JP2001506687A - 膨潤性ホットメルト接着剤 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 １種またはそれ以上の熱可塑性コポリマーおよびケン化価を有する１種またはそれ以上の樹脂の水不溶性成分および水溶解性または水分散性成分および超吸収体群の水膨潤性成分からなる熱可塑性材料は、水膨潤性ホットメルト接着剤として適している。該水膨潤性ホットメルト接着剤は、耐水性構造物、特に長手方向耐水性ケーブル構造物を製造するために使用することが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】 膨潤性ホットメルト接着剤 本発明は、水不溶性成分、水溶解性または水分散性成分および水膨潤性成分か らなる水膨潤性熱可塑性結合および被覆組成物に関する。本発明は、耐水性構造 物の製造、特に長手方向耐水性ケーブル構造物の製造のための、該熱可塑性組成 物の使用にも関する。 多くの構造物、例えばパイプライン、特に地下または水中ケーブルは、接合点 および接続点での水の浸透に対してまたは外側ケーシングがダメージを受けた場 合、保護されなくてはならない。電力および／または電気通信ケーブルは、特に 非常に長い期間にわたって信頼性が保証されるべき長寿命資本財である。外側絶 縁体がダメージを受けた場合、および／または欠陥のある接合点において、水が そのようなケーブル構造物に浸透し、ケーブルにひどいダメージを与える。水は ケーブルに沿ってすばやく広がり、そのようにしてダメージを受けたケーブルは 、長い範囲にわたって使用できなくなる。 そのような構造物に水が浸透するのを防ぐために、水膨潤性封止材料または封 止構造物を使用することがかなり長い間一般的な習慣であった。特開昭５８−２ １５３３４号公報は、エチレンオキシド／プロピレンオキシドコポリマーからな る水膨潤性ポリウレタン樹脂およびゴムからなる熱硬化性封止材料を一般に開示 している。 従来技術によれば、多層封止系は、長手方向に耐水性の電気および電気通信ケ ーブルの製造方法に使用されている。すなわち、“Draht und Kabelpanorama” ， としての化学的に純粋なセルロースパルプと合成ヒドロゲルフォーマー（膨潤粉 末）の混合物からなる極めて均一な膨潤層および付加的な強化要素としてのポリ エステルフィラメントを有するポリエステルファイバーの高強度キャリアー層の 膨潤性「不織布」を開示している。これらの２つの層は、熱および高い圧力の適 用によるだけで、すなわち低溶融熱可塑性樹脂を使用しないで、熱的に結合され る。次いで、膨潤性帯布は、これらの不織布または糸から製造され、ワイヤバン ドルのまわりに、要すれば内部可塑性シースとともに巻きつけられる。 欧州特許出願公開第１８８９５９号は、水膨潤性ポリマー粉末および水溶性バ インダーおよび要すれば界面活性剤の層によって被覆された、紙、繊維製品また はプラスチックの支持体からなる多層封止テープを開示している。 米国特許第５０２０８７５号は、膨潤することによって水を中に入れないよう にする層が多層ラミネートからなるケーブル構造物を開示している。このラミネ ートは、疎水性材料、例えばポリエステルの２つのサポートテープからなる。超 吸収体タイプの水膨潤性ポリマーまたはコポリマーが、これらの２つのサポート テープの間に配列される。 米国特許第５１８８８８３号は、１つの層としての金属テープおよび膨潤性耐 水性材料の層の多層複合構造を開示し、これらの２つの層および界面は、接着剤 によって接合されている。 長手方向耐水性ケーブル構造物の製造のための上記の多層材料の使用は、必要 とされる多くの工程の故に、複雑で費用がかかる。したがって、本発明が解決し ようとする課題は、長手方向耐水性ケーブル構造物をより簡単に製造できる生成 物を提供することである。 