JPH08192486A - ケーブル用止水テープ - Google Patents

ケーブル用止水テープ

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JPH08192486A
JPH08192486A JP7006073A JP607395A JPH08192486A JP H08192486 A JPH08192486 A JP H08192486A JP 7006073 A JP7006073 A JP 7006073A JP 607395 A JP607395 A JP 607395A JP H08192486 A JPH08192486 A JP H08192486A
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JP
Japan
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water
tape
absorbent resin
cable
synthetic
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JP7006073A
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English (en)
Inventor
Masayoshi Uchida
政義 内田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
FUKUOKA CLOTH KOGYO KK
Original Assignee
FUKUOKA CLOTH KOGYO KK
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A30/00Adapting or protecting infrastructure or their operation
    • Y02A30/14Extreme weather resilient electric power supply systems, e.g. strengthening power lines or underground power cables

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  • Laminated Bodies (AREA)
  • Insulated Conductors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高湿度環境下で大量の水分を吸湿してもベタ
ツキを全く生じず、かつ優れた止水性能を有する止水テ
ープの提供。 【構成】 一面を合成樹脂フィルムから形成し、他面を
合成繊維不織布から形成し、前記合成樹脂フィルムと前
記合成繊維不織布との間に吸水性樹脂組成物層を設ける
と共に、前記合成繊維不織布の外面は合成繊維不織布の
みを露出せしめるようにした。吸水性樹脂組成物層を粒
子径50μm以下の吸水性樹脂粉末と、バインダーを主
成分として形成し、吸水性樹脂粉末の量を3g/m2
上とするのがよい。また、合成繊維不織布の空隙率は5
0〜90%であり、且つ目付が15〜100g/m2
あることが望ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光ファイバ或いは銅導
体の通信ケーブルや電力ケーブルに使用する走水防止用
の止水テープに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、光ファイバ或いは銅導体の通
信ケーブルや電力ケーブルなどに、外被破損箇所から侵
入してくる水の走水を防止するために止水テープが使用
されている。
【0003】図2はジェリー防水型光ファイバケーブル
の構造例を示す断面図であり、図3はその光ファイバケ
ーブルの各部分を剥がした状態で示す。これらの図に示
すように、ジェリー防水型光ファイバケーブルの中心部
には抗張力体となる鋼線11が配置され、外周には螺旋
状の溝を設けた溝付ポリエチレン製スぺーサ12の溝1
2aの中に複数の光ファイバテープ心線13が収納さ
れ、溝12aとの空間にはぺトロラタムのようなジェリ
ー14が充填されている。その上に、止水テープ15を
たて沿えし、さらにナイロン糸16を螺旋状に巻き付け
て固定した後、引裂紐17がたて沿えして外被18で被
覆されている。
【0004】この止水テープ15は、ケーブルの外被が
