CCT GGA CAA GGC 816 Ala Ala Ala Ala Gly Gly Leu Ala Ala Ala Gly Gly Pro Gly Gln Gly 260 265 270 TGG GCT CCC GGC CCC GGC CCC ATC ACC TCC ATC CCG GAT TCG CTT GGG 864 Trp Ala Pro Gly Pro Gly Pro Ile Thr Ser Ile Pro Asp Ser Leu Gly 275 280 285 GGT CCC TTC GGC AGC GTC CTA TCT TCG CTC CAA AGA CCC AAC GGT GCC 912 Gly Pro Phe Gly Ser Val Leu Ser Ser Leu Gln Arg Pro Asn Gly Ala 290 295 300 AAA GCC GCC TTA GTG AAG AGC AGT ATG TTC TGA 945 Lys Ala Ala Leu Val Lys Ser Ser Met Phe *** 305 310
【0068】配列番号3: 配列の長さ:360塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA TTAAATTCTA ATTAGAGATG CAGGAATCAA TGATAGGGAG GTTGGACAGC TCAGTTCCCC 60 AGTGCCAGCC CAATAGACGG ATGAGTTATT GTCATGTAAA AAGCGCCAGC AATAAGACCA 120 ACCGCTTTGC TATTGTCCAA GTGGAAAGAG CCAAGTTTAT TATGAGGACT ATATGCTCTA 180 GAGACCTCAG ACAAGGCATC TCATAGGAGG CTTTTTCATA AAACTAGGCT CTGCTGGTAG 240 TAAGGAGGCC AGTTTGGAGG CAGGCGTTGA GCTGTGCACA TCTCCCCACT CCAGCCACCT 300 TCTCCATATC CATCTTTTAT TTCATTTTTC CACTTGGCTG AGCCATCCAG AACCTTTTCA 360
【0069】配列番号4: 配列の長さ:1769塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA TCTGGAATCC TGCGGCGGCG GCGGCGGCGG CGACAGCGGG CGAGCCAGGG CCCGGGCGGG 60 CGAGTGGGCG AGCGGGTAGG CCCAAGGCTA TTGTCGTCGC TGCTGCCATG GCTTTTTCAT 120 TGAGGGCCTA AAGTAATCGC GCTAAGAATA AAGGGAAAAC GGCGTCGCCC TCATTTCAAC 180 CCCACTCCTA CCCCCTTCCT CAACCCCCAA ACAAAACAAA CAAACTTCCC TGGCTTCGCA 240 CCTGCCTGGG GCCTCGCAGC GGGGCCAGGG CTCCGCCTGC TGATCGGGGG TTGTGAGCAG 300 CGCGGCCTGG ACGCGGGGCA CTCTCAGGGG GCTGTGTCTG CGTGTCAGTT TGTGTCTGTC 360 TCGGGGAATG TGTGTCTGTG GCCCAAGCAG GTGACAGGAA GAGATGGGGG GCCTCAACCA 420 ACTTAGTGAC TTGTTTAGAA AAAAAAGACA AAAAAGTAAA AATAAAAACA AAAAAGTTGG 480 AAGGCAGAAA CCATTAAAAA ACAAAAAGCC AACAACCCAG AAAGGTTTAA AAAACATAAG 540 GAAAAAAAAG ACAAATTAAA GGAGGGGCTA GGGGAGAAGC TGCAGCTGGA GCTGAAGGCT 600 CGATCTTGTG AACCCCTAAA TCCGCTCCCT CCTAACAGCA CGGATTCTCT TGGGGCTCTT 660 CTTCAGGGAA GAGTAGGGAC GCCGTTCCAG CCCCCCTTCC TATCGTGTCC TTGGGTTCGG 720 GTCACTGCGG CGACGACTTG CTCAGACTGT CCCGGCGGCC GGAGTGACTT TCTCGCACCC 780 CCTTGCCTGT CCCACCTCGC TGAACACCAT CCCGCCATTA GCGCATCGGA ACCCCACACA 840 GTTGCAACTC CCAACCCCGA ATCTTTGCAG CCGTTCGGCC CTGAAAGATG CCCTATCCAT 900 GAGATGCCTT TTCATCTGCA AACTCTGCAA AATGTGTCTC ATGTTTCGCA ACTCTTTTTT 960 TCCCCCTCGC TCCCGCCTAC CCCGTCGGCA TTTTCTTCTT CCACCAGCTT TTACTGAACT 1020 TTTTGGCACT GCTTTGGATT GGGGTCAATT GCAGTCCACG TAACTGGCTG CAGAGAAATC 1080 TACCGAGCAA GGAAAAGGCA CACACACACG TTTGCAGGGG TGTCTCGGTT TGCATTTCTG 1140 TTGGAATGAT CCGAACTGGA CTCACATCCT GTATGGTGGA TGGACTGTAT ATTGAGGGTT 1200 CCATTCTTCG CGCAGTTTAG ACATCTCTGT TTTGATTCTT TGTTGTTGTT TTTATTTTAA 1260 AAGGCACAAA CTCTAGATAT TAGTTGAATG TTGAGGCTTT AACTTTTTCG GTGTCTTTCT 1320 ACAACTGTGT TCTGTGACTC AATTGTATCG TGTTAATATC AGTGCAGACT GTCTCCTCTA 1380 CGTGACCGTA TAATGTTTTT CTCGTCTTGT AGTCTCTATG GCGTGTCTTT ATGGTGTAAT 1440 AAGGTTCTCA CGGGGTCAAT CTTTTGTGTT TAGAGAGGCC ACGGTTCAGA CAATGGTATA 1500 TATTTTTGTT ATCAGGTGCA TGTCTGTCTG ATTTCTTTTT TTTTCCTGTT GGACTATGTT 1560 TGTGAACATA ATTGTCATAA GTTATGTTTC AGATTTTTGA ATTTATTTAT ATGTGTTATA 1620 ATGAATGCTT CTATTTAAAA GGGAAATATT TCTACATGTG CTTATAGTTT TCCAAGAGTG 1680 TACCATTAAC TTGATTGTTG ATAATAAAAA CCAAAAGCAA GTCTAAAAAA AAAAAAAAAA 1740 AAAAAAAAAA AAAAAAAAAA AAAAAAAAA 1769
