JP3703146B2 - 2−(ピラゾール−3−イル)カルバペネム誘導体 - Google Patents

2−(ピラゾール−3−イル)カルバペネム誘導体 Download PDF

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Description

本発明は一連の抗菌化合物、特に一連のカルバペネム(carbapenem)、その製法、かかる化合物からなる医薬および獣医薬組成物、その中間体および抗菌療法におけるその使用に関する。
イミペネム(imipenem)、すなわち、式(A):
Figure 0003703146
で示されるごときカルバペネムは、強力な広域スペクトルの抗菌活性を有する(米国特許第3950357号および米国特許第4194047号;メルク・アンド・カンパニー(Merck and Co)参照のこと)。しかし、このようなカルバペネムは、腎酵素のデヒドロペプチダーゼ−1(DHP−1)により加水分解されやすく、このためその化学療法における使用が制限される。イミペネムの場合、この問題はDHP−1阻害剤を共同投与することにより解決できる。
DHP−1に対する安定性はまた、カルバペネム核を化学的に修飾することにより、例えば、メロペネム(meropenem)化合物、すなわち、式(B):
Figure 0003703146
の化合物にあるように、1β−メチル置換基を組み入れることにより得ることができる(シー・ディ・エッチ(Shih D.H.)ら、ヘテロサイクルズ(Heterocycles)、1984、21、29およびスナガワ・エム(Sunagawa M.)ら、ジャーナル・オブ・アンチバイオチクス(J.Antibiotics)、1990、43、519参照のこと)。最近、この修飾は、1β−アミノアルキル置換基にまで及んでいる(FP0433759、ブリストル−マイヤーズ・スクイーブ(Bristol-Meyers Squibb)参照のこと)。
DHP−1に対する別の改良された安定性を付与する手段は、2−炭素置換のカルバペネム、例えば、2−アリール、2−ヘテロアリールおよび2−ヘテロ芳香族カルバペネム(米国特許第4543257号、米国特許第4260627号、米国特許第4962101号、米国特許第4978659号、EP014493、EP0414489、EP0010316およびEP0030032、メルク・アンド・カンパニー)および2−(置換)メチルカルバペネム(シュミット(Schmidt)ら、ジャーナル・オブ・アンチバイオチクス、41、1988、780)を利用する。
英国特許第1593524号(メルク・アンド・カンパニー)は、ジアゾリルおよびテトラゾリル化合物を包含する多数の5員複素芳香族カルバペネム誘導体を開示する。しかしながら、ピラゾリル誘導体の場合、該複素環式化合物は、C−4位を介してカルバペネム核に結合している。
別の2−位で導入される構造的変形として、置換ビニル基−C(Ra)=CHRb(ここで、例えば、Raは水素またはメチルであり、Rbは水素または低級アルキルであり(EP0330108;藤沢(Fujisawa))あるいはRaおよびRbは水素、低級アルキル、アミノカルボニル、低級アルコキシ、シアノ、ニトロおよび低級アルコキシカルボニルから選択される(EP0430037、バンユ・ファーマシューティカル・カンパニー(Banyu Pharmaceutical Co.))が挙げられる。しかし、1β−メチル置換基のない場合、このような修飾がDHP−1安定性を付与することは不明である。
意外にも、本発明者らは、2−位での別の型の構造的変形が有利であることを見いだした。
したがって、本発明は、一般式(I):
Figure 0003703146
[式中、Rは:
Figure 0003703146
(式中、
αは水素、所望により置換されていてもよい(C1-6)アルキルまたは所望により置換されていてもよいアリールであり;
βは水素、所望により置換されていてもよい(C1-6)アルキルまたは所望により置換されていてもよいアリールであるか;または
αおよびRβは一緒になって所望により置換されていてもよい別のヘテロ原子を有するかまたは有しない5または6員の複素環を形成する);
で示される基であり;
1は、置換されていないか、またはフルオロ、容易に除去できるヒドロキシ保護基によって所望により保護されていてもよいヒドロキシ基、または容易に除去できるアミノ保護基によって所望により保護されていてもよいアミノ基により置換されている(C1-6)アルキルであり;
2は水素またはメチルであり;
−CO23はカルボキシまたはカルボキシレートアニオンであるか、またはR3基は容易に除去できるカルボキシ保護基を意味する]
で示される化合物を提供する。
式(I)の化合物は、広域スペクトルの抗菌活性を有し、DHP−1に対して優れた安定性を示す。
αおよびRβについての適当な(C1-6)アルキル基は、炭素数1〜6の直鎖または分枝鎖状アルキル基、例えばメチル、エチル、n−プロピルおよびイソプロピル、好ましくはエチルおよびメチルを包含する。
αおよびRβが共にメチルまたはエチルである場合が、(C1-6)アルキルである両者の代表例である。Rαがエチルで、Rβがメチルである場合が、特に好ましい例である。
αおよびRβの(C1-6)アルキル基についての適当な任意の置換基は、ハロゲン、ヒドロキシ、(C1-6)アルコキシ、カルボキシおよびその塩、(C1-6)アルコキシカルボニル、カルバモイル、モノ−またはジ−(C1-6)アルキルカルバモイル、スルファモイル、モノ−およびジ(C1-6)アルキルスルファモイル、アミノ、モノ−およびジ−(C1-6)アルキルアミノ、(C1-6)アシルアミノ、ウレイド、(C1-6)アルコキシカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシおよびモノ−およびジ−(C1-6)アルキルアミノカルボニルオキシ、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニルアミノ、アリール、ヘテロサイクリル、オキソ、アシル、ヘテロアリール、(C1-6)アルキルチオ、アリールチオ、ヘテロサイクリルチオ、(C1-6)アルカン−スルフィニル、アリールスルフィニル、(C1-6)アルカンスルホニル、アリールスルホニル、(C1-6)アルコキシイミノ、ヒドロキシイミノ、ヒドラゾノ、ベンゾヒドロキシイモイル、および2−チオフェンカルボヒドロキシイモイルを包含する。好ましい置換基は、カルバモイル、アリール、特にフェニルおよびヘテロアリールを包含する。
1についての適当な(C1-6)アルキル基は、炭素数1〜6の直鎖および分枝鎖状アルキル基を包含する。好ましいアルキル基は、メチル、エチル、イソプロピルを包含し、そのうち、エチルが特に好ましい。
好ましくは、R1の(C1-6)アルキル基は、適当にはアルキル基の1−位にてヒドロキシ、フルオロまたはアミノ置換基を有する。有利には、R1は(R)−1−ヒドロキシエチルである。
適当には、R2は水素である。
本明細書にて用いる場合、「アリール」なる語は、フェニルおよびナフチルを包含する。
適当には、フェニルおよびナフチルを包含するアリール基は、所望により、5個までの、好ましくは3個までの置換基により置換されていてもよい。
アリール基であるRαまたはRβの代表例はフェニルである。
アリール基についての適当な任意の置換基は、ハロゲン、(C1-6)アルキル、アリール(C1-4)アルキル、(C1-6)アルコキシ、(C1-6)アルコキシ(C1-6)アルキル、ハロ(C1-6)アルキル、ヒドロキシ、アミノ、モノ−およびジ−N−(C1-6)アルキルアミノ、アシルアミノ、カルボキシ、カルボキシ塩、カルボキシエステル、カルバモイル、モノ−およびジ−N−(C1-6)アルキルカルバモイル、(C1-6)アルコキシカルボニル、(C1-6)アルコキシカルボキシレート、アリールオキシカルボニル、(C1-6)アルコキシカルボニル−(C1-6)アルキルアリール、オキシ基、ウレイド、グアニジノ、スルホニルアミノ、アミノスルホニル、(C1-6)アルキルチオ、(C1-6)アルキルスルフィニル(C1-6)アルキルスルホニル、ヘテロサイクリルおよびヘテロサイクリル(C1-4)アルキルを包含する。加えて、2個の隣接する環炭素原子は、(C3-5)アルキレン鎖で連結し、炭素環式環を形成してもよい。
本明細書にて用いる場合、「ヘテロ原子」なる語は、1または2個以上の酸素、窒素および硫黄元素を包含する。
本明細書にて用いる場合、「ヘテロアリール」なる語は、各環にて4個までの、その各々が酸素、窒素および硫黄から選択されるヘテロ原子を含有する芳香族単および縮合環を包含し、該環は置換されていないか、または、例えば、3個までの置換基で置換されていてもよい。各ヘテロアリール環は、適当には、5または6個の環原子を有する。縮合ヘテロアリール環は炭素環式環を有していてもよく、ヘテロアリール環をわずか1つ含むことが必要である。
本明細書にて用いる場合、「ヘテロサイクリル」および「複素環」なる語は、特記しない限り、各環にて適当には4個までの、その各々が酸素、窒素および硫黄から選択されるヘテロ原子を含有する芳香族および非芳香族の単および縮合環を包含し、該環は置換されていないか、または、例えば3個までの置換基により置換されていてもよい。各複素環は、適当には、4ないし7個、好ましくは5または6個の環原子を有する。縮合複素環系は炭素環を有していてもよく、複素環をわずか1つ含むことが必要である。
好ましくは、ヘテロアリールまたはヘテロサイクリル基についての置換基は、ハロゲン、(C1-6)アルキル、アリール(C1-4)アルキル(C1-6)アルコキシ、(C1-6)アルコキシ(C1-6)アルキル、ハロ(C1-6)アルキル、ヒドロキシ、アミノ、モノ−およびジ−N−(C1-6)アルキルアミノ、アシルアミノ、カルボキシ塩、カルボキシエステル、カルバモイル、モノ−およびジ−N−(C1-6)アルキルカルボニル、(C1-6)アルコキシカルボキシレート、アリールオキシカルボニル、(C1-6)アルコキシカルボニル(C1-6)アルキル、アリール、オキシ基、ウレイド、グアニジノ、スルホニルアミノ、アミノスルホニル、(C1-6)アルキルチオ、(C1-6)アルキルスルフィニル、(C1-6)アルキルスルホニル、ヘテロサイクリルおよびヘテロサイクリル(C1-4)アルキルから選択される。
1にて用いるための適当なヒドロキシおよびアミノ保護基は、通常の条件下、分子の残りの部分を分断することなく除去できる当該分野にて周知のものである。ヒドロキシおよびアミノ基を保護する包括的な方法および得られた保護誘導体を切断する方法が、例えば、「プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・ケミストリー(Protective Groups in Organic Chemistry)」(ティ・ダブリュ・グリーン(T.W.Greene)、ウィリー−インターサイエンス(Wiley-Interscience)、ニューヨーク、第2版、1991)に示されてイる。特に適当なヒドロキシ保護基は、例えば、トリアルキルシリルのようなトリオルガノシリル基、また例えばアリルオキシカルボニル、トリクロロエチルオキシカルボニル、4−メトキシベンジルオキシカルボニルおよび4−ニトロベンジルオキシカルボニルのような有機オキシカルボニル基を包含する。特に適当なアミノ保護基は、アルコキシカルボニル、4−メトキシベンジルオキシカルボニルおよび4−ニトロベンジルオキシカルボニルを包含する。
本発明のカルバペネム化合物は医薬組成物における使用を意図とするため、式(I)に含まれる好ましい化合物は、医薬上許容される、すなわち、式(Ia):
Figure 0003703146
[式中、R、R1およびR2は前記と同じ]
で示される化合物またはその医薬上許容される塩もしくは医薬上許容されるin vivoにて加水分解可能なエステルであることが容易に理解されるであろう。
式(I)の化合物(R3が水素)の医薬上許容されない塩は、本来、式(I)の化合物(R3が水素)またはその医薬上許容される塩の製造における中間体として有用である。式(I)の化合物に含まれる塩は常法における塩交換により製造してもよい。
同様に、式(I)のカルボキシ保護誘導体、すなわち、式(I)の化合物(R3が容易に除去できるカルボキシ保護基)は、式(I)の化合物(R3が水素)またはその医薬上許容される塩の製造にて用いることができる。エステル基、例えば、医薬上許容されるin vivoにて加水分解可能なエステル基は、R3について容易に除去できるカルボキシ保護基の範囲内に含まれる。
−CO23基について適当な容易に除去できるカルボキシ保護基は、カルボン酸のエステル誘導体形成基、例えばin vivoにて加水分解可能なエステルを包含する。誘導体は、容易に切断できるものが好ましい。
適当なエステル形成カルボキシ保護基は通常条件下にて除去できるものである。R3に関するかかる基は、ベンジル、4−メトキシベンジル、ベンゾイルメチル、4−ニトロベンジル、4−ピリジルメチル、2,2,2−トリクロロエチル、2,2,2−トリブロモメチル、t−ブチル、t−アミル、アリル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、アダマンチル、2−ベンジルオキシフェニル、4−メチルチオフェニル、テトラヒドロフラン−2−イル、テトラヒドロピラン−2−イル、ペンタクロロフェニル、アセトニル、p−トルエンスルホニルエチル、メトキシメチル、シリル、スタンニルまたはリン含有基、式−N=CHRx(Rxはアリールまたは複素環である)のオキシム基または以下に示すようなin vivoにて加水分解可能なエステル基を包含する。
カルボキシ基は、分子の残りの部分が実質的に影響を受けない条件下、個々のR3基に適する常法、例えば、酸および塩基触媒加水分解法、酵素触媒加水分解法または光化学法により前記したエステルのいずれかより生成できる。
好ましくは、エステル形成カルボキシ保護基は、適当には、塩化アルミニウムおよびアニソールを用いて除去される4−メトキシベンジル;適当には、鉄粉および塩化アンモニウム(1M溶液)を用いて、または炭素上パラジウム触媒または亜鉛屑およびリン酸緩衝液を用いる水素添加(ヘテロサイクルズ(Heterocycles)、1993、36(2)、1727に記載)により除去される4−ニトロベンジル;または適当には、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムおよびトリフェニルホスフィンを用いて除去されるアリルである。
有利には、ヒドロキシ、アミノおよびカルボキシ保護基を用いる場合、それらは、同一条件下、単一反応工程にて除去できるように選択される;例えば、(ヒドロキシに対して)アリルオキシカルボニルおよび(カルボキシに対して)アリルは共にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムおよびトリフェニルホスフィンを用いて除去できる。別の適当な組み合わせは、(ヒドロキシに対して)トリアルキルシリルおよび(カルボキシに対して)4−メトキシベンジルであり、共に、塩化アルミニウムおよびアニソールを用いて除去できる。
適当な医薬上許容されるin vivoにて加水分解可能なエステル基は、例えば、体内にて容易に切断され、親酸またはその塩から離れるものを包含する。この型の適当なエステル基は、式(a)、(b)、(c)および(d):
−CO2CH(Ra)OCORb (a)
−CO2cNRde (b)
−CO2CH2ORf (c)
−CO2CH(Ra)OCOC64YCOCH(Rg)NH2 (d)
[式中、
aは水素、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、メチルまたはフェニルであり;
bは(C1-6)アルキル、(C1-6)アルコキシ、(C3-7)シクロアルキルオキシ、フェニル、ベンジル、(C3-7)シクロアルキル、(C1-6)アルキル(C3-7)シクロアルキル、1−アミノ(C1-6)アルキル、または1−(C1-6アルキル)アミノ(C1-6)アミノであるか;または
aおよびRbは一緒になって、所望により1または2個のメトキシ基によって置換されていてもよい1,2−フェニレン基を形成し;
cは、所望によりメチルまたはエチル基により置換されていてもよい(C1-6)アルキレンであり;
dおよびReは、同一または異なっていてもよく、各々、(C1-6)アルキルであり;
fは、(C1-6)アルキルであり;
gは、水素またはハロゲン、(C1-6)アルキルまたは(C1-6)アルコキシより選択される3個までの基によって所望により置換されていてもよいフェニルであり;および
Yは酸素またはNHを意味する]
で示される基を包含する。
適当な医薬上許容されるin vivoにて加水分解可能なエステル基は、例えば、アセトキシメチル、ピバロイルオキシメチル、α−アセトキシエチル、α−ピバロイルオキシエチル、1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチルおよび(1−アミノエチル)カルボニルオキシメチルのようなアシルオキシアルキル基;エトキシカルボニルオキシメチルおよびα−エトキシカルボニルオキシエチルのようなアルコキシカルボニルオキシアルキル基;シクロヘキシルオキシカルボニルオキシメチル(ヘキセメチル)および1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル(ヘキセチル)のようなシクロアルコキシカルボニルオキシアルキル基;ジメチルアミノメチル、ジメチルアミノエチル、ジエチルアミノメチルまたはジエチルアミノエチルのようなジアルキルアミノアルキル、特にジ−低級アルキルアミノアルキル基;フタリジルおよびジメトキシフタリジルのようなラクトン基;および別のβ−ラクタム抗生物質またはβ−ラクタマーゼ阻害剤に結合するエステルを包含する。
さらに適当な医薬上許容されるin vivoにて加水分解可能なエステル基は、式:
Figure 0003703146
[式中、Rhは水素、(C1-6)アルキルまたはフェニルを意味する]
で示される基である。
式(I)の化合物のカルボキシ基の適当な医薬上許容される塩は、金属塩、例えばアルミニウム、アルカリ金属塩、例えばナトリウムまたはカリウム、アルカリ土類塩、例えばカルシウムまたはマグネシウム;およびアンモニウムまたは置換アンモニウム塩、例えばトリエチルアミンのような低級アルキルアミン、2−ヒドロキシエチルアミン、ビス−(2−ヒドロキシエチル)アミンまたはトリス(2−ヒドロキシエチル)アミンのようなヒドロキシ−低級アルキルアミン、ジシクロヘキシルアミンのようなシクロアルキルアミンとの、またはプロカイン、ジベンジルアミン、N,N−ジベンジルエチレンジアミン、デヒドロアビエチルアミン、N,N’−ビス−デヒドロアビエチルアミン、エチレンジアミンまたはN−メチルグルコサミンとの;またはリジン、アルギニンのような塩基性アミノ酸、またはピリジン、コリジンまたはキノリンのようなピリジン型の塩基;または周知のペニシリンおよびセファロスポリンとの塩を形成するのに用いる他のアミノ酸との塩を包含する。別の有用な塩はリチウム塩および銀塩を包含する。
本発明のカルバペネム化合物は、医薬組成物における使用を意図とするため、該化合物は、さらに、実質的に純粋形、例えば、少なくとも50%純度、より適当には少なくとも75%純度、好ましくは少なくとも95%純度(%はwt/wtをベースとする)にて提供されることが理解されるであろう。該化合物の不純な調製物は、医薬組成物にて用いられるさらに純粋な形態を調製するのに用いることができる。本発明の中間体化合物の純度は臨界的特性ではないが、カルバペネム化合物に関する限り、実質的に純粋な形態が好ましいことは容易にわかるであろう。可能な限り、本発明の化合物は結晶形で得られることが好ましい。
本発明の化合物のうちある化合物を結晶化させるかまたは有機溶媒から再結晶する場合、結晶化操作の溶媒が結晶生成物中に存在してもよい。本発明はその範囲内にそのような溶媒和物を包含する。同様に、本発明の化合物のうちある化合物を水含有溶媒より結晶化させるかまたは再結晶させてもよい。そのような場合には、水和作用の水が結晶生成物中にあってもよい。本発明は量論量の水和物ならびに凍結乾燥のような方法により得られる可変量の水を含有する化合物をその範囲内に包含する。
本発明の範囲内にある個々の化合物は、以下の化合物ならびにその医薬上許容される塩およびin vivoにて許容されるエステルを包含する:
(5R,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−2−(1,5−ジメチルピラゾール−3−イル)−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸、
(5R,6S)−6−[(1R)−ヒドロキシエチル]−2−(1−フェニルピラゾール−3−イル)−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸、
(5R,6S)−6−[(1R)−ヒドロキシエチル]−2−[1−メチルピラゾール−3−イル]−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸、
(5R,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−2−(5−メチル−1−フェネチルピラゾール−3−イル)カルバペン−2−エム−3−カルボン酸、
(5R,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−2−[1−(2−フェネチル)ピラゾール−3−イル]−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸、
(5R,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−2−[4,5,6,7−テトラヒドロピリジノ−(1,2−b)−ピラゾール−2−イル]カルバペン−2−エム−3−カルボン酸、
(5R,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−2−(5−メチル−1−フェニルピラゾール−3−イル)カルバペン−2−エム−3−カルボン酸、
(5R,6S)−2[5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ(1,2−b)ピラゾール−2−イル]−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]カルバペン−2−エム−3−カルボン酸、
(5R,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−2−(1,5−ジエチルピラゾール−3−イル)カルバペン−2−エム−3−カルボン酸、
(5R,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−2−(1−エチル−5−メチルピラゾール−3−イル)カルバペン−2−エム−3−カルボン酸、
(5R,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−5−メチルピラゾール−3−イル]カルバペン−2−エム−3−カルボン酸、
(5R,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−2−[1−(2−メトキシエチル)−5−メチルピラゾール−3−イル]カルバペン−2−エム−3−カルボン酸、
(5R,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−2−(5−ベンジル−1−メチルピラゾール−3−イル)カルバペン−2−エム−3−カルボン酸、
(5R,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−2−{5−メチル−1−[2−(1−メチル−テトラゾール−5−イルチオ)エチル]ピラゾール−3−イル}カルバペン−2−エム−3−カルボン酸、
(5R,6S)−2−[1−(2−アセトアミドエチル)−5−メチルピラゾール−3−イル]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]カルバペン−2−エン−3−カルボン酸、
(5R,6S)−2−[1−(2−メチルチオエチル)−5−メチルピラゾール−3−イル]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]カルバペン−2−エム−3−カルボン酸、
(5R,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−2−(1−メチル−5−エチルピラゾール−3−イル)カルバペン−2−エム−3−カルボン酸、
(5R,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−2−[5−メチル−1−(2−メチルスルホニルエチル)ピラゾール−3−イル]−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸、および
(5R,6S)−2−[1−[2−(N,N−ジメチルアミノカルボニルオキシ)エチル]−5−メチルピラゾール−3−イル]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]カルバペン−2−エム−3−カルボン酸。