劣化あるいは何らかの事故による破損によって外部から
ケーブル内に浸水してくると、溝内部に充填したジェリ
ーと共に、外被を通過し浸入してくる水を吸収し膨張し
てその侵入箇所付近で止水して、ケーブルの長手方向や
内部方向への走水を防止してケーブルへの浸水による事
故を未然に防ぐという機能を持っている。
【0005】このような機能を有する止水テープとして
は、従来から、種々の構造のものがあり、例えば、目付
が40〜100g/m2 の不織布基材上に吸水性樹脂粉
末とポリエチレン粉末を散布し、加熱後目付6〜15g
/m2 の薄手不織布カバー材でサンドイッチしたものが
ある。ところが、この止水テープは、吸水性樹脂粉末が
ポリエチレン粉末で充分固定されていないので裁断時あ
るいは使用時に吸水性樹脂粉末が脱落して作業性を低下
させる、高温高湿度環境下に暴露されると吸湿してべた
つく、外被押出時の熱によってポリエチレン粉末が溶融
して吸水性樹脂粉末を被覆して著しく吸水能力を低下さ
せるといった問題がある。
【0006】この問題を解消するために、特開平3−2
24729号公報には、目付が50〜100g/m2
スパンボンド不織布の少なくとも一面にバインダーによ
って固着した膨潤性吸水樹脂層を設け、この吸水性樹脂
組成物層の表面にカバー材を貼り合わせた止水テープが
開示されている。しかしながら、この止水テープは、吸
水性樹脂組成物層を保護するカバー材には、吸水性樹脂
組成物層が膨潤して脱落する際の妨げにならないよう
に、その間隙の50%以上が辺の長さの総和が0.3m
m以上とする必要があり、必然的にカバー材の目付はお
よそ15g/m2以下程度となる。実際に、ケーブルに
は複数のメーカーのカバー材付の止水テープが使用され
ているが、カバー材の目付は6〜15g/m2 の範囲で
ある。このように、この止水テープは吸水性樹脂組成物
層がカバー材で覆われているものの、吸水性樹脂組成物
層の吸水速度や吸水ゲルの脱落性を重要視しているた
め、カバー材の目付が低く、且つ繊維の間隙が大きいた
めに吸水性樹脂組成物層が部分的にテープ表面に露出し
ており、このため、これらの止水テープは、吸水速度も
非常に速く、且つ吸水ゲルの脱落性が大きいため優れた
止水性能を有している。しかしながら、止水テープが高
湿度環境下に曝された際に吸水性樹脂組成物層が吸湿す
ると、テープ表面に露出している吸水性樹脂組成物層が
粘着性を生じて、テープがべたついたり、ケーブル製造
時にガイドロールなどに吸水性樹脂組成物層が少しづつ
取られて蓄積してトラブルを発生する問題がある。さら
に、この止水テープをジェリー防水型ケーブルに使用し
た場合、ジェリーが止水テープを透過してテープ表面に
しみ出してべたつき、ケーブル外被を被覆する際にトラ
ブルを発生するという問題がある。
【0007】さらに、特開平5−148475号公報に
は、ナイロンの二軸延伸フィルムの少なくとも片面に不
織布を付着させた基材の不織布面側に吸水性樹脂組成物
層を形成した止水テープが提案されている。この止水テ
ープは、片面にフィルムを有しているため、ジェリーが
止水テープを透過してテープ表面に滲み出す問題は解消
されているものの、吸水性樹脂粉末が表面に完全に露出
している。このため、ジェリー防水型光ケーブルあるい
はジェリー防水型メタル通信ケーブルなどに用いる場合
にはフィルム面を内側すなわち吸水面を外側にしてケー
ブルに巻き付ける必要があり、ケーブル製造時の温湿度
環境によっては、吸水性樹脂粉末が大量に吸湿して前記
2種類の止水テープ以上にベタツキを生じ、ケーブル製
造ラインのガイドロールなどに吸湿した吸水性樹脂粉末
が付着して大きなトラブルを発生するという問題があ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
のような従来の止水テープの問題点を解消して、止水テ
ープが高湿度環境下で大量に吸湿してもベタツキを全く
生じず、かつ優れた止水性能を有する止水テープを提供
することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、ケーブル外被
直下などのケーブル内の微少な隙間を止水させる場合、
吸水性樹脂組成物層の吸水速度や吸水ゲルの脱落性がそ
れほど重要ではないことに着目して完成した。
【0010】すなわち、本発明のケーブル用止水テープ
は、一面を合成樹脂フィルムから形成し、他面を合成繊
維不織布から形成し、前記合成樹脂フィルムと前記合成
繊維不織布との間に吸水性樹脂組成物層を設けると共
に、前記合成繊維不織布の外面は合成繊維不織布のみを
露出せしめたことを特徴とする。