本発明によれば、この問題は、本質的に３つの成分： Ａ）少なくとも１種の水不溶性ポリマーまたはコポリマーおよび少なくとも１種 の他の実質的に水不溶性の樹脂を含有する水不溶性成分、 Ｂ）少なくとも１種の水溶性または水分散性のオリゴマーおよび／またはポリマ ーまたはコポリマーを含有する水溶性または水分散性成分、 Ｃ）水膨潤性ホモポリマーまたはコポリマーからなる水膨潤性成分からなり、成 分Ａ、ＢおよびＣが均一に混合されている水膨潤性熱可塑性組成物によって解決 される。本発明における「均一に混合されている」とは、組成物のマトリックが 巨視的な不均一を有さないことを意味する。水不溶性成分および水溶性または水 膨潤性成分からなる異なる相が微視的な範囲で存在することを意味するのではな い。特に、「均一に混合されている」とは、成分Ｃの水膨潤性ホモポリマーまた はコポリマーが、他の成分の１種または両方に分子的に溶解されていることを意 味するのではない。 したがって、水膨潤性熱可塑性組成物は、特にケーブル構造物に使用されてよ いホットメルト接着剤である。 基本的に、成分Ａの水不溶解性ホモポリマーまたはコポリマーは、ホットメル ト接着剤に使用される既知の熱可塑性ポリマーから選択されてよい。例えばポリ アミド、コポリアミド、ポリアミノアミド、ポリエステル、ポリアクリレート、 ポリメタクリレート、ポリオレフィン、特にエチレン／ビニルアセテートコポリ マーまたは上記のポリマーの１種またはそれ以上の混合物が挙げられる。 純粋な炭化水素樹脂以外の既知の粘着付与樹脂は、溶融物の粘着性を増大させ るために、成分Ａの付加的な樹脂として使用してよい。したがって、本発明によ って使用される樹脂は、０ではないケン化価を有する。他のポリテルペンおよび テルペン／フェノール樹脂を使用してよいが、さまざまなロジン誘導体、特にア ビエチン酸の樹脂エステルが、この目的のために特に適している。 さまざなな水溶解性もしくは水分散性のオリゴマーまたはホモポリマーもしく はコポリマーが成分Ｂの構成成分に適し、例えば４００〜２００００の分子量を 有するポリエチレングリコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリ ドン、ビニルメチルエーテルまたはビニルピロリドンのコポリマー、ポリビニル アルコール、水溶解性または水分散性のポリエステルまたはコポリエステル、水 溶解性または水分散性のアクリレートポリマーが挙げられる。 水膨潤性成分Ｃは、親水性材料として、加圧下でさえ、水中にすぐに溶解する ことなしに、多量の水を吸収および保持できるホモポリマーおよび／またはコポ リマーから選択されてよい。このような親水性材料は、「超吸収体」として知ら れ、例えば、スターチまたはセルロースのアクリロニトリル、アクリル酸または アクリルアミドのグラフトコポリマー、カルボキシメチルセルロース、無水マレ イン酸／ポリ−α−オレフィンコポリマー、ポリアクリルアミド、ポリアクリル 酸およびポリアクリル酸塩および要すればアクリル酸またはアクリルアミドのア クリレートエステルのコポリマーが挙げられる。 直面する用途に依存して、本発明によるホットメルト接着剤は、表面粘着性ま たはいわゆる「非粘着性」バージョンとしての粘着性のない表面を有していてよ い。これらの特定のバージョンは、既知のワックス添加剤、特にビス−ステアル アミドワックスを含有してよい。さらに、両方のバージョンの本発明によるホッ トメルト接着剤は、熱安定性を処理剤に与える既知の市販の安定剤を含む。 