JP2001504329A - ヘリコバクター・ピロリに関連する核酸およびアミノ酸配列ならびにそのワクチン組成物 - Google Patents

ヘリコバクター・ピロリに関連する核酸およびアミノ酸配列ならびにそのワクチン組成物

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Abstract

(57)【要約】 H.pyloriポリペプチドの組換えまたは実質的に純粋なプレパレーションが記載される。それらのポリペプチドをコードする核酸も記載される。H.pyloriポリペプチドは診断およびワクチン処方物に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】 ヘリコバクター・ピロリに関連する核酸および アミノ酸配列ならびにそのワクチン組成物発明の背景 ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)は、ヒト胃バイオプシー標 本から発見され、培養された、グラム陰性、S字型、微好気性菌である(Warren ,J.R.& B.Marshall,Lancet 1:1273-1275,1983;Marshallら,Microbios L ett.25:83-88,1984)。H.pyloriは慢性胃炎および十二指腸潰瘍性疾患と密接 に関連する(Rathboneら,Gut 27:635-641,1986)。しかも、非潰瘍性消化不良 、胃潰瘍疾患および胃腺癌におけるH.pyloriの病因的役割を示す証拠が蓄積さ れている(Blaser M.J.,Trends Microbiol.1:255-260,1993)。この細菌の 伝播は、経口的経路を介して起こり、感染の危険は加齢とともに増大する(Tayl or,D.N.& M.J.Blaser,Epidemiol.Rev.13:42-50,1991)。H.pyloriは ヒト胃粘膜においてコロニーを形成し、通常数十年は持続する感染が確立される 。H.pyloriによる感染は世界的に拡がっている。先進国の成人人口における感染 率は50%を越える程度であるが、発展途上国における感染率は年齢20歳以上の成 人の90%に達している(Hopkins R.J.& J.G.Morris,Am.J.Med.97:265- 277,1994)。 胃環境のコロナイゼーションおよびこの病原菌の毒力に必要な細菌因子につい ては、わずかしか分かっていない。推定される毒力因子の例には以下が包含され る。すなわち、ウレアーゼ、胃酸のpHの中和にある種の役割を果たす可能性が考 えられる酵素(Eatonら,Infect.Immunol.59:2470-2475,1991;Ferrero,R.L .& A.Lee,Microb.Ecol.Hlth.Dis.4:121-134,1991;Labigneら,J.Bacte riol.173:1920-1931,1991);粘膜層を横切る移動性の原因になる細菌の鞭毛タ ンパク質(Hazellら,J.Inf.Dis.153:658-663,1986;Leyingら,Mol.Microbio l.6:2863- 2874,1992;Haasら,Mol.Microbiol.8:753-760,1993);VacA、上皮細胞に細 胞内液胞の形成を誘導する細菌毒素(Schmitt,W.& R.Haas,Molecular.Microb iol.12(2):307-319,1994)および数種の胃組織特異的接着(Borenら,Science 262:1892-1895,1993;Evansら,J.Bacteriol.175:674-683,1993;Falkら,Pro c.Natl.Acad.Sci.USA 90:2035-2039,1993)である。 現在ではH.pyloriの感染をインビトロで絶滅させる多くの治療剤が存在する (Huescaら,Zb1.Bakt.280:244-252,1993;Hopkins,R.J.& J.G.Morris, 前出)。しかしながら、これらの処置の多くは細菌の抵抗性、薬剤分布の変化、 患者のノンコンプライアンスまたは薬剤の低い生物学的利用性のため、インビボ では至適下の効果しか示さない(Hopkins,R.J.& J.G.Morris,前出)。ビスマ スを併用する抗生物質による処置は、H.pylori感染の処置のために使用される標 準処方基準の一部となっている(Malfertheiner,P.& J.E.Dominguez-Munoz, Clinical Therapeutics 15 Supp.B:37-48,1993)。最近、プロトンポンプ阻害 剤と単一の抗生物質の併用が十二指腸の潰瘍性疾患を改善することが明らかにさ れている(Malfertheiner,P.& J.E.Dominguez-Munoz,前出)。しかしながら 、抗生物質を使用する方法は、これらの薬剤に抵抗性の細菌株の発生の問題があ る(Hopkins,R.J.& J.G.Morris,前出)。これらの限界は、H.pylori感染 をインビボにおいて撲滅する新しい、より有効な方法の必要性を示すものである 。特にこの細菌による感染を防止できる新たなワクチンの設計が強く望まれる。発明の概要 本発明は、生物体ヘリコバクター・ピロリ(H.pylori)からの新規な遺伝子た とえば細菌の表面タンパク質のようなポリペプチドをコードする遺伝子、および 他の関連遺伝子、それらの産物ならびにそれらの使用に関する。本発明の核酸お よびペプチドは、H.pyloriおよび他のヘリコバクタ ー種の診断および処置に有用性を有する。それらはサンプル中におけるH.pylori および他のヘリコバクター種の存在の検出、ならびにH.pyloriの生活環に干渉す る能力またはH.pylori感染を阻害する能力を有する化合物のスクリーニングにも 使用することができる。さらに詳しくは、本発明は、H.pyloriタンパク質たとえ ば表面または分泌タンパク質の全コード配列もしくはそれら部分に相当する核酸 の組成、H.pyloriタンパク質からのmRNAに結合することが可能でタンパク質 の翻訳を遮断する核酸ならびにペプチド合成および組換えDNA技術を用いてH. pyloriタンパク質もしくはその部分を製造する方法を特徴とする。本発明はさら に、H.pylori感染を検出するためのプローブとして有用な抗体および核酸を特徴 とする。加えて、ワクチン組成物ならびにH.pyloriによる感染の防御または処置 方法も本発明の範囲内に包含される。図面の簡単な説明 図1は、特異的なH.pylori抗原による免疫処置後のマウスの血清における抗体 力価を示す棒グラフである。 図2は、特異的なH.pylori抗原による免疫処置後のマウスの粘膜における抗体 力価を示す棒グラフである。 図3は、HEPES緩衝液に溶解した特異的な抗原によるH.pylori感染マウス の治療的な免疫処置を示す棒グラフである。 図4は、DOC含有緩衝液に溶解した特異的な抗原によるH.pylori感染マウス の治療的な免疫処置を示す棒グラフである。 図5は、5種のH.pyloriタンパク質の配列の部分におけるアミノ酸配列のアラ インメントを示す(単一文字アミノ酸コードで表示;N末端からC末端を左から 右に示す)。 図6は、4種のH.pyloriタンパク質の配列の部分におけるアミノ酸配列のアラ インメントを示す(単一文字アミノ酸コードで表示;N末端からC末端を左から 右に示す)。 図7は、2種のH.pyloriタンパク質の配列の部分におけるアミノ酸配列のアラ インメントを示す(単一文字アミノ酸コードで表示;N末端からC末端を左から 右に示す)。 図8は、2種のH.pyloriタンパク質の配列の部分におけるアミノ酸配列のアラ インメントを示す(単一文字アミノ酸コードで表示;N末端からC末端を左から 右に示す)。発明の詳述 一態様においては、本発明はSEQ ID NO:74のH.pyloriポリペプチドの組換え または実質的に純粋なプレパレーションを特徴とする。本発明はまたSEQ ID NO :74のH.pyloriポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を包含し、このよ うな核酸はSEQ ID NO:1に含まれる。本明細書に記載の本発明のH.pyloriポリ ペプチド配列は配列表に含まれ、また本発明のH.pyloriポリペプチドをコードす る核酸配列も配列表に含まれる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:75のアミノ酸配列を有するH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸、例えばSEQ ID NO:2のヌクレ オチド配列からなる核酸を特徴とする。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:76のアミノ酸配列を有するH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸、例えばSEQ ID NO:3のヌクレ オチド配列からなる核酸を特徴とする。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:77のアミノ酸配列を有するH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸、例えばSEQ ID NO:4のヌクレ オチド配列からなる核酸を特徴とする。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:78のアミノ酸配列を有するH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸、例えばSEQ ID NO:5のヌクレ オチド配列からなる核酸を特徴とする。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:79のアミノ酸配列を有するH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸、例えばSEQ ID NO :6のヌクレオチド配列からなる核酸を特徴とする。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:80のアミノ酸配列を有するH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸、例えばSEQ ID NO:7のヌクレ オチド配列からなる核酸を特徴とする。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:81のアミノ酸配列を有するH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸、例えばSEQ ID NO:8のヌクレ オチド配列からなる核酸を特徴とする。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:82のアミノ酸配列を有するH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸、例えばSEQ ID NO:9のヌクレ オチド配列からなる核酸を特徴とする。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:83のアミノ酸配列を有するH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸、例えばSEQ ID NO:10のヌクレ オチド配列からなる核酸を特徴とする。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:84のアミノ酸配列を有するH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸、例えばSEQ ID NO:11のヌクレ オチド配列からなる核酸を特徴とする。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:85のアミノ酸配列を有するH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸、例えばSEQ ID NO:12のヌクレ オチド配列からなる核酸を特徴とする。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:86のアミノ酸配列を有するH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸、例えばSEQ ID NO:13のヌクレ オチド配列からなる核酸を特徴とする。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:87のアミノ酸配列を有するH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸、例えばSEQ ID NO:14のヌクレ オチド配列からなる核酸を特徴とする。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:88のアミノ酸配列を有するH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸、例えばSEQ ID NO :15のヌクレオチド配列からなる核酸を特徴とする。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:89のアミノ酸配列を有するH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸、例えばSEQ ID NO:16のヌクレ オチド配列からなる核酸を特徴とする。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:90のアミノ酸配列を有するH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸、例えばSEQ ID NO:17のヌクレ オチド配列からなる核酸を特徴とする。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:91のアミノ酸配列を有するH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸、例えばSEQ ID NO:18のヌクレ オチド配列からなる核酸を特徴とする。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:92のアミノ酸配列を有するH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸、例えばSEQ ID NO:19のヌクレ オチド配列からなる核酸を特徴とする。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:93のアミノ酸配列を有するH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸、例えばSEQ ID NO:20のヌクレ オチド配列からなる核酸を特徴とする。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:94のアミノ酸配列を有するH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸、例えばSEQ ID NO:21のヌクレ オチド配列からなる核酸を特徴とする. 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:95のアミノ酸配列を有するH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸、例えばSEQ ID NO:22のヌクレ オチド配列からなる核酸を特徴とする。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:96のアミノ酸配列を有するH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸、例えばSEQ ID NO:23のヌクレ オチド配列からなる核酸を特徴とする。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:97のアミノ酸配列を有するH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸、例えばSEQ ID NO :24のヌクレオチド配列からなる核酸を特徴とする。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:98のアミノ酸配列を有するH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸、例えばSEQ ID NO:25のヌクレ オチド配列からなる核酸を特徴とする。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:99のアミノ酸配列を有するH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸、例えばSEQ ID NO:26のヌクレ オチド配列からなる核酸を特徴とする。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:100のアミノ酸配列を有するH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸、例えばSEQ ID NO:27のヌクレ オチド配列からなる核酸を特徴とする。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:101のアミノ酸配列を有するH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸、例えばSEQ ID NO:28のヌクレ オチド配列からなる核酸を特徴とする。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:102のアミノ酸配列を有するH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸、例えばSEQ ID NO:29のヌクレ オチド配列からなる核酸を特徴とする。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:103のアミノ酸配列を有するH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸、例えばSEQ ID NO:30のヌクレ オチド配列からなる核酸を特徴とする。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:104のアミノ酸配列を有するH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸、例えばSEQ ID NO:31のヌクレ オチド配列からなる核酸を特徴とする。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:105のアミノ酸配列を有するH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸、例えばSEQ ID NO:32のヌクレ オチド配列からなる核酸を特徴とする。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:106のアミノ酸配列を有するH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸、例えばSEQ ID NO :33のヌクレオチド配列からなる核酸を特徴とする。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:107のアミノ酸配列を有するH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸、例えばSEQ ID NO:34のヌクレ オチド配列からなる核酸を特徴とする。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:108のアミノ酸配列を有するH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸、例えばSEQ ID NO:35のヌクレ オチド配列からなる核酸を特徴とする。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:109のアミノ酸配列を有するH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸、例えばSEQ ID NO:36のヌクレ オチド配列からなる核酸を特徴とする。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:110のアミノ酸配列を有するH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸、例えばSEQ ID NO:37のヌクレ オチド配列からなる核酸を特徴とする。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:111のアミノ酸配列を有するH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸、例えばSEQ ID NO:38のヌクレ オチド配列からなる核酸を特徴とする。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:112のアミノ酸配列を有するH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸、例えばSEQ ID NO:39のヌクレ オチド配列からなる核酸を特徴とする。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:113のアミノ酸配列を有するH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸、例えばSEQ ID NO:40のヌクレ オチド配列からなる核酸を特徴とする。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:114のアミノ酸配列を有するH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸、例えばSEQ ID NO:41のヌクレ オチド配列からなる核酸を特徴とする。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:115のアミノ酸配列を有するH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸、例えばSEQ ID NO :42のヌクレオチド配列からなる核酸を特徴とする。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:116のアミノ酸配列を有するH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸、例えばSEQ ID NO:43のヌクレ オチド配列からなる核酸を特徴とする。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:117のアミノ酸配列を有するH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸、例えばSEQ ID NO:44のヌクレ オチド配列からなる核酸を特徴とする。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:118のアミノ酸配列を有するH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸、例えばSEQ ID NO:45のヌクレ オチド配列からなる核酸を特徴とする。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:119のアミノ酸配列を有するH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸、例えばSEQ ID NO:46のヌクレ オチド配列からなる核酸を特徴とする。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:120のアミノ酸配列を有するH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸、例えばSEQ ID NO:47のヌクレ オチド配列からなる核酸を特徴とする。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:121のアミノ酸配列を有するH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸、例えばSEQ ID NO:48のヌクレ オチド配列からなる核酸を特徴とする。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:122のアミノ酸配列を有するH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸、例えばSEQ ID NO:49のヌクレ オチド配列からなる核酸を特徴とする。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:123のアミノ酸配列を有するH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸、例えばSEQ ID NO:50のヌクレ オチド配列からなる核酸を特徴とする。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:124のアミノ酸配列を有するH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸、例えばSEQ ID NO :51のヌクレオチド配列からなる核酸を特徴とする。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:125のアミノ酸配列を有するH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸、例えばSEQ ID NO:52のヌクレ オチド配列からなる核酸を特徴とする。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:126のアミノ酸配列を有するH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸、例えばSEQ ID NO:53のヌクレ オチド配列からなる核酸を特徴とする。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:127のアミノ酸配列を有するH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸、例えばSEQ ID NO:54のヌクレ オチド配列からなる核酸を特徴とする。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:128のアミノ酸配列を有するH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸、例えばSEQ ID NO:55のヌクレ オチド配列からなる核酸を特徴とする。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:129のアミノ酸配列を有するH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸、例えばSEQ ID NO:56のヌクレ オチド配列からなる核酸を特徴とする。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:130のアミノ酸配列を有するH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸、例えばSEQ ID NO:57のヌクレ オチド配列からなる核酸を特徴とする。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:131のアミノ酸配列を有するH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸、例えばSEQ ID NO:58のヌクレ オチド配列からなる核酸を特徴とする。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:132のアミノ酸配列を有するH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸、例えばSEQ ID NO:59のヌクレ オチド配列からなる核酸を特徴とする。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:133のアミノ酸配列を有するH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸、例えばSEQ ID NO :60のヌクレオチド配列からなる核酸を特徴とする。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:134のアミノ酸配列を有するH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸、例えばSEQ ID NO:61のヌクレ オチド配列からなる核酸を特徴とする。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:135のアミノ酸配列を有するH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸、例えばSEQ ID NO:62のヌクレ オチド配列からなる核酸を特徴とする。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:136のアミノ酸配列を有するH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸、例えばSEQ ID NO:63のヌクレ オチド配列からなる核酸を特徴とする。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:137のアミノ酸配列を有するH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸、例えばSEQ ID NO:64のヌクレ オチド配列からなる核酸を特徴とする。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:138のアミノ酸配列を有するH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸、例えばSEQ ID NO:65のヌクレ オチド配列からなる核酸を特徴とする。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:139のアミノ酸配列を有するH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸、例えばSEQ ID NO:66のヌクレ オチド配列からなる核酸を特徴とする。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:140のアミノ酸配列を有するH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸、例えばSEQ ID NO:67のヌクレ オチド配列からなる核酸を特徴とする。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:141のアミノ酸配列を有するH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸、例えばSEQ ID NO:68のヌクレ オチド配列からなる核酸を特徴とする。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:142のアミノ酸配列を有するH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸、例えばSEQ ID NO :69のヌクレオチド配列からなる核酸を特徴とする。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:143のアミノ酸配列を有するH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸、例えばSEQ ID NO:70のヌクレ オチド配列からなる核酸を特徴とする。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:144のアミノ酸配列を有するH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸、例えばSEQ ID NO:71のヌクレ オチド配列からなる核酸を特徴とする。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:145のアミノ酸配列を有するH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸、例えばSEQ ID NO:72のヌクレ オチド配列からなる核酸を特徴とする。