【0011】吸水性樹脂組成物層を粒径が50μm以下
の粒子を25容量%以上含む吸水性樹脂粉末と、バイン
ダーを主成分として形成し、この吸水性樹脂粉末の量を
3g/m2 以上とするのがよい。
【0012】また、合成繊維不織布の空隙率は50〜9
0%であり、目付が15〜100g/m2 であることが
望ましい。
【0013】本発明に用いる合成繊維不織布としては、
塗布加工時や合成樹脂フィルムとのラミネート加工時の
張力に耐える強度を有し、微生物に分解されないもので
あり、可撓性を有するものが望ましい。したがって、材
質としては、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステ
ル、アクリル及びそれらのブレンドが好適に使用でき
る。この合成繊維不織布は、吸水性樹脂組成物層が高湿
度環境下で吸湿したときのベタツキを防止し、かつ、ケ
ーブル内に水が侵入した際には速やかに吸水性樹脂組成
物層に水を導くことによって吸水性樹脂組成物層を吸水
膨潤させ、吸水ゲルを反対面に通過させる必要がある。
そのため、合成繊維不織布の空隙率としては50〜90
%であり、かつ、目付としては15〜100g/m2
望ましい。空隙率50%以下、或いは目付100g/m
2 以上では、吸水ゲルが合成繊維不織布シートを通過し
にくくなり十分な止水機能が得られず、空隙率90%以
上、或いは目付15g/m2 以下では、止水テープのベ
タツキ防止効果が十分ではない。なお、本発明における
空隙率は、以下の算出式によって求める。
【0014】 空隙率〔%〕={1−(W/(T×ρ)}×100 W:合成繊維不織布の目付〔g/cm2 〕 T:合成繊維不織布の厚み〔cm〕 ρ:合成繊維樹脂の真密度〔g/cm3 〕 また、合成樹脂フィルムは、ジェリー防水型通信ケーブ
ルにおいて、ケーブル内部に充填したジェリーが止水テ
ープから外側に滲み出してくるのを防止し、外被を押出
可能とするためのものであり、塗布加工時や合成繊維不
織布とのラミネート加工時及びテープ使用時の張力に耐
える強度を有し、微生物に分解されないものであり、可
撓性を有するものが望ましく、ポリプロピレン、ナイロ
ン、ポリエステル等からなる合成樹脂フィルムが好適で
ある。フィルムの厚みとしては、5〜100μmが望ま
しい。5μm以下では強度が十分でなく、100μm以
上ではコストアップとなる。
【0015】さらに吸水性樹脂組成物層は、吸水性樹脂
粉末と合成ゴム或いは合成樹脂からなるバインダーを必
須成分として、必要に応じて、これに湿潤剤、老化防止
剤、有機溶剤などを配合したものであり、これらは微生
物分解性のない100%合成品である。吸水性樹脂組成
物層の付着量としては、吸水性樹脂粉末の量で3〜10
0g/m2 あれば十分な止水効果を得ることができる。
場合によっては、この吸水性樹脂組成物層は合成繊維不
織布と合成樹脂フィルムを接着させるのに用いる。
【0016】吸水性樹脂粉末としては、自重の数10倍
〜数1000倍の吸水能力を有し、微生物分解性のない
100%合成品であり、粒子径50μm以下の粒子を少
なくとも25%以上含有する必要がある。25%以下で
は、止水テープが吸水した際に吸水ゲルが合成繊維不織
布内を充分に充填することができず、且つ裏面に漏れ出
さないためである。例えば、アクリル酸塩系架橋物、酢
酸ビニル・アクリル酸エステル共重合体ケン化物、ポリ
ビニルアルコール・マレイン酸共重合体架橋物、アクリ
ル酸塩・アクリルアミド共重合体、ポリエチレンオキサ
イド変成物などが好適であり、単体或いは2種以上使用
してもよい。吸水性樹脂の配合量としては、バインダー
100重量部に対して、100〜2000重量部が好適
である。100重量部以下では、止水効果が発揮され
ず、2000重量部以上では、加工が困難となるためで
ある。
【0017】さらに本発明の製造に際して用いる合成ゴ
ム或いは合成樹脂からなるバインダーは、吸水性樹脂粉
末を基材に固着させると共に、止水テープを実用幅にカ
ットする際や、止水テープをケーブルに巻き付ける際
に、吸水性樹脂粉末が合成繊維不織布の内部を通過して
脱落するのを防止する作用を有するものであり、微生物
分解性のない100%合成品である。合成ゴム或いは合
成樹脂としては、ポリイソブチレン、ブチルゴム、アク
リルゴム、エチレン・プロピレンゴム、アクリル系樹
脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エチレ
ン系共重合体、ポリアマイド樹脂などがありハロゲン原
子を含まないものが好ましい。
【0018】場合によっては、合成繊維不織布と合成樹
