JP2001506258A - 三環型カルバペネムのエチリデン誘導体 - Google Patents

三環型カルバペネムのエチリデン誘導体

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JP2001506258A JP52763998A JP52763998A JP2001506258A JP 2001506258 A JP2001506258 A JP 2001506258A JP 52763998 A JP52763998 A JP 52763998A JP 52763998 A JP52763998 A JP 52763998A JP 2001506258 A JP2001506258 A JP 2001506258A
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Abstract

(57)【要約】 式(I)

Description

【発明の詳細な説明】 三環型カルバペネムのエチリデン誘導体 技術分野 本発明は医薬工業の分野に属しそして純粋なジアステレオマーの形及び純粋な 幾何異性体の形の三環型カルバペネム(carbapenem)のエチリデン誘導体、その製 造方法、これを含有する医薬組成物及びヒト及び獣医学(veterinary medicine) におけるその使用に関する。新規な三環カルバペネムのエチリデン誘導体はβ- ラクタマーゼの作用の抑制剤及び/又は抗生物質として使用される。 技術的問題 種々の抗生物質及び合成化学療法薬に対する抵抗現象のために、新規な、効果 的な抗感染剤を調製することが常に要求されている。また、β-ラクタム抗生物 質に対する抵抗性の原因である酵素β-ラクタマーゼの新規な抑制剤を調製する ことも常に要求されている。新規な三環型カルバペネムのエチリデン誘導体は酵 素β-ラクタマーゼの抑制剤及び/又は抗生物質である化合物である。 従来技術 従来、カルバペネム化合物は効果的な抗菌剤として知られている。新規なサブ グループのカルバペネム化合物は、酵素D,D-ペプチダーゼの抑制剤としての、広 範囲の病原性グラム陰性及びグラム陽性バクテリアに対する新規な抗菌剤である 三環型カルバペネムである(EP-A-416953号及びEP-A-422596号に初めて開示され ている)〔A.Perboni等、Recent Advances in the Chemistry of Antiinfective Agents,Bentley,H.H.,Ponsford,R.編,The Royal Society of Chemistry,T .Graham House,ケンブリッジ,1992,p21及びS.Hannesian等,Bioorg.Med. Chem.Lett.,5,(1995)2535〕。 抗菌作用を有する典型的なカルバペネム化合物はUS 5459260号、EP-A-502464 号、EP-A-502465号、EP-A-502468号、EP-A-517065号、PCT-WO-94/05666号、 US 5372993号、US 5374630号、PCT-WO-94/21637号、PCT-WO-94/21638号、PCT-WO -95/03700号、PCT-WO-95/13278号、PCT-WO-95/23149号、JP 06,166688号及びJP 08,53459号にも開示されている。 化合物4S,8S-4-メトキシ-(9R,10R,12R)-10-(1-ヒドロキシエチル)-11-オキソ- 1-アザトリシクロ-[7.2.0.03,8]ウンデカ-2-エン〔GV104326即ち、サンフェトリ ネム(sanfetrinem)〕は、バクテリアの増殖プロセスに必須である酵素D,D-ペプ チダーゼに対する作用を有する生物学的活性物質である〔E.diModugno等,Anti microb.Agents Chemother.,38(1994),2362〕。 従来開示されている三環型カルバペネム化合物の全てについて、β-ラクタマ ーゼ種の酵素に対する抑制作用についてのデーターは存在しない。従って、本発 明は、全く新規な構造を有するかつ酵素β−ラクタマーゼを抑制する性質を有す る新規な三環型カルバペネム化合物のエチリデン誘導体を目的とする。この性質 により、その重要な抗菌活性が減少することはない。 技術的解決 本発明は、式I: {式中、基本的なカルバペネム核に3位と4位で融合している、符号Cの付いた 環は5、6又は7員環であり、この環において、 1. 符号Cの付いた環中の1個又はそれ以上の炭素原子は、同一であるか又は 異なるものであり得る下記の置換基でモノ又はジ置換され得る: a) 水素原子、 b) 1〜20個の炭素原子を有する飽和アルキル鎖;この飽和アルキル鎖は直鎖 (例えばメチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル)であるか又は任意の位置で分 岐しているもの(例えばイソプロピル、s-ブチル、イソブチル、イソアミル、ter t- ブチル)であることができ、そして、鎖の構成員の各々は下記のごとき置換基で モノ又はジ置換され得る;即ち、ハロ(フルオロメチル、トリフルオロメチル、 2-クロロエチルのごとく)、ヒドロキシ(ヒドロキシメチル、2-ヒドロキシエチ ルのごとく)、(C1-C4)アルキルオキシ(メトキシメチル、2-メトキシエチルの ごとく)、メルカプト及び(C1-C4)アルキルメルカプト(メルカプトメチル、2- メチルメルカプトエチルのごとく)、(C1-C4)アルカンスルホニル(メタンスル ホニルメチルのごとく)、アミノ、(C1-C4)アルキルアミノ及びジ-(C1-C4)アル キルアミノ(2-アミノエチル、2-メチルアミノエチル、2-ジメチルアミノエチル のごとく)、アルキレンアミノ〔2-(1-ピペリジニル)エチル、1-ピロリジニル メチルのごとく〕、グアジニノ(グアジニノメチルのごとく)、非置換N1-モノ 、N3-モノ、N1,N3-ジ及びN3,N3-ジ-(C1-C4)ホルムアミジノ〔イミノメチルアミ ノメチル、2-(ジメチルアミノメチレンアミノ)エチルのごとく〕、芳香族又はヘ テロ芳香族5又は6責環(フェニル、フリル、2-ピリジルのごとく)、(C1-C4) アルキルオキシカルボニル(カルボエトキシメチルのごとく)、シアノ(2-シア ノエチルのごとく)、オキソ(アセチル、プロピオニル、2-オキソプロピルのご とく)によりモノ又はジ置換され得る; c) 1〜20個の炭素原子を有する不飽和アルキル鎖;この不飽和アルキル鎖は 直鎖でかつ二重結合又は三重結合を有するもの(例えばビニル、プロペニル、ア リル、エチニル、プロパギル)であるか又は任意の位置で分岐しておりかつ二重 結合又は三重結合を有するもの(例えば2-プロペニル)であることができ、そし て、鎖の構成員の各々は下記の置換基、即ち、ハロ、ヒドロキシ、(C1-C4)アル キルオキシ、チオ及び(C1-C4)アルキルチオ、(C1-C4)アルカンスルホニル、アミ ノ、(C1-C4)アルキルアミノ及びジ-(C1-C4)アルキルアミノ、芳香族又はヘテロ 芳香族5又は6貢環(フェニル、フリル、2-ピリジルのごとく)、(C1-C4)アル キルオキシカルボニル、シアノ、オキソのごとき置換基によりモノ又はジ置換さ れ得る; d) 3〜7員の飽和又は部分的に不飽和のシクロアルキル基(例えばシクロプ ロピルからシクロヘプチルまでの基、シクロヘキサ-1-エニル);この環は酸素 、硫黄又は窒素原子の1個又はそれ以上を含有するもの(例えば2-テトラヒドロ フ ラニル、1-ピペリジニル、1-ピロリジニル)であることができ、そして、環の構 成員の各々はハロ、ヒドロキシ、(C1-C4)アルキルオキシ、チオ及び(C1-C4)アル キルチオ、(C1-C4)アルカンスルホニル、アミノ、(C1-C4)-アルキルアミノ及び ジ-(C1-C4)アルキルアミノ、(C1-C4)アルキルオキシカルボニル、シアノ、オキ ソのごとき置換基によりモノ又はジ置換され得る; e) 5又は6員芳香族又はヘテロ芳香族環(例えばフェニル、フリル、2-ピリ ジル)、 f) ヒドロキシ、(C1-C10)アルキルオキシ(例えばメトキシ、エトキシ、n-プ ロポキシ、イソプロポキシ、tert-ブトキシ、シクロヘキシルオキシ)、モノ又 はジ置換-(C1-C10)アルキルオキシ(例えば2-ヒドロキシエチルオキシ、2,3-ジ ヒドロキシプロパ-1-イルオキシ、2-メトキシエチルオキシ、フルオロメチルオ キシ、アミノエチルオキシ、2-ジメチルアミノエチルオキシ)、アシルオキシ( 例えばホルミルオキシ、アセチルオキシ、ベンゾイルオキシ、エトキシカルボニ ルオキシ、アリルカルボニルオキシ)、モノ、ジ又はトリ-(C1-C4)アルキルシリ ルオキシ(例えばトリメチルシリルオキシ、tert-ブチルジメチルシリルオキシ )基、 g) メルカプト、(C1-C10)アルキルメルカプト(例えばメチルメルカプト、エ チルメルカプト)、モノ又はジ置換-(C1-C10)アルキルメルカプト(例えば2-ヒ ドロキシエチルメルカプト、2,3-ジヒドロキシプロパ-1-イルメルカプト、2-メ トキシエチルメルカプト、2-メルカプトエチルメルカプト、2-メチルメルカプト エチルメルカプト、2-アミノエチルメルカプト、2-ジメチルアミノエチルメルカ プト)、アシルメルカプト基(例えばアセチルメルカプト)、 h) アミノ、(C1-C4)アルキルアミノ及びジ-(C1-C4)アルキルアミノ〔例えば メチルアミノ、ジメチルアミノ、2-ヒドロキシエチルアミノ、ビス(2-ヒドロキ シエチル)アミノ、アミノエチルオキシ、2-ジメチルアミノエチルオキシ、2-ア ミノエチルアミノ、2-ピペリジノエチルアミノ〕、アセチルアミノ、アリルオキ シカルボニルアミノ、イミノメチルアミノ、N-メチルアミノメチレンアミノ、N, N-ジメチルアミノメチレンアミノ、グアニジノ、シアノグアニジノ、メチレング アニジノ基、 i) ハロ原子(例えばフルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード)、 j) アジド、ニトロ、シアノ、(C1-C4)アルキルオキシカルボニル基(例えば カルボメトキシ、カルボエトキシ)、 k) (C1-C4)アルカンスルホニル基(例えばメタンスルホニル、エタンスルホ ニル); 2. 符号Cの付いた環中の1個又はそれ以上の炭素原子は、>C*=CR1R2の形 で、二重結合を介して符号Cの付いた環に連結している、置換又は非置換アルキ ル鎖で置換され得る;上記でC*は符号Cの付いた環中の炭素原子を表し、=は環 外二重結合を表し、置換基R1及びR2は、同一であるか又は異なるものでありか つ下記のものを意味する: a) 水素原子;従って、置換基はメチレンである; b) 1〜20個の炭素原子を有する非置換飽和アルキル鎖;この非置換飽和アル キル鎖は直鎖(例えばエチリデン、n-プロピリデン、n-ブチリデン、イソプロピ リデン)であるか又は任意の位置で分岐しているもの(例えば2,2-ジメチルプロ ピリデン)であることができる; c) 1〜20個の炭素原子を有する非置換不飽和アルキル鎖;この非置換不飽和 アルキル鎖は二重結合又は三重結合を有しかつ直鎖であるか又は任意の位置で分 岐しているもの(例えばビニリデン、アリリデン)であることができる; d) 3〜7員の飽和又は部分的に不飽和の非置換シクロアルキル又はヘテロア リール(例えばシクロプロピルメチレンからシクロヘプチルメチレンまでの基か らなる); e) 5又は6員の芳香族又はヘテロ芳香族環(例えばベンジリデン、ジフェニ ルメチレンのごとき基からなる)、 f) 飽和又は部分的に不飽和の置換アルキル鎖又は3〜7員の置換カルボキシ ル環;この場合、アルキル鎖又はカルボキシル環の任意の炭素原子はハロ、ヒド ロキシ、(C1-C4)アルキルオキシ、(C1-C4)アルキルチオ、(C1-C4)アルカンスル ホニル、アミノ、(C1-C4)アルキルアミノ、ジ-(C1-C4)アルキルアミノ、(C1-C4) アルキルオキシカルボニル、シアノ、オキソのごとき置換基によりモノ又はジ置 換され得る;これらの基は例えばヒドロキシエチリデン、メトキシエチリデンか らなる; g) ヒドロキシ、(C1-C4)アルキルオキシ、アシルオキシ、メルカプト、(C1-C4 )アルキルメルカプト、アミノ、(C1-C4)アルキルアミノ、ジ-(C1-C4)アルキル アミノ及びアシルアミノ基;これらの基は例えばヒドロキシメチレン、メトキシ メチレン、ジメトキシメチレン、ジメチルアミノメチレン、アセチルアミノメチ レン基のごとき基からなる; h) ニトロ、シアノ、(C1-C4)アルキルオキシカルボニル基;従って、置換基 は、例えば、ジシアノメチレン、ビス(カルボメトキシ)メチレン、カルボエトキ シメチレンである; 置換基R1及びR2は、閉じて環を形成している連結アルキレン鎖(CH2)n(n= 2〜7)も表すことができ、任意のメチレン(CH2)構成員はオキサ(-O-)、チア(-S -)、イミノ(-NH-)又は(C1-C4)アルキルアミノによって置換され得る;例えば、 この置換基はシクロペンチリデン、シクロヘキシリデン、2-(1,3-ジオキサシク ロペンチリデン)のごとき基からなる; 3. 符号Cの付いた環中の1個又はそれ以上の炭素原子は、二重結合を介して ヘテロ原子で置換され得る〔オキソ、チオキソ、ヒドロキシイミノ、(C1-C4)ア ルキルイミノ、アシルイミノのごとく〕; 4. 符号Cの付いた環中の1個又はそれ以上の炭素原子は、スピロ化合物を形 成するために、閉じて環を形成している置換基でジ置換されることができる;そ して、環の構成員は、炭素原子の他に、酸素、硫黄及び窒素原子であり得る(エ チレン、1,3-プロピレン、1,5-ペンチレン、エチレンジオキシのごとく); 5. 符号Cの付いた環中の1個又はそれ以上の炭素原子は、酸素原子で置換さ れ得る; 6. 符号Cの付いた環中の1個又はそれ以上の炭素原子は、硫黄原子で置換さ れることができ、この硫黄原子はモノ又はジ酸化されてスルホキシド又はスルホ ンを形成し得る; 7. 符号Cの付いた環中の1個又はそれ以上の炭素原子は、>N*-R3の形で置 換され得る窒素原子で置換され得る;上記において、N*は符号Cの付いた環中の 窒素原子を表し、R3は下記のものを意味する: a) 1〜20個の炭素原子を有する飽和アルキル鎖;この非置換飽和アルキル鎖 は直鎖(例えばメチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル)であるか又は任意の位 置で分岐しているもの(例えばイソプロピル、s−ブチル、イソブチル、イソア ミル、tert-ブチル)であることができ、そして、アルキル鎖の構成員の各々は 、下記のごとき置換基、即ち、ハロ(フルオロメチル、トリフルオロメチル、2- クロロエチルのごとく)、ヒドロキシ(ヒドロキシメチルのごとく)、(C1-C4) アルキルオキシ(2-メトキシエチルのごとく)、(C1-C4)アルキルチオ(メチル メルカプトエチルのごとく)、(C1-C4)アルカンスルホニル(メタンスルホニル メチルのごとく)、アミノ、(C1-C4)アルキルアミノ、ジ-(C1-C4)アルキルアミ ノ(2-アミノエチル、2-メチルアミノエチル、2-ジメチルアミノエチルのごとく) 、芳香族又はヘテロ芳香族5又は6貢環(フェニル、フリル、2-ピリジルのごと く)、(C1-C4)アルキルオキシカルボニル(カルボエトキシメチルのごとく)、 シアノ(シアノエチルのごとく)、オキソ(アセチル、プロピオニル、2-オキソ プロピルのごとく)、イミノ(イミノメチル、アミノイミノメチル、アミノシア ノイミノメチルのごとく)の1個又はそれ以上により置換され得る; b) 1〜20個の炭素原子を有する非置換飽和アルキル鎖;この非置換飽和アル キル鎖は直鎖でかつ二重結合を有するもの(例えばビニル、プロピル、アリル) であるか又は三重結合を有するもの(例えばエチニル、プロパギル)であるか又 は任意の位置で分岐しておりかつ二重結合又は三重結合を有するもの(例えば2- プロペニル)であることができる; c) 3〜7員の飽和又は部分的に不飽和の非置換シクロアルキル又はヘテロア リール(例えばシクロプロピルからシクロヘプチルまでの基、シクロヘキサ-1ー エニル、4-ピペリジニル); d) 5又は6損の非置換芳香族又はヘテロ芳香族環(例えばフェニル、フリル 、2-ピリジル); e) シアノ、(C1-C4)アルキルオキシカルボニル(例えばカルボメトキシ、カ ルボエトキシ)、アミノカルボニル、(C1-C4)アルキルアミノカルボニル、(C1− C4)アルカンスルホニル(メタンスルホニル)のごとき基; Xは、下記のものを意味する; 1. 