JP2001510992A - ヘリコバクター・ピロリに関連する核酸およびアミノ酸配列ならびにそのワクチン組成物 - Google Patents

ヘリコバクター・ピロリに関連する核酸およびアミノ酸配列ならびにそのワクチン組成物

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Abstract

(57)【要約】 H.pyloriポリペプチドの組換えまたは実質的に純粋なプレパレーションが記載される。それらのポリペプチドをコードする核酸も記載される。H.pyloriポリペプチドは診断およびワクチン処方物に有用である。図1は5種のH.pyloriタンパク質のアミノ酸配列の配置を示している。

Description

【発明の詳細な説明】 ヘリコバクター・ピロリに関連する核酸および アミノ酸配列ならびにそのワクチン組成物発明の背景 ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)はヒト胃バイオプシー標本か ら発見され培養されたグラム陰性、S字型、微好気性菌である(Warren,J.R.& B.Marshall,Lancet 1:1273-1275,1983;Marshallら、Microbios Lett.25: 83-88,1984)。H.pyloriは慢性胃炎および十二指腸潰瘍性疾患と密接に関連づ けられてきた(Rathboneら、Gut 27:635-641,1986)。しかも、潰瘍性消化不良 症、胃潰瘍、および胃腺癌におけるH.pyloriの病因的役割を示す証拠が増大し ている(Blaser M.J.,Trends Microbiol.1:255-260,1993)。この細菌の伝播は 経口経路を介して起こり、その感染の危険は加齢とともに増大する(Taylor,D. N.& M.J.Blaser,Epidemiol.Rev.13:42-50,1991)。H.pyloriはヒト胃粘 膜にコロニーを形成して、通常数十年は持続する感染が確立される。H.pyloriに よる感染は世界的問題である。先進国の成人人口における感染率は50%を越える 程度であるが、開発途上国における感染率は年齢20歳以上の成人の90%に及ぶ(H opkinsR.J.& J.G.Morris,Am.J.Med.97:265-277,1994)。 胃環境のコロナイゼーションおよびこの病原菌の毒力に必要な細菌因子につい ては、わずかしか分かっていない。毒力因子の候補には以下の例が包含される。 すなわち、ウレアーゼ、胃酸のpHの中和にある種の役割を果たす可能性が考えら れる酵素(Eatonら、Infect.Immunol.59:2470-2475,1991;Ferrero,R.L.& A .Lee,Microb.Ecol.Hlth.Dis.4:121-134,1991;Labigneら、J.Bacteriol .173:1920-1931,1991);粘膜層を横切る移動性の原因になる細菌の鞭毛タンパ ク質(Hazellら、J.Inf.Dis.153:658-663,1986;Leyingら、Mol.Microbiol .6:2863-2874,1992; Haasら、Mol.Microbiol.8:753-760,1993);VacA、上皮細胞における細胞内 液胞形成を誘導する細菌毒素(Schmitt,W.& R.Haas,Molecular Microbiol.1 2(2) :307-319,1994)ならびに数種類の胃組織特異的接着(Borenら、Science 26 2 :1892-1895,1993;Evansら、J.Bacteriol.175:674-683,1993;Falkら、Proc .Natl.Acad.Sci.USA 90:2035-2039,1993)が包含される。 現在ではH.pyloriの感染をインビトロで絶滅させる多くの治療剤が存在する( Huescaら、Zb1.Bakt.280:244-252,1993;Hopkins,R.J.& J.G.Morris、前出 )。しかしながら、これらの処置の多くは細菌の抵抗性、薬剤分布の変化、患者 のコンプライアンスの不足または薬剤の低い利用能のため、インビボでは至適以 下の効果しか示さない(Hopkins,R.J.& J.G.Morris、前出)。ビスマスを併用 する抗生物質による処置は、H.pylori感染の処置のために使用される標準処方 基準の一部となっている(Malfertheiner,P.& J.E.Dominguez-Munoz,Clinica l Therapeutics 15 Supp.B:37-48,1993)。最近、プロトンポンプ阻害剤と単一 の抗生物質の併用が十二指腸の潰瘍性疾患を改善することが明らかにされている (Malfertheiner,P.& J.E.Dominguez-Munoz、前出)。しかしながら、抗生物 質を使用する方法にはこれらの薬剤に抵抗性の細菌株の発生の問題がある(Hopk ins,R.J.& J.G.Morris、前出)。これらの限界は、H.pylori感染をインビボ で撲滅する新しい、より有効な方法の必要性を示すものである。とくに、この細 菌による感染を防止できる新たなワクチンの設計が強く望まれる。発明の概要 本発明は、生物体ヘリコバクター・ピロリ(H.pylori)からの新規な遺伝子た とえば細菌の表面タンパク質のようなポリペプチドをコードする遺伝子、および 他の関連遺伝子、それらの産物ならびにそれらの使用に関する。本発明の核酸お よびペプチドは、H.pyloriおよび他のヘリコバク ター種の診断および治療に有用性を有する。それらはまた、サンプル中のH.pyl oriおよび他のヘリコバクター種の存在の検出、ならびにH.pyloriの生活環への 干渉またはH.pylori感染の阻害能力を有する化合物のスクリーニングに使用す ることもできる。さらに詳しくは、本発明は、H.pyloriタンパク質たとえば表 面または分泌タンパク質もしくはそれら一部の全コード配列に相当する核酸の組 成物、H.pyloriタンパク質からのmRNAに結合してタンパク質の翻訳を遮断でき る核酸、ならびにペプチド合成および組換えDNA技術を用いてH.pyloriタンパク 質またはその一部を産生する方法を特徴とする。本発明はまた、H.pylori感染 を検出するためのプローブとして有用な抗体および核酸を特徴とする。さらに、 ワクチン組成物、ならびにH.pyloriによる感染の防御または処置方法も本発明 の範囲に包含される。図面の簡単な説明 図1は、5種のH.pyloriタンパク質のアミノ酸配列のアラインメントを示す( 単一文字アミノ酸記号で示し、それらのアミノ酸SEQ ID NOによって呼称される 。N末端からC末端を左から右へ示す)。 図2は、3種のH.pyloriタンパク質のN末端部分を示す(単一文字アミノ酸記 号で示し、それらのアミノ酸SEQ ID NOによって呼称される。N末端からC末端 を左から右へ示す)。発明の詳述 一態様においては、本発明はSEQ ID NO:98のH.pyloriポリペプチドの組換え または実質的に純粋なプレパレーションを特徴とする。本発明はまたSEQ ID NO :98のH.pyloriポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を包含し、この ような核酸はSEQ ID NO:1中に含有される。本明細書に記載の本発明のH.pylo riポリペプチド配列は配列表に含まれ、また、本発明のH.pyloriポリペプチド をコードする核酸配列も配列表に含まれる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:99のアミノ酸配列を有するH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。このような核酸配 列はSEQ ID NO:2のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:100のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。このような核酸配 列はSEQ ID NO:3のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:101のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。このような核酸配 列はSEQ ID NO:4のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:102のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。このような核酸配 列はSEQ ID NO:5のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:103のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。このような核酸配 列はSEQ ID NO:6のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:104のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。このような核酸配 列はSEQ ID NO:7のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:105のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。このような核酸配 列はSEQ ID NO:8のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:106のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。このような核酸配 列はSEQ ID NO:9のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:107のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。このような核酸配 列はSEQ ID NO:10のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:108のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。このような核酸配 列はSEQ ID NO:11のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:109のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。このような核酸配 列はSEQ ID NO:12のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:110のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。このような核酸配 列はSEQ ID NO:13のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:111のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。このような核酸配 列はSEQ ID NO:14のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:112のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。このような核酸配 列はSEQ ID NO:15のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:113のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。このような核酸配 列はSEQ ID NO:16のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:114のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。このような核酸配 列はSEQ ID NO:17のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:115のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。このような核酸配 列はSEQ ID NO:18のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:116のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。このような核酸配 列はSEQ ID NO:19のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:117のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。このような核酸配 列はSEQ ID NO:20のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:118のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。このような核酸配 列はSEQ ID NO:21のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:119のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。このような核酸配 列はSEQ ID NO:22のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:120のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。このような核酸配 列はSEQ ID NO:23のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:121のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。このような核酸配 列はSEQ ID NO:24のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:122のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。このような核酸配 列はSEQ ID NO:25のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:123のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。このような核酸配 列はSEQ ID NO:26のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:124のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。この核酸配列はSE Q ID NO:27のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:125のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。この核酸配列はSE Q ID NO:28のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:126のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。この核酸配列はSE Q ID NO:29のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:127のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。この核酸配列はSE Q ID NO:30のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:128のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。この核酸配列はSE Q ID NO:31のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:129のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。この核酸配列はSE Q ID NO:32のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:130のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。この核酸配列はSE Q ID NO:33のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:131のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。この核酸配列はSE Q ID NO:34のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:132のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。