JP2001511452A - インテグリン受容体アンタゴニスト - Google Patents

インテグリン受容体アンタゴニスト

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JP2001511452A JP2000504863A JP2000504863A JP2001511452A JP 2001511452 A JP2001511452 A JP 2001511452A JP 2000504863 A JP2000504863 A JP 2000504863A JP 2000504863 A JP2000504863 A JP 2000504863A JP 2001511452 A JP2001511452 A JP 2001511452A
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  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Nitrogen And Oxygen As The Only Ring Hetero Atoms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 二元的フィブリノーゲン受容体およびビトロネクチン受容体アンタゴニストであり、アテローム性動脈硬化症の治療にて、再狭窄の予防にて、および腫瘍転移および腫瘍増殖の予防にて有用な式(I)の化合物を開示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明は、インテグリン、例えばビトロネクチン受容体およびフィブリノーゲ
ン受容体の二元的アンタゴニスに結合する医薬上活性な化合物に関する。かかる
化合物は血小板凝集の阻害、再狭窄およびアテローム性動脈硬化症の治療に有用
であり、血管の改造作用に有用である。
【0002】 (背景技術) インテグリンは一般に細胞付着を媒介する一連のヘテロダイマー蛋白である。
かかる蛋白の典型例がビトロネクチン受容体(αVβ3ヘテロダイマー)およびフ
ィブリノーゲン受容体(αIIbβ3ヘテロダイマー)である。これらの受容体(例
えば、ビトロネクチンおよびフィブリノーゲン)の天然リガンドは、結合に極め
て重要であると思われる−Arg−Gly−Asp−アミノ酸配列を共有するこ
とが判明した。実際、インテグリン受容体の多くは、そのようなアミノ酸配列を
有するリガンドと交差反応するようである。例えば、αIIbβ3受容体は、フィブ
ロネクチンおよびビトロネクチン、トロンボスポンジンおよびファン・フィルブ
ランド因子ならびにフィブリノーゲンと反応する。αIIbβ3のための2つの結合
部位を有するダイマーであるフィブリノーゲンは、血小板表面に見られる活性化
受容体と機能的に反応する。フィブリノーゲンを介して隣接する血小板上のαII b β3受容体が結合することで架橋し、それが血小板が凝集する主たる要因である
と考えられる。αIIbβ3受容体のフィブリノーゲンへの結合を阻害する化合物は
、インビトロにおける血小板凝集およびインビボにおける血栓形成を阻害するこ
とが明らかにされた。例えば、EP−A0341915を参照のこと。動物実験
によりαIIbβ3受容体の阻害が血管形成後の新血管内膜過形成を減少させ得るこ
とが明らかになった。Friedmanら、J.Clin.Invest.、1977、60、1191
を参照のこと。加えて、αIIbβ3アンタゴニストがインビトロにて癌細胞の侵入
および転移を妨げ得ることが研究により明らかにされた。Honnら、Cancer Res. 、1997、57、2522を参照のこと。
【0003】 ビトロネクチン受容体αVβ3は、内皮細胞、平滑筋、破骨細胞および腫瘍細胞
を含む、多種の細胞上で発現し、そのためこの受容体は種々の機能を有する。ヒ
ト大動脈平滑筋細胞上で発現したαvβ3受容体は、血管形成後にアテローム性動
脈硬化症および再狭窄の形成に至る、新血管内膜への移動を刺激する。Brownら 、Cardiovascular Res.,1994、28、1815を参照のこと。加えて、α v β3アンタゴニストが血管形成性血管のアポトーシスを誘発することにより腫瘍
後退を促進しうることが研究により明らかにされた。かくして、ビトロネクチン
受容体およびフィブリノーゲン受容体を遮断する薬剤は、アテローム性動脈硬化
症、再狭窄(Topolら、J.Am.Coll.Cardiol.、1996、28、1643)およ び癌などの、これらの受容体が媒介する疾患の治療にて有用であろう。 この度、特定の新規な化合物がインテグリン受容体アンタゴニストとして有用
であり、特に本発明の化合物が二元的αIIbβ3/αVβ3受容体アンタゴニストと
して有用であることが見出された。
【0004】 (発明の開示) インテグリン受容体を阻害することについて薬理活性を有する、後記するよう
な、式(I)の化合物を提供することが本発明の目的である。適宜置換して特異
的なインテグリン受容体、とりわけ相関関係にあるフィブリノーゲン(αIIbβ3 )およびビトロネクチン(αVβ3)受容体および他のインテグリン受容体と選択
的に結合しうる鋳型を提供することが本発明の目的である。 本発明はまた、式(I)の化合物および医薬担体を有してなる医薬組成物を提
供する。 本発明はさらに、インテグリン受容体、特にビトロネクチンおよびフィブリノ
ーゲン受容体に結合することにより病状を修飾しうる疾患の治療法を提供する。
特定の態様において、本発明の化合物は、アテローム性動脈硬化症および再狭窄
、ならびに発作、一過性虚血性卒中、心筋梗塞および血栓溶解療法後の再血栓な
どの血小板凝集を阻害することが望ましい症状の治療に有用である。
【0005】 (発明を実施するための最良の形態) 本発明は式(I)または(II):
【化14】
【0006】 [式中、 AはNR'、CHR'、OまたはSであり; A1はCまたはNであり; X1およびX2はC=OまたはCHR'である;ただし、X1またはX2の一方の みがCOであり; X3はCHR'、NR'、OまたはSであり;
【化15】 はR11で置換されていてもよい5または6員のヘテロ芳香族または6員の芳香族
環であり; R*は、
【化16】 であり; EはO、S、C(O)またはC(S)であり; YはC(O)、C(S)またはCH2であり; R1はR7、またはD−C0-4アルキル、D−C2-4アルケニル、D−C2-4アル キニル、D−C3-4オキソアルケニル、D−C3-4オキソアルキニル、D−C1-4 アミノアルキル、D−C3-4アミノアルケニルもしくはD−C3-4アミノアルキニ
ルであり、所望によりR11またはR7の1またはそれ以上の許容できる組み合わ せで置換されていてもよく; R2は-(CH2)t−CO23であり R3はH、C1-6アルキルまたは(CHR')n−Arであり;
【0007】 R4は、
【化17】 であり;
【0008】 Wは-(CHRg)a-U-(CHRg)b-であり; Uは存在しないか、あるいはCO、CRg 2、C(=CRg 2)、S(O)k、O、N Rg、CRgORg、CRg(ORk)CRg 2、CRg 2CRg(ORk)、C(O)CRg 2、 CRg 2C(O)、CONRi、NRiCO、OC(O)、C(O)O、C(S)O、OC( S)、C(S)NRg、NRgC(S)、S(O)2NRg、NRgS(O)2N=N、NRg
g、NRgCRg 2、NRgCRg 2、CRg 2O、OCRg 2、C≡CまたはCRg=C
gであり; GはNRe、SまたはOであり; RgはH、C1-6アルキル、Het-C0-6アルキル、C3-7シクロアルキル-C0- 6 アルキルまたはAr-C0-6アルキルであり; RkはRg、-C(O)Rgまたは-C(O)ORfであり; RiはH、C1-6アルキル、Het-C0-6アルキル、C3-7シクロアルキル-C0- 6 アルキル、Ar-C0-6アルキル、またはハロゲン、CN、NRg 2、ORg、SR g 、CO2gおよびCON(Rg)2から選択される1ないし3個の基で置換された C1-6アルキルであり; RfはH、C1-6アルキルまたはAr-C1-6アルキルであり; ReはH、C1-6アルキル、Ar-C1-6アルキル、Het-C1-6アルキル、C3- 7 シクロアルキル-C1-6アルキルまたは(CH2)kCO2gであり; RbおよびRcは、独立して、H、C1-6アルキル、Ar-C0-6アルキル、He t-C0-6アルキル、C3-6シクロアルキル-C0-6アルキル、ハロゲン、CF3、O
f、S(O)kf、CORf、NO2、N(Rf)2、CO(NRf)2、CH2N(Rf)2
ら選択されるか、またはRbおよびRcは一緒になって5または6員芳香族または
非芳香族炭素環式または複素環式環を形成し、所望によりハロゲン、CF3、C1 -4 アルキル、ORf、S(O)kf、CORf、CO2f、OH、NO2、N(Rf)2 、CO(NRf)2およびCH2N(Rf)2から選択される1ないし3個の基で置換さ れていてもよく、あるいはメチレンジオキシを形成し; Q1、Q2、Q3およびQ4は、独立して、NまたはC-Ryである;ただし、Q1 、Q2、Q3およびQ4のうち多くても1つがNであり; RyはH、ハロ、-ORg、-SRg、-CN、-NRgk、-NO2、-CF3、-CF 3 S(O)r-、-CO2g、-CORgまたは-CONRg 2、あるいはハロ、-ORg、-
SRg、-CN、-NRgR"、-NO2、-CF3、R'S(O)r-、-CO2g、-COR g または-CONRg 2で置換されていてもよいC1-6アルキルであり; R5はW'-(CR'2)q-Z-(CR'R10)r-U'-(CR'2)sであり; U'は存在しないか、あるいはCO、CR'2、C(=CR'2)、S(O)n、O、N
R'、CR'OR'、CR'(OR")CR'2、CR'2CR'(OR")、C(O)CR'2、 CR'2C(O)、CONR'、NR'CO、OC(O)、C(O)O、C(S)O、OC( S)、C(S)NR'、NR'C(S)、S(O)nNR'、NR'S(O)n、N=N、NR'
NR'、NR'CR'2、NR'CR'2、CR'2O、OCR'2、C≡CまたはCR'=
CR'であり; W'はR'R"N-、R'R"NR'N-、R'R"NR'NCO-、R'2NR'NC(=N
R')-、R'ONR'C(=NR')-、
【化18】 XはN=CR'、C(O)またはOであり; Yは存在しないか、SまたはOであり; Zは(CH2)t、Het、ArまたはC3-7シクロアルキルであり; R7は-COR8、-COCR'29、-C(S)R8、-S(O)mOR'、-S(O)mNR
'R"、-PO(OR')、-PO(OR')2、-B(OR')2、-NO2およびTetであり
; R8は-OR'、-NR'R"、-NR'SO2R'、-NR'OR'、-OCR'2C(O)O
R'、-OCR'2OC(O)R'、-OCR'2C(O)NR'2またはCF3であり; R9は-OR'、-CN、-S(O)rR'、S(O)mNR'2、-C(O)R'C(O)NR'2 または-CO2R'であり; R10はH、C1-4アルキルまたは-NR'R"であり; R11は、各々、独立して、H、ハロ、-OR12、-CN、-NR'R12、-NO2
-CF3、CF3S(O)r-、-CO2R'、-CONR'2、D-C0-6アルキル-、D-C1 -6 オキソアルキル、D−C2-6アルケニル-、D-C2-6アルキニル-、D-C0-6ア ルキルオキシ-、D-C0-6アルキルアミノ-またはD-C0-6アルキル-S(O)r-で あり; R12はR'、-C(O)R'、-C(O)NR'2、-C(O)OR15、-S(O)mR'または
S(O)mNR'2であり; R13はR'、-CF3、-SR'または-OR'であり; R14はR'、C(O)R'、CN、NO2、SO2R'またはC(O)OR15であり; R15はH、C1-6アルキルまたはAr-C0-4アルキルであり; DはH、C3-6シクロアルキル、HetまたはArであり; R'はH、C1-6アルキル、Ar-C0-6アルキルまたはC3-6シクロアルキル-C 0-6 アルキルであり; R"はR'、-C(O)R'または-C(O)OR'であり; R"'はH、C1-6アルキル、Ar-C0-6アルキル、Het-C0-6アルキルまた はC3-6シクロアルキル-C0-6アルキル、ハロゲン、CF3、ORf、S(O)kf 、CORf、NO2、N(Rf)2、CO(NRf)2、CH2N(Rf)2であり; nは0ないし3であり; qは0ないし3であり; tは0ないし2であり; aは0、1または2であり; bは0、1または2であり; kは0、1または2であり; mは1または2であり; rは0、1または2であり; sは0、1または2であり; uは0または1であり; vは0または1である] で示される化合物またはその医薬上許容される塩を包含する。