本発明のカルバペン抗生物質は、他の抗生物質に関する分野にて自体公知の技法および操作に従って、ヒトまたは獣医薬に用いるための常套手段にて投与するように処方してもよく、かくして本発明は、その範囲内に、例えば、式(Ia)の化合物またはその医薬上許容される塩もしくはin vivoにて加水分解可能なエステルのような、本発明に係る抗生物質と、医薬上許容される担体または賦形剤とからなる医薬組成物を包含する。該組成物は、経口、非経口または局所投与のような、いずれか適当な経路により投与するように処方してもよい。該組成物は、錠剤、カプセル、散剤、顆粒、ロゼンジ、クリームまたは経口または滅菌非経口溶液または懸濁液の形態であってもよい。経口投与用の錠剤およびカプセルは単位用量投与形であり、結合剤、例えば、シロップアカシア、ゼラチン、ソルビトール、トラガカント、またはポリビニルピロリドン;充填剤、例えばラクトース、ショ糖、トウモロコシ澱粉、リン酸カルシウム、ソルビトールまたはグリシン;錠剤滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコールまたはシリカ;崩壊剤、例えばポテト澱粉;またはラウリル硫酸ナトリウムのような許容できる湿潤剤のような通常の賦形剤を含有してもよい。錠剤は、通常の製薬慣習における周知方法に従って被覆してもよい。経口用液体調製物は、例えば、水性または油性懸濁液、溶液、エマルジョン、シロップまたはエリキシルの形態であってもよく、または使用前に水または他の適当なビヒクルで復元される乾燥生成物として提供することができる。そのような液体調製物は、沈殿防止剤、例えばソルビトール、メチルセルロース、グルコースシロップ、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ステアリン酸アルミニウムゲルまたは硬化食用脂;乳化剤、例えばレシチン、ソルビタンモノオレエート、またはアカシア;非水性ビヒクル(食用油を有していてもよい)、例えば落下生油、油状エステル、グリセリン、プロピレングリコールまたはエチルエーテル;保存剤、例えばメチルまたはプロピルp−ヒドロキシベンゾエートまたはソルビン酸、および、所望により慣用的フレーバーまたは着色剤のような通常の添加剤を含有してもよい。坐剤は、通常の坐剤基材、例えばカカオバターまたは他のグリセリドを含有するであろう。
非経口投与の場合、化合物および滅菌ビヒクル(水が好ましい)を用いて流体の単位投与形を製造する。用いるビヒクルおよび濃度に依存して、化合物は、ビヒクルに懸濁させるかまたは溶解させるかのいずれかとすることができる。溶液の調製にて、化合物を注射用水に溶かし、適当なバイアルまたはアンプルに充填し、密封する前に滅菌濾過できる。有利には、局所麻酔剤、保存剤および緩衝剤のような薬剤をビヒクルに溶かすことができる。安定性を向上させるために、組成物をバイアルに充填し、真空下で水を除去した後、凍結させることができる。ついで、凍結乾燥した散剤をバイアル中に密封し、添付されている注射用水のバイアルを用いて使用前に液体を復元させてもよい。非経口用懸濁液は、化合物をビヒクルに溶かす代わりに懸濁させ、滅菌操作を濾過で達成することができないことを除いて、実質的に同じ方法にて調製する。滅菌ビヒクルに懸濁させる前に、酸化エチレンに暴露することにより化合物を滅菌させることができる。界面活性剤または湿潤剤を組成物に配合し、化合物を均一に分散させるのが有利である。
組成物は、投与方法に依存して、0.1重量%〜99.5重量%、好ましくは10重量%〜60重量%の活性物質を含有してもよい。組成物が投与単位からなる場合、各単位は、好ましくは、50〜500mgの活性成分を含有するであろう。成人の治療にて用いる用量は、投与経路および頻度に依存して、好ましくは、標準成人患者(体重70kg)で一日当たり100mg〜12g、例えば、一日当たり1500mgの範囲にある。かかる用量は約1.5〜170mg/kg/日に相当する。適当には、該用量は1〜6g/日である。
本発明の化合物を24時間にて数回投与することにより一日の用量を得ることが適当である。実際、個々の患者に最適であろう投与量および頻度は患者の年齢、体重および応答で変化し、内科医がより多いまたは少ない投与量および異なる投与回数を選択する場合もあるが、典型的には、250mgを一日に4回投与する。このような投与方法は本発明の範囲内にある。
本発明の式(Ia)の化合物またはその医薬上許容される塩もしくはin vivoにて加水分解可能なエステルを前記した用量の範囲にて投与する場合、毒物学的作用は示されない。
本発明はまた、ヒトおよび動物における細菌感染症の治療法であって、治療上有効量の本発明の式(Ia)の抗生物質化合物またはその医薬上許容される塩もしくはin vivoにて加水分解可能なエステルを投与することからなる方法に関する。
さらなる態様にて、本発明はまた、細菌感染症の治療薬を製造するための、式(Ia)の化合物またはその医薬上許容される塩もしくはin vivoにて加水分解可能なエステルの使用を提供する。
式(Ia)の本発明の化合物またはその医薬上許容される塩もしくはin vivoにて加水分解可能なエステルは、広範なグラム陽性菌およびグラム陰性菌に対して活性であり、免疫抵抗性減弱の患者における感染症を包含する広範な細菌感染症を治療するのに用いてもよい。
他の多くの使用のうち、式(Ia)の本発明の化合物またはその塩もしくは医薬上許容されるin vivoにて加水分解可能なエステルは、ヒトにおける皮膚感染、軟組織感染、気道感染および尿路感染の治療にて有用であり、さらにウシの乳房炎を治療するのに用いてもよい。
本発明の抗菌活性化合物のさらなる利点は、β−ラクタマーゼ酵素に対するその安定性であり、かくしてβ−ラクタマーゼ産生微生物に対して効果的である。
さらに、本発明は式(I)の化合物の製法であって、式(II):
Figure 0003703146
[式中、R、R1およびR2は前記と同意義であり、
3は容易に除去できるカルボキシ保護基であり、
Xは酸素またはPR456基であり、
4、R5およびR6は、同一または異なっていてもよく、各々、所望により置換されていてもよい(C1-6)アルキルまたは所望により置換されていてもよいアリール基、好ましくはn−ブチルまたはフェニル基を意味する]
で示される化合物を、カルバペネム環形成条件下で処理し、
その後、必要ならば、後記するいずれかまたは一切の工程:
いずれかの保護基を除去し、
ヒドロキシル置換基からなる最初のR1基を、アミノまたはフルオロ基からなる別のR1基に変換し、および/または
該生成物を塩に変換することからなる方法を提供する。
適当なカルバペネム環形成条件は当該分野において周知である。
Xが酸素である場合、適当な環形成条件は、EP0476649−A(ヘキスト(Hoechst)AG)に記載されている方法と同様にして、式(II)の化合物を、式(III):
PR7(OR8)(OR9) (III)
[式中、
7は(C1-4)アルキル、(C1-3)アルコキシまたはフェニル(所望により(C1-3)アルキルで置換されていてもよい)であり、R8およびR9は、同一または異なって、各々、(C1-4)アルキル、アリル、ベンジルまたはフェニル(所望により(C1-3)アルキルまたは(C1-3)アルコキシで置換されていてもよい)を意味する]
で示される三価の有機リン化合物と反応させることからなる。適当な式(III)の試薬は亜リン酸トリメチル、亜リン酸トリエチル、ジメチルメチルホスホナイトおよびジエチルメチルホスホナイトを包含する。適当には、該反応を、テトラヒドロフラン、酢酸エチルのような有機溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレンまたはメシチレンのような芳香族系溶媒あるいはジクロロメタン、トリクロロメタンまたは1,1,2−トリクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素中、50℃〜180℃、好ましくは70℃〜165℃の温度で行う。
XがPR456基である場合、式(I)の化合物は、カルバペネムとする周知のウィッチッヒ(Wittig)環化経路により得ることができる(グチコンダ(Guthikonda)ら、ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(J.Med.Chem.),1987,30,871)。例えば、R4、R5およびR6が、各々、フェニルである場合、その方法は、トリフェニルホスフィンオキシドの元素を閉環脱離反応に付すことからなる。閉環は、適当には、式(II,X=PR456)の化合物を、ベンゼン、トルエンまたはキシレンのような不活性溶媒中、好ましくは乾燥条件下、不活性雰囲気下、所望によりヒドロキノンのようなラジカル捕捉剤の存在下、好ましくは40〜145℃、さらに好ましくは80〜140℃の温度で加熱することによりなされる。R4、R5およびR6が、各々、n−ブチルである場合、環化は、WO92/01695(ビーチャム・グループ(Beecham Group)、ペネム類似体に関する)に記載の方法と同様にして、より低い温度、例えば50℃以上で行ってもよい。
置換基R1にて、ヒドロキシルまたはアミノ基があるならば、その基は、所望により、保護されていてもよい。適当なヒドロキシ保護基は、有機シリル、例えばトリメチルシリルまたはt−ブチルジメチルシリルのようなトリアルキルシリル基、またはトリクロロエチルオキシカルボニル、4−ニトロベンジルオキシカルボニル、4−メトキシベンジルオキシカルボニルおよびアリルオキシカルボニルを包含する。適当なアミノ保護基は、アロキシカルボニル、4−メトキシベンジルオキシカルボニルおよび4−ニトロベンジルオキシカルボニルを包含する。
保護基R3について適当な基は、アリル、4−メトキシベンジルおよび4−ニトロベンジルを包含する。保護基を除去するのに必要な条件は、もちろん、保護基の特性に依存するであろう。例えば、R3が4−メトキシベンジルである場合、ジクロロメタン中、−30〜−70℃の三塩化アルミニウムおよびアニソールを用いてもよく、R3がアリル(プロプ−2−エン−1−イル)の場合、トリフェニルホスフィン、酢酸エチル/MDC中のナトリウム−2−エチルヘキサノエートおよびテトラキス−(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)を用いてもよく、R3がp−ニトロベンジルである場合、炭素上パラジウム触媒の存在下、水性溶媒(例、水性1,4−ジオキサン、THF、エタノール)中、水素化を行ってもよい。
式(II)の化合物は新規化合物であり、式(I)の化合物の製造における中間体として用いることができる。
したがって、さらなる態様において、本発明は、前記した式(II)の化合物を提供する。
式(II)の化合物(Xが酸素)は、テトラヘドロン・レターズ(Tetrahedron Letters),25,1984,2395に記載の方法と同様にして、アシル化条件下、式(IV):
Figure 0003703146
[式中、R、R1およびR2は前記と同意義である]
で示される化合物を、式(V):
ClCOCO23 (V)
[式中、R3は容易に除去されるカルボキシ保護基を意味する]
で示される化合物と反応させることからなる方法により得ることができる。
式(IV)の化合物は新規化合物であり、式(II)の化合物の製造における中間体として用いることができる。
したがって、さらなる態様にて、本発明は、前記した式(IV)の化合物を提供する。
式(II)の化合物(XがPR456基)は、以下の一連の工程により、前記した式(IV)の化合物より得ることができる:
(a)例えば、水を共沸除去する、脱水条件下、式(VI):
(OHC)CO23 (VI)
[式中、R3は容易に除去されるカルボキシ保護基を意味する]
で示される適宜保護したグリオキシル酸誘導体またはその水和物のような官能性等価物と反応させる工程;
(b)2,6−ルチジンのような適当な塩基の存在下、工程(a)にて形成した中間体をハロゲン化剤(例、塩化チオニル)と反応させる工程;および
(c)2,6−ルチジンのような適当な塩基の存在下、工程(b)にて形成した中間体を、式(VII):
PR456 (VII)
[式中、R4、R5およびR6は前記と同意義である]
で示されるリン試薬と反応させる工程。
式(IV)の化合物は、式(VIII):
Figure 0003703146
[式中、RおよびR2は前記と同意義である]
で示される化合物を、テトラヘドロン・レターズ,1987,28,507およびカナディアン・ジャーナル・オブ・ケミストリー(Can.J.Chem.),1988,66,1537に記載の方法に従って、例えば、リチウムヘキサメチルジシラジド(LHMDS)のような塩基の存在下、式(IX):
Figure 0003703146
[式中、R1は前記と同意義であり、R11はアシル基、例えばアセチルを意味する]
で示される化合物と反応させることにより製造してもよい。
式(IV)の化合物はまた、式(VIIIa):
Figure 0003703146
[式中、R、R2は前記と同意義であり、SiR14 3はトリメチルシリルまたはt−ブチルジメチルシリルのようなトリアルキルシリルを意味する]
で示される化合物を、例えば、塩化亜鉛またはトリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネートのようなルイス酸の存在下、ハロゲン化炭化水素溶媒(例、ジクロロメタン)のような不活性有機溶媒中、外界温度で、式(IXa):
Figure 0003703146
[式中、R1およびR11は前記と同意義であり、R13は水素またはアミノ保護基、例えば、トリメチルシリルのようなトリアルキルシリル基を意味する]
で示される化合物と反応させることにより製造してもよい:式(VIIIa)の化合物は、式(VIII)の化合物を、MDC中、塩化トリアルキルシリルまたはトリアルキルシリルトリフレート、およびトリエチルアミンと反応させることにより製造してもよい。
(IXa)のアミノ保護基R13をその後に除去することが必要ならば、この除去は、R13がトリメチルシリルである場合、温和な酸処理、例えば、メタノールおよび塩酸またはp−トルエンスルホン酸ピリジニウムのような常法により達成される。
式(VIII)の化合物は当業者に周知な化合物であり、後記する実施例に記載の標準合成操作により得ることができる。
式(IX)の化合物は当業者に周知な化合物であり、例えば、ヘテロサイクルズ(Het.),1982,17,201(IX、R1=1−ヒドロキシエチル)およびEP0234484(IX、R1=1−フルオロエチル)に記載されている標準合成操作により得ることができる。
式(I)の化合物(R1がアミノ置換アルキルまたはシクロアルキル)は、都合よくは、ヒドロキシ基をミツノブ(Mitsunobu)型アジド置換に付し、つづいて接触還元により、ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイエティ,パーキンI(J Chem Soc,PerkinI),1982,3011に記載の操作に従って、式(I)の対応する化合物(R1はヒドロキシ基を表す)より製造してもよい。
式(I)の化合物はまた、式(X):
Figure 0003703146
[式中、R1およびR2は前記と同意義であり、R3は容易に除去されるカルボキシ保護基であって、X1は脱離基を意味する]
で示される化合物を、式(XI):
M−R (XI)
[式中、Mはメタロ基であり、Rは前記と同意義である]
で示される化合物と、Mの性質にしたがって選択される交差カップリング反応触媒の存在下、交差カップリング反応にて反応させ、その後、必要ならば、いずれかの保護基を除去し、および/または該生成物を塩に変換することにより製造される。
保護基R3についての適当な基は4−メトキシベンジル、4−ニトロベンジルを包含する。
適当な脱離基のX1の例として、例えば、トリフルオロメタンスルホニルオキシ、メタンスルホニルオキシ、4−トルエンスルホニルオキシ、フルオロスルホニルオキシ、クロロ、ブロモ、ヨードおよびジフェノキシホスホリルオキシが挙げられる。
メタロ基M中に用いるのに適当な金属は当該分野にて周知であり、錫、アルミニウム、亜鉛、ホウ素、水銀およびジルコニウムを包含する。
メタロ基Mの好ましい例は、例えば、R141516Sn、B(OR)2およびZnCl(ここに、R14、R15およびR16は同一または異なり、各々、(C1-6)アルキルである)を包含する。好ましくは、メタロ基Mは、有機スタンナンR141516Snであり、R14=R15=R16=メチルまたはn−ブチルである。
適当な交差カップリング触媒は当該分野においてよく知られており、「有機合成におけるパラジウム試薬(Palladium Reagents in Organic Synthesis)」、アール・エフ・へック(RF Heck)、アカデミック・プレス・リミテッド(Academic Press Ltd.)、1985に記載されているような、パラジウム化合物、特にパラジウム(0)およびパラジウム(II)化合物を包含する。その例として、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、トランスジメチルビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)およびパラジウム(II)アセテート、ベンジルビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリドが挙げられる。このようなパラジウム試薬は、好ましくは、塩化亜鉛または塩化リチウムのようなハロゲン化物源と組み合わせて、所望によりパラジウムのホスフィンリガンド、例えば、トリアリールホスフィン、例えば、トリス(4−メトキシフェニル)ホスフィンまたはトリス(2,4,6−トリメトキシフェニル)ホスフィン;トリヘテロアリールホスフィン、例えば、トリフリルホスフィン;またはトリアリールアルシン、例えば、トリフェニルアルシンのような化合物の存在下にて用いられる。
Mが有機スタンナンR141516Snである場合、好ましい触媒系は、塩化亜鉛およびホスフィン化合物の存在下のトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)である。MがZnClである場合、好ましい触媒は、ホスフィン化合物の存在下のトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)である。
適当には、反応は、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、2−ジメトキシエタン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどの不活性非プロトン性極性配位溶媒中、アルゴンのような乾燥した不活性雰囲気下にて行う。適当には、反応を、初めに低温、例えば約−78℃で行い、ついで最終期の反応を外界温度で行う。
Mが有機スタンナンである時の類似操作がEP0444889(メルク・アンド・カンパニー)およびEP0430037(バンユ・ファーマシューティカル・カンパニー)に記載されている。
式(X)の化合物は当該分野にて周知であり、EP0444889(メルク・アンド・カンパニー、EP0430037(バンユ・ファーマシューティカル・カンパニー)およびラノ(Rano)らによる、テトラヘドロン・レターズ,1990,31,2853に記載の操作に従って得ることができる。
式(XI)の化合物は当該分野にて周知であり、ヘテロサイクルズ,1992,33(2),813に記載の操作に従って得ることができる。
以下の実施例を用いて本発明を説明するが、それは何ら本発明の範囲を制限するものではない。
一般教示:無水硫酸マグネシウムを用いて溶液を乾燥させ、ロータリーエバポレーターを用いて溶媒を減圧下で蒸発させることで除去した。シリカゲル上のカラムクロマトグラフィーは、粒径<0.063mmのメルク(Merck)シリカゲル60を用いた。
実施例1
(5R,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−2−(1,5−ジメチルピラゾール−3−イル)−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム
調製1
1,5−ジメチルピラゾール−3−カルボン酸エチル
Figure 0003703146
2,4−ジオキソ吉草酸エチル(5.6ml、40ミリモル)を氷酢酸(35ml)に溶かし、反応温度を8−10℃に冷却した。反応温度が15℃以上に上がらないように、メチルヒドラジン(2.0ml、38ミリモル)を滴下した。室温で90分間撹拌した後、反応物を酢酸エチルおよび水中に注いだ。有機相を炭酸水素ナトリウム飽和溶液、水およびブラインで洗浄し、乾燥(MgSO4)した。ジクロロメタンに充填し、ヘキサン中50%酢酸エチルで溶出するシリカゲル(10x4.5cm)上のクロマトグラフィーに付して精製した。溶媒を蒸発させて着色油として標記化合物を得、それを放置して結晶化させた(4.69g)。
υmax(CH2Cl2)1717および1223cm-1
δH(CDCl3)1.39(3H,t,J7.13Hz)、2.30(3H,s)、3.85(3H,s)、4.39(2H,q,J7.21Hz)、6.57(1H,s);
E.I.m/e168(25%)。
調製2
3−アセチル−1,5−ジメチルピラゾール
Figure 0003703146
1,5−ジメチルピラゾール−3−カルボン酸エチル(3.59g、21.4ミリモル)を乾燥テトラヒドロフラン(70ml)に溶かし、アルゴン雰囲気下、−100℃に冷却した。トリメチルシリルクロリド(13.5ml、107ミリモル)を高速滴下により加えた。直後、内部温度が決して−85℃を越えないようにメチルリチウム(ジエチルエーテル中1.1M溶液、77.7ml、85.5ミリモル)を滴下した。添加終了後、不均一反応物を室温にまで加温した。大部分の溶媒を真空蒸発により除去し、ついでエタノール(6ml)つづいて水(6ml)で処理した。5分間激しく撹拌した後、混合物を酢酸エチルおよび水で希釈した。そのpHを炭酸水素ナトリウム飽和溶液で処理することにより7に調整した。有機相を分離し、ブラインで洗浄し、ついで乾燥(MgSO4)した。ジクロロメタンに充填し、ヘキサン中40%酢酸エチル、つづいてヘキサン中60%酢酸エチルで溶出するシリカゲル(12x4.25cm)上のクロマトグラフィーに付して精製した。溶媒を除去し、着色油として標記化合物を得、それを室温で放置して固化させた(1.42g)。
υmax(CH2Cl2)1679、1551、1448および1373cm-1
δH(CDCl3)2.30(3H,s)、2.54(3H,s)、3.84(3H,s)、6.53(1H,d,J0.55Hz);
E.I.m/e138(95%)、NH3DCl m/e139(100%)。
調製3
(3S,4R)−[(R)−1−t−ブチルジメチルシリルオキシエチル]−4−[(1,5−ジメチルピラゾール−3−イルカルボニル)メチル]アゼチジン−2−オン
Figure 0003703146
3−アセチル−1,5−ジメチルピラゾール(0.770g、5.1ミリモル)を、アルゴン雰囲気下、乾燥THF(10ml)に溶かした。その溶液を−78℃に冷却し、リチウムヘキサメチルジシラジド溶液(ヘキサン中1M溶液;5.1ml;5.1ミリモル)を高速滴下により加えた。−78℃で30分間撹拌した後、4−アセトキシ−3−[(R)−1−t−ブチルジメチルシリルオキシエチル]アゼチジン−2−オンのTHF(10ml)中溶液を加えた。−78℃で撹拌を2時間続けた。反応物を塩化アンモニウム飽和溶液で、つづいて酢酸エチルで処理した。室温に加温した後、有機相を水およびブラインで洗浄し、ついで乾燥(MgSO4)した。ジクロロメタン中に充填し、ヘキサン中70%酢酸エチルで溶出するシリカゲル(10x3cm)上のクロマトグラフィーに付して精製した。標記化合物をガム状物として単離した(0.539g)。
υmax(CH2Cl2)3411、1761および1679cm-1
δH(CDCl3)0.08(6H,s)、0.86(9H,s)、1.21(3H,d,J6.28Hz)、2.31(3H,s)、2.89(1H,dd,J4.84,2.37Hz)、3.13(1H,dd,J17.12,10.05Hz)および3.48(1H,dd,J17.10,3.41Hz)(ABX)、3.84(3H,s)、4.09(1H,dt,J9.13,2.46Hz)、4.13−4.25(1H,m)、6.09(1H,bs)および6.54(1H,s);
m/e365.2134(C18333Sとして、計算値365.2135)。
調製4
{(3S,4R)−[(R)−1−t−ブチルジメチルシリルオキシエチル]−4−[(1,5−ジメチルピラゾール−3−イルカルボニル)メチル]−2−オキサアゼチジン−1−イル}トリフェニル−ホスホラニリデン酢酸アリル
Figure 0003703146
(3S,4R)−[(R)−1−t−ブチルジメチルシリルオキシエチル]−4−[(1,5−ジメチルピラゾール−3−イルカルボニル)メチル]アゼチジン−2−オン(0.736g、2.0ミリモル)およびアリルグリオキシレート・モノ水和物(0.662g、5.0ミリモル)をベンゼン(25ml)に溶かし、混合物を、アルゴン雰囲気下、水を共沸除去するための条件下で加熱還流した。反応物を還流温度に1時間保持し、ついで室温に冷却した。トリエチルアミン(〜4滴)を加え、反応物を室温で16時間撹拌した。減圧下で溶媒を除去し、得られた残渣をヘキサン中70%酢酸エチルに溶かした。ヘキサン中70%酢酸エチルで溶出するシリカゲル(12x3cm)上のクロマトグラフィーに付して精製を行った。ジアステレオマーのヘミアミナルの混合物(1:1)を黄色油として単離した(0.983g)。
υmax(CH2Cl2)3683、3517(ブロード)、1757、1677および1375cm-1
ヘミアミナル(0.983g、2.0ミリモル)のTHF(15ml)中ジアステレオマー混合物を、アルゴン雰囲気下、−10℃で2,6−ルチジン(0.357ml、3.0ミリモル)および塩化チオニル(0.225ml、3.0ミリモル)で処理した。混合物を−10℃で1時間撹拌した。得られた不均一溶液をトルエンで処理し、キーセルガーを介して濾過した。溶媒を減圧下で除去した。得られた残渣をトルエンでトリチュレートし、キーセルガーを介して濾過した。減圧下で溶媒を除去し、黄色油として塩化物のジアステレオマー混合物を得た(1.064g)。
前記の生成物をジオキサン(6ml)に溶かし、アルゴン雰囲気下、トリフェニルホスフィン(2.15g、8ミリモル)および2,6−ルチジン(0.262ml、2.2ミリモル)で処理した。反応物を室温にて4時間撹拌した。酢酸エチルを該反応混合物に加え、得られた有機相を5%クエン酸水溶液、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液およびブラインで連続して洗浄した。乾燥(MgSO4)し、溶媒を蒸発させた後、粗物質を、ジクロロメタンに充填し、ヘキサン中70%酢酸エチルで溶出するシリカゲル(10x4.5cm)上のクロマトグラフィーに付して精製した。標記化合物を泡沫体として単離した(1.01g)。
