JPH06166688A - カルバペネム化合物、その製造法および抗菌組成物 - Google Patents

カルバペネム化合物、その製造法および抗菌組成物

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JPH06166688A
JPH06166688A JP5021232A JP2123293A JPH06166688A JP H06166688 A JPH06166688 A JP H06166688A JP 5021232 A JP5021232 A JP 5021232A JP 2123293 A JP2123293 A JP 2123293A JP H06166688 A JPH06166688 A JP H06166688A
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JP
Japan
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formula
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Application number
JP5021232A
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English (en)
Inventor
Tetsuo Miwa
哲生 三輪
Katsunori Nagai
克典 永井
Kenji Okonogi
研二 小此木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Publication of JPH06166688A publication Critical patent/JPH06166688A/ja
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】グラム陽性菌、陰性菌に対し幅広く優れた抗菌
活性を有し、腎デヒドロペプチダーゼ−Iに対して安定
なカルバペネム化合物の提供。 【構成】式(I)で表されるカルバペネム化合物または
その塩、その製造方法ならびに当該カルバペネム化合物
またはその塩を含有する抗菌組成物。 〔式中、R1は置換されていてもよい(C1-4)アルキル
基を、COOR2はエステル化されていてもよいカルボ
キシル基を、Raはハロゲンまたはそれぞれ置換されて
いてもよいヒドロキシル基、メルカプト基、アミノ基も
しくは(C1-6)ア ルキル基を、Rbは水素原子または
それぞれ置換されていてもよい(C1-6)アルキル基、
アシル基、カルバモイル基もしくはカルバミミドイル基
を示す〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた抗菌作用を有す
る新規カルバペネム化合物またはその塩、製造法および
抗菌組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】これまでチエナマイシンに代表されるカ
ルバペネム系抗生物質については多数の報告がある〔例
えば、Robert B Morin, Marvin Gorman "ケミストリー
アンド バイオロジー オブ β−ラクタム アンテ
ィバイオティックス(Chemistryand Biology of β-Lact
am Antibiotics)" 2巻227頁 (Academic Press In
c.) (1982)〕。三環性カルバペネム化合物としてはテト
ラヘドロン レターズ(Tetrahedron Letters) 22巻5
027頁(1981年)に次式で示されるような化合物
が報告されている。
【化4】 一方これと異なる構造の多環性カルバペネムも報告され
ている(特開平3−167187号、特開平4−178
389号)。しかしながら、特開平3−167187号
においてはカルバペネム核の1,2−位で縮合している
環としてシクロヘキサンが開示されているが、該環とし
て複素環に関する開示も示唆も全くされていない。ま
た、特開平4−178389号においては、式:
【化5】 〔式中、R1'は水素原子または置換されていてもよい炭
化水素基を、COOR2はエステル化されていてもよい
カルボキシル基を、Rは水素原子、アリル(allyl)、
イミノメチルまたはイミノエチルを示す〕で表される化
合物が開示、合成されているが、11位には置換基を有
していない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】カルバペネム化合物
は、一般にグラム陽性菌および緑膿菌を含むグラム陰性
菌に対し優れた抗菌活性を示すが、化学的安定性や腎デ
ヒドロペプチダーゼ−I(DHP−I)に対する安定性
に問題がある。そのため優れた抗菌活性をもつと同時に
生体内で安定で優れた体内動態を示すカルバペネム化合
物の出現が強く望まれている。本発明の目的は、このよ
うなカルバペネム化合物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記事情
に鑑み、従来具体的に合成されたことがなく、またその
薬効について全く確認されたことのないカルバペネム核
の1,2−位で含窒素複素環が縮合している三環性カル
バペネムにつき、鋭意研究を重ねた結果、上記11位に
置換基を有する三環性カルバペネム、すなわち式:
【化6】 〔式中、R1は置換されていてもよい(C1-4)アルキル
基を、COOR2はエステル化されていてもよいカルボ
キシル基を、Raはハロゲンまたはそれぞれ置換されて
いてもよいヒドロキシル基、メルカプト基、アミノ基も
しくは(C1-6)ア ルキル基を、Rbは水素原子または
それぞれ置換されていてもよい(C1-6)アルキル基、
アシル基、カルバモイル基もしくはカルバミミドイル基
を示す〕で表される新規な構造をもつ化合物の創製に成
功するとともに、それらが予想外にもすぐれた抗菌活性
およびDHP−1安定性を有することを見いだし、本発
明を完成するに至った。すなわち、本発明は (1)式(I):
【化7】 〔式中、R1は置換されていてもよい(C1-4)アルキル
基を、COOR2はエステル化されていてもよいカルボ
キシル基を、Raはハロゲンまたはそれぞれ置換されて
いてもよいヒドロキシル基、メルカプト基、アミノ基も
しくは(C1-6)ア ルキル基を、Rbは水素原子または
それぞれ置換されていてもよい(C1-6)アルキル基、
アシル基、カルバモイル基もしくはカルバミミドイル基
を示す〕で表されるカルバペネム化合物またはその塩、
【0005】(2)R1が式:
【化8】 〔式中、R3は水素原子、ハロゲンまたはそれぞれ置換
されていてもよいヒドロキシ基もしくはアミノ基を示
す〕で表される基である(1)記載の化合物、(3)R
3が除去可能な保護基で保護されていてもよいヒドロキ
シル基である(2)記載の化合物、(4)Raが置換さ
れていてもよい(C1-6)アルキル基で置換されていて
もよいヒドロキシル基、メルカプト基またはアミノ基で
ある(1)記載の化合物、(5)Raが置換されていて
もよいヒドロキシ(C1-6)アルキル基または置換され
ていてもよいアミノ(C1-6)アルキル基である(1)
記載の化合物、(6)Raが置換基を有していてもよい4
級化された窒素原子を含む基で置換された(C1-6)ア
ルキル基である(1)記載の化合物、(7)Raが(C
1-4)アルキル基で置換されていてもよい4級化された
窒素原子を含む基で置換された(C1-6)アルキル基ま
たはヒドロキシ(C1-6)アルキル基である(1)記載
の化合物、(8)4級化された窒素原子を含む基がヘテ
ロ原子として4級化された窒素原子を含む5〜6員複素
環基である(6)または(7)記載の化合物、(9)5
〜6員複素環基が1−ピリジニオ基または1−ピロリジ
ニオ基である(8)記載の化合物、(10)Rbが水素
原子またはそれぞれ置換されていてもよいアシル基もし
くは1−イミノ(C1-6)アルキル基である(1)記載
の化合物、(11)Rbが水素原子または1−イミノ
(C1-6)アルキル基である(1)記載の化合物および
(12)式
【化9】 〔式中、R1,R2,RaおよびRbは(1)記載と同意義
を、=Y,=Zは互いに反応して二重結合を形成するこ
とができる官能基を示す〕で表される化合物を閉環反応
に付すことを特徴とする(1)記載の化合物の製造方法
に関する。
【0006】本発明の化合物(I)またはそれらの塩は
グラム陽性菌から緑膿菌を含むグラム陰性菌に至る幅広
い病原菌に対し優れた抗菌作用を示すことをみいだし、
これに基づいて本発明を完成した。上記式(I)中、R
1で示される置換されていてもよい(C1-4)アルキル基
のアルキル基としては、直鎖状または分枝状のアルキル
基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブ
チル、イソブチルなど)が用いられ、その置換基として
は、たとえばシアノ基、アミノ基、モノまたはジ(C
1-4)アルキル(例、メチル、エチル、イソプロピルな
ど)アミノ基、ヒドロキシル基、(C1-4)アル キル−
オキシ基、カルバモイルオキシ基、(C1-4)アルキル
チオ基、(C1-4)アルキル−スルホニル基、ハロゲン
(例、フルオロ、クロロ、ブロモなど)、スルファモイ
ル基、(C1-4)アルコキシ−カルボニル基(例、メト
キシカルボ ニ ル、エトキシカルボニル、プロポキシカ
ルボニル、ブトキシカルボニルなど)、スルホオキシ基
などで置換されていてもよい。このような置換基の数は
好ましくは1ないし3個であって、複数の置換基の場合
はそれらは同一であっても異なっていてもよい。アルキ
ル基がアミノ基、ヒドロキシル基で置換されている場
合、これらは容易に除去可能な保護基で保護されていて
もよい。そのような保護基としてはトリメチルシリル、
トリエチルシリル、t−ブチルジメチルシリルなどのシ
リル基、アリルオキシカルボニル、t−ブトキシカルボ
ニル、ベンジルオキシカルボニル、p−ニトロベンジル
オキシカルボニルなどのアルコキシカルボニル基などが
好ましい。R1としては置換されていてもよいヒドロキ
シル基、ハロゲン(例、フルオロ、クロロ、ブロモな
ど)、スルホオキシ基、置換されていてもよいアミノ基
などで1または2個置換されていてもよい直鎖状または
分枝状の(C1-4)アルキル基 などを、具体的には、メ
チル、エチル、プロピル、ヒドロキシメチル、1−ヒド
ロキシエチル、1−ヒドロキシプロピル、1−ヒドロキ
シ−1−メチルエチル、フルオロメチル、1−または2
−フルオロエチル、1,1−ジフルオロエチル、1−メ
チル−1−スルホオキシエチル、アミノメチル、1−ア
ミノエチルなどを好都合に用いることができる。ここに
おいて、ヒドロキシル基またはアミノ基の置換基として
は、上記したそれらの基の除去可能な保護基が用いられ
る。さらに好ましくは式
【化10】 〔式中、R3は水素原子、ハロゲンまたはそれぞれ置換
されていてもよいヒドロキシ基もしくはアミノ基を示
す〕で表わされる基である。R3で示されるヒドロキシ
ル基またはアミノ基の置換基としては、上記したそれら
の基の除去可能な保護基が用いられる。R3として特に
好ましくはヒドロキシル基である。
【0007】上記式(I)中、COOR2で示されるエ
ステル化されていてもよいカルボキシル基のエステル残
基、つまりR2としては、セファロスポリンなどのβ−
ラクタムの分野において、例えばセファロスポリン4位
の生体内で脱離容易なエステル(所謂プロドラックとな
り得るエステル)を形成する基として繁用されているエ
ステル残基及び医薬分野でカルボン酸のエステル残基と
して慣用される基などが挙げられる。具体的には例えば
式: 〔式中R4は水素原子、アルキル基、シクロアルキル基
またはシクロアルキルアルキル基を、R5はアルキル
基、シクロアルキル基、シクロアルキルオキシ基、シク
ロアルキルアルキル基、アルケニルオキシ基またはフェ
ニル基を示す〕で表わされる基,フタリジル基,(2−オ
キソ−5−メチル−1,3−ジオキソール−4−イル)メ
チル基,アルコキシアルキル基,アルキルチオアルキル
基,第三級ブチル基,2,2,2−トリクロロエチル基,ベ
ンジル基,p−メトキシベンジル基,p−ニトロベンジル
基,o−ニトロベンジル基、フェネチル基、ビス(メト
キシフェニル)メチル基、3,4−ジメトキシベンジル
基、ベンズヒドリル基,トリチル基,トリメチルシリル
基、2−トリメチルシリルエチル基、アリル基などが用
いられる。上記式中、R4およびR5で示されるアルキル
基,並びに上記エステル残基中アルコキシアルキル基及
びアルキルチオアルキル基におけるアルキル基として
は、例えば炭素数1から6の直鎖もしくは分枝状のアル
キル基(例、メチル,エチル,プロピル,イソプロピル,ブ
チル,2,2−ジメチルプロピルなど)が,シクロアルキル
基およびシクロアルキルオキシ基あるいはシクロアルキ
ルアルキル基のシクロアルキル基としては例えば炭素数
3から7のシクロアルキル基(例、シクロプロピル,シ
クロブチル,シクロペンチル,シクロヘキシル,シクロヘ
