JP2001506663A - ビスステロイド化合物及びキラル錯体の調製のためのそれらの使用 - Google Patents

ビスステロイド化合物及びキラル錯体の調製のためのそれらの使用

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(57)【要約】 一般式(I):{式中、R1は、水素、アルキル、アシル、フッ素、及びX1R5(ここで、X1は酸素及び硫黄を表し、そしてR5は水素、アルキル、アリールのいずれかであることができる。)を表し、R2は、水素及びアルキルを表し;C−13,C−14、及びC−17の立体化学は、a又はbのいずれかであることができ、Xは、酸素、ヒドロキシ、トリフルオロメチルスルホニルオキシ、又は(R6)2P(ここで、R6はアリール、アルキル、及びシクロアルキルであることができる。)を表し、R3は、水素、アルキル、アリール、トリアルキルシリル、フッ素、及びX2R6(ここで、X2は酸素及び硫黄を表し、そしてR6は水素、トリフルオロメチルスルホニル、アルキル、シクロアルキル又はアリールを表す。)を表し、R4は、上記ステロイドの6又は7位内の装置基であって、水素、アルキル、アリール、フッ素、及びX3R7(ここで、X3は酸素、硫黄又はトリアルキルシリルを表し、そしてR7は水素、トリフルオロメチルスルホニル、アルキル又はアリールを表す。)の意味をもつものであることができ、そして上記ステロイドのB環は、2重結合を全く含まないか又は2つ含む。}により表されるビスステロイド化合物、一般式(I)の化合物のエナンチオー及びジアステレオマー誘導体、それらの金属錯体、エナンチオ選択的反応におけるそれらの使用。

Description

【発明の詳細な説明】 ビスステロイド化合物及びキラル錯体の調製のためのそれらの使用 本発明は、ビスステロイド化合物(bissteroidal compounds)、及びさまざま な不斉合成のための触媒として有用なキラル錯体(chiral complexes)の調製の ためのそれらの使用に関する。 本発明の背景 1980年にNoyori(J.Am.chem.Soc.1980,102,7932)により紹介されたキラ ル2,2’−ビス−ジフェニルホスフィノ−1,1’ビ−2−ナフトール(Chira l 2,2’−bis−Di phenyl phosphino−1,1’bi−2−naphtol(BINAP))は 、実験室から工業規模までの不斉触媒におけるキラル・リガンドとして広い用途 をもつ。 Noyori−BINAPの大きな欠点は、240〜320℃における臭素化反応及び所望の試 験の全体的な低収率を提供する、分割剤としての樟脳スルホン酸(camphorsulfo ric acid)又は2,3−O−ジベンゾイル酒石酸のいずれかによる結晶化による BINAP前駆体の遅い分割段階である(Nachr.Chem.Techn.Lab.1996,44,996 )。 Verhoeveu(米国特許第5,399,771号)による新たな手順は、ジフェニルホスフィ ノ基の冗漫な導入を回避し、そして1,1’−ビ−2−ナフトール(BINOL)の対 応のジトリフレート(ditriflate)のニッケル触媒によるホスフィニル化を介し てBINAPのより簡単な調製を提供する。 それにも拘らず、BINAPの彼らの改良された合成は、分割剤としてトランス− 1,2−ジアミノシクロヘキサンによるBINOLの分割に未だ基づく(J.Org.Chem .1986,51,629)。 ステロイドは、それらの硬い骨格に因り不斉触媒のための潜在的に興味のある 化合物であるけれども、不斉触媒におけるキラル・リガンドとしての4,4’− ビス(ステロイド)の合成及びそれらのいずれかの適用は、今までのところ行わ れていない。 本発明は、β−ケトエステル、α−β−不飽和酸及びデヒドロアミノ酸エナン チオ選択的水添のための金属錯体内のキラル・リガンドとしての(Ra)−及び( Sa)−4,4’−ビス(3−ジフェニルホスフィノエストラ−1,3,5(10) ,6,8−ペンタエン)のジアステレオ選択的合成及びこれらの新規ビスホスフ ィンの適用について記載する。 本発明の詳細な説明 以下の一般式(I): {式中、R1は、水素、アルキル、アシル、フッ素、及びX1R5(ここで、X1は酸 素及び硫黄を表し、そしてR5は水素、アルキル又はアリールのいずれかである ことができる。)を表し、 R2は、水素及びアルキルを表し;C−13,C−14及びC−17の 立体化学はa又はbのいずれかであることができ、 Xは、酸素、ヒドロキシル、トリフルオロメチルスルホニルオキシ又は(R6)2P (ここで、R6はアリール、アルキル及びシクロアルキルであることができる。 )を表し、 R3は、水素、アルキル、アリール、トリアルキルシリル、フッ素及びX2R6( ここで、X2は酸素及び硫黄を表し、そしてR6は水素、トリフルオロメチルスル ホニル、アルキル、シクロアルキル又はアリールを表す。)を表し、 R4は、ステロイドの6又は7位における置換基であって水素、アルキル、ア リール、フッ素、及びX3R7(ここで、X3は酸素、硫黄又はトリアルキルシリル を表し、そしてR7は水素、トリフルオロメチルスルホニル、アルキル又はアリ ールを表す。)の意味をもつことができ、 そして上記ステロイドのB環は、2重結合を含まないか又は2つ含む。}によ り表されるビスステロイド化合物。 一般式(I)の化合物のエナンチオ−及びジアステレオマー誘導体。 R1−R7のアルキル基は、低級アルキル置換基、例えば、メチル−、エチル− 、プロピル−、2−メチルエチル−、2−メチル−プロピル−、3−メチル−プ ロピル−、2,2−ジメチル−エチル−又はブチル基の意味をもつ。