この核酸配列はSE Q ID NO:35のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:133のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。この核酸配列はSE Q ID NO:36のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:134のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。この核酸配列はSE Q ID NO:37のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:135のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。この核酸配列はSE Q ID NO:38のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:136のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。この核酸配列はSE Q ID NO:39のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:137のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。この核酸配列はSE Q ID NO:40のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:138のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。この核酸配列はSE Q ID NO:41のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:139のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。この核酸配列はSE Q ID NO:42のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:140のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。この核酸配列はSE Q ID NO:43のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:141のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。この核酸配列はSE Q ID NO:44のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:142のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。この核酸配列はSE Q ID NO:45のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:143のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。この核酸配列はSE Q ID NO:46のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:144のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。この核酸配列はSE Q ID NO:47のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:145のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。この核酸配列はSE Q ID NO:48のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:146のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。この核酸配列はSE Q ID NO:49のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:147のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。この核酸配列はSE Q ID NO:50のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:148のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。この核酸配列はSE Q ID NO:51のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:149のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。この核酸配列はSE Q ID NO:52のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:150のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。この核酸配列はSE Q ID NO:53のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:151のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。この核酸配列はSE Q ID NO:54のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:152のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。この核酸配列はSE Q ID NO:55のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:153のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。この核酸配列はSE Q ID NO:56のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:154のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。この核酸配列はSE Q ID NO:57のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:155のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。この核酸配列はSE Q ID NO:58のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:156のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。この核酸配列はSE Q ID NO:59のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:157のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。この核酸配列はSE Q ID NO:60のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:158のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。この核酸配列はSE Q ID NO:61のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:159のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。この核酸配列はSE Q ID NO:62のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:160のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。この核酸配列はSE Q ID NO:63のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:161のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。この核酸配列はSE Q ID NO:64のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:162のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。この核酸配列はSE Q ID NO:65のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:163のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。この核酸配列はSE Q ID NO:66のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:164のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。この核酸配列はSE Q ID NO:67のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:165のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。この核酸配列はSE Q ID NO:68のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:166のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。この核酸配列はSE Q ID NO:69のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:167のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。この核酸配列はSE Q ID NO:70のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:168のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。この核酸配列はSE Q ID NO:71のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:169のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。この核酸配列はSE Q ID NO:72のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:170のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。この核酸配列はSE Q ID NO:73のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:171のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。この核酸配列はSE Q ID NO:74のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:172のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。この核酸配列はSE Q ID NO:75のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:173のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。この核酸配列はSE Q ID NO:76のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:174のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。この核酸配列はSE Q ID NO:77のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:175のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。この核酸配列はSE Q ID NO:78のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:176のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。この核酸配列はSE Q ID NO:79のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:177のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。この核酸配列はSE Q ID NO:80のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:178のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。この核酸配列はSE Q ID NO:81のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:179のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。この核酸配列はSE Q ID NO:82のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:180のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。この核酸配列はSE Q ID NO:83のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:181のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。この核酸配列はSE Q ID NO:84のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:182のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。この核酸配列はSE Q ID NO:85のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:183のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。この核酸配列はSE Q ID NO:86のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:184のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。この核酸配列はSE Q ID NO:87のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:185のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。この核酸配列はSE Q ID NO:88のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:186のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。この核酸配列はSE Q ID NO:89のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:187のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。この核酸配列はSE Q ID NO:90のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:188のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。この核酸配列はSE Q ID NO:91のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:189のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。この核酸配列はSE Q ID NO:92のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:190のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。この核酸配列はSE Q ID NO:93のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:191のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。