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:146のアミノ酸配列を有するH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸、例えばSEQ ID NO:73のヌクレ オチド配列からなる核酸を特徴とする。 H.pylori細胞エンベロープポリペプチドまたはそのフラグメントをコードする ヌクレオチド配列からなる単離された核酸が特に好ましい。このような核酸はSE Q ID NO:3、SEQ ID NO:25、SEQ ID NO:48、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:10 、SEQ ID NO:45、SEQ ID NO:35、SEQ ID NO:37、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO :39、SEQ ID NO:55、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:19、SEQ ID NO:28、SEQ ID NO:30、SEQ ID NO:52、SEQ ID NO:54、SEQ ID NO:56、SEQ ID NO:58、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:42、SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:43、SEQ ID NO:11、 SEQ ID NO:71、SEQ ID NO:17、SEQ ID NO:57、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO: 6、SEQ ID NO:8、およびSEQ ID NO:21からなる群より選択される。 他の実施態様においては、H.pylori細胞エンベロープポリペプチドまたはその フラグメントは、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:25、およびSEQ ID NO:48からな る群より選択される核酸によってコードされるH.pylori内膜ポリペプチドまたは そのフラグメントである。 他の実施態様においては、H.pylori細胞エンベロープポリペプチドまたはその フラグメントはSEQ ID NO:16、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:45、SEQ ID NO:35 、SEQ ID NO:37、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:39、SEQ ID NO:55、SEQ ID NO :18、SEQ ID NO:19、SEQ ID NO:28、SEQ ID NO:30、SEQ ID NO:52、SEQ ID NO:54、SEQ ID NO:56、SEQ ID NO:58、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:42、SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:43、SEQ ID NO:11、およびSEQ ID NO:71からなる群 より選択される核酸によりコードされるH.pylori外膜ポリペプチドまたはそのフ ラグメントである。 他の実施態様においては、H.pylori外膜ポリペプチドまたはそのフラグメント は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:42、SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:43、SEQ ID N O:11、およびSEQ ID NO:71からなる群より選択される核酸によってコードされ る、末端フェニルアラニン残基およびC末端チロシンクラスターを有するH.pylo riポリペプチドまたはそのフラグメントである。 さらに他の実施態様においては、H.pylori外膜ポリペプチドまたはそのフラグ メントは、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:45、SEQ ID NO:35、SEQ ID NO:37、SE Q ID NO:7、SEQ ID NO:39、SEQ ID NO:55、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:19 、SEQ ID NO:28、SEQ ID NO:30、SEQ ID NO:52、SEQ ID NO:54、SEQ ID NO :56、およびSEQ ID NO:58からなる群より選択される核酸によりコードされる 、末端フェニルアラニン残基を有するH.pyloriポリペプチドまたはそのフラグメ ントである。 H.pylori分泌ポリペプチドまたはそのフラグメントをコードするヌクレオチド 配列からなる単離された核酸が特に好ましい。このような核酸はSEQ ID NO:72 、SEQ ID NO:32、SEQ ID NO:51、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO :9、SEQ ID NO:13、SEQ ID NO:22、SEQ ID NO:29、SEQ ID NO:31、SEQ ID NO:33、SEQ ID NO:34、SEQ ID NO:36、SEQ ID NO:38、SEQ ID NO:40、SEQ ID NO:41、SEQ ID NO:44、SEQ ID NO:46、SEQ ID NO:49、SEQ ID NO:53、SEQ ID NO:59、SEQ ID NO:61、SEQ ID NO:62、SEQ ID NO:63、SEQ ID NO:65、SEQ ID NO:66、SEQ ID NO:67、 およびSEQ ID NO:68からなる群より選択される。 H.pylori細胞性ポリペプチドまたはそのフラグメントをコードするヌクレオチ ド配列からなる単離された核酸が特に好ましい。このような核酸はSEQ ID NO:1 2、SEQ ID NO:15、SEQ ID NO:20、SEQ ID NO:23、SEQ ID NO:24、SEQ ID NO :26、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:47、SEQ ID NO:50、SEQ ID NO:60、SEQ ID NO:64、SEQ ID NO:69、SEQ ID NO:70、およびSEQ ID NO:73からなる群より 選択される。 精製または単離されたH.pylori細胞性エンベロープポリペプチドまたはそのフ ラグメントが特に好ましく、この場合、ポリペプチドは、SEQ ID NO:76、SEQ I D NO:98、SEQ ID NO:121、SEQ ID NO:89、SEQ ID NO:83、SEQ ID NO:118、 SEQ ID NO:108、SEQ ID NO:110、SEQ ID NO:80、SEQ ID NO:112、SEQ ID NO :128、SEQ ID NO:91、SEQ ID NO:92、SEQ ID NO:101、SEQ ID NO:103、SEQ ID NO:125、SEQ ID NO:127、SEQ ID NO:129、SEQ ID NO:131、SEQ ID NO: 74、SEQ ID NO:115、SEQ ID NO:87、SEQ ID NO:116、SEQ ID NO:84、SEQ ID NO:144、SEQ ID NO:90、SEQ ID NO:130、SEQ ID NO:78、SEQ ID NO:79、S EQ ID NO:81、およびSEQ ID NO:94からなる群より選択される。 他の実施態様においてはH.pylori細胞エンベロープポリペプチドまたはそのフ ラグメントはSEQ ID NO:76、SEQ ID NO:98、およびSEQ ID NO:121からなる群 より選択されるH.pylori内膜ポリペプチドまたはそのフラグメントである。 他の実施態様においてはH.pylori細胞エンベロープポリペプチドまたはそのフ ラグメントは、SEQ ID NO:89、SEQ ID NO:83、SEQ ID NO:118、SEQ ID NO:1 08、SEQ ID NO:110、SEQ ID NO:80、SEQ ID NO:112、SEQ ID NO:128、SEQ I D NO:91、SEQ ID NO:92、SEQ ID NO:101、SEQ ID NO:103、SEQ ID NO:125、SEQ ID NO:127、SEQ ID NO:129、SEQ ID NO:131 、SEQ ID NO:74、SEQ ID NO:115、SEQ ID NO:87、SEQ ID NO:116、SEQ ID N O:84、SEQ ID NO:144、SEQ ID NO:90、およびSEQ ID NO:130からなる群より 選択されるH.pylori外膜ポリペプチドまたはそのフラグメントである。 他の実施態様においてはH.pylori外膜ポリペプチドまたはそのフラグメントは 、SEQ ID NO:74、SEQ ID NO:115、SEQ ID NO:87、SEQ ID NO:116、SEQ ID N O:84、およびSEQ ID NO:144からなる群より選択され、末端フェニルアラニン 残基およびC末端チロシンクラスターを有するH.pyloriポリペプチドまたはその フラグメントである。 他の実施態様においてはH.pylori外膜ポリペプチドまたはそのフラグメント は、SEQ ID NO:89、SEQ ID NO:118、SEQ ID NO:108、SEQ ID NO:110、SEQ I D NO:80、SEQ ID NO:112、SEQ ID NO:128、SEQ ID NO:91、SEQ ID NO:92、 SEQ ID NO:101、SEQ ID NO:103、SEQ ID NO:125、SEQ ID NO:127、SEQ ID N O:129、およびSEQ ID NO:131からなる群より選択され、末端フェニルアラニン 残基を有するH.pyloriポリペプチドまたはそのフラグメントである。 精製または単離されたH.pylori分泌ポリペプチドまたはそのフラグメントが特 に好ましく、この場合、ポリペプチドは、SEQ ID NO:145、SEQ ID NO:105、SE Q ID NO:124、SEQ ID NO:75、SEQ ID NO:77、SEQ ID NO:82、SEQ ID NO:86 、SEQ ID NO:95、SEQ ID NO:102、SEQ ID NO:104、SEQ ID NO:106、SEQ ID NO:107、SEQ ID NO:109、SEQ ID NO:111、SEQ ID NO:113、SEQ ID NO:114 、SEQ ID NO:117、SEQ ID NO:119、SEQ ID NO:122、SEQ ID NO:126、SEQ ID NO:132、SEQ ID NO:134、SEQ ID NO:135、SEQ ID NO:136、SEQ ID NO:138 、SEQ ID NO:139、SEQ ID NO:140、およびSEQ ID NO:141からなる群より選択 される。 精製または単離されたH.pylori細胞性ポリペプチドまたはそのフラグ メントが特に好ましく、この場合、ポリペプチドはSEQ ID NO:85、SEQ ID NO: 88、SEQ ID NO:93、SEQ ID NO:96、SEQ ID NO:97、SEQ ID NO:99、SEQ ID N O:100、SEQ ID NO:120、SEQ ID NO:123、SEQ ID NO:133、SEQ ID NO:137、 SEQ ID NO:142、SEQ ID NO:143、およびSEQ ID NO:146からなる群より選択さ れる。 他の態様においては、本発明は、H.pyloriポリペプチドの上に定義された群か らのそれぞれのH.pyloriポリペプチドメンバーまたはこのようなメンバーをコー ドする核酸に関する。 他の態様においては、本発明は、H.pyloriのmRNAに結合できる核酸を特徴 とする。このような核酸は、H.pyloriのmRNAの翻訳を制御するアンチセンス 核酸として作用することができる。さらに他の態様は、H.pylori核酸に特異的に 結合できる核酸を特徴とする。これらの核酸はまた、本明細書においては補体と も呼ばれ、プローブとしておよび捕獲試薬としての有用性を有する。 他の態様においては、本発明は、H.pylori核酸に相当するオープンリーディン グフレームからなる発現システムを特徴とする。核酸はさらに、意図される宿主 に適合性の制御配列からなる。発現システムはH.pylori核酸に相当するポリペプ チドの作成に有用である。 他の態様においては、本発明はH.pyloriポリペプチド製造のために発現システ ムでトランスフォームされた細胞を特徴とする。 他の態様においては、本発明はH.pyloriポリペプチドに特異的に結合できるH. pyloriポリペプチドに対する抗体を発生させる方法を特徴とする。このような抗 体はH.pylori特異的抗原の存在量および分布を評価するイムノアッセイの試薬と して有用性を有する。 他の態様においては、本発明はH.pyloriに対して個体を免疫処置するためのワ クチンを産生させる方法を特徴とする。ワクチン接種方法には、対象を少なくと も1種の本発明のH.pyloriポリペプチド、たとえば表面 もしくは分泌ポリペプチドまたはそれらの活性部分、および医薬的に許容される 担体で免疫処置することが包含される。こようなワクチンは治療的および/また は予防的な有用性を有する。 他の態様においては、本発明は修飾された免疫原性H.pyloriポリペプチド、た とえば表面もしくは分泌ポリペプチドまたはそれらの活性部分、および医薬的に 許容される担体からなるワクチンを産生させる方法を提供する。 他の態様においては、本発明は、化合物、たとえばポリペプチドたとえば宿主 細胞ポリペプチドのフラグメントを、H.pyloriポリペプチドを結合する能力につ いて評価する方法を特徴とする。この方法は候補化合物をH.pyloriポリペプチド と接触させ、その化合物がH.pyloriポリペプチドを結合するかまたは相互作用す るかを決定することを包含する。H.pyloriを結合する化合物はその細菌の生活環 のアクティベーターまたはインヒビター候補である。これらのアッセイはインビ トロまたはインビボにおいて実施することができる。 他の態様においては、本発明は、化合物たとえばポリペプチドたとえば宿主細 胞ポリペプチドのフラグメントを、H.pylori核酸たとえばDNAまたはRNAを 結合する能力について評価する方法を特徴とする。この方法は、候補化合物をH. pylori核酸と接触させ、その化合物がH.pyloriポリペプチドを結合するかまたは 相互作用するかを決定することを包含する。H.pyloriを結合する化合物は、その 細菌の生活環のアクティベーターまたはインヒビター候補である。これらのアッ セイは、インビトロまたはインビボにおいて実施することができる。 本発明は、H.pyloriポリペプチド、好ましくは実質的に純粋なH.pyloriポリペ プチドのプレパレーション、または組換えH.pyloriポリペプチドを特徴とする。 好ましい実施態様においては、そのポリペプチドは生物活性を有し、そのポリペ プチドは、配列表に含まれる本発明のアミノ酸配列 と少なくとも60%、70%、80%、90%、95%、98%または99%が同一または相同 のアミノ酸配列、好ましくは配列表に含まれる本発明のアミノ酸配列と約65%の 配列同一性を有し、特に好ましくは配列表に含まれる本発明のアミノ酸配列と約 92%〜約99%の配列同一性を有し、そのポリペプチドは配列表に含まれる本発明 のアミノ酸配列と本質的に同一のアミノ酸配列を有し、そのポリペプチドの長さ は、少なくとも5、10、20、50、100または150のアミノ酸残基、少なくとも5、 好ましくは少なくとも10、さらに好ましくは少なくとも20、特に好ましくは少な くとも50、100または150の配列表に含まれる本発明の連続したアミノ酸残基を有 する。さらに他の好ましい実施態様においては、配列表に含まれる本発明のH.py loriアミノ酸配列と配列同一性が約7%〜8%まで相違するアミノ酸配列も本発 明に包含される。 好ましい実施態様においては、H.pyloriポリペプチドは配列表に含まれる本発 明の核酸または配列表に含まれる本発明の核酸と少なくとも60%、70%、80%、 90%、95%、98%もしくは99%のホモロジーを有する核酸によりコードされる。 好ましい実施態様においては、対象のH.pyloriポリペプチドは配列表に含まれ る本発明の配列と1、2、3、5、10またはそれ以上の残基においてアミノ酸配 列が異なる。しかしながらその相違はH.pyloriポリペプチドがH.pyloriの生物活 性を発揮し、たとえばH.pyloriポリペプチドは天然に存在するH.pyloriポリペプ チドの生物活性を維持する。 好ましい実施態様においては、ポリペプチドは、付加的なアミノ酸残基、好ま しくは配列表に含まれる本発明の配列をコードするゲノムDNAに対し5'または 3'のゲノムDNAによってコードされている残基にリーディングフレームで融合 した、配列表に含まれる本発明のアミノ酸配列の全配列またはフラグメントを包 含する。 さらに他の好ましい実施態様においては、H.pyloriポリペプチドは、第1のH. pyloriポリペプチド部分と、第2のポリペプチド部分たとえばH.pyloriに無関係 なアミノ酸配列を有する第2のポリペプチド部分をもつ組換え融合タンパク質で ある。第2のポリペプチド部分は、たとえばグルタチオン−S−トランスフェラ ーゼ、DNA結合ドメインまたはポリメラーゼ活性化ドメインとすることができ る。好ましい実施態様においては、融合タンパク質は二ハイブリッドアッセイに 使用することができる。 本発明のポリペプチドは、可変転写現象、可変RNAスプライシング現象、な らびに可変翻訳現象および可変翻訳後現象の結果として生じるポリペプチドを包 含する。 本発明はまた、免疫原性プレパレーション中に少なくとも1種のH.pyloriポリ ペプチドを含む免疫原性成分を包含し、この場合、免疫原性成分はH.pyloriポリ ペプチドに特異的な免疫応答、たとえば体液性応答、抗体応答または細胞応答を 誘発できる。好ましい実施態様においては、免疫原性成分は配列表に含まれる本 発明のポリペプチドからの少なくとも1種の抗原決定基からなる。 他の態様においては、本発明は、H.pyloriポリペプチドをコードするヌクレオ チド配列を有する実質的に純粋な核酸を提供する。好ましい実施態様においては 、コードされたポリペプチドは生物活性を有し、コードされたポリペプチドは配 列表に含まれる本発明のアミノ酸配列に対して少なくとも60%、70%、80%、90 %、95%、98%もしくは99%が相同のアミノ酸配列を有し、コードされたポリペ プチドは配列表に含まれる本発明のアミノ酸配列と本質的に同一のアミノ酸配列 を有し、コードされたポリペプチドの長さは少なくとも5、10、20、50、100ま たは150のアミノ酸であり、コードされたポリペプチドは少なくとも5、好まし くは少なくとも10、さらに好ましくは少なくとも20、特に好ましくは少なくとも 50、100または150の配列表に含まれる本発明の連続したアミノ酸配列からなる。 好ましい実施態様においては、本発明の核酸は配列表に含まれる核酸である。 核酸は、配列表に含まれる本発明の核酸配列と少なくとも60%、70%、80%、90 %、95%、98%もしくは99%が相同である。 好ましい実施態様においては、コードされたH.pyloriポリペプチドは、配列表 に含まれる本発明の配列から1、2、3、5、10またはそれ以上の残基において アミノ酸配列が異なっている(たとえば、アミノ酸置換、少なくとも1個のアミ ノ酸残基の付加または欠失による)。しかしながら、その差はH.pyloriによって コードされるポリペプチドがH.pyloriの生物活性を発揮し、たとえばコードされ たH.pylori酵素が天然に存在するH.pyloriの生物活性を維持するような相違であ る。 好ましい実施態様においては、コードされたポリペプチドは、付加的なアミノ 酸残基、好ましくは配列表に含まれる本発明の配列をコードするゲノムDNAに 対し5'または3'のゲノムDNAによってコードされている残基にリーディングフ レームで融合した、配列表に含まれる本発明のアミノ酸配列の全配列またはフラ グメントを包含する。 好ましい実施態様においては、対象のH.pylori核酸は転写調節配列、たとえば 少なくとも1種の転写プロモーターまたは転写エンハンサー配列を包含し、この 配列はH.pylori遺伝子配列の組換え宿主細胞内における発現に適するようにH.py lori遺伝子配列に実施可能なように連結される。 さらに他の好ましい実施態様においては、本発明のH.pyloriポリペプチドをコ ードする核酸は、配列表に含まれる本発明の少なくとも8個の連続的ヌクレオチ ド、好ましくは配列表に含まれる本発明の少なくとも12個の連続的ヌクレオチド 、さらに好ましくは配列表に含まれる本発明の少なくとも20個の連続的ヌクレオ チド、特に好ましくは配列表に含まれる本発明の少なくとも40個の連続的ヌクレ オチドに相当する核酸プローブに緊縮条件下ハイブリダイズする。 好ましい実施態様においては、核酸は、配列表に含まれる本発明の配列から少 なくとも1個のアミノ酸残基が異なるペプチドをコードする。 好ましい実施態様においては、核酸は、配列表に含まれる本発明のアミノ酸を コードする配列表に含まれる本発明のヌクレオチド配列から少なくとも1個のヌ クレオチドが異なる。 他の態様においては、本発明は、H.pyloriポリペプチドまたは本明細書に記載 のH.pyloriポリペプチドの変異体をコードする核酸を含有するベクター;そのベ クターでトランスフェクトされた宿主細胞;およびその細胞をたとえば細胞培養 培地中で培養し、H.pyloriまたはH.pyloriポリペプチド変異体をたとえば細胞ま たは細胞培養培地から単離することを含む組換えH.pyloriポリペプチドまたはH. pyloriポリペプチド変異体の製造方法を包含する。 他の態様においては、本発明は、配列表に含まれる本発明の配列と少なくとも 50%、60%、70%、80%、90%、95%、98%または99%のホモロジーを有する精 製された組換え核酸を特徴とする。 本発明はまた、実質的に精製されたオリゴヌクレオチドを含むプローブまたは プライマーを提供する。このオリゴヌクレオチドは、配列表に含まれる本発明の センスまたはアンチセンス配列の少なくとも8個の連続的ヌクレオチドに緊縮条 件下にハイブリダイズするヌクレオチド配列の領域、またはその天然に存在する それらの突然変異体を包含する。好ましい実施態様においては、プローブまたは プライマーはさらにそれらに結合した標識グループを包含する。標識グループは たとえば放射性同位元素、蛍光化合物、酵素および/または酵素補因子とするこ とができる。オリゴヌクレオチドの長さは好ましくは、少なくとも8で、10、20 、30、50、100または150ヌクレオチド未満である。 本発明はまた、配列表に含まれる核酸に緊縮ハイブリダイゼーション条件下に おいてハイブリダイズする核酸によってコードされる単離されたH. pyloriポリペプチドを提供する。 本発明はさらに、本発明のポリペプチドをコードする核酸たとえばRNAまた はDNAを提供する。これには、二本鎖核酸ならびにコードおよびアンチセンス 一本鎖が包含される。 そのゲノム配列が配列決定されたH.pylori株はHP-J99としてAmerican Type Cu lture Collectionに寄託された(ATCC # 55679;Genome Therapeutics Corporat ion,100 Beaver Street,Waltham,MA 02154により寄託)。 本発明には、対立遺伝子変異体;天然の突然変異体;誘発突然変異体;配列表 に含まれる本発明のポリペプチドをコードする核酸に、高または低緊縮条件下に ハイブリダイズするDNAによってコードされるタンパク質(高および低緊縮条 件の定義についてはCurrent Protocols in Molecular Biology,John Wiley & S ons,New York,1989,6.3.1-6.3.6および6.4.1-6.4.10参照,引用により本明細 書に導入される);およびH.pyloriポリペプチドに対する抗血清、特にH.pylori ポリペプチドの活性部位または結合ドメインに対する抗血清によって特異的に結 合されるポリペプチドが包含される。本発明はまた、フラグメント、好ましくは 生物学的に活性なフラグメントを包含する。これらのおよび他のポリペプチドは また、本明細書においては、H.pyloriポリペプチド類縁体または変異体としても 言及される。 推定される機能は表1に示すように本発明のH.pyloriポリペプチド数種につい て決定された。 したがって特許請求されたH.pyloriポリペプチドの、これらの同定された機能 および本明細書に記載の他の機能に基づく使用も本発明の範囲内に包含される。 さらに、本発明には以下の表1に示されるような特徴を有するH.pyloriポリペ プチド、たとえばH.pylori細胞エンベロープタンパク質、H. pylori分泌タンパク質、およびH.pylori細胞性タンパク質が包含される。これら の群のメンバーは、BLASTホモロジー検索ならびに分泌シグナルまたは膜貫通タ ンパク質モチーフの検索によって同定された。表1のポリペプチドと有意なホモ ロジーによって類似するポリペプチドは表1に示されるホモロジーの様式で分類 することも考えられる。 表1中、ntはヌクレオチドの配列番号を、aaはアミノ酸の配列番号を示す。定義 「精製されたポリペプチド」および「単離されたポリペプチド」および「ポリ ペプチドの実質的に純粋なプレパレーション」なる用語は本明細書においては互 いに交換可能に使用され、本明細書において用いられるように、それとともに天 然に存在する他のタンパク質、脂質および核酸から分離されているという意味で ある。好ましくはポリペプチドはまた、その精製に使用される物質たとえば抗体 またはゲルマトリックスたとえばポリアクリルアミドからも分離される。好まし くはポリペプチドは精製されたプレパレーションの乾燥重量の少なくとも10、20 、50、70、80または95%を構成する。好ましくは、プレパレーションはタンパク 質の配列決定を可能にする十分なポリペプチド、少なくとも1、10または100μg のポリペプチド、少なくとも1、10または100mgのポリペプチドを含有する。さ らに、本明細書において用いられる「精製されたポリペプチド」および「単離さ れたポリペプチド」および「ポリペプチドの実質的に純粋なプレパレーション」 なる用語は、天然から得られたポリペプチドまたは本明細書に記載の組換えDN A技術により産生されたポリペプチドの両者を指して用いられる。 たとえば、「単離された」もしくは「精製された」タンパク質またはその生物 学的に活性な部分は、細胞性物質またはH.pyloriタンパク質が由来する細胞もし くは組織源からの他の夾雑タンパク質を実質的に含まず、またそれが化学的に合 成された場合には、化学的前駆体もしくは他の化学物質を実質的に含まない。「 細胞性物質を実質的に含まない」なる用語は、タンパク質は、それが単離された または組換えにより産生された細胞の細胞成分から分離されているH.pyloriタン パク質のプレパレーションを包含する。一実施態様においては「細胞性物質を実 質的に含まない」なる用語は約30%(乾燥重量に対して)未満の非H.pyloriタン パク質(本明細書においては「夾雑タンパク質」ともいう)、好ましくは約20% 未満の 非H.pyloriタンパク質、さらに好ましくは約10%未満の非H.pyloriタンパク質、 特に好ましくは約5%未満の非H.pyloriタンパク質を含有するH.pyloriタンパク 質のプレパレーションを包含する。H.pyloriタンパク質またはその生物学的に活 性な部分が組換えによって製造された場合は、それはまた培養培地を実質的に含 まないことが好ましく、すなわち、培養培地の存在はタンパク質プレパレーショ ンの容量の約20%未満、さらに好ましくは約10%未満、特に好ましくは約5%未 満である。 「化学的前駆体または他の化学物質を実質的に含まない」なる用語は、タンパ ク質がそのタンパク質の合成に関与する化学的前駆体または他の化学物質から分 離されているH.pyloriタンパク質のプレパレーションを包含する。一実施態様に おいては「化学的前駆体または他の化学物質を実質的に含まない」なる用語は約 30%(乾燥重量に対して)未満の化学的前駆体または非H.pylori化学物質、好ま しくは約20%未満の化学的前駆体または非H.pylori化学物質、さらに好ましくは 約10%未満の化学的前駆体または非H.pylori化学物質、特に好ましくは約5%未 満の化学的前駆体または非H.pylori化学物質を含有するH.pyloriタンパク質のプ レパレーションを包含する。 細胞の精製されたプレパレーションとは、植物または動物細胞の場合、細胞の インビトロプレパレーションを意味し、無傷の全植物または動物ではない。培養 された細胞または微生物細胞の場合、それは少なくとも10%、さらに好ましくは 50%の対象細胞のプレパレーションから構成される。 精製されたもしくは単離されたまたは実質的に純粋な核酸、たとえば実質的に 純粋なDNA(これらの用語は本明細書においては互いに交換可能に使用される )は以下の一つまたは両者の核酸である。すなわち、核酸が由来する生物体の天 然に存在するゲノム中で直接連続するコード配列の両者に(すなわち一つは5'末 端に一つは3'末端に)直接連続しないか、または核酸が由来する生物体中に存在 する核酸を実質的に含まない核酸である。 この用語はたとえば、ベクターたとえば自動的に複製するプラスミドもしくはウ イルス、あるいは原核性もしくは真核性または他のDNA配列とは独立に分離さ れた分子(たとえばcDNA、またはPCRもしくは制限エンドヌクレアーゼ処理によ って産生されるゲノムDNAフラグメント)として存在するゲノムDNA内に導入 された組換えDNAを包含する。実質的に純粋なDNAにはまた、付加的なH.py lori DNA配列をコードするハイブリッド遺伝子の部分である組換えDNAも 包含される。 本明細書において使用される「コンティーグ」なる用語は、生物体のゲノム配 列の連続ストレッチを表す核酸である。 「オープンリーディングフレーム」は本明細書ではORFとも呼ばれ、ポリペ プチドをコードする核酸の領域である。この領域はコード配列または全配列の部 分を示し、停止コドンから停止コドンまたは開始コドンから停止コドンを決定す ることができる。 本明細書において用いられる「コード配列」なる用語は、適当な調節配列の制 御下に配置された場合、メッセンジャーRNAへの転写および/またはポリペプ チドへの翻訳を受ける核酸である。コード配列の境界は5つのプライム末端にお ける翻訳開始コドンおよび3つのプライム末端における翻訳停止コードによって 決定される。コード配列にはメッセンジャーRNA、合成DNA、および組換え 核酸配列が包含されるが、これらに限定されるものではない。 本明細書で用いられる核酸の「相補体」なる用語は、元の配列とのワトソン− クリック塩基対に関与するアンチパラレルまたはアンチセンス配列を意味する。 「遺伝子産物」は遺伝子によって特異的にコードされるタンパク質または構造 RNAである。 本明細書において用いられる「プローブ」なる用語は、関心分子に特異的に結 合する核酸、ペプチドまたは他の化学的実体を意味する。プローブ は多くの場合、標識と結合しているかまたは標識と結合できる。標識は検出可能 な化学的部分である。典型的な標識は染料、放射性同位元素、ルミネッセンスお よび化学ルミネッセンス部分、蛍光原、酵素、沈殿剤、増幅配列等からなる。同 様に関心分子に特異的に結合し、このような分子を固定化する核酸、ペプチドま たは他の化学的実体は本明細書においては「捕獲リガンド」と呼ばれる。捕獲リ ガンドは通常、支持体たとえばニトロセルロース、ガラス、ナイロン膜、ビーズ 、粒子等に結合しているかまたはそれらと結合することができる。ハイブリダイ ゼーションの特異性はたとえばヌクレオチドの塩基対組成ならびに反応の温度お よび塩濃度のような条件に依存する。これらの条件は通常の実験を用いて当業者 には容易に認識できる。 相同性とは2つのポリペプチドまたは2つの核酸分子の間の配列類似性または 配列同一性を意味する。比較した2つの配列の両者における位置が同じ塩基また はアミノ酸モノマーサブユニットによって占拠されている場合、たとえば2つの DNA分子のそれぞれにおける位置がアデニンにより占められている場合、その 分子はその位置において相同である。2つの配列の間のホモロジーの百分率は、 2つの配列がともに有するマッチしたまたは相同の位置の数を比較した位置の数 で除して100倍した関数である。たとえば2つの配列中10個の位置の6個がマッ チしているかまたは相同の場合には、2つの配列は60%のホモロジーを有する。 例を挙げればDNA配列ATTGCCとTATGGCは50%のホモロジーを有す る。一般に、比較は2つの配列を最大のホモロジーを与えるようにアラインして 行われる。 核酸の少なくとも1個の鎖が、所定の緊縮条件下に他の核酸にアニーリングで きる場合、両核酸は互いにハイブリダイズすることができる。ハイブリダイゼー ションの緊縮度は、(a)ハイブリダイゼーションおよび/または洗浄が行われ る温度、ならびに(b)ハイブリダイゼーションおよ び洗浄溶液のイオン強度および極性によって決定される。ハイブリダイゼーショ ンには2つの核酸が相補性の配列を含有することを必要とし、しかしながら、ハ イブリダイゼーションの緊縮度によってはミスマッチも許容し得る。