υmax(CH2Cl2)1736、1678および1610cm-1
m/e(NH3DCl)724(NH+),(EI)723(M+)。
調製5
{(5R,6S)−6−[(R)−1−t−ブチルジメチルシリルオキシエチル]−2−(1,5−ジメチルピラゾール−3−イル)カルバペン−2−エム−3−カルボン酸アリル
Figure 0003703146
調製2のホスホラン(0.75g)およびヒドロキノン(1mg)を、アルゴン雰囲気下、乾燥トルエン(75ml)に溶かした。反応物を加温して還流させ、5時間撹拌した。冷却後、溶媒を蒸発させ、ジクロロメタンに充填し、ヘキサン中50%酢酸エチルで、つづいて酢酸エチルで溶出するシリカゲル(7x3cm)上のクロマトグラフィーに付して生成物を精製した。標記化合物を結晶固体として単離した(0.314g);融点(酢酸エチル/ヘキサン)119℃。
υmax(CH2Cl2)2931、1773、1716、1600および1548cm-1
δH(CDCl3)0.09(6H,s)、0.88(9H,s)、1.27(3H,d,J6.2Hz)、2.27(3H,s)、3.12(1H,dd,J6.68,2.74Hz)、3.23(1H,dd,J18.44,9.06Hz)および3.54(1H,dd,J18.37,9.98Hz)(ABX)、3.77(3H,s)、4.11−4.27(2H,m)、4.67−4.86(2H,m)、5.25(1H,dd,J10.54,1.21Hz)、5.45(1H,dd,J17.25,1.58Hz)、5.91−6.07(1H,m)、7.02(1H,s);
m/e445.2395(C233534Siとして、計算値445.2397)。
調製6
(5R,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−2−(1,5−ジメチルピラゾール−3−イル)カルバペン−2−エム−3−カルボン酸アリル
Figure 0003703146
調製3由来のt−ブチルジメチルシリルエーテル(0.355g、0.68ミリモル)を乾燥THF(40ml)に溶かし、氷酢酸(0.411mg)およびテトラ−n−ブチルアンモニウムフルオリド(THF中1.0M溶液、2.05ml)で処理し、室温で24時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、炭酸水素ナトリウム飽和溶液およびブラインで洗浄した。有機相を乾燥(MgSO4)し、減圧下で蒸発させた。残渣を、酢酸エチルで、つづいて酢酸エチル中2%エタノールで溶出するシリカゲル(4x2.5cm)上のクロマトグラフィーに付して精製した。溶媒を除去し、結晶固体として標記化合物を得た(0.071g)。
υmax(CH2Cl2)3603、3506、2973、1774、1719(ショルダー)および1702cm-1
δH(d6−アセトン)1.28(3H,d,J6.3Hz)、2.22(3H,s)、2.94−3.34(2H,m)、3.52(1H,dd,J18.5,10.1Hz)、3.78(3H,s)、4.05−4.25(2H,m)、4.64−4.83(2H,m)、5.18−5.24(1H,m)、5.43−5.52(1H,m)、5.92−6.05(1H,m)、6.96(1H,s);
m/e331.1534(C172134として、計算値331.1532)。
調製7
(5R,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−2−(1,5−ジメチルピラゾール−3−イル)カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム
Figure 0003703146
調製4由来のアリルエステル(0.017g、0.21ミリモル)、トリフェニルホスフィン(0.006g、0.021ミリモル)、2−エチルヘキサン酸ナトリウム(酢酸エチル中0.5M溶液、0.428ml)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.008mg、0.006ミリモル)のジクロロメタン/酢酸エチル(1:1、8ml)中溶液を、アルゴン雰囲気下、1時間撹拌した。沈殿が生じるまで、溶媒を真空下で除去し、得られた不均一な混合物を遠心分離管に移した。遠心分離に付し、上澄を除去する前に、エーテルを加え、混合物をトリチュレートした。固体を再びエーテルでトリチュレートし、遠心分離およびデカンテーションに付して固体を収集した。アルゴン流下で該固体を乾燥し、水に溶かして濾過した(GF/F、0.7μm)。凍結乾燥した後、白色の綿毛状固体として標記化合物を単離した(0.044g)。
λmax(H2O)297.5nm(ε8769):υmax(KBrディスク)1795、1771、1612および1586cm-1
δH(D2O)1.28(3H,d,J6.42Hz)、2.23(3H,s)、3.16−3.21(2H,m)、3.47(1H,dd,J5.93,2.85Hz)、3.70(3H,s)、4.21−4.28(2H,m)、6.43(1H,s);
m/e(チオグリセロール、FAB)314(MH+)、336(MNa+)。
実施例2
(5R,6S)−6−[(1R)−ヒドロキシエチル]−2−(1−フェニルピラゾール−3−イル)−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム
調製1
(5R,6S)−6−[(1R)−ヒドロキシエチル]−2−(1−フェニルピラゾール−3−イル)−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸p−ニトロベンジル
アルゴン雰囲気下、アセトン/CO2浴中にて冷却した、p−ニトロベンジル−(3R,5R,6S)−6−[(1R)−ヒドロキシエチル]−2−オキソカルバペナム−3−カルボキシレート(460mg、1.32ミリモル)のTHF(14ml)中溶液に、ジイソプロピルアミン(215μl、1.53ミリモル)を、つづいて5分後、無水トリフルオロメタンスルホン酸(255μl、1.52ミリモル)を加えた。得られた黄色溶液を冷却しながら30分間撹拌した。
一方、トリフェニルアルシン(42mg、0.14ミリモル)を、アルゴン下、Pd2(dba)3(63mg、0.07ミリモル)のTHF(5ml)中溶液に加えた。室温で5分間撹拌した後、該深赤色溶液を粗トリフラート溶液に加え、フラスコをTHF(2ml)でリンスした。塩化亜鉛(エーテル中1.0M溶液、2.76ml、2.76ミリモル)および塩化リチウム固体(117mg、2.76ミリモル)を該混合物に加え、つづいて1−フェニル−3−トリブチルスタンニル−ピラゾール(600mg、1.38ミリモル)(ティー・サカモト、エフ・シガ、ディー・ウチヤマ、ワイ・コンドおよびエッチ・ヤマナカ(T.Sakamoto、F.Shiga、D.Uchiyama、Y.KondoおよびH.Yamanaka)、ヘテロサイクルズ(Heterocycles)、1992、33、813の方法により製造)のTHF(10ml)中溶液に加えた。該反応混合物を冷却浴より外し、3時間撹拌した。ついで、該混合物を濃縮し、クロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル/ヘキサン)に付し、一部精製した生成物をエーテルでトリチュレートし、標記化合物を得た(417mg、67%)。
νmax(CH2Cl2)1776、1722cm-1
δH(CDCl3)8.24(2H,d,J8.8Hz)、7.92(1H,d,J2.7Hz)、7.70(4H,m)、7.47(3H,m)、7.32(1H,t,J=7.3Hz)、5.56(1H,d,J=13.9Hz)、5.30(1H,d,J=13.9Hz)、4.31(2H,m)、3.78(1H,dd,J=18.8,10.0Hz)、3.45(1H,dd,J=18.8,9.0Hz)、3.28(1H,dd,J=6.4,2.8Hz)、1.74(1H,d,J=4.9Hz)、1.41(3H,d,J=6.3Hz);
m/z474.1545(M+)、C252246として計算値474.1538。
調製2
(5R,6S)−6−[(1R)−ヒドロキシエチル]−2−(1−フェニルピラゾール−3−イル)−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム
調製1由来の生成物(206mg、0.43ミリモル)をTHF(1ml)に懸濁させ、(1:3)THF/0.35Mリン酸緩衝液(pH6)(5ml)で、つづいて亜鉛屑(2g、0.03モル)で処理した。ついで、該混合物を速やかに室温で2時間撹拌した。ついで、該混合物を濾過し、残渣を水で十分に洗浄した。濾液のpHをpH7で照合し、ついで酢酸エチルで洗浄した。水相を約10mlに濃縮し、粗生成物を逆相クロマトグラフィー(HP20SS、THF/水混合液)で精製した。該生成物含有のフラクションを一部濃縮し、凍結乾燥して標記化合物を得た(72mg、46%)。
UV(H2O)λmax307nm(16027);
νmax(KBrディスク)1750cm-1
δH(D2O)8.02(1H,d,J=2.5Hz)、7.61(2H,d,J=8.3Hz)、7.49(2H,t,J=7.6Hz)、7.36(1H,t,J=6.9Hz)、6.82(1H,d,J=2.5Hz)、4.23(2H,m)、3.48(1H,dd,J=5.4,2.4Hz)、3.27(2H,d,J=9.0Hz)、1.27(3H,d,J=6.3Hz);
m/z(チオグリセロール)384(MNa+)、362(MH+)。
実施例3
(5R,6S)−6−[(1R)−ヒドロキシエチル]−2−(1−メチルピラゾール−3−イル)−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム
調製1
(5R,6S)−6−[(1R)−ヒドロキシエチル]−2−(1−メチルピラゾール−3−イル)−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸p−ニトロベンジル
標記化合物(185mg、65%)を実施例2、調製1と同様に製造した。
νmax(CH2Cl2)1775、1713cm-1
δH(d6−アセトン)8.26(2H,d,J=8.7Hz)、7.85(2H,d,J=8.7Hz)、7.61(1H,d,J=2.3Hz)、7.22(1H,d,J=2.3Hz)、5.58(1H,d,J=14.2Hz)、5.37(1H,d,J=14.2Hz)、4.28(1H,td,J=9.6,2.6Hz)、4.19(1H,五重項,J=6.1Hz)、3.92(3H,s)、3.60(1H,dd,J=18.7,9.9Hz)、3.39(1H,dd,J=18.7,9.0Hz)、3.36(1H,dd,J=6.3,3.0Hz)、1.47(1H,d,J=6.1Hz)、1.31(3H,d,J=6.2Hz);
m/z412.1389(M+)、C202046として計算値412.1384。
調製2
(5R,6S)−6−[(1R)−ヒドロキシエチル]−2−(1−メチルピラゾール−3−イル)−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム
調製1由来の生成物を、実施例2、調製2と同様に脱保護して標記化合物を得た(16.7mg、13%)。
UV(H2O)λmax296nm(7413);
νmax(KBrディスク)1761cm-1
δH(D2O)7.54(1H,d,J=2.4Hz)、6.65(1H,d,J=2.4Hz)、4.28(2H,m)、3.86(3H,s)、3.50(1H,m)、3.28(1H,dd,J=17.0,8.6Hz)、3.18(1H,dd,J=17.0,9.7Hz)、1.31(3H,d,J=6.5Hz)。
実施例4
(5R,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−2−(5−メチル−1−フェネチルピラゾール−3−イル)カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム
調製1
5−メチル−1−フェネチルピラゾール−3−カルボン酸エチル
Figure 0003703146
標記化合物を、黄色油として、実施例1、調製1の記載と同様に、フェネチルヒドラジン(3.92g、0.029M)(ジェイ・エッチ・ビール(J.H.Biel)米国特許第3000903号の方法により製造)および2,4−ジオキソ吉草酸エチル(4.55g、0.029M)より製造した(3.84g、52%)。
νmax(CH2Cl2)1720cm-1
δH(CDCl3)1.40(3H,t,J7Hz)、1.90(3H,s)、3.14(2H,t,J7Hz)、4.30(2H,t,J7Hz)、4.41(2H,q,J7Hz)、6.48(1H,s)、6.97−7.09(2H,m)、および7.20−7.37(3H,m);E.I.m/e258。
調製2
5−メチル−1−フェネチルピラゾール−3−カルボン酸
Figure 0003703146
水酸化ナトリウム(0.6g、14.9ミリモル)を含むエタノール(30ml)中の5−メチル−1−フェネチルピラゾール−3−カルボン酸エチル(3.84g、14.9ミリモル)を室温で3日間撹拌した。ついで、該混合物を酢酸エチルおよび水で希釈し、相を分離した。有機相をさらに水で抽出した。合した水性抽出液を5M塩酸でpH2.0に酸性化し、ジクロロメタンで抽出した。その有機抽出液を乾燥(MgSO4)し、蒸発させて標記化合物を得た(3.24g、95%)。
υmax(CH2Cl2)1759および1699cm-1
δH(CDCl3)1.91(3H,s)、3.16(2H,t,J7Hz)、4.31(2H,t,J7Hz)、6.54(1H,s)、6.98−7.10(2H,m)および7.20−7.37(3H,m)。
調製3
5−メチル−1−フェネチルピラゾール−3−イル−(N−メトキシ−N−メチル)カルボキシアミド
Figure 0003703146
ジクロロメタン(50ml)およびジメチルホルムアミド(1滴)中の5−メチル−1−フェネチルピラゾール−3−カルボキシレート(3.24g、14.1ミリモル)を塩化オキサリル(1.4ml、16.9ミリモル)で処理した。混合物を1.5時間撹拌して清澄溶液を得、それを蒸発乾固した。残渣をトルエンに溶かし、蒸発させた。酸塩化物をクロロホルム(75ml)に溶かし、N,O−ジメチルヒドロキシルアミン(1.5g、15.4ミリモル)を加えた。該混合物を5℃以下に冷却し、ピリジン(2.5ml、30.8ミリモル)を添加しながらこの温度を維持した。添加終了後、該混合物を室温で1.5時間撹拌し、ついで蒸発させた。残渣を1:1のジクロロメタン、酢酸エチルおよびブラインに溶かした。有機相を分離し、乾燥(MgSO4)し、蒸発させた。ヘキサン中50−67%酢酸エチルで溶出するシリカゲル上のクロマトグラフィーに付し、灰白色固体を得た(3.37g、88%)を得た。
νmax(CH2Cl2)1641cm-1
δH(CDCl3)1.93(3H,s)、3.14(2H,t,J7Hz)、3.44(3H,s)、3.76(3H,s)、4.28(2H,t,J7Hz)、6.43(1H,s)、7.00−7.10(2H,m)および7.15−7.35(3H,m);
NH3DCl m/e274(100%)。
調製4
3−アセチル−5−メチル−1−フェネチルピラゾール
Figure 0003703146
THF(30ml)中の5−メチル−1−フェネチルピラゾール−3−イル−(N−メトキシ−N−メチル)カルボキシアミド(3.37g、12.3ミリモル)を0℃以下に冷却し、THF中3.0M臭化メチルマグネシウム(8.6ml、25.9ミリモル)を滴下しながら、この温度を維持した。該混合物を0℃で1.75時間撹拌し、ついで氷冷エタノール中5%塩酸に注いだ。該混合物を1:1のジクロロメタン、酢酸エチルおよびブラインで希釈した。水相を再び1:1のジクロロメタン、酢酸エチルで抽出し、合した有機抽出液を乾燥(MgSO4)し、蒸発させた。シリカゲル上で精製し、標記化合物を得た(2.65g、94%)。
νmax(CH2Cl2)1680cm-1
δH(CDCl3)1.91(3H,s)、2.58(3H,s)、3.15(2H,t,J7Hz)、4.28(2H,t,J7Hz)、6.44(1H,s)、6.96−7.07(2H,m)および7.18−7.37(3H,m);
E.I.m/e228(93%)。
調製5
(3S,4R)−[(R)−1−t−ブチルジメチルシリルオキシエチル]−4−[(5−メチル−1−フェネチルピラゾール−3−イルカルボニル)メチル]アゼチジン−2−オン
Figure 0003703146
THF(80ml)中の3−アセチル−5−メチル−1−フェネチルピラゾール(2.65g、11.6ミリモル)を−70℃に冷却し、ヘキサン中1Mリチウムヘキサメチルジシルアジド(11.6ml)で処理した。混合物を−70℃で0.5時間撹拌し、ついで4−アセトキシ−3−[(R)−1−t−ブチルジメチルシリルオキシエチル]アゼチジン−2−オンのTHF(20ml)中溶液で処理した。混合物を−70℃でさらに3時間撹拌した。塩化アンモニウム飽和溶液を加え、つづいて酢酸エチルを加えた。混合物を室温に放置して加温した後、有機相を分離し、水およびブラインで洗浄(MgSO4)し、蒸発させた。ヘキサン中50%酢酸エチルで溶出するシリカゲル上で精製し、淡黄色固体として標記化合物を得た(2.11g、80%)。
νmax(KBr)1734および1680cm-1
δH(CDCl3)0.08(6H,s)、0.88(9H,s)、1.23(3H,d,J7Hz)、1.91(3H,s)、2.92(1H,dd,J5,2Hz)、3.08−3.29(3H,m)、3.53(1H,dd,J3,17Hz)、4.05−4.34(4H,m)、6.13(1H,brs)、6.45(1H,s)、6.95−7.07(2H,m)および7.13−7.38(3H,m);
NH3DCl m/e456(84%)。
調製6
{(3S,4R)−[(R)−1−t−ブチルジメチルシリルオキシエチル]−4−[(5−メチル−1−フェネチルピラゾール−3−イルカルボニル)メチル]−2−オキソアゼチジン−1−イル}トリブチルホスホルアニリデン酢酸アリル
Figure 0003703146
(3S,4R)−[(R)−1−t−ブチルジメチルシリルオキシエチル]−4−[(5−メチル−1−フェネチルピラゾール−3−イルカルボニル)メチル]アゼチジン−2−オン(2.11g、4.64ミリモル)およびグリオキシル酸アリル・モノ水和物(1.2g、9.1ミリモル)をトルエン(175ml)に合し、アルゴン雰囲気下、水を共沸除去するための条件下にて加熱還流した。14時間後、該混合物を室温に放冷し、低容量にまで蒸発させ、ヘキサン中50%酢酸エチルで溶出するシリカゲル上で精製し、黄色油を得た(1.47g、56%);
NH3DCl m/e456(50%)。
ヘミアミナル(1.1g、1.93ミリモル)のTHF(50ml)中ジアステレオマー混合物を、アルゴン下で−10℃に冷却し、2,6−ルチジン(0.33ml、2.8ミリモル)および塩化チオニル(0.22ml、2.5ミリモル)で逐次処理した。該混合物を−5〜−10℃で0.75時間撹拌し、ついでトルエンで希釈し、セライトを介して濾過し、蒸発させた。該生成物を、アルゴン下、ジオキサン(10ml)に溶かし、トリブチルホスフィン(1.1ml、5.5ミリモル)で処理した。1.5時間撹拌した後、混合物を酢酸エチルで希釈し、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液、ブラインで洗浄し、乾燥(MgSO4)し、蒸発させた。ヘキサン中33〜50%酢酸エチルで溶出するシリカゲル上で精製し、清澄油を得た(1.016g、70%)。
νmax(CH2Cl2)1737、1677および1604cm-1
調製7
{(5R,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−2−(5−メチル−1−フェネチルピラゾール−3−イル)}カルバペン−2−エム−3−カルボン酸アリル
Figure 0003703146
メタノール(30ml)中の{(3S,4R)−[(R)−1−t−ブチルジメチルシリルオキシエチル]−4−[(5−メチル−1−フェネチルピラゾール−3−イルカルボニル)メチル]−2−オキソアゼチジン−1−イル}トリブチルホスホルアニリデン酢酸アリル(0.7g、0.9ミリモル)を、2M塩酸(8.1ml)で処理し、2時間撹拌した。該溶液を低容量にまで蒸発させ、酢酸エチルで2回抽出した。有機抽出液を合し、ブラインで洗浄し、乾燥(MgSO4)し、蒸発させた。残渣をトルエン(5ml)で希釈し、蒸発させた。残渣をトルエン(30ml)に溶かし、2時間加熱還流し、ついで放冷し、低容量にまで蒸発させた。酢酸エチルで溶出するシリカゲルで精製し、油状物を得た(0.164g、42%)。
νmax(CH2Cl2)1774および1717cm-1
δH(CDCl3)1.37(3H,d,J6Hz)、1.93(3H,s)、3.09(3H,t,J7Hz)、3.22(1H,m)、3.32(1H,dd,J9,19Hz)、3.64(1H,dd,J10,19Hz)、4.12−4.37(4H,m)、4.64−4.90(2H,m)、5.29(1H,dd,J1,9Hz)、5.47(1H,dt,J1.5,16Hz)、5.90−6.10(1H,m)、6.94(1H,s)、6.97−7.09(2H,m)および7.15−7.35(3H,m);
m/e421.2001(C242734として、計算値421.2002)。
調製8
(5R,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−2−(5−メチル−1−フェネチルピラゾール−3−イル)カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム
Figure 0003703146
ジクロロメタン、酢酸エチル(1:1)中の{(5R,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−2−(5−メチル−1−フェネチルピラゾール−3−イル)}カルバペン−2−エム−3−カルボン酸アリル(0.21g、0.48ミリモル)を、トリフェニルホスフィン(0.014g、0.05ミリモル)、酢酸エチル(1.5ml)中の2−エチルヘキサン酸ナトリウム(0.073g、0.04ミリモル)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.022g、0.019ミリモル)で逐次処理した。該混合物を室温で20分間撹拌し、ついで低容量に蒸発させ、遠心分離管に移した。残りの溶媒を該混合物表面にアルゴン流を通すことで除去した。残渣をジエチルエーテルでトリチュレートし、ついで遠心分離に付し、上澄を除去した。該操作を2回以上繰り返し、残りの橙色固体を、水、THFの混合液で溶出する、ダイアイオン(Diaion)HP20SS樹脂で精製した。凍結乾燥に付し、淡黄色綿毛状固体として標記化合物を得た(0.087g、45%)。
λmax(H2O)298.5nm(e8611);
νmax(KBr)1752cm-1
δH(H2O)1.28(3H,d,J6.4Hz)、1.77(3H,s)、3.04(2H,t,J6.5Hz)、3.17(2H,m)、3.45(1H,m)、4.22(4H,m)、6.28(1H,s)、6.90−7.08(2H,m)および7.23(3H,m);
m/e(グリセロール、FAB)404(MH+)、426(MNa+)。
実施例5
(5R,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−2−[1−(2−フェネチル)ピラゾール−3−イル]−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム
調製1
2−フェネチルグリシン4−ニトロベンジル
トリエチルアミン(5.51ml、39.6ミリモル)を含むジクロロメタン(100ml)中のフェネチルアミン(4.51ml、36ミリモル)をを氷冷し、ブロモ酢酸4−ニトロベンジル(9.9g、36ミリモル)のジクロロメタン(50ml)中溶液で滴下処理した。混合物を室温で2.5時間撹拌し、ついで炭酸水素ナトリウム飽和水溶液、ブラインで洗浄し、乾燥(MgSO4)し、蒸発させた。ヘキサン中30−100%酢酸エチルで溶出するシリカゲル上で精製し、橙色油を得た(7.23g、64%)。
max(CH2Cl2)1766、1608および1526cm-1
H(CDCl3)2.78−2.95(4H,m)、3.52(2H,s)、5.24(2H,s)、7.16−7.39(5H,m)、7.50(2H,d,J8Hz)および8.22(2H,d,J8Hz)。
EI m/e315(MH+)。
調製2
3−(2−フェネチル)−1,2,3−オキサジアゾール−5−オン
炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(20ml)を含むエタノール(50ml)中の2−フェネチルグリシン4−ニトロベンジル(7.23g、23ミリモル)を炭素上10%パラジウム(0.4g)で水素化した。1.25時間経過後、混合物を飽和炭酸水素ナトリウム(20ml)で希釈し、セライトを介して濾過した。減圧下でエタノールを除去した後、水性混合物をジクロロメタンで洗浄し、蒸発乾固した。残渣を5M塩酸で処理した。沈殿した白色固体を濾過し、1M HClで洗浄した。
前記にて得られた酸を12%塩酸(200ml)に懸濁させ、亜硝酸ナトリウム(3.6g、52ミリモル)で処理した。混合物を60℃で一夜加熱し、蒸発乾固した。残渣をアセトンでトリチュレートし、ついで濾過して不溶性固体を除去した。濾液を蒸発させてN−ニトロソ−2−フェネチルグリシン(2.6g、54%)を得た。
max(CH2Cl2)1726および1461cm-1
H(CDCl3)3.04(2H,t,J7.5Hz)、4.28(2H,s)、4.40(2H,t,J7.5Hz)、7.29(5H,m)および1290(1H,brs)。