この核酸配列はSE Q ID NO:94のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:192のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。この核酸配列はSE Q ID NO:95のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:193のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。この核酸配列はSE Q ID NO:96のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては本発明はSEQ ID NO:194のアミノ酸配列をもつH.pylori ポリペプチドをコードする実質的に純粋な核酸を特徴とする。この核酸配列はSE Q ID NO:97のヌクレオチド配列からなる。 他の態様においては、本発明はSEQ ID NO:98〜SEQ ID NO:194からなる群よ り選択されるアミノ酸配列と少なくとも約60%のホモロジーを有するH.pylori ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列をもつ単離された核酸を特徴とする 。好ましい実施態様においては、単離された核酸にはSEQ ID NO:1〜SEQ ID NO :97からなる群より選択されるヌクレオチド配列またはその相補体が包含される 。 他の態様においては、本発明はSEQ ID NO:98〜SEQ ID NO:194からなる群よ り選択されるH.pyloriポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有する単 離された核酸を特徴とする。 他の態様においては、本発明はSEQ ID NO:1〜SEQ ID NO:97からなる群より 選択されるヌクレオチド配列と少なくとも約60%のホモロジーを示すヌクレオチ ド配列を有する、H.pyloriポリペプチドをコードする単離された核酸、または その相補体を特徴とする。 他の態様においては、本発明はSEQ ID NO:1〜SEQ ID NO:97からなる群より 選択されるヌクレオチド配列を有する核酸分子に緊縮ハイブリダイゼーション条 件下にハイブリダイズするヌクレオチド配列を有する、H.pyloriポリペプチド をコードする単離された核酸分子、またはその相補体を特徴とする。 他の態様においては、本発明はSEQ ID NO:1〜SEQ ID NO:97からなる群より 選択されるヌクレオチド配列を有する核酸に緊縮ハイブリダイゼーション条件下 にハイブリダイズする、長さ少なくとも8個のヌクレオチドのヌクレオチド配列 を有する、単離された核酸、またはその相補体を特徴とする。 H.pylori細胞エンベロープポリペプチドまたはそのフラグメントをコードす るヌクレオチド配列を有する単離された核酸がとくに好ましい。このような核酸 はSEQ ID NO:63、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO :13、SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:23、SEQ ID NO:24、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:28、SEQ ID NO:50、SEQ ID NO:51、SEQ ID NO:61、SEQ ID NO:79、SEQ ID NO:80、SEQ ID NO:84、SEQ ID NO:85、SEQ ID NO:91、SEQ ID NO:94、 SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:36、SEQ ID NO:4 2、SEQ ID NO:52、SEQ ID NO:22、SEQ ID NO:29、SEQ ID NO:30、SEQ ID NO :65、SEQ ID NO:66、SEQ ID NO:48、SEQ ID NO:49、SEQ ID NO:17、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:19、SEQ ID NO:43、SEQ ID NO:44、SEQ ID NO:38、SEQ ID NO:39、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:34、 SEQ ID NO:35、SEQ ID NO:60、SEQ ID NO:69、およびSEQ ID NO:83からなる 群またはその相補体より選択される。 他の実施態様においては、H.pylori細胞エンベロープポリペプチドまたはそ のフラグメントは、SEQ ID NO:63のヌクレオチド配列を有する核酸によってコ ードされるH.pylori鞭毛関連ポリペプチドもしくはそのフラグメント、または その相補体である。 他の実施態様においては、H.pylori細胞エンベロープポリペプチドまたはそ のフラグメントはSEQ ID NO:48、SEQ ID NO:49、SEQ ID NO:17、SEQ ID NO: 18、SEQ ID NO:19、SEQ ID NO:43、SEQ ID NO:44、SEQ ID NO:38、およびSE Q ID NO:39からなる群より選択される核酸、またはその相補体によってコード されるH.pylori内膜ポリペプチドまたはそのフラグメントである。 他の実施態様においては、H.pylori内膜ポリペプチドまたはそのフラグメン トは、SEQ ID NO:48、SEQ ID NO:49、SEQ ID NO:17、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:19、SEQ ID NO:43、およびSEQ ID NO:44からなる群より選択される核酸 、またはその相補体によってコードされる、輸送に関与するH.pyloriポリペプ チドまたはそのフラグメントである。 他の実施態様においては、H.pylori細胞エンベロープポリペプチドまたはそ のフラグメントはSEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO: 13、SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:23、SEQ ID NO:24、SEQ ID NO:27、SEQ ID N O:28、SEQ ID NO:50、SEQ ID NO:51、SEQ ID NO:61、SEQ ID NO:79、SEQ I D NO:80、SEQ ID NO:84、SEQ ID NO:85、SEQ ID NO:91、SEQ ID NO:94、SE Q ID NO:5、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:36、SEQ ID NO:42 、SEQ ID NO:52、SEQ ID NO:22、SEQ ID NO:29、SEQ ID NO:30、SEQ ID NO :65およびSEQ ID NO:66からなる群より選択される核酸、またはその相補体に よってコードされるH.pylori外膜ポリペプチドまたはそのフラグメントである 。 他の実施態様においては、H.pylori外膜ポリペプチドまたはそのフラグメン トは末端フェニルアラニン残基を有するH.pyloriポリペプチドまたはSEQ ID NO :7、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:13、SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:23、SEQ ID NO:24、SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:28、SEQ ID NO:36、SEQ ID NO:42、SEQ ID NO:50、SEQ ID NO:51、 SEQ ID NO:52、SEQ ID NO:61、SEQ ID NO:79、SEQ ID NO:80、SEQ ID NO:8 4、SEQ ID NO:85、SEQ ID NO:91、およびSEQ ID NO:94からなる群より選択さ れる核酸もしくはその相補体によってコードされるそのフラグメントである。 他の実施態様においては、H.pylori外膜ポリペプチドまたはそのフラグメン トは、末端フェニルアラニン残基およびC末端チロシンクラスターを有するH.p yloriポリペプチド、またはSEQ ID NO:11、SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:36、SE Q ID NO:42、およびSEQ ID NO:52からなる群より選択される核酸もしくはその 相補体によってコードされるそのフラグメントである。 H.pylori細胞エンベロープポリペプチドまたはそのフラグメントをコードす るヌクレオチド配列を有する単離された核酸がとくに好ましい。このような核酸 はSEQ ID NO:160、SEQ ID NO:104、SEQ ID NO:105、SEQ ID NO:106、SEQ ID NO:110、SEQ ID NO:111、SEQ ID NO:120、SEQ ID NO:121、SEQ ID NO:124 、SEQ ID NO:125、SEQ ID NO:147、SEQ ID NO:148、SEQ ID NO:158、SEQ ID NO:176、SEQ ID NO:177、SEQ ID NO:181、SEQ ID NO:182、SEQ ID NO:188 、SEQ ID NO:191、SEQ ID NO:102、SEQ ID NO:108、SEQ ID NO:123、SEQ ID NO:133、SEQ ID NO:139、SEQ ID NO:149、SEQ ID NO:119、SEQ ID NO:126 、SEQ ID NO:127、SEQ ID NO:162、SEQ ID NO:163、SEQ ID NO:145、SEQ ID NO:146、SEQ ID NO:114、SEQ ID NO:115、SEQ ID NO:116、 SEQ ID NO:140、SEQ ID NO:141、SEQ ID NO:135、SEQ ID NO:136、SEQ ID N O:98、SEQ ID NO:99、SEQ ID NO:103、SEQ ID NO:131、SEQ ID NO:132、SE Q ID NO:157、SEQ ID NO:166、およびSEQ ID NO:180からなる群より選択され る。 他の実施態様においては、H.pylori細胞エンベロープポリペプチドたはその フラグメントは、SEQ ID NO:160のアミノ酸配列を有するH.ylori鞭毛関連ポリ ペプチドまたはそのフラグメントである。 他の実施態様においては、H.pylori細胞エンベロープポリペプチドまたはそ のフラグメントは、SEQ ID NO:145、SEQ ID NO:146、SEQ ID NO:114、SEQ ID NO:115、SEQ ID NO:116、SEQ ID NO:140、SEQ ID NO:141、SEQ ID NO:135 、およびSEQ ID NO:136からなる群より選択されるH.pylori内膜ポリペプチド またはそのフラグメントである。 他の実施態様においては、H.pylori内膜ポリペプチドまたはそのフラグメン トは、SEQ ID NO:145、SEQ ID NO:146、SEQ ID NO:114、SEQ ID NO:115、SE Q ID NO:116、SEQ ID NO:140、およびSEQ ID NO:141からなる群より選択され る、輸送に関与するH.pyloriポリペプチドまたはそのフラグメントである。 他の実施態様においては、H.pylori細胞エンベロープポリペプチドまたはそ のフラグメントはSEQ ID NO:104、SEQ ID NO:105、SEQ ID NO:106、SEQ ID N O:110、SEQ ID NO:111、SEQ ID NO:120、SEQ ID NO:121、SEQ ID NO:124、 SEQ ID NO:125、SEQ ID NO:147、SEQ ID NO:148、SEQ ID NO:158、SEQ ID N O:176、SEQ ID NO:177、SEQ ID NO:181、SEQ ID NO:182、SEQ ID NO:188、 SEQ ID NO:191、SEQ ID NO:102、SEQ ID NO:108、SEQ ID NO:123、SEQ ID N O:133、SEQ ID NO:139、SEQ ID NO:149、SEQ ID NO:119、SEQ ID NO:126、 SEQ ID NO:127、SEQ ID NO:162およびSEQ ID NO:163からなる群より選択され るH.pylori外膜ポリペプチドまたはそのフラグメントである。 他の実施態様においては、H.pylori外膜ポリペプチドまたはそのフラグメン トは、SEQ ID NO:104、SEQ ID NO:105、SEQ ID NO:106、SEQ ID NO:108、SE Q ID NO:110、SEQ ID NO:111、SEQ ID NO:120、SEQ ID NO:121、SEQ ID NO :123、SEQ ID NO:124、SEQ ID NO:125、SEQ ID NO:133、SEQ ID NO:139、S EQ ID NO:147、SEQ ID NO:148、SEQ ID NO:149、SEQ ID NO:158、SEQ ID NO :176、SEQ ID NO:177、SEQ ID NO:181、SEQ ID NO:182、SEQ ID NO:188、 およびSEQ ID NO:191からなる群より選択される末端フェニルアラニン残基を有 するH.pyloriポリペプチド、またはそのフラグメントである。 他の実施態様においては、H.pylori外膜ポリペプチドまたはそのフラグメン トは、SEQ ID NO:108、SEQ ID NO:123、SEQ ID NO:133、SEQ ID NO:139、お よびSEQ ID NO:149からなる群より選択される末端フェニルアラニン残基および C末端チロシンクラスターを有するH.pyloriポリペプチド、またはそのフラグ メントである。 H.pylori細胞質ポリペプチドまたはそのフラグメントをコードするヌクレオ チド配列を有する単離された核酸がとくに好ましい。これらの核酸はSEQ ID NO :57、SEQ ID NO:58、SEQ ID NO:86、SEQ ID NO:87、SEQ ID NO:88、SEQ ID NO:89、SEQ ID NO:92、およびSEQ ID NO:93からなる群またはその相補体よ り選択される。 一実施態様においては、H.pylori細胞質ポリペプチドまたはそのフラグメン トはmRNAの翻訳に関与するH.pyloriポリペプチドまたはそのフラグメントであ り、この場合、核酸はSEQ ID NO:57、およびSEQ ID NO:58からなる群またはそ の相補体より選択される。 他の実施態様においては、H.pylori細胞質ポリペプチドまたはそのフラグメ ントはゲノム複製、転写、組換えおよび修復に関与するH.pyloriポリペプチド またはそのフラグメントであり、この場合、核酸はSEQ ID NO:86、およびSEQ I D NO:87からなる群またはその相補体より選択され る。 SEQ ID NO:154、SEQ ID NO:155、SEQ ID NO:183、SEQ ID NO:184、SEQ ID NO:185、SEQ ID NO:186、SEQ ID NO:189およびSEQ ID NO:190からなる群よ り選択されるH.pylori細胞質ポリペプチドまたはそのフラグメントをコードす るヌクレオチド配列を有する単離された核酸がとくに好ましい。 一実施態様においては、H.pylori細胞質ポリペプチドまたはそのフラグメン トはmRNAの翻訳に関与する、SEQ ID NO:154およびSEQ ID NO:155からなる群よ り選択されるH.pyloriポリペプチドまたはそのフラグメントである。 他の実施態様においてはH.pylori細胞質ポリペプチドまたはそのフラグメン トはゲノム複製、転写、組換えおよび修復に関与する、SEQ ID NO:183およびSE Q ID NO:184からなる群より選択されるH.pyloriポリペプチドまたはそのフラ グメントである。 H.pylori分泌ポリペプチドまたはそのフラグメントをコードするヌクレオチ ド配列を有する単離された核酸がとくに好ましく、この場合、核酸はSEQ ID NO :3、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:12、SEQ ID NO:20、SEQ ID NO:25、SEQ ID NO:31、SEQ ID NO:32、SEQ ID NO:45、SEQ ID NO:46、SEQ ID NO:53、SEQ ID NO:64、SEQ ID NO:67、SEQ ID NO:70、SEQ ID NO:77、 SEQ ID NO:78、SEQ ID NO:81、SEQ ID NO:82、SEQ ID NO:90、SEQ ID NO:9 5、およびSEQ ID NO:97からなる群またはその相補体より選択される。 