JP2001509759A - 少なくとも２つの物質を保存し、これらの物質を即座に混合して、その混合物を放出するための多室ディスペンス容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、少なくとも二つの物質を不浸透的かつ無菌な環境で保存するための多室ディスペンス容器（１）に関する。この容器は、底端部（５）及び開口部を有する端部（６）を有する管状の本体（４）を有している。容器の動作前においては連続的な周縁部（８）を有する少なくとも１つの隔壁手段（７）が上記両端部の間において斜めに配置されている。前記隔壁手段は、本体を不浸透的に封止してそれぞれが１つの物質を含む２つのチャンバー（９，１０）に分割している。容器は、さらに、前記本体に含まれる物質を放出するための手段（１１）を有し、この手段は開口部を有する端部の近くに設けられて、この端部を不浸透的に封止している。隔壁手段は、指によって加えられる圧力によって部分的に破断させることのできる部分（１２）と、指によって加えられる圧力によっては破断しないように設計された他の部分（１３）により構成される。この第二の領域（１３）は、容器の動作後において隔壁を本体内の定位置に保持する。

Description

【発明の詳細な説明】 少なくとも２つの物質を保存し、これらの物質を即座に混合して、その混合物 を放出するための多室ディスペンス容器 （発明の属する技術分野） 本発明は、別個に保存すべき少なくとも２つの物質を保存し、これらの物質を 即座に混合し、その混合物を放出するための多室ディスペンス容器(multi-chamb er dispensing container)に関する。本発明は２つのチャンバーを有し、例えば 凍結乾燥された粉体を第一のチャンバーに、液体を第二のチャンバーに気密的に 保存し、これらの２つの物質を即時に混合し、その混合物を放出するドロッパ・ フラスコ（dropper flask）に特に関連している。 （従来の技術） 上述したような種類の多室ディスペンス容器は、ＷＯ−Ａ−９１／０００９４ 号で公開された国際特許出願に記載されたものが知られている。この出願は、二 種類の液体を保存し、即時にこれらの液体の混合物を放出するための多室ディス ペンス容器の利用について一般的に記述したものであり、液体はここではパパベ リンの硫化塩の溶液及び重炭酸塩のような基本溶液である。保存中にパパベリン Ｈが沈殿することを防止するために、これらの２つの溶液は分離しておく必要が ある。これらの２つの溶液は、ゴム製のチューブとして形成され、開口部を有す る端部と底端部とを有し、プラスチック材料のディスクによって分離された２つ のチャンバーを有する容器本体に保存されている。このディスクは、容器の本体 に対して垂直に配置されており、容器本体のの内径よりも大きな直径を有してい る。従って、ディスクは容器本体の周辺部の弾性的な保持力によって所定の位置 に保持される。放出手段がまた容器本体の開口部を有する端部の近くに設けられ て、前記開口部を気密的に封止しており、放出ニードルの形態を有している。従 って、作動前、すなわち保存の期間中は、２つの液体はディスクによって密封的 に分離されている。ディスペンス容器の作動は、容器の本体に対して手及び親指 を繰り返し動かすことによる圧力でディスクを動かすことで行われる。このよう にして、ディスクはチューブの底部に落ち、２つの溶液を混合することが可能と なる。この混合物は、針を通じた射出によって放出される。 （発明が解決しようとする課題） しかしながら、このような容器には以下の欠点がある。 −ディスクの直径が容器の本体の内径よりも大きく、また、ディスクが前記容器 本体の内壁に設けられた環状の溝において積極的に保持されているため、２つの 物質が混合できるようにディスクを動かすのに大きな圧力が必要とされる。 −ディスクが外れると、ディスクは管状の本体の中を自由に動くことができるた め、針を通じた混合物の射出の際に本体を逆転させると、針を介する混合物の出 口の少なくとも一部が塞がれることとなる。 上述した欠点から、上記のディスペンス容器に類するものであるが容易に作動 させることができ、例えば、老人による操作をも容易とするため、必要とされる 指の圧力が小さくて済み、また、容器が作動した際に、隔壁を構成するディスク が放出すべき物質の出口を塞ぐことのないディスペンス容器を見いだすことが必 要とされる課題が生じている。 （課題を解決するための手段） 本発明は上記課題を解決するため、作動前において少なくとも２つの物質、特 に液体及び凍結乾燥された粉体を密封保存し、作動後においてこれらの物質を混 合状態で放出する多室ディスペンス容器であって、弾性変形可能な材料によって 形成されたほぼ管状の本体を有し、該本体は底端部と、開口部を有する端部と、 連続的な周縁を有する少なくとも一つの隔壁手段とを有し、該隔壁手段は容器本 体内において底端部と開口部を有する端部との間に設けられて前記周縁に沿って 前記本体を封止しかつ前記本体を２つの物質のための少なくとも２つのチャンバ ーに分割しており、容器は、さらに物質を混合状態で放出するための開口部を有 する端部の近くに設けられた手段を有し、該手段は前記開口部を有する端部を密 に封止している容器を提供している。本発明のディスペンス容器はさらに詳しく は、容器の作動前においては隔壁手段はほぼ管状をなす本体の内部で斜めに位置 しており、隔壁手段はこれを横切る方向に加えられる指による作動圧力によって 部分的に破断可能な少なくとも１つの第一の周辺領域と、該第一の周辺領域とは 異なり前記作動圧力によっては破断しない少なくとも１つの第二の周辺領域を有 して、作動後において隔壁手段が管状の本体の所定位置に保持されることを特徴 としている。 このような解決策によって、容器の本体に対して指で簡単に低い圧力をかける だけで隔壁手段を作動させて異なるチャンバーに保存されている物質を混合させ ることが可能となるため、ユーザーによって加えられるべき圧力を最小限とする ことができる、さらに、非破断領域によって、隔壁手段が物質のあるチャンバー から他のチャンバーへの流入を許容しつつ、放出手段によって放出される間に隔 壁手段が混合物の出口を塞ぐことを防止できる。 本発明の好ましい実施の形態においては、隔壁手段はほぼ管状をなす本体を構 成する物質と同一の物質によって形成される。 また、本発明の他の好ましい実施形態によれば、隔壁手段の第一の周辺部分が 周縁の一部を形成し、その厚さが隔壁手段の中央の厚さに比べて薄く形成される 。 隔壁手段の第二の周辺領域が材料の２つのブリッジを構成して、容器の作動時 に横切る方向に加えられる指による作動圧力の方向に対して垂直な回転軸をブリ ッジの間に形成するのが有利である。 隔壁手段はほぼディスク状に形成されていることが好ましい。 ほぼ管状の本体はその外面に、隔壁手段の上方において指により把持するため の凹部と、隔壁手段の下方において指により把持するための凹部とを有している のが好ましい。 加えて、容器はほぼ管状をなす本体の作動を阻止するための取り外し可能なス リーブを有し、該スリーブは弾性変形不能な材料で形成されており、少なくとも 隔壁手段の部位において本体を囲むのが有利である。 放出手段は容器の本体と一体化され又はこれに取り付けられ、また該放出手段 がドロッパを有するほぼ截頭状のノーズによって構成されているのが好ましい。 本発明の好ましい実施の形態において、放出手段を保護するための取り外し可 能なキャップをさらに有しており、該キャップは容器の本体及び／又は放出手段 を弾性的に支持するための少なくとも１つのエレメントと、キャップの内部に設 けられて放出手段に対するストッパを形成するエレメントとを有する。 本発明は、単なる例示のためのものであり、添付の図面を参照した以下の好ま しい実施の形態の詳細な説明からより容易に理解されるであろう。 （図面の簡単な説明） 図１は、本発明の好ましい実施の形態によるディスペンス容器をその一部を破 断して示した斜視図である。 図２は、共に無菌の凍結乾燥された粉体及び液体を保存している状態の図１の容 器の断面図である。 図３は、隔壁手段を作動させて解放した状態における図１の容器の断面図であ る。 図４は、隔壁手段を作動させて解放し、物質を混合した状態における図１の容 器の断面図である。 図５は、作動後において物質が混合した状態における隔壁手段の位置を示す図 ４中のＶ−Ｖ線に沿う断面図である。 （発明の実施の形態） 図１乃至４を参照すると、本発明の好ましい実施の形態における多室ディスペ ンス容器１は、弾性変形可能な材料、従って例えば低密度のポリエチレン又はポ リプロピレンのような比較的柔軟な材料からなるほぼ管状の本体４を有している 。本体４は、例えばストッパ５ａによって封止された底端部５、開口部を有する 端部６及び本体４をチャンバー９及び１０に気密的に分離する隔壁手段７を有し ている。ユーザによる本体の保持を容易とし作動圧力の方向を安定化するために 、本体４はその外面に隔壁手段７の上方において指による把持を可能とするため の凹部１６と隔壁手段７の下方において指による把持を可能とするための凹部１ ７とを有するものであってもよい。 この好ましい実施の形態においては、チャンバー９は液体２を、チャンバー１ ０は例えば凍結乾燥された粉体を保存しているが、これらの２つの物質が例えば ２以上の液体又は粉体からなる混合物であってもよいことは自明であり、また、 チャンバー１０に液体２をチャンバー９に粉体３を保存することとしてもよい。 容器１は、さらに、物質２及び３を混合した状態で放出するための放出手段１１ を、開口部を有する端部６の近くに有している。