プチルなど)などが用いられる。R5で示されるアルコ
キシ基,並びに上記エステル残基中アルコキシアルキル
基におけるアルコキシ基としては、例えば炭素数1から
10の直鎖もしくは分枝状のアルコキシ基(例、メトキ
シ,エトキシ,プロポキシ,イソプロポキシ,ブトキシ,ヘ
キシルオキシ,デシルオキシなど)などが用いられる。
またR5で示されるアルケニルオキシ基としては、例え
ば炭素数2から7の直鎖または分枝状のアルケニルオキ
シ基(例、アリルオキシなど)が用いられる。特に好まし
いR2で表わされるエステル残基としては、経口投与に
適した生物学的に不安定なエステル誘導体を与える基が
挙げられ、例えばアセトキシメチル基,1−アセトキシ
エチル基,1−アセトキシプロピル基,ピバロイルオキシ
メチル基,1−イソプロピルオキシカルボニルオキシエ
チル基,1−シクロヘキシルオキシカルボニルオキシエ
チル基,フタリジル基,(2−オキソ−5−メチル−1,3
−ジオキソール−4−イル)メチル基などが好都合に用
いられる。
【0008】Raとして使用される置換基としてはハロ
ゲンまたはそれぞれ置換されていてもよいヒドロキシル
基、メルカプト基、アミノ基あるいは(C1-6)アルキ
ル基が 用いられる。ハロゲンとしてはフルオロ、クロ
ロ、ブロモなどが好ましく使用される。「置換されてい
てもよいヒドロキシル基」、「置換されていてもよいメ
ルカプト基」、「置換されていてもよいアミノ基」の置
換基としては、たとえば(C1-6)アルキル(例、メチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチルなど)、
(C3-6)アルケニル(例、アリル、2−あるいは3−
ブテニルなど)、(C6-10)アリール(例、フェニル、
ナフチル)、(C7-12)アラルキル〔例、ベンジル、1
−または2−フェネチル、(1−または2−ナフチル)
メチルなど〕、(C3-6)シクロアルキル(例、シクロ
プロピル、シクロブチル、シクロペ ンチル、シクロヘ
キシルなど)、窒素原子、酸素原子、硫黄原子などのヘ
テロ原子を1−4個含む4−6員の複素環基などが用い
られ、これらの置換基はさらにシアノ、イミノ、カルバ
ミミドイル、グアニジノ、イミノ(C1-4)アルキルア
ミノ(例、イミノメチルアミノ、イミノエチルアミノな
ど)、アミノ、モノあるいはジ(C1-4)アルキルアミ
ノ(例、メチルアミノ、エチルアミノ、ジエチル アミ
ノ、ジイソプロピルアミノなど)、(C2-5)アルカノ
イルアミノ(例、ア セトアミド、プロパノイルアミ
ノ、ブタノイルアミノなど)、(C7-11)アロイルアミ
ノ(例、ベンズアミド、1−ナフトイルアミノなど)、
(C1-7)アルコ キシ−カルボニルアミノ(例、メトキ
シカルボニルアミノ、アリルオキシカルボニルアミノ、
ベンジルオキシカルボニルアミノなど)、ヒドロキシ、
シリルオキシ(例、トリメチルシリルオキシ、トリエチ
ルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキシな
ど)、(C1-4)アルキルオキシ(例、メトキシ、エト
キシ、 プロピルオキシなど)、(C2-5)アルカノイル
オキシ(例、アセチルオキシ、 プロパノイルオキシ、
ブタノイルオキシなど)、(C7-11)アロイルオキシ
(例、ベンゾイルオキシ、1−ナフトイルオキシな
ど)、カルバモイルオキシ、モノあるいはジ(C1-4
アルキルカルバモイルオキシ(例、N−メチルカルバモ
イ ルオキシ、N,N−ジエチルカルバモイルオキシな
ど)、(C1-4)アルキルチ オ(例、メチルチオ、エチルチ
オ、プロピルチオなど)、(C1-4)アルキルス ルフィ
ニル(例、メチルスルフィニル、エチルスルフィニルな
ど)、(C1-4) アルキルスルホニルアミノ(例、メチ
ルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノなど)、
ハロゲン(例、フルオロ、クロロ、ブロモなど)、スル
ファモイル、モノあるいはジ(C1-4)アルキルスルフ
ァモイル(例、N−メチルスルファ モイル、N,N−
ジエチルスルファモイルなど)、(C1-4)アルコキシ
カルボ ニル(例、メトキシカルボニル、エトキシカル
ボニル、t−ブトキシカルボニル、アリルオキシカルボ
ニルなど)、カルボキシ、カルバモイル、モノあるいは
ジ(C1-4)アルキルカルバモイル(例、N−メチルカ
ルバモイル、N,N−ジエ チルカルバモイルなど)、
あるいは置換基を有していてもよい4級化された窒素原
子を含む 基などの置換基で1ないし3個置換されてい
てもよい。
【0009】また「置換されていてもよい(C1-6)ア
ルキル基」のアルキル基としてはメチル、エチル、プロ
ピル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシルなど
が用いられ、これらはたとえば(C2-6)アルケニル、
(C6-10)アリール、(C7-12)アラルキル、
(C3-6)シクロアルキル、窒素原子、酸素原子、硫黄
原子などのヘテロ原子を1−4個含む4−6員の複素環
基、シアノ、イミノ、カルバミミドイル、グアニジノ、
イミノ(C1-4)アルキルアミノ(例、イミノメチルア
ミノ、イミノエチルアミノなど)、アミノ、モノあるい
はジ(C1-4)アルキルアミノ(例、メチルアミノ、エ
チルアミノ、ジエチルアミノ、ジイソプロピルアミノな
ど)、(C1-4)アルカノイルアミノ(例、アセトアミ
ド、プロパノイルアミノ、ブタノイルアミノなど)、
(C6-10)アロイルアミノ(例、ベンズアミド、1−ナ
フトイルアミノなど)、(C1-7)アルコキシ−カルボ
ニルアミノ(例、メトキシカルボニルアミノ、アリルオ
キシカルボニルアミノ、ベンジルオキシカルボニルアミ
ノなど)、ヒドロキシ、シリルオキシ(例、トリメチル
シリルオキシ、トリエチルシリルオキシ、t−ブチルジ
メチルシリルオキシなど)、(C1-4)アルキルオキシ
(例、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシなど)、
(C1-4)アルカノイルオキシ(例、アセチルオキシ、
プロパノイルオキシ、ブタノイルオキシなど)、(C
6-10)アロイルオキシ(例、ベンゾイルオキシ、1−ナ
フトイルオキシなど)、カルバモイルオキシ、モノある
いはジ(C1-4)アルキルカ ルバモイルオキシ(例、N
−メチルカルバモイルオキシ、N,N−ジエチルカルバ
モイルオキシなど)、(C1-4)アルキルチオ(例、メ
チルチオ、エチルチオ、プロピルチオなど)、
(C1-4)アルキルスルフィニル(例、メチルスルフィ
ニ ル、エチルスルフィニルなど)、(C1-4)アルキル
スルホニルアミノ(例、メ チルスルホニルアミノ、エ
チルスルホニルアミノなど)、ハロゲン(例、フルオ
ロ、クロロ、ブロモなど)、スルファモイル、モノある
いはジ(C1-4)アルキ ルスルファモイル(例、N−メ
チルスルファモイル、N,N−ジエチルスルファモイル
など)、(C1-4)アルコキシカルボニル(例、メトキ
シカルボニル、エ トキシカルボニル、t−ブトキシカ
ルボニル、アリルオキシカルボニルなど)、カルボキ
シ、カルバモイル、モノあるいはジ(C1-4)アルキル
カルバモイル(例、N−メチルカルバモイル、N,N−
ジエチルカルバモイルなど)、あるいは置換基を有して
いてもよい4級化された窒素原子を含む基などの置換基
で1ないし 3個置換されていてもよい。
【0010】上記の「ヘテロ原子を1−4個含む4−6
員環の複素環基」として使用される複素環としては、た
とえば、アゼチジン、フラン、ピロール、ピロリジン、
チオフェン、テトラヒドロチオフェン、チアゾール、イ
ソチアゾール、チアゾリン、チアゾリジン、オキサゾー
ル、イソオキサゾール、オキサゾリン、オキサゾリジ
ン、ピラゾール、ピラゾリン、イミダゾール、イミダゾ
リン、チアジアゾール、トリアゾール、テトラゾール、
ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、モル
ホリン、ピペラジン、ピペリジン、キヌクリジンなどが
用いられる。また「置換基を有していてもよい4級化さ
れた窒素原子を含む基」としては、式:
【化11】 〔式中、Rc,RdおよびReは置換されていてもよい同
一または異なったアルキル基を示す〕で表されるアンモ
ニオ基、または4級化された窒素原子を含めヘテロ原子
を1−3個有し、置換基を有していてもよい5−6員含
窒素複素環基もしくは同様のヘテロ原子を1−5個有
し、置換基を有していてもよい8−10員2環性含窒素
複素環基が好ましく、そのような複素環としてはピリジ
ニウム、ピリダジニウム、ピリミジニウム、ピラジニウ
ム、ピラゾリウム、トリアゾリウム、イミダゾリウム、
チアゾリウム、オキサゾリウム、チアジアゾリウム、イ
ソチアゾリウム、イソオキサゾリウム、N−メチルピロ
リジニウム、キノリニウム、イソキノリニウム、チエノ
ピリジニウム、イミダゾピリジニウム、イミダゾピリジ
ニウム、イミダゾピリダジニウム、トリアゾロピリジニ
ウム、トリアゾロピリダジニウム、キヌクリジウム、ジ
ヒドロピラゾロトリアゾリウムなどが用いられる。
【0011】好ましいRaで表される置換基としては、
たとえばヒドロキシ、メトキシ等のC1-4アルコキシ、
メトキシメトキシ等の(C1-4)アルコキシ−(C1-4
アルコキシ、2−アミノエトキシ等のアミノ(C1-4
アルコキシ、トリメチルシリルオキシもしくはt−ブチ
ルジメチルシリルオキシ等の(C1-6)アルキルシリル
オキシ、アリルオキシカルボニルオキシ、アミノ、メチ
ルアミノもしくはジメチルアミノ等のモノ−またはジ−
(C1-4)アルキルアミノ、アリルオキシカルボニルア
ミノ、フルオロもしくはクロロ等のハロゲン、メチルも
しくはエチル等の(C1-4)アルキル、ヒドロキシメチ
ル、2−ヒドロキシエチルもしくは3−ヒドロキシプロ
ピル等のヒドロキシ(C1-4)アルキル、2−(1−ピ
リジニオ)エチル、2−(1−メチルー1−ピロリジニ
オ)エチルなどが好都合に用られる。そのうち特に好ま
しいRaとしては、ヒドロキシ(C1-4)アルキル、2−
(1−ピリジニオ)エチルまたは2−(1−メチル−1
−ピリジニオ)エチルである。Rbは水素原子、それぞ
れ置換されていてもよい(C1-6)アルキル基、アシル
基、カルバモイル基、もしくはカルバミミドイル基を表
す。Rbで示される「置換されていてもよい(C1-6)ア
ルキル基」としては上記R aで示された「置換されてい
てもよい(C1-6)アルキル基」と同様の基が使用され
る。
【0012】「置換されていてもよいアシル基」として
は有機カルボン酸から誘導されるアシル基、たとえばホ
ルミル基、(C1-6)アルキル−カルボニル基(例、ア
セチル、プロピオニルなど)、(C6-10)アリール−カ
ルボニル基(例、ベンゾイル、1−または2−ナフトイ
ルなど)、(C7-19)アラルキル−カルボニル基(例、
ベンジルカルボニル、2−フェネチルカルボニルな
ど)、5−6員環芳香族複素環カルボニル基(例、フロ
イル、イソニコチノイルなど)、(C1-6)アルキルオ
キシ−カルボニル基(例、メトキシカルボニル、t−ブ
トキシカルボニルなど)、(C3-6)アルケニルオキシ
−カルボニル基(例、アリルオキシカルボニルなど)、
(C6-10)アリールオキシ−カルボニル基(例、フェノ
キシカルボニル、1−および2−ナフトキシカルボニル
など)、(C7-11)アラルキルオキシ−カルボニル基
(例、ベンジルオキシカルボニルなど)が用いられ、こ
れらはアミノ、モノあるいはジ(C1-4)アルキルアミ
ノ(例、メチルアミノ、ジメチルアミノなど)、ニト
ロ、ハロゲン(例、フルオロ、クロロ、ブロモなど)、
ヒドロキシ、カルバモイル、(C1-4)アルコキシ
(例、メトキシ、エトキシなど)などで1ないし3個置
換されていてもよい。
【0013】「置換されていてもよいカルバモイル基」
および「置換されていてもよいカルバミミドイル基」の
置換基としては直鎖状または分枝状の(C1-6)アルキ
ル基(例、メチル、イソプロピルなど)、(C3-6)ア
ルケニル基(例、アリルなど)、(C3-6)アルキニル
基(例、2−プロピニルなど)、(C2-5)アルカンジ
イル基(例、エチレン、1,3−プロパンジイル、1,
4−ブタンジイル、1,5−ペンタンジイルなど)、
(C7-12)アラルキル基(例、ベンジルなど)、あるい
は(C6-10)アリール基(例、フェニル、ナフチルな
ど)などが用いられる。このような置換基の数は1ない
し2であって複数の置換基の場合は同一であっても異な
っていてもよい。さらにこのような置換基はたとえばア
ミノ、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン(例、フルオロ、
クロロ、ブロモなど)などの置換基で1ないし3個置換
されていてもよい。特に好ましいRbで表される置換基
としてはたとえば水素原子または1−イミノ(C1-6
アルキル基〔例、1−イミノメチル(すなわちホルムイ
ミドイル)、1−イミノエチル(すなわちアセトイミド
イル)など〕などが好都合に用いられる。
【0014】化合物(I)の塩としては好ましくは薬理学