通常、高緊 縮度(たとえば、0.5×SSCの溶液中65℃)における2つの配列のハイブリダイゼ ーションは配列が本質的に完全に相同であることを要求する。中間の緊縮度(た とえば2×SSC、65℃)および低緊縮度(たとえば、2×SSC、55℃)の条件では 、ハイブリダイズする配列の間には、相応してより低い全体的な相補性が要求さ れる(1×SSCは、0.15M NaCl、0.015Mクエン酸ナトリウム)。緊縮ハイブリ ダイゼーション条件の好ましい非限定的な例には6×塩化ナトリウム/クエン酸 ナトリウム(SSC)、約45℃におけるハイブリダイゼーション、ついで0.2×SSC、0 .1%SDS、50〜65℃における1回またはそれ以上の洗浄である。 ペプチド、タンパク質およびポリペプチドなる用語は本明細書においては互い に交換可能に使用される。. 本明細書で用いられる「表面タンパク質」なる用語は、表面に接近可能なすべ てのタンパク質、たとえば内膜および外膜タンパク質、細胞壁に接着するタンパ ク質ならびに分泌タンパク質を意味する。 ポリペプチドは、1つ、2つおよび好ましくはそれ以上の以下の性質をもつ場 合にはH.pylori生物活性を有する。それらの性質は(1)H.pylori感染の過程で 発現された場合、細胞へのH.pyloriの付着を促進または誘導する;(2)H.pylo riタンパク質に特徴的な酵素活性、構造または調節機能を有する;(3)ポリペ プチドをコードする遺伝子はH.pylori遺伝子における致死的突然変異をレスキュ ーできる;(4)患者に免疫原性である。ポリペプチドは上に掲げた性質の1つ を有するポリペプチドのアンタゴニスト、アゴニストまたはスーパーアゴニスト である場合には生物活性を有する。 生物学的に活性なフラグメントまたは類縁体とは、配列表に含まれる本 発明のH.pyloriポリペプチドまたは他の天然に存在するH.pyloriポリペプチドに 特徴的なインビボまたはインビトロ活性、たとえば、本明細書に記載の1種また は2種以上の生物活性を有するフラグメントもしくは類縁体である。インビボに 存在するフラグメント、たとえば、転写後プロセッシングからまたは別のスプラ イシングを受けたRNAの翻訳から生じるフラグメントが特に好ましい。フラグ メントには未変性のまたは内因性の細胞中で発現されるフラグメントならびに発 現システムたとえばCHO細胞中において作成されるフラグメントが包含される 。H.pyloriポリペプチドのようなペプチドは、しばしばある範囲の生理学的性質 を示すことから、またこのような性質は分子の異なる部分に起因する可能性があ ることから、有用なH.pyloriフラグメントまたはH.pylori類縁体は、H.pylori活 性の任意の生物学的アッセイにおいて生物活性を示すフラグメントまたは類縁体 である。特に好ましいフラグメントまたは類縁体はインビボまたはインビトロア ッセイにおいて、10%、好ましくは40%、特に好ましくは60%、70%、80%もし くは90%またはそれ以上のH.pylori活性を有する。 類縁体は天然に存在するH.pyloriポリペプチドとアミノ酸配列においてもしく は配列が関与しない様式でまたはその両者によって相違する。非配列修飾にはア セチル化、メチル化、リン酸化、カルボキシル化またはグリコシル化の変化が包 含される。好ましい類縁体には、その配列が、H.pyloriポリペプチドの生物活性 を実質的に減弱させることがない1個もしくは2個以上の同類アミノ酸置換また は1個もしくは2個以上の同類アミノ酸置換、欠失もしくは挿入によって野生型 配列とは異なるH.pyloriポリペプチド(またはそれらの生物学的に活性なフラグ メント)が包含される。同類置換には通常、あるアミノ酸の類似の特性を有する 他のアミノ酸による置換、たとえばバリン、グリシン;グリシン、アラニン;バ リン、イソロイシン、ロイシン;アスパラギン酸、グルタミン酸;アスパラギン 、グルタミン:セリン、スレオニン;リジン、アルギニン;およびフェニル アラニン、チロシンのような群内での置換が包含される。他の同類置換は以下の 表を参照することができる。 本発明に含まれる他の類縁体には、ペプチドの安定性を上昇させる修飾を有す る類縁体がある。このような類縁体はたとえば、1個または2個以上の非ペプチ ド結合(ペプチド結合を置換する)をペプチド配列中に含有していてもよい。同 じく、天然に存在するL−アミノ酸以外の残基、たとえばD−アミノ酸もしくは 天然に存在しないまたは合成のアミノ酸たとえばβまたはγアミノ酸、および環 状類縁体が包含される。 本明細書において用いられる「フラグメント」なる用語は、H.pylori類縁体に 適用された場合、通常その長さが少なくとも約20個の残基、より典型的には少な くとも約40個の残基、好ましくは少なくとも約60個の残基である。H.pyloriポリ ペプチドのフラグメントは当業者には周知の方法によって発生させることができ る。H.pyloriポリペプチドの生物活性を発揮する候補フラグメントの能力は本明 細書に記載するように、当業者に周知の方法によって評価することができる。ペ プチドの生物活性に不要の残基または別のmRNAスプライシングもしくは別の タンパク質プロセッシング現象から生じた残基を含有するH.pyloriポリペプチド も本発明に包含される。 本明細書で用いられる「免疫原性成分」とは、単独でまたはアジュバントとの 組合せで、宿主動物において体液性および/または細胞免疫反応を誘発できるH. pyloriポリペプチド、その類縁体またはフラグメントのような部分である。 本明細書で用いられる「抗原性成分」とは、特異的な抗体に十分高い親和性で 結合して検出可能な抗原−抗体複合体を形成できるH.pyloriポリペプチド、その 類縁体またはフラグメントのような部分である。 本明細書で用いられる「導入遺伝子」なる用語は、それが導入されるトランス ジェニック動物もしくは細胞に対して部分的にまたは完全に異種外来性、または それが導入されるトランスジェニック動物もしくは細胞の内因性遺伝子に相同で あるが、それが挿入される細胞のゲノムを変えるよう な方法で細胞のゲノムに挿入される(たとえば、天然の遺伝子とは異なる位置に 挿入されるかまたはその挿入がノックアウトを生じる)ように設計されているか または挿入される、すなわち、核酸(たとえば、1種または2種以上のポリペプ チドをコードする)を意味する。導入遺伝子は選択された核酸の至適発現のため に必要な、選択された核酸にすべて実施可能なように連結する1種もしくは2種 以上の転写調節配列および他の核酸たとえばイントロンを包含することが可能で 、またエンハンサー配列を包含していてもよい。 本明細書で用いられる「トランスジェニック細胞」なる用語は導入遺伝子を含 有する細胞を意味する。 本明細書で用いられる「トランスジェニック動物」なる用語は動物の細胞の1 つまたは2つ以上、好ましくは本質的にすべての細胞が導入遺伝子を含む動物を 意味する。導入遺伝子は細胞に、直接的にまたは細胞の前駆体への導入により間 接的に、計画的な遺伝子操作により、たとえばコンピテント細胞の形質転換方法 もしくはマイクロインジェクションにより、または組換えウイルスの感染によっ て導入することができる。この分子は染色体内にインテグレートされてもよく、 また染色体外で複製するDNAであってもよい。 本明細書で用いられる「抗体」なる用語は、H.pyloriポリペプチドと特異的に 反応するそのフラグメントを包含することを意図するものである。 本明細書で用いられる「細胞特異的プロモーター」なる用語は、プロモーター として働くDNA配列、すなわちプロモーターに実施可能なように連結した選択 されたDNA配列の発現を調節し、特異的な組織細胞において選択されたDNA 配列の発現を行うDNA配列を意味する。この用語はまた、ある組織での選択さ れたDNAの発現を主として調節するが、他の組織でも発現を起こさせる、いわ ゆる「漏出」プロモーターも含んでいる。 本明細書で用いられる「異常発現」とは非野生型パターンの遺伝子発現を意味 する。それには、非野生型レベル、すなわち過剰または過少発現、遺伝子が発現 する時期または段階の点で野生型とは異なる発現のパターン、たとえば所定の発 生時期または段階における(野生型と比較して)増大または低減した発現、所定 の細胞型または組織型における(野生型と比較して)低減した発現の点で野生型 とは異なる発現パターン、発現したポリペプチドのスプライシングサイズ、アミ ノ酸配列、転写後修飾または生物活性の点で野生型とは異なる発現パターン、遺 伝子の発現に対する環境刺激または細胞外刺激の効果の点で野生型とは異なる発 現パターン、たとえば増大または低下した刺激強度の存在下における(野生型と 比較して)増大または低減した発現パターンが包含される。 本明細書で用いられる「宿主細胞」、および単細胞体として培養される微生物 または高等真核細胞系を意味する他のこの種の用語は、組換えベクターまたは他 のトランスファーDNAのレシピエントになることができるかまたはレシピエン トとして使用された細胞を意味し、トランスフェクトされた元の細胞の子孫を包 含する。当業者には理解されるように、単一の親細胞の子孫は、偶発的または計 画的な突然変異により、元の親細胞に相補的なゲノムまたは総DNAは必ずしも 完全に同一ではない。 本明細書で用いられる「制御配列」なる用語は、それらがライゲートされたコ ード配列の発現を行う宿主細胞により認識される塩基配列を有する核酸を意味す る。このような制御配列の性質は宿主生物に依存して異なる。原核細胞において は、このような制御配列は一般的にプロモーター、リボソーム結合部位、ターミ ネーター、および場合によってはオペレーターを包含する。真核細胞においては 一般的に、このような制御配列はプロモーター、ターミネーター、および場合に よりエンハンサーを包含する。制御配列なる用語は最小限、その存在が発現に必 要なすべての成分を包含することを意図するものであり、その存在が有利である 付加的な成分たとえば リーダー配列を包含してもよい。 本明細書で用いられる「実施可能なように連結」なる用語は、それらが意図す る様式で機能するように配列を接合またはライゲートすることを意味する。たと えば制御配列は、コード配列の発現が制御配列および宿主細胞に適合する条件下 に達成されるように、ライゲーションによりコード配列に実施可能なように連結 される。 本明細書で用いられる物質の代謝とは、物質の発現、機能、作用または調節の 任意の局面を意味する。物質の代謝には、その物質が他の物質において誘導する 修飾たとえば物質の共有結合または非共有結合による修飾を包含する。物質の代 謝にはまた、物質の分布変化が包含される。物質の代謝にはその物質が誘導する 他の物質の分布変化も包含される。 本明細書で用いられる「サンプル」なる用語は、生物学的サンプルたとえば個 体から単離される組織または液体(それらに限定されるものではないが、血漿、 血清、脳脊髄液、リンパ液、涙液、唾液および組織切片)またはインビトロ細胞 培養構成成分、ならびに環境からのサンプルを意味する。 本発明の実施に際しては、特に他の指示がない限り、当業者の技術の範囲内に ある化学、分子生物学、微生物学、組換えDNAおよび免疫学の慣用技術が採用 される。このような技術は、文献に完全に説明されている。たとえば、Sambrook ,Fritsch & Maniatis,Molecular Cloning;Laboratory Manual 2nd ed.(1989) ;DNA Cloning,Volumes I & II(D.N.Glover ed.1985);Oligonucleotide Synt hesis(M.J.Gait ed.1984);Nucleic Acid Hybridization(B.D.Hames & S.J .Higgins ed.1984);Methods in Enzymology(Academic Press,Inc.)のシリ ーズ、特にVol.154 & Vol.155(Wu & Grossman ed.)およびPCR-A Practical Ap proach(McPherson,Quirke & Taylor,ed.1991)参照。 I.H.pylori の核酸の単離およびそれらの使用 H.pylori のゲノム配列 本発明は、H.pyloriのゲノムDNAのDNA配列ライブラリーからなるH.pylo riゲノムのヌクレオチド配列を提供する。以下の詳細な記載はH.pyloriのヌクレ オチド配列を提供し、またこの配列の取得方法ならびにORFおよびタンパク質 コード配列の同定方法を説明する。また、開示されたH.pylori配列の使用方法た とえば診断および治療への適用方法が説明される。さらに、ライブラリーはこの および他のH.pylori株の医学的に重要な配列の同定および比較のためのデータベ ースとして使用できる。 H.pyloriのゲノム配列を決定するためには、H.pylori株(ATCC # 55679;Genom e Therapeutics Corporation,100 Beaver Street,Waltham,MA02154により寄 託)からDNAを単離し、噴霧により機械的に中央サイズ2kbに剪断した。ゲル 電気泳動によってサイズ分画したのち、フラグメントをブラント末端化し、アダ プターオリゴヌクレオチドにライゲートし、20種の異なるpMPXベクター(Riceら ,abstract of Meeting of Genome Mapping and Sequencing,Cold Spring Harb or,NY,5/11-5/15,1994,p.225)にクローン化して一連の「ショットガン」サ ブクローンライブラリーを構築した。 DNAの配列決定はChurchら(Science 240:185,1988;米国特許4,942,124お よび5,149,625)により開示されたマルチプレックス配列決定操作に本質的に従 い実施した。DNAをプールした培養液から抽出し、化学的または酵素的配列決 定に付した。配列決定反応混合物を電気泳動により分割し、生成物をナイロン膜 に移して共有結合させた。最後に膜を、異なるショットガンクローニングベクタ ー中に存在する「タグ」配列に相補性の一連の標識オリゴヌクレオチドと順次ハ イブリダイズさせた。この方法により、単一セットの配列決定反応から多数の配 列を得ることができた。クローニングおよび配列決定操作はさらに詳細に実験例 で説明する。 この方法により得られた個々の配列の読みを、FALCON(登録商標)プロ グラム(Churchら,1994,Automated DNA Sequencing and Analysis,J.C.Ven tered.,Academic Press)、およびPHRAP(P.Green,Abstracts of DOE Human Genome Program Contractor-Grantee Workshop,V,Jan.1996,p.157)を用い アセンブルした。コンティーグの平均の長さは約3〜4kbであった。 全H.pyloriゲノムを提供する連続した配列が得られるようにコンティーグを順 番に並べるためには様々な方法が使用される。各コンティーグの末端における配 列に相補性の合成オリゴヌクレオチドを設計する。これらのオリゴヌクレオチド は、たとえばλファージベクターまたはプラスミドベクター中のH.pyloriゲノム DNAのライブラリーにハイブリダイズし、個々のコンティーグの間の接合領域 に相当する配列を含むクローンを同定する。このようなクローンはついで鋳型D NAの単離に使用し、また同じオリゴヌクレオチドは接合部フラグメントを増幅 するポリメラーゼ連鎖反応(PCR)においてプライマーとして使用され、ついで そのヌクレオチド配列が決定される。 H.pylori配列は少なくとも180個のヌクレオチドからなるオープンリーディン グフレーム(ORF)の存在について分析した。ORFの分析の結果は停止−停止 コドンの読みに基づくので、これらのORFは、天然に存在するH.pyloriポリペ プチドのORFに相当しない場合があることを理解すべきである。これらのOR Fは天然に存在するH.pyloriポリペプチドのタンパク質合成の開始を指示する開 始コドンを含有する可能性がある。ここで与えられたORF内のこのような開始 コドンは当業者によれば同定が可能であり、得られたORFおよびコードされる H.pyloriポリペプチドは本発明の範囲内に包含される。たとえばORFには、タ ンパク質合成の開始シグナルの部分であるコドンたとえばAUGまたはGUG( メチオニンまたはバリンをコードする)が同定可能であり、ORFは天然に存在 するH.pyloriポリペプチドに相当するように修飾できる。予測されるコ ード領域はこのような配列のコードの可能性をプログラムGENEMARK(登録商標; Borodovsky & McIninch,Comp.Chem,17:123,1993)を用いて評価することに より定められた。 他のH.pylori核酸 本発明の核酸は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用い上述のH.pylori株のD NAから直接得られる。PCRに関する詳細については“PCR,A PracticalAppr oach”(McPherson,Quirke & Taylor ed.,IRL Press,Oxford,UK,1991)を 参照されたい。忠実度の高いPCRは発現に先立ち正確なDNAコピーを確実に するのに使用することができる。さらに、増幅された産物の信頼性は慣用の配列 決定法でチェックすることができる。本発明に記載された所望の配列を有するク ローンは、PCRによるライブラリーのスクリーニング、または本技術分野にお いて周知のように、ライブラリーコロニーまたはプラークのフィルターリフトへ の合成オリゴヌクレオチドプローブのハイブリダイゼーションによっても得るこ とができる(たとえばSambrookら,Molecular Cloning,A Laboratory Manual 2 nd ed.,1989,Cold Spring Harbor Press,NYを参照)。 H.pyloriポリペプチドをコードする核酸はまた本明細書に記載のプロトコール に従いcDNAライブラリーからも得ることができる。H.pyloriポリペプチドを コードするcDNAは適当な株から総mRNAを単離することによって得ること ができる。二本鎖cDNAは、ついで総mRNAから調製できる。ついで、多く の既知技術のいずれかを用い、cDNAは適当なプラスミドまたはウイルス(た とえばバクテリオファージ)ベクターに挿入することができる。H.pyloriポリペ プチドをコードする遺伝子はまた、本発明によって提供されるヌクレノオチド配 列情報に従い確立されたポリメラーゼ連鎖反応技術を用いてクローン化すること ができる。本発明の核酸はDNAでもRNAでもよい。本発明の好ましい核酸は 配列表に含まれる。 本発明の核酸はまた、標準技術を用いて化学的に合成することもできる。ポリ デオキシヌクレオチドを化学的に合成する様々な方法が知られている。たとえば ペプチド合成と同様に、市販のDNA合成装置により完全に自動化されている固 相合成が含まれる(たとえば、Itakuraら,米国特許4,598,049;Caruthersら,米 国特許4,458,066;ならびにItakuraら,米国特許4,401,796および4,373,071参照 ,引用により本明細書に導入される)。 本発明の特徴に従って単離または合成された核酸は、それらに限定されるもの ではないが、たとえばプローブ、プライマー、捕獲リガンド、アンチセンス遺伝 子としてならびにそれらの配列に相当するタンパク質およびペプチドの合成のた めの発現系の開発に有用である。プローブ、プライマー、捕獲リガンドおよびア ンチセンス剤としては、核酸は通常、配列表に含まれる本発明の核酸のすべてま たは部分(特異性および安定なハイブリダイゼーション産物の形成能力のための 約20またはそれ以上のヌクレオチド)から構成される。これらの使用については 以下にさらに詳細に説明する。 プローブ 単離された核酸または配列表に含まれる本発明の配列に従い合成された核酸は H.pyloriを特異的に検出するプローブとして使用することができる。本出願に挙 げられた配列情報により、H.pyloriおよびハイブリダイゼーション条件時に遭遇 すると思われる外来性核酸に関して所望の包括性と排他性を提供する20またはそ れ以上のヌクレオチドの配列が同定される。さらに好ましくは、配列は、プロー ブと意図された標的分子間で形成されるハイブリダイゼーション産物に安定性を 付与する少なくとも20〜30のヌクレオチドからなる。 長さ1000ヌクレオチドを越える配列の合成は困難であるが、組換えDNA技術 によって生成させることができる。当業者には、プローブとして使用する核酸が ハイブリダイゼーション産物の検出を容易にする標識を 提供できることは容易に理解されるであろう。 単離された核酸または配列表に含まれる本発明の配列に従って合成された核酸 は、本明細書に記載された適当な緊縮ハイブリダイゼーション条件を用いて他の ヘリコバクター種の相同性領域(特に相同の遺伝子)の検出のためのプローブと しても利用することもできる。 捕獲リガンド 捕獲リガンドとしての使用のためにはプローブに関して上述した方法で選択さ れた核酸は支持体に容易に結合させることができる。核酸を支持体と結合させる 方法はよく知られている。配列表に含まれる本発明の配列中の20またはそれ以上 のヌクレオチドを有する核酸は、互いのおよび他の生物体の核酸からH.pylori核 酸を分離するのに利用できる。配列表に含まれる本発明の配列中の20またはそれ 以上のヌクレオチドを有する核酸はまた、互いのおよび他の生物体から他のヘリ コバクター種を分離するのにも利用できる。好ましくは配列は、プローブと意図 された標的分子間で形成されるハイブリダイゼーション産物に安定性を付与する 少なくとも20個のヌクレオチドからなる。長さ1000ヌクレオチドを越える配列は 合成が困難であるが、組換えDNA技術により発生させることができる。 プライマー 単離された核酸または本明細書に記載された配列に従って合成された核酸は、 H.pylori核酸の増幅のためのプライマーとして使用することができる。これらの 核酸は他のヘリコバクター種における核酸の増幅のためのプライマーとしても使 用することができる。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術に関しては、配列表に 含まれる本発明の≧10〜15ヌクレオチドの核酸配列は適当な酵素および試薬とと もにH.pylori核酸のコピーの創成に使用することができる。さらに好ましくは、 配列はプライマーと意図された標的分子間で形成されるハイブリダイゼーション 産物に安定性を付与する20またはそれ以上のヌクレオチドからなる。100以上の ヌクレオチドのプ ライマーの結合条件を特異性が得られるように制御することはさらに困難である 。忠実度の高いPCRは、発現の前に正確なDNAコピーを確実にするのに使用 することができる。さらに、増幅された産物は慣用の配列決定法でチェックする ことができる。 コピーは、H.pyloriおよび/または他のヘリコバクター種からの遺伝子を包含 する特異的な配列を検出する診断的アッセイに使用できる。コピーはまた、本明 細書にさらに詳細に説明されるように、PCRによって合成される核酸に相当す るポリペプチドを生成させるためにクローニングおよび発現ベクターに導入する ことができる。 アンチセンス 核酸または本明細書に記載の配列に従って単離されたまたは合成された核酸ハ イブリダイズ誘導体は、H.pylori遺伝子の発現を防止するアンチセンス剤として の有用性を有する。これらの配列はまた、他のヘリコバクター種の遺伝子の発現 を防止するアンチセンス剤としての有用性も有する。 一実施態様においては、核酸またはH.pylori核酸に相当する誘導体は適当な担 体たとえばリポソームまたはバクテリオファージに負荷して細菌細胞中に導入さ れる。たとえば、20個またはそれ以上のヌクレオチドを有する核酸は細菌核酸ま たは細菌メッセンジャーRNAに結合することができる。好ましくは、アンチセ ンス核酸は天然には存在しない核酸と細菌核酸および/または細菌メッセンジャ ーRNAのハイブリダイゼーション産物に必要な安定性を提供する20個またはそ れ以上のヌクレオチドからなる。長さ1000ヌクレオチドを越える配列を有する核 酸を合成するのは困難であるが、組換えDNA技術によって生成させることがで きる。アンチセンス核酸をリポソームに負荷する方法については、たとえば、Pa pahadjopoulosらの1980年12月23日に付与された米国特許4,241,046に例示されて いるように、本技術分野において周知である。 II.H.pylori 核酸の発現 単離された核酸または本明細書で記載された配列に従って合成された核酸はポ リペプチドの生成に有用性を有する。配列表に例示された本発明の核酸またはH. pyloriポリペプチドの活性部分をコードする上記核酸のフラグメントは適当なベ クター中へのクローン化または核酸の単離に使用することができる。単離された 核酸は適当なDNAリンカーと結合させ、適当なベクター中にクローン化する。 特定の遺伝子またはオペロンの機能は、問題の遺伝子またはオペロンによって 特定される遺伝子産物の活性が特異的に測定できる条件下に細菌株中で発現させ て確認することができる。別法として遺伝子産物を、抗原、工業用試薬として、 また構造研究等に使用するため、発現株中で大量に産生させる。この発現は試験 する遺伝子の活性を欠く突然変異株または同じ遺伝子産物を産生しない株で行わ れる。これには、それらに限定されるものではないが、他のヘリコバクター株ま たは他の細菌株たとえばE.coli、Norcardia、Corynebacterium、Campylobacter 、およびStreptomyces種が包含される。一部の場合には発現宿主は天然のヘリコ バクターのプロモーターを利用するが、他の場合には遺伝子を発現生物体に由来 するプロモーター配列で促進する必要がある(たとえば、E.coli内での発現には E.coli β−ガラクトシダーゼプロモーター)。 天然のH.pyloriプロモーターを用いて遺伝子産物を発現させるためには以下の ような操作を使用することができる。すなわち、興味のある遺伝子をその関連の 天然プロモーター要素および調節配列(DNA配列データを用いて同定)ととも に含有する制限フラグメントを、宿主細胞内で機能する複製の起源および適当な 選択マーカーを含有する適当な組換えプラスミド中にクローン化する。これは当 業者には周知の多くの操作によって達成できる。それはプラスミドおよびクロー ン化するフラグメントの切断を同一の制限酵素によって実施して、2つの切片を ライゲートさせて互いに 結合させることができる適合性の末端を産生させることによるのが最も好ましい 。組換えプラスミドはたとえばエレクトロポレーションによって宿主生物体に導 入し、組換えプラスミドを含有する細胞はプラスミド上のマーカーによる選択で 同定する。所望の遺伝子産物の発現はその遺伝子産物に特異的なアッセイを用い て検出する。 異なるプロモーターを要求する遺伝子の場合には遺伝子の本体(コード配列) を特別に切断し、適当な発現プラスミドにクローン化する。このサブクローニン グは数種の方法で実施できるが、特定のフラグメントのPCR増幅、PCR産物 の制限酵素またはエキソヌクレアーゼ処理によるクローニングに適当な末端の創 成後の発現プラスミドへのライゲーションで達成するのが最も容易である。 遺伝子の発現に適当な宿主細胞は任意の原核細胞または真核細胞とすることが できる。たとえば、H.pyloriポリペプチドは細菌細胞たとえばE.coli、昆虫細胞 (バキュロウイルス)、酵母、または哺乳動物細胞たとえばチャイニーズハムス ター卵母細胞(CHO)中で発現させることができる。他の適当な宿主細胞は当業 者には周知の通りである。 真核細胞たとえば哺乳動物細胞、酵母細胞または昆虫細胞における発現では、 組換えペプチド産物の部分的もしくは完全なグリコシル化および/または関連の 分子間もしくは分子内ジスルフィド結合鎖の形成を導くことが可能である。酵母 S.cerivisae中での発現のためのベクターの例には、pYepSecl(Baldariら,Embo J.6:229-234,1987)、pMFa(Kurjan & Herskowitz,Cell 30:933-943,1982 )、pJRY88(Schultzら,Gene 54:113-123,1987)、pYES2(Invitrogen Corporat ion,San Diego,CA)が含まれる。培養された昆虫細胞(SF9細胞)内でのタン パク質の発現に利用できるバキュロウイルスベクターにはpAcシリーズ(Smithら ,Mol.Cell Biol.3:2156-2165,1983)およびpVLシリーズ(Lucklow,V.A.& Sum mers,M.D.,Virology 170:q:31-39,1989)が包含される。一般には、COS細胞 (Gluzman,Y.,Cell 23:175-182,1981)がpCDM8(Aruffo,A & Seed,B.,Pro c.Natl.Acad.Sci.USA 84:8573-8577,1987)のようなベクターとともに、哺 乳動物細胞における一過性の増幅/発現に用いられ、一方、CHO(dhfr- Chinese H amster Ovary)細胞は、pMT2PC(Kaufmanら,EMBO J.6:187-195,1987)のよ うなベクターとともに哺乳動物細胞における安定な増幅/発現に使用される。ベ クターDNAは、慣用技術たとえばリン酸カルシウムもしくは塩化カルシウム共 沈殿、DEAE−デキストラン誘導トランスフェクション、またはエレクトロポ レーションによって哺乳動物の細胞に導入できる。宿主細胞の形質転換に適当な 方法はSambrookら(Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2nd Edition,Co ld Spring Harbor Laboratory Press,1989)および他の実験用テキストに見出 すことができる。 原核細胞における発現は融合または非融合誘導性発現ベクターを用いてE.coli 内で行われることが最も多い。融合ベクターは通常、発現される標的遺伝子に多 数のNH2末端アミノ酸を付加する。これらのNH2末端アミノ酸はレポーター基と呼 ばれることが多い。このようなレポーター基は、通常2つの目的で有用である。 すなわち、1)標的組換えタンパク質の溶解度を上昇させ、2)親和性精製にお けるリガンドとして作用することにより標的組換えタンパク質の精製を補助する 。多くの場合、融合発現ベクター中では、蛋白分解切断部位はレポーター基と標 的組換えタンパク質の接合部に導入され、融合タンパク質の精製に続いて、レポ ーター基からの標的組換えタンパク質の分離を可能にする。このような酵素およ びそれらの同種認識配列には、因子Xa、トロンビンおよびエンテロキナーゼが包 含される。典型的な融合発現ベクターには、標的組換えタンパク質にそれぞれグ ルタチオンS−トランスフェラーゼ、マルトースE結合タンパク質、またはプロ テインAを融合するpGEX(Amrad Corp.,Melbourne,Australia)、pMAL(New Eng land Biolabs,Beverly,MA)およびpRIT5(Pharmacia, Piscataway,NJ)がある。好ましいレポーター基は、タンパク質のアミノまたは カルボキシ末端に融合可能で、組換え融合タンパク質の金属キレートクロマトグ ラフィーによる容易な精製を可能にするポリ(His)である。 誘導性の非融合発現ベクターとしては、pTrc(Amannら,Gene 69:301-315,19 88)およびpET11d(Studierら,Gene Expression Technology:Methods in Enzymo logy 185,Academic Press,San Diego,California,60-89,1990)がある。一 方、標的遺伝子の発現は、pTrc中ハイブリッドtrp-lac融合プロモーターからの 宿主RNAポリメラーゼ転写に依存し、pET11d中に挿入された標的遺伝子の発現 は、共発現されるウイルスRNAポリメラーゼ(T7 gn1)によって誘導されるT7 gn10-lac 0融合プロモーターからの転写に依存する。このウイルスポリメラー ゼはlacUV5プロモーターの転写制御下にT7 gn1を繋留する常在性λプロファージ から、宿主株BL21(DE3)またはHMS174(DE3)によって供給される。 たとえば、H.pyloriポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の発現を指図 する核酸ベクターでトランスフェクトされた宿主細胞は、ポリペプチドの発現を 起こさせるのに適当な条件下に培養することができる。ポリペプチドは分泌され 、ペプチドを含有する細胞および培地の混合物から単離される。あるいは、ポリ ペプチドは細胞質内に留まり、細胞を収穫して溶解し、タンパク質が単離される 。細胞培養液には宿主細胞、培地および他の副生成物が包含される。細胞培養に 適当な培地は本技術分野において周知である。本発明のポリペプチドは、細胞培 養培地、宿主細胞またはその両者からタンパク質の精製用の本技術分野において 周知の技術、たとえばイオン交換クロマトグラフィー、ゲルろ過クロマトグラフ ィー、限外ろ過、電気泳動、およびこのようなポリペプチドに特異的な抗体での 免疫親和性精製によって単離することができる。さらに多くの場合、ポリペプチ ドは未変性のタンパク質の化学的切断(たとえばトリプシン消化)により製造し 、切断生成物をついで標準技術によって精製することができる。 膜結合タンパク質の場合には、これらは、膜結合タンパク質分画を可溶化され た複合体を形成する界面活性剤と接触させることにより単離できる。この場合、 膜結合タンパク質は最早膜分画には完全には埋没せず、それを膜分画からのクロ マトグラフィーによって少なくとも単離可能な程度に可溶化される。