水素原子;この場合、式Iの化合物はカルボン酸である;分子の塩基性中 心(basic centre)の場合、水素原子はプロトンとして分子に連結しており、カル ボキシル基は、カルボキシレートのごときアニオンの形であり、式Iの化合物は 双性イオンの形である; 2.アルカリ金属;この場合、式Iの化合物はアルカリ金属塩(例えばカルボン 酸リチウム、カルボン酸ナトリウム、カルボン酸カリウム)である; 3. アルカリ土金属;この場合、式Iの化合物は、一個の二価金属イオンにつ いて2個のカルボキシレートアニオンが存在するアルカリ土金属塩(例えばカル シウムジカルボキシレート)である; 4. アンモニウムイオン又はプロトン化された形のモノ、ジ又はトリ置換、非 環式又は環式脂肪族アミン又はプロトン化された形のある種の他の窒素塩基; この場合、式Iの化合物はカルボン酸とアンモニア又はアミン(トリメチルアミ ン、トリエチルアミン、N,N'-ジベンジルエチレンジアミン、エタノールアミン 、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、2-ピ ペリジニル)又はアミジン〔例えば1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカ-7-エン 、1,5-ジアザビシクロ[4,3,0]ノナ-5-エン、3,3,6,9,9-ペンタジメチル-2,10-ジ アザビシクロ[4,4,0]ウンデカ-7-エン〕又はグアニジン(例えばグアニジン、シ アノグアニジン)又はある種の他の窒素塩基(例えば4-ジメチルアミノピリジン 、イミダゾール)との塩である; 5. 第四級アンモニウムイオン;この場合、式Iの化合物は対応する第四級ア ンモニウムカルボキシレート(例えばテトラブチルアンモニウムカルボキシレー ト)である; 6. 基R4;この場合、式Iの化合物はエステルの形である;基R4は a) (C1-C20)アルキル(例えばメチル、エチル、tert-ブチル)、(C1-C20)ア ルケニル(例えばアリル)、置換アルキル〔例えば(C1-C4)アルキルオキシアル キル、(C1-C4)アルキルチオアルキル、フェネチル、2,2,2-トリクロロエチル、2 -オキソ-5-メチル-1,3-ジオキソレン-4-イル)メチル、ベンジル、p-メトキシベ ンジル、p-ニトロベンジル、o-ニトロベンジル、ビス(メトキシフェニル)メチ ル、3,4-ジメトキシベンジル、ベンゾヒドリル、トリチル、2-トリメチルシリル エチル〕、置換シリル(例えばトリメチルシリル、tert-ブチルジメチルシリル )、フ タリジル等から選ばれる基であるか; b) 下記の式 〔式中、R5は水素、1〜4個の炭素原子を有する低級アルキルを表し、R6は水 素、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、シクロアルコキシ、シクロアルキ ルアルキル、アルケニルオキシ、フェニルを表す)で表される基である; 従って、式Iの化合物はプロドラッグ剤としてセファロスポリン抗生物質の群か ら知られている生分解性のエステル[例えば、1-ピバロイルメチル、1-ピバロイ ルエチル、アセトキシエチル、1-アセトキシエチル、1-メトキシ-メチルエチル カルボニルオキシメチル、1-(1-メトキシ-1-メチルエチルカルボニルオキシ)エ チル、1-ベンゾイルオキシエチル、1-(イソプロポキシカルボニルオキシ)エチル 、シクロヘキシルオキシ-カルボニルオキシメチルエステル]である〕}で表され る三環型カルバペネムのエチリデン誘導体に関する。 本発明は純粋なジアステレオマーの形及び純粋な幾何異性体の形の、新規な一 般式Iの三環型カルバペネムのエチレン誘導体に関する。式Iの化合物は、式I の化合物のカルバペネム環の6位にあるエチリデン置換基中のメチル基が、二重 結合の周囲で(Z)として又は(E)として配置(configure)されている場合、少なく とも2つの純粋な幾何異性体からなり、そして、新しい環との接点に形成される 4位の不斉中心は(R)として又は(S)として配置されるので、少なくとも2つの純 粋なジアステレオマーからなる。図1及び他の図の全てにおいて、太線結合(bol dbond)は紙面より上方の位置を表し、破線は紙面より下方の位置を表す。記号(R )又は(S)は符号Cの付いた環の種類及び符号Cの付いた環に結合している置換基 に依存し、カーン-インゴルド-プレログ配配列則〔Cahn等、Experientia 12(195 6)81〕に従って決定される。 一般式Iの化合物の4及び5の環の接点における5位の配置は常に同一であり かつ常に紙面の下方にあり、記号(R)又は(S)は上記したカーン-インゴルド-プレ ログ配列則に従って決定される。 図1:純粋な幾何異性体としての形及び純粋なジアステレオマーとしての形の、 新規な三環型カルバペネムのエチリデン誘導体 下記の式Iの化合物は酵素β−ラクタマーゼの抑制剤及び/又は抗生物質とし て特に重要である: − (8S,9R)-10-[(E)-エチリデン]-11-オキソ-1-アザトリシクロ[7.2.0.03,8]ウ ンデカ-2-エン-2-カルボン酸、その製剤学的に許容される塩又はエステル − (8R,9R)-10-[(E)-エチリデン]-11-オキソ-1-アザトリシクロ[7.2.O.03・8] ウ ンデカ-2-エン-2-カルボン酸、その製剤学的に許容される塩又はエステル − (8S,9R)-10−[(E)一エチリデン]-11-オキソ-1−アザ-6-チアトリシクロ[7.2 .0.03,8]ウンデカ-2-エン-2-カルボン酸、その製剤学的に許容される塩又はエ ステル − (8R,9R)-10-[(E)-エチリデン]-11-オキソ-1-アザ-6-チアトリシクロ[7.2.0. 03,8]ウンデカ-2-エン-2-カルボン酸、その製剤学的に許容される塩又はエス テル − (4S,8S,9R)-4-メトキシ-10-[(E)-エチリデン]-11-オキソ-1-アザトリシクロ [7.2.0.03,8]ウンデカ-2-エン-2-カルボン酸、その製剤学的に許容される塩又 はエステル − (4R,8R,9R)-4-メトキシ-10-[(E)-エチリデン]-11-オキソ-1-アザトリシクロ [7.2.0.03,8]ウンデカ-2-エン-2-カルボン酸、その製剤学的に許容される塩又 はエステル − (4S,8S,9R)-4-メトキシメチル-10-[(E)-エチリデン]-11-オキソ-1-アザトリ シクロ[7.2.0.03,8]ウンデカ-2-エン-2-カルボン酸、その製剤学的に許容され る塩又はエステル − (4R,8R,9R)-4-メトキシメチル-10-[(E)-エチリデン]-11-オキソ-1-アザトリ シクロ[7.2.0.03,8]ウンデカ-2-エン-2-カルボン酸、その製剤学的に許容され る塩又はエステル。 酸び形及びその製剤学的に許容されるエステルの形の式Iの化合物は、グラム 陽性及び/又はグラム陰性バクテリア又は他の感染物(infect)に対する制菌活性 (bacteriostatic action)及び殺菌活性(bactericide action)を有する抗菌剤と して使用され、ヒト及び動物における伝染病の予防及び処置に使用される。従っ て、本発明は、式Iの化合物及びその製剤学的に許容される塩又はエステルの、 グラム陽性及び/又はグラム陰性バクテリア及び他の微生物により発生するヒト 及び動物におけるバクテリア性疾患の処置における使用も目的とする。 酸び形及びその製剤学的に許容されるエステルの形の式Iの化合物は、特に、 医薬組成物中、或いは、ペニシリン及びセファロスポリンのごとき他のβ-ラク タム抗生物質と組合せた医薬組成物中で、酵素β-ラクタマーゼの抑制剤として も使用される。従って、β-ラクタム抗生物質に抵抗性の微生物に対する効果的 な抗菌作用も達成し得る。酵素β-ラクタマーゼの作用の機構は従来から十分に 研究されており〔J.Knowles,Acc.Chem.Res.18,(1985)97〕、要約すれば、 β-ラクタム抗生物質のアミド結合が加水分解され、その結果、酵素D,D-ペプチ ダーゼを抑制するその能力が消失する作用と説明し得る;この能力はβ-ラクタム 抗生物質が抗生物質としての作用をするための条件である。酵素β-ラクタマー ゼの抑制プロセスは2段階で生起する。第1段階はアシル化であり、このアシル 化によって、タンパク質配列の中のSer70部位においてβ-ラクタム抑制剤の間に テトラヘドロ ン錯体が生成され、このことによって、抗生物質に対する作用の原因となる酵素 の活性部位のブロック(blocade)を生じる。第2段階は脱アシル化であり、これ は水と、酵素β-ラクタマーゼの活性部位のアミノ酸残基の、共有結合した抑制 剤−酵素錯体に対する作用によって生起する。全体的な抑制プロセスは同一の酵 素がβ-ラクタム抗生物質を分解するプロセスに類似し(主要な相違は第1のプロ セスと第2のプロセスの速度(kinetics)にのみ存在する)、従って、β-ラクタム 抗生物質と酵素β−ラクタマーゼの抑制剤の構造は類似している。 ペナム、カルバペナム、セフェム及びカルバセフェム型の抗生物質の大部分の 特徴は、これらの化合物はアシルアミノ基又は1-ヒドロキシエチル基により、6 位(ペナム)及び7位(セフェム)が置換されているが、酵素β-ラクタマーゼ に対して比較的低い抑制作用を示すことである。また、三環型カルバペナム(EP- A-0422596号に開示されている)の分野からの、同様に置換された化合物について は、従来、抗生物質活性(antibiotic action)しか知られていない。これらの系 の6位は、β-ラクタマーゼの抑制作用を示すためには、別異に置換されるべき であることが示されている。6-エチリデン置換カルバペナムは、カルバペナム 抗生物質の合成にも使用される中間体から取得し得るので、利用可能な系である と認められた。従来、これらの化合物の中では、酵素β-ラクタマーゼの抑制剤 として作用する化合物は知られていないが、分子モデリング(molecularmodelin g)法、即ち、診療に使用される酵素β-ラクタマーゼの抑制剤と、ペネム及びセ フェム型のβ-ラクタマーゼの基質(substrate)の電子密度を計算し、比較する方 法により(D.Kocjan及びT.Solmajer,QSAR and Molecular Modeling,F.Senz ,J.Ginaldo及びF.Monant編集,Computational Tools and Biological Applic ations,バルセロナ所在、Prous Science Publishers,1995,pp335-337)、式I の化合物及びその製剤学的の許容される塩又はエステルの、算定された電子密度 の分布は酵素β-ラクタマーゼに対する抑制作用について適当であることが認め られた。驚くべきことに、本発明の式Iの化合物は酵素β-ラクタマーゼの抑制 剤として活性であり、従って、文献に記載される公知のカルバペネム抗生物質と は相違することが認められた。式Iの化合物の抑制活性を試験した結果からもそ のβ-ラクタマーゼに対する抑制作用が確認されている。 酵素β-ラクタマーゼに対する式Iの化合物の抑制作用の決定 式Iの化合物の抑制作用は標準的な方法(Bush,K.及びAykes,R.B.Methods o f Enzymatic Analysis,第3版,Vol.4,p 280,Verlag Chemie GmnH,Weinheim ,1984)に従って測定した。この方法は大腸菌EC3.5.2.6.株から得られる酵素β- ラクタマーゼの触媒作用を分光光度定量分析により(495nmのバンドで)測定す ることからなる。基質として、最も広範囲の感受性(susceptibility)と感度(sen sibility)を有するニトロセフィン(nitrocefin)〔(7R)-3-[(E)-2,4-ジニトロス チリル]-7-(2-チエニルアセトアミド)-3-セフェム-4-カルボン酸〕を使用した。 酵素β-ラクタマーゼの抑制剤の存在下でのニトロセフィンの加水分解を測定し た。抑制剤の存在下での、大腸菌3.5.2.6.のβ-ラクタマーゼの加水分解 実験データー: 基質(ニトロセフィン)の濃度は190μmol/lであった。 供試抑制剤の標準濃度は100μmol/lであった。酵素の抑制を50%以上につい て減少させる場合には、試験はより低い供試抑制剤濃度、即ち、100μmol/l、1 0μmol/l及び0.1μmol/lで行った。 参照抑制剤、スルバクタム(sulbactam)及びクラブラン酸の濃度は、供試抑制 剤の濃度と同一であった。 表1: 種々の抑制剤濃度(%)での、基質ニトロセフィンに対する、大腸菌 3.5.2.6.酵素β−ラクタマーゼの加水分解作用の抑制 記号説明: a...(8S,9R)-10-[(E)-エチリデン]-11-オキソ-1-アザトリシクロ[7.2.0.03,8] ウンデカ-2-エン-2-カルボン酸ナトリウム b...(8R,9R)-10-[(E)-エチリデン]-11-オキソ-1-アザトリシクロ[7.2.0.03,8 ] ウンデカ-2-エン-2-カルボン酸ナトリウム c...(8S,9R)-10-[(E)-エチリデン]-11-オキソ-1-アザ-6-チアトリシクロ[7.2. 0.03,8]ウンデカ-2-エン-2-カルボン酸ナトリウム d...(8R,9R)-10-[(E)-エチリデン]-11-オキソ-1-アザ-6-チアトリシクロ[7.2. 0.03,8]ウンデカ-2-エン-2-カルボン酸ナトリウム e...(4S,8S,9R)-4-メトキシ-10-[(E)-エチリデン]-11-オキソ-1-アザトリシク ロ[7.2.0.03,8]ウンデカ-2-エン-2-カルボン酸ナトリウム f...(4R,8R,9R)-4-メトキシ-10-[(E)-エチリデン]-11-オキソ-1-アザトリシク ロ[7.2.0.03,8]ウンデカ-2-エン-2-カルボン酸ナトリウム g...(4S,8S,9R)-4-メトキシメチル-10-[(E)-エチリデン]-11-オキソ-1-アザト リシクロ[7.2.0.03,8]ウンデカ-2-エン-2-カルボン酸ナトリウム h...(4R,8R,9R)-4-メトキシメチル-10-[(E)-エチリデン]-11-オキソ-1-アザト リシクロ[7.2.0.03,8]ウンデカ-2-エン-2-カルボン酸ナトリウム 従って、本発明は、式Iの化合物、その製剤学的に許容される塩又はエステル の、ヒト及び獣医学における酵素β−ラクタマーゼの抑制剤としての使用も目的 とする。 本発明は、更に、活性成分として、治療に有効な量の式Iの化合物を酸の彩又 はその製剤学的に許容される塩又はエステルの形で、場合によりβ-ラクタム抗 生物質と組合せて含有し、更に、ヒト及び獣医学における経口、非経口、直腸、 局所、眼、鼻又は性器−泌尿器経由投与のための製剤学的に許容される担体及び 他の製剤学的に許容される補助材料を含有する、ヒト及び動物の感染の処置に使 用するための医薬組成物を目的とする。 本発明の非経口医薬組成物は、懸濁剤、安定化剤、分散剤及び/又は防腐剤の ごとき補助物質と共に、油性担体又は水中の懸濁液、エマルジョン又は分散液の 形でアンプル中に保存されるか、又は、場合により添加された防腐剤と共に、粉 末の形で蓋のある容器内に保存され、その内容物を使用前、溶剤、最も多くの場 合、発熱物質を含有していない水に溶解させる。