【発明の詳細な説明】
ビトロネクチン受容体拮抗剤
発明の分野
本発明はビトロネクチン受容体を阻害し、骨粗鬆症の処置に有用な、医薬的に
活性な化合物に関する。
発明の背景
哺乳動物の骨は、骨吸収および骨形成の動的な過程である骨再編成を絶え間な
く行っている。これらの過程は特殊な細胞型により媒介される:骨形成は骨芽細
胞による鉱質化した骨が沈着した結果であり、骨吸収は破骨細胞による骨基質の
溶解によるものである。多くの骨疾患は、骨吸収に対する骨形成の不均衡により
もたらされる。例えば、骨粗鬆症のような疾患は骨基質の正味の損失によって特
徴付けられる。したがって、骨吸収を阻害する薬物は、これらの疾患の処置に有
用である。
活性化した破骨細胞は、骨基質に付着し、その細胞膜と骨基質との間に形成さ
れる密閉された区画に蛋白溶解酵素、有機酸およびプロトンを分泌することによ
り骨を吸収する。酸性の環境および蛋白溶解酵素は、密閉された区画における骨
の溶解に影響を及ぼして、骨表面で小窩(pitsすなわちlacuna)を創り、これは
破骨細胞が骨から剥離した時に明白になる。
最近の研究では、破骨細胞の骨基質への付着はインテグリンと呼ばれる細胞表
面付着受容体により媒介されるということが示された。例えば、Daviesら、J.C
ell Biol.,1989,109,1817 には、骨吸収の制御に関与する破骨細胞機能抗原
がビトロネクチン受容体に生化学的に関連していることが開示されている。ビト
ロネクチン受容体、すなわちαvβ3インテグリンは、トリペプチドArg-Gly-Asp
(すなわちRGD)モチーフを含有するオステオポンチン、骨シアロ蛋白および
トロンボスポンジンなどの骨基質蛋白に結合することが知られている。このよう
に、Hortonら、Exp.Cell Res.,1991,195,368には、RGD含有ペプチドおよ
び抗ビトロネクチン受容体抗体(23C6)が象牙質吸収および破骨細胞の細胞
伸展を阻害することが開示されている。さらに、Satoら、J.Cell Biol.,1990
,11,1713 には、RGD配列を含有するヘビ毒ペプチドであるエキスタチンが、組
織培養において骨吸収を強く阻害し、破骨細胞の骨への付着を阻害することが開
示されている。Fisherら、Endocrinology 1993,132,1411にはエキスタチンが、
ラットにおいてイン・ビボで骨吸収を阻害することを示している。EP 528 587お
よび528 586には、破骨細胞媒介骨吸収を阻害する置換フェニル誘導体が報告さ
れている。
Bondinellらは、WO 93/00095(PCT/US92/05463)およびPCT/US93/12436において
、置換6−7二環式環系を有する特定の化合物が、血小板上に見出されるインテ
グリン(αIIbβ3)蛋白であるフィブリノーゲン受容体の阻害に有用であること
を開示している。フィブリノーゲン受容体を阻害するその他の6−7二環式環系
は、BlackburらによりWO 93/08174(PCT/US92/08788)において開示されている。
現在、特定の適当に置換した1,4−ベンゾジアゼピン、−ベンゾチアゼピン、
−ベンゾオキサアゼピンおよび2−ベンゾアゼピン化合物がビトロネクチン受容
体を強く阻害することが知られている。とりわけ、特定のこのような化合物は、
驚くべきことに、フィブリノーゲン受容体よりもビトロネクチン受容体の強力な
阻害剤であることが見いだされており、その結果、骨粗鬆症、ガン、アテローム
性動脈硬化症のような疾患の処置および動脈の再狭窄を防止するために、より有
用であることが見いだされている。
発明の概要
本発明は、ビトロネクチン受容体の阻害について医薬的活性を有し、骨粗鬆症
の処置に有用である下記式(I)の化合物からなる。
本発明はまた、式(I)で示される化合物および医薬担体からなることを特徴と
する医薬組成物でもある。
本発明はまた、ビトロネクチン受容体に結合するリガンドによりもたらされる
疾患の処置方法でもある。特定の態様において、本発明の化合物は、骨粗鬆症、
アテローム性動脈硬化症、再狭窄およびガンの処置に有用である。
詳細な説明
本発明は、式(I):
[式中、
X−X'は、NR1−CH、NC(O)R3−CH、N=C、CR1=C、CHR1
−CH、O−CHまたはS−CHであり;
R1はH、C1-6アルキルまたはベンジルであり;
R2は(CH2)nCO2Hであり;
R3はH、C1-6アルキル、Ar−C0-6アルキル、Het−C0-6アルキル、また
はC3-6シクロアルキル−C0-6アルキルであり;
R4はW−U、Y−(CHR5)m−U、またはZ−C(O)であり;
R5およびR6は、独立して、H、C1-6アルキル、Ar-C0-6アルキル、Het−
C0-6アルキルおよびC3-6シクロアルキル−C0-6アルキルから選択され;
mは1または2であり;
nは1または2であり;
UはNR1C(O)、C(O)NR1、CH=CH、C≡C、CH2−CH2、O−C
H2、CH2−OまたはCH2OCONR1であり;
Wは
であり;
Raは、H、OH、NO2、N(R6)2、CON(R6)2、CH2N(R6)2またはR6
HN−C(=NH)であり;
Yは、NH2、NHR6、N(R6)2、C(O)N(R6)2、OH、=N−OR6、
Rdは、H、N(R1)2、C1-4アルキル、CON(R1)2、OH、OR1、または
Ar−C0-4アルキルであり;
Reは、H、C1-4アルキル、Het−C0-4アルキルまたはAr−C0-4アルキル
である;
ただし、R4が(3-アミジノ)フェニルアミノカルボニルであり、X−X'がN
H−CHである場合、R3はフェニルエチルではない]
で示される化合物およびそれらの医薬的に許容できる塩からなる。
式(I)の化合物は、ビトロネクチンおよび他のRGD含有ペプチドがビトロネ
クチン(αvβ3)受容体に結合するのを阻害する。破骨細胞上のビトロネクチン
受容体の阻害は、破骨細胞の骨吸収を阻害し、骨粗鬆症のような、骨吸収が病理
学的に関連する疾患の処置に有用である。
X−X'はNH−CHまたはCH2−CHであるのが適切である。
好ましくは、UはNR1CO、CONR1またはCH2OCONR1である。さら
に好ましくは、UはNR1COである。
Raはヒドロキシまたはアミノであるのが適切である。好ましくはRaはアミノ
である。
または(3−アミジノ)フェニルである。
フェニルまたはC1-6アルキルであるのが適当である。R6はベンジル、2−ピリ
ジニルまたはHであるのが適切である。
Zは1−ピペラジニルまたは1−ピペリジニルであるのが適切である。
R4はY−(CH2)mNCH3COであるのが適切である。
ReはHまたは、置換または非置換のフェニル、ベンジル、2−もしくは3−
ピリジニル、2−もしくは4−ピリミジニル、または1−、2−、3−ピペリジ
ニルであるのが適切である。Zが1−ピペラジニルである場合、Reは2−もし
くは3−ピリジニルまたは2−もしくは4−ピリミジニルであるのが好ましい。
Zがピペリジニルである場合、Reは1−ピペリジニルであるのが好ましい。
YはNH2またはピリジニルであるのが好ましい。
nは1であるのが好ましい。
R1はH、メチルまたはフェニルエチルであるのが好ましい。
本発明の新規化合物の代表的なものは、以下のとおりである:
(±)−7−[[(6−アミノ−2−ピリジニル)アミノ]カルボニル]−4−メチル
−3−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−
2−酢酸;
(±)−8−[[(6−アミノ−2−ピリジニル)アミノ]カルボニル]−2−メチル
−3−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−4−
酢酸;
(±)−7−[[(6−アミノ−3−ピリジニル)アミノ]カルボニル]−3−オキソ
−4−(2−フェニルエチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−ベン
ゾジアゼピン−2−酢酸;
(±)−1−アセチル−7−[[(6−アミノ−2−ピリジニル)アミノ]カルボニ
ル]−4−メチル−3−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−ベ
ンゾジアゼピン−2−酢酸;
(±)−2−メチル−3−オキソ−8−[[2−(ピリジニル)カルボニル]アミノ]
−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−4−酢酸;
(±)−8−[(ベンジルオキシカルボニル)アミノ]−2−メチル−3−オキソ−
2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−4−酢酸;
(±)−7−[[[3−(アミノイミノメチル)フェニル]アミノ]カルボニル]−4−
メチル−3−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼ
ピン−2−酢酸;
(±)−7−[[[3−(アミノカルボニル)フェニル]アミノ]カルボニル]−4−メ
チル−3−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピ
ン−2−酢酸;
(±)−4−メチル−3−オキソ−7−[1−(4−フェニルピペラジニル)カル
ボニル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−
酢酸;
(±)−4−メチル−3−オキソ−7−[(1−ピペラジニル)カルボニル]−2,
3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−酢酸;
(±)−4−メチル−3−オキソ−7−[1−[4−(1−ピペリジニル)ピペリジ
ニル]カルボニル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピ
ン−2−酢酸;
(±)−4−メチル−3−オキソ−7−[1−[4−(2−ピリジニル)ピペラジニ
ル]カルボニル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン
−2−酢酸;
(±)−4−メチル−3−オキソ−7−[1−[4−(フェニルメチル)ピペラジニ
ル]カルボニル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン
−2−酢酸;
(±)−4−メチル−3−オキソ−7−[1−[4−(2−ピリミジニル)ピペラジ
ニル]カルボニル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピ
ン−2−酢酸;
8−[[2S−アミノ−3−フェニルプロパノイル]アミノ]−2−メチル−3−
オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−4RS−酢
酸;
(±)−8−[[[(2−ヒドロキシ−2−フェニル)エチル]メチルアミノ]カルボ
ニル]−2−メチル−3−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベン
ゾアゼピン−4−酢酸;
(±)−7−[[[N−(2−ヒドロキシエチル)−N−メチル]アミノ]カルボニル]
−4−メチル−3−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−ベンゾ
ジアゼピン−2−酢酸;
(±)−8−[[2−(2−ピリジニルアミノ)アセチル]アミノ]−2−メチル−3
−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−4−酢酸
;
(±)−4−メチル−3−オキソ−7−[[(2−フェニルアミノエチル)アミノ]
カルボニル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−
2−酢酸;
(±)−8−[(2−アミノアセチル)アミノ]−2−メチル−3−オキソ−2,3,
4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−4−酢酸;
(+/−)−8−[(3−アミノプロパノイル)アミノ]−2−メチル−3−オキソ
−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−4−酢酸;および
(±)−4−メチル−3−オキソ−7−[[[(3−ピリジニル)メチル]アミノ]カ
ルボニル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−2
−酢酸。
ビトロネクチン受容体を阻害する方法において有用な他の化合物は:
(±)−7−[[[3−(アミノイミノメチル)フェニル]アミノ]カルボニル]−3−
オキソ−4−(2−フェニルエチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4
−ベンゾジアゼピン−2−酢酸;
(±)−7−[1−[4−(2−メチル−4−ピリジニル)ピペラジニル]カルボニ
ル]−4−メチル−3−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−ベ
ンゾジアゼピン−2−酢酸;
(±)−3−オキソ−4−(2−フェニルエチル)−7−[1−[4−(4−ピリジ
ニル)ピペラジニル]カルボニル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−
ベンゾジアゼピン−2−酢酸;および
(±)−4−メチル−3−オキソ−7−[1−[4−(4−ピリジニル)ピペラジニ
ル]カルボニル]−2,3,4,5-テトラヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン
−2−酢酸である。
ペプチドおよび化学の分野で通常用いられている略語および記号を用いて本発
明の化合物を記載する。一般的に、アミノ酸の略語は、Eur.J.Biochem.158,
9(1984)に記載されるように、IUPAC−IUB生化学命名法に関する共同委
員会に従う。
本明細書で用いるC1-4アルキルは所望により置換されていてもよい炭素数1
〜4個のアルキル基を意味し、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、
n−ブチル、イソブチルおよびt−ブチルが挙げられる。C1-6アルキルには、
さらにペンチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチルおよびヘキシルな
らびにそれらの単純脂肪族異性体が含まれる。C0-4アルキルおよびC0-6アルキ
ルはさらに、必ずしもアルキル基の存在を必要としないことを示している(例え
ば共有結合が存在することを示している)。
C1-6アルキル基の置換は、安定した構造を生じ、従来の合成技術で入手可能
であるいずれの炭素原子上でもよい。適切な置換基は、C1-4アルキル、OR1、
SR1、C1-4アルキル、C1-4アルキルスルホニル、C1-4アルキルスルホキシル
、−CN、N(R1)2、CH2N(R1)2、−NO2、−CF3、−CO2R'3、−CO
N(R1)2、−COR1、−NR1C(O)R1、OH、F、Cl、Br、IまたはCF3
S(O)r−であり、式中rは0〜2である。