【0009】 好ましくは、本発明は、式(Ia):
【化19】
【0010】 [式中、 AはNR'、CHR'、OまたはSであり; X1およびX2はC=OまたはCHR'である;ただし、X1またはX2の一方の みがC=Oであり; YはC(O)、C(S)またはCH2であり; R1はR7、またはD−C0-4アルキル、D−C2-4アルケニル、D−C2-4アル キニル、D−C3-4オキソアルケニル、D−C3-4オキソアルキニル、D−C1-4 アミノアルキル、D−C3-4アミノアルケニルもしくはD−C3-4アミノアルキニ
ルであり、所望によりR11またはR7の1またはそれ以上の許容できる組み合わ せで置換されていてもよく; R2は-(CH2)t−CO23であり R3はH、C1-6アルキルまたは(CHR')n−Arであり;
【0011】 R4は、
【化20】 であり;
【0012】 Wは-(CHRg)a-U-(CHRg)b-であり; Uは存在しないか、あるいはCO、CRg 2、C(=CRg 2)、S(O)k、O、N Rg、CRgORg、CRg(ORk)CRg 2、CRg 2CRg(ORk)、C(O)CRg 2、 CRg 2C(O)、CONRi、NRiCO、OC(O)、C(O)O、C(S)O、OC( S)、C(S)NRg、NRgC(S)、S(O)2NRg、NRgS(O)2N=N、NRg
g、NRgCRg 2、NRgCRg 2、CRg 2O、OCRg 2、C≡CまたはCRg=C
gであり; GはNRe、SまたはOであり; RgはH、C1-6アルキル、Het-C0-6アルキル、C3-7シクロアルキル-C0- 6 アルキルまたはAr-C0-6アルキルであり; RkはRg、-C(O)Rgまたは-C(O)ORfであり; RiはH、C1-6アルキル、Het-C0-6アルキル、C3-7シクロアルキル-C0- 6 アルキル、Ar-C0-6アルキル、またはハロゲン、CN、NRg 2、ORg、SR g 、CO2gおよびCON(Rg)2から選択される1ないし3個の基で置換された C1-6アルキルであり; RfはH、C1-6アルキルまたはAr-C1-6アルキルであり; ReはH、C1-6アルキル、Ar-C1-6アルキル、Het-C1-6アルキル、C3- 7 シクロアルキル-C1-6アルキルまたは(CH2)kCO2gであり; RbおよびRcは、独立して、H、C1-6アルキル、Ar-C0-6アルキル、He t-C0-6アルキル、C3-6シクロアルキル-C0-6アルキル、ハロゲン、CF3、O
f、S(O)kf、CORf、NO2、N(Rf)2、CO(NRf)2、CH2N(Rf)2
ら選択されるか、またはRbおよびRcは一緒になって5または6員芳香族または
非芳香族炭素環式または複素環式環を形成し、所望によりハロゲン、CF3、C1 -4 アルキル、ORf、S(O)kf、CORf、CO2f、OH、NO2、N(Rf)2 、CO(NRf)2およびCH2N(Rf)2から選択される3個までの基で置換されて いてもよく、あるいはメチレンジオキシを形成し; Q1、Q2、Q3およびQ4は、独立して、NまたはC-Ryである;ただし、Q1 、Q2、Q3およびQ4のうち多くても1つがNであり; RyはH、ハロ、-ORg、-SRg、-CN、-NRgk、-NO2、-CF3、-CF 3 S(O)r-、-CO2g、-CORgまたは-CONRg 2、あるいはハロ、-ORg、-
SRg、-CN、-NRgR"、-NO2、-CF3、R'S(O)r-、-CO2g、-COR g または-CONRg 2で置換されていてもよいC1-6アルキルであり; R5はW'-(CR'2)q-Z-(CR'R10)r-U'-(CR'2)sであり; U'は存在しないか、あるいはCO、CR'2、C(=CR'2)、S(O)n、O、N
R'、CR'OR'、CR'(OR")CR'2、CR'2CR'(OR")、C(O)CR'2、 CR'2C(O)、CONR'、NR'CO、OC(O)、C(O)O、C(S)O、OC( S)、C(S)NR'、NR'C(S)、S(O)nNR'、NR'S(O)n、N=N、NR'
NR'、NR'CR'2、NR'CR'2、CR'2O、OCR'2、C≡CまたはCR'=
CR'であり; W'はR'R"N-、R'R"NR'N-、R'R"NR'NCO-、R'2NR'NC(=N
R')-、R'ONR'C(=NR')-、
【化21】 XはN=CR'、C(O)またはOであり; Yは存在しないか、SまたはOであり; Zは(CH2)t、Het、ArまたはC3-7シクロアルキルであり; R7は-COR8、-COCR'29、-C(S)R8、-S(O)mOR'、-S(O)mNR
'R"、-PO(OR')、-PO(OR')2、-B(OR')2、-NO2およびTetであり
; R8は-OR'、-NR'R"、-NR'SO2R'、-NR'OR'、-OCR'2C(O)O
R'、-OCR'2OC(O)R'、-OCR'2C(O)NR'2またはCF3であり; R9は-OR'、-CN、-S(O)rR'、S(O)mNR'2、-C(O)R'C(O)NR'2 または-CO2R'であり; R10はH、C1-4アルキルまたは-NR'R"であり; R11はH、ハロ、-OR12、-CN、-NR'R12、-NO2、-CF3、CF3S(O
)r-、-CO2R'、-CONR'2、D-C0-6アルキル-、D-C1-6オキソアルキル- 、D−C2-6アルケニル-、D-C2-6アルキニル-、D-C0-6アルキルオキシ-、D
-C0-6アルキルアミノ-またはD-C0-6アルキル-S(O)r-であり; R12はR'、-C(O)R'、-C(O)NR'2、-C(O)OR15、-S(O)mR'または
S(O)mNR'2であり; R13はR'、-CF3、-SR'または-OR'であり; R14はR'、C(O)R'、CN、NO2、SO2R'またはC(O)OR15であり; R15はH、C1-6アルキルまたはAr-C0-4アルキルであり; DはH、C3-6シクロアルキル、HetまたはArであり; R'はH、C1-6アルキル、Ar-C0-6アルキルまたはC3-6シクロアルキル-C 0-6 アルキルであり; R"はR'、-C(O)R'または-C(O)OR'であり; R"'はH、C1-6アルキル、Ar-C0-6アルキル、Het-C0-6アルキル、C3 -6 シクロアルキル-C0-6アルキル、ハロゲン、CF3、ORf、S(O)kf、CO
f、NO2、N(Rf)2、CO(NRf)2またはCH2N(Rf)2であり; nは0ないし3であり; qは0ないし3であり; tは0ないし2であり; aは0、1または2であり; bは0、1または2であり; kは0、1または2であり; mは1または2であり; rは0、1または2であり; sは0、1または2であり; uは0または1であり; vは0または1である] で示される化合物またはその医薬上許容される塩を包含する。
【0013】 本発明の化合物の医薬上許容される付加塩、複合体またはプロドラッグもまた
本発明に含まれる。プロドラッグはインビボにて式(I)の活性な親薬物を放出
する共有結合したキャリアであると考えられる。本発明の化合物が1またはそれ
以上のキラル中心を有する場合において、特記しない限り、本発明は、常法にて
合成され、分割される単一の非ラセミ体化合物を包含する。化合物が不飽和の炭
素−炭素二重結合を有する場合にて、シス(Z)およびトランス(E)異性体は
共に本発明の範囲内にある。化合物が、ケト−エノール互変異性体、例えば、
【化22】 のような互変異性体の形態にて、および
【化23】 のようなグアニジン型基の互変異性体にて存在する場合において、平衡状態にて
存在するか、またはR'で適宜置換することにより一の形態にて固定されている 、互変異性体の各々の形態は、本発明に含まれると考えられる。いずれか一の場
合にある置換基の意味は、特記しない限り、他の場合にあるその意味または他の
置換基とは独立している。
【0014】 式(I)の化合物はビトロネクチンおよび他のRGD含有ペプチドのビトロネ
クチン(αVβ3)受容体への結合を阻害する。破骨細胞上のビトロネクチン受容
体を阻害することで破骨細胞性骨吸収が阻害され、骨吸収が病理学的に関連する
疾患、例えば、骨粗鬆症および骨関節炎の治療にて有用である。加えて、本発明
の化合物は、多種の型の細胞上のビトロネクチン受容体を阻害するため、該化合
物は炎症性障害、例えば、慢性関節リウマチおよび乾癬、ならびに心臓血管性疾
患、例えば、アテローム性動脈硬化症および再狭窄の治療にて有用であろう。本
発明の式(I)の化合物は、限定されるものではないが、血栓塞栓障害、喘息、
アレルギー、成人呼吸窮迫症候群、対宿主移植片疾患、臓器移植拒絶反応、敗血
症性ショック、湿疹、接触性皮膚炎、炎症性腸疾患および他の自己免疫疾患を含
む、他の疾患の治療または予防に有用であるかもしれない。本発明の化合物はま
た、損傷治癒にも有用であるかもしれない。
【0015】 特に、本発明の化合物は、血管形成障害の、予防を含む、治療にて有用である
。本明細書にて用いる血管形成障害なる語は、異常な血管新生を含む、症状を包
含する。新生血管の増殖が疾患に付随する病状の原因である場合、またはその病
状に起因する場合、血管形成を阻害することで該疾患の有害な作用は減少するで
あろう。かかる標的となる疾患の一例が糖尿病性網膜症である。新生血管の増殖
が有害な組織の増殖に必要とされる場合、血管形成を阻害することで該組織への
血液の供給が減少し、その血液供給量に基づいて組織質量が減少することとなる
。一例として、腫瘍が増殖するために、および充実性腫瘍の転移を確立するため
に、連続的な血管新生が必要である腫瘍増殖が挙げられる。このように、本発明
の化合物は腫瘍組織の血管形成を阻害し、それで腫瘍転移および腫瘍増殖を妨げ
るものである。 かくして、本発明の方法によれば、本発明の化合物を用いる血管形成の阻害は
疾患の徴候を改善し、場合によって、該疾患を治癒することができる。
【0016】 本発明の化合物の好ましい治療標的は、血管新生により特徴付けられる眼の疾
患である。かかる眼の病気として、角膜血管新生障害、例えば角膜移植、疱疹性
角膜炎、梅毒性角膜炎、翼状片およびコンタクトレンズ使用に伴う血管新生性パ
ンヌスが挙げられる。さらなる眼の病気として老人性黄斑変性、推定眼ヒストプ
ラスマ症、未熟児網膜症および血管新生性緑内障が挙げられる。 本発明のもう一つ別の態様は、経皮的トランスルミナル冠状動脈形成(PTC
A)より由来の血管損傷後の血小板凝集および平滑筋細胞移動の阻害における本 発明の二元的フィブリノーゲン/ビトロネクチン受容体アンタゴニストの使用に
ある。本発明は血管改造にて有用である。
【0017】 式(Ia)の化合物に関して、YがC(O)であることが好ましい。 式(Ia)の化合物に関して、適当には、X1はCH2であり、X2はC=Oで あり、AはNR'である。 好ましくは、式(Ia)の化合物に関して: X1はCH2であり、X2はC=Oであり、AはNR'であり、R'はHまたはC1 -4 アルキルであり、YはC(O)であり、R1はR11で置換されていてもよいD-C 0-4 アルキルであり、R2は-CH2-CO2Hである。特に、R1はH、CH3、CH 2 CH3、CH2CF3、(CH2)1-2フェニル(ここで、フェニル基は置換されてい
なくても、C1-4アルキル、C1-4アルキルオキシ、C1-4アルキルチオ、CF3
OHまたはハロで置換されていてもよい)である。
【0018】 フィブリノーゲンアンタゴニスト活性が望ましい場合のR5の適当な置換基は :
【化24】 R"HNC(=NH)NH-(CH2)3(CHR10)-およびR"HN-(CH2)5- [式中、EはNまたはCHであり、R20は水素、アミノ、モノ-またはジ-C1-4 アルキルアミノ、ヒドロキシまたはC1-4アルキルである] である。