脂フィルムを接着させるために、接着剤を用いることが
できる。接着剤としては、アクリル系樹脂、ポリウレタ
ン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアマイド系樹脂な
どが使用でき、必要に応じて架橋剤、老化防止剤、加工
助剤などを添加できる。
【0019】本発明の止水テープは、合成繊維不織布の
片面或いは合成樹脂フィルムの片面に吸水性樹脂組成物
層を付着させたのち、吸水性樹脂組成物層が中間層にな
るようにして合成繊維不織布と合成樹脂フィルムを貼り
合わせることによって得られる。
【0020】具体的には、バインダーと、吸水性樹脂粉
末と、有機溶剤と、必要に応じて老化防止剤、湿潤剤、
有機溶剤などを規定量取り、撹拌機で十分に溶解分散撹
拌して吸水性樹脂組成物を得る。得られた吸水性樹脂組
成物を、公知のコーティング方法によって合成樹脂フィ
ルムの片面に塗布し、有機溶剤を含んだ状態で合成繊維
不織布を貼り合わせた後乾燥したり、吸水性樹脂組成物
を合成繊維不織布の片面に塗布・乾燥し、更に、合成樹
脂フィルムの片面に接着剤を塗布・乾燥した後、合成繊
維不織布の吸水加工面と合成樹脂フィルムの接着剤面
を、熱ロールで圧着して貼り合わせて得ることができ
る。
【0021】
【作用】本発明の止水テープは、吸水性樹脂組成物層は
固着され、更に合成樹脂フィルムと合成繊維不織布でサ
ンドイッチ状態にあるため、実用幅への裁断加工時やケ
ーブルへのテーピング中に吸水粉末が脱落することもな
く、止水テープが高湿度環境下で吸湿しても、止水テー
プがべたつくことも全くなく、ケーブルへのテーピング
工程においてガイドロールなどを汚すなどのトラブルが
発生することがない。
【0022】一方、外被の劣化或いは何らかの事故でケ
ーブル内に水が外部から浸入した場合は、止水テープに
使用している合成繊維不織布シートの空隙を通して速や
かに吸水性樹脂組成物層に水を導き、吸水性樹脂粉末は
速やかに吸水膨潤して吸水ゲルとなり、合成繊維不織布
シートの空隙を充填し、更には、合成繊維不織布シート
表面にも漏れ出してケーブル外被との隙間を充填するこ
とになり、ケーブルに優れた止水性能を付与する。
【0023】更に、止水テープの一面は合成樹脂フィル
ムで構成されるため、ケーブル内に充填したジェリーが
止水テープを透過してテープ表面に滲み出すことがな
く、ケーブル外被を被覆する際にトラブルを発生するこ
とがない。
【0024】また、構成材料は100%合成品からなる
ため、微生物で分解されて光ファイバにとって有害な水
素ガスが発生することがない。
【0025】本発明のケーブル用止水テープは、光ファ
イバ或いは銅導体のジェリー防水型通信ケーブルは勿
論、非ジェリー充填の防水型通信ケーブルや電力ケーブ
ルや制御用ケーブルなどの外被直下の止水テープとして
も使用できる。
【0026】
【実施例】図1は本発明のケーブル用止水テープの構造
の一例を示す断面図である。このケーブル用止水テープ
は、合成繊維不織布1の片面に吸水性樹脂組成物層3が
設けられ、この吸水性樹脂組成物層3に接着剤6を介し
て合成樹脂フィルム2が貼り合わされている。4は吸水
性樹脂粉末、5はバインダーを示している。
【0027】エチレン・プロピレンゴム100重量部
と、吸水性樹脂(株式会社日本触媒社製:アクアリック
CS−7ES)400重量部と、老化防止剤3重量部
と、湿潤剤1重量部と、トルエン700重量部を撹拌容
器に入れ、撹拌機で撹拌溶解して吸水性樹脂組成物を作
製し、空隙率80%、目付50g/m2 のポリエステル
長繊維不織布(旭化成工業社製:E05050)の片面
に、乾燥重量30g/m2で塗布乾燥して片面吸水加工
不織布テープを得る。次に、厚さ25μmのポリエステ
ルフィルムの片面にポリエステル系接着剤(東洋紡績社
製:バイロン#200の10%濃度トルエン溶液)を乾
燥重量で5g/m2 で塗布乾燥し、片面吸水加工不織布
テープの吸水加工面に170℃の熱ロールで圧着して貼
り合わせ、さらに幅45mmに裁断してケーブル用止水
テープを得た。
【0028】比較例1 厚さ25μmのポリエステルフィルムの片面にポリエス
テル系接着剤(東洋紡績社製:バイロン#200の10
%濃度トルエン溶液)を乾燥重量で5g/m2で塗布乾
燥し、前記実施例で得られた片面吸水加工不織布テープ
の非吸水加工面に170℃の熱ロールで圧着して貼り合
わせる。幅45mmに裁断してケーブル用止水テープを
得た。
【0029】比較例2 厚さ25μmのポリエステルフィルムの片面にポリエス
テル系接着剤(東洋紡績社製:バイロン#200の10