本明細書で用いるArすなわちアリールは、フェニルもしくはナフチル、また
は1〜3個の置換基、例えばアルキルについて上記で定義した置換基、とりわけ
C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4アルキチオ、トリフルオロアルキル、
OH、F、Cl、Br、Iまたは1,2−メチレンジオキシ基で置換されたフェニ
ルもしくはナフチルを意味する。
Hetすなわち複素環は、所望により置換されていてもよい5もしくは6員単環
式環、または窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1〜3個のヘテロ
原子を含有する9もしくは10員二環式環を示し、これらは安定であり通常の化
学合成により入手可能である。複素環の例としては、ベンゾフリル、ベンゾイミ
ダゾール、ベンゾピラン、ベンゾチオフェン、フラン、イミダゾール、インドリ
ン、モルホリン、ピペリジン、ピペラジン、ピロール、ピロリジン、テトラヒド
ロピリジン、ピリジン、チアゾール、チオフェン、キノリン、イソキノリン、並
びにテトラおよびペルヒドロ−キノリンおよびイソキノリンがある。化学合成に
より入手可能であり、安定である、アルキルについて上記で定義されたような置
換基3個までの、複素環上での利用しやすい可能な組み合わせは、本発明の範疇
である。
C3-7シクロアルキルとは、所望により置換されていてもよい炭素原子3〜7
個の炭環系を表し、不飽和炭素−炭素結合を2個まで含んでもよい。典型的なC3-7
シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シク
ロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニルおよびシクロヘプチルである
。通常の化学合成で入手可能であり、安定である、アルキルについて上記で定義
されたような置換基3個までのシクロアルキル環上の任意の組み合わせは、本発
明の範疇である。
本明細書では、特定の基を略語で表す。t−Buは第三ブチル基を表し、Boc
はt−ブチルオキシカルボニル基を表し、Fmocはフルオレニルメトキシカルボ
ニル基を表し、Phはフェニル基を表し、Cbzはベンジルオキシカルボニル基を
表し、BrZはo−ブロモベンジルオキシカルボニル基を表し、ClZはo−クロ
ロベンジルオキシカルボニル基を表し、Bnはベンジル基を表し、4−MBzlは
4−メチルベンジル基を表し、Meはメチルを表し、Etはエチルを表し、Acは
アセチルを表し、AlkはC1-4アルキルを表し、Nphは1−または2−ナフチル
を表し、cHexはシクロヘキシルを表す。MeArgはNa-メチルアルギニンである
。Tetは5−テトラゾリルを表す。
本明細書では、特定の試薬を略語で表す。DCCはジシクロヘキシルカルボジ
イミドを表し、DMAPはジメチルアミノピリジンを表し、DIEAはジイソプ
ロピルエチルアミンを表し、EDCはN−エチル−N'(ジメチルアミノプロピル
)−カルボジイミドを表す。HOBtは1−ヒドロキシベンゾトリアゾールを表し
、THFはテトラヒドロフランを表し、DMFはジメチルホルムアミドを表し、
NBSはN−ブロモスクシンイミドを表し、Pd/Cはパラジウム−炭素触媒を
表し、DPPAはジフェニルホスホリルアジドを表し、BOPはベンゾトリアゾ
ール−1−イルオキシ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム−ヘキサフルオロ
ホスフェートを表し、HFはフッ化水素酸を表し、TEAはトリエチルアミンを
表し、TFAはトリフルオロ酢酸を表し、PCCはクロロクロム酸ピリジニウム
を表す。
式(I)の化合物はスキームI〜IIIに記載する一般法により調製する。
Bondinellら(WO 93/00095)によって開示されたように調製した(±)−7−カル
ボキシ−4−メチル−3−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−
ベンゾジアゼピン−2−酢酸メチル(I−1)は、例えばEDCおよびHOBTま
たはSOCl2を用いてカルボン酸の活性化形に変換し、次いで、その活性化形を
適当なアミンと反応させて対応するアミド(I−2)を得る。カルボン酸をアミド
に変換する更なる方法は数多く知られており、一般的な参考書、例えば“Compen
dium of Organic Synthetic Methods”第I−VI巻(ウィリィ−インターサイエ
ンス出版)に見出すことができる。I−2のメチルエステルは塩基水溶液、例え
ばTHF中のLiOH水溶液またはメタノール中のNaOH水溶液を用いて加水分
解し、中間体のカルボン酸塩を適当な酸、例えばTFAまたはHClで酸性化し
、カルボン酸I−3を得る。別法として、所望により、中間体カルボン酸塩を単
離することができる。
アミン側が保護基を含有する場合、保護基は、エステル加水分解段階の前かあ
るいはそれに引き続いて、用いられた特定の保護基の選択的な脱保護に適した方
法を用いて除去することができる。かかる方法はGreenの“Protective Groups
in Organic Synthesis”(ウィリィ−インターサイエンス出版)に記載されてい
る。例えば、(上記の一般法により調製した)化合物II−1におけるようにアミ
ン側がtert−ブトキシカルボニル(BOC)基で保護されている窒素基を含有す
る場合、BOC基を酸性条件、例えばCH2Cl2中のTFAまたはジオキサン中
のHClを用いて除去して、中間体アンモニウム塩II−2を得る。次のエステル
の加水分解、それに続く酸性化をスキームIにおける記載と同様に行い、II−3
を得る。
ピペリジン含有化合物、例えばIII−3は、スキームIおよびIIに記載する方
法に従って、適切にN−保護したピペリジン誘導体から、またはIII−1のよう
なピリジン前駆体から調製することができる。例えば、III−1のピリジンサブ
ユニッ
トは、HClなどの酸の存在下、適切な触媒上、好ましくはPtO2上での水素添
加により対応するピペリジン基に還元することができる。次いで、得られたピペ
リジニウム塩III−2をスキームIに記載した方法で化合物III−3に変換する。
核となる6−7縮合環系は一般式(II):
[式中、R10はNHR1、CO2Hおよびそれらの合成的等価物であり、Xおよび
X'は式(I)についての定義と同一であり、R2およびR3は保護された反応基を
有する式(I)における定義と同一である]
の化合物から調製する。置換ベンゾジアゼピン核を調製するための代表的な方法
は、当該技術分野でよく知られており、例えばHynesら、J.Het.Chem.,1988,
25,1173;Mullerら、Helv.Chim.Acta.,1982,65,2118;Moriら、Heterocyc
les,1981,16,1491に開示されている。同様に、ベンゾアゼピン類、1,4−ベ
ンゾチアゼピン類、1,4−ベンゾオキサアゼピン類および1,4−ベンゾジアゼ
ピン類の製造方法は知られており、例えばBondinellら、国際特許出願WO 93/000
95に開示されている。
ベンゾジアゼピン核の代表的な調製方法は、スキームIV〜VIによって示される
。ベンゾアゼピン核の代表的な調製方法は、スキームVIIによって示される。ベ
ンゾチアゼピンの代表的な調製方法は、スキームVIIIによって示される。ベンゾ
オキサアゼピン核は、ベンジルアルコールの代わりにベンジルチオールを用いる
こと以外は、スキームVIIIと同一の方法で調製できる。
単純な三置換ベンゼン出発物質は市販により入手可能であるか、または当該技
術分野でよく知られている慣用的な方法により調製する。
本明細書で用いるカップリング試薬は、ペプチド結合を形成するために用いる
ことができる試薬を意味する。典型的なカップリング法では、カルボジイミド、
活性化無水物およびエステル類並びにアシルハロゲン化物を用いる。EDC、D
CC、DPPA、BOP試薬、HOBt、N−ヒドロキシスクシンイミドおよび
塩化オキサリルのような試薬は典型的なものである。
ペプチド結合を形成するカップリング法は一般に当該技術分野によく知られて
いる。Bodanskyら、THE PRACTICE OF PEPTIDE SYNTHESIS,スプリンゲル-ヴァー
ラク、ベルリン、1984、Aliら、J.Med.Chem.,29,984(1986)およびJ.Med.C
hem.,30,2291(1987)により概して提唱されたペプチド合成方法は、その技術を
概して説明しており、出典明示により本明細書の一部とする。
典型的には、アミンまたはアニリンは、N,N'−ジシクロカルボジイミド(D
CC)のような適切なカルボジイミドカップリング試薬を用い、所望により1−
ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)およびジメチルアミノピリジン(D
MAP)のような触媒の存在下、該アミンまたはアニリンの遊離のアミノ基を介
して適当なカルボン酸基質に結合する。他の方法、例えば適切に保護した酸基質
の遊離カルボキシルの活性化エステル、無水物または酸ハロゲン化物を形成し、
次いで、所望により塩基の存在下、適切に保護したアミンを遊離アミンと反応さ
せることもまた適切である。例えば、保護したBoc−アミノ酸またはCbz−アミ
ジノ安息香酸を塩化メチレンまたはテトロヒドロフラン(THF)などの無水溶
媒中、N−メチルモルホリン、DMAPまたはトリアルキルアミンなどの塩基の
存在下、クロロギ酸イソブチルで処理して、「活性化無水物」を生成し、次いで
、これを第2の保護アミノ酸またはアニリンの遊離のアミンと反応させる。
化合物の酸付加塩は、標準的な方法で、適切な溶媒中、親化合物および過剰の
酸、例えば塩酸、臭化水素酸、フッ化水素酸、硫酸、リン酸、酢酸、トリフルオ
ロ酢酸、マレイン酸、コハク酸またはメタンスルホン酸により調製する。特定の
化合物は許容される内部塩または双性イオンを形成する。カチオン塩は親化合物
を、適当なカチオンを含む水酸化物、炭酸塩またはアルコキシドなどの過剰のア
ルカリ性試薬で;または適当な有機アミンで処理することにより調製する。Li+
、Na+、K+、Ca++、Mg++およびNH4 +などのカチオンは医薬的に許容できる
塩に存在するカチオンの特別な例である。
本発明はまた、式(I)で示される化合物および医薬的に許容できる担体からな
る医薬組成物を提供するものでもある。したがって、式(I)の化合物は医薬品の
製造において用いることができる。前述のように調製した式(I)の化合物の医薬
組成物は、非経口投与用の溶液または凍結乾燥した粉末に製剤化できる。粉末は
、使用前に、適切な希釈剤または他の医薬的に許容できる担体を添加して再構成
できる。液剤は緩衝化された等張水溶液にできる。適切な希釈剤の例としては、
通常等張生理食塩溶液、標準5%デキストロース水溶液または緩衝化酢酸ナトリ
ウムもしくはアンモニウム溶液が挙げられる。このような製剤はとりわけ非経口
投
与に適しているが、経口投与に用いることもでき、または吹送法のための計量器
付き吸入器または噴霧器に容れることができる。ポリビニルピロリドン、ゼラチ
ン、ヒドロキシセルロース、アラビアガム、ポリエチレングリコール、マンニト
ール、塩化ナトリウムまたはクエン酸ナトリウムなどの賦形剤を加えるのが望ま
しい。
別法として、これらの化合物は、経口投与のためにカプセル化、錠剤化または
乳剤もしくはシロップに調製できる。医薬的に許容できる固体または液体担体を
添加して、組成物を増強もしくは安定化することができるか、または組成物の調
製を容易にすることができる。固体担体としては、デンプン、ラクトース、硫酸
カルシウム二水和物、白土、ステアリン酸マグネシウムもしくはステアリン酸、
タルク、ペクチン、アラビアガム、寒天またはゼラチンが挙げられる。液体担体
としては、シロップ、落花生油、オリーブ油、生理食塩水および水が挙げられる
。担体としては、また、徐放物質、例えば単独でまたはロウを併用したモノステ
アリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルも挙げられる。固体の担体
の量は変化するが、好ましくは投与単位あたり約20mg〜約1gである。医薬調
製物は製薬学の通常の技術に従って作り、この技術としては、錠剤化のための、
必要な場合の製粉、混合、顆粒化および圧縮;またはゼラチン硬カプセルの形態
のための製粉、混合および充填が挙げられる。液体の担体を用いる場合、調製物
はシロップ、エリキシル、乳濁液または、水性もしくは非水性懸濁液の形態にな
る。このような液体の製剤は直接的に経口投与するか、または軟ゼラチンカプセ
ルに充填できる。
直腸投与には、本発明の化合物を賦形剤、例えばココアバター、グリセリン、
ゼラチンまたはポリエチレングリコールと組み合わせることができ、型に入れて
座薬にすることができる。
本明細書に記載する化合物は、ビトロネクチン受容体に対する拮抗薬であり、
ビトロネクチン受容体が関与するリガンドまたは細胞に起因する病理が根本にあ
る疾患の処置に有用である。例えば、これらの化合物は、骨基質の損失が病理を
つくりだす疾患の処置に有用である。したがって、本化合物は骨粗鬆症、上皮小
体機能亢進症、パジェット病、悪性腫瘍の高カルシウム血症、骨転移により引き
起こされる骨軟化病変、非可動化による骨損失または性ホルモン欠損の処置に有
用である。本発明の化合物は、また、抗ガン、抗炎症、抗脈管形成および抗転移
剤として有用性があり、ガン、アテローム性動脈硬化症および再狭窄の処置に有
用であろう。
当該ペプチドは、患者に経口または非経口的に、薬物濃度が骨吸収を阻止する
に十分な濃度で、またはその他のこのような指示に従って投与する。当該ペプチ
ドを含有する医薬組成物は、患者の状況に合致する方法で約0.1〜約50mg/k
gの経口投与量で投与する。好ましくは、経口投与量は約0.5〜約20mg/kgで
ある。緊急処置用には、非経口投与が好ましい。当該ペプチドの水または通常生
理食塩溶液中5%デキストロース溶液、または同様の製剤を適切な賦形剤と共に
、静脈内還流するのがもっとも効果的であるが、筋肉内ボーラス投与もまた有用
である。典型的な非経口投与量は約0.01〜約100mg/kg;好ましくは0.1
〜20mg/kgである。化合物は一日の投与量の全量が約0.4〜約400mg/kg
/日に達するレベルで一日1〜4回投与する。化合物投与の正確なレベルおよび
方法は通常の当業者により、薬物の血中レベルを治療効果を得るのに必要な濃度
と比較することにより、速やかに決定される。
化合物は数種の生物検定の1つで試験し、所定の薬理学的効果を得るのに必要
な化合物濃度を決定することができる。
ビトロネクチン結合の阻害
固相[3H]−SK&F−107260のαvβ3への結合:緩衝液T(2mM Ca
Cl2および1%オクチルグルコシド含有)中ヒト胎盤またはヒト血小板αvβ3(
0.1〜0.3mg/mL)を1mM CaCl2、1mM MnCl2、1mM MgCl2を含有
する緩衝液T(緩衝液A)および0.05% NaN3で希釈し、次いで、即座に9
6−ウエルELISAプレート(コーニング(Corning)、ニューヨーク州ニュ
ーヨーク)にウエルあたり0.1mLを加えた。αvβ3をウエルあたり0.1〜0.