本発明の非経口医薬組成物は静 脈内又は筋肉内に投与し得る。 本発明の医薬組成物はシロップ、アラビアゴム、ゼラチン、ソルビトール、ト ラガント及びポリビニルピロリドンのごときバインダー、ラクトース、サッカロ ース、コーンスターチ、リン酸カルシウム、ソルビトール及びグリシンのごとき 充填剤、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコール及びシリ カのごとき滑剤、馬鈴薯デンプンのごとき崩壊剤及びラウリル硫酸ナトリウムの ごとき湿潤剤と共に、錠剤、カプセル、パスチル(pastille)、ピル、顆粒、粉末 のごとき固体製剤の形で経口的に使用し得る。錠剤及び顆粒は既知の方法に従っ て適当な被膜で被覆することもできる。本発明の経口医薬組成物は、酸化防止剤 、防腐剤、バインダー、湿潤剤、滑剤、増粘剤、香料及び芳香剤と共に、油性懸 濁液、溶液、エマルジョン又はシロップのごとき液体の形でも使用し得る。固体 及び液体製剤は、医薬組成物の調製に適用し得る一般的な既知の方法に従って調 製し得る。 本発明の医薬組成物はヒト及び獣医学に適用するための通常の担体と、他の製 剤学的に許容される補助物質を含有する坐薬の形でも使用し得る。 本発明の医薬組成物中で場合により使用される適当な抗生物質は、β-ラクタ マーゼによる分解を受ける抗生物質ばかりでなしに、ある種のβ-ラクタマーゼ に対する高度の抵抗性を有する抗生物質である。ペニシリンとしてはベンジルペ ニシリン、フェノキシメチルペニシリン、アンピシリン、アモキシリン、カルベ ンシリン等を使用することができ、セファロスポリンとしては、セファレキサン 、セファクロル、セファドロキシル、セフピラミド、セフトリアキソン、セフキ シム等を使用することができる。医薬組成物中で、酸の形又は製剤学的に許容さ れる塩又はエステルの形の式Iの化合物を他の抗生物質と組合せた場合には、式 Iの化合物又はその製剤学的に許容される塩又はエステルと抗生物質の重量比は 10:1〜1:20であり、その量は0.1mg〜1000mgである。 本発明の医薬組成物中の、酸の形又は製剤学的に許容される塩又はエステルの 形の式Iの化合物の量は、動物の体重1kg当り、活性成分0.05〜100mg、好まし くは、動物の体重1kg当り、活性成分0.1〜40mgである。本発明の医薬組成物は 投与経路及び患者の健康状態に応じて、1日に1〜4回投与し得る。 本発明は、更に、式Iの新規化合物の製造方法に関する。 式Iの化合物は、式II (式中、R7はアルキル、ベンジル、4-ニトロベンジル基のごとき容易に除去し 得るエステル保護基を表し、符号Cの付いた環は式Iの化合物について定義した ものと同一である)の化合物を、三環型カルバペネムについては従来、文献に開 示されていない新規な方法に従って、3工程で式Iの化合物に転化する方法によ り調製し得る。 工程1 工程1においては、式IIの化合物のヒドロキシル基を、除去するのにより適当 な、より容易に脱離する基に転化して、式IIIの化合物を形成させる;式IIIにお いて、基R8は下記の基であり得る: − 脂肪族酸、通常、1〜10個の炭素原子を有する脂肪族酸からのアシル基; 好ましくはR8はアセチル基を意味する; − アルカンスルホン酸からのアルカンスルホニル基;通常、R8は1〜10個 の炭素原子を有するアルカンスルホニル基を意味し、この基は炭素原子上に、好 ましくはフルオロのごときハロ基の1個又はそれ以上を置換基として有し得る; 好ましくは、R8はメタンスルホニル、エタンスルホニル、フルオロメタンスル ホニル、トリフルオロメタンスルホニルを意味する; − アレーンスルホン酸からのアレーンスルホニル基;通常、R8は1個又は それ以上の置換基を有し得る、そして、好ましくは(p−トルエンスルホニルの ごとく)パラ位に置換基を有するベンゼンスルホニル、又は、ヘテロアレーンス ルホン酸からのヘテロアレーンスルホニル基を意味する;好ましくは、R8はキ ノリン-8-スルホニルを意味する。 式IIの化合物の式IIIの化合物への転化は2つの方法で最良に行われ得るが、 文献に記載される他の方法を排除するものではない。反応は−78℃〜溶剤の還流 温度、好ましくは、−20℃〜室温で行われ、反応剤は殆どの場合、−20℃〜0℃ の温度で反応混合物に添加し、後に、温度を室温まで上昇させる。反応は最後の 反応剤の添加の直後に完結し、最も遅い場合でも24時間、通常、10〜120分間で 完結する。 第1の方法によれば、式IIの化合物の式IIIの化合物への転化反応は不活性有 機溶剤中で、塩基の存在下、反応性酸誘導体を用いて行われる。反応性酸誘導体 としては、カルボン酸又はスルホン酸の反応性誘導体、例えば、酸ハライドR8 X’(ここでX’はハロゲン、好ましくは塩素を表す)を使用し得る;好ましい 反応剤はメタンスルホニルクロライド、p-トルエンスルホニルクロライド、酸無 水物(R82O、好ましくは、無水酢酸、無水トリフルオロメタンスルホン酸であ る。塩基としては、モノ、ジ又はトリ置換アルキルアミン、好ましくは、トリエ チルアミン、ジエチルイソプロピルアミン、N,N,N',N'-テトラメチルエチレンジ アミン、又は、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン、1,5-ジアザビシク ロ[4.3.0]ノナ-5-エンのごときアミジン、又は、ピリジン、イミダゾール、4-ジ メチルアミノピリジンのごとき芳香族塩基のごとき有機窒素塩基を使用し得る。 不活性有機溶剤としてはエーテル、好ましくはテトラヒドロフラン、ジオキサン 、ベンゼン、トルエンのごとき芳香族炭化水素、ピリジン、アセトニトリルのご とき複素環化合物のごとき不活性溶剤を使用し得る;好ましくは、不活性有機溶 剤として塩素化溶剤、好ましくはジクロルメタンを使用し得る。不活性有機溶剤 として、化合物、N,N-ジメチルホルムアミド及びN,N-ジメチルアセトアミドのご とき反応性酸誘導体の反応と作用に同時に参加する化合物も使用し得る。 第2の方法によれば、式IIの化合物の式IIIの化合物への転化反応は、好まし くは第1の方法で述べたものと同一の有機溶剤中で、酸R8OHを使用して行われ 、この酸を縮合剤(水を除去するための反応剤)を用いて、式IIIの化合物の4 位のヒドロキシ基に結合させる。縮合剤としては、N,N'-カルボニルイミダゾー ル、ジフェニルホスホリルアジド、ジフェニルホスホリルシアナイド、カルボジ イミド例えばジシクロヘキシルカルボジイミド、N-エチル-N'-(3-ジメチルアミ ノプロピル)-カルボジイミド、ホスフィンの存在下でのジアザカルボキシレート (光延の反応、O.Mitsunobu,Synthesis 1981,1)、好ましくはトリフェニルホ スフィンの存在下でのジエチルジアザカルボキシレートを使用し得る。この方法 の他に、水を除去するのに適当な他の方法も使用し得る。 工程2 式IIの化合物を式Iの化合物に転化する反応の第2工程においては、式IIIの 化合物の置換基R8を、塩基を触媒とする除去操作により脱離させて式IVの化合 物を得る。この反応においては、塩基としては無機塩基(例えばアルカリ金属炭 酸塩)、有機塩基、例えば、アルコールのアルカリ金属塩(例えばナトリウムメ トキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert-ブトキシド)、アミドのアル カリ金属塩〔例えばリチウムビス(トリメチルシリル)アミド、リチウム ジイソ プロピルアミド〕、アルキル金属(例えばブチルリチウム)、アリール金属(例 えばフェニルリチウム)、有機アミン(例えばトリエチルアミン、エチルジイソ プロピルアミン、テトラメチルエチレンジアミン)、アミジン(例えば1,8-ジア ザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン) を使用し得る;アミジン型の塩基を、非プロトン性有機溶剤に可溶性の、非親核 的強塩基として反応に使用することが好ましい。溶剤としては、不活性有機溶剤 、例えばアルコール(例えばメタノール、エタノール、tert-ブタノール、但し 、アミド、アルキル金属及びアリール金属が塩基として使用されている場合は使 用できない)、芳香族炭化水素(例えばベンゼン、トルエン)のごとき炭化水素 、ケトン(例えばアセトン)、エステル(例えば酢酸エチル)、アセトニトリル 、アミド(例えばN,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ヘキ サメチルホスホン酸トリアミド)、ジメチルスルホキシド、好ましくは、テトラ ヒドロフラン、ジオキサンのごときエーテル及びジクロロメタン、クロロホルム 、クロロエタンのごとき塩素化溶剤が使用される。反応は−78℃〜溶剤の還流温 度、好ましくは、−20℃〜室温で行われる。反応は5分〜48時間、多くの場合、 1〜6時間行われる。 式IIの化合物から式IVの化合物を得る反応は、式IIIの化合物を単離するこ となしに直接実施し得る。これらの場合、基R8Oは下記の操作中に式IIIの化合物 から自然に脱離される: − 反応性酸誘導体との反応で使用された塩基の影響下で、式IIの化合物を式 IIIの化合物に転化させる反応中; − 反応性酸誘導体を使用して式IIの化合物を式IIIの化合物に転化させる反 応中に熱の作用により、又は、式IIIの化合物を単離する操作中(この場合、脱 離は塩基の不存在下で生起する); − クロマトグラフィー用担体(例えばシリカゲル)の影響下で、式IIIの化合 物のクロマトグラフィーにより精製する操作中。 式IIの化合物の式IVの化合物への転化は、式IIIの化合物を合成することなし に直接行い得る。この場合、水を式IIの化合物のヒドロキシ基の部位から脱離さ せる。水の脱離は光延の条件下(O.Mitsunobu,Synthesis,1981,1)、ジアザカ ルボキシレート、好ましくはジエチルジアザカルボキシレートを使用して、ホス フィン、好ましくはトリフェニルホスフィンの存在下で行われる。反応は−78℃ 〜溶剤の還流温度、好ましくは、−20℃〜30℃で行われる。反応は最後の反応剤 の添加後、直ちに、そして遅くとも24時間、通常、10〜120分で完結し得る。 式IIIの化合物からの基R8O又は式IIの化合物からの水は、式IVの化合物のカル バペネム環の6位のエチリデン置換基中のメチル基が(Z)又は(E)として二重結合 の周囲に配列されるように、そして、多くの場合、(E)異性体が優勢(prevalent) であるように脱離させる。 式IVの化合物を調製するプロセスにおいては、符号Cの付いた環との接合点を 表す、式IVの化合物のカルバペネム環の4位に新しい不斉中心が形成されるので 、2種のジアステレオマー4-(R)-及び4-(S)-も形成される。個々のジアステレオ マーはクロマトグラフィー用担体上でのクロマトグラフィー精製により分離し得 る。 式IIの化合物から、式IIIの化合物を経て、式IVの化合物を得る合成プロセス を既に分離された異性体を使用して行うことにより、式IIの化合物において2種 のジアステレオマーを既に分離し得る。ある種の理由(例えば、分割不良)によ り式IIの化合物のジアステレオマーを分離することができない場合には、個々の ジアステレオマーを、式III又はIVの化合物のジアステレオマー混合物から、上 記し たごとき方法と同一の方法の以後の工程においても得ることができる。 幾何異性体の両者は、式IVの化合物の異性体混合物をシリカゲル上でクロマト グラフィーにより精製することにより単離する。 式IVの化合物を調製するために開示した合成経路は文献から知られている他の 方法を排除するものではない。 工程3 式IIの化合物を、式IVの化合物を経て、式Iの化合物に転化させる最後の工程 においては、式IVの化合物のカルバペネム環の2位の置換基COOR7から、特定の 保護基を除去するための一般的に知られている方法に従ってエステル保護基R7 を除去する。例えば、アリル基はホスフィン(好ましくはトリフェニルホスフィ ン)の存在下、そして、アルカリ金属カチオン(好ましくは2-エチルヘキサン酸 のアルカリ金属塩)が付加される条件下、Pd(O)触媒〔好ましくはテトラキス(ト リフェニルホスフィン)パラジウム(O)〕を用いて除去することが好ましい。ベン ジル及び4-ニトロベンンジル基はアルカリ金属カチオンドナー(T.W.Green,Pro tective Groups in Organic Synthesis,ニューヨーク所在John Wiley & Sons, p 191)の存在下での接触水素化により除去する;触媒として、担体上にパラジウ ム担持しているもの(例えば活性炭上に10%パラジウム担持しているもの)を使用 することが好ましく、また、アルカリ金属カチオンとして、炭酸水素ナトリウム 又はカリウムを使用することが好ましい;2種の転化反応の生成物はXがアルカ リ金属である式Iの化合物である。保護基をカチオンを存在させることなしに除 去した場合には、酸の形の式Iの化合物(この場合、Xは水素を表す)が単離さ れ、その塩は文献から既知の方法に従って中和又は再沈殿により調製され る。保護基R7は窒素塩基、例えばアンモニア、アミン(例えばトリメチルアミ ン、トリエチルアミン、N,N-ジベンジルエチレンジアミン、エタノールアミン、 ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、2-ピペ リジニル)、アミジン(例えば1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン、1, 5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン)、3,3,6,9,9-ペンタジメチル-2,10-ジア ザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン)、グアニジン(例えばグアニジン、シアノグア ニジン)及び他の窒素塩基(例えば4-ジメチルアミノピリジン、イミダゾール)の 存在下で除去し得る;かく得られる式Iの化合物においては、Xは上記したプロ トン化窒素塩基を表す。 式IVの化合物の符号Cの付いた環中に周知の保護基で保護された置換基がある 場合には、これらの保護基は、工程3についての説明で述べた反応剤で除去され る場合を除いて、周知の脱保護法によって工程3の前に最初に除去すべきである 。 酸の形又は塩の形(Xがアルカリ金属を表す)の式Iの化合物は、従来既知の 方法によって、生物学的に許容される、式Iのエステルに転化し得る(この場合 、Xは有機アルキル基、特に、CHR5OCOR6型の基を表す)。 式IVの化合物を式Iの化合物に転化することについて上記で記載した合成経路 は文献に記載の他の方法を排除するものではない。 式IIの原料化合物は、アゼチドン(Azetidon)(登録商標)として鐘化(日本) から商業的に入手される(3R,4R)-4-アセトキシ-3-[(R)-1-(tert-ブチルジメチル シリルオキシ)エチル]アゼチジン-2-オンから下記の文献に記載の方法に従って 調製される: T.Maruyama等,Tetrahedron Lett,35,(1994)2271;J.Tsuji,Tetrahedron 4 2 ,(1986)4401;P.J.Reider等,Tetrahedron Lett,23,(1982)379;A.Yoshida等 ,Tetrahedron Lett,25,(1984)2793;I.Ernest等,J.Am.Chem.Soc.101,(19 79)6310;A.Afonso等,J.Am.Chem.Soc.104,(1982)6139;R.D.Fabio等,Bioo rg.Med.Chem.Lett.,5,(1995)1235;F.A.Corey及びR.J.Sundberg,Advanced Organic Chemistry Second Edition,Plenum Press,ニューヨーク及びロンドン ;Annual Reports in Organic Synthesis 1975-1989,Academic Press Inc.