【0019】 フィブリノーゲンアンタゴニスト活性を促進するのに特に優れた置換基は:
【化25】 [式中、R'はHまたはC1-4アルキルであり、R"はHである] である。
【0020】 このようなR5の特に好ましい基は:
【化26】 [式中、R"はHである] である。
【0021】 ビトロネクチン結合活性が望ましい場合のR4中のWに結合する基の特に好ま しい置換基は:
【化27】 [式中、GはNHである] である。好ましくは、RbおよびRcは一緒になってシクロヘキシル、フェニルま
たはピリジル環を形成する。適当には、R'、R"およびRgは、各々、Hであっ て、sは0または1である。
【0022】 ビトロネクチン活性を向上させる特に好ましいR4置換基は:
【化28】 である。
【0023】 かかるR4の特に好ましい基は:
【化29】 である。
【0024】 置換基R4およびR5の6-7環系のフェニル環からの距離を適宜選択すること で、ビトロネクチンおよびフィブリノーゲンの両方の受容体に対して選択的な活
性、すなわち、両方の受容体に対して二元的活性を有する化合物を得ることがで
きる。一般に、フィブリノーゲンアンタゴニスト活性は7員環に結合したR2基 のカルボニル基の酸素とR5の塩基性窒素部の間に最短経路で約16個の介在共 有結合の分子内距離がある場合に支持されるのに対して、ビトロネクチンアンタ
ゴニスト活性は7員環に結合したカルボニル基の酸素とR4の塩基性窒素部の間 に最短経路で約14個の介在共有結合がある場合に支持される。
【0025】 本発明の特定の化合物は: (S)-7-[[N-(4-ピリジニルプロピル)-N-(1H-ベンズイミダゾール-2-イ
ルメチル)]アミノカルボニル]-2,3,4,5-テトラヒドロ-4-メチル-3-オキソ
-1H-1,4-ベンゾジアゼピン-2-酢酸; (S)-7-[[N-(4-ピペリジニルプロピル)-N-(1H-ベンズイミダゾール-2-
イルメチル)]アミノカルボニル]-2,3,4,5-テトラヒドロ-4-メチル-3-オキ
ソ-1H-1,4-ベンゾジアゼピン-2-酢酸; (S)-7-[[N-(4-ピペリジニルエチル)-N-(1H-ベンズイミダゾール-2-イ
ルメチル)]アミノカルボニル]-2,3,4,5-テトラヒドロ-4-メチル-3-オキソ
-1H-1,4-ベンゾジアゼピン-2-酢酸;および (+/-)-2,3,4,5-テトラヒドロ-3-オキソ-8-[[N-4-ピペリジニルプロピ
ル-N-(1H-ベンズイミダゾール-2-イルメチル)]アミノカルボニル]-2-メチ ル-1H-2-ベンズアゼピン-4-酢酸; またはその医薬上許容される塩である。
【0026】 ペプチドおよび化学の分野にて一般に使用される略語および記号を本発明の化
合物を記載するのに使用する。 本明細書にて用いるC1-4アルキルは、メチル、エチル、n−プロピル、イソ プロピル、n−ブチル、イソブチルおよびt−ブチルを含むことを意味する。C 1-6 アルキルは、さらに、ペンチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチ ルおよびヘキシルならびにその簡単な脂肪族異性体を包含する。いずれのC1-4 アルキルまたはC1-6アルキル基も、特に限定されない限り、R11で置換されて いてもよい。C0-4アルキルおよびC0-6アルキルは、さらに、アルキル基が存在
する必要がないこと(例えば、共有結合があること)を意味する。
【0027】 本明細書にて用いるC2-6アルケニルは、一の炭素−炭素単結合が一の炭素− 炭素二重結合で置き換えられている炭素数2ないし6のアルキル基を意味する。
2-6アルケニルは、エチレン、1-プロペン、1-ブテン、2-ブテン、イソブテ
ンおよび数個の異性体のペンテンおよびヘキセンを包含する。シスおよびトラン
スのいずれであってもよい。いずれのC2-6アルケニル基も特に限定されない限 りR11で置換されていてもよい。 C2-6アルキニルは、一の炭素−炭素単結合が一の炭素−炭素三重結合で置き 換えられている炭素数2ないし6のアルキル基を意味する。C2-6アルキニルは 、アセチレン、1-プロピン、2-プロピン、1-ブチン、2-ブチン、3-ブチン およびペンチンおよびヘキシンの簡単な異性体を包含する。C2-6アルキニル基 のいずれのsp3炭素原子もR11で置換されていてもよい。
【0028】 C1-4オキソアルキルは、一のCH2基が一のC(O)またはカルボニル基で置き
換えられている炭素数4までのアルキル基をいう。代表的な基として置換ホルミ
ル、アセチル、1-プロパナール、2-プロパノン、3-プロパナール、2-ブタノ
ン、3-ブタノン、1-および4-ブタノール基が挙げられる。C1-6オキソアルキ
ルは、付加的に、カルボニル基で置換された炭素数5および6のより高度のアナ
ログおよび異性体を包含する。C3-6オキソアルケニルおよびC3-6オキソアルキ
ニルは、一のCH2基がC(O)基で置き換えられているC3-6アルケニルまたはC 3-6 アルキニル基をいう。C3-4オキソアルケニルは1-オキソ-2-プロペニル、 3-オキソ-1-プロペニル、2-オキソ-3-ブテニルなどを包含する。 C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニルまたはC1-6オキソアルキ
ル基上の置換基、例えばR11は、安定した構造をもたらすいずれの炭素原子上に
あってもよく、通常の合成手段により合成することができる。
【0029】 D-C1-6アルキルは、いずれかの位置にある一の炭素−水素結合が一の炭素−
D結合で置き換えられているC1-6アルキル基をいう。D-C2-6アルケニルおよ びD-C2-6アルキニルはC2-6アルケニルおよびC2-6アルキニルと同様の意味を
有する。 本明細書にて用いるArまたはアリールは、フェニルもしくはナフチル、また は1ないし3個の基、R11で置換されているフェニルまたはナフチルを意味する
。特に、R11はC1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4アルキルチオ、CF3
OHまたはハロとすることができる。 Hetまたはヘテロサイクルは、安定しており、慣用的な化学合成により利用可
能な、窒素、酸素および硫黄の群より選択される1ないし3個のヘテロ原子を含
有する置換されていてもよい5または6員の単環式環、あるいは9または10員
の二環式環をいう。代表的なヘテロサイクルは、ベンゾフラン、ベンズイミダゾ
ール、ベンゾピラン、ベンゾチオフェン、フラン、イミダゾール、インドール、
インドリン、モルホリン、ピペリジン、ピペラジン、ピロール、ピロリジン、テ
トラヒドロピリジン、ピリジン、チアゾール、チオフェン、キノリン、イソキノ
リン,ならびにテトラ−およびペルヒドロ−キノリンおよびイソキノリンである
。1または2個の窒素を含有する6員環のヘテロサイクル、例えばピペリジン、
ピペラジン、テトラヒドロピリジンおよびピリジンが、Z基についての好ましい
ヘテロサイクルである。化学合成により利用可能であって安定している、Het環
上の、R11より選択されるような3個までの置換基の利用可能な組み合わせも本
発明の範囲内にある。
【0030】 C3-7シクロアルキルは、置換されていてもよい3ないし7個の炭素原子を有 する炭素環系をいい、2個までの不飽和炭素−炭素結合を有していてもよい。典
型的なC3-7シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチ ル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニルおよびシクロヘプチ
ルである。通常の化学合成により利用可能であって安定している、シクロアルキ
ル環上の、R11より選択されるような3個までの置換基のいずれの組み合わせも
本発明の範囲内にある。 本明細書中で用いる
【化30】 は窒素ヘテロサイクルをいい、3個までの窒素原子または1個の窒素原子と酸素
または硫黄より選択される1個のヘテロ原子を含有する飽和または不飽和の安定
した5-、6-または7-員の単環式環あるいは7-ないし10-員の二環式環であ り、安定した構造が得られるいずれの原子が置換されていてもよい。そのような
環中の窒素原子は置換されていてもよく、それで四級窒素となっていてもよい。
窒素ヘテロサイクルはいずれか安定な位置でR21、例えばH、C1-4アルコキシ 、F、Cl、Br、I、NO2、NR'2、OH、CO2R'、CONHR'、CF3 、D-C0-4アルキル、D-C1-4アルキル-C1-4アルキル-S(O)u(例えば、uは
0、1または2である)または上記したいずれかの置換基で置換されたC1-4ア ルキルで置換されていてもよい。
【化31】 の例として、ピロリン、ピロリジン、イミダゾール、イミダゾリン、イミダゾリ
ジン、ピラゾール、ピラゾリン、ピラゾリジン、ピペリジン、ピペラジン、モル
ホリン、ピリジン、ピリジニウム、テトラヒドロピリジン、テトラヒドロ-およ びヘキサヒドロ-アゼピン、キヌクリジン、キヌクリジニウム、キノリン、イソ キノリン、ならびにテトラ-およびペルヒドロ-キノリンおよびイソキノリンが挙
げられる。特に、
【化32】 はピリジル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、アゼチジニル、キヌ
クリジニルまたはテトラヒドロピリジニルとすることができる。
【化33】 は好ましくは4-ピリジル、4-(2-アミノ-ピリジル)、4-テトラヒドロピリジ ル、4-ピペリジニルまたは4-ピペラジニルである。
【0031】 RbおよびRcが一緒になって、RbおよびRcが結合する環に縮合した5または
6員の芳香族または非芳香族の環を形成する場合、その形成される環は、一般に
、Hetについて上記した環より選択される5または6員のヘテロサイクルである
か、またはフェニル、シクロヘキシルまたはシクロペンチル環である。ベンズイ
ミダゾリル、4-アザベンズイミダゾリル、5-アザベンズイミダゾリルおよびそ
の置換誘導体が、R4中のWに結合する基についての好ましい部分である。
【0032】 本明細書においては特定の基を略して用いる。t-Buはターシャルブチル基 をいい、Bocはt-ブチルオキシカルボニル基をいい、Fmocはフルオレニ ルメトキシカルボニル基をいい、Phはフェニル基をいい、Cbzはベンジルオ
キシカルボニル基をいい、BrZはo-ブロモベンジルオキシカルボニル基をい い、ClZはo-クロロベンジルオキシカルボニル基をいい、Bnはベンジル基 をいい、4-MBzlは4-メチルベンジル基をいい、Meはメチルをいい、Et
はエチルをいい、Acはアセチルをいい、AlkはC1-4アルキルをいい、Np hは1-または2-ナフチルをいい、cHexはシクロヘキシルをいう。MeAr
gはNα-メチルアルギニンをいう。Tetは5-テトラゾリルをいう。 本明細書においては特定の試薬を略して用いる。DCCはジシクロヘキシルカ
ルボジイミドをいい、DMAPはジメチルアミノピリジンをいい、DIEAはジ
イソプロピルエチルアミンをいい、EDCはN-エチル-N'(ジメチルアミノプロ
ピル)カルボジイミドをいう。HOBtは1−ヒドロキシベンゾトリアゾールを いい、THFはテトラヒドロフランをいい、DMFはジメチルホルムアミドをい
い、NBSはN−ブロモスクシンイミドをいい、Pd/Cは炭素上パラジウム触 媒をいい、DPPAはジフェニルホスホリルアジドをいい、BOPはベンゾトリ
アゾール-1-イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホ
スフェートをいい、HFはフッ化水素酸をいい、PPAはポリリン酸をいい、T
EAはトリエチルアミンをいい、TFAはトリフルオロ酢酸をいい、PCCはク
ロロクロム酸ピリジニウムをいう。
【0033】 式(I)の化合物は、スキームIおよびIIに記載の方法、ならびに本明細書
に記載の方法に類似する方法を用いて調製される。
【化34】 a)H2,Pt2O,1N HCl;b)(Boc)2O、1N NaOH、ジオキサ ン;c)塩化オキサリル、DMSO、Et3N、CH2Cl2;d)アミノメチル ベンズイミダゾール・二塩酸塩、KOH、NaBH3CN、MeOH
【0034】 適宜置換されているピリジルアルコール、例えばI−1(ウィスコンシン州、