的に受容される塩が用いられる。薬理学的に受容される
塩としては、無機塩基との塩,有機塩基との塩,無機酸と
の塩,有機酸との塩,塩基性または酸性アミノ酸との塩な
どが用いられる。これらの塩類を生成させうる無機塩基
としてはアルカリ金属(例、ナトリウム,カリウムなど),
アルカリ土類金属(例、カルシウム,マグネシウムなど)
などが、有機塩基としては例えばトリメチルアミン,ト
リエチルアミン,ピリジン,ピコリン,N,N′−ジベンジ
ルエチレンジアミン,エタノールアミン,ジエタノールア
ミン,トリスヒドロキシメチルアミノメタン,ジシクロヘ
キシルアミンなどが、無機酸としては例えば塩酸,臭化
水素酸,硫酸,硝酸,リン酸などが、有機酸としては例え
ばギ酸,酢酸,トリフルオロ酢酸,シュウ酸,酒石酸,フマ
ール酸,マレイン酸,メタンスルホン酸,トリフルオロメ
タンスルホン酸,ベンゼンスルホン酸,p−トルエンスル
ホン酸などが、塩基性または酸性アミノ酸としては例え
ばアルギニン,リジン,オルニチン,アスパラギン酸,グル
タミン酸などが用いられる。これらの塩のうち塩基との
塩(すなわち無機塩基との塩,有機塩基との塩,塩基性ア
ミノ酸との塩)は化合物(I)の置換基のカルボキシル基
と、またはR1,Ra,Rbにカルボキシル基などの酸性基
が存在する場合に形成しうる塩を意味し、酸との塩(す
なわち無機酸との 塩,有機酸との塩,酸性アミノ酸との
塩)は化合物 (I)の置換基アミノ基と、またはR1,
a,Rbにアミノ基などの塩基性基が存在する場合に形
成しうる塩を意味する。
【0015】化合物(I)またはその塩は、臨床分離株菌
を含むグラム陽性及びグラム陰性細菌に対して優れた抗
菌活性を示す価値ある抗生物質であり、人及び家畜の医
薬として利用され、種々の細菌によって引起される感染
を治療及び予防する抗菌剤として安全に使用される。さ
らに本発明の化合物(I)またはその塩は、たとえば飼料
を防腐するために殺菌剤として動物用飼料に添加するこ
ともできる。また医科及び歯科装置上の有害な細菌を除
去するための殺菌剤として用いることができる。 本発
明の化合物(I)またはその塩は、単独でまたは他の活性
成分と組合せて必要により医薬として 許容される担体
とともに、又は適宜安定化剤,分散剤などの補助剤を加
えて例え ばカプセル剤,錠剤,溶液,懸濁液または乳濁液
のような液剤などの製剤として使 用することができ
る。これらは、非経口的に(例えば静脈もしくは筋肉内
に注射)または経口的に投与することができる。注射用
製剤は、アンプルまたは防腐剤を添加した容器の使用形
態で提供し得る。該製剤は、油性または水性溶媒中の懸
濁液、溶液または乳濁液であってもよく、公知の懸濁
剤、安定化剤及び(または)分散剤などの補助剤を適宜含
有していてもよい。また、化合物(I)またはその塩は、
粉末剤,散剤として使用直前に適当な溶媒、たとえば殺
菌した発熱性物質を含有していない水で溶解したのち使
用に供することができる。
【0016】化合物(I)またはその塩は結合剤たとえば
シロップ,アラビアゴム,ゼラチン,ソルビトール,トラガ
ントゴム,ポリビニルピロリドンなど、充填剤たとえば
ラクトース,糖類,とうもろこし澱粉,燐酸カルシウム,ソ
ルビトール,グリシンなど、 かったく剤たとえばステア
リン酸マグネシウム,タルク,ポリエチレングリコー ル,
シリカなど,崩かい剤たとえば馬鈴著澱粉などまたは湿
潤剤たとえばナトリウムラウリルサルフェートなどと適
宜混合したのち、経口投与用の錠剤,カプセル 剤,散剤,
粉末とすることができる。錠剤,散剤などは自体公知の
方法によってフ ィルムコーティングすることもでき
る。経口用製剤は、水性または油性懸濁液、溶液、乳濁
液、シロップ、エリキシルなどの液状製剤として用いて
もよい。また、これらの製剤に、例えば公知の酸化防止
剤、防腐剤、結合剤、湿潤剤、滑沢剤、粘稠剤または風
味剤などの成分を混合してもよい。さらに、製剤に他の
活性成分(例えばβ−ラクタム系抗生物質)を混合してよ
り広いスペクトルの抗菌活性を示す製剤とすることもで
きる。化合物(I)またはその塩は、細菌感染症治療剤と
して、例えば人や他の哺乳動物の呼吸器感染症、尿路感
染症、化膿性疾患、胆道感染症、腸内感染症、産婦人科
感染症、耳鼻科感染症、外科感染症などの治療及び予防
に用いることができる。化合物(I)またはその塩の1日
投与量は、患者の状態や体重、投与の方法などにより異
なるが、非経口投与では、成人体重1kg当り活性成分
(化合物(I)またはその塩)として約0.5から80mg、
好ましくは約2から40mgであり、毎日1から4回に分
けて静脈または筋肉内注射により投与するのが適当であ
る。又経口投与量は、1日当り1から3回にわけて成人
の体重1kg当り活性成分(化合物(I)またはその塩)約1
から100mgが適当である。
【0017】本発明の化合物(I)は公知の方法(特開平
4−178389)に従って製造することができる。例
えば、式(I)で表わされる化合物は、式(II)
【化12】 〔式中R1,R2,Ra,Rbは前記と同意義を意味し、=
Y,=Zは互いに反応して二重結合を形成することがで
きる官能基を意味する〕で表わされる化合物を閉環反応
に付すことによって製造することができる。二重結合を
形成するために要する官能基Y,Zおよび形成反応は自
体公知の反応を採用することができる。〔アニュアル
レポーツ イン オーガニック シンセシス(Annual Re
ports in Organic Sythesis)1975−1990, Acad
emic Press, Inc、San Diego 〕およ び〔 F. A. Care
y and R. J. Sundberg、 アドバンス オーガニック ケ
ミストリー第2版(Advanced Organic Chemistry Secon
d Edition)、 Plenum Press、 New York and London(19
83)〕 具体的な方法としては、ウィテッヒ型反応(ウィテッ
ヒ、ホーナー、エモンズ反応)、ピーターソン型反応、
脱水をともなうアルドール型反応、低電子価金属を用い
るマクマリー型反応などを用いることができる。より望
ましくは、
【化13】 〔式中R6,R6′は低級アルキルオキシ基、低級アルキ
ル基またはアリール基を意味する〕などを用いるウィテ
ッヒ型反応があげられる。 より具体的方法としては例
えば次のような製造法をあげることができる。
【0018】製造法1 化合物(I)は、式(II−1):
【化14】 〔式中、R1,R2は前記と同意義を意味する〕で表わさ
れる化合物(以下化合物(II−1)と略称する。以下の化
合物についても同様に略称する)と、式(IV),(IV′): P(R6)3 (IV), P(R6)26′(IV′) 〔式中、R6,R6′は前記と同意義である〕を反応させ
必要に応じて保護基を除去することによって得られる。
上記反応は通常、 無溶媒あるいは不活性溶媒中加熱する
ことによって行なわれる。化合物(II−1)の構造式中、
アミノ基,ヒドロキシル基又はカルボキシル基などの反
応性基が含まれる場合には、これらの基は下記する保護
基によって保護されていてもよい。R6およびR6′で表
される低級アルキルオキシ基としては、例えばメトキ
シ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシなどC1-6アルキ
ルオキシ基が、低級アルキル基としてはメチル、エチ
ル、プロピル、ブチル、ペンチルC1-6アルキル基など
が、そしてアリール基としてはフェニルなどC6-10アリ
ール基が用いられる。反応に用いられる不活性溶媒とし
ては、特に限定はないが、ベンゼン、トルエン、キシレ
ンなどの芳香族炭化水素類、ジオキサン、ジエトキシエ
タン、テトラヒドロフランなどのエーテル類またはジク
ロロメタン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類
が好ましい。化合物(IV)または(IV′)は化合物(II−1)
の2モル当量以上好ましくは2〜10モル当量用いるの
が好ましい。反応の温度は、原料化合物(II−1)、(I
V)、(IV′)、 溶媒の種類などによって異なるが、通常約
20〜160℃好ましくは約80〜140℃である。反
応時間は通常30分〜100時間好ましくは1〜72時
間程度である。
【0019】製造法2 化合物(I)は、式(II−2):
【化15】 〔式中、R1,R2およびR6は前記と同意義〕で表され
る化合物を閉環反応に付し、さらに必要に応じて保護基
を除去することにより製造される。上記閉環反応は、 通
常不活性溶媒中で行なわれる。 化合物(II−2)の構造
式中、アミノ基,ヒドロキシル基又はカルボキシル基な
どの反応性基が含まれる場合には、これらの基は下記す
る保護基によって保護されていてもよい。閉環反応は不
活性溶媒中約0〜160℃の温度範囲で、好ましくは約
30〜140℃の温度範囲で加熱することによって行わ
れる。好ましい不活性溶媒としては、前記の芳香族炭化
水素類、エーテル類、ハロゲン化炭化水素類が用いられ
る。反応時間は化合物(II−2)の種類、反応温度にもよ
るが約30分〜100時間通常1時間〜72時間程度で
ある。
【0020】式(II−1)または(II−2)において、R1
またはR2で示される置換分中にアミノ基が存在する場
合、このアミノ基は保護基で保護されていることが好ま
しく、このアミノ基の保護基としては、例えばβ−ラクタ
ムおよびペプチドの分野で使用されるものが適宜に採用
されうるが、なかでもホルミル,クロロアセチル,フェニ
ルアセチル,フェノキシアセチル,第三級ブトキシカル
ボニル,ベンジルオキ シカルボニル, p−メトキシベン
ジルオキシカルボニル,p−ニトロベンジルオキ シカル
ボニル,2−トリメチルシリルエトキシカルボニル,2,
2,2−トリクロロエトキシカルボニル,トリチル、アリ
ルオキシカルボニルなどが好ましい。また、ヒドロキシ
ル基の存在する場合、このヒドロキシル基は保護されて
いることが好ましく、このヒドロキシル基の保護基とし
ては、例えばクロロアセチル,ベンジル,p−ニトロベンジ
ル,o−ニトロベンジル、メチルチオメチル,トリメチル
シリル,トリエチルシリル、第三級ブチルジメチルシリ
ル,第三級ブチルジフェニルシリル,2−テトラヒドロピ
ラニル,4−メトキシ−4−テトラヒドロピラニル、 p
−ニトロベンジルオキシカルボニル、o−ニトロベンジ
ルオキシカルボニル、アリルオキシカルボニルなどが用
いられ、さらにカルボキシル基が存在する場合、このカ
ルボキシル基は保護されていることが好ましく、このカ
ルボキシル基の保護基としてはベンジル,ベンツヒドリ
ル,トリチル,p−メトキシベンジル,p−ニトロベンジル,
o−ニトロベンジル、フェネチル、2−トリメチルシリ
ルエチル、ビス(p−メトキシフェニル)メチル、第三
級ブチル、 アリルなどが用いられる。
【化16】 =Zが=S,=P(R6)3,=Seの化合物の場合も、 上記
製造法1,2に準じた製造法で化合物(I)を製造するこ
とが出来る。本発明に用いられる原料化合物(II)は、自
体公知の手段によって製造することができる(特開平4
−178389)。たとえば化合物(II−1),(II−2)
は〔化17〕に示される方法によって製造することがで
きる。
【0021】
【化17】 〔工程1〕 式(V):
【化18】 〔式中、R1は前記と同意義、R7は水素原子または容易
に除去出来る保護基を、Lはアセトキシ、ベンゾイルオ
キシ、(C6-10)アリールスルホニルまたは(C1-6
アルキルスルホニル基を意味する〕で表わされる化合物
と式(VI):
【化19】 〔式中、Ra,Rbは前記と同意義、R8は容易に除去で
きるエノール保護基を示す〕で表わされる化合物の反応
はトリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル、三
ふっ化ホウ素エーテル錯体、ヨウ化亜鉛、臭化亜鉛、 塩
化亜鉛、塩化マグネシウム、四塩化チタン、三塩化チタ
ン、塩化第一スズ、塩化第二スズ、スズトリフラート、
ジエチルボロントリフラート、塩化第二鉄、塩化アルミ
ニウムなどからえらばれたルイス酸触媒の存在下に、ま
た必要に応じてジイソプロピルエチルアミン、トリエチ
ルアミン、トリメチルアミン、ピリジンなど含窒素塩基
の存在下に、非プロトン性溶媒例えば、ヘキサン、ベン
ゼン、トルエン、ジクロロメタン、クロロホルム、ジオ
キサン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ニトロ
メタンまたはエーテル中で行い、反応温度は−100〜
80℃である。より好ましくはルイス酸触媒としてトリ
フルオロメタンスルホン酸または臭化亜鉛、溶媒として
はジクロロメタンが用いられ、反応温度は−20〜50
℃である。
【0022】式(V)中、R7で示される容易に除去で
きる保護基としては、トリメチルシリル、t−ブチルジ
メチルシリル、フェニルジメチルシリルなどのオルガノ
シリル基、ベンジル、p−ニトロベンジル、p−メトキ
シベンジル、ベンズヒドリル、2,4−ジメトキシベン
ジル基などが用いられる。式(VI)中、R8で示される