サ ンジエゴ;T.W.Green,Protective Groups in Organic Synthesis,John Wiley & Sons,ニューヨークp 45。 本発明を下記の実施例により詳細に説明するが、これらの実施例は本発明を限 定するものではない。Merck社製、商品名キーゼルゲル(Kieselgel)60のシリカゲ ル、粒度0.063-0.200を装入物質の50〜100倍の量でカラムクロマトグラフィー及 び反応中に使用し、調製クロマトグラフィーはMerck社製、商品名キーゼルゲル6 0GF254のガラスプレート上で薄層クロマトグラフィーにより行った。 実施例1 3,3'-チオジプロピオン酸ジアリル トリエチルアミン(159.6ml;0.15モル)をアリルアルコール(945ml)に溶解した 溶液に、3,3'-チオジプロピオニルクロリド(44.2g;0.2モル)を少しずつゆっく り加えた。得られた混合物を室温でさらに1時間攪拌し、次いでアリルアルコー ルをロータリーエバポレーター(rotavapor)で蒸発させた。アリルアルコールを 蒸発させた後に得られた油状残留物に、ジエチルエーテル(800ml)と1M塩酸(40 0ml)を加え、得られた溶液を攪拌し、有機層と水層とを分離した。得られた水層 をジエチルエーテル(400ml×2回)で抽出し、エーテル層を一緒にして水(200ml ×2回)で洗浄し、次いで硫酸マグネシウムを用いて乾燥した。乾燥剤を濾過し 、濾液から溶媒をロータリエバポレーターで蒸発させた。得られた粗生成物を0. 8ミリバールの圧力で蒸留して、表記の化合物(43.5g;収率82%)を無色油状物の 形で得た。その蒸留温度は134〜135℃であった。実施例2a 4-クロロ酪酸アリル 4-クロロ酪酸(48ml;0.48モル)とアリルアルコール(200ml)とヘキサン(1.2l) との混合物に、p-トルエンスルホン酸(16.0g;0.08モル)を加えた。得られた混 合物を、Dean-Stark装置を用いて水を同時に除去するような方法で、還流温度で 5時間加熱した(VogelのTextbook of Practical Organic Chemistry,第4版,L ongman,London,1978,p.411)。次いで、得られた混合物を室温まで冷却し、7 %炭酸水素ナトリウム水溶液(500ml×2回)と共に振盪した。得られた溶液を硫 酸マグネシウムを用いて乾燥し、乾燥剤を濾過した後にヘキサンを蒸発させた。 得られた粗製残留物を10ミリバールの減圧下に95℃の温度で蒸留し、表記の化合 物(61.2g;収率79%)を無色油状物の形で得た。 実施例2b 3-クロロプロピオン酸アリル 実施例2aに記載の方法と同じ方法で操作を行った。3-クロロプロピオン酸(10 8.5g;1.0モル)を用い、その他の反応剤は実施例2aに記載のモル比と同じモル比 で使用した。表記の化合物(121.8g;収率82%)が15ミリバールの圧力で蒸留温度 88〜91℃の無色油状物の形で得られた。実施例3 4-(エトキシカルボニルメチルチオ)酪酸アリル ナトリウム(9.06g;0.39モル)をアリルアルコール(380ml)に溶解した。得られ た溶液を、これに最初にメルカプト酢酸エチル(42.7ml;0.39モル)を0℃の温 度で滴加し、次いで実施例2aに記載の方法に従って調製した4-クロロ酪酸アリ ル(58.3g;0.36モル)を滴加することにより処理した。得られた混合物を室温で 3時間攪拌し、次いで還流温度で1時間攪拌した。得られた反応混合物を溶媒を 蒸発させることにより濃縮し、ジエチルエーテル(200ml)と氷/水混合物(100g) との混合物に注加した。得られた溶液を、そのpH値が3〜6になるまで、1M塩 酸溶液で酸性化した。エーテル層を分離し、得られた水層をジエチルエーテル(2 00ml)で抽出した。エーテル抽出液を一緒にして水(200ml)及び4%炭酸水素ナト リウム水溶液(200ml)で洗浄し、次いで硫酸マグネシウムを用いて乾燥した。乾 燥剤を濾過し、濾液からエーテルを蒸発させた後に、表記の化合物(78.1g;収率8 4%)得られた。これは粗製物の形で次の反応に使用した。 実施例4 [2-(アリルオキシカルボニル)エチル]チオ酢酸エチルと[2-(アリルオキシ カルボニル)エチル]チオ酢酸アリルとの混合物 ナトリウム(19.7g;0.86モル)をアリルアルコール(850ml)に溶解した。得られ た溶液を、これに最初にメルカプト酢酸エチル(106.2ml;0.86モル)を温度0℃ で滴加し、次いで実施例2bに記載の方法に従って調製した3-クロロプロピオン 酸アリル(119.3g;0.81モル)を滴加することにより処理した。得られた混合物を 室温で2時間攪拌し、次いで還流温度で2時間攪拌した。反応が完結した後に、 反応液からアリルアルコールを蒸発させ、蒸発後に得られた残留物にジエチルエ ーテル(400ml)と水(200ml)とを加えた。エーテル層と水層を分離し、得られた水 層をジエチルエーテル(200ml)で再抽出した。エーテル抽出液を一緒にして5% 炭酸ナトリウム水溶液(200ml)で洗浄し、再びエーテル層と水層とを分離した。 得 られた有機層からジエチルエーテルを蒸発させ、残留物を4ミリバールの圧力で 真空蒸留した。生成物(158.5g;収率84%)が、蒸留温度155〜158℃の留分として 無色油状物の形で、表記の化合物のエチルエステルとアリルエステルがモル比で 7:3の混合物として得られた。この混合物はさらに反応に使用するために分離 する必要はなかった。 実施例5a 4-ヒドロキシ-5,6-ジヒドロ-2H-チオピラン-3-カルボン酸アリル 粒状ナトリウム(23g;1.0モル)(VogelのTextbook of Practical Organic Chemi stry,第4版,Longman,London,1978,p.411)と無水ジエチルエーテル(3.4l )との混合物に、アリルアルコール(65.8ml)を徐々に加えた。得られた反応混合 物を室温で2日間攪拌し、次いで実施例1に記載の方法に従って調製した3,3'- チオジプロピオン酸ジアリル(129.0g;0.5モル)を少しずつゆっくり加えた。得 られた混合物を室温でさらに1日間攪拌し、次いで氷冷下で最初に無水エタノー ル(10ml)を加え、次に水(400ml)と濃塩酸(455ml)を加え、全体が溶解するまで攪 拌した。有機層と水層とを分離した。得られた有機層を水(400ml)で洗浄し、7 %炭酸水素ナトリウム水溶液(400ml×3回)で洗浄し、次いで水(200ml)で再度洗 浄した。得られた有機層を硫酸マグネシウムを用いて乾燥し、乾燥剤を濾過し、 濾液を蒸発させ乾固した。表記の化合物(42.4g;収率42%)が粗生成物として黄 色油状物の形で得られた。 実施例5b 3-ヒドロキシ-5,6-ジヒドロ-4H-チオピラン-2-カルボン酸アリル 実施例5aに記載の方法と同じ方法で操作を行った。実施例3に記載の方法に 従って調製した4-(エトキシカルボニルメチルチオ)酪酸アリル(73.8g;0.29モル) を用い、その他の反応剤は実施例5aに記載のモル比と同じモル比で使用した。 表記の化合物(26.1g;収率46%)が黄色油状物の形で得られた。得られた粗製物 の形の表記化合物をさらに別の反応に使用した。 実施例5c 3-ヒドロキシ-4,5-ジヒドロチオフェン-2-カルボン酸アリル 実施例5aに記載の方法と同じ方法で操作を行った。実施例4に記載の方法に 従って調製した[2-(アリルオキシカルボニル)エチル]チオ酢酸エチルと[2-(アリ ルオキシカルボニル)エチル]チオ酢酸アリルとの混合物(79.0g)を用い、その他 反応剤は実施例5aに記載のモル比と同じモル比で使用した。表記の化合物(47.5g ;収率46%)が黄色油状物の形で得られた。この化合物は次の方法に使用するた めに精製する必要はなかった。 実施例6a (3S,4S)-3-{(R)-[1-(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]エチル}-4-[(3R S)-アリルオキシカルボニル-4-オキソテトラヒドロ-4H-チオピラン-3-イ ル]アゼチジン-2-オン 60%水素化ナトリウム(3.84g;0.096モル)と無水テトラヒドロフラン(125ml) との混合物に、実施例5aに記載の方法に従って調製した4-ヒドロキシ-5,6-ジヒ ドロ-2H-チオピラン-3-カルボン酸アリル(19.22g;0.096モル)を無水テトラヒド ロフラン(80ml)に溶解した溶液を、氷冷下に少しずつ10分間で加えた。得られた 混合物を室温で1時間攪拌し、次いで激しく振盪しながら、(3R,4R)-4-アセトキ シ-3-{(R)-[1-(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]エチル}アゼチジン-2-オン えた。得られた混合物を室温でさらに1時間攪拌した。この混合物にジエチルエ ーテル(400ml)と水(400ml)を加え、得られた混合物をそのpH値が3〜6になるま で濃塩酸で酸性化した。有機層と水層とを分離し、得られた水層をジエチルエー テル(200ml×2回)で抽出した。次いで、エーテル抽出液を一緒にして7%炭酸 水素ナトリウム水溶液(200ml)で洗浄し、硫酸マグネシウムを用いて乾燥した。 乾燥剤を濾過し、濾液からエーテルを蒸発させた。得られた粗生成物をカラムク ロマトグラフィー〔担体:シリカゲル;溶出液:ジエチルエーテル/石油エーテ ル1:1(容量比)〕により精製して、表記の化合物のジアステレオマー混合物(15. 91g;収率39%)を得た。この2つの異性体は、カラムクロマトグラフィーにより 分離し、単離できるが、さらに別の反応に使用するためには分離する必要はなか った。上記2つのジアステレオマーの混合物をさらに別の反応に使用した。 クロマトグラフィー分離における第1の画分: 得られたジアステレオマーは粘稠油状物の形であった。 クロマトグラフィー分離における第2の画分: 得られたジアステレオマーは融点117〜119℃(シクロヘキサンから再結晶)の 白色結晶の形であった。 実施例6b (3S,4S)-3-{(R)-[1-(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]エチル}-4-[(2R S)-アリルオキシカルボニル-3-オキソテトラヒドロチオピラン-2-イル]ア ゼチジン-2-オン 表記の化合物を粗生成物の形で単離するまでは、実施例6aに記載の方法と同 じようにして操作を行った。実施例5bに記載の方法に従って調製した3-ヒドロ キシ-5,6-ジヒドロ-4H-チオピラン-2-カルボン酸アリル(24.4g;1.22モル)を用 い、その他の反応剤は実施例6aに記載のモル比と同じモル比で使用した。次い で、得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー〔担体:シリカゲル;溶出液 :ジエチルエーテル/石油エーテル2:1(容量比)、ジエチルエーテルは濃度勾 配をつけながら用いた〕により精製して、表記の化合物のジアステレオマー混合 物(32.1g;収率62%)を得た。2つのジアステレオマーの混合物はさらに別の反 応に使用した。クロマトグラフィー分離における第1の画分: 得られたジアステレオマーは、融点87〜91℃(シクロヘキサンから再結晶)の 白色結晶の形であった。 クロマトグラフィー分離における第2の画分: 得られたジアステレオマーは、融点109〜113℃(ヘキサンから再結晶)の白色 結晶の形であった。 実施例6c (3S,4S)-3-{(R)-[1-(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]エチル}-4-[(2R S)-アリルオキシカルボニル-3-オキソテトラヒドロチエン-2-イル]アゼチ ジン-2-オン 表記の化合物を粗生成物の形で単離するまでは、実施例6aに記載の方法と同 じようにして操作を行った。実施例5cに記載の方法に従って調製した3-ヒドロ キシ-4,5-ジヒドロチオフェン-2-カルボン酸アリル(40.0g;0.21モル)を用い、 その他の反応剤は実施例6aに記載のモル比と同じモル比で使用した。次いで、 得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー〔担体:シリカゲル;溶出液:ジ エチ ルエーテル/石油エーテル1:1(容量比)〕により精製して、表記の化合物のジ アステレオマー混合物(36.1g;収率41%)を得た。この2つのジアステレオマー の混合物はさらに別の反応に使用した。 クロマトグラフィー分離における第1の画分: 得られたジアステレオマーは、融点114〜116℃(ヘキサンから再結晶)の白色 結晶の形であった。 クロマトグラフィー分離における第2の画分: 得られたジアステレオマーは、融点79〜80℃(ヘキサンから再結晶)の白色結 晶の形であった。実施例7a (3S,4S)-3-{(R)-[1-(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]エチル}-4-[(3R S)-4-オキソテトラヒドロ-4H-チオピラン-3-イル]アゼチジン-2-オン 実施例6aに記載の方法に従って調製した(3S,4S)-3-{(R)-[1-(tert-ブチルジ メチルシリル)オキシ]エチル}-4-[(3RS)-アリルオキシカルボニル-4-オキソテト ラヒドロ-4H-チオピラン-3-イル]アゼチジン-2-オン(15.9g;0.037モル、を、0. 67Mギ酸トリエチルアンモニウムのジクロロメタン溶液(112ml)に溶解した。得 ら れた溶液に、トリフェニルホスフィン(1.01g;3.9ミリモル)と、D.R.Coulsonの 論文、Inorganic Synthesis,13,121(1972)に記載の方法に従って調製したテ トラキス(トリフェニルホスフィン)-パラジウム(O)(1.16g;1.0ミリモル)とを加 えた。得られた混合物を室温で1時間攪拌した後に、ジクロロメタン(170ml)を 加え、混合物を1M塩酸水溶液(80ml)と共に振盪した。有機層と水層とを分離し 、水層をジクロロメタン(80ml)で抽出した。得られた有機層を一緒にして、水(8 0ml)で洗浄し、次いで7%炭酸水素ナトリウム水溶液(80ml)で洗浄し、その後に 硫酸マグネシウムを用いて乾燥し、乾燥剤を濾過した後に、濾液から溶媒を蒸発 させた。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー〔担体:シリカゲル;溶 出液:エーテル/石油エーテル3:1(容量比)〕により精製した。下記の2つの ジアステレオマーが分離され、両方で75%の収率で得られた。 (3S,4S)-3-{(R)-[1-(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]エチル}-4-[(3R)-4-オ キソテトラヒドロ-4H-チオピラン-3-イル]アゼチジン-2-オン 上記の化合物(1.21g;収率9%)は、融点148〜15℃(ヘキサンから再結晶)の白 色結晶の形で得られた。 (3S,4S)-3-{(R)-[1-(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]エチル}-4-[(3S)-4-オ キソテトラヒドロ-4H-チオピラン-3-イル]アゼチジン-2-オン 上記の化合物(8.48g;収率66%)は、融点142〜144℃(ヘキサンから再結晶)の 白色結晶の形で得られた。 