ジクロロメタン(25ml)中のN−ニトロソ 2−フェネチルグリシン(2.6g、12.4ミリモル)を氷冷し、無水トリフルオロ酢酸(2.6ml、18.4ミリモル)で滴下処理した。冷却しながら25分間撹拌した後、混合物を炭酸水素ナトリウム固体および最小量の水で中和した。層を分離し、水相をジクロロメタンで抽出した。合した有機抽出液をブラインで洗浄し、乾燥(MgSO4)し、蒸発させて油状物として標記化合物を得た(1.79g、76%)。
max(CH2Cl2)1752および1424cm-1
H(CDCl3)3.25(2H,t,J7Hz)、4.49(3H,t,J7Hz)、6.12(1H,s)および7.10−7.42(5H,m);
EI m/e190(83%)。
調製3
1−(2−フェネチル)−3−(トリブチルスタンニル)ピラゾール
エチニルトリブチルスズ(5.56ml、19.2ミリモル)を含むキシレン(20ml)中の3−(2−フェネチル)−1,2,3−オキサジアゾール−5−オン(1.79g、9.4ミリモル)を18時間還流温度で加熱した。混合物を放冷し、ついでヘキサン中0〜20%ジエチルエーテルで溶出するシリカゲル上で精製して標記化合物を得た(2.0g、46%)。
max(CH2Cl2)1425cm-1
H(CDCl3)0.89(9H,t,J7Hz)、1.03−1.16(6H,m)、1.25−1.42(6H,m)、1.52−1.71(6H,m)、3.16(2H,t,J7Hz)、4.41(2H,t,J7Hz)、6.25(1H,d,J2Hz)、7.01−7.08(2H,m)および7.16−7.35(4H,m);
NH3DCl m/e463(25%)。
調製4
(5R,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−2−[1−(2−フェネチル)ピラゾール−3−イル]カルバペン−2−エム−3−カルボン酸4−ニトロベンジル
標記化合物を、実施例2、調製1の記載と同様に1−(2−フェネチル)−3−(トリブチルスタンニル)ピラゾール(2.0g、4.3ミリモル)より製造した(1.57g、73%)。
max(KBr)1769、1740、1604および1523cm-1
H(CDCl3)1.40(3H,d,J6.5Hz)、3.15(3H,t,J7Hz)、3.26(1H,m)、3.36(1H,dd,J9,19Hz)、3.68(1H,dd,J10,19Hz)、4.20−4.41(4H,m)、5.28、5.54(2H,ABq,J14Hz)、7.03−7.39(5H,m)、7.69(2H,d,J8.5Hz)および8.23(2H,d,J8.5Hz);
m/e502.1858(C272646として、計算値502.1852)。
調製5
(5R,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−2−[1−(2−フェネチル)ピラゾール−3−イル]カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム
炭酸水素ナトリウム(0.066g、0.79ミリモル)を含むTHF(15ml)および0.2Mリン酸緩衝液(pH7.0)(15ml)中の(5R,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−2−[1−(2−フェネチル)ピラゾール−3−イル]カルバペン−2−エム−3−カルボン酸4−ニトロベンジル(0.20g、0.4ミリモル)を炭素上10%パラジウム(0.10g)で水素添加した。3.5分経過後、混合物をセライトを介して濾過し、該固体を水および炭酸水素溶液で洗浄した。濾液をジエチルエーテルで洗浄し、ついで蒸発させて低容量とし、水中0〜2%テトラヒドロフランで溶出するダイアイオン・HP20SS樹脂上で精製し、白色凍結乾燥固体として標記化合物を得た(0.051g、33%)。
λmax(H2O)297.5(ε9961);
νmax1753、1603および1591cm-1
δH(D2O)1.36(3H,d,J6.5Hz)、3.17(2H,t,J6.5Hz)、3.20−3.35(2H,m)、3.55(1H,m)、4.25−4.40(2H,m)、4.43(2H,t,J6.5Hz)、6.57(1H,d,J2.5Hz),7.12−7.21(2H,m)および7.25−7.41(4H,m);
m/e(チオグリセロール、FAB)390(MH+)。
実施例6
(5R,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−2−[4,5,6,7−テトラヒドロピリジノ−(1,2−b)−ピラゾール−2−イル]カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム
調製1
4,5,6,7−テトラヒドロピリジノ−(1,2−c)(1,2,3)オキサジアゾロン
ジクロロメタン(15ml)中のN−ニトロソピペコリン酸(ダブリュ・リジンスキー、エル・ケーファーおよびジェイ・ロー(W.Lijinsky、L.KeeferおよびJ.Loo)、テトラヘドロン(Tetrahedron)1970、26、5137の方法で製造)(1.82g、11.5ミリモル)を氷冷し、トリフルオロ酢酸(1.62ml、11.5ミリモル)で滴下処理した。混合物を冷却しながら6時間撹拌し、さらにジクロロメタンで希釈し、洗浄液が中性となるまで炭酸水素ナトリウム飽和溶液で洗浄した。有機相を乾燥(MgSO4)し、蒸発させて黄色油として標記化合物を得た(1.12g、76%)。
νmax(CH2Cl2)1732cm-1
δH(CDCl3)1.90−2.02(2H,m)、2.04−2.19(2H,m)、2.63(2H,t,J6Hz)および4.25(2H,t,J6Hz);
EI m/e140(93%)。
調製2
4,5,6,7−テトラヒドロピリジノ−2−トリブチルスタンニル(1,2−b)ピラゾール
標記化合物を、実施例5、調製3に記載の方法により4,5,6,7−テトラヒドロピリジノ−(1,2−c)(1,2,3)オキサジゾール(1.12g、8.8ミリモル)より製造する(0.458g、13%)。
νmax(CH2Cl2)1526および1485cm-1
δH(CDCl3)0.84−1.01(9H,m)、1.02−1.12(6H,m)、1.25−1.41(6H,m)、1.50−1.72(6H,m)、1.79−1.90(2H,m)、1.96−2.09(2H,m)、2.80(2H,t,J6Hz)、4.21(2H,t,J6Hz)および6.05(1H,s);
NH3DCl m/e MH+413(100%)。
調製3
(5R,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−2−[4,5,6,7−テトラヒドロピリジノ−(1,2−b)−ピラゾール−2−イル]カルバペン−2−エム−3−カルボン酸4−ニトロベンジル
標記化合物を、実施例2、調製1の記載と同様に、4,5,6,7−テトラヒドロピリジニウム−2−トリブチルスタンニル(1,2−b)ピラゾール(0.458g、1.11ミリモル)より製造した(0.38g、76%)。
νmax(KBr)1773、1714、1597、1539および1519cm-1
δH(CDCl3)2.39(3H,d,J6Hz)、1.58(3H,s)、1.78−1.92(2H,m)、1.99−2.12(2H,m)、2.79(2H,t,J6Hz)、3.21−3.25(1H,m)、3.31(1H,dd,J9,18.5Hz)、3.63(1H,dd,J10,18.5Hz)、4.13(2H,t,J6Hz)、4.17−4.36(1H,m)、5.27、5.54(2H,ABq,J14Hz)、6.97(1H,s)、7.69(2H,d,J9Hz)および8.23(2H,d,J9Hz);
m/e452.1699(C232446として、計算値452.1696)。
調製4
(5R,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−2−[4,5,6,7−テトラヒドロピリジノ−(1,2−b)−ピラゾール−2−イル]カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム
標記化合物を、実施例5、調製5に記載の方法により、(5R,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−2−[4,5,6,7−テトラヒドロピリジノ−(1,2−b)−ピラゾール−2−イル]カルバペン−2−エム−3−カルボン酸4−ニトロベンジル(0.20g、0.44ミリモル)より製造した(0.099g、66%)。
λmax(H2O)298nm(ε7241);
νmax(KBr)1752、1603および1575cm-1
δH(D2O)1.26(3H,d,J6.5Hz)、1.77(2H,m)、1.98(2H,m)、2.73(2H,t,J6Hz)、3.08−3.22(2H,m)、3.36−3.48(1H,m)、4.00(2H,t,J6Hz),4.12−4.28(2H,m)および6.39(1H,s);
m/e318(MH+)。
実施例7
(5R,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−2−(5−メチル−1−フェニルピラゾール−3−イル)カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム
調製1
5−メチル−2−フェニル−3−(トリ−n−ブチルスタンニル)ピラゾール
1,2−ジメトキシエタン(20ml)中のN−フェニルアラニン(825mg)を亜硝酸n−ブチル(0.64ml)で処理し、混合物を2.5時間撹拌し、ついで溶媒を除去し、粗N−ニトロソ−N−フェニルアラニンを得た。この物質をジクロロメタン(10ml)に溶かし、氷浴中にて冷却し、無水トリフルオロ酢酸(1.06ml)で処理した。混合物を1時間撹拌し、ついで溶媒を除去し、トルエンを加え、ロータリーエバポレーターを用いて除去した。残渣をエタノール/クロロホルム混合液で溶出するシリカゲル上のクロマトグラフィーに付し、シドノン(1g)を得た;υmax(CH2Cl2)1803(sh)、1763(sh)、1734、1485、1243および1065cm-1;δ(CDCl3)2.16(3H,s)、7.51−7.73(5H,m);測定値m/z176.0590;C9822として、計算値176.0586。キシレン(8ml)中の該シドノンを、エチニルトリブチルで処理し、混合物を8時間還流下で加熱した。室温で16時間放置した後、該混合物をヘキサン(15ml)で希釈し、シリカゲル上に充填し、ヘキサン(100ml)で、つづいてヘキサン/酢酸エチルの混合液で溶出し、5−メチル−2−フェニル−3−(トリ−n−ブチルスタンニル)ピラゾールを得た(602mg)。
δ(CDCl3)0.87−1.76(27H,m)、2.35(3H,s)、6.25(1H,s)、7.26−7.47(5H,m);
22362Snとして、測定値m/z448.1900、計算値448.1900。
調製2
(5R,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−2−(5−メチル−1−フェニルピラゾール−3−イル)カルバペン−2−エム−3−カルボン酸p−ニトロベンジル
アルゴン雰囲気下、乾燥テトラヒドロフラン(10ml)中の(5R,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−2−オキソカルバペナム−3−カルボン酸p−ニトロベンジル(250mg)を−78℃に冷却し、N,N−ジイソプロピルアミン(0.11ml)を加えた。該混合物を5分間撹拌し、ついで無水トリフルオロメタンスルホン酸(0.13ml)を加え、該混合物をさらに30分間撹拌し、(5R,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−2−トリフルオロメチルスルホニルオキシ−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸p−ニトロベンジル溶液を得た。トリフェニルアルシン(22mg)およびトリス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)(33mg)および塩化リチウム(60mg)の固体混合物を加え、該反応混合物をアルゴン流で覆った。5−メチル−2−フェニル−3−(トリ−n−ブチルスタンニル)ピラゾール(322mg)を加え、乾燥テトラヒドロフラン(3ml)で洗浄した。ついで、ジエチルエーテル(1.44ml)中1M塩化亜鉛を加え、混合物をなまぬるい水浴を用いて室温まで加温した。少量のブラインを添加した後、混合物を17時間撹拌し、ついで酢酸エチル/水で処理し、層を分離した。水層を酢酸エチルで再抽出した。合した酢酸エチル層を水、ブラインで洗浄し、ついで乾燥(MgSO4)し、蒸発させた。残渣をジクロロメタンに充填し、酢酸エチル/ヘキサンの混合液で溶出するシリカゲル上のクロマトグラフィーに付した。生成物を含有するフラクションを合し、スズ残留物が混入している生成物を得た。クロマトグラフィーに再び付し、つづいてエーテルでトリチュレートし、濾過して、(5R,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−2−(5−メチル−1−フェニルピラゾール−3−イル)カルバペン−2−エム−3−カルボン酸p−ニトロベンジル(247mg)を得た。
νmax(CH2Cl2)/cm-13603、1775、1724、1600、1525、1501、1350、1315、1267および1184;
δ(CDCl3)1.37(3H,d,J6.3Hz)、1.82(1H,d,J4.9Hz)、2.33(3H,s)、3.25(1H,dd,J2.7&6.3Hz)、3.38(1H,dd,J5.9&18.8Hz)、3.70(1H,dd,J9.9&18.8Hz)、4.22−4.33(2H,m)、5.30(1H,d,J13.9Hz)、5.56(1H,d,J13.9Hz)、7.19(1H,s)、7.37−7.52(5H,m)、7.71(2H,d,J8.7Hz)および8.24(2H,d,J8.8Hz);
λmax(EtOH)/nm326.5(ε/dm3モル-1cm-117137)、260.5(ε12621);
262426として、
測定値:C,63.75、H,5.1、N,11.1、m/z488.1698、
計算値:C,63.9、H,4.95、N,11.5、m/z488.1696。
調製3
(5R,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−2−(5−メチル−1−フェニルピラゾール−3−イル)カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム
テトラヒドロフラン(THF)(10ml)および水(10ml)中の(5R,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−2−(5−メチル−1−フェニルピラゾール−3−イル)カルバペン−2−エム−3−カルボン酸p−ニトロベンジル(122mg)を、炭酸水素ナトリウム(42mg)(10ml)および3%Pd−C触媒(50mg)で処理し、混合物を外界圧で5〜10分間水素添加した。該混合物をキーゼルガーを介して濾過し、濾過ケーキを水および酢酸エチルで洗浄した。合した濾液および洗浄液をロータリーエバポレーターを用いて容量を減少させ、少量のNaClを添加し、混合物を水(200ml)、つづいて水/THF混合液:2%THF(100ml);つづいて3%THF(100ml);つづいて4%THF、つづいて6%THFで溶出する、ダイアイオン・HP20SSカラム(2x10cm)上のクロマトグラフィーに付した。フラクションをuvおよびhplcでモニターした。生成物含有のフラクションを合し、蒸発させて低容量とし、ついで凍結乾燥して(5R,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−2−(5−メチル−1−フェニルピラゾール−3−イル)カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム(80mg)を得た。
νmax(KBr)/cm-11786、1756、1588、1501、1412、1383、1359、1288、1246、1223および1145;
λmax(H2O)/nm300.0(ε/dm3モル-1cm-113232)、236.5(ε7027);
δ(D2O)1.26(3H,d,J6.4Hz)、2.20(3H,s)、3.1−3.29(2H,m)、3.46(1H,dd,J2.9&5.9Hz)、4.16−4.28(2H,m)、6.61(1H,s)、7.39−7.57(5H,m)。
実施例8
(5R,6S)−2−[5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ(1,2−b)ピラゾール−2−イル]−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム
調製1
2−トリブチルスタンニル−5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[1,2−b]ピラゾール
標記化合物を、実施例5、調製3に記載の操作に従って、5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ−[1,2−c][1,2,3]オキサジアゾロン(テトラヘドロン・レターズ(Tet Letters)、24、(10)、1067、1983に記載の方法により製造)およびエチニルトリブチルスズより製造した。
δH(CDCl3)0.8−1.7(27H,m)、2.62(2H,q)、2.85(2H,t)、4.17(2H,t)、6.02(1H,s)。
調製2
2−[5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ(1,2−b)ピラゾール−2−イル]−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]カルバペン−2−エム−3−カルボン酸p−ニトロベンジル
標記化合物を、実施例2、調製1に記載の方法により、2−トリブチルスタンニル−5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[1,2−b]ピラゾールおよび(3R,5R,6S)−6−[(1R)−ヒドロキシエチル]−2−オキソカルバペナム−3−カルボン酸p−ニトロベンジルより製造した;融点187−190℃(EtOAc)。
λmax(EtOH)325nm(16262)、266(12654);
νmax(KBr)3286、1790、1706、1608、1583および1522cm-1
δH(d6−DMSO)1.16(3H,d,J6.2Hz)、2.45−2.6(3H,m)、2.82(2H,t)、3.23−3.52(3H,m)、3.92−4.25(4H,m)、5.06(1H,d,J3.9Hz)、5.41(2H,q)、6.79(1H,s)、7.73(2H,d,J8.5Hz)、8.23(2H,d,J8.5Hz);
222246として
計算値:C,60.0;H,5.0;N,12.7%、
測定値:C,60.25;H,5.05;N,12.8%。
調製3
(5R,6S)−2−[5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ(1,2−b)ピラゾール−2−イル]−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム
標記化合物を、実施例5、調製5に記載の操作により、2−[5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ(1,2−b)ピラゾール−2−イル]−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]カルバペン−2−エム−3−カルボン酸p−ニトロベンジルより製造した。
λmax(H2O)300nm(8753);
νmax(KBr)3420、1748、1602および1573cm-1
δH(D2O)1.29(3H,d,J6.5Hz)、2.48−2.63(2H,m)、2.85(2H,t)、3.1−3.3(2H,m)、3.48(1H,dd,J5.9,2.8Hz)、4.05(2H,t)、4.15−4.3(2H,m)、6.41(1H,s)。
実施例9
(5R,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−2−(1,5−ジエチルピラゾール−3−イル)カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム
調製1
1,5−ジエチルピラゾール−3−カルボン酸エチル
氷酢酸(125ml)中の2,4−ジオキソヘキサン酸エチル(21.5g)を氷浴中にて冷却し、15分間にわたってN−エチルヒドラジン・シュウ酸塩(18.75g)で処理した。添加終了後、混合物を室温で3時間撹拌した。ついで酢酸を真空下にて蒸発させて除去した。橙色油状残渣をEtOAcに溶かし、該溶液を飽和NaHCO3水溶液で繰り返し、ブラインで1回洗浄した。MgSO4で乾燥した後、溶媒を真空下で蒸発させ、油の1,5−ジエチルピラゾール−3−カルボン酸エチルを得た(20.7g)。
δ(CDCl3)1.25−1.45(9H,3x3H,t,J7Hz)、2.62(2H,q,J7Hz)、4.17(2H,q,J7Hz)、4.38(2H,q,J7Hz)、6.57(1H,s)ppm。
調製2
1,5−ジエチルピラゾール−3−カルボン酸
エタノール(250ml)中の1,5−ジエチルピラゾール−3−カルボン酸エチル(20.7g)を2.5M水性NaOH(50.6ml)で処理し、該混合物を一夜撹拌した。ついで、さらに4.2mlの2.5M NaOHを加え、撹拌をさらに1時間続けた。ついで、該混合物を酢酸エチル/水中に注いだ。混合物を激しく振盪し、水相を取り出した。水相のpHを1M水性HClを用いて2.0に調整し、NaClで飽和させた。ついで、水層を20%トルエン/80%THF(5x100ml)で抽出した。合した有機抽出液をMgSO4で乾燥し、真空下で蒸発させた。残渣をヘキサン/ジエチルエーテルでトリチュレートし、固体の酸を得た(14.69g)。
υmax(CH2Cl2)3450、2750、2596、1697cm-1
δ(CDCl3)1.31(3H,t,J7Hz)、1.44(3H,t,J7Hz)、2.64(2H,q,J7Hz)、4.20(2H,q,J7Hz)、6.64(1H,s)ppm。
調製3
N−メトキシ−N−メチル−1,5−ジエチルピラゾール−3−カルボキシアミド
N,N−ジメチルホルムアミド(7滴)含有の乾燥ジクロロメタン(180ml)中の1,5−ジエチルピラゾール−3−カルボン酸(14.69g)を、塩化オキサリル(8.38ml)で処理した。該混合物をアルゴン雰囲気下で2.25時間撹拌した。溶媒を真空下で蒸発させることにより除去し、残渣を新たな乾燥ジクロロメタンに再度溶かし、再び真空下で蒸発させて残りのいずれのHClおよび塩化オキサリルも確実に除去した。得られた酸塩化物をクロロホルムに溶かし、ついでN,O−ジメチルヒドロキシルアミン・塩酸塩(9.37g)で処理した。混合物を氷浴中、アルゴン雰囲気下で冷却し、ピリジン(15.6ml)を滴下して処理した。該混合物を1時間撹拌し、ついでEtOAcで希釈し、飽和水性NaHCO3、0.5M水性HClおよびブラインで洗浄した。有機層を乾燥(MgSO4)し、蒸発させて油を得た。この物質をジクロロメタン中に充填し、酢酸エチル/ヘキサンの混合液で溶出するシリカゲル上のクロマトグラフィーに付し、必要なフラクションを蒸発させて油状物としてヒドロキサメート(10.1g)を得た。
υmax(CH2Cl2)1641、1487、1461、1444および1381cm-1
δ(CDCl3)1.28(3H,t,J7Hz)、1.43(3H,t,J7Hz)、2.62(2H,q,J7Hz)、3.43(3H,s)、3.76(3H,s)、4.12(2H,q,J7Hz)、6.52(1H,s)ppm。
調製4
3−アセチル−1,5−ジエチルピラゾール
乾燥テトラヒドロフラン(180ml)中のN−メトキシ−N−メチル−1,5−ジエチルピラゾール−3−カルボキシアミド(10.1g)を氷浴中にて冷却し、臭化メチルマグネシウムのエーテル中3.0M溶液(20.68ml)を10分間にわたって滴下して処理した。1時間撹拌した後、該混合物をエタノール(5ml)および5M水性HCl(1ml)の混合物で処理した。ついで、該混合物をEtOAcおよび水で希釈した。有機相を分離し、水相をEtOAcで2回抽出した。合した有機抽出液をMgSO4で乾燥し、真空下で蒸発させて油状物を得、それをジクロロメタン中に充填し、酢酸エチル/ヘキサン混合液で溶出するシリカゲル上のクロマトグラフィーに付し、必要なフラクションを蒸発させて油状物の生成物を得た(8.08g)。
δ(CDCl3)1.29(3H,t,J7Hz)、1.45(3H,t,J7Hz)、2.55(3H,s)、2.64(2H,q,J7Hz)、4.14(2H,q,J7Hz)、6.55(1H,s)ppm。
調製5
(3S,4R)−4−[(1,5−ジメチルピラゾール−3−イル)カルボニルメチル]−3−[(R)−1−tert−ブチルジメチルシリルオキシエチル]アゼチジン−2−オン
アルゴン雰囲気下、乾燥テトラヒドロフラン(THF)(50ml)中の3−アセチル−1,5−ジエチルピラゾール(1.65g)を、アセトン/固体二酸化炭素浴中にて冷却し、ついでリチウムビス(トリメチルシリル)アミドの1M溶液(19.8ml)で処理した。混合物を45分間撹拌し、ついで乾燥THF(10ml)中の(3R,4R)−4−アセトキシ−3−[(R)−1−tert−ブチルジメチルシリルオキシエチル]アゼチジノン(2.84g)をシリンジを介して約1分間にわたって加えた。混合物を5時間冷却下にて撹拌した。ついで、飽和水性塩化アンモニウムを、つづいて酢酸エチルを加えた。層を分離し、水層を酢酸エチルで再度抽出した。合した酢酸エチル層を飽和ブラインで洗浄し、乾燥し、蒸発させた。酢酸エチル/ヘキサンの混合液で溶出するシリカゲル上のクロマトグラフィーに付し、標記化合物を得た(1.82g)。