ミルウォーキー、アルドリッチ・ケミカル・コーポレイテッド(Aldrich Chemic
al Co.)より入手可能)を、接触水素添加条件下、水性HCL中の酸化白金を用
いて還元し、対応するピペリジニルアルコール、例えばI−2を得る。この型の
変換を達成するための他の有用な方法が、Freifelder、”Practical Catalytic Hydrogenation”、第9章(Wiley-Interscience社版)に記載されている。水性 NaOHおよびジオキサンの混合液中のジ炭酸ジ-t-ブチルと反応させることで
窒素をカルバミン酸t-ブチルI−3として保護する。Swernの一般的方法(J.Or
g.Chem. 1976、41、3329)に従って一級アルコールを対応するアル デヒドI−4に酸化する。一級アルコールを対応するアルデヒドに酸化する別の
多くの方法が開示されており、”Compendium of Organic Synthetic Methods” (Wiley−Interscience社版)などの文献中で見ることができる。Borch(Org.Sy
n. 1972,52、124)の一般的方法に従って、1−4をアミノメチルベ
ンズイミダゾール(Aldrich Chemical Co.より入手可能)で還元アミノ化に付し
、アルギニン模倣物I−5を得る。
【0035】
【化35】 a)EDC,HOBT・H2O、Et3N、DMF;b)1N NaOH、MeO H;c)TFA、CH2Cl2
【0036】 適宜保護されているベンズアゼピンまたはベンゾジアゼピン、例えばII−1
(Bondinellら、PCT出願WO93/00095、1993年1月7日公開お よびBondinellら、PCT出願WO94/14776(1994年7月7日公開 )を、例えば、EDCおよびHOBtを用いて活性化形態に変換し、その後で該
活性化形態を適宜保護されているアルギニン模倣体、例えばI−5(上記にて調
製)と適当な溶媒、例えばDMFまたはCH2Cl2中で反応させる。酸中和を必
要とするかどうかで、塩基の付加、例えばジイソプロピルエチルアミンを用いる
ことができる。II−2のメチルエステルを水性塩基、例えば水性MeOH中の
NaOHを用いて加水分解し、CH2Cl2中のTFAまたはジオキサン中のH
Clなどの強酸を用いてカルバミン酸t−ブチルを除去する。中間のカルボン酸
塩を適当な酸、例えばTFAまたはHClで酸性化し、カルボン酸II−3を得
る。 式(II)の三環状核を、Bondinellら、PCT出願WO97/01540( 1997年1月16日公開)の記載に従って調製する。出典明示によりその開示
を本明細書の一部とする。式(II)の化合物をスキームIIに記載の方法に類
似する方法にて調製する。
【0037】 アミド結合を形成するためのカップリング方法は、一般に、当該分野にて周知
である。Bodanskyら、THE PRACTICE OF PEPTIDE SYNTHESIS、Springer-Verlag、
Berlin、1984、Aliら、J.Med.Chem. 29、984(1986)およびJ.Med
.Chem.、30、2291(1987)に記載のペプチド合成方法は、一般に、そ
の技法を説明するものであって、出典明示により本明細書の一部とする。本明細
書にて用いられるカップリング試薬とはアミド結合の形成に用いることのできる
試薬をいう。典型的なカップリング法はカルボジイミド、活性化無水物およびエ
ステルならびにアシルハライドを用いる。EDC、DCC、DPPA、BOP試
薬、HOBt、N‐ヒドロキシスクシンイミドおよび塩化オキサリルなどの試薬
がその典型である。
【0038】 典型的には、アミンまたはアニリンを、適当なカルボジイミドカップリング剤
、例えば、N,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)を用い、所望に より1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)およびジメチルアミノピリジ
ン(DMAP)などの触媒の存在下、その遊離アミノ基を介して適当なカルボン
酸基質にカップリングさせる。適宜保護された酸基質の遊離カルボキシルの、活
性化エステル、無水物または酸ハロゲン化物を形成し、その後、所望により塩基
の存在下、適宜保護されたアミンの遊離アミンと反応させるなどの他の方法もま
た適当である。例えば、保護されたBoc-アミノ酸またはCbz-アミジノ安息
香酸を、無水溶媒、例えば、塩化メチレンまたはテトラヒドロフラン(THF)
中、塩基、例えばN−メチルモルホリン、DMAPまたはトリアルキルアミンの
存在下、クロロギ酸イソブチルで処理し、「活性化無水物」を形成させ、それを
後で別の保護されたアミノ酸またはアニリンの遊離アミンと反応させる。
【0039】 化合物の酸付加塩は、適当な溶媒中、標準的方法にて親化合物および過剰量の
酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、フッ化水素酸、硫酸、リン酸、酢酸、トリフル
オロ酢酸、マレイン酸、スクシン酸またはメタンスルホン酸より製造される。特
定の化合物は、許容される内部塩または両性イオンを形成する。カチオン性塩は
、親化合物を、適当なカチオンを含有する過剰量のアルカリ性試薬、例えば、水
酸化物、炭酸塩またはアルコキシドで、または適当な有機アミンで処理すること
により調製される。Li+、Na+、K+、Ca++、Mg++およびNH4 +などのカ チオンが医薬上許容される塩中に存在するカチオンの具体例である。
【0040】 本発明はまた、式(I)の化合物と、医薬上許容される担体を有してなる医薬
組成物を提供する。したがって、式(I)の化合物は、医薬の製造にて用いるこ
とができる。上記のように調製した式(I)の化合物の医薬組成物は非経口投与
用の溶液または凍結乾燥散剤として処方できる。散剤は使用前に適当な希釈剤ま
たは他の医薬上許容される担体を添加することにより復元できる。液体処方は緩
衝された等張水溶液とすることができる。適当な希釈剤は、例えば、等張生理食
塩水溶液、水中5%デキストロース標準液または緩衝化酢酸ナトリウムまたはア
ンモニウム溶液である。かかる処方は、特に非経口投与に適しているが、経口投
与にて用いてもよく、あるいは吸入用の計量吸入器または噴霧器に入れることも
できる。ポリビニルピロリドン、ゼラチン、ヒドロキシセルロース、アカシア、
ポリエチレングリコール、マンニトール、塩化ナトリウムまたはクエン酸ナトリ
ウムのような賦形剤を添加することが望ましい。
【0041】 また、これらの化合物は、カプセル化し、錠剤化し、または経口投与用のエマ
ルジョンまたはシロップにて調製することもできる。医薬上許容される固体また
は液体担体を添加して組成物を亢進または安定化させ、または組成物の調製を容
易にしてもよい。固体担体は、澱粉、ラクトース、硫酸カルシウム・二水和物、
白土、ステアリン酸マグネシウムまたはステアリン酸、タルク、ペクチン、アカ
シア、寒天またはゼラチンを包含する。液体担体は、シロップ、落花生油、オリ
ーブ油、セイラインおよび水を包含する。担体はまた、モノステアリン酸グリセ
リルまたはジステアリン酸グリセリルなどの徐放性物質を単独でまたはワックス
と共に含んでいてもよい。固体担体の量は変化するが、好ましくは、投与単位当
たり約20mgないし約1gである。医薬調製物は、必要ならば、錠剤形の場合
、粉砕、混合、顆粒化および圧縮を、または、ハードゼラチンカプセル形の場合
、粉砕、混合および充填を包含する通常の製薬技術にしたがって製造される。液
体担体を用いる場合、調製物はシロップ、エレキシル、エマルジョンまたは水性
もしくは非水性懸濁液の形態である。かかる液体処方は、直接的に経口投与して
もよく、またはソフトゼラチンカプセルに充填してもよい。 経直腸投与の場合、本発明の化合物をさらに、カカオ脂、グリセリン、ゼラチ
ンまたはポリエチレングリコールのような賦形剤と合し、坐剤に成型することが
できる。
【0042】 ビトロネクチン受容体のアンタゴニストである本明細書に記載の化合物は、基
礎となる病状がビトロネクチン受容体と相互作用するリガンドまたは細胞に原因
があると考えられる疾患の治療に有用である。例えば、これらの化合物は骨マト
リックスの喪失が病因である疾患の治療にて有用である。かくして、本発明の化
合物は、骨粗鬆症、上皮小体機能亢進症、パジェット病、悪性高カルシウム血症
、固定または性ホルモン不足による骨転移、骨喪失により誘起される骨溶解性病
変の治療に有用である。本発明の化合物はまた、抗腫瘍、抗炎症、抗血管形成、
および抗転移剤としての有用性があり、癌、アテローム性動脈硬化症および再狭
窄の治療にて有用であると考えられる。特に、本発明の化合物は、血管形成後の
再狭窄の阻害に有用である。
【0043】 フィブリノーゲン結合を阻害する本発明の化合物は、哺乳動物、特にヒトにお
ける血小板凝集および血餅形成の阻害方法であって、式(I)の化合物および医
薬上許容される担体を内部投与することを特徴とする方法を提供する。かかる療
法の適用症は急性心筋梗塞(AMI)、深部静脈血栓症、肺塞栓症、解離性動脈
瘤、一過性虚血性卒中(TIA)、発作および他の梗塞関連障害および不安定狭
心症を包含する。高凝集性(hyper-aggregability)の慢性または急性疾患、例 えば解離性血管内凝固(DIC)、敗血症、外科的または感染性ショック、術後
および分娩後外傷、心肺バイパス手術、血液型不適合輸血、胎盤剥離、血栓性血
小板減少性紫斑病(TTP)、蛇毒および免疫病もかかる治療に関連していると
考えられる。加えて、本発明の化合物は、転移症状の予防、免疫刺激を誘発する
真菌または細菌感染の予防または治療、鎌状型赤血球症の治療および骨吸収が原
因である疾患の予防または治療方法にて有用である
【0044】 本発明はさらに、線維素溶解療法後の動脈または静脈の再閉塞を阻害する方法
であって、式(I)の化合物および線維素溶解剤を内部投与することからなる方
法を提供する。線維素溶解療法における式(I)の化合物の投与は、再閉塞を完
全に防止するかまたは再閉塞に至るまでの時間を延長させるかのいずれかである
。本明細書中に用いる場合の、線維素溶解剤なる語は、フィブリンクロットの溶
解を直接または間接的に惹起する天然のまたは合成生成物であるいずれの化合物
をも意味するものである。プラスミノーゲン活性化剤はよく知られている一群の
線維素溶解剤である。有用なプラスミノーゲン活性化剤は、例えば、アニストレ
プラーゼ、ウロキナーゼ(UK)、プロウロキナーゼ(pUK)、ストレプトキ
ナーゼ(SK)、組織プラスミノーゲン活性化因子(tPA)およびその変異体
または変種を包含する。 本発明の化合物はまた、例えば、貯蔵または診断もしくは研究的使用における
エクスビボでの操作のために、血液および血液産物中でのインビトロにおける血
小板の凝集を阻害するのに用いることができる。
【0045】 該化合物は、薬物の濃度が骨吸収を阻害するか、または血小板凝集もしくは他
の適用症を阻害するのに十分なように、経口または非経口のいずれかで患者に投
与される。該化合物含有の医薬組成物は、患者の症状に合わせて、約0.1ない し約50mg/kgの経口用量で投与される。好ましくは、経口用量は約0.5 ないし約20mg/kgである。緊急の治療の場合、非経口投与が好ましい。該
化合物の水または生理食塩水中5%デキストロース中静脈内注入液、または適当
な賦形剤を含む同様の処方が最も効果的であるが、筋肉内ボーラス注射も有用で
ある。典型的には非経口用量は約0.01ないし約100mg/kg;好ましく は0.1ないし20mg/kgである。該化合物を、約0.4ないし約400mg
/kg/日の全日用量が得られるレベルで一日に1ないし4回投与する。化合物
を投与する正確なレベルおよび方法は、薬剤の血中濃度を治療効果を得るのに必
要な濃度と比較することにより当業者に慣用されている方法により容易に決定さ
れる。 所定の薬理作用を得るのに必要な化合物の濃度を測定するための数種の生物学
的アッセイのうち一のアッセイで化合物を試験する。
【0046】 ビトロネクチン結合の阻害 αvβ3への固相[3H]−SK&F−107260結合:緩衝液T(2mM塩化 カルシウムおよび1%オクチルグルコシド含有)中のヒト胎盤またはヒト血小板