%濃度トルエン溶液)を乾燥重量で5g/m2で塗布乾
燥し、前記実施例で用いたポリエステル長繊維不織布
(旭化成工業社製:E05050)に170℃の熱ロー
ルで圧着して貼り合わせる。幅45mmに裁断してケー
ブル用押さえ巻きテープを得た。
【0030】ブロッキング試験 本発明の吸湿時のブロッキング防止効果を確認するた
め、下記模擬試験を行った。
【0031】すなわち、実施例及び比較例1の止水テー
プをそれぞれ150mm長さにカットして10枚用意
し、23℃×90%RHに調整した恒温恒湿器中に吊し
て5時間以上吸湿させた。吸湿後の試料をこの恒温恒湿
器内で7枚重ね合わせてガラス板に挟み込み、5kg荷
重を載せて更に24時間処理する。処理後荷重を取り除
き、それぞれ重ね合わせていたテープを引き剥がしてみ
た。実施例の止水テープは触感によるベタツキやブロッ
キングもなく、軽く引き剥がすことができた。一方、比
較例1の止水テープはベタツキがあり、ブロッキングを
起こしており引き剥がすと吸水層がフィルム面に移行し
ていた。
【0032】吸水性樹脂組成物層移行試験 前記23℃×80%RHで、ブロッキング試験と同様に
吸湿した試料の不織布面を、厚さlmm×幅50mm×
長さ150mmのクロムメッキ鋼板に重さ5kgのゴム
ローラーで圧着する。試料を引き剥がして、クロムメッ
キ鋼板の止水テープを貼り合わせた面の表面状態を観察
する。実施例の止水テープはクロムメッキ鋼板に全く接
着しておらず、クロムメッキ鋼板の表面も全く汚れてい
なかった。一方、比較例1の止水テープはクロムメッキ
鋼板に接着しており、止水テープを引き剥がすと吸水性
樹脂組成物層が僅かではあるがクロムメッキ鋼板に移行
していた。これが、ケーブル製造時のガイドロールの場
合であれば、吸水性樹脂組成物層がガイドロール表面に
蓄積し、トラブルの発生原因となる。
【0033】模擬止水試験 止水テープの止水効果を確認するため、下記模擬試験を
行った。
【0034】すなわち、長さ2mの100心IFケーブ
ル用スペーサー(溝の数:5溝/溝の寸法:幅1.6m
m×深さ2.5mm)の5溝に光ファイバテープ心線
(厚さ0.4mm×幅1.lmm)をそれぞれ5枚づつ
挿入し、溝の隙間にジェリー(ぺトロラタム)を充填し
た。次に、スペーサーの溝の螺旋のピッチに合わせて不
織布面外側で止水テープをたて沿えし、1000デニー
ルのナイロンフィラメント糸を15mmピッチで螺旋状
に巻き付け、外被引裂紐用として同ナイロンフィラメン
ト糸をスペーサー全長に1本たて沿えした。更に、外被
の代替として幅40mmの透明熱収縮フィルムテープを
15mmラップで全長に渡って巻き付けて、ドライヤー
の熱風で収縮密着させて模擬光ファイバケーブルとし
た。これを実施例と、比較例1、比較例2について作製
する。
【0035】次に、この模擬光ファイバケーブルの熱収
縮フィルムをほどけないように粘着テープで固定した
後、模擬光ファイバケーブルの中央部の長さ25mmの
熱収縮フィルムを全周剥ぎ取った。この部分にT型注水
口を取り付け、水漏れがないようにシールした。水頭圧
lmで水道水を流し、24時間後の走水距離を測定し
た。結果は表1の通りであり、実施例の場合は比較例1
に比べて僅かに走水距離は長くなっているものの、10
cm以内で止水しており優れた止水能力を有しているこ
とが確認できた。一方、吸水加工を施していない比較例
2は、模擬ケーブルの両端末から水が流出した。
【0036】抗菌性試験 止水テープの抗菌性を確認するため、実施例及び比較例
1の止水テープについて以下の方法で試験を行った。
【0037】300ccの三角フラスコにテストサンプ
ルを4gと、抗菌性試験において促進剤の働きをするリ
ン酸2水素アンモニウム4gと、以下に述べる土壌抽出
液200ccを入れ、混合した後シリコン栓で密栓し、
30℃の日陰に保存し、三角フラスコ上部にある空気を
30日後まで定期的にlccずつ抜き取り、ガスクロマ
トグラフで発生ガスの分析を行うと共に、肉眼で溶液の
色や状態を調べる。比較のため、微生物によって分解す
るパルプをテストサンプルとして、同時に試験を行っ
た。
【0038】土壌抽出液の作製は以下のように行った。
【0039】(1)土は落葉などがあり、草の生えてい
る水辺などから採取する。
【0040】(2)500gの土を2000ccの純水
に混ぜて撹拌する。
【0041】(3)12時間放置後、上澄み液をろ過
し、ろ過液50ccに純水150ccを加え土壌抽出液
とする。
【0042】試験の結果、パルプをテストサンプルとし
た試料では、微生物による腐食作用の指標となる水素ガ
