JP2001504575A - 車両の車輪の回転状態を検出する装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 車両の車輪の回転状態を検出するための装置が、永久磁石領域（Ｎ、Ｓ）を持ったエンコーダと、磁界を感知する固定測定用トランスデューサ（４）と、測定用トランスデューサ（４）からの出力信号を評価するための電気回路とを有している。永久磁石領域（Ｎ、Ｓ）は、車両のタイヤの内側または側壁（１、１’）に設けられている。測定用トランスデューサ（４）は、回転の軸線から異なった距離離間し、力が作用された結果によってタイヤが変形された場合、測定信号（Ｓ₅、Ｓ’₅、Ｓ₆、Ｓ’₆）間に測定装置（５、６）からの位相位置の変化があるように設けられた２つまたはそれ以上の測定装置（５、６）を有している。この変化は、車輪によって道路に伝達されるモーメントの限界として、および／または摩擦のモーメント係数として使用される。

Description

【発明の詳細な説明】 車両の車輪の回転状態を検出する装置 本発明は、車両の車輪の回転状態を検出する装置に関し、それは、車輪と共に 回転し、円周方法に均一に分配され交互の極性で互いに続いている永久磁石領域 と、回転運動を示す出力信号を供給するために磁界に感応する固定式測定用トラ ンスデューサと、測定用トランスデューサの出力信号を評価する電気回路とを有 するエンコーダを備えている。 回転または角度運動を検出する装置は、国際公表（ＷＯ）９５／１７６８０に 開示されていろ。測定装置は、エンコーダの形状の測定用トランスデューサを有 していて、エンコーダは、車輪と共に回転し、エンコーダの全周面にわたって回 転方向に均等に分配されるように設けられた複数の永久磁石領域を有する。測定 用トランスデューサとして、回転による磁界の変化が回転を示す測定要素または 測定用トランスデューサの出力において信号を発生するような方法で、能動的測 定要素がエンコーダの周面に固定的に設けられている。 車両の車輪の回転状態を検出するための能動的または受動的測定装置は、この 分野において多数ありまた多岐にわたっている。回転運動を表す電気信号は、な かんずく、アンチロックシステム（ＡＢＳ）、トラクションスリップ制御システ ム（ＴＣＳ）、運転の安定性制御システム（ＤＳＣ、ＡＳＭＳ）等のような自動 車の制御システムの入力量として必要である。信頼できる操作のモードとは別に 、製造における必要な努力はこれらの応用の場合に非常に意味があることであり 、それは、ほとんどのシステムがいくつかのセンサーすなわち各車輪に個別の回 転速度センサーを必要とするからである。それ故、特に安価なセンサーを見つけ 出すことは開発作業における大きな目的である。 本発明の目的は、なかんずく、製造と組立ての努力を減少し高い信頼性を確実 にするような上述したタイプの測定装置を開発することである。 この目的は請求項１に記載された発明によって達成されることが分かった。そ の特別な態様は、永久磁石領域がタイヤの壁に埋め込まれているかまたは車輪の 壁に設けられていて、測定用トランスデューサが車輪の回転方向に偏倚していて 、また、回転軸線から径方向に異なった距離離間して、すなわち、タイヤに作用 する力ならびに駆動またはブレーキトルクの伝達の結果、タイヤの変形に際し、 測定要素によって生ずる測定信号間に位相位置シフトが存在するような方法で設 けられた２つまたはそれ以上の測定要素を有していて、位相位置のシフトが車輪 とタイヤから路面に伝達されるトルクの測定の限界および／または瞬間的摩擦の 限界として評価されるものである。このように、本発明は、測定用トランスデュ ーサとして、一方においてタイヤの壁に埋め込まれるか、またはその壁に取着さ れた磁化されたトラックを使用することが可能であること、そして、他方におい て２つまたはそれ以上の偏倚センサーが使用された場合、タイヤまたはタイヤの 壁のトーションひずみが、伝達されたトルクおよび／または瞬間的なフリクショ ン係数を測定するために回転または角度移動の測定に加えて評価されるという見 識に基づくものである。 