2μg加えた。プレートを4℃で一晩インキュベートした。実験
時に、ウエルを緩衝液Aで一度洗浄し、同一緩衝液中3.5%ウシ血清アルブミ
ン0.1mLと共に室温で1時間インキュベートした。インキュベーションに続い
て、ウエルを完全に吸引し、緩衝液A 0.2mLで2回洗浄した。
化合物を100%DMSOに溶解し、2mMの保存溶液を得、これを結合緩衝
液(15mMトリス−HCl(pH7.4)、100mM NaCl、1mM CaCl2、
1mM MnCl2、1mM MgCl2)で希釈し、最終化合物濃度を100μMにした
。次に、この溶液を必要な化合物濃度に希釈する。種々の濃度の非標識化拮抗物
(0.001〜100μM)を3検体ずつウエルに加え、続いて、5.0nMの[3
H]−SK&F−107260(65〜86Ci/mmol)を加えた。
プレートを室温で1時間インキュベートした。インキュベーションに続いて、
ウエルを完全に吸引し、氷冷緩衝液A 0.2mLで1回ウエルからウエルの方法
で洗浄した。受容体を1%SDS 0.1mLで可溶化し、結合した[3H]−SK&
F−107260を、40%効率でベックマンLS液体シンチレーションカウン
ター(Beckman LS Liquid Scintillation Counter)においてレディーセ
ーフ(Ready Safe)3mLを添加して液体シンチレーション計数により決定し
た。[3H]−SK&F−107260の非特異的結合は2μMのSK&F−10
7260の存在下で決定し、一貫して全投入放射リガンドの1%未満であった。
IC50([3H]−SK&F−107260の結合を50%阻害する拮抗物濃度)
は、LUNDON−2プログラムから改変した非直線的最小二乗曲線適合ルーチ
ンにより決定した。Ki(拮抗物の解離定数)は等式:Ki=IC50/(1+L/
Kd)(式中、LおよびKdは各々[3H]−SK&F−107260の濃度および解
離定数である)に準じて計算した。
本発明化合物は、0.1〜25マイクロモル濃度の範囲でSK&F−1072
60へのビトロネクチン結合を阻害する。好ましい化合物はビトロネクチン結合
を1マイクロモル未満の濃度で阻害する。
本発明化合物はまた、骨形成の阻害を評価するための当該技術分野では標準的
な検定で、例えばEP 528 587に開示されている小窩形成検定で、骨吸収
をインビトロおよびインビボで試験する。この検定はまたラット破骨細胞の代わ
りにヒト破骨細胞を用い、およびWronskiら、Cells and Materials 1991
,Sup.1,69−74に記載されているオヴァレクトマイズした(ovarectomize
d)ラットモデルを用いても実施することができる。
上皮小体切除ラットモデル
各実験群は5〜6匹の雄性スプレーグ−ドーリーラットから成る。ラットは使
用7日前に(売り主:タコニック・ファームズ(Taconic Farms)により)上
皮小体切除される。使用24時間前に、尾静脈穿刺によりヘパリン処理したチュ
ーブ中に回収した直後の全血中の循環イオン化カルシウム値を測定する。イオン
化Ca値(チバ−コーニング(Ciba−Corning)634型カルシウムpH測定器
で測定)が<1.2mM/Lである場合のラットを含める。次にラットに無カルシ
ウム食および脱イオン水を与える。実験開始時にラットの体重はおよそ100g
である。Ca値の基底値を測定し、ラットに対照賦形剤(生理食塩水)または化
合物(生理食塩水に溶解)を1回静脈内(尾静脈)にボーラス注射し、続いてす
ぐにヒト上皮小体ホルモン1〜34ペプチド(hPTH1−34、用量生理食塩
水/0.1%ウシ血清アルブミン中0.2mg/kg、バケム(Bachem)、Ca)また
はPTH賦形剤を1回皮下注射する。PTHに対するカルシウム血液反応(およ
びこの反応に対する化合物の任意の効果)を化合物/PTH投与の2時間後に測
定する。
ラット尺骨変動モデル
各実験群は、実験開始時体重がおよそ30〜40gのスプレーグ−ドーリーま
たはウィスターラットの雄8〜10匹から成る。試験する薬物は7日間、1日1
回または複数回、適当な経路で投与する。最初の投与の前に、時間内の骨形成の
表面の位置を標識化する蛍光マーカー(テトラサイクリン25mg/kg、またはカ
ルセイン10mg/kg)を1回投与する。化合物の投与完了後、ラットを殺し、両
前脚を肘で除去し、後脚を課で除去し、そして皮膚を除去する。試料を凍結し、
ミクロトーム・チャックに垂直に載せる。尺骨の中軸部分の横断面を低温保持装
置中で切断する。骨吸収速度を皮質性骨の内側背面部位で体型測定する。測定は
以下の通り行う:骨膜表面での骨吸収量は、骨膜表面が0日における骨内膜骨形
成表面に組み込まれた蛍光標識に向かって進行することによる距離に等しい;こ
の距離は7日目の標識および骨膜表面の間の骨の幅を0日の幅から引くことによ
り算出する;吸収速度の1日あたりのミクロンは、結果を7で割ることにより算
出する。
ヒト破骨細胞吸収検定(“小窩検定”)
・破骨細胞新生物由来の細胞懸濁液のアリコットを液体窒素保存から取り出し
、急速に37℃に加温し、RPMI−1640溶媒で遠心(1000rpm、4℃
で5分間)により1回洗浄する。
・溶媒を吸引し、それをRPMI−1640溶媒で1:3に希釈したネズミ抗
−HLA−DR抗体と置き換える。氷上で30分間インキュベートし、細胞懸濁
液を何度も混合する。
・細胞を冷RPMI−1640で遠心(1000rpm、4℃で5分間)により
2回洗浄し、細胞を無菌の15ml遠心管に移す。単核細胞数を改良ニューバウワ
アー(Neubauer)計数チャンバーで計数する。
・ヤギ抗マウスIgGで被覆した十分な磁気を有するビーズ(5/単核細胞)
を保存ビンから取り出し、新鮮な溶媒5ml中に置く(これにより有毒なアジ化物
保存剤を洗浄除去する)。磁石上にビーズを固定化することにより溶媒を除去し
、新鮮な溶媒と置き換える。
・ビーズを細胞と混合し、懸濁液を氷上で30分間インキュベートする。懸濁
液は十分に混合する。
・ビーズで被覆した細胞を磁石上に固定し、残った細胞(破骨細胞が豊富な画
分)を50mlの無菌遠心管にデカントする。
・新鮮な溶媒をビーズで被覆した細胞に加えていずれの捕捉した破骨細胞をも
追い出す。この洗浄工程を10回繰り返す。ビーズで被覆した細胞は捨てる。
・破骨細胞は、大口径の使い捨てプラスチック製のパスツールを用いてチャン
バーを試料で満たし、計数チャンバー中で計数する。
・細胞は遠心してペレット状にし破骨細胞の密度をEMEM溶媒で1.5×1
04/mlに調整し、10%ウシ胎児血清および1.7g/リットルの重炭酸ナトリ
ウムを補う。
・細胞懸濁液(処理あたり)3mlアリコットを15ml遠心管にデカントする。
細胞は遠心によりペレット状にする。
・各管に適当な処理の3mlを加える(EMEM溶媒で50μMに希釈)。適当
な賦形剤対照、陽性対照(87MEM1を100μg/mlに希釈)およびアイソ
タイプ対照(IgG2a、100μg/mlに希釈)をも含める。37℃で30分間
インキュベートする。
・細胞の0.5mlアリコットを48ウエルプレート中、無菌のぞうげ質薄片上
に播種し、37℃で2時間インキュベートする。各処理は、4検体ずつ選別する
。
・薄片を温PBS(6ウエルプレートにおいて10ml/ウエル)を6回変えて
洗浄し、次いで新たに処理または対照物内に置く。37℃で48時間インキュベ
ートする。
酒石酸塩耐性酸性ホスファターゼ(trap)法(破骨細胞の子孫細胞の選択的染
色)
・薄片をリン酸塩緩衝化生理食塩水で洗浄し、2%グルタルアルデヒド(0.
2Mカコジル酸ナトリウム中)中に5分間固定する。
・これらを水で洗浄し、TRAP緩衝液中37℃で5分間インキュベートする
。
・冷水での洗浄に続いて、冷酢酸塩緩衝液/ファースト・レッド・ガーネット
中4℃で5分間インキュベートする。
・過剰の緩衝液を吸引し、薄片を空気乾燥し、続いて水で洗浄する。
・TRAP陽性破骨細胞を明視野(bright−field)顕微鏡検査法により計数
し、次いで音波処理によりぞうげ質の表面から除去する。
・小窩体積をニコン/ラセルテック(Nikon/Lasertec)ILM21W共焦
顕微鏡を用いて決定する。
RGD媒介GPIIB−IIIA結合の阻害
GPIIb−IIIaの精製
日数がたった、洗浄したヒト血小板10単位(赤十字より入手)を3%オクチ
ルグルコシド、20mMトリス−HCl、pH7.4、140mM NaCl、2mM
CaCl2中4℃で2時間穏やかに撹拌することにより溶解した。溶解物を100,
000gで1時間遠心した。得られた上清を、20mMトリス−HCl、pH7.4
、100mM NaCl、2mM CaCl2、1%オクチルグルコシド(緩衝液A)で
予め平衡にした5mLレンチル・レクチン・セファロース4Bカラム(イー・ワ
イ・ラブズ(E.Y.Labs))に適用した。2時間のインキュベーションの後、
カラムを冷緩衝液A 50mLで洗浄した。レクチン保持GPIIb−IIIaを10%
デキストロース含有緩衝液Aで溶離した。全工程を4℃で実施した。得られたG
PIIb−IIIaはSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動により示されるように、
純度>95%であった。
GPIIb−IIIaのリポソームへの組み込み
ホスファチジルセリン(70%)およびホスファチジルコリン(30%)の混
合物(アバンティ・ポラー・リピッズ(Avanti Polar Lipids))を窒素蒸気
下ガラス管壁に乾燥させた。精製したGPIIb−IIIaを希釈して最終濃度0.5mg
/mLにし、タンパク:リン脂質比1:3(重量:重量)で、リン脂質と混合した
。混合物を再懸濁し、ソニケーター浴中5分間音波処理した。次いで混合物を分
子量12,000〜14,000を分離する透析管を用いて、1000倍過剰の5
0mMトリス−HCl、pH7.4、100mM NaCl、2mM CaCl2に対して(
2回変えて)一晩透析した。GPIIb−IIIa含有リポソームを12,000gで1
5分間遠心し、最終タンパク濃度がおよそ1mg/mLで透析緩衝液に再懸濁した
。リポソームは必要になるまで−70℃で保存した。
GPIIb−IIIaへの競合結合
フィブリノーゲン受容体(GPIIb−IIIa)への結合は[3H]−SK&F−10
7260をRGD型リガンドとして用いる間接的競合結合法により検定した。結
合検定は96ウエル濾過プレートアセンブリー(ミリポア・コーポレーション(
Milipore Corporation)、マサチューセッツ州ベッドフォード)で0.22μm
親水性デュラポア(durapore)膜を用いて実施した。ウエルは10μg/mLポリ
リシン(シグマ・ケミカル・カンパニー(Sigma Chemical Co.)、ミズーリ州
セントルイス)0.2mLで室温で1時間、予め被覆され、非特異的結合を
阻止した。非標識ベンゾアジアザピンを種々濃度でウエルに4検体ずつ加えた。
[3H]−SK&F−107260を各ウエルに最終濃度4.5nMで適用し、続い
て1μgの精製血小板GPIIb−IIIa含有リポソームを添加した。混合物を室温で
1時間インキュベートした。GPIIb−IIIa結合[3H]−SK&F−107260
をミリポア濾過マニホルドを用いて濾過し、続いて氷冷緩衝液(0.2mLずつ2
回)で洗浄することにより非結合物と分離した。フィルターに残った結合放射活
性は、40%の効率を有するベックマン液体シンチレーションカウンター(Bec
kman Liquid Scintillation Counter)(モデル(Model)LS6800)に
おいて、レディーソルブ(Ready Solve)(ベックマン・インストゥルメンツ
(Beckman Instruments)、カリフォルニア州フラートン)1.5mL中で計数し
た。非特異的結合は2μM非標識化SK&F−107260の存在下で測定し、
一致して試料に加えた全放射活性の0.14%未満であった。全データの点は4
検体測定の平均である。
競合結合のデータは非直線的最小二乗曲線補正法により分析した。この方法は
拮抗物のIC50([3H]−SK&F−107260の特異的結合を平衡時で50
%だけ阻害する拮抗物濃度)を提供する。IC50はチェン(Cheng)およびプラ
ソフ(Prusoff)の等式:Ki=IC50/(1+L/Kd)(式中、Lは競合結合
検定に用いた[3H]−SK&F−107260の濃度(4.5nM)、Kdは[3H
]−SK&F−107260の解離定数で、これはスカッチャード(Scatchard
)分析により決定されるように4.5nMである)に基づく拮抗物の平衡解離定数
(Ki)に関係する。
本発明の好ましい化合物は、3:1よりも大きな、フィブリノーゲン受容体と
比較してビトロネクチン受容体についての親和性を有する。さらに好ましい化合
物は、10:1よりも大きい活性比率を有する。本発明の化合物の、フィブリノ
ーゲン受容体と比較してビトロネクチン受容体への増強された結合の比較結果を
以下の表1に示す:
血管平滑筋細胞移動検定
本発明の化合物は、例えば典型的には血管形成術に続いて起こる動脈の再狭窄
を阻止する能力を評価するために、動脈または静脈の平滑筋組織の移動および増
殖を阻害する能力を試験した。
ラットまたはヒト大動脈平滑筋細胞を使用した。細胞の移動はトランスウェル
細胞培養チャンバー中、8μm孔のポリカーボネート膜(コスター)を用いてモ
ニターした。フィルターの下部表面はビトロネクチンで被覆した。細胞を0.2
%ウシ血清アルブミンを2.5〜5.0×106セル/mLの濃度で補充したDME
Mに懸濁し、種々濃度の試験化合物と20℃で20分間前処理した。溶媒単独を
対照として使用した。細胞懸濁液0.2mLをチャンバーの上部の区画に置いた。
下部の区画は0.2%ウシ血清アルブミンを補充したDMEM0.6mLを含有し
た。95%空気/5%二酸化炭素の雰囲気下、37℃で24時間インキュベート
した。インキュベートの後、フィルターの上部表面の非移動細胞を穏やかにかき
落として除去した。次にフィルターをメタノールで固定し、10%ギエムサ(G
iemsa)染料で染色した。移動はa)フィルターの下部表面に移動した細胞数を
計数するか、または、b)10%酢酸で染色した細胞を抽出し、続いて600n
Mでの吸収を決定することにより測定した。
実施例
核磁気共鳴スペクトルは各々ブラッカー(Bruker)AM250またはブラッ
カーAC400分光器を用いて250または400MHzで記録した。CDCl3
はジュウテリオクロロホルム、DMSO−d6はヘキサジュウテリオジメチルスル
ホキシド、およびCD3ODはテトラジュウテリオメタノールである。化学シフ
トは内部標準テトラメチルシランからppm(δ)のずれで報告する。NMRデー
タの略語は以下のとおりである:s=一重線、d=二重線、t=三重線、q=四
重線、m=多重線、dd=二重線の二重線、dt=三重線の二重線、app=ア
パレント、br=ブロードである。Jはヘルツで測定されるNMR結合定数であ
る。赤外線吸収(IR)スペクトルはパーキン−エルマー683赤外吸収分光器
を透過モードで記録した。IR吸収帯の位置は、波数の逆数(cm-1)で報告する
。
質量スペクトルはVG 70 FE、PE Syx APIIIIまたはVG ZAB H
F装置で行い、高速原子衝撃(FAB)または電子スプレー(ES)イオン化法
を用いる。元素分析はパーキン−エルマー240C元素分析器を用いて得た。融
点はトーマス−フーバー融点測定器で行ったが、補正していない。すべての温度
は摂氏で報告した。
薄層クロマトグラフィーには、アナルテック・シリカゲル・ジー・エフ(Ana
ltech Silica Gel GF)およびイー・メルクシリカゲル(E.Merck Silica
Gel)60 F−254薄層プレートを使用した。フラッシュおよび重量クロマ
トグラフィーは両方ともにイー・メルク・キーケルゲル(E.Merck Kieselgel
)60(230−400メッシュ)シリカゲル上で実施した。分析用および分取
用HPLCはレイニン(Rainin)またはベックマン(Beckman)クロマトグラ
フで実施した。ODSはオクタデシルシリル誘導シリカゲルクロマトグラフィー
支持体のことである。5μアペックス(Apex)−ODSはコロラド州リトルト
ンのジョーンズ・クロマトグラフィー(Jones Chromatography)製の名目上の
粒子径5μのオクタデシルシリル誘導シリカゲルクロマトグラフィー
持体であり、日本国京都のワイ・エム・シー・カンパニー・リミテッド(YMC
ンゼン)クロマトグラフィー支持体であり、ネバダ州レノのハミルトン・カンパ