実施例7b (3S,4S)-3-{(R)-[1-(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]エチル}-4-[(3R S)-3-オキソテトラヒドロチオピラン-2-イル]アゼチジン-2-オン 表記の化合物を粗生成物の形で単離するまでは、実施例7aに記載の方法と同 じ方法で操作を行った。実施例6bに記載の方法に従って調製した(3S,4S)-3-{(R )-[1-(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]エチル}-4-[(2RS)-アリルオキシカル ボニル-3-オキソテトラヒドロチオピラン-2-イル]アゼチジン-2-オンのジアステ レオマー混合物(5.16g;0.012モル)を用い、その他の反応剤は実施例7aに記載 のモル比と同じモル比で使用した。次いで、得られた粗生成物をカラムクロマト グラフィー(担体:シリカゲル;溶出液:ジエチルエーテル)により精製して、分 離された下記の2つのジアステレオマーを両方で48%の収率で得た。 (3S,4S)-3-{(R)-[1-(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]エチル}-4-[(3R)-3-オ キソテトラヒドロチオピラン-2-イル]アゼチジン-2-オン 上記の化合物(0.61g;収率15%)は黄色油状物の形で得られた。 (3S,4S)-3-{(R)-[1-(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]エチル}-4-[(3S)-3-オ キソテトラヒドロチオピラン-2-イル]アゼチジン-2-オン 上記の化合物(1.36g;収率33%)は黄色油状物の形で得られた。 実施例7c (3S,4S)-3-{(R)-[1-(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]エチル}-4-[(2R S)-3-オキソテトラヒドロチエン-2-イル]アゼチジン-2-オン 表記の化合物を粗生成物の形で単離するまでは、実施例7aに記載の方法と同 じ方法で操作を行った。実施例6cに記載の方法に従って調製した(3S,4S)-3-{(R )-[1-(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]エチル}-4-[(2RS)-アリルオキシカル ボニル-3-オキソテトラヒドロチエニル-2-イル]アゼチジン-2-オンのジアステレ オマー混合物(30.0g;0.073モル)を用い、その他の反応剤は実施例7aに記載の モル比と同じモル比で使用した。次いで、得られた粗生成物をカラムクロマトグ ラフィー〔担体:シリカゲル;溶出液:ジエチルエーテル/石油エーテル2:1 (容量比)〕により精製して、表記の化合物のジアステレオマー混合物(6.34g;収 率26%)を混合物融点105〜108℃(石油エーテルから再結晶)の白色結晶の形で得 た。2つのジアステレオマーはこのクロマトグラフィーでは分離できなかったが 、さらに別の反応に使用するために分離する必要はなかった。 ジアステレオマーA:ジアステレオマーBのモル比=3:7 実施例8 (3S,4R)-3-{(R)-[1-(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]エチル}-4-[(1R S)-2-オキソシクロヘキシル]アゼチジン-2-オン シクロヘキサノン(6.2ml;60ミリモル)をジクロロメタン(60ml)に溶解した溶 液に、トリメチルシリルクロリド(8.4ml;66ミリモル)と1,8-ジアザビシクロ[5.4 .0]ウンデカ-7-エン(10.8ml;72ミリモル)を加えた。得られた混合物を40℃の温 度で2時間攪拌した。次いで、得られた反応溶液をヘキサン(40ml)で希釈し、次 いでそれを炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(40ml)及び水(40ml)で洗浄した。得ら れた溶液を硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、次いで乾燥剤を濾過し、得られた濾 液から溶媒をロータリーエバポレーターで蒸発させた。得られた粗製トリメチル シリルオキシシクロヘキサンを精製せずに次の合成工程に使用し、それをジクロ ロメタン(15ml)で希釈し、得られた溶液を(3R,4R)-4-アセトキシ-3-[(R)-1-(ter t-ブチルジメチルシリルオキシ)エチル]アゼチジン-2-オン(8.63g;30ミリモル) をジクロロメタン(10ml)に溶解した溶液に加えた。次いで、ジクロロメタン(15m l)に縣濁した沃化亜鉛(9.57g;30ミリモル)を加え、混合物を室温で2時間攪拌 した。得られた反応混合物に水(30ml)と炭酸水素ナトリウム(2.55g;30ミリモル )を加え、5分間攪拌した。有機層と水層とを分離し、水層をジクロロメタン(10 ml×2回)で洗浄した。得られた有機層を一緒にして硫酸ナトリウムを用いて乾 燥し、次いで乾燥剤を濾過し、濾液から溶媒を蒸発させて油状残留物を得た。得 られた粗生成物(収率65%)をさらにカラムクロマトグラフィー〔担体:シリカゲ ル;溶出液:ジクロロメタン/酢酸エチル5:1(容量比)〕により精製して、下 記の2つのジアステレオマーを得た。 (3S,4R)-3-{(R)-[1-(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]エチル}-4-[(1R)-2-オ キソシクロヘキシル]アゼチジン-2-オン 上記の化合物(2.94g;収率30%)は融点108〜110℃の白色結晶(酢酸エチルから 再結晶)の形で得られた。 (3S,4R)-3-{(R)-[1-(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]エチル}-4-[(IS)-2-オ キソシクロヘキシル]アゼチジン-2-オン 上記の化合物(3.44g;収率35%)は融点99〜101℃の白色結晶(酢酸エチルから 再結晶)の形で得られた。 実施例9a (8S,9R,10S)-10-{(R)-[1-(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]エチル}-1 1-オキソ-1-アザトリシクロ[7.2.0.03,8]ウンデカ-2-エン-2-カルボン酸 アリル 実施例8に記載の方法に従って調製した(3S,4R)-3-{(R)-[1-(tert-ブチルジメ チルシリル)オキシ]エチル}-4-[(1R)-2-オキソシクロヘキシル]アゼチジン-2-オ ン(0.8g;2.46ミリモル)をジクロロメタン(25ml)に溶解した溶液に、トリエチル アミン(0.99ml;0.72g;7.07ミリモル)を加え、得られた混合物を氷浴上で冷却 した。得られた冷却溶液に、アリルオキサリルクロリド(0.56ml;0.77g;5.23ミ リモル)を2分間にわたって少しずつ加え、0℃でさらに15分間攪拌した。次い で、得られた反応溶液を5%塩酸水溶液(30ml)と共に振盪し、5%炭酸水素ナト リウム水溶液(30ml)と共に振盪し、次いで水(30ml)と共に振盪した。得られた 溶液を硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、次いで乾燥剤を濾過し、濾液から溶媒を 蒸発させた。粗製(3S,4R)-2-オキソ-3-{(R)-[1-(tert-ブチルジメチルシリルオ キシ)エチル]-4-[(1R)-2-オキソシクロヘキシル]アゼチジン-1-イル}グリオキシ ル酸アリル〔1.03g(収率95%)〕を黄色油状物として得た。 得られた粗製中間体、すなわち上記化合物(1.03g;2.35ミリモル)をトルエン( 40ml)に溶解し、ハイドロキノン(25g)を加え、得られた溶液を90℃の温度で加熱 した。この溶液に、激しく攪拌しながら、トリエチルホスファイト(2.04ml;1.9 5g;11.75ミリモル)を5分間にわたって少しずつ加え、同じ温度(90℃)でさらに 2時間攪拌した。次いで、反応混合物を120℃の温度で10時間加熱した。次いで 、得られた反応混合物から溶媒を蒸発させ、得られた油状残留物をカラムクロマ トグラフィー〔担体:シリカゲル;溶出液:トルエン/ジエチルエーテル4:1 (容量比)〕により精製した。表記の化合物(578mg;収率61%)が粘稠黄色油状物 の形で得られた。 実施例9b (8R,9R,10S)-10-{(R)-[1-(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]エチル}-1 1-オキソ-1-アザトリシクロ[7.2.0.03,8]ウンデカ-2-エン-2-カルボン酸 アリル 実施例9aに記載の方法と同じ方法で操作を行った。実施例8に記載の方法に 従って調製した(3S,4R)-3-{(R)-[1-(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]エチル }-4-[(1S)-2-オキソシクロヘキシル]アゼチジン-2-オン(1.5g;4.62ミリモル) を用い、その他の反応剤は実施例9aに記載のモル比と同じモル比で使用した。 表記の化合物(1.09g;収率64%)が黄色油状物の形で得られた。 実施例10a (8S,9S,10S)-10-{(R)-[1-(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]エチル}-1 1-オキソ-1-アザ-6-チアトリシクロ[7.2.0.03,8]ウンデカ-2-エン-2-カン ボン酸アリル 実施例7aに記載の方法に従って調製した(3S,4S)-3-{(R)-[1-(tert-ブチルジ メチルシリル)オキシ]エチル}-4-[(3R)-4-オキソテトラヒドロ-4H-チオピラン-3 -イル]アゼチジン-2-オン(1.50g;4.37ミリモル)を無水ジクロロメタン(20ml)に 溶解した。得られた溶液を−20℃の温度に冷却し、それにクロログリオキシル酸 アリル(1.95g;13.1ミリモル)を加えた。次いで、得られた混合物に、エチルジ イソプロピルアミン(3.38g;26.2ミリモル)を無水ジクロロメタン(5ml)に溶解 した溶液を、−20℃の温度で攪拌しながら15分間にわたって少しずつ加えた。得 られた混合物を同じ温度でさらに30分間攪拌し、次いで0℃の温度で1時間攪拌 した。得られた混合物を再度−20℃の温度に冷却し、次いでクロログリオキシル 酸アリル(1.95g)を無水ジクロロメタン(5ml)に溶解した溶液を15分間にわたっ て少しずつ加えた。得られた溶液を0℃の温度で1時間攪拌し、次いで室温でさ らに1時間攪拌した。得られた混合物を1M塩酸水溶液(20ml)で迅速に洗浄し、 水層をジクロロメタン(20ml)で再抽出し、有機層を一緒にして7%炭酸水素ナト リウム水溶液で洗浄した。得られた溶液を硫酸マグネシウムを用いて乾燥し、 乾燥剤を濾過し、次いで濾液から溶媒を蒸発させて残留物を得た。これは粗製(3 S,4S)-3-{(R)-[1-(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]エチル}-4-[(3R)-4-オキ ソテトラヒドロチオピラン-3-イル]アゼチジン-2-オン-1-グリオキシル酸アリル であった。 溶媒を蒸発させた後に得られた残留物を無水トルエン(250ml)に溶解し、得ら れた溶液にハイドロキノン(60mg;0.5ミリモル)を加えた。得られた混合物を窒 素雰囲気中で還流温度に加熱し、次いで得られた溶液に、トリエチルホスファイ ト(3.62g;21.8ミリモル)を無水トルエン(20ml)に溶解した溶液を少しずつゆっ くり加え、窒素雰囲気中で還流温度でさらに6時間加熱した。得られた反応混合 物から溶媒をロータリーエバポレーターで蒸発させ、残留物をカラムクロマトグ ラフィー〔担体:シリカゲル;溶出液:ジエチルエーテル/石油エーテル1:5 (容量比)〕により精製した。表記の化合物(170mg;収率9%)が油状物の形で得 られた。 実施例10b (8R,9S,10S)-10-{(R)-[1-(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]エチル}-1 1-オキソ-1-アザ-6-チアトリシクロ[7.2.0.03,8]ウンデカ-2-エン-2-カル ボン酸アリル 実施例10aに記載の方法と同じようにして操作を行った。実施例7aに記載の方 法に従って調製した(3S,4S)-3-{(R)-[1-(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]エ チル}-4-[(3S)-4-オキソテトラヒドロ-4H-チオピラン-3-イル]アゼチジン-2-オ ン(1.5g;4.37ミリモル)を用い、その他の反応剤は実施例10aに記載のモル比と 同 じモル比で使用した。表記の化合物(250mg;収率13.5%)が油状物の形で得られ た。 実施例10c (8R,9S,10S)-10-{(R)-[1-(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]エチル}-1 1-オキソ-1-アザ-7-チアトリシクロ[7.2.0.03,8]ウンデカ-2-エン-2-カル ボン酸アリル 実施例10aに記載の方法と同じようにして操作を行った。実施例7bに記載の方 法に従って調製した(3S,4S)-3-{(R)-[1-(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]エ チル}-4-[(3S)-3-オキソテトラヒドロチオピラン-2-イル]アゼチジン-2-オン(1. 5g;4.37ミリモル)を用い、その他の反応剤は実施例10aに記載のモル比と同じモ ル比で使用した。表記の化合物(125mg;収率6%)が黄色油状物の形で得られた 。実施例10d (7S,8S,9S)-9-{(R)-[1-(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]エチル}-10- オキソ-1-アザ-6-チアトリシクロ[6.2.0.03,8]デカ-2-エン-2-カルボン酸 アリル 表記の化合物の単離までは実施例10aに記載の方法と同じ方法で操作を行った 。実施例7cに記載の方法に従って得られた(3S,4S)-3-{(R)-[1-(tert-ブチルジ メチルシリル)オキシ]エチル}-4-[(2RS)-3-オキソテトラヒドロチエン-2-イル] アゼチジン-2-オンのジアステレオマー混合物(4.0g;12.1ミリモル)を用い、そ の他の反応剤は実施例10aに記載のモル比と同じモル比で使用した。表記の化合 物を、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィー〔溶出液:ジエチルエーテ ル/石油エーテル1:1(容量比)〕により単離した。表記の化合物(0.81g;収率 16%)が融点89〜94℃(ヘキサンから再結晶)の白色結晶の形で得られた。 実施例11a (8S,9R)-10-[(E)-エチリデン]-11-オキソ-1-アザトリシクロ[7.2.0.03,8] ウンデカ-2-エン-2-カルボン酸アリル 実施例9aに記載の方法に従って調製した(8S,9R,10S)-10-{(R)-[1-(tert-ブチ ルジメチルシリル)オキシ]エチル}-11-オキソ-1-アザトリシクロ[7.2.0.03,8]ウ ンデカ-2-エン-2-カルボン酸アリル(405mg;1ミリモル)をテトラヒドロフラン( 10ml)に溶解した溶液に、テトラヒドロフランに溶解した1Mテトラブチルアン モニウムフルオリド溶液(3ml;3ミリモル)と、酢酸(0.23ml;4ミリモル)とを 加え た。