【0070】配列番号5: 配列の長さ:622塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA GATCCGAACT GGACTCACAT CCTGTATGGT GGATGGACTG TATATTGAGG GTTCCATTCT 60 TCGCGCAGTT TAGACATCTC TGTTTTGATT CTTTGTTGTT GTTTTTATTT TAAAAGGCAC 120 AAACTCTAGA TATTAGTTGA ATGTTGAGGC TTTAACTTTT TCGGTGTCTT TCTACAACTG 180 TGTTCTGTGA CTCAATTGTA TCGTGTTAAT ATCAGTGCAG ACTGTCTCCT CTACGTGACC 240 GTATAATGTT TTTCTCGTCT TGTAGTCTCT ATGGCGTGTC TTTATGGTGT AATAAGGTTC 300 TCACGGGGTC AATCTTTTGT GTTTAGAGAG GCCACGGTTC AGACAATGGT ATATATTTTT 360 GTTATCAGGT GCATGTCTGT CTGATTTCTT TTTTTTTCCT GTTGGACTAT GTTTGTGAAC 420 ATAATTGTCA TAAGTTATGT TTCAGATTTT TGAATTTATT TATATGTGTT ATAATGAATG 480 CTTCTATTTA AAAGGGAAAT ATTTCTACAT GTGCTTATAG TTTTCCAAGA GTGTACCATT 540 AACTTGATTG TTGATAATAA AAACCAAAAG CAAGTCTAAA AAAAAAAAAA AAAAAAAAAA 600 AAAAAAAAAA AAAAAAAAAA AA 622
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、GS008886遺伝子のヒト細胞
株およびヒト各臓器における発現を調べるためのノーザ
ン分析の結果を示す図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年4月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、GS008886遺伝子のヒト細胞株
およびヒト各臓器における発現を調べるためのノーザン
分析の結果を示す電気泳動写真である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大久保 公策 大阪府吹田市山田丘1−3 大阪大学 細 胞生体工学センター内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号1に記載するアミノ酸配列を有
    するタンパク質をコードするDNA。
  2. 【請求項2】 配列番号2に記載する塩基配列を有す
    る、請求項1に記載のDNA。
  3. 【請求項3】 配列番号2、3もしくは4に記載する塩
    基配列、またはそれらに相補的な塩基配列中の、少なく
    とも連続する15塩基の配列を有するDNA断片よりな
    る、神経芽腫診断用のプローブ。
  4. 【請求項4】 配列番号5に記載する塩基配列を有する
    DNA断片よりなる、請求項3に記載のプローブ。
  5. 【請求項5】 神経芽腫瘍診断のための複製連鎖反応
    (PCR)に用いるプライマーであって、配列番号2、
    3若しくは4に記載されたNBPhox塩基配列から以
    下の条件を満たす2つの領域を選択し: 1)各領域の長さが15−30塩基であること; 2)各領域中のG+Cの割合が40−60%であるこ
    と; 3)各領域中のA、T、G、Cの分布が部分的に偏らな
    いこと; 4)各領域間の距離が100−1000塩基であるこ
    と; 5)各領域自身の中または2つの領域間に相補的な配列
    部分が存在しないこと;そして上記領域と同じ塩基配列
    若しくは上記領域に相補的な塩基配列を有する一本鎖D
    NAを製造し、さらに必要であれば上記NBPhox塩
    基配列に対する結合性を失わないように修飾した上記一
    本鎖DNAを製造することからなる方法によって製造さ
    れた、上記プライマー。
  6. 【請求項6】以下の塩基配列:5’−ATTCGCTT
    GGGGGTCCCTTC−3’(配列番号2の塩基番
    号854−873)および5’−CGAGACACCC
    CTGCAAACGT−3’(配列番号4の塩基番号1
    118−1137の相補配列)を有するDNA断片の組
    よりなる、請求項5に記載のプライマー。
JP8004729A 1996-01-16 1996-01-16 ヒトNBPhoxタンパク質をコードするDNA Pending JPH09191883A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7628989B2 (en) 2001-04-10 2009-12-08 Agensys, Inc. Methods of inducing an immune response
US7927597B2 (en) 2001-04-10 2011-04-19 Agensys, Inc. Methods to inhibit cell growth

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US7927597B2 (en) 2001-04-10 2011-04-19 Agensys, Inc. Methods to inhibit cell growth
US7951375B2 (en) 2001-04-10 2011-05-31 Agensys, Inc. Methods of inducing an immune response

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