イソウシリカからなる濾過助剤であり、コロラド州ダンバーのマンヴィル・コー
ポレーション(Manville Corp.)の登録商標である。
(±)−7−カルボキシ−3−オキソ−2−(2−フェニルエチル)−2,3,4,
5−テトラヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−酢酸メチル、(±)−
7−カルボキシ−4−メチル−3−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H
−1,4−ベンゾジアゼピン−2−酢酸メチルおよび3−アミノ−(N−ベンジル
オキシカルボニル)ベンズアミジンはBondinellら、WO 93/00095の方
法により調製した。(±)−8−カルボキシ−2−メチル−3−オキソ−2,3,4
,
5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−4−酢酸メチルは4−ブロモ−
3−メチル安息香酸を3−ブロモ−4−メチル安息香酸で置き換え、メチルアミ
ンをフェネチルアミンで置き換える以外は、WO 94/14776の実施例1
に開示する方法により調製した。4−(2−メチルピリジル)ピペラジンはCross
およびDickinson、US 4,806,536(1989年2月21日)の方法に
より調製した。
実施例1
(±)−7−[[(6−アミノ−2−ピリジニル)アミノ]カルボニル]−4−メチル
−3−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−
2−酢酸の調製
a)(±)−7−[[(6−アミノ−2−ピリジニル)アミノ]カルボニル]−4−メ
チル−3−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピ
ン−2−酢酸メチル
室温で、アルゴン下、2,6−ジアミノピリジン(0.2g、1.8ミリモル)、
(±)−7−カルボキシ−4−メチル−3−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ
−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−酢酸メチル(0.44g、1.50ミリモ
ル)、EDC(0.34g、1.8ミリモル)およびHOBT・H2O(0.24g、
1.8ミリモル)のDMF(8mL)中撹拌混合物にジイソプロピルエチルアミン
(0.29g、2.25ミリモル)を一度に加えた。24時間後、褐色を帯びた溶
液を氷水(90g)および5%NaHCO3(10mL)の混合物に注いだ。得られ
た沈殿物を濾過し、風乾してオフホワイト色の固体を得た(0.53g)。フラッ
シュクロマトグラフィー(シリカゲル、7%MeOH/CH2Cl2)で標記化合物
(0.04g、7%)を得た:1H NMR(250MHz、CDCl3)δ 6.26
−8.20(m、6H)、5.47(d,J=16Hz、1H)、5.12(dd,J
=11,6Hz、1H)、4.59(d,J=4Hz、2H)、3.80(d,J=
16Hz、1H)、3.76(s、3H)、3.09(s、3H)、3.00(dd
,J=16,6Hz、1H)、2.68(dd,J=16,6Hz、1H);MS
(ES)m/e 384.2(M+H)+。
b)(±)−7−[[(6−アミノ−2−ピリジニル)アミノ]カルボニル]−4−メ
チル−3−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピ
ン−2−酢酸
室温で、(±)−7−[[(6−アミノ−2−ピリジニル)アミノ]カルボニル]−4
−メチル−3−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−ベンゾジア
ゼピン−2−酢酸メチル(0.044g、0.12ミリモル)のTHF(4mL)
およびH2O(5mL)中混合物に1.0N LiOH(0.26mL、0.26ミリモ
ル)を滴下した。得られた淡黄色を帯びた褐色溶液を23時間撹拌し、次いでロ
ータリーエバポレーターで濃縮した。得られた残留物を凍結乾燥して、黄色を帯
カラム、段階勾配液、10−15%CH3CN/H2O-0.1%TFA)により標
記化合物を得た:1H NMR(250MHz、DMSO−d6)δ10.75(b
r、1H)、6.46−8.29(m、6H)、5.73(s、1H)、5.53(
d,J=17Hz、1H)、5.17(br、1H)、3.88(d,J=17Hz
、1H)、2.96(s、3H)、2.83(dd,J=17,9Hz、1H)、
2.58(dd,J=17,5Hz、1H);MS(ES)m/e 370.2(M
+H)+。元素分析(C18H19N5O4・9/4 CF3CO2H・1/2 H2O)理
論値:C,42.56;H,3.53;N,11.03。測定値:C,42.20;
H,3.02;N,11.36
実施例2
(±)−8−[[(6−アミノ−2−ピリジニル)アミノ]カルボニル]−2−メチル
−3−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−4−
酢酸の調製
a)(±)−8−[[(6−アミノ−2−ピリジニル)アミノ]カルボニル]−2−メ
チル−3−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−
4−酢酸メチル
(±)−8−カルボキシ−2−メチル−3−オキソ−2,3,4,5−テトラヒド
ロ−1H−2−ベンゾアゼピン−4−酢酸メチル(300mg、1.03ミリモル
)
および塩化チオニル(10mL)の混合物を1時間還流した。得られた溶液を濃
縮乾燥して泡状物を生じた。これをCH2Cl2(10mL)に溶解し、2,6−ジ
アミノピリジン(0.34g、3.09ミリモル)のCH2Cl2(10mL)および
DMF(3mL)中溶液を、室温でアルゴン下、滴下した。110分後、反応混
合物をCH2Cl2(150mL)および5%NaHCO3(70mL)の間で分配し
た。有機層を分離し、5%NaHCO3(50mL)およびH2O(50mL)で逐
次的に洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、濃縮して黄色を帯びた固体を得た(0.6
9g)。MeOH/CH2Cl2/EtOAcから再結晶し、標記化合物を得た(0.1
6g、41%):1H NMR(250MHz、CDCl3/DMSO−d6)δ 6.6
3−10.00(m、6H)、5.71(s、2H)、5.30(d,J=16Hz
、1H)、4.07(d,J=17Hz、1H)、3.83(m、1H)、3.61
(s、3H)、2.93(s、3H)、2.71−3.25(m、3H)、2.45
(dd,J=17,5Hz、1H);MS(ES)m/e 383.2(M+H)+
。
b)(±)−8−[[(6−アミノ−2−ピリジニル)アミノ]カルボニル]−2−メ
チル−3−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−
4−酢酸
室温で、実施例2(a)の化合物(160mg、0.42ミリモル)のTHF(
6.5mL)およびH2O(8mL)中混合物に1.0N LiOH(0.92mL、0.
92ミリモル)を滴下した。得られた溶液を21.5時間撹拌し、次いでロータ
リーエバポレーターで濃縮した。得られた残留物を凍結乾燥して、粗製生成物
CH3CN/H2O−0.1%TFA)により精製して、標記化合物を得た:1HN
MR(250MHz、DMSO−d6)δ11.13(br、1H)、6.52−7
.88(m、6H)、5.35(d,J=16Hz、1H)、4.10(d,J=1
7Hz、1H)、3.82(m、1H)、2.94(s、3H)、2.53−3.2
2(m、3H)、2.37(dd,J=17,5Hz、1H);MS(ES)m/
e 369.2(M+H)+。元素分析(C19H20N4O4・3/2 CF3CO2H)理
論値:C,48.99;H,4.02;N,10.39。測定値:C,48.75
;H,4.23;N,10.35。
実施例3
(±)−7−[[(6−アミノ−3−ピリジニル)アミノ]カルボニル]−3−オキソ
−4−(2−フェニルエチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−ベン
ゾジアゼピン−2−酢酸の調製
a)(±)−7−[[(6−アミノ−3−ピリジニル)アミノ]カルボニル]−3−オ
キソ−4−(2−フェニルエチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−
ベンゾジアゼピン−2−酢酸メチル
(±)−7−カルボキシ−4−メチル−3−オキソ−2,3,4,5−テトラヒド
ロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−酢酸メチルの代わりに(±)−7−カ
ルボキシ−3−オキソ−2−(2−フェニルエチル)−2,3,4,5−テトラヒド
ロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−酢酸メチルに置き換えて、2,6−ジ
アミノピリジンの代わりに2,5−ジアミノピリジンに置き換えて、実施例1(
a)の方法に準じ、標記化合物を調製した(0.42g、42%):1H NMR
(250MHz、CDCl3/DMSO−d6)δ6.14−9.46(m、7H)、
5.35−5.44(br、3H)、5.13(m、1H)、3.68(s、3H)
、3.55−3.83(m、3H)、2.94(dd,J=17,8Hz、1H)、
2.78(t、2H)、2.66(dd,J=17,5Hz、1H);MS(ES
)m/e 474.2(M+H)+。
b)(±)−7−[[(6−アミノ−3−ピリジニル)アミノ]カルボニル]−3−オ
キソ−4−(2−フェニルエチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−
ベンゾジアゼピン−2−酢酸
(±)−7−[[(6−アミノ−3−ピリジニル)アミノ]カルボニル]−3−オキソ
−4−(2−フェニルエチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−ベン
ゾジアゼピン−2−酢酸メチル(0.23g、0.48ミリモル)のTHF(12m
L)およびH2O(17mL)中混合物に1.0N LiOH(1.1mL、1.1ミリ
モル)を室温で滴下した。22.5時間後、暗赤色を帯びた褐色の反応混合物を
ロータリーエバポレーターで濃縮して、過剰のTHFを除去した。得られた赤
色を帯びた溶液を氷浴中で冷却し、1.0N AcOH(1.8mL)で中和した。
沈殿物を吸引濾過により回収し、水およびエーテルで洗浄し、風乾してピンク色
を帯びた紫色の固体の標記化合物を得た(0.19g、86%):1H NMR(4
00MHz、DMSO−d6)δ9.55(s、1H)、6.40−8.29(m、7
H)、5.69(s、2H)、5.42(d,J=17Hz、1H)、5.09(b
r、1H)、3.95(dd,J=17Hz、1H)、3.59−3.65(m、2
H)、2.51−2.82(m、4H);MS(ES)m/e 460.2(M+H
)+。元素分析(C25H25N5O4・9/4 H2O)理論値:C,60.05;H,
5.98;N,14.01 検出:C,59.79;H,5.92;N,13.64
。
実施例4
(±)−1−アセチル−7−[[(6−アミノ−2−ピリジニル)アミノ]カルボニ
ル]−4−メチル−3−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−ベ
ンゾジアゼピン−2−酢酸の調製
a)(±)−1−アセチル−7−カルボキシ−4−メチル−3−オキソ−2,3,
4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−酢酸メチル
(±)−7−カルボキシ−4−メチル−3−オキソ−2,3,4,5−テトラヒド
ロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−酢酸メチル(2.0g、8.6ミリモル
)、無水酢酸(25mL)および酢酸(1mL)を加熱還流した。48時間後、反
応物を濃縮し、残留物をH2O(20mL)およびMeOH(15mL)で希釈した
。得られた溶液を濃縮して標記化合物を得た(1.8g、78%):1H NMR(
400MHz、DMSO−d6)δ1.7−1.8(s、3H)、2.2−2.6(m
、2H)、2.9−3.0(s、3H)、3.5−3.6(s、3H)、4.2−4.
3(d、1H)、4.7−4.8(d、1H)、5.8−5.9(t、1H)、7.
5−7.6(d、1H)、7.9−8.0(dd、1H)、8.1−8.2(d、1
H);MS(ES)m/e 335.0(M+H)+。
b)(±)−1−アセチル−7−[[(6−アミノ−2−ピリジニル)アミノ]カルボ
ニル]−4−メチル−3−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−
ベンゾジアゼピン−2−酢酸メチル
HOBT・H2O(0.54g、3.6ミリモル)およびEDC(0.686g、3
.6ミリモル)を(±)−1−アセチル−7−カルボキシ−4−メチル−3−オキ
ソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−酢酸メ
チル(1.0g、3ミリモル)の乾燥DMF(15mL)中溶液に加えた。1時間
後反応溶液を2,6−ジアミノピリジン(0.326g、3.0ミリモル)の乾燥D
MF(20mL)中溶液に滴下した。反応溶液を18時間撹拌し、次いで濃縮し
た。クロマトグラフィー(シリカゲル、9:1 CH2Cl2/MeOH)で標記化
合物を得た(0.9g、70%):1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δ
1.80(s、3H)、2.3−2.7(m、2H)、3.0−3.1(s、3H)
、3.5−3.6(s、3H)、4.1−4.2(d、1H)、4.7−4.8(d,
1H)、5.7−5.9(m、3H)、6.2−6.3(d、1H)、7.3−7.5
(m、3H)、8.0−8.1(d、1H)、8.2−8.3(s、1H);MS(
ES)m/e 426.0(M+H)+。
c)(±)−1−アセチル−7−[[(6−アミノ−2−ピリジニル)アミノ]カル
ボニル]−4−メチル−3−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4
−ベンゾジアゼピン−2−酢酸
(±)−1−アセチル−7−[[(6−アミノ−2−ピリジニル)アミノ]カルボニ
ル]−4−メチル−3−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−ベ
ンゾジアゼピン−2−酢酸メチル(0.23g、0.54ミリモル)、MeOH(
2mL)およびH2O(1mL)の冷溶液に1N NaOH(1.0mL、1.0ミリモ
ル)を加えた。溶液を室温で18時間撹拌し、次いで濃縮した。クロマトグラフ
ィー(ODS、10% CH3CN/H2O−0.1%TFA)で標記化合物を得た
(0.215g、90%):1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δ1.7−
1.9(s、3H)、2.0−2.6(m、2H)、3.0−3.1(s、3H)、
4.1−4.2(d、1H)、4.7−4.8(d、1H)、5.7−5.9(m、1
H)、6.4−6.5(d、1H)、7.0−7.1(d、1H)、7.5−7.6(
d、1H)、7.6−7.8(t、1H)、8.0−8.1(d、1H)、8.2−
8.3(s、1H);MS(ES)m/e 412.2(M+H)+。元素分析
(C20H21N5O5・2.75 CF3CO2H)理論値:C,42.25;H,3.3
0;N,9.66。測定値:C,42.01;H,3.25;N,9.85。
実施例5
(±)−2−メチル−3−オキソ−8−[[2−(ピリジニル)カルボニル]アミノ]
−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−4−酢酸の調製
a)(±)−8−アミノ−2−メチル−3−オキソ−2,3,4,5−テトラヒド
ロ−1H−2−ベンゾアゼピン−4−酢酸メチル
(±)−8−[(ベンジルオキシカルボニル)アミノ]−2−メチル−3−オキソ−
2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−4−酢酸メチル(1.