得られた混合物を室温で2時間攪拌した。次いで、得られた反応溶液を炭酸 水素ナトリウム飽和水溶液(10ml)と共に振盪し、得られた混合物を酢酸エチル(1 5ml×3回)で抽出した。有機層を一緒にして硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、乾 燥剤を濾過し、次いで濾液から溶媒を蒸発させた。(8S,9R,10S)-10-[(R)-1-ヒド ロキシエチル]-11-オキソ-1-アザトリシクロ[7.2.0.O3,8]ウンデカ-2-エン-2-カ ルボン酸アリル(267mg;収率92%)が黄色粘稠油状物として得られた。 前記の方法に従って得られた(8S,9R,10S)-10-[(R)-1-ヒドロキシエチル]-11- オキソ-1-アザトリシクロ[7.2.0.03,8]ウンデカ-2-エン-2-カルボン酸アリル(26 7mg;0.92ミリモル)をジクロロメタン(18ml)に溶解した。得られた溶液を氷浴上 で冷却し、これにトリフェニルホスフィン(239mg;0.92ミリモル)とアゾジカル ボン酸ジエチル(0.14ml;0.92ミリモル)とを加えた。得られた溶液を室温に加熱 し、15分間攪拌し、次いでこの溶液を再度氷浴上で冷却し、これにトリフェニル ホスフィン(239mg;0.92ミリモル)とアゾジカルボン酸ジエチル(0.14ml;0.92ミ リモル)とを加えた。得られた溶液を再び室温で15分間攪拌し、次いで溶媒を蒸 発させ、得られた生成物をカラムクロマトグラフィー(溶出液:石油エーテル/ 酢酸エチル2:1)により精製した。表記の化合物(180mg;収率72%)が淡黄色 油状物の形で得られた。 実施例11b (8R,9R)-10-[(E)-エチリデン]-11-オキソ-1-アザトリシクロ[7.2.0.03,8] ウンデカ-2-エン-2-カルボン酸アリル 実施例11aの最初の部分に記載のようにして操作を行った。実施例10bに記載の 方法に従って調製した(8R,9S,10S)-10-{(R)-[1-(tert-ブチルジメチルシリル)オ キシ]エチル}-11-オキソ-1-アザ-6-チアトリシクロ[7.2.0.03,8]ウンデカ-2-エ ン-2-カルボン酸アリル(643mg;1.6ミリモル)を用い、その他の反応剤は実施例1 1aに記載のモル比と同じモル比で使用した。粗製(8R,9R,10S)-10-[(R)-1-ヒドロ キシエチル]-11-オキソ-1-アザトリシクロ[7.2.0.03,8]ウンデカ-2-エン-2-カル ボン酸アリル(446mg;収率96.5%)が黄色油状物の形で得られた。 実施例11aの第2の部分に記載のようにして操作を続けた。粗製(8R,9R,10S)-1 0-[(R)-1-ヒドロキシエチル]-11-オキソ-1-アザトリシクロ[7.2.0.03,8]ウンデ カ-2-エン-2-カルボン酸アリル(446mg;1.53ミリモル)を使用した。得られた粗 生成物をカラムクロマトグラフィー〔担体:シリカゲル;溶出液:石油エーテル /酢酸エチル2:1(容量比)〕により精製して、表記の化合物(333mg;収率76% )を淡黄色油状物の形で得た。 実施例11c (8S,9R)-10-[(E)-エチリデン]-11-オキソ-1-アザ-6-チアトリシクロ[7.2. 0.03,8]ウンデカ-2-エン-2-カルボン酸アリル 単離までは実施例11aに記載の方法と同じ方法で操作を行った。実施例10aに記 載の方法に従って調製した(8S,9S,10S)-10-{(R)-[1-(tert-ブチルジメチルシリ ル)オキシ]エチル}-11-オキソ-1-アザ-6-チアトリシクロ[7.2.0.03,8]ウンデカ- 2-エン-2-カルボン酸アリル(424mg)を用い、その他の反応剤は実施例11aに記載 のモル比と同じモル比で使用した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィ ー〔担体:シリカゲル;溶出液:ジエチルエーテル/石油エーテル2:1(容量 比)〕により精製して、表記の化合物(85mg;収率29%)を粘稠油状物の形で得た 。 実施例11d (4S,8S,9R)-4-メトキシ-10-[(E)-エチリデン]-11-オキソ-1-アザ-6-トリ シクロ[7.2.0.03,8]ウンデカ-2-エン-2-カルボン酸アリル 実施例11aの最初の部分に記載の方法と同じ方法で操作を行った。文献〔C.Gh ironらの論文、Tetrahedron Lett.,37,(1996)3891〕に記載の方法に従って得 られた(4S,8S,9R,10S)-4-メトキシ-10-{(R)-[1-(tert-ブチルジメチルシリル)オ キシ]エチル}-11-オキソ-1-アザトリシクロ[7.2.0.03,8]ウンデカ-2-エン-2-カ ルボン酸アリル(110mg;0.252ミリモル)を用い、その他の反応剤は実施例11aに 記載のモル比と同じモル比で使用した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラ フィー〔担体:シリカゲル;溶出液:ジエチルエーテル/石油エーテル1:3( 容量比)〕により精製して、表記の化合物(40mg;収率52%)を粘稠油状物の形で 得た。 実施例11e (4R,8R,9R)-4-メトキシ-10-[(E)-エチリデン]-11-オキソ-1-アザ-6-トリ シクロ[7.2.0.03,8]ウンデカ-2-エン-2-カルボン酸アリル 実施例11aの最初の部分に記載の方法と同じ方法で操作を行った。文献〔C.Gh ironらの論文、Tetrahedron Lett.,37,(1996)3891〕に記載の方法に従って得 られた(4R,8R,9R,10S)-4-メトキシ-10-{(R)-[1-(tert-ブチルジメチルシリル)オ キシ]エチル}-11-オキソ-1-アザトリシクロ[7.2.0.03,8]ウンデカ-2-エン-2-カ ルボン酸アリル(280mg;0.643ミリモル)を用い、その他の反応剤は実施例11aに 記載のモル比と同じモル比で使用した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラ フィー〔担体:シリカゲル;溶出液:ジエチルエーテル/石油エーテル1:3( 容量比)〕により精製して、表記の化合物(120mg;収率64%)を粘稠油状物の形で 得た。 実施例12 (8R,9S,10S)-10-[(R)-1-(メタンスルホニルオキシ)エチル]-11-オキソ-1- アザ-6-チアトリシクロ[7.2.0.03,8]ウンデカ-2-エン-2-カルボン酸アリ ル 実施例10bに記載の方法に従って得られた(8R,9S,10S)-10-{(R)-[1-(tert-ブチ ルジメチルシリル)オキシ]エチル}-11-オキソ-1-アザ-6-チアトリシクロ[7.2.0. 03,8]ウンデカ-2-エン-2-カルボン酸アリル(652mg;1.54ミリモル)を無水テトラ ヒドロフラン(8ml)に溶解した。得られた溶液に、テトラヒドロフランに溶解し た1Mテトラブチルアンモニウムフルオリド溶液(4.62ml;4.62ミリモル)と、酢 酸(0.37g;6.2ミリモル)とを加えた。得られた混合物を室温で24時間攪拌した。 次いで、この反応混合物に酢酸エチル(36ml)と水(18ml)を加えた。有機層と水層 とを分離し、水層を酢酸エチル(18ml)で再抽出した。得られた有機層を一緒にし て7%炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムを用いて乾燥した 。次いで乾燥剤を濾過し、濾液から溶媒を蒸発させた。溶媒を蒸発させた後の残 留物を無水ジクロロメタン(40ml)に溶解し、得られた溶液に0℃で最初にトリエ チルアミン(615mg;6.1ミリモル)を加え、次いでメタンスルホニルクロリド(353 mg;3.1ミリモル)を加えた。得られた混合物を氷浴上でさらに30分間攪拌した。 溶媒をロータリーエバポレーターで蒸発させ、溶媒蒸発後の残留物を高速溶出力 ラムクロマトグラフィー〔担体:シリカゲル;溶出液:ジエチルエーテル/石油 エーテル3:1(容量比)〕により精製した。表記の化合物(130mg;収率22%)が 粘稠油状物の形で得られた。 実施例13 (8R,9R)-10-[(E)-エチリデン]-11-オキソ-1-アザ-6-チアトリシクロ[7.2. 0.03,8]ウンデカ-2-エン-2-カルボン酸アリル 実施例12に記載の方法に従って得られた(8R,9S,10S)-10-[(R)-1-(メタンスル ホニルオキシ)エチル]-11-オキソ-1-アザ-6-チアトリシクロ[7.2.0.03,8]ウンデ カ-2-エン-2-カルボン酸アリル(55mg;0.14ミリモル)を、無水ジクロロメタン(20 ml)に溶解した。得られた混合物を−20℃の温度に冷却し、1,8-ジアザビシクロ[ 5.4.0]ウンデカ-7-エン(21.4mg;0.14ミリモル)を加えた。得られた溶液を−20 ℃の温度で1時間攪拌し、次いで−20℃〜0℃の温度で2時間攪拌し、さらに室 温で1時間攪拌した。次いで、反応溶液から溶媒を真空中で蒸発させて除去し、 得られた単離生成物をカラムクロマトグラフィー〔担体:シリカゲル;溶出液: ジエチルエーテル/石油エーテル3:1(容量比)〕により精製した。表記の化合 物(30mg;収率72%)が粘稠油状物の形で得られた。 実施例14 (8R,9R)-10-[(E)-エチリデン]-11-オキソ-1-アザ-6-チアトリシクロ[7.2. 0.03,8]ウンデカ-2-エン-2-カルボン酸アリル 実施例12に記載の方法と同じようにして操作を行った。実施例10bに記載の方 法に従って得られた(8R,9S,10S)-10-{(R)-[1-(tert-ブチルジメチルシリル)オキ シ]エチル}-11-オキソ-1-アザ-6-チアトリシクロ[7.2.0.03,8]ウンデカ-2-エン- 2-カルボン酸アリル(650mg;1.53ミリモル)を用い、その他の反応剤は実施例12 に記載のモル比と同じモル比で使用した。得られた粗生成物をジエチルエーテル /石油エーテルが3:1の混合物を用いてシリカゲルカラムに通して溶出した。 メタンスルホン酸が自然に脱離し、表記の化合物が単離された。表記の化合物(1 52mg;収率34%)が得られた。これは実施例13に記載の方法により調製した化合 物と同じ化合物であった。 実施例15a (8S,9R)-10-[(E)-エチリデン]-11-オキソ-1-アザトリシクロ[7.2.0.03,8] ウンデカ-2-エン-2-カルボン酸ナトリウム 実施例11aに記載の方法に従って調製した(8S,9R)-10-[(E)-エチリデン]-11-オ キソ-1-アザトリシクロ[7.2.0.03,8]ウンデカ-2-エン-2-カルボン酸アリル(73mg ;0.267ミリモル)を、テトラヒドロフラン/ジクロロメタンが容量比で1:1の 混合物(0.5ml)に溶解した。得られた溶液に、最初にトリフェニルホスフィン(24 mg; 0.08ミリモル)を加え、次いで2-エチルヘキサン酸ナトリウム(46.8mg;0.28ミリ モル)とテトラキス(トリフェニルホスフィン)-パラジウム(O)(32mg;0.024ミリ モル)〔D.R.Coulsonの論文、Inorganic Synthesis,13,121(1972)に記載の方 法に従って調製した〕とをテトラヒドロフラン/ジクロロメタン(1:1)の混合 物(2ml)に溶解した溶液を加えた。得られた混合物を室温で30分間攪拌した。得 られた混合物にジエチルエーテル(4ml)を加え、0℃に冷却した。分離した生成 物を濾過し、ジエチルエーテル/テトラヒドロフランの無水混合物を用いて洗浄 し、次いで真空乾燥した。表記の化合物(32mg;収率47%)が、融点222〜225℃ (分解)の褐色結晶(DMF-ジエチルエーテルから再結晶)の形で得られた。 実施例15b (8R,9R)-10-[(E)-エチリデン]-11-オキソ-1-アザトリシクロ[7.2.0.03,8] ウンデカ-2-エン-2-カルボン酸ナトリウム 実施例15aに記載の方法と同じ方法で操作を行った。実施例11bに記載の方法に 従って調製した(8R,9R)-10-[(E)-エチリデン]-11-オキソ-1-アザトリシクロ[7.2 .0.03,8]ウンデカ-2-エン-2-カルボン酸アリル(100mg;0.37ミリモル)を用い、 の他の反応剤は実施例15aに記載のモル比と同じモル比で使用した。粗生成物(48 mg;収率51%)が融点215〜219℃(分解)の褐色結晶(DMF-ジエチルエーテルから再 結晶)の形で得られた。 実施例15c (8S,9R)-10-[(E)-エチリデン]-11-オキソ-1-アザ-6-チアトリシクロ[7.2. 0.03,8]ウンデカ-2-エン-2-カルボン酸ナトリウム 実施例15aに記載の方法と同じ方法で操作を行った。実施例11cに記載の方法に 従って得られた(8S,9R)-10-[(E)-エチリデン]-11-オキソ-1-アザ-6-チアトリシ クロ[7.2.0.03,8]ウンデカ-2-エン-2-カルボン酸アリル(100mg;0.35ミリモル) を用い、その他の反応剤は実施例15aに記載のモル比と同じモル比で使用した。 粗生成物(78mg;収率83%)が融点195〜225℃(分解)の褐色結晶(DMF-エーテルか ら再結晶)の形で得られた。 実施例15d (8R,9R)-10-[(E)-エチリデン]-11-オキソ-1-アザ-6-チアトリシクロ [7.2.0.03,8]ウンデカ-2-エン-2-カルボン酸ナトリウム 実施例15aに記載の方法と同じ方法で操作を行った。実施例14に記載の方法に 従って得られた(8R,9R)-10-[(E)-エチリデン]-11-オキソ-1-アザ-6-チアトリシ クロ[7.2.0.03,8]ウンデカ-2-エン-2-カルボン酸アリル(100mg;0.35ミリモル) を用い、その他の反応剤は実施例15aに記載のモル比と同じモル比で使用した。 粗生成物(38mg;収率40%)が融点223〜233℃(分解)の白色結晶(DMF-エーテルか ら再結晶)の形で得られた。 実施例15e (4S,8S,9R)-4-メトキシ-10-[(E)-エチリデン]-11-オキソ-1-アザトリシク ロ[7.2.0.03,8]ウンデカ-2-エン-2-カルボン酸ナトリウム 実施例15aに記載の方法と同じ方法で操作を行った。実施例11dに記載の方法に 従って得られた(4S,8S,9R)-4-メトキシ-10-[(E)-エチリデン]-11-オキソ-1-アザ -6-トリシクロ[7.2.0.03,8]ウンデカ-2-エン-2-カルボン酸アリル(33mg;0.109 ミリモル)を用い、その他の反応剤は実施例15aに記載のモル比と同じモル比で使 用した。粗生成物(13mg;収率43%)が融点195〜225℃(分解)の白色結晶(DMF-エ ーテルから再結晶)の形で得られた。 実施例15f (4R,8R,9R)-4-メトキシ-10-[(E)-エチリデン]-11-オキソ-1-アザトリシク ロ[7.2.0.03,8]ウンデカ-2-エン-2-カルボン酸ナトリウム 実施例15aに記載の方法と同じ方法で操作を行った。実施例11eに記載の方法に 従って調製した(4R,8R,9R)-4-メトキシ-10-[(E)-エチリデン]-11-オキソ-1-アザ -6-トリシクロ[7.2.0.03,8]ウンデカ-2-エン-2-カルボン酸アリル(70mg;0.231 ミリモル)を用い、その他の反応剤は実施例15aに記載のモル比と同じモル比で使 用した。粗生成物(46mg;収率69%)が融点195〜225℃(分解)の白色結晶(DMF-エ ーテルから再結晶)の形で得られた。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】平成10年11月24日(1998.11.24) 【補正内容】 US5372993号、US5374630号、PCT-WO-94/21637号、PCT-WO-94/21638号、PCT-WO-9 5/03700号、PCT-WO-95/13278号、PCT-WO-95/23149号、JP06,166688号及びJP08,5 3459号にも開示されている。 