これらの複 合体の可溶化に適当な界面活性剤の選択には数種の異なる基準が用いられる。た とえば、考慮される1つの性質は、膜結合タンパク質の変性を、膜結合タンパク 質の活性または機能がタンパク質の再構築時に回復できる最小限に抑えて、膜分 画内でH.pyloriタンパク質を可溶化する界面活性剤の能力である。界面活性剤を 選択する場合に考慮する他の性質は界面活性剤の臨界ミセル濃度(CMC)であり 、選択する界面活性剤は再構築後の除去を容易にする高いCMC値を有すること が好ましい。界面活性剤の選択に際し考慮する第3の性質は、界面活性剤の疎水 性である。通常、膜結合タンパク質は著しく疎水性であり、したがって疎水性の タンパク質を可溶化するためには同じく疎水性の界面活性剤、たとえばトリトン 系が有用である。界面活性剤に重要な他の性質は更なる精製を容易にする最小の タンパク質−タンパク質相互作用によってH.pyloriタンパク質を除去する界面活 性剤の能力である。界面活性剤に考慮すべき第5の性質は、界面活性剤の電荷で ある。たとえば、精製過程でイオン交換樹脂の使用を所望の場合には、界面活性 剤は、好ましくは非電荷の界面活性剤でなければならない。最終精製工程に使用 できるクロマトグラフィー技術は本技術分野で周知であり、たとえば、疎水性相 互作用、レクチン親和性、イオン交換、色素親和性および免疫親和性クロマトグ ラフィーがある。 E.coliにおける組換えH.pyloriペプチドの発現を最大にする戦略の一つは組換 えタンパク質を蛋白質分解的に切断する能力が損なわれた宿主細菌におけるタン パク質の発現である(Gottesman,S.,Gene Expression Technology:Methods in Enzymology 185,Academic Press,San Diego, California,119-128,1990)。他の戦略では、発現ベクターに挿入するH.pylor iペプチドをコードする核酸を各アミノ酸の個々のコドンが、高度に発現されたE .coliタンパク質で優先的に利用されるコドンになるように変化させる(Wadaら ,Nuc.Acids Res.20:2111-2118,1992)。このような本発明の核酸の変化は標 準的なDNA合成技術によって実施できる。 本発明の核酸はまた、標準技術を用いて化学的に合成することもできる。ポリ デオキシヌクレオチドを化学的に合成する様々な方法が知られている。たとえば ペプチド合成と同様に、固相合成は市販のDNA合成装置により完全に自動化さ れている(たとえば、Itakuraら,米国特許4,598,049;Caruthersら,米国特許4,4 58,066;ならびにItakuraら,米国特許4,401,796および4,373,071参照,引用によ り本明細書に導入される)。 III.H.pylori ポリペプチド 本発明は開示されたH.pyloriゲノム配列によりコードされる単離H.pyloriポリ ペプチドを包含し、これには、配列表中に含まれる本発明のポリペプチドが包含 される。本発明のポリペプチドは好ましくは少なくとも長さ5アミノ酸の残基で ある。本明細書に提供されたDNA配列情報を用い、本発明に包含されるポリペ プチドのアミノ酸配列は本技術分野でよく知られた方法により推定できる。H.py loriポリペプチドをコードする全核酸配列は、同種のタンパク質コード領域のフ ラグメントのみをコードするORFに基づいて単離し、同定できることは明らか である。これはたとえば、ORF、またはそのフラグメントをコードする単離核 酸を用い、鋳型としてのゲノムH.pyloriDNAとのポリメラーゼ連鎖反応をプラ イムし、ついで増幅産物を配列決定することによって達成できる。 本発明のポリペプチドは、H.pylori核酸が予め導入され、発現された野生型も しくは突然変異H.pylori細胞または異種生物体もしくは細胞(それらに限定され るものではないが、細菌、酵母、昆虫、植物および哺乳動物細胞)から単離でき る。さらにポリペプチドは組換え融合タンパク質の 部分であってもよい。 本発明のH.pyloriポリペプチドは、本明細書に引用したような市販の自動化操 作を用いて化学的に合成することができる。 IV.H.pylori に対して有効なワクチン成分および薬剤の標的をコードする核酸の 同定 開示されたH.pyloriゲノム配列には、リボ核酸およびポリペプチドの合成を指 示するセグメントならびに複製の起源、プロモーター、他の種類の調節配列、お よび遺伝子間核酸が包含される。本発明はH.pyloriに対して有効なワクチンの免 疫原性成分および薬剤の標的をコードする核酸を包含する。開示された配列の機 能の決定に関与する上記免疫原性成分の同定は、様々なアプローチを用いて達成 できる。これらのアプローチの非限定的な例を以下に簡単に記載する。 既知配列に対するホモロジー:開示されたH.pylori配列と、公開されているデ ータベースに存在する既報配列とのコンピューター支援による比較は、機能性の H.pylori核酸およびポリペプチド配列の同定に有用である。タンパク質コード配 列をたとえば全体として比較した場合の2つのタンパク質の間のアミノ酸レベル における高度の配列ホモロジー(たとえば>80〜90%)は、2つのタンバク質が 、たとえば代謝に関与する酵素、DNA合成または細胞壁合成、およびトランス ポート、細胞分裂等に関与するタンパク質の間でもある程度の機能的ホモロジー をもつことを指示するものと理解される。さらに、特定のタンパク質クラスの多 くの構造的特徴が特定のコンセンサス配列たとえばヌクレオチド、DNA、金属 イオンおよび他の小分子の結合ドメイン;共有結合修飾たとえばリン酸化、アシ ル化等の部位;タンパク質−タンパク質相互作用の部位等で同定され、関連づけ られてきた。これらのコンセンサス配列はきわめて短く、すなわち全タンパク質 コード配列のわずかな分画を表示するのみである。H.pylori配列におけるこのよ うな特徴の同定は、したがって、コードされたタンパ ク質の機能の決定および抗細菌薬の有用な標的の同定に有用である。 本発明に特に関連するのは、分泌シグナルペプチドおよび疎水性の膜貫通ドメ インを包含する分泌、膜貫通および表面タンパク質に共通な構造的特徴である。 推定されるシグナル配列および/または膜貫通ドメインを含有するとして同定さ れたH.pyloriタンパク質はワクチンの免疫原性成分として有用である。 必須遺伝子の同定:H.pyloriの増殖または生存能に必須のタンパク質をコード する核酸は好ましい薬剤の標的である。H.pyloriの遺伝子は、その遺伝子の欠失 および/または破壊の効果を当業者に周知の技術を用いて、すなわちいわゆる遺 伝子「ノックアウト」によって調べることにより、その生物体に対する生物学的 関連について試験することができる。この方法によって必須遺伝子が同定される 。 株特異的配列:異なるH.pylori株間の進化的な関連から、本発明で開示された H.pyloriの配列は、以前からに知られているものと新しいH.pylori株間の同定 および/または識別に有用であると考えられる。他のH.pylori株は本発明で開示 された配列と少なくとも70%の配列ホモロジーを示すものと考えられる。H.pylo ri株を含むサンプルに由来するDNA配列の系統的な通常の分析ならびに本発明 の配列との比較は、株間の識別に使用できる配列およびすべてのH.pylori株に共 通の配列の同定を可能にする。一実施態様においては本発明はプローブならびに 異なるH.pylori株間を識別するペプチドおよびポリペプチド配列を含む核酸を提 供する。株特異的成分も、1種または2種以上のH.pylori株を選択的に認識する 抗体を誘発する機能またはそれと反応する能力により機能的に同定することがで きる。 他の実施態様においては、本発明は、プローブならびにすべてのH.pylori株に 共通であるが他の細菌種には見出されないペプチドおよびポリペプチド配列を含 む核酸を提供する。特殊な実施例:抗体およびワクチン開発のための候補タンパク質抗原の決定 ワクチンの開発のための候補タンパク質抗原の選択はH.pyloriポリペプチドを コードする核酸から誘導することができる。第一に、ORFを他の既知の輸出ま たは膜タンパク質に対するホモロジーについて分析し、Kleinらにより記載され た判別分析(Klein,P.,Kanehsia,M & DeLisi,C.,Biochimica et Biophysic aActa 815,468-476,1985)を用いて予測される輸出および膜タンパク質につい て分析することができる。 ホモロジー検索は、予測されるそれぞれのORFアミノ酸配列を現行のGenBan k,SWISS-PROTおよびPIRデータベースに見出されるすべての配列と比較するため にWisconsin Sequence Analysis Package(Genetics Computer Group,Universi ty Research Park,575 Science Drive,Madison,WI 53711)に包含されるBL ASTアルゴリズムを使用して実施することができる。BLASTはORFとデ ータバンクの配列の間の局部的アラインメントについて検索し、この配列がデー タベース中に偶然に見出される確率を示す確率評価を報告する。膜または輸出タ ンパク質に対して有意なホモロジー(たとえば、ホモロジーがランダムな機会に よるのみの1×10-6より低い確率)を有するORFはワクチン開発のためのタン パク質抗原を提示する。可能性のある機能は、他の生物体にクローン化された遺 伝子に対する配列ホモロジーに基づいてH.pylori遺伝子に提供することができる 。 判別分析(Kleinら,前出)はORFのアミノ酸配列を調べるために使用する ことができる。このアルゴリズムはORFのアミノ酸配列に含まれる固有の情報 を使用し、それを既知の膜および輸出タンパク質の性質に由来する情報に対して 比較する。この比較はどのタンパク質が輸出、膜結合または細胞質タンパク質で あるかを予想する。このアルゴリズムによって輸出または膜結合タンパク質とし て同定されたORFのアミノ酸配列は多 分、ワクチン開発のためのタンパク質抗原である。 外膜タンパク質に暴露される表面はH.pyloriに対する保護免疫応答を提供する 最良の抗原であると思われる。これらの外膜タンパク質の予想の補助に使用でき るアルゴリズム中にはそれらのC末端における両親媒性β−シート領域の存在が 包含される。グラム陰性菌中の多数の外膜タンパク質で検出されているこの領域 はC末端から交互の位置に密集した疎水性アミノ酸(PheまたはTyr)を特徴とす る場合が多い(たとえば図5のブロックF;図7のブロックE参照)。重要なこ とは、これらの配列が細胞周辺のタンパク質のC末端には検出されておらず、す なわち、一次配列データに基づくこれらのクラスのタンパク質の間の予備的な識 別が可能になることである。この現象は以前にStruyveら(J.Mol.Biol.218:141 -148,1991)に報告されている。 図5にはまた、H.pyloriの多くの外膜タンパク質中に見出される付加的なアミ ノ酸配列モチーフを例示する。図5におけるアミノ酸配列のアラインメントは5 種のH.pyloriタンパク質の部分配列を記載したもので(一文字アミノ酸コードで 記載)、アミノ酸のSEQ ID NOを付し、N末端からC末端を左から右に示す。類似 のアミノ酸残基の5または6個の独特なブロック(A〜EまたはFと表示)が見 出され、これらは独特な疎水性残基(PheまたはTyr、アミノ酸残基の一文字コー ドによればFまたはY)を包含し、多くの場合、外膜タンパク質のC末端付近の 位置に認められた。数種の共通のモチーフの存在が、このグループのタンパク質 のメンバーの間の類似性を明瞭に確立している。 H.pyloriから単離された4種の外膜タンパク質について、さらにアミノ酸のア ラインメントを図6に記載する。 H.pyloriから単離される外膜タンパク質は、同じくC末端疎水性残基を共有す る図7の2種のタンパク質について示すような付加的モチーフと、C末端疎水性 残基モチーフは共有しないが異なるC末端モチーフを共有す る図8の2種のタンパク質について示すような付加的モチーフを共有することが 多い。 これらの共有される配列モチーフがきわめて重要であり、このグループのタン パク質の類似性を確立することは当業者には自明であろう。 稀に核酸配列中の与えられた位置における多重な可能性のあるヌクレオチドの 間の識別が可能でないことがある。そのような場合には、不明瞭性は以下のよう に拡張したアルファベットによって表示される。 これらは公式のIUPAC-IUB一文字塩基コードである。 コード 塩基の説明 G グアニン A アデニン T チミン C シトシン R プリン (AまたはG) Y ピリミジン (CまたはTまたはU) M アミノ (AまたはC) K ケトン (GまたはT) S 強い相互作用 (CまたはG) W 弱い相互作用 (AまたはT) H Gでない (AまたはCまたはT) B Aでない (CまたはGまたはT) V Tでない(Uでない)(AまたはCまたはG) D Cでない (AまたはGまたはT) N 任意 (AまたはCまたはGまたはT) 本発明のアミノ酸の翻訳は、不明瞭なコドンを文字「X」として翻訳すること によって核酸配列中の不明瞭性を説明する。すべての場合、ある位置において許 容されるアミノ酸残基は標準遺伝子コードに基づく核酸配列 の試験から明瞭である。 V.H.pylori 核酸およびポリペプチドのフラグメントおよび類縁体の製造 配列表中に提供される本発明のH.pylori遺伝子産物の発見に基づき、当業者は 開示された(H.pylori遺伝子の)構造をたとえばフラグメントまたは類縁体の産 生により変更し、新たに産生した構造を活性について試験することができる。フ ラグメントおよび類縁体の産生および試験を可能にする当業者に周知の技術の例 については以下に述べる。これらのまたは類似の方法は、ポリペプチドのライブ ラリー、たとえば、ランダムペプチドのライブラリーまたはフラグメントもしく は細胞性タンパク質の類縁体のライブラリーの作成およびH.pyloriポリペプチド を結合する能力についてのスクリーニングに使用することができる。このような スクリーニングはH.pyloriのインヒビターの同定に有用である。 フラグメントの生成 タンパク質のフラグメントは数種の方法で、たとえば組換え、蛋白質分解消化 、または化学的合成によって産生させることができる。ポリペプチドの内部また は末端フラグメントは、ポリペプチドをコードする核酸の一方の末端(末端フラ グメントの場合)または両端(内部フラグメントの場合)から1個または2個以 上のヌクレオチドを除去することによって生成させることができる。突然変異さ せたDNAの発現はポリペプチドフラグメントを産生する。「末端を1個ずつ切 断していく」エンドヌクレアーゼで消化すれば、フラグメントのアレイをコード するDNAを生成させることができる。あるタンパク質のフラグメントをコード するDNAはまた、ランダム剪定、制限消化または上述の方法の組合せにより生 成させることができる。 フラグメントはまた、たとえば慣用のMerrifield固相f-Mocまたはt-Boc化学の ような本技術分野で周知の技術を用いて化学的に合成するこ ともできる。たとえば本発明のペプチドは、フラグメントの重複がない所望の長 さのフラグメントまたは所望の長さの重複するフラグメントに任意に分割するこ とができる。 核酸およびポリペプチドの変化:ランダム法 タンパク質のアミノ酸配列変異体は、タンパク質またはタンパク質の特定のド メインまたは領域をコードするDNAのランダム突然変異誘発によって調製する ことができる。有用な方法にはPCR突然変異誘発および飽和突然変異誘発が包 含される。ランダムなアミノ酸配列変異体のライブラリーは縮重オリゴヌクレオ チド配列のセットの合成によっても生成させることができる(変異体のライブラ リー中のタンパク質のスクリーニング方法は本明細書の別の項で述べる)。 (A)PCR突然変異誘発 PCR突然変異誘発においては、DNAのクローン化フラグメントにランダム な突然変異を導入するために、忠実度の低下したTaqポリメラーゼを使用する(L eungら,Technique 1:11-15,1989)。突然変異を誘発するDNA領域をポリメ ラーゼ連鎖反応(PCR)を用い、Taq DNAポリメラーゼによるDNA合成の忠 実度が低下した条件下たとえばdGTP/dATP比5を使用しPCR反応にMn2+を加え て増幅する。増幅したDNAフラグメントのプールを適当なクローニングベクタ ーに挿入し、ランダム突然変異体ライブラリーを与える。 (B)飽和突然変異誘発 飽和突然変異誘発は、クローン化されたDNAフラグメントへの多数の単一塩 基置換の迅速な導入を可能にする(Mayersら,Science 229:242,1985)。この 技術には、たとえば、インビトロにおける一本鎖DNAの化学的処理または放射 線照射、および相補性DNA鎖の合成による突然変異の発生が包含される。突然 変異の頻度は処理の強度を調節することによって調節が可能で、本質的にすべて の可能な塩基置換を達成することができ る。この操作は突然変異体フラグメントについての遺伝子選択を包含しないので 、中性置換および機能を変化させる置換の両者が得られる。点突然変異の分布が 保存配列要素に対して偏向することはない。 (C)縮重オリゴヌクレオチド 同族体のライブラリーはまた、縮重オリゴヌクレオチド配列のセットから生成 させることもできる。縮重配列の化学的合成は、自動化DNA合成装置によって 実施することが可能であり、ついで合成遺伝子は適当な発現ベクターにライゲー トする。縮重オリゴヌクレオチドの合成は本技術分野においては周知である(た とえば,Narang,SA,Tetrahedron 39:3,1983;Itakuraら,Recobinant DNA,Pr oc.3rd.Cleveland Sympos.Macromolecules,ed.AG Walton,Amsterdam;Else vierpp.273-289,1981:Itakuraら,Annu.Rev.Biochem.53:323,1984;Itakur aら,Science 198:1056,1984;Ikeら,Nucleic.Acid Res.11:477,1983参照) 。このような技術は他のタンパク質の指示された進化にも使用されてきた(たと えばScottら,Science 249:386-390,1990;Robertsら,PNAS 89:2429-2433,199 2;Devlinら,Science 249:404-406,1990;Cwirlaら,PNAS 87:6378-6382,1990; ならびに米国特許5,223,409,5,198,346および5,096,815参照)。 核酸およびポリペプチドの変化:指示された突然変異誘発方法 非ランダムまたは指示された突然変異誘発技術は、特異的な配列または特異的 な領域における突然変異を提供するために使用できる。これらの技術は、たとえ ばタンパク質の既知のアミノ酸配列の残基の欠失、挿入または置換を包含する変 異体の創成に使用することができる。突然変異の部位は個々にまたは一連に、た とえば(1)最初に保存アミノ酸の置換、ついで達成される結果に依存してより 徹底的な選択、(2)標的残基の欠失、または(3)局在部位に隣接して同種ま たは異種クラスの残基の挿入、または選択1〜3の組合せによって修飾すること ができる。 (A)アラニン走査突然変異誘発 アラニン走査突然変異誘発は、突然変異の誘発に好ましい位置もしくはドメイ ンである所望のタンパク質のある種の残基または領域の同定に有用な方法である (Cunningham & Wells,Science 244:1081-1085,1989)。アラニン走査では、 標的残基の残基またはグループ(たとえば、Arg、Asp、His、LysおよびGluのよ うな荷電残基)を同定し、中性または陰性に荷電したアミノ酸(特に好ましくは アラニンまたはポリアラニン)で置換する。アミノ酸の置換は、細胞内部または 外部の周囲の水性環境とアミノ酸の相互作用に影響することがある。置換に対し て機能的な感受性を表すこれらのドメインはついで、置換部位にまたは置換部位 の方にさらにまたは他の変異体を導入することによって改良する。すなわち、ア ミノ酸配列の変異体の導入部位を予め決定する場合に、突然変異自体の性質を予 め決定する必要はない。たとえば、所定の部位における突然変異の効率を至適化 するためには、標的コドンまたは領域にアラニン走査またはランダム突然変異の 誘発を行い、発現した所望のタンパク質サブユニット変異体を所望の活性の至適 な組合せについてスクリーニングする。 (B)オリゴヌクレオチド誘導突然変異誘発 オリゴヌクレオチド誘導突然変異誘発はDNAの置換、欠失および挿入変異体 の調製に有用な方法である(たとえば、Adelmanら,DNA 2:183,1983参照)。略 述すれば、所望のDNAを、所望のタンパク質の不変のまたは未変性のDNA配 列を含有するプラスミドまたはバクテリオファージの一本鎖型であるDNA鋳型 に、突然変異をコードするオリゴヌクレオチドとハイブリダイズさせることによ り変化させる。ハイブリダイゼーション後、DNAポリメラーゼを用いて、オリ ゴヌクレオチドプライマーを導入し、所望のタンパク質DNA中の選択された変 化をコードする鋳型の完全な第2の相補性鎖を合成する。一般的に少なくとも長 さ25ヌクレオチドのオリゴヌクレオチドが用いられる。至適なオリゴヌクレオチ ドは、突 然変異をコードするヌクレオチドのいずれかの側において鋳型に完全に相補性の 12〜15ヌクレオチドを有する。これは、オリゴヌクレオチドが一本鎖DNA鋳型 分子に適正にハイブリダイズすることを保証する。オリゴヌクレオチドはたとえ ばCreaら(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 75:5765,1978)によって記載されてい るような本技術分野で周知の技術を用いて容易に合成することができる。 (C)カセット突然変異誘発 変異体の調製のための他の方法であるカセット突然変異誘発はWellsら(Gene3 4 :315,1985)により報告された技術に基づくものである。出発材料は突然変異 を誘発するタンパク質サブユニットDNAを包含するプラスミド(またはベクタ ー)である。突然変異を誘発するタンパク質サブユニットDNA中のコドン(単 数または複数)が同定される。同定された突然変異部位(単数または複数)の各 側に、ユニークな制限エンドヌクレアーゼ部位が存在しなければならない。この ような制限部位がない場合は、上述のオリゴヌクレオチド誘導突然変異誘発法を 用いてそれらを所望のタンパク質サブユニットDNA中の適当な位置に導入して 発生させる。プラスミドに制限部位が導入されたのち、プラスミドをこれらの部 位で切断して線状化する。制限部位の間にDNA配列をコードするが、所望の突 然変異(単数または複数)を含有する二本鎖オリゴヌクレオチドを標準操作を用 いて合成する。2個の鎖は別個に合成し、ついで、標準操作を用いて互いにハイ ブリダイズさせる。この二本鎖オリゴヌクレオチドがカセットと呼ばれる。この カセットは、プラスミドへの直接ライゲーションを可能にするため、線状化プラ スミドの末端に匹敵する3'および5'末端を有するように設計される。このプラス ミドはこの時点で、突然変異した所望のタンパク質サブユニットDNA配列を含 有する。 (D)組合せ突然変異誘発 組合せ突然変異誘発もまた、突然変異体の生成に使用することができる (Ladnerら,WO88/06630)。この方法では、同族体または他の関連タンパク質 のグループについてのアミノ酸配列を好ましくは最高のホモロジーの促進が可能 なようにアラインする。アラインした配列の所定の位置に現れるアミノ酸のすべ てが組合せ配列の縮重セットの作成に選択できる。変異体の多様なライブラリー は核酸レベルにおける組合せ突然変異誘発によって生成させ、多様な遺伝子ライ ブラリーによってコードされる。たとえば、合成オリゴヌクレオチドの混合物は 可能性ある配列の縮重セットが個々のペプチドとしてまたは縮重配列のセットを 含むより大きな融合タンパク質のセットとして発現可能な遺伝子配列に酵素的に ライゲートすることができる。 H.pylori 核酸およびポリペプチドの他の修飾 H.pyloriポリペプチドの構造を、溶解度の上昇、安定性の増大(たとえば、エ クスビボにおける貯蔵寿命、およびインビボにおける蛋白質分解的崩壊に対する 抵抗性)のような目的で修飾することが可能である。本明細書に記載するアミノ 酸置換、欠失または付加によってアミノ酸配列を変化させた修飾H.pyloriタンパ ク質またはペプチドを製造することができる。 H.pyloriペプチドはまた、システイン残基の好ましくはアラニン、セリン、ス レオニン、ロイシンまたはグルタミン酸残基による置換でジスルフィド結合によ るダイマー化が最小限になるように修飾することもできる。さらに、本発明のタ ンパク質のフラグメントのアミノ酸の側鎖を化学的に修飾することもできる。他 の修飾にはペプチドの環状化がある。 安定性および/または反応性を増大させるためには、H.pyloriポリペプチドは 天然の対立遺伝子変異から生じるタンパク質のアミノ酸配列における1または2 以上の多形を導入するように修飾することができる。さらに、本発明の範囲に含 まれる修飾タンパク質の製造には、D−アミノ酸、非天然アミノ酸または非アミ ノ酸類縁体を置換または付加することもできる。またさらにH.pyloriポリペプチ ドはA.Sehonおよび共同研究者(Wieら, 前出)の方法に従ってポリエチレングリコール(PEG)を用いて修飾し、PEG と接合したタンパク質を製造することもできる。さらにPEGはタンパク質の化 学的合成時に添加することもできる。H.pyloriタンパク質の他の修飾には還元/ アルキル化(Tarr,Methods of Protein Microcharacterization,J.E.Silver ed.,Humana Press,Clifton NJ 155-194,1986);アシル化(Tarr,前出);適 当な担体への化学的カップリング(Mishell & Shiigi編,Selected Methods in Cellular Immunology,Freeman,WH,San Francisco,CA,1980;米国特許4,939, 239)または緩和なホルマリン処理(Marsh,Int.Arch.of Allergy Appl.Immu nol.41:199-215,1971)がある。 H.pyloriタンパク質またはペプチドの精製を容易にし、また溶解度を上昇させ る可能性のためには、ペプチド骨格にアミノ酸融合残基を付加することができる 。たとえば、固定化金属イオン親和性クロマトグラフィーによる精製のためには 、タンパク質にヘキサヒスチジンを付加することができる(Hochuli,E.ら,Bi o/Technology 6:1321-1325,1988)。さらに、無関係な配列を含まないペプチ ドの単離を容易にするためには、特異的なエンドプロテアーゼ切断部位を融合部 分の配列とペプチドの配列の間に導入することができる。 H.pyloriポリペプチド内のエピトープの適当な抗原プロセッシングを補助する 可能性のためには、組換えまたは合成法により、それぞれ少なくとも1個のエピ トープからなる領域の間に共通プロテアーゼ感受性部位を作成することができる 。たとえば、KKまたはRRのような荷電アミノ酸対をその組換え構築時にタン パク質またはフラグメント内の領域間に導入することができる。得られたペプチ ドは、カテプシンおよび/または他のトリプシン様酵素による切断に感受性にな り、1個または2個以上のエピトープを含有するタンパク質部分を生成する。さ らに、このような荷電アミノ酸残基は、ペプチドの溶解度を上昇させることがで きる。ポリペプチドおよび類縁体のスクリーニングの一次的方法 生成した突然変異遺伝子産物のスクリーニングは、様々な技術が本技術分野で 知られている。大きな遺伝子ライブラリーのスクリーニング技術は、遺伝子ライ ブラリーの複製可能な発現ベクターへのクローニング、得られたベクターのライ ブラリーによる適当な細胞の形質転換、および所望の活性、たとえばこの場合は H.pyloriポリペプチドまたは相互作用タンパク質への結合の検出により、その産 物が検出される遺伝子をコードするベクターが比較的容易に単離し得る条件下に おける遺伝子の発現を包含することが多い。以下に記載する技術にはそれぞれ、 たとえばランダム突然変異誘発技術によって創成される多数の配列のスクリーニ ングのため、高度のスループット分析を適用することができる。 (A)ツーハイブリッドシステム 上述のシステムのようなツーハイブリッドアッセイ(本明細書に記載の他のス クリーニング方法と同様)は、ポリペプチドたとえば天然に存在するH.pyloriポ リペプチドたとえば細胞性タンパク質のフラグメントもしくは類縁体またはH.py loriタンパク質に結合するランダムに生成させたポリペプチドの同定に用いるこ とができる(H.pyloriドメインがベイト(bait)タンパク質として用いられ、変異 体のライブラリーがフィッシュ(fish)融合タンパク質として発現される)。同様 の様式によって、ツーハイブリッドアッセイ(本明細書に記載の他のスクリーニ ング方法と同様)はH.pyloriポリペプチドを結合するポリペプチドの発見に使用 できる。 (B)ディスプレーライブラリー スクリーニングアッセイの一つのアプローチでは、候補ペプチドは細胞または ウイルス粒子の表面上に表示され、表示された産物を介して適当な受容体タンパ ク質を結合する特定の細胞またはウイルス粒子の能力が「パニングアッセイ」で 検出される。たとえば、遺伝子ライブラリーは細菌細胞の表面膜タンパク質の遺 伝子中にクローン化し、得られた融合タンパク 質をパニングにより検出することができる(Ladnerら,WO88/06630;Fuchsら, Bio/Technology 9:1370-1371,1991;およびGowardら,TIBS 18:136-140,1992 )。同様の様式で、検出可能なように標識されたリガンドは機能性を示す可能性 があるペプチド同族体の評価に用いることができる。蛍光で標識したリガンドた とえば受容体はリガンド結合活性を維持する同族体の検出に使用することができ る。蛍光標識リガンドの使用は細胞を可視的に検査して蛍光顕微鏡下に分離する ことを可能にするか、または細胞の形態の蛍光活性化細胞ソーターによる分離を 可能にする。 遺伝子ライブラリーはウイルス粒子の表面上で融合タンパク質として発現させ ることができる。たとえば繊維状ファージ系では異種ペプチド配列を感染ファー ジの表面上で発現させることが可能で、これは2つの重要な利点を付与する。第 一にこれらのファージは1013ファージ/mlより十分高い濃度で親和性マトリック スに適用できるので、多数のファージを一度にスクリーニングできる。第二に、 各感染ファージはその表面上に遺伝子産物を表示するので、特定のファージが親 和性マトリックスから低収率でしか回収されなくても、ファージは感染の他のラ ウンドで増幅させることができる。ほぼ同一のE.coli繊維状ファージのグループ 、M13、fd.およびf1がファージディスプレーライブラリーには最も頻繁に 使用される。ファージgIIIまたはgVIIIコートタンパク質のいずれかを、ウイ ルス粒子の最終的なパッケージングを分裂させることなく融合タンパク質の生成 に用いることができる。異種エピトープはpIIIのNH2末端に発現させることが可 能で、このようなエピトープをもつファージは、このエピトープを欠く大過剰の ファージから回収された(Ladnerら,PCT公開WO90/02909;Garrardら,PCT公開 WO92/09690;Marksら,J.Biol.Chem.267:16007-16010,1992;Griffithsら, EMBOJ.12:725-734,1993;Clacksonら,Nature 352:624-628,1991;Barbasら,P NAS 89:4457-4461,1992)。 通常のアプローチではE.coliのマルトース受容体(外膜タンパク質、 LamB)をペプチド融合パートナー(Charbitら,EMBO 5:3029-3037,1986)とし て使用する。オリゴヌクレオチドはLamB遺伝子をコードするプラスミド中に 挿入し、タンパク質の細胞外ループの一つに融合するペプチドを製造した。これ らのペプチドはリガンド、たとえば抗体への結合に利用することが可能で、細胞 を動物に投与した場合、免疫応答を誘発させることができる。他の細胞表面タン パク質たとえばOmpA(Schorrら,Vaccines 91:387-392,1991)、PhoE (Agterbergら,Gene 88:37-45,1990)およびPAL(Fuchsら,Bio/Tech 9:13 69-1372,1991)、ならびに大きな細菌表面構造はペプチドディスプレーのビヒ クルとして働く。ペプチドは、重合して遺伝子情報の細菌間の交換のための導管 、ピルスを形成するタンパク質のピリンに融合することができる(Thiryら,App l.Environ.Microbiol.55:984-993,1989)。他の細胞との相互作用における その役割のため、ピルスは細胞外環境へのペプチドの提示のための有用な支持体 を提供する。ペプチドディスプレーに使用される他の大きな表面構造は細菌の運 動器官、鞭毛である。サブユニットタンパク質のフラジェリンへのペプチドの融 合は宿主細胞上に多くのペプチドコピーの濃密なアレイを提供する(Kuwajimaら ,Bio/Tech.6:1080-1083,1988)。他の細菌種の表面タンパク質もペプチド融 合パートナーとして役立ってきた。たとえばブドウ球菌(Staphylococcus)のプ ロテインAおよびナイセリア(Neisseria)の外膜IgAプロテアーゼである(H anssonら,J.Bacteriol.174:4239-4245,1992;Klauserら,EMBOJ.9:1991-1999 ,1990)。 上述の繊維状ファージ系およびLamB系では、ペプチドおよびそれをコード するDNAの間に、表面にペプチドをもつ粒子(細胞またはファージ)内のDN Aの拘束により物理的な連結が生じる。