JP2001220391A - 多環性カルバペネム化合物 - Google Patents

多環性カルバペネム化合物

Info

Publication number
JP2001220391A
JP2001220391A JP2001050253A JP2001050253A JP2001220391A JP 2001220391 A JP2001220391 A JP 2001220391A JP 2001050253 A JP2001050253 A JP 2001050253A JP 2001050253 A JP2001050253 A JP 2001050253A JP 2001220391 A JP2001220391 A JP 2001220391A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
formula
compound
optionally substituted
substituted
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001050253A
Other languages
English (en)
Inventor
Michiyuki Sendai
道行 千代
Tetsuo Miwa
哲生 三輪
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Takeda Chemical Industries Ltd filed Critical Takeda Chemical Industries Ltd
Priority to JP2001050253A priority Critical patent/JP2001220391A/ja
Publication of JP2001220391A publication Critical patent/JP2001220391A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Nitrogen Condensed Heterocyclic Rings (AREA)
  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Oxygen Or Sulfur (AREA)
  • Nitrogen And Oxygen Or Sulfur-Condensed Heterocyclic Ring Systems (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】式(Ia′)または(Ic′) 【化1】 〔式中、COOR2はエステル化されていてもよいカル
ボキシル基を、Ra′は式−(CH2)m−Ka−(CH2)n
a′を、JはOまたはSを、J′はO,SまたはCH2
を、Rc′は式−(CH2)m−Kc−(CH2)n−Uc′、式
−(CH2)m−Kd−(CH2)n−Udまたは1つが水酸基
で、そのオルト位に水酸基または置換されていてもよい
アルキルスルホニルアミノ基を有する組み合わせで表わ
される基を示す〕で表わされる多環性カルバペネム化合
物又はその塩、その製造法及びそれを含有する抗菌組成
物。 【効果】この化合物(Ia′)または(Ic′)は優れた
抗菌作用を有し、細菌感染症治療剤として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規多環性カルバペネム
化合物またはその塩に関する。本発明の多環性カルバペ
ネム化合物またはその塩は抗菌剤として用いられる。
【0002】
【従来の技術】これまでチエナマイシンに代表されるカ
ルバペネム系抗生物質については多数の報告がある(例
えば、Robert B Morin, Marvin Gorman “ケミストリー
アンド バイオロジー オブ β−ラクタム アンテ
ィバイオティックス(Chemistry and Biology of β-L
actam Antibiotics)”2巻227頁(Academic PressI
nc.)(1982))。しかし多環性カルバペネム化合物とし
てはテトラヘドロンレターズ(Tetrahedron Letters)
22巻5027頁(1981年)に次式で示されるよう
な化合物が報告されているが、本発明の化合物はこれら
公知化合物とは全く構造が異なる文献未載の新規化合物
である。
【化16】
【0003】
【発明が解決しようとする課題】カルバペネム化合物
は、一般に優れた抗菌活性を示すが、化学的安定性や腎
デヒドロペプチダーゼーI(DHP−I)に対する安定
性に問題がある。そのため優れた抗菌活性をもつと同時
に生体内で安定で優れた体内動態を示すカルバペネム化
合物の出現が強く望まれている。本発明の目的は、この
ようなカルバペネム化合物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく種々のカルバペネム化合物を検討した結
果、下式(Ia),(Ib)および(Ic)で示される全
く新規な構造をもつ化合物の創製に成功するとともに、
それらがすぐれた抗菌活性を有することを見いだし、本
発明を完成するに至った。すなわち、本発明は式
(Ia):
【化17】 〔式中、R1は水素原子またはそれぞれ置換されていて
もよい低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル
もしくはシクロアルキル基を、COOR2はエステル化
されていてもよいカルボキシル基を、環Aはシクロヘキ
サン環またはシクロヘキセン環を、Raは式:−Wa−U
aで表される基{Waは結合手、硫黄原子(モノまたはジ
オキシド化されていてもよい)、酸素原子もしくは置換
されていてもよいNHを、または硫黄原子(モノまたは
ジオキシド化されていてもよい)、酸素原子もしくは置
換されていてもよいNHを介在していてもよい直鎖また
は分枝鎖の低級アルキレンまたは低級アルケニレンを示
し、Uaはそれぞれ置換されていてもよいカルバモイ
ル、アルキルアンモニウムもしくはアシルまたは式:
【0005】
【化18】 れていてもよい4級化された含窒素複素環を、Rdは置
換されていてもよいアルキル基を示す)}で表される同
一または異なる1〜3個の置換基を示す〕で表される3
環性カルバペネム化合物またはその塩、または式
(Ib):
【化19】 〔式中、R1,COOR2は前記と同意義を、環Bは飽和
または不飽和6員複素環を、Rbは1)アルキルオキシ
カルボニル基または2)式:−Wb−Ubで表される基
{Wbは結合手、硫黄原子(モノまたはジオキシド化さ
れていてもよい)、酸素原子もしくは置換されていても
よいNHを、または硫黄原子(モノまたはジオキシド化
されていてもよい)、酸素原子もしくは置換されていて
もよいNHを介在していてもよい直鎖または分枝鎖の低
級アルキレンまたは低級アルケニレンを示し、Ub
a)それぞれ置換されていてもよい芳香族炭化水素もし
くは複素環、b)シアノ、アミノ、カルバモイル、カル
ボキシ、スルファモイル、ハロゲン、アミジノ、ヒドロ
キシもしくはメチル基c)それぞれ置換されていてもよ
いアルキルアミノ、アルキルアンモニウム、アシルアミ
ノ、アルキルオキシ、アルキルチオ、アルキルスルホニ
ル、アルキルスルホニルアミノ、アシルオキシ
【0006】
【化20】 れた含窒素複素環を、Rdは置換されていてもよいアル
キル基を示す)}で表される同一または異なる1〜3個
の置換基を示す〕で表される3環性カルバペネム化合物
またはその塩、または(IC):
【化21】 〔式中、R1,COOR2は前記と同意義を、D,EはC
2,O,SまたはNHを、環Cはベンゼン環、5ない
し6員芳香族複素環を、RCは1)それぞれ置換されて
いてもよいアルキルアンモニウムアルキルオキシ、アル
キルアミノアルキルオキシもしくはアルキルスルホニル
アミノアルキルオキシ基、2)式:−WC−UCで表され
る基{WCは結合手、硫黄原子(モノまたはジオキシド
化されていてもよい)もしくは置換されていてもよいN
Hを、または硫黄原子(モノまたはジオキシド化されて
いてもよい)もしくは置換されていてもよいNHを介在
していてもよい直鎖または分枝鎖の低級アルキレンまた
は低級アルケニレンを示し、UCはa)それぞれ置換さ
れていてもよい芳香族炭化水素もしくは複素環、b)シ
アノ、アミノ、カルバモイル、カルボキシ、スルファモ
イル、ハロゲン、アミジノ、ヒドロキシもしくはメチル
基、c)それぞれ置換されていてもよいアルキルアミ
ノ、アルキルアンモニウム、アシルアミノ、アルキルオ
キシ、アルキルチオ、アルキルスルホニル、アルキルス
ルホニルアミノ、アシルオキシもしくは
【0007】
【化22】 複素環を、Rdは置換されていてもよいアルキル基を示
す)}または3)式:
【化23】 前記と同意義、Wdは酸素原子または酸素原子を介在し
ていてもよい直鎖または分枝鎖の低級アルキレンまたは
低級アルケニレンを示す)で表される同一または異なる
1〜3個の置換基を示す〕で表される4環性カルバペネ
ム化合物またはその塩、その製造法およびそれを含有す
る抗菌組成物に関する。本発明の化合物(Ia),
(Ib)および(Ic)またはそれらの塩はグラム陽性菌
からグラム陰性菌に至る幅広い病原菌に対し優れた抗菌
作用を示す。
【0008】上記式(Ia),(Ib)および(Ic
中、R1は水素原子またはそれぞれ置換されていてもよ
い低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニルもし
くはシクロアルキル基を示す。低級アルキル基は、直鎖
状または分枝状の炭素数1から6のアルキル基であり、
たとえばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピ
ル、n−ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチ
ル、n−ペンチル、n−ヘキシルなどが用いられる。低
級アルケニル基は、直鎖状または分枝状の炭素数3から
6のアルケニル基であり、たとえばプロペニル、ブテニ
ル、ペンテニルなどが用いられる。低級アルキニル基
は、直鎖状または分枝状の炭素数3から6のアルキニル
基であり、たとえばプロピニル、ブチニル、ペンチニル
などが用いられる。シクロアルキル基は炭素数3から6
のシクロアルキル基であり、たとえばシクロプロピル、
シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが
用いられる。これら低級アルキル、低級アルケニル、低
級アルキニルまたはシクロアルキル基は、たとえばシア
ノ基、アミノ基、モノまたはジ(C1〜C4)アルキル
(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル等)アミノ基、ヒドロキシ基、(C1〜C4)アルキル
オキシ基、カルバモイルオキシ基、(C1〜C4)アルキ
ルチオ基、(C1〜C4)アルキルスルホニル基、ハロゲ
ン原子(例、フッ素、塩素、臭素等)、スルファモイル
基、(C1〜C4)アルコキシカルボニル基(例、メトキ
シカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボ
ニル、ブトキシカルボニルなどの)、スルホオキシ基な
どの置換基で同一または異なって1ないし3個置換され
ていてもよい。R1は好ましくはヒドロキシアルキル
基、より好ましくは1−ヒドロキシエチル基、更に好ま
しくは(1R)−ヒドロキシエチル基である。
【0009】上記式(Ia),(Ib)および(Ic
中、COOR2で示されるエステル化されたカルボキシ
ル基のエステル残基つまりR2としては、セファロスポ
リン等のβ−ラクタムの分野において、例えばセファロ
スポリン4位の生体内で脱離容易なエステル(所謂プロ
ドラックとなり得るエステル)を形成する基として繁用
されているエステル残基及び医薬分野でカルボン酸のエ
ステル残基として慣用される基等が挙げられる。具体的
には例えば式
【化24】 (式中、R3は水素原子,アルキル基,シクロアルキル基又
はシクロアルキルアルキル基、R4は水素原子,アルキル
基,シクロアルキル基,アルコキシ基,シクロアルキルオ
キシ基,シクロアルキルアルキル基,アルケニルオキシ基
またはフェニル基を示す)で表わされる基,フタリジル
基,(2−オキソ−5−メチル−1,3−ジオキソール−
4−イル)メチル基,アルコキシアルキル基,アルキルチ
オアルキル基,第三級ブチル基,2,2,2−トリクロロ
エチル基,ベンジル基,p−メトキシベンジル基,p−ニト
ロベンジル基,o−ニトロベンジル基、フェネチル基、
ビス(メトキシフェニル)メチル基、3,4−ジメトキ
シベンジル基、ベンズヒドリル基,トリチル基,トリメチ
ルシリル基、2−トリメチルシリルエチル基、アリル基
等が用いられる。
【0010】上記式中、R3およびR4で示されるアルキ
ル基,並びに上記エステル残基中アルコキシアルキル基
及びアルキルチオアルキル基におけるアルキル基として
は、例えば炭素数1から6の直鎖もしくは分枝状のアル
キル基(例、メチル,エチル,プロピル,イソプロビル,ブ
チル,2,2−ジメチルプロピル等)が,シクロアルキル
基およびシクロアルキルオキシ基あるいはシクロアルキ
ルアルキル基のシクロアルキル基としては例えば炭素数
3から7のシクロアルキル基(例、シクロプロピル,シ
クロブチル,シクロペンチル,シクロヘキシル,シクロ
ヘプチル等)等が用いられる。R4で示されるアルコキシ
基,並びに上記エステル残基中アルコキシアルキル基に
おけるアルコキシ基としては、例えば炭素数1から10
の直鎖もしくは分枝状のアルコキシ基(例、メトキシ,
エトキシ,プロポキシ,イソプロポキシ,ブトキシ,ヘキシ
ルオキシ,デシルオキシ等)等が用いられる。またR4
示されるアルケニルオキシ基としては、例えば炭素数2
から7の直鎖または分枝状のアルケニルオキシ基(例、
アリルオキシ等)が用いられる。
【0011】特に好ましいR2で表わされるエステル残
基としては、経口投与に適した生物学的に不安定なエス
テル誘導体を与える基が挙げられ、例えばアセトキシメ
チル基,1−アセトキシエチル基,1−アセトキシプロ
ピル基,ピバロイルオキシメチル基,1−イソプロピル
オキシカルボニルオキシエチル基,1−シクロヘキシル
オキシカルボニルオキシエチル基,フタリジル基,(2
−オキソ−5−メチル−1,3−ジオキソール−4−イ
ル)メチル基等が好都合に用いられる。環A,Bで示さ
れる置換基を有する環状基は次式
【化25】 で表わされるカルバペネム化合物の1位と2位の炭素原
子とともに形成される環状基である。環Aとしてはシク
ロヘキサンまたはシクロヘキセン環が用いられるが、好
ましくはシクロヘキサンである。環Bとして用いられる
飽和または不飽和6員複素環としては、N,S(モノま
たはジオキシド化されていてもよい)、O等から選ばれ
るヘテロ原子を1〜2個を含み不飽和結合が1個以下の
複素環が好ましい。このような複素環としては、テトラ
ヒドロピラン、ジヒドロピラン、テトラヒドロチオピラ
ン、ジヒドロチオピラン、ジオキサン、ジチアン、オキ
サチアン、ピペリジン、ピペラジン、ヘキサヒドロピリ
ダジン、モルホリン等が用いられる。環Bは好ましくは
硫黄原子、酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1〜2個
有する飽和6員複素環(例えば、テトラヒドロピラン、
テトラヒドロチオピラン、ジオキサン、ジチアン、オキ
サチアン等)である。
【0012】環Cはベンゼン環または5ないし6員芳香
族複素環が用いられる。環Cとして用いられる5ないし
6員芳香族複素環としては、窒素原子、酸素原子、硫黄
原子等のヘテロ原子を1〜3個含む複素環が用いられ、
例えば、フラン、チオフェン、チアゾール、イソチアゾ
ール、オキサゾール、イソオキサゾール、ピラゾール、
イミダゾール、チアジアゾール、トリアゾール、ピリジ
ン、ピリミジン、ピリダジン、ピラン等が用いられる。
環Cは好ましくはベンゼン環である。D,EはCH2
S,OまたはNHであるが、好ましくはDがCH2
O,SでEがCH2の組み合わせである。環A上の置換
基Raは式:−Wa−Uaで表される基{Waは結合手、硫
黄原子(モノまたはジオキシド化されていてもよい)、
酸素原子もしくは置換されていてもよいNHを、または
硫黄原子(モノまたはジオキシド化されていてもよ
い)、酸素原子もしくは置換されていてもよいNHを介
在していてもよい直鎖または分枝鎖の低級アルキレンま
たは低級アルケニレンを示し、Uaはそれぞれ置換され
ていてもよいカルバモイル、アルキルアンモニウムもし
くはアシルまたは
【化26】 されていてもよい4級化された含窒素複素環を、Rd
置換されていてもよいアルキル基を示す)}で表される
同一または異なる1〜3個の置換基を示す。
【0013】環B上の置換基Rbとしては、以下の1)
または2)で示される同一または異なる1〜3個の置換
基が用いられる。すなわちRbは1)アルキルオキシカ
ルボニル基または2)式:−Wb−Ubで表される基{W
bは結合手、硫黄原子(モノまたはジオキシド化されて
いてもよい)、酸素原子もしくはNH(置換されていて
もよい)を、または硫黄原子(モノまたはジオキシド化
されていてもよい)、酸素原子もしくはNH(置換され
ていてもよい)を介在していてもよい直鎖または分枝鎖
の低級アルキレンまたは低級アルケニレンを示し、Ub
はa)それぞれ置換されていてもよい芳香族炭化水素も
しくは複素環、b)シアノ、アミノ、カルバモイル、カ
ルボキシ、スルファモイル、ハロゲン、アミジノ、ヒド
ロキシもしくはメチル基c)それぞれ置換されていても
よいアルキルアミノ、アルキルアンモニウム、アシルア
ミノ、アルキルオキシ、アルキルチオ、アルキルスルホ
ニル、アルキルスルホニルアミノ、アシルオキシもしく
はアルキルカルバモイル基
【化27】 置換されていてもよい4級化された含窒素複素環を、R
dは置換されていてもよいアルキル基を示す)}で表さ
れる。
【0014】環C上の置換基Rcとしては、以下の1)
ないし3)で示される同一または異なる1〜3個の置換
基が用いられる。すなわちRcは1)それぞれ置換され
ていてもよいアルキルアンモニウムアルキルオキシ、ア
ルキルアミノアルキルオキシもしくはアルキルスルホニ
ルアミノアルキルオキシ基、2)式:−Wc−Ucで表さ
れる基{Wcは結合手、硫黄原子(モノまたはジオキシ
ド化されていてもよい)もしくはNH(置換されていて
もよい)を、または硫黄原子(モノまたはジオキシド化
されていてもよい)もしくはNH(置換されていてもよ
い)を介在していてもよい直鎖または分枝鎖の低級アル
キレンまたは低級アルケニレンを示し、Ucはa)それ
ぞれ置換されていてもよい芳香族炭化水素もしくは複素
環、b)シアノ、アミノ、カルバモイル、カルボキシ、
スルファモイル、ハロゲン、アミジノ、ヒドロキシもし
くはメチル基、c)それぞれ置換されていてもよいアル
キルアミノ、アルキルアンモニウム、アシルアミノ、ア
ルキルオキシ、アルキルチオ、アルキルスルホニル、ア
ルキルスルホニルアミノ、アシルオキシもしくはア
【化28】 dは置換されていてもよいアルキル基を示す)}また
は3)式:
【化29】 前記と同意義、Wdは酸素原子または酸素原子を介在し
ていてもよい直鎖または分枝鎖の低級アルキレンまたは
低級アルケニレンを示す)で表される。
【0015】上記の「置換されていてもよいNH」、
「置換されていてもよい芳香族炭化水素」、「置換され
ていてもよい複素環」、「置換されていてもよいアルキ
ルアミノ」、「置換されていてもよいカルバモイル」、
「置換されていてもよいアルキルアンモニウム」、「置
換されていてもよいアシル」、「置換されていてもよい
アシルアミノ」、「置換されていてもよいアルキルオキ
シ」、「置換されていてもよいアルキルスルホニル」、
「置換されていてもよいアルキルスルホニルアミノ」、
「置換されていてもよいアシルオキシ」、「置換されて
いてもよいアルキルカルバモイル」、「置換されていて
もよいアルキルオキシカルボニル」、「置換されていて
もよいアルキルアンモニウムアルキルオキシ」、「置換
されていてもよいアルキルアミノアルキルオキシ」、
「置換されていてもよいアルキルスルホニルアミノアル
キルオキシ」、「置換されていてもよい4級化された含
窒素複素環」、「置換されていてもよいアルキル」に用
いられる置換基としては、たとえば(C1〜C6)アルキ
ル、(C2〜C6)アルケニル(例、ビニル、ブテニル、
プロペニル等)、(C6〜C10)アリール(例、フェニ
ル、ナフチル)、(C7〜C12)アラルキル(例、ベン
ジル、フェネチル等)、(C3〜C6)シクロアルキル
(例、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル
等)、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を
1〜4個含む4〜6員の複素環、シアノ、アミノ、モノ
またはジ(C1〜C4)アルキルアミノ、アシルアミノ、
ヒドロキシ、(C1〜C4)アルキルオキシ、アシルオキ
シ、カルバモイルオキシ、モノあるいはジ(C1〜C4
アルキルカルバモイルオキシ、(C1〜C4)アルキルチ
オ、(C 1〜C4)アルキルスルフィニル、(C1〜C4
アルキルスルホニル、(C1〜C4)アルキルスルホニル
アミノ、ハロケン(例、フッ素、塩素、臭素等)、スル
ファモイル、モノあるいはジ(C1〜C4)アルキルスル
ファモイル、(C1〜C4)アルコキシカルボニル、カル
ボキシ、カルバモイル、モノあるいはジ(C1〜C4)ア
ルキルカルバモイル等で表される置換基が用いられる。
【0016】また「置換されていてもよい芳香族炭化水
素」の芳香族炭化水素基としては、ベンゼン、ナフタレ
ンが好ましく、「置換されていてもよいアルキルアミ
ノ」、「置換されていてもよいアルキルアンモニウ
ム」、「置換されていてもよいアルキルオキシ」、「置
換されていてもよいアルキルスルホニル」、「置換され
ていてもよいアルキルスルホニルアミノ」、「置換され
ていてもよいアルキルカルバモイル」、「置換されてい
てもよいアルキルオキシカルボニル」、「置換されてい
てもよいアルキルアンモニウムアルキルオキシ」、「置
換されていてもよいアルキルアミノアルキルオキシ」、
「置換されていてもよいアルキルスルホニルアミノアル
キルオキシ」、「置換されていてもよいアルキル」のア
ルキル基としてはC1〜C6の直鎖状または分枝状のアル
キル基が好ましい。また「置換されていてもよい複素
環」の複素環および上記のヘテロ原子を1〜4個含む4
〜6員複素環としては、例えば、アゼチジン、フラン、
ピロール、ピロリジン、チオフェン、テトラヒドロチオ
フェン、チアゾール、イソチアゾール、チアゾリン、チ
アゾリジン、オキサゾール、イソオキサゾール、オキサ
ゾリン、オキサゾリジン、ピラゾール、ピラゾリン、イ
ミダゾール、イミダゾリン、チアジアゾール、トリアゾ
ール、テトラゾール、ピリジン、ピリミジン、ピリダジ
ン、トリアジン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジ
ン、キヌクリジン等が用いられる。また、「置換されて
いてもよいアシル」、「置換されていてもよいアシルオ
キシ」または「置換されていてもよいアシルアミノ」の
アシルとしては、ホルミル、アセチル、プロピオニル、
ブチリルなどのC1−C6アルカノイル、アクリロイル、