R1のアシ ル基は、C1−C6−基、例えばアシル−、プロピオニル−、ブチル又はヘキサン 基の意味をもつ。R3,R4,R5,R6及びR7のアリール基はフェニル−、ベン ジル−又は4−メチル−フェニル置換基の意味をもつ。R6のシクロアルキル基 は、シクロペンチル−又はシクロヘキシル基の意味をもつ。R3又はX3のトリア ルキルシリル基は、トリメチル−又はtert−ブチルジメチルシリルの意味をもつ 。 3−ヒドロキシ−1,3,5(10),6,8−エストラペンタエン−17−オン (エクイレニン)(1)は、Wolff−Kishner還元(J.Am.Chem.Soc.1946,68 ,2487)の標準的な条件に供されて、80〜85%の収率でエストラ−1,3,5( 10),6,8−ペンタエン−3−オール(2)を与える。 標的(Ra)−及び(Sa)−4,4’−ビス(エストラ−1,3,5(10),6, 8−ペンタエン−3−オール)(ビスエクイレノール)(3)は、金属触媒フェ ノール・カップリングを介してエストラ−1,3,5(10),6,8−ペンタエ ン−3−オール(2)から調製される。 このカップリングは、酸素雰囲気下メチレンクロライド中、触媒量の銅−アミ ン錯体を用いて行われて(Tetrahedron Lett.1994,35,7983)、ジアステレオ マー(S−3)と(R−3)が作られる。Noyori BINOL合成に反して、これら2 つのジアステレオマーは、フラッシュ・クロマトグラフィーにより容易に分割さ れることができ、こうして、追加の分割剤を用いたエナンチオマーの長い分割を 回避する。新規リガンド(Ra)−及び(Sa)−4,4’−ビス(エストラ−1, 3,5(10),6,8−ペンタエン−3−オール)(3)、(Ra)−及び(Sa) −4,4’−ビス(エストラ−1,3,5(10)−トリエン−3−オール)(5 )、並びに(Ra)−及び(Sa)−4,4’−ビス(3−ジフェニルホスフィノエ ストラ−1, 3,5(10),6,8−ペンタエン)(7)の絶対配置は、その絶対配置がX線 結晶学により測定されるところのリガンド(Ra)−ビス(17−ベーターメトキシ エストラ−1,3,5(10)−トリエン−3−オール)(R−4)のCDスペクト ルに比較したCDスペクトロスコピーにより測定された。 さらに、このカップリングのジアステレオ選択性は、50%のジアステレオマー 過剰をもって室温におけるR−異性体を好む温度依存性を示す。より近い温度に おいては、この選択性は逆転し、ほぼ同じジアステレオマー過剰をもってS−異 性体を好む(表1)。 両異性体を利用可能にするために、カップリングは、0℃で行われ、92〜96% の併合収率で両ジアステレオマーを選択する。 表1.温度に対する銅仲介カップリングのジアステレオ選択性の依存性 上記新規化合物(R−3)と(S−3)の興味を抱かせる特徴は、それらが、 それらのジアステレオ性質にも拘らず、不斉反応のい ずれのタイプにおいても真のエナンチオマーとして振る舞うということである。 これは、最初に、Noyoriプロトコール後のアセトフェノンのエナンチオ選択的 還元におけるビスステロイド(3〜5)のセットをテストすることにより、示さ れた(J.Am.Chem.Soc.1979,101,3129);(表2)。 表2.ビスステロイド・リガンドにより引き起こされるアセトフェノンのエナン チオ選択的還元 a)GCにより測定 表2中の結果は、新規ビスステロイドが、還元剤としてNoyori's BINOLと同様 に強力であるということを示している。 リガンド(3)と(5)についてのより低いエナンチオマー過剰は、Noyoriプ ロトコールにおけるように−90℃においてその還元が行われることを防ぐひじょ うに低い温度における溶解度の問題に因る。−90℃において完全に溶解性である リガンド(4)を用いて、アセトフェノンの還元におけるNoyoriと同一のエナン チオマー過剰が達成される。 上記還元生成物の絶対配置も、Noyori還元におけるものと同じである。 予想されるように、2つのジアステレオマー・リガンド(R−3)と(S−3 )による還元は、その還元生成物の反対のエナンチオマーを作り出す。 ビスステロイドR−/S−4とR−/S−5は、リチウム化4−ブロモ−17β −メトキシ−3−メトキシメトキシエストラ−1,3,5(10)−トリエン(Te trahedron 1991,47,2871)(11)と4−ブロモ−3−メトキシメトキシエスト ラ−1,3,5(10)−トリエン(14)の銅仲介カップリング(Tetrahedron 19 92,48,2579)により調製された。 さらに、ジアステレオマー・リガンド(R−3)と(S−3)は、キラル・チ タニウム触媒(R−Ti−1)と(S−Ti−1)に取り込まれた(Tetrahedro n 1991,32,6571)。 次ぎにこれらの触媒を、メチルセコン(Methylsecone)のエナンチオ選択的環 化のためのキラル・ルイス酸として適用して、顕著に高い収率及びエナンチオマ ー過剰において3−メトキシエストラ−1,3,5(10),8,14−ペンタエン −17−オンを得た(表3)。 表3.R−Ti−1とS−Ti−1によるメチル−セコンのエナンチオ選択的環化 大変驚ろくべきことに、触媒R−Ti−1とS−Ti−1は、それぞれ異なる化学 的及び光学的収率をもつそれらのジアステレオマーの性質に因り、生成物3−メ トキシエストラ−1,3,5(10),8,14−ペンタエン−17−オンを与えた。 (Ra)−及び(Sa)−4,4’−ビス(3−トリフルオロメチルスルホニルオ キシエストラ−1,3,5(10),6,8−ペンタエン)(6)の合成は、定量 的収率においてピリジンの存在下、トリフルオロメタンスルホン酸(triflic ac id)無水物によるR−/S−3−トリフルオロメタンスルホン酸化により達成さ れた。 次に、トリフルオロメタンスルホン酸(6)を、83%の収率で上記ジアステレ オマーのいずれの異性化を伴わずにビスホスフィン(7)に変換した。 エクイリニン(1)から出発して、両ビスホスフィン(R−7)と(S−7) を、64%の全体収率で4つの化学的段階において得ることができる。 エピマー・ホスフィン(Epi−R−7)と(Epi−S−7)を、14−Epi−エ クイレニン(14−Epi−1)から出発して、同様の合成配列に従って得ることが できる(Tetrahedron Lett.1971,4179)。 新規ホスフィン(R−7)と(S−7)を、代表例としてメチル−アセトアセ テート、N−アセチル−桂皮酸及びチグリン酸(tiglic acid)の不斉水添のため のルテニウム錯体内のキラル・リガンドとしてテストした(表3)。 上記キラル・ルテニウム錯体は、DMF中〔RuCl2(ベンゼン)〕2と共にビスホス フィン(R−/S−7)を加熱することにより調製される(Tetrahedron Lett. 1991,32,4163)。 表4.メチル−アセトアセテートとN−アセチル−桂皮酸の不斉水添 *1h/100atm/100℃;**48h/7atm;***24h/4atm; ****96h/7atm; 〔RuCl2(ベンゼン)〕2とビスステロイド・リガンド(7)から合成された新規 キラル錯体は、Noyoriの技術水準のBINAP−ルテニウム錯体よりもより強力であ る。なぜなら、それらは、より広い適用性をもち、そして定量的な収率において 極めて高いエナンチオマー純度をもつ一定レンジの基質の調製を可能にするから である。 さらに、新規のビスステロイド・リガンド(3〜5)は、アセトフェノンの還 元により例示されたケトンのエナンチオ選択的還元のために高く有効であり、そ してメチル−セコンのエナンチオ選択的環化により例示される高く有効なキラル ・ルイス酸であることが証明されている。 調製例 光学回転を、Perkin Elmer 241施光計上で計測し、融点は、補正されず;1H −NMR(300MHz)及び13C−NMR(75MHz)スペクトルを、溶媒及び内部参照としてC DCl3中General Electric QE300上で測定し(7.28ppm,81.9ppm);J値を、Hzで 与え;IRスペクトルをNicolet 20 SBX上で測定し;質量スペクトルをTRIO2上に 記録し;TL CをMerck 60 F 254上で行った。シリカ・ゲル60G(240〜400メッシュ)をカラム ・クロマトグラフィーのために使用した。全ての反応を乾燥窒素又はアルゴン下 で行った。 1.ホスフィンR−/S−7の合成 1.36.3mlのヒドラジン・ヒドレート、435mlのジエチレングリコール及び36. 5gのNaOH(0.91モル)中の53.15gの3−ヒドロキシ−1,3,5(10),6, 8−エストラペンタエン−17−オン(l)(0.199mモル)の懸濁液を、120℃まで 油浴上で加熱する。0.5時間、この温度で撹拌した後、この温度を180〜190℃に 高め、そしてさらに18時間撹拌する。室温まで冷却した後、この溶液を500mlの 氷冷水に添加し、そして次に濃HClでpH0まで酸性にする。この沈殿を濾別し、 そして粗生成物を水−エタノール1:1(各100ml)から結晶化させて、42.7g のエストラ−1,3,5(10),6,8−ペンタエン−3−オール(2)(85% );融点=136.5〜139℃; 2.CH2Cl2(300ml)中のエストラ−1,3,5(10),6,8−ペンタエン− 3−オール(2)(10g,20mmol)の溶液に、CuCl(OH)・TMEDA(0.800g,0. 35mmol)を添加し、そしてその溶液を、その混合物を通して酸素をバブリングし ながら10〜15分間0℃で撹拌した。この反応をTLCでモニターした。この反応の 終わりに、HCl(10%,5ml)を上記混合物に添加し、そしてさらに15分間撹拌した (色は、青色から黄色に変化した。)この混合物を濾過し、そして残渣を真空下 で乾燥させて、粗生成物を得た(5g)。CH2Cl2で抽出(3×10ml)後上記 濾液から、さらに4.8gの生成物を単離し、これを第1の画分と併合した。この 粗混合物を分離して、主要な異性体(59%)として5.9gの(Ra)−4,4’− ビス(エストラ−1,3,5(10),6,8−ペンタエン−3−オール)(3) ; 融点207.4-207.5℃;及びより小さな割合の異性体(37%)として3.7gの(Sa)−4,4’−ビス( エストラ−1,3,5(10),6,8−ペンタエン−3−オール)(3);融点 287.0℃分解(ヘキサン); を得た。 3.トルエン−ピリジン15:1(30ml)中の(Sa)−4,4’− ビス(エス トラ−1,3,5(10),6,8−ペンタエン−3−オール)(3)(1.8g,3 .6mmol)の溶液に、30分間の期間にわたり、トリフルオロメチルスルホン酸無水 物を滴下し、そしてその混合物をさらに30分間撹拌した。この溶液を水で希釈し 、そしてその有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、そしてその溶媒を 蒸発させた。