SEQ ID NO:100、SEQ ID NO:101、SEQ ID NO:107、SEQ ID NO:109、SEQ ID NO:117、SEQ ID NO:122、SEQ ID NO:128、SEQ ID NO:129、SEQ ID NO:142 、SEQ ID NO:143、SEQ ID NO:150、SEQ ID NO:161、SEQ ID NO:164、SEQ ID NO:167、SEQ ID NO:174、SEQ ID NO:175、SEQ ID NO:178、SEQ ID NO:179、 SEQ ID NO:187、SEQ ID NO:192、お よびSEQ ID NO:194からなる群より選択されるH.pylori分泌ポリペプチドまた はそのフラグメントをコードするヌクレオチド配列を有する単離された核酸がと くに好ましい。 H.pylori細胞性ポリペプチドまたはそのフラグメントをコードするヌクレオ チド配列を有する単離された核酸がとくに好ましく、これらの核酸はSEQ ID NO :15、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:21、SEQ ID NO:33、SEQ ID NO:37、SEQ ID NO:40、SEQ ID NO:41、SEQ ID NO:47、SEQ ID NO:54、SEQ ID NO:55、SEQ ID NO:56、SEQ ID NO:59、SEQ ID NO:62、SEQ ID NO:68、SEQ ID NO:71、S EQ ID NO:72、SEQ ID NO:73、SEQ ID NO:74、SEQ ID NO:75、SEQ ID NO:76 、およびSEQ ID NO:96からなる群またはその相補体より選択される。 SEQ ID NO:112、SEQ ID NO:113、SEQ ID NO:118、SEQ ID NO:130、SEQ ID NO:134、SEQ ID NO:137、SEQ ID NO:138、SEQ ID NO:144、SEQ ID NO:151 、SEQ ID NO:152、SEQ ID NO:153、SEQ ID NO:156、SEQ ID NO:159、SEQ ID NO:165、SEQ ID NO:168、SEQ ID NO:169、SEQ ID NO:170、SEQ ID NO:171、 SEQ ID NO:172、SEQ ID NO:173、およびSEQ ID NO:193からなる群より選択さ れるH.pylori細胞性ポリペプチドまたはそのフラグメントをコードするヌクレ オチド配列を有する単離された核酸がとくに好ましい。 他の実施態様においては、本発明はSEQ ID NO:1〜SEQ ID NO:97からなる群 より選択されるヌクレオチド配列の少なくとも8個のヌクレオチドから構成され るヌクレオチド配列またはその相補体を有するプローブを特徴とする。 他の態様においては、本発明はSEQ ID NO:98〜SEQ ID NO:194からなる群よ り選択されるH.pyloriポリペプチドと少なくとも約60%のホモロジーを示すア ミノ酸配列を有する、単離されたH.pyloriポリペプチドを特徴とする。 他の態様においては、本発明はSEQ ID NO:1〜SEQ ID NO:97からなる群より 選択されるヌクレオチド配列と少なくとも約60%のホモロジーを示すヌクレオチ ド配列を有する核酸によってコードされる単離されたH.pyloriポリペプチドを 特徴とする。一実施態様においては、単離されたH.pyloriポリペプチドはSEQ I D NO:1〜SEQ ID NO:97からなる群より選択されるヌクレオチド配列によって コードされる。 他の態様においては、本発明は、SEQ ID NO:1〜SEQ ID NO:97からなる群よ り選択される核酸、またはその相補体に緊縮ハイブリダイゼーション条件下にハ イブリダイズする核酸によってコードされる、単離されたH.pyloriポリペプチ ドを特徴とする。 他の態様においては、本発明は、SEQ ID NO:97〜SEQ ID NO:194からなる群 より選択されるアミノ酸配列を有する、単離されたH.pyloriポリペプチドを特 徴とする。 ポリペプチドは、SEQ ID NO:160、SEQ ID NO:104、SEQ ID NO:105、SEQ ID NO:106、SEQ ID NO:110、SEQ ID NO:111、SEQ ID NO:120、SEQ ID NO:121 、SEQ ID NO:124、SEQ ID NO:125、SEQ ID NO:147、SEQ ID NO:148、SEQ ID NO:158、SEQ ID NO:176、SEQ ID NO:177、SEQ ID NO:181、SEQ ID NO:182 、SEQ ID NO:188、SEQ ID NO:191、SEQ ID NO:102、SEQ ID NO:108、SEQ ID NO:123、SEQ ID NO:133、SEQ ID NO:139、SEQ ID NO:149、SEQ ID NO:119 、SEQ ID NO:126、SEQ ID NO:127、SEQ ID NO:162、SEQ ID NO:163、SEQ ID NO:145、SEQ ID NO:146、SEQ ID NO:114、SEQ ID NO:115、SEQ ID NO:116 、SEQ ID NO:140、SEQ ID NO:141、SEQ ID NO:135、SEQ ID NO:136、SEQ ID NO:98、SEQ ID NO:99、SEQ ID NO:103、SEQ ID NO:131、SEQ ID NO:132、 SEQ ID NO:157、SEQ ID NO:166、およびSEQ ID NO:180からなる群より選択さ れる、単離されたH.pylori細胞エンベロープポリペプチドまたはそのフラグメ ントがとくに好ましい。 一実施態様においては、H.pylori細胞エンベロープポリペプチドまたはその フラグメントはSEQ ID NO:160のアミノ酸配列を有するH.pylori鞭毛関連ポリ ペプチドまたはそのフラグメントである。 他の実施態様においては、H.pylori細胞エンベロープポリペプチドまたはそ のフラグメントは、SEQ ID NO:145、SEQ ID NO:146、SEQ ID NO:114、SEQ ID NO:115、SEQ ID NO:116、SEQ ID NO:140、SEQ ID NO:141、SEQ ID NO:135 、およびSEQ ID NO:136からなる群より選択されるH.pylori内膜ポリペプチド またはそのフラグメントである。 他の実施態様においては、H.pylori内膜ポリペプチドまたはそのフラグメン トは輸送に関与する、SEQ ID NO:145、SEQ ID NO:146、SEQ ID NO:114、SEQ ID NO:115、SEQ ID NO:116、SEQ ID NO:140、SEQ ID NO:141、SEQ ID NO:1 35およびSEQ ID NO:136からなる群より選択されるH.pyloriポリペプチドまた はそのフラグメントである。 他の実施態様においては、H.pylori細胞エンベロープポリペプチドまたはそ のフラグメントは、SEQ ID NO:104、SEQ ID NO:105、SEQ ID NO:106、SEQ ID NO:110、SEQ ID NO:111、SEQ ID NO:120、SEQ ID NO:121、SEQ ID NO:124 、SEQ ID NO:125、SEQ ID NO:147、SEQ ID NO:148、SEQ ID NO:158、SEQ ID NO:176、SEQ ID NO:177、SEQ ID NO:181、SEQ ID NO:182、SEQ ID NO:188 、SEQ ID NO:191、SEQ ID NO:102、SEQ ID NO:108、SEQ ID NO:123、SEQ ID NO:133、SEQ ID NO:139、SEQ ID NO:149、SEQ ID NO:119、SEQ ID NO:126 、SEQ ID NO:127、SEQ ID NO:162およびSEQ ID NO:163からなる群より選択さ れるH.pylori外膜ポリペプチドまたはそのフラグメントである。 他の実施態様においては、H.pylori外膜ポリペプチドまたはそのフラグメン トは、末端フェニルアラニン残基を有するH.pyloriポリペプチドまたはSEQ ID NO:104、SEQ ID NO:105、SEQ ID NO:106、SEQ ID NO: 108、SEQ ID NO:110、SEQ ID NO:111、SEQ ID NO:120、SEQ ID NO:121、SEQ ID NO:123、SEQ ID NO:124、SEQ ID NO:125、SEQ ID NO:133、SEQ ID NO: 139、SEQ ID NO:147、SEQ ID NO:148、SEQ ID NO:149、SEQ ID NO:158、SEQ ID NO:176、SEQ ID NO:177、SEQ ID NO:181、SEQ ID NO:182、SEQ ID NO: 188、およびSEQ ID NO:191からなる群より選択されるそのフラグメントである 。 他の実施態様においては、H.pylori外膜ポリペプチドまたはそのフラグメン トは、末端フェニルアラニン残基およびC末端チロシンクラスターを有するH.p yloriポリペプチド、またはSEQ ID NO:108、SEQ ID NO:123、SEQ ID NO:133 、SEQ ID NO:139、およびSEQ ID NO:149からなる群より選択されるそのフラグ メントである。 とくに好ましい単離されたH.pylori細胞エンベロープポリペプチドまたはそ のフラグメントにおいては、ポリペプチドはSEQ ID NO:63、SEQ ID NO:7、SE Q ID NO:8、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:13、SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:23 、SEQ ID NO:24、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:28、SEQ ID NO:50、SEQ ID NO :51、SEQ ID NO:61、SEQ ID NO:79、SEQ ID NO:80、SEQ ID NO:84、SEQ ID NO:85、SEQ ID NO:91、SEQ ID NO:94、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:36、SEQ ID NO:42、SEQ ID NO:52、SEQ ID NO:22、 SEQ ID NO:29、SEQ ID NO:30、SEQ ID NO:65、SEQ ID NO:66、SEQ ID NO:4 8、SEQ ID NO:49、SEQ ID NO:17、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:19、SEQ ID NO :43、SEQ ID NO:44、SEQ ID NO:38、SEQ ID NO:39、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:34、SEQ ID NO:35、SEQ ID NO:60、SEQ ID NO:69、およびSEQ ID NO:83からなる群より選択される核酸によってコー ドされる。 一実施態様においては、H.pylori細胞エンベロープポリペプチドまた はそのフラグメントはSEQ ID NO:63のヌクレオチド配列を有する核酸によって コードされるH.pylori鞭毛関連ポリペプチドまたはそのフラグメントである。 他の実施態様においては、H.pylori細胞エンベロープポリペプチドまたはそ のフラグメントはSEQ ID NO:48、SEQ ID NO:49、SEQ ID NO:17、SEQ ID NO: 18、SEQ ID NO:19、SEQ ID NO:43、SEQ ID NO:44、SEQ ID NO:38、およびSE Q ID NO:39からなる群より選択される核酸によってコードされるH.pylori内膜 ポリペプチドまたはそのフラグメントである。 他の実施態様においては、H.pylori内膜ポリペプチドまたはそのフラグメン トは輸送に関与する、SEQ ID NO:48、SEQ ID NO:49、SEQ ID NO:17、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:19、SEQ ID NO:43およびSEQ ID NO:44からなる群より選 択される核酸によってコードされるH.pyloriポリペプチドまたはそのフラグメ ントである。 他の実施態様においては、H.pylori細胞エンベロープポリペプチドまたはそ のフラグメントはSEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO: 13、SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:23、SEQ ID NO:24、SEQ ID NO:27、SEQ ID N O:28、SEQ ID NO:50、SEQ ID NO:51、SEQ ID NO:61、SEQ ID NO:79、SEQ I D NO:80、SEQ ID NO:84、SEQ ID NO:85、SEQ ID NO:91、SEQ ID NO:94、SE Q ID NO:5、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:36、SEQ ID NO:42 、SEQ ID NO:52、SEQ ID NO:22、SEQ ID NO:29、SEQ ID NO:30、SEQ ID NO :65、およびSEQ ID NO:66からなる群より選択される核酸によってコードされ るH.pylori外膜ポリペプチドまたはそのフラグメントである。 他の実施態様においては、H.pylori外膜ポリペプチドまたはそのフラグメン トは、末端フェニルアラニン残基を有するH.pyloriポリペプチド、 またはSEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:13、SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:23、SEQ ID NO:24、SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:28、SEQ ID NO:36、SEQ ID NO:42、SEQ ID NO:50、 SEQ ID NO:51、SEQ ID NO:52、SEQ ID NO:61、SEQ ID NO:79、SEQ ID NO:8 0、SEQ ID NO:84、SEQ ID NO:85、SEQ ID NO:91およびSEQ ID NO:94からな る群より選択される核酸によってコードされるそのフラグメントである。 他の実施態様においては、H.pylori外膜ポリペプチドまたはそのフラグメン トは、末端フェニルアラニン残基およびC末端チロシンクラスターを有するH.p yloriポリペプチド、またはSEQ ID NO:11、SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:36、SE Q ID NO:42、およびSEQ ID NO:52からなる群より選択される核酸によってコー ドされるそのフラグメントである。 ポリペプチドは、SEQ ID NO:154、SEQ ID NO:155、SEQ ID NO:183、SEQ ID NO:184、SEQ ID NO:185、SEQ ID NO:186、SEQ ID NO:189、およびSEQ ID N O:190からなる群より選択される単離されたH.pylori細胞質ポリペプチドまた はそのフラグメントがとくに好ましい。 他の実施態様においては、H.pylori細胞質ポリペプチドまたはそのフラグメ ントはmRNA翻訳に関与する、SEQ ID NO:154およびSEQ ID NO:155からなる群よ り選択されるH.pyloriポリペプチドまたはそのフラグメントである。 他の実施態様においては、H.pylori細胞質ポリペプチドまたはそのフラグメ ントはゲノムの複製、転写、組換えおよび修復に関与する、SEQ ID NO:183およ びSEQ ID NO:184からなる群より選択されるH.pyloriポリペプチドまたはその フラグメントである。 ポリペプチドはSEQ ID NO:57、SEQ ID NO:58、SEQ ID NO:86、SEQ ID NO: 87、SEQ ID NO:88、SEQ ID NO:89、SEQ ID NO:92、およびSEQ ID NO:93から なる群より選択される核酸によってコードされる、単 離されたH.pylori細胞質ポリペプチドまたはそのフラグメントがとくに好まし い。 一実施態様においては、H.pylori細胞質ポリペプチドまたはそのフラグメン トはmRNA翻訳に関与する、SEQ ID NO:57、およびSEQ ID NO:58からなる群より 選択される核酸によってコードされるH.pyloriポリペプチドまたはそのフラグ メントである。 他の実施態様においては、H.pylori細胞質ポリペプチドまたはそのフラグメ ントはゲノム複製、転写、組換えおよび修復に関与する、SEQ ID NO:86、およ びSEQ ID NO:87からなる群より選択される核酸によってコードされるH.pylori ポリペプチドまたはそのフラグメントである。 ポリペプチドは、SEQ ID NO:112、SEQ ID NO:113、SEQ ID NO:118、SEQ ID NO:130、SEQ ID NO:134、SEQ ID NO:137、SEQ ID NO:138、SEQ ID NO:144 、SEQ ID NO:151、SEQ ID NO:152、SEQ ID NO:153、SEQ ID NO:156、SEQ ID NO:159、SEQ ID NO:165、SEQ ID NO:168、SEQ ID NO:169、SEQ ID NO:170 、SEQ ID NO:171、SEQ ID NO:172、SEQ ID NO:173、およびSEQ ID NO:193か らなる群より選択される単離されたH.pylori細胞性ポリペプチドまたはそのフ ラグメントメントがとくに好ましい。 