そのペプチドの捕獲は粒子とDNAを内 部に捕獲する。別の機構はペプチドとDNAの間の連結の形成にDNA結合タン パク質であるLacIを使用する(Cullら,PNAS USA 89:1865-1869,1992)。 このシステムはその3'末端にオリゴ ヌクレオチドのクローニング部位を有するLacI遺伝子を含有するプラスミド を使用する。アラビノースによって制御された誘導下にLaclペプチド融合タンパ ク質が産生する。この融合はLacOオペレーター(LacO)として知られる短い DNA配列に結合するLacIの本来の能力を維持している。発現プラスミド上 に2コピーのLacOを装着することにより、LacI−ペプチド融合はそれを コードするプラスミドに強固に結合する。各細胞中のプラスミドは単一のオリゴ ヌクレオチド配列のみを含有し、各細胞は単一のペプチド配列のみを発現するの で、そのペプチドはその合成を指図するDNA配列と特異的かつ安定に会合する 。ライブラリーの細胞を穏やかに溶解し、ペプチド−DNA複合体を固定化受容 体のマトリックスに暴露し、活性なペプチドを含有する複合体を回収する。会合 したプラスミドDNAをついで、増幅およびDNA配列決定によりペプチドリガ ンドの同一性を決定するため、細胞に再導入する。この方法の実際的な有用性の 証明として、ドデカペプチドの大きなランダムライブラリーを作成し、オピオイ ドペプチドのダイノルフィンBに対するモノクローナル抗体で選択した。ペプチ ド群を回収するとすべてが、ダイノルフィンBの6残基部分に相当する共通配列 により関係付けられた(Cullら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:1869,1992) 。 ペプチド−オン−プラスミドと呼ばれることもあるこの機構は、2つの重要な 方法でファージディスプレー法とは異なっている。第一に、ペプチドは融合タン パク質のC末端に結合し、遊離のカルボキシ末端を有するペプチドとしてライブ ラリーメンバーのディスプレーを生じさせる。繊維状ファージコートタンパク質 pIIIおよびpVIIIの両者をそれらのC末端によってファージに繋留し、ゲスト ペプチドは外側に伸びたN末端ドメイン中に配置する。一部の設計では、ファー ジ表示ペプチドは融合タンパク質のアミノ末端に正しく表示される(Cwirlaら, Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:6378-6382,1990)。第二の差はライブラリー 中に実際に存在するペ プチド集団に影響する生物学的偏向のセットである。LacI融合分子は宿主細 胞の細胞質に拘束される。ファージコート融合は翻訳時に短時間細胞質に暴露さ れるが、内膜を通過して迅速に周辺間隙に分泌され、膜内にそれらのC末端疎水 性ドメインによって繋留されたまま維持され、ペプチドを含有するN末端は周辺 質中に突出し、この間ファージ粒子への組立を待っている。LacIおよびファ ージライブラリー中のペプチドは異なる蛋白分解活性へのそれらの暴露の結果と して有意に異なる。ファージコートタンパク質はファージへの導入に対する準備 として、内膜を横切る輸送およびシグナルペプチダーゼプロセッシングを要求す る。ある種のペプチドはこれらの過程に有害な作用を発揮し、ライブラリー中に 十分表されない(Gallopら,J.Med.Chem.37(9):1233-1251,1994)。これら の特定の偏向は、LacIディスプレーシステム中のファクターではない。 組換えランダムライブラリーに利用できる小さなペプチドの数は極めて多い。 107〜109の独立のクローンのライブラリーが定常的に調製される。1011までもの 組換え体のライブラリーが創成されているが、このサイズはクローンライブラリ ーの実用上の限界に近い。ライブラリーのサイズにおけるこの限界は、DNA含 有ランダムセグメントの宿主細菌細胞へのトランスフォームの工程で起こる。こ の限界を回避するため、ポリゾーム複合体中で新生したペプチドのディスプレー に基づくインビトロ系が最近開発された。このディスプレーライブラリー法では 、現在利用されているファージ/ファージミドまたはプラスミドライブラリーの 場合よりも3〜6オーダー大きいライブラリーが産生される可能性がある。さら にライブラリーの構築、ペプチドの発現およびスクリーニングは完全に細胞フリ ーのフォーマットで行われる。 この方法の一つの応用(Gallopら,J.Med.Chem.37(9):1233-1251,1994)で は、1012のデカペプチドをコードする分子DNAライブラリーを構築し、このラ イブラリーを転写/翻訳系をインビトロカップリングした E.coli S30で発現させた。条件をリボゾームがmRNA上で停止するように選択 したところ、ポリゾーム中におけるRNAの実質的な部分の蓄積を生じ、それら をコードするRNAにまだ連結している新生ペプチドを含有する複合体が生成し た。ポリゾームはより慣用される組換えペプチドディスプレーライブラリーのス クリーニングとほぼ同じ方法で固定化受容体上で親和性精製するのに十分強固で ある。結合した複合体からRNAを回収し、cDNAに変換し、PCRにより増 幅して次のラウンドの合成およびスクリーニングのための鋳型を製造する。ポリ ゾームディスプレー法はファージディスプレー系にカップリングさせることがで きる。数ラウンドのスクリーニング後に、ポリゾームの濃縮されたプールからの cDNAをファージミドベクターにクローン化した。このベクターは、コートタ ンパク質に融合したペプチドを表示するペプチド発現ベクター、およびペプチド 同定のためのDNA配列決定ベクターの両者として役立つ。ポリゾーム由来のペ プチドをファージ上で発現させることにより、このフォーマットでの親和性選択 操作を継続するかまたは個々のクローン上のペプチドのファージELISAでの 結合活性もしくは完全ファージELISAでの結合特異性をアッセイすることが できる(Barretら,Anal.Biochem.204:357-364,1992)。活性ペプチドの配列 の同定のためにはファージミド宿主によって産生されたDNAの配列を決定する 。 ポリペプチドおよび類縁体の二次スクリーニング 上述の高度のスループットアッセイに続いて生物活性をさらに同定するため、 当業者にたとえばアゴニストとアンタゴニストの識別を可能にする二次スクリー ニングを実施できる。二次スクリーニングの種類は、試験の必要がある所望の活 性に依存する。たとえば、興味あるタンパク質とそのそれぞれのリガンドの間の 相互作用を阻害する能力を、上述の一次スクリーニングの一つによって単離され たペプチドフラグメント群からのアンタゴニストの同定に使用するアッセイを開 発することができる。 すなわち、フラグメントおよび類縁体を生成させて、それらの活性を試験する 方法は本技術分野において周知である。興味あるコア配列が一旦同定されれば、 類縁体およびフラグメントを取得することは当業者にとって通常の作業である。 H.pylori ポリペプチドのペプチド模倣体 本発明はまた、模倣体たとえばペプチドまたは非ペプチド剤を生成させるため の主題のH.pyloriポリペプチドのタンパク質結合ドメインの減数分裂を提供する 。ペプチド模倣体は、ポリペプチドのそのカウンターリガンドに対する結合、た とえばH.pyloriポリペプチドの場合には天然に存在するリガンドへの結合を崩壊 させることができる。ポリペプチドの分子認識に関与する主題のH.pyloriポリペ プチドの重要な残基を決定し、H.pyloriポリペプチドの相互作用ポリペプチドと の結合を競合的にまたは非競合的に阻害するH.pylori由来のペプチド模倣体を生 成させるために用いることができる(たとえば、欧州特許出願EP-412,762Aおよ びEP-B31,080A参照)。 たとえば、走査突然変異誘発は相互作用ポリペプチドの結合に関与する特定の H.pyloriポリペプチドのアミノ酸残基のマッピングに使用することが可能で、相 互作用ポリペプチドへの結合にそれらの残基を模倣し、したがってH.pyloriポリ ペプチドの相互作用ポリペプチドへの結合を阻害することができて、それによっ て、H.pyloriポリペプチドの機能を妨害するペプチド模倣体化合物(たとえば、 ジアゼピンまたはイソキノリン誘導体)を生成させることができる。たとえば、 このような残基の加水分解されないペプチド類縁体はベンゾジアゼピン(たとえ ば、Freidingerら,Peptides:Chemistry and Biology,G.R.Marshall ed.ESC OMPub1isher:Leiden,Netherlands,1988)、アゼピン(たとえば、Huffmanら, Peptides:Chemistry and Biology,G.R.Marshall ed.,ESCOMPublisher:Leiden ,Netherlands,1988)、置換γ−ラクタム環(Garvey ら,Peptides:Chemistry and Biology,G.R.Marshall ed.,ESCOMPublisher:L eiden,Netherlands,1988)、ケトメチレンシュードペプチド(Ewensonら,J. Med.Chem.29:295,1986;Ewensonら,Peptides:Structure and Function(Proc eedings of the 9th American Peptide Symposium)Pierce Chemical Co.Rockl and,IL,1985)、β−ターンジペプチドコア(Nagaiら,Tetrahedron Lett.26 :647,1985;Satoら,J Chem Soc Perkin Trans 1:1231,1986)、ならびにβ− アミノアルコール(Gordonら,Biochem Biophys Res Commun 126:419,1985およ びDannら,Biochem Biophys Res Commun 134:71,1986)を用いて生成させるこ とができる。 VI.H.pylori 核酸およびポリペプチドのワクチン処方物 本発明はまた、H.pylori感染に対する保護またはH.pylori感染の処置のための ワクチン組成物または処方物(本明細書では交換可能に用いられる)を特徴とす る。本明細書で用いられる「H.pylori感染の処置」なる語は、存在するかまたは 確立されたH.pylori感染の治療的処置を意味する。「H.pylori感染に対する保護 」または「予防的処置」なる語は、H.pylori感染の危険がある患者における危険 の低減または感染の予防のためのH.pyloriワクチン処方物の使用を意味する。一 実施態様においては、ワクチン組成物は1種または2種以上の免疫原性成分たと えばH.pyloriからの表面タンパク質またはその部分、および医薬的に許容される 担体を含有する。たとえば、一実施態様においては、本発明のワクチン処方物は 、同種または異種H.pylori抗原からのH.pyloriポリペプチドまたはそのフラグメ ントの少なくとも1種または組合せを含有する。本発明のワクチン処方物に使用 するための核酸およびH.pyloriポリペプチドには、配列表に掲げた核酸およびポ リペプチド、好ましくは表面タンパク質をコードするH.pylori核酸、および表面 タンパク質またはそのフラグメントが包含される。たとえば、本発明のワクチン 組成物中に使用される好ましい核酸およびH. pyloriポリペプチドは、表1に掲げた細胞エンベロープタンパク質およびH.pylo ri細胞エンベロープタンパク質をコードする核酸の群から選択される。しかしな がら、本発明においては、免疫原性H.pyloriタンパク質およびH.pyloriポリペプ チドをコードする任意の核酸またはその部分が使用できる。これらのワクチンは 治療的および/または予防的有用性を有する。 本発明の一態様は、H.pyloriタンパク質の免疫原性フラグメント少なくとも1 種と医薬的に許容される担体を含有する、H.pylori感染に対する防御用ワクチン 組成物を提供する。好ましいフラグメントには、少なくとも長さ約10アミノ酸残 基、好ましくは長さ約10〜20アミノ酸残基、さらに好ましくは長さ約12〜16アミ ノ酸残基のペプチドが包含される。 本発明の免疫原性成分は、たとえば完全長のH.pyloriタンパク質をコードする 核酸の相当するフラグメントから組換えによって製造されたポリペプチドをスク リーニングすることによって得られる。さらに、フラグメントはたとえば慣用の Merrifieldの固相f-Mocまたはt-Boc化学のような本技術分野で周知の技術を用い て化学的に合成することもできる。 一実施態様においては、免疫原性成分は、T細胞を刺激するペプチドの能力に よって同定される。たとえばT細胞増殖またはサイトカイン分泌によって測定さ れるT細胞刺激ペプチドは、本明細書においては、少なくとも1個のT細胞エピ トープからなるペプチドと定義される。T細胞エピトープは、アレルギーの臨床 症状に対応するタンパク質アレルゲンに対する免疫応答の開始および持続に関与 するものと考えられる。これらのT細胞エピトープは、抗原提示細胞の表面上の 適当なHLA分子に結合することによってTヘルパー細胞のレベルにおける初期 現象を誘発し、それによってエピトープの関連T細胞受容体をもつT細胞亜集団 を刺激するものと思われる。これらの現象は、T細胞の増殖、リンフォカインの 分泌、局所炎症反応、抗原/T細胞相互作用部位への付加的免疫細胞の供給およ び抗体 の産生を導くB細胞カスケードの活性化を招来する。T細胞エピトープは基本的 要素またはT細胞受容体による認識の最小単位であり、この場合、エピトープは 受容体認識に必須のアミノ酸(たとえば、約6または7アミノ酸残基)からなる 。T細胞エピトープの配列を模倣するアミノ酸配列は本発明の範囲内に包含され る。 他の実施態様においては、本発明の免疫原性成分はゲノムワクチン接種により 同定される。この基本的なプロトコールは、病原性ゲノムたとえばH.pyloriゲノ ムのすべてまたは部分から構成される発現ライブラリーが宿主の遺伝的免疫に用 いた場合には保護を付与できるという考え方に基づいている。この発現ライブラ リー免疫処置(ELI)は発現クローニングに類似し、遺伝子ワクチンとして作用 できるプラスミドへの病原体たとえばH.pyloriのゲノム発現ライブラリーの減少 に関与する。プラスミドはまた、体液性反応を劇的に刺激することが可能な遺伝 子アジュバントをコードするように設計することもできる。これらの遺伝子アジ ュバントは、離れた部位に導入することが可能で、細胞外にも細胞内にも同様に 作用する。 これは、感染の危険のない生存/減弱化病原体の多くの利点を有するワクチン 製造への新しいアプローチである。病原体DNAの発現ライブラリーを用いて宿 主を免疫し、それにより危険のない生存ワクチンの抗原提示作用を生じさせる。 たとえば本発明においては、H.pyloriゲノムまたはコスミドもしくはプラスミド クローンからのランダムフラグメント、ならびにゲノム配列決定によって同定さ れた遺伝子からのPCR産物が宿主の免疫に使用できる。このアプローチの実行 可能性は、Mycoplasma pulmonisで証明されていて(Barryら,Nature 377:632-6 35,1995)、齧歯動物の天然の病源体であるMycoplasmapulmonisの部分発現ライ ブラリーでもその病原体からのチャレンジに対し保護を提供した。 ELIは、病原体の生物学についてほとんど分かっていなくても、ELIは候 補遺伝子をスクリーニングするために免疫系を用いることから、 非感染性多部分ワクチンの製造を可能にする技術である。一旦単離されればこれ らの遺伝子は遺伝ワクチンとしてまたは組換えタンパク質ワクチンの開発に用い ることができる。すなわちELIは系統的な著しく機械化された様式でのワクチ ンの製造を可能にする。 免疫原性成分のスクリーニングは数種の異なるアッセイの1種または2種以上 を用いて達成できる。たとえば、インビトロにおいて、免疫原性が既知のまたは 疑われるペプチドをT細胞培養液中て適当なMHC分子を提供する抗原提示細胞 と接触させることによりペプチドT細胞刺激活性をアッセイする。必要な共刺激 とともに適当なMHC分子に会合した免疫原性H.pyloriペプチドのT細胞への提 示は、T細胞にサイトカイン、特にインターロイキン−2およびインターロイキ ン−4の産生レベルの上昇を誘導するシグナルを伝達する作用を示す。培養上清 を得て、インターロイキン−2および他の既知サイトカインをアッセイする。た とえば、インターロイキン−2の数種の慣用アッセイの任意の1種を使用するこ とができる。このようなアッセイはProc.Natl.Acad.Sci.USA 86:1333,1989 に記載されており、その関連部分は引用により本明細書に導入される。インター フェロン産生のためのアッセイのキットもGenzyme Corporation(Cambridge,MA )から入手することができる。 別法として、T細胞の増殖の一般的なアッセイにはトリチウム化チミジンの取 り込みの測定が包含される。T細胞の増殖はインビトロにおいて、培養細胞の複 製DNA中に取り込まれた3H−標識チミジンの量を定量することによって測定 することができる。したがって、DNA合成の速度、さらには細胞分裂の速度も 定量化することができる。 1種または2種以上の免疫原性成分(たとえばH.pyloriポリペプチドもしくは そのフラグメントまたはH.pyloriポリペプチドをコードする核酸もしくはそのフ ラグメント)を含有する本発明のワクチン組成物または処方物には、好ましくは 医薬的に許容される担体が包含される。「医薬的 に許容される担体」なる語は、医薬投与と適合性の任意のすべての溶媒、分散媒 、コーティング、抗細菌および抗カビ剤、等張化剤および吸収遅延化剤等を包含 する意図である。適当な医薬的に許容される担体には、たとえば水、生理食塩水 、リン酸緩衝生理食塩水、デキストロース、グリセロール、エタノール等ならび にそれらの混合物の1種または2種以上が包含される。医薬的に許容される担体 はさらに、H.pylori核酸またはポリペプチドの貯蔵寿命または有効性を高める少 量の補助物質、たとえば湿潤剤もしくは乳化剤、防腐剤または緩衝剤から構成さ れてもよい。H.pyloriポリペプチドを含有する本発明のワクチン処方物では、ポ リペプチドは本明細書に記載の適当なアジュバントおよび/または送達系と共投 与することが好ましい。 当業者には自明のように、本発明のDNAまたはタンパク質の治療有効量は特 に、投与スケジュール、投与されるH.pylori核酸またはポリペプチドの単位用量 、タンパク質または核酸が他の治療剤と組み合わせて投与されるかどうか、患者 の免疫状態および健康、ならびに特定のタンパク質または核酸の治療活性に依存 する。 ワクチン処方物は通常非経口的に、たとえば注射により皮下または筋肉内のい ずれかに投与される。筋肉内免疫処置方法はWolffら,Science 247:1465-1468, 1990およびSedegahら,Immunology 91:9866-9870,1994に記載されている。他の 投与方法には、経口および経肺処方物、坐剤、および経皮適用が包含される。H. pyloriによる感染に対する保護を誘導するためには非経口的方法より経口的な免 疫処置が好ましい(Czinnら,Vaccine 11:637-642,1993)。経口処方物には、 このような場合に通常用いられる賦形剤たとえば医薬用のマンニトール、乳糖、 デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、炭 酸マグネシウム等が包含される。 一実施態様においては、ワクチン処方物には、医薬的に許容される担体 としてアジュバントが包含される。本発明のワクチン処方物に使用するのに適当 なアジュバントの例にはそれらに限定されるものではないが、水酸化アルミニウ ム;N−アセチル−ムラミル−L−スレオニル−D−イソグルタミン(thr-MDP );N−アセチル−nor−ムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミン(CGP116 37,nor-MDPとも呼ばれる);N−アセチルムラミル−L−アラニル−D−イソ グルタミニル−L−アラニン−2−(1',2'−ジパルミトイル−sn−グリセロ− 3−ヒドロキシホスホリルオキシ)−エチルアミン(CGP19835A,MTP−PEとも 呼ばれる);細菌からの3成分を含むRIBI;モノホスホリルリピドA;トレハロ ースジマイコロエート;2%スクワラン/Tween 80乳化液中細胞壁骨格(MPL+TD M+CWS);およびコレラトキシンが包含される。使用できる他のアジュバントには 、コレラトキシンの非毒性誘導体たとえばそのBサブユニット、および/または H.pyloriポリペプチドのコレラトキシンもしくはそのBサブユニットとの接合体 もしくは遺伝子操作融合体、プロコレラジェノイド、カビ多糖たとえばシゾフィ ラン、ムラミルジペプチド、ムラミルジペプチド誘導体、ホルボールエステル、 E.coliの不安定なトキシン、非H.pylori菌の溶解物、ブロックポリマーまたはサ ポニンがある。 他の実施態様においては、ワクチン処方物には医薬的に許容される担体として 、送達システムが包含される。本発明のワクチン処方物に使用される適当な送達 システムは、生物分解性マイクロカプセルもしくは免疫刺激複合体(ISCOM)、コ クリート、またはリポソーム、ウイルスもしくは細菌のような遺伝子操作弱毒化 生存ベクター、および組換え(キメラ)ウイルス様粒子たとえばブルータングが 包含される。本発明の他の実施態様においては、ワクチン処方物は送達システム およびアジュバントの両者を包含する。 ヒトにおける送達システムは、胃の酸性環境から抗原を保護し、融合タンパク 質として非溶解型のH.pyloriポリペプチドを包含する腸放出性カ プセルとしてもよい。本発明のワクチンに適当な担体は腸溶性コーティングを施 したカプセルおよびポリラクチドーグリコリドマイクロスフェアである。適当な 希釈剤は0.2N NaHCO3および/または生理食塩水である。 本発明のワクチンは、成人もしくは小児に一次的予防剤として、感染宿主にお けるH.pyloriの撲滅後に二次防御剤として、またはH.pyloriの感染を防止するた め疑わしい宿主に免疫応答を誘発する目的での治療剤として投与することができ る。本発明のワクチンは当業者によって容易に決定される量を投与される。すな わち、成人における適当な投与量は、10μg〜10g、好ましくは10μg〜100mg、た とえば50μg〜500mgの範囲である。成人における適当な投与量はまた5μg〜500 mgの範囲である。小児に対しても同様の投与量範囲が適用できる。 採用されるアジュバントの量は、用いられるアジュバントの種類に依存する。 たとえば、粘膜のアジュバントがコレラトキシンである場合は、それは5μg〜5 0μg、たとえば10μg〜35μgの量が使用される。マイクロカプセルの型で使用さ れる場合には、用いられる量は所望の投与量を達成するためにマイクロカプセル のマトリックス中に使用される量に依存することになる。この量の決定は当業者 の技術の範囲内である。 至適用量が多かれ少なかれ患者の体重、疾患、投与経路および他の因子に依存 することは、当業者には明らかである。また、当業者には明らかなように適当な 投与量レベルは既知の経口ワクチン、たとえばE.coli溶解物に基づくワクチン( 1日用量6mg、総投与量540mgまで)およびエンテロトキシン産性E.coli精製抗 原(1mg、4回)における結果に基づいて得られる(Schulmanら,J.Urol.150 :917-921,1993;Boedeckerら,American Gastroenterological Assoc.999:A-22 2,1993)。投与回数は疾患、処方および臨床試験からの有効データにより決定 できる。処置の経過に関する制限を意図するものではないが、処置は初期免疫ス ケジュールでは1ヵ月間にわたって3〜8回の投与によって実施できる(Boedeck er ら,American Gastroenterological Assoc.888:A-222,1993)。 好ましい実施態様においては、本発明のワクチン組成物は本発明のH.pyloriタ ンパク質の免疫原性フラグメントを表面に発現させた死滅全E.coliプレパレーシ ョンをベースとするか、またはE.coli溶解物をベースとすることが可能で、この 場合、死滅全E.coliは担体またはアジュバントとして作用する。 本発明のワクチン組成物の一部がH.pylori感染の防止にのみ有用であり、また 一部はH.pylori感染の処置にのみ有用であり、また一部はH.pylori感染の防止お よび処置の両者に有用であることは当業者には自明である。好ましい実施態様に おいては、本発明のワクチン組成物は、H.pyloriに対する体液性および/または 細胞性免疫を刺激することによりH.pylori感染に対する保護を提供する。H.pylo ri感染の任意の症状の改善、例えばH.pyloriによって引き起こされた疾患の処置 に使用される医薬の投与量の低減、あるいは患者の血清または粘膜における抗体 産生の増大が所望の臨床的ゴールである。 VII.H.pylori ポリペプチドと反応性の抗体 本発明はまた、主題のH.pyloriポリペプチドと特異的に反応する抗体を包含す る。抗−タンパク質/抗−ペプチド抗血清またはモノクローナル抗体は、標準プ ロトコール(たとえばAntibodies:A Laboratory Manualed.Harlow & Lane,Col d Spring Harbor Press,1988)によって作成することができる。マウス、ハム スターまたはウサギのような哺乳動物を、免疫原性の型のペプチドで免疫するこ とができる。タンパク質またはペプチドに免疫原性を付与する技術には、担体へ の接合または本技術分野で既知の他の技術が包含される。主題のH.pyloriポリペ プチドの免疫原性の部分をアジュバントの存在下に投与することができる。免疫 の進行は血漿または血清中の抗体力価の検出によってモニターすることができる 。標準ELISAまたは他のイムノアッセイが、抗原としての免疫原とともに抗 体のレベルの評価に使用できる。 好ましい実施態様においては、本発明の抗体は本発明のH.pyloriポリペプチド の抗原決定基、たとえば配列表に含まれる本発明のポリペプチドの抗原決定基ま たは密接に関連したヒトまたは非ヒト哺乳動物の同族体(たとえば90%さらに好 ましくは少なくとも95%のホモロジーを示す)に免疫特異的である。さらに他の 好ましい本発明の実施態様においては、抗−H.pylori抗体は、配列表に含まれる 本発明の配列とのホモロジーがたとえば80%未満のタンパク質とは、実質的に交 叉反応(すなわち、特異的に反応)しない。「実質的に交叉反応しない」とは、 抗体が、配列表に含まれる本発明のタンパク質に対する結合親和性10%未満、好 ましくは5%未満、さらに好ましくは1%未満の非相同性タンパク質に対して結 合親和性を有することを意味する。特に好ましい実施態様においては、細菌およ び哺乳動物抗原の間の交叉反応性はない。 本明細書で使用される抗体なる語は、H.pyloriポリペプチドと同じく特異的に 反応するそのフラグメントを包含する意図である。抗体は、慣用の技術を用いて 分画化し、フラグメントは全抗体について上述したのと同じ様式で有用性につい てスクリーニングすることができる。たとえば、F(ab')2フラグメントは抗体を ペプシンで処理することによって生成させることができる。得られたF(ab')2フ ラグメントはジスルフィド結合を還元するように処理し、Fab'を製造することが できる。本発明の抗体には、さらに抗−H.pylori部分を有する二重特異性および キメラ分子を包含することを意図する。 H.pyloriポリペプチドまたはH.pyloriポリペプチド変異体に対するモノクロー ナルおよびポリクローナル抗体(Ab)の両者、ならびに抗体フラグメントたとえ ばFab'およびF(ab')2は、H.pyloriポリペプチドの作用を遮断し、本発明の特定 のH.pyloriポリペプチドの異常なまたは望ましくない細胞内シグナリングにおけ る役割、ならびに本発明の抗−H.pyloriポ リペプチド抗体のマイクロインジェクションによってH.pyloriの正常細胞機能の 研究を行うことが可能である。 H.pyloriのエピトープに特異的に結合する抗体は、H.pylori抗原の存在量およ び発現パターンの評価のために、組織サンプルの免疫組織化学的染色に使用する こともできる。抗−H.pyloriポリペプチド抗体は、臨床検査操作の一部として、 組織または体液中のH.pyloriのレベルを検出および評価する免疫沈降および免疫 ブロッティングに診断的に使用することができる。同様に個体内のH.pyloriポリ ペプチドレベルをモニターする能力は、このような疾患に冒された個体に対する 所定の処置基準の有効性の決定を可能にする。H.pyloriポリペプチドのレベルは 体液たとえば尿サンプル中に見出される細胞内で、または胃の生検で得られた組 織内で測定することができる。抗−H.pylori抗体を用いる診断的アッセイには、 たとえばH.pylori感染の初期診断に役立つように設計されたイムノアッセイがあ る。本発明はまた、特異的なH.pylori抗原を用いてこの細菌に感染した個体から のサンプル中に含まれる抗体を検出する方法としても使用することができる。 本発明の抗−H.pyloriポリペプチド抗体の他の適用には、発現ベクターたとえ ばλgt11、λgt18−23、λZAPおよびλORF8内に構築されたcDNAライブラリ ーの免疫学的スクリーニングにおける適用がある。正しいリーディングフレーム および方向性で挿入されたコード配列を有するこの種類のメッセンジャーライブ ラリーは融合タンパク質を産生できる。たとえばλgt11はアミノ末端がβ−ガラ クトシダーゼアミノ酸配列から構成され、カルボキシ末端は異種ポリペプチドか らなる融合タンパク質を産生する。主題のH.pyloriポリペプチドの抗原性エピト ープはついで、たとえば感染させたプレートからリフトしたニトロセルロースフ ィルターを抗−H.pyloriポリペプチド抗体と反応させて抗体を検出することがで きる。このアッセイで評価されたファージはついで感染プレートから単離で きる。すなわち、H.pylori遺伝子同族体の存在を他の種から検出してクローン化 すること、また別のアイソフォーム(スプライシング変異体を含む)を検出しクロ ーン化することができる。 VIII.本発明の核酸、ポリペプチドおよび抗体を含有するキット 本発明の核酸、ポリペプチドおよび抗体は他の試薬および部品と組み合わせて キットを形成させることができる。診断の目的でのキットは通常、核酸、ポリペ プチドまたは抗体をバイアルまたは他の適当な容器に加えて構成される。キット は通常ハイブリダイゼーション反応、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)の実施のた めの他の試薬、または凍結乾燥成分の再構築のための他の試薬たとえば水性メジ ウム、塩、緩衝剤等から構成される。キットにはまた、サンプルの処理用試薬た とえば界面活性剤、カオトロピック塩等を加えてもよい。キットにはまた固定化 手段たとえば、粒子、支持体、ウエル、ディップスティック等を包含させてもよ い。キットはまた、標識手段たとえば染料、発色試薬、放射性同位元素、蛍光試 薬、ルミネッセンスまたは化学ルミネッセンス剤、酵素、挿入剤等から構成して もよい。本明細書に提供された核酸およびアミノ酸配列情報により、当業者はそ れらの特定の目的に役立つキットを容易に組み立てることが可能である。キット にはさらに使用のための使用説明書を包含させることができる。 IX.H.pylori ポリペプチドを用いる薬剤のスクリーニングアッセイ 精製および組換えH.pyloriポリペプチドを利用することにより、本発明は、正 常細胞機能、この場合は主題のH.pyloriポリペプチドの正常細胞機能のまたはそ れらの細胞内シグナリングにおける役割のアゴニストまたはアンタゴニストであ る薬剤のスクリーニングに使用できるアッセイを提供する。このようなインヒビ ターまたはポテンシエーターがヒトにおけるH.pylori感染を撲滅する新しい治療 剤として有用である。多様なアッセイフォーマットが十分満足され、それらは本 発明に照らして当業者には理解されよう。 化合物および天然の抽出物のライブラリーを試験する多くの薬剤スクリーニン グプログラムには、所定の期間に検討できる化合物の数を最大にするため、高度 のスループットアッセイが望ましい。たとえば精製または半精製タンパク質に由 来する無細胞系で実施されるアッセイは、試験化合物により誘導される分子標的 における変化の迅速な発生および比較的容易な検出を可能にする点で、多くの場 合、「一次」スクリーニングとして好ましい。しかも試験化合物の細胞毒性作用 および/または生物学的利用性は一般にインビトロシステムでは無視され、その 代わりアッセイは他のタンパク質との結合親和性の変動または分子標的の酵素的 性質の変化に現われる分子標的に対する薬剤の作用に主として集中される。した がって、本発明のスクリーニングアッセイの例では、興味ある化合物は単離され 精製されたH.pyloriポリペプチドと接触させる。 スクリーニングアッセイはインビトロにおいて、精製されたH.pyloriポリペプ チドまたはそのフラグメントにより構成され、この場合、H.pyloriポリペプチド は酵素活性を有し、そのポリペプチドの活性は検出可能な反応生成物を生じる。 化合物の有効性は、様々な濃度の試験化合物を使用して得られたデータから用量 反応曲線を作成して評価することができる。さらに、比較のためのベースライン を提供するために対照のアッセイも行われる。適当な生成物には、たとえば検出 が容易に自動化できるように、特有の吸収、蛍光、または化学ルミネッセンスを 発する性質をもつ化合物が包含される。