化合物4S,8S-4-メトキシ-(9R,10R,12R)-10-(1-ヒドロキシエチル)-11-オキソ- 1-アザトリシクロ-[7.2.0.03,8]ウンデカ-2-エン〔GV104326即ち、サンフェトリ ネム(sanfetrinem)〕は、バクテリアの増殖プロセスに必須である酵素D,D-ペプ チダーゼに対する作用を有する生物学的活性物質である〔E.diModugno等,Anti microb.Agents Chemother.,38(1994),2362〕。 抗菌作用を有する二環式カルバペネム化合物はEP-A-005349号及びUS4,235,922 号明細書に記載されている。酵素β-ラクタマーゼの阻害剤である前記の化合物 についてはデータが存在しない。 従来開示されている三環型カルバペネム化合物の全てについて、β-ラクタマ ーゼ種の酵素に対する抑制作用についてのデーターは存在しない。従って、本発 明は、全く新規な構造を有するかつ酵素β−ラクタマーゼを抑制する性質を有す る新規な三環型カルバペネム化合物のエチリデン誘導体を目的とする。この性質 により、その重要な抗菌活性が減少することはない。 技術的解決 本発明は、式I: {式中、基本的なカルバペネム核に3位と4位で融合している、符号Cの付いた 環は5、6又は7員環であり、この環において、 1. 符号Cの付いた環中の1個又はそれ以上の炭素原子は、同一であるか又は 異なるものであり得る下記の置換基でモノ又はジ置換され得る: a) 水素原子、 b) 1〜20個の炭素原子を有する飽和アルキル鎖;この飽和アルキル鎖は直鎖 (例えばメチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル)であるか又は任意の位置で分 岐しているもの(例えばイソプロピル、s-ブチル、イソブチル、イソアミル、te rt- 請求の範囲 1. 式I: 〔式中、基本的カルバペネム核に3位と4位で融合している、符号Cの付いた環 は5、6又は7員環であり、この環において、 i. 符号Cの付いた環中の1個又はそれ以上の炭素原子は、同一であるか又は異 なるものであり得る下記の置換基でモノ又はジ置換され得る: a) 水素原子、 b) 1〜20個の炭素原子を有する飽和アルキル鎖;この飽和アルキル鎖は直鎖 であるか又は任意の位置で分岐していることができ、そして、鎖の構成員の各々 はハロ、ヒドロキシ、(C1-C4)アルキルオキシ、メルカプト及び(C1-C4)アルキル メルカプト、(C1-C4)アルカンスルホニル、アミノ、(C1-C4)アルキルアミノ及び ジ-(C1-C4)アルキルアミノ、アルキレンアミノ、グアジニノ、非置換N1-モノ、N3 -モノ、N1,N3-ジ及びN3,N3-ジ-(C1-C4)ホルムアミジノ、芳香族環又はチエニ ル、フリル又はピリジル環、(C1-C4)アルキルオキシカルボニル、シアノ、オキ ソのごとき置換基によりモノ又はジ置換され得る; c) 1〜20個の炭素原子を有する不飽和アルキル鎖;この不飽和アルキル鎖は 直鎖でありかつ二重結合又は三重結合を有するものであるか又は任意の位置で分 岐しておりかつ二重結合又は三重結合を有するものであることができ、そして、 鎖の構成員の各々はハロ、ヒドロキシ、(C1-C4)アルキルオキシ、チオ及び(C1-C4 )アルキルチオ、(C1-C4)アルカンスルホニル、アミノ、(C1-C4)アルキルアミノ 及びジ-(C1-C4)アルキルアミノ、芳香族環又はチエニル、フリル又はピリジル環 、(C1-C4)アルキルオキシカルボニル、シアノ、オキソのごとき置換基に よりモノ又はジ置換され得る; d) 3〜7員の飽和又は部分的に不飽和のシクロアルキル基;この環は酸素、 硫黄又は窒素原子の1個又はそれ以上を含有することができ、そして、環の構成 員の各々はハロ、ヒドロキシ、(C1-C4)アルキルオキシ、チオ及び(C1-C4)アルキ ルチオ、(C1-C4)アルカンスルホニル、アミノ、(C1-C4)アルキルアミノ及びジ-( C1-C4)アルキルアミノ、(C1-C4)アルキルオキシカルボニル、シアノ、オキソの ごとき置換基によりモノ又はジ置換され得る; e) 芳香族環又はチエニル、フリル又はピリジル環、 f) ヒドロキシ、(C1-C10)アルキルオキシ、モノ又はジ置換-(C1-C10)アルキ ルオキシ、アシルオキシ、モノ、ジ又はトリ-(C1-C4)アルキルシリルオキシ基、 g) メルカプト、(C1-C10)アルキルメルカプト、モノ又はジ置換-(C1-C10)ア ルキルメルカプト、アシルメルカプト基、 h) アミノ、(C1-C4)アルキルアミノ及びジ-(C1-C4)アルキルアミノ、アセチ ルアミノ、アリルオキシカルボニルアミノ、イミノメチルアミノ、N-メチルアミ ノメチレンアミノ、N,N-ジメチルアミノメチレンアミノ、グアニジノ、シアノグ アニジノ、メチレングアニジノ基、 i) ハロ原子、 j) アジド、ニトロ、シアノ、(C1-C4)アルキルオキシカルボニル基、 k) (C1-C4)-アルカンスルホニル基; ii.符号Cの付いた環中の1個又はそれ以上の炭素原子は、>C*=CR1R2の形で、 二重結合を介して符号Cの付いた環に連結している、置換又は非置換アルキル鎖 で置換され得る;上記でC*は符号Cの付いた環中の炭素原子を表し、=は環外 二重結合を表し、置換基R1及びR2は、同一であるか又は異なるものでありかつ 下記のものを意味する: a) 水素原子、 b) 1〜20個の炭素原子を有する非置換飽和アルキル鎖;この非置換飽和アル キル鎖は直鎖であるか又は任意の位置で分岐していることができる、 c) 1〜20個の炭素原子を有する非置換不飽和アルキル鎖;この非置換不飽和 アルキル鎖は直鎖であるか又は任意の位置で分岐しているものでありかつ二重結 合又は三重結合を有するものであることができる; d) 3〜7員の飽和又は部分的に不飽和の非置換シクロアルキル又はヘテロア リール、 e) 芳香族環又はチエニル、フリル又はピリジル環、 f) 飽和又は部分的に不飽和の置換アルキル鎖又は3〜7貨の置換カルボキシ ル環;この場合、鎖又は環中の任意の炭素原子はハロ、ヒドロキシ、(C1-C4)ア ルキルオキシ、(C1-C4)アルキルチオ、(C1-C4)アルカンスルホニル、アミノ、(C1 -C4)アルキルアミノ、ジ-(C1-C4)アルキルアミノ、(C1-C4)アルキルオキシカル ボニル、シアノ、オキソのごとき置換基によりモノ又はジ置換され得る; g) ヒドロキシ、(C1-C4)アルキルオキシ、アシルオキシ、メルカプト、(C1-C4 )アルキルメルカプト、アミノ、(C1-C4)アルキルアミノ、ジ-(C1-C4)アルキル アミノ及びアシルアミノ基、 h) ニトロ、シアノ、(C1-C4)アルキルオキシカルボニル基; 置換基R1及びR2は、閉じて環を形成している連結アルキレン鎖(CH2)n(n= 2〜7)も表すことができ、任意のメチレン(-CH2-)構成與はオキサ(-O-)、チア (-S-)、イミノ(-NH-)又は(C1-C4)アルキルアミノ基によって置換され得る; iii. 符号Cの付いた環中の1個又はそれ以上の炭素原子は、二重結合を介して ヘテロ原子で置換され得る; iv.符号Cの付いた環中の1個又はそれ以上の炭素原子は、スピロ化合物を形成 するための、閉じて環を形成している置換基で置換され得る;そして、環の構成 員は、炭素原子である他に、酸素、硫黄及び窒素原子であり得る; v. 符号Cの付いた環中の1個又はそれ以上の炭素原子は、酸素原子で置換され 得る; vi.符号Cの付いた環中の1個又はそれ以上の炭素原子は、1個又は2個の酸素 で酸化されていることのできる硫黄原子で置換され得る; vii. 符号Cの付いた環中の1個又はそれ以上の炭素原子は、>N*-R3の形で置 換され得る窒素原子で置換され得る;上記において、N*は符号Cの付いた環中 の窒素原子を表し、R3は下記のものを意味する: a) 1〜20個の炭素原子を有する飽和アルキル鎖;1〜20個の炭素原子を有す る非置換飽和アルキル鎖は直鎖であるか又は任意の位置で分岐していることがで き、そして、鎖の構成員の各々は、ハロ、ヒドロキシ、(C1-C4)アルキルオキシ 、(C1-C4)アルキルチオ、(C1-C4)アルカンスルホニル、アミノ、(C1-C4)アルキ ルアミノ、ジ-(C1-C4)アルキルアミノ、芳香族環又はチエニル、フリル又はピリ ジル環、(C1-C4)アルキルオキシカルボニル、シアノ、オキソ、イミノのごとき 置換基の一個又はそれ以上により置換され得る; b) 1〜20個の炭素原子を有する非置換不飽和アルキル鎖;この非置換不飽和 アルキル鎖は直鎖でありかつ二重結合又は三重結合を有するか又は任意の位置で 分岐しておりかつ二重結合又は三重結合を有するものであることができる; c) 3〜7員の飽和又は部分的に不飽和の非置換シクロアルキル又はヘテロア リール基、 d) 芳香族環又はチエニル、フリル又はピリジル環、 e) シアノ、(C1-C4)アルキルオキシカルボニル、アミノカルボニル、(C1-C4) アルキルアミノカルボニル、(C1-C4)アルカンスルホニルのごとき基; Xは、 i. 水素原子、 ii.アルカリ金属、 iii.アルカリ土金属、 iv.アンモニウムイオン又はプロトン化された形のモノ、ジ又はトリ置換、非環 式又は環式脂肪族アミン又はプロトン化された形のある種の他の窒素塩基、 v. 第四級アンモニウムイオン、 vi.基R4;この基は a) (C1-C20)アルキル、(C1-C20)アルケニル、置換アルキル、置換シリル、フ タリジルから選ばれる基であるか; b) 下記の式 (式中、R5は水素、1〜4個の炭素原子を有する低級アルキルを表し、R6は水 素、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、シクロアルコキシ、シクロアルキ ルアルキル、アルケニルオキシ、フェニルを表す)で表される基である〕で表さ れる三環型カルバペネムのエチリデン誘導体。 2. 式I: (式中、符号Cの付いた環及びXは請求項1に記載の意義を有する)で表され るかつ純粋なジアステレオマーの形の三環型カルバペネムのエチリデン誘導体。 3. 式I:(式中、符号Cの付いた環及びXは請求項1に記載の意義を有する)で表される かつ純粋な幾何異性体の形の三環型カルバペネムのエチリデン誘導体。 4.(8S,9R)-10-[(E)-エチリデン]-11-オキソ-1-アザトリシクロ[7.2.0.03,8] ウンデカ-2-エン-2-カルボン酸、その製剤学的に許容される塩又はエステルであ る請求項1に記載の三環型カルバペネムのエチリデン誘導体。 5.(8R,9R)-10-[(E)-エチリデン]-11-オキソ-1-アザトリシクロ[7.2.0.03,8] ウンデカ-2-エン-2-カルボン酸、その製剤学的に許容される塩又はエステルであ る請求項1に記載の三環型カルバペネムのエチリデン誘導体。 6. (8S,9R)-10-[(E)-エチリデン]-11-オキソ-1-アザ-6-チアトリシクロ[7. 2.0.03,8]ウンデカ-2-エン-2-カルボン酸、その製剤学的に許容される塩又は エステルである請求項1に記載の三環型カルバペネムのエチリデン誘導体。 7. (8R,9R)-10-[(E)-エチリデン]-11-オキソ-1-アザ-6-チアトリシクロ[7. 2.0.03,8]ウンデカ-2-エン-2-カルボン酸、その製剤学的に許容される塩又はエ ステルである請求項1に記載の三環型カルバペネムのエチリデン誘導体。 8. (4S,8S,9R)-4-メトキシ-10-[(E)-エチリデン]-11-オキソ-1-アザトリシ クロ[7.2.0.03,8]ウンデカ-2-エン-2-カルボン酸、その製剤学的に許容される塩 又はエステルである請求項1に記載の三環型カルバペネムのエチリデン誘導体。 9. (4R,8R,9R)-4-メトキシ-10-[(E)-エチリデン]-11-オキソ-1-アザトリシ クロ[7.2.0.03,8]ウンデカ-2-エン-2-カルボン酸、その製剤学的に許容される塩 又はエステルである請求項1に記載の三環型カルバペネムのエチリデン誘導体。 10. (4S,8S,9R)-4-メトキシメチル-10-[(E)-エチリデン]-11-オキソ-1-アザ トリシクロ[7.2.0.03,8]ウンデカ-2-エン-2-カルボン酸、その製剤学的に許容さ れる塩又はエステルである請求項1に記載の三環型カルバペネムのエチリデン誘 導体。 11. (4R,8R,9R)-4-メトキシメチル-10-[(E)-エチリデン]-11-オキソ-1-アザ トリシクロ[7.2.0.03,8]ウンデカ-2-エン-2-カルボン酸、その製剤学的に許容さ れる塩又はエステルである請求項1に記載の三環型カルバペネムのエチリデン誘 導体。 12.i. 式II (式中、R7は容易に除去し得るエステル保護基を表し、符号Cの付いた環は請 求項1に記載の意義を有する)の化合物を、-78℃〜還流温度で、不活性有機溶 剤中、塩基の存在下、反応性酸誘導体と反応させるか又は酸R8OH(R8は以下に 述べる意義を有する)と反応させて、式III (式中、R7及び符号Cの付いた環は前記の意義を有し、R8は − 脂肪族酸誘導体、 − アルカンスルホン酸誘導体、 − アレーンスルホン酸誘導体、 − ヘテロアレーンスルホン酸誘導体 であり得る)の化合物を得る; ii. 式III (式中、R7、R8及び符号Cの付いた環は前記の意義を有する)の化合物を、不 活性有機溶剤中、−78℃〜溶剤の還流温度での塩基を触媒とする除去により、 式IV (式中、R7及び符号Cの付いた環は前記の意義を有する)の化合物に転化する ; iii. 式IV (式中、R7及び符号Cの付いた環は前記の意義を有する)の化合物を、保護基 の除去のための通常の方法に従って、式I:(式中、符号Cの付いた環は前記の意義を有する)の化合物に転化する;ことを 特徴とする、式I (式中、符号Cの付いた環及びXは請求項1に記載の意義を有する)で表される 三環型カルバペネムのエチリデン誘導体の製造方法。 13.i. 式II (式中、R7は容易に除去し得るエステル保護基を表し、符号Cの付いた環は請 求項1に記載の意義を有する)の化合物を、不活性有機溶剤中、−78℃〜溶剤の 還流温度で、ホスフィンの存在下、ジアザカルボキシレートと反応させて、式IV(式中、R7及び符号Cの付いた環は前記の意義を有する)の化合物に転化する ; ii.式IV (式中、R7及び符号Cの付いた環は前記の意義を有する)の化合物を、保護基 の除去のための通常の方法に従って、式I (式中、符号Cの付いた環は前記の意義を有する)の化合物に転化する;ことを 特徴とする、式I(式中、符号Cの付いた環及びXは請求項1に記載の意義を有する)で表される 三環型カルバペネムのエチリデン誘導体の製造方法。 14. 治療に有効な量の、酸、製剤学的に許容される塩又はエステルの形の請 求項1に記載の式Iの三環型カルバペネムのエチリデン誘導体を有効成分として 含有し、更に、通常の製剤学的に許容される担体又は補助物質を含有してなる医 薬組成物。 15. 治療に有効な量の、酸、製剤学的に許容される塩又はエステルの形の請 求項1に記載の式Iの三環型カルバペネムのエチリデン誘導体及び治療に有効な 量のβ-ラクタム抗生物質を有効成分として含有し、更に、通常の製剤学的に許 容される担体又は補助物質を含有してなる医薬組成物。 16. 酸、製剤学的に許容される塩又はエステルの形の請求項1に記載の式I の三環型カルバペネムのエチリデン誘導体の、ヒト及び動物におけるバクテリア の感染の防止及び処置のための使用。 17. 酸、製剤学的に許容される塩又はエステルの形の請求項1に記載の請求 項1に記載の式Iの三環型カルバペネムのエチリデン誘導体の、ヒト及び及び獣 医学における酵素β-ラクタマーゼの抑制剤としての使用。 18. ヒト及び動物におけるバクテリアの感染の防止及び処置に使用するため の、酸、製剤学的に許容される塩又はエステルの形の請求項1に記載の式Iの三 型環カルバペネムのエチリデン誘導体。 19. ヒト及び及び獣医学における酵素β-ラクタマーゼの抑制剤として使用 するための、酸、製剤学的に許容される塩又はエステルの形の請求項1に記載の 式Iの三環カルバペネムのエチリデン誘導体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,LS,M W,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY ,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM ,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY, CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,E S,FI,GB,GE,GH,GW,HU,ID,IL ,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC, LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,M K,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO ,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ, TM,TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN,Y U,ZW (72)発明者 アンチツク ボルト スロヴエニア共和国 1234 メンゲス,ト ルジン,ヴエゴヴア 7 (72)発明者 クスマン,タデア スロヴエニア共和国 1000 リユブリヤ ナ,クリヴエツク 3 (72)発明者 メサル,トーマス スロヴエニア共和国 1234 メンゲス,ト ルジン,メンゲスカ 64 (72)発明者 コクヤン,ダルコ スロヴエニア共和国 1000 リユブリヤ ナ,マロルトヴア 3