ポリペプチドはSEQ ID NO:15、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:21、SEQ ID NO: 33、SEQ ID NO:37、SEQ ID NO:40、SEQ ID NO:41、SEQ ID NO:47、SEQ ID N O:54、SEQ ID NO:55、SEQ ID NO:56、SEQ ID NO:59、SEQ ID NO:62、SEQ I D NO:68、SEQ ID NO:71、SEQ ID NO:72、SEQ ID NO:73、SEQ ID NO:74、SE Q ID NO:75、SEQ ID NO:76、およびSEQ ID NO:96からなる群より選択される 核酸によってコードされたH.pylori細胞性ポリペプチドまたはそのフラグメン トメントがとくに好ましい。 ポリペプチドは、SEQ ID NO:100、SEQ ID NO:101、SEQ ID NO:107、SEQ ID NO:109、SEQ ID NO:117、SEQ ID NO:122、SEQ ID NO:128、SEQ ID NO:129 、SEQ ID NO:142、SEQ ID NO:143、SEQ ID NO:150、SEQ ID NO:161、SEQ ID NO:164、SEQ ID NO:167、SEQ ID NO:174、SEQ ID NO:175、SEQ ID NO:178 、SEQ ID NO:179、SEQ ID NO:187、SEQ ID NO:192、およびSEQ ID NO:194か らなる群より選択される単離されたH.pylori分泌ポリペプチドまたはそのフラ グメントメントがとくに好ましい。 ポリペプチドはSEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO: 12、SEQ ID NO:20、SEQ ID NO:25、SEQ ID NO:31、SEQ ID NO:32、SEQ ID N O:45、SEQ ID NO:46、SEQ ID NO:53、SEQ ID NO:64、SEQ ID NO:67、SEQ I D NO:70、SEQ ID NO:77、SEQ ID NO:78、SEQ ID NO:81、SEQ ID NO:82、SE Q ID NO:90、SEQ ID NO:95、およびSEQ ID NO:97からなる群より選択される 核酸によってコードされる単離されたH.pylori分泌ポリペプチドまたはそのフ ラグメントメントがとくに好ましい。 他の態様においては、本発明は、ポリペプチドがSEQ ID NO:1〜SEQ ID NO: 97からなる群より選択される核酸配列によってコードされた少なくとも2種のH .pyloriポリペプチドまたはそのフラグメントからなるキメラH.pyloriポリペ プチドを特徴とする。 他の態様においては、本発明はポリペプチドがSEQ ID NO:98〜SEQ ID NO:19 4からなる群より選択される少なくとも2種のH.pyloriポリペプチドまたはその フラグメントからなるキメラH.pyloriポリペプチドを特徴とする。 他の態様においては、本発明はSEQ ID NO:98〜SEQ ID NO:194からなる群よ り選択されるアミノ酸配列が、非−H.pyloriポリペプチドと作動的に連結して なるH.pyloriポリペプチドから構成される融合タンパク質 を特徴とする。 他の態様においては、本発明は、本発明の単離された核酸の少なくとも1種の 有効量からなるH.pylori感染の予防的または治療的処置のためのワクチン製剤 を特徴とする。 他の態様においては、本発明は、本発明のH.pyloriポリペプチドの少なくと も1種の有効量からなるH.pylori感染の予防的または治療的処置のためのワク チン製剤を特徴とする。 本発明のワクチン製剤は、好ましくはさらに医薬的に許容される担体を包含す る。一実施態様においては、医薬的に許容される担体にはアジュバントが包含さ れる。他の実施態様においては、医薬的に許容される担体には、送達システム、 たとえば生存ベクター、たとえば細菌またはウイルスが包含される。他の実施態 様においては、医薬的に許容される担体にはアジュバントおよび送達システムの 両方が包含される。 他の態様においては、本発明は、患者におけるH.pylori感染の処置方法また はその危険の低減方法を特徴とする。この方法は、H.pyloriの処置またはその 危険を低下させるように本発明のワクチン製剤を患者に投与することを包含する 。 他の態様においては、本発明は、本発明のワクチン製剤を製造する方法を特徴 とする。この方法には、ワクチン製剤を製造するために、SEQ ID NO:98〜SEQ I D NO:194からなる群より選択される単離されたH.pyloriポリペプチドまたはそ のフラグメントの少なくとも1種を医薬的に許容される担体と配合することが包 含される。 他の態様においては、本発明は、本発明のワクチン製剤を製造する方法を特徴 とする。この方法は、SEQ ID NO:98〜SEQ ID NO:194からなる群より選択され るH.pyloriポリペプチドまたはそのフラグメントの発現が可能な条件下での細 胞の培養、細胞からのH.pyloriポリペプチドの単離および単離されたH.pylori ポリペプチドまたはそのフラグメントの少な くとも1種を医薬的に許容される担体と配合するワクチン製剤の製造を包含する 。 他の態様においては、本発明は、H.pyloriポリペプチドの上に定義した群か らのそれぞれのH.pyloriポリペプチドメンバー、またはこのようなメンバーを コードする核酸に関する。 他の態様においては、本発明は、H.pyloriのmRNAを結合できる核酸を特徴と する。このような核酸は、H.pyloriのmRNAの翻訳を制御するアンチセンス核酸 として作用することができる。さらに他の態様は、H.pylori核酸に特異的に結 合できる核酸を特徴とする。これらの核酸はまた、本明細書においては相補体と も呼ばれ、プローブまたは捕獲試薬としての有用性を有する。 他の態様においては、本発明は、H.pylori核酸に相当するオープンリーディ ングフレームからなる発現システムを特徴とする。核酸はさらに、意図される宿 主に適合性の制御配列からなる。この発現システムはH.pylori核酸に相当する ポリペプチドの作成に有用である。 他の態様においては、本発明はH.pyloriポリペプチドの製造のための発現シ ステムでトランスフォームされた細胞を特徴とする。 他の態様においては、本発明はH.pyloriポリペプチドに特異的に結合できるH .pyloriポリペプチドに対する抗体を発生させる方法を特徴とする。このような 抗体はH.pylori特異的抗原の存在量および分布を評価するイムノアッセイのた めの試薬として有用性を有する。 他の態様においては、本発明はH.pyloriに対して個体を免疫処置するための ワクチンを製造する方法を特徴とする。ワクチンの接種方法には、対象を少なく とも1種の本発明のH.pyloriポリペプチド、たとえば表面もしくは分泌ポリペ プチドまたはそれらの活性部分、および医薬的に許容される担体で免疫処置する ことが包含される。こようなワクチンは、治療的および/または予防的な有用性 を有する。 他の態様においては、本発明は修飾された免疫原性H.pyloriポリペプチド、 たとえば表面もしくは分泌ポリペプチドまたはそれらの活性部分、および医薬的 に許容される担体からなるワクチンの製造方法を提供する。 他の態様においては、本発明は、化合物たとえばポリペプチド、たとえば宿主 細胞ポリペプチドのフラグメントを、H.pyloriポリペプチドを結合する能力に ついて評価する方法を特徴とする。この方法には、候補化合物をH.pyloriポリ ペプチドと接触させ、この化合物がH.pyloriポリペプチドと結合するか、さも なければ相互作用するかを決定することを包含する。H.pyloriを結合する化合 物はその細菌の生活環のアクティベーターまたはインヒビター候補である。これ らのアッセイは、インビトロまたはインビボにおいて実施することができる。 他の態様においては、本発明は、化合物たとえばポリペプチドたとえば宿主細 胞ポリペプチドのフラグメントを、H.pylori核酸たとえばDNAまたはRNAを結合 する能力について評価する方法を特徴とする。この方法は、候補化合物をH.pyl ori核酸と接触させ、その化合物がH.pyloriポリペプチドと結合するかさもなく ば相互作用するかを決定することを包含する。H.pyloriを結合する化合物はそ の細菌の生活環のアクティベーターまたはインヒビター候補である。これらのア ッセイは、インビトロまたはインビボにおいて実施することができる。 本発明は、H.pyloriポリペプチド、好ましくは実質的に純粋なH.pyloriポリ ペプチドのプレパレーション、または組換えH.pyloriポリペプチドを特徴とす る。好ましい実施態様においては、そのポリペプチドは生物活性を有し、そのポ リペプチドは、配列表に含有される本発明のアミノ酸配列と少なくとも60%、70 %、80%、90%、95%、98%または99%が同一または相同のアミノ酸配列、好ま しくは配列表に含有される本発明のアミノ酸配列と約65%の配列同一性、とくに 好ましくは配列表に含有される本発明のアミノ酸配列と約92%〜約99%の配列同 一性を有し、そのポリ ペプチドは配列表に含まれる本発明のアミノ酸配列と本質的に同一のアミノ酸配 列を有し、そのポリペプチドの長さは少なくとも5、10、20、50、100または150 のアミノ酸残基を有し、そのポリペプチドは少なくとも5、好ましくは少なくと も10、さらに好ましくは少なくとも20、とくに好ましくは少なくとも50、100ま たは150の配列表に含有される本発明の連続したアミノ酸配列を有する。さらに 他の好ましい実施態様においては、配列表に含有される本発明のH.pyloriアミ ノ酸配列と配列同一性が約7%〜8%だけ相違するアミノ酸配列も本発明に包含 される。 好ましい実施態様においては、H.pyloriポリペプチドは配列表に含有される 本発明の核酸または配列表に含有される本発明の核酸と少なくとも60%、70%、 80%、90%、95%、98%または99%のホモロジーを有する核酸によってコードさ れる。 好ましい実施態様においては、対象のH.pyloriポリペプチドは配列表に含有 される本発明の配列と1、2、3、5、10またはそれ以上の残基においてアミノ 酸配列が異なる。しかしながら、その相違はH.pyloriポリペプチドがH.pylori の生物活性を表す、たとえば天然に存在するH.pyloriポリペプチドの生物活性 を維持する程度のもである。 好ましい実施態様においては、ポリペプチドは、付加的なアミノ酸残基好まし くは配列表に含有される本発明の配列をコードするゲノムDNAに対してゲノムDNA 5'または3'によりコードされる残基にリーディングフレーム中で融合した配列表 に含有される本発明のアミノ酸配列のすべてもしくはフラグメントを包含する。 さらに他の好ましい実施態様においては、H.pyloriポリペプチドは、第1のH .pyloriポリペプチド部分と、第2のポリペプチド部分たとえばH.pyloriに無 関係のアミノ酸配列を有する第2のポリペプチド部分をもつ組換え融合タンパク 質である。第2のポリペプチドオチド部分は、たとえばグルタチオン−S−トラ ンスフェラーゼ、DNA結合ドメインまたはポ リメラーゼ活性化ドメインとすることができる。好ましい実施態様においては、 融合タンパク質はツーハイブリッドアッセイに使用することができる。 本発明のポリペプチドは、可変転写現象、可変RNAスプライシング現象、なら びに可変翻訳現象、および翻訳後処理現象の結果として生じるポリペプチドを包 含する。 本発明はまた免疫原性プレパレーション中に少なくとも1種のH.pyloriポリ ペプチドを含む免疫原性成分を包含する。この場合、免疫原性成分はH.pylori ポリペプチドに特異的な免疫反応、たとえば体液性反応、抗体反応または細胞性 反応を誘発できる。好ましい実施態様では、免疫原性成分は配列表に含有される 本発明のポリペプチドからの少なくとも1種の抗原決定基から構成される。 他の態様においては、本発明は、H.pyloriポリペプチドをコードするヌクレ オチド配列を有する実質的に純粋な核酸を提供する。好ましい実施態様において は、コードされたポリペプチドは生物活性を有し、コードされたポリペプチドは 配列表に含有される本発明のアミノ酸配列に対して少なくとも60%、70%、80% 、90%、95%、98%もしくは99%が相同のアミノ酸配列を有し、コードされたポ リペプチドは配列表に含有される本発明のアミノ酸配列と本質的に同一のアミノ 酸配列を有し、コードされたポリペプチドの長さは少なくとも5、10、20、50、 100または150アミノ酸残基であり、コードされたポリペプチドは少なくとも5、 好ましくは少なくとも10、さらに好ましくは少なくとも20、とくに好ましくは少 なくとも50、100または150の配列表に含有される本発明の連続したアミノ酸から なる。 好ましい実施態様においては、本発明の核酸は、配列表に含有される配列であ る。核酸は、配列表に含有される本発明の核酸配列と少なくとも60%、70%、80 %、90%、95%、98%もしくは99%の相同性を示す。 好ましい実施態様においては、コードされたH.pyloriポリペプチドは、 配列表に含有された本発明の配列と1、2、3、5、10またはそれ以上の残基に おいてアミノ酸配列が異なっている(たとえば少なくとも1個のアミノ酸残基の アミノ酸置換、付加または欠失)。しかしながら、その差はコードされたH.pyl oriポリペプチドがH.pyloriの生物活性を表す、たとえばコードされたH.pylor i酵素が天然に存在するH.pyloriの生物活性を維持する程度の相違である。 好ましい実施態様においては、コードされたポリペプチドは、付加的なアミノ 酸残基、好ましくは配列表に含有される本発明の配列をコードするゲノムDNAに 対してゲノムDNA5'または3'によってコードされる残基にリーディングフレーム 中で融合した配列表に含有される本発明のアミノ酸配列のすべてもしくはフラグ メントを包含する。 好ましい実施態様においては、対象のH.pylori核酸は転写調節配列、たとえ ば少なくとも1種の転写プロモーターまたは転写エンハンサー配列を包含し、こ の配列はH.pylori遺伝子配列の組換え宿主細胞内での発現に適するようにH.py lori遺伝子配列に作動的に連結される。 さらに他の好ましい実施態様においては、本発明のH.pyloriポリペプチドを コードする核酸は配列表に含有される本発明の少なくとも8個の連続的ヌクレオ チド、好ましくは配列表に含有される本発明の少なくとも12個の連続的ヌクレオ チド、さらに好ましくは配列表に含有される本発明の少なくとも20個の連続的ヌ クレオチド、とくに好ましくは配列表に含有される本発明の少なくとも40個の連 続的ヌクレオチドに相当する核酸プローブに緊縮条件下ハイブリダイズする。 好ましい実施態様においては、核酸は、配列表に含有される本発明の配列と少 なくとも1個のアミノ酸残基だけが異なるペプチドをコードする。 好ましい実施態様においては、核酸は、配列表に含有される本発明のアミノ酸 をコードする配列表中に含まれる本発明のヌクレオチド配列と少なくとも1個の ヌクレオチドだけが異なる。 他の態様においては、本発明は、H.pyloriポリペプチドまたは本明細書に記 載のH.pyloriポリペプチド変異体をコードする核酸を含有するベクター、その ベクターでトランスフェクトされた宿主細胞。ならびにその細胞を細胞培養培地 中で培養し、H.pyloriまたはH.pyloriポリペプチド変異体をたとえば細胞また は細胞培養培地から単離することを含む組換えH.pyloriポリペプチドまたはH. pyloriポリペプチド変異体の製造方法を包含する。 他の態様においては、本発明は、配列表に含まれる本発明の配列と少なくとも 50%、60%、70%、80%、90%、95%、98%または99%のホモロジーを有する精 製された組換え核酸を特徴とする。 本発明はまた、実質的に精製されたオリゴヌクレオチドを含むプローブまたは プライマーを提供する。そのオリゴヌクレオチドは、配列表に含まれる本発明の センスまたはアンチセンス配列の少なくとも8個の連続的ヌクレオチドに緊縮条 件下ハイブリダイズするヌクレオチド配列の領域、またはその天然に存在する突 然変異体を包含する。好ましい実施態様においては、プローブまたはプライマー はさらにそれに結合した標識基を包含する。標識基はたとえば放射性同位元素、 蛍光化合物、酵素および/または酵素補因子とすることができる。オリゴヌクレ オチドの長さは好ましくは、少なくとも8であり、10、20、30、50、100もしく は150ヌクレオチド未満である。 本発明はまた、配列表に含まれる核酸に緊縮ハイブリダイゼーション条件下に おいてハイブリダイズする核酸によってコードされる、単離されたH.pyloriポ リペプチドを提供する。 本発明はさらに、本発明のポリペプチドをコードする核酸たとえばRNAまたはD NAを提供する。これには、二本鎖核酸ならびにコードおよびアンチセンス一本鎖 核酸が包含される。 そのゲノム配列が決定されたH.pylori株は、HP-J99株としてAmerican Type Culture Collectionに寄託された(ATCC # 55679;Genome Therapeutics C orporation,100 Beaver Street,Waltham,MA 02154により寄託)。 