υmax(CH2Cl2)3412、2957、2885、2857、1761、1677、1473および1376cm-1
δ(CDCl3)0.078(6H,s)、0.88(9H,s)、1.21(3H,d,J6.3Hz)、1.29(3H,t,J7.6Hz)、1.45(3H,t,J7.3Hz)、2.63(2H,q,J7.3Hz)、2.90(1H,dd,J1.6&4.9Hz)、3.15(1H,dd,J10.0&17.0Hz)、3.50(1H,dd,J3.6&17.0Hz)、4.06−4.25(4H,m)、6.09(1H,s)、6.56(1H,s);
203533Siとして、測定値;m/z393.2445、
計算値;m/z393.2448
調製6
(2Rおよび2S)−2−{(3S,4R)−4−[(1,5−ジエチルピラゾール−3−イル)カルボニルメチル]−3−[(R)−1−tert−ブチルジメチルシリルオキシエチル]−2−オキソアゼチジニル}−2−ヒドロキシ酢酸アリル
トルエン(50ml)中の(3S,4R)−4−[(1,5−ジエチルピラゾール−3−イル)カルボニルメチル]−3−[(1R)−1−tert−ブチルジメチルシリルオキシエチル]アゼチジン−2−オン(1.7g)およびグリオキシル酸アリル・水和物(585mg)を、アルゴン雰囲気下、ディーン&スターク(Dean & Stark)装置にて16時間加熱還流した。その混合物を冷却し、ヘキサン(50ml)で希釈し、酢酸エチル/ヘキサンの混合液で溶出するシリカゲル上のクロマトグラフィーに付した。この操作により標記化合物の2種のジアステレオマーを得た(合計1.91g)。
異性体1、δ(CDCl3)0.064(6H,s)、0.87(9H,s)、1.21(3H,d,J6.3Hz)、1.29(3H,t,J7.5Hz)、1.45(3H,t,J7.3Hz)、2.63(2H,q,J7.3Hz)、2.98(1H,dd,J2.7&9.4Hz)、3.39(1H,dd,J9.6&18.8Hz)、3.54(1H,dd,J3.1&18.3Hz)、4.0−4.71(6H,m)、4.97(1H,d,J10.7Hz)、5.13−5.28(2H,m)、5.54(1H,d,J10.7Hz)、5.72−5.88(2H,m)、6.57(1H,s);
異性体2、δ(CDCl3)0.036(3H,s)、0.061(3H,s)、0.85(9H,s)、1.20−1.33(6H,m)、1.45(3H,t,J7.3Hz)、2.63(2H,q,J7.5Hz)、2.98(1H,dd,J2.5&16.3Hz)、3.31(1H,dd,J8.5&4.0Hz)、3.61(1H,dd,J3.2&16.1Hz)、4.08−4.26(4H,m)、4.71(2H,d,J5.6Hz)、4.81(1H,d,J8.2Hz)、5.24−5.39(2H,m)、5.56(1H,d,J8.2Hz)、5.84−6.00(1H,m)、6.60(1H,s)。
調製7
2−{(3S,4R)−4−[(1,5−ジエチルピラゾール−3−イル)カルボニルメチル]−3−[(R)−1−tert−ブチルジメチルシリルオキシエチル]−2−オキソアゼチジニル}−2−{トリ−n−ブチルホスホルアニリデン)酢酸アリル
アルゴン下、乾燥THF(50ml)中の(2Rおよび2S)−2−{(3S,4R)−4−[(1,5−ジエチルピラゾール−3−イル)カルボニルメチル]−3−[(1R)−1−tert−ブチルジメチルシリルオキシエチル]−2−オキソアゼチジニル}−2−ヒドロキシ酢酸アリル(1.83g)を−20℃に冷却し、2,6−ルチジン(0.63ml)で、つづいて塩化チオニル(0.39ml)で処理した。該混合物を−20℃で30分間撹拌し、ついで室温に加温して濾過し、残渣をTHFで洗浄した。濾液を真空下で蒸発させ、トルエン(20ml)を加えて真空下で除去し、残りの油を真空下で乾燥させた。ついで、該油を、アルゴン雰囲気下、1,4−ジオキサン(20ml)に溶かし、トリ−n−ブチルホスフィン(1.0ml)で処理した。該混合物を1時間撹拌した。ついで、2,6−ルチジン(0.50ml)を加え、混合物をさらに10分間撹拌した。該混合物を酢酸エチルで希釈し、水で、ついでブラインで洗浄し、乾燥(MgSO4)した。酢酸エチルを除去した後、粗生成物を酢酸エチル/ヘキサン混合液で溶出するシリカゲル上のクロマトグラフィーに付し、ホスホランを得た。
υmax(CH2Cl2)1737、1676、1605、1465、1374、1090および835cm-1
調製8
2−{(3S,4R)−4−[(1,5−ジエチルピラゾール−3−イル)カルボニルメチル]−3−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−2−オキソアゼチジニル}−2−{トリ−n−ブチルホスホルアニリデン)酢酸アリル
前記にて製造したホスホランを1,4−ジオキサン(30ml)に溶かし、5M HCl(10ml)で処理した。30分経過後、該混合物を注意して過剰量の飽和水性NaHCO3で、つづいて飽和ブラインで処理した。混合物を酢酸エチルで2回抽出し、合した抽出液を乾燥(MgSO4)し、蒸発させた。残渣を酢酸エチル/ヘキサン混合液で溶出するシリカゲル上のクロマトグラフィーに付し、ヒドロキシ化合物を得た(1.2g)。
υmax(CH2Cl2)3452、1737、1666、1606、1465、1374、1086および1047cm-1
調製9
(5R,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−2−(1,5−ジエチルピラゾール−3−イル)カルバペン−2−エム−3−カルボン酸アリル
ヒドロキノン(20mg)含有のトルエン(60ml)中の2−{(3S,4R)−4−[(1,5−ジエチルピラゾール−3−イル)カルボニルメチル]−3−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−2−オキソアゼチジニル}−2−{トリ−n−ブチルホスホルアニリデン)酢酸アリル(1.2g)を、アルゴン雰囲気下にて6.5時間加熱還流した。混合物を冷却し、ついでシリカゲル(粒径0.040〜0.063mm)のカラム(4x15cm)上に充填し、酢酸エチルで、つづいて酢酸エチル/ヘキサン(9:1)で溶出した。これによりカルバペネムを得た(406mg)。
υmax(CH2Cl2)3604、3424、2977、1773、1716、1311、1186cm-1
δ(CDCl3)1.29(t,J7.4Hz)、1.36(d,J6.3Hz)、1.40(t,J7.3Hz)(共に9H)、1.86(1H,d,J5.0Hz)、2.62(2H,q,J約7.4Hz)、3.19(1H,dd,J2.8&6.7Hz)、3.29(1H,dd,J9.0&18.5Hz)、3.62(1H,dd,J9.9&18.5Hz)、4.08(2H,q,J7.2Hz)、4.16−4.30(2H,m)、4.68−4.90(2H,m)、5.27(1H,m,略d,J約13Hz)、5.46(m,略d,J約17Hz)、5.93−6.06(1H,m)、7.01(1H,s)ppm;
192534として
計算値:m/z359.1840、測定値:m/z359.1485。
調製10
(5R,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−2−(1,5−ジエチルピラゾール−3−イル)カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム
アルゴン下、ジクロロメタン(2ml)および酢酸エチル(2ml)中の(5R,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−2−(1,5−ジエチルピラゾール−3−イル)カルバペン−2−エム−3−カルボン酸アリル(267mg)を、2−エチルヘキサン酸ナトリウムで、つづいてトリフェニルホスフィン(17.5mg)で、つづいてテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(28.3mg)で処理し、該混合物を45分間撹拌した。ついで、ジエチルエーテル(100ml)を加え、30分間撹拌した後、該混合物を遠心分離に付した。残りの固体をジエチルエーテルで洗浄し、アルゴン流の下で乾燥させた。ついで、その固体を少量の水に溶かし、水で、つづいて水/THF混合液;2%、3%、4%および6%THFで溶出するダイアイオンHP20SS樹脂上でクロマトグラフィーに付した。フラクションをHPLCでモニターし、生成物を含有するフラクションを合し、容量を減少させ、凍結乾燥して、固体として(5R,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−2−(1,5−ジエチルピラゾール−3−イル)カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウムを得た(169mg)。
υmax(KBr)1752、1593、1433、1382、1288および1258cm-1
λmax(H2O)/nm298(ε/dm3モル-1cm-19031)、260(ショルダー)(ε5853);
δ(D2O)1.19(t,J7.6Hz)、1.27(d,J約6.8Hz)、1.28(d,J約7.3Hz)(共に9H)、2.60(2H,q,J7.5Hz)、3.18(2H,d,J9.8Hz)、3.46(1H,dd,J2.7&5.9Hz)、4.05(2H,q,J7.2Hz)、4.14−4.26(2H,m)、6.48(1H,s)ppm;
計算値(電子スプレー)m/z342(MH)+
実施例10
(5R,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−2−(1−エチル−5−メチルピラゾール−3−イル)カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム
調製1
1−エチル−5−メチルピラゾール−3−カルボン酸エチル
氷酢酸(100ml)中のN−エチルヒドラジン・シュウ酸塩(12g)を氷浴にて冷却し、2,4−ジオキソ吉草酸エチル(11.24ml)で処理した。添加終了後、混合物を室温で撹拌し、約45分後、混合物を加温して不溶性エチルヒドラジン・シュウ酸塩を溶かした。混合物をさらに2時間撹拌し、ついで水(約300ml)/酢酸エチル(約700ml)中に注ぎ、pHが中性になるまで、K2CO3固体を注意して撹拌しながら添加した。分離した後、水層を酢酸エチルで再び抽出した。合した酢酸エチル抽出液を乾燥(MgSO4)し、溶媒を除去して油を得た。CH2Cl2/ヘキサン中に充填し、酢酸エチル/ヘキサン混合液(2:8〜1:1)の勾配溶出で溶出するシリカゲル上のクロマトグラフィーに付し、油の1−エチル−5−メチルピラゾール−3−カルボン酸エチル(13.2g)を得た。
υmax(CH2Cl2)1717、1446、1389および1219cm-1
δ(CDCl3)1.38(3H,t,J7.2Hz)、1.42(3H,t,J7.3Hz)、2.30(3H,s)、4.17(2H,q,J7.3Hz)、4.38(2H,q,J7.1Hz)、6.55(1H,s);
91422として、
測定値m/z182.1055、計算値m/z182.1055。
調製2
1−エチル−5−メチルピラゾール−3−カルボン酸
エタノール(70ml)中の1−エチル−5−メチルピラゾール−3−カルボン酸エチル(10.93g)をKOH(3.69g)で、つづいて水(30ml)で処理し、混合物を6時間撹拌し、加熱還流した。ロータリーエバポレーターを用いてエタノールを除去し、酢酸エチル/水を加えた。その混合物のpHを3.0に調整し、層を分離した。水層を酢酸エチルで再び抽出した。合した酢酸エチル層を過剰な水性NaHCO3で抽出した。該NaHCO3抽出液を過剰量の酸中に注いでそのpHを3に調整し、NaClを該溶液に添加した。ついで、該混合物を繰り返して酢酸エチルで抽出し、該抽出液を乾燥(MgSO4)し、蒸発させた。残渣をジエチルエーテルでトリチュレートし、固体の酸を得た(5.65g)。
υmax(CH2Cl2)2754、2598、1698、1498、1464、1387および1233cm-1
δ(CDCl3)1.40(3H,t,J7.3Hz)、2.32(3H,s)、4.19(2H,q,J7.3Hz)、6.61(1H,s)ppm;
71022として、
測定値m/z154.0740、計算値m/z154.0742。
調製3
N−メトキシ−N−メチル−1−エチル−5−メチルピラゾール−3−カルボキシアミド
N,N−ジメチルホルムアミド(0.26ml)含有の乾燥ジクロロメタン(100ml)中の1−エチル−5−メチルピラゾール−3−カルボン酸(5.25g)を氷浴にて冷却し、塩化オキサリル(3.27ml)のジクロロメタン(25ml)中溶液で滴下して処理した。混合物を冷却して25分間撹拌し、ついで室温に加温し、その際、気体放出が観察された。10分後、溶媒を真空下で蒸発させて除去し、トルエンを加えて除去し(x2)、残りのHClおよび塩化オキサリルを確実に除去した。得られた酸塩化物を乾燥ジクロロメタンに溶かし、ついでN,O−ジメチルヒドロキシルアミン・塩酸塩(3.61g)で処理した。混合物を氷浴にて冷却し、ピリジン(6.0ml)で処理し、ついで該混合物を室温で1.5時間撹拌し、エーテル(100ml)で希釈し、ブラインで洗浄した。ついで、有機層を乾燥(MgSO4)し、蒸発させて油を得た。この油をジクロロメタン中に充填し、酢酸エチル/ヘキサン混合液で溶出するシリカゲル上のクロマトグラフィーに付し、必要なフラクションを蒸発させて固体としてヒドロキサメートを得た(5.2g)。
υmax(CH2Cl2)2982、2937、1641、1489、1445、1379および975cm-1
δ(CDCl3)1.43(3H,t,J7.3Hz)、2.29(3H,s)、3.42(3H,s)、3.76(3H,s)、4.13(2H,q,J7.3Hz)、6.49(1H,s);
91532として、
測定値m/z197.1164、計算値m/z197.1164。
調製4
3−アセチル−1−エチル−5−メチルピラゾール
乾燥テトラヒドロフラン(60ml)中のN−メトキシ−N−メチル−1−エチル−5−メチルピラゾール−3−カルボキシアミド(3.12g)を氷浴にて冷却し、臭化メチルマグネシウムのエーテル中3.0M溶液(11.08ml)で処理した。1.5時間撹拌した後、混合物を氷浴中のメタノール(100ml)および5M水性HCl中に注いだ。ついで混合物を蒸発させて低容量とし、ジクロロメタン、水および飽和ブラインの混合液で処理した。分離した後、水層をジクロロメタンで再び抽出した。合したジクロロメタン抽出液を乾燥(MgSO4)し、蒸発させて油(2.26g)を得、それを放置して固化させた。
υmax(CH2Cl2)1680、1446、1425、1380、1324、1208および945cm-1
δ(CDCl3)1.44(3H,t,J7.3Hz)、2.30(3H,s)、2.53(3H,s)、4.13(2H,q,J7.3Hz)、6.51(1H,s);
8122Oとして、
測定値m/z152.0949、計算値m/z152.090。
調製5
(3S,4R)−4−[(1−エチル−5−メチルピラゾール−3−イル)カルボニルメチル]−3−[(R)−1−tert−ブチルジメチルシリルオキシエチル]アゼチジン−2−オン
アルゴン雰囲気下、乾燥テトラヒドロフラン(THF)中の3−アセチル−1−エチル−5−メチルピラゾール(3.51g)をアセトン/固形二酸化炭素浴にて冷却し、ついでリチウムビス(トリメチルシリル)アミドの1M溶液(50ml)で処理した。該混合物を45分間撹拌し、ついで(3R,4R)−4−アセトキシ−3−[(1R)−1−tert−ブチルジメチルシリルオキシエチル]アゼチジノン(6.6g)を、アルゴン下、固体として添加した。該混合物を冷却下にて3.5時間撹拌した。ついで、飽和水性塩化アンモニウムを、つづいて酢酸エチルを加え、その混合物を室温に加温した。少量の水を加え、層を分離し、水層を酢酸エチルで再び抽出した。合した酢酸エチル抽出液を飽和ブラインで洗浄し、乾燥して蒸発させた。酢酸エチル/ヘキサンの混合液で溶出するシリカゲル上のクロマトグラフィーに付して標記化合物を得た(3.65g)。
υmax(CH2Cl2)3411、1761、1678、1376、1151および838cm-1
δ(CDCl3)0.064(6H,s)、0.86(9H,s)、1.20(3H,d,J6.3Hz)、1.44(3H,t,J7.3Hz)、2.31(3H,s)、2.89(1H,dd,J1.8&4.9Hz)、3.15(1H,dd,J10.0&17.1Hz)、3.50(1H,dd,J3.5&17.0Hz)、4.06−4.25(4H,m)、6.11(1H,s)、6.53(1H,s)。
193333Siとして、
測定値m/z379.2296、計算値m/z379.2291。
調製6
(2Rおよび2S)−2−{(3S,4R)−4−[(1−エチル−5−メチルピラゾール−3−イル)カルボニルメチル]−3−[(R)−1−tert−ブチルジメチルシリルオキシエチル]−2−オキソアゼチジニル}−2−ヒドロキシ酢酸アリル
トルエン(100ml)中の(3S,4R)−4−[(1−エチル−5−メチルピラゾール−3−イル)カルボニルメチル]−3−[(R)−1−tert−ブチルジメチルシリルオキシエチル]アゼチジン−2−オン(3.6g)およびグリオキシル酸アリル・水和物(1.66g)を、アルゴン雰囲気下、ディーン&スターク装置にて3.5時間加熱還流した。反応混合物のt.l.c.によれば、反応がほとんど完了しており、さらにグリオキシル酸アリル・水和物(190mg)を加えて、その混合物をさらに45分間加熱還流した。該混合物を冷却し、トルエンを除去して粗(2Rおよび2S)−2−{(3S,4R)−4−[(1−エチル−5−メチルピラゾール−3−イル)カルボニルメチル]−3−[(R)−1−tert−ブチルジメチルシリルオキシエチル]−2−オキソアゼチジニル}−2−ヒドロキシ酢酸アリルを得、それを次の段階にて用いた。
υmax(CH2Cl2)3681、3518、1758、1676、1448、1376、1326、1209、1148、1092、954および836cm-1
δ(CDCl3)、とりわけ、0.035(s)、0.061(s)(共に6H)、0.858(s)、0.865(s)(共に9H)、1.21(d,J6.2Hz)、1.24(d,J6.2Hz)(共に3H)、1.44(3H,t,J7.2Hz)、2.31(3H,s)、2.95−3.00(1H,m)、3.25−3.64(2H,m)、6.53(s)、6.56(s)ppm。
調製7
2−{(3S,4R)−4−[(1−エチル−5−メチルピラゾール−3−イル)カルボニルメチル]−3−[(R)−1−tert−ブチルジメチルシリルオキシエチル]−2−オキソアゼチジニル}−2−(トリ−n−ブチルホスホルアニリデン)酢酸アリル
アルゴン下、乾燥THF(125ml)中の(2Rおよび2S)−2−{(3S,4R)−4−[(1−エチル−5−メチルピラゾール−3−イル)カルボニルメチル]−3−[(R)−1−tert−ブチルジメチルシリルオキシエチル]−2−オキソアゼチジニル}−2−ヒドロキシ酢酸アリル(前記の調製からの粗製物)を−20℃に冷却し、2,6−ルチジン(1.98ml)で、つづいて塩化チオニル(1.24ml)で処理した。混合物を−20℃で30分間撹拌し、ついで室温に加温して濾過し、残渣をTHF(20ml)で洗浄した。濾液を真空下で蒸発させ、トルエン(70ml)を加え、真空下で除去し、残りの油を真空下で乾燥した。ついで、該油を、アルゴン雰囲気下、1,4−ジオキサン(40ml)に溶かし、トリ−n−ブチルホスフィン(3.11ml)で処理した。混合物を1時間撹拌した。ついで、2,6−ルチジン(1.59ml)を加え、その混合物をさらに30分間撹拌した。該混合物を酢酸エチルで希釈し、水で、ついでブラインで洗浄し、乾燥(MgSO4)した。酢酸エチルを除去した後、粗生成物を酢酸エチル/ヘキサン混合液で溶出するシリカゲル上のクロマトグラフィーに付してホスホランを得、それを次の段階に用いた。
調製8
2−{(3S,4R)−4−[(1−エチル−5−メチルピラゾール−3−イル)カルボニルメチル]−3−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−2−オキソアゼチジニル}−2−(トリ−n−ブチルホスホルアニリデン)酢酸アリル
前記にて製造したホスホランを1,4−ジオキサン(60ml)に溶かし、5M HCl(20ml)で処理した。1時間後、混合物を注意してNaHCO3飽和水溶液(40ml)で、つづいてそのpHがわずかにアルカリ性となるまで固体NaHCO3で処理した。飽和ブラインを加え、混合物を酢酸エチルで2回抽出した。合した抽出液を乾燥(MgSO4)して蒸発させた。残渣を酢酸エチル/ヘキサン混合液で溶出するシリカゲル上のクロマトグラフィーに付し、ヒドロキシ化合物を得た(2.60g)。
υmax(CH2Cl2)3454、1741、1667、1606、1448、1403、1379、1155、1087、953および811cm-1
調製9
(5R,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−2−(1−エチル−5−メチルピラゾール−3−イル)カルバペン−2−エム−3−カルボン酸アリル
ヒドロキノン(20mg)含有のトルエン(120ml)中の2−{(3S,4R)−4−[(1−エチル−5−メチルピラゾール−3−イル)カルボニルメチル]−3−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−2−オキソアゼチジニル}−2−(トリ−n−ブチルホスホルアニリデン)酢酸アリル(2.6g)を、アルゴン雰囲気下、4時間加熱還流し、64時間放置し、ついでさらに2時間加熱還流した。該混合物を冷却し、ついでシリカゲル(粒径0.040〜0.063mm)のカラム(4.5x12cm)に充填し、酢酸エチル/ヘキサン混合液;1:1、6:4、7:3、8:2、9:1(各250ml)で、つづいて酢酸エチルで溶出した。この操作によりカルバペネム(436mg)を得た。
υmax(CH2Cl2)3604、2976、1774、1716、1600、1546、1311、1189cm-1
λmax(EtOH)/nm321.5(ε/dm3モル-1cm-114,856);
δ(CDCl3)1.36(d,J6.3Hz)、1.39(t,J7.3Hz)(共に5H)、1.80(1H,d,J5.0Hz)、2.28(3H,s)、3.19(1H,dd,J2.7&6.7Hz)、3.28(1H,dd,J9.0&18.6Hz)、3.60(1H,dd,J9.9&18.5Hz)、4.08(2H,q,J7.3Hz)、4.16−4.30(2H,m)、4.68−4.90(2H,m)、5.27(1H,m,略d,J約12Hz)、5.46(m,略d,J約17Hz)、5.93−6.08(1H,m)、7.00(1H,s)ppm;
182334として、
測定値m/z345.1693、計算値m/z345.1689。
調製10
(5R,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−2−(1−エチル−5−メチルピラゾール−3−イル)カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム
アルゴン下、ジクロロメタン(3ml)と酢酸エチル(3ml)中の(5R,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−2−(1−エチル−5−メチルピラゾール−3−イル)カルバペン−2−エム−3−カルボン酸アリル(267mg)を、2−エチルヘキサン酸ナトリウム(183mg)で、つづいてトリフェニルホスフィン(24mg)で、つづいてテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(35mg)で処理し、該混合物を45分間撹拌した。ついで、ジエチルエーテル(100ml)を加え、90分間撹拌した後、該混合物を遠心分離に付した。残りの固体をアルゴン流の下で、ついでデシケーター中にて乾燥した。ついで、該固体を塩化ナトリウム含有の水に溶かし、ダイアイオン・HP20SS樹脂上のクロマトグラフィーに付し、水で、つづいて水/THF混合液;1%、2%および3%、THFで溶出した。フラクションをHPLCでモニターし、生成物含有のフラクションを合し、容量を減少させて凍結乾燥し、固体として(5R,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−2−(1−エチル−5−メチルピラゾール−3−イル)カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウムを得た(168mg)。
υmax(KBr)1761、1608、1577、1381、1225cm-1
λmax(H2O)/nm298(ε/dm3モル-1cm-18,531);
δ(D2O)1.26(d,J約6Hz)、1.27(d,J約7Hz)(共に5H)、2.23(3H,s)、3.17(2H,略d,J約9Hz)、3.44(1H,dd,J2.9&6.0Hz)、4.04(2H,q,J7.3Hz)、4.15−4.25(2H,m)、6.41(1H,s)ppm。
実施例11
(5R,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−5−メチルピラゾール−3−イル]カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム
調製1
1−(2−ヒドロキシエチル)−5−メチルピラゾール−3−カルボン酸エチル
標記化合物を、実施例1、調製1の記載と同様に、ヒドロキシエチルヒドラジン(3.64g、50ミリモル)および2,4−ジオキソ吉草酸エチル(8.5g、50ミリモル)より、無色油として製造した(9.39g、95%)。
νmax(CH2Cl2)1700cm-1
δH(CDCl3)1.39(3H,t,J7Hz)、2.40(3H,s)、2.98(2H,t,J7Hz)、4.33−4.48(4H,m)および6.39(1H,s);
E.I.m/e198(95%).