容易に除去できるエノール保護基としては、いわゆるア
ルドール反応において広く用いられているものが使用で
きる(向山光昭“オルガニック リアクションズ(Organ
ic Reaction)"第28巻 John Wely & SonsInc. New Yor
k (1982)を参照)。例えば、トリメチルシリル、t−ブ
チルジメチルシリル、ジ−n−ブチルボリル、ジメチル
ボリル、ジエチルボリル、トリブチルスズ、リチウム及
び式 MgQ,ZnQ,AlQ2,BQ2,SnQ,ZrQ,Zr(cp)2
Q,TiQ3(ここでQはF,Cl,Br,トリフラート,アル
コキシド,ジアルキルアミドである。またcpはシクロペ
ンタジエニルである)で表わされる化合物などである。
また化合物(V)と化合物(VI′):
【化20】 〔式中、Ra,Rbは前記と同意義、Xはハロゲンを意味
する〕の反応は金属末または低原子価金属塩、例えば亜
鉛末などの存在下に、非プロトン性溶媒、例えば、ジエ
チルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ベン
ゼン、ヘキサン、シクロヘキサン、N,N−ジメチルホ
ルムアミド、またはN,N−ジメチルアセトアミド中で
行う。反応温度は、好ましくは0〜100℃である。化
合物(V)と化合物(VI)あるいは(VI′)を反応後、
必要に応じて保護基を除去すると化合物(VII)が得ら
れる。
【0023】〔工程2〕一般式(VII)の化合物に式
2OCO−COOHで表わされる有機酸のエステルも
しくは酸ハロゲン化物のような反応誘導体を−100〜
80℃の温度で、反応させることにより化合物(II−1)
が得られる。酸ハロゲン化物を使用する場合、その操作
は、好ましくは酸結合剤、例えば脂肪族3級アミン、芳
香族アミンまたはアルカリ金属またはアルカリ土類金属
の炭酸塩または重炭酸塩の存在下に行われる。好ましい
溶媒としては、たとえば前記のエーテル類、ハロゲン化
炭化水素類が用いられる。
【0024】〔工程3〕一般式(VII)の化合物にR2
CO−CHOのグリオキシル酸またはそれらの適当な誘
導体、例えば水和物、半水和物または、例えば低級アル
カノール(例えばメタノール、エタノール)とのヘミア
セタールと反応させることにより一般式(VIII)の化合
物をうることができる。この反応は室温下または加熱し
ながら実施する。グリオキシル酸の水和物を用いる場合
には、共沸脱水によるか、または適当な脱水剤を用い
て、水を除去しながら行われる。好ましくは、この反応
は適当な不活性溶媒中で実施される。
【0025】〔工程4〕一般式(VIII)の化合物を適当
な溶媒中(例えばジオキサン、テトラヒドロフラン)、
所望により冷却しながら(例えば約−30〜30℃),
有機塩基(例えば、トリエチルアミンなどの脂肪族3級
アミン、ピリジン、ピコリン、ルチジン)の存在下、ハ
ロゲン化チオニル(例えば塩化チオニル)で処理し、ハ
ロゲン化物を得、続いて前記の有機塩基の存在下、一般
式(IV)で表される3価のリン化合物を反応することに
より、一般式(II−2)の化合物が得られる。この反応は
好ましくは不活性溶媒中(例えば、前記のエーテル類、
ハロゲン化炭化水素類、酢酸エチル、酢酸メチルなどの
エステル類)−10〜100℃にて行われる。上記化合
物(II−1),(II−2)以外の化合物(II)は、上記に準じ
る方法その他テトラヘドロン レターズ(Tetrahedron L
ett.)第25巻第2793頁(1984)に記載の方法な
どに準じて製造することができる。
【0026】さらに化合物(I)は式(III)または(II
I’):
【化21】 〔式中、R1,R2は前記と同意義を、R9,R10は互いに
縮合して窒素を含む環構造を形成する官能基であり、R
9はアミノ基、モノ(Rb)置換アミノ基を示し、R10
窒素原子を含む官能基の窒素原子と縮合することが知ら
れている官能基、たとえばいわゆる脱離基、水酸基また
はアルデヒドおよびその等価体(例、ジメチルアセター
ルなど)を意味する〕で表わされる化合物自体を閉環反
応に付すことにより製造される。化合物(III)または(II
I′)の構造式中、R1,R2およびRaにアミノ基、ヒド
ロキシル基またはカルボキシル基などの反応性基が含ま
れる場合には、これらの基は前記の保護基によって保護
されていてもよい。R10に含まれる脱離基としては塩素
原子、臭素原子、ヨウ素原子、メタンスルホニルオキシ
基、トリフロロメタンスルホニルオキシ基、ベンゼンス
ルホニルオキシ基、トルエンスルホニルオキシ基、ジエ
チルホスホリルオキシ基、ジフェニルホスホリルオキシ
基などが用いられる。閉環反応を促進させるために反応
促進剤を用いてもよい。そのような反応促進剤として
は、R9,R10の官能基の種類によって異なるが、R10
脱離基の時にはたとえばトリエチルアミン、ジイソプロ
ピルエチルアミン、ピリジンなどの有機塩基、炭酸水素
ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどの無機
塩基、R10が水酸基の時にはジアルキルアゾジカルボキ
シレート (アルキルはエチル、イソプロピルなど)−ト
リフェニルホスフィンなどの脱水縮合剤、R9がアルデ
ヒドおよびその等価体の時には脱水剤(例、モレキュラ
ーシーブなど)と還元剤(例、水素化ホウ素ナトリウム
などの金属ヒドリド、白金などを触媒とする接触水素添
加反応など)の組み合わせなどが用いられる。
【0027】閉環反応に用いられる溶媒としては、R9,
10の官能基の種類によって異なるが、N,N−ジメチ
ルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどの
アミド類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチル
エーテルなどのエーテル類、ジクロロメタン、クロロホ
ルムなどのハロゲン化炭化水素類、アセトニトリル、酢
酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類、ベンゼン、ト
ルエンなどの芳香族炭化水素類、メタノール、エタノー
ルなどのアルカノール類、水およびこれらの混合溶媒な
どが用いられる。反応温度はR9,R10の官能基の種類に
よって異なり特に限定されないが、副反応を押さえるた
め比較的低温で行うのが望ましく、通常−20〜100
℃で行われる。反応時間もR9,R10の官能基の種類によ
って異なり特に限定されないが、通常10分から72時
間である。本発明に用いられる原料化合物(III)および
(III′)は特開昭55−69586,55−89285,
60−202886,62−195382,63−30
3981,63−170378,特開平1−93586
などに記載の方法またはそれに準じる方法によって合成
される。
【0028】このようにして得られる目的化合物は公知
の手段、例えば溶媒抽出,液性変換,転溶,塩析,晶出,再
結晶,クロマトグラフィーなどによって単離精製するこ
とができる。また反応生成物中に保護基が含まれている
場合には、必要ならばその保護基を通常の方法により除
去することによって化合物(I)またはその塩が得られ
る。β−ラクタム,ペプチド合成の分野でアミノ,ヒドロ
キシルまたはカルボキシルの保護基は十分研究され、保
護の方法及び脱保護の方法は確立されている。たとえば
該保護基を除去する方法としては、酸による方法,塩基
による方法,0価パラジウムを用いる方法、ヒドラジン
による方法,還元による方法,N−メチルジチオカルバミ
ン酸ナトリウムによる方法などの公知の手段を適宜選択
して用いることができる。また、上記した方法によって
得られる目的化合物を含む反応生成物あるいはその他公
知方法に従って得られる反応生成物(I)は、通常ジア
ステレオアイソマー混合物として得られる。これらの混
合物は、分別再結晶またはカラムクロマトグラフィーに
よって分類されうる。以下、本明細書中で化合物(I)
について述べるときは、特にことわらない限りジアステ
レオマー混合物を意味する。
【0029】
〔測定方法〕
試験例 最小発育阻止濃度(MIC) 試験化合物の最小発育阻止濃度〔MIC:minimal inh
ibitory concentration)(単位:μg/ml)〕は寒天希釈
法(agar dilution method)により決定された。即ち、
段階希釈法により希釈した試験化合物の水溶液0.25m
lをシャーレ(petridish)に注ぎ、次にミューラーヒント
ン アガー(Muller−Hinton agar)9.75mlを注いで
混ぜる。その混合寒天プレート上に、試験菌の懸濁液
(約106CFU/ml)を塗沫する。37℃で一夜培養(in
cubation)した後、試験菌の増殖を完全に阻止する試験
化合物の最低濃度を、MICとする。
【表1】 MIC(μg/ml) 106CFU/ml 試 験 菌 実施例4の化合物 S.アウレウス(S.aureus)FDA 209P 0.2 E.コリ (E.coli) NIHJ JC-2 0.05 P.エルギノーザ(P.aeruginosa) IFO 3445 0.78
【0030】以下に参考例,実施例で本発明をさらに詳
しく説明する。しかしこれらは単なる例であって本発明
を何ら限定するものではない。以下の参考例、実施例の
カラムクロマトグラフィーにおける溶出はTLC(薄層
クロマトグラフィー)による観察下に行なわれた。TL
C観察においては、TLCプレートとしてメルク(Merc
k)社製の60F254を、展開溶媒としてはカラムクロマ
トグラフィーで溶出溶媒として用いられた溶媒を、検出
法としてUV検出器を採用した。カラム用シリカゲルは
同じくメルク社製のキーゼルゲル60(70〜230ま
たは230〜400メッシュ)を用いた。CHP−20
樹脂およびSP−207SS樹脂は三菱化成製である。
LH−20樹脂はファルマシア社製である。NMRスペ
クトルは内部または外部基準としてテトラメチルシラン
または3−(トリメチルシリル)プロピオン酸ナトリウム
を用いてGEMINI200(200MHz)スペクト
ロメーターで測定し、全δ値をppmで示した。混合溶媒
において( )内に示した数値は各溶媒の容量混合比であ
る。混合溶媒における%は容量パーセントを示す。参考
例、実施例中の記号は次のような意味を有する。 s :シングレット d :ダブレット t :トリプレット q :クワルテツト dd :ダブル ダブレット ddd :ダブルダブルダブレット ddt :ダブルダブルトリプレット m :マルチプレット dt :ダブル トリプレット dq :ダブル クワルテット qd :クワドルプル ダブレット br. :幅広い J :カップリング定数
【0031】参考例1 4−オキソ−3−ピペリジンカルボン酸メチル(50g)
をTHF−水(1:1,700ml)に溶解し、 氷冷下炭酸
水素ナトリウム(65g)と塩化カルボベンゾキ シ(5
5.2ml)を加え、同温で2時間撹拌した。 反応液を酢酸
エチル(11)で抽 出し、 抽出液を水(500ml)、飽和
食塩水(500ml)で順次洗浄し無水硫酸マグネシウムで
乾燥した。 減圧下溶媒留去して得られた残さを真空乾燥
し、 シリカゲルカラム(70−230 mesh, 500g,
酢酸エチル−ヘキサン1:5)に供し、4−オキソピペ
リジン−1,3−ジカルボン酸1−ベンジル3−メチル
(52.5 g)を得た。 IR(neat): 2950, 1700, 1660, 1620 cm-1.1 H NMR(CDCl3)δ: 1.59(1H,s), 2.39(2H,t,J=5.8
Hz), 3.65(2H,t,J=5.8Hz), 3.78(3H,s), 4.14(2H,s),
5.16(2H,s), 7.3−7.5(5H,m).
【0032】参考例2 水素化ナトリウム(60% in oil, 7.6g)の乾燥DM
F(60ml)溶液に、 氷冷下参考例1で得られた化合物
(52.5g)の乾燥DMF溶液を滴下し、同温で15分
間撹拌した。 得られた反応液によう化2−(tert−ブ
チルジメチルシリルオキシ)エチル(103g)の乾燥D
MF(60ml)溶液を加え、60℃で24時間撹拌した。
エーテル(1l)を加え、 飽和塩化アンモニウム(500
ml×3)、飽和食塩水(500ml)で順次洗浄後無水硫酸
ナトリウムで乾燥した。 減圧下溶媒留去して得られた残
さをシリカカラム(70−230 mesh, 900g, 酢酸
エチル−ヘキサン1:5)に供し、 3−〔2−(tert−ブ
チルジメチルシリルオキシ)エチル〕−4−オキソピペ
リジン−1,3−ジカルボン酸1−ベンジル3−メチル
(50.6g)を淡黄色油状物として得た。 IR(neat): 2950, 2930, 2850, 1710 cm-1.1 H NMR(CDCl3)δ: 0.02(6H,s), 0.86(9H,s), 1.8
−2.2(2H,m), 2.5−2.8(2H,m), 3.2−3.8(4H,m), 3.65
(3H,s), 4.0−4.2(1H,m), 4.5−4.7(1H,m), 5.18(2H,
s), 7.3−7.5(5H,m).