この残渣をSiO2を通して濾過して、粗生成物(2.8g)を得 て、これは、ヘキサンからの結晶化後、2.5gの純粋なトリフルオロメチルスル ホン酸(Sa)−4,4’−ビス(3−トリフルオロメチルスルホニルオキシエス トラ−1,3,5(10),6,8−ペンタン)(6)(90%)を与えた、融点= +168.2℃; (Ra)−4,4’−ビス(3−トリフルオロメチルスルホニルオキシエストラ −1,3,5(10),6,8−ペンタエン)(6): 上記化合物を、(Sa)−4,4’−ビス(3−トリフルオロメチルスルホニル オキシエストラ−1,3,5(10),6,8−ペンタエン)(6)と同じ手順に 従って合成して、再結晶化後に純粋な化合物を得た;融点=201.9℃. 4.ジメチル・アセトアミド(2ml)中のNiCl2dppe(0.070g ,0.13mmol)の溶液に、室温においてジフェニルホスフィン(0.13ml,0.75mmol )を添加し、そしてこの溶液を100℃に加熱した。45分後、ジメチル・アセトア ミド(4ml)中、トリフレート(Ra)−又は(Sa)−4,4’−ビス(3−トリ フルオロメチルスルホニルオキシエストラ−1,3,5(10),6,8−ペンタ エン)(1g,1.3mmol)及び1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタン(0. 62g,5.5mmol)の溶液を、一度に添加し、得られた緑色の溶液を100℃に保ち、 そしてジフェニルホスフィンの3つの追加の部分(3×0.13ml)を1,3、及び 5時間後に添加した。この反応物を6日間100℃に保ち、そして次にこの暗褐色 溶液をMeOHで希釈した。所望の生成物を濾過し、そしてこの濾過ケーキをMeOHで 洗浄し、そして真空中で乾燥させた。この粗生成物(0.820g,80%)をMeOH/Tol 10:1から再結晶化させて0.78gの純粋なホスフィン(Ra)−4,4’−ビス (3−ジフェニルホスフィノエストラ−1,3,5(10),6,8−ペンタエン )(7):(70%), 及び(Sa)−4,4’−ビス(3−ジフェニルホスフィノエストラ−1,3,5 (10),6,8−ペンタエン)7:(70%), を得た。 2.ホスフィン(Epi−R−/S−7)の合成: 1.CH2Cl2(300ml)中14−エピ−3−ヒドロキシ−1,3,5(10),6,8 −エストラペンタエン−17−オン(14−Epi−1)(10g,38mmol)の懸濁液に 、CuCl(OH)・TMEDA(0.800g,0.35mmol)を添加し、そしてこの溶液をその混 合物を通して酸素をバブリングしながら10〜15分間0℃で撹拌した。この反応を TLCによりモニターした。この反応の終わりにHCl(10%,5ml)をこの混合物に 添加し、そしてさらに15分間撹拌した(この色は青色から黄色に変化した)。こ の有機層をラインで洗浄し、乾燥させ、そして上記溶媒を蒸発させた。この粗混 合物(9.9g)を分離させて、5.2gの(Ra)−4,4’−ビス(14−エピ−3−ヒ ドロキシ−1,3,5(10),6,8−エストラペンタエン−17−オン)(52% );融点293℃分解; 及び4.3g(Sa)−4,4’−ビス(14−エピ−3−ヒドロキシ −1,3,5(10),6,8−エストラペンタエン−17−オン)(43%)、融点 180℃分解(ヘキサン); を得た。 2.トルエン(60ml)中の(Sa)−4,4’−ビス(14−エピ−3−ヒドロキ シ−1,3,5(10),6,8−エストラペンタン−17−オン)(2.2g,4.2mmo l)及びN−エチルジイソプロピルアミン(4ml,23mmol)の溶液に、30分間の期 間にわたりトリフレート無水物(3.6ml,10mmol)を添加した。この混合物を室温 において30分間撹拌し、そして次に60℃まで加熱し、そして3時間この温度で保 った。この反応の終わりに、上記混合物を冷却し、そしてその上(トルエン)層 を分離させ、そして水、2N HCl及びブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、そ してその溶媒を蒸発させた。この残渣をエタノール(30ml)中に溶解させ、そし て2時間PtO2(0.2g)の存在下、水素(1atm)に晒した。この混合物をセライト のパッドを通して濾過し、その溶媒を蒸発させて、そしてその粗生成物を酢酸エ チル中に溶解させた。この溶液を、NaHCO3、ブラインで洗浄し、そしてNa2SO4で 乾燥させた。この溶媒を蒸発させ、そしてその粗生成物をSiO2上で分離させて、 (Sa)−4,4’−ビス(14−エピ−3−トリフルオロメチルスルホニルオキシ エストラ−1,3,5(10),6,8−ペンタエン)(14−Epi−S−6)(2.6 g)(86%)を得た、融点=115-116℃; (Ra)−4,4’−ビス(14−エピ−3−トリフルオロメチルスルホニルオキ シエストラ−1,3,5(10),6,8−ペンタエン)(14−Epi−R−6): 上記化合物を、(Sa)−4,4’−ビス(14−エピ−3−トリフルオロメチル スルホニルオキシエストラ−1,3,5(10),6,8−ペンタエン)(14−Epi −S−6)と同一手順に従って合成して、再結晶化後に純粋な化合物を得た; 融点=204-204.5℃, 3.ジメチル・アセトアミド(2ml)中のNiCl2dppe(0.070g,0.13mmol)の 溶液に、室温でジフェニルホスフィン(0.13ml,0.75mmol)を添加し、そしてこ の溶液を100℃に加熱した。