5g)、パールマン触媒(0.30g)および温AcOH(300mL)の混合物を
H2下(バルーン圧)、撹拌した。90分後、混合物を濾過して触媒を除去し、
濾液を濃縮して粘性油状の標記化合物を得た(1g、100%):1H NMR(
CDCl3)δ7.00(br s、2H)、6.88(d,J=8.1Hz、1H)、
6.57(dd,J=8.1,2.3Hz、1H)、6.43(d,J=2.3Hz、
1H)、5.25(d,J=16.3Hz、1H)、3.78(m、1H)、3.7
0(s、3H)、3.68(d,J=16.3Hz、1H)、3.03(s、3H)
、3.00−2.80(m、3H)、2.40(dd,J=16.7,5.3Hz、1H)
。
b)(±)−2−メチル−3−オキソ−8−[[2-(ピリジニル)カルボニル]アミ
ノ]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−4−酢酸メチル
(±)−8−カルボキシ−2−メチル−3−オキソ−2,3,4,5−テトラヒド
ロ−1H−2−ベンゾアゼピン−4−酢酸メチル(0.30g、1ミリモル)、ピ
コリン酸(1.2ミリモル)、HOBT・H2O(0.17g、1.2ミリモル)、
ジイソプロピルエチルアミン(0.53g、4ミリモル)およびDMF(5mL)
のアルゴン下室温で撹拌した溶液にEDC(0.24g、1.2ミリモル)を加え
た。得られた混合物を18時間撹拌し、次いで濃縮乾燥し、残留物をEtOAcお
よびH2O間で分配した。有機層をH2Oおよび食塩水で洗浄し、乾燥し(MgS
O4)、濃縮した。クロマトグラフィー(シリカゲル、1−5% MeOH/CH2
Cl2)により精製し、非結晶性固体の標記化合物を得た(26%):1H
NMR(CDCl3)δ10.02(s、1H)、8.62(d,J=4.1Hz、
1H)、8.29(d,J=7.8Hz、1H)、7.93(m、1H)、7.79
(d,J=2.1Hz、1H)、7.50(m、2H)、7.11(d,J=8.3
Hz、1H)、5.33(d,J=16.6Hz、1H)、3.88(d,J=16.
6Hz、1H)、3.85(m、1H)、3.72(s、3H)、3.06(s、3
H)、3.00−2.85(m、3H)、2.43(dd,J=16.7,5.4Hz
、1H)。
c)(±)−2−メチル−3−オキソ−8−[[2−(ピリジニル)カルボニル]ア
ミノ]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−4−酢酸
(±)−8−アミノ−2−メチル−3−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−
1H−2−ベンゾアゼピン−4−酢酸メチル(0.054g)、LiOH・H2O(
0.008g)、THF(2mL)およびH2O(2mL)の溶液を室温で撹拌した
。18時間後、反応物を濃縮乾燥し、残留物をH2Oに溶解した。溶液を3NH
ClでpH5にし、得られた沈殿物を濾過により回収した。減圧下、乾燥し、無色
固体の標記化合物を得た(0.04g、77%):1H NMR(DMSO−d6)δ
8.77(d,J=4Hz、1H)、8.24(d,J=8Hz、1H)、8.10
(m、1H)、7.88(d,J=2Hz、1H)、7.80−7.70(m、2H
)、7.15(d,J=8Hz、1H)、5.35(d,J=16Hz、1H)、4
.00(d,J=16Hz、1H)、3.82(m、1H)、2.97(s、3H)、2
.78(m、2H)、2.55(m、1H)、2.38(dd,J=16,5Hz、
2H);MS(ES)m/e 354(M+H)+。元素分析(C19H19N3O4・0
.125H2O)理論値:C,64.17;H,5.46;N,11.82。測定値
:C,63.99;H,5.39;N,11.77。
実施例6
(±)−8−[(ベンジルオキシカルボニル)アミノ]−2−メチル−3−オキソ−
2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−4−酢酸の調製
a)(±)−8−[(ベンジルオキシカルボニル)アミノ]−2−メチル−3−オキ
ソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−4−酢酸メチル
トルエン中で(±)−8−カルボキシ−2−メチル−3−オキソ−2,3,4,5
−テトラヒドロ−2−ベンゾアゼピン−4−酢酸メチル(0.30g、1ミリモル
)およびトリエチルアミン(0.16mL、1.2ミリモル)をアルゴン下室温で
撹拌した溶液にジフェニルホスホリルアジド(0.31g、1.2ミリモル)を加
えた。得られた混合物を80℃で1時間加熱し、次いで冷却し、ベンジルアルコ
ール(0.22g、2ミリモル)を加えた。混合物を80℃で4時間加熱し、次に
濃縮してトルエンを除去した。残留物をEtOAcに溶解し、溶液を5%NaHC
O3水溶液、1N HClおよび食塩水で逐次的に洗浄した。乾燥し(MgSO4)
、濃縮し、クロマトグラフィー(シリカゲル、1% MeOH/CH2Cl2)によ
り無色固体の標記化合物を得た(0.20g、47%):1H NMR(CDCl3)
δ7.40−7.30(m、6H)、7.06(dd,J=8.3,2Hz、1H)
、7.02(d,J=8.3Hz、1H)、6.65(br s、1H)、5.28(
d,J=16.7Hz、1H)、5.20(s、2H)、3.80(m、1H)、3
.79(d,J=16.7Hz、1H)、3.70(s、3H)、3.03(s、3
H)、3.00(m、2H)、2.88(m、1H)、2.41(dd,J=16.
8,5.3、1H)。
b)(±)−8−[(ベンジルオキシカルボニル)アミノ]−2−メチル−3−オキ
ソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−4−酢酸
実施例6(a)の化合物(0.24ミリモル)、LiOH・H2O(0.013g
、0.31ミリモル)、THF(2mL)およびH2O(2mL)の溶液を室温で1
8時間撹拌し、次いで濃縮乾燥した。残留物をH2Oに溶解し、その溶液を3N
HClでpH4〜5にした。得られた沈殿物を濾過により回収し、標記化合物を得
た(83%):1H NMR(アセトン−d6)δ8.50(br s、1H)、7.
45(br s、1H)、7.40−7.30(m、5H)、7.05(d,J=8
.3Hz、1H)、5.31(d,J=16.4Hz、1H)、5.17(s、2H)
、3.90(d,J=16.5Hz、1H)、3.84(m、1H)、3.08(d
d,J=11.6,4.9Hz、1H);MS(ES)m/e 383.2(M+H)+
。元素分析(C21H22N2O5・0.25H2O)理論値:C,65.19;H,5.
8
6;N,7.24。測定値:C,65.45;H,5.90;N,7.27。
実施例7
(±)−7−[[[3−(アミノイミノメチル)フェニル]アミノ]カルボニル]−4−
メチル−3−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼ
ピン−2−酢酸の調製
a)(±)−7−[[[3−[N−(ベンジルオキシカルボニル)アミノイミノメチル
]フェニル]アミノ]カルボニル]−4−メチル−3−オキソ−2,3,4,5−テト
ラヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−酢酸メチル
実施例2(a)の方法に準じて、(±)−7−カルボキシ−4−メチル−3−オ
キソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−酢酸
メチルを対応する酸塩化物に変換した。これをCH2Cl2(10mL)に溶解し、
3−アミノ−(N−ベンジルオキシカルボニル)ベンズアミジン(1.48g、5.
46ミリモル)およびピリジン(0.72g、9.1ミリモル)のCH2Cl2(15
mL)溶液にアルゴン下0℃で滴下した。混合物を室温で2時間撹拌し、次いで
CH2Cl2、EtOAcおよび5% NaHCO3の間で分配した。有機層を分離し、
0.05N HClで洗浄し、沈殿物を得た。これを回収し、MeOH/CH2Cl2
/EtOAcから再結晶し、標記化合物を得た(0.5g、51%):1H NMR(
400MHz、CDCl3/DMSO−d6)δ6.64−10.63(m、12H)、
5.55(d,J=16Hz、1H)、5.38(s、2H)、5.19(m、1H)、
3.86(d,J=17Hz、1H)、3.61(s、3H)、3.02(s、3H)、
2.93(dd,J=17,9Hz、1H)、2.66(dd,J=17,4Hz、
1H)。
b)(±)−7−[[[3−(アミノイミノメチル)フェニル]アミノ]カルボニル]−
4−メチル−3−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−ベンゾジ
アゼピン−2−酢酸メチル
実施例7(a)の化合物、10% Pd/C(0.19g)およびMeOH(30m
L)を含有する混合物をパー(Parr)装置中45psiで水素添加した。2時間後
、氷酢酸AcOH(5mL)およびさらに10% Pd/C(0.15g)を加え、
床を通して濾過し、濃縮して白色固体の標記化合物を得た(0.21g、81%)
:1H NMR(250MHz、DMSO−d6)δ6.55−10.19(m、10
H)、5.55(d,J=16Hz、1H)、5.18(m、1H)、3.90(d
,J=17Hz、1H)、3.62(s、3H)、2.97(s、3H)、2.86
(dd,J=17,9Hz、1H)、2.67(dd,J=17,5Hz、1H)
;MS(ES)m/e 410.2(M+H)+。
c)(±)−7−[[[3−(アミノイミノメチル)フェニル]アミノ]カルボニル]−
4−メチル−3−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−ベンゾジ
アゼピン−2−酢酸
実施例2(b)の方法に準じて、実施例7(b)の化合物をケン化し、精製し
て標記化合物を得た:1H NMR(250MHz、DMSO−d6)δ6.51−9
.30(m、10H)、5.54(d,J=17Hz、1H)、5.14(m、1H)
、3.88(d,J=17Hz、1H)、2.98(s、3H)、2.82(dd,
J=17,9Hz、1H)、2.57(dd,J=17,5Hz、1H);MS(
ES)m/e 396.2(M+H)+。元素分析(C20H21N5O4・3/2 CF3
CO2H)理論値:C,48.77;H,4.00;N,12.36。測定値:C,
48.77;H,4.38;N,12.52。
実施例8
(±)−7−[[[3−(アミノカルボニル)フェニル]アミノ]カルボニル]−4−メ
チル−3−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピ
ン−2−酢酸の調製
標記化合物は実施例7(c)に記載した反応の副生物として単離した:1H N
MR(250MHz、DMSO−d6)δ9.91(s、1H)、6.42−8.25
(m、9H)、5.53(d,J=17Hz、1H)、5.12(m、1H)、3.
87(d,J=17Hz、1H)、2.98(s、3H)、2.82(dd,J=
17,9Hz、1H)、2.57(dd,J=17,5Hz、1H);MS(ES
)m/e 397.0(M+H)+。元素分析(C20H20N5O5・1/3CF3CO2
H・
2/3H2O)理論値:C,55.60;H,4.89;N,12.55。測定値:
C,55.38;H,5.05;N,12.42。
実施例9
(±)−4−メチル−3−オキソ−7−[1−(4−フェニルピペラジニル)カル
ボニル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−
酢酸の調製
a)(±)−4−メチル−3−オキソ−7−[1−(4−フェニルピペラジニル)
カルボニル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−
2−酢酸メチル
室温で、(±)−7−カルボキシ−4−メチル−3−オキソ−2,3,4,5−テ
トラヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−酢酸メチル(175.4mg、
0.6ミリモル)、4−フェニルピペラジン(0.11mL、0.72ミリモル)、
HOBT・H2O(97.3mg、0.72ミリモル)およびジイソプロピルエチル
アミン(0.21mL、1.2ミリモル)の無水DMF(3mL)溶液にEDC(1
37.6mg、0.72ミリモル)を加えた。18時間後、反応物をロータリーエバ
ポレーター(高真空)で濃縮し、残留物をH2Oで希釈した。CHCl3で抽出し
、乾燥し(Na2SO4)、濃縮し、キシレンから再濃縮し、黄色油状物を生じ、
EtOAcで処理した後、濃縮して固化した。クロマトグラフィー(シリカゲル、
5% MeOH/CHCl3)で油状物を得、これをEtOAcで処理して固体を得た
。冷Et2O(2×20mL)と一緒に粉末にし、オフホワイト色の固体の標記化
合物を得た(238.8mg、91%):TLC Rf(5% MeOH/CHCl3)
0.33;1H NMR(250MHz、CDCl3)δ7.07−7.36(m、4H
)、6.82−7.00(m、3H)、6.49−6.59(m、1H)、5.45
(d,J=16.5Hz、1H)、5.19(app t、1H)、3.55−3.9
5(m、5H)、3.75(s、3H)、3.15−3.35(m、4H)、3.0
9(s、3H)、3.00(dd,J=16.0,6.6Hz、1H)、2.67(
dd,J=16.0,6.5Hz、1H);MS(ES)m/e 437.2(M+H
)+、275.0。
b)(±)−4−メチル−3−オキソ−7−[1−(4−フェニルピペラジニル)
カルボニル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−
2−酢酸
(±)−4−メチル−3−オキソ−7−[1−(4−フェニルピペラジニル)カル
ボニル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−
酢酸メチル(238.8mg、0.55ミリモル)、1.0N NaOH(1.7mL、
1.7ミリモル)およびMeOH(5.5mL)の混合物を35℃で一晩撹拌した。
得られた均質な溶液を濃縮乾燥し、残留物を1:1 H2O/CH3CNに溶解し
た。溶液を0℃に冷却し、TFAで酸性にし、次いで濃縮してピンク色を帯びた
オレンジ色の油状物を得た。クロマトグラフィー(ODS、25% CH3CN/
H2O−0.1% TFA)に付し、濃縮し、凍結乾燥して、オフホワイト色の粉
末の標記化合物を得た(213.1mg、69%):HPLC k'2.6(PRP−
CD3OD)δ7.29−7.40(m、2H)、7.12−7.22(m、4H)
、7.04(t,J=7.4Hz、1H)、6.63(d,J=9.1Hz、1H)、
5.58(d,J=16.5Hz、1H)、5.20(dd,J=9.0,5.1Hz
、1H)、3.78−3.95(m、5H)、3.23−3.39(m、4H、残留
溶媒のシグナルにより部分的に不鮮明)、3.04(s、3H)、2.94(dd
,J=16.8,9.0Hz、1H)、2.65(dd,J=16.8,5.1Hz、
1H);MS(ES)m/e 423.2(M+H)+、261.0。元素分析(C23
H26N4O4・1.25CF3CO2H)理論値:C,54.20;H,4.86;N
,9.92。測定値:C,54.42;H,4.98;N,10.00。
実施例10
(±)−4−メチル−3−オキソ−7−[(1−ピペラジニル)カルボニル]−2,
3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−酢酸の調製
a)(±)−4−メチル−3−オキソ−7−[1−[4−(tert−ブトキシカルボ
ニル)ピペラジニル]カルボニル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−
ベンゾジアゼピン−2−酢酸メチル
室温で、(±)−7−カルボキシ−4−メチル−3−オキソ−2,3,4,5−テ
トラヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−酢酸メチル(175.4mg、
0.6ミリモル)、4−(tert−ブトキシカルボニル)ピペラジン(0.21g、1.