特に好ましい表面粘着性膨潤性ホットメルト接着剤組成物は、以下の成分を含 んでよい： 樹脂エステルまたはテルペン／フェノール樹脂１５〜４５重量％、 熱可塑性コポリマー、特にエチレン／ビニルアセテートコポリマー１５〜４０重 量％、 アクリレートコポリマー５〜２０重量％、 ポリエチレングリコール５〜３０重量％、 ポリビニルエチルエーテル、水溶解性もしくは水分散性のアクリレートポリマー または水溶解性もしくは水分散性のコポリエステル５〜１５重量％、 粉末状ポリアクリル酸塩、ポリアクリルアミドまたは類似粉末状超吸収体１５〜 ５０重量％、 市販の安定剤０．２〜２．０重量％。 非粘着性バージョンの特に好ましい膨潤性ホットメルト接着剤組成物は、以下 の成分を含有する： 樹脂エステル、テルペン／フェノール樹脂など１５〜４５重量％、 熱可塑性（コ）ポリマー、特にエチレン／ビニルアセテートコポリマー１５〜４ ０重量％、 ポリエチレングリコール５〜２５重量％、 粉末状超吸収体、特にポリアクリル酸塩１５〜５０重量％、安定剤０．２〜２． ０重量％、 ワックス、特にエチレンビスーステアルアミド０．５〜５．０重量％。 本発明による水膨潤性ホットメルト接着剤は、例えばケーブル構造物において 金属ホイルまたはガラス繊維強化プラスチック強化要素のための被覆として適し ている。特に好ましい用途は、例えば光ケーブルの中央強化要素の直接被覆であ る。この中央要素は、非粘着性バージョンの接着剤によって被覆され、次いで巻 きつけられ、貯蔵されてよい。標準光ケーブルにおいて、それぞれの光ファイバ ーは、この中央要素のまわりに同心円状に配列させる。中央要素上の表面非粘着 性バージョンの接着剤を再活性化した後、光ファイバーは、中央要素に直接結合 してよく、次いで製造工程のさらなる段階を経てよい。光ファイバーを有するプ ラスチックチューブは、要すれば、本発明によるホットメルト接着剤によって外 面被覆されてよい。本発明によるホットメルト接着剤により、水膨潤性多層接着 剤テープまたは多層不織布による光ファイバーの（他の場合には必要な）巻きつ けおよび中央要素とチューブとの間の隙間の石油ゼリーによる付加的な長手方向 防水の必要性が排除される。ケーブル構造物のデザインから生じるこれらの隙間 は、構造物上に残されてよい。というのは、水が浸透し、膨潤工程を開始すると きはいつでも、水膨潤性接着剤が完全に隙間を充填するからであり、その結果信 頼性のある長手方向の耐水性が保証されるからである。このタイプの構造物はケ ーブルスプライシングを簡単にし、石油ゼリーの必要性を排除し、ケーブルの重 量を十分に減少する。さらにより高い製造速度は、膨潤糸と匹敵しうる。 表面粘着性バージョンにおいて、ホットメルト接着剤をこの場合には再活性化 する必要がないので、本発明によるホットメルト接着剤を、ケーブル構造物ライ ン中の中央要素および／または光ファイバーに直接適用する。 図１は、本発明による膨潤性ホットメルト接着剤を使用する光ケーブルの概略 的な断面図である。中央要素１は、光ファイバーを有する複数個のチューブ２に よって囲まれている。光ファイバーのまわりに膨潤性ホットメルト接着剤の被覆 ３が示されている。ケーブルシース４は、外側からケーブルを密封する。 水膨潤性ホットメルト接着剤は、以下の方法で調製される： 樹脂エステル、エチレン／ビニルアセテートおよびアクリレートコポリマーを 、１４０〜１６０℃で溶融し、均一化する。次いで、ポリジオールを添加し、均 一化する。次いで、ポリビニルメチルエーテルおよび安定化剤を添加し、均一化 する。最後に、粉末状ポリアクリル酸塩を添加し、均一化する。非粘着性バージ ョンにおいては、ワックスを添加し、最後に均一化する。均一溶融物を次いで適 当な容器に入れ、室温に冷却する。 水膨潤性ホットメルト接着剤の信頼性は、以下の試験によって確認される： 厚さ０．１ｍｍのポリエステルフィルムの両面を、厚さ０．２ｍｍ〜多くとも ０．４ｍｍでホットメルト接着剤によって被覆する。被覆されたフィルムの合計 層厚さは、１ｍｍを超えてはいけない。