45分後、ジメチル・アセトアミド(4ml)中のトリ フレート(Ra)−又は(Sa)−4,4’−ビス(14−エピ−3−トリフルオロメ チルスルホニルオキシエストラ−1,3,5(10),6,8−ペンタエン)( 1g,1.3mmol)及び1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタン(0.62g,5 .5mmol)の溶液を一度に添加し、得られた緑色の溶液を100℃で保ち、そしてジフ ェニルホスフィンの3つの追加の部分(3×0.13ml)を1,3、及び5時間後に 添加した。この反応を6日間100℃に保ち、そして次に暗褐色の溶液を、MeOHで 希釈した。所望の生成物を濾過し、そしてその濾過ケーキをMeOHで洗浄し、そし て真空中で乾燥させた。粗生成物(0.820g,80%)をMeOH/Tol 10:1から再結 晶化して、0.78gの純粋なホスフィン(Sa)−4,4’−ビス(14−エピ−3− ジフェニルホスフィノエストラ−1,3,5(10),6,8−ペンタエン)(14 −エピ−7):(89%)を得た。 3.(Ra)−ビス(17ベータ−メトキシエストラ−1,3,5(10)−トリエ ン−3−オール)(4)及び(Ra)−4,4’−ビス(エストラ−1,3,5( 10)−トリエン−3−オール)(5)の合成 3.1 (Ra)−ビス(17ベータ−メトキシエストラ−1,3,5(10)−ト リエン−3−オール)(4)の合成: 1.ジメチル・ホルムアミド(250ml)中の4−ブロモ−3−ヒドロキシエスト ラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン(8)(20g,51mmol)の溶液に、 0℃でt−BuOK(7.7g,74mmol)を添加した。この混合物を5分間撹拌し、そし て次に、ジメチル・ホルムアミド(15ml)中のメトキシメチル・クロリド(5.5g ,68mmol)の溶液を同一温度で滴下し、そしてさらに1時間撹拌した。この反応 を飽和NH4Clでクエンチし、そして水(130ml)で希釈した。粗生成物を濾過し、そ してエタノールから再結晶化して、21.5gの純粋な4−ブロモ−3−メトキシエ トキシエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン(9)(95.5%);融 点172℃を得た。 2.4−ブロモ−3−メトキシメトキシエストラ−1,3,5(10)−トリエ ン−17−オン(9)(20g)を、300mlのメタノール中の10.6gのNaBH4(15mモ ル)で還元して、アルコール4−ブロモ−3−メトキシメトキシエストラ−1, 3,5(10)−トリエン−17−ベータ・オール(10)(20g)を得て、これを次 の工程のために精製せずに使用した。 3.DMF(250ml)中の4−ブロモ−3−メトキシメトキシエストラ−1,3, 5(10)−トリエン−17ベータ−オール(10)(20g,50mmol)の溶液に、0℃ でt−BuOK(7.9g,75mmol)を添加した。この混合物を5分間撹拌し、そして次 にジメチル・ホルムアミド(15ml)中のMeJ(9.2g,65mモル)の溶液を同一温 度で滴下し、そしてさらに15時間撹拌した。この反応を飽和NH4Clでクエンチし 、そして水(130ml)で希釈した。粗生成物を濾過し、そしてエタノールから再結 晶化させて、19.7gの4−ブロモ−17ベータ−メトキシ−3−メトキシメトキシ エストラ−1,3,5(10)−トリエン (11)(94%)を得た; 4.THF(250ml)中の4−ブロモ−17−ベータ−メトキシ−3−メトキシメト キシエストラ−1,3,5(10)−トリエン(11)(10g,24.4mmol)の溶液に 、−60℃でBuLi(16ml,1.6M,26mmol)を添加した。この混合物を30分間撹拌 し、そして次にTHF(25ml)中のCuCN(1.1g,12mモル)の懸濁液を同一温度で 添加した。撹拌を、CuCNがフラスコの底に見えなくなるまで、さらに2.5時間続 けた。−100℃まで冷却した後、乾燥酸素を15分間上記混合物に通過させ、これ は、深い紫色をもたらした。酸素の流れを止め、そしてその反応混合物を上記温 度でさらに30分間撹拌し、そして次に飽和NH4Clでクエンチし、そしてジエチル ・エーテル(100ml)で希釈した。この有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥 させ、そしてその溶媒を蒸発させた。粗混合物(7.8g)を酢酸エチル−ヘキサン 8:1から結晶化させた。固体生成物を濾過し、そして乾燥させて、2.9gの純 粋な異性体(Ra)−4,4’−ビス(17−ベータ−メトキシ−3−メトキシメト キシエストラ−1,3,5(10)−トリエン)(12)(36%)を得た。この濾液 を蒸発させ、そしてその残 渣をSiO2上のクロマトグラフィー(ヘキサン:ジエチル・エーテル−6:1)に より分離して、さらなる生成物(0.2g,2%)を得て、これを最初のものと併合 し、そしてさらに精製せずに使用した。 5.メタノール/THF/H2O 1:1:0.2(20ml)中の(Ra)−4,4’−ビス( 17−ベータ−メトキシ−3−メトキシメトキシエストラ−1,3,5(10)−ト リエン)(12)(2g,3mモル)の溶液に、濃HCl(3ml)を添加し、その混 合物を室温で25時間撹拌した。この反応混合物を飽和NaHCO3で中和し、そしてエ チル・エーテル(50ml)で希釈した。この有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で 乾燥させ、そして溶媒を蒸発させた。粗生成物(1.3g,78%)をヘキサン−エチ ル・エーテル1:1から再結晶化させて、1.1g(Ra)−ビス(17−ベータ−メ トキシエストラ−1,3,5(10)−トリエン−3−オール)(4)(70%)を 得た;融点181℃ 3.2 (Ra)−4,4’−ビス(エストラ−1,3,5(10)−トリエン− 3−オール)(5)の合成: 1.