本発明には、対立遺伝子突然変異体;天然の突然変異体;誘発突然変異体;配 列表に含まれる本発明のポリペプチドをコードする核酸に高または低緊縮条件下 にハイブリダイズするDNAによってコードされるタンパク質(高および低緊縮条 件の定義についてはCurrent Protocols in Molecular Biology,John Wiley & S ons,New York,1989,6.3.1-6.3.6および6.4.1-6.4.10参照、引用により本明細 書に導入される);およびH.pyloriポリペプチドに対する抗血清、とくにH.py loriポリペプチドの活性部位もしくは結合ドメインにより特異的に結合されるポ リペプチドが包含される。本発明はまた、フラグメント、好ましくは生物学的に 活性なフラグメントを包含する。これらのおよび他のポリペプチドはまた、本明 細書においては、H.pyloriポリペプチド類縁体または変異体としても言及され る。 推定される機能は表1に示すように本発明のH.pyloriポリペプチドの数種に ついて決定された。 したがって、請求されたH.pyloriポリペプチドのこれらの同定された機能お よび本明細書に記載の他の機能に基づく使用も本発明の範囲内に包含される。 さらに、本発明には以下の表1に示されるような特徴を有するH.pyloriポリ ペプチド、たとえばH.pylori細胞エンベロープタンパク質、H.pylori分泌タン パク質、H.pylori細胞質タンパク質およびH.pylori細胞性タンパク質が包含さ れる。これらの群のメンバーはBLASTホモロジー検索ならびに分泌シグナルまた は膜貫通タンパク質モチーフの検索によって同定された。表1のポリペプチドと の有意なホモロジーによって関連するポリペプチドも、表1に示す類縁体として 分類されるものと考えられる。表1 表1中、「nt」はヌクレオチドSEQ ID NOを表し、「aa」はアミノ酸SEQ I D NOを表す。定義 「精製されたポリペプチド」および「単離されたポリペプチド」および「実質 的に純粋なポリペプチドのプレパレーション」の語は、本明細書においては交換 可能に使用され、本明細書において使用されるように、実質的に、好ましくは完 全に天然に存在する他のタンパク質、脂質および核酸から分離されていることを 意味する。好ましくは、ポリペプチドはそれの精製に使用される物質、たとえば 抗体、またはゲルマトリックスたとえばポリアクリルアミドからも分離される。 好ましくは、ポリペプチドは精製されたプレパレーションの少なくとも10、20、 50、70、80または95%(乾燥重量)を構成する。好ましくは、プレパレーション はタンパク質の配列決定を可能にする十分なポリペプチド、少なくとも1、10ま たは100μgのポリペプチド、少なくとも1、10または100μgのポリペプチドを含 有する。さらに本明細書で用いられる「精製されたポリペプチド」、および「単 離されたポリペプチド」、および「実質的に純粋なポリペプチドのプレパレーシ ョン」の語は、天然から得られたポリペプチドまたは本明細書に記述する組換え DNA技術により製造されるポリペプチドの両方を意味する。 たとえば、「単離」もしくは「精製」されたタンパク質またはその生物学的に 活性なタンパク質は、H.pyloriタンパク質が由来する細胞または組織からの細 胞性物質または他の夾雑タンパク質を実質的に含まないかあるいはそれが化学的 に合成された場合には化学的前駆体もしくは他の化学物質を実質的に含まない。 「細胞性物質を実質的に含まない」の語は、タンパク質が単離または組換えによ り製造される細胞の細胞成分から分離されているH.pyloriタンパク質のプレパ レーションを包含する。一実施態様においては、「細胞性物質を実質的に含まな い」の語は非−H.pyloriタンパク質(本明細書においては「夾雑タンパク質」 ともいう)約30%未満(乾燥重量として)、より好ましくは非−H.pyloriタンパ ク質約20%未満、さらに好ましくは非−H.pyloriタンパク質約10%未満、最も 好まし くは非−H.pyloriタンパク質約5%未満を有するH.pyloriタンパク質のプレパ レーションを包含する。H.pyloriタンパク質またはその生物学的に活性なタン パク質が組換えによって製造された場合には、それは同じく培地を実質的に含ま ないことが好ましく、すなわち培地は、タンパク質プレパレーションの容量の約 20%未満、さらに好ましくは約10%未満、最も好ましくは約5%未満存在する。 「化学的前駆体または他の化学物質を実質的に含まない」の語には、タンパク 質が化学的前駆体またはそのタンパク質の合成に関与する他の化学物質から分離 されているH.pyloriタンパク質のプレパレーションを包含する。一実施態様に おいては、「化学的前駆体または他の化学物質を実質的に含まない」の語には、 化学的前駆体または非−H.pylori化学物質約30%未満(乾燥重量として)、よ り好ましくは化学的前駆体または非−H.pylori化学物質約20%未満、さらに好 ましくは化学的前駆体または非−H.pylori化学物質約10%未満、とくに好まし くは化学的前駆体または非−H.pylori化学物質約5%未満を有するH.pyloriタ ンパク質のプレパレーションを包含する。 細胞の精製されたプレパレーションとは、植物または動物細胞の場合、細胞の インビトロプレパレーションを意味し、完全に無傷の植物または細胞は包含しな い。培養細胞または微生物細胞の場合、それは対象細胞少なくとも10%、さらに 好ましくは50%のプレパレーションから構成される。 精製もしくは単離されたまたは実質的に純粋な核酸、たとえば実質的に純粋な DNA(これらは本明細書では交換可能に使用される)は以下の、すなわち、核酸が 由来する生物体の天然に存在するゲノム中で直接連続している両コード配列と直 接連続しない(すなわち、一つはその5'末端、一つはその3'末端)または核酸が 由来する生物体中に存在する核酸を実質的に含まない、一つまたは両方である核 酸を意味する。この語は、組換えベクター中たとえば、自動的に複製するプラス ミドもしくはウイルスまたは原核 細胞もしくは真核細胞のゲノムDNAに導入された組換えDNA、または他のDNA配列 と独立した別個の分子として存在するDNA(たとえばcDNA、またはPCRもしくは制 限エンドヌクレアーゼ処理によって産生されたゲノムDNAフラグメント)が包含 される。実質的に純粋なDNAにはまた、付加的なH.pylori DNA配列をコードする ハイブリッド遺伝子の部分である組換えDNAも包含される。 本明細書で用いられる「コンティグ」は生物体のゲノム配列の連続的なストレ ッチを示す核酸である。 ORFとも呼ばれる「オープンリーディングフレーム」はポリペプチドをコード する核酸の領域である。この領域は、コード配列の部分または総配列を表し、停 止コドンから停止コドンまでまたは開始コドンから停止コドンまでにより決定す ることができる。 本明細書において用いられる「コード配列」は、適当な調節配列の制御下に置 いた場合、メッセンジャーRNAへの転写および/またはポリペプチドへの翻訳が 行われる核酸である。コード配列の境界は、5つのプライム末端における翻訳開 始コドンおよび3つのプライム末端における翻訳停止コドンによって決定される 。コード配列にはそれらに限定されるものではないがメッセンジャーRNA、合成D NA、および組換え核酸配列が包含される。 本明細書で用いられる核酸の「相補体」は、原の配列とのワトソン−クリック 塩基対に加わるアンチパラレルまたはアンチセンス配列を意味する。 「遺伝子産物」は遺伝子によって特異的にコードされるタンパク質または構造 RNAである。 本明細書で用いられる「プローブ」の語は関連する分子に特異的に結合する核 酸、ペプチドまたは他の化学物質である。多くの場合、プローブは標識と会合し ているかまたは会合できる。標識は検出可能な化学残基であ る。典型的な標識は、染料、放射性同位元素、ルミネッセンスもしくは化学ルミ ネッセンス残基、蛍光原、酵素、沈殿剤、増幅配列等からなる。同様に、関連す る分子に特異的に結合してこのような分子を固定化する核酸、ペプチドまたは他 の化学物質は、本明細書においては「捕獲リガンド」と呼ばれる。捕獲リガンド は通常、支持体、たとえばニトロセルロース、ガラス、ナイロン膜、ビーズ、粒 子等と会合しているかまたは会合できる。ハイブリダイゼーションの特異性は、 ヌクレオチドの塩基対組成、ならびに反応の温度および塩濃度のような条件に依 存する。これらの条件は本技術分野の通常の熟練者によれば定常的な実験を用い て容易に識別される。 ホモロジーとは2種のポリペプチド間または2種の核酸分子間における配列類 似性または配列同一性を意味する。2つの比較される配列の両方におけるある位 置が同一の塩基またはアミノ酸モノマーサブユニットで占められている場合、た とえば2つのDNA分子それぞれのある位置がアデニンによって占拠されていれば 、この分子はその位置において相同である。2つの配列の間のホモロジーの百分 率は、2つの配列が共有するマッチした位置または相同の位置の数を比較した位 置の数で除して100倍した関数である。たとえば、2つの配列の10個の位置の6 個がマッチしているか相同である場合、2つの配列は60%のホモロジーを有する 。例を挙げれば、DNA配列ATTGCCとTATGGCは、50%のホモロジーを示す。一般的 に比較は2つの配列を最大のホモロジーが得られるように配置して行われる。 核酸は、核酸の少なくとも1つのストランドが特定の緊縮条件下に他の核酸に アニーリングできれば、互いにハイブリダイズすることが可能である。ハイブリ ダイゼーションの緊縮度は、(a)ハイブリダイゼーションおよび/または洗浄が 行われる温度;および(b)ハイブリダイゼーションおよび洗浄溶液のイオン強度 および極性によって決定される。ハイブリダイゼーションは、ハイブリダイゼー ションの緊縮度に応じて2つの核酸が相補性配列を含む必要があるが、ミスマッ チにも耐えられる。通常、高緊縮 条件下(たとえば0.5×SSCの溶液中65℃)における2つの配列のハイブリダイゼ ーションには、配列がほぼ完全に相同であることが要求される。中等緊縮度(た とえば2×SSC、65℃)または低緊縮度(たとえば2×SSC、55℃)の条件におい てはハイブリダイズする配列の間にそれ相当の低い全体的相補性が要求される( 1×SSCは0.15M NaCl、0.015Mクエン酸ナトリウム)。緊縮ハイブリダイゼー ション条件の、これに限定するわけではないが好ましい例は、約45℃における6 ×食塩/クエン酸ナトリウム(SSC)ついで50〜65℃における0.2×SSC、0.1%SD Sによる1回またはそれ以上の洗浄である。 ペプチド、タンパク質およびポリペプチドの語は、本明細書においては互いに 交換可能に使用される。 本明細書において用いられる「表面タンパク質」の語は、すべての表面に接近 可能なタンパク質、たとえば内膜および外膜タンパク質、細胞壁に接着するタン パク質ならびに分泌タンパク質を意味する。 ポリペプチドが以下の性質の1つ、2つおよび好ましくはそれ以上を有する場 合には、H.pyloriの生物活性を有する。すなわち、(1)H.pylori感染の過程で 発現した場合には、それはH.pyloriの細胞への付着を促進または仲介する;(2 )それはH.pyloriタンパク質に特徴的な酵素活性、構造もしくは調節機能を有す る;(3)それをコードする遺伝子はH.pylori遺伝子における致命的な突然変異 をレスキューできる;(4)患者において免疫原性である。ポリペプチドは、それ が上掲の性質の一つを有するポリペプチドのアンタゴニスト、アゴニストまたは スーパーアゴニストである場合、生物活性を有する。 生物学的に活性なフラグメントまたは類縁体とは、配列表に含まれる本発明の H.pyloriポリペプチドまたは他の天然に存在するH.pyloriポリペプチドに特徴 的なインビボまたはインビトロ活性、たとえば本明細書に記載の1または2以上 の生物活性を有するフラグメントまたは類縁体である。 インビボに存在するフラグメント、たとえば転写後プロセッシングからまたは別 経路でスプライスされたRNAの翻訳から生じるフラグメントはとくに好ましい。 フラグメントには、ネイティブなまたは内因性の細胞に発現されたフラグメント 、ならびに発現システムたとえばCHO細胞で作成されたフラグメントが包含され る。H.pyloriポリペプチドのようなペプチドは多くの場合、ある範囲の生理学 的性質を示し、このような性質は分子の異なる部分に起因するので、有用なH.p yloriフラグメントまたはH.pylori類縁体はH.pylori活性のいずれかの生物学 的アッセイにおいて生物活性を示すフラグメントまたは類縁体である。とくに好 ましいフラグメントまたは類縁体はいずれかのインビボまたはインビトロアッセ イにおいて、H.pyloriの活性の10%、好ましくは40%、さらに好ましくは60% 、70%、80%もしくは90%またはそれ以上を有する。 類縁体は、アミノ酸配列もしくは配列に無関係な点またはその両方で天然に存 在するH.pyloriポリペプチドとは異なる。配列に関係のない修飾にはアセチル 化、メチル化、リン酸化、カルボキシル化またはグリコシル化の変化が包含され る。好ましい類縁体は1もしくは2以上の保存的アミノ酸置換またはH.pylori ポリペプチドの生物活性を実質的に低下させないまたは1もしくは2以上の非保 存的アミノ酸の置換、欠失もしくは挿入により野生型配列と異なる配列を有する H.pyloriポリペプチド(またはその生物学的に活性なフラグメント)である。保 存的置換には通常、1つのアミノ酸の類似の性質を有する他のアミノ酸による置 換、たとえば以下の群内での置換:バリン、グリシン;グリシン、アラニン;バ リン、イソロイシン、ロイシン;アスパラギン酸、グルタミン酸;アスパラギン 、グルタミン;セリン、スレオニン;リジン、アルギニン;およびフェニルアラ ニン、チロシン。他の保存的置換は以下の表を参照して実施できる。表2 保存的アミノ酸置換 本発明内の他の類縁体には、ペプチドの安定性を上昇させる修飾を有する類縁 体がある。このような類縁体はたとえば、1個または2個以上の非 ペプチド結合(ペプチド結合を置換する)をペプチド配列中に含有していてもよ い。同じく、天然に存在するL−アミノ酸以外の残基、たとえばD−アミノ酸も しくは天然に存在しない、すなわち合成のアミノ酸たとえばβまたはγアミノ酸 、および環状類縁体が包含される。 本明細書において用いられる「フラグメント」の語は、H.pylori類縁体に適 用された場合、その長さは少なくとも約20個の残基、さらに通常は、少なくとも 約40個の残基、好ましくは少なくとも約60個の残基である。H.pyloriポリペプ チドのフラグメントは本技術分野の熟練者には周知の方法によって発生させるこ とができる。H.pyloriポリペプチドの生物活性を発揮する候補フラグメントの 能力は本明細書に記載するように、本技術分野の熟練者には周知の方法によって 評価することができる。ペプチドの生物活性に不要の残基または別のmRNAスプラ イシングもしくは別のタンパク質プロセッシングから生じた残基を含有するH.p yloriポリペプチドも本発明に包含される。 本明細書で用いられる「免疫原性成分」とは、単独でまたはアジュバントとの 組合せで、宿主動物において体液性および/または細胞性免疫反応を誘発できる H.pyloriポリペプチド、その類縁体またはフラグメントのような部分である。 本明細書で用いられる「抗原性成分」とは、特異的な抗体に十分高い親和性で 結合して検出可能な抗原-抗体複合体を形成できるH.pyloriポリペプチド、その 類縁体またはフラグメントのような部分である。 本明細書で用いられる「導入遺伝子」の語は、それが導入されるトランスジェ ニック動物もしくは細胞の外来性遺伝子に対して、一部または完全に非相同であ るかまたはそれが導入されるトランスジェニック動物もしくは細胞の内因性遺伝 子に相同であるが、それが挿入される細胞のゲノムを変えるような方法で細胞の ゲノムに挿入される(たとえば、天然の遺伝子とは異なる位置に挿入されるかま たはその挿入がノックアウトを生じる) ように設計されるかまたは挿入される核酸(たとえば、1種または2種以上のポ リペプチドをコードする)を意味する。導入遺伝子は選択された核酸の至適発現 のために必要な、すべて選択された核酸に作動的に連結する1種もしくは2種以 上の転写調節配列および他の核酸たとえばイントロンを包含することが可能で、 またエンハンサー配列を包含していてもよい。 本明細書で用いられる「トランスジェニック細胞」の語は導入遺伝子を含有す る細胞を意味する。 本明細書で用いられる「トランスジェニック動物」の語は動物の細胞の1また は2以上、好ましくは本質的にすべての細胞が導入遺伝子を包含する動物を意味 する。導入遺伝子は細胞に、直接的にまたは細胞の前駆体への導入により間接的 に、計画的な遺伝子操作により、たとえばコンピーテント細胞の形質転換方法も しくはマイクロインジェクションにより、または組換えウイルスの感染によって 導入することができる。この分子は染色体内にインテグレートされてもよく、ま たそれは染色体外で複製するDNAであってもよい。 本明細書で用いられる「抗体」の語は、H.pyloriポリペプチドと特異的に反 応するそのフラグメントを包含するものとする。 本明細書で用いられる「細胞特異的プロモーター」の語は、プロモーターとし て働くDNA配列、すなわちプロモーターに作動的に連結した選択されたDNA配列の 発現を調節し、特異的な組織細胞において選択されたDNA配列の発現を行うDNA配 列を意味する。この語はまた、ある組織での選択されたDNAの発現を主として調 節するが、他の組織でも同様に発現を起こさせる、いわゆる「漏出」プロモータ ーもカバーする。 本明細書で用いられる「異常発現」とは非野生型パターンの遺伝子の発現を意 味する。