【0033】参考例3 参考例2で得られた化合物(52.5g)と6N塩酸(25
0ml)とを混合し、 80℃で15時間撹拌した。 室温ま
で冷却後反応液をエーテル(100ml)で洗浄し、 減圧下
溶媒留去した。 得られた残さに飽和炭酸水素ナトリウム
水溶液を加えてpHを7に調整し、さらに水を加えて全
量を100mlとした。 氷冷下でTHF(100ml)、 炭酸
水素ナトリウム(24g)、 クロロぎ酸アリル(14.4m
l)を順次加え、 同温で2時間撹拌した。 減圧下にTHF
を留去して得られた残さより酢酸エチル(300ml)で抽
出し、 抽出液を飽和食塩水(100ml)で洗浄し、 無水硫
酸ナトリウムで乾燥した。 減圧下溶媒留去して得られた
残さをシリカカラム(70−230 mesh, 400g, 酢
酸エチル−ヘキサン1:2)に供し、 7a−ヒドロキシオ
クタヒドロフロ〔4,5−c〕ピリジン−5−カルボン
酸アリルを淡黄色油状物として21.6g得た。 IR(neat): 3400, 2920, 1700 cm-1.1 H NMR(CDCl3)δ: 1.5−2.5(5H,m), 2.61(1H,dd,
J=10.4 and 13.6Hz), 2.9−3.1(1H,m), 3.9−4.2(4H,
m), 4.60(2H,dt,J=5.6 and 1.4Hz), 5.2−5.4(2
H,m), 5.95(1H,ddt,J=10.4,
17.2 and 5.6Hz).
【0034】参考例4 参考例3で得られた化合物(21.6g)を乾燥DMF
(400ml)に溶解し、 イミダゾール(16.2g)とt−
ブチルジメチルクロロシラン(17.2g)を加え、室温
で8時間撹拌した。 反応液にエーテル(2l)を加え、水
(500ml×3)、 飽和食塩水(500ml)で順次洗浄し、
無水硫酸ナトリウムで乾燥した。 減圧下溶媒留去して得
られた残さをシリカカラム(70−230 mesh, 600
g, 酢酸エチル−ヘキサン1:6)に供し、 3−〔2−
(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル〕−4−オ
キソピペリジン−1−カルボン酸アリルを無色油状物と
して30.0g得た。 IR(neat): 2960, 2930, 2850, 1700 cm-1.1 H NMR(CDCl3)δ: 0.04(6H,s), 0.88(9H,s), 1.3
−1.6(1H,m), 1.9−2.1(1H,m), 2.48(2H,t,J=6.0Hz),
2.5−2.7(1H,m), 3.10(1H,dd,J=10.0 and 13.4Hz), 3.3
−3.5(1H,m), 3.6−3.8(2H,m), 4.1−4.2(1H,m), 4.26
(1H,ddd,J=2.0,5.8and 13.4Hz), 4.65(2H,d,J=5.6Hz),
5.2−5.4(2H,m), 5.96(1H,ddt,J=10.2,17.2 and 5.6H
z).
【0035】参考例5 参考例4で得られた化合物(10.5g)を乾燥ジクロロ
メタン(130ml)に溶解し、 −78℃でジイソプロピル
エチルアミン(21.4ml)とトリフルオロメタンスルホ
ン酸トリメチルシリル(17.8ml)を加え、氷冷下で1時
間撹拌した。 反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液
(500ml)を加え、ヘキサン(500ml)で抽出した。抽
出液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(500ml)、 飽和
食塩水(500ml)で順次洗浄し、 無水硫酸マグネシウム
で乾燥した。 減圧下溶媒留去し真空乾燥し、 3−〔2−
(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル〕−4−
(トリメチルシリルオキシ)−1,2,3,6−テトラヒド
ロピリジン−1−カルボン酸アリルを淡黄色油状物とし
て12.7g得た。 IR(neat): 2950, 2930, 2850, 1710 cm-1.1 H NMR(CDCl3)δ: 0.05(6H,s), 0.20(9H,s), 0.8
9(9H,s), 1.4−1.6(1H,m), 1.8−2.0(1H,m), 2.2−2.3
(1H,m), 3.6−4.2(6H,m), 4.60(2H,dt,J=5.4 and1.4H
z), 5.2−5.4(2H,m), 5.94(1H,ddt,J=10.4,17.2 and 5.
4Hz).
【0036】参考例6 (3R,4R)−4−アセトキシ−3−〔(R)−1−(アリ
ルオキシカルボニルオキシ)エチル〕アゼチジン−2−
オン(7.90g)と参考例5で得られた化合物(12.7
g)を乾燥ジクロロメタン(130ml)に溶解し、 臭化亜
鉛(20.7g)を加 えて室温で8.5時間撹拌した。 反
応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(200ml)を加
え、ジクロロメタン(150ml×3)で抽出した。 抽出液
を集め、飽和食 塩水(200ml)で洗浄し無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥した。 減圧下溶媒留去して得られた残さ
をシリカカラム(70−230 mesh, 400g, 酢酸エ
チル−ヘキサン1:2)に供し、 (3R,5S)−3−
〔(2R,3S)−3−〔(R)−1−〔(アリルオキシカル
ボニルオキシ)エチル〕−4−オキソアゼチジン−2−
イル〕− 5−〔2−(tert−ブチルジメチルシリルオキ
シ)エチル〕−4−オキソピペリジン−1−カルボン酸
アリルを無色油状物として4.03gを得た。 IR(neat): 2930, 2850, 1750, 1700 cm-1.1 H NMR(CDCl3)δ: 0.04(6H,s), 0.88(9H,s), 1.3
6(3H,d,J=6.4Hz), 1.4−1.6(1H,m), 1.9−2.1(1H,m),
2.6−2.8(2H,m), 3.16(1H,dd,J=2.2 and 7.2Hz),3.2−
4.3(7H,m), 4.5−4.7(4H,m), 5.05(1H,dq,J=7.2 and 6.
4Hz), 5.2−5.4(4H,m), 5.8−6.1(3H,m).
【0037】参考例7 参考例6で得られた化合物(4.02g)をベンゼン(15
0ml)に溶解し、 グリオキシル酸アリル(1.48g)を加
えた後 Dean−Stark の装置を付けて水を留去しながら
24時間加熱還流した。 室温まで冷却後減圧下溶媒留去
して得られた残さをシリカカラム(70−230 mesh,
50g, 酢酸エチル−ヘキサン1:2)に供し、 2−
〔(2R,3S)−2−〔(3R,5S)−1−(アリルオキ
シカルボニル)−5−〔2−(tert−ブチルジメチルシリ
ルオキシ)エチル〕−4−オキソピペリジン−3−イ
ル〕−3−〔(R)−1−〔(アリルオキシカルボニルオ
キシ)エチル〕−4−オキソアゼチジン−1−イル〕−
2−ヒドロキシ酢酸アリル(3.83g)を得た。 IR(neat): 3400, 2930, 2850, 1750, 1700 cm-1.1 H NMR(CDCl3)δ: 0.04(6H,s), 0.88(9H,s), 1.4
0(1.5H,d,J=6.0Hz), 1.44(1.5H,d,J=6.0Hz), 1.4−2.0
(2H, m), 2.6−2.9(2H,m), 3.1−3.3(1H,m), 3.4−4.3
(8H,m), 4.5−4.8(7H,m), 4.9−5.1(1H,m), 5.2−5.5(6
H,m), 5.8−6.1(3H,m).
【0038】参考例8 参考例7で得られた化合物(3.83g)を乾燥THF(2
5ml)に溶解し、 −78℃で2,6−ルチジン(1.4ml)
を加え、次いで塩化チオニル(0.64ml)の乾燥THF
(5ml)溶液を滴下した。 氷冷下で20分間撹拌した後析
出した白色沈澱物を濾去した。 沈澱物をトルエンで洗
い、 濾液と洗液を合わせて減圧下に濃縮した。 トルエン
を加えて共沸により塩化チオニルを除いて得られた残さ
を乾燥THF(30ml)に溶解し、 2,6−ルチジン(1.
4ml, 12mmol)とトリフェニルホスフィン(6.2g,
23.6mmol)を加えて50℃で22時間撹拌した。 室温
まで冷却後反応液に酢酸エチル(150ml)を加え、飽和
炭酸水素ナトリウム水溶液(100ml×2)、 水(100m
l)、 飽和硫酸銅溶液(100ml×2)、飽和食塩水(10
0ml×2)で順次洗浄し、 無水硫酸マグネシウムで乾燥
した。 減圧下溶媒留去して得られた残さをシリカカラム
(230−400 mesh, 40g, 酢酸エチル−ヘキサン
1:2)に供し、 2−〔(2R,3S)−2−〔(3R,5
S)−1−(アリルオキシカルボニル)−5−〔2−(tert
−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル〕−4−オキソ
ピペリジン−3−イル〕−3−〔(R)−1−〔(アリル
オキシカルボニルオキシ)エチル〕−4−オキソアゼチ
ジン−1−イル〕−2−トリフェニルホスホラニリデン
酢酸アリル(3.21g)を得た。 IR(KBr): 2930, 2850, 1750, 1700 cm-1.1 H NMR(CDCl3)δ: 0.0−0.1(6H,m), 0.8−0.9(9
H,m), 1.06(3H,d,J=6.2Hz), 1.3−2.1(2H,m), 2.4−3.0
(2H,m), 3.1−3.2(1H,m), 3.3−4.2(7H,m), 4.4−4.7(6
H,m), 5.1−5.4(7H,m), 5.8−6.1(3H,m), 7.4−7.9
(15H,m).
【0039】参考例9 特開平4−178389に記載の化合物、(3R)−3
−〔(2R,3S)−3−〔(R)−1−(tert−ブチルジメ
チルシリルオキシ)エチル〕−4−オキソアゼチジン−
2−イル〕−4−オキソピペリジン−1−カルボン酸ア
リル(17.9g)の 乾燥ジクロロメタン(200ml)溶液
に−78℃でトリエチルアミン(30.4ml) とTMSO
Tf(33.7ml)を加えて氷冷下で1.5時間撹拌した。
反応液にヘキ サン(600ml)を加え、飽和炭酸水素ナ
トリウム水溶液(400ml)、飽和食塩水(400ml)で順
次洗浄し無水硫酸マグネシウムで乾燥した。 減圧下溶媒
留去して得られた残さをヘキサン(200ml)に溶解し氷
冷下に70% m−クロロ過安息香酸(1.61g)を加え
て同温で1時間撹拌した。 白色沈澱物を濾去し沈澱物を
ヘ キサンで洗浄した。 濾液と洗液を合わせ、 10%チ
オ硫酸ナトリウム水溶液(2 00ml)を加え、10分間
激しく撹拌した。 有機層を分取し飽和食塩水(200ml)
で洗浄後無水硫酸マグネシウムで乾燥した。 減圧下溶媒
留去して得られた残さ をTHF−水(7:1, 120m
l)に溶解し、 ピリジニウムp−トルエンスルホナ ート
(110mg)を加えて室温で1時間撹拌した。 減圧下TH
Fを留去して酢酸エチル(200ml)で抽出した。 抽出液
を飽和食塩水で洗浄し、 無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た。 減圧下溶媒留去して得られた残さをシリカゲルカラ
ム(70−23 0 mesh, 400g, 酢酸エチル−ヘキ
サン3:2)に供し、(3R)−3−〔(2 R,3S)−3
−〔(R)−1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エ
チル〕−4−オキソアゼチジン−2−イル〕−5−ヒド
ロキシ−4−オキソピペリジン−1 −カルボン酸アリル
を淡黄色固形物として11.4g得た。 IR(KBr): 3300, 2950, 2930, 2850, 1760, 1700 cm
-1.1 H NMR(CDCl3)δ: 0.05(3H,s), 0.07(1.5H,s),
0.08(1.5H,s), 0.99(1.5H,d,J=6.4Hz), 1.25(1.5H,d,J=
6.4Hz), 2.5−3.3(4H,m), 3.6−4.9(7H, m), 5.2−5.4
(2H,m), 5.80(0.5H, brs), 5.9−6.1(1H,m), 6.34(0.5
H, brs).