ジメチル・ホルムアミド(250ml)中の4−ブロモ−3−ヒドロキシ−エス トラ−1,3,5(10)−トリエン(20g,60mモル)の溶液に、0℃でt−Bu OK(9.3g,89mモル)を添加した。この混合物を5分間撹拌し、そして次にDMF(1 5ml)中のメトキシメチル・クロリド(6.3g,78mmol)の溶液を同一温度で滴下し 、そしてさらに1時間撹拌した。この反応を飽和NH4Clでクエンチし、そして水( 130ml)で希釈した。粗生成物を、濾過し、そしてエタノールから再結晶化させて 、20.4gの4−ブロモ−3−メトキシメトキシ−エストラ−1,3,5(10)− トリエン(14)(90%)を得た;融点85.2℃, 2.THF(250ml)中の4−ブロモ−3−メトキシメトキシ−エストラ−1,3 ,5(10)−トリエン(14)(12g,31.7mモル)の溶液に、−60℃でBuLi(24 ml,1.6M,38mモル)を添加した。この混合物を30分間撹拌し、そして次にTHF (25ml)中CuCN(1.5g,17mモル)の懸濁液を同一温度で添加した。この混合物 を、CuCNが フラスコの底に見えなくなるまでさらに2.5時間撹拌した。−100℃に冷却した後 、乾燥酸素を15分間上記混合物に通過させた。この酸素の流れを止め、そしてそ の反応混合物を上記温度でさらに30分間撹拌し、そして次に飽和NH4Clでクエン チし、そしてジエチル・エーテル(100ml)で希釈した。この有機層を、ブライン で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、そしてその溶媒を蒸発させた。上記残渣(10g) をDMF(30ml)中に溶解させ、そしてその溶液に0℃でt−BuOK(1.9g,18mmol)を 添加した。この混合物を5分間撹拌し、そして次にDMF(15ml)中のTBDMSCI(2.5 g,65mmol)の溶液を同一温度で添加し、そしてさらに30分間撹拌した。この反 応を飽和NH4Clでクエンチし、そしてエチル・エーテル(50ml)で希釈した。こ の有機層を、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、そしてその溶媒を蒸発させ た。この粗混合物(11g)をSiO2上のクロマトグラフィー(ヘキサン:ジエチル ・エーテル−6:1)により分離して、2gの結晶生成物(Ra)−4,4’−ビ ス(3−メトキシメトキシエストラ−1,3,5(10)−トリエン)(15)(21 %)を得て、これを次の工程のために精製せずに使用した。 3.メタノール/THF/H2O 1:1:0.2(20ml)中の(Ra)−4,4’−ビス( 3−メトキシメトキシエストラ−1,3,5(10)−トリエン)(15)(2g,3 .3mmol)の溶液に、濃HCl(3ml)を添加し、そして室温で25時間撹拌した。この 反応混合物をNaHCO3で中和し、そしてエチル・エーテル(50ml)で希釈した。こ の有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、そしてその溶媒を蒸発させた 。粗生成物(1.3g,78%)をヘキサン/エチル・エーテル1:1から再結晶化さ せて、1.3gの(Ra)−4,4’−ビス(エストラ−1,3,5(10)−トリエ ン−3−オール)(5)(76%)を得た、融点162.5℃, 適用の例: 1.リガンド(R−4)によるアセトフェノンの還元 Teflonコートされた撹拌棒を入れた乾燥した50ml Schlenk管に、THF中のLiAlH4 (1.5ml,0.98M)の溶液を入れ、そして次にTHF中のエチル・アルコール(0.9 ml,1.7M)の溶液を約10分間の期間にわたり滴下した。その後、(R−4)のT HF溶液(3ml,0.53M)を30分間の期間にわたり滴下した。室温でさらに30分間 撹拌した後、上記還元剤を−90℃に冷却した。THF中のアセトフェノン(0.45ml, 0.7M)の溶液を(20分の期間にわたり)ゆっくりと添加した。この混合物を、上 記温度でさらに3時間、そして−78℃で16時間撹拌した。−78℃におけるメタノ ール(0.5ml)の添加後、この混合物を室温まで暖め、HCl(5%)でpH=6に中和 し、そしてエチル・エーテル(2×10ml)で抽出した。この抽出物のGC分析(25 m FS-Hydrodex−B−PM,110等温、1bar水素、t°検出器=280℃,t°カラム =280℃)は、96.5%ee及び完全な変換を示す。 2.リガンド(R−4)によるオレフィンとb−ケトエステルの水添 Teflonコートされた撹拌棒の入った乾燥50ml Schlenk管に、〔Ru Cl2(ベンゼン)〕2(0.018g,0.036mmol)、(S−4)(0.07g,0.073mmol)、及 びDMF(1ml)を入れた。得られた茶色の懸濁液を30分間アルゴン下で100℃に加熱 して、透明赤褐色溶液を得た。この反応混合物を冷却し、そして1時間1mmHgで そしてその後0.05mmHgで濃縮して、RuCl2(S−4)(DMF)。を得た。 a)メチル・アセトアセテートの水添 RuCl2(S−4)(DMF)2の得られた赤褐色固体に、脱気したメタノール(40m l)中のメチル・アセトアセテート(7.3g,63mmol)の溶液を添加し、そして5分 間撹拌した。次のこの溶液を125mlのステンレス・スチールのオートクレーブに 移し、そして水素(100atm)下及び100℃で1時間、そして次に同圧下及び室温 で10時間保持した。