2ミリモル)、HOBT・H2O(97.3mg、0.72ミリモル)およびジイソ
プロピルエチルアミン(0.21mL、1.2ミリモル)の無水DMF(3mL)中
溶液にEDC(137.6mg、0.72ミリモル)を加えた。17時間後、反応物
をロータリーエバポレーター(高真空)で濃縮し、残留物を10% Na2CO3お
よびCH2Cl2の間で分配した。層分離し、水層をCH2Cl2で抽出した。乾燥し
(Na2SO4)、濃縮し、残った残留物をキシレンから再濃縮して、DMFを除
去した。クロマトグラフィー(シリカゲル、1:1 EtOAc/CHCl3中10
% MeOH)で無色泡状の標記化合物を得た(266mg、96%):TLC Rf
0.54(1:1 EtOAc/CHCl3中10% MeOH);1H NMR(250
MHz、CDCl3)δ7.09−7.16(m、2H)、6.53(d,J=8.9
Hz、1H)、5.44(d,J=16.5Hz、1H)、5.07(t,J=6.6
Hz、1H)、3.75(s、3H)、3.73(d,J=16.5Hz、1H、δ
3.75共鳴により部分的に不鮮明)、3.32−3.68(m、8H)、3.08
(s、3H)、2.99(dd,J=16.0,6.7Hz、1H)、2.67(d
d,J=16.0,6.4Hz、1H)、1.47(s、9H);IR(CHCl3)
3240−3560(br)、1729、1685(ショルダー)、1665、
1610、1455、1437、1420、1410、1367、1288、1
263、1245、1168、1123cm-1;MS(ES)m/e461.2(M
+H)+、405.2(M+H−C4H8)+。
b)(±)−4−メチル−3−オキソ−7−[(1−ピペラジニル)カルボニル]−
2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−酢酸
0℃で、(±)−4−メチル−3−オキソ−7−[1−[4−(tert−ブトキシカ
ルボニル)ピペラジニル]カルボニル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,
4−ベンゾジアゼピン−2−酢酸メチル(266.2mg、0.58ミリモル)の無
水CH2Cl2(2.9mL)中溶液にTFA(2.9mL)を一緒に加え、反応物を
室温まで加温した。2時間後、反応物を濃縮し、残留物をトルエン/MeOH(
1:1)から数回再濃縮して、残留TFAを除去した。得られた黄色油状物をM
eOH(5.8mL)に溶解し、0℃まで冷却した。1.0N NaOH(2.9mL、
2.9ミリモル)を加え、鮮黄色溶液を室温で撹拌した。20時間後、反応物を
濃縮し、残留物をH2O(5mL)に溶解した。溶液をTFAで酸性にし、濃縮し
、淡黄色の油状物が残った。クロマトグラフィー(ODS、5% CH3CN/H2
O−0.1% TFA)に付し、濃縮し、凍結乾燥して、淡黄色粉末の標記化
CH3CN/H2O−0.1% TFA);1H NMR(400MHz、CD3OD)
δ7.15−7.23(m、2H)、6.59−6.65(m、1H)、5.58(
d,J=16.5Hz、1H)、5.20(dd,J=9.0,5.1Hz、1H)、
3.81−3.95(m、5H)、3.22−3.30(m、4H)、3.04(s
、3H)、2.94(dd,J=16.7,9.0Hz、1H)、2.65(dd,
J=16.7,5.1Hz、1H);MS(ES)m/e 347.2(M+H)+、2
61.0。元素分析(C17H22N4O4・1.5CF3CO2H・H2O)理論値:C
,44.86;H,4.80;N,10.46。測定値:C,44.82;H,4.
82;N,10.36。
実施例11
(±)−4−メチル−3−オキソ−7−[1−[4−(1−ピペリジニル)ピペリジ
ニル]カルボニル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピ
ン−2−酢酸の調製
a)(±)−4−メチル−3−オキソ−7−[1−[4−(1−ピペリジニル)ピペ
リジニル]カルボニル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−ベンゾジア
ゼピン−2−酢酸メチル
室温で、(±)−7−カルボキシ−4−メチル−3−オキソ−2,3,4,5−テ
トラヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−酢酸メチル(175mg、0.
6ミリモル)、4−(1−ピペリジニル)ピペリジン(121.2mg、0.72ミリ
モル)、HOBT・H2O(97mg、0.72ミリモル)およびジイソプロピルエ
チルアミン(0.21mL、1.2ミリモル)の無水DMF(3mL)中溶液にED
C(138mg、0.72ミリモル)を加えた。21時間後、反応物をロータリー
エバポレーター(高真空)で濃縮し、残留物をCH2Cl2に採り、H2Oで洗浄し
た。乾燥し(Na2SO4)、濃縮し、オフホワイト色の固体の粗製生成物が残り
、これをキシレンから再濃縮して、残留DMFを除去した。水性の洗浄液を合わ
せて、CHCl3で抽出した。合わせたCHCl3層を乾燥し(Na2SO4)、濃縮
し、キシレンから再濃縮して、さらに粗製生成物を得た。粗製生成物を合わせ、
クロマトグラフィー(シリカゲル、20% MeOH/CHCl3)に付して、無色
固体の標記化合物を得た(205.2mg、77%):TLC Rf0.39(20%
MeOH/CHCl3);1H NMR(250MHz、CDCl3)δ7.05−7.
15(m、2H)、6.52(d,J=8.8Hz、1H)、5.44(d,J=1
6.4Hz、1H)、5.00−5.12(m、1H)、4.10−4.70(m、2
H)、4.40(d,J=5.1Hz、1H)、3.75(s、3H)、3.73(d
,J=16.4Hz、1H、δ3.75共鳴により部分的に不鮮明)、3.08(s
、3H)、2.40−3.20(m、9H)、1.35−2.10(m、10H);
IR(CHCl3)3400、2930、1731、1669、1613、143
9、1282cm-1;MS(ES)m/e 443.2(M+H)+。
b)(±)−4−メチル−3−オキソ−7−[1−[4−(1−ピペリジニル)ピペ
リジニル]カルボニル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−ベンゾジア
ゼピン−2−酢酸
(±)−4−メチル−3−オキソ−7−[1−[4−(1−ピペリジニル)ピペリジ
ニル]カルボニル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピ
ン−2−酢酸メチル(205.2mg、0.48ミリモル)、1.0N NaOH(1.
4mL、1.4ミリモル)およびMeOH(4.8mL)の混合物を35〜40℃で
19.5時間撹拌し、次いで濃縮乾燥した。残留物をH2O(2〜3mL)に溶解
し、0℃まで冷却し、TFAで酸性にした。濃縮し、残った残留物をクロマトグ
ラフィー(ODS、段階勾配液、12% CH3CN/H2O−0.1%TFA、1
5% CH3CN/H2O−0.1%TFA)で精製した。濃縮および凍結乾燥し、
無色粉末の標記化合物を得た(229.1mg、78%):HPLC k'2.9(P
0MHz、CD3OD)δ7.11−7.18(m、2H)、6.61(d,J=9.
0Hz、1H)、5.58(d,J=16.6Hz、1H)、5.20(dd,J=
9.0,5.1Hz、1H)、4.25−4.68(m、2H)、3.88(d,J=
16.6Hz、1H)、3.41−3.56(m、3H)、3.04(s、3H)、
2.88−3.16(m、4H)、2.94(dd,J=16.7,9.0Hz、1H)、
2.65(dd,J=16.7,5.1Hz、1H)、1.43−2.20(m、10
H);MS(ES)m/e 429.2(M+H)+。元素分析(C23H32N4O4・
1.5CF3CO2H・0.5H2O)理論値:C,51.31;H,5.71;N,
9.21。測定値:C,51.51;H,5.90;N,9.29。
実施例12
(±)−4−メチル−3−オキソ−7−[1−[4−(2−ピペリジニル)ピペラジ
ニル]カルボニル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピ
ン−2−酢酸の調製
a)(±)−4−メチル−3−オキソ−7−[1−[4−(2−ピペリジニル)ピペ
ラジニル]カルボニル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−ベンゾジア
ゼピン−2−酢酸メチル
室温で、(±)−7−カルボキシ−4−メチル−3−オキソ−2,3,4,5−テ
トラヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−酢酸メチル(175.4mg、
0.6ミリモル)、4−(2−ピリジニル)ピペラジン(0.11mL、0.72ミリ
モル)、HOBT・H2O(97.3mg、0.72ミリモル)およびジイソプロピ
ルエチルアミン(0.21mL、1.2ミリモル)の無水DMF(3mL)中溶液に
EDC(137.6mg、0.72ミリモル)を加えた。18.5時間後、混合物を
ロータリーエバポレーター(高真空)で濃縮し、残留物を10% Na2CO3水溶
液およびCHCl3の間で分配した。層分離し、水層をCHCl3で抽出した。CH
Cl3層を合わせ、食塩水で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、濃縮した。残留物を
CHCl3/MeOH/キシレン(1:1:1)から濃縮してDMFを除去し、
次いで、クロマトグラフィー(シリカゲル、5% MeOH/CHCl3)に付した
。この方法で得た不純な油状物をEtOAcに溶解した。ほとんどすぐに結晶化が
始まり、混合物を氷中冷却した。吸引濾過により固体を回収し、EtOAcで洗浄
した。高真空中乾燥し、ほとんど無色固体の標記化合物を得た(239.6mg、
91%):融点>250℃;TLC Rf0.39(5% MeOH/CHCl3);1
H NMR(400MHz、CDCl3)δ8.18−8.25(m、1H)、7.4
9−7.59(m、1H)、7.15−7.23(m、2H)、6.65−6.75
(m、2H)、6.54(d,J=8.0Hz、1H)、5.45(d,J=16.
5Hz、1H)、5.03−5.12(m、1H)、4.40(d,J=5.0Hz、
1H)、3.68−3.85(m、5H)、3.75(s、3H)、3.51−3.
68(m、4H)、3.09(s、3H)、3.00(dd,J=16.0,6.6
Hz、1H)、2.68(dd,J=16.0,6.5Hz、1H);MS(ES)
m/e 438.2(M+H)+、275.0。
b)(±)−4−メチル−3−オキソ−7−[1−[4−(2−ピペリジニル)ピペ
ラジニル]カルボニル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−ベンゾジア
ゼピン−2−酢酸
室温で、(±)−4−メチル−3−オキソ−7−[1−[4−(2−ピリジニル)ピ
ペラジニル]カルボニル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−ベンゾジ
アゼピン−2−酢酸メチル(235mg、0.54ミリモル)のメタノール(5.4
mL)中懸濁液に1.0N NaOH(0.65mL、0.65ミリモル)を滴下し、
得られた混合物を50℃で撹拌した。3.5時間後、さらに1.0N NaOH(0
.65mL、0.65ミリモル)を加え、50℃での加温を0.5時間持続した。得
られた均質な溶液を室温で18.5時間撹拌し、次いで濃縮した。残留物をH2O
(5mL)に溶解し、溶液をTFAで酸性にした。濃縮により泡状の油状物が残
り、これをクロマトグラフィー(ODS、12% CH3CN/H2O−0.1%
TFA)で精製した。濃縮および凍結乾燥して、無色粉末の標記化合物を得た
/H2O−0.1% TFA);1H NMR(400MHz、CD3OD)δ7.96
−8.10(m、2H)、7.37(d,J=9.1Hz、1H)、7.28−7.3
8(m、2H)、7.02(app t、1H)、6.64(d,J=9.1Hz、
1H)、5.58(d,J=16.5Hz、1H)、5.21(dd,J=9.0,
5.1Hz、1H)、3.68−3.97(m、9H)、3.04(s、3H)、2.
94(dd,J=16.8,9.0Hz、1H)、2.66(dd,J=16.8,
5.1Hz、1H);MS(ES)m/e 424.2(M+H)+。元素分析(C22
H25N5O4・1.5CF3CO2H)理論値:C,50.51;H,4.49;N,
11.78。測定値:C,50.42;H,4.78;N,11.77。
実施例13
(±)−4−メチル−3−オキソ−7−[1−[4−(フェニルメチル)ピペラジニ
ル]カルボニル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン
−2−酢酸の調製
a)(±)−4−メチル−3−オキソ−7−[1−[4−(フェニルメチル)ピペラ
ジニル]カルボニル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼ
ピン−2−酢酸メチル
(±)−7−カルボキシ−4−メチル−3−オキソ−2,3,4,5−テトラヒド
ロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−酢酸メチル(292.3mg、1.0ミ
リモル)を塩化チオニル(10mL)と一緒に20分間還流し、黄色溶液を濃縮
した。残留物を乾燥トルエン(5mL)から濃縮し、次いで乾燥CH2Cl2(10
mL)に採り、アルゴン下、0℃まで冷却した。1−ベンジルピペラジン(0.7
0mL、4ミリモル)を一緒に加え、5分後、淡黄色溶液を室温まで加温した。
反応物を0.5時間撹拌し、次いで1.0N NaOHおよびH2Oで逐次的に洗浄
した。乾燥(MgSO4)、濃縮し、クロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc
/CHCl3(1:1)中10% MeOH)に付して、オフホワイトの泡状の標記
化合物を得た(344.4mg、76%):TLC Rf0.47(EtOAc/CHC
l3(1:1)中10% MeOH);1H NMR(400MHz、CDCl3)δ7.