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.式I: 〔式中、基本的カルバペネム核に3位と4位で融合している、符号Cの付いた環 は5、6又は7輿環であり、この環において、 i.符号Cの付いた環中の1個又はそれ以上の炭素原子は、同一であるか又は異 なるものであり得る下記の置換基でモノ又はジ置換され得る: a) 水素原子、 b) 1〜20個の炭素原子を有する飽和アルキル鎖;この飽和アルキル鎖は直鎖 であるか又は任意の位置で分岐していることができ、そして、鎖の構成員の各々 はハロ、ヒドロキシ、(C1-C4)アルキルオキシ、メルカプト及び(C1-C4)アルキル メルカプト、(C1-C4)アルカンスルホニル、アミノ、(C1-C4)アルキルアミノ及び ジ-(C1-C4)アルキルアミノ、アルキレンアミノ、グアジニノ、非置換N1-モノ、N3 -モノ、N1,N3-ジ及びN3,N3-ジ-(C1-C4)ホルムアミジノ、芳香族又はヘテロ芳香 族5又は6貨環、(C1-C4)アルキルオキシカルボニル、シアノ、オキソのごとき 置換基によりモノ又はジ置換され得る; c) 1〜20個の炭素原子を有する不飽 和アルキル鎖;この不飽和アルキル鎖は直鎖でありかつ二重結合又は三重結合を 有するものであるか又は任意の位置で分岐しておりかつ二重結合又は三重結合を 有するものであることができ、そして、鎖の構成貢の各々はハロ、ヒドロキシ、 (C1-C4)アルキルオキシ、チオ及び(C1-C4)アルキルチオ、(C1-C4)アルカンスル ホニル、アミノ、(C1-C4)アルキルアミノ及びジ-(C1-C4)アルキルアミノ、芳香 族又はヘテロ芳香族5又は6肩環、(C1-C4)アルキルオキシカルボニル、シアノ 、オキソのごとき置換基によりモノ 又はジ置換され得る; d) 3〜7員の飽和又は部分的に不飽和のシクロアルキル基;この環は酸素、 硫黄又は窒素原子の1個又はそれ以上を含有することができ、そして、環の構成 員の各々はハロ、ヒドロキシ、(C1-C4)アルキルオキシ、チオ及び(C1-C4)アルキ ルチオ、(C1-C4)アルカンスルホニル、アミノ、(C1-C4)アルキルアミノ及びジ-( C1-C4)アルキルアミノ、(C1-C4)アルキルオキシカルボニル、シアノ、オキソの ごとき置換基によりモノ又はジ置換され得る; e) 芳香族又はヘテロ芳香族5又は6員環、 f) ヒドロキシ、(C1-C10)アルキルオキシ、モノ又はジ置換-(C1-C10)アルキ ルオキシ、アシルオキシ、モノ、ジ又はトリ-(C1-C4)アルキルシリルオキシ基、 g) メルカプト、(C1-C10)アルキルメルカプト、モノ又はジ置換-(C1-C10)ア ルキルメルカプト、アシルメルカプト基、 h) アミノ、(C1-C4)アルキルアミノ及びジ-(C1-C4)アルキルアミノ、アセチ ルアミノ、アリルオキシカルボニルアミノ、イミノメチルアミノ、N-メチルアミ ノメチレンアミノ、N,N-ジメチルアミノメチレンアミノ、グアニジノ、シアノグ アニジノ、メチレングアニジノ基、 i) ハロ原子、 j) アジド、ニトロ、シアノ、(C1-C4)アルキルオキシカルボニル基、 k) (C1-C4)-アルカンスルホニル基; ii.符号Cの付いた環中の1個又はそれ以上の炭素原子は、>C*=CR1R2の形で、 二重結合を介して符号Cの付いた環に連結している、置換又は非置換アルキル鎖 で置換され得る;上記でC*は符号Cの付いた環中の炭素原子を表し、=は環外 二重結合を表し、置換基R1及びR2は、同一であるか又は異なるものでありかつ 下記のものを意味する: a) 水素原子、 b) 1〜20個の炭素原子を有する非置換飽和アルキル鎖;この非置換飽和アル キル鎖は直鎖であるか又は任意の位置で分岐していることができる、 c) 1〜20個の炭素原子を有する非置換不飽和アルキル鎖;この非置換不飽和 アルキル鎖は直鎖であるか又は任意の位置で分岐しているものでありかつ二重結 合又は三重結合を有するものであることができる; d) 3〜7員の飽和又は部分的に不飽和の非置換シクロアルキル又はヘテロア リール、 e) 5又は6員の芳香族又はヘテロ芳香族環、 f) 飽和又は部分的に不飽和の置換アルキル鎖又は3〜7員の置換カルボキシ ル環;この場合、鎖又は環中の任意の炭素原子はハロ、ヒドロキシ、(C1-C4)ア ルキルオキシ、(C1-C4)アルキルチオ、(C1-C4)アルカンスルホニル、アミノ、(C1 -C4)アルキルアミノ、ジ-(C1-C4)アルキルアミノ、(C1-C4)アルキルオキシカル ボニル、シアノ、オキソのごとき置換基によりモノ又はジ置換され得る; g) ヒドロキシ、(C1-C4)アルキルオキシ、アシルオキシ、メルカプト、(C1-C4 )アルキルメルカプト、アミノ、(C1-C4)アルキルアミノ、ジ-(C1-C4)アルキル アミノ及びアシルアミノ基、 h) ニトロ、シアノ、(C1-C4)アルキルオキシカルボニル基; 置換基R1及びR2は、閉じて環を形成している連結アルキレン鎖(CH2)n(n=2 〜7)も表すことができ、任意のメチレン(-CH2 -)構成貨はオキサ(-O-)、チア(- S-)、イミノ(-NH-)又は(C1-C4)アルキルアミノ基によって置換され得る; iii.符号Cの付いた環中の1個又はそれ以上の炭素原子は、二重結合を介して ヘテロ原子で置換され得る; iv.符号Cの付いた環中の1個又はそれ以上の炭素原子は、スピロ化合物を形成 するための、閉じて環を形成している置換基で置換され得る;そして、環の構成 員は、炭素原子である他に、酸素、硫黄及び窒素原子であり得る; v.符号Cの付いた環中の1個又はそれ以上の炭素原子は、酸素原子で置換され 得る; vi.符号Cの付いた環中の1個又はそれ以上の炭素原子は、1個又は2個の酸素 で酸化されていることのできる硫黄原子で置換され得る; vii.符号Cの付いた環中の1個又はそれ以上の炭素原子は、>N*-R3の形で置換 され得る窒素原子で置換され得る;上記において、N*は符号Cの付いた環中の 窒素原子を表し、R3は下記のものを意味する: a) 1〜20個の炭素原子を有する飽和アルキル鎖;1〜20個の炭素原子を有す る非置換飽和アルキル鎖は直鎖であるか又は任意の位置で分岐していることがで き、そして、鎖の構成損の各々は、ハロ、ヒドロキシ、(C1-C4)アルキルオキシ 、(C1-C4)アルキルチオ、(C1-C4)アルカンスルホニル、アミノ、(C1-C4)アルキ ルアミノ、ジ-(C1-C4)アルキルアミノ、5又は6責の芳香族又はヘテロ芳香族環 、(C1-C4)アルキルオキシカルボニル、シアノ、オキソ、イミノのごとき置換基 の一個又はそれ以上により置換され得る; b) 1〜20個の炭素原子を有する非置換不飽和アルキル鎖;この非置換不飽和 アルキル鎖は直鎖でありかつ二重結合又は三重結合を有するか又は任意の位置で 分岐しておりかつ二重結合又は三重結合を有するものであることができる; c) 3〜7員の飽和又は部分的に不飽和の非置換シクロアルキル又はヘテロア リール基、 d) 5又は6員の非置換芳香族又はヘテロ芳香族環、 e) シアノ、(C1-C4)アルキルオキシカルボニル、アミノカルボニル、(C1-C4) アルキルアミノカルボニル、(C1-C4)アルカンスルホニルのごとき基; Xは、 i.水素原子、 ii.アルカリ金属、 iii.アルカリ土金属、 iv.アンモニウムイオン又はプロトン化された形のモノ、ジ又はトリ置換、非環 式又は環式脂肪族アミン又はプロトン化された形のある種の他の窒素塩基、 v.第四級アンモニウムイオン、 vi.基R4;この基は a) (C1-C20)アルキル、(C1-C20)アルケニル、置換アルキル、置換シリル、フ タリジルから選ばれる基であるか; b) 下記の式 (式中、R5は水素、1〜4個の炭素原子を有する低級アルキルを表し、R6は水 素、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、シクロアルコキシ、シクロアルキ ルアルキル、アルケニルオキシ、フェニルを表す)で表される基である〕で表さ れる三環型カルバペネムのエチリデン誘導体。 2. 式I: (式中、符号Cの付いた環及びXは請求項1に記載の意義を有する)で表される かつ純粋なジアステレオマーの形の三環型カルバペネムのエチリデン誘導体。 3. 式I: (式中、符号Cの付いた環及びXは請求項1に記載の意義を有する)で表される かつ純粋な幾何異性体の形の三環型カルバペネムのエチリデン誘導体。 4.(8S,9R)-10−[(E)-エチリデン]-11-オキソ-1-アザトリシクロ[7.2.0.03,8 ]ウンデカ-2-エン-2-カルボン酸、その製剤学的に許容される塩又はエステル。 5.(8R,9R)-10-[(E)-エチリデン]-11-オキソ-1-アザトリシクロ[7.2.0.03,8] ウンデカ-2-エン-2-カルボン酸、その製剤学的に許容される塩又はエステル。 6. (8S,9R)-10-[(E)-エチリデン]-11-オキソ-1-アザ-6-チアトリシクロ[7. 2.0.03,8]ウンデカ-2-エン-2-カルボン酸、その製剤学的に許容される塩又はエ ステル。 7. (8R,9R)-10-[(E)-エチリデン]-11-オキソ-1-アザ-6-チアトリシクロ [7.2.0.03,8]ウンデカ-2-エン-2-カルボン酸、その製剤学的に許容される塩又は エステル。 8. (4S,8S,9R)-4-メトキシ-10-[(E)-エチリデン]-11-オキソ-1-アザトリシ クロ[7.2.0.03,8]ウンデカ-2-エン-2-カルボン酸、その製剤学的に許容される塩 又はエステル。 9. (4R,8R,9R)-4-メトキシ-10-[(E)-エチリデン]-11-オキソ-1-アザトリシ クロ[7.2.0.03,8]ウンデカ-2-エン-2-カルボン酸、その製剤学的に許容される塩 又はエステル。 10. (4S,8S,9R)-4-メトキシメチル-10-[(E)-エチリデン]-11-オキソ-1-アザ トリシクロ[7.2.0.03,8]ウンデカ-2-エン-2-カルボン酸、その製剤学的に許容さ れる塩又はエステル。 11. (4R,8R,9R)-4-メトキシメチル-10-[(E)-エチリデン]-11-オキソ-1-アザ トリシクロ[7.2.0.03,8]ウンデカ-2-エン-2-カルボン酸、その製剤学的に許容さ れる塩又はエステル。 12.i.式II (式中、R7は容易に除去し得るエステル保護基を表し、符号Cの付いた環は請 求項1に記載の意義を有する)の化合物を、-78℃〜還流温度で、不活性有機溶 剤中、塩基の存在下、反応性酸誘導体と反応させるか又は酸R8OH(R8は以下に述 べる意義を有する)と反応させて、式III (式中、R7及び符号Cの付いた環は前記の意義を有し、R8は − 脂肪族酸誘導体、 − アルカンスルホン酸誘導体、 − アレーンスルホン酸誘導体、 − ヘテロアレーンスルホン酸誘導体 であり得る)の化合物を得る; ii.式III (式中、R7、R8及び符号Cの付いた環は前記の意義を有する)の化合物を、不 活性有機溶剤中、−78℃〜溶剤の還流温度での塩基を触媒とする除去により、式 IV (式中、R7及び符号Cの付いた環は前記の意義を有する)の化合物に転化する ; iii.式IV (式中、R7及び符号Cの付いた環は前記の意義を有する)の化合物を、保護基 の除去のための通常の方法に従って、式I: (式中、符号Cの付いた環は前記の意義を有する)の化合物に転化する;ことを 特徴とする、式I (式中、符号Cの付いた環及びXは請求項1に記載の意義を有する)で表される 三環型カルバペネムのエチリデン誘導体の製造方法。 13.i.式II(式中、R7は容易に除去し得るエステル保護基を表し、符号Cの付いた環は請 求項1に記載の意義を有する)の化合物を、不活性有機溶剤中、−78℃〜溶剤の 還流温度で、ホスフィンの存在下、ジアザカルボキシレートと反応させて、式IV (式中、R7及び符号Cの付いた環は前記の意義を有する)の化合物に転化する ; ii.式IV (式中、R7及び符号Cの付いた環は前記の意義を有する)の化合物を、保護基 の除去のための通常の方法に従って、式I(式中、符号Cの付いた環は前記の意義を有する)の化合物に転化する;ことを 特徴とする、式I (式中、符号Cの付いた環及びXは請求項1に記載の意義を有する)で表される 三環型カルバペネムのエチリデン誘導体の製造方法。 14. 治療に有効な量の、酸、製剤学的に許容される塩又はエステルの形の式 Iの三環型カルバペネムのエチリデン誘導体を有効成分として含有し、更に、通 常の製剤学的に許容される担体又は補助物質を含有してなる医薬組成物。 15. 治療に有効な量の、酸、製剤学的に許容される塩又はエステルの形の式 Iの三環型カルバペネムのエチリデン誘導体及び治療に有効な量のβ-ラクタム 抗生物質を有効成分として含有し、更に、通常の製剤学的に許容される担体又は 補助物質を含有してなる医薬組成物。 16. 酸、製剤学的に許容される塩又はエステルの形の式Iの三環型カルバペ ネムのエチリデン誘導体の、ヒト及び動物におけるバクテリアの感染の防止及び 処置のための使用。 17. 酸、製剤学的に許容される塩又はエステルの形の式Iの三環型カルバペ ネムのエチリデン誘導体の、ヒト及び及び獣医学における酵素β-ラクタマーゼ の抑制剤としての使用。 18. ヒト及び動物におけるバクテリアの感染の防止及び処置に使用するため の、酸、製剤学的に許容される塩又はエステルの形の式Iの三型環カルバペネム のエチリデン誘導体。 19. ヒト及び及び獣医学における酵素β-ラクタマーゼの抑制剤として使用 するための、酸、製剤学的に許容される塩又はエステルの形の式Iの三環カルバ ペネムのエチリデン誘導体。
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