様々な合成または天然に存在する化合物 がH.pyloriポリペプチドの活性を阻害または増強する化合物を同定するためのア ッセイで試験できる。これらの活性な化合物の一部は直接、または膜の透過性も しくは溶解性を促進する化学的変化により、全生存H.pylori細胞で、同じ活性( たとえば酵素活性)を阻害または増強する。 本発明は、以下の実施例によりさらに詳細に説明するが、これらは本発明を限 定するものではない。本出願を通じて引用されたすべての文献およ び公開された特許出願の内容は引用により本明細書に導入される。実施例 I.H.pylori DNAのクローニングおよび配列決定 H.pyloriの染色体DNAはSchlief R.F.& Wensink P.C.によってあらまし が記述されている基本的DNAプロトコール(Practical Methods in Molecu1arB io1ogy,p.98,Springer-Verlag,NY,1981)をわずかに改変して用い、単離した 。略述すれば、細胞をペレット化し、TE(10mM Tris,1mM EDTA,pH7.6)に再 懸濁し、ついでGES溶解緩衝液(5.1Mグアニジンチオシアナート,0.1M EDT A,pH8.0,0.5%N−ラウリルサルコシン)を加えた。懸濁液を冷却し、酢酸ア ンモニウム(NH4Ac)を終濃度2.0Mになるように加えた。DNAを最初にクロロ ホルム、ついでフェノール−クロロホルムで抽出し、クロロホルムで再抽出した 。DNAをイソプロパノールで沈殿させ、70%EtOHで2回洗浄し、乾燥し、TE に再懸濁した。 単離後に、全ゲノムH.pylori DNAを中央サイズ2000bpに噴霧乾燥した(Bode nteichら,Automated DNA Sequencing and Analysis(J.C.Ventered.),Academic Press,1994)。噴霧乾燥後DNAを濃縮し、標準1%アガロースゲル上におい て分離した。サイズ約900〜1300bp、1300〜1700bp、1700〜2200bpおよび2200〜2 700bpに相当する数種の分画をゲルから切り出し、GeneClean操作(Bio101,Inc. )によって精製した。 精製されたDNAフラグメントをついで、T4 DNAポリメラーゼを用いて ブラント末端化した。充填したDNAをついで100〜1000倍モル過剰のユニーク なBstXI−リンカーアダプターにライゲートした。これらのリンカーはBstXI−切 断pMPXベクターに相補性で、オバーハングは自己相補性ではない。したがって、 リンカーはコンカテマー化せず、またそれ自体容易にはカットベクター再ライゲ ートもしない。リンカー採用挿入体を単構成から1%アガロースゲル上で分離し 、GeneCleanを用いて精製した。 リンカー採用挿入体をついでそれぞれ20pMPXベクターにライゲートし、一連の「 ショットガン」サブクローンライブラリーを構築した。ベクターはアダプターダ イマーがクローン化される時点でインフレームになるクローニング部位にアウト オブフレームのlacZ遺伝子を含有し、これらはその青色によって回避が可能 である。 以後の全工程はChurch G.M.& Kieffer-Higgins S.,Science 240:185-188,19 88に概略が述べられているマルチプレックスDNA配列決定プロトコールに基づ いて行われた。プロトコールの主要な改変のみを特に示す。略述すれば、20のベ クターそれぞれをついでDH5αコンピーテント細胞にトランスフォームした( Gibco/BRL、DH5αトランスフォーメーションプロトコール)。アンピシリン、 メチシリンおよびIPTG/Xgalを含有する抗生物質プレート上で平板培養してライ ブラリーを評価した。プレートを37℃で一夜インキュベートした。ついで成功し たトランスフォーマントを用いてクローンを平板培養し、マルチプレックスにプ ールした。クローンを採取し、40mlの増殖培地培養液にプールした。培養液を37 ℃において一夜増殖させた。Qiagen Midi−prepキットおよびTip−100カラム(Q iagen,Inc.)を用いてDNAを精製した。この方法で1プールあたり100μgの DNAが得られた。DNAの15個の96−ウエルプレートを生成させて5〜10倍の 配列重剰性を得、200〜300塩基平均の読み取りの長さが推定された。 これらの精製DNAサンプルをついで化学的分解法(Church G.M.& Kieffer -Higgins S.,Science 240:185-188,1988)に基づくマルチプレックスDNA配 列決定を用いてまたはSequithrem(Epicenter Technologies)ジデオキシ配列決 定プロトコールによって配列を決定した。配列決定反応物を電気泳動に付し、40 cmゲルからの直接トランスファー電気泳動(Richterich P.& Church G.M.,Me thods in Enzymology 218:187-222,1993)またはエレクト・ロブロッティング (Church,前出)によ りナイロン膜上に移した。各ゲルあたり24のサンプルを流した。化学的配列決定 によって45個、ジデオキシ配列決定により8個の膜の製造に成功した。DNAを 紫外線照射によって膜に共有結合で結合させ、ベクター上のタグ配列の相補性の 標識オリゴヌクレオチドにハイブリダイズさせた(Church,前出)。膜を非特異 的結合プローブから濯ぎ、X−線フィルムに露出して個々の配列ラダーを可視化 した。オートラジオグラフィー後、65℃でインキュベートしてハイブリダイズし たプローブを除去し、ハイブリダイゼーションサイクルを、膜が化学的配列決定 による場合は38回、ジデオキシ配列決定による場合は10回プローブされるまで他 のタグ配列で反復した。すなわち、各ゲルが多数のフィルムを産生し、それぞれ が新しい配列情報を含有した。新たなブロットを処理する場合は常に、最初に各 プールに付加された内部標準配列についてプローブした。 フィルムのデジタルイメージを、レーザー走査デンシトメーター(Molecular Dynamics,Sunnyvale,CA)を使用して発生させた。デジタルイメージはプログ ラムREPLICA(登録商標,Churchら,Automated DNA Sequencing and Analysis(J .C.Venter ed.),Academic Press,1994)を使用し、コンピューターワークス テーション(VaxStation 4000's)で処理した。イメージの処理には、レーン整 理、強度差を除去するためのコントラスト調整、および反復ガウス逆重畳による 分解能の上昇を包含した。配列をついで自動的にREPLICA(登録商標)に取り込 み、プロジェクトデータベースに保存する前に、相互のプルーフリーディングの ために表示した。プルーフリーディングには、フィルムイメージの迅速な肉眼的 走査、ついで表示されたバンド上でのマウスクリックによる塩基コールの修正が 含まれた。ゲノムDNAの同一部分をカバーする多重配列の読みが編集に適当な 配列重剰で提供されるので、多くの配列エラーが検出され訂正された。各配列に は自動的に確認番号(マイクロタイタープレート、プローブ情報、およびレーン セット番号に相当)が付された。この番号は配列の永 久的同定番号として特殊なデータベースに頼らないで任意の特定の配列の起源を 同定することができる。 H.pylori配列の定常的な組立てはプログラムFALCON(Churchら,Automated DN A Sequencing and Analysis(J.C.Venter ed.),Academic Press,1994)を用 いて実施した。このプログラムは大部分の配列について迅速で信頼性の高いこと が証明されている。組立てられたコンティーグはREPLICA(登録商標)と相万に 作動するGenetics Computer Group(GCG)によって開発されたGelAssembleの改 良バージョン(Devereuxら,Nucleic.Acid Res.12:387-395,1984)を用いて 表示した。これが、多重配列ゲルイメージをREPLICA(登録商標)データベース から即時に呼び出して表示し、コンティーグの迅速な走査およびアッセンブリー 中の異なる配列読みの間に矛盾が生じた場所のゲルトレースのプルーフリーディ ングを可能にする統合的な編集を行う。 II.組換えH.pylori DNA配列の同定、クローニングおよび発現 H.pyloriからの膜および分泌タンパク質のクローニング、発現および精製を容 易にするため、強力な遺伝子発現システム、E.coliにおける組換えタンパク質の クローニングおよび発現のためのpETシステム(Novagen)を選択した。また 、ペプチドタグ、His−TagをコードするDNA配列を興味あるDNA配列の3'末 端に融合させて、組換えタンパク質産物の精製を促進させた。5'末端シグナル配 列の変化を回避するために融合には3'末端を選択した。ppiBは上記に対する 例外であり、発現試験において対照として用いるため遺伝子をクローン化した。 この試験では、H.pylori ppiBの配列は、完全長遺伝子の5'末端に融合したHis− TagをコードするDNA配列を含有する。この遺伝子のタンパク質産物はシグナ ル配列を含まず、細胞質ゾルタンパク質として発現するからである。 Helicobacter pylori のJ99株からの膜および分泌タンパク質のORFを含有す るDNA配列のPCR増幅およびクローニング H.pylori J99株からのクローニングのため(本発明のDNA配列の表から)選択 された配列はポリメラーゼ連鎖反応(PCR)による増幅クローニング用に調製した 。オープンリーディングフレーム(ORF)の5'および3'末端に特異的な合成オリゴ ヌクレオチドプライマー(表3)を設計し、購入した(GibcoBRLLife Technologi es,Gaithersburg,MD,USA)。順行プライマー(配列の5'末端に特異的)はす べて5'の最末端にNcoIクローニング部位を含むように設計し、HpSeq.48210 82では例外としてNdeIを使用した。これらのプライマーはバリン残基および 未変性のH.pylori DNA配列の残りのコード配列に続くメチオニン残基でタン パク質の翻訳開始が可能なように設計された。H.pylori配列4821082は例外でイ ニシエーターのメチオニンは直ちに未変性のH.pylori DNA配列の残部に続く 。逆行プライマー(H.pylori ORFの3'末端に特異的)はすべて5'の最末端に各H. pylori配列のpET−28bのリーディングフレームへのクローニングを可能にするよ うにEcoRI部位を包含させた。pET−28bベクターはHis−Tagからなる6個のヒス ヂジン残基(C最末端)を含むさらに20個のカルボキシ末端アミノ酸(HpSeq.2 6380318およびHpSeq.14640637中の19個のアミノ酸のみ)をコードする配列を提 供する。上記に対する例外は、前述のようにppiB遺伝子の構築ベクターであ る。ppiB遺伝子の5'末端に特異的な合成オリゴヌクレオチドプライマーはそ の5'最末端にBamHI部位をコードし、ppiB遺伝子の3'末端のためのプライマ ーはその5'最末端にXhoI部位をコードした。 H.pyloriのJ99株(ATCC #55679;Genome Therapeutics Corporation,100 Beav er Street,Waltham,MA 02154により寄託)から調製されたゲノムDNAをPC R増幅反応(Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley and Sons, Inc.,F.Ausubelら,ed.,1994)のためのDNA鋳型の起源として使用した。H .pylori ORFを含有するDNA配列を増幅するためには、50ngのゲノムDNAを 、2mM MgCl2、特定のH.pylori ORFに相補性で隣接する合成オリゴヌクレオチド プライマー(順行および逆行プライマー)1μM、各デオキシヌクレオチドトリ ホスフェート:dATP、dGTP、dCTP、dTTPの0.2mM、ならびに2.5単位の熱安定性の DNAポリメラーゼ(Amplitaq,RocheMolecular Systems,Inc.,Branchburg, NJ,USA)を終容量100μl中に含む反応バイアルに添加した。以後の熱サイクル 条件には、Perkin Elmer Cetus/Gene Amp PCR System 9600熱サイクラーを用い 、各ORFについて増幅されたPCR産物が得られる条件を採用した。 タンパク質26054702、タンパク質7116626、タンパク質29479681、タンパク質3 0100332およびタンパク質4821082; 変性94℃で2分間、 2サイクル、94℃で15秒間、30℃で15秒間および72℃で1.5分間、 23サイクル、94℃で15秒間、55℃で15秒間および72℃で1.5分間、 反応は72℃6分間で終結させた。 タンパク質16225006; 変性94℃で2分間、 25サイクル、95℃で15秒間、55℃で15秒間および72℃で1.5分間、 反応は72℃6分間で終結させた。 タンパク質4721061; 変性94℃で2分間、 2サイクル、94℃で15秒間、36℃で15秒間および72℃で1.5分間、 23サイクル、94℃で15秒間、60℃で15秒間および72℃で1.5分間、 反応は72℃6分間で終結させた。 タンパク質26380318; 変性94℃で2分間、 2サイクル、94℃で15秒間、38℃で15秒間および72℃で1.5分間、 23サイクル、94℃で15秒間、62℃で15秒間および72℃で1.5分間、 反応は72℃6分間で終結させた。 タンパク質14640637; 変性94℃で2分間、 2サイクル、94℃で15秒間、33℃で15秒間および72℃で1.5分間、 30サイクル、94℃で15秒間、55℃で15秒間および72℃で1.5分間、 反応は72℃6分間で終結させた。 H.pylori ppiBの増幅条件; 変性94℃で2分間、 2サイクル、94℃で15秒間、32℃で15秒間および72℃で1.5分間、 25サイクル、94℃で15秒間、56℃で15秒間および72℃で1.5分間、 反応は72℃6分間で終結させた。 熱サイクル反応の完了後に、増幅されたDNAの各サンプルをQiaquick SpinP CR精製キット(Qiagen,Gaithersburg,MD,USA)を用いて洗浄し精製した。増 幅したDNAサンプルすべてを制限エンドヌクレアーゼNcoIおよびEcoRI(New En gland BiolLabs,Beverly,MA,USA)、またはHpSeq.4821082(配列番号:1309 )の場合は、Nde およびEcoRI(Current Protocols in MolecularBiology,Joh n Wiley and Sons,Inc.,F.Ausubelら,ed.,1994)による消化に付した。D NAサンプルはついで1.0%NuSeive(FMC BioProducts,Rockland,ME,USA)ア ガロースゲル上で電気泳動に付した。DNAはエチジウムブロミドへの暴露およ び長波長UV照射によって可視化した。アガロースゲルから単離されたスライス 中 に含有されるDNAはBio 101 GeneCleanキットプロトコール(Bio 101Vista,C A,USA)を用いて精製した。 pET−28b原核細胞発現ベクターへのH.pylori DNA配列のクローニングpET− 28bベクターは、Nco およびEcoRI、またはH.pyloriタンパク質4821082の場合はNde およびEcoRIで消化しクローニングのために調製した(Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley and Sons,Inc.,F.Ausubelら,ed.,1994 )。ppiBをクローニングする場合は挿入された遺伝子の5’末端に融合できるH is−TagをコードするpET−28aベクタを用い、ppiB遺伝子をクローン化するため のクローニング部位をBamHIおよびXho 制限エンドヌクレアーゼでの消化により 調製した。 消化後、DNA挿入体を先に消化したpET−28b発現ベクター中にクローン化し (Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley and Sons,Inc.,F.A usubelらed.,1994)、例外としppiBについて増幅した挿入体はpET−28a発現ベ クター中にクローニングした。ライゲーション反応の産物を用いて、ついで、以 下に記載のように、E.coliのBL21株をトランスフォームした(Current Protoc ols in Molecular Biology,John Wiley and Sons,Inc.,F.Ausubelらed,1994 )。 組換えプラスミドによるコンピーテント細菌のトランスフォーメーション コンピーテントな細菌、E.coli株BL21またはE.coli株BL21(DE3)を、ク ローン化されたH.pylori配列を有する組換えpET発現プラスミドにより、標準 方法でトランスフォームした(Current Protocols in Molecular,John Wiley a nd Sons,Inc.,F.Ausubelら,ed.,1994)。略述すれば、1μlのライゲーショ ン反応混合物を50μlのエレクトロコンピーテント細胞と混合し、高圧のパルス に付し、ついでサンプルを0.45mlのSOC培地(0.5%の酵母エキス、2.0%トリ プトン、10mM NaCl、2.5mM KCl、10mM MgCl2、10mM MgSO4および20mMのグルコー ス)中、37℃におい て攪拌しながら1時間インキュベートした。サンプルをついで25μg/mlの硫酸 カナマイシンを含有するLB寒天プレート上に播いて一夜増殖させた。BL21の トランスフォームされたコロニーを採取し、以下に記載するようにクローン化さ れた挿入体を評価した。 H.pylori配列を有する組換えpET発現プラスミドの同定 組換えpET−28b−H.pylori ORFでトランスフォームした個々のBL21クローン を、最初のPCR増幅クローニング反応に用いられた各H.pylori配列に特異的な 同一の順行および逆行プライマーを用いて、クローン化された挿入体のPCR増 幅により分析した。成功した増幅は発現ベクター中へのH.pylori配列のインテグ レーションを確証した(Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley and Sons,Inc.,F.Ausubelら,ed.,1994)。 BL21トランスフォーマントからのプラスミドDNAの単離および調製 適当にクローニングされたH.pylori ORFを有する組換えpET−28bベクターの個 々のクローンを採取し、5mlのLB培地+25μg/mlの硫酸カナマイシン中で一 夜インキュベートした。翌日、プラスミドDNAを単離し、Qiagenプラスミド精 製プロトコール(Qiagen Inc.,Chatsworth,CA,USA)を用いて精製した。 組換えH.pylori配列のE.coli内における発現 pETベクターは、クローニングまたはプラスミド調製の目的でE.coli K−1 2株たとえばHMS174、HB101、JM109、DH5等任意の株中で増殖させた。発現のた めの宿主には、T7 RNAポリメラーゼの遺伝子の染色体コピーを含有するE.coli株 が包含される。これらの宿主は、lacI遺伝子、1acUV5プロモーターおよびT7 R NAポリメラーゼの遺伝子をもつλ誘導体、バクテリオファージDE3の溶菌原であ る。T7 RNAポリメラーゼはイソプロピル−B−D−チオガラクトシド(IPTG)の 添加により誘導し、T7 RNAポリメラーゼを任意の標的プラスミド、たとえばT7 プロモーターと興味ある 遺伝子を有するpET−28bに転写する。使用された株には、BL21(DE3)(Stud ier,F.W.,Rosenberg,A,.H.,Dunn,J.J.& Dubendorff,J.W.,Meth.En zymol.185:60-89,1990)が包含される。 組換えH.pylori配列の発現には上述のようにして単離したプラスミドDNA50 ngを用い上述のコンピーテントBL21(DE3)細菌(pET発現システムキットの 一部としてNovagenから提供された)をトランスフォームした。lacZ遺伝子(β −ガラクトシダーゼ)をH.pyloriの組換え構築体について記載したpETシステ ム中で発現させた。トランスフォームされた細胞をSOC培地中で1時間培養し 、培養体をついで25μg/mlの硫 酸カナマイシンンを含有するLB培地上で平 板培養した。翌日、細菌コロニーをプールし、25μg/mlの硫酸カナマイシンン を含有するLB培地中で600nMにおける光学密度0.5〜1.0 O.D.単位まで増殖させ 、この時点で1mMのIPTGを培養液に加え、H.pylori組換えDNA構築体の遺 伝子発現を3時間誘導した。 IPTGで遺伝子発現誘導後、細菌をSorvall RC-3B遠心分離器により4℃、3 500×gにおいて15分間遠心分離してペレット化した。ペレットを50mlの冷却10m M Tris−HCl,pH8.0,0.1M NaClおよび0.1mM EDTA(STE緩衝液)に再懸濁した 。細胞をついで4℃、2000×gで20分間遠心分離した。湿ったペレットを秤量し 、タンパク質精製の準備ができるまで−80℃に凍結した。 III.E.coli からの組換えタンパク質の精製 分析方法 精製タンパク質プレパレーションの濃度はアミノ酸含量から計算した吸光係数 を使用して分光光度法によって定量した(Perkins,S.J.,Eur.J.Biochem.15 7 :169-180,1986)。タンパク質濃度はまた,Bradford,M.M.,Anal.Biochem.72 :248-254,1976およびLowry,O.W,Rosebrough,N.,Farr,A.L.& Randall,R .J.,J.Biol.Chem.193:265-275,1951の 方法により標準としてウシ血清アルブミンを用いて測定した。 SDS−ポリアクリルアミドゲル(12%または4.0〜25%アクリルアミド勾配 ゲル)はBioRad(Hercules,CA,USA)から購入し、クーマッシーブルーで染色 した。分子量マーカーにはウサギ骨格筋ミオシン(200kDa)、E.coliガラクトシ ダーゼ(116kDa)、ウサギ筋ホスホリラーゼB(97.4kDa)、ウシ血清アルブミン (66.2kDa)、オバルブミン(45kDa)、ウシカルボニックアンヒドラーゼ(31kDa )、大豆トリプシンインヒビター(21.5kDa)、卵白リゾチーム(14.4kDa)および ウシアプロチニン(6.5kDa)を包含させた。 1.可溶性タンパク質の精製 すべての工程を4℃で実施した。凍結した細胞を解凍し、5容量の溶解緩衝液 (20mM Tris,pH7.9,0.5M NaCl,5mMイミダゾール)中に10%グリセロール、 0.1%2−メルカプトエタノール、200μg/mlのリゾチーム、1mMのフェニルメ チルスルホニルフルオリド(PMSF)、およびそれぞれ10μg/mlのロイペプチン 、アプロチニン、ペプスタチン、L−1−クロロ−3−[4−トシルアミド]−7 −アミノ−2−ヘプタノン(TLCK)、L−1−クロロ−3−[4−トシルアミド ]−4−フェニル−2−ブタノン(TPCK)、および大豆トリプシンインヒビター とともに再懸濁し、小容量のマイクロフルーイダイザー(M−110S型、Microflui dics International Corporation,Newton,MA)を数回通して破壊させた。得ら れたホモジネートに0.1%Brij 35を加え、100,000×gで1時間遠心分離して澄 明な上清を得た(粗抽出物)。 0.8μmのSuporフィルター(Gelman Sciences,FRG)を通してろ過したのち粗 抽出物を、10%グリセロール、0.1%Brij 35および1mM PMSFを含有する溶解緩 衝液に予め平衡化したNi2+−ニトリロトリ酢酸−アガロース(NTA)の床容量5m l上に直接負荷した(Hochuli,E.,Dbeli,H.& Schacheer,A.,J.Chromatogra phy 411:177-184,1987)。カラムを10% グリセロール、0.1%Brij 35を含有する溶解緩衝液250ml(50床容量)で洗浄し 、10%グリセロール、0.05%Brij 35、1mM PMSFならびに20、100、200および50 0mMイミダゾールを含有する溶解緩衝液で順次、連続的に溶出した。分画はOD2 80 nmの吸収によってモニターし、ピーク分画をSDS−PAGEで分析した。組換えタ ンパク質を含む分画は100mMイミダゾールで溶出した。 組換えタンパク質14640637とタンパク質、β−ガラクトシダーゼ(lacZ)お よびペプチジル−プロリルcis−transイソメラーゼ(ppiB) Ni2+−NTA−アガロースカラムからの組換えタンパク質含有分画をプールし、 ついで遠心ろ過(Centriprep-10,Amicon,MA)により約5mlに濃縮し、緩衝液 A(10mM Hepes,pH7.5,150mM NaCl,0.1mM EGTA)に平衡化したSephacryl S-1 00 HRゲルろ過メジウムの180-mlカラム(1.6×91cm)に直接負荷し、緩衝液A中 を18ml/時間で流した。組換えタンパク質を含む分画は280nmの吸収によって同 定し、SDS−PAGEによって分析した。 分画をプールし、遠心ろ過によって濃縮した。 組換えタンパク質7116626 Ni2+−NTA−アガロースカラムからの組換えタンパク質含有分画をプールし、 1リットルの透析緩衝液(10mM MOPS,pH6.5,50mM NaCl,0.1mM EGTA,0.02%B rij 35,1mM PMSF)に対して一夜透析した。翌朝、微細な白色沈殿を遠心分離 により除去し、得られた上清を、50mM NaClを含有する緩衝液B(10mM MOPS,pH 6.5,0.1mM EGTA)に平衡化したMonoS高速液体クロマトグラフィーカラム(Pha rmacia Biotechnology,Inc.,Piscataway,NJ,USA)8ml(8×75mm)上に負 荷した。カラムを、50mM NaClを含有する緩衝液B 10床容量で洗浄して、NaClを 増量する(50〜500mM)50-ml直線勾配で展開した。組換えタンパク質7116626は 急峻なピークとして300mM NaClで溶出した。 2.封入体からの不溶性タンパク質の精製 以下の工程は4℃で実施した。細胞ペレットを10%グリセロール、200μg/ml のリゾチーム、5mMのEDTA、1mMのPMSFおよび0.1%メルカプトエタノールとと もに溶解緩衝液に再懸濁した。細胞破壊装置を通したのち、得られたホモジネー トに0.2%デオキシコール酸を加え、10分間攪拌し、ついで20,000×gで30分間 遠心分離した。ペレットを10%グリセロール、10mMのEDTA、1%Triton X-100、 1mMのPMSFおよび0.1%メルカプトエタノールを含有する溶解緩衝液で洗浄し、 ついで1M尿素、1mMのPMSFおよび0.1%の2−メルカプトエタノールを含む溶 解緩衝液で洗浄した。得られた白色のペレットは主として封入体からなり、破壊 されなかった細胞および膜材料を含まない。 組換えタンパク質26054702、16225006、30100332、4721061 以下の工程は室温で実施した。精製した封入体を1mM PMSFおよび0.1%の2− メルカプトエタノールを含む溶解緩衝液中8.0M尿素20mlに溶解し、室温で1時 間インキュベートした。溶解しなかった物質を遠心分離によって除去した。澄明 な上清をろ過し、ついで、溶解緩衝液中8.0M尿素に予め平衡化したNi2+−NTA− アガロースカラムに負荷した。このカラムを8.0M尿素、1.0mM PMSF、0.1%2− メルカプトエタノール含有溶解緩衝液250ml(50床容量)で洗浄し、8M尿素、 1mM PMSF、0.1%の2−メルカプトエタノール、ならびに20、100、200および50 0mMイミダゾールを含有する溶解緩衝液で順次、連続工程により展開した。分画 はOD280nmの吸収によってモニターし、ピーク分画をSDS−PAGEで分析した。組 換えタンパク質を含む分画は100mMイミダゾールで溶出した。 組換えタンパク質29479681、26380318 封入体を含有するペレットを8M尿素、1mM PMSFおよび0.1%の2−メルカプ トエタノールを含有する溶解緩衝液B中に溶解し、室温で1時間インキュベート した。不溶性の物質を20,000×gで30分間遠心分離して除去し、澄明な上清を緩 衝液B、6M尿素、1mM PMSF、0.1%の2−メルカ プトエタノールで予め平衡化したSP−Sepharoseカラム15ml(1.6×7.5cm)上に 負荷した。カラムを10床容量で洗浄したのち、0〜500mMのNaClの直線勾配で展 開した。 タンパク質サンプルの透析および濃縮 尿素は0.5%デオキシコール酸(DOC)を含むTris−緩衝生理食塩水(TBS;10m M Tris pH8.0,150mM NaCl)中の尿素濃度を6M、4M、3M、2M、1M、0. 5Mそして最後には尿素を含まないTBSと連続的に低下させた溶液に対して透 析することによってタンパク質サンプルから徐々に除去した。各透析工程は室温 で最低4時間実施した。 透析後、サンプルはAmiconの撹拌セルを用いる加圧ろ過によって濃縮した。タ ンパク質濃度は、Perkins(Eur.J.Biochem.157:169-180,1986),Bradford (Anal.Biochem.72:248-254,1976)ならびにLowry(J.Biol.Chem.193:2 65-275,1951)の方法により測定した。 上述の方法で精製した組換えタンパク質を以下の表4にまとめる。IV.H.pylori タンパク質のワクチン候補としての分析 H.pyloriタンパク質の免疫修飾作用を検討するために、マウス/H.pyloriモデ ルを使用した。このモデルは多くの点でヒトH.pylori感染を模倣する。焦点は治 療的経口免疫療法のコンセプトを試験するため、H.pylori感染動物における経口 的免疫処置の効果である。 動物 雌性SPF BALB/cマウスはBomholt Breedingセンター(Denmark)から購入し た。それらは通常のマクロロンケージに入れ、水および飼料を自由に与えた。動 物は到着時4〜6週齢であった。 感染 最低1週間の順化ののち動物をH.pylori(元は潰瘍患者からの単離株244)の 2型株(VacA陰性)に感染させた。この株は本発明者らの手で以前からマウス 胃の良好なコロナイザーであることが証明されていた。細菌は、10%ウシ胎児血 清を補充したブルセラ培地上、微好気性雰囲気(10%CO2,5%O2)中37℃で一 夜増殖させた。動物には経口用量のオメプラゾール(400μmol/kg)を投与し、 この3〜5時間後に培地中H.pylori(約108cfu/動物)を経口的に接種した。感染 の陽性の取得は接種2〜3週後に一部の動物でチェックした。 抗原 組換えH.pylori抗原は外部に露出したH.pylori細胞膜との会合に基づいて選択 した。これらの抗原は以下のグループから選択された。すなわち、(1)外膜タン パク質;(2)周辺質/分泌タンパク質;(3)外表面タンパク質;および(4)内 膜タンパク質である。すべての組換えタンパク質は精製上の理由からヘキサ−H ISタグで構築され、非Helicobacter pylori対照タンパク質(E.coliからのβ −ガラクトシダーゼ;LacZ)も同様に構築した。 抗原はすべて可溶化型で、すなわちHEPES緩衝液または0.5%デオキシ コール酸(DOC)含有緩衝液に溶解して与えた。 抗原を下記の表5に挙げる。 免疫処置 各グループの動物を、34日の期間にわたって4回(1、15、25および35日)に 免疫処置した。溶液または懸濁液とした精製抗原を100mg/マウスの用量で投与 した。アジュバントとして、各免疫処置と同時に10μg/マウスのコレラトキシ ン(CT)を投与した。オメプラゾール(400mmol/kg)を抗原の酸分解からの保 護のため、免疫処置の3〜5時間前に動物に経口投与した。感染対照動物にはH EPES緩衝液+CTまたはDOC緩衝液+CTを与えた。最後の免疫処置から 2〜4週後に動物を屠殺した。試験の全般的概略は以下の表6に示す。 感染の分析 粘膜感染:マウスはCO2および頸部脱臼により屠殺した。腹部を開き、胃を摘 出した。胃を大弯に沿って切開後生理食塩水で濯いだ。幽門洞および本体からの 25mm2の面積の粘膜を別個に外科用メスで掻き取った。掻き取った粘膜をブルセ ラ培地に懸濁し、Blood Skirrow選択プレート上で平板培養した。プレートを微 好気性条件下に3〜5日間インキュベートし、コロニーの数を計測した。H.pylo riの同一性をウレアーゼおよびカタラーゼ試験ならびに直接顕微鏡検査またはグ ラム染色によって確認した。 ウレアーゼ試験はほぼ次のように行った。試薬,Urea Agar Base Concentrate はDifco Laboratories,Detroit,MI(カタログ番号#0284-61-3)から購入した 。Urea Agar Base Concentrateは水で1:10に希釈した。希釈した1mlの濃厚液 を100〜200mlの活動的に増殖しているH.pylori細胞と混合した。深紅色への変色 は細胞がウレアーゼ陽性であった ことを指示した。 カタラーゼ試験はほぼ以下のように行った。試薬、N,N,N',N'−テトラメチル −p−フェニレンジアミンはSigma、St.Louis,MO(カタログ番号#T3134)から 購入した。試薬の溶液(水中1%w/v)を調製した。H.pylori細胞はWhatmanろ 紙上に吸い取らせ、1%溶液で覆った。暗青色への変色は細胞がカタラーゼ陽性 であったことを指示した。 血清抗体:すべてのマウスの血清は心臓穿刺によって採血した血液から調製し た。