それには、非野生型レベル、すなわち過剰または過少発現、遺伝子が発 現する時間もしくは段階の点で野生型とは異なる発現のパターン、たとえば予定 された発生時期もしくは段階における(野生型と比較し て)増大もしくは低減した発現、予定された細胞型もしくは組織型における(野 生型と比較して)低減した発現の点で野生型とは異なる発現パターン、発現した ポリペプチドのスプライシングサイズ、アミノ酸配列、転写後修飾もしくは生物 活性の点で野生型とは異なる発現パターン、遺伝子の発現に対する環境刺激もし くは細胞外刺激の効果の点で野生型とは異なる発現パターンたとえば増大もしく は低下した刺激強度の存在下における(野生型と比較して)増大もしくは低減し た発現パターンが包含される。 本明細書で用いられる「宿主細胞」および単細胞体として培養される微生物ま たは高等真核細胞系を意味する他のこの種の語は、組換えベクターまたは他のト ランスファーDNAのレシピエントにできるまたはレシピエントとして使用された 細胞を意味し、トランスフェクトされた原の細胞の後代を包含する。本技術分野 の熟練者には理解されるように、単一の親細胞の後代は、偶発的または計画的な 突然変異により、原の親細胞に対してゲノムまたは総DNA相補体は必ずしも完全 に同一ではない。 本明細書で用いられる「制御配列」の語は、それらがライゲートされたコード 配列の発現を行う宿主生物体により認識される塩基配列を有する核酸を意味する 。このような制御配列の性質は宿主生物に依存して異なる。真核細胞においては 、このような制御配列は一般的にプロモーター、リボソーム結合部位、ターミネ ーター、および場合によっては、オペレーターを包含する。原核細胞においては 、一般的にこのような制御配列はプロモーター、ターミネーター、および場合に よりエンハンサーを包含する。制御配列の語は最小限、その存在が発現に必要な すべての成分を包含するものであり、その存在が有利である付加的な成分、たと えばリーダー配列を包含してもよい。 本明細書で用いられる「作動的に連結」の語はそれらの意図される様式で機能 するように配列が接合またはライゲートされることを意味する。たとえば、制御 配列は、コード配列の発現が制御配列および宿主細胞に適合 する条件下に達成されるように、によりコード配列に作動的に連結される。 本明細書で用いられる物質の代謝とは、物質の発現、機能、作用または調節の 任意の局面を意味する。物質の代謝には、物質の修飾たとえば物質の共有結合ま たは非共有結合修飾を包含する。物質の代謝にはその物質が誘導する、他の物質 中の修飾たとえば物質の共有結合または非共有結合修飾を包含する。物質の代謝 はまた、物質の分布の変化を包含する。物質の代謝にはその物質が誘導する他の 物質の分布の変化が包含される。 本明細書で用いられる「サンプル」の語は生物学的サンプルたとえば個体から 単離される組織または液体(それらに限定されるものではないが、血漿、血清、 脳脊髄液、リンパ液、涙液、唾液および組織切片)またはインビトロ細胞培養構 成成分、ならびに周囲環境からのサンプルを意味する。 本発明の実施に際しては、とくに他の指示がない限り、本技術分野の熟練者の 技術の範囲内にある化学、分子生物学、微生物学、組換えDNAおよび免疫学の慣 用技術が採用される。このような技術は、文献に完全に説明されている。たとえ ば、Sambrook,Fritsch & Maniatis,Molecular Cloning;Laboratory Manua 12n d ed.(1989);DNA Cloning,Volume I & II(D.N.Glover ed.1985);Oligonucle otide Synthesis(M.J.Gait ed.1984);Nucleic Acid Hybridization(B.D.Hame s & S.J.Higgins ed.1984);Methods in Enzymology(Academic Press,Inc.) シリーズ、とくにVol.154 & Vol.155(Wu & Grossman ed.)およびPCR-A Prac tical Approach(McPherson,Quirke & Taylor,ed.1991)参照。 I.H .pyloriの核酸の単離およびそれらの使用 H .pyloriのゲノム配列 本発明は、H.pyloriのゲノムDNAのDNA配列ライブラリーからなるH.pyloriゲ ノムのヌクレオチド配列を提供する。以下の詳細な記載はH. pyloriのヌクレオチド配列を提供し、またこの配列の取得方法ならびにORFおよ びタンパク質コード配列の同定方法を説明する。また、開示されたH.pylori配 列の使用方法たとえば診断および治療への適用方法が記載される。さらに、ライ ブラリーはこのおよび他のH.pylori株の医学的に重要な配列の同定および比較 のためのデータベースとして使用できる。 H.pyloriのゲノム配列を決定するためには、H.pylori株(ATCC #55679;Geno me Therapeutics Corporation,100 Beaver Street,Waltham,MA 02154により 寄託)からDNAを単離し、噴霧により機械的に平均サイズ2kbに剪断した。ゲル 電気泳動によってサイズで分画化したのち、フラグメントをブラント末端化し、 アダプターオリゴヌクレオチドにライゲートし、20種の異なるpMPXベクター(Ric eら、abstract of Meeting of Genome Mapping and sequencing,Cold,Spring Harbor,NY,5/11-5/15,1994,p.225)にクローン化して一連の「ショットガン 」サブクローンライブラリーを構築した。 DNAの配列決定はChurchら(Science 240:185,1988;米国特許4,942,124および 5,149,625)によって開示されたマルチプレックス配列決定操作にほぼ従い実施 した。DNAをプールした培養液から抽出し、化学的または酵素的配列決定に付し た。配列決定反応混合物を電気泳動によって分割し、生成物をナイロン膜に移し て共有結合させた。最後に膜を、異なるショットガンクローニングベクター中に 存在する「タグ」配列に相補性の一連の標識オリゴヌクレオチドと順次ハイブリ ダイズさせた。この方法により、単一セットの配列決定反応から多数の配列を得 ることができた。クローニングおよび配列決定操作はさらに詳細に実施例の項で 説明する。 この方法により得られた個々の配列の読みを、FALCON(登録商標)プログラム (Churchら、1994,Automated DNA Sequencing and Analysis,J.C.Venter ed, Academic Press)、ならびにRHRAP(P.Green,Abstracts of DOE Human Genome P rogram Contractor-Grantee Workshop,V,Jan.1996, p.157)を用いてアッセンブルした。コンティグの平均の長さは約3〜4kbであっ た。 全H.pyloriゲノムを示す連続した配列が得られるようにコンティグを順番に 並べるためには様々な方法を使用する。各コンティグの末端における配列に相補 性の合成オリゴヌクレオチドを設計する。これらのオリゴヌクレオチドは、たと えばラムダファージベクターまたはプラスミドベクター中のH.pyloriゲノムDNA ライブラリーにハイブリダイズし、個々のコンティグの間の接合部領域に相当す る配列を含有するクローンを同定することが可能である。このようなクローンは ついで鋳型DNAの単離に使用し、また同じオリゴヌクレオチドは接合部フラグメ ントを増幅するポリメラーゼ連鎖反応(PCR)にプライマーとして使用され、つ いでそのヌクレオチド配列を決定する。 H.pylori配列は少なくとも180個のヌクレオチドからなるオープンリーディン グフレーム(ORF)の存在について分析された。ORFの分析の結果は停止−停止コド ンの読みに基づくので、これらのORFが、天然に存在するH.pyloriポリペプチド のORFに相当しない場合があることを理解すべきでる。これらのORFは天然に存在 するH.pyloriポリペプチドのタンパク質合成の開始を指示する開始コドンを含 有する可能性がある。ここで与えられたORF内のこのような開始コドンは関連技 術分野の通常の熟練者によれば同定が可能であり、得られたORFおよびコードさ れるH.pyloriポリペプチドは本発明の範囲内に包含される。たとえばORFには、 タンパク質合成の開始シグナルの部分であるコドンたとえばAUGまたGUG(メチオ ニンまたはバリンをコードする)が同定可能で、ORFは天然に存在するH.pylori ポリペプチドに相当するように修飾できる。予測されるコード領域は、このよう な配列をコードする可能性をプログラムGENEMARK(登録商標;Borodovsky & McIn inch,Comp.Chem,17:123,1993)を用いて評価することによって明確にされた 。他のH.pylori核酸 本発明の核酸はポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用い上述のH.pylori株のDNAか ら直接得ることができる。PCRについての詳細は“PCR,A Practical Approach” (McPherson,Quirke & Taylor ed.,IRL Press,Oxford,UK,1991)を参照さ れたい。精度の高いPCRは発現の前に忠実なDNAコピーの保証に使用することがで きる。さらに、増幅された産物の信頼性は慣用の配列決定法でチェックすること ができる。本発明に記載された所望の配列を有するクローンはPCRによるライブ ラリーのスクリーニング、または本技術分野において周知のようにライブラリー コロニーもしくはプラークのフィルターリフトへの合成オリゴヌクレオチドプロ ーブのハイブリダイゼーションによっても得られる(たとえばSambrookら、Mole cular Cloning,A Laboratory Manual 2nd edition,1989,Cold Spring Harbor Press,NY参照)。 H.pyloriポリペプチドをコードする核酸はまた本明細書に記載のプロトコー ルに従いcDNAライブラリーからも得ることができる。H.pyloriポリペプチドを コードするcDNAは適当な株から総mRNAを単離することによって得ることができる 。二本鎖cDNAはついで総mRNAから調製できる。ついで多くの既知技術のいずれか 一つを用い、cDNAは適当なプラスミドまたはウイルス(たとえばバクテリオファ ージ)ベクターに挿入することができる。H.pyloriポリペプチドをコードする 遺伝子はまた、本発明によって提供されるヌクレオチド配列情報に従い確立され たポリメラーゼ連鎖反応技術を用いてクローン化することができる。本発明の核 酸はDNAでもRNAでもよい。本発明の好ましい核酸は配列表に含まれる。 本発明の核酸はまた、標準技術を用いて化学的に合成することもできる。ポリ デオキシヌクレオチドを化学的に合成する様々な方法が知られている。たとえば ペプチド合成と同様に、固相合成は市販のDNA合成装置により完全に自動化され ている(たとえば、Itakuraら、米国特許4,598,049; Caruthersら、米国特許4,458,066;ならびにItakuraら、米国特許4,401,796およ び4,373,071参照、引用により本明細書に導入される)。 本発明の特徴に従って単離または合成された核酸は、それらに限定されるもの ではないがたとえばプローブ、プライマー、捕獲リガンド、アンチセンス遺伝子 としてならびにそれらの配列に相当するタンパク質およびペプチドの合成のため の発現系の開発に有用である。プローブ、プライマー、捕獲リガンドおよびアン チセンス剤としては、核酸は通常、配列表に含まれる本発明の核酸のすべてまた は部分(特異性ならびに安定なハイブリダイゼーション産物の形成能力のための 約20またはそれ以上のヌクレオチド)から構成される。これらの使用については 以下にさらに詳細に説明する。プローブ 単離された核酸または配列表に含まれる本発明の配列に従い合成された核酸は H.pyloriを特異的に検出するプローブとして使用することができる。本出願に 挙げられた配列情報により、H.pyloriおよびハイブリダイゼーション条件時に 遭遇すると思われる外来性核酸に関して所望の包括性と排他性を提供する20また はそれ以上のヌクレオチドの配列が同定される。さらに好ましくは、配列は、プ ローブと意図された標的分子間で形成されるハイブリダイゼーション産物に安定 性を付与する少なくとも20〜30ヌクレオチドから構成される。 長さ1000を越えるヌクレオチド配列は合成するのは困難であるが、組換えDNA 技術によって発生させることができる。本技術分野の熟練者には、プローブとし て使用する核酸がハイブリダイゼーション産物の検出を容易にする標識を得るこ とは明らかであろう。 単離された核酸および配列表に含まれる本発明の配列に従って合成された核酸 は、本明細書に記載された適当な緊縮ハイブリダイゼーション条件を用いる他の ヘリコバクター種の相同性領域(とくに相同の遺伝子)の検出のためのプローブ としても利用することもできる。捕獲リガンド 捕獲リガンドとして使用するためには、プローブに関して上述した方法で選択 された核酸は支持体に容易に会合させることができる。核酸を支持体と会合させ る方法はよく知られている。配列表に含まれる本発明の配列中の20またはそれ以 上のヌクレオチドを有する核酸は相互のおよび他の生物体の核酸からH.pylori 核酸を分離するために利用できる。配列表に含まれる本発明の配列中の20または それ以上のヌクレオチドを有する核酸はまた、相互のおよび他の生物体から他の ヘリコバクター種を分離するのにも利用できる。好ましくは、配列はプローブと 意図された標的分子間で形成されるハイブリダイゼーション産物に安定性を付与 する少なくとも20個のヌクレオチドからなる。長さ1000を越える配列は合成する のは困難であるが、組換えDNA技術によって発生させることができる。プライマー 本明細書に記載された配列に従って単離された核酸または合成された核酸は、 H.pylori核酸の増幅のためのプライマーとして使用することができる。これら の核酸は他のヘリコバクター種における核酸の増幅のためのプライマーとしても 使用することができる。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術に関しては、配列表 に含まれる本発明の≧10〜15ヌクレオチドの核酸配列は適当な酵素および試薬と ともにH.pylori核酸のコピーの創成に使用することができる。さらに好ましく は配列は、プライマーと意図された標的分子間で形成されるハイブリダイゼーシ ョン産物に安定性を付与する少なくとも20またはそれ以上のヌクレオチドから構 成することになる。100以上のヌクレオチドのプライマーの結合条件を特異性が 得られるように制御することはさらに困難である。精度の高いPCRは発現の前に 忠実なDNAコピーの保証に使用することができる。さらに、増幅された産物は慣 用の配列決定法でチェックすることができる。 コピーは、H.pyloriおよび/または他のヘリコバクター種からの遺伝 子に含まれる特異的な配列を検出する診断的アッセイに使用できる。コピーはま た、本明細書にさらに詳細に説明されるように、PCRによって合成される核酸に 相当するポリペプチドを発生させるために、クローニングおよび発現ベクターに 導入することができる。アンチセンス 本明細書に記載の配列に従って単離されたまたは合成された核酸、または核酸 ハイブリダイズ誘導体は、H.pylori遺伝子の発現を防止するアンチセンス剤と しての有用性を有する。これらの配列はまた、他のヘリコバクター種の遺伝子の 発現を防止するアンチセンス剤としての有用性をも有する。 一実施態様においては、核酸またはH.pylori核酸に相当する誘導体は適当な 担体たとえばリポソームまたはバクテリオファージに負荷して細菌細胞中に導入 される。たとえば、20個またはそれ以上のヌクレオチドを有する核酸は細菌核酸 または細菌メッセンジャーRNAに結合できる。好ましくはアンチセンス核酸は天 然には存在しない核酸と細菌核酸および/または細菌メッセンジャーRNAのハイ ブリダイゼーション産物に必要な安定性を与える20個またはそれ以上のヌクレオ チドから構成される。長さ1000を越えるヌクレオチド配列を有する核酸を合成す るのは困難であるが、組換えDNA技術により発生させることができる。アンチセ ンス核酸をリポソームに負荷する方法は、たとえばPapahadjopoulosらの米国特 許4,241,046に例示されているように本技術分野において周知である。 II.H .pylori核酸の発現 本明細書の記載に従って単離された核酸または合成された核酸はポリペプチド の発生に有用性を有する。配列表に例示された本発明の核酸またはH.pyloriポ リペプチドの活性部分をコードする核酸のフラグメントは適当なベクター中への クローン化が可能であるかまたは核酸の単離に使用できる。単離された核酸は、 適当なDNAリンカーと結合させ、適当なベクタ ー中にクローン化される。 特定の遺伝子またはオペロンの機能は、問題の遺伝子またはオペロンによって 特定される遺伝子産物の活性が特異的に測定できる条件下に細菌株中で発現させ て確認することができる。別法として遺伝子産物を、抗原、工業用試薬として、 また構造研究等に使用するため、発現株中で大量に産生させる。この発現は試験 すべき遺伝子の活性を欠く突然変異株または同じ遺伝子産物を産生しない株で行 われる。