スの発生が著しく、更にはカビの発生が見られた。一
方、実施例1及び比較例1の止水テープをテストサンプ
ルとした試料では、水素ガスの発生はなく、カビが発生
するなどの変化もなかった。
【0043】故に、本発明のケーブル用止水テープが優
れた抗菌性を有していることが確認できた。
【0044】
【表1】
【0045】
【発明の効果】本発明によって以下の効果を奏する。
【0046】(1)外被の劣化或いは何らかの事故でケ
ーブル内に水が外部から浸入した場合は、止水テープに
使用している合成繊維不織布シートの空隙を通して速や
かに吸水性樹脂組成物層に水を導き、吸水性樹脂粉末は
速やかに吸水膨潤して吸水ゲルとなり、合成繊維不織布
シートの空隙を充填し、更には、合成繊維不織布シート
表面にも漏れ出してケーブル外被との隙間を充填するこ
とによって、ケーブルに優れた止水性能を付与する。
【0047】(2)実用幅への裁断加工時やケーブルへ
のテーピング中に吸水性樹脂粉末が脱落することもな
く、止水テープが高湿度環境下で吸湿しても、吸水性樹
脂粉末が表面に露出していないため止水テープがべたつ
くことも全くなく、ケーブルへのテーピング工程におい
てガイドロールなどを汚すなどのトラブルを発生するこ
とが全くない。
【0048】(3)本止水テープの一面は合成繊維フィ
ルムで構成されるため、ケーブル内に充填したジェリー
が止水テープを透過してテープ表面に滲み出すことがな
く、ケーブル外被を被覆する際にトラブルを発生するこ
とがない。
【0049】(4)構成材料は100%合成品からなる
ため、微生物によって分解され難いので、光ファイバに
とって有害な水素ガスを発生することがなく、更には吸
水性樹脂が分解されて吸水ゲルの粘度が低下することが
ないので、数十年にわたる長期信頼性を有している。
【0050】(5)光ファイバあるいは銅導体のジェリ
ー防水型通信ケーブルの押さえ巻きテープとして優れた
取り扱い性と止水性能を有している。
【0051】(6)光ファイバ或いは銅導体のジェリー
防水型通信ケーブルは勿論、ジェリーを充填しない防水
型通信ケーブルや電力ケーブルや制御用ケーブルなどの
外被直下の止水テープとしても使用でき、応用範囲が非
常に広く実用上極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のケーブル用止水テープの一例を示す
断面図である。
【図2】 ケーブル用止水テープを適用した光ファイバ
ケーブルの一例を示す断面図である。
【図3】 ファイバケーブルの各部分を剥がした状態で
示す。
【符号の説明】
1 合成繊維不織布 2 合成樹脂フィルム 3 吸水性樹脂組成物層 4 吸水性樹脂粉末 5 バインダー 6 接着剤 11 鋼線 12 溝付ポリエチレン製スペーサ 12a 溝 13 光ファイバテープ心線 14 ジェリー 15 止水テープ 16 ナイロン糸 17 引裂紐 18 外被

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一面を合成樹脂フィルムから形成し、他
    面を合成繊維不織布から形成し、前記合成樹脂フィルム
    と前記合成繊維不織布との間に吸水性樹脂組成物層を設
    けると共に、前記合成繊維不織布の外面は合成繊維不織
    布のみを露出せしめたことを特徴とするケーブル用止水
    テープ。
  2. 【請求項2】 吸水性樹脂組成物層を粒子径50μm以
    下の粒子を25容量%以上含む吸水性樹脂粉末とバイン
    ダーを主成分として形成し、この吸水性樹脂組成物層中
    の吸水性樹脂粉末の量を3g/m2 以上としたことを特
    徴とする請求項1に記載のケーブル用止水テープ。
  3. 【請求項3】 合成繊維不織布の空隙率が50〜90%
    であり、且つ、目付が15〜100g/m2 であること
    を特徴とする請求項1記載のケーブル用止水テープ。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5301013B1 (ja) * 2012-05-29 2013-09-25 茂 馬場 止水性透湿防水シート及びその製造方法

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JP5301013B1 (ja) * 2012-05-29 2013-09-25 茂 馬場 止水性透湿防水シート及びその製造方法

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