クロトノイルなどのC1−C6アルケノイル、シクロプロ
パンカルボニル、シクロブタンカルボニルなどのシクロ
アルカンカルボニル、ベンゾイル、p−トルオイルなど
のアロイル、フェニルアセチル、フェニルプロピオニル
などのアリールC1−C6アルカノイル、フロイル、テノ
イル、ニコチノイル、イソニコチノイルなどの芳香族複
素環カルボニル、チエニルアセチル、チアゾリルアセチ
ル、ピリジルアセチルなどの芳香族複素環アルカノイル
およびピロリジニルカルボニル、ピペリジニルカルボニ
ルなどの非芳香族複素環カルボニルなどが用いられる。
【0017】
【化30】 複素環としては、置換基を有していてもよい4級化され
た単環性もしくは2環性の含窒素複素環が好ましく、4
級化されたヘテロ原子を1〜3個有する5〜6員単環性
含窒素複素環もしくはヘテロ原子を1〜5個有する8〜
10員2環性含窒素複素環が用いられる。代表的な4級
化された単環性もしくは2環性の含窒素複素環として
は、ピリジニウム、ピリダジニウム、ピラミジニウム、
ピラジニウム、ピラゾリウム、トリアゾリウム、イミダ
ゾリウム、チアゾリウム、オキサゾリウム、チアジアゾ
リウム、イソチアゾリウム、イソオキサゾリウム、N−
メチルピロリジニウム、キノリニウム、イソキノリニウ
ム、キノキサリニウム、イソシノリニウム、チエノピリ
ジニウム、イミダゾロピリジニウム、イミダゾロピリダ
ジニウム、トリアゾロピリジニウム、トリアゾロピリダ
ジニウム、トリアゾロピリダジニウム、キヌクリジニウ
ム、ジヒドロピラゾロトリアゾリウム等が用いられる。
【0018】式(Ia)は更に好ましくは式(Ia′):
【化31】 〔式中、COOR2は前記と同意義を、Ra′は式−(C
2)m−Ka−(CH2)n−Ua′{式中KaはCH2,O,
SまたはNHを、m及びnは0もしくは1〜3の整数
を、Ua′は
【化32】 (式中、Rd及びReは置換されていてもよいアルキル基
を示す)を示す}で表される基を示す〕で表わされる3
環性カルバペネム化合物またはその塩である。
【0019】式(Ib)は更に好ましくは式(Ib′):
【化33】 〔式中、COOR2は前記と同意義を、JはOまたはS
を、Rb′は式−(CH2)m−Kb−(CH2)n−Ub′{式
中KbはCH2,O,SまたはNHを、m及びnは0もし
くは1〜3の整数を、Ub′は
【化34】 (式中、Rd及びReは置換されていてもよいアルキル基
を示す)を示す}で表される基を示す〕で表わされる3
環性カルバペネム化合物またはその塩である。
【0020】式(IC)は更に好ましくは式(IC′):
【化35】 〔式中、COOR2は前記と同意義を、J′はO,Sま
たはCH2を、Rc′は (1)式−(CH2)m−Kc−(CH2)n−Uc′{式中Kc
はCH2,SまたはNHを、m及びnは0もしくは1〜
3の整数を、Uc′は
【化36】 (式中、Rd及びReは置換されていてもよいアルキル基
を示す)を示す}で表される基、 (2)式−(CH2)m−Kd−(CH2)n−Ud{式中Kd
Oを、m及びnは0もしくは1〜3の整数を、Ud
【化37】 表される基または (3)2つの置換基であってもよく、1つが水酸基で、他
方がその水酸基のオルト位に水酸基または置換されてい
てもよいアルキルスルホニルアミノ基である組み合わせ
を示す〕で表わされる4環性カルバペルム化合物または
その塩である。
【化38】 −メチルピロリジニウム、キヌクリジニウム、ジヒドロ
ピラゾロトリアゾリウム及びイミダゾロピリダジニウム
である。
【0021】化合物(Ia),(Ib)および(Ic)の塩
としては好ましくは薬理学的に受容される塩が用いられ
る。薬理学的に受容される塩としては、無機塩基との
塩.有機塩基との塩,無機酸との塩,有機酸との塩,塩基
性または酸性アミノ酸との塩等が用いられる。これらの
塩類を生成させうる無機塩基としてはアルカリ金属
(例、ナトリウム、カリウム等),アルカリ土類金属
(例、カルシウム、マグネシウム等)等が、有機塩基とし
ては例えばトリメチルアミン,トリエチルアミン,ピリ
ジン,ピコリン,N,N′−ジベンジルエチレンジアミ
ン,エタノールアミン,ジエタノールアミン,トリスヒ
ドロキシメチルアミノメタン,ジシクロヘキシルアミン
等が、無機酸としては例えば塩酸,臭化水素酸,硫酸,硝
酸,リン酸等が、有機酸としては例えばギ酸,酢酸,トリ
フルオロ酢酸,シュウ酸,酒石酸,フマール酸,マレイン
酸,メタンスルホン酸,ベンゼンスルホン酸,p−トルエ
ンスルホン酸等が、塩基性または酸性アミノ酸としては
例えばアルギニン,リジン,オルニチン,アスパラギン
酸,グルタミン酸等が用いられる。これらの塩のうち塩
基との塩(すなわち無機塩基との塩,有機塩基との塩,
塩基性アミノ酸との塩)は化合物(Ia),(Ib)およ
び(Ic)の置換基のカルボキシル基と、またはR1,R
a,Rb,Rcにカルボキシル基等の酸性基が存在する場
合に形成しうる塩を意味し、酸との塩(すなわち無機酸
との塩,有機酸との塩,酸性アミノ酸との塩)は化合物
(Ia),(Ib)および(Ic)の置換基アミノ基と、ま
たはR1,Ra,Rb,Rcにアミノ基等の塩基性基が存在
する場合に形成しうる塩を意味する。
【0022】化合物(Ia),(Ib)および(Ic)また
はその塩は、臨床分離株菌を含むグラム陽性及びグラム
陰性細菌に対して優れた抗菌活性を示す価値ある抗生物
質であり、人及び家畜の医薬として利用され、種々の細
菌によって引起される感染を治療及び予防する抗菌剤と
して安全に使用される。さらに本発明の化合物
(Ia),(Ib)および(Ic)またはその塩は、たとえ
ば飼料を防腐するために殺菌剤として動物用飼料に添加
することもできる。また医科及び歯科装置上の有害な細
菌を除去するための殺菌剤として用いることができる。
本発明の化合物(Ia),(Ib)および(Ic)またはそ
の塩は、単独でまたは他の活性成分と組合せて必要によ
り医薬として許容される担体とともに、又は適宜安定化
剤,分散剤等の補助剤を加えて例えばカプセル剤,錠剤,
溶液,懸濁液または乳濁液のような液剤等の製剤として
使用することができる。これらは、非経口的に(例えば
静脈もしくは筋肉内に注射)または経口的に投与するこ
とができる。注射用製剤は、アルプルまたは防腐剤を添
加した容器の使用形態で提供し得る。該製剤は、油性ま
たは水性溶媒中の懸濁液、溶液または乳濁液であっても
よく、公知の懸濁剤、安定化剤及び(または)分散剤等
の補助剤を適宜含有していてもよい。また、化合物(I
a),(Ib)および(Ic)またはその塩は、粉末剤,散
剤として使用直前に適当な溶媒、たとえば殺菌した発熱
性物質を含有していない水で溶解したのち使用に供する
ことができる。
【0023】化合物(Ia),(Ib)および(Ic)また
はその塩は結合剤たとえばシロップ,アラビアゴム,ゼラ
チン,ソルビトール,トラガントゴム,ポリビニルピロリ
ドンなど、充填剤たとえばラクトース,糖類,とうもろこ
し澱粉,燐酸カルシウム,ソルビトール,グリシンなど、
かったく剤たとえばステアリン酸マグネシウム,タル
ク,ポリエチレングリコール,シリカなど,崩かい剤た
とえば馬鈴薯澱粉などまたは湿潤剤たとえばナトリウム
ラウリルサルフェート等と適宜混合したのち、経口投与
用の錠剤,カプセル剤,散剤,粉末とすることができる。
錠剤,散剤等は自体公知の方法によってフィルムコーテ
ィングすることもできる。経口用製剤は、水性または油
性懸濁液、溶液、乳濁液、シロップ、エリキシルなどの
液状製剤として用いてもよい。また、これらの製剤に、
例えば公知の酸化防止剤、防腐剤、結合剤、湿潤剤、滑
沢剤、粘稠剤または風味剤等の成分を混合してもよい。
さらに、製剤に他の活性成分(β−ラクタム系抗生物
質)を混合してより広いスペクトルの抗菌活性を示す製
剤とすることもできる。化合物(Ia),(Ib)および
(Ic)またはその塩は、細菌感染症治療剤として、例
えば人や他の哺乳動物の呼吸器感染症、尿路感染症、化
膿性疾患、胆道感染症、腸内感染症、産婦人科感染症、
耳鼻科感染症、外科感染症等の治療及び予防に用いるこ
とができる。化合物(Ia),(Ib)および(Ic)また
はその塩の1日投与量は、患者の状態や体重、投与の方
法等により異なるが、非経口投与では、成人体重1kg当
り活性成分(化合物(Ia),(Ib)および(Ic)また
はその塩)として約0.5から80mg、好ましくは約1
から40mgであり、毎日1から4回に分けて静脈または
筋肉内注射により投与するのが適当である。又経口投与
量は、1日当り1から3回にわけて成人の体重1kg当り
活性成分(化合物(I a),(Ib)および(Ic)または
その塩)約1から100mgが適当である。
【0024】本発明の化合物(Ia),(Ib)および
(Ic)は公知の方法又はそれに準じる方法によって製
造することができる。たとえば、式(Ia),(Ib)お
よび(Ic)で表わされる化合物は、それぞれ式(I
Ia),(IIb)および(IIc
【化39】 (式中R1,R2,Ra,Rb,Rc,A,B,C,Dおよ
びEは前記と同意義を意味し、=Y,=Zは互いに反応
して二重結合を形成することができる官能基を意味す
る)で表わされる化合物を閉環反応に付すことによって
製造することができる。二重結合を形成するために要す
る官能基Y,Zおよび形成反応は自体公知の反応を採用
することができる。〔アニュアル レポーツ イン オ
ーガニックシンセシス(Annual Reports in Organic Sy
thesis)1975−1989,Academic Press,Inc、
San Diego〕および〔F. A. Carey and R. J. Sundber
g、アドバンス オーガニック ケミストリー第2版(A
dvanced Organic ChemistrySecond Edition)、Plenum
Press、New York and London(1983)〕 具体的な方法としては、ウィテッヒ型反応(ウィテッ
ヒ、ホーナー、エモンズ反応)、ピーターソン型反応、
脱水をともなうアルドール型反応、低電子価金属を用い
るマクマリー型反応などを用いることができる。より望
ましくは、=Y,
【化40】 (式中R5,R5′は低級アルキルオキシ基、低級アルキ
ル基またはアリール基を意味する)等を用いるウィテッ
ヒ型反応があげられる。より具体的方法としては例えば
次のような製造法をあげることができる。なお便宜上
(Ia),(Ib),(Ic)を一般式(I)で表すこと
にする。
【化41】 ここでGはカルバペネム1位、2位とで環を形成する残
基である。
【0025】製造法1 化合物(I)は、(II):
【化42】 (式中、R1,R2およびGは前記と同意義を意味する)
で表わされる化合物(以下化合物(II)と略称する。
以下の化合物についても同様に略称する)と、式(I
V),(IV): P(R5)3 (IV), R5′P(R5)2 (IV) (式中、R5,R5′は前記と同意義である)を反応させ
必要に応じて保護基を除去することによって得られる。
上記反応は通常、不活性溶媒中加熱することによって行
なわれる。化合物(II)の構造式中、アミノ基,ヒド
ロキシル基又はカルボキシル基等の反応性基が含まれる
場合には、これらの基は下記する保護基によって保護さ
れていてもよい。R5およびR5′で表される低級アルキ
ルオキシ基としては、例えばメトキシ、エトキシ、プロ
ポキシ、ブトキシ等が、低級アルキル基としてはメチ
ル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル等が、そして
アリール基としてはフェニル等が用いられる。反応に用
いられる不活性溶媒としては、特に限定はないが、ベン
ゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジオ
キサン、ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン等のエ
ーテル類またはジクロロメタン、クロロホルム等のハロ
ゲン化炭化水素類が好ましい。化合物(IV)または(I
V)は化合物(II)の2モル当量以上好ましくは2〜
10モル当量用いるのが好ましい。反応の温度は、原料
化合物(II)、(IV)、(IV)、溶媒の種類によって
異なるが、通常約20〜160℃好ましくは約80〜1
40℃である。反応時間は通常30分〜100時間好ま
しくは1〜72時間程度である。
【0026】製造法2 化合物(I)は、式(II″):
【化43】 (式中、R1,R2,R5およびGは前記と同意義)で表
される化合物を閉環反応に付し、さらに必要に応じて保
護基を除去することにより製造される。上記閉環反応
は、通常不活性溶媒中で行なわれる。化合物(II)の
構造式中、アミノ基,ヒドロキシル基又はカルボキシル
基等の反応性基が含まれる場合には、これらの基は下記
する保護基によって保護されていてもよい。閉環反応は
不活性溶媒中約0〜160℃の温度範囲で、好ましくは
約30〜140℃の温度範囲で加熱することによって行
われる。好ましい不活性溶媒としては、前記の芳香族炭
化水素類、エーテル類、ハロゲン化炭化水素類が用いら
れる。反応時間は化合物(II″)の種類、反応温度にも
よるが約30分〜100時間通常1時間〜72時間程度
である。
【0027】式(II)または(II″)において、R1
2またはGで示される置換分中にアミノ基が存在する
場合、このアミノ基は保護基で保護されていることが好
ましく、このアミノ基の保護基としては、例えばβ−ラ
クタムおよびペプチドの分野で使用されるものが適宜に
採用されうるが、なかでもホルミル,クロロアセチル,
フェニルアセチル,フェノキシアセチル,第三級ブトキ
シカルボニル,ベンジルオキシカルボニル,p−メトキ
シベンジルオキシカルボニル,p−ニトロベンジルオキ
シカルボニル,2−トリメチルシリルエトキシカルボニ
ル,2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル,トリチ
ル、アリルオキシカルボニル等が好ましい。また、ヒド
ロキシル基の存在する場合、このヒドロキシル基は保護
されていることが好ましく、このヒドロキシル基の保護
基としては、例えばクロロアセチル,ベンジル,p−ニト
ロベンジル,o−ニトロベンジル、メチルチオメチル,ト
リメチルシリル,トリエチルシリル、第三級ブチルジメ
チルシリル,第三級ブチルジフェニルシリル,2−テトラ
ヒドロピラニル,4−メトキシ−4−テトラヒドロピラ
ニル、p−ニトロベンジルオキシカルボニル、o−ニト
ロベンジルオキシカルボニル、アリルオキシカルボニル
等が用いられ、さらにカルボキシル基が存在する場合、
このカルボキシル基は保護されていることが好ましく、
このカルボキシル基の保護基としてはベンジル,ベンツ
ヒドリル,トリチル,p−メトキシベンジル,p−ニトロ
ベンジル,o−ニトロベンジル、フェネチル、2−トリメ
チルシリルエチル、ビス(p−メトキシフェニル)メチ
ル、第三級ブチル、アリル等が用いられる。
【化44】 の化合物;=Zが=S,=P(R5)3,=Seの化合物の
場合も、上記製造法1,2に準じた製造法で化合物
(I)を製造することが出来る。本発明に用いられる
原料化合物(II)は、自体公知の手段またはこれに準ず
る方法によって製造することができる。たとえば化合物
(II),(II″)は図式1に示される方法あるいはこ
れに準ずる方法によって製造することができる。
【0028】(図式1)
【化45】 (式中、R1は前記と同意義、R6は水素原子または容易
に除去出来る保護基を、Lはアセトキシ、ベンゾイルオ
キシ、アリールスルホニルまたは低級アルキルスルホニ
ル基を意味する)で表わされる化合物と式(VI):
【0029】
【化46】 (式中、Gは前記と同意義、R7は容易に除去できるエ
ノール保護基を示す)で表わされる化合物の反応はトリ
フルオロメタンスルホン酸トリメチルシリルエステル、
三ふっ化ホウ素エーテル錯体、ヨウ化亜鉛、臭化亜鉛、
塩化亜鉛、塩化マグネシウム、四塩化チタン、三塩化チ
タン、塩化第一スズ、塩化第二スズ、スズトリフラー
ト、ジエチルボロントリフラート、塩化第二鉄、塩化ア
ルミニウムなどからえらばれたルイス酸触媒の存在下
に、また必要に応じてジイソプロピルエチルアミン、ト
リエチルアミン、トリメチルアミン、ピリジン等含窒素
塩基の存在下に、非プロトン性溶媒例えば、ヘキサン、
ベンゼン、トルエン、ジクロロメタン、クロロホルム、
ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトニトリルまた
はエーテル中で行う。
【0030】化合物(VI)が置換基を有する2−〔(トリ
メチルシリル)オキシ〕−1,3−シクロヘキサジエンの
場合、用いられるルイス酸触媒としては塩化第一スズと
クロロトリメチルシランの混合物が特に好ましい。また
化合物(VI)が置換基を有する4−〔(トリメチルシリル)
オキシ〕−5,6−ジヒドロ−2H−ピランの場合は、
ルイス酸触媒とし臭化亜鉛が特に好ましい。反応温度は
−100〜80℃である。式(V)中、R6で示される
容易に除去できる保護基としては、トリメチルシリル、
t−ブチルジメチルシリル、フェニルジメチルシリル等
のオルガノシリル基、ベンジル、p−ニトロベンジル、
p−メトキシベンジル、ベンズヒドリル、2,4−ジメ
トキシベンジル基等が用いられる。式(VI)中、R7
示される容易に除去できるエノール保護基としては、い
わゆるアルドール反応において広く用いられているもの
が使用できる(向山光昭“オルガニック リアクション
ズ(Organic Reactions)”第28巻 John Wely &Sons
Inc. New York (1982)を参照)。例えば、トリメチルシ
リル、t−ブチルジメチルシリル、ジ−n−ブチルボリ
ル、ジメチルボリル、ジエチルボリル、リチウム及び式
MgQ,ZnQ,AlQ2,BQ2,SnQ,ZrQ,Zr(cp)2Q,
TiQ3(ここでQはF,Cl,Br,トリフラート,アルコキ
シド,ジアルキルアミドである。またcpはシクロペンタ
ジエニルである)で表わされる化合物等である。
【0031】また化合物(V)と化合物(VI′):
【化47】 (式中、Gは前記と同意義、Xはハロゲンを意味する)
の反応は金属末または低原子価金属塩、例えば亜鉛末な
どの存在下に、非プロトン性溶媒、例えば、ジエチルエ
ーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ベンゼン、
ヘキサン、シクロヘキサン、N,N−ジメチルホルムア
ミド、またはN,N−ジメチルアセトアミド中で行う。
反応温度は、好ましくは0〜100℃である。化合物
(V)と化合物(VI)あるいは(VI′)を反応後、必要に
応じて保護基を除去すると化合物(VII)が得られる。
【0032】工程2 一般式(VII)の化合物に式 R2OCO−COOHで表
わされる有機酸のエステルもしくは酸ハロゲン化物のよ
うな反応誘導体を−100〜80℃の温度で、反応させ
ることにより化合物(II′)が得られる。酸ハロゲン化物
を使用する場合、その操作は、好ましくは酸結合剤、例
えば脂肪族3級アミン、芳香族アミンまたはアルカリ金
属またはアルカリ土類金属の炭酸塩または重炭酸塩の存
在下に行われる。好ましい溶媒としては、たとえば前記
のエーテル類、ハロゲン化炭化水素類が用いられる。
【0033】工程3 一般式(VII)の化合物にR2OCO−CHOのグリオキ
シル酸またはそれらの適当な誘導体、例えば水和物、半
水和物または、例えば低級アルカノール(例えばメタノ
ール、エタノール)とのヘミアセタールと反応させるこ
とにより一般式(VIII)の化合物をうることができる。
この反応は室温下または加熱しながら実施する。グリオ
キシル酸の水和物を用いる場合には、共沸脱水による
か、または適当な脱水剤を用いて、水を除去しながら行
われる。好ましくは、この反応は適当な不活性溶媒中で
実施される。工程4 一般式(VIII)の化合物を適当な溶媒中(例えばジオキ
サン、テトラヒドロフラン)、所謂により冷却しながら
(例えば約−30〜30℃),有機塩基(例えば、トリ
エチルアミン等の脂肪族3級アミン、ピリジン、ピコリ
ン、ルチジン)の存在下、ハロゲン化チオニル(例えば
塩化チオニル)で処理し、ハロゲン化物を得、続いて前
記の有機塩基の存在下、一般式(IV)で表それる3価の
リン化合物を反応することにより、一般式(II″)の化
合物が得られる。この反応は好ましくは不活性溶媒中
(例えば、前記のエーテル類、ハロゲン化炭化水素類、
酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル類)−10〜10
0℃にて行われる。上記化合物(II′),(II″)以外の
化合物(II)は、上記に準じる方法その他テトラヘドロ
ン レターズ(Tetrahedron Lett.)第25巻第279
3頁(1984)に記載の方法等に準じて製造すること
ができる。
【0034】さらに化合物(Ib)および(Ic)のうち
E,Dのうちいずれかが酸素原子、硫黄原子または窒素
原子である化合物は、式(III)または(III′):
【化48】 (式中、R1,R2は前記と同意義を、R8は水酸基、メル
カプト基、アミノ基、モノ置換アミノ基、カルボキシル
基、置換オキシカルボニル基のいずれかの官能基かまた
はこれらの官能基を有し他に置換基を有してもよく酸素
原子、硫黄原子、窒素原子のヘテロ原子1〜2個が炭素
鎖中に介在していてもよい低級アルキル基を、R9は脱
離基かまたは水酸基、カルボキシル基、置換オキシカル
ボニル基のいずれかの官能基か、またはこれらの官能基
か脱離基を有し置換基を有していてもよく酸素原子、硫
黄原子、窒素原子のヘテロ原子炭素鎖中に介在していて
もよい低級アルキル基を意味する)で表わされる化合物
自体を閉環反応に付すかまたは他の原子団を介在させる
閉環反応に付し、さらに必要に応じて保護基を除去する
ことにより製造される。上記閉環反応は通常不活性溶媒
中で行われる。化合物(III)または(III′)の構造式
中、アミノ基、ヒドロキシル基またはカルボキシル基等
の反応性基が含まれる場合には、これらの基は前記の保
護基によって保護されていてもよい。R9に含まれる脱
離基としては塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メタン
スルホニルオキシ基、トリフロロメタンスルホニルオキ
シ基、ベンゼンスルホニルオキシ基、トルエンスルホニ
ルオキシ基、ジエチルホスホリルオキシ基、ジフェニル
ホスホリルオキシ基等が用いられる。また置換オキシカ
ルボニル基としてはフェニルオキシカルボニル基、p−
ニトロフェニルオキシカルボニル基、2,4,6−トリク
ロロフェニルオキシカルボニル基、コハク酸イミドオキ
シカルボニル基、フタル酸イミドオキシカルボニル基等
が用いられる。他の原子団を介在させる閉環反応の際に
介在するものに用いられるものとしては、カルボニルジ
イミダゾール等の炭酸誘導体類、ホルムアルデヒド、ア
セトン等のアルデヒド、ケトン類、1,2−ジブロモエ
タン、ブロモ酢酸等の2つの官能基をもつ化合物、メチ
ルアミン等の一級アミン類等があげられる。
【0035】閉環反応を促進させるために反応促進剤を
用いてもよい。そのような反応促進剤としては、R8,R
9の官能基の種類によって異なるが、トリエチルアミ
ン、ジイソプロピルエチルアミン等の有機塩基、炭酸水
素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の無機