22−7.40(m、5H)、7.08−7.20(m、2H)、6.50(d,J
=8.8Hz、1H)、5.43(d,J=16.4Hz、1H)、5.02
−5.10(m、1H)、4.37(br d,J=5.1Hz、1H)、3.45−
3.85(m、7H)、3.74(s、3H)、3.07(s、3H)、2.98(
dd,J=16.1,6.7Hz、1H)、2.66(dd,J=16.1,6.4H
z、1H);FTIR(CCl4)1740、1672、1630、1611、1
456、1437、1296cm-1;MS(ES)m/e 451.2(M+H)+。
b)(±)−4−メチル−3−オキソ−7−[1−[4−(フェニルメチル)ピペラ
ジニル]カルボニル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼ
ピン−2−酢酸
0℃で、(±)−4−メチル−3−オキソ−7−[1−[4−(フェニルメチル)ピ
ペラジニル]カルボニル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−ベンゾジ
アゼピン−2−酢酸メチル(344.4mg、0.76ミリモル)のTHF(3.8m
L)およびH2O(2.9mL)中溶液に1.0N LiOH(0.91mL、0.91
ミリモル)を加えた。得られた鮮黄色溶液を室温で15時間撹拌し、次いでTF
A(0.23mL)で酸性にし、濃縮乾燥した。クロマトグラフィー(ODS、2
0% CH3CN/H2O−0.1% TFA)に付し、濃縮し、凍結乾燥して、無
色粉末の標記化合物を得た(349.9mg、77%):HPLC k'1.6(PR
MHz、CD3OD)δ7.43−7.57(m、5H)、7.14−7.22(m、
2H)、6.62(d,J=9.0Hz、1H)、5.57(d,J=16.6Hz、
1H)、5.20(dd,J=9.0,5.1Hz、1H)、4.37(s、2H)
、3.88(d,J=16.6Hz、1H)、3.45−4.30(m、2H)、3.
15−3.45(m、6H、残留溶媒のシグナルにより部分的に不鮮明)、3.0
3(s、3H)、2.93(dd,J=16.9,9.0Hz、1H)、2.65(d
d,J=16.9,5.1Hz、1H);MS(ES)m/e 437.2(M+H)+
。元素分析(C24H28N4O4・1.25CF3CO2H)理論値:C,53.31;
H,5.28;N,9.38。測定値:C,53.30;H,5.42;N,9.3
5。
実施例14
(±)−4−メチル−3−オキソ−7−[1−[4−(2−ピリミジニル)ピペラジ
ニル]カルボニル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピ
ン−2−酢酸の調製
a)(±)−4−メチル−3−オキソ−7−[1−[4−(2−ピリミジニル)ピペ
ラジニル]カルボニル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−ベンゾジア
ゼピン−2−酢酸メチル
(±)−7−カルボキシ−4−メチル−3−オキソ−2,3,4,5−テトラヒ
ドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−酢酸メチル(584mg、2.0ミリ
モル)、1−(2−ピリミジニル)ピペラジン・二塩酸塩(522mg、2.2ミ
リモル)、HOBT・H2O(270mg、2ミリモル)、トリエチルアミン(1.
0mL、7.2ミリモル)およびEDC(383mg、2ミリモル)の無水DMF(
40mL)中混合物を室温で一晩撹拌した。反応物を真空中で濃縮し、得られた
残留物を5% K2CO3で希釈した。CH2Cl2抽出し、乾燥(MgSO4)し、濃
縮し、標記化合物を得た(0.76g、86%):MS (ES) m/e 483
(M+H)+。
b)(±)−4−メチル−3−オキソ−7−[1−[4−(2−ピリミジニル)ピペ
ラジニル]カルボニル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−ベンゾジア
ゼピン−2−酢酸
(±)−4−メチル−3−オキソ−7−[1−[4−(2−ピリミジニル)ピペラジ
ニル]カルボニル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピ
ン−2−酢酸メチル(0.7g、1.6ミリモル)をMeOH(10mL)およびT
HF(5mL)に懸濁し、1.0N NaOH(6mL)を加えた。反応物を室温で
2日間撹拌し、次いで真空中濃縮した。残留物をH2Oで希釈し、pHを1.5N
HClで5〜6に調整した。凍結乾燥し、標記化合物を得た(0.186g、27
%):MS(ES)m/e 425(M+H)+。元素分析(C21H24N6O4・2.
4H2O)理論値:C,53.93;H,6.21;N,17.97。測定値:C,
54.25;H,5.96;N,17.53。
実施例15
8−[[2S−アミノ−3−フェニルプロパノイル]アミノ]−2−メチル−3−
オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−4RS−酢
酸の調製
a)8−[[2S−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−3−フェニルプロパノ
イル]アミノ]−2−メチル−3−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−
2−ベンゾアゼピン−4RS−酢酸メチル
(±)−8−アミノ−2−メチル−3−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−
1H−2−ベンゾアゼピン−4−酢酸メチルを実施例5(b)の方法に準じてB
oc−L−フェニルアラニンと結合させた。クロマトグラフィー(シリカゲル、1
%−5%CH3OH/CH2Cl2)により精製し、淡黄色泡状の標記化合物を得た
(99%):1H NMR(400MHz、CDCl3)δ7.80(m、1H)、7
.30(m、5H)、7.02(m、2H)、5.25(d,J=15.9Hz、1
H)、5.10(m、1H)、4.45(m、1H)、3.80(m、1H)、3.
78(d,J=15.9Hz、1H)、3.71(s、3H)、3.14(d,J=
6.8Hz、1H)、3.03(s、3H)、2.97(m、2H)、2.88(m
、1H)、2.40(dd,J=16.8,5.4Hz、1H)、1.43(s、9
H)。
b)8−[[2S−アミノ−3−フェニルプロパノイル]アミノ]−2−メチル−
3−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−4RS
−酢酸
8−[[2S−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−3−フェニルプロパノイル
]アミノ]−2−メチル−3−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−
ベンゾアゼピン−4(R,S)−酢酸メチルを実施例20(b)の方法に準じて脱
保護して、淡黄色泡状の標記化合物を得た(58%):MS(ES)m/e39
6(M+H)+。元素分析(C22H25N3O4・1.57C2F3HO2)理論値:C,
52.56;H,4.66;N,7.73。測定値:C,52.95;H,4.90
;N,6.92。
実施例16
(±)−8−[[[(2−ヒドロキシ−2−フェニル)エチル]メチルアミノ]カルボ
ニル]−2−メチル−3−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベン
ゾアゼピン−4−酢酸の調製
a)(±)−8−[[[(2−ヒドロキシ−2−フェニル)エチル]メチルアミノ]カ
ルボニル]−2−メチル−3−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−
ベンゾアゼピン−4−酢酸メチル
室温で、(±)−8−カルボキシ−2−メチル−3−オキソ−2,3,4,5−テ
トラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−4−酢酸メチル(1.0ミリモル)、(
±)−α−(メチルアミノメチル)ベンジルアルコール(1.2ミリモル)、HOB
T・H2O(162mg、1.2ミリモル)およびジイソプロピルエチルアミン(0
.70mL、4.0ミリモル)の無水DMF(5mL)中撹拌溶液にEDC(230
mg、1.2ミリモル)を加えた。19時間後、反応物をロータリーエバポレータ
ー(高真空)で濃縮し、残留物をH2OおよびEtOAcの間で分配した。層分離
し、有機層をH2Oで洗浄した。乾燥(MgSO4)し、濃縮し、クロマトグラフ
ィー(シリカゲル、1%−3% CH3OH/CH2Cl2)に付して、オフホワイ
ト色の泡状の標記化合物を得た(62%):1H NMR(CDCl3)(ジアステ
レオマーの混合物)δ8.62(d,J=5Hz)、8.29(d,J=7.8Hz
)、7.93(m)、7.81(m)、7.62(s)、7.45(m)、7.18
(d,J=5Hz)、7.11(d,J=8.3Hz)、7.00(d,J=8.2H
z)、5.42(br s)、5.33(d,J=16)、5.25(d,J=16
Hz)、3.88(d,J=16.5Hz)、3.85(m)、3.79(d,J=1
6.3Hz)、3.70(s)、3.69(s)、3.05(s)、3.01(s)、
3.00(m)、2.43(m)、2.18(s)。
b)(±)−8−[[[(2−ヒドロキシ−2−フェニル)エチル]メチルアミノ]カ
ルボニル]−2−メチル−3−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−
ベンゾアゼピン−4−酢酸
(±)−8−[[[(2−ヒドロキシ−2−フェニル)エチル]メチルアミノ]カル
ボニル]−2−メチル−3−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベ
ンゾアゼピン−4−酢酸メチルを実施例6(b)の方法に準じてケン化して、白
色固体の標記化合物を得た(80%):1H NMR(DMSO−d6)δ8.12
(m、1H)、7.80(m、2H)、7.53(m、2H)、7.41(m、2
H)、5.09(m、2H)、4.80(m、2H)、3.97(m、1H)、3.
40(m、5H)、3.18(s、3H)、3.08(m、1H)、2.87(m
、1H)、2.64(m、1H)、2.36(m、1H);MS(ES)m/e
411(M+H)+。元素分析(C23H26N2O5・1.75H2O)理論値:C,6
2.50;H,6.73;N,6.34。測定値:C,62.60;H,6.63;
N,6.19。
実施例17
(±)−7−[[[N−(2−ヒドロキシエチル)−N−メチル]アミノ]カルボニル]
−4−メチル−3−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−ベンゾ
ジアゼピン−2−酢酸の調製
a)(±)−7−[[[N−(2−ヒドロキシエチル)−N−メチル]アミノ]カルボ
ニル]−4−メチル−3−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−
ベンゾジアゼピン−2−酢酸メチル
室温で、(±)−7−カルボキシ−4−メチル−3−オキソ−2,3,4,5−テ
トラヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−酢酸メチル(292.3mg、
1.0ミリモル)、2−(メチルアミノ)エタノール(0.10mL、1.2ミリモル)
、HOBT・H2O(162.2mg、1.2ミリモル)およびジイソプロピルエチ
ルアミン(0.35mL、2.0ミリモル)の無水DMF(5mL)中撹拌溶液にE
DC(229.4mg、1.2ミリモル)を加えた。15.5時間後、反応物をロー
タリーエバポレーター(高真空)で濃縮し、得られた黄色油状物をCHCl3に溶
解した。溶液を10% Na2CO3で洗浄し、水溶液をCHCl3で逆抽出した。有
機層をまとめ、乾燥し(Na2SO4)、濃縮し、キシレンから再濃縮し、残留D
MFを除去した。クロマトグラフィー(シカゲル、EtOAc/CHCl3/MeO
H(2:2:1))により無色油状の標記化合物を得た(336mg、96%):
TLCRf0.46(EtOAc/CHCl3/MeOH(2:2:1));1H NM
R(250MHz、CDCl3)δ7.15−7.25(m、2H)、6.51(d,
J
=8.9Hz、1H)、5.44(d,J=16.4Hz、1H)、5.08(t,J
=6.6Hz、1H)、3.52−3.98(m、5H)、3.75(s、3H)、
3.10(s、3H)、3.08(s、3H)、3.00(dd,J=16.0,6
.8Hz、1H)、2.67(dd,J=16.0,6.4Hz、1H);IR(CH
Cl3)3060−3540、1729、1659、1612、1482、143
7、1402cm-1;MS(ES)m/e 350.0(M+H)+。
b)(±)−7−[[[N−(2−ヒドロキシエチル)−N−メチル]アミノ]カルボ
ニル]−4−メチル−3−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−
ベンゾジアゼピン−2−酢酸
0℃で、(±)−7−[[[N−(2−ヒドロキシエチル)−N−メチル]アミノ]カ
ルボニル]−4−メチル−3−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,
4−ベンゾジアゼピン−2−酢酸メチル(336.3mg、0.96ミリモル)のM
eOH(4.8mL)中溶液に1.0N NaOH(1.4mL、1.4ミリモル)を滴
下し、得られた溶液を室温で撹拌した。16時間後、反応物を濃縮し、残留物を
クロマトグラフィー(ODS、30% MeOH/H2O)により精製した。生成
物を含有する画分を合わせ、濃縮乾燥し、残留物をODSクロマトグラフィー(
15% MeOH/H2O)により再精製した。濃縮および凍結乾燥して、無色粉
末の標記化合物を得た(231mg、64%):HPLC k'3.7(PRP−
CD3OD)δ7.11−7.20(m、2H)、6.59(d,J=8.1Hz、1
H)、5.59(d,J=16.5Hz、1H)、5.15(t,J=7.0Hz、1
H)、3.85(d,J=16.5Hz、1H)、3.45−3.85(m、4H)
、3.10(br s、3H)、3.03(s、3H)、2.79(dd,J=15
.5,7.5Hz、1H)、2.45(dd,J=15.5,6.4Hz、1H);M
S(ES)m/e 358.0(M+Na)+、336.0(M+H)+。元素分析(C16
H20N3O5Na・H2O)理論値:C,51.20;H,5.91;N,11.19
。測定値:C,51.04;H,6.04;N,11.14。
実施例18
(±)−8−[[(2−(2−ピリジニルアミノ)アセチル]アミノ]−2−メチル−
3−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−4−酢
酸の調製
a)2−(2−ピリジニル)酢酸メチル・塩酸塩
2−(2−ピリジニル)酢酸(0.50g、3ミリモル;J.Prakt.Chem.196
1,285,118に準じて調製)のMeOH(20mL)中溶液を0℃でHCl
ガスで飽和し、次いで室温まで加温した。一晩撹拌した後、反応物を真空下で濃
縮し、無色固体の標記化合物を生じた(0.54g、100%):1H NMR(C
DCl3)δ8.90(br s、1H)、7.89(m、2H)、6.89(t,J
=6.5Hz、1H)、6.79(d,J=8Hz、1H)、4.21(m、2H)、
3.81(s、3H)。
b)2−(N−tert−ブトキシカルボニル−N−2−ピリジニル)アミノ酢酸メ
チル
2−(2−ピリジニル)アミノ酢酸メチル・塩酸塩(1.0g、5ミリモル)を
EtOAcおよび10% K2CO3の間で分配した。有機層を食塩水で洗浄し、乾
燥し(MgSO4)、濃縮した。残留物をCH2Cl2(10mL)に溶解し、ジ−te
rt−ブチルジカーボネート(1.2g、5ミリモル)を加えた。反応物を室温でア
ルゴン下、一晩撹拌し、次いで濃縮した。シリカゲルのクロマトグラフィー(1
%−5% CH3OH/CH2Cl2)に付して、淡黄色の油状の標記化合物を得た
(0.89g、68%):1H NMR(CDCl3)δ8.31(dd,J=4.8,
1.5Hz、1H)、7.84(d,J=4.8Hz、1H)、7.67(m、1H)
、7.00(m、1H)、4.73(s、2H)、3.75(s、3H)、1.52