過剰の水素を排気した後、上記装置を分解した。その内容物 を濃縮した。蒸留(110℃,46mmHg)により、MTPAエステルとしてアッセイされた9 9%eeにおいて、メチル(S)−3−ヒドロキシブタノン酸(7.22g,98%〔a 〕D=−50.5,c=1.4,〔a〕546=−58.3,c=1.4,CHCl3中)を得た。 b)アクリル酸の水添 RuCl2(S−4)(DMF)2の得られた赤褐色固体に、脱気メタノール(40ml)中 のα−アセトアミド桂皮酸(3.6g,17mmol)の溶液を添加し、そして5分間撹拌 した。次にこの溶液を125mlのステンレス・スチールのオートクレーブに移し、 そして室温で及び水素(4atm)下、48時間保持した。過剰の水素を排気した後、 この装置を分解した。この内容物を濃縮して3.6gの粗生成物を得た。この粗生 成物からの少量(0.05g)を過剰のジアゾメタン(エチル・エーテル中の溶液) で処理して、エナンチオマー過剰の測定のための対応のメチル・エステルを得た 。このエステルのGC分析(25m Chiralsil-DEX,150°等温、1bar水素、t°検 出器=280℃,t°カラ ム=280℃)は、85.7%のeeを示し、そして微量の出発材料を示さなかった。上 記生成物の残りを熱水(200ml)中に溶解させ、そしてトルエン(2×30ml)で抽 出した。この水を蒸発させ、そして残渣を真空下で乾燥させて、3.48g(96%) (−)−N−アセチル−フェニル・アラニン、〔a〕D=−33.7(c=メタノー ル中1.0)を得た。 c)チグリン酸の水添: RuCl2(S−4)(DMF)2の得られた赤褐色固体に、脱気メタノール(30ml)中 のチグリン酸(1.2g,17mmol)の溶液を添加し、そして5分間撹拌した。 次にこの溶液を200mlのステンレス・スチールのオートクレーブに移し、そし て室温で、そして水素(4atm)下で24時間保った。過剰の水素を排出した後、そ の装置を分解した。この内容物を濃縮して3.6gの粗生成物を得た。この粗生成 物からの少量(0.05g)を過剰のジアゾメタン(エチル・エーテル中の溶液)で 処理した。この溶液のGC分析(25m Chiralsil-DEX,150°等温、1bar水素、t °検出器=280℃,t°カラム=280℃)は、90.5%eeを示し、そして微量の出発 物質を示さなかった。蒸留(78℃,24mmHg)により、メチル(R)−2−メチル 酪酸(1.15g,92%,〔a〕D=−17.2(純)を得た。 3.(R−Ti−1)及び(S−Ti−1)によるメチル−セコンのエナンチ オ選択的環化: 乾燥トルエン(5ml)中の(R−3)又は(S−3)(0.094g,0.19mmol) のいずれかの溶液に、アルゴン下で4Aモレキュラー・シーブ(0.600g,ビーズ 1mm)とAgBF4(0.075g,0.39mmol)を添加し、そしてこの混合物を暗所内で10 分間、音波処理した。次に、(i−PrO)2TiCl2の溶液(0.62ml、トルエン中0.302 M,0.19mm ol)を添加し、そして得られた暗褐色溶液を1時間暗所内で室温で撹拌した。こ の混合物を−22℃に冷却し、そしてトルエン(1ml)中のメチル−セコンの溶液 (0.300g,1mmol)を滴下した。次にこの反応混合物を20%Na2CO3でクエンチし た。通常の方法での調製、その後のカラム・クロマトグラフィーにより、14−ベ ータ−ヒドロキシ−3−メトキシエストラ−1,3,5(10),8−テトラエン −17−オン(0.06g,20%,36%ee)、融点=162.5〜163℃(EtoH);〔a〕D= +26.9°(c=THF中0.2)、及び3−メトキシエストラー1,3,5(10),8, 14−ペンタエン−17−オン(0.17g,72%,70%ee)、融点=108.3℃(EtoH),〔 a〕D=−70.6°(c=THF中0.12)を得た。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】平成10年12月16日(1998.12.16) 【補正内容】 1.以下の一般式(I): {式中、R1は、水素、アルキル、アシル、フッ素、及びX1R5(ここで、X1は酸 素及び硫黄を表し、そしてR5は水素、アルキル、アリールのいずれかであるこ とができる。)を表し、 R2は、水素及びアルキルを表し;C−13,C−14、及びC−17の立体化学は 、α又はβのいずれかであることができ、 Xは、酸素、ヒドロキシ、トリフルオロメチルスルホニルオキシ、又は(R6)2P (ここで、R6はアリール、アルキル、及びシクロアルキルであることができる 。)を表し、 R3は、水素、アルキル、アリール、トリアルキルシリル、フッ素、及びX2R6 (ここで、X2は酸素及び硫黄を表し、そしてR6は水素、トリフルオロメチルス ルホニル、アルキル、シクロアルキル又はアリールを表す。)を表し、 R4は、上記ステロイドの6又は7位内の装置基であって、水素、アルキル、 アリール、フッ素、及びX3R7(ここで、X3は酸素、 硫黄又はトリアルキルシリルを表し、そしてR,は水素、トリフルオロメチルス ルホニル、アルキル又はアリールを表す。)の意味をもつものであることができ 、そして 上記ステロイドのB環は、2重結合を全く含まないか又は2つ含む。}により 表されるビスステロイド化合物。但し、化合物4,4’−ジ−〔エストラ−1, 3,5(10)−トリエン−3,17β−ジオール〕を除く。 2.一般式(I)の化合物のエナンチオ−及びジアステレオマー誘導体。