調製2
1−(2−t−ブチルジメチルシリルオキシエチル)−5−メチルピラゾール−3−カルボン酸エチル
ジクロロメタン(150ml)中の1−(2−ヒドロキシエチル)−5−メチルピラゾール−3−カルボン酸エチル(9.39g、47.4ミリモル)を0℃以下に冷却し、トリエチルアミン(7.19ml、52ミリモル)で、つづいて塩化t−ブチルジメチルシリル(7.85g、52ミリモル)で処理した。該混合物を室温で3日間撹拌した。反応混合物をブラインで洗浄し、乾燥(MgSO4)し、蒸発させた。ヘキサン中50%酢酸エチルで溶出するシリカゲル上で精製し、淡黄色固体として標記化合物を得た(定収量)。
νmax(フィルム)1719、1472および1388cm-1
δH(CDCl3)−0.08(6H,s)、0.81(9H,s)、1.38(3H,t,J7Hz)、2.33(3H,s)、3.98(2H,t,J5Hz)、4.21(2H,t,J5Hz)、4.39(2H,q,J7Hz)および6.53(1H,s);
NH3DCl m/e313(100%)。
調製3
1−(2−t−ブチルジメチルシリルオキシエチル)−5−メチルピラゾール−3−カルボン酸
標記化合物を、実施例4、調製2の記載と同様に、1−(2−t−ブチルジメチルシリルオキシエチル)−5−メチルピラゾール−3−カルボン酸エチル(16.08g、51.5ミリモル)より、白色固体として製造した(10.5g、72%)。
νmax(KBr)1688、1648、1533および1505cm-1
δH(CDCl3)−0.10(6H,s)、0.81(9H,s)、2.35(3H,s)、4.00(2H,t,J5Hz)、4.24(2H,t,J5Hz)、6.60(1H,s);
NH3DCl m/e285(100%)。
調製4
3−アセチル−1−(2−t−ブチルジメチルシリルオキシエチル)−5−メチルピラゾール
ジエチルエーテル(100ml)中の1−(2−t−ブチルジメチルシリルオキシエチル)−5−メチルピラゾール−3−カルボン酸(5.6g、19.7ミリモル)を0℃と5℃の間に冷却した。トリエチルアミン(3.3ml、23.6ミリモル)を、つづいてクロロギ酸イソブチル(2.8ml、21.7ミリモル)を加えた。混合物を冷却しながら0.5時間撹拌し、濾過した。ジメチルヒドロキシルアミン・塩酸塩(3.84g、39.4ミリモル)を10%水酸化ナトリウム溶液で処理し、15分間撹拌した。ついで、該混合物をジクロロメタンで2回抽出し、該抽出液を乾燥(MgSO4)した。その溶液を混合無水物含有の混合物に添加し、2時間撹拌した。反応混合物をブラインで洗浄し、乾燥(MgSO4)し、蒸発させた。酢酸エチルで溶出するシリカゲル上で精製し、無色油として1−(2−t−ブチルジメチルシリルオキシエチル)−5−メチルピラゾール−3−イル−(N−メトキシ−N−メチル)カルボキシアミド(1.87g、29%)を得た。
νmax(CH2Cl2)1721、1703および1640cm-1
NH3DCl m/e328(100%)。
THF(50ml)中の1−(2−t−ブチルジメチルシリルオキシエチル)−5−メチルピラゾール−3−イル−(N−メトキシ−N−メチル)カルボキシアミド(1.87g、5.7ミリモル)を−10℃に冷却し、3M臭化メチルマグネシウム溶液(4.0ml、12ミリモル)で処理した。混合物を0℃で1.5時間撹拌し、ついでメタノール中5%氷冷塩酸(30ml)で処理した。混合物を蒸発させてメタノールを除去し、ついでジクロロメタンで抽出した。抽出液をブラインで洗浄し、乾燥(MgSO4)し、蒸発させて油として標記化合物を得た(1.61g、100%)。
νmax(CH2Cl2)1681および1422cm-1
δH(CDCl3)−0.10(6H,s)、0.80(9H,s)、2.33(3H,d,J0.7Hz)、2.54(3H,s)、4.00(2H,t,J5Hz)、4.19(2H,t,J5Hz)および6.50(1H,s);
NH3DCl m/e283(100%)。
調製5
(3S,4R)−[(R)−1−t−ブチルジメチルシリルオキシエチル]−4−{[1−(2−t−ブチルジメチルシリルオキシエチル)−5−メチルピラゾール−3−イルカルボニル]メチル}アゼチジン−2−オン
3−アセチル−1−(2−t−ブチルジメチルシリルオキシエチル)−5−メチルピラゾール(1.42g、5.04ミリモル)を実施例4、調製5の記載と同様に反応させて白色固体の標記化合物を得た(1.02g、80%)。
νmax(KBr)1736および1679cm-1
δH(CDCl3)−0.01(6H,s)、0.07(6H,s)、0.81(9H,s)、0.87(9H,s)、1.22(3H,d,J6Hz)、2.33(3H,s)、2.88−2.93(1H,m)、3.13(1H,dd,J10,17Hz)、3.50(1H,dd,J3.5,17Hz)、3.94−4.26(6H,m)、6.08(1H,s)および6.51(1H,s);
m/e509.3099(C254734Si2として計算値509.3105)。
調製6
{(3S,4R)−[(R)−1−t−ブチルジメチルシリルオキシエチル]−4−{[1−(2−t−ブチルジメチルシリルオキシエチル)−5−メチルピラゾール−3−イルカルボニル]メチル}−2−オキソアゼチジン−1−イル}トリブチルホスホルアニリデン酢酸アリル
標記化合物を、実施例4、調製6の記載と同様に、(3S,4R)−[(R)−1−t−ブチルジメチルシリルオキシエチル]−4−{[1−(2−t−ブチルジメチルシリルオキシエチル)−5−メチルピラゾール−3−イルカルボニル]メチル}アゼチジン−2−オン(1.02g、2.0ミリモル)より、黄色油として製造した(1.05g、65%)。
νmax(CH2Cl2)1736、1678および1605cm-1
調製7
{(5R,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−5−メチルピラゾール−3−イル]}カルバペン−2−エム−3−カルボン酸アリル
標記化合物を、実施例4、調製7の記載と同様に、{(3S,4R)−[(R)−1−t−ブチルジメチルシリルオキシエチル]−4−{[1−(2−t−ブチルジメチルシリルオキシエチル)−5−メチルピラゾール−3−イルカルボニル]メチル}−2−オキソアゼチジン−1−イル}トリブチルホスホルアニリデン酢酸アリルより製造し、黄色油を得た(0.246g、52%)。
νmax(CH2Cl2)1774cm-1
δH(CDCl3)1.36(3H,d,J6Hz)、2.29(3H,s)、3.18−3.40(2H,m)、3.48−3.70(1H,m)、3.95−4.40(6H,m)、4.67−4.95(2H,m)、5.21−5.54(2H,m)、5.90−6.10(1H,m)および7.00(1H,s);
NH3DCl m/e362(70%)。
調製8
{(5R,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−5−メチルピラゾール−3−イル]}カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム
標記化合物を、実施例4、調製8の記載と同様に、{(5R,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−5−メチルピラゾール−3−イル]}カルバペン−2−エム−3−カルボン酸アリル(0.246g、0.68ミリモル)より淡黄色凍結乾燥固体として製造した(0.05g、21%)。
λmax(H2O)297(e8223);
νmax(KBr)1752、1590および1389cm-1
δH(D2O)1.31(3H,d,J6.5Hz)、2.29(3H,s)、3.13−3.30(2H,m)、3.42−3.56(1H,m)、3.88(2H,t,J5Hz)、4.18(2H,t,J5Hz)、4.05−4.30(2H,m)および6.45(1H,s);
m/e344(MH+)。
実施例12
{(5R,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−2−[1−(2−メトキシエチル)−5−メチルピラゾール−3−イル]}カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム
調製1
3−アセチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−5−メチルピラゾール
メタノール(50ml)中の3−アセチル−1−(2−t−ブチルジメチルシリルオキシエチル)−5−メチルピラゾール(1.6g、5.7ミリモル)を2M塩酸(10ml)で処理した。0.5時間撹拌した後、混合物を蒸発させてメタノールを除去し、残りの油をジクロロメタンおよび酢酸エチルで繰り返し抽出し、無色油として標記化合物を得た(0.633g、66%)。
δH(CDCl3)2.30(3H,s)、2.48(3H,s)、3.98−4.09(2H,m)、4.12−4.21(2H,m)および6.49(1H,s)。
調製2
3−アセチル−1−(2−メトキシエチル)−5−メチルピラゾール
エチレングリコールジメチルエーテル(10ml)中の3−アセチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−5−メチルピラゾール(0.63g、3.77ミリモル)を酸化銀(0.87g、3.77ミリモル)およびヨウ化メチル(0.28ml、4.5ミリモル)で処理した。水酸化ナトリウム(0.17g、油中60%分散液、4.14ミリモル)を加え、混合物を2時間撹拌し、ついでセライトを介して濾過し、蒸発させた。酢酸エチルで溶出するシリカゲル上で精製し、標記化合物を得た(0.157g、22%)。
νmax1681cm-1
δH(CDCl3)2.32(3H,s)、2.50(3H,s)、3.30(3H,s)、3.78(2H,t,J5.4Hz)、4.25(2H,t,J5.4Hz)および6.51(1H,s);
EI m/e182(65%)。
調製3
(3S,4R)−[(R)−1−t−ブチルジメチルシリルオキシエチル]−4−{[1−(2−メトキシエチル)−5−メチルピラゾール−3−イルカルボニル]メチル}アゼチジン−2−オン
3−アセチル−1−(2−メトキシエチル)−5−メチルピラゾール(0.67g、3.73ミリモル)を、実施例4、調製5に記載と同様に反応させて白色固体として標記化合物を得た(0.58g、76%)。
νmax(KBr)1761および1679cm-1
δH(CDCl3)0.07(6H,s)、0.87(9H,s)、1.21(3H,d,J6Hz)2.33(3H,s)、2.89(1H,m)、3.12、3.19(1H,2d,J10Hz)、3.48(1H,dd,J3.5,17Hz)、3.76(2H,t,J5Hz)、4.03−4.28(4H,m)、6.12(1H,S)および6.52(1H,s);
NH3DCl m/e410(100%)。
調製4
{(3S,4R)−[(R)−1−t−ブチルジメチルシリルオキシエチル]−4−{[1−(2−メトキシエチル)−5−メチルピラゾール−3−イルカルボニル]メチル}−2−オキソアゼチジン−1−イル}トリブチルホスホルアニリデン酢酸アリル
標記化合物を、実施例4、調製5の記載と同様に、(3S,4R)−[(R)−1−t−ブチルジメチルシリルオキシエチル]−4−{[1−(2−メトキシエチル)−5−メチルピラゾール−3−イルカルボニル]メチル}アゼチジン−2−オン(1.02g、2.0ミリモル)より黄色油として製造した(0.51g、49%)。
νmax(CH2Cl2)1739、1678および1605cm-1
調製5
{(5R,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−2−[1−(2−メトキシエチル)−5−メチルピラゾール−3−イル]}カルバペン−2−エム−3−カルボン酸アリル
標記化合物を、実施例4、調製6の記載と同様に、{(3S,4R)−[(R)−1−t−ブチルジメチルシリルオキシエチル]−4−{[1−(2−メトキシエチル)−5−メチルピラゾール−3−イルカルボニル]メチル}−2−オキソアゼチジン−1−イル}トリブチルホスホルアニリデン酢酸アリルより製造し、黄色油を得た(0.83g、26%)。
νmax(CH2Cl2)1773、1720cm-1
δH(CDCl3)1.36(3H,d,J6Hz)、2.30(3H,s)、3.14−3.23(1H,m)、3.30(4H,m)、3.59(1H,dd,J10,19Hz)、3.72(2H,t,J5.5Hz)、4.13−4.40(4H,m)、4.60−4.91(2H,m)、5.24−5.50(2H,m)、5.78−6.09(1H,m)および6.99(1H,s);
m/e375.1793(C192535として計算値:375.1794)。
調製6
{(5R,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−2−[1−(2−メトキシエチル)−5−メチルピラゾール−3−イル]}カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム
標記化合物を、実施例4、調製7の記載と同様に、{(5R,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−2−[1−(2−メトキシエチル)−5−メチルピラゾール−3−イル]}カルバペン−2−エム−3−カルボン酸アリル(0.83g、0.22ミリモル)より、淡黄色凍結乾燥固体として製造した(0.037g、47%)。
λmax(H2O)297.5nm(e5931);
νmax(KBr)1750および1701cm-1
δH(D2O)1.29(3H,d,J6.5Hz)、2.26(3H,s)、3.28(5H,m)、3.44−3.50(1H,m)、3.78(2H,t,J5Hz)、4.05−4.38(4H,m)および6.43(1H,s);
m/e336(MH+)。
実施例13
(5R,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−2−(5−ベンジル−1−メチルピラゾール−3−イル)カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム
調製1
4−ベンジル−3−メチル−1,2,3−オキサジアゾール−5−オン
N−メチル−L−フェニルアラニン(2.50g)を水(25ml)中に懸濁させ、濃HCl(1ml)を撹拌しながら添加した。溶液を5℃に冷却し、亜硝酸ナトリウム固体(1.35g)をその撹拌溶液に加えた。5℃で1時間撹拌した後、反応混合物をジクロロメタンと水の間に分配した。有機溶液をブラインで洗浄し、乾燥(MgSO4)した。濾過した後、溶媒を蒸発させて白色固体のN−ニトロ−N−メチル−L−フェニルアラニンを得た。
前記した固体をジエチルエーテル(250ml)に溶かし、無水トリフルオロ酢酸(1.95ml)と一緒に室温で16時間撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させ、残渣を酢酸エチルと飽和NaHCO3溶液の間に分配した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥(MgSO4)し、蒸発させて白色固体の生成物を得た(0.610g)。
H(CDCl3)3.81(3H,s)、3.90(2H,s)、7.15−7.45(5H,m)。
調製2
5−メチル−1−メチル−3−(トリ−n−ブチルスタンニル)ピラゾール
4−ベンジル−3−メチル−1,2,3−オキサジアゾール−5−オン(0.600g)およびエチニルトリ−n−ブチルスズ(2.5ml)をキシレン(10ml)に溶かし、アルゴン下で16時間140℃に加熱した。ついで、溶媒を蒸発させ、残渣をシリカゲル上のクロマトグラフィーに付した。0→10%の勾配のアセトン/トルエンで溶出し、黄色油の生成物を得た(0.189g)。
H(CDCl3)0.8−1.7(27H,m)、3.77(3H,s)、4.00(2H,s)、6.09(1H,s)、7.10−7.40(5H,m)。
調製3
(5R,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−2−(5−ベンジル−1−メチルピラゾール−3−イル)カルバペン−2−エム−3−カルボン酸p−ニトロベンジル
標記化合物を、実施例2、調製1の操作に従って、調製2由来のスタンナンを、(3R,5R,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−2−オキソカルバペナム−3−カルボン酸p−ニトロベンジルと反応させることで製造した。アセトン−トルエン混合液で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、白色固体の純粋な生成物を得た(8%収率)。
max(CH2Cl2)3603、1773、1720、1603cm-1
H(CDCl3)1.39(3H,d,J6.3Hz)、1.78(1H,d,J4.9Hz)、3.25(1H,dd,J2.8,6.5Hz)、3.32(1H,dd,J9.0および18.7Hz)、3.58−3.75(4H,dd+s,J9.7および18.6Hz)、3.99(2H,s)、4.15−4.38(2H,m)、5.28(1H,d,J13.8Hz)、5.53(1H,d,J13.8Hz)、7.05−7.4(6H,m)、7.68(2H,d,J8.8Hz)、8.21(2H,d,J8.8Hz);
272646として、
m/z502.1863(M+)、計算値502.1852。
調製4
(5R,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−2−(5−ベンジル−1−メチルピラゾール−3−イル)カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム
標記化合物を、実施例5、調製5に記載の操作に従って、(5R,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−2−(5−ベンジル−1−メチルピラゾール−3−イル)カルバペン−2−エム−3−カルボン酸p−ニトロベンジルより製造した。
max(H2O)297nm(em6660);
max(KBr)3423(ブロード)、1750、1605cm-1
H(D2O)1.39(3H,d,J6.3Hz)、3.22−3.38(2H,2xdd,J8.6,9.6,17Hz)、3.58(1H,dd,J2.8,5.9Hz)、3.76(3H,s)、4.15(2H,s)、4.28−4.39(2H,m)、6.63(1H,s)、7.31−7.52(5H,m)。
実施例14
(5R,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−2−{5−メチル−1−[2−(1−メチル−テトラゾール−5−イルチオ)エチル]ピラゾール−3−イル}カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム
調製1
3−アセチル−5−メチル−1−[2−(1−メチルテトラゾール−5−イルチオ)エチル]ピラゾール
3−アセチル−5−メチル−1−(2−ヒドロキシエチル)ピラゾール(1.74g)、トリフェニルホスフィン(4.071g)および5−メルカプト−1−メチルテトラゾール(3.605g)を、アルゴン雰囲気下、乾燥THF(125ml)に溶かし、5℃に冷却した。ジエチルアゾジカルボキシレート(2.70g)のTHF(25ml)中溶液を、その撹拌し、かつ冷却した溶液に滴下した。撹拌を5℃で4時間続けた。ついで、反応混合物を酢酸エチルと水の間に分配した。有機溶液をNaHCO3溶液、ブラインで洗浄し、乾燥(MgSO4)し、蒸発させた。シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、標記化合物を得た(1.25g)。
max(CH2Cl2)1683cm-1
H(CDCl3)2.30(3H,s)、2.55(3H,s)、3.80(2H,t)、3.92(3H,s)、4.59(2H,t)、6.51(1H,s);
m/z266.0953(M+)(C10146OSとして、計算値;266.0950)。
調製2
(3S,4R)3−[(R)−1−t−ブチルジメチルシリルオキシエチル]−4−{(5−メチル−1−[2−(1−メチルテトラゾール−5−イルチオ)エチル]ピラゾール−3−イルカルボニル)メチル}アゼチジン−2−オン
標記化合物を、実施例1、調製3の操作に従って、4−アセトキシ−3−[(R)−1−t−ブチルジメチルシリルオキシエチル]アゼチジン−2−オンおよび調製1由来の生成物より製造した。
max(CH2Cl2)3410、1761、1682cm-1
H(CDCl3)0.09(6H,s)、0.88(9H,s)、1.27(3H,d,J6.2Hz)、2.34(3H,s)、2.90(1H,dd)、3.15(1H,dd,J10.0および17.1Hz)、3.48(1H,dd,J2.5および17.1Hz)、3.75−3.84(2H,m)、3.93(3H,s)、4.05−4.29(2H,m)、4.60(2H,t)、6.10(1H,s)、6.57(1H,s);
m/z493.2290(M+)(C213573SSiとして計算値;493.2291)。
調製3
2−{(3S,4R)−4−{(5−メチル−1−[2−(1−メチルテトラゾール−5−イルチオ)エチル]ピラゾール−3−イルカルボニル)メチル]−3−[(R)−1−t−ブチルジメチルシリルオキシエチル]−2−オキソアゼチジニル}−2−{トリ−n−ブチルホスホルアニリデン)酢酸アリル
標記化合物を、実施例10、調製6および7の操作に従って、調製2の生成物より製造した(63%収率)。
υmax(CH2Cl2)1736、1682、1605cm-1
調製4
(5R,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−2−{5−メチル−1−[2−(1−メチル−テトラゾール−5−イルチオ)エチル]ピラゾール−3−イル}カルバペン−2−エム−3−カルボン酸アリル
標記化合物を、実施例10、調製8および9の操作に従って、調製3の生成物より製造した(60%収率)。
max(CH2Cl2)3606、1774、1718cm-1
H(CDCl3)1.39(3H,d,J6.3Hz)、1.78(1H,d,J4.9Hz)、2.29(3H,s)、3.22(1H,dd,J2.9および6.7Hz)、3.28(1H,dd,J9および18.6Hz)、3.58(1H,dd,J9.8および18.5Hz)、3.78(2H,t)、3.91(3H,s)、4.17−4.35(2H,m)、4.52(2H,t)、4.68−4.92(2H,m)、5.24−5.52(2H,m)、5.92−6.1(1H,m)、7.01(1H,s);
m/z459.1689(M+)(C202574Sとして計算値;459.1689)。
調製5
(5R,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−2−{5−メチル−1−[2−(1−メチル−テトラゾール−5−イルチオ)エチル]ピラゾール−3−イル}カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム
標記化合物を、実施例9、調製10の操作に従って、調製4の生成物より製造した。
max(H2O)299nm(em12,167);
max(KBr)3425(ブロード)、1760、1608(ショルダー)、1577cm-1
H(D2O)1.36(3H,d,J6.4Hz)、2.34(3H,s)、3.02−3.22(2H,m)、3.53(1H,dd,J2.85,5.95Hz)、3.78−3.87(2H,m)、3.93(3H,s)、4.25−4.38(2H,m)、4.4−4.55(2H,m)、6.42(1H,s).