塩基、N,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミド、N
−エチル−N′−(3−ジメチルアミノプロピル)カル
ボジイミド等のカルボジイミド化合物、N,N′−カル
ボニルイミダゾール、2−クロロ−1−メチルピリジニ
ウムクロライド、ジアルキルアゾジカルボキシレート
(アルキルはエチル、イソプロピル等)−トリフェニル
ホスフィン、2,2′−ジピリジルジスルフィド−トリ
フェニルホスフィン、ジフェニルリン酸アジド、ジエチ
ルリン酸シアニド等が用いられる。閉環反応に用いられ
る不活性溶媒としては、R8,R9の官能基の種類によっ
て異なるが、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジ
メチルアセトアミド等のアミド類、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル類、ジ
クロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素
類、アセトニトリル、酢酸メチル、酢酸エチル等のエス
テル類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、水
およびこれらの混合溶媒等が用いられる。反応温度はR
8,R9の官能基の種類によって異なり特に限定されない
が、副反応を押さえるため比較的低温で行うのが望まし
く、通常−20〜100℃で行われる。反応時間もR8,
9の官能基の種類によって異なり特に限定されない
が、通常10分から72時間である。本発明に用いられ
る原料化合物(III)および(III′)は特開昭55−69
586,55−89285,60−202886,62−
195382,63−303981,63−17037
8,特開平1−93586等に記載の方法またはそれに
準じる方法によって合成される。
【0036】このようにして得られる目的化合物は公知
の手段、例えば溶媒抽出,液性変換,転溶,塩析,晶出,再
結晶,クロマトグラフィー等によって単離精製すること
ができる。また反応生成物中に保護基が含まれている場
合には、必要ならばその保護基を通常の方法により除去
することによって化合物(Ia),(Ib)および(Ic
またはその塩が得られる。β−ラクタム,ペプチド合成
の分野でアミノ,ヒドロキシルまたはカルボキシルの保
護基は十分研究され、保護の方法及び脱保護の方法は確
立されている。たとえば該保護基を除去する方法として
は、酸による方法、塩基による方法,ヒドラジンによる
方法,還元による方法,N−メチルジチオカルバミン酸ナ
トリウムによる方法等の公知の手段を適宜選択して用い
ることができる。また、上記した方法によって得られる
目的化合物を含む反応生成物あるいはその他公知方法に
従って得られる反応生成物(Ia),(Ib)および
(Ic)は、通常ジアステレオアイソマー混合物として
得られる。これらの混合物は、分別再結晶またはカラム
クロマトグラフィーによって分類されうる。以下、本明
細書中で化合物(Ia),(Ib)および(Ic)について
述べるときは、特にことわらない限りジアステレオマー
混合物を意味する。
【0037】
【発明の効果】本発明の化合物(Ia),(Ib)および
(Ic)はスペクトルの広い抗菌活性を有し、人および
動物における病原性細菌により生ずる種々の疾病の予防
ならびに治療のために使用されうる。本発明の代表化合
物につき最小発育阻止濃度〔MIC(μg/ml)〕を下記
方法により測定して下表にまとめた。
【0038】測定方法 試験化合物のMICは寒天希釈法(agar dilution metho
d)により決定された。即ち、順次薄められた試験化合物
の水溶液1.0mlをシャーレ(petridish)に注ぎ、次にト
リプテイカーゼ ソイ アガー(Trypticase soy agar)
9.0mlを注いで混ぜる。その混合寒天プレート上に、
試験菌の懸濁液(約108CFU/ml)を塗沫する。37
℃で一夜培養(incubation)した後、試験菌の増殖を完全
に阻止する試験化合物の最低濃度を、最小阻止濃度(M
IC:minimal inhibitory concentration)とす
る。
【0039】 MIC(μg/ml) 108CFU/ml 試 験 菌 実施例19の化合物 S.アウレウス(S.aureus)FDA 209P <0.1 〃 308A-1 <0.1 〃 1840 0.2 S.ヒ゜ オケ゛ ネス(S.pyogenes)E-14 <0.1 〃 S-8 <0.1 S.マイティス・アメリカ(S.mitis America) <0.1 S.ニューモニエ(S.pneumoniae)Type I <0.1 C.シ゛ フテリエ(C.diphtheriae)Tronto 0.2 E.コリ (E.coli NIHJ)JC-2 <0.1 〃 O-111 <0.1 〃 T-7 1.56 C.フロインテ゛ イ(C.freundii)IFO 12681 0.2 〃 TN 474 6.25 K.ニューモニエ(K.pneumoniae)DT 0.2 K.オキシトカ(K.oxytoca)TN 1711 1.56 E.クロアカエ(E.cloacae)IFO 12937 6.25 〃 TN 583 12.5 S.マルセッセンス(S.marcescens)IFO 12648 0.78 P.フ゛ ルカ゛ リス(P.vulgaris)IFO 3988 0.78 P.ミラヒ゛ リス(P.mirabilis)IFO 3849 0.39 M.モルカ゛ ニー(M.morganii)IFO 3168 0.78
【0040】
【実施例】以下に参考例,実施例で本発明をさらに詳し
く説明する。しかしこれらは単なる例であって本発明を
何ら限定するものではない。以下の参考例、実施例のカ
ラムクロマトグラフィーにおける溶出はTLC(薄層ク
ロマトグラフィー)による観察下に行なわれた。TLC
観察においては、TLCプレートとしてメルク(Merck)
社製の60F254を、展開溶媒としてはカラムクロマト
グラフィーで溶出溶媒として用いられた溶媒を、検出法
としてUV検出器を採用した。カラム用シリカゲルは同
じくメルク社製のキーゼルゲル60(70〜230また
は230〜400メッシュ)を用いた。CHP−20樹
脂は三菱化成製である。NMRスペクトルは内部または
外部基準としてテトラメチルシランまたは3−(トリメ
チルシリル)プロピオン酸ナトリウムを用いてGEMI
NI200 (200MHz)スペクトロメーターで測
定し、全δ値をppmで示した。混合溶媒において( )
内に示した数値は各溶媒の容量混合比である。混合溶媒
における%は容量パーセントを示す。参考例、実施例中
の記号は次のような意味を有する。 s :シングレット d :ダブレット t :トリプレット q :クワルテット dd :ダブル ダブレット ddd :ダブルダブルダブレット ddt :ダブルダブルトリプレット m :マルチプレット dt :ダブル トリプレット dq :ダブル クワルテット qd :クワド ダブレット br. :幅広い J :カップリング定数
【0041】参考例1 2-(2-ヒドロキシエチル)シクロヘキサノン(7.86g)を乾
燥DMF(200 ml)に溶解し、イミダゾール(9.53g)とter
t-ブチルジメチルクロロシラン(10 g)を加えて、室温で
3日間撹拌した。反応液にヘキサン(500 ml)を加え、重
曹水、希塩酸、重曹水、食塩水で順次洗浄後、無水硫酸
ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去して得られた
残渣を減圧蒸留すると2-[2-(tert-ブチルジメチルシリ
ルオキシ)エチル]シクロヘキサノンが無色油状物とし
て7.55 g得られた。 bp 110-115℃/0.3mmHg IR(Neat): 2940,2860,1720 cm-1 1 H-NMR(CDCl3)δ: 0.03(6H,s),0.88(9H,s),1.3-2.5(11
H,m),3.65(2H,dt,J=1.6 &6.4Hz) 参考例2 ジイソプロピルアミン(4.5ml)の乾燥THF溶液(64 ml)
を-78℃に冷却し、1.6Mブチルリチウムヘキサン溶液(1
7.5 ml)を加えた後、0℃で30分間撹拌した。反応液を-7
8℃に冷却し、参考例1で得られた化合物(6.8g)の乾燥
THF溶液(5 ml)を10分間で滴下した。同温度で1時
間撹拌後クロロトリメチルシラン(5.9ml)を加え、室温
で1時間撹拌した。減圧下に溶媒を留去して得られた残
渣をヘキサンに溶かし、重曹水、希塩酸、重曹水、食塩
水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減
圧下に溶媒を留去すると6-[2-(tert-ブチルジメチルシ
リルオキシ)エチル]-1-トリメチルシリルオキシ-1-シ
クロヘキセンが無色油状物として9.18 g得られた。 IR(Neat): 2960,2930,2860,1660 cm-1 1 H-NMR(CDCl3)δ:0.05(6H,s),0.18(9H,s),0.90(9H,s),
1.3-2.2(9H,m),3.68(2H,dd,J=6.1 & 7.7Hz),4.82(1H,d
t,J=1.2 & 3.9Hz)
【0042】参考例3 参考例2で得られた化合物(3.19 g)と(3R,4R)-4-アセト
キシ-3-[(R)-1-(アリルオキシカルボニルオキシ)エチ
ル]アゼチジン-2-オン(1.29 g)を乾燥ジクロロメタン(2
5 ml)に溶解し、臭化亜鉛(1.35 g)を加えて室温で24時
間撹拌した。反応液に重曹水を加え、ジクロロメタンで
抽出して、抽出液を食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥した。減圧下溶媒を留去して得られた残渣をカ
ラムクロマトグラフィー(担体:シリカゲル 50g;酢酸
エチル−ヘキサン 1:4)で精製すると(3S,4R)-3-[(R)-1-
(アリルオキシカルボニルオキシ)エチル]-4-[(1S)-3-[2
-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)エチル]-2-オキソ
シクロヘキサン-1-イル]アゼチジン-2-オン(S体)および
(3S,4R)-3-[(R)-1-(アリルオキシカルボニルオキシ)エ
チル]-4-[(1R)-3-[2-(tert-ブチルジメチルシリルオキ
シ)エチル]-2-オキソシクロヘキサン-2-イル]アゼチジ
ン-2-オン(R体)がそれぞれ無色油状物として1.15gと0.5
7g得られた。 S体:IR(Neat): 2940,2860,1770,1750,1710 cm-1 R体:IR(Neat): 2950,2860,1760,1710 cm-1 参考例4 参考例3で得られた(3S,4R)-3-[(R)-1-(アリルオキシカ
ルボニルオキシ)エチル]-4-[(1S)-3-[2-(tert−ブチル
ジメチルシリルオキシ)エチル]-2-オキソシクロヘキサ
ン-1-イル]アゼチジン-2-オン(0.56 g)をジクロロメ
タン(2.5 ml)に溶かし、かき混ぜながらトリエチルア
ミン(0.7 ml)のジクロロメタン溶液(2.5ml)を加え、
次いで-78℃で塩化アリルオキシオギザリル(0.55 g)
のジクロロメタン溶液(2.5 ml)を10 分間で滴下した。
反応液は-78℃で5分間撹拌後0℃で3時間撹拌した。反応
液に酢酸エチルを加え、pH7のりん酸緩衝液、食塩水で
順次洗浄し、トリエチルアミン(0.2 ml)を加えた後、
無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去して
得られる残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー
(担体:シリカゲル 15 g;酢酸エチル−ヘキサン 1:6)
で精製すると[(3S,4R)-3-[(R)-1-(アリルオキシカルボ
ニルオキシ)エチル]-4-[(1S)-3-[2-(tert-ブチルジメチ
ルシリルオキシ)エチル]-2-オキソシクロヘキサン-1-イ
ル]-2-オキソアゼチジン-1-イル]グリオキシル酸アリル
が得られた。 IR(Neat): 2950,2860,1810,1750,1710,1660 cm-1
【0043】参考例5 参考例4と同様にして(3S,4R)-3-[(R)-1-(アリルオキシ
カルボニルオキシ)エチル]-4-[(1R)-3-[2-(tert-ブチル
ジメチルシリルオキシ)エチル]-2-オキソシクロヘキサ
ン-1-イル]アゼチジン-2-オンから[(3S,4R)-3-[(R)-1-
(アリルオキシカルボニルオキシ)エチル]-4-[(1R)-3-[2
-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)エチル]-2-オキソ
シクロヘキサン-1-イル]-2-オキソアゼチジン-1-イル]
グリオキシル酸アリルを得た。 IR(Neat): 2940,2860,1815,1755,1710,1660 cm-1 参考例6 参考例 5 で得られた化合物(770 mg)とヒドロキノン(6
mg)を乾燥キシレン(14ml)に溶解し、亜りん酸トリエチ
ル(1.2 ml)を加えて92時間加熱還流した。減圧下溶媒を
留去して得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(担
体:シリカゲル,20 g; 酢酸エチル-ヘキサン 1:7)で精
製すると(5S,6R,7R)-5-[(R)-1-(アリルオキシカルボニ
ルオキシ)エチル]-11-[2-(tert-ブチルジメチルシリル
オキシ)エチル]-4-オキソ-3-アザトリシクロ[5.4.0.0
3′6]ウンデカ-1-エン-2-カルボン酸アリルが淡黄色油
状物として129 mg得られた。 IR(Neat): 2930,2850,1780,1745,1720,1650 cm-1 1 H-NMR(CDCl3)δ:0.04(6H,s), 0.88(9H,s), 1.3-2.2(8
H,m), 1.45(3H,d,J=6.4Hz), 3.0-3.1(1H,m), 3.27(1H,d
d,J=2.8&8.2Hz), 3.5-3.8(3H,m), 3.69(1H,dd,J=2.8&7.
4Hz), 4.63(2H,dt,J=5.6&1.4Hz), 4.68(1H,ddt,J=5.6,1
3.4&1.4Hz), 4.79(1H,ddt,J=5.6,13.4&1.4Hz), 5.11(1
H,dq,J=8.2&6.4Hz), 5.26(1H,dq,J=10.4&1.4Hz), 5.28
(1H,dq,J=10.4&1.4Hz), 5.36(1H,dq,J=17.2&1.4Hz), 5.
42(1H,dq,J=17.2&1.4Hz), 5.94(1H,ddt,J=10.4,17.2&5.
6Hz), 5.97(1H,ddt,J=10.4,17.2&5.6Hz)
【0044】参考例7 参考例 6 で得られた化合物(123 mg)に0.25Mフッ化テト
ラブチルアンモニウムと0.75M酢酸のTHF溶液(1 ml)を加
え室温で3時間撹拌した。反応液を酢酸エチル(20 ml)で
希釈し、pH7りん酸緩衝液、食塩水で順次洗浄後、無水
硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去して得ら
た残渣をカラムクロマトグラフィー(担体:シリカゲル
10 g;酢酸エチル-ヘキサン 1:1)で精製すると(5S,6R,
7R)-5-[(R)-1-(アリルオキシカルボニルオキシ)エチル]
-11-(2-ヒドロキシエチル)-4-オキソ-3-アザトリシクロ
[5.4.0.03′6]ウンデカ-1-エン-2-カルボン酸アリルが
淡黄色油状物として83 mg得られた。 IR(Neat): 3500,2930,2850,1775,1740,1715 cm-1 1 H-NMR(CDCl3)δ: 1.44(3H,d,J=6.4Hz), 1.3-2.2(9H,
m), 2.9-3.1(1H,m), 3.29(1H,dd,J=2.8&8.0Hz), 3.4-3.
7(3H,m), 3.74(1H,dd,J=2.8&7.4Hz), 4.63(2H,dt,J=5.4
&1.4Hz), 4.71(1H,ddt,J=5.4,13.6&1.4Hz), 4.83(1H,dd
t,J=5.4,13.6&1.4Hz), 5.12(1H,dq,J=8.1&6.4Hz), 5.2-
5.5(4H,m), 5.94(1H,ddt,J=10.4,17.2&5.4Hz), 5.98(1
H,ddt,J=10.4,17.2&5.4Hz) 参考例8 参考例 5で得られた化合物を参考例 6と同様に反応する
と(5S,6R,7R)-5-[(R)-1-(アリルオキシカルボニルオキ
シ)エチル]-11-[2-(tert-ブチルジメチルシリルオキ
シ)エチル]-4-オキソ-3-アザトリシクロ[5.4.0.03′6]
ウンデカ-1-エン-2-カルボン酸アリルが得られた。 IR(Neat): 2940,2860,1780,1745,1720,1660 cm-1 1 H-NMR(CDCl3)δ: 0.02(6H,s), 0.88(9H,s), 1.3-2.0(8
H,m), 1.45(3H,d,J=6.2Hz), 3.0-3.2(1H,m), 3.34(1H,d
d,J=3.0&8.2Hz), 3.4-3.8(3H,m), 4.10(1H,dd,J=3.0&10
Hz), 4.6-4.9(4H,m), 5.12(1H,dq,J=8.2&6.4Hz), 5.2-
5.5(4H,m), 5.94(1H,ddt,J=10.4,17.2&5.4Hz), 5.97(1
H,ddt,J=10.4,17.2&5.4Hz)
【0045】参考例9 参考例 8で得られた化合物を参考例 7と同様に反応する
と(5S,6R,7S)-5-[(R)-1-(アリルオキシカルボニルオキ
シ)エチル]-11-(2-ヒドロキシエチル)-4-オキソ-3-アザ
トリシクロ[5.4.0.03′6]ウンデカ-1-エン-2-カルボン
酸アリルが得られた。 IR(Neat): 3500,2920,2850,1775,1740,1710 cm-1 1 H-NMR(CDCl3)δ: 1.3-2.0(8H,m), 1.45(3H,d,J=6.4H
z), 2.72(1H,dd,J=4.3&9.1Hz), 3.00(1H,ddd,J=5.0,1
0.4&12.4Hz), 3.38(1H,dd,J=3.2&7.8Hz), 3.4-3.8(3H,
m), 4.14(1H,dd,J=3.2&10.4Hz), 4.63(2H,dt,J=5.4&1.4
Hz), 4.69(1H,ddt,J=5.4,13.6&1.4Hz), 4.83(1H,ddt,J=
5.4,13.6&1.4Hz), 5.13(1H,dq,J=7.8&6.4Hz),5.2-5.3(2
H,m), 5.36(1H,dq,J=17.2&1.4Hz), 5.48(1H,dq,J=17.2&
1.4Hz), 5.94(1H,ddt,J=10.4,17.2&5.4Hz), 5.99(1H,dd
t,J=10.4,17.2&5.4Hz) 参考例10 (3R,4R)-4-アセトキシ-3-[(R)-1-(アリルオキシカルボ
ニルオキシ)エチル]アゼチジン-2-オン と1,2-ビス(ト
リメチルシリルオキシ)-2-シクロヘキセンを参考例 3と
同様に反応すると(3S,4R)-3-[(R)-1-(アリルオキシカル
ボニルオキシ)エチル]-4-[(1S,3R)-2-オキソ-3-トリメ
チルシリルオキシシクロヘキサン-1-イル]アゼチジン-2
-オン(S体)および(3S,4R)-3-[(R)-1-(アリルオキシカル
ボニルオキシ)エチル]-4-[(1R,3S)-2-オキソ-3-トリメ
チルシリルオキシシクロヘキサン-1-イル]アゼチジン-2
-オン(R体)がそれぞれ無色油状物として得られた。 R体:IR(Neat): 3300,2940,1770-1720,1370,1250 cm-1 S体:IR(Neat): 3340,2940,1770,1740,1710,1250 cm-1 参考例11 参考例10で得られた(3S,4R)-3-[(R)-1-(アリルオキシカ
ルボニルオキシ)エチル]-4-[(1S,3R)-2-オキソ-3-トリ
メチルシリルオキシシクロヘキサン-1-イル]アゼチジン
-2-オンを参考例4と同様に反応すると[(3S,4R)-3-[(R)-
1-(アリルオキシカルボニルオキシ)エチル]-4-[(1S,3R)
-3-[2-オキソ-3-トリメチルシリルオキシシクロヘキサ
ン-1-イル]-2-オキソアゼチジン-1-イル]グリオキシル
酸アリルが得られた。 IR(Neat): 2950,1810,1750,1710,1450,1380,1255 cm-1
【0046】参考例12 参考例10で得られた(3S,4R)-3-[(R)-1-(アリルオキシカ
ルボニルオキシ)エチル]-4-[(1S,3R)-2-オキソ-3-トリ
メチルシリルオキシシクロヘキサン-1-イル]アゼチジン
-2-オンを参考例4と同様に反応すると[(3S,4R)-3-[(R)-
1-(アリルオキシカルボニルオキシ)エチル]-4-[(1R,3S)
-3-[2-オキソ-3-トリメチルシリルオキシシクロヘキサ
ン-1-イル]-2-オキソアゼチジン-1-イル]グリオキシル
酸アリルが得られた。 IR(Neat): 2950,1810,1755,1710,1700,1260 cm-1 参考例13 6-アリルオキシカルボニルアミノ-1,2,3,4-テトラヒド
ロ-1-ナフタレノン(9.81 g)のジクロロメタン懸濁液(8
0 ml)に-78℃でトリエチルアミン(12.3 ml)のジクロロ
メタン溶液(20 ml)、つづいてトリメチルシリルトリ
フルオロメタンスルホナート(18.6 ml)のジクロロメタ
ン溶液(20 ml)を加え、氷冷下2時間、続いて室温で2時
間撹拌した。(3R,4R)-4-アセトキシ-3-[(R)-[1-tert-ブ
チルジメチルシリル)オキシ]エチル]アゼチジン-2-オン
(11.5 g)のジクロロメタン溶液(25ml)を氷冷下滴下し
た。反応液を氷冷下1時間撹拌した後、飽和重曹水を加
え同温で1.5時間撹拌した。有機層を分取し、水層はジ
クロロメタンで抽出した。有機層を合わせて無水硫酸マ
グネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をTH
F-水(4:1, 100 ml)に溶解し、ピリジニウムp-トルエン
スルホナート(503 mg)を加えて室温で1.5時間撹拌した
後、減圧下THFを留去した。残留物をジクロロメタンで
抽出し、抽出液を食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥した。減圧下に溶媒を留去して得られた固体を
ジクロロメタンに溶解し、ヘキサンを加えて析出した固
体をろ取し、エーテルで洗浄すると(3S,4R)-4-[(RS)-6-
アリルオキシカルボニルアミノ-1,2,3,4-テトラヒドロ-
1-オキソナフタレノン-2-イル]-3-[(R)-1-[(tert-ブチ
ルジメチルシリル)オキシ]エチル]アゼチジン-2-オン淡
褐色固体として12.5 g得られた。 mp. 192-193℃ IR(KBr): 3340,3250,2955,2940,2855,1740,1715,1680,1
670,1590,1540 cm-1.