但し 、化合物4,4’−ジ−〔エストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17β− ジオール〕を除く。 3.キラル金属錯体の製造のための、請求項1及び2に記載の一般式(I)の 化合物の使用。 4.ロジウム、ルテニウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金、亜 鉛、チタン、アルミニウム、金、ランタノイド類又は混合ランタノイド−アルカ リ錯体を含むキラル金属錯体の製造のための、請求項1及び2に記載の一般式( I)の化合物の使用。 5.全クラスの不斉反応、特に、アルケン、エニアミン、アルデヒド又はケト ンのエナンチオ選択的水添、エナンチオ選択的Michael−付加反応、エナンチオ 選択的Ene−反応、アルデヒド及びケトンのエナンチオ選択的アルキル化、エナ ンチオ選択的Diels−Alder反応、及びエナンチオ選択的ヒドロシリル化のための 、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金、チタン 、アルミニウム、金、ランタノイド類又は混合ランタノイド−アルカリ錯体を含 むキラル錯体の製造のための、請求項1及び2に記載の一般式(I)の化合物の 使用。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,LS,M W,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY ,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM ,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY, CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,E S,FI,GB,GE,GH,HU,IL,IS,JP ,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR, LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,M W,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD ,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR, TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 エベルス,クリスチャン ドイツ連邦共和国,デー―10318 ベルリ ン,ラインシュタインシュトラーセ 68 (72)発明者 ハーレ,ミヒャエル ドイツ連邦共和国,デー―12161 ベルリ ン,ブランケンベルクシュトラーセ 1 (72)発明者 ヒキッシュ,クラウス ドイツ連邦共和国,デー―12307 ベルリ ン,ツェッシャー シュトラーセ 14

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.以下の一般式(I): {式中、R1は、水素、アルキル、アシル、フッ素、及びX1R5(ここで、X1は酸 素及び硫黄を表し、そしてR5は水素、アルキル、アリールのいずれかであるこ とができる。)を表し、 R2は、水素及びアルキルを表し;C−13,C−14、及びC−17の立体化学は 、a又はbのいずれかであることができ、 Xは、酸素、ヒドロキシ、トリフルオロメチルスルホニルオキシ、又は(R6)2P (ここで、R6はアリール、アルキル、及びシクロアルキルであることができる 。)を表し、 R3は、水素、アルキル、アリール、トリアルキルシリル、フッ素、及びX2R6 (ここで、X2は酸素及び硫黄を表し、そしてR6は水素、トリフルオロメチルス ルホニル、アルキル、シクロアルキル又はアリールを表す。)を表し、 R4は、上記ステロイドの6又は7位内の装置基であって、水素、アルキル、 アリール、フッ素、及びX3R7(ここで、X3は酸素、 硫黄又はトリアルキルシリルを表し、そしてR7は水素、トリフルオロメチルス ルホニル、アルキル又はアリールを表す。)の意味をもつものであることができ 、そして 上記ステロイドのB環は、2重結合を全く含まないか又は2つ含む。}により 表されるビスステロイド化合物。 2.一般式(I)の化合物のエナンチオー及びジアステレオマー誘導体。 3.キラル金属錯体の製造のための、請求項1及び2に記載の化合物の使用。 4.ロジウム、ルテニウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金、亜 鉛、チタン、アルミニウム、金、ランタノイド類又は混合ランタノイド−アルカ リ錯体を含むキラル金属錯体の製造のための、請求項1及び2に記載の化合物の 使用。 5.全クラスの不斉反応、特に、アルケン、エニアミン、アルデヒド又はケト ンのエナンチオ選択的水添、エナンチオ選択的Michael−付加反応、エナンチオ 選択的Ene−反応、アルデヒド及びケトンのエナンチオ選択的アルキル化、エナ ンチオ選択的Diels−Alder反応、及びエナンチオ選択的ヒドロシリル化のための 、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金、チタン 、アルミニウム、金、ランタノイド類又は混合ランタノイド−アルカリ錯体を含 むキラル錯体の製造のための、請求項1及び2に記載の化合物の使用。
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