本発明の更なる実施例は、添付した従属請求項に示されている。 本発明の更なる詳細、利点、および応用は、添付した図面を参照してのべた以 下の記述から理解できるであろう。 図１は、磁化された領域がタイヤの壁に埋め込まれた本発明のタイヤの側面図 。 図２は、タイヤの他の実施例の同様の図。 図３は、本発明の装置を有し、協働する車輪のサスペンションを有する車両の 車輪の断面図。 図４は、タイヤの壁の象徴的断面と測定用トランスデューサの出力信号を示す 図。 図５は、図４と同様なタイヤの壁の象徴的断面と測定用トランスデューサの出 力信号を示す図。 図１は、全周に亘って均等に配置された永久磁石領域Ｎ、Ｓを持つたタイヤ１ の例を示している。完全に類似して連続して、北極領域と南極領域ＮまたはＳが 交互に空気タイヤ１の側壁に埋め込まれ、タイヤの中心に同心的な環状の閉成さ れたコースすなわち磁化されたトラック２を形成している。このような実施例は 、車両の車輪の例えば自動車の制御システムの入力量として回転状態を測定する た めの固定された測定用トランスデューサとの関連で適している（ＡＢＳ、ＴＣＳ 、ＡＳＭＳ、等）。タイヤの壁に一体化されたまたはタイヤの壁に設けられた磁 化された領域Ｎ、Ｓは、信号発生器または測定データエミッタとして役立つ。 かなり比較的形式的な解決が図２の実施例によって達成される。この場合環状 のコード用トラック３の形状のエンコーダは、図１の実施例と同様、線状の北極 および南極または磁化された領域Ｎ、Ｓのいずれがを有している。そのような構 成は、本発明の装置の信号発生器またはエンコーダに特に適している。 磁気領域Ｎ、Ｓを形成するトラック２、３を走査するために、タイヤまたは各 コード化されたトラックに固定された測定用トランスデューサ４が使用される。 抗磁性センサー部材またはホール部材を持った能動センサーまたは測定要素は、 使用するのに特に適している。しかしながら、基本的には、永久磁界、これらの 磁界の変更、または極の交代に反応する全てのタイプの信号ピックアップまたは センサーのタイプが使用される。もちろん、タイヤの回転によって引き起こされ る磁界の変更によって信号が誘導される受動的信号ピックアップまたはコイル装 置を使用することもまた可能である。 図３、４および５は、本発明の装置の特に好ましい実施例を説明するために役 立つ。この場合において、図３に示されているように、２つの測定要素５、６を 持った測定用トランスデューサ４が、車輪のサスペンションＲＡまたは車両に接 続された適切な保持機構において、タイヤ壁のレベルまたはトラック２、３のレ ベルに設けられている。たとえば、両測定要素５、６は、抗磁性センサー部材を 磁界感応部材として有していてもよい。 ２つの測定要素５、６は、図４、５の左側の部分に示されているタイヤ部分１ ’によって示されているように互いに偏倚している。図４の参照符号５’、６’ は、センサーまたは測定要素５、６の「読み出し」点を示している。位置的変位 Ｄ（図４参照）は、限定された数の極の対Ｎ、Ｓが、読み出し点５’、６’の間 に包含されるように選択される。 図４の波形図において測定要素の出力信号Ｓ₅、Ｓ₆の経路を示したように、距 離Ｄによって相互に偏倚した測定要素５、６は、この場合異なっていて、また、 回転速度、加速、減速および回転方向のような回転状態を検証しまたは計算する 各車輪回転信号に供給する。 図示したように、車両の車輪に及ぼされる駆動またはブレーキトルクは、タイ ヤを図５に示されたような形状に変形することとなる。１対の力Ｆ（図５参照） の影響により、タイヤの壁１’そしてそれ故付加的な磁化された領域Ｎ、Ｓすな わちストリッブ３（図２参照）の方向は、トーションの方向へ変形される。 トーション誘導変形によって、固定測定要素５、６に関して、磁化されたスト リップすなわち領域Ｎ、Ｓ、特にタイヤ接触領域に近接する各ストリップのゾー ンの局部的変化ｄが生ずる（図３参照）。この変形の結果は、信号Ｓ₅、Ｓ’₅、 Ｓ₆、Ｓ’₆の相互の位相位置の変化である。