αvβ3(0.1−0.3mg/ml)を1mM塩化カルシウム、1mM塩化マンガ
ン、1mM塩化マグネシウム(緩衝液A)および0.05% NaN3含有緩衝液 Tで希釈し、次いで速やかに96ウェルELISAプレート(Corning,New Yor
k,NY)にウェルあたり0.1mlで加えた。ウェルあたり0.1−0.2μgの
αvβ3を加えた。プレートを4℃で一晩インキュベートした。実験時にウェルを
緩衝液Aで1回洗浄し、同じ緩衝液中室温で1時間、3.5% ウシ血清アルブミ
ン0.1mlと共にインキュベートした。インキュベートした後、ウェルを完全 に吸引し、0.2mlの緩衝液Aで2回洗浄した。
【0047】 化合物を100%DMSOに溶解して2mMの保存溶液を得、それを結合緩衝
液(15mMトリス−HCl(pH7.4)、100mM塩化ナトリウム、1m M塩化カルシウム、1mM塩化マンガン、1mM塩化マグネシウム)で希釈し、
100μMの最終化合物濃度とした。次いでこの溶液を所望の最終化合物濃度に
希釈した。種々の濃度の非標識アンタゴニスト(0.001−100μM)を三 重試験にてウェルに加え、次いで5.0nMの[3H]−SK&F−107260(
65−86Ci/ミリモル)を加えた。
【0048】 そのプレートを室温で1時間インキュベートした。インキュベートした後、ウ
ェルを完全に吸引し、ウェルからウェルの方法で、0.2mlの氷冷緩衝液Aで 1回洗浄した。受容体を0.1mLの1%SDSで可溶化し、40%効率のBeckm
an LS液体シンチレーションカウンターにて、3mlのレディー・セーフ(Rea
dy Safe)を加える液体シンチレーションカウント法により結合した[3H]−SK
&F−107260を測定した。2μM SK&F−107260の存在下で[3 H]−SK&F−107260の非特異的結合を測定し、それは一貫して全放射 性リガンドインプットの1%よりも小さかった。LUNDON−2プログラムを
修飾された非線形最小二乗曲線適合慣用操作により、IC50([3H]−SK&F −107260の結合を50%阻害するアンタゴニスト濃度)を決定した。等式
:Ki=IC50/(1+L/Kd)(ここでLおよびKdは各々[3H]−SK&F−
107260の濃度および解離定数である)に従ってKi(アンタゴニストの解 離定数)を算定した。 本発明の化合物は約4ないし約25nMの濃度範囲でSK&F−107260
へのビトロネクチン結合を阻害する。
【0049】 RGD媒介のαIIbβ3結合の阻害 αIIbβ3の精製 3%オクチルグルコシド、20mMトリス−HCl、pH7.4、140mM NaCl、2mM CaCl2中4℃で2時間穏やかに攪拌して、日数を経た洗浄
ヒト血小板(赤十字より入手)10単位を溶解させた。溶解産物を100000
gで1時間遠心分離に付した。20mMトリス−HCl、pH7.4、100m MNaCl、2mMCaCl2、1%オクチルグルコシド(緩衝液A)で予め平 衡にした5mlのレンチル・レクチン・セファロース4Bカラム(E.Y.Labz)に
得られた上澄を加えた。2時間インキュベートした後、50mlの冷緩衝液Aで
カラムを洗浄した。10%デキストロース含有緩衝液Aでレクチン保持のαIIb β3を溶出した。全操作を4℃で実施した。SDSポリアクリルアミドゲル電気 泳動により、得られたαIIbβ3は純度が95%よりも大きかった。
【0050】 リポソーム中のαIIbβ3の取り込み 窒素流下ガラス試験管壁にホスファチジルセリン(70%)およびホスファチ
ジルコリン(30%)の混合物(Avanti Polar Lipids)を乾燥させた。精製α IIbβ3を最終濃度0.5mg/mlに希釈し、蛋白:リン脂質の比率1:3 (重量:重量)にてリン脂質と混合した。混合物を再び懸濁させ、ソニケーター
浴中で5分間超音波処理した。次いで12000−14000分子量を分離する
透析管を用いて、1000倍過剰の50mMトリス−HCl、pH7.4、10 0mMNaCl、2mM CaCl2(2回交換する)に対して一晩混合物を透析
した。αIIbβ3含有リポソームを12000gで15分間遠心分離に付し、透析
緩衝液に最終蛋白濃度約1mg/mlにて再び懸濁させた。必要とするまでリポ
ソームを−70℃で保存した。
【0051】 αIIbβ3への競合結合 RGD型リガンドとして[3H]−SK&F−107260を用いる間接的競合 結合法によりフィブリノーゲン受容体(αIIbβ3)への結合をアッセイした。0
.22μmの親水性デュラポア(durapore)膜を用いて96ウェル濾過プレート アセンブリー(マサチューセッツ州、ベッドフォード、Millipore Corporation )にて結合アッセイを行った。10μg/mlのポリリジン(ミズリー州、セン
トルイス、Sigma Chemical Co.)0.2mlを用いて室温にて1時間、ウェルを 予め被覆し、非特異的結合を遮断した。種々の濃度の非標識ベンズアゼピンをウ
ェルに四重試験にて加えた。[3H]−SK&F−107260を最終濃度4.5n
Mにて各ウェルに加え、つづいて1μgの精製血小板αIIbβ3含有リポソームを
加えた。混合物を室温で1時間インキュベートした。ミリポア(Millipore)濾 過マニホルドを用いて濾過することによりαIIbβ3結合[3H]−SK&F−10 7260をその非結合化合物から分離し、つづいて氷冷緩衝液で洗浄した(各々
0.2mlで2回行った)。40%効率のベックマン(Beckman)液体シンチレー
ションカウンター(LS6800モデル)にて、1.5mlのレディー・ソルブ (Ready Solve)(カリフォルニア州、フラートン、Beckman Instruments)中フ
ィルターに残った結合放射活性を計数した。2μM非標識SK&F−10726
0の存在下で非特異的結合を測定し、それは一貫してサンプルに加えた全放射活
性の0.14%よりも小さかった。全データは四重試験の平均値を示す。
【0052】 非線形最小二乗曲線適合法により競合結合データを分析した。この方法により
アンタゴニストのIC50(平衡時に[3H]−SK&F−107260の特異的結 合を50%まで阻害するアンタゴニスト濃度)が得られる。IC50はChengおよ びPrusoffの等式:Ki=IC50/(1+L/Kd)(ここでLは競合結合アッセ イに用いた[3H]−SK&F−107260の濃度(4.5nM)であり、Kdは スカッチャード分析(Scatchard analysis)により決定される、4.5nMの[3 H]−SK&F−107260の解離定数である)に基づくアンタゴニストの平 衡解離定数(Ki)と関連している。 本発明の化合物は、約8ないし約55nMのKiで[3H]−SK&F−107
260結合を阻害する。
【0053】 血小板凝集の阻害はWO93/00095(PCT/US92/05463)
に記載の方法により測定することができる。インビボにおける血栓形成を、Aike
nら、Prostaglandins、19、620(1980)に記載の方法に従って麻酔処 理したイヌにペプチドを注入する系統的および血流学的作用を記録することで測
定する。
【0054】 血管平滑筋細胞移動アッセイ 典型的には血管形成後に生じるような、動脈の再狭窄を阻害する能力を評価す
るために、動脈または静脈における平滑筋組織の移動および増殖を阻害する能力
について本発明の化合物を試験した・ ラットまたはヒト大動脈平滑筋細胞を用いた。8μmの孔を有するポリカーボ
ネート膜(Costar)を用いて、トランスウェル(Transwell)細胞培養チャンバ ー中での細胞移動をモニター観察した。フィルターの下部表面をビトロネクチン
で被覆した。0.2%ウシ血清アルブミンを補充したDMEM中に2.5−5.0 x106個の細胞/mlの濃度で細胞を懸濁させ、種々の濃度の試験化合物と2 0℃で20分間前処理した。対照として溶媒を単独で用いた。チャンバー上部コ
ンパートメントに0.2mlの細胞懸濁液を入れた。下部コンパートメントは0.
2%ウシ血清アルブミンを補充したDMEM0.6mlを含有した。95%空気 /5%CO2の環境下で37℃で24時間インキュベートした。インキュベート した後、フィルターの上部表面の非移動細胞を穏やかに削り落して除去した。次
いでフィルターをメタノール中に固定し、10%ギエムサ色素で染色した。a)
フィルターの下部表面に移動した細胞の数を計数するか、またはb)10%酢酸
で染色細胞を抽出し、つづいて600nMで吸光度を測定することにより移動を
測定した。
【0055】 式(I)の化合物の腫瘍増殖を阻害する効能をいくつかの移植可能なマウス腫
瘍実験を用いて測定することができる。これらの実験の詳細については米国特許
第5004758号および第5633016号を参照のこと。 以下の実施例は、本発明の範囲を何ら限定するものではなく、本発明の化合物
の製造および使用方法を提供するものである。他の多くの具体例は当業者にとっ
て自明であり、利用することができる。
【0056】 (実施例) 一般的事項 核磁気共鳴スペクトルはBrukerAM250またはBruckerAC4
00スペクトロメーターのいずれかを用いて得た。化学シフトは内部標準体テト
ラメチルシランからの低磁場における百万分の値(δ)にて報告する。質量スペ
クトルは、高速原子衝撃(FAB)または電子噴射(ES)イオン化技法を用い
るVG70FEまたはVGZABHF装置のいずれかで行った。元素分析はニュ
ージャージー州、ホワイトハウス、Quantitative Technologies Inc.で行った。 Analtech Silica Gel GFおよびE.Merck Sili
ca Gel 60F−254薄層プレートを薄層クロマトグラフィーに用いた。
フラッシュクロマトグラフィーをE.Merck Kieselgel60(23
0−400メッシュ)シリカゲルで行った。分析用および分取用HPLCをBe
ckmanクロマトグラフで行った。PRP−1(登録商標)はポリマー(スチ
レン−ジビニルベンゼン)クロマトグラフ支持体であり、ネバダ州、レノ、Hami
lton Co.の登録商標である。
【0057】 実施例1 (S)-7-[[N-4-ピペリジニルエチル-N-(1H-ベンズイミダゾール-2-イル メチル)]アミノカルボニル]-2,3,4,5-テトラヒドロ-4-メチル-3-オキソ- 1H-1,4-ベンゾジアゼピン-2-酢酸の調製 a)N-t-ブトキシカルボニル-4-(2-ヒドロキシエチル)ピペリジン パール(Parr)水素化装置中にある4-(2-ヒドロキシエチル)ピリジン(1. 00g、8.12ミリモル)の1N HCl(10mL)中溶液に、Pt2O(10 mg)を添加した。その混合物を50psiで7時間水素化に付した。水素を排
出した後、セライトを介する濾過により触媒を除去し、そのセライトをH2O( 10mL)でリンスした。合した濾液を濃縮し、粗4-(2-ヒドロキシエチル)ピ
ペリジンを得た。MS(ES+)m/z129.9(M+H+)。
【0058】 上記で得られた粗生成物をジオキサン(25mL)および1N NaOH(25
mL)の混合物に溶かした。得られた溶液を0℃に冷却し、ジ炭酸ジ-t-ブチル
(2.12g、9.71ミリモル)を加えた。反応物を室温に加温し、一夜攪拌し
た後、EtOAc(3x50mL)で抽出した。合した有機抽出液をブライン(5
0mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させた。濃縮して淡黄色油(1.56g)
を得、それをラジアルクロマトグラフィー(30%ないし50%の勾配のEtO Ac/ヘキサン溶媒、シリカゲル、6mmプレート)に付して無色油として所望 の物質1.38g(74%)を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)d 4.
10(ブロードなs、2H)、3.70(dd、J=11.8,6.4Hz、2H)
、2.58(m、2H)、1.70
【0059】 b)2-(4-N-t-ブトキシカルボニルピペリジン)アセトアルデヒド 塩化オキサリル(0.53mL、6.07ミリモル)およびDMSO(0.86 mL、12.1ミリモル)の−78℃でのCH2Cl2(15mL)中溶液に、N- t-ブトキシカルボニル-4-(2-ヒドロキシエチル)ピペリジン(1.38g、6.