【0047】参考例14 参考例13で得られた化合物(4.73 g)とグリオキシル酸ア
リルエステル(1.94 g)をベンゼン(150 ml)に溶解し、テ
ィーン-スターク装置で脱水しながら12時間加熱還流し
た。反応液を減圧濃縮して得られた残渣をカラムクロマ
トグラフィー(担体:シリカゲル 100g,酢酸エチル-ヘキ
サン 1:3)で精製すると2-[(3S,4R)-4-[(RS)-6-アリルオ
キシカルボニルアミノ-1,2,3,4-テトラヒドロ-1-オキソ
ナフタレン-2-イル]-3-[(R)-1-[(tert-ブチルジメチル
シリル)オキシ]エチル]-2-オキソアゼチジン-1-イル]-2
-ヒドロキシ酢酸アリルが無色油状物として5.4 g得られ
た。 IR(Neat): 3450,3330,2950,2855,1750,1670,1600,1540
cm-1.1 H-NMR(CDCl3)δ:0.06-0.09(6H,m), 0.85-0.87(9H,m),
1.23-1.34(3H,m), 1.71-3.12(5H,m), 3.68-4.83(6H,m),
5.07-6.09(7H,m), 6.90-6.93(1H,m), 7.13-7.20(1H,
m), 7.47-7.53(1H,m), 7.86-8.00(1H,m) 参考例15 参考例14で得られた化合物(5.40 g)のTHF溶液(20 ml)に
2,6-ルチジン(2.22 ml)を加えた後、-78℃でチオニルク
ロリド(1.04 ml)のTHF溶液(3 ml)を滴下した。反応液は
同温で15分間、0℃で30分間撹拌後、減圧濃縮した。得
られた残渣にトルエンを加え析出した固体をろ去し、固
体をトルエンで洗浄した。ろ液を減圧濃縮した。残渣を
THF(50 ml)に溶かし、2,6-ルチジン(2.22 ml)とトリフ
ェニルホスフィン(4.88 g)を加え、室温で4日間撹拌
後、減圧下溶媒を留去した。残渣を酢酸エチルに溶か
し、水、飽和硫酸銅水溶液で洗浄後、無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥した。減圧濃縮後、残渣をカラムクロマトグ
ラフィー(担体:シリカゲル 130g,酢酸エチル-ヘキサン
1:2)で精製すると2-[(3S,4R)-4-[(RS)-6-アリルオキシ
カルボニルアミノ-1,2,3,4-テトラヒドロ-1-オキソナフ
タレン-2-イル]-3-[(R)-1-[(tert-ブチルジメチルシリ
ル)オキシ]エチル]-2-オキソアゼチジン-1-イル]-2-ト
リフェニルホスホリデン酢酸アリルが淡褐色アモルファ
スとして6.00 g得られた。 IR(KBr): 3440,3270,2950,2930,2850,1740,1670,1605,
1590,1540,1440 cm-1.1 H-NMR(CDCl3)δ:0.16-0.05(6H,m), 0.69-0.80(9H,m),
1.07-1.09(3H,m), 2.02-3.18(6H,m), 3.45-6.08(12H,
m), 6.97-8.01(19H,m)
【0048】参考例16 参考例15で得られた化合物(6.00 g)をメタノール(72 m
l)に溶解し、2N塩酸(7.2 ml)を加え室温で23時間撹拌し
た後、飽和重曹水を加えた。減圧メタノールを留去し、
残留物を水で希釈した後、酢酸エチルで抽出した。抽出
液を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧
濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー
(担体:シリカゲル 100g,酢酸エチル-ヘキサン 2:1)で
精製すると2-[(3S,4R)-4-[(RS)-6-アリルオキシカルボ
ニルアミノ-1,2,3,4-テトラヒドロ-1-オキソナフタレン
-2-イル]-3-[(R)-1-ヒドロキシエチル]-2-オキソアゼチ
ジン-1-イル]-2-トリフェニルホスホリデン酢酸アリル
が淡黄色アモルファスとして5.10 g得られた。 IR(KBr): 3430,3260,3060,2935,1740,1540 cm-1.1 H-NMR(CDCl3)δ: 1.08-1.11(3H,m), 2.53-3.21(6H,m),
4.00-5.45(10H,m), 5.82-6.03(2H,m), 7.05-7.90(19H,
m) 参考例17 参考例13と同様にして(RS)-1-(アリルオキシカルボニ
ル)-2-[(2S,3S)-3-[(R)-1-[(tert-ブチルジメチルシリ
ル)オキシ]エチル]-4-オキソアゼチジン-2-イル]ピペリ
ジン-3-オンを得た。 IR(Neat): 3280,2950,2930,2860,1760,1705,1650,1408
cm-1. 参考例18 参考例17で得られた化合物(4.55 g)のアセトニトリル溶
液(20 ml)に0℃で3フッ化ホウ素エーテラート(2.84 g)
を加え、2時間撹拌した。溶液に炭酸水素ナトリウム飽
和水溶液(50 ml)と酢酸エチル(100 ml)を加え、30分間
撹拌した。水層から酢酸エチルで抽出し、有機層は無水
硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去して得ら
れる残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(担体:
シリカゲル,50 g、展開溶媒:酢酸エチル)で精製する
と(RS)-1-(アリルオキシカルボニル)-2-[(2S,3S)-3-
[(R)-1-ヒドロキシエチル]-4-オキソアゼチジン-2-イ
ル]ピペリジン-3-オンが得られた。これをジクロロメタ
ン(30 ml)に溶解し、この溶液に0℃でクロロトリメチル
シラン(4.44 g)とピリジン(3.76 g)を加え、2時間撹拌
した。減圧下溶媒を留去して得られる残渣にエーテル(2
00 ml)を加え、有機層を水、飽和硫酸銅水溶液、食塩水
で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下
溶媒を留去して得られる残渣に酢酸エチル-メタノール
(1:1, 50 ml)とシリカゲル(15 g)を加え、4時間撹拌し
た。シリカゲルを濾去し、濾液を減圧下濃縮して得られ
る残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(担体:シ
リカゲル,80g、展開溶媒:酢酸エチル-ヘキサン、2:3)
で精製すると(RS)-1-(アリルオキシカルボニル)-2-[(2
S,3S)-3-[(R)-1-(トリメリルシリルオキシ)エチル]-4-
オキソアゼチジン-2-イル]ピペリジン-3-オン(3.30 g)
がえられた。 IR(Neat): 3275,2950,2900,1760,1703,1648,1412 c
m-1.
【0049】参考例19 参考例18で得られた化合物(1.07 g)のジクロロメタン溶
液(10 ml)に0℃でピリジン(656 mg)のジクロロメタン溶
液(2 ml)つづいてクロログリオキシル酸 p-ニトロベン
ジル(1.34 g)のジクロロメタン溶液(5 ml)を加え、2時
間撹拌した。反応液にエタノール(255 mg)を加え20分間
撹拌後、エーテル(50 ml)を加えた。有機層は水、飽和
硫酸銅水溶液、食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥した。減圧下溶媒を留去して得られる残渣をフ
ラッシュカラムクロマトグラフィー(担体:シリカゲル,
15 g、展開溶媒:酢酸エチル-ヘキサン、2:7)で精製す
ると(2S,3S)-2-[(RS)-1-(アリルオキシカルボニル)-3-
オキソピペリジン-2-イル]-3-[(R)-1-(トリメリルシリ
ルオキシ)エチル]-4-オキソアゼチジン-1-イル]グリオ
キシル酸 p-ニトロベンジル(1.00 g)が得られた。 IR(Neat): 2950,2900,1810,1760,1700,1650,1605,1520
cm-1. 参考例20 参考例19で得られた化合物を参考例6と同様に反応する
と(5S,6S,7S)-8-(アリルオキシカルボニル)-5-[(R)-1-
(トリメチルシリルオキシ)エチル]-4-オキソ-3,8-ジア
ザトリシクロ[5.4.0.03'6]ウンデカ-1-エン-2-カルボン
酸 p-ニトロベンジル (S体)および(5S,6S,7R)-8-(ア
リルオキシカルボニル)-5-[(R)-1-(トリメチルシリルオ
キシ)エチル]-4-オキソ-3,8-ジアザトリシクロ〔5.4.0.
03'6〕ウンデカ-1-エン-2-カルボン酸 p-ニトロベンジ
ル(R体)が得られた。 S体:IR(Neat): 2950,1780,1705,1640,1600,1520 cm-1. R体:IR(Neat): 2950,1775,1705,1645,1605,1520 cm-1. 参考例21 参考例20で得られた(5S,6S,7R)-8-(アリルオキシカルボ
ニル)-5-[(R)-1-(トリメチルシリルオキシ)エチル]-4-
オキソ-3,8-ジアザトリシクロ〔5.4.0.03'6〕ウンデカ-
1-エン-2-カルボン酸 p-ニトロベンジルを参考例45と同
様に反応すると(5S,6S,7R)-8-(アリルオキシカルボニ
ル)-5-[(R)-1-ヒドロキシエチル]-4-オキソ-3,8-ジアザ
トリシクロ〔5.4.0.03'6〕ウンデカ-1-エン-2-カルボン
酸 p-ニトロベンジルが得られた。 IR(KBr): 3460,2950,1765,1720,1693,1610,1523 c
m-1.
【0050】参考例22 テトラヒドロピラン-3-オン(35.1 g)をベンゼン(100 m
l)に溶解し、氷冷下シクロヘキシルアミン(40 ml)を加
え、同温で30分間撹拌後、水を留去しながら1時間加熱
還流した。反応液を室温まで冷却後、1.6M n-ブチルリ
チウム(230 ml)の無水THF溶液(350 ml)に氷冷下で60分
間で滴下し、同温で30分間撹拌した。2-(tert-ブチルジ
メチルシリルオキシ)エチルヨージド(75 g)のTHF溶液(1
40 ml)を氷冷下20分間で加え、同温で1時間撹拌した。
反応液に10%クエン酸水溶液(1リットル)を加えて激し
く撹拌した。ヘキサン(3リットル)を加えて振リ混ぜた
後、有機層を分取した。有機層を水、食塩水で順次洗浄
し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去
した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(担体:
シリカゲル 1 kg、酢酸エチル-ヘキサン 1:10)で精製す
ると4-[2-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)エチル]-
3-オキソテトラヒドロピランが淡黄色油状物として42.8
g 得られた。 IR(Neat): 2960,2930,2850,1720 cm-1. 参考例23 参考例22で得られた化合物を、参考例2および3と同様に
反応すると(3S,4S)-3-[(R)-1-(アリルオキシカルボニル
オキシ)エチル]-4-[(2R)-4-[2-(tert-ブチルジメチルシ
リルオキシ)エチル]-3-オキソテトラヒドロピラン-2-イ
ル]アゼチジン-2-オンが得られた。 IR(Neat): 2950,2920,2850,1760,1750 cm-1.
【0051】参考例24 参考例23で得られた化合物を、参考例14および15と同様
に反応すると2-[(3S,4S)-3-[(R)-1-(アリルオキシカル
ボニルオキシ)エチル]-4-[(2R)-4-[2-(tert-ブチルジメ
チルシリルオキシ)エチル]-3-オキソテトラヒドロピラ
ン-2-イル]-2-オキソアゼチジン-1-イル]-2-トリフェニ
ルホスホリデン酢酸アリルが得られた。 IR(KBr): 3050,2950,2930,2850,1750,1640,1620 cm-1. 参考例25 ジイソプロピルアミン(0.294 ml)の乾燥THF(5 ml)溶液
に、0℃にてブチルリチウム(1.25 ml, 1.6 M in hexan
e)を滴下し10分間撹拌した。この溶液を-78℃まで冷却
し(3S,4S)-1-(tert-ブチルジメチルシリル)-3-[(R)-1-
(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)エチル]-4-[(2RS)-
3-オキソテトラヒドロピラン-2-イル]アゼチジン-2-オ
ン(441 ml)の乾燥THF(2 ml)溶液を滴下し 30分間撹拌し
た後、トリメチルクロロシラン(0.267 ml)を加え-20℃
にて10分間撹拌した。反応溶液を飽和塩化アンモニウム
水溶液(20 ml)にあけ、エーテル(20 mg)で抽出した後、
有機層を水(20 ml)、2%塩酸(20 ml)、飽和重曹水(20 m
l)、飽和食塩水(20 ml)で順次洗浄した。抽出液を無水
硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去して得ら
れた油状物をシリカゲルカラム(230-400 mesh, 26 g;
酢酸エチル:ヘキサン=1:15)にて精製すると(3S,4S)-1
-(tert-ブチルジメチルシリル)-3-[(R)-1-(tert-ブチル
ジメチルシリルオキシ)エチル]-4-[(2R)-3-トリメチル
シリルオキシ-5,6-ジヒドロピラン-2-イル]アゼチジン-
2-オン(228 mg)が無色油状物質として得られた。 IR(neat): 2955,2925,2895,2855,1745,1665 cm-1.1 H-NMR(200MHz,CDCl3)δ: 0.06(3H,s), 0.07(3H,s), 0.
21(9H,s), 0.22(3H,s),0.23(3H,s), 0.89(9H,s), 0.96
(9H,s), 1.18(3H,d,J=6.2Hz), 2.00-2.35(2H,m),3.27(1
H,dd,J=5.3Hz and 2.3Hz), 3.56(1H,ddd,11.0Hz,6.8Hz
and 2.4Hz), 3.86(1H,dd,J=11.0Hz and 5.2Hz), 3.85-
3.95(2H,m), 4.14(1H,dd,J=6.2Hz and 5.3Hz), 4.96(1
H,t,J=4.0Hz)
【0052】参考例26 参考例25で得られた化合物(400 mg)の乾燥ヘキサン(5
ml)溶液に、0℃にてm-クロロ過安息香酸(480 mg)を加
え、同温にて 2時間撹拌した。この溶液を 5%亜硫酸ナ
トリウム水溶液にあけ、30分間撹拌した。酢酸エチルで
抽出した後、有機層を飽和重曹水、飽和食塩水で順次洗
浄した。抽出液を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒
を減圧下留去した。得られ残留物をTHF:水の混合液
(4:1; 10ml)に溶かし、ピリジニウム p-トルエンス
ルホン酸(40 mg)を加え室温にて1.5時間撹拌した。溶
媒を減圧下留去したのち酢酸エチルを加え、水、飽和食
塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。
減圧下溶媒留去して得られた残さをシリカゲルカラム
(230-400 mesh, 25 g; 酢酸エチル:ヘキサン=1:4)
に供することにより(3S,4S)-1-(tert-ブチルジメチルシ
リル)-3-[(R)-1-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)エ
チル]-4-[(2R,4S)-4-ヒドロキシ-3-オキソテトラヒドロ
ピラン-2-イル]アゼチジン-2-オン(S体)(94 mg)と(3S,4
S)-1-(tert-ブチルジメチルシリル)-3-[(R)-1-(tert-ブ
チルジメチルシリルオキシ)エチル]-4-[(2R,4R)-4-ヒド
ロキシ-3-オキソテトラヒドロピラン-2-イル]アゼチジ
ン-2-オン(R体)(167 mg)がそれぞれ無色油状物質として
得られた。 S体: IR(neat): 3400,2950,2930,2880,2855,1740 cm-1.1 H-NMR(200MHz,CDCl3)δ: 0.05(3H,s), 0.07(3H,s), 0.
21(3H,s), 0.28(3H,s),0.88(9H,s), 0.95(9H,s), 1.02
(3H,d,J=6.4Hz), 1.82-2.05(1H,m), 2.57-2.75(1H,m),
3.15(1H,dd,J=3.8Hz and 2.8Hz), 3.82(1H,ddd,J=12.0H
z,6.6Hz and 5.0Hz), 3.90(1H,dd,J=8.4Hz and 2.8Hz),
4.11(1H,d,J=8.4Hz), 4.03-4.45(2H,m),4.50(1H,d,J=1
1.2Hz and 8.4Hz) R体: IR(neat): 3420,2950,2930,2880,2855,1740 cm-1.1 H-NMR(200MHz,CDCl3)δ: 0.06(3H,s), 0.09(3H,s), 0.
18(3H,s), 0.21(3H,s),0.89(3H,s), 0.95(3H,s), 1.28
(3H,d,J=6.4Hz), 2.09(1H,dq like,J=12.6Hz and5.0H
z), 2.57(1H,ddt,J=13.0Hz, 7.4Hz and 2.0Hz), 2.93(1
H,dd,J=4.2Hz and1.4Hz), 3.79(1H,td,J=12.2Hz and 2.
0Hz), 3.83-3.87(2H,m), 4.10(1H,ddd,J=12.2Hz,5.0Hz
and 2.0Hz), 4.29(1H,qd,J=6.4Hz and 4.2Hz), 4.31(1
H,dd,J=12.2Hz and 7.4Hz)
【0053】参考例27 参考例26で得られたR体(840 mg)を乾燥DMF(3 ml)に
溶かし、イミダゾール(625 mg)とtert-ブチルジメチル
シリルクロリド(691 mg)を加え、室温にて4時間撹拌し
た。水を加えエーテルで抽出したのち、有機層を飽和食
塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧
下溶媒留去して得られた残さをシリカゲルカラム(70-2
30 mesh, 30 g; 酢酸エチル:ヘキサン=1:9)に供する
ことにより(3S,4S)-1-(tert-ブチルジメチルシリル)-3-
[(R)-1-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)エチル]-4-
[(2R,4R)-4-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-3-オ
キソテトラヒドロピラン-2-イル]アゼチジン-2-オン(1.
028 g)が得られた。 IR(KBr): 2955,2930,3880,2855,1740,1725 cm-1. 参考例28 参考例27で得られた化合物(1.435 g)のメタノール(60 m
l)溶液を 0℃に冷却し、フッ化カリウム(160 mg)を加
え、同温にて 2時間撹拌した。飽和重曹水を加え酢酸エ
チルで抽出したのち、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無
水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒留去して得
られた残さをシリカゲルカラム(70-230 mesh, 50 g, 酢
酸エチル:ヘキサン=1:9)に供することにより(3S,4S)-
3-[(R)-1-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)エチル]-
4-[(2R,4R)-4-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-3-
オキソテトラヒドロピラン-2-イル]アゼチジン-2-オン
(591mg)が得られた。 IR(KBr): 2954,2929,2885,2856,1770,1749 cm-1. 参考例29 参考例28で得られた化合物を、参考例14、15、16と同様に
反応すると2-[(3S,4S)-3-[(R)-1-ヒドロキシエチル]-4-
[(2R,4S)-4-ヒドロキシ-3-オキソテトラヒドロピラン-2
-イル]-2-オキソアゼチジン-1-イル]-2-トリフェニルホ
スホリデン酢酸アリルが得られた。 IR(KBr): 3421,1750,1734,1653,1616 cm-1.
【0054】参考例30 参考例26で得られたS体を参考例27、28と同様に反応する
と(3S,4S)-3-[(R)-1-(tert-ブチルジメチルシリルオキ
シ)エチル]-4-[(2R,4S)-4-(tert-ブチルジメチルシリル
オキシ)-3-オキソテトラヒドロピラン-2-イル]アゼチジ
ン-2-オンが得られた。 IR(neat): 3445,2954,2929,2585,2858,1749 cm-1. 参考例31 参考例30で得られた化合物を参考例14と同様に反応する
と2-[(3S,4S)-3-[(R)-1-(tert-ブチルジメチルシリルオ
キシ)エチル]-4-[(2R,4S)-4-(tert-ブチルジメチルシリ
ルオキシ)-3-オキソテトラヒドロピラン-2-イル]-2-オ
キソアゼチジン-1-イル]-2-ヒドロキシ酢酸アリルが得
られた。 IR(neat): 3439,2954,2929,2885,2858,1765,1745 cm-1. 参考例32 2-[(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)メチル]シクロ
ヘキサノンを参考例2と同様に反応すると6-[(tert-ブチ
ルジメチルシリルオキシ)メチル]-1-トリメチルシリル
オキシ-1-シクロヘキセンが得られた。 IR(neat) 2950,2930,2850,1660,1250 cm-1 参考例33 参考例32で得られた化合物を参考例3と同様に反応し、
分離精製すると(3S,4R)-3-[(R)-1-(アリルオキシカルボ
ニルオキシ)エチル]-4-[(1R,3R)-3-(tert-ブチルジメチ
ルシリルオキシ)メチル-2-オキソシクロヘキサン-1-イ
ル]アゼチジン-2-オンが得られた。 IR(neat): 3270,2930,2850,1770-1730 cm-1.1 H-NMR(200MHz,CDCl3)δ: 0.04(6H,s) 0.86(9H,s) 1.4
(3H,d,J=6.3Hz) 1.53-2.13(6H,m) 2.53-2.77(2H,m) 3.0
7(1H,dd,J=7.5Hz,J=2.4Hz) 3.76(1H,dd,J=10.1Hz,J=6.6
Hz) 3.90(1H,dd,J=10.1Hz,J=7.0Hz) 3.99(1H,dd,J=5.7H
z,J=2.4Hz) 4.53-4.71(2H,m) 5.10(1H,m) 5.24-5.41(2
H,m) 5.84-6.03(2H,m)
【0055】参考例34 参考例33で得られた化合物を参考例14、15、16と同様に反
応すると2-[(3S,4R)-3-[(R)-1-(アリルオキシカルボニ
ルオキシ)エチル]-4-[(1R,3R)-3-ヒドロキシメチル-2-
オキソシクロヘキサン-1-イル]-2-オキソアゼチジン-1-
イル]-2-トリフェニルホスホリデン酢酸アリルが得られ
た。 IR(neat): 2930,1745,1250 cm-1. 参考例35 参考例34で得られた化合物(1.96g)のトルエン溶液(70m
l)を8時間加熱還流した。減圧濃縮後、得られた残さを
シリカゲルカラム(70-230mesh,40g,酢酸エチル:ヘキサ
ン=1:2)に供すると(5S,6R,7S,11S)-5-[(R)-1-(アリル
オキシカルボニルオキシ)エチル]-11-ヒドロキシメチル
-4-オキソ-3-アザトリシクロ〔5.4.0.03'6〕ウンデカ-1
-エン-2-カルボン酸アリルが800mgが無色油状物質とし
て得られた。 IR(neat): 3480,2930,1780,1745,1720cm-1 1 H-NMR(200MHz,CDCl3)δ:1.24-2.05(6H,m) 1.45(3H,d,
J=6.3Hz) 3.08(1H,m) 3.39(1H,dd,J=7.9Hz,J=3.3Hz) 3.