実施例15
(5R,6S)−2−[1−(2−アセトアミドエチル)−5−メチルピラゾール−3−イル]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム
調製1
3−アセチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−5−メチルピラゾール
1M水性塩酸(39ml)を、室温で、実施例11、調製4にて前記したシリルエーテルのメタノール(100ml)中撹拌溶液に添加した。1.5時間撹拌した後、炭酸水素ナトリウムを該反応混合物に加えて中和した。混合物を濾過し、固体をメタノールで洗浄した。濾液および洗浄液を油状固体にまで濃縮し、それを外界温度で1時間真空下で乾燥した。ついで、固体をアセトン(75ml)と一緒に0.25時間撹拌し、不溶性固体を濾去し、アセトン(20ml)で洗浄した。濾液を濃縮して固体とし、室温で真空下で1時間乾燥し、ついでヘキサン(100ml)と一緒に撹拌した。不溶性固体を濾去し、標記化合物であると同定した(3.4g、95%);融点78−9℃。
元素分析:C81222として、計算値(%):C,57.13;H,7.19;N,16.66:測定値(%):C,57.26;H,7.30;N,16.26
H(CDCl3)2.32(3H,s)、2.53(3H,s)、3.12(1H,t,J6.2)、4.05−4.11(2H,m)、4.16−4.20(2H,m)、6.55(1H,s)。
調製2
3−アセチル−1−(2−メタンスルホニルオキシエチル)メチルピラゾール
塩化メタンスルホニル(0.86ml)を、アルゴン下、0℃で、実施例15、調製1に記載のアルコール(1.86g)の乾燥ピリジン(19ml)中撹拌溶液に滴下した。ついで、該溶液を3時間にわたって室温に加温した。反応混合物を固体に濃縮し、それをアセトン/トルエン混合液で溶出するシリカゲル上のクロマトグラフィーに付して精製し、白色固体として標記化合物を得た(2.55g、93%);融点108.9℃。
元素分析:C91424Sとして、計算値(%):C,43.89;H,5.73;N,11.37:測定値(%):C,44.02;H,5.85;N,11.47。
υmax(CHCl3)/cm-13021、1683、1368;
δH(CDCl3)2.35(3H,s)、2.53(3H,s)、2.87(3H,s)、4.41(2H,t,J5.4)、4.66(2H,t,J5.4)、6.54(1H,s);
m/z(EI)246(M+,88%)、231(M+−CH3,100)、167(M+−SO2CH3,95)。
調製3
3−アセチル−1−(2−アジドエチル)−5−メチルピラゾール
実施例15、調製2に記載のメシレート(2.54g)、ナトリウムアジド(3.4g)、硫酸テトラブチルアンモニウム(3.53g)のN,N−ジメチルホルムアミド(70ml)中混合物を撹拌し、アルゴン下、60℃で9時間加熱した。反応混合物を濃縮して油状固体とし、それをジクロロメタン(100ml)と飽和ブライン(100ml)の間に分配した。フラクションをジクロロメタン(50ml)で再び抽出し、合した有機抽出液を乾燥(MgSO4)し、濃縮して油状物とし、それをシリカゲル上のクロマトグラフィーに付してアセトン/トルエンで溶出し、無色油として標記化合物を得た(1.91g、96%)。
υmax(CHCl3)/cm-13014、2105、1682;
δH(CDCl3)2.34(3H,s)、2.54(3H,s)、3.79(2H,t,J5.46)、4.21(2H,t,J5.5)、6.54(1H,s);
m/z(EI)193(M+,26%)、137(CH23,100);
測定値m/z193.0963、C8115Oとして計算値193.0964。
調製4
(3S,4R)3−[(R)−1−t−ブチルジメチルシリルオキシエチル]−4−{[1−(2−アジゾエチル−5−メチルピラゾール−3−イルカルボニル]メチル}アゼチジン−2−オン
リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(9.8ml、テトラヒドロフラン中1M)を、アルゴン下、−78℃で、実施例15、調製3に記載のアジド化合物(1.9g)の乾燥テトラヒドロフラン(30ml)中撹拌溶液に5分間にわたって添加した。溶液をこの温度で0.5時間撹拌し、4−アセトキシ−3−[(R)−1−t−ブチルジメチルシリルオキシエチル]アゼチジン−2−オン(2.83g)の乾燥テトラヒドロフラン(15ml)中溶液を10分間にわたって添加した。その全体を−78℃で0.75時間撹拌し、ついで−20℃で15時間放置した。ついで、該混合物を飽和塩化アンモニウム溶液を添加することでクエンチし、その後、酢酸エチル(300ml)を5分間撹拌しながら添加した。層を分離した後、水性フラクションを酢酸エチル(100ml)で抽出し、合した有機フラクションを乾燥(Na2SO4)し、濃縮して油とし、それをシリカゲル上のクロマトグラフィーに付して精製し、アセトン/トルエンの混合液で溶出し、油として標記化合物を得た(1.79g、43%)。
υmax(CHCl3)/cm-13411、3055、2956、2106、1761、1682;
δH(CDCl3)0.08(6H,s)、0.87(9H,s)、1.21(3H,d,J6.3)、2.36(3H,s)、2.89(1H,dd,J2.4,4.8)、3.15(1H,dd,J10.0,17.3)、3.50(1H,dd,J3.4,17.3)、3.79(2H,t,J5.9)、4.10(1H,dt,J3.2,10.0)、4.21(3H,t,J5.9)、6.08(1H,s)、6.56(1H,s);
m/z(NH3DCl)421(MH+,48%)、91(100);
測定値m/z420.2301、C19326SiO3として計算値420.2305。
調製5
(3S,4R)−[(R)−1−t−ブチルジメチルシリルオキシエチル]−4−{[1−(2−アセトアミドエチル)−5−メチルピラゾール−3−イルカルボニル]メチル}アゼチジン−2−オン
炭素上3%パラジウム(500mg)を実施例15、調製4に記載のアジド化合物(1.47g)のテトラヒドロフラン(100ml)および無水酢酸(0.66ml)中溶液に懸濁させた。該混合物を外気圧および室温で水素と共に3時間振盪し、セライトを介して濾過した。濾液を濃縮して油とし、それをシリカゲル上のクロマトグラフィーに付し、アセトン/トルエン混合液で、つづいてメタノール/ジクロロメタン混合液で溶出し、泡沫体として標記化合物を得た(681mg、45%)。
υmax(CHCl3)/cm-13455、3417、3017、1757、1677;
δH(CDCl3)0.07(6H,s)、0.87(9H,s)、1.22(3H,d,J6.2)、1.97(3H,s)、2.30(3H,s)、2.89(1H,dd,J3.0,5.1)、3.15(1H,dd,J17.1,10.1)、3.45(1H,dd,J17.1,3.4)、3.71(2H,q,J5.8)、4.09(1H,dt,J3.1,10.1)、4.16−4.25(3H,m)、5.94(1H,br.s)、6.15(1H,s)、6.55(1H,s);
m/z(NH3DCI)437(MH+,73%)。
調製6
{(3S,4R)−3−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−4−[(5−メチル−1−アセトアミドエチルピラゾール−3−イルカルボニル)メチル]−2−オキソアゼチジン−1−イル}トリブチルホスホルアニリデン酢酸アリル
実施例15、調製5由来のピラゾール化合物(675mg)、アリルグリオキシレート・一水和物(246mg)をトルエン(20ml)中に合し、還流温度で、アルゴン下、水を共沸除去するための条件下で撹拌しながら1時間加熱した。室温にまで冷却した後、トリエチルアミン(43μl)を加え、該溶液を15時間撹拌し、ついで濃縮して油とし、それをトルエン(50ml)に再び溶かし、再び濃縮してヘミアミナルの油状ジアステレオマー混合物とした(Rf=0.19、0.26アセトン/トルエン1:1)。
−10℃に冷却したヘミアミナル混合物のテトラヒドロフラン(15ml)中溶液に、アルゴン下、2分間にわたって2,6−ルチジン(270μl)を、つづいて5分間にわたって塩化チオニル(136μl)を加え、その混合物を−10℃で20分間撹拌した。この期間経過後、混合物をトルエン(15ml)で希釈し、濾過して不溶性固体を除去し、その固体をトルエンで洗浄した。濾液および洗浄液を合し、濃縮して油(Rf=0.35、アセトン/トルエン1:1)とし、真空下、室温で1時間乾燥した。1,4−ジオキサン(5ml)に懸濁させた、この油に、トリ−n−ブチルホスフィン(1.14ml)を加え、その混合物をアルゴン下、室温で1.5時間撹拌した。ついで2,6−ルチジン(0.2ml)を加え、該混合物をさらに1時間撹拌し、それを酢酸エチル(50ml)で希釈し、該溶液を0.2M水性塩酸(50ml)、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(50ml)およびブライン(50ml)で洗浄した。その有機抽出液を乾燥(MgSO4)し、濃縮して油(Rf=0.16、アセトン/トルエン1:1)とし、粗{(3S,4R)−3−[(R)−1−t−ブチルジメチルシリルオキシエチル]−4−[(5−メチル−1−アセトアミドエチルピラゾール−3−イルカルボニル)メチル]−2−オキソアゼチジン−1−イル}トリブチルホスホルアニリデン酢酸アリルと同定した。
この油のメタノール(20ml)中溶液に、2M水性塩酸(5ml)を加え、全体を室温で1時間撹拌した。炭酸水素ナトリウム飽和溶液を添加することで混合物を中和し、ついで酢酸エチル(3x20ml)で抽出した。合した有機抽出液を飽和ブラインで洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濃縮して油とし、それをジクロロメタン/メタノール混合液で溶出するシリカゲル上のクロマトグラフィーに付して精製し、泡沫体として標記化合物を得た(248mg、全体の26%)(Rf=0.38、メタノール/ジクロロメタン1:9)。
υmax(CHCl3)/cm-13454(br)、3018、1739、1670;
δH(CDCl3)0.9−0.96(9H,m)、1.24−1.46(21H,m)、1.94(3H,s)、2.27(3H,s)、2.83(1H,br.s)、3.5−3.7(4H,m)、4.05−4.20(4H,m)、4.4−4.5(2H,m)、5.1−5.34(1H,m)、5.8−6.1(2H,m)、6.52(1H,s);
m/z(NH3DCI)621(MH+,8%)、203(P(C493+,100)。
調製7
{(5R,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−2−(1−アセトアミド−5−メチルピラゾール−3−イル)}カルバペン−2−エム−3−カルボン酸アリル
実施例15、調製6に記載のアゼチジノン化合物(274mg)のジクロロメタン(2ml)中撹拌溶液に、トリエチルアミン(83μl)、4−ジメチルアミノピリジン(5mg)、トリメチルシリルクロリド(76μl)を逐次添加した。該溶液をアルゴン下で室温で0.75時間撹拌し、ついで水およびブラインで洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、濃縮して油とした。前以て活性化塩基性アルミナを介して溶出した、この油をトルエン(50ml)に溶かし、この溶液にヒドロキノン(5mg)を添加した。該溶液をアルゴン下で2.5時間還流温度で加熱し、ついで濃縮して油とした。該油をテトラヒドロフラン(10ml)に溶かし、その溶液に0.05M水性ヒドロジロン酸(hydrodiloric acid)を加えた。該溶液を室温で1.5時間撹拌した後、炭酸水素ナトリウム飽和溶液を添加することにより該溶液を中和し、ついでジクロロメタン(2x20ml)で抽出した。合した有機抽出液を乾燥(Na2SO4)し、濃縮して油とし、それをアセトン/トルエン混合液で溶出するシリカゲル上のクロマトグラフィーに付して精製し、白色固体として標記化合物を得た;融点149−51℃。
νmax(CHCl3)/cm-13452(br)、3375、3019、2963、1774、1718、1670;
δH(CDCl3)1.38(3H,d,J6.3)、1.86(1H,d,J4.9)、1.98(3H,s)、2.26(3H,s)、3.21(1H,dd,J2.8,6.9)、3.25(1H,dd,J9.0,18.4)、3.53(1H,dd,J9.9,18.4)、3.69(2H,q,J5.9)、4.13(2H,t,J5.6)、4.19−4.31(2H,m)、4.69−4.90(2H,m)、5.25−5.50(2H,m)、5.93−6.06(1H,m)、6.21(1H,br.s)、6.90(1H,s);
m/z(NH3DCl)403(MH+,38%)、359(M+−COCH3,100)。
調製8
(5R,6S)−2−[1−(2−アセトアミドエチル)−5−メチルピラゾール−3−イル]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム
酢酸エチル/ジクロロメタン(2ml、1:1)中の実施例15、調製8由来のアリルエステル(114mg)を、アルゴン下、室温でナトリウム−2−エチルヘキサノエート(51mg)、トリフェニルホスフィン(7mg)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(9.7mg)で逐次処理した。1時間撹拌した後、混合物を濃縮して固体とし、それを乾燥ジエチルエーテル(4ml)と共に0.25時間撹拌した。不溶性固体を濾過し、水(5ml)に溶かし、該溶液をテトラヒドロフラン/水の混合液で溶出するダイアイオンHP20SS樹脂上のクロマトグラフィーに付して精製し、適宜プールしたフラクションを凍結乾燥した後、無定形固体として標記化合物を得た(70mg、65%)。
υmax(KBr)/cm-13439(br)、1766、1649;
λmax(H2O)/nm299(ε/dm3モル-1cm-18140);
δH(D2O)1.27(3H,d,J6.4)、1.88(3H,s)、2.20(3H,s)、3.15−3.21(2H,m)、3.46(1H,dd,J6.0,2.9)、3.50(2H,dd,J6.1,5.0)、4.12(2H,dd,J6.1,5.0)、4.19−4.28(2H,m)、6.39(1H,s);
m/z(電子スプレー)385(MNa+,100%)、363(MH+,10)。
実施例16
(5R,6S)−2−[1−(2−メチルチオエチル)−5−メチルピラゾール−3−イル]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム
調製1
3−アセチル−1−(2−メチルチオエチル)−5−メチルピラゾール
ナトリウムチオメトキシド(480mg)を、アルゴン下、0℃で実施例15、調製2に記載のメシレート(1.0g)の乾燥N,N−ジメチルホルムアミド(10ml)中撹拌溶液に少しずつ添加した。反応混合物を室温に加温し、ついで撹拌しながら1.5時間放置した。混合物を減圧下で濃縮し、残渣を酢酸エチル(100ml)に溶かし、該溶液を水(3x50ml)、ブラインで洗浄し、ついで乾燥(Na2SO4)し、濃縮して油とした。この油を酢酸エチル/ヘキサンの混合液で溶出するシリカゲル上のクロマトグラフィーに付して精製し、油として標記化合物を得た(734mg、94%)。
υmax(CH2Cl2)/cm-11681、1605;
δH(CDCl3)2.04(3H,s)、2.35(3H,s)、2.53(3H,s)、2.96(2H,t,J7.2)、4.27(2H,t,J7.2)および6.52(1H,s);
m/z(EI)198(M+,55%).
測定値m/z198.0833、C9142OSとして測定値198.0827。
調製2
(3S,4R)−[(R)−1−t−ブチルジメチルシリルオキシエチル]−4−{[1−(2−メチルチオエチル)−5−メチルピラゾール−3−イルカルボニル]メチル}アゼチジン−2−オン
実施例15、調製4に記載の方法と同様の方法にて、乾燥テトラヒドロフラン(35ml)中の実施例16、調製1に記載のチオエーテル化合物(590mg)を、テトラヒドロフラン(4ml)中のリチウムビス(トリメチルシリル)アミド(2.99ml)およびアゼチジノン(430mg)で処理し、後処理およびシリカゲル上のクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン溶媒混合液)により精製した後、油として標記化合物を得た(386mg、61%)。
υmax(CH2Cl2)/cm-13410、1760、1680;
H(CDCl3)0.06(6H,s)、0.86(9H,s)、1.21(3H,d,J6.3)、2.05(3H,s)、2.36(3H,s)、2.89(1H,m)、2.96(3H,t,J7.1)、3.14(1H,dd,J17,10)、3.48(1H,dd,J3.5)、4.0−4.3(2H,m)、4.28(2H,t,J7.1)、6.10(1H,s)、6.54(1H,s)。
調製3
{(3S,4R)−3−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−4−[(5−メチル−1−メチルチオエチルピラゾール−3−イルカルボニル)メチル]−2−オキソアゼチジン−1−イル}トリブチルホスホルアニリデン酢酸アリル
実施例15、調製6に記載の方法と同様の方法にて、実施例16、調製2に記載のアゼチジノン(550mg)をトルエン(50ml)中のグリオキシル酸アリル一水和物(324mg)で処理して中間体生成物(544mg)を得、それをテトラヒドロフラン(15ml)中の塩化チオニル(108μl)および2,6−ルチジン(176μl)で処理し、粗ジアステレオマークロリド中間体を得た。この中間体をトリ−n−ブチルホスフィン(0.753ml)および1,4−ジオキサン(7ml)で処理し、油の粗トリブチルホスホルアニリデン中間体を得、それをメタノール(15ml)中2M水性塩酸(5ml)で処理し、粗生成物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン溶媒混合液)で精製した後、ガム状の標記化合物を得た(393mg、全体の53%)。
υmax(CH2Cl2)/cm-13459、1741、1667、1636および1605;
m/z(EI)609(M+)、m/z(NH3DCI)610(MH+)。
調製4
{(5R,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−2−(5−メチル−1−メチルチオエチルピラゾール−3−イル)}カルバペン−2−エム−3−カルボン酸アリル
実施例16、調製3に記載のホスホルアニリデン化合物(392mg)のトルエン(150ml)中溶液を、アルゴン下、4時間加熱還流した。該溶液を濃縮して油とし、それを酢酸エチル/ヘキサン混合液で溶出するシリカゲル上のクロマトグラフィーに付して精製し、固体として標記化合物を得た(168mg、67%)。
υmax(CH2Cl2)/cm-11773、1716、1600;
H(CDCl3)1.36(3H,d,J6.3)、2.03(3H,s)、2.32(3H,s)、2.90(2H,t,J6.9)、3.2(1H,m)、3.26(1H,dd,J18.4,8.8)、3.58(1H,dd,J18.4,9.8)、4.1−4.3(4H,m)、4.6−4.9(2H,m)、5.26(1H,dd,J10.5,1.3)、5.46(1H,dd,J17.3,1.3)、6.0(1H,m)および7.00(1H,s);
m/z(EI)391(M+)、m/z(NH3DCl)392(MH+)。
測定値m/z391.1565、C192534Sとして計算値391.1566。
調製5
(5R,6S)−2−[1−(2−メチルチオエチル)−5−メチルピラゾール−3−イル]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム
実施例15、調製8に記載の方法と同様の方法にて、実施例16、調製4に記載のアリルエステル(60mg)を、ジクロロメタン/酢酸エチル(2ml、1:1)中のトリフェニルホスフィン(4mg)、ナトリウム−2−エチルヘキサノエート(28mg)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(5.8mg)で処理し、ダイアイオンHP20SS樹脂(テトラヒドロフラン/水の溶媒混合液)上で精製した後、凍結乾燥無定形固体(38mg、66%)を得た。
υmax(KBr)/cm-13416(br)、1752、1608、1587;
max(H2O)/nm296(e/dm3モル-1cm-18950);
dH(D2O)1.26(3H,d,J6.3)、1.96(3H,s)、2.35(3H,s)、2.89(2H,t,J6.5)、3.12(1H,m)、3.19(1H,m)、3.44(1H,m)、4.23(4H,m)、6.42(1H,s);
m/z(電子スプレー)374(MH+,70%)。
実施例17
(5R,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−2−(1−メチル−5−エチルピラゾール−3−イル)カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム
a)5−エチル−1−メチルピラゾール−3−カルボン酸エチル
氷酢酸(75ml)中の2,4−ジオキソヘキサン酸エチル(12g)を氷浴にて冷却し、5〜10分間、滴下方式してメチルヒドラジン(3.21g)で処理した。添加終了後、氷冷浴を取り外し、黄色の不均一溶液を室温で約2時間撹拌した。ついで酢酸を真空下で除去し、残りの油を酢酸エチル(〜100ml)に再び溶かした。この酢酸エチル溶液を飽和炭酸水素ナトリウム(3x)およびブラインで洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を蒸発させた。粗物質を20−70%酢酸エチル/ヘキサンで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、淡黄色油として標記化合物を得た(6.656g、52%)。
H(CDCl3)1.28(3H,t,J7.6Hz)、1.38(3H,t,J7.1Hz)、2.61(2H,q,J7.6Hz)、3.84(3H,s)、4.38(2H,q,J7.1Hz)および6.58(1H,s)。
b)5−エチル−1−メチルピラゾール−3−カルボン酸
エタノール(70ml)中の5−エチル−1−メチルピラゾール−3−カルボン酸エチル(6.86g)を水(30ml)中の水酸化ナトリウム(1.58g)で処理し、6時間加熱還流した。その溶液を濃縮し、水相を酢酸エチルで洗浄し、ジクロロメタン(50ml)を加えた。該溶液を5M塩酸で酸性化し、混合物をジクロロメタンで徹底的に抽出した。残っている不溶性固体を濾去し、水中に懸濁させ、そのpHを飽和炭酸水素ナトリウムで6に調節した。該溶液を再びジクロロメタンで抽出した。合した有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮して白色固体として標記化合物を得た(2.72g、47%)。
測定値:M+,154.0742、C71022として、計算値:M,154.0742;
max(CH2Cl2)3689および1760cm-1
H(CDCl3)1.30(3H,t,J7.4Hz)、2.64(2H,q,J7.4Hz)、3.88(3H,s)および6.65(1H,s)。
c)N−メトキシ−N−メチル−5−エチル−1−メチルピラゾール−3−カルボキシアミド
ジクロロメタン(50ml)中の5−エチル−1−メチルピラゾール−3−カルボン酸(2.5g)をDMF(0.12ml)で処理し、アルゴン下、氷浴中で冷却した。該溶液をジクロロメタン(25ml)中の塩化オキサリル(2.2g)で滴下処理した。添加終了後、反応混合物を0℃で25分間維持し、ついで室温に加温した。溶液を蒸発させ、残渣をトルエン(100ml)に再度溶かし、再び濃縮した。粗酸塩化物をジクロロメタン(50ml)に溶かし、N,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(1.72g)で処理し、氷浴にて冷却し、ピリジン(2.86ml)を加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌した。該反応混合物をブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮して油とした。生成物を「フラッシュ」シリカゲルクロマトグラフィーに付して精製し、黄色油の標記化合物を得た(2.995g、94%)。
測定値:M+,197.1167、C91532として、計算値:M,197.1164。
max(CH2Cl2)1640、1484および1374cm-1
H(CDCl3)1.28(3H,t,J7.5Hz)、2.62(2H,q,J7.5Hz)、3.43(3H,s)、3.76(3H,s)、3.83(3H,s)および6.72(1H,s)。
d)3−アセチル−5−エチル−1−メチルピラゾール
アルゴン下、乾燥テトラヒドロフラン(100ml)中のN−メトキシ−N−メチル−5−エチル−1−メチルピラゾール−3−カルボキシアミド(2.9g)を−20℃に冷却し、臭化メチルマグネシウム(9.8ml、エーテル中3M溶液)で処理した。最初、沈殿物が形成され、添加終了時には再び溶解した。反応混合物を0℃で2時間撹拌し、ついで飽和塩化アンモニウム中に注いだ。水相を酢酸エチルで抽出し、合した有機相をブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮して褐色油とした。粗生成物を50%酢酸エチル/ヘキサンで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーに付して精製し、淡褐色油として標記化合物を得た(1.97g、88%)。
測定値:M+,152.0950、C8122Oとして、計算値:M,152.0950。
max(CH2Cl2)1693、1472、1376および1352cm-1
H(CDCl3)1.28(3H,t,J7.4Hz)、2.54(3H,s)、2.61(2H,q,J7.4Hz)、3.84(3H,s)および6.56(1H,s)。
e)(3R,4S)−3−[(R)−1−t−ブチルジメチルシリルオキシエチル]−4−[2−(5−エチル−1−メチルピラゾール−3−イル)−2−オキソエチル]アゼチジン−2−オン
アルゴン下、乾燥テトラヒドロフラン(70ml)中の3−アセチル−5−エチル−1−メチルピラゾール(1.96g)を−78℃に冷却し、リチウムビス(トリメチルシリルアミド)(12.9ml、ヘキサン中1M溶液)で滴下処理した。−78℃で30分経過後、(3R,4R)−4−アセトキシ−3−[(1R)−tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル]アゼチジン−2−オンの乾燥テトラヒドロフラン(20ml)中溶液をシリンジを介して同じ方式にて加えた。反応混合物をこの温度で4時間維持した。5%クエン酸(100ml)を添加することにより反応混合物をクエンチし、該溶液を室温に加温した。水相を分離し、酢酸エチルで抽出した。合した有機相をブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮して淡黄色ガム状物を得た。50、70、ついで90%酢酸エチル/ヘキサンで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーに付して出発物質を回収した(0.484g、25%)。ついで標記化合物を溶出し、無色ガム状物として得た(2.24g、46%)。
測定値:M+,379.2292、C193733Siとして、計算値:M,379.2291。
max(CH2Cl2)3410、1760および1678cm-1
H(CDCl3)0.06(6H,s)、0.86(9H,s)、1.20(3H,d,J6.2Hz)、2.62(2H,q,J6.2Hz)、2.89(1H,dd,J1.8,4.9Hz)、3.14(1H,dd,J10.0,17.1Hz)、3.48(1H,dd,J3.4,17.1Hz)、3.84(3H,s)、4.11(1H,m)、4.20(1H,m)、6.11(1H,br.s)および6.56(1H,s);
m/z(CI,+veイオン,アンモニア)380(MH+)。
f)2−{(3R,4S)−3−[(R)−1−t−ブチルジメチルシリルオキシエチル]−4−[2−(5−エチル−1−メチルピラゾール−3−イル)−2−オキソエチル]アゼチジン−2−オン−1−イル}−2−ヒドロキシ酢酸アリル
トルエン(70ml)中の(3R,4S)−3−[(R)−1−t−ブチルジメチルシリルオキシエチル]−4−[2−(5−エチル−1−メチルピラゾール−3−イル)−2−オキソエチル]アゼチジン−2−オン(2.19g)およびグリオキシル酸アリル水和物(1.67g)をディーン−スターク分離装置を用いて4時間加熱還流した。t.l.c.分析は出発物質の不在を示した。溶液を蒸発させて残渣を酢酸エチル(70ml)に再び溶かし、水(5x50ml)、ブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮してガム状にした。t.l.c.によれば、標記化合物は次工程に用いるのに十分に純粋であった(2.994g、定収量)。
max(CH2Cl2)3523(w)、1759および1675cm-1
m/z(CI,+veイオン,アンモニア)494(MH+)、511(MNH4 +)。
g)2−{(3R,4S)−3−[(R)−1−t−ブチルジメチルシリルオキシエチル]−4−[2−(5−エチル−1−メチルピラゾール−3−イル)−2−オキソエチル]アゼチジン−2−オン−1−イル}−2−(トリ−n−ブチルホスホルアニリデン)酢酸アリル
アルゴン下、乾燥テトラヒドロフラン(70ml)中の2−{(3R,4S)−3−[(R)−1−t−ブチルジメチルシリルオキシエチル]−4−[2−(5−エチル−1−メチルピラゾール−3−イル)−2−オキソエチル]アゼチジン−2−オン−1−イル}−2−ヒドロキシ酢酸アリル(1.943g)を−10℃に冷却し、2,6−ルチジン(0.69ml)で、つづいて塩化チオニル(0.43ml)で処理し、白色沈殿物を得た。1時間経過後、反応混合物をトルエンで希釈し、キーゼルガーを介して濾過し、濃縮して乾固させた。さらにトルエンを加え、該混合物を再び蒸発させた。ついで、その粗塩化物をジオキサン(15ml)に溶かし、トリ−n−ブチルホスフィン(2.9ml)を加えた。室温で2時間経過後、t.l.c.分析は出発物質がないことを示した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム、ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。ついで、溶液を濃縮して黄色油とした。粗ホスホランをメタノール(50ml)に溶かし、2M塩酸で1時間室温で処理した。飽和炭酸水素ナトリウムを注意してpH8にまで添加し、その混合物を酢酸エチル(2x100ml)で抽出し、ブラインで洗浄し、乾燥して濃縮した。酢酸エチル、2.5%エタノール/酢酸エチル、ついで5%エタノール/酢酸エチルで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーに付して精製し、黄色/橙色ガム状物として標記化合物を得た(1.94g、60%)。
測定値:M+,563.3493、C305035Pとして、計算値:M,563.3488。
max(CH2Cl2)3676,3599,1740,1668および1605cm-1
h)(5R,6S)−2−(5−エチル−1−メチルピラゾール−3−イル)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]カルバペン−2−エム−3−カルボン酸アリル
トルエン(650ml;3mg/ml)中の2−{(3R,4S)−3−[(R)−1−t−ブチルジメチルシリルオキシエチル]−4−[2−(5−エチル−1−メチルピラゾール−3−イル)−2−オキソエチル]アゼチジン−2−オン−1−イル}−2−(トリ−n−ブチルホスホルアニリデン)酢酸アリル(1.94g)を合計7時間加熱還流した。t.l.c.はほんの少量の未反応出発物質を示した。該溶液を濃縮し、5%、ついで10%アセトン/酢酸エチルで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーに付して精製した。該生成物を灰白色結晶固体として得た。エーテルでトリチュレートし、つづいて濾過して無色結晶固体の標記化合物を得た(356mg、30%)。
測定値:M+,345.1689、C182334として、計算値:M,345.1689。
max(CH2Cl2)3603、1774、1716、1599(w)および1542(w)cm-1
H(CDCl3)1.28(3H,t,J7.4Hz)、1.36(3H,d,J6.3Hz)、1.85(1H,d,J5.0Hz)、2.61(2H,d,J7.4Hz)、3.19(1H,dd,J2.8,6.7Hz)、3.27(1H,dd,J9.0,18.5Hz)、3.59(1H,dd,J9.8,18.5Hz)、3.84(3H,s)、4.24(2H,m)、4.79(2H,m)、5.27(1H,m)、5.46(1H,m)、6.01(1H,m)および7.02(1H,s)。
i)(5R,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−2−(1−メチル−5−エチルピラゾール−3−イル)カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム
アルゴン下、酢酸エチル/ジクロロメタン(1:1)(8ml)中の(5R,6S)−2−(5−エチル−1−メチルピラゾール−3−イル)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]カルバペン−2−エム−3−カルボン酸アリル(34mg)を、2−エチルヘキサン酸ナトリウム(198mg)、トリフェニルホスフィン(27mg)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(38mg)で逐次処理した。2、3秒後、灰白色沈殿物を形成した。反応混合物を室温で30分間撹拌した。t.l.c.分析(20%アセトン/酢酸エチル)は出発物質が残っていないことを示した。溶媒を真空下で除去し、残りの固体をジエチルエーテル(20ml)で撹拌した。白色固体を濾去し、エーテルで洗浄し、乾燥した。この固体を水(10ml)に溶かし、HP20SS樹脂上のクロマトグラフィーに付し,1〜5%テトラヒドロフラン/水(100ml部)で溶出した。合した(h.p.l.c.による)生成物含有のフラクションを濃縮し、凍結乾燥して無定形淡黄色固体として標記化合物を得た(314mg、95%)。
max(KBr)1755、1614、1586、および1386cm-1
H(D2O)1.17(3H,t,J7.5Hz)、1.26(3H,d,J6.4Hz)、2.56(2H,q,J7.5Hz)、3.16(2H,m)、3.44(1H,dd,J2.8,6.0Hz)、3.68(3H,s)、4.21(2H,m)および6.47(1H,s);
m/z(電子スプレー)328(MH+)、350(MNa+)、633(2MNa+,遊離酸)、655(2MH+)、677(2MNa+).