放出手段は端部６を気密的に封 止するものであり、その詳細は以降で説明する。 図１及び図２に示すように、隔壁手段７は連続的な周縁８を有し、該周縁は容 器４の内部において底端部５と開口部を有する端部６との間に配置されており、 周縁８に沿って本体４が気密的に封止されている。従って、ユーザによる隔壁手 段の作動前においては、２つの物質は互いに接触することがなく、気密的に有効 に保存される。このため、例えばいくつかの医薬品のように接触すると比較的不 安定となるような物質を長期間にわたって１つの容器の中で分離した状態で保存 することができる。隔壁手段７は、容器１の作動前においては本体４の中で斜め に配置されており、指によってこれを横切る方向の作動圧力が加わると部分的に 破断可能な第一の周辺領域１２と、作動圧力によっては破断せず作動後において 隔壁手段７を管状の本体４内に位置に保持する、周辺領域１２とは異なる周辺領 域１３とを有している。 隔壁手段７はほぼ管状の本体と同一の材料によって構成され、したがって例え ば、低密度のポリエチレン又はポリプロピレンによって形成されるのが好ましい が、それに限られるわけではない。図示した好ましい実施の形態においては、隔 壁手段は例えば円や楕円のようなほぼディスク状をなしているが、当然にこの形 状は容器の本体４の周囲の形状に関連して変更することができ、例えば多角形と することもできる。 図示した好ましい実施の形態においては、ディスク７の第一の周辺領域１２は 周縁８の一部を形成し、ディスク７の中央部分の厚みに対して薄い厚みとなって おり、第二の周辺領域１３は材料の２つのブリッジ構成し、例えばディスク７の 厚みよりも厚く形成されており、容器１の作動時においてディスクの回転軸１５ をその間に形成する。図４中の線Ｖ−Ｖに沿った断面図である図５に示すように 、回転軸１５はディスクを横切る方向で加えられる指による作動圧力の方向に対 して垂直をなしており、ディスクの回転方向が作動力の方向となるようになって いる。 さらに、容器は放出手段１１を有し、該放出手段は例えば、不可逆的な強固な クリッピング、溶接又は一体取付けによって本体４と一体化されている。本実施 形態において、放出手段はその近端、即ち、本体４の開口部を有する端部６の部 位に設けられ、ドロッパ(dropper)２０を有するほぼ截頭状のノーズ１９により 構成され、該ノーズは端部６の周囲に沿って例えば溶接により本体４に固定され た環状のフランジ２４を有している。放出手段１１は、ノーズ１９のドロッパ２ ０を受けてこれを密閉するためのストッパ２３を内部に有するキャップ２１によ って覆われていてもよく、容器１の本体４及び／又は放出手段１１を弾性的に保 持するための複数のエレメント２２を有するものであってもよい。これらの弾性 的な保持エレメントは、例えば、放出手段１１の環状のフランジ２４の周囲にに 可逆的にクリップする弾性的な歯によって構成できる。 容器の不用意な作動を防止するため、容器は、本体４の作動を阻止するための 取り外し可能なスリーブ１８をさらに有しており、このスリーブは弾性変形を生 じない材料から形成されて少なくとも隔壁手段７の部位において本体４をとり囲 んでいる。この場合には、スリーブ１８は例えば低密度のポリエチレン又はポリ プロピレンのような本体を構成する材料よりも強固な材料とすることにより容器 に対して加えられる指又は手による圧力に抗し得るものとするのが好ましい。図 １に示すように、このスリーブ１８は、底端部５、支持のための凹部１６、１７ 及び隔壁手段７の高さまで本体４を覆っており、ユーザによる不用意な作動を有 効に防止している。 以下にディスペンス容器１の機能を図２乃至４を参照しつつ説明する。作動前 においては、スリーブ１８及びキャップ２１は所定の位置にある（図２参照）。 次にスリーブ１８が下方に引き抜かれ、容器の本体４及び支持のための凹部１６ 、１７が露出する。ユーザの指により凹部に僅かな作動圧力が加えられることに より、この圧力レベルで周辺部分１２が破断し、ブリッジ１３によって支持され たディスク７が次いで回転することにより、軸１５の両側において開口部が形成 され、容器を振ることにより又は容器の本体を繰り返し指で押すことにより物質 を混合できる（図３及び４参照）。次にキャップを外し、ノーズ１９及びドロッ パ２０によって構成される放出手段１１によって混合物が放出される。