03ミリモル)の溶液を速やかに添加した。反応物を30分間で−15℃にまで
加温した。Et3N(1.68mL、12.0ミリモル)をこの溶液に加え、反応物
を加温し、室温で3時間維持した。飽和NaHCO3(10mL)に注ぎ、CH2 Cl2(3x15mL)で抽出して反応物をクエンチした。合した有機抽出液をN
a2SO4で乾燥させ、濃縮して淡緑色油(1.42g)を得た。ラジアルクロマト
グラフィー(50%EtOAc/ヘキサン、シリカゲル、6mmプレート)に付し
て精製し、所望の生成物(1.08g、79%)を淡黄色油として得た。1H N MR(400MHz、CDCl3)d 9.79(s、1H)、4.10(m、2H) 、2.70(m、2H)、2.38(d、J=6.7Hz、2H)、2.10(m、 2H)、1.70(m、2H)、1.45(s、9H)、1.15(m、2H)。
【0060】 c)N-[(4-N-t-ブトキシカルボニルピペリジニルエチル)-N-(1H-ベンズ イミダゾール-2-イルメチル)]アミン アミノメチルベンズイミダゾール・二塩酸塩(1.31g、5.95ミリモル)
のMeOH(8mL)中混合液に、KOH(0.67g、11.9ミリモル)を添 加した。KOHが溶けたならば、2-(4-N-t-ブトキシカルボニルピペリジン)
アセトアルデヒド(1.08g、4.76ミリモル)のMeOH(4mL)中溶液 を加えた。室温で15分間経過した後、NaCNBH3(0.10g、1.59ミリ
モル)を少しずつ添加した。反応を8時間行い、ついで濃縮して黄色残基を得た
。ラジアルクロマトグラフィー(10%MeOH/CHCl3、シリカゲル、6m mプレート)に付して所望の生成物(0.76g、45%)を淡黄色油として得 た。MS(ES+)m/z359.3(M+H+)。
【0061】 d)(S)-7-[[N-(4-N-t-ブトキシカルボニルピペリジニルエチル)-N-(1
H-ベンズイミダゾール-2-イルメチル)]アミノカルボニル]-2,3,4,5-テト ラヒドロ-4-メチル-3-オキソ-1H-1,4-ベンゾジアゼピン-2-酢酸メチルエ
ステル N-[(4-N-t-ブトキシカルボニルピペリジニルエチル)-N-(1H-ベンズイ ミダゾール-2-イルメチル)]アミン(0.66g、1.84ミリモル)、(S)-7
-カルボキシ-2,3,4,5-テトラヒドロ-3-オキソ-4-メチル-1H-1,4-ベン
ゾジアゼピン-2-酢酸メチル(0.54g、1.85ミリモル)、EDC(0.5 3g、2.76ミリモル)、HOBT(0.38g、2.81ミリモル)およびEt 3 N(1.30mL、9.33ミリモル)をDMF(20mL)中に合し、室温で 3日間攪拌した。溶媒を蒸発させ、生成物をラジアルクロマトグラフィー(5%
MeOH/CHCl3、シリカゲル、6mmプレート)で単離し、次工程で実施す るのに1H NMRで十分に純度が高いと考えられる生成物(1.06g)を得た 。MS(ES+)m/z633.3(M+H+)。
【0062】 e)(S)-7-[[N-4-ピペリジニルエチル-N-(1H-ベンズイミダゾール-2- イルメチル)]アミノカルボニル]-2,3,4,5-テトラヒドロ-4-メチル-3-オキ
ソ-1H-1,4-ベンゾジアゼピン-2-酢酸 (S)-7-[[N-(4-N-t-ブトキシカルボニルピペリジニルエチル)-N-(1H
-ベンズイミダゾール-2-イルメチル)]アミノカルボニル]-2,3,4,5-テトラ ヒドロ-4-メチル-3-オキソ-1H-1,4-ベンゾジアゼピン-2-酢酸メチルエス
テル(1.06g、1.68ミリモル)のEtOH(5mL)中混合液に、1N N
aOH(5mL、5ミリモル)を加えた。室温で4時間攪拌した後、反応物を1 N HClでpH3にまで酸性にし、溶媒を蒸発させた。残渣をトルエンから共沸
混合処理に付し、生成物を淡黄色泡沫体として得た。これをさらに精製すること
なく粗製物のまま保持した。MS(ES+)m/z619.2(M+H+)。
【0063】 上記の得られた粗製物の酸をCH2Cl2(10mL)およびTFA(10mL )に溶かした。室温で2時間経過した後、減圧下で溶媒を除去し、灰白色泡沫体
を得た。フラッシュクロマトグラフィー(逆相シリカゲル、段階的勾配:H2O +0.1%TFA、5%CH3CN/H2O+0.1%TFA,10%CH3CN/ H2O+0.1%TFA、20%CH3CN/H2O+0.1%TFA)に付して、 所望の生成物(0.38g)を白色綿毛状固体として得、それをHPLC分析に より精製した。MS(ES+)m/z 519.4(M+H+)。元素分析(C283464・2CF3CO2H・2H2Oとして)計算値(%):C,49.11;H,5
.15;N,10.74;測定値(%):C,49.26;H,5.00;N,10.5 9。
【0064】 実施例2 (S)-7-[[N-4-ピペリジニルプロピル-N-(1H-ベンズイミダゾール-2-イ ルメチル)]アミノカルボニル]-2,3,4,5-テトラヒドロ-4-メチル-3-オキソ
-1H-1,4-ベンゾジアゼピン-2-酢酸の調製 a)N-t-ブトキシカルボニル-4-(3-ヒドロキシプロピル)ピペリジン 実施例1(a)と同様にして、4-ピリジンプロパノール(2.21g、15. 5ミリモル)より所望の生成物(3.97g)を得、それをさらに精製すること なく、使用した。1H NMR(250MHz、CDCl3)d 4.10(m、2H)
、3.60(m、2H)、2.65(m、2H)、1.70−1.00(m、9H)
、1.45(s、9H)。
【0065】 b)3-(4-N-t-ブトキシカルボニルピペリジン)プロパナール 実施例(b)と同様にして、N-t-ブトキシカルボニル-4-(3-ヒドロキシプ
ロピル)ピペリジン(1.00g、4.11ミリモル)より、フラッシュクロマト グラフィー(20%ないし50%EtOAc/ヘキサン、シリカゲル)に付した後
に透明油として所望の生成物(0.68g)を得た。1H NMR(250MHz、
CDCl3)d 9.78(s、1H)、4.09(m、2H)、2.66(m、2H )、2.47(m、2H)、1.70−1.35(m、5H)、1.45(s、9H
)、1.10(m、2H)。
【0066】 c) N-[(4-N-t-ブトキシカルボニルピペリジニルプロピル)-N-(1H-ベン ズイミダゾール-2-イルメチル)]アミン 実施例1(c)と同様にして、3-(4-N-t-ブトキシカルボニルピペリジン)
-プロパナール(0.12g、0.50ミリモル)、アミノメチルベンズイミダゾ ール・二塩酸塩(0.14g、0.64ミリモル)、KOH(0.07g、1.25
ミリモル)およびNaCNBH3(12.0mg、0.19ミリモル)より、フラッ
シュクロマトグラフィー(5%MeOH/CHCl3、シリカゲル)に付した後に 淡黄色油として所望の生成物(0.05g)を得た。 MS(ES+)m/z 3 73.4(M+H+)。
【0067】 c)(S)-7-[[N-(4-N-t-ブトキシカルボニルピペリジニルプロピル)-N-(
1H-ベンズイミダゾール-2-イルメチル)]アミノカルボニル]-2,3,4,5-テ トラヒドロ-4-メチル-3-オキソ-1H-1,4-ベンゾジアゼピン-2-酢酸メチル
エステル 実施例1(d)と同様にして、N-[(4-N-t-ブトキシカルボニルピペリジニ
ル-プロピル)-N-(1H-ベンズイミダゾール-2-イルメチル)]アミン(0.05 g、0.13ミリモル)、(S)-7-カルボキシ-2,3,4,5-テトラヒドロ-3- オキソ-4-メチル-1H-1,4-ベンゾジアゼピン-2-酢酸メチル(0.04g、 0.13ミリモル)、EDC(0.04g、0.21ミリモル)、HOBT(0.0
3g、0.22ミリモル)およびEt3N(0.09mL、0.64ミリモル)より 、フラッシュクロマトグラフィー(5%MeOH/CHCl3、シリカゲル)に付 した後に所望の生成物(0.14g)を得た。MS(ES+)m/z 647.5 (M+H+)。
【0068】 e)(S)-7-[[N-4-ピペリジニルプロピル-N-(1H-ベンズイミダゾール-2
-イルメチル)]アミノカルボニル]-2,3,4,5-テトラヒドロ-4-メチル-3-オ キソ-1H-1,4-ベンゾジアゼピン-2-酢酸 実施例1(e)と同様にして、(S)-7-[[N-(4-N-t-ブトキシカルボニル
-ピペリジニルプロピル)-N-(1H-ベンズイミダゾール-2-イルメチル)]アミノ
カルボニル]-2,3,4,5-テトラヒドロ-4-メチル-3-オキソ-1H-1,4-ベン
ゾジアゼピン-2-酢酸メチルエステル(0.12g、0.19ミリモル)より、フ
ラッシュクロマトグラフィー(段階的勾配:H2O+0.1%TFA;5%CH3 CN/H2O+0.1%TFA;10%CH3CN/H2O+0.1%TFA、逆相 シリカゲル)に付した後に白色固体として所望の生成物(63.5mg)を得た 。MS(ES+)m/z 533.5(M+H+)。元素分析(C293664・ 2CF3CO2H・2H2Oとして)計算値(%):C,49.75;H,5.31; N,10.55;測定値(%):C,49.64;H,4.92;N,10.24。
【0069】 実施例3 (S)-7-[[N-(4-ピペリジニルプロピル)-N-(1H-4,5,6,7-テトラヒド ロベンズイミダゾール-2-イルメチル)]アミノカルボニル]-2,3,4,5-テトラ
ヒドロ-4-メチル-3-オキソ-1H-1,4-ベンゾジアゼピン-2-酢酸 a)3-(4-ピリジン)プロパナール 実施例1(b)と同様にして、4-ピリジンプロパノール(1.76g、12. 8ミリモル)、DMSO(2.73mL、38.5ミリモル)、塩化オキサリル(
1.68mL、19.3ミリモル)およびEt3N(8.86mL、63.5ミリモル
)より、暗色残渣として所望の生成物(1.66g)を得、それをさらに精製す ることなく用いた。MS 136.0(M+H+)。
【0070】 b)N-[(4-ピリジニルプロピル)-N-(1H-ベンズイミダゾール-2-イルメチ ル)]アミン 実施例1(c)と同様にして、3-(4-ピリジン)プロパナール(1.66g、 12.3ミリモル)、アミノメチルベンズイミダゾール・二塩酸塩(3.38g、
15.4ミリモル)、KOH(1.90g、33.9ミリモル)およびNaCNBH 3 (0.26g、4.14ミリモル)より、フラッシュクロマトグラフィー(10 %ないし15%MeOH/EtOAc、シリカゲル)に付した後に透明油として所 望の生成物(1.97g)を得た。MS(ES+)m/z 267.4(M+H+
【0071】 c)(S)-7-[[N-(4-ピリジニルプロピル)-N-(1H-ベンズイミダゾール-2
-イルメチル)]アミノカルボニル]-2,3,4,5-テトラヒドロ-4-メチル-3-オ キソ-1H-1,4-ベンゾジアゼピン-2-酢酸メチルエステル 実施例1(d)と同様にして、N-[(4-ピリジニルプロピル)-N-(1H-ベン ズイミダゾール-2-イルメチル)]アミン(0.41g、1.54ミリモル)、(S
)-7-カルボキシ-2,3,4,5-テトラヒドロ-3-オキソ-4-メチル-1H-1,4-
ベンゾジアゼピン-2-酢酸メチル(0.38g、1.30ミリモル)、EDC(0
.38g、1.98ミリモル)、HOBT(0.27g、1.99ミリモル)および
Et2N(0.90mL、6.46ミリモル)より、フラッシュクロマトグラフィー
(10%MeOH/CHCl3、シリカゲル)に付した後に透明油として所望の生 成物(0.73g)を得た。MS(ES+)m/z 541.5(M+H+)。
【0072】 d)(S)-7-[[N-(4-ピペリジニルプロピル)-N-(1H-4,5,6,7-テトラ ヒドロベンズイミダゾール-2-イルメチル)]アミノカルボニル]-2,3,4,5-テ
トラヒドロ-4-メチル-3-オキソ-1H-1,4-ベンゾジアゼピン-2-酢酸メチル
エステル Parr水添装置に、MeOH(1mL)中の(S)-7-[[N-(4-ピリジニルプロ ピル)-N-(1H-ベンズイミダゾール-2-イルメチル)]アミノカルボニル]-2,3
,4,5-テトラヒドロ-4-メチル-3-オキソ-1H-1,4-ベンゾジアゼピン-2- 酢酸メチルエステル(0.10g、0.18ミリモル)、1N HCl(0.18m L)およびPtO2(10mg)を入れた。その物質を40psiおよび室温で8
時間水素添加した。水素を脱気し、触媒を濾過で除去した後、溶媒を減圧下で蒸