実施例18
(5R,6S)−2−(1,5−ジメチルピラゾール−3−イル)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]カルバペン−2−エム−3−カルボン酸t−ブチルオキシカルボニルオキシメチル
実施例1の生成物(270mg、0.86ミリモル)を、アルゴン雰囲気下、N−メチルピロリジン−2−オン(5ml)に溶かした。ヨウ化t−ブチルオキシカルボニルオキシオキシメチル(560mg、1.72ミリモル)を加え、反応物を室温で15分間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水(3回)洗浄した。有機相を乾燥(MgSO4)した。酢酸エチルで溶出するシリカゲル上のクロマトグラフィーに付して精製を完了した。得られた褐色油をヘキサンでトリチュレートし、残渣をジクロロメタンに溶かし、溶媒を真空下で除去して泡沫体の標記化合物を得た(220mg、50%)。
δH(CDCl3)1.36(3H,d,J6.3Hz)、1.50(9H,s)、2.10(1H,d,J4.8Hz)、2.28(3H,s)、3.23(1H,dd,J6.0,2.8Hz)、3.21−3.34(1H,m)、3.62(1H,dd,J18.8,9.8Hz)、3.78(3H,s)、3.93(3H,s)、4.11−4.33(2H,m)、5.88および5.92(2H,ABq,J5.9Hz)、7.04(1H,s)。
実施例19
(5R,6S)−2−(1,5−ジメチルピラゾール−3−イル)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]カルバペン−2−エム−3−カルボン酸シクロヘキシルオキシカルボニルオキシメチル
実施例1の生成物(126mg、0.40ミリモル)を、アルゴン雰囲気下、N−メチルピロリジン−2−オン(2ml)に溶かした。ヨウ化シクロヘキシルオキシカルボニルオキシメチル(228mg、0.80ミリモル)を加え、反応物を室温で15分間撹拌した。粗生成物の単離およびその後の精製を、実施例18に記載の操作に従って実施した。標記化合物を泡沫体として単離した(108mg、54%)。
m/z447.2006(M+)、C222937として、計算値447.2006。
υmax(CH2Cl2)2943、1773、1594および1549cm-1
δH(CDCl3)1.35(3H,d,J8.3Hz)、1.40−1.60(6H,m)、1.70−1.80(2H,m)、1.85−1.95(2H,m)、2.28(3H,s)、3.17(1H,dd,J6.5,2.7Hz)、3.28(1H,dd,J18.7,9.0Hz)、3.60(1H,dd,J18.7,9.9Hz)、3.78(3H,s)、4.17−4.26(2H,m)、4.65−4.71(1H,m)、5.92および5.94(2H,ABq,J5.7Hz)、7.05(1H,s)。
実施例20
(5R,6S)−2−(1−エチル−5−メチルピラゾール−3−イル)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]カルバペン−2−エム−3−カルボン酸シクロヘキシルオキシカルボニルオキシメチル
実施例10の生成物(174mg、0.53ミリモル)を、アルゴン雰囲気下、2mlに溶かした。N−メチルピロリジン−2−オン(0.5ml)中のヨウ化シクロヘキシルオキシカルボニルオキシメチル(302mg、1.06ミリモル)を加え、反応物を室温で20分間撹拌した。粗生成物の単離およびその後の精製を、実施例18に記載の操作に従って実施した。標記化合物を泡沫体として単離し(176mg、72%)、ジエチルエーテルより無色プリズム状晶として結晶化させた(137mg、56%);融点124−126℃。
測定値:M+,461.2125、C233137として、計算値:M,461.2162。
νmax(CH2Cl2)3603(w)、1772、1735(ショルダー)、1596および1546cm-1
δH(CDCl3)1.21−1.90(17H,m)、2.29(3H,s)、3.18(1H,dd,J2.7,6.5Hz)、3.29(1H,dd,J9.1,18.8Hz)、3.64(1H,dd,J9.8,18.8Hz)、4.08(2H,q,J7.2Hz)、4.16−4.30(2H,m)、4.62−4.72(1H,m)、5.92および5.95(2H,ABq,J5.7Hz)および7.05(1H,s)。
実施例21
(5R,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−2−[5−メチル−1−(2−メチルスルホニルエチル)ピラゾール−3−イル]−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム
調製1
{(5R,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−2−[5−メチル−1−(2−メチルスルホニルエチル)ピラゾール−3−イル]}−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸アリル
アルゴン下、0℃のジクロロメタン(2ml)中の実施例16、調製4の生成物(55mg)に、m−クロロペルオキシ安息香酸(30mg、80%純度)を加えた。0.5時間撹拌した後、さらなる量のm−クロロペルオキシ安息香酸(25mgおよび3mg)を0.5時間間隔で添加した。反応物を合計2時間撹拌し、ついで濾過し、酢酸エチルで希釈し、亜硫酸ナトリウム溶液、水性炭酸水素ナトリウム、水、ブラインで洗浄し、乾燥して蒸発させた。残渣を酢酸エチル/ヘキサンの混合液およびエタノール/酢酸エチルの混合液で溶出するシリカゲル上のクロマトグラフィーに付し、油として標記化合物を得た(15mg、25%)。
νmax(CH2Cl2)3606、1775、1719、1602、1314および1189cm-1
δH(CDCL3)ppm 1.36(3H,d,J6.3Hz)、2.34(3H,s)、2.50(3H,s)、3.15−3.30(2H.m)、3.56(1H.dd,J19および9.9Hz)、3.63(2H,t,J6Hz)、4.2−4.3(2H,m)、4.48(2H,t,J6Hz)、4.64−4.9(2H,m)、5.26(1H,dd,J10.5および1.2Hz)、5.45(1H,dd,J17.3および1.5Hz)、5.9−6.1(1H,m)および6.99(1H,s)。
調製2
(5R,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−2−[5−メチル−1−(2−メチルスルホニルエチル)ピラゾール−3−イル]−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム
実施例15、調製8に記載の方法と同様の方法にて、実施例21、調製1に記載のアリルエステル(15mg)を標記化合物に変換した。
実施例22
(5R,6S)−2−[1−[2−(N,N−ジメチルアミノカルボニルオキシ)エチル]−5−メチルピラゾール−3−イル]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム
調製1
3−アセチル−1−[2−(クロロカルボニルオキシ)エチル]−5−メチルピラゾール
アルゴン雰囲気下、乾燥ジクロロメタン(5ml)中の3−アセチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−5−メチルピラゾール(505mg、実施例12、調製1の記載に従って製造)を、ホスゲンのトルエン中溶液(12.5%w/w、5.22ml)で処理し、その混合物を1.5時間撹拌した。ついで、溶媒を除去し、ジクロロメタンを加え、ロータリーエバポレーターを用いて除去し、3−アセチル−1−[2−(クロロカルボニルオキシ)エチル]−5−メチルピラゾールを得た。
νmax(CH2Cl2)1777および1684cm-1
調製2
3−アセチル−1−[2−(N,N−ジメチルアミノカルボニルオキシ)エチル]−5−メチルピラゾール
乾燥ジクロロメタン(20ml)中の3−アセチル−1−[2−(クロロカルボニルオキシ)エチル]−5−メチルピラゾール(実施例22、調製1にて製造)をジメチルアミン塩酸塩(367mg)およびピリジン(20ml)で処理し、混合物を1.5時間撹拌した。ついで、該混合物を酢酸エチルと1M水性HClの間に分配した。有機相を分離し、1M水性HCl、飽和水性NaHCO3およびブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥して蒸発させた。残渣を酢酸エチル/ヘキサンの混合液で溶出するシリカゲル上のクロマトグラフィーに付し、3−アセチル−1−[2−(N,N−ジメチルアミノカルボニルオキシ)エチル]−5−メチルピラゾール(222mg)を得た。
νmax(KBr)1697および1683cm-1
δH(CDCl3)2.31(3H,s)、2.53(3H,s)、2.82(3H,s)、2.91(3H,s)、4.4(4H,m);
測定値m/z239.1273、C111733として、計算値239.127。
調製3
(3S,4R)−4−[1−[[2−(N,N−ジメチルアミノカルボニルオキシ)エチル]−5−メチルピラゾール−3−イル]カルボニルメチル]−3−[(R)−1−tert−ブチルジメチルシリルオキシエチル]アゼチジン−2−オン
3−アセチル−1−[2−(N,N−ジメチルアミノカルボニルオキシ)エチル]−5−メチルピラゾール(478mg)を実施例4、調製5の記載と同様に反応させ、(3S,4R)−4−[1−[[2−(N,N−ジメチルアミノカルボニルオキシ)エチル]−5−メチルピラゾール−3−イル]カルボニルメチル]−3−[(R)−1−tert−ブチルジメチルシリルオキシエチル]アゼチジン−2−オン(393mg、42%)を得た。
νmax(CH2Cl2)1761、1704、1259および1189cm-1
δH(CDCl3)0.05(6H,s)、0.87(9H,s)、1.20(3H,d,J6.2Hz)、2.31(3H,s)、2.81(3H,s)、2.89(3H,s)、2.90(1H,m)、3.14(1H,dd,J9.9,17Hz)、3.48(1H,dd,J3.5,17Hz)、4.13(1H,m)、4.22(1H,m)、4.34(2H,t,J5.2Hz)、4.45(2H,t,J5.2Hz)、6.11(1H,s)、6.53(1H,s)。
調製4
[(3S,4R)−4−[1−[[2−(N,N−ジメチルアミノカルボニルオキシ)エチル]−5−メチルピラゾール−3−イル]カルボニルメチル]−3−[(R)−1−tert−ブチルジメチルシリルオキシエチル]−2−オキソアゼチジン−1−イル]トリフェニルホスホルアニリデン酢酸アリル
(3S,4R)−4−[1−[[2−(N,N−ジメチルアミノカルボニルオキシ)エチル]−5−メチルピラゾール−3−イル]カルボニルメチル]−3−[(R)−1−tert−ブチルジメチルシリルオキシエチル]アゼチジン−2−オン(2.39g)を、実施例4、調製6に記載の方法(トリブチルホスフィンをトリフェニルホスフィンと置き換える)により反応させて[(3S,4R)−4−[1−[[2−(N,N−ジメチルアミノカルボニルオキシ)エチル]−5−メチルピラゾール−3−イル]カルボニルメチル]−3−[(R)−1−tert−ブチルジメチルシリルオキシエチル]−2−オキソアゼチジン−1−イル]トリフェニルホスホルアニリデン酢酸アリルを得た(2.69g、64%)。
νmax(CH2Cl2)1736、1703、1275、1190cm-1
調製5
[(5R,6S)−2−[1−[2−(N,N−ジメチルアミノカルボニルオキシ)エチル]−5−メチルピラゾール−3−イル]]−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]カルバペン−2−エム−3−カルボン酸アリル
[(3S,4R)−4−[1−[[2−(N,N−ジメチルアミノカルボニルオキシ)エチル]−5−メチルピラゾール−3−イル]カルボニルメチル]−3−[(R)−1−tert−ブチルジメチルシリルオキシエチル]−2−オキソアゼチジン−1−イル]トリフェニルホスホルアニリデン酢酸アリル(2.64g)を、実施例4、調製7の記載と同様に反応させ、(5R,6S)−2−[1−[2−(N,N−ジメチルアミノカルボニルオキシ)エチル]−5−メチルピラゾール−3−イル]−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]カルバペン−2−エム−3−カルボン酸アリルを得た(285mg、20%)。
νmax(CH2Cl2)1774、1703、1311、1275および1187cm-1
δH(CDCl3)1.36(3H,d,J6.3Hz)、1.9(1H,d,J4.6Hz)、2.28(3H,s)、2.81(3H,s)、2.90(3H,s)、3.19(1H,dd,J2.8,6.7Hz)、3.27(1H,dd,J9,18Hz)、3.59(1H,dd,J10,18Hz)、4.2(1H,m)、4.28(2H,m)、4.40(2H,m)、4.43(1H,m)、4.80(2H,m)、5.27(1H,dd,J1.3,9.2Hz)、5.47(1H,m)、6.0(1H,m)、7.03(1H,s);
m/z(EI)432.
調製6
(5R,6S)−2−[1−[2−(N,N−ジメチルアミノカルボニルオキシ)エチル]−5−メチルピラゾール−3−イル]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム
標記化合物を、実施例4、調製8の記載と同様に、[(5R,6S)−2−[1−[2−(N,N−ジメチルアミノカルボニルオキシ)エチル]−5−メチルピラゾール−3−イル]]−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]カルバペン−2−エム−3−カルボン酸アリルより製造した。

Claims (20)

  1. 式(I):
    Figure 0003703146
    [式中は、Rは:
    Figure 0003703146
    (式中、
    αは水素、所望により置換されていてもよい(C1-6)アルキルまたは所望により置換されていてもよいアリールであり;
    βは_所望により置換されていてもよい(C1-6)アルキルまたは所望により置換されていてもよいアリールであるか;または
    αおよびRβは一緒になって所望により置換されていてもよい別のヘテロ原子を有するかまたは有しない5または6員の複素環を形成する);
    で示される基であり;
    1は置換されていないか、またはフルオロ、容易に除去できるヒドロキシ保護基によって所望により保護されていてもよいヒドロキシ基、または容易に除去できるアミノ保護基によって所望により保護されていてもよいアミノ基により置換されている(C1-6)アルキルであり;
    2は水素またはメチルであり;および
    −CO23はカルボキシまたはカルボキシレートアニオンであるか、またはR3基は容易に除去できるカルボキシ保護基を意味する]
    で示される化合物。
  2. 式(Ia):
    Figure 0003703146
    [式中、R、R1およびR2は前記(請求項1における記載)と同意義である]
    で示される化合物またはその医薬上許容される塩もしくは医薬上許容されるin vivoにて加水分解可能なエステルである請求項1記載の化合物。
  3. αおよびRβについての(C1-6)アルキル基が炭素数1〜6の直鎖または分枝鎖状アルキル基である請求項1または2記載の化合物。
  4. αおよびRβのうち一方または両方がメチル、エチル、n−プロピルまたはイソプロピルである請求項1、2または3のいずれか1つに記載の化合物。
  5. αがエチルであり、Rβがメチルである請求項1〜4のいずれか1つに記載の化合物。
  6. アリール基が、所望により5個までの置換基により置換されていてもよい、フェニルおよびナフチルを包含する請求項1〜5のいずれか1つに記載の化合物。
  7. 1が(R)−1−ヒドロキシエチルである前記した請求項のいずれか1つに記載の化合物。
  8. 2が水素である前記した請求項のいずれか1つに記載の化合物。
  9. 式(I):
    Figure 0003703146
    [式中、Rは:
    Figure 0003703146
    (式中、
    αは水素、所望により置換されていてもよい(C1-6)アルキルまたは所望により置換されていてもよいアリールであり;
    βは水素、所望により置換されていてもよい(C1-6)アルキルまたは所望により置換されていてもよいアリールであるか;または
    αおよびRβは一緒になって所望により置換されていてもよい別のヘテロ原子を有するかまたは有しない5または6員の複素環を形成する);
    で示される基であり;
    1は置換されていないか、またはフルオロ、容易に除去できるヒドロキシ保護基によって所望により保護されていてもよいヒドロキシ基、または容易に除去できるアミノ保護基によって所望により保護されていてもよいアミノ基により置換されている(C1-6)アルキルであり;
    2は水素またはメチルであり;および
    −CO23はカルボキシまたはカルボキシレートアニオンであるか、またはR3基は容易に除去できるカルボキシ保護基を意味する]
    で示される化合物の製法であって、式(II):
    Figure 0003703146
    [式中、R、R1およびR2は前記と同意義であり、
    3は容易に除去できるカルボキシ保護基であり、
    Xは酸素またはPR456基であり、
    4、R5およびR6は、同一または異なって、各々、所望により置換されていてもよい(C1-6)アルキルまたは所望により置換されていてもよいアリール基を意味する]
    で示される化合物を、カルバペネム環形成条件下で反応させ、
    その後、必要ならば、次のいずれかまたは一切の工程:
    いずれかの保護基を除去し、
    ヒドロキシル置換基からなる最初のR1基を、アミノまたはフルオロ基からなる別のR1基に変換し、および/または
    該生成物を塩に変換することからなることを特徴とする製法。
  10. 4、R5およびR6が、各々、フェニルである請求項9記載の方法。
  11. 4、R5およびR6が、各々、n−ブチルである請求項9記載の方法。
  12. 式(I):
    Figure 0003703146
    [式中、Rは:
    Figure 0003703146
    (式中、
    αは水素、所望により置換されていてもよい(C1-6)アルキルまたは所望により置換されていてもよいアリールであり;
    βは水素、所望により置換されていてもよい(C1-6)アルキルまたは所望により置換されていてもよいアリールであるか;または
    αおよびRβは一緒になって所望により置換されていてもよい別のヘテロ原子を有するかまたは有しない5または6員の複素環を形成する);
    で示される基であり;
    1は置換されていないか、またはフルオロ、容易に除去できるヒドロキシ保護基によって所望により保護されていてもよいヒドロキシ基、または容易に除去できるアミノ保護基によって所望により保護されていてもよいアミノ基により置換されている(C1-6)アルキルであり;
    2は水素またはメチルであり;および
    −CO23はカルボキシまたはカルボキシレートアニオンであるか、またはR3基は容易に除去できるカルボキシ保護基を意味する]
    で示される化合物の製法であって、式(X):
    Figure 0003703146
    [式中、R1およびR2は前記と同意義であり、R3は容易に除去できるカルボキシ保護基であって、X1は脱離基を意味する]
    で示される化合物を、式(XI):
    M−R (XI)
    [式中、Mはメタロ基であり、Rは前記と同意義である]
    で示される化合物と、交差カップリング反応触媒の存在下、交差カップリング反応にて反応させ、その後、必要ならば、いずれかの保護基を除去し、および/または該生成物を塩に変換することからなることを特徴とする製法。
  13. 1がトリフルオロメタンスルホニルオキシ、メタンスルホニルオキシ、4−トルエンスルホニルオキシ、フルオロスルホニルオキシ、クロロ、ブロモまたはジフェノキシホスホリルオキシである請求項12記載の方法。
  14. MがR141516Sn、B(OR)2およびZnClであり、ここにR14、R15およびR16が、同一または異なって、各々、(C1-6)アルキルである請求項13記載の方法。
  15. Mが141516Snであり、R14=R15=R16=メチルまたはn−ブチルである請求項14記載の方法。
  16. Mが有機スタンナン、R141516Snであり、R14=R15=R16=メチルまたはn−ブチルである請求項12ないし15のいずれか1つに記載の方法。
  17. 交差カップリング触媒がパラジウム化合物である請求項12ないし16のいずれか1つに記載の方法。
  18. (5R,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−2−(1,5−ジメチルピラゾール−3−イル)−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム、


    (5R,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−2−(5−メチル−1−フェネチルピラゾール−3−イル)カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム、

    (5R,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−2−[4,5,6,7−テトラヒドロピリジノ−(1,2−b)−ピラゾール−2−イル]カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム、
    (5R,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−2−(5−メチル−1−フェニルピラゾール−3−イル)カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム、
    (5R,6S)−2[5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ(1,2−b)ピラゾール−2−イル]−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム、
    (5R,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−2−(1,5−ジエチルピラゾール−3−イル)カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム、
    (5R,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−2−(1−エチル−5−メチルピラゾール−3−イル)カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム、
    (5R,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−5−メチルピラゾール−3−イル]カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム、
    (5R,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−2−[1−(2−メトキシエチル)−5−メチルピラゾール−3−イル]カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム、
    (5R,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−2−(5−ベンジル−1−メチルピラゾール−3−イル)カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム、
    (5R,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−2−{5−メチル−1−[2−(1−メチル−テトラゾール−5−イルチオ)エチル]ピラゾール−3−イル}カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム、
    (5R,6S)−2−[1−(2−アセトアミドエチル)−5−メチルピラゾール−3−イル]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]カルバペン−2−エン−3−カルボン酸ナトリウム、
    (5R,6S)−2−[1−(2−メチルチオエチル)−5−メチルピラゾール−3−イル]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム、
    (5R,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−2−(1−メチル−5−エチルピラゾール−3−イル)カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム、
    (5R,6S)−2−(1,5−ジメチルピラゾール−3−イル)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]カルバペン−2−エム−3−カルボン酸t−ブチルオキシカルボニルオキシメチル、
    (5R,6S)−2−(1,5−ジメチルピラゾール−3−イル)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]カルバペン−2−エム−3−カルボン酸シクロヘキシルオキシカルボニルオキシメチル、
    (5R,6S)−2−(1−エチル−5−メチルピラゾール−3−イル)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]カルバペン−2−エム−3−カルボン酸シクロヘキシルオキシカルボニルオキシメチル、
    (5R,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−2−[5−メチル−1−(2−メチルスルホニルエチル)ピラゾール−3−イル]−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム、および
    (5R,6S)−2−[1−[2−(N,N−ジメチルアミノカルボニルオキシ)エチル]−5−メチルピラゾール−3−イル]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム
    より選択される化合物。
  19. 治療物質として用いるための、請求項2における記載と同意義の式(Ia)で示される化合物。
  20. 免疫抵抗性減弱患者の症状を含め、細菌感染の治療用医薬を製造するための、請求項2における記載と同意義の式(Ia)で示される化合物。
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