(s、9H)。
c)2−(N−tert−ブトキシカルボニル−N−2−ピリジニル)アミノ酢酸
2−(N−tert−ブトキシカルボニル−N−2−ピリジニル)アミノ酢酸メチル
を実施例6(b)の方法に準じてケン化して、白色固体の標記化合物を得た(7
4%)。
d)(±)−8−[[(2−(N−tert−ブトキシカルボニル−N−2−ピリジニル
)
アミノアセチル]アミノ]−2−メチル−3−オキソ−2,3,4,5−テトラヒド
ロ−1H−2−ベンゾアゼピン−4−酢酸メチル
(±)−8−アミノ−2−メチル−3−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−
1H−2−ベンゾアゼピン−4−酢酸メチルを実施例5(b)の方法に準じて2
−(N−tert−ブトキシカルボニル−N−2−ピリジニル)アミノ酢酸と結合させ
た。シリカゲルのクロマトグラフィー(1%−3% CH3OH/CH2Cl2)に
より精製して、淡黄色泡状の標記化合物を得た(56%):1H NMR(CDC
l3)δ9.72(s、1H)、8.45(d,J=4.2Hz、1H)、7.89(
t,J=4.2Hz、1H)、7.80(d,J=8.3Hz、1H)、7.50(s
、1H)、7.26(m、2H)、7.03(d,J=8.4Hz、1H)、5.2
8(d,J=16.4Hz、1H)、4.66(s、2H)、3.82(d,J=1
6.4Hz、1H)、3.80(m、1H)、3.71(s、3H)、3.04(s
、3H)、3.00(m、2H)、2.90(m、1H)、2.41(dd,J=
16.8,5.2Hz、1H)、1.52(s、9H)。
e)(±)−8−[[(2−(2−ピリジニルアミノ)アセチル]アミノ]−2−メチ
ル−3−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−4
−酢酸
(±)−8−[[2−(N−tert−ブトキシカルボニル−N−2−ピリジニル)アミ
ノアセチル]アミノ]−2−メチル−3−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−
1H−2−ベンゾアゼピン−4−酢酸メチルを実施例20(b)の方法に準じて
脱保護した。クロマトグラフィー(ODS、10% CH3CN/H2O−0.1%
TFA)により精製し、続いて凍結乾燥してオフホワイト色の粉末の標記化合
物を得た(23%):1H NMR(CD3OD)δ7.99(m、1H)、7.9
0(d,J=6.4Hz、1H)、7.48(d,J=2Hz、1H)、7.41(
dd,J=8.3,2Hz、1H)、7.15(d,J=9.2Hz、1H)、7.1
1(d,J=8.4Hz、1H)、6.98(m、1H)、5.35(d,J=16
.4Hz、1H)、4.32(s、2H)、3.94(d,J=16.4Hz、1H)、3
.90(m、1H)、3.07(dd,J=17,4.3Hz、1H)、2.70
(m、2H)、2.45(dd,J=17.5Hz、1H);MS(ES)m/e
383.2(M+H)+。元素分析(C20H22N4O4・1.5C2F3HO2・0.5H2
O)理論値:C,49.11;H,4.39;N,9.96。測定値:C,49.2
3;H,4.27;N,10.07。
実施例19
(±)−4−メチル−3−オキソ−7−[[(2−フェニルアミノエチル)アミノ]
カルボニル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−
2−酢酸の調製
a)(±)−4−メチル−3−オキソ−7−[[(2−フェニルアミノエチル)アミ
ノ]カルボニル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン
−2−酢酸メチル
1−(2−ピリミニジル)ピペラジン・二塩酸塩の代わりにN−フェニルエチレ
ンジアミンをで置き換える以外は、実施例14(a)の方法に準じて、標記化合
物を調製した(78%):MS(ES)m/e 411(M+H)+。
b)(±)−4−メチル−3−オキソ−7−[[(2−フェニルアミノエチル)アミ
ノ]カルボニル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン
−2−酢酸
実施例14(b)の方法に準じて、(±)−4−メチル−3−オキソ−7−[[(
2−フェニルアミノエチル)アミノ]カルボニル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−
1H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−酢酸メチルをケン化して、標記化合物を
得た(24%):MS(ES)m/e 397(M+H)+。元素分析(C21H24N4
O4・1.5CF3CO2H・1.5H2O)理論値:C,48.49;H,4.83
;N,9.42。測定値:C,48.41;H,4.81;N,9.40。
実施例20
(±)−8−[(2−アミノアセチル)アミノ]−2−メチル−3−オキソ−2,3,
4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−4−酢酸の調製
a)(±)−8−[(2−[tert−ブトキシカルボニル]アミノアセチル)アミノ]−
2−メチル−3−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼ
ピン−4−酢酸メチル
(±)−8−アミノ−2−メチル−3−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−
1H−2−ベンゾアゼピン−4−酢酸メチルを実施例5(b)の方法に準じて、
Boc−グリシンと結合させた。クロマトグラフィー(シリカゲル、2%−5%C
H3OH/CH2Cl2)により精製して、淡黄色泡状の標記化合物を得た(55%
):1H NMR(CDCl3)δ8.22(br s、1H)、7.48(s、1H
)、7.20(d,J=8.3Hz、1H)、7.04(d,J=8.3Hz、1H)、5
.27(d,J=16.6Hz、1H)、5.25(br s、1H)、3.92(d
,J=5.4Hz、2H)、3.82(m、1H)、3.80(d,J=16.6Hz
、1H)、3.71(s、3H)、3.03(s、3H)、2.90(m、3H)
、2.41(dd,J=16.8,5.5Hz、1H)、1.48(s、9H)。
b)(±)−8−[(2−アミノアセチル)アミノ]−2−メチル−3−オキソ−2
,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾアゼピン−2−酢酸
(±)−8−[(2−[tert−ブトキシカルボニル]アミノアセチル)アミノ]−2−
メチル−3−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン
−4−酢酸メチルを実施例6(b)の方法に準じてケン化した。得られた生成物
をCH2Cl2/TFA(1:1)中2時間、撹拌し、次いで濃縮した。クロマト
グラフィー(ODS、10% CH3CN/H2O−0.1% TFA)により精製
し、続いて凍結乾燥して、白色粉末の標記化合物を得た(76%):1H NMR
(DMSO−d6)δ8.10(br s、3H)、7.43(d,J=8.2Hz、
1H)、7.39(s、1H)、7.10(d,J=8.2Hz、1H)、5.26
(d,J=16.1Hz、1H)、3.91(d,J=16.1Hz、1H)、3.7
6(m、3H)、3.03(dd,J=16.2Hz、1H)、2.88(s、3H)、
2.65(m、2H)、2.34(dd,J=16.2Hz、1H);MS(ES)
m/e 306(M+H)+。元素分析(C15H19N3O4・1.5C2HF3O2・1.
5H2O)理論値:C,44.54;H,4.47;N,8.66。測定値:C,4
4.76;H,4.47;N,8.43。
実施例21
(+/−)−8−[(3−アミノプロパノイル)アミノ]−2−メチル−3−オキソ
−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−4−酢酸の調製
a)(±)−8−[[3−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]プロパノイル]ア
ミノ]−2−メチル−3−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベン
ゾアゼピン−4−酢酸メチル
(±)−8−アミノ−2−メチル−3−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−
1H−2−ベンゾアゼピン−4−酢酸メチルを実施例5(b)の方法に準じて、
Boc−β−アラニンに結合した。シリカゲルのクロマトグラフィーにより精製し
て、淡黄色泡状の標記化合物を得た(87%):1H NMR(CDCl3)δ8.
20(br s、1H)、7.48(s、1H)、7.20(d,J=8.3Hz、
1H)、7.04(d,J=8.3Hz、1H)、5.27(d,J=16.6Hz、
1H)、3.92(m、3H)、3.80(d,J=16.6Hz、1H)、3.7
0(s、3H)、3.01(s、3H)、2.90(m、5H)、2.48(dd
,J=16.8,5.5Hz、1H)、1.48(s、9H)。
b)(±)−8−[(3−アミノプロパノイル)アミノ]−2−メチル−3−オキソ
−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−4−酢酸
(±)−8−[[3−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]プロパノイル]アミノ]
−2−メチル−3−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾア
ゼピン−4−酢酸メチルを実施例20(b)の方法に準じて脱保護した。再結晶
(CH3OH/EtOAc)により精製して、白色固体の標記化合物を得た(45
%):1H NMR(DMSO−d6)δ7.47(s、1H)、7.37(d,J=
8.3Hz、1H)、7.03(d,J=8.3Hz、1H)、5.23(d,J=1
6.3Hz、1H)、3.85(d,J=16.3Hz、1H)、3.70(m、1H)、
2.98(m、2H)、2.87(s、3H)、2.65(m、3H)、2.30(
dd,J=16,6.8Hz、1H);MS(ES)m/e 320(M+H)+。元
素分析(C16H21N3O4・.5C2F3HO2・.5H2O)理論値:C,52.37
;H,5.95;N,10.78。測定値:C,52.29;H,5.97;N,1
0.78。
実施例22
(±)−4−メチル−3−オキソ−7−[[[(3−ピリジニル)メチル]アミノ]カ
ルボニル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−2
−酢酸の調製
a)(±)−4−メチル−3−オキソ−7−[[[(3−ピリジニル)メチル]アミノ
]カルボニル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−
2−酢酸メチル
室温で、(±)−7−カルボキシ−4−メチル−3−オキソ−2,3,4,5−テ
トラヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−酢酸メチル(292.3mg、
1.0ミリモル)、3−(アミノメチル)ピリジン(0.122mL、1.2ミリモル)
、HOBT・H2O(162.2mg、1.2ミリモル)およびジイソプロピルエチ
ルアミン(0.35mL、2.0ミリモル)の無水DMF(5mL)中溶液にEDC
(229.4mg、1.2ミリモル)を加えた。23.5時間後、反応物をロータリ
ーエバポレーター(高真空)で濃縮し、残留物を10% Na2CO3水溶液および
CHCl3の間で分配した。これにより固体を沈殿した。層分離し、水層は全固体
が溶解するまでCHCl3であますところなく抽出した。合わせたCHCl3層をC
HCl3で希釈し、10% Na2CO3で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濃縮した。
残留物をEtOAcから再結晶し、不純な標記化合物を得た。母液を濃縮し、再結
晶した残留物を合わせ、クロマトグラフィー(シリカゲル、10% MeOH/C
HCl3)に付した。無色固体の標記化合物を得た(341mg、89%):TLC
Rf0.37(10% MeOH/CHCl3);1H NMR(250MHz、CDC
l3)δ8.58−8.68(m、1H)、8.47−8.57(m、1H)、7.7
2−7.81(m、1H)、7.54(d,J=2.1Hz、1H)、7.45(d
d,J=8.5,2.1Hz、1H)、7.31(dd,J=7.7,4.8Hz、1
H)、6.44−6.63(m、2H)、5.45(d,J=16.4Hz、1H)、
5.04−5.15(m、1H)、4.64(d,J=5.9Hz、2H)、4.55
(br d,J=4.5Hz、1H)、3.76(d,J=16.4Hz、1H)、
3.75(s、3H)、3.07(s、3H)、2.99(dd,J=16.0,6
.
7Hz、1H)、2.67(dd,J=16.0,6.4Hz、1H);MS(ES
)m/e 383.2(M+H)+。
b)(±)−4−メチル−3−オキソ−7−[[[(3−ピリジニル)メチル]アミノ
]カルボニル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−
2−酢酸
(±)−4−メチル−3−オキソ−7−[[[(3−ピリジニル)メチル]アミノ]カ
ルボニル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−2
−酢酸メチル(161.7mg、0.42ミリモル)、1.0N NaOH(1.3mL
、1.3ミリモル)およびMeOH(4.2mL)の混合物を、40℃で3時間、次
いで室温で一晩撹拌した。得られた溶液を濃縮し、残留物をH2OおよびCH3C
Nに溶解した。溶液はTFAでpH1まで酸性にし、濃縮した。残留物をH2Oか
ら再結晶し、オフホワイトの結晶性固体の標記化合物を生じた(120.9mg、
6
TFA);1H NMR(250MHz、DMSO−d6)δ8.60−8.83(m
、3H)、8.15(br d,J=8.0Hz、1H)、7.75(dd,J=7.
9,5.3Hz、1H)7.49−7.60(m、2H)、6.56(d,J=9.1
Hz、1H)、6.38(br s、1H)、5.49(d,J=16.5Hz、1H
)、5.01−5.16(m、1H)、4.37−4.65(m、2H)、3.82
(d,J=16.5Hz、1H)、2.92(s、3H)、2.77(dd,J=1
6.7,9.0Hz、1H)、2.61(dd,J=16.7,4.9Hz、1H、残
留溶媒のシグナルにより部分的に不鮮明);MS(ES)m/e 369.0(M
+H)+。元素分析(C19H20N4O4・CF3CO2H)理論値:C,52.29;
H,4.39;N,11.61。測定値:C,52.45;H,4.40;N,11
.56。
上記の説明は、本発明の製造法および使用法を十分に開示している。しかしな
がら、本発明は本明細書上記に記載する特定の態様に限定されるものではく、そ
のすべての変更は以下の請求の範囲に包含されるものである。本明細書に引用し
た雑誌、特許およびその他の出版物の引用は技術水準を構成しており、引用によ
って完全な記載として本明細書に組み入れられる。
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(51)Int.Cl.6 識別記号 FI
C07D 243/14 C07D 243/14
261/14 261/14
281/10 281/10
295/02 295/02
401/12 223 401/12 223
243 243
403/12 239 403/12 239
(72)発明者 キーナン,リチャード・マッカロック
アメリカ合衆国19355ペンシルベニア州
マルバーン、バス・コーブ796番
(72)発明者 ウォン,チェット
アメリカ合衆国19406ペンシルベニア州
キング・オブ・プルシア、サウス・ヘンダ
ーソン・ロード649番
(72)発明者 ミラー,ウィリアム・ヘンリー
アメリカ合衆国19473ペンシルベニア州
シュウェンクスビル、フェル・レイン333
番
(72)発明者 ユジンスカス,アイリーン・ナイジョル
アメリカ合衆国19085ペンシルベニア州
ビラノバ、バッサー・サークル154番