【0040】参考例10 参考例9で得られた化合物(11.3g)の乾燥DMF(1
20ml)溶液にイミダゾール(7.22g)とt−ブチルクロ
ロジメチルシラン(12.0g)を加え、室温で5時間撹
拌した。 反応液にエーテル(600ml)を加え、水(30
0ml×3)、飽和食塩水(300ml)で順次洗浄後無水硫
酸ナトリウムで乾燥した。 減圧下溶媒留去して得られた
残さをシリカカラム(70−230 mesh, 500g, エ
ーテル−ヘキサン1:1)に供し、(3S,5R)−3−(t
ert−ブチルジメチルシリルオキシ)−5−〔(2R,3
S)−3−〔(R)−1−(tert−ブチルジメチルシリルオ
キシ)エチル〕−4−オキソアゼチジン−2−イル〕−
4−オキソピペリジン−1−カルボン酸アリル(4.57
g)と(3R,5R)−3−(tert−ブチルジメチルシリル
オキシ)−5−〔(2R,3S)−3−〔(R)−1−(tert
−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル〕−4−オキソ
アゼチジン−2−イル〕−4−オキソピペリジン−1−
カルボン酸アリル(4.20g)をそれぞれ無色油状物と
して得た。 (3S,5R)−体 IR(neat): 2930, 2850, 1760, 1700 cm-1.1 H NMR(CDCl3)δ: 0.07(6H,s), 0.08(3H,s), 0.1
5(3H,s), 0.87(9H,s), 0.92(9H,s), 1.24(3H,d,J=6.2H
z), 2.6−3.2(4H, m),4.1−4.3(3H, m), 4.4−4.7(4H,
m), 5.2−5.4(2H,m), 5.78(1H, brs), 5.96(1H,ddt,J=1
0.4,17.2 and 4.8Hz). (3R,5R)−体 IR(neat): 2930, 2850, 1760, 1700 cm-1.1 H NMR(CDCl3)δ: 0.06(3H,s), 0.07(6H,s), 0.0
9(3H,s), 0.87(9H,s), 0.88(9H,s), 1.15(3H,d,J=6.2H
z), 2.9−3.2(2H,m), 3.4−3.7(2H,m), 3.8−4.1(4H,
m), 4.22(1H,dq,J=3.8 and 6.2Hz), 4.5−4.7(2H,m),
5.27(1H,d,J=10.4Hz),5.34(1H,dq,J=17.4 and 1.4Hz),
5.95(1H,ddt,J=10.4,17.4 and 4.8Hz), 5.98(1H,brs).
【0041】参考例11 参考例10で得られた(3S,5R)−体(4.56g)の乾
燥ジクロロメタン(40ml)溶液に−78℃でピリジン
(2.7ml)を加え、 次いで塩化アリルオギザリル(1.6m
l)の乾燥ジクロロメタン(20ml)溶液を加えて氷冷下で
6時間撹拌した。反応液に酢酸エチル(200ml)を加
え、pH7りん酸緩衝液(100ml×2)、飽 和食塩水
(100ml)で順次洗浄後無水硫酸マグネシウムで乾燥し
た。 減圧下溶媒留去して得られた残さをシリカカラム
(230−400 mesh, 50g, 酢酸エチル−ヘキサン
1:8)に供し、〔(2R,3S)−2−〔(3R,5S)−
1−アリル オキシカルボニル−5−(tert−ブチルジメ
チルシリルオキシ)−4−オキソピペリジン−3−イ
ル〕−3−〔(R)−1−(tert−ブチルジメチルシリル
オキシ)エチル〕−4−オキソアゼチジン−1−イル〕
グリオキシル酸アリルを無色油状物として4.72g得
た。 IR(neat): 2960, 2930, 2850, 1810, 1755, 1700 c
m-1.1 H NMR(CDCl3)δ: 0.03(3H,s), 0.04(3H,s), 0.0
8(6H,s), 0.85(9H,s), 0.87(9H,s), 1.22(3H,d,J=6.2H
z), 3.1−3.3(2H,m), 3.8−4.1(2H,m), 4.30(1H,dq,J=
3.4 and 6.2Hz), 4.4−4.7(6H,m), 4.79(2H,d,H=6.0H
z), 5.2−5.4(4H,m),5.9−6.1(2H,m).
【0042】参考例12 参考例10で得られた(3R,5R)−体(4.19g)を参
考例11と同様の反応に付すと〔(2R,3S)−2−
〔(3R,5R)−1−アリルオキシカルボニル−5−(te
rt−ブチルジメチルシリルオキシ)−4−オキソピペリジ
ン−3−イル〕−3−〔(R)−1−(tert−ブチルジメ
チルシリルオキシ)エチル〕−4−オキソアゼチジン−
1−イル〕グリオキシル酸アリルが無色油状物として
3.68g得られた。 IR(neat): 2960, 2930, 2850, 1810, 1760, 1700 c
m-1.1 H NMR(CDCl3)δ: 0.02(3H,s), 0.04(3H,s), 0.0
8(3H,s), 0.12(3H,s), 0.85(9H,s), 0.89(9H,s), 1.23
(3H,d,J=6.4Hz), 2.8−3.1(2H,m), 3.3−3.5(2H,m), 4.
1−4.6(5H,m), 4.6−4.9(4H,m), 5.2−5.5(4H,m), 5.9
−6.1(2H,m).
【0043】参考例13 参考例8で得られた化合物(2.9g)にフッ化テトラブ
チルアンモニウム(6.8g)と酢酸(3.1g)の混合乾燥
THF(13.5ml)溶液を加え、室温で7.5時間撹拌し
た。 反応液に酢酸エチル(150ml)を加え、pH7りん
酸緩衝液(100ml×2)、飽和食塩水(100ml)で順次
洗浄し無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒留
去して得られた残さをシリカカラム(230−400 me
sh, 20g, 酢酸エチルーヘキサン1:1)に供し、 2
−〔(2R,3S)−2−〔(3R,5S)−1−アリルオキ
シカルボニル−5−(2−ヒドロキシエチル)−4−オキ
ソピ ペリジン−3−イル〕−3−〔(R)−1−(アリル
オキシカルボニルオキシ)エチル〕−4−オキソアゼチ
ジン−1−イル〕−2−トリフェニルホスホラニリデン
酢酸アリルを淡黄色アモルファス状物として1.57g
得た。 IR(KBr): 3420, 2930, 1750, 1700 cm-1.1 H NMR(CDCl3)δ: 1.1−1.6(5H,m), 2.2−2.8(2
H,m), 2.9−3.1(1H,m), 3.2−4.2(7H,m), 4.4−4.7(6H,
m), 5.1−5.4(7H,m), 5.8−6.1(3H,m), 7.4−7.9(15H,
m).
【0044】参考例14 参考例13で得られた化合物(2.05g)を乾燥DMF
(20ml)に溶解し、 アジ化ナトリウム(90%, 1.26
g)とトリフェニルホスフィン(1.74g)を加えた後、
氷冷下で撹拌しながら四臭化炭素(2.2g)を加えて同
温で2時間撹拌した。反応液にエーテル(150ml)を加
え、水(100ml×3)、 飽和食塩水(100ml)で順次洗
浄後無水硫酸ナトリウムで乾燥した。 減圧下溶媒留去し
て得られた残さをシリカカラム(230−400 mesh,
20g, 酢酸エチル−ヘキサン2:3)に供し、 2−
〔(2R,3S)−2−〔(3R,5S)−1−アリルオキシ
カルボニル−5−(2−アジドエチル)−4−オキソピペ
リジン−3−イル〕−3−〔(R)−1−(アリルオキシ
カルボニルオキシ)エチル〕−4−オキソアゼチジン−
1−イル〕−2−トリフェニルホスホラニリデン酢酸ア
リルを淡黄色アモルファス状物として1.09g得た。 IR(KBr): 2930, 2300, 1750, 1700 cm-1.1 H NMR(CDCl3)δ: 1.08(3H,d,J=6.2Hz), 1.4−1.
8(2H,m), 2.4−2.9(2H,m), 3.0−4.3(8H,m), 4.4−4.8
(6H,m), 5.1−5.4(7H,m), 5.8−6.0(3H,m), 7.4−7.
9(15H,m).
【0045】実施例1 (5S,6R,7R,11R)−5−〔(R)−1−ヒドロキ
シエチル〕−11−〔2−ヒドロキシエチル〕−4−オ
キソ−3,9−ジアザトリシクロ〔5.4.0.03'6〕ウ
ンデカ−1−エン−2−カルボン酸
【化22】 (1) 参考例8で得られた化合物(1.60g)を乾燥トル
エン(160ml)に溶解し、 90℃で17時間撹拌した。
室温まで冷却後減圧下溶媒留去して得られた残さをシリ
カカラム(230−400 mesh, 30g, 酢酸エチル−
ヘキサン1:3)に供し、 (5S,6R,7R,11R)−5
−〔(R)−1−(アリルオキシカルボニルオキシ)エチ
ル〕−11−〔2−(tert−ブチ ルジメチルシリルオキ
シ)エチル〕−4−オキソ−3,9−ジアザトリシクロ
〔5.4.0.03'6〕ウンデカ−1−エン−2,9−ジカ
ルボン酸ジアリル(R1'=COOCH2CH=CH2,
2'=CH2CH=CH2, R3'=tBuMe2Si)を590
mg得た。 IR(neat): 2930, 2850, 1785, 1740, 1700 cm-1.1 H NMR(CDCl3)δ: 0.02(6H,s), 0.87(9H,s), 1.4
5(3H,d,J=6.4Hz), 1.7−1.9(2H,m), 2.6−3.0(2H,m),
3.4−3.3(1H,m), 3.36(1H,dd,J=3.4 and 8.0Hz),3.5−
3.8(3H,m), 4.17(1H,dd,J=3.4 and 10.4Hz), 4.2−4.6
(2H,m), 4.6−4.9(6H,m), 5.11(1H,dq,J=8.0 and 6.4H
z), 5.2−5. 5(6H,m), 5.8−6.1(3H,m).
【0046】(2) (1)で得られた化合物(570mg)に
酢酸(189μl)とフッ化テトラブチルアンモニウム(2
88mg)の混合THF(4.4ml)溶液を加え、室温で3.
5時間撹拌した。 反応液に酢酸エチル(100ml)を加
え、pH7のりん酸緩衝液(50ml×2)、 飽和食塩水(5
0ml)で順次洗浄し無水硫酸マグネシウムで乾燥した。
減圧下溶媒留去して得ら れた残さをシリカカラム(2
30−400 mesh, 15g,酢酸エチル−ヘキサン1:
1)に供し、 (5S,6R,7R,11R)−5−〔(R)−1
−(アリルオキシカルボニルオキシ)エチル〕−11−
〔2−ヒドロキシエチル〕−4−オキソ−3,9−ジア
ザトリシクロ〔5.4.0.03'6〕ウンデカ−1−エ ン
−2,9−ジカルボン酸ジアリル(R1'=COOCH2
H=CH2, R2'CH2 CH=CH2, R3'=H)を28
8mg得た。 IR(neat): 3480, 2940, 1785, 1740, 1700 cm-1.1 H NMR(CDCl3)δ: 1.45(3H,d,J=6.4Hz), 1.7−2.
0(2H,m), 2.5−3.0(2H,m), 3.1−3.4(1H,m), 3.40(1H,d
d,J=3.4 and 7.6Hz), 3.4−3.8(3H,m), 4.22(1H,dd,J=
3.4 and 10.6Hz), 4.3−4.6(2H,m), 4.6−4.9(6H,m),
5.12(1H,dq,J=7.6and 6.4Hz), 5.2−5.5(6H,m), 5.8−
6.1(3H,m). (3) (2)で得られた化合物(50mg)を乾燥ジクロロメ
タン(2ml)に溶解し、ジメチルアミノトリメチルシラン
(95μl)とPd(PPh3)4(5.1mg)を加えて氷冷下で1
0分間撹拌した。 反応液を0.059N塩酸(10ml)で
抽出し、エーテル(10ml)で洗浄した。 得られた溶液を
Dowex 50Wカラム(100−200 mesh, Na型, 1
0ml)に付し、 水で溶出した。 減圧下に濃縮して得られ
た溶液をSP−207SSカラム(80ml)に付し、水で
溶出した。 減圧下に濃縮して得られた溶液をセファデッ
クスLH−20カラム(200ml)に付し、 水で溶出し
た。溶出液を濃縮後凍結乾燥すると、 表題化合物(R1',
2',R3'=H)が白色固形物として14mg得られた。 IR(KBr): 3400, 2960, 1760, 1590 cm-1.1 H NMR(D2O)δ: 1.26(3H,d,J=6.2Hz), 1.8−2.0
(2H,m), 3.1−3.3(2H,m),3.1−3.9(7H,m), 4.25(1H,dq,
J=6.2,6.2Hz), 4.32(1H,dd,J=3.4 and 10.0Hz).