長手方向の継ぎ目において２ｍｍの最大 の重なりで、両面が被覆されたフィルムをテフロン棒（長さ２００ｍｍ、直径１ ９ｍｍ）のまわりに巻きつける。２３ｍｍの内径および３５０ｍｍの長さを有す るガラスチューブに、下端に目の粗い生綿プラグを付け、被覆フィルムが巻きつ けられたテフロン棒をガラスチューブの中央に挿入し、垂直ガラスチューブの上 端を他の目の粗い生綿プラグで閉じる。ガラスチューブの上に、脱イオン水２５ ０ｍＬを入れた滴下漏斗を配置する。 水を、上からガラスチューブにゆっくりと滴下すると、ホットメルト接着剤は 、すばやく膨潤し、数ｍＬだけの水が最初の短時間の間にガラスチューブの下端 から流れ出す。その後、水のさらなる浸透はない。 上記の試験に使用される水膨潤性ホットメルト接着剤は、以下の組成を有して いた： アビエチン酸のペンタエリスリトールエステル１９．５部 エチレン／ビニルアセテート２９．８部 エチレン、アクリル酸、ビニルアセテートおよびビニルアルコールのコポリマー １０．０部 酸化防止剤としての立体障害フェノール０．２部 ポリエチレングリコール（分子量１２０００）１９．５部 ポリアクリル酸のナトリウム塩（膨潤剤）２０．０部 エチレンビス−ステアルアミド（粘着防止剤）１．０部。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） // Ｈ０１Ｂ 7/282 Ｈ０１Ｂ 7/28 Ｅ (72)発明者 コパニア，ジークフリート ドイツ連邦共和国デー―47809クレーフェ ルト、リングオーフェンヴェーク３番 (72)発明者 ヘーマン，マルクス ドイツ連邦共和国デー―40225デュッセル ドルフ、ヴィッツェルシュトラーセ20アー 番

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．Ａ）水不溶解性成分、 Ｂ）水溶解性または水分散性成分および Ｃ）水膨潤性成分 からなる水膨潤性熱可塑性結合および被覆組成物であって、 成分Ａが、少なくとも１種の水不溶性（コ）ポリマーおよび少なくとも１種の他 の樹脂を含有し、成分Ｂが、少なくとも１種の水溶解性または水分散性のオリゴ マーおよび／または（コ）ポリマーを含有し、および成分Ｃが水膨潤性（コ）ポ リマーからなり、成分Ａ、ＢおよびＣが均一に混合されていることを特徴とする 組成物。 ２．成分Ａが、ケン化価を有する１種またはそれ以上の樹脂、少なくとも１種 の熱可塑性（コ）ポリマーおよび要すれば粘着付与剤を含有することを特徴とす る請求項１に記載の組成物。 ３．成分Ａが、ケン化価を有する１種またはそれ以上の樹脂、少なくとも１種 の熱可塑性（コ）ポリマーおよび粘着減少剤を含有することを特徴とする請求項 １に記載の組成物。 ４．成分Ｃの水膨潤性（コ）ポリマーが、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩 、ポリアクリルアミドもしくはそれらのコポリマー、要すればアクリロニトリル とのコポリマーからなる群、または上記の群とスターチもしくはセルロースとの グラフトポリマーもしくはコポリマーから選択されることを特徴とする請求項１ 〜３のいずれかに記載の組成物。 ５．成分Ｂの水溶解性または水分散性のオリゴマー／（コ）ポリマーが、ポリ エチレングリコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、水溶 解性または水分散性のポリエステルまたはコポリエステル、水溶解性または水分 散性のアクリレートポリマーからなる群から選択されることを特徴する請求項１ 〜４のいずれかに記載の組成物。 ６．耐水性構造物の製造、特に長手方向耐水性ケーブル構造物の製造のための ホットメルト接着剤およびシーラントとしての請求項１〜５のいずれかに記載の 水膨潤性熱可塑性組成物の使用。