74-3.81(3H,m) 4.17(1H,dd,J=10.5Hz,J=3.3Hz) 4.61-4.
87(4H,m) 5.12(1H,m) 5.23-5.51(4H,m) 5.84-6.07(2h,
m)
【0056】参考例36 アルゴン雰囲気下、ジイソプロピルアミン(1.60g)のTHF
溶液(79ml)に-78℃でn-ブチルリチウムのヘキサン溶液
(1.41M,8.94ml)を滴下した。氷冷下15分間撹拌した後、
反応液を-78℃に冷却して(3S,4S)-3-[(R)-1-(アリルオ
キシカルボニル)エチル]-4-[(2R)-3-オキソテトラヒド
ロピラン-2-イル]-1-トリメチルシリルアゼチジン-2-オ
ン(3.88g)のTHF溶液(25ml)を同温で滴下した。同温で15
分間撹拌した後、クロロトリメチルシラン(1.72g)を滴
下し、氷冷下15分間撹拌した。飽和NaHCO3水(100ml)を
加え、よく撹拌した後、エーテルで抽出した。有機層を
合わせ、水、飽和食塩水で洗い無水硫酸マグネシウムで
乾燥した。減圧濃縮して得られた残さをTHF(80ml)に溶
解し、NaHCO3(100mg)を加えた。氷冷下、N-ブロモこは
く酸イミド(1.96g)のTHF溶液(50ml)を滴下した。同温で
15分間撹拌後、飽和NaHCO3水(100ml)を加え、エーテル
で抽出した。有機層を合わせ、水、飽和食塩水で洗い、
無水MgSO4で乾燥した。減圧濃縮して得られた残さにト
ルエン(100ml)を加え、さらに2-(4-ニトロベンジルオキ
シカルボニルアミノ)エタンチオール(2.24g)を加えた。
氷冷下、K2CO3(2.90g,21.0mmol)とAliquat 336(約0.5m
l)を加えた。4℃で64時間撹拌後、室温で1時間撹拌し
た。固体をろ去し、トルエンで洗い、濾液と洗液を合わ
せ減圧濃縮した。残さにメタノール(200ml)を加え、p-
トルエンスルホン酸ピリジニウム(251mg,0.999mmole)を
加えた。室温で1時間撹拌後、減圧濃縮した。得られた
残さをシリカゲルカラム(70-230mesh,200g,酢酸エチ
ル:ヘキサン=2:3→1:1→3:2→酢酸エチル]に供すると
(3S,4S)-3-[(R)-1-(アリルオキシカルボニルオキシ)エ
チル]-4-[(2R)-4-[2-(4-ニトロベンジルオキシカルボニ
ルアミノ)エチルチオ]-3-オキソテトラヒドロピラン-2-
イル]アゼチジン-2-オン(1.50g)を淡黄色アモルファス
として得られた。 IR(neat): 3325,1751,1726,1520 cm-1 1 H-NMR(200MHz,CDCl3)δ:1.43-1.48(3H,m) 2.02-2.85
(4H,m) 3.22-4.08(8H,m)4.55-4.67(2H,m) 5.07-5.42(6
H,m) 5.73-6.13(2H,m) 7.52(2H,m) 8.22(2H,m)
【0057】参考例37 参考例36で得られた化合物を参考例4と同様に反応する
と[(3S,4S)-3-[(R)-1-(アリルオキシカルボニルオキシ)
エチル]-4-[(2R)-4-[2-(4-ニトロベンジルオキシカルボ
ニルアミノ)エチルチオ]-3-オキソテトラヒドロピラン-
2-イル]-2-オキソアゼチジン-1-イル]グリオキシル酸ア
リルが得られた。 IR(neat): 3400,2950,1811,1741,1724,1520 cm-1 参考例38 ジイソプロピルアミン(2.6 m)の乾燥THF(35 mL)溶液に-
78℃で n-ブチルリチウムヘキサン溶液(10.5 mL)を加
え、0℃で30分間撹拌した。反応液を -78℃に冷却し(3
S,4S)-[(R)-1-[(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)エ
チル]-4-(3-オキソテトラヒドロピラン-2-イル]-1-(ト
リメチルシリル)アゼチジン-2-オン(5.58g)の乾燥THF(1
5 mL)溶液を20分間かけて滴下した。同温で30分間撹拌
後ベンゼンチオスルホン酸S-メチル(3.2 g)の乾燥THF(1
5 mL)溶液を10分間かけて滴下した。反応液を同温で30
分間、-30℃で10分間撹拌した。飽和塩化アンモニウム
水溶液(300 mL)を加え、エーテル(500 mL)で抽出した。
抽出液を1%塩酸(200 mL)、水(200 mL×2)、飽和食塩水
(200 mL)で順次洗浄した。減圧下溶媒留去して得られた
残さをTHF-水(9:1, 70 mL)に溶解し、p-トルエンスルホ
ン酸ピリジニウム(90mg)を加え、室温で17時間撹拌し
た。減圧下THFを留去して得られた残さにエーテル(200
mL)を加え、pH7リン酸緩衝液(100 ml×2)、飽和食塩水
(100 mL)で順次洗浄後無水硫酸マグネシウムで乾燥し
た。減圧下溶媒留去して得られた残さをシリカゲルカラ
ム(230-400 mesh, 140 g, 酢酸エチル−ヘキサン 1:4)
に供すると(3S,4S)-[(R)-1-[(tert-ブチルジメチルシ
リルオキシ)エチル]-4-[(2R,4S)-4-メチルチオ-3-オキ
ソテトラヒドロピラン-2-イル]アゼチジン-2-オンが淡
黄色油状物質として1.73 g得られた。 IR(neat): 2930,2850,1760,1720 cm-1 1 H-NMR(200MHz,CDCl3)δ: 0.08(6H,s), 0.88(9H,s),
1.25(3H,d,J=6.4Hz), 2.06(3H,s), 2.1-2.7(2H,m), 3.2
-3.3(1H,m), 3.3-3.4(1H,m), 3.9-4.2(3H,m), 4.2-4.3
(1H,m), 4.65(1H,d,J=3.6Hz), 5.68(1H,brs)
【0058】参考例39 参考例38で得られた化合物(1.72 g)を乾燥アセトニトリ
ル(10 mL)に溶解し、氷冷下BF3・OEt2(0.93 mL)を加えて
同温で90分間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウムを加え
て反応液のpHを7に調整し、食塩を飽和させた後に酢酸
エチル(20 mL×3)で抽出した。抽出液を集め、無水硫酸
マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒留去して得られた
残さをシリカゲルカラム(230-400 mesh, 15 g, 酢酸エ
チル)に供し、(3S,4S)-[(R)-1-ヒドロキシエチル)-4-
[(2R,4S)-4-メチルチオ-3-オキソテトラヒドロピラン-2
-イル]アゼチジン-2-オンが淡黄色アモルファス状物と
して864 mg得られた。 IR(KBr): 3450,2960,2920,2850,1740 cm-1 参考例40 参考例39で得られた化合物(858 mg)を乾燥THF(15 mL)に
溶解し、ピリジン(0.7mL)及びクロロぎ酸アリル(0.35 m
L, 3.3 mmol)を順次加えて30℃で1時間撹拌した。更に
クロロぎ酸アリル(1.4 mL, 13.2 mmol)を4時間かけて4
回にわけて加えた。60℃で1時間撹拌後酢酸エチル(100
mL)、水(100 mL×2)、飽和硫酸銅水溶液(100 mL),飽和
食塩水(100 mL×2)で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥した。減圧下溶媒留去して得られた残さをシリ
カゲルカラム(230-400 mesh, 35g, 酢酸エチル−ヘキサ
ン 1:1)に供すると(3S,4S)-3-[(R)-1-(アリルオキシカ
ルボニルオキシ)エチル〕-4-[(2R,4S)-4-メチルチオ-3-
オキソテトラヒドロピラン-2-イル]アゼチジン-2-オン
が淡黄色油状物として得られた。 IR(neat): 2970,2910,2850,1750 cm-1 参考例41 参考例40で得られた化合物を参考例5と同様に反応する
と[(3S,4S)-3-[(R)-1-(アリルオキシカルボニルオキシ)
エチル]-4-[(2R,4S)-4-メチルチオ-3-オキソテトラヒド
ロピラン-2-イル]-2-オキソアゼチジン-1-イル]グリオ
キシル酸アリルが得られた。 IR(neat): 2980,2920,1810,1750,1700 cm-1
【0059】参考例42 参考例24で得られた化合物を参考例4と同様に反応する
と[(3S,4S)-3-[(R)-1-(アリルオキシカルボニルオキシ)
エチル]-4-[(2R)-4-[2-[(tert-ブチルジメチルシリルオ
キシ)エチル]-3-オキソテトラヒドロピラン-2-イル]-2-
オキソアゼチジン-1-イル]グリオキシル酸アリルが得ら
れた。 IR(neat): 2940,2850,1810,1750,1700 cm-1 参考例43 (3S,4S)-4-[(2R)-3-オキソテトラヒドロピラン-2-イル]
-1-(トリメチルシリル)-3-[(R)-1-(トリメチルシリルオ
キシ)エチル]アゼチジン-2-オンを参考例38におけるベ
ンゼンチオスルホンS-メチルの代わりに1,2-ビス(アリ
ルオキシカルボニル)-4-フェニルスルホニルチオピラゾ
リジンを用いて同様に反応すると(3S,4S)-4-[(2R)-4-
[[1,2-ビス(アリルオキシカルボニル)ピラゾリジン-4-
イル]チオ]-3-オキソテトラヒドロピラン-2-イル]-3-
[(R)-1-(トリメチルシリルオキシ)エチル]アゼチジン-2
-オンが得られた。 IR(neat): 2950,1750,1710 cm-1 参考例44 参考例43で得られた化合物を参考例4と同様に反応する
と(3S,4S)-4-[(2R)-4-[[1,2-ビス(アリルオキシカルボ
ニル)ピラゾリジン-4-イル]チオ]-3-オキソテトラヒド
ロピラン-2-イル]-2-オキソ-3-[(R)-1-(トリメチルシリ
ルオキシ)エチル]アゼチジン-1-イル]グリオキシル酸ア
リルが得られた。 IR(neat): 2950,2930,1810,1750,1700 cm-1
【0060】参考例45 (5S,6R,7S,11S)-11-ヒドロキシ-5-[(R)-1-ヒドロキシエ
チル]-4-オキソ-3-アザトリシクロ〔5.4.0.03'6〕ウン
デカ-1-エン-2-カルボン酸ナトリウム
【化49】 (1)参考例 12 で得られた化合物(680 mg)を乾燥キシレ
ン(27 ml)に溶解し、亜りん酸トリエチル(1.1 ml)を加
えて90℃で1.5時間,110℃で4.5時間ついで130℃で21時
間撹拌した。減圧下溶媒を留去して得られた残渣をカラ
ムクロマトグラフィー(担体:シリカゲル,30 g; 酢酸エ
チル-ヘキサン 1:19)で精製すると(5S,6R,7S,11S)-5-
[(R)-1-(アリルオキシカルボニルオキシ)エチル]-4-オ
キソ-11-トリメチルシリルオキシ-3-アザトリシクロ
〔5.4.0.03'6〕ウンデカ-1-エン-2-カルボン酸アリル(R
1=COOCH2CH=CH2,R2=CH2CH=CH2,R3=SiMe3)が無色油状物
として330 mg得られた。 IR(Neat): 2950,1780,1750,1720,1640,1450,1370 cm-1 1 H-NMR(CDCl3)δ:0.08(9H,s), 1.19-2.09(6H,m), 1.45
(3H,d,J=6.3Hz), 3.35(1H,dd,J=8.0&3.0Hz), 3.36(1H,
m), 4.13(1H,dd,J=9.9&3.0Hz), 4.61-4.87(4H,m),5.13
(1H,m), 5.24-5.48(4H,m), 5.85-6.07(2H,m) (2) (1)で得られた化合物(35 mg)をTHF-水の混液(2:1,
1 ml)に溶解し、ピリジニウムp-トルエンスルホナート
(1 mg)のTHF-水(2:1, 0.5 ml)を滴下し、室温で2時間撹
拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、水、食塩水で順
次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒
を留去して得られた残渣をカラムクロマトグラフィー
(担体:シリカゲル、10 g; 酢酸エチル-ヘキサン 1:3)で
精製すると(5S,6R,7S,11S)-5-[(R)-1-(アリルオキシカ
ルボニルオキシ)エチル]-11-ヒドロキシ-4-オキソ-3-ア
ザトリシクロ〔5.4.0.03'6〕ウンデカ-1-エン-2-カルボ
ン酸アリル(R1=COOCH2CH=CH2,R2=CH2CH=CH2,R3=H)が無
色油状物として28 mg得られた。 IR(Neat): 3475,2935,1775,1745,1715,1445,1370 cm-1 1 H-NMR(CDCl3)δ:1.45(3H,d,J=6.4Hz), 1.29-2.07(6H,
m), 3.39(1H,dd,J=7.9&3.2Hz), 3.40(1H,m), 4.17(1H,d
d,J=10.2&3.2Hz), 4.61-4.86(4H,m), 5.13(1H,m), 5.24
-5.51(5H,m), 5.84-6.07(2H,m) (3) (2)で得られた化合物(45 mg)とトリフェニルホスフ
ィン(6 mg)を乾燥THF-ジクロロメタン混合溶媒(1:1, 1.
5 ml)に溶解し、テトラキス(トリフェニルホスフィン)
パラジウム(O)(8 mg),2-エチルヘキサン酸(17 mg)およ
び2-エチルヘキサン酸ナトリウム(19 mg)の乾燥THF-ジ
クロロメタン混液(1:1, 0.87 ml)を加えた。反応液は室
温で1時間撹拌した後、減圧下溶媒を留去した。残渣に
エーテルを加え-20℃で一夜放置し、析出物をろ取しエ
ーテルで洗浄した後、水(4 ml)に加えた。不溶物をろ去
し、ろ液をCHP-20(60 ml)カラムクロマトグラフィーに
付し、水で溶出した。溶出液を減圧濃縮後凍結乾燥する
と表題化合物(R1=R3=H,R2=Na)が無色粉末とした26 mg得
られた。 IR(KBr): 3450,1750,1590,1400 cm-1 1 H-NMR(D2O)δ: 1.28(3H,d,J=6.4Hz), 1.29-2.01(6H,
m), 3.29(1H,m), 3.42(1H,dd,J=6.0&3.1Hz), 4.17(1H,d
d,J=10.2&3.1Hz), 4.24(1H,m), 5.35(1H,t, like,J=2.5
&2.2Hz)
【0061】参考例46 (5S,6R,7R,11S)-11-ヒドロキシ-5-[(R)-1-ヒドロキシエ
チル]-4-オキソ-3-アザトリシクロ〔5.4.0.03'6〕ウン
デカ-1-エン-2-カルボン酸ナトリウム
【化50】 (1)参考例 11 で得られた化合物を参考例45の(1)と同様
に反応すると(5S,6R,7R,11R)-5-[(R)-1-(アリルオキシ
カルボニルオキシ)エチル]-4-オキソ-11-トリメチルシ
リルオキシ-3-アザトリシクロ〔5.4.0.03'6〕ウンデカ-
1-エン-2-カルボン酸アリル(R1=COOCH2CH=CH2,R2=CH2CH
=CH2,R3=SiMe3)が得られた。 IR(Neat): 2940,1785,1745,1720,1255 cm-1 1 H-NMR(CDCl3)δ:0.09(9H,s), 1.44(3H,d,J=6.3Hz),
1.27-2.21(6H,m), 3.28(1H,m), 3.35(1H,dd,J=7.8&3.2H
z), 3.70(1H,dd,J=6.8&3.2Hz), 4.61-4.88(4H,m),5.11
(1H,m), 5.24-5.48(5H,m), 5.84-6.08(2H,m) (2) (1)で得られた化合物を参考例45の(2)と同様に反応
すると(5S,6R,7R,11R)-5-[(R)-1-(アリルオキシカルボ
ニルオキシ)エチル]-11-ヒドロキシ-4-オキソ-3-アザト
リシクロ〔5.4.0.03'6〕ウンデカ-1-エン-2-カルボン酸
アリル(R1=COOCH2CH=CH2,R2=CH2CH=CH2,R3=H)が得られ
た。 IR(Neat)3500,2940,1780,1745,1720,1260 cm-1 1 H-NMR(CDCl3)δ:1.45(3H,d,J=6.4Hz), 1.29-2.23(6H,
m), 3.28(1H,m), 3.34(1H,dd,J=7.7&2.9Hz), 3.76(1H,d
d,J=7.7&2.9Hz), 4.60-4.87(4H,m), 5.11(1H,s),5.25-
5.49(5H,m), 5.84-6.07(2H,m) (3) (2)で得られた化合物を参考例45の(3)と同様に反応
すると表題化合物(R1=R3=H,R2=Na)が得られた。 IR(KBr): 3430,2935,1760,1595,1400,1245 cm-1 1 H-NMR(D2O)δ: 1.28(3H,d,J=6.4Hz), 1.21-2.26(6H,
m), 3.27(1H,m), 3.42(1H,dd,J=5.9&2.9Hz), 3.75(1H,d
d,J=7.1&2.9Hz), 4.22(1H,m), 5.19(1H,t like,J=2.6&
2.5Hz)
【0062】参考例47 (3S,4S)-4-[(2R)-3-オキソテトラヒドロチオピラン-2-
イル]-1-トリメチルシリル-3-[(R)-1-(トリメチルシリ
ルオキシ)エチル]アゼチジン-2-オンとベンゼンチオス
ルホン酸S-[2-(4-ニトロヘンジルオキシカルボニルアミ
ノ)エチル]を用いて参考例38と同様に反応すると(3S,4
S)-4-[(2R)-4-[2-(4-ニトロベンジルオキシカルボニル
アミノ)エチルチオ]-3-オキソテトラヒドロチオピラン-
2-イル]-3-[(R)-1-(トリメチルシリルオキシ)エチル]ア
ゼチジン-2-オンが得られた。 IR(Neat): 3321,2956,1759,1724,1707,1522,1348,1254
cm-1 参考例48 参考例47で得られた化合物を参考例4と同様に反応する
と[(3S,4S)-4-[[(2R)-4-[2-(4-ニトロベンジルオキシカ
ルボニルアミノ)エチル]チオ]-3−オキソテトラヒドロ
チオピラン-2-イル]-3-[(R)-1-(トリメチルシリルオキ
シ)エチル]-2-オキソアゼチジン-1-イル]グリオキシ酸
アリルが得られた。 実施例1 (5S,6R,7S,11R)-5-〔(R)-1-ヒドロキシエチル〕-4-オキ
ソ-11-〔2-(1-ピリジニオ)エチル〕-3-アザトリシクロ
〔5.4.0.03,6〕ウンデカ-1-エン-2-カルボキシラート
【化51】 参考例9で得られた化合物(240 mg)とピリジン(92.5 μ
l)をジクロロメタン(4ml)に溶かし、0℃で無水トリフル
オロメタンスルホン酸(96.2 μl)のジクロロメタン溶液
(2 ml)を滴下し、同温で2時間攪拌後、ピリジン(46.2
μl)のジクロロメタン溶液(2 ml)を加え、更に室温で2
時間攪拌した。反応液にトルエン(1 ml)を加えて減圧下
濃縮乾固した。残渣をジクロロメタン-THF(1:1, 2 ml)
に溶かし、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジ
ウム(0)(165 mg),2-エチルヘキサン酸(87 mg)および2-
エチルヘキサン酸ナトリウム(92 mg)の乾燥TEF-ジクロ
ロメタン混液(1:1, 4.3 ml)を加えた。反応液は室温で3
時間攪拌した後、溶媒をデカンテーションで除き、さら
にエーテルで洗浄した。得られた残留物を水に溶かし、
重曹水でpH7に調整後、減圧下に濃縮した。残留物をCHP
-20(40 ml)カラムクロマトグラフィーに付し、水で洗浄
後、10%EtOHで溶出した。溶出液を減圧濃縮後凍結乾燥
すると表題化合物が淡黄色粉末として24 mg得られた。 IR(KBr): 3400,2930,2860,1750,1640,1595 cm-1 1 H-NMR(D2O)δ:1.2-2.7(8H,m), 1.26(3H,d,J=6.4Hz),
3.0-3.2(1H,m), 3.33(1H,dd,J=3.0&6.4Hz), 3.5-3.6(1
H,m), 3.96(1H,dd,J=3.0&10.0Hz), 4.21(1H,quintet,J=
6.4Hz), 4.61(2H,t,J=6.8Hz), 8.05(2H,dd,J=5.4&8.0H
z), 8.54(1H,t,J=8.0Hz), 8.81(2H,d,J=5.4Hz)
【0063】実施例2 (5S,6R,7R,11S)-5-〔(R)-1-ヒドロキシエチル〕-4-オキ
ソ-11-〔2-(1-ピリジニオ)エチル〕-3-アザトリシクロ
〔5.4.0.03,6〕ウンデカ-1-エン-2-カルボキシラート
【化52】 参考例7で得られた化合物を実施例1と同様に反応する
と表題化合物が得られた。 IR(KBr): 3430,2930,2860,1750,1635,1590 cm-1.1 H-NMR(D2O)δ:1.2-2.5(8H,m), 1.27(3H,d,J=6.4Hz),
3.0-3.2(1H,m), 3.19(1H,dd,J=2.6&6.0Hz), 3.5-3.6(1
H,m), 3.66(1H,dd,J=2.6&7.0Hz), 4.20(1H,dq,J=6.0&6.