【0047】実施例2 (5S,6R,7R,11R)−5−〔(R)−1−ヒドロキシ
エチル〕−11−〔2−(1−メチル−1−ピロリジニ
オ)エチル〕−4−オキソ−3,9−ジアザトリシクロ
〔5.4.0.03'6〕ウンデカ−1−エン−2−カルボキ
シラート・トリフルオロメタンスルホン酸塩
【化23】 実施例1の(2)で得られた化合物(70mg)を乾燥ジクロ
ロメタン(3ml)に溶解し、−78℃でN−メチルピロリ
ジン(58μl)と無水トリフルオロメタンスルホン酸(3
5μl)を加え、氷冷下で15分間撹拌した。 反応液にジ
メチルアミノトリメチルシラン(134μl)とPd(PPh
3)4(16mg)を加えて氷冷下で30分間撹拌した。 反応
液にエーテル(10ml)を加え、トリフルオロメタンスル
ホン酸(74μl)の水溶液(10ml)で抽出した。 抽出液
に0.1N水酸化ナトリウム水溶液 を加えてpHを7.0
に調整し、 不溶物を濾去した。 減圧下に濃縮して得られ
た溶液をSP−207SS(120ml)に付し、 水で洗浄
後10%アセトニトリルで溶出した。 溶出液に0.1N
水酸化ナトリウム水溶液を加え、pHを7.0に調整し
た。 減圧下に濃縮して得られた溶液をセファデックスL
H−20カラム(200ml)に付し、 水で溶出した。 溶出
液を濃縮後凍結乾燥すると、 表題化合物が淡黄色固形物
として25mg得られた。 IR(KBr): 3400, 2970, 2800, 1770, 1720, 1630 cm
-1.1 H NMR(D2O)δ: 1.26(3H,d,J=6.2Hz), 2.1−2.3
(6H,m), 3.06(3H,s), 3.1−4.0(13H,m), 4.25(1H,dq,J=
6.2,6.2Hz), 4.35(1H,dd,J=3.4 and 10.6Hz).
【0048】実施例3 (5S,6R,7R,11R)−5−〔(R)−1−ヒドロキ
シエチル〕−4−オキソ−11−〔2−(1−ピリジ ニ
オ)エチル〕−3,9−ジアザトリシクロ〔5.4.0.
3'6〕ウンデカ−1−エン−2−カルボキシラート・
トリフルオロメタンスルホン酸塩
【化24】 実施例1の(2)で得られた化合物(90mg)を乾燥ジクロ
ロメタン(3ml)に溶解し、−78℃でピリジン(58μl)
と無水トリフルオロメタンスルホン酸(45μl)を加
え、氷冷下で25分間撹拌した。 反応液を−78℃に冷
却し、 水素化トリブチルスズ(0.29ml)とPd(PPh3)
4(21mg)を加えて氷冷下で1時間撹拌した。反応液に
エーテル(10ml)を加え、0.03N水酸化ナトリウム
水溶液(10ml)で抽出した。 減圧下に 濃縮して得られ
た溶液をSP−207SS(30ml)に付し、 水で溶出し
た。 溶出液に0.1N水酸化ナトリウム水溶液を加え、p
Hを7.0に調整した。 減圧下に濃縮して得られた溶液
をセファデックスLH−20カラム(200ml)に付し、
水で溶出した。 溶出液を濃縮後凍結乾燥すると、 表題化
合物が淡黄色固形物として45mg得られた。 IR(KBr): 3450, 3060, 2970, 1765, 1640, 1600 cm
-1.1 H NMR(D2O)δ: 1.26(3H,d,J=6.4Hz), 2.6−2.7
(2H,m), 3.1−3.3(2H,m),3.43(1H,dd,J=3.2 and 5.4H
z), 3.4−3.8(3H,m,C7−H), 3.9−4.0(1H,m), 4.24(1H,
dq,J=6.2,6.2Hz), 4.25(1H,dd,J=3.2 and 10.6Hz), 4.
67(2H,t,J=7.0Hz),8.0−8.2(2H,m), 8.58(1H,t,J=7.8H
z), 8.85(2H,d,J=5.8Hz).
【0049】実施例4 (5S,6R,7R,11R)−9−ホルムイミドイル−5
−〔(R)−1−ヒドロキシエチル〕−11−〔2−ヒド
ロキシエチル〕−4−オキソ−3,9−ジアザトリシク
ロ〔5.4.0.03'6〕ウンデカ−1−エン−2−カルボ
ン酸
【化25】 実施例1の(2)で得られた化合物(150mg)を乾燥ジク
ロロメタン(6ml)に溶解し、 ジメチルアミノトリメチル
シラン(0.29ml)とPd(PPh3)4(15mg)を加えて氷
冷下で10分間撹拌した。 反応液を0.09N塩酸(20
ml)で抽出し、エーテル(10ml)で洗浄した。 得られた
溶液を Dowex 50Wカラム(100−200 mesh, Na
型, 10ml)に付し、 水で溶出した。 減圧下約20mlま
で濃縮し、氷冷下で激しく撹拌しながら炭酸水素カリウ
ム(743mg)とベンジルホルムアミダート塩酸塩(81
6mg)を加え、同温で10分間撹拌した。 反応液を酢酸
エチル(20ml)で洗浄し、 1N塩酸でpHを6.5に調整
した。 減圧濃縮して得られた溶液をSP−207SSカ
ラム(30ml)に付し、 水で溶出した。 減圧下に濃縮して
得られた溶液をセファデックスLH−20カラム(20
0ml)に付し、 水で溶出した。 溶出液を濃縮後凍結乾燥
すると、 表題化合物が白色固形物として46mg得られ
た。 IR(KBr): 3400, 2970, 1760, 1710, 1630, 1590 cm
-1.1 H NMR(D2O)δ: 1.28(1.5H,d,J=6.2Hz), 1.29(1.
5H,d,J=6.4Hz), 1.7−1.9(2H,m), 3.2−4.1(9H,m), 4.1
−4.3(2H,m), 7.94(1H,s).
【0050】実施例5 (5S,6R,7R,11R)−9−ホルムイミドイル−5
−〔(R)−1−ヒドロキシエチル〕−4−オキソ−11
−〔2−(1−ピリジニオ)エチル〕−3,9−ジアザト
リシクロ〔5.4.0.03'6〕ウンデカ−1−エン−2−
カルボキシラート・塩酸塩
【化26】 実施例1の(2)で得られた化合物(150mg)を乾燥ジク
ロロメタン(6ml)に溶解し、−78℃でピリジン(96
μl)と無水トリフルオロメタンスルホン酸(75μl)を
加え、氷冷下で25分間撹拌した。 反応液を−78℃に
冷却し、 水素化トリブチルスズ(0.48ml)とPd(PPh
3)4(34mg)を加えて氷冷下で1.5時間撹拌した。 反応
液にエーテル(20ml)を加え、0.025N水酸化ナト
リウム水溶液(10ml)で抽出した。 減圧下少し濃縮した
溶液に、 氷冷下激しく撹拌しながら炭酸水素カリウム
(743mg)とベンジルホルムアミダート塩酸塩(816m
g)を加え、同温で10分間撹拌した。 反応液に1N塩酸
を加えてpHを6.5に調整した。 酢酸エチル(20ml)で
洗浄し、減圧下に濃縮して得られた溶液をSP−207
SS(30ml)に付し、 水で洗浄後10%エタノールで溶
出した。 溶出液に0.1N水酸化ナトリウム水溶液を加
え、pHを7.0に調整した。 減圧下に濃縮して得られた
溶液をCHP−20P(30ml)に付し、 水で溶出した。
溶出液に0.1N水酸化ナトリウム水溶液を加え、pHを
7.0に調整した。 減圧下に濃縮して得られた溶液をセ
ファデックスLH−20カラム(200ml)に付し、 水で
溶出した。溶出液に0.01N水酸化ナトリウム水溶液を
加えてpHを7.0に調整後、 濃縮、凍結乾燥すると、 表
題化合物が白色固形物として41mg得られた。 IR(KBr): 3400, 3060, 2970, 1760, 1710, 1620, 1
590 cm-1.1 H NMR(D2O)δ: 1.27(1.5H,d,J=6.4Hz), 1.28(1.
5H,d,J=6.4Hz), 2.3−2.5(2H,m), 3.2−4.1(7H,m), 4.1
−4.3(2H,m), 4.65(2H,t,J=7.0Hz), 7.95(0.5H,s), 7.9
6(0.5H,s), 8.0−8.1(2H,m), 8.58(1H,t,J=8.0Hz), 8.8
2(2H,d,J=6.6Hz).
【0051】実施例6 (5S,6R,7R,11R)−11−ヒドロキシ−5−
〔(R)−1−ヒドロキシエチル〕−4−オキソ−3,9
−ジアザトリシクロ〔5.4.0.03'6〕ウンデカ−1−
エン−2−カルボン酸
【化27】 (1) 参考例11で得られた化合物(4.71g)の乾燥
トルエン(100ml)溶液にヒドロキノン(30mg)と亜り
ん酸トリエチル(6.2ml)を加え、100℃で5時間、
120℃で12時間撹拌した。 反応液を室温まで冷却後
シリカカラム(70−230 mesh, 150g, 酢酸エチ
ル−ヘキサン1:8)に供し、(5S,6R,7R,11R)
−9−アリルオキシカルボニル−11−(tert−ブチル
ジメチルシリルオキシ)−5−〔(R)−1−(tert−ブチ
ルジメチルシリルオキシ)エチル〕−4−オキソ−3,9
−ジアザトリシクロ〔5.4.0.03'6〕ウンデカ−1−
エン−2−カルボン酸アリル(R1'=tBuMe2Si, R2'
=CH2CH=CH2, R3'=COOCH2CH=CH2)
を白色固形物として3.02g得た。 IR(KBr): 2950, 2930, 2850, 1780, 1710 cm-1.1 H NMR(CDCl3)δ: 0.09(12H,s), 0.86(9H,s), 0.
90(9H,s), 2.6−2.9(2H,m), 3.20(1H,dd,J=3.2 and 4.8
Hz), 3.3−3.5(1H,m), 4.1−4.8(8H,m), 5.2−5.5(5H,
m), 5.8−6.1(2H, m).
【0052】(2) (1)で得られた化合物(1.50g)に
フッ化テトラブチルアンモニウム(5.1g)と酢酸(2.
3g)の乾燥THF(94ml)混合溶液を加え、 室温で1
39時間撹拌した。 減圧下約半量まで濃縮しトルエン
(50ml)を加えた後再び減圧下約半量まで濃縮した。 酢
酸エチル(300ml)を加え、 pH7りん酸緩衝液(150
ml×3)、飽和食塩水(150ml)で順次洗浄し無水硫酸
マグネシウムで乾燥した。 減圧下溶媒留去して得られた
残さをシリカカラム(70−230 mesh, 50g, 酢酸
エチル−ヘキサン3:1)に供し、(5S,6R,7R,1
1R)−9−アリルオキシカルボニル−11−ヒドロキ
シ−5−〔(R)−1−ヒドロキシエチル〕−4−オキソ
−3,9−ジアザトリシクロ〔5.4.0.03'6〕ウンデ
カ−1−エン−2−カルボン酸アリル(R1'=H, R2'
=CH2CH=CH2, R3'=COOCH2CH=CH2)
を淡黄色アモルファス状物として382mg得た。 IR(KBr): 3400, 2950, 2920, 1770, 1700 cm-1.1 H NMR(CDCl3)δ: 1.33(3H,d,J=6.2Hz), 2.6−3.
0(2H,m), 3.25(1H,dd,J=3.2 and 6.6Hz), 3.5−3.8(1H,
m), 4.2−4.5(4H,m), 4.5−4.9(4H,m), 5.1−5.5(5H,
m), 5.8−6.1(2H,m). (3) (2)で得られた化合物(70mg)を乾燥ジクロロメ
タン(4ml)に溶解し、 −78℃でジメチルアミノトリメ
チルシラン(114μl)とPd(PPh3)4(6.2mg)を順
次加え、 氷冷下で1時間撹拌した。 反応液を0.07N
塩酸(10ml)に注ぎ、 エーテル(10ml)で洗浄した。 得
られた水溶液を Dowex 50W(100−200 mesh,
Na型, 10ml)に付し、 水で溶出した。 減圧下約2mlま
で濃縮して得られた残さをSP−207SS(40ml)に
付し、 水で溶出した。 減圧下約2mlまで濃縮して得られ
た残さをLH−20(200ml)に付し水で溶出、次いで
濃縮、凍結乾燥し、 表題化合物(R1',R2',R3'=H)
を白色固形物として12mg得た。 IR(KBr): 3400, 2960, 1760, 1600 cm-1.1 H NMR(D2O)δ: 1.27(3H,d,J=6.4Hz), 3.19(1H,d
d,J=2.0 and 13.4Hz), 3.20(1H,dd,J=11.6 and 12.8H
z), 3.49(1H,dd,J=3.6 and 5.6Hz), 3.5−3.7(2H,m),
3.78(1H,ddd,J=5.4,10.6 and 12.8Hz), 4.26(1H,dq,J=
5.6 and 6.4Hz), 4.36(1H,dd,J=3.6 and 10.4Hz), 5.52
(1H,t,J=2.0Hz).