信号のこの位相の変化は、図４と５ とを比較すると特に明らかとなる。 位相の変化を評価するために、車輪から道路に伝達されるトルクＭと、位相の 変化Ｄ＋ｄとの間の関係は、評価電気回路（図示せず）のメモリーの表として有 利に立案され、そして信号の評価のために組み込まれる。 図４および５によって説明したように、物理的条件に基づき本発明の装置を介 したトルクＭの測定は、制御システムを改良するのに評価できるが、それは、こ れらの測定された値が、タイヤと道路との間の摩擦係数または摩擦値に関して完 了させるからである。 磁化可能な領域を得るために、少量のバリュームフェライト粉が、もし必要な らば少量のストロンチュームの混合物とともに、タイヤの製造中において同質性 の貢献に採用される。あるいは、たとえば、磁化可能な材料がコード化されたト ラックすなわち磁化可能な領域Ｎ、Ｓのためにその中に埋め込まれているほぼ１ ｍｍの厚さの磁化されたゴム箔を使用することも可能である。このゴム箔は、次 いでタイヤの横壁に取着されそして磁化される（図３参照）。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． 車輪と共に回転し、車輪の円周方法に均一に分配され交互の極性で互いに 続いている永久磁石領域と、回転運動を示す出力信号を供給する磁界に感応する 固定式測定用トランスデューサと、測定用トランスデューサの出力信号を評価す る電気回路とを有するエンコーダを備え、 永久磁石領域（Ｎ、Ｓ）が車両の車輪のタイヤの壁（１、１’）に埋め込まれ ているかまたは車輪の壁に設けられていて、測定用トランスデューサ（４）が、 回転軸線から径方向に異なった距離離間して、すなわち、タイヤに作用する力（ Ｆ）ならびに駆動またはブレーキトルクの伝達の結果、タイヤの変形に際し、測 定要素（５、６）によって生ずる測定信号（Ｓ₅、Ｓ’₅、Ｓ₆、Ｓ’₆）間に位相 位置変化（ｄ）が存在するような方法で設けられた２つまたはそれ以上の測定要 素（５、６）を有していて、位相位置の変化（ｄ）が、車輪とタイヤ（１、１’ ）から路面に伝達されるトルクの測定の限界および／または瞬間的摩擦の限界と して評価されることを特徴とする車両の車輪の回転状態を検出する装置。 ２． 回転方向に互いに偏倚した２つの測定要素（５、６）を備えていることを 特徴とする請求項１記載の装置。 ３． ２つの測定要素（５、６）の車輪の回転方向への距離が、少なくとも１対 の極（Ｎ、Ｓ）好ましくは複数対の極が測定要素（５、６）の間に設けられるよ うに選択されていることを特徴とする請求項２記載の装置。 ４． 測定用トランスデューサ（４）が２つの測定要素（５、６）を有していて 、永久磁石領域（Ｎ、Ｓ）が径方向に、その周面方向の距離に関して細長い形状 を有していて、そして、測定要素（５、６）の径方向の距離が領域の長さにほぼ 等しいことを特徴とする請求項１ないし３いずれか１項記載の装置。 ５． 測定用トランスデューサ（４）が能動的な測定用トランスデューサの形状 をしていて、また、磁気抵抗性センサー部材またはホール効果センサー部材に基 づいた磁界感応型測定要素（５、６）を有していることを特徴とする請求項１な いし４いずれか１項記載の装置。 ６． 測定用トランスデューサ（４）が受動的な測定用トランスデューサの形状 をしていて、また、永久磁石領域が車輪の回転または角度運動を表しおよびこの 運動を示す信号を誘導する誘導巻線に基づいた磁界感応型測定要素（５、６）を 有していることを特徴とする請求項１ないし５いずれか１項記載の装置。 ７． タイヤの壁少なくとも永久磁石領域（Ｎ、Ｓ）に、製造工程中においてゴ ム部材に埋め込まれまた永久磁石領域のために準備された、バリュームフェライ トをベースとし最終的にゴム部材に分布された磁化可能な物質を有していること を特徴とする請求項１ないし６いずれか１項記載の装置。 ８． 磁化されているかまたは磁化可能な物質を備えられタイヤの外壁に取着さ れたゴム箔が、永久磁石領域（Ｎ、Ｓ）のための担持体として設けられているこ とを特徴とする請求項１ないし７いずれか１項記載の装置。