4Hz), 4.5-4.7(2H,m), 8.04(2H,dd,J=5.4&7.8Hz), 8.53
(1H,t,J=7.8Hz), 8.88(2H,d,J=5.4Hz) 実施例3 (5S,6R,7S,11R)-5-〔(R)-1-ヒドロキシエチル〕-11-(2-
ニコチノイルオキシエチル)-4-オキソ-3-アザトリシク
ロ〔5.4.0.03,6〕ウンデカ-1-エン-2-カルボン酸ナトリ
ウム
【化53】 (1) ニコチン酸クロリド塩酸塩(414 mg)をジクロロメタ
ン(8 ml)に懸濁し、ピリジン(0.58 ml)を加えて溶解し
た。この溶液を、参考例9で得られた化合物(200mg)の
ジクロロメタン溶液(8 ml)に氷冷下で滴下した。反応液
は氷冷下で2時間攪拌した後、pH7りん酸緩衝液、食塩水
で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒
を留去した後、残渣をカラムクロマトグラフィー(担体:
シリカゲル20 g, 酢酸エチル-ヘキサン 1:1)で精製する
と(5S,6R,7S,11R)-5-〔(R)-1-(アリルオキシカルボニル
オキシ)エチル〕-11-(2-ニコチノイルオキシエチル)-4-
オキソ-3-アザトリシクロ〔5.4.0.03,6〕ウンデカ-1-エ
ン-2-カルボン酸アリル(R1=COOCH2CH=CH2, R2=CH2CH=CH
2)が無色油状物として50 mg得られた。 IR(Neat): 2930,2850,1775,1740,1720 cm-1 1 H-NMR(CDCl3)δ:1.2-2.2(8H,m), 1.44(3H,d,J=6.4H
z), 3.08(1H,ddd,J=4.8,10.2&12.8Hz), 3.35(1H,dd,J=
3.2&8.0Hz), 3.8-4.0(1H,m), 4.08(1H,dd,J=3.2&10.2H
z), 4.28(1H,dt,J=12.0&6.7Hz), 4.36(1H,dt,J=12.0&6.
7Hz), 4.5-4.7(3H,m),4.74(1H,ddt,J=5.4,13.4&1.4Hz),
5.10(1H,dq,J=8.0&6.4Hz), 5.22(1H,dq,J=10.4&1.4H
z), 5.29(1H,dq,J=10.2&1.4Hz), 5.37(1H,dq,J=17.2&1.
4Hz), 5.38(1H,dq,J=17.2&1.4Hz), 5.92(1H,ddt,J=10.
2,17.2&5.4Hz), 5.95(1H,ddt,J=10.4,17.2&5.4Hz), 7.4
1(1H,ddd,J=0.8,5.0&8.0Hz), 8.29(1H,ddd,J=1.8,2.0&
8.0Hz), 8.78(1H,dd,J=1.8&5.0Hz), 9.22(1H,dd,J=0.8&
2.0Hz)
【0064】(2) (1)で得られた化合物(90 mg)とトリフ
ェニルホスフィン(11 mg)を乾燥THF-ジクロロメタン混
合溶媒(1:1, 1.2 ml)に溶解し、テトラキス(トリフェニ
ルホスフィン)パラジウム(0)(17 mg),2-エチルヘキサン
酸(19 mg)および2-エチルヘキサン酸ナトリウム(22 mg)
の乾燥THF-ジクロロメタン混液(1:1, 1.6 mg)を加え
た。反応液は室温で2時間攪拌した後、減圧下溶媒を留
去した。残渣にエーテルを加え-20℃で一夜放置した。
析出した沈澱物をろ取し、エーテルで洗浄した。得られ
た固形物を水(2 ml)に溶解しCHP-20(40 ml)カラムクロ
マトグラフィーに付し、水および5%EtOHで洗浄した後、
10%EtOHで溶出した。溶出液を減圧濃縮後凍結乾燥する
と表題化合物(R1=H, R2=Na)が無色粉末として50 mg得ら
れた。 IR(KBr): 3430,2930,2850,1750,1720,1620,1490 cm-1 1 H-NMR(D2O)δ:1.2-2.4(8H,m), 1.24(3H,d,J=6.4Hz),
3.0-3.2(1H,m), 3.31(1H,dd,J=2.8&6.4Hz), 3.6-3.8(1
H,m), 3.86(1H,dd,J=2.8&10.0Hz), 4.16(1H,quintet,J=
6.4Hz), 4.3-4.5(2H,m), 7.62(1H,dd,J=5.0&8.0Hz), 8.
42(1H,dt,J=8.0&1.0Hz), 8.7-8.8(1H,m), 9.11(1H,br
s.) Anal Cald for C21H23N2NaO6・2.0H20 : C,55.02; H,5.9
4; N,6.11 Found: C,54.90; H,5.72; N,5.89
【0065】実施例4 (5S,6R,7R,11S)-5-〔(R)-1-ヒドロキシエチル〕-11-(2-
ニコチノイルオキシエチル)-4-オキソ-3-アザトリシク
ロ〔5.4.0.03,6〕ウンデカ-1-エン-2-カルボン酸ナトリ
ウム
【化54】 (1) 参考例7で得られた化合物を実施例3の(1)と同様
に反応すると(5S,6R,7R,11S)-5-〔(R)-1-(アリルオキシ
カルボニルオキシ)エチル〕-11-(2-ニコチノイルオキシ
エチル)-4-オキソ-3-アザトリシクロ〔5.4.0.03,6〕ウ
ンデカ-1-エン-2-カルボン酸アリル(R1=COOCH2CH=CH2,
R2=CH2CH=CH2)が得られた。 IR(Neat): 2930,2850,1780,1740,1720 cm-1 1 H-NMR(CDCl3)δ:1.2-2.2(8H,m), 1.44(3H,d,J=6.4H
z), 3.0-3.2(1H,m), 3.28(1H,dd,J=3.0&8.0Hz), 3.6-3.
8(1H,m), 3.73(1H,dd,J=3.0&7.2Hz), 4.34(1H,dt,J=12.
0&6.8Hz), 4.41(1H,dt,J=12.0&6.8Hz), 4.63(2H,dt,J=
5.8&1.4Hz), 4.65(1H,ddt,J=5.4,13.4&1.4Hz), 4.77(1
H,ddt,J=5.4,13.4&1.4Hz), 5.10(1H,dq,J=8.0&6.4Hz),
5.24(1H,dt,J=10.4&1.4Hz), 5.29(1H,dt,J=10.2&1.4H
z), 5.36(1H,dt,J=17.2&1.4Hz), 5.40(1H,dt,J=17.2&1.
4Hz), 5.94(1H,ddt,J=10.4,17.2&5.4Hz),5.95(1H,ddt,J
=10.4,17.2&5.4Hz), 7.40(1H,ddd,J=0.8,4.8&8.0Hz),
8.26(1H,ddd,J=1.8,2.0&8.0Hz), 8.78(1H,dd,J=1.8&4.8
Hz), 9.23(1H,dd,J=0.8&2.0Hz) (2) (1)で得られた化合物を実施例3の(2)と同様に反応
すると表題化合物(R1=H,R2=Na)が得られた。 IR(KBr): 3430,2920,2850,1750,1720 cm-1 1 H-NMR(D2O)δ: 1.19(3H,d,J=6.4Hz), 1.2-2.4(8H,m),
2.97(1H,dd,J=2.6&6.4Hz), 3.1-3.3(1H,m), 3.63(1H,d
d,J=2.6&7.2Hz), 3.6-3.7(1H,m), 4.10(1H,quintet,J=
6.4Hz), 4.3-4.5(2H,m), 7.61(1H,dd,J=5.2&8.2Hz), 8.
42(1H,d,J=8.2Hz),8.7-8.8(1H,m), 9.12(1H,brs.)
【0066】実施例5 (5S,6R,7S,11R)-5-〔(R)-1-ヒドロキシエチル〕-11-〔2
-(1-メチル-1-ピロリジニオ)エチル〕-4-オキソ-3-アザ
トリシクロ〔5.4.0.03,6〕ウンデカ-1-エン-2-カルボキ
シラート
【化55】 実施例1におけるピリジンの代わりにN-メチルピロリジ
ンを用いて同様に反応すると表題化合物が得られた。 IR(KBr): 3420,2930,2850,1750,1620,1585 cm-1 1 H-NMR(D2O)δ:1.28(3H,d,J=6.4Hz), 1.2-2.3(12H,m),
3.05(3H,s), 3.0-3.3(2H,m), 3.42(1H,dd,J=3.0&6.0H
z), 3.4-3.6(6H,m), 4.15(1H,dd,J=3.0&10.2Hz),4.24(1
H,dq,J=6.0&6.4Hz) 実施例6 (5S,6R,7R,11S)-5-〔(R)-1-ヒドロキシエチル〕-11-〔2
-(1-メチル-1-ピロリジニオ)エチル〕-4-オキソ-3-アザ
トリシクロ〔5.4.0.03,6〕ウンデカ-1-エン-2-カルボキ
シラート
【化56】 実施例5と同様に反応すると表題化合物が得られた。 IR(Neat): 3430,2920,2850,1750,1620,1590 cm-1 1 H-NMR(D2O)δ:1.28(3H,d,J=6.4Hz), 1.3-2.3(12H,m),
3.04(3H,s), 3.1-3.3(2H,m), 3.31(1H,dd,J=2.6&6.0H
z), 3.4-3.6(6H,m), 3.71(1H,dd,J=2.6&7.4Hz), 4.22(1
H,dq,J=6.0&6.6Hz) Anal Calcd for C22H30N2O4・2.0H20 : C,60.28; H,8.6
0; N,7.03 Found: C,60.54; H,8.84; N,7.05
【0067】実施例7 (5S,6R,7S,11S)-11-カルバモイルオキシ-5-〔(R)-1-ヒ
ドロキシエチル〕-4-オキソ-3-アザトリシクロ〔5.4.0.
03,6〕ウンデカ-1-エン-2-カルボン酸ナトリウム
【化57】 (1) 参考例45の(2)で得られた化合物(58 mg)のジクロロ
メタン溶液(4 ml)にトリクロロアセチルイソシアナート
(20 μl)のジクロロメタン溶液(1 ml)を加え、室温で2
時間攪拌した。減圧濃縮後、得られた残渣をメタノール
(2.5 ml)に溶かし、シリカゲル(680 mg)を加えて室温で
3.5時間攪拌した。シリカゲルをろ去し、酢酸エチルで
洗浄した後、ろ液および洗液を合わせて減圧下に溶媒を
留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(担体:シリ
カゲル 7 g, 酢酸エチル-ヘキサン1:1)で精製すると(5
S,6R,7S,11S)-5-〔(R)-1-アリルオキシカルボニルオキ
シ)エチル〕-11-カルバモイルオキシ-4-オキソ-3-アザ
トリシクロ〔5.4.0.03,6〕ウンデカ-1-エン-2-カルボン
酸アリル(R1=COOCH2CH=CH2, R2=CH2CH=CH2)が無色油状
物として43 mg得られた。 IR(Neat): 3490,3380,2950,1780-1710,1650,1600 cm-1 1 H-NMR(CDCl3)δ:1.45(3H,d,J=6.4Hz), 1.25-2.21(6H,
m), 3.35(1H,ddd,J=12.8,10.3&5.0Hz), 3.39(1H,dd,J=
8.1&3.2Hz), 4.18(1H,dd,J=10.3&3.2Hz), 4.61-4.89(6
H,m), 5.11(1H,m), 5.23-5.47(4H,m), 5.84-6.07(2H,
m), 6.27(1H,m) (2) (1)で得られた化合物(42 mg)とトリフェニルホスフ
ィン(5 mg)をTHF-ジクロロメタン(1:1, 1.5 ml)に溶解
し、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム
(0)(6.7 mg),2-エチルヘキサン酸(14 mg)および2-エチ
ルヘキサン酸ナトリウム(16 mg)の乾燥THF-ジクロロメ
タン混液(1:1, 0.74 ml)を加えた。反応液は室温で1.5
時間攪拌した後、減圧下溶媒を留去した。残渣にエーテ
ルを加え-20℃で一夜放置し、析出物をろ取しエーテル
で洗浄した後、水(4 ml)に加えた。不溶物をろ去し、ろ
液をCHP-20(40 ml)カラムクロマトグラフィーに付し、
水で溶出した。溶出液を減圧濃縮後凍結乾燥すると表題
化合物(R1=H, R2=Na)が無色粉末として20 mg得られた。 IR(KBr): 3430,2930,1745,1600,1400 cm-1 1 H-NMR(D2O)δ:1.28(3H,d,J=6.2Hz), 1.23-2.50(6H,
m), 3.27(1H,m), 3.43(1H,dd,J=6.0&3.0Hz), 4.18(1H,d
d,J=9.9&3.0Hz), 4.21(1H,m), 6.05(1H,t like,J=2.9H
z)
【0068】実施例8 (5S,6R,7R,11R)-11-カルバモイルオキシ-5-〔(R)-1-ヒ
ドロキシエチル〕-4-オキソ-3-アザトリシクロ〔5.4.0.
03,6〕ウンデカ-1-エン-2-カルボン酸ナトリウム
【化58】 (1) 参考例46の(2)で得られた化合物を実施例7の(1)と
同様に反応すると(5S,6R,7R,11R)-5-〔(R)-1-(アリルオ
キシカルボニルオキシ)エチル〕-11-カルバモイルオキ
シ-4-オキソ-3-アザトリシクロ〔5.4.0.03,6〕ウンデカ
-1-エン-2-カルボン酸アリル(R1=COOCH2CH=CH2, R2=CH2
CH=CH2)が得られた。 IR(Neat): 3480,3370,2940,1785,1740,1720,1600,1450
cm-1 1 H-NMR(CDCl3)δ:1.45(3H,d,J=6.4Hz), 1.28-1.77(4H,
m), 2.12-2.27(2H,m), 3.38(1H,dd,J=7.9&3.1Hz), 3.77
(1H,dd,J=7.3&3.1Hz), 4.61-4.79(6H,m), 5.11(1H,m),
5.24-5.47(4H,m), 5.84-6.07(2H,m), 6.27(1H,m) (2) (1)で得られた化合物を実施例7の(2)と同様に反応
すると表題化合物(R1=H,R2=Na)が得られた。 IR(KBr): 3430,2940,1750,1720,1610,1400 cm-1 1 H-NMR(D2O)δ:1.28(3H,d,J=6.4Hz), 1.20-2.82(6H,
m), 3.28(1H,m), 3.46(1H,dd,J=5.8&3.0Hz), 3.79(1H,d
d,J=6.9&3.0Hz), 4.20(1H,m), 5.97(1H,dd,J=2.3&2.6H
z)
【0069】実施例9 (10S,11R,12S)-5-アミノ-12-〔(R)-1-ヒドロキシエチ
ル〕-13-オキソ-14-アザテトラシクロ〔8.5.02,7.0
11,14〕ペンタデカ-2,4,6,15(1)-テトラエン-15-カルボ
ン酸
【化59】 (1) 参考例16で得られた化合物(5.10 g)のトルエン溶液
(100 ml)を24時間加熱還流した後、減圧濃縮した。得ら
れた残渣をカラムクロマトグラフィー(担体:シリカゲル
100 g, 酢酸エチル-ヘキサン 1:1)で精製すると(10S,1
1R,12S)-5-アリルオキシカルボニルアミノ-12-〔(R)-1-
ヒドロキシエチル〕-13-オキソ-14-アザテトラシクロ
〔8.5.02,7.011,14〕ペンタデカ-2,4,6,15(1)-テトラエ
ン-15-カルボン酸アリル(R1=COOCH2CH=CH2, R2= CH2CH=
CH2)が淡黄色アモルファスとして413mg得られた。 IR(KBr): 3435,3345,2930,1765,1715,1610,1580,1530,1
275,1220 cm-1 1 H-NMR(CDCl3)δ:1.36(3H,d,J=6.3Hz), 1.77-2.17(2H,
m), 3.01-3.27(3H,m), 3.31(1H,dd,J=6.7&3.4Hz), 4.29
(1H,m), 4.33(1H,dd,J=10.3&3.4Hz), 4.65-4.91(4H,m),
5.23-5.47(4H,m), 5.88-6.11(2H,m), 6.70(1H,br.s),
7.04(1H,dd,J=8.6&2.4Hz), 7.39(1H,m), 7.82(1H,d,J=
8.6Hz) (2) (1)で得られた化合物を実施例7の(2)と同様に反応
すると表題化合物(R1=H,R2=H)が得られた。 IR(KBr): 3425,1750,1610,1400 cm-1.1 H-NMR(D2O)δ:1.30(3H,d,J=6.3Hz), 1.68-2.21(2H,
m), 2.91-3.02(2H,m), 3.19(1H,m), 3.53(1H,dd,J=5.7&
1.0Hz), 4.24-4.37(2H,m), 6.62-6.67(2H,m), 7.36(1H,
dd,J=8.7&3.5Hz)
【0070】実施例10 (5S,6S,7R)-5-〔(R)-1-ヒドロキシエチル〕-4-オキソ-8
-(プロピルオキシカルボニル)-3,8-ジアザトリシクロ
〔5.4.0.03,6〕ウンデカ-1-エン-2-カルボン酸ナトリウ
【化60】 参考例21で得られた(5S,6S,7R)-8-(アリルオキシカルボ
ニル)-5-〔(R)-1-ヒドロキシエチル〕-4-オキソ-3,8-ジ
アザトリシクロ〔5.4.0.03,6〕ウンデカ-1-エン-2-カル
ボン酸 p-ニトロベンジル(47 mg)のテトラヒドロフラン
-リン酸緩衝液(pH7)混合溶液(2:1、3 ml)に10%パラジウ
ム炭素(12 mg)を加え、水素雰囲気下室温で5時間攪拌し
た。セライトを用いてパラジウム炭素を濾別し、濾液を
酢酸エチルで洗浄した。水層をCHP-20P樹脂を用いるク
ロマトグラフィー(展開溶媒、水)で精製すると表題化合
物(5.4 mg)が得られた。 IR(KBr): 3430,2975,1740,1600,1400 cm-1 1 H-NMR(D2O)δ: 0.93(3H,t,J=7Hz), 1.32(3H,d,J=6H
z), 1.50-2.50(5H,m), 3.00-3.75(3H,m), 3.56(1H,dd,J
=5Hz,2Hz), 3.90-4.40(4H,m), 3.97 (1H,dd,J=8Hz,2H
z).
【0071】実施例11 (5S,6S,7S,11R)-5-〔(R)-1-(アリルオキシカルボニル)
エチル〕-11-(2-ヒドロキシエチル)-4-オキソ-8-オキサ
-3-アザトリシクロ〔5.4.0.03,6〕ウンデカ-1-エン-2-
カルボン酸アリル
【化61】 (1) 参考例24で得られた化合物を実施例9と同様に反応
すると(5S,6S,7S,11S)-5-〔(R)-1-(アリルオキシカルボ
ニルオキシ)エチル〕-11-〔2-(tert-ブチルジメチルシ
リルオキシ)エチル〕-4-オキソ-8-オキサ-3-アザトリシ
クロ〔5.4.0.03,6〕ウンデカ-1-エン-2-カルボン酸アリ
ル〔R=tBu(Me)2〕が得られた。 IR (Neat) : 2950,2920,2850,1780,1740 cm-1.1 H-NMR(CDCl3)δ: 0.02(6H,s), 0.88(9H,s), 1.42(3H,
d,J=6.2Hz), 1.5-2.2(3H,m), 2.8-3.0(1H,m), 3.5-3.8
(4H,m), 3.80(1H,dd,J=3.5&6.9Hz), 4.0-4.2(1H,m), 4.
12(1H,dd,J=3.5&8.0Hz), 4.30(1H,d,J=8.0Hz), 4.62(2
H,dt,J=5.8&1.4Hz),4.73(2H,dt,J=5.8&1.4Hz), 5.16(1
H,dq,J=6.9&6.2Hz), 5.2-5.3(2H,m), 5.36(1H,dq,J=17.
2&1.4Hz), 5.41(1H,dq,J=17.2&1.4Hz), 5.8-6.1(2H,m) (2) (1)で得られた化合物を参考例7と同様に反応すると
表題化合物(R=H)が得られた。 IR(Neat): 3530,2940,2870,1785,1740 cm-1.1 H-NMR(CDCl3)δ:1.42(3H,d,J=6.4Hz), 1.6-1.9(3H,
m), 2.2-2.4(1H,m), 2.8-3.0(1H,m), 3.6-3.8(4H,m),
3.80(1H,dd,J=3.4&7.0Hz), 4.0-4.2(1H,m), 4.12(1H,d
d,J=3.4&8.0Hz), 4.31(1H,d,J=8Hz), 4.63(2H,dt,J=5.6
&1.2Hz), 4.75(2H,dt,J=5.6&1.2Hz), 5.16(1H,dq,J=7.0
&6.4Hz), 5.2-5.3(2H,m), 5.36(1H,dq,J=17.2&1.2Hz),
5.43(1H,dq,J=17.2&1.2Hz), 5.94(1H,ddt,J=10.4,17.2&
5.6Hz), 5.98(1H,ddt,J=10.4,17.2&5.6Hz)
【0072】実施例12 (5S,6S,7S,11R)-11-ヒドロキシ-5-〔(R)-1-ヒドロキシ
エチル〕-4-オキソ-8-オキサ-3-アザトリシクロ〔5.4.