血清抗体は、Helicobacter pyloriの特異的抗原をプレーティングした通常 のELISA技術によって同定した。 粘膜抗体:十二指腸本体および4cmの特定部分を穏やかに掻き取って粘膜内の 抗体の存在を50%のマウスで検出した。抗体力価は通常のELISA技術により血清 抗体と同様に測定した。 統計的解析:Helicobacter pyloriのコロナイゼーションにおける有意な抗原 作用の決定にはWilcoxon−Mann−Whitneyの順位和検定を用いた。P<0.05を有 意とした。Helicobacter pyloriの主要なコロナイゼーション部位は幽門洞であ ることから、幽門洞のコロナイゼーションの変化に特に重点を置いた。 結果 血清中の抗体:CTとともに与えた試験抗原はすべて血清に測定可能な特異的 力価の上昇を示した。最高の応答はタンパク質7116626、タンパク4721061、タン パク質26380318、タンパク質14640637およびタンパク質4821082で認められた( 図1参照)。 粘膜内抗体:掻き取った粘膜には試験したすべての抗原に対する特異的な抗体 が認められた。これまでに最高の応答はタンパク質30100332で認められ、ついで タンパク質14640637およびタンパク質26380318であった(図2参照)。 治療的免疫処置の効果: すべての対照動物(BALB/cマウス)がH.pylori(AH244株)は、胃の幽門洞 および本体に良好にコロナイズした。試験した抗原中の3種のタンパク質(タン パク質4721061、タンパク質4821082およびタンパク質14640637)ではH.pylori感 染の良好で有意な低下および/または撲滅が得られた。幽門洞でのコロナイゼー ションの程度は対照に比較してタンパク質7116626およびタンパク質26380318に よる免疫処置後に低下した。タンパク質16225006、29479681および30100332の作 用は対照と差がなかった。非H.pyloriタンパク質の対照タンパク質lacZは撲滅 作用を示さず、実際、HEPES+CT対照に比較してより高いHelicobacter pyloriの コロナイゼーションを示した。図3および4に示すデータはそれぞれ、すべてHE PESおよびDOCに溶解したタンパク質についてのものである。データは幾何平 均値として示す。n=8〜10、Wilcoxon−Mann−Whitneyの順位和検定、*=p <0.05;x/10=試験したマウスの総数に対するH.pyloriの撲滅を示したマウス の数である。 示したデータは、本研究に包含されたH.pylori会合タンパク質のすべてが、経 ロアジュバントCTとともに経口免疫原として使用した場合、特異的血清および 粘膜抗体によって測定される免疫応答の刺激を生じた。大部分のタンパク質がこ の動物モデルにおいて、H.pyloriのコロナイゼーションの低下、および一部の場 合には、完全なクリアランスを招来した。低下またはクリアランスは、同種保護 によるよりも異種保護によったことに留意すべきであり(ポリペプチドは、H.pyl ori J99株の配列に基づくもので、異種チャレンジ株(AH244)に対する治療 的免疫処置試験に使用した)、広範囲のH.pylori株に対するワクチンの可能性が 指示された。 幽門洞における最高のコロナイゼーションは非Helicobacter pyloriタンパク 質lacZで処置した動物に認められ、Helicobacter pylori抗原で認められた作用 は特異的であったことが指示された。 これらのデータを考え合わせると、H.pylori感染の処置および/または 防止にヒトで使用するための医薬処方におけるこれらのH.pyloriタンパク質の使 用が強力に支持される。 V.Helicobacter pylori 株における遺伝子配列の変動の分析 DNAおよび推定アミノ酸配列を比較するために、数種のH.pylori株からの4 種の遺伝子をクローン化し、配列を決定した。この情報はH.pylori J99株、お よびヒト患者から単離された他のH.pylori株の間の配列の変動の決定に使用され た。 染色体DNAの調製 培養したH.pylori株(表9に掲げる)をBLBB(1%トリプトン、1%ペプ タミン、0.1%グルコース、0.2%酵母エキス、0.5%塩化ナトリウム、5%ウシ 胎児血清)中でOD600が0.2になるまで増殖させた。細胞をSorvall RC-3Bによ り4℃、3500×gにおいて15分間遠心分離し、ペレットを10mM Tris−HCl、0.1m M EDTA(TE)0.95mlに再懸濁した。リゾチームを終濃度1mg/mlになるように加 え、同時にSDSを1%、RNAseA+T1をそれぞれ0.5mg/mlおよび5単位/mlに なるように加え、37℃で1時間インキュベートした。ついで、プロテイナーゼK を終濃度0.4mg/mlになるように添加し、サンプルを、55℃で1時間以上インキ ュベートした。サンプルにNaClを濃度0.65Mまで加え、注意深く混合し、0.7M NaCl中10%CTAB 0.15ml(終濃度1%CTAB/70mM NaCl)を加え、ついで65℃で20 分間インキュベートした。この時点でサンプルを、クロロホルム:イソアミルア ルコールで抽出し、フェノールで抽出し、ついでクロロホルム:イソアミルアル コールにより再度抽出した。DNAをEtOH(1.5×容量)またはイソプロパノー ル(0.6×容量)のいずれかにより−70℃で10分間沈殿させ、70%EtOHで洗浄し 、TEに再懸濁した。 PCR増幅およびクローニング 12種のHelicobacter pylori株から調製したゲノムDNAをPCR増幅反応の 鋳型DNAの原料として用いた(Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley and Sons,Inc.,F.Ausubelらed.,1994)。H.pylori O RFを含むDNA配列を増幅させるためには、ゲノムDNA(10ng)を、2mM Mg Cl2、特定のH.pylori ORFに相補性で隣接する合成オリゴヌクレオチドプライ マー(順行および逆行プライマー、表7参照)1μmol、各デオキシヌクレオチ ドトリホスフェート:dATP、dGTP、dCTP、dTTP 0.2mM、および熱安定性のDNA ポリメラーゼ(Amplitaq,Roche Molecular Systems,Inc.,Branchburg,NJ,U SA)0.5単位を終容量20μl中に含有する反応バイアル中に二重に取り、反応させ た。 各ORFについて増幅されたDNA産物を得るためにはPerkin ElmerCetus/Gene Amp PCR System 9600熱サイクラーで以下の熱サイクル条件を用いた。 タンパク質7116626およびタンパク質346; 変性94℃で2分間、 2サイクル、94℃で15秒間、30℃で15秒間および72℃で1.5分間、 23サイクル、94℃で15秒間、55℃で15秒間および72℃で1.5分間、 反応は72℃6分間で終結させた。 株AH5、5155、7958、AH24、およびJ99についてタンパク質26054702; 変性94℃で2分間、 2サイクル、94℃で15秒間、30℃で15秒間および72℃で1.5分間、 25サイクル、94℃で15秒間、55℃で15秒間および72℃で1.5分間、 反応は72℃6分間で終結させた。 株AH4、AH15、AH61、5294、5640、AH18、およびHp244についてタン パク質26054702およびタンパク質294796813; 変性94℃で2分間、 2サイクル、94℃で15秒間、30℃で20秒間および72℃で2分間、 25サイクル、94℃で15秒間、55℃で20秒間および72℃で2分間、 反応は72℃8分間で終結させた。 熱サイクル反応の完了後に、各サンプル対を合わせてそのまま、以下に記載す るようにpCRクローニングベクター中へのクローン化に使用した。 H.pylori DNA配列のpCR TAクローニングベクターへのクローニング すべての増幅された挿入体をOriginal TAクローニングキット(Invitrogen,Sa n Diego,CA)に記載の方法によってpCR 2.1ベクターにク ローン化した。ついでライゲーション反応の産物を用い、以下に記載のE.coli株 、TOP 10F'(H.pylori配列350の場合はINVaF')をトランスフォームした。 組換えプラスミドによるコンピーテント細菌のトランスフォーメーション コンピーテントな細菌、E.coli株、TOP IOF'またはINVaF'は標準方法によりク ローン化されたH.pylori配列を有する組換えpCR発現プラスミドによってトラ ンスフォームした(Current Protocols in Molecular Biology,JohnWiley and Sons,Inc.,F.Ausubelらed.,1994)。略述すれば、0.5μMのBME2μlをコ ンピーテント細胞50μlを含む各バイアルに添加した。ついで、ライゲーション 反応混合物2μlをコンピーテント細胞と混合し、氷上で30分間インキュベート した。細胞およびライゲーション混合物をついで42℃で30秒間「熱ショック」に 付し、さらに氷上に2分間置いたのち、サンプルを0.45m1のSOC培地(0.5% 酵母エキス、2.0%トリプトン、10mM NaCl、2.5mM KCl、10mM MgCl2、10mM MgSO4 および20mMのグルコース)中、37℃で攪拌しながら1時間インキュベートした 。サンプルをついで25μg/mlの硫酸カナマイシンまたは100μg/mlのアンピシ リンを含有するLB寒天プレート上に播いて、一夜増殖させた。TOP10F'またはI NVaF'でトランスフォームされたコロニーを採取し、以下に記載のようにクロー ン化された挿入体を評価するために分析した。 H.pylori配列を有する組換えPCRプラスミドの同定 組換えpCR−H.pylori ORFでトランスフォームされた個々のTOP 10F'またはINV aF'クローンを最初のPCR増幅クローニング反応に使用したのと同一の各H.pyl ori配列に特異的な順行および逆行プライマーを用いるクローン化挿入体のPC R増幅により分析した。増幅の成功はクローニングベクター中へのH.pylori配列 のインテグレーションによって確証した(Current Protocols in Molecular Biol ogy,John Wiley and Sons,Inc., F.Ausubelらed.,1994)。 適当にクローン化されたH.pylori ORFを有する組換えpCRベクターの個 々のクローンを採取し、配列を分析した。配列分析はベクター特異的プライマー (pCRIIまたはpCR2.1,Invitrogen,San Diego,CAに見出される)および以下の 表8に掲げるようなORFに特異的な配列決定プライマーを用いる標準プロトコ ールによってABIシーケンサー(Perkin Elmer)上で実施した。 結果 これらの実験におけるPCRエラー率を確立するために、H.pylori株J99から の5種の別個のPCR反応混合物より調製したタンパク質26054702の5つの個々 のクローンを、全長897ヌクレオチドにわたる累積計4485塩基のDNA配列につ いて配列を決定した。5つのクローンのDNA配列を、以前に異なる方法すなわ ちランダムショットガンクローニングおよび配列決定によって得たDNA配列と 比較した。本明細書に記載した実験についてのPCRエラー率は4485塩基中2塩 基変化であると決定され、これは推定エラー率0.04以下に相当する。 DNA配列分析は、細菌Helicobacterpyloriの12種の異なる株から遺伝子とし て同定されPCR法によって増幅された4種の異なるオープンリーディングフレ ームについて実施した。この試験に選択された4種のオープンリーディングフレ ーム中の3種の推定アミノ酸配列が、他の細菌種中に存在する特定のタンパク質 に、統計的に有意なBLASTホモロジーを示した。それらのORFには、F.no vicidaにおけるABCトランスポーターをコードするva1A & B遺伝子に相同な タンパク質26054702;H.influenzaeの外膜に存在するリポタンパク質e(P4) に相同なタンパク質7116626;E.coliにおける鉄(III)二クエン酸トランスポー トの外膜受容体fecAに相同なタンパク質29479681が包含される。タンパク質346 は公開されているデータベース中の配列と低いホモロジーを示したことから、未 知のオープンリーディングフレームとして確認された。 H.pyloriの各種の株の間のORFにおける保存または変動の程度を評価するた めに、DNA配列および推定されるタンパク質配列の変化をH.pyloriのJ99株に 見出されたDNAおよび推定されるタンパク質配列と比較した(以下の表9参照 )。結果はランダムショットガンクローニングで配列を決定したH.pyloriの.J9 9株に対する同一性の百分率として示す。J99株における変動を制御するため、 4種の各オープンリーディングフレ ームをJ99細菌株から再びクローン化して配列決定し、その配列情報をJ99株の ランダムショットガン配列決定でクローン化した挿入体から収集した配列情報と 比較した。データは、DNA配列には最低0.12%の差(タンパク質346,J99株 )〜約7%の変化(タンパク質26054702,株AH5)までの範囲の変動があるこ とを示している。推定されたタンパク質配列では、変動なし(タンパク質346, 株AH18およびAH24)から7.66%のアミノ酸変化(タンパク質26054702,株A H5)までを示している。 VI.治療用標的となりうる必須H.pylori遺伝子を決定するための実験的ノックア ウトプロトコール 治療用標的は、タンパク質産物が必須の細胞経路、たとえば細胞エンベロープ 合成、DNA合成、転写、翻訳、調節およびコロナイゼーション/毒力に重要な 役割を果たしていると思われる遺伝子から選択する。 細胞に必須の遺伝子を同定するため、H.pylori遺伝子/ORFの部分の欠失な らびにカナマイシン抵抗性カセットの挿入突然変異誘発のプロトコールは以前に 報告された方法(Labigne-Rousselら,J.Bacteriology.170:1704-1708,1988;Co verら,J.Biological Chemistry 269:10566-10573,1994;Reyratら,Proc.Natl .Acad.Sci.92:8768-8772,1995)から改変する。結果は遺伝子の「ノックアウト 」である。 H.pylori遺伝子配列の同定およびクローニング ノックアウトの標的として選択される遺伝子またはORF(オープンリーディ ングフレーム)の配列はH.pyloriゲノム配列から同定され、遺伝子/ORFを特 異的に増幅するプライマーの設計に使用される。すべての合成オリゴヌクレオチ ドプライマーは、OLIGOプログラム(National Bioscience,Inc.,Plymouth,MN 55447,USA)の補助によって設計され、Gibco/BRL Life Technologies(Gaithe rsburg,MD,USA)から購入することができる。ORFが800〜1000塩基対より小 さい場合には、隣接プライマーはオープンリーディングフレームの外側から選択 される。 Helicobacter pylori Hp J9株から調製されたゲノムDNA(ATCC55679;Gen ome Therapeutics Corporation,100 Beaver Street,Waltham,MA 02154により 寄託された)を、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)によるORF増幅のための鋳 型DNAの原料として使用する(Current Protocols in Molecular Biology,Jo hn Wiley and Sons,Inc.,F.Ausubelら編,1994)。H.pyloriからのゲノムDN Aの調製(実施例I参照)は、10ngのゲノムHpJ99 DNAを、10mM Tris pH8.3, 50mM KCl, 2mM MgCl2,2μMの合成オリゴヌクレオチドプライマー(順行=F1,逆行= R1)、0.2mMの各デオキシヌクレオチドトリホスフェート(dATP,dGTP,dCTP ,dTTP)、および1.25単位の熱安定性DNAポリメラーゼ(Amplitaq,Roche Mo lecular Systems,Inc.,Branchburg,NJ,USA)を終容量40μlで含有する反応バ イアル中に導入することによってPCR増幅を実施する。PCRはPerkin Elmer Cetus/GeneAmp PCR System 9600熱サイクラーで実施する。 熱サイクリング反応の完了後、増幅したDNAの各サンプルをエチジウムブロ ミドで染色して2%TAEアガロースゲル上で可視化し(Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley and Sons,Inc.,F.Ausubelら編,1994)、期 待されたサイズの単一産物が反応から生じたことを確認する。増幅したDNAを ついで洗浄し、Qiaquick Spin PCR精製キット(Qiagen,Gaithersburg,MD,USA )を用いて精製する。 PCR産物をTAクローニング戦略を用い(Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley and Sons,Inc.,F.Ausubelら編,1994)pT7Blue T− ベクター(カタログ番号#69820-1,Novagen,Inc.,Madison,WI,USA)にクロ ーン化する。PCR産物のベクターへのライゲーションは、6倍モル過剰のPC R産物、10ngのpT7Blue T−ベクター(Novagen)、1μlのT4 DNAリガー ゼ緩衝液(New England Biolabs,Beverly,MA,USA)、ならびに200単位のT4 DNAリガーゼ(New England Biolabs)を終容量10μl中に混合することによ って達成される。ライゲーションは16℃で16時間進行させる。 ライゲーション産物をエレクトロポレーションコンピーテントなXL−1Blueま たはDH5-aE.coli細胞(Clontech Lab.,Inc.Palo Alto,CA,USA)にエレクト ロポレートする(Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley and S ons,Inc.,F.Ausubelら編,1994)。略述すれば、1μlのライゲーション反応 物を40μlのエレクトロコンピーテント細胞と混合 し、高圧パルス(25μFarad,2.5kV,200オーム)に付したのちサンプルを0.45m lのSOC培地(0.5%酵母エキス,2%トリプトン,10mM NaCl,2.5mM KCl,10m M MgCl2,10mM MgSO4,20mMグルコース)中37℃で振盪しながら1時間インキュ ベートする。サンプルをついで100μg/mlのアンピシリン、0.3%のX-gal,お よび100μg/mlのIPTGを含有するLB(10g/lのバクトトリプトン,5g/lのバ クト酵母エキス,10g/lの塩化ナトリウム)プレートに播く。これらのプレート を37℃において一夜インキュベートする。白色のアンピシリン抵抗性コロニーを 選択し、100μg/mlのアンピシリンを含む5mlの液体LB中で増殖させ、Qiagen ミニプレッププロトコール(Qiagen,Gaithersburg,MD,USA)を用いてプラス ミドDNAを単離する。 正しいH.pylori DNA挿入体がクローン化されたことを確証するため、これ らのpT7BlueプラスミドDNAを鋳型とし、J99 H.pylori配列の最初の増幅に使 用したのと同一の順行および逆行プライマーを用いてクローン化された挿入体の PCR増幅を実施した。2%TAE、エチジウムブロミド染色アガロースゲル上 で可視化し、正しいサイズのプライマーおよびPCR産物を認め、正しい挿入体 がクローン化されたことを確認する。各ノックアウト標的について2〜6個の確 証されたクローンが得られ、−70℃で凍結して保存する。PCRによるエラーを 最小限にするため、これらの確証されたクローンからのプラスミドDNAをプー ルし、以後のクローニング工程に使用する。 ORF内で中断または欠失(250塩基対まで)しているが互いに逆方向に配置 されたH.pylori DNAの領域に隣接する第2のプライマー対を設計するため、 遺伝子/ORFの配列を再び使用する。前に単離されたクローンの環状プラスミ ドDNAのプールをこのPCRのラウンドの鋳型として使用する。この対の欠失 プライマーの増幅の方向は互いに異なるので、プライマーの間のORF部分は得 られたPCR産物中には含まれない。 PCR産物は両末端にH.pylori DNAを有し、それらの間に、ORFの一部分 の本質的な欠失を生じたpT7Blueベクター骨格をもつDNAの線状片である。 PCR産物を1%TAE、エチジウムブロミド染色アガロースゲル上で可視化し 、正しいサイズの単一の産物のみが増幅されたことを確認する。 カナマイシン抵抗性カセット(Labigne-Rousselら,J.Bacteriology.170:170 4-1708,1988)は、このPCR産物に以前に用いたTAクローニング法(Curren t Protocols in Molecular Biology,John Wiley and Sons,Inc.,F.Ausubelら 編,1994)によってライゲートする。Campylobacterカナマイシン抵抗性遺伝子 を含むカナマイシンカセットは組換えプラスミドpCTB 8:kan(Coverら,J.Biol olical Chemistry 269:10566−10573,1994)のEcoRI消化を行うことによって 得られる。適当なフラグメント(1.4kb)は、1%TAEゲル上に単離し、QIAqu ickゲル抽出キット(Qiagen,Gaithersburg,MD,USA)を用いて単離した。フラ グメントは、4μgのDNAフラグメント、0.5mMのdATP、dGTP、dCTP、dTTP1μl、 2μlのクレノウ緩衝液(New England Biolabs)、および5単位のクレノウDN ΛポリメラーゼI大(クレノウ)フラグメント(New England Biolabs)を20μl の反応液中に混合し、30℃で15分間インキュベートし、75℃に10分間加熱して酵 素を不活性化する、クレノウ充填プロトコールを使用して末端を修復する。この ブラント末端カナマイシンカセットは、ついでQiaquickカラム(Qiagen,Gaithe rsburg,MD,USA)を通して精製し、ヌクレオチドを除去する。ついで、ブラン ト末端のカナマイシンカセット5μg、10mM Tris pH8.3、50mM KCl、2mM MgCl2 、5単位のDNAポリメラーゼ(Amplitaq,RocheMolecular Systems,Inc.,Br anchburg,NJ,USA)、20μlの5mM dTTPを100μlの反応液中に混合し、反応液を 37℃で2時間インキュベートし「T」オーバーハングを発生させる。「Kan−T」 カセットは、QIAquickカラム(Qiagen,Gaithersburg,MD, USA)を使用して精製する。欠失プライマーのPCR産物は(F2およびR2)10 〜20ngの欠失プライマーDCR産物、50〜75ngのKan−TカセットDNA、1μl の10×T4 DNAリガーゼ反応混合物、0.5μlのT4 DNAリガーゼ(New Engl and Biolabs,Beverly,MA,USA)を10μlの反応液中に混合し、16℃で16時間イ ンキュベートしKan−Tカセットにライゲートする。 ライゲーション産物を前述のようにエレクトロポレーションによって、XL−1 BlueまたはDH5-a E.coli細胞にトランスフォームする。SOC中に回収したの ち、細胞を100μg/mlのアンピシリンを含有するLBプレート上で平板培養し、 一夜37℃で増殖させる。これらのプレートをついで25μg/mlのカナマイシンを 含有するプレート上でレプリカ平板培養して一夜増殖させる。得られたコロニー はpT7B1ueベクターに存在するアンピシリン抵抗性遺伝子と新たに導入された カナマイシン抵抗性遺伝子の両者を有する。コロニーを25μg/mlのカナマイシ ンを含むLB中に採取し、プラスミドDNAをQiagenミニプレッププロトコール (Qiagen,Gaithersburg,MD,USA)を用いて培養細胞から単離する。 PCR増幅による数種の試験をこれらのプラスミドに実施し、カナマイシンが H.pylori遺伝子/ORFに挿入されたことを確認し、カナマイシン抵抗性遺伝子 のH.pylori遺伝子/ORFに対する相対的な挿入方向を決定する。カナマイシン カセットがH.pylori配列に挿入されたことを確証するため、PCR増幅のための 鋳型としてプラスミドDNAを、H.pylori遺伝子/ORFのクローン化に最初に 用いたプライマーのセットとともに使用する。正しいPCR産物は欠失遺伝子/ ORFのサイズであるが、1.4kbのカナマイシンカセットの付加によりサイズは 増大する。H.pylori伝子の発現に対するカナマイシン抵抗性カセットの極性作用 の可能性を回避するため、ノックアウト遺伝子/ORFに対するカナマイシン抵 抗性遺伝子の方向を決定したところ両方向とも同様にH.pyloriのトラン スフォーメーションに使用される(下記参照)。カナマイシン抵抗性遺伝子の挿 入方向を決定するためには、プライマーをカナマイシン抵抗性遺伝子の末端から 設計する[Kan−1:5'-ATCTTACCTATCACCTCAAAT-3'(SEQ ID NO:207)、およびK an-2:5'-AGACAGCAACATCTTTGTGAA-3'(SEQ ID NO:208)]。それぞれのクローニン グプライマーをそれぞれのKanプライマーとともに使用し(4種のプライマーの 組合せ)、H.pylori配列に対するカナマイシンカセットの方向性を決定する。陽 性のクローンを「A」方向性(H.pylori遺伝子およびカナマイシン抵抗性遺伝子 の両者について転写方向が同じである)または「B」方向性(H.pylori遺伝子の 転写方向はカナマイシン抵抗性遺伝子の場合と逆である)とに分類する。同じ方 向性を共有するクローン(AまたはB)を以後の実験のためにプールし、独立に H.pyloriにトランスフォームする。 プラスミドDNAのH.pylori細胞へのトランスフォーメーション トランスフォーメーションには、2種のH.pylori株、H.pylori配列データベー スが得られるDNAを提供する臨床単離株のATCC 55679、および継代されマウス の胃にコロナイズする能力のある単離株、AH 244を使用する。トランスフォーメ ーションのための細胞はSheep-Blood寒天プレート上またはブルセラ培養液中の いずれかで、37℃、10%CO2、100%湿度において増殖させる。指数増殖期まで細 胞を増殖させ、顕微鏡で調べて細胞が「健康」(細胞が活動的に動いている)で あり、夾雑していないことを確認する。プレート上で増殖させた場合には細胞は 滅菌ループでプレートから掻き取って収穫し、1mlのブルセラ培地に懸濁し、遠 心分離し(1分、エッペンドルフマイクロ遠心器の最高速度で)、200μlのブル セラ培地に再懸濁する。ブルセラ培養液中で増殖させた場合は、細胞を遠心分離 し(Beckman TJ6遠心器中3000rpmで15分)、細胞ペレットを200μlのブルセラ培 地に再懸濁する。細胞のアリコートを採取して細胞の濃度を計算するために、60 0nmにおける光学密度を測定する。懸濁した細胞のアリコー ト(1〜5 OD600単位/25μl)を予め加温したSheep-Blood寒天プレート上に取 り、プレートを37℃、6%CO2、100%湿度で、さらに4時間インキュベートする 。このインキュベーション後に、10μlのプラスミドDNA(100μg/μl)をこ れらの細胞上にスポットする。陽性対照(カナマイシン抵抗性遺伝子によりリボ ヌクレアーゼH遺伝子が中断されたプラスミドDNA)および陰性対照(プラス ミドDNAなし)を平行して実験する。プレートを37℃、6%CO2に戻してさら に4時間インキュベートする。ついで細胞をブルセラ培地中に浸した吸取紙を用 いてプレート上に播き、37℃、6%CO2で20時間増殖させる。細胞をついで25μg /mlのカナマイシンを含むSheep-Blood寒天プレート上に移し、37℃,6%CO2, 100%湿度において3〜5日間増殖させる。コロニーが出現したならば、それら を採取し、25μg/mlのカナマイシンを含む新鮮なSheep-Blood寒天プレート上で パッチとして再増殖させる。 トランスフォーマントのコロニーが適当な染色体位置における同種組換えによ って生じたことを確証するために、3セットのPCR試験を実施する。PCRの 鋳型(コロニーからのDNA)は以下のように、迅速煮沸DNA調製法によって 得られる。すなわち、コロニーのアリコート(楊枝でのコロニーの穿刺)を100 μlの1%Triton X−100,20mM Tris,pH8.5に導入し6分間煮沸する。等容のフ ェノール:クロロホルム(1:1)を加え、ボルテックス攪拌する。混合物を5 分間マイクロ遠心に付し、上清をPCRのDNA鋳型とし、以下のプライマーと 組合わせて用い、適切な染色体位置における同種組換えを確証する。 試験1.遺伝子/ORFの増幅のために最初に用いたクローニングプライマー によるPCR:正しい染色体位置における同種組換えの陽性結果は、サイズが欠 失した遺伝子/ORFのサイズであることが期待されるが、1.4kbのカナマイシ ンカセットの付加によりサイズが増大している単一のPCR産物を示すことであ る。遺伝子/ORFのサイズと全く同じサイズ のPCR産物は遺伝子がノックアウトされず、トランスフォーマントは正しい染 色体位置における同種組換えの結果ではないことの証明である。 試験2.F3(遺伝子/ORFの上流配列から設計されたプライマーであり、 プラスミド上には存在しない)およびプライマーKan−1またはKan−2(カナマ イシン抵抗性遺伝子の末端から設計されたプライマー)によるPCRは用いられ たプラスミドDNAが「A」または「B」方向性のいずれであるかに依存する。 正しい染色体位置における同種組換えでは期待されたサイズ(すなわち位置F3 からカナマイシン抵抗性遺伝子の挿入部位まで)の単−PCR産物が生じる筈で ある。PCR産物が得られないか正しくないサイズのPCR産物はプラスミドが 正しい部位に挿入されず、遺伝子はノックアウトされなかったことを証明する。 試験3.R3(遺伝子/ORFの下流配列から設計されたプライマーであり、 プラスミド上には存在しない)およびプライマ−Kan−1もしくはKan−2による PCRは用いられたプラスミドDNAが「A」もしくは「B」方向性のいずれで あるかに依存する。正しい染色体位置における同種組換えでは期待されたサイズ (すなわち、カナマイシン抵抗性遺伝子の挿入部位からR3の下流位置まで)の 単−PCR産物が生じる筈である。この場合もPCR産物が得られないか正しく ないサイズのPCR産物は、プラスミドが正しい部位に挿入されず、遺伝子はノ ックアウトされなかったことを証明する。 上述の3つのすべての試験について陽性の結果を示すトランスフォーマントは 遺伝子がインビトロにおける生存には必須ではないことを指示する。 トランスフォーマントについで上述の3つの試験のいずれかにおける陰性の結 果は、遺伝子が破壊されなかったこと、遺伝子がインビトロにおける生存に必須 であることを指示する。 2つの独立のトランスフォーメーションからコロニーは生じないが、中 断されたリボヌクレアーゼHプラスミドDNAを有する陽性対照がトランスフォ ーマントを産生する場合は、プラスミドDNAを、コロニー形成のために平板培 養する前にトランスフォーマント集団からのDNAについてPCRによりさらに 分析する。これは、プラスミドが細胞内に入り、正しい部位で同種組換えを受け ることを確証する。略述すれば、プラスミドDNAを上述のトランスフォーメー ションプロトコールに従いインキュベートする。プラスミドDNAとのインキュ ベーション後直ちにH.pylori細胞からDNAを抽出し、DNAを上記試験2およ び試験3の鋳型として使用する。試験2および試験3における陽性の結果は、プ ラスミドDNAが細胞内に入り、正しい染色体位置で同種組換えを受けることを 確証する。試験2および試験3が陽性の場合で、生存能のあるトランスフォーマ ントが得られないことは、遺伝子が必須であり遺伝子の中断を受けた細胞はコロ ニーを形成できないことを指示する。 VII.高スループットの薬物スクリーニングアッセイ クローニング、発現およびタンパク質精製 高スループットの薬物スクリーニングアッセイに使用されるH.pylori標的遺伝 子およびそのタンパク質産物たとえばH.pylori酵素のクローニング、トランスフ ォーメーション、発現および精製は上記実施例IIおよびIIIの記載にほぼ従い実 施される。特定のH.pylori遺伝子産物、ペプチジル−プロピルcis-transイソメ ラーゼについてのスクリーニングアッセイの開発および適用は特定の実施例とし て以下に説明する。 酵素アッセイ アッセイはFischerらによる記載(Fischer,G.ら,Biomed.Biochim.Acta 43: 1101-1111,1984)にほぼ従い実施する。アッセイでは、試験ペプチド、N−ス クシニル−Ala−Ala−Pro−Phe−p−ニトロアニリド(Sigma #S-7388、ロット #84H5805)中のAla-Pro結合のcis-transイソメリゼーションを測定する。この アッセイは、Ala-Pro結合がtransであ る場合にのみ試験ペプチドを切断するプロテアーゼの能力が生じるα−キモトリ プシンとカップリングさせる。アッセイにおける試験ペプチドのtrans異性体へ の変換はBeckman DU-650型分光光度計により390nmで追跡する。データは毎秒ご とに平均走査時間0.5秒で集める。アッセイは35mM HEPES、pH8.0、終容量400μl 中、10μMのα−キモトリプシン(ウシ膵臓からの1-5型,Sigma #C-7762,ロ ット23H7020)および10nMのPPIaseを用いて実施する。反応を開始させるために は、390μlの反応混合物に基質(DMSO中2mMのN−スクシニル−Ala−Ala− Pro−Phe−p−ニトロアニリド)を室温で加える。 粗製細菌抽出物における酵素アッセイ ブルセラ培地中Helicobacterpylori(株J99)50mlの培養液を、中対数期(O D600nm〜1)に収穫し、溶解緩衝液中に以下のプロテアーゼインヒビターすな わち1mM PMSF、および各10μg/mlのアプロチニン、ロイペプチン、ペプスタチ ン、TLCK、TPCK、および大豆トリプシンインヒビターとともに再懸濁す る。懸濁液を3サイクルの凍結-解凍(−70℃に15分ついで室温に30分)ついで 超音波処理(20秒の処置を3回)に付す。溶解物を遠心分離に付して(12,000× g,30分)、上清について上述のように酵素活性をアッセイする。 多くのH.pylori酵素をE.coli内で高レベルに活性型で発現させることができる 。このような高収率での精製タンパク質は多様な高スループット薬物スクリーニ ングアッセイを提供する。 均等物 当業者によれば、本明細書に記載した特定の実施態様および方法に均等な多く の態様および方法を、定常的にすぎない実験を用いて認識しまたは確認すること が可能であろう。このような均等な態様および方法は請求された本発明の範囲に 包含される意図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07K 14/195 C07K 14/195 C12N 1/15 C12N 1/15 1/19 1/19 1/21 1/21 5/10 C12P 21/02 C C12P 21/02 C12Q 1/68 A C12Q 1/68 C12N 5/00 A (31)優先権主張番号 08/891,928 (32)優先日 平成9年7月14日(1997.7.14) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG ,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT ,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA, CH,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,G B,GE,GH,HU,ID,IL,IS,JP,KE ,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS, LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,M X,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE ,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT, UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZW

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.SEQ ID NO:74〜SEQ ID NO:146からなる群より選択されるアミノ酸配列と 少なくとも約60%のホモロジーを有するH.pyloriポリペプチドをコードするヌク レオチド配列から構成される単離された核酸。 2.SEQ ID NO:74〜SEQ ID NO:146からなる群より選択されるH.pyloriポリペ プチドをコードするヌクレオチド配列から構成される単離された核酸。 3.SEQ ID NO:1〜SEQ ID NO:73またはそれらの相補体からなる群より選択さ れるヌクレオチド配列と少なくとも約60%のホモロジーを有するヌクレオチド配 列から構成されるH.pyloriポリペプチドをコードする単離された核酸。 4.SEQ ID NO:1〜SEQ ID NO:73またはそれらの相補体からなる群より選択さ れるヌクレオチド配列から構成される請求項1記載の単離された核酸。 5.SEQ ID NO:1〜SEQ ID NO:73またはそれらの相補体からなる群より選択さ れるヌクレオチド配列からなる核酸分子に緊縮ハイブリダイゼーション条件下に ハイブリダイズするヌクレオチド配列から構成されるH.pyloriポリペプチドをコ ードする単離された核酸分子。 6.配列がSEQ ID NO:1〜SEQ ID NO:73またはそれらの相補体からなる群より 選択されるヌクレオチド配列を有する核酸に緊縮ハイブリダイゼーション条件下 にハイブリダイズする、長さ少なくとも8個のヌクレオチド配列から構成される 単離された核酸。 7.H.pyloriの細胞エンベロープポリペプチドまたはそのフラグメントをコード するヌクレオチド配列からなる核酸であり、その核酸はSEQ ID NO:3、SEQ ID NO:25、SEQ ID NO:48、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:45、SEQ ID NO:35、SEQ ID NO:37、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:39、SEQ ID NO:55、S EQ ID NO:18、SEQ ID NO:19、SEQ ID NO:28、SEQ ID NO:30、SEQ ID NO:52、SEQ ID NO:54、SEQ ID NO:56、 SEQ ID NO:58、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:42、SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:4 3、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:71、SEQ ID NO:17、SEQ ID NO:57、SEQ ID NO :5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:8、およびSEQ ID NO:21、またはそれらの 相補体からなる群より選択される単離された核酸。 8.H.pyloriの細胞エンベロープポリペプチドまたはそのフラグメントはSEQ ID NO:3、SEQ ID NO:25、およびSEQ ID NO:48またはそれらの相補体からなる 群より選択される核酸によってコードされるH.pylori内膜ポリペプチドまたはそ のフラグメントである請求項7記載の単離された核酸。 9.H.pyloriの細胞エンベロープポリペプチドまたはそのフラグメントはSEQ ID NO:16、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:45、SEQ ID NO:35、SEQ ID NO:37、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:39、SEQ ID NO:55、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:19、 SEQ ID NO:28、SEQ ID NO:30、SEQ ID NO:52、SEQ ID NO:54、SEQ ID NO:5 6、SEQ ID NO:58、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:42、SEQ ID NO:14、SEQ ID NO :43、SEQ ID NO:11、およびSEQ ID NO:71、またはそれらの相補体からなる群 より選択される核酸によってコードされるH.pylori外膜ポリペプチドまたはその フラグメントである請求項7記載の単離された核酸。 10.H.pyloriの外膜ポリペプチドまたはそのフラグメントは、末端フェニルアラ ニン残基およびC末端チロシンクラスターまたはそのフラグメントを有するH.py loriポリペプチドまたはそのフラグメントであり、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO: 42、SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:43、SEQ ID NO:11、およびSEQ ID NO:71、ま たはそれらの相補体からなる群より選択される核酸によってコードされる請求項 9記載の単離された核酸。 11.H.pyloriの外膜ポリペプチドまたはそのフラグメントは、末端フェニ ルアラニン残基またはそのフラグメントを有するH.pyloriポリペプチドであり、 SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:45、SEQ ID NO:35、SEQ ID NO:37、SEQ ID NO: 7、SEQ ID NO:39、SEQ ID NO:55、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:19、SEQ ID N O:28、SEQ ID NO:30、SEQ ID NO:52、SEQ ID NO:54、SEQ ID NO:56、SEQ I D NO:58、またはそれらの相補体からなる群より選択される核酸によってコード される請求項9記載の単離された核酸。 12.SEQ ID NO:76、SEQ ID NO:98、SEQ ID NO:121、SEQ ID NO:89、SEQ ID NO:83、SEQ ID NO:118、SEQ ID NO:108、SEQ ID NO:110、SEQ ID NO:80、S EQ ID NO:112、SEQ ID NO:128、SEQ ID NO:91、SEQ ID NO:92、SEQ ID NO: 101、SEQ ID NO:103、SEQ ID NO:125、SEQ ID NO:127、SEQ ID NO:129、SEQ ID NO:131、SEQ ID NO:74、SEQ ID NO:115、SEQ ID NO:87、SEQ ID NO:11 6、SEQ ID NO:84、SEQ ID NO:144、SEQ ID NO:90、SEQ ID NO:130、SEQ ID NO:78、SEQ ID NO:79、SEQ ID NO:81、およびSEQ ID NO:94からなる群より 選択されるH.pyloriの細胞エンベロープポリペプチドまたはそのフラグメントを コードするヌクレオチド配列からなる単離された核酸。 13.H.pyloriの細胞エンベロープポリペプチドまたはそのフラグメントはSEQ ID NO:76、SEQ ID NO:98、およびSEQ ID NO:121からなる群より選択されるH.py loriの内膜ポリペプチドまたはそれらのフラグメントである請求項12記載の単離 された核酸。 14.H.pyloriの細胞エンベロープポリペプチドまたはそのフラグメントはSEQ ID NO:89、SEQ ID NO:83、SEQ ID NO:118、SEQ ID NO:108、SEQ ID NO:110、 SEQ ID NO:80、SEQ ID NO:112、SEQ ID NO:128、SEQ ID NO:91、SEQ ID NO :92、SEQ ID NO:101、SEQ ID NO:103、SEQ ID NO:125、SEQ ID NO:127、SE Q ID NO:129、SEQ ID NO:131、SEQ ID NO:74、SEQ ID NO:115、SEQ ID NO: 87、SEQ ID NO:116、 SEQ ID NO:84、SEQ ID NO:144、SEQ ID NO:90、およびSEQ ID NO:130からな る群より選択されるH.pyloriの外膜ポリペプチドまたはそのフラグメントである 請求項12記載の単離された核酸。 15.H.pyloriの外膜ポリペプチドまたはそのフラグメントは、末端フェニルアラ ニン残基およびC末端チロシンクラスターまたはそのフラグメントを有し、SEQ ID NO:74、SEQ ID NO:115、SEQ ID NO:87、SEQ ID NO:116、SEQ ID NO:84 、およびSEQ ID NO:144からなる群より選択されるH.pyloriポリペプチドである 請求項14記載の単離された核酸。 16.H.pyloriの外膜ポリペプチドまたはそのフラグメントは、末端フェニルアラ ニン残基またはそのフラグメントを有し、SEQ ID NO:89、SEQ ID NO:118、SEQ ID NO:108、SEQ ID NO:110、SEQ ID NO:80、SEQ ID NO:112、SEQ ID NO:1 28、SEQ ID NO:91、SEQ ID NO:92、SEQ ID NO:101、SEQ ID NO:103、SEQ ID NO:125、SEQ ID NO:127、SEQ ID NO:129およびSEQ ID NO:131からなる群よ り選択されるH.pyloriポリペプチドである請求項14記載の単離された核酸。 17.H.pylori分泌ポリペプチドまたはそのフラグメントをコードするヌクレオチ ド配列からなる核酸において、核酸はSEQ ID NO:72、SEQ ID NO:32、SEQ ID N O:51、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:13、SEQ I D NO:22、SEQ ID NO:29、SEQ ID NO:31、SEQ ID NO:33、SEQ ID NO:34、SE Q ID NO:36、SEQ ID NO:38、SEQ ID NO:40、SEQ ID NO:41、SEQ ID NO:44 、SEQ ID NO:46、SEQ ID NO:49、SEQ ID NO:53、SEQ ID NO:59、SEQ ID NO :61、SEQ ID NO:62、SEQ ID NO:63、SEQ ID NO:65、SEQ ID NO:66、SEQ ID NO:67、およびSEQ ID NO:68またはそれらの相補体からなる群から選択される 単離された核酸。 18.H.pylori分泌ポリペプチドまたはそのフラグメントをコードするヌクレオチ ド配列からなる核酸において、核酸はSEQ ID NO:145、SEQ ID NO:105、SEQ ID NO:124、SEQ ID NO:75、SEQ ID NO:77、SEQ ID NO:82、SE Q ID NO:86、SEQ ID NO:95、SEQ ID NO:102、SEQ ID NO:104、SEQ ID NO:1 06、SEQ ID NO:107、SEQ ID NO:109、SEQ ID NO:111、SEQ ID NO:113、SEQ ID NO:114、SEQ ID NO:117、SEQ ID NO:119、SEQ ID NO:122、SEQ ID NO:1 26、SEQ ID NO:132、SEQ ID NO:134、SEQ ID NO:135、SEQ ID NO:136、SEQ ID NO:138、SEQ ID NO:139、SEQ ID NO:140、およびSEQ ID NO:141からなる 群より選択される単離された核酸。 19.H.pyloriの細胞性ポリペプチドまたはそのフラグメントをコードするヌクレ オチド配列からなる核酸において、核酸はSEQ ID NO:12、SEQ ID NO:15、SEQ ID NO:20、SEQ ID NO:23、SEQ ID NO:24、SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:27、S EQ ID NO:47、SEQ ID NO:50、SEQ ID NO:60、SEQ ID NO:64、SEQ ID NO:69 、SEQ ID NO:70、およびSEQ ID NO:73またはそれらの相補体からなる群より選 択される単離された核酸。 20.SEQ ID NO:85、SEQ ID NO:88、SEQ ID NO:93、SEQ ID NO:96、SEQ ID N O:97、SEQ ID NO:99、SEQ ID NO:100、SEQ ID NO:120、SEQ ID NO:123、SE Q ID NO:133、SEQ ID NO:137、SEQ ID NO:142、SEQ ID NO:143およびSEQ ID NO:146からなる群より選択されるH.pyloriの細胞性ポリペプチドまたはそのフ ラグメントをコードするヌクレオチド配列からなる単離された核酸。 21.SEQ ID NO:1〜SEQ ID NO:73またはそれらの相補体からなる群より選択さ れるヌクレオチド配列の少なくとも8個のヌクレオチドから構成されるヌクレオ チド配列からなるプローブ。 22.請求項1〜7、12、または17〜20のいずれかに記載の核酸が転写調節エレメ ントと実施可能なように連結してなる組換え発現ベクター。 23.請求項22記載の組換え発現ベクターからなる細胞。 24.請求項23記載の細胞をポリペプチドの発現が可能な条件下に培養することか らなるH.pyloriの製造方法。 25.さらに細胞からポリペプチドを精製することからなる請求項24記載の方法。 26.サンプル中におけるHelicobacter核酸の存在を検出する方法において、 (a) プローブとサンプル中のHelicobacter核酸の間でハイブリッドを形成でき るようにサンプルを請求項6〜21のいずれかに記載の核酸と接触させ、 (b) 工程(a)において形成されたハイブリッドを検出し、ハイブリッドの検出 はサンプル中のHelicobacter核酸の存在を指示することからなる方法。 27.SEQ ID NO:74〜SEQ ID NO:146からなる群より選択されるH.pyloriポリペ プチドと少なくとも約60%のホモロジーを有するアミノ酸配列からなる単離され たH.pyloriポリペプチド。 28.SEQ ID NO:1〜SEQ ID NO:73からなる群より選択されるヌクレオチド配列 と少なくとも約60%のホモロジーを有するヌクレオチド配列からなる核酸によっ てコードされる単離されたH.pyloriポリペプチド。 29.SEQ ID NO:1〜SEQ ID NO:73からなる群より選ばれるヌクレオチド配列に よってコードされる請求項28記載の単離されたH.pyloriポリペプチド。 30.SEQ ID NO:1〜SEQ ID NO:73からなる群より選択される核酸またはそれら の相補体に緊縮ハイブリダイゼーション条件下にハイブリダイズする核酸によっ てコードされる単離されたH.pyloriポリペプチド。 31.SEQ ID NO:74〜SEQ ID NO:146からなる群より選択されるアミノ酸配列か らなる単離されたH.pyloriポリペプチド。 32.ポリペプチドは、SEQ ID NO:76、SEQ ID NO:98、SEQ ID NO:121、SEQ ID NO:89、SEQ ID NO:83、SEQ ID NO:118、SEQ ID NO:108、 SEQ ID NO:110、SEQ ID NO:80、SEQ ID NO:112、SEQ ID NO:128、SEQ ID NO :91、SEQ ID NO:92、SEQ ID NO:101、SEQ ID NO:103、SEQ ID NO:125、SEQ ID NO:127、SEQ ID NO:129、SEQ ID NO:131、SEQ ID NO:74、SEQ ID NO:1 15、SEQ ID NO:87、SEQ ID NO:116、SEQ ID NO:84、SEQ ID NO:144、SEQ ID NO:90、SEQ ID NO:130、SEQ ID NO:78、SEQ ID NO:79、SEQ ID NO:81、お よびSEQ ID NO:94からなる群より選択される単離されたH.pylori細胞エンベロ ープポリペプチドまたはそれらのフラグメント。 33.H.pyloriの細胞エンベロープポリペプチドまたはそのフラグメントは、SEQ ID NO:76、SEQ ID NO:98、およびSEQ ID NO:121からなる群より選択されるH. pyloriの内膜ポリペプチドまたはそれらのフラグメントである請求項32記載の単 離されたポリペプチド。 34.H.pyloriの細胞エンベロープポリペプチドまたはそのフラグメントは、SEQ ID NO:89、SEQ ID NO:83、SEQ ID NO:118、SEQ ID NO:108、SEQ ID NO:110 、SEQ ID NO:80、SEQ ID NO:112、SEQ ID NO:128、SEQ ID NO:91、SEQ ID N O:92、SEQ ID NO:101、SEQ ID NO:103、SEQ ID NO:125、SEQ ID NO:127、S EQ ID NO:129、SEQ ID NO:131、SEQ ID NO:74、SEQ ID NO:115、SEQ ID NO :87、SEQ ID NO:116、SEQ ID NO:84、SEQ ID NO:144、SEQ ID NO:90および SEQ ID NO:130からなる群より選択されるH.pyloriの外膜ポリペプチドまたはそ のフラグメントである請求項32記載の単離されたポリペプチド。 35.H.pyloriの外膜ポリペプチドまたはそのフラグメントは、末端フェニルアラ ニン残基およびC末端チロシンクラスターまたはそのフラグメントを有し、SEQ ID NO:74、SEQ ID NO:115、SEQ ID NO:87、SEQ ID NO:116、SEQ ID NO:84 、およびSEQ ID NO:144からなる群より選択されるH.pyloriポリペプチドまたは そのフラグメントである請求項34記載の単離されたポリペプチド。 36.H.pyloriの外膜ポリペプチドまたはそのフラグメントは、末端フェニルアラ ニン残基またはそのフラグメントを有し、SEQ ID NO:89、SEQ ID NO:118、SEQ ID NO:108、SEQ ID NO:110、SEQ ID NO:80、SEQ ID NO:112、SEQ ID NO:1 28、SEQ ID NO:91、SEQ ID NO:92、SEQ ID NO:101、SEQ ID NO:103、SEQ ID NO:125、SEQ ID NO:127、SEQ ID NO:129、およびSEQ ID NO:131からなる群 より選択されるH.pyloriポリペプチドである請求項34記載の単離されたポリペプ チド。 37.ポリペプチドは、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:25、SEQ ID NO:48、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:45、SEQ ID NO:35、SEQ ID NO:37、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:39、SEQ ID NO:55、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:19、S EQ ID NO:28、SEQ ID NO:30、SEQ ID NO:52、SEQ ID NO:54、SEQ ID NO:56 、SEQ ID NO:58、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:42、SEQ ID NO:14、SEQ ID NO :43、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:71、SEQ ID NO:17、SEQ ID NO:57、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:8およびSEQ ID NO:21からなる群より選 択される核酸によってコードされる単離されたH.pyloriの細胞エンベロープポリ ペプチドまたはそのフラグメント。 38.H.pyloriの細胞エンベロープポリペプチドまたはそのフラグメントは、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:25、およびSEQ ID NO:48からなる群より選択される核 酸によってコードされるH.pylori内膜ポリペプチドまたはそれらのフラグメント である請求項37記載の単離されたポリペプチド。 39.H.pyloriの細胞エンベロープポリペプチドまたはそのフラグメントは、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:45、SEQ ID NO:35、SEQ ID NO:37、S EQ ID NO:7、SEQ ID NO:39、SEQ ID NO:55、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:19 、SEQ ID NO:28、SEQ ID NO:30、SEQ ID NO:52、SEQ ID NO:54、SEQ ID NO :56、SEQ ID NO:58、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:42、SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:43、SEQ ID NO:11、およ びSEQ ID NO:71からなる群より選ばれる核酸によってコードされるH.pyloriの 外膜ポリペプチドまたはそれらのフラグメントである請求項37記載の単離された ポリペプチド。 40.H.pyloriの外膜ポリペプチドまたはそれらのフラグメントは、末端フェニル アラニン残基およびC末端チロシンクラスターまたはそのフラグメントを有し、 SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:42、SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:43、SEQ ID NO:1 1、およびSEQ ID NO:71からなる群より選ばれる核酸によりコードされるH.pylo riポリペプチドである請求項39記載の単離されたポリペプチド。 41.H.pyloriの外膜ポリペプチドまたはそのフラグメントは、末端フェニルアラ ニン残基またはそのフラグメントを有し、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:45、SEQ ID NO:35、SEQ ID NO:37、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:39、SEQ ID NO:55、S EQ ID NO:18、SEQ ID NO:19、SEQ ID NO:28、SEQ ID NO:30、SEQ ID NO:52 、SEQ ID NO:54、SEQ ID NO:56、およびSEQ ID NO:58からなる群より選択さ れる核酸によってコードされるH.pyloriポリペプチドである請求項39記載の単離 されたポリペプチド。 42.ポリペプチドは、SEQ ID NO:85、SEQ ID NO:88、SEQ ID NO:93、SEQ ID NO:96、SEQ ID NO:97、SEQ ID NO:99、SEQ ID NO:100、SEQ ID NO:120、SE Q ID NO:123、SEQ ID NO:133、SEQ ID NO:137、SEQ ID NO:142、SEQ ID NO :143およびSEQ ID NO:146からなる群より選択される、単離されたH.pyloriの 細胞性ポリペプチドまたはそのフラグメント。 43.ポリペプチドはSEQ ID NO:12、SEQ ID NO:15、SEQ ID NO:20、SEQ ID NO :23、SEQ ID NO:24、SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:47、SEQ ID NO:50、SEQ ID NO:60、SEQ ID NO:64、SEQ ID NO:69、SEQ ID NO:70、お よびSEQ ID NO:73からなる群より選択される核 酸によってコードされる、単離されたH.pyloriの細胞性ポリペプチドまたはそれ らのフラグメント。 44.ポリペプチドは、SEQ ID NO:145、SEQ ID NO:105、SEQ ID NO:124、SEQ ID NO:75、SEQ ID NO:77、SEQ ID NO:82、SEQ ID NO:86、SEQ ID NO:95、S EQ ID NO:102、SEQ ID NO:104、SEQ ID NO:106、SEQ ID NO:107、SEQ ID NO :109、SEQ ID NO:111、SEQ ID NO:113、SEQ ID NO:114、SEQ ID NO:117、S EQ ID NO:119、SEQ ID NO:122、SEQ ID NO:126、SEQ ID NO:132、SEQ ID NO :134、SEQ ID NO:135、SEQ ID NO:136、SEQ ID NO:138、SEQ ID NO:139、S EQ ID NO:140、およびSEQ ID NO:141からなる群より選択される、単離されたH .pyloriの分泌ポリペプチドまたはそのフラグメント。 45.ポリペプチドは、SEQ ID NO:72、SEQ ID NO:32、SEQ ID NO:51、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:13、SEQ ID NO:22、SEQ ID NO:29、SEQ ID NO:31、SEQ ID NO:33、SEQ ID NO:34、SEQ ID NO:36、S EQ ID NO:38、SEQ ID NO:40、SEQ ID NO:41、SEQ ID NO:44、SEQ ID NO:46 、SEQ ID NO:49、SEQ ID NO:53、SEQ ID NO:59、SEQ ID NO:61、SEQ ID NO :62、SEQ ID NO:63、SEQ ID NO:65、SEQ ID NO:66、SEQ ID NO:67、および SEQ ID NO:68からなる群から選択される核酸によってコードされる、単離され たH.pyloriの分泌ポリペプチドまたはそのフラグメント。 46.SEQ ID NO:74〜SEQ ID NO:146からなる群より選択されるアミノ酸配列か らなるH.pyloriポリペプチドが非H.pyloriポリペプチドに実施可能なように連結 してなる融合タンパク質。 47.請求項1〜7、12、または17〜20のいずれかに記載の少なくとも1種の単離 された核酸の有効量からなるH.pylori感染の予防または処置のためのワクチン処 方物。 48.請求項26〜32、37、または42〜45のいずれかに記載の少なくとも1 種のH.pyloriポリペプチドまたはそのフラグメントの有効量からなるH.pylori感 染の予防または処置のためのワクチン処方物。 49.さらに医薬的に許容される担体からなる請求項47記載のワクチン処方物。 50.さらに医薬的に許容される担体からなる請求項48記載のワクチン処方物。 51.医薬的に許容される担体はアジュバントからなる請求項49記載のワクチン処 方物。 52.医薬的に許容される担体はアジュバントからなる請求項50記載のワクチン処 方物。 53.医薬的に許容される担体は送達システムからなる請求項49記載のワクチン処 方物。 54.医薬的に許容される担体は送達システムからなる請求項50記載のワクチン処 方物。 55.送達システムは、生存ベクターからなる請求項53記載のワクチン処方物。 56.送達システムは、生存ベクターからなる請求項54記載のワクチン処方物。 57.生存ベクターは細菌またはウイルスである請求項55記載のワクチン処方物。 58.生存ベクターは細菌またはウイルスである請求項56記載のワクチン処方物。 59.医薬的に許容される担体はさらにアジュバントからなる請求項53記載のワク チン処方物。 60.医薬的に許容される担体はさらにアジュバントからなる請求項54記載のワク チン処方物。 61.患者におけるH.pylori感染の処置方法または感染の危険を低下させる 方法において、H.pylori感染の処置またはその危険の低下が達成されるように、 患者に請求項47記載のワクチン処方物を投与する方法。 62.患者におけるH.pylori感染の処置方法または感染の危険を低下させる方法に おいて、H.pylori感染の処置またはその危険の低下が達成されるように、患者に 請求項48記載のワクチン処方物を投与する方法。 63.SEQ ID NO:74〜SEQ ID NO:146からなる群より選ばれる少なくとも1種の 単離されたH.pyloriポリペプチドまたはそのフラグメントを医薬的に許容される 担体と配合してワクチン処方物を形成させることからなるワクチン処方物の製造 方法。 64.(a)SEQ ID NO:74〜SEQ ID NO:146からなる群より選ばれる少なくとも1種 の単離されたH.pyloriポリペプチドまたはそのフラグメントを提供し、 (b)上述の少なくとも1種の単離されたH.pyloriポリペプチドまたはそのフ ラグメントを医薬的に許容される担体と配合してワクチン処方物を形成させる ことからなるワクチン処方物の製造方法。 65.(a)SEQ ID NO:74〜SEQ ID NO:146からなる群より選ばれるH.pyloriポリペ プチドまたはそのフラグメントの発現が可能な条件下に細胞を培養し、 (b) 上記細胞から上記H.pyloriポリペプチドを単離し、 (c) 上述の少なくとも1種の単離されたH.pyloriポリペプチドまたはそのフラ グメントを医薬的に許容される担体と配合してワクチン処方物形成させる ことからなる、ワクチン処方物の製造方法。
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