混合物が 放出された後は、キャップに代えて放出手段１１をクリッピングすることにより 次回の使用に備えることができる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，Ｌ Ｕ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ， ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，ＫＥ，ＬＳ，Ｍ Ｗ，ＳＤ，ＳＺ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ，ＡＭ ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ， ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，Ｅ Ｓ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ，ＧＷ，ＨＵ，ＩＬ ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ， ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，Ｍ Ｋ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ， ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ，Ｙ Ｕ，ＺＷ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．作動前において少なくとも２つの物質（２，３）、特に液体及び凍結乾燥さ れた粉体を密封保存し、作動後においてこれらの物質を混合状態で放出する多室 ディスペンス容器（１）であって、弾性変形可能な材料によって形成されたほぼ 管状の本体（４）を有し、該本体は底端部（５）と、開口部を有する端部（６） と、連続的な周縁（８）を有する少なくとも一つの隔壁手段（７）とを有し、該 隔壁手段は容器本体（４）の内において底端部（５）と開口部を有する端部（６ ）との間に設けられて前記周緑（８）に沿って前記本体（４）を封止しかつ前記 本体（４）を２つの物質（２，３）のための少なくとも２つのチャンバー（９， １０）に分割しており、容器（１）は、さらに物質（２，３）を混合状態で放出 するための開口部を有する端部（６）の近くに設けられた手段（１１）を有し、 該手段は前記開口部を有する端部を密に封止し、容器（１）の作動前においては 隔壁手段（７）はほぼ管状をなす本体（４）の内部で斜めに位置しており、隔壁 手段はこれを横切る方向に加えられる指による作動圧力によって部分的に破断可 能な少なくとも１つの第一の周辺領域（１２）と、該第一の周辺領域（１２）と は異なり前記作動圧力によっては破断しない少なくとも１つの第二の周辺領域（ １３）を有して、作動後において隔壁手段（７）が管状の本体（４）の所定位置 に保持されることを特徴とするディスペンス容器。 ２．隔壁手段（７）が、ほぼ管状をなす本体と同一の材料によって構成されてい ることを特徴とする請求項１に記載の多室ディスペンス容器。 ３．隔壁手段（７）の第一の周辺部分（１２）が周縁（８）の一部を形成し、そ の厚さが隔壁手段（７）の中央の厚さに比べて薄く形成されていることを特徴と する請求項１又は請求項２に記載の多室ディスペンス容器。 ４．隔壁手段（７）の第二の周辺領域（１３）が材料の２つのブリッジを構成し て、容器（１）の作動時に横切る方向に加えられる指による作動圧力の方向に対 して垂直な回転軸（１５）をブリッジの間に形成することを特徴とする請求項１ 乃至３のいずれかに記載の多室ディスペンス容器。 ５．隔壁手段（７）がほぼディスク状に形成されていることを特徴とする請求項 １乃至４のいずれかに記載の多室ディスペンス容器。 ６．ほぼ管状の本体（４）がその外面に、隔壁手段（７）の上方において指によ り把持するための凹部（１６）と、隔壁手段（７）の下方において指により把持 するための凹部（１７）とを有することを特徴とする請求項１乃至５のいずれか に記載の多室ディスペンス容器。 ７．ほぼ管状をなす本体（４）の作動を阻止するための取り外し可能なスリーブ （１８）を有し、該スリーブは弾性変形不能な材料で形成されており、少なくと も隔壁手段（７）の部位において前記本体（４）を囲む請求項１乃至６のいずれ かの多室ディスペンス容器。 ８．放出手段（１１）が容器（１）の本体（４）と一体化され又はこれに取り付 けられ、また該放出手段がドロッパ（２０）を有するほぼ截頭状のノーズ（１９ ）によって構成されることを特徴とする請求項１乃至７のいずれかに記載の多室 ディスペンス容器。 ９．前記放出手段を保護するための取り外し可能なキャップ（２１）をさらに有 しており、該キャップは容器（１）の本体（４）及び／又は放出手段（１１）を 弾性的に支持するための少なくとも１つのエレメント（２２）と、キャップ（２ １）の内部に設けられて放出手段（１１）に対するストッパ（２３）を形成する エレメントとを有することを特徴とする請求項１乃至８のいずれかに記載の多室 ディスペンス容器。