0.03,6〕ウンデカ-1-エン-2-カルボン酸ナトリウム
【化62】 (1) 参考例29で得られた化合物(220 mg)のトルエン(5 m
l)溶液を50℃にて4時間攪拌した後、更に80℃にて8時間
攪拌した。減圧下溶媒留去して得られた残さをシリカゲ
ルカラム(70-230 mesh, 20 g; 酢酸エチル:ヘキサン
=1:2)に供することにより(5S,6S,7S,11R)-11-ヒドロキ
シ-5-〔(R)-1-ヒドロキシエチル〕-4-オキソ-8-オキサ-
3-アザトリシクロ〔5.4.0.03,6〕ウンデカ-1-エン-2-カ
ルボン酸アリル(R2=CH2CH=CH2)(93 mg)が得られた。 IR(neat): 3383,2970,2929,2860,1790,1693,1630 cm-1.1 H-NMR(200MHz,CDCl3)δ:1.31(3H,d,J=6.4Hz), 1.80-
1.95(1H,m), 2.15-2.30(1H,m), 3.66(1H,td,J=12.3Hz a
nd J=2.4Hz), 3.66(1H,dd,J=6.0Hz and J=3.6Hz),4.05-
4.20(1H,m), 4.20(1H,dd,J=8.6Hz and 3.6Hz), 4.37(1
H,d,8.6Hz), 4.69-4.93(3H,m), 5.31(1H,dq like, J=1
0.4Hz and J=1.2Hz), 5.48(1H,dq like, J=17.2Hz and
1.2Hz), 5.99(2H,ddt like, J=17.2Hz,J=10.4Hz, and J
=5.6Hz), 6.35(1H,d,J=5.2Hz) (2) (1)で得られた化合物を実施例45(3)と同様に反応す
ると表題化合物(R2=Na)が得られた。 IR(KBr): 3417,1765,1599 cm-1 1 H-NMR(200MHz,C2D)δ:1.27(3H,d,J=6.4Hz), 1.65-1.9
0(1H,m), 2.10-2.25 (1H,m), 3.58(1H,dd,J=5.4Hz and
J=3.4Hz), 3.77(1H,td,J=12.4Hz and J=2.4Hz),4.06-4.
20(1H,m), 4.19(1H,dd,J=8.2Hz and 5.4Hz), 4.57(1H,
d,J=8.2Hz), 4.70-4.85(1H,m)
【0073】実施例13 (5S,6S,7S,11S)-11-ヒドロキシ-5-〔(R)-1-ヒドロキシ
エチル〕-4-オキソ-8-オキサ-3-アザトリシクロ〔5.4.
0.03,6〕ウンデカ-1-エン-2-カルボン酸アリル
【化63】 (1) 参考例31で得られた化合物(541 mg)の乾燥 THF (2
ml)溶液に 2,6-ルチジン(0.22 ml, 1.89 mmol)を加え、
-78℃に冷却し、チオニルクロリド(0.10 ml, 1.35 mmo
l)をゆっくり滴下した。同温にて20分間攪拌した後、0
℃にて10分間攪拌した。減圧濃縮後、得られた残さにト
ルエンを加え析出した固体をろ去した。固体をトルエン
で洗い、ろ液を合わせて減圧濃縮した。残さを THF (5
ml)に溶かし、トリフェニルホスフィン(495 mg, 1.89 m
mol)と2,6-ルチジン(0.22 ml, 1.89 mmol)を0 ℃にて加
え、50℃にて7日間攪拌した。減圧濃縮後、残さを酢酸
エチルに溶かし、水、飽和硫酸銅水溶液で洗浄し、無水
硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、得られた残
さをシリカゲルカラム(230-400 mesh, 40 g; 酢酸エチ
ル:ヘキサン=1:20→1:9)に供することにより(5S,6S,7
S,11S)-11-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-5-
〔(R)-1-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)エチル〕-
4-オキソ-8-オキサ-3-アザトリシクロ〔5.4.0.03,6〕ウ
ンデカ-1-エン-2-カルボン酸アリル(R1=tBuMe2Si)(80 m
g)が無色油状物質として得られた。 IR(neat): 2956,2927,2885,2856,1788,1755,1722 cm-1.1 H-NMR(200MHz,CDCl3)δ:0.01(3H,s), 0.06(3H,s), 0.
08(3H,s), 0.09(3H,s),0.90(18H,s), 1.19(3H,d,J=6.2H
z), 1.63-1.78(1H,m), 1.83-2.05(1H,m), 3.58(1H,dd,J
=4.2Hz and 3.6Hz), 3.65-3.88(1H,m), 4.02-4.20(1H,
m), 4.13(1H,dd,J=8.2Hz and 3.6Hz), 4.29(1H,qd,J=6.
2Hz and 4.2Hz), 4.70-4.78(2H,m), 4.82(1H,d,J=8.2H
z), 5.22-5.31(1H,m), 5.37-5.50(2H,m), 5.96(1H,ddt,
J=17.2Hz,10.4Hz and 5.2Hz) (2) (1)で得られた化合物を参考例7と同様に反応する
と表題化合物(R1=H)が得られた。 IR(neat): 3365,2962,2931,2873,1784,1722 cm-11 H-NMR(200MHz,CDCl3)δ:1.32(3H,d,J=6.4Hz), 1.80-
2.13(2H,m), 3.69(1H,dd,J=6.0Hz and 3.6Hz), 3.87(1
H,ddd,J=11.4Hz,4.6Hz,and 1.5Hz), 4.14(1H,td like,J
=12.0Hz and 3.0Hz), 4.18(1H,dd,J=8.4Hz and 3.6Hz),
4.29(1H,quintet like,J=6.2Hz), 4.65-4.90(1H,m),
4.95(1H,d,J=8.4Hz), 5.24-5.51(2H,m), 5.54(1H,t,3.0
Hz)
【0074】実施例14 (5S,6R,7S,11S)-5-〔(R)-1-ヒドロキシエチル〕-11-
〔(1-メチル-1-ピロリジニオ)メチル〕-4-オキソ-3-ア
ザトリシクロ〔5.4.0.03,6〕ウンデカ-1-エン-2-カルボ
キシラート
【化64】 参考例35で得られた化合物を実施例5と同様に反応する
と表題化合物が得られた。 IR(neat): 3425,2925,1750,1590,1385 cm-11 H-NMR(200MHz,D2O)δ:1.29(3H,d,J=6.3Hz), 1.32-2.0
1(6H,m), 2.14-2.26(4H,m), 3.06(3H,s), 3.20(1H,m),
3.41(1H,dd,J=9.8Hz,J=2,8Hz), 3.43-3.62(5H,m), 3.88
(1H,dd,J=13.2Hz,J=10.3Hz), 4.16(1H,dd,J=6.1Hz,J=2.
8Hz), 4.18-4.31(2H,m) UVmax(pH7.1 MOPS buffer) 270nm 実施例15 (5S,6R,7S,11S)-11-〔(2-アミノエチル)チオ〕-5-〔(R)
-1-ヒドロキシエチル〕-4-オキソ-8-オキサ-3-アザトリ
シクロ〔5.4.0.3,6〕ウンデカ-1-エン-2-カルボン酸
【化65】 (1) 参考例37で得られた化合物を(260 mg)をトルエン(1
0 ml)に溶解し、これに室温でトリエチルホスファイト
(291 mg)とヒドロキノン(5 mg)を加えた。アルゴン雰囲
気下、90℃で1時間攪拌した。減圧濃縮して得られた残
さをシリカゲルカラム(230-400 mesh, 20 g; 酢酸エチ
ル:ヘキサン=1:3)で精製し、さらに分取用TLC(20
×20cm2,0.5mm,2枚,酢酸エチル:ヘキサン=1:1)を用い
て精製することにより(5S,6S,7S,11S)-5-〔(R)-1-(アリ
ルオキシカルボニルオキシ)エチル〕-11-〔2-(4-ニトロ
ベンジルオキシカルボニルアミン)エチルチオ〕-4-オキ
ソ-8-オキサ-3-アザトリシクロ〔5.4.0.03,6〕ウンデカ
-1-エン-2-カルボン酸アリル(R1=COOCH2CH=CH2, R2=CH2
CH=CH2, R3=COOCH2C6H4NO2)(51 mg)が無色油状物質とし
て得られた。
【0075】IR(neat): 3392,2945,2864,1792,1738,172
4,1520 cm-1.1 H-NMR(200MHz,CDCl3)δ:1.41(3H,d,J=6.4HZ), 1.80(1
H,m), 2.26(1H,m), 2.44-2.69(2H,m), 3.28-3.50(2H,
m), 3.81(1H,dd,J=6.4HZ,J=3.7Hz), 3.92(2H,m), 4.22
(1H,dd,J=8.7Hz,J=3.7Hz), 4.60-4.92(6H,m), 5.10-5.5
3(8H,m), 5.82-6.10(2H,m), 7.51(2H,d,J=8.6Hz), 8.22
(2H,d,J=8.6Hz) (2) アルゴン雰囲気下、(1)で得られた化合物(55 mg)を
乾燥THF-CH2Cl2(1:1, 2ml)に溶解し、トリフェニルホス
フィン(2.5 mg)とPd(PPh3)4(5.5 mg)を加えた。続いて2
-エチルヘキサン酸ナトリウム-2-エチルヘキサン酸の乾
燥THF-CH2Cl2溶液を滴下した。室温で30分間攪拌した
後、減圧濃縮した。エーテルを加えて残さを固化させ
た。固体をろ取し、エーテルで3回洗った。固体を真空
下乾燥し、THF(5 ml)とpH7りん酸塩緩衝液(2.5 ml)を加
えた。10% Pd/C(25 mg)を加えた後、水素雰囲気下、氷
冷しながら1時間攪拌した。反応液をセライト濾過後、1
0% Pd/C(55 mg)を加え、水素雰囲気下、氷冷しながら1
時間攪拌した。反応液を再びセライト濾過後、10% Pd/C
(55 mg)を加えた。水素雰囲気下、室温で2時間攪拌した
後、セライト濾過した。反応液を約1 mlまで減圧濃縮し
た後、逆相のシリカゲルカラムクロマトグラフィー(LiC
hroprep RP-18,40-63μm,30ml,水→1%アセトニトリル-
水→2%アセトニトリルで溶出)とセファデックス(LH-20,
200ml,水で溶出)で精製し、凍結乾燥することにより表
題化合物(R1=R2=R3=H)(13 mg)が無色粉末として得られ
た。 IR(neat) 3442,1763,1603,1165,1097 cm-1.1 H-NMR(200MHz,D2O)δ 1.27(3H,d,J=6.4Hz), 1.85(1H,
m), 2.35(1H,m), 2.75(2H,m), 3.20(2H,m), 3.65(1H,d
d,J=4.9Hz,J=3.7Hz), 4.01(2H,m), 4.26(1H,dd,J=8.8H
z,J=3.7Hz), 4.31(1H,m), 4.88(1H,m), 5.07(1H,d,J=8.
8Hz) UVmax(pH7.1 MOPS buffer) 270nm
【0076】実施例16 (5S,6S,7S,11S)-5-〔(R)-1-ヒドロキシエチル〕-11-〔2
-(イミノメチルアミノ)エチルチオ〕-4-オキソ-8-オキ
サ-3-アザトリシクロ〔5.4.0.03,6〕ウンデカ-1-エン-2
-カルボン酸
【化66】 氷冷下、実施例15で得られた化合物(11 mg)を冷水(2 m
l)に溶解した。2N K2CO 3を加えて液性をpH8〜8.5に保ち
ながら、ベンジルホルムアミダード塩酸塩(60 mg)を数
回に分けて加えた。同温で約20分間攪拌した後、1N HCl
でPh7に調整した。酢酸エチル-THF(9:1)で3回洗浄後、
水層を軽く減圧濃縮し、逆相のシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(LiChroprep RP-18,40-63μm,30ml,水→1%
アセトニトリル-水→2%アセトニトリル→5%アセトニト
リル-水で溶出)で精製し、凍結乾燥することにより表題
化合物(9 mg)が無色粉末として得られた。 IR(neat) 3408,1765,1718,1632,1591,1394 cm-1.1 H-NMR(200MHz,D2O)δ1.27(3H,d,J=6.4Hz), 1.84(1H,
m), 2.32(1H,m), 2.64-2.83(2H,m), 3.49-3.62(2H,m),
3.65(1H,dd,J=4.8Hz,J=3.6Hz), 3.94-4.11(2H,m),4.25
(1H,dd,J=8.8Hz,J=3.6Hz), 4.31(1H,m), 4.87(1H,m),
5.05(1H,d,J=8.8Hz),7.82 and 7.84(1H(2:1),s) UVmax(pH7.1 MOPS buffer) 270nm
【0077】実施例17 (5S,6S,7S,11R)-5-〔(R)-1-ヒドロキシエチル〕-11-〔2
-ヒドロキシエチル)-4-オキソ-8-オキサ-3-アザトリシ
クロ〔5.4.0.03,6〕ウンデカ-1-エン-2-カルボン酸ナト
リウム
【化67】 実施例11で得られた化合物を参考例45(3)と同様に反応
すると表題化合物が得られた。 IR(KBr): 3450,2950,2850,1760,1590 cm-11 H-NMR(200MHz,D2O)δ:1.27(3H,d,J=6.4Hz), 1.4-2.2
(4H,m), 1.7-1.8(1H,m,3.60(1H,dd,J=3.6 and 5.0Hz),
3.64(2H,t,J=6.4Hz,3.78(1H,dt,J=2.4 and 12.2Hz, 4.
1-4.2(1H,m), 4.19(1H,dd,J=3.6 and 8.0Hz), 4.29(1H,
dq,J=5.0 and 6.4Hz), 4.53(1H,d,J=8.0Hz)
【0078】実施例18 (5S,6S,7S,11S)-5-〔(R)-1-ヒドロキシエチル〕-11-メ
チルチオ-4-オキソ-8-オキサ-3-アザトリシクロ〔5.4.
0.03,6〕ウンデカ-1-エン-2-カルボン酸ナトリウム
【化68】 (1) 参考例41で得られた化合物を実施例15(1)と同様に
反応すると(5S,6S,7S,11S)-5-〔(R)-1-(アリルオキシカ
ルボニル)エチル〕-11-メチルチオ-4-オキソ-8-オキサ-
3-アザトリシクロ〔5.4.0.03,6〕ウンデカ-1-エン-2-カ
ルボン酸アリル(R1=COOCH2CH=CH2, R2=CH2CH=CH2)が得
られた。 IR(neat): 2980,2960,1790,1740,1720 cm-1.1 H NMR(200MHz,CDCl3)δ 1.42(3H,d,J=6.2HZ), 1.8-1.9
(1H.m), 2.02(3H,s), 2.1-2.4(1H,m), 3.82(1H,dd,J=3.
8 and 6.6Hz), 3.8-4.1(2H,m), 4.22(1H,dd,J=3.8 and
8.6Hz), 4.63(2H,dt,J=5.8 and 1.4Hz), 4.76(2H,ddt,
J=5.8,13.4, and1.4Hz), 4.77(1H,dd,J=1.8 and 5.6H
z), 4.92(1H,d,J=8.6Hz), 5.18(1H,dq,J=6.6 and 6.2H
z), 5.2-5.5(4H,m), 5.94(1H,ddt,J=10.4,17.2, and
5.8Hz), 5.97(1H,ddt,J=10.4,17.2, and 5.8Hz) (2) (1)で得られた化合物を参考例45(3)と同様に反応す
ると表題化合物(R1=H, R 2=Na)が得られた。 IR(KBr): 3450,2960,2910,2850,1760,1600 cm-11 H-NMR(200MHz,D2O)δ:1.27(3H,d,J=6.2Hz), 1.8-1.9
(1H,m), 2.02(3H,s), 2.2-2.4(1H,m), 3.64(1H,dd,J=3.
6 and 4.8Hz), 3.9-4.1(2H,m), 4.25(1H,dd,J=3.6and
8.6Hz), 4.30(1H,dq,J=4.8 and 6.2Hz),4.67(1H,dd,J=
1.2 and 5.2Hz), 5.03(1H,d,J=8.6Hz)
【0079】実施例19 (5S,6S,7S,11S)-5-〔(R)-1-ヒドロキシエチル〕-11-(2-
ヒドロキシエチル)-4-オキソ-8-オキサ-3-アザトリシク
ロ〔5.4.0.03,6〕ウンデカ-1-エン-2-カルボン酸ナトリ
ウム
【化69】 (1) 参考例42で得られた化合物を参考例6と同様に反応
すると(5S,6S,7S,11R)-5-〔(R)-1-(アリルオキシカルボ
ニルオキシ)エチル〕-11-〔2-(tert-ブチルジメチルシ
リルオキシ)エチル〕-4-オキソ-8-オキサ-3-アザトリシ
クロ〔5.4.0.03,6〕ウンデカ-1-エン-2-カルボン酸アリ
ル(R1=COOCH2CH=CH2, R2=CH2CH=CH2, R3=tBuMe2Si)が得
られた。 IR(neat): 2940,2860,1790,1750,1720 cm-1.1 H NMR(200MHz,CDCl3)δ: 0.02(6H,s), 0.87(9H,s), 1.
42(3H,d,J=6.4Hz), 1.6-2.1(4H,m), 3.5-3.9(5H,m), 3.
78(1H,dd,J=3.6 and 6.8Hz), 4.11(1H,dd,J=3.6and 8.4
Hz), 4.62(1H,d,J=8.4Hz), 4.63(2H,dt,J=5.6 and 1.4
Hz), 4.6-4.9(2H,m), 5.18(1H,dq,J=6.8 and 6.4Hz),
5.2-5.5(4H,m), 5.8-6.1(2H,m) (2) (1)で得られた化合物を参考例7と同様に反応すると
(5S,6S,7S,11R)-5-〔(R)-1-(アリルオキシカルボニルオ
キシ)エチル〕-11-(2-ヒドロキシエチル〕-4-オキソ-8-
オキサ-3-アザトリシクロ〔5.4.0.03,6〕ウンデカ-1-エ
ン-2-カルボン酸アリル(R1=COOCH2CH=CH2, R2=CH2CH=CH
2, R3=H)が得られた。 IR(neat): 3500,2950,1790,1750,1720 cm-1.1 H NMR(200MHz,CDCl3)δ: 1.42(3H,d,J=6.5Hz), 1.5-2.
2(4H,m), 2.7-2.8(1H,m), 3.4-4.0(5H,m), 3.82(1H,dd,
J=3.6 and 6.5Hz), 4.17(1H,dd,J=3.6 and 8.5Hz), 4.5
5(1H,d,J=8.5Hz), 4.63(2H,dt,J=5.8 and 1.2Hz), 4.7-
4.9(2H,m), 5.18(1H,quintet,J=6.5Hz), 5.3-5.6(4H,
m), 5.8-6.1(2H,m) (3) (2)で得られた化合物を参考例45(3)と同様に反応す
ると表題化合物(R1=R3=H, R2=Na)が得られた。 IR(KBr): 3400,2940,2870,1770,1600 cm-11 H NMR(200MHz,D2O)δ:1.27(3H,d,J=6.4Hz), 1.6-2.2
(4H,m), 3.5-3.6(4H,m),3.9-4.0(2H,m), 4.16(1H,dd,J=
3.4 and 8.4Hz), 4.29(1H,dq,J=5.0 and 6.4Hz),4.81(1
H,d,J=8.4Hz)
【0080】実施例20 (5S,6S,7S,11S)-5-〔(R)-1-ヒドロキシエチル〕-11-〔2
-(1-メチル-1-ピロリジニオ)エチル〕-4-オキソ-8-オキ
サ-3-アザトリシクロ〔5.4.0.03,6〕ウンデカ-1-エン-2
-カルボキシラート
【化70】 実施例19(2)で得られた化合物を実施例5と同様に反応す
ると表題化合物が得られた。 IR(KBr): 3400,2970,1765,1600 cm-11 H NMR(200MHz,D2O)δ:1.27(3H,d,J=6.2Hz), 1.7-1.8
(1H,m), 2.0-2.4(7H,m),3.06(3H,s), 3.1-3.6(7H,m),
3.61(1H,dd,J=3.6 and 5.0Hz), 3.9-4.0(2H,m), 4.19(1
H,dd,J=3.6 and 8.6Hz), 4.30(1H,dq,J=5.0 and 6.4H
z), 4.85(1H,d,J=8.6Hz) 実施例21 (5S,6S,7S,11S)-5-〔(R)-1-ヒドロキシエチル〕-4-オキ
ソ-11-〔2-(1-ピリジニオ)エチル〕-8-オキサ-3-アザト
リシクロ〔5.4.0.03,6〕ウンデカ-1-エン-2-カルボキシ
ラート
【化71】 実施例19(2)で得られた化合物を実施例1と同様に反応す
ると表題化合物が得られた。 IR(KBr): 3450,2970,2820,1760,1600 cm-11 H NMR(200MHz,D2O)δ:1.26(3H,d,J=6.6Hz), 1.6-2.8
(4H,m), 3.5-3.7(1H,m),3.54(1H,dd,J=3.6 and 5.0Hz),
3.9-4.0(2H,m), 4.06(1H,dd,J=3.6 and 8.0Hz),4.29(1
H,dq,J=5.0 and 6.6Hz), 4.6-4.7(2H,m), 4.82(1H,d,J=
8.0Hz), 8.06(2H,dd,J=6.4 and 7.6Hz), 8.56(1H,dt,J=
1.2 and 7.6Hz), 8.84(2H,dd,J=1.2 and6.4Hz)
【0081】実施例22 (5S,6S,7S,11S)-5-〔(R)-1-ヒドロキシエチル〕-11-〔2
-(3-メチル-1-イミダゾリオ)エチル〕-4-オキソ-8-オキ
サ-3-アザトリシクロ〔5.4.0.03,6〕ウンデカ-1-エン-2
-カルボキシラート
【化72】 実施例19(2)で得られた化合物を実施例1におけるピリジ
ンの代わりにN-メチルイミダゾールを用いて同様に反応
すると表題化合物が得られた。 IR(KBr): 3450,2950,2860,1760,1590 cm-11 H NMR(200MHz,D2O)δ:1.26(3H,d,J=6.4Hz), 1.6-2.7
(4H,m), 3.5-3.6(1H,m),3.54(1H,dd,J=3.4 and 5.0Hz),
3.88(3H,s), 3.9-4.0(2H,m), 4.09(1H,dd,J=3.4and 8.