発させ、白色固体として所望の生成物(0.09g)を得た。この物質をさらに 精製することなく次工程に用いた。MS(ES+)m/z 551.5(M+H+ )。
【0073】 e)(S)-7-[[N-(4-ピペリジニルプロピル)-N-(1H-4,5,6,7-テトラ ヒドロベンズイミダゾール-2-イルメチル)]アミノカルボニル]-2,3,4,5-テ
トラヒドロ-4-メチル-3-オキソ-1H-1,4-ベンゾジアゼピン-2-酢酸 EtOH(3mL)中の粗製(S)-7-[[N-(4-ピペリジニルプロピル)-N-( 1H-4,5,6,7-テトラヒドロベンズイミダゾール-2-イルメチル)]アミノカ ルボニル]-2,3,4,5-テトラヒドロ-4-メチル-3-オキソ-1H-1,4-ベンゾ
ジアゼピン-2-酢酸メチルエステル(0.09g、0.16ミリモル)に、1N NaOH(0.54mL)を加えた。室温で7時間攪拌した後、反応混合物を1N HClを用いて酸性(pH=3)にし、濃縮して白色残渣を得た。EtOHでト リチュレートし、白色沈殿物の生成物を得、それを集め、真空下で乾燥させて白
色固体の所望の生成物(0.05g)を得た。MS(ES+)m/z 537.5(M
+H+)。
【0074】 実施例4 (+/−)-2,3,4,5-テトラヒドロ-3-オキソ-8-[[N-4-ピペリジニルプロ
ピル-N-(1H-ベンズイミダゾール-2-イルメチル)]アミノカルボニル]-2-メ チル-1H-2-ベンズアゼピン-4-酢酸 a)(+/−)-2,3,4,5-テトラヒドロ-3-オキソ-8-[[N-(4-N-t-ブト キシカルボニルピペリジニルプロピル-N-(1H-ベンズイミダゾール-2-イルメ
チル)]アミノカルボニル]-2-メチル-1H-2-ベンズアゼピン-4-酢酸メチルエ
ステル 実施例1(d)と同様にして、N-[(4-N-t-ブトキシカルボニルピペリジニ
ル-プロピル)-N-(1H-ベンズイミダゾール-2-イルメチル)]アミン(0.14 g、0.38ミリモル)、(+/−)-メチル2,3,4,5-テトラヒドロ-3-オキ ソ-8-カルボキシ-2-メチル-1H-2-ベンズアゼピン-4-アセテート(0.12
g、0.41ミリモル)、EDC(0.11g、0.57ミリモル)、HOBT( 0.08g、0.59ミリモル)およびEt3N(0.26mL、1.87ミリモル)
より、ラジアルクロマトグラフィー(10%MeOH/EtOAc、シリカゲル、 2mmプレート)に付した後に所望の生成物(0.19g)を得た。MS(ES +)m/z 646.5(M+H+)。
【0075】 b)(+/−)-2,3,4,5-テトラヒドロ-3-オキソ-8-[[N-4-ピペリジニル
プロピル-N-(1H-ベンズイミダゾール-2-イルメチル)]アミノカルボニル]-2
-メチル-1H-2-ベンズアゼピン-4-酢酸 実施例1(e)と同様にして、(+/−)-2,3,4,5-テトラヒドロ-3-オキ
ソ-8-[[N-(4-N-t-ブトキシカルボニルピペリジニルプロピル-N-(1H-ベ ンズイミダゾール-2-イルメチル)]アミノカルボニル]-2-メチル-1H-2-ベン
ズアゼピン-4-酢酸メチルエステル(0.19g、0.29ミリモル)より、逆相
フラッシュクロマトグラフィー(段階的勾配:H2O+0.1%TFA、ついで3
0%CH3CN/H2O+0.1%TFA、Analytichem Bond-Elut C-8 カラム、
50mLサイズ)に付した後に白色泡沫体の所望の生成物(0.23g)を得た 。MS(ES+)m/z 532.4(M+H+)。元素分析(C303754・ 2CF3CO2H・2H2Oとして)計算値(%):C,51.32;H,5.45; N,8.80;測定値(%):C,51.24;H,5.15;N,8.47。
【0076】 実施例5 経口投与単位組成物 経口投与用錠剤を、シュークロース20mg、硫酸カルシウム・二水和物15
0mgおよび実施例1の化合物50mgを10%ゼラチン溶液と一緒に混合し、
顆粒状とすることで調製する。この湿った顆粒をスクリーンに付し、乾燥させ、
澱粉10mg、タルク5mgおよびステアリン酸3mgと混合し、打錠する。
【0077】 上記の内容は本発明の製法および使用法を十分に開示するものである。しかし
、本発明は上記した特定の具体例に限定されるものではなく、そのあらゆる修飾
を以下の請求の範囲に含むものである。本明細書に列挙する種々の定期刊行物、
特許および他の刊行物などの文献は当該分野における現状を構成するものであり
、十分に開示されているとしても、その内容を出典明示により本明細書の一部と
する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07D 267/14 C07D 267/14 281/10 281/10 C 403/14 403/14 (81)指定国 EP(CY,DE,DK,ES, FI,FR,GB,GR,IE,IT,LU,MC,N L,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG,CI ,CM,GA,GN,GW,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(GH,GM,KE,LS,MW,S D,SZ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AU,BA,BB,BG ,BR,CA,CN,CZ,EE,GE,HU,ID, IL,IS,JP,KP,KR,LC,LK,LR,L T,LV,MG,MK,MN,MX,NO,NZ,PL ,RO,SG,SI,SK,SL,TR,TT,UA, US,UZ,VN,YU (72)発明者 ジェイムズ・マーティン・サマネン アメリカ合衆国19460ペンシルベニア州フ ェニックスビル、ジャグ・ハロー・ロード 145番 Fターム(参考) 4C036 AB03 AB05 AB10 AB12 AB16 AB17 AB20 4C056 AA03 AB01 AC03 AD03 AE02 FA17 FB05 FC02 4C063 AA03 BB09 CC37 DD10 DD12 EE01 4C086 AA01 AA02 AA03 BC56 GA07 GA08 GA16 MA01 MA02 MA03 MA04 MA05 NA14 ZA45 ZA54 ZC41 ZC48

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I)または(II): 【化1】 [式中、 AはNR'、CHR'、OまたはSであり; A1はCまたはNであり; X1およびX2はC=OまたはCHR'である;ただし、X1またはX2の一方の みがCOであり; X3はCHR'、NR'、OまたはSであり; 【化2】 はR11で置換されていてもよい5または6員のヘテロ芳香族あるいは6員の芳香
    族環であり; R*は、 【化3】 であり; EはO、S、C(O)またはC(S)であり; YはC(O)、C(S)またはCH2であり; R1はR7、またはD−C0-4アルキル、D−C2-4アルケニル、D−C2-4アル キニル、D−C3-4オキソアルケニル、D−C3-4オキソアルキニル、D−C1-4 アミノアルキル、D−C3-4アミノアルケニルもしくはD−C3-4アミノアルキニ
    ルであり、R11またはR7の1またはそれ以上の許容できる組み合わせで置換さ れていてもよく; R2は-(CH2)t-CO23であり R3はH、C1-6アルキルまたは(CHR')n-Arであり; R4は、 【化4】 であり; Wは-(CHRg)a-U-(CHRg)b-であり; Uは存在しないか、あるいはCO、CRg 2、C(=CRg 2)、S(O)k、O、N Rg、CRgORg、CRg(ORk)CRg 2、CRg 2CRg(ORk)、C(O)CRg 2、 CRg 2C(O)、CONRi、NRiCO、OC(O)、C(O)O、C(S)O、OC( S)、C(S)NRg、NRgC(S)、S(O)2NRg、NRgS(O)2N=N、NRg
    g、NRgCRg 2、NRgCRg 2、CRg 2O、OCRg 2、C≡CまたはCRg=C
    gであり; GはNRe、SまたはOであり; RgはH、C1-6アルキル、Het-C0-6アルキル、C3-7シクロアルキル-C0- 6 アルキルまたはAr-C0-6アルキルであり; RkはRg、-C(O)Rgまたは-C(O)ORfであり; RiはH、C1-6アルキル、Het-C0-6アルキル、C3-7シクロアルキル-C0- 6 アルキル、Ar-C0-6アルキル、またはハロゲン、CN、NRg 2、ORg、SR g 、CO2gおよびCON(Rg)2から選択される1ないし3個の基で置換された C1-6アルキルであり; RfはH、C1-6アルキルまたはAr-C1-6アルキルであり; ReはH、C1-6アルキル、Ar-C1-6アルキル、Het-C1-6アルキル、C3- 7 シクロアルキル-C1-6アルキルまたは(CH2)kCO2gであり; RbおよびRcは、独立して、H、C1-6アルキル、Ar-C0-6アルキル、He t-C0-6アルキル、C3-6シクロアルキル-C0-6アルキル、ハロゲン、CF3、O
    f、S(O)kf、CORf、NO2、N(Rf)2、CO(NRf)2、CH2N(Rf)2
    あるか、またはRbおよびRcは一緒になって5または6員芳香族または非芳香族
    炭素環式または複素環式環を形成し、ハロゲン、CF3、C1-4アルキル、ORf 、S(O)kf、CORf、CO2f、OH、NO2、N(Rf)2、CO(NRf)2およ
    びCH2N(Rf)2から選択される1ないし3個の基で置換されていてもよく、あ るいはメチレンジオキシを形成し; Q1、Q2、Q3およびQ4は、独立して、NまたはC-Ryである;ただし、Q1 、Q2、Q3およびQ4のうち多くても1つがNであり; RyはH、ハロ、-ORg、-SRg、-CN、-NRgk、-NO2、-CF3、-CF 3 S(O)r-、-CO2g、-CORgまたは-CONRg 2、あるいはハロ、-ORg、-
    SRg、-CN、-NRgR"、-NO2、-CF3、R'S(O)r、-CO2g、-CORg または-CONRg 2で置換されていてもよいC1-6アルキルであり; R5はW'-(CR'2)q-Z-(CR'R10)r-U'-(CR'2)sであり; U'は存在しないか、あるいはCO、CR'2、C(=CR'2)、S(O)n、O、N
    R'、CR'OR'、CR'(OR")CR'2、CR'2CR'(OR")、C(O)CR'2、 CR'2C(O)、CONR'、NR'CO、OC(O)、C(O)O、C(S)O、OC( S)、C(S)NR'、NR'C(S)、S(O)nNR'、NR'S(O)n、N=N、NR'
    NR'、NR'CR'2、NR'CR'2、CR'2O、OCR'2、C≡CまたはCR'=
    CR'であり; W'はR'R"N-、R'R"NR'N-、R'R"NR'NCO-、R'2NR'NC(=N
    R')-、R'ONR'C(=NR')-、 【化5】 XはN=CR'、C(O)またはOであり; Yは存在しないか、SまたはOであり; Zは(CH2)t、Het、ArまたはC3-7シクロアルキルであり; R7は-COR8、-COCR'29、-C(S)R8、-S(O)mOR'、-S(O)mNR
    'R"、-PO(OR')、-PO(OR')2、-B(OR')2、-NO2およびTetであり
    ; R8は-OR'、-NR'R"、-NR'SO2R'、-NR'OR'、-OCR'2C(O)O
    R'、-OCR'2OC(O)R'、-OCR'2C(O)NR'2またはCF3であり; R9は-OR'、-CN、-S(O)rR'、S(O)mNR'2、-C(O)R'C(O)NR'2 または-CO2R'であり; R10はH、C1-4アルキルまたは-NR'R"であり; R11は、各々、独立して、H、ハロ、-OR12、-CN、-NR'R12、-NO2
    -CF3、CF3S(O)r-、-CO2R'、-CONR'2、D-C0-6アルキル-、D-C1 -6 オキソアルキル、D−C2-6アルケニル-、D-C2-6アルキニル-、D-C0-6ア ルキルオキシ-、D-C0-6アルキルアミノ-またはD-C0-6アルキル-S(O)r-で あり; R12はR'、-C(O)R'、-C(O)NR'2、-C(O)OR15、-S(O)mR'または