【0053】実施例7 (5S,6R,7R,11R)−11−ヒドロキシ−5−
〔(R)−1−ヒドロキシエチル〕−9−イミノメチル−
4−オキソ−3,9−ジアザトリシクロ〔5.4.0.03'
6〕ウンデカ−1−エン−2−カルボン酸
【化28】 実施例6の(2)で得られた化合物(180mg)を乾燥ジク
ロロメタン(8ml)に溶解し、 −78℃でジメチルアミノ
トリメチルシラン(0.44ml)とPd(PPh3)4(16mg)
を順次加え、 氷冷下で1時間撹拌した。 反応液を0.2
7N塩酸(10ml)に注ぎ、 エーテル(10ml)で洗浄し
た。 得られた水溶液を Dowex 50W(100−200 mes
h, Na型, 20ml)に付し、水で溶出した。 減圧下約2
0mlまで濃縮して得られた残さに氷冷下で激しく撹拌し
ながら炭酸水素カリウム(1.15g)とベンジルホルム
アミダート塩酸塩(1.26g)を加えた。 10分後1N
塩酸を加えpHを6.5に調整し、 酢酸エチル(20ml)で
洗浄した。 減圧下約6mlまで濃縮して得られた残さをを
SP−207SS(40ml)に付し、 水で溶出した。 減圧
下約2mlまで濃縮して得られた残さをLH−20(20
0ml)に付し水で溶出、 次いで濃縮、 凍結乾燥し、 表題
化合物を白色固形物として49mg得た。 IR(KBr): 3400, 2340, 1760, 1710, 1600 cm-1.1 H NMR(D2O)δ: 1.28(1.5H,d,J=6.6Hz), 1.29(1.
5H,d,J=6.6Hz), 3.1−4.4(8H,m), 5.47(0.5H,t,J=2.0H
z), 5.54(0.5H,t,J=2.0Hz), 7.90(0.5H,s), 7.98(0.5H,
s).
【0054】実施例8 (5S,6R,7R,11S)−11−ヒドロキシ−5−
〔(R)−1−ヒドロキシエチル〕−4−オキソ−3,9
−ジアザトリシクロ〔5.4.0.03'6〕ウンデカ−1−
エン−2−カルボン酸
【化29】 (1) 参考例12で得られた化合物(3.68g)を実施
例6の(1)と同様の条件に付し、 (5S,6R,7R,11
S)−9−アリルオキシカルボニル−11−(tert−ブチ
ルジメチルシリルオキシ)−5−〔(R)−1−(tert−ブ
チルジメチルシリルオキシ)エチル〕−4−オキソ−3,
9−ジアザトリシクロ〔5.4.0.03'6〕ウンデカ−1
−エン−2−カルボン酸アリル(R1'=tBuMe2Si, R
2'=CH2CH=CH2, R3'=COOCH2CH=C
2)を淡黄色油状物として788mg得た。 IR(neat): 2950, 2930, 2850, 1780, 1705 cm-1.1 H NMR(CDCl3)δ: 0.06(3H,s), 0.07(3H,s), 0.0
8(3H,s), 0.11(3H,s), 0.87(9H,s), 0.88(9H,s), 1.22
(3H,d,J=5.8Hz), 2.7−3.1(3H,m,C7−H), 3.25(1H,dd,J
=3.8 and 5.6Hz), 4.1−4.5(4H,m), 4.5−4.8(5H,m),
5.2−5.5(4H,m), 5.8−6.1(2H,m).
【0055】(2) (1)で得られた化合物(775mg)を
実施例6の(2)と同様の条件に付し、 (5S,6R,7R,
11S)−9−アリルオキシカルボニル−11−ヒドロ
キシ−5−〔(R)−1−ヒドロキシエチル〕−4−オキ
ソ−3,9−ジアザトリシクロ〔5.4.0.03'6〕ウン
デカ−1−エン−2−カルボン酸アリル(R1'=H,
2'= CH2CH=CH2, R3'=COOCH2CH=C
2)を淡黄色アモルファス状物 として197mg得た。 IR(KBr): 3430, 2930, 1775, 1755, 1690 cm-1.1 H NMR(CDCl3)δ: 1.34(3H,d,J=6.2Hz), 2.4−3.
9(4H,m), 4.1−4.9(9H,m), 5.2−5.4(4H,m), 5.8−6.1
(2H, m). (3) (2)で得られた化合物(95mg)を乾燥ジクロロメ
タン(4ml)に溶解し、 −78℃でジメチルアミノトリメ
チルシラン(155μl)とPd(PPh3)4(8.4mg)を順
次加え、 氷冷下で30分間撹拌した。 反応液を0.09
7N塩酸(10ml)に注ぎ、 エーテル(10ml)で洗浄し
た。 得られた水溶液を Dowex 50W(100−200 m
esh, Na型, 10ml)に付し、 水で溶出した。 減圧下約
4mlまで濃縮して得られた残さをSP−207SS(4
0ml)に付し、 水で洗浄後10%アセトニトリルで溶出
した。 0.1N水酸化ナトリウム水溶液を加えて溶出液
のpHを7.0に調整した後、 減圧下約2mlまで濃縮して
得られた残さをLH−20(200ml)に付し水で溶出、
次いで濃縮、 凍結乾燥し、 表題化合物(R1', R2',
3'=H)を白色固形物として33mg得た。 IR(KBr):3400, 2970, 1760, 1600 cm-1.1 H NMR(D2O)δ: 1.31(3H,d,J=6.2Hz), 3.2−3.6
(2H,m), 3.35(1H,dd,J=2.6 and 6.2Hz), 3.41(1H,dd,J=
2.0 and 3.6Hz), 3.9−4.1(2H,m), 4.29(1H,quintet,J=
6.2Hz), 4.6−4.7(1H,m), 5.14(1H,dd,J=2.6 and 5.8H
z).
【0056】実施例9 (5S,6R,7R,11R)−9−アリルオキシカルボニ
ル−11−(2−アミノエチル)−5−〔(R)−1−ヒド
ロキシエチル〕−4−オキソ−3,9−ジアザトリシク
ロ〔5.4.0.03'6〕ウンデカ−1−エン−2−カルボ
ン酸
【化30】 (1) 参考例14で得られた化合物(1.09g)をエー
テル(23ml)に溶解し、ジクロロメタン(5.7ml)と水
(5.7ml)を加えた後、 室温で撹拌しながらトリフェニ
ルホスフィン(500mg)、クロロぎ酸アリル(0.29m
l)、 及び炭酸水素ナトリウム(230mg)を2時間毎に5
回加えた。 反応液にエーテル(50ml)を加えpH7りん
酸緩衝液(50ml×2)、飽和食塩水(50ml)で順次洗浄
し無水硫酸ナトリウムで乾燥した。 減圧下溶媒留去して
得られた残さをシリカカラム(230−400 mesh, 5
0g, 酢酸エチル−ヘキサン2:3)に供した。 溶出液
を集めて減圧下溶媒留去して得られた白色固形物(1.7
8g)を乾燥トルエン(50ml)に溶解し、 100℃で1
2時間撹拌した。 反応液を室温まで冷却後シリカカラム
(70−230 mesh, 100g, 酢酸エチル−ヘキサン
2:3)に供し、(5S,6R,7R,11R)−9−アリル
オキシカルボニル−11−(2−アリルオキシカルボニ
ルアミノエチル)−5−〔(R)−1−アリルオキシカル
ボニルエチル〕−4− オキソ−3,9−ジアザトリシク
ロ〔5.4.0.03'6〕ウンデカ−1−エン−2 −カル
ボン酸アリル(R1'=COOCH2CH=CH2, R2'=
CH2CH=CH2,R3'=COOCH2CH=CH2)を淡
黄色油状物として102mg得た。 IR(neat): 2930, 1780, 1740, 1700 cm-1.1 H NMR(CDCl3)δ: 1.45(3H,d,J=6.2Hz), 1.7−1.
9(2H,m), 2.6−3.0(3H,m), 3.19(1H,dt,J=5.0 and 10.6
Hz), 3.3−3.5(1H,m), 3.38(1H,dd,J=3.4 and 7.8Hz),
3.6−3.7(1H,m), 4.1−4.9(10H,m), 4.22(1H,dd,J=3.4
and 10.6Hz), 5.11(1H,dq,J=7.8 and 6.2Hz), 5.2−5.5
(9H,m), 5.8−6.1(4H,m).
【0057】(2) (1)で得られた化合物(100mg)を
乾燥ジクロロメタン(3ml)に溶解し、−78℃で水素化
トリブチルスズ(0.37ml)とPd(PPh3)4(12mg)を
順次加え、 氷冷下で1時間撹拌した。 反応液にエーテル
(10ml)を加え、水(10ml)で抽出した。 抽出液に0.
1N塩酸を加えてpHを7.0に調整した。 減圧下約3ml
まで濃縮して得られた残さをCHP−20P(15ml)に
付し、 水で洗浄後10%アセトニトリルで溶出した。 減
圧下約2mlまで濃縮して得られた残さをLH−20(2
00ml)に付し水で溶出、 次いで濃縮、 凍結乾燥し、 表
題化合物(R1', R2',R3'=H)を白色固形物として35m
g得た。 IR(KBr):3400, 2960, 1760, 1700 cm-1.1 H NMR(D2O)δ: 1.27(3H,d,J=6.4Hz), 1.7−2.1
(2H,m), 2.8−3.3(4H,m),3.4−3.7(4H,m), 3.8−3.9
(1H,m), 4.25(1H,dq,J=5.2
and 6.4Hz), 4.32(1H,dd,J=
3.0 and 6.4Hz), 4.56(2H,
d,J=5.6Hz), 5.25(1H,d,J=1
0.4Hz), 4.32(1H,d,J=17.4H
z), 5.97(1H,ddt,J=10.4,1
7.4 and 5.6Hz).

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(I): 【化1】 〔式中、R1は置換されていてもよい(C1-4)アルキル
    基を、COOR2はエステル化されていてもよいカルボ
    キシル基を、Raはハロゲンまたはそれぞれ置換されて
    いてもよいヒドロキシル基、メルカプト基、アミノ基も
    しくは(C1-6)ア ルキル基を、Rbは水素原子または
    それぞれ置換されていてもよい(C1-6)アルキル基、
    アシル基、カルバモイル基もしくはカルバミミドイル基
    を示す〕で表されるカルバペネム化合物またはその塩。
  2. 【請求項2】R1が式: 【化2】 〔式中、R3は水素原子、ハロゲンまたはそれぞれ置換
    されていてもよいヒドロキシ基もしくはアミノ基を示
    す〕で表される基である請求項1記載の化合物。
  3. 【請求項3】R3が除去可能な保護基で保護されていて
    もよいヒドロキシル基であ る請求項2記載の化合物。
  4. 【請求項4】Raが置換されていてもよい(C1-6)アル
    キル基で置換されていてもよいヒドロキシル基、メルカ
    プト基またはアミノ基である請求項1記載の化合物。
  5. 【請求項5】Raが置換されていてもよいヒドロキシ
    (C1-6)アルキル基または置換されていてもよいアミ
    ノ(C1-6)アルキル基である請求項1記載の化合物。
  6. 【請求項6】Raが置換基を有していてもよい4級化され
    た窒素原子を含む基で置換された(C1-6)アルキル基
    である請求項1記載の化合物。
  7. 【請求項7】Raが(C1-4)アルキル基で置換されてい
    てもよい4級化された窒素原子を含む基で置換された
    (C1-6)アルキル基またはヒドロキシ(C1-6)アルキ
    ル基である請求項1記載の化合物。
  8. 【請求項8】4級化された窒素原子を含む基がヘテロ原
    子として4級化された窒素原子を含む5〜6員複素環基
    である請求項6または7のいずれか1記載の化合物。
  9. 【請求項9】5〜6員複素環基が1−ピリジニオ基また
    は1−ピロリジニオ基である請求項8記載の化合物。
  10. 【請求項10】Rbが水素原子またはそれぞれ置換され
    ていてもよいアシル基もしくは1−イミノ(C1-6)ア
    ルキル基である請求項1記載の化合物。
  11. 【請求項11】Rbが水素原子または1−イミノ
    (C1-6)アルキル基である請求項1記載の化合物。
  12. 【請求項12】式 【化3】 〔式中、R1,R2,RaおよびRbは請求項1記載と同意
    義を、=Y,=Zは互いに反応して二重結合を形成する
    ことができる官能基を示す〕で表される化合物を閉環反
    応に付すことを特徴とする請求項1記載の化合物の製造
    方法。
  13. 【請求項13】請求項1記載の化合物を含有する抗菌組
    成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998021210A1 (en) * 1996-11-14 1998-05-22 Glaxo Wellcome S.P.A. Tricyclic carbapenem compounds
WO1998027094A1 (en) * 1996-12-18 1998-06-25 Lek Tovarna Farmacevtskih In Kemic^¿Nih Izdelkov, D.D. Ethylidene derivatives of tricyclic carbapenems
US7585994B2 (en) * 2001-06-01 2009-09-08 Merck Patent Gmbh Process for the preparation of compounds containing perfluoroalkanesulfonic acid groups

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