2Hz), 4.2-4.3(2H,m), 4.29(1H,dq,J=5.0 and 6.4Hz),
4.81(1H,d,J=8.2Hz), 7.44(1H,s), 7.51(1H,s), 8.59(1
H,s) 実施例23 (5S,6S,7S,11S)-5-〔(R)-1-ヒドロキシエチル〕-4-オキ
ソ-11-〔2-(1-ピロリジニル)エチル〕-8-オキサ-3-アザ
トリシクロ〔5.4.0.03,6〕ウンデカ-1-エン-2-カルボン
【化73】 実施例19(2)で得られた化合物を実施例1におけるピリジ
ンの代わりにピロリジンを用いて同様に反応すると表題
化合物が得られた。 IR(KBr): 3400,2950,2860,1760,1590 cm-11 H NMR(200MHz,D2O)δ:1.27(3H,d,J=6.2Hz), 1.6-2.4
(8H,m), 2.9-3.8(7H,m),3.60(1H,dd,J=3.6 and 5.0Hz),
3.9-4.0(2H,m), 4.19(1H,dd,J=3.6 and 8.0Hz), 4.31
(1H,dq,J=5.0 and 6.2Hz)
【0082】実施例24 (5S,6S,7S)-5-〔(R)-1-ヒドロキシエチル〕-4-オキソ-1
1-〔(ピラゾリジン-4-イル)チオ〕-8-オキサ-3-アザト
リシクロ〔5.4.0.03,6〕ウンデカ-1-エン-2-カルボン酸
【化74】 (1) 参考例44で得られた化合物を実施例15(1)と同様に
反応すると(5S,6S,7S)-11-〔〔1,2-ビス(アリルオキシ
カルボニル)ピラゾリジン-4-イル〕チオ〕-4-オキソ-5-
〔(R)-1-(トリメチルシリルオキシ)エチル〕-8-オキサ-
3-アザトリシクロ〔5.4.0.03,6〕ウンデカ-1-エン-2-カ
ルボン酸アリル(R1=Me3Si, R2=CH2CH=CH2,R3=COOCH2CH=
CH2)が得られた。 IR(neat):2950,1790,1710 cm-1.1 H-NMR(CDCl3)δ: 0.14(9H,s), 1.20(3H,d,J=6.2Hz),
1.7-1.9(1H,m), 2.2-2.4(1H,m), 3.1-3.5(3H,m), 3.62
(1H,dd,J=3.6 and 4.8Hz), 3.8-3.9(2H,m), 4.1-4.3(1
H,m), 4.24(1H,dd,J=3.6 and 9.0Hz), 4.28(1H,dq,J=4.
8 and 6.2Hz), 4.6-5.0(8H,m), 5.2-5.5(6H,m), 5.8-
6.1(3H,m) (2) (1)で得られた化合物(395 mg)をTHF-水(2:1, 6ml)
に溶解し、p-トルエンスルホン酸ピリジニウム(1.5 mg)
のTHF-水(2:1, 1ml)溶液を滴下し、室温で30分間攪拌し
た。反応液に酢酸エチルで希釈し、水、飽和食塩水で順
次洗浄後乾燥した。減圧下溶媒を留去して得られた残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 10
g, 酢酸エチル-ヘキサン 3:2)にて精製すると(5S,6S,7
S)-11-〔〔1,2-ビス(アリルオキシカルボニル)ピラゾリ
ジン-4-イル〕チオ〕-5-〔(R)-1-(ヒドロキシエチル〕-
4-オキソ-8-オキサ-3-アザトリシクロ〔5.4.0.03,6〕ウ
ンデカ-1-エン-2-カルボン酸アリル(R1=H, R2=CH2CH=CH
2, R3=COOCH2CH=CH2)が得られた。 IR(KBr):3450,2950,1780,1710 cm-1.1 H-NMR(CDCl3)δ: 1.32(3H,d,J=6.4Hz), 1.74(1H,d,J=
5.0Hz), 1.8-1.9(1H,m),2.2-2.4(1H,m), 3.1-3.5(3H,
m), 3.68(1H,dd,J=3.8 and 5.6Hz), 3.9-4.0(2H,m), 4.
1-4.2(1H,m), 4.25(1H,dd,J=3.8 and 8.4Hz), 4.2-4.4
(1H,m), 4.6-5.0(8H,m), 5.2-5.5(1H,m), 5.8-6.1(3H,
m) (3) (2)で得られた化合物(27 mg)を乾燥ジクロロメタン
(1ml)に溶解し、氷冷下ジメチルアミノトリメチルシラ
ン(46 μl)とテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラ
ジウム(O)(2.8 mg)を加え同温で1時間攪拌した。反応液
に酢酸(17μl)と水(15 ml)を加え、エーテルで洗浄し
た。減圧下に濃縮し残留物をダイヤイオンCHP20Pカラム
クロマトグラフィーおよびセファデックスLH-20カラム
クロマトグラフィーで精製後凍結乾燥すると表題化合物
(R1=R2=R3=H)が無色粉末として7 mg得られた。 IR(KBr): 3420,2960,1770,1600 cm-1.1 H-NMR(D2O)δ:1.25(3H,d,J=6.4Hz), 1.7-1.9(1H,m),
2.2-2.4(1H,m), 3.1-3.4(1H,m), 3.5-3.8(2H,m), 3.63
(1H,dd,J=3.6 and 4.6Hz), 3.9-4.0(2H,m), 4.26(1H,d
d,J=3.6 and 8.2Hz), 4.29(1H,dq,J=4.6 and 6.4Hz)
【0083】実施例25 (5S,6S,7S,11R)-5-〔(R)-1-ヒドロキシエチル〕-11-〔2
-(1-メチル-1-ピロリジニオ)エチル〕-4-オキソ-8-オキ
サ-3-アザトリシクロ〔5.4.0.03,6〕ウンデカ-1-エン-2
-カルボキシラート
【化75】 実施例11(2)で得られた化合物を実施例5と同様に反応す
ると表題化合物が得られた。 IR(KBr): 3400,2960,1760,1590 cm-11 H-NMR(D2O)δ:1.27(3H,d,J=6.2Hz), 1.6-2.5(8H,m),
2.6-2.8(1H,m), 3.05(3H,s), 3.3-3.5(8H,m), 3.62(1H,
dd,J=3.6 and 4.8Hz), 3.7-3.9(1H,m), 4.1-4.2(1H,
m), 4.19(1H,dd,J=3.6 and 8.0Hz), 4.29(1H,aq,J=4.8
and 6.2Hz), 4.53(1H,d,J=8.0Hz),
【0084】実施例26 (5S,6S,7S,11S)-11-〔(2-アミノエチル〕チオ〕-5-
〔(R)-1-ヒドロキシエチル〕-4-オキソ-8-チア-3-アザ
トリシクロ〔5.4.0.03,6〕ウンデカ-1-エン-2-カルボン
【化76】 (1)参考例48で得られた化合物を参考例45(1)と同様に反
応すると(5S,6S,7S,11S)-11-〔〔2-(4-ニトロべンジル
オキシカルボニルアミノ)エチル〕チオ〕-5-〔(R)-1-
(トリメチルシリルオキシ)エチル〕-4-オキソ-8-チア-3
-アザトリシクロ〔5.4.0.03,6〕ウンデカ-1-エン-2-カ
ルボン酸アリル(R1=SiMe3, R2=CH2CH=CH2, R3=COOCH2C6
H4NO2) IR(neat): 3743,1780,1722,1709,1645,1516 cm-1.1 H NMR(200MHz,CDCl3)δ: 0.13(9H,s), 1.20(3H,d,J=6.
2Hz), 2.21-2.31(2H,m),2.44-2.71(3H,m), 3.11-3.46(4
H,m), 4.21(1H,m), 4.32(1H,dd,J=9.7Hz,J=3.2Hz), 4.6
1(1H,d,J=9.7Hz), 4.65-4.85(2H,m), 5.04(1H,dd,J=4.3
Hz,J=3.2Hz), 5.15-5.51(5H,m), 5.95(1H,m), 7.51(1H,
d,J=8.6Hz), 8.22(2H,d,J=8.6Hz) (2) (1)で得られた化合物を実施例24(2)と同様に反応す
ると(5S,6S,7S,11S)-11-〔〔2-(4-ニトロベンジルオキ
シカルボニルアミノ)エチル〕チオ〕-5-〔(R)-1-ヒドロ
キシエチル〕-4-オキソ-8-チア-3-アザトリシクロ〔5.
4.0.03,6〕ウンデカ-1-エン-2-カルボン酸アリル(R1=H,
R2=CH2CH=CH2, R3=COOCH2C6H4NO2)が得られた。 IR(neat): 3720,1780,1709,1520,1346,1269,1244 cm-1.1 H-NMR(200MHz,CDCl3)δ: 1.30(3H,d,J=6.2Hz), 2.22-
2.32(2H,m), 2.45-2.67(3H,m), 3.15-3.48(4H,m), 4.24
(1H,m), 4.36(1H,dd,J=9.5Hz,J=3.0Hz), 4.64(1H,d,J=
9.5Hz), 4.61-4.88(2H,m), 5.06(1H,dd,J=3.6Hz,J=3.3H
z), 5.15-5.51(5H,m), 5.97(1H,m), 7.51(2H,d,J=8.6H
z), 8.22(2H,d,J=8.6Hz) (3) (2)で得られた化合物を実施例15(2)と同様に反応す
ると表題化合物(R1=R2=R3=H)が得られた。 IR(KBr): 3429,1763,1595,1381 cm-11 H NMR(200MHz,D2O)δ:1.28(3H,d,J=6.4Hz), 2.23-2.3
4(2H,m), 2.65-2.82(3H,m), 3.11-3.36(3H,m), 3.51(1
H,dd,J=5.4Hz,J=2.9Hz), 4.26(1H,m), 4.39(1H,dd,J=
9.2Hz,J=2.9Hz)
【0085】実施例27 (5S,6S,7S)-11-〔(6,7-ジヒドロ-5H-ピラソゾロ〔1,2-
a〕〔1,2,4〕トリアゾリウム-6-イル)チオ〕-5-〔(R)-1
-ヒドロキシエチル〕-4-オキソ-8-オキサ-3-アザトリシ
クロ〔5.4.0.03,6〕ウンデカ-1-エン-2-カルボキシラー
【化77】 実施例24で得られた化合物(20 mg)を水(20 ml)に溶か
し、0℃で炭酸水素カリウム(360 mg)、ついでベンジル
ホルムアミダート塩酸塩(420 mg)を加え同温で10分間激
しく攪拌した。反応液を酢酸エチルで洗浄後、減圧下に
濃縮した。残留液をダイヤイオンCHOP20Pカラムクロマ
トクグラフィーおよびセファデックスLH-20カラムクロ
マトクグラフィーで精製後凍結乾燥すると表記化合物が
無色粉末として8 mg得られた。 IR(KBr): 3420,2960,1765,1600 cm-11 H NMR(D2O)δ:1.27(3H,d,J=6.4Hz), 1.8-2.0(1H,m),
2.2-2.5(1H,m), 3.68(1H,dd,J=3.8 and 5.0Hz), 3.9-
4.1(2H,m), 4.29(1H,dd,J=3.8 and 8.8Hz), 4.3-5.2(8
H,m)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07D 477/00 C07D 491/147 491/147 495/14 F 495/14 519/00 519/00 487/04 134

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式 【化1】 〔式中、R1は水素原子またはそれぞれ置換されていて
    もよい低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル
    もしくはシクロアルキル基を、COOR2はエステル化
    されていてもよいカルボキシル基を、環Aはシクロヘキ
    サン環またはシクロヘキセン環を、Raは式:−Wa−U
    aで表される基{Waは結合手、硫黄原子(モノまたはジ
    オキシド化されていてもよい)、酸素原子もしくは置換
    されていてもよいNHを、または硫黄原子(モノまたは
    ジオキシド化されていてもよい)、酸素原子もしくは置
    換されていてもよいNHを介在していてもよい直鎖また
    は分枝鎖の低級アルキレンまたは低級アルケニレンを示
    し、Uaはそれぞれ置換されていてもよいカルバモイ
    ル、アルキルアンモニウムもしくはアシルまたは式: 【化2】 れていてもよい4級化された含窒素複素環を、Rdは置
    換されていてもよいアルキル基を示す)}で表される同
    一または異なる1〜3個の置換基を示す〕で表される3
    環性カルバペネム化合物またはその塩。
  2. 【請求項2】環Aがシクロヘキサンまたはシクロヘキセ
    ン環である請求項1記載の化合物。
  3. 【請求項3】式(Ia′): 【化3】 〔式中、COOR2はエステル化されていてもよいカル
    ボキシル基を、Ra′は式−(CH2)m−Ka−(CH2)n
    a′{式中KaはCH2,O,SまたはNHを、m及び
    nは0もしくは1〜3の整数を、Ua′は 【化4】 (式中、Rd及びReは置換されていてもよいアルキル基
    を示す)を示す}で表される基を示す〕で表わされる3
    環性カルバペネム化合物またはその塩。
  4. 【請求項4】式 【化5】 〔式中、R1は水素原子またはそれぞれ置換されていて
    もよい低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル
    もしくはシクロアルキル基を、COOR2はエステル化
    されていてもよいカルボキシル基を、D,EはCH2
    O,SまたはNHを、環Cはベンゼン環、5ないし6員
    芳香族複素環を、RCは1)それぞれ置換されていても
    よいアルキルアンモニウムアルキルオキシ、アルキルア
    ミノアルキルオキシもしくはアルキルスルホニルアミノ
    アルキルオキシ基、2)式:−WC−UCで表される基
    {WCは結合手、硫黄原子(モノまたはジオキシド化さ
    れていてもよい)もしくは置換されていてもよいNH
    を、または硫黄原子(モノまたはジオキシド化されてい
    てもよい)もしくは置換されていてもよいNHを介在し
    ていてもよい直鎖または分枝鎖の低級アルキレンまたは
    低級アルケニレンを示し、UCはa)それぞれ置換され
    ていてもよい芳香族炭化水素もしくは複素環、b)シア
    ノ、アミノ、カルバモイル、カルボキシ、スルファモイ
    ル、ハロゲン、アミジノ、ヒドロキシもしくはメチル
    基、c)それぞれ置換されていてもよいアルキルアミ
    ノ、アルキルアンモニウム、アシルアミノ、アルキルオ
    キシ、アルキルチオ、アルキルスルホニル、アルキルス
    ルホニルアミノ、アシルオキシもしくは 【化6】 複素環を、Rdは置換されていてもよいアルキル基を示
    す)}または3)式: 【化7】 前記と同意義、Wdは酸素原子または酸素原子を介在し
    ていてもよい直鎖または分枝鎖の低級アルキレンまたは
    低級アルケニレンを示す)で表される同一または異なる
    1〜3個の置換基を示す〕で表される4環性カルバペネ
    ム化合物またはその塩。
  5. 【請求項5】DがCH2,OまたはSであり、EがCH2
    である請求項4記載の化合物。
  6. 【請求項6】式(IC′): 【化8】 〔式中、COOR2はエステル化されていてもよいカル
    ボキシル基を、J′はO,SまたはCH2を、Rc′は (1)式−(CH2)m−Kc−(CH2)n−Uc′{式中Kc
    はCH2,SまたはNHを、m及びnは0もしくは1〜
    3の整数を、Uc′は 【化9】 (式中、Rd及びReは置換されていてもよいアルキル基
    を示す)を示す}で表される基、 (2)式−(CH2)m−Kd−(CH2)n−Ud{式中Kd
    Oを、m及びnは0もしくは1〜3の整数を、Udは 【化10】 表される基または (3)2つの置換基であってもよく、1つが水酸基で、他
    方がその水酸基のオルト位に水酸基または置換されてい
    てもよいアルキルスルホニルアミノ基である組み合わせ
    を示す〕で表わされる4環性カルバペルム化合物または
    その塩。
  7. 【請求項7】式(IIa)または(IIc) 【化11】 (式中、R1は水素原子またはそれぞれ置換されていても
    よい低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニルも
    しくはシクロアルキル基を、COOR2はエステル化さ
    れていてもよいカルボキシル基を、環Aはシクロヘキサ
    ン環またはシクロヘキセン環を、Raは式:−Wa−Ua
    {Waは結合手、硫黄原子(モノまたはジオキシド化さ
    れていてもよい)、酸素原子もしくは置換されていても
    よいNHを、または硫黄原子(モノまたはジオキシド化
    されていてもよい)、酸素原子もしくは置換されていて
    もよいNHを介在していてもよい直鎖または分枝鎖の低
    級アルキレンまたは低級アルケニレンを示し、Uaはそ
    れぞれ置換されていてもよいカルバモイル、アルキルア
    ンモニウムもしくはアシルまたは式: 【化12】 れていてもよい4級化された含窒素複素環を、Rdは置
    換されていてもよいアルキル基を示す)}で表される同
    一または異なる1〜3個の置換基を、D,EはCH2
    O,SまたはNHを、環Cはベンゼン環、5ないし6員
    芳香族複素環を、RCは1)それぞれ置換されていても
    よいアルキルアンモニウムアルキルオキシ、アルキルア
    ミノアルキルオキシもしくはアルキルスルホニルアミノ
    アルキルオキシ基、2)式:−WC−UCで表される基
    {WCは結合手、硫黄原子(モノまたはジオキシド化さ
    れていてもよい)もしくは置換されていてもよいNH
    を、または硫黄原子(モノまたはジオキシド化されてい
    てもよい)もしくは置換されていてもよいNHを介在し
    ていてもよい直鎖または分枝鎖の低級アルキレンまたは
    低級アルケニレンを示し、UCはa)それぞれ置換され
    ていてもよい芳香族炭化水素もしくは複素環、b)シア
    ノ、アミノ、カルバモイル、カルボキシ、スルファモイ
    ル、ハロゲン、アミジノ、ヒドロキシもしくはメチル
    基、c)それぞれ置換されていてもよいアルキルアミ
    ノ、アルキルアンモニウム、アシルアミノ、アルキルオ
    キシ、アルキルチオ、アルキルスルホニル、アルキルス
    ルホニルアミノ、アシルオキシもしくはアルキルカルバ
    モイル基またはd}式: 【化13】 およびRdは前記を同意義)}または3)式: 【化14】 前記と同意義、Wdは酸素原子または酸素原子を介在し
    ていてもよい直鎖または分枝鎖の低級アルキレンまたは
    低級アルケニレンを示す)で表される同一または異なる
    1〜3個の置換基を、=Y,=Zは互いに反応して二重
    結合を形成することができる官能基を示す)で表わされ
    る化合物を閉環反応に付すことを特徴とする(Ia)ま
    たは(Ic) 【化15】 (式中R1,R2,Ra,Rc,環A,環C,DおよびEは
    前記と同意義)の製造方法。
  8. 【請求項8】請求項1または請求項4記載の化合物を含
    有することを特徴とする抗菌組成物。
JP2001050253A 1991-04-05 2001-02-26 多環性カルバペネム化合物 Withdrawn JP2001220391A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001050253A JP2001220391A (ja) 1991-04-05 2001-02-26 多環性カルバペネム化合物

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7297991 1991-04-05
JP3-72979 1991-04-05
JP2001050253A JP2001220391A (ja) 1991-04-05 2001-02-26 多環性カルバペネム化合物

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4082175A Division JPH0586062A (ja) 1991-04-05 1992-04-03 多環性カルバペネム化合物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001220391A true JP2001220391A (ja) 2001-08-14

Family

ID=26414114

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001050253A Withdrawn JP2001220391A (ja) 1991-04-05 2001-02-26 多環性カルバペネム化合物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001220391A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0422596B1 (en) Tricyclic carbapenem compounds
US4923857A (en) 3-Alkenyl-1-azabicyclo(3.2.0)hept-2-ene-2-carboxylic acid compounds
US4925838A (en) 3-pyrrolidinylthio-1-azabicyclo[3.2.0]-hept-2-ene-2-carboxylic acid compounds
EP0272456B1 (en) 3-Pyrrolidinylthio-1-azabicyclo[3.2.0]hept-2-ene-2-carboxylic acid compounds and processes for the preparation thereof
US5459260A (en) Tricyclic or tetracyclic carbapenem compounds, their production and use
KR880002512B1 (ko) 페넴 화합물 및 이의 제조방법
WO2002040483A1 (fr) Dérivés 1-méthylcarbapenem
US5286721A (en) 1-azabicyclo[3.2.0]hept-2-ene-2-carboxylic acid compounds
US5405844A (en) Tetracyclic antibiotics and processes for their preparation
HU198943B (en) Process for producing 2-/methoxymethyl/-penem derivatives and pharmaceutical compositions comprising same
JPH0586062A (ja) 多環性カルバペネム化合物
JP2001220391A (ja) 多環性カルバペネム化合物
JP3003002B2 (ja) 三環性カルバペネム化合物
JPH06166688A (ja) カルバペネム化合物、その製造法および抗菌組成物
US4983596A (en) 3-pyrrolidinylthio-1-azabicyclo[3.2.0]-hept-2-ene-2-carboxylic acid derivatives and their preparation
US5384317A (en) Bridged biphenyl carbapenem compounds, compositions containing such compounds and methods of use
JPH0798821B2 (ja) 2−(9−フルオレノニル)−カルバペネム
AU745980B2 (en) Titanium catalyzed preparation of carbapenem intermediates
JP2002212182A (ja) 1−メチルカルバペネム誘導体
US5202437A (en) 3-pyrrolidinylthio-1-azabicyclo(3.2.0)-hept-2-ene-2-carboxylic acid compounds
JPH0912577A (ja) カルバペネム化合物、その製造法および剤
JPH05239058A (ja) 3−ピロリジニルチオ−1−アザビシクロ[3.2.0ヘプト−2−エン−2−カルボン酸化合物
EP0506982A1 (en) 1-azabicyclo 3.2.0]hept-2-ene-2-carboxylic acid compounds
IE921546A1 (en) Chemical compounds
JPH04321688A (ja) 2−(置換ピロリジニルチオ)カルバペネム誘導体

Legal Events

Date Code Title Description
A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20050414