    S(O)mNR'2であり; R13はR'、-CF3、-SR'または-OR'であり; R14はR'、C(O)R'、CN、NO2、SO2R'またはC(O)OR15であり; R15はH、C1-6アルキルまたはAr-C0-4アルキルであり; DはH、C3-6シクロアルキル、HetまたはArであり; R'はH、C1-6アルキル、Ar-C0-6アルキルまたはC3-6シクロアルキル-C 0-6 アルキルであり; R"はR'、-C(O)R'または-C(O)OR'であり; R"'はH、C1-6アルキル、Ar-C0-6アルキル、Het-C0-6アルキルまた はC3-6シクロアルキル-C0-6アルキル、ハロゲン、CF3、ORf、S(O)kf 、CORf、NO2、N(Rf)2、CO(NRf)2、CH2N(Rf)2であり; nは0ないし3であり; qは0ないし3であり; tは0ないし2であり; aは0、1または2であり; bは0、1または2であり; kは0、1または2であり; mは1または2であり; rは0、1または2であり; sは0、1または2であり; uは0または1であり; vは0または1である] で示される化合物またはその医薬上許容される塩。
  2. 【請求項2】 式(Ia): 【化6】 [式中、 AはNR'、CHR'、OまたはSであり; X1およびX2はC=OまたはCHR'である;ただし、X1またはX2の一方の みがC=Oであり; YはC(O)、C(S)またはCH2であり; R1はR7、またはD−C0-4アルキル、D−C2-4アルケニル、D−C2-4アル キニル、D−C3-4オキソアルケニル、D−C3-4オキソアルキニル、D−C1-4 アミノアルキル、D−C3-4アミノアルケニルもしくはD−C3-4アミノアルキニ
    ルであり、R11またはR7の1またはそれ以上の許容できる組み合わせで置換さ れていてもよく; R2は-(CH2)t−CO23であり R3はH、C1-6アルキルまたは(CHR')n−Arであり; R4は、 【化7】 であり; Wは-(CHRg)a-U-(CHRg)b-であり; Uは存在しないか、あるいはCO、CRg 2、C(=CRg 2)、S(O)k、O、N Rg、CRgORg、CRg(ORk)CRg 2、CRg 2CRg(ORk)、C(O)CRg 2、 CRg 2C(O)、CONRi、NRiCO、OC(O)、C(O)O、C(S)O、OC( S)、C(S)NRg、NRgC(S)、S(O)2NRg、NRgS(O)2N=N、NRg
    g、NRgCRg 2、NRgCRg 2、CRg 2O、OCRg 2、C≡CまたはCRg=C
    gであり; GはNRe、SまたはOであり; RgはH、C1-6アルキル、Het-C0-6アルキル、C3-7シクロアルキル-C0- 6 アルキルまたはAr-C0-6アルキルであり; RkはRg、-C(O)Rgまたは-C(O)ORfであり; RiはH、C1-6アルキル、Het-C0-6アルキル、C3-7シクロアルキル-C0- 6 アルキル、Ar-C0-6アルキル、またはハロゲン、CN、NRg 2、ORg、SR g 、CO2gおよびCON(Rg)2から選択される1ないし3個の基で置換された C1-6アルキルであり; RfはH、C1-6アルキルまたはAr-C1-6アルキルであり; ReはH、C1-6アルキル、Ar-C1-6アルキル、Het-C1-6アルキル、C3- 7 シクロアルキル-C1-6アルキルまたは(CH2)kCO2gであり; RbおよびRcは、独立して、H、C1-6アルキル、Ar-C0-6アルキル、He t-C0-6アルキル、C3-6シクロアルキル-C0-6アルキル、ハロゲン、CF3、O
    f、S(O)kf、CORf、NO2、N(Rf)2、CO(NRf)2、CH2N(Rf)2
    ら選択されるか、またはRbおよびRcは一緒になって5または6員芳香族または
    非芳香族炭素環式または複素環式環を形成し、ハロゲン、CF3、C1-4アルキル
    、ORf、S(O)kf、CORf、CO2f、OH、NO2、N(Rf)2、CO(NR f )2およびCH2N(Rf)2から選択される3個までの基で置換されていてもよく、
    あるいはメチレンジオキシを形成し; Q1、Q2、Q3およびQ4は、独立して、NまたはC-Ryである;ただし、Q1 、Q2、Q3およびQ4のうち多くても1つがNであり; RyはH、ハロ、-ORg、-SRg、-CN、-NRgk、-NO2、-CF3、-CF 3 S(O)r-、-CO2g、-CORgまたは-CONRg 2、あるいはハロ、-ORg、-
    SRg、-CN、-NRgR"、-NO2、-CF3、R'S(O)r-、-CO2g、-COR g または-CONRg 2で置換されていてもよいC1-6アルキルであり; R5はW'-(CR'2)q-Z-(CR'R10)r-U'-(CR'2)sであり; U'は存在しないか、あるいはCO、CR'2、C(=CR'2)、S(O)n、O、N
    R'、CR'OR'、CR'(OR")CR'2、CR'2CR'(OR")、C(O)CR'2、 CR'2C(O)、CONR'、NR'CO、OC(O)、C(O)O、C(S)O、OC( S)、C(S)NR'、NR'C(S)、S(O)nNR'、NR'S(O)n、N=N、NR'
    NR'、NR'CR'2、NR'CR'2、CR'2O、OCR'2、C≡CまたはCR'=
    CR'であり; W'はR'R"N-、R'R"NR'N-、R'R"NR'NCO-、R'2NR'NC(=N
    R')-、R'ONR'C(=NR')-、 【化8】 XはN=CR'、C(O)またはOであり; Yは存在しないか、SまたはOであり; Zは(CH2)t、Het、ArまたはC3-7シクロアルキルであり; R7は-COR8、-COCR'29、-C(S)R8、-S(O)mOR'、-S(O)mNR
    'R"、-PO(OR')、-PO(OR')2、-B(OR')2、-NO2およびTetであり
    ; R8は-OR'、-NR'R"、-NR'SO2R'、-NR'OR'、-OCR'2C(O)O
    R'、-OCR'2OC(O)R'、-OCR'2C(O)NR'2またはCF3であり; R9は-OR'、-CN、-S(O)rR'、S(O)mNR'2、-C(O)R'C(O)NR'2 または-CO2R'であり; R10はH、C1-4アルキルまたは-NR'R"であり; R11はH、ハロ、-OR12、-CN、-NR'R12、-NO2、-CF3、CF3S(O
    )r-、-CO2R'、-CONR'2、D-C0-6アルキル-、D-C1-6オキソアルキル- 、D−C2-6アルケニル-、D-C2-6アルキニル-、D-C0-6アルキルオキシ-、D
    -C0-6アルキルアミノ-またはD-C0-6アルキル-S(O)r-であり; R12はR'、-C(O)R'、-C(O)NR'2、-C(O)OR15、-S(O)mR'または
    S(O)mNR'2であり; R13はR'、-CF3、-SR'または-OR'であり; R14はR'、C(O)R'、CN、NO2、SO2R'またはC(O)OR15であり; R15はH、C1-6アルキルまたはAr-C0-4アルキルであり; DはH、C3-6シクロアルキル、HetまたはArであり; R'はH、C1-6アルキル、Ar-C0-6アルキルまたはC3-6シクロアルキル-C 0-6 アルキルであり; R"はR'、-C(O)R'または-C(O)OR'であり; R"'はH、C1-6アルキル、Ar-C0-6アルキル、Het-C0-6アルキル、C3 -6 シクロアルキル-C0-6アルキル、ハロゲン、CF3、ORf、S(O)kf、CO
    f、NO2、N(Rf)2、CO(NRf)2またはCH2N(Rf)2であり; nは0ないし3であり; qは0ないし3であり; tは0ないし2であり; aは0、1または2であり; bは0、1または2であり; kは0、1または2であり; mは1または2であり; rは0、1または2であり; sは0、1または2であり; uは0または1であり; vは0または1である] で示される化合物またはその医薬上許容される塩。
  3. 【請求項3】 YがC(O)である請求項2記載の化合物。
  4. 【請求項4】 X1がCH2であり、X2がC=Oである請求項2記載の化合 物。
  5. 【請求項5】 AがNR'であり、ここでR'がHまたはC1-4アルキルであ る請求項2記載の化合物。
  6. 【請求項6】 R1がR11で置換されていてもよいD-C0-4アルキルである 請求項5記載の化合物。
  7. 【請求項7】 R1がH、CH3、CH2CH3、CH2CF3または(CH2)1-2 フェニルであり、ここでフェニル基は置換されていないか、またはC1-4アルキ ル、C1-4アルコキシ、C1-4アルキルチオ、CF3、OHまたはハロで置換され ている請求項6記載の化合物。
  8. 【請求項8】 R5が、 【化9】 R"HNC(=NH)NH-(CH2)3(CHR10)-およびR"HN-(CH2)5-から選択
    され、ここでEがNまたはCHであり、R20が水素、アミノ、モノ-またはジ-C 1-4 アルキルアミノ、ヒドロキシまたはC1-4アルキルである請求項2記載の化合
    物。
  9. 【請求項9】 R5が 【化10】 であり、ここでR"がHである請求項8記載の化合物。
  10. 【請求項10】 R4中のWに結合する基が 【化11】 であり、ここでGがNHであり、RbおよびRcが一緒になってシクロヘキシル、
    フェニルまたはピリジル環を形成し、R'、R"およびRgが、各々、Hであって 、sが0または1である請求項2記載の化合物。
  11. 【請求項11】 R4が 【化12】 である請求項2記載の化合物。
  12. 【請求項12】 R4が 【化13】 である請求項11記載の化合物。
  13. 【請求項13】 (S)-7-[[N-(4-ピリジニルプロピル)-N-(1H-ベンズイミダゾール-2-イ
    ルメチル)]アミノカルボニル]-2,3,4,5-テトラヒドロ-4-メチル-3-オキソ
    -1H-1,4-ベンゾジアゼピン-2-酢酸; (S)-7-[[N-(4-ピペリジニルプロピル)-N-(1H-ベンズイミダゾール-2-
    イルメチル)]アミノカルボニル]-2,3,4,5-テトラヒドロ-4-メチル-3-オキ
    ソ-1H-1,4-ベンゾジアゼピン-2-酢酸; (S)-7-[[N-(4-ピペリジニルエチル)-N-(1H-ベンズイミダゾール-2-イ
    ルメチル)]アミノカルボニル]-2,3,4,5-テトラヒドロ-4-メチル-3-オキソ
    -1H-1,4-ベンゾジアゼピン-2-酢酸;および (+/-)-2,3,4,5-テトラヒドロ-3-オキソ-8-[[N-4-ピペリジニルプロピ
    ル-N-(1H-ベンズイミダゾール-2-イルメチル)]アミノカルボニル]-2-メチ ル-1H-2-ベンズアゼピン-4-酢酸; またはその医薬上許容される塩である請求項2記載の化合物。
  14. 【請求項14】 請求項1ないし13のいずれか1つに記載の化合物および
    医薬上許容される担体を有してなる医薬組成物。
  15. 【請求項15】 フィブリノーゲン受容体およびビトロネクチン受容体を阻
    害する方法であって、請求項1ないし13のいずれか1つに記載の化合物を投与
    してなる方法。
  16. 【請求項16】 哺乳動物における血管形成後のアテローム性動脈硬化症ま
    たは再狭窄を治療する方法であって、請求項1ないし13のいずれか1つに記載
    の化合物を投与してなる方法。
  17. 【請求項17】 医薬として使用するための請求項1ないし13のいずれか
    1つに記載の化合物。
  18. 【請求項18】 フィブリノーゲン受容体またはビトロネクチン受容体の阻
    害が適用される疾患を治療するための医薬の製造における請求項1ないし13の
    いずれか1つに記載の化合物の使用。
  19. 【請求項19】 アテローム性動脈硬化症または再狭窄を治療するための医
    薬の製造における請求項1ないし13のいずれか1つに記載の化合物の使用。
JP2000504863A 1997-08-04 1998-08-04 インテグリン受容体アンタゴニスト Withdrawn JP2001511452A (ja)

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US6352697P 1997-10-29 1997-10-29
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