これには、それらに限定されるものではないが、他のヘリコバクター株 または他の細菌株たとえば大腸菌、ノルカルディア(Norcardia)、コリネバク テリウム(Corynebacterium)、キャンピロバクター(Campylobacter)およびス トレプトミセス(Streptomyces)種が包含される。一部の場合には、発現宿主は 天然のヘリコバクターのプロモーターを利用するが、他の場合には遺伝子を発現 生物体に由来するプロモーター配列で駆動する必要がある(たとえば、大腸菌内 での発現には大腸菌β−ガラクトシダーゼプロモーター)。 天然のH.pyloriプロモーターを用いて遺伝子産物を発現させるためには以下 のような操作を使用することができる。すなわち、興味のある遺伝子をその関連 の天然プロモーター要素および調節配列(DNA配列データを用いて同定)とともに 含有する制限フラグメントを、宿主生物内で機能する複製の起源および適当な選 択マーカーを含有する適当な組換えプラスミド中にクローン化する。これは本技 術分野の熟練者には周知の多くの操作によって達成できる。それはプラスミドお よびクローン化すべきフラグメントの切断を同一の制限酵素によって実施して、 2つの切片をライゲートさせて互いに結合させることができる適合性の末端を産 生させることによるのが最も好ましい。組換えプラスミドはたとえばエレクトロ ポレーションによって宿主生物体に導入し、組換えプラスミドを含有する細胞は プラスミド上のマーカーによる選択で同定する。所望の遺伝子産物の発現はその 遺伝子産物に特異的なアッセイを用いて検出する。 異なるプロモーターを要求する遺伝子の場合には遺伝子の本体(コード配列) を特定して切断し、適当な発現プラスミドにクローン化する。このサブクローニ ングは数種の方法で実施できるが、特定のフラグメントのPCR増幅、PCR産物の制 限酵素またはエキソヌクレアーゼ処理によるクローニングに適当な末端の創成後 の発現プラスミドへのライゲーションで達成するのが最も容易である。 遺伝子の発現に適当な宿主細胞は任意の原核細胞または真核細胞とすることが できる。たとえば、H.pyloriポリペプチドは細菌細胞たとえば大腸菌、昆虫細 胞(バキュロウイルス)、酵母、または哺乳動物細胞たとえばチャイニーズハム スター卵母細胞(CHO)中で発現させることができる。他の適当な宿主細胞は本 技術分野の熟練者には周知の通りである。 真核細胞たとえば哺乳動物細胞、酵母または昆虫細胞における発現は、組換え ペプチド産物の部分的もしくは完全なグリコシル化および/または関連の分子間 もしくは分子内ジスルフィド結合の形成を導くことができる。酵母S.cerivisae 中での発現のためのベクターの例としてはpYepSec1(Baldariら、Embo J.6:229 -234,1987)、pMFa(Kurjan & Herskowitz,Cell 30:933-943,1982)、pJRY88 (Schultzら、Gene 54:113-123,1987)、pYES2(Invitrogen Corporation,San Diego,CA)が含まれる。培養された昆虫細胞(SF9細胞)内でのタンパク質の 発現に利用できるバキュロウイルスベクターには、pAcシリーズ(Smithら、Mol .Cell Biol.3:2156-2165,1983)ならびにpVLシリーズ(Lucklow,V.A.& Sum mers,M.D.,Virology 170:31-39,1089)が包まれる。一般的には、COS細胞(G luzman,Y.,Cell 23:175-182,1981)がpCDM8(Aruffo,A.& Seed,B.,Proc .Natl.Acad.Sci.USA 84:8573-8577,1987)のようなベクターとともに、哺 乳動物細胞における一過性の増幅/発現に用いられ、一方、CHO(dhfr- Chinese H amster Ovary)細胞はpMT2PC(Kaufmanら、EMBO J.6:187-195,1987)のよう なベクターとともに、哺乳動物細胞における安 定な増幅/発現に使用される。ベクターDNAは、慣用技術たとえばリン酸カルシ ウムもしくは塩化カルシウム共沈殿、DEAE−デキストラン誘導トランスフェクシ ョン、またはエレクトロポレーションによって、哺乳動物細胞に導入することが できる。宿主細胞の形質転換に適当な方法は、Sambrookら(Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2nd Edition,Cold Spring Harbor Laboratory Press,19 89)および他の実験用テキストに見出すことができる。 原核細胞における発現は融合または非融合誘導性発現ベクターを用いて大腸菌 内で行われることが最も多い。融合ベクターは通常、発現される標的遺伝子に多 数のNH2末端アミノ酸を付加する。これらのNH2末端アミノ酸はレポーター基と呼 ばれることが多い。このようなレポーター基は、通常2つの目的で有用である。 すなわち、1)標的組換えタンパク質の溶解度の上昇;2)親和性精製における リガンドとして作用することによる標的組換えタンパク質の精製の補助である。 多くの場合、融合発現ベクター中では、蛋白分解切断部位はレポーター基と標的 組換えタンパク質の接合部に導入され、融合タンパク質の精製に続いて、レポー ター基からの標的組換えタンパク質の分離を可能にする。このような酵素、およ びそれらの同種認識配列には、因子Xa、トロンビンおよびエンテロキナーゼが包 含される。典型的な融合発現ベクターには、標的組換えタンパク質にそれぞれグ ルタチオンS−トランスフェラーゼ、マルトースE結合タンパク質、またはプロ テインAを融合するpGEX(Amrad Corp.,Melbourne,Australia)、pMAL(New E ngland Biolabs,Beverly,MA)およびpRIT5(Pharmacia,Piscataway,NJ)が ある。好ましいレポーター基は、タンパク質のアミノまたはカルボキシ末端に融 合可能で、組換え融合タンパク質の金属キレートクロマトグラフィーによる容易 な精製を可能にするポリ(His)である。 誘導性の非融合発現ベクターとしては、pTrc(Amannら、Gene 69:301-315,19 88)ならびにpET11d(Studierら、Gene Expression Technology: Methods in Enzymology 185,Academic Press,San Diago,California,60-89 ,1990)がある。一方、標的遺伝子の発現はpTrc中のハイブリッドtrp-lac融合 プロモーターからの宿主RNAポリメラーゼ転写に依存し、pET11d中に挿入された 標的遺伝子の発現は共発現されるウイルスRNAポリメラーゼ(T7 gn1)により誘 導されるT7 gn10-lac 0融合プロモーターからの転写に依存する。このウイルス ポリメラーゼは、lacUV5プロモーターの転写制御下にT7 gn1を繋留する定住性λ プロファージから宿主株BL21(DE3)またはHMS174(DE3)によって供給される。 たとえば、H.pyloriポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の発現を指 図する核酸ベクターでトランスフェクトされた宿主細胞は、ポリペプチドの発現 を起こさせるのに適当な条件下に培養することができる。ポリペプチドは分泌さ れ、ペプチドを含有する細胞および培地の混合物から単離される。あるいは、ポ リペプチドは細胞質内に留まり、細胞を収穫して溶解し、タンパク質が単離され る。細胞培養液には宿主細胞、培地および他の副生成物が包含される。細胞培養 に適当な培地は本技術分野において周知の通りである。本発明のポリペプチドは 細胞培養培地、宿主細胞またはその両方からタンパク質の精製用の本技術分野に おいて周知の技術、たとえばイオン交換クロマトグラフィー、ゲルろ過クロマト グラフィー、限外ろ過、電気泳動およびこのようなポリペプチドに特異的な抗体 での免疫親和性精製によって単離することができる。さらに多くの場合、ポリペ プチドはネイティブなタンパク質の化学的切断(たとえばトリプシン消化)により 製造し、切断生成物をついで標準技術によって精製することができる。 膜結合タンパク質の場合には、これらは、膜結合タンパク質分画を界面活性剤 と接触させて、膜結合タンパク質はも早、膜分画には完全には埋没しない可溶化 された複合体を形成させ、それが膜分画からのクロマトグラフィーによって少な くとも単離可能な程度に可溶化される。これらの複合 体の可溶化に適当な界面活性剤の選択には数種の基準が用いられる。たとえば、 考慮されるべき1つの性質は、膜結合タンパク質の変性を膜タンパク質の活性ま たは機能をタンパク質の再構築によって回復させることが可能な最小限に抑えて 膜分画内でH.pyloriタンパク質を可溶化する界面活性剤の能力である。界面活 性剤を選択する場合に考慮すべき他の性質は界面活性剤の臨界ミセル濃度(CMC )であり、えり抜きの界面活性剤は再構築後の除去が容易になる、高いCMC値を 有することが好ましい。界面活性剤の選択に際して考慮すべき第3の性質は界面 活性剤の疎水性である。通常、膜結合タンパク質は著しく疎水性であり、したが って疎水性のタンパク質を可溶化するためには同じく疎水性の界面活性剤たとえ ばトリトン系が有用である。界面活性剤に重要な他の性質は更なる精製を容易に する最小のタンパク質−タンパク質相互作用によりH.pyloriタンパク質を除去 する界面活性剤の能力である。界面活性剤の考慮すべき第5の性質は界面活性剤 の電荷である。たとえば精製過程でイオン交換樹脂の使用を所望の場合には、界 面活性剤は非電荷の界面活性剤でなければならない。最終精製工程において使用 できるクロマトグラフィー技術は本技術分野においては周知であり、たとえば、 疎水性相互作用、レクチン親和性、イオン交換、色素親和性および免疫親和性ク ロマトグラフィーが包含される。 大腸菌における組換えH.pyloriペプチドの発現を最大にする戦略の一つは組 換えタンパク質を蛋白分解的に切断する能力が損なわれた宿主細菌におけるタン パク質の発現である(Gottesman,S.,Gene Expression Technology:Methods in Enzymology 185,Academic Press,San Diego,California,119-128,1990)。 他の戦略では、発現バクターに挿入するH.pyloriペプチドをコードする核酸を 各アミノ酸の個々のコドンが、高度に発現される大腸菌タンパク質で優先的に利 用されるコドンになるように変化させる(Wadaら、Nuc.Acids Res.20:21111-21 18,1992)。このような本発明の核酸の変化は標準的なDNA合成技術により実施で きる。 本発明の核酸はまた、標準後術を用いて化学的に合成することもできる。ポリ デオキシヌクレオチドを化学的に合成する様々な方法が知られている。たとえば ペプチド合成と同様に、固相合成は市販のDNA合成装置により完全に自動化され ている(たとえば、Itakuraら、米国特許4,598,049;Caruthersら、米国特許4,45 8,066;ならびにItakuraら、米国特許4,401,796および4,373,071参照、引用によ り本明細書に導入される)。 III.H .pyloriポリペプチド 本発明は開示されたH.pyloriゲノム配列によりコードされる単離H.pyloriポ リペプチドを包含し、これには、配列表中に含まれる本発明のポリペプチドが包 含される。本発明のポリペプチドは好ましくは少なくとも長さ5アミノ酸残基を 有する。本明細書に提供されたDNA配列情報を用い、本発明に包含されるポリペ プチドのアミノ酸配列は本技術分野でよく知られた方法により推定できる。H.p yloriポリペプチドをコードする全核酸の配列は、同種のタンパク質コード領域 のフラグメントのみをコードするORFに基づいて単離し、同定できるものと理解 される。これはたとえば、ORFまたはそのフラグメントをコードする単離核酸を 用い、鋳型としてのゲノムH.pylori DNAとのポリメラーゼ連鎖反応をプライム し、ついで増幅産物を配列決定することによって達成できる。 本発明のポリペプチドは、野生型もしくは突然変異H.pylori細胞、またはH. pylori核酸が予め導入され発現された異種生物体もしくは細胞(それらに限定さ れるものではないが、たとえば細菌、酵母、昆虫、植物および哺乳動物細胞)か ら単離することができる。さらにポリペプチドは組換え融合タンパク質の部分で あってもよい。 本発明のH.pyloriポリペプチドは、本明細書に引用したような市販の自動化 装置を用いて化学的に合成することもできる。 本発明のH.pyloriポリペプチドとしてはまた、本明細書に記載されたような キメラタンパク質および末端切断タンパク質も包含される。キメラH.pyloriタンパク質 H.pyloriキメラポリペプチドは1種または2種以上のH.pyloriポリペプチド が互いに融合して構成される。これらの結合配列は、2種もしくはそれ以上の遺 伝子、2種もしくはそれ以上のポリペプチドコード配列、または縦列に少なくと も1種の遺伝子と少なくとも1種のポリペプチドコード配列を結合させ、ついで コードされたタンパク質を慣用の分子生物学的方法によって発現させることによ り作成することができる。結合されたヌクレオチド配列は完全長のH.pyloriヌ クレオチド配列またはこのような配列のフラグメント、たとえばコードされたH .pyloriタンパク質の免疫学的関連部分を含有するフラグメントいずれかの組合 わせからなる。これらのキメラH.pyloriタンパク質は、個々のH.pyloriタンパ ク質配列それぞれの混合または相乗作用ワクチン活性を包含し、本発明のワクチ ン製剤に使用することができる。末端切断遺伝子の発現およびタンパク質産物 与えられたヌクレオチド配列によってコードされるH.pyloriタンパク質は、 生物学的に活性な末端切断型で使用することもできる。このような末端切断型は たとえば、コードされたヌクレオチド配列の5'および/または3'領域の除去によ り製造できる。これらの末端切断はコードされたタンパク質の組換え発現および /または以後のタンパク質精製に影響しうる。たとえば特定のタンパク質の予測 される放出配列をコードするヌクレオチド配列の末端切断はタンパク質の発現を 変化させることがある。また、核酸コード領域の3'末端の除去によるH.pylori ポリペプチドのC末端の切断でも、以下の実施例VIIIに概略を記載するようにタ ンパク質の発現、以後の精製および用途を改良することができる。内部のH.pyl oriタンパク質領域をコードする核酸領域の欠失も、タンパク質の発現、精製お よび/またはワクチン候補としての有効性を生じる場合がある。 IV.H .pyloriに対して有効なワクチン成分および薬剤の標的をコードす る核酸の同定 開示されたH.pyloriゲノム配列には、リボ核酸およびポリペプチドの合成を 指示するセグメントならびに複製の起源、プロモーター、他の種類の調節配列、 および遺伝子間核酸が包含される。本発明はH.pyloriに対して有効なワクチン の免疫原性成分および薬剤の標的をコードする核酸を包含する。開示された配列 の機能の決定に関与する上記免疫原性成分の同定は、様々なアプローチを用いて 達成できる。これらのアプローチはこれらに限定されるものではないが、以下に 例を簡単に記載する。 既知配列に対するホモロジー:開示されたH.pylori配列の公開されたデータ ベースに存在する既報の配列とのコンピューターによる比較は機能性のH.pylor i核酸およびポリペプチド配列の同定に有用である。タンパク質コード配列をた とえば全体として比較し、2つのタンパク質のアミノ酸レベル間における高度の 配列ホモロジー(たとえば>80〜90%)はたとえば代謝に関与する酵素、DNA合 成または細胞壁合成、およびトランスポート、細胞分裂等に関与するタンパク質 の間にもある程度の機能的ホモロジーの存在を指示すると理解される。さらに、 特定のタンパク質クラスの多くの機能的特徴が特定のコンセンサス配列たとえば ヌクレオチド、DNA、金属イオンおよび他の小分子の結合ドメイン;共有結合修 飾たとえばリン酸化、アシル化等の部位;タンパク質−タンパク質相互作用等の 部位で同定され、関連づけられてきた。これらのコンセンサス配列はきわめて短 く、すなわち、全タンパク質コード配列のわずかな分画のみによって提示する。 H.pyloriの配列におけるこのような特徴の同定は、したがって、コードされた タンパク質の機能の決定および抗細菌剤の有用な標的の同定に有用である。 本発明にとくに関連深いのは分泌シグナルペプチドおよび疎水性の膜貫通ドメ インを包含する分泌、膜貫通および表面タンパク質に共通な構造的特徴である。 推定シグナル配列および/または膜貫通ドメインを含有する として同定されたH.pyloriタンパク質はワクチンの免疫原性成分として有用で ある。 必須遺伝子の同定:H.pyloriの増殖または生存能に必須のタンパク質をコー ドする核酸は好ましい薬剤標的である。H.pylori遺伝子は、その遺伝子の欠失 および/または破壊の効果を、すなわち関連技術分野の熟練者に周知の技術を用 いるいわゆる遺伝子「ノックアウト」によって調べることにより、その生物体に 対するそれらの生物学的関連について試験することができる。この方法によって 必須遺伝子が同定される。 株特異的配列:異なるH.pylori株間の進化的な関連から、ここの開示されたH .pyloriの配列は、以前に知られていたものと新しいH.pylori株の間の同定お よび/または識別に有用であると考えられる。他のH.pylori株は現在開示され る配列と少なくとも70%の配列ホモロジーを示すものと思われる。H.pylori株 を含むサンプルに由来するDNA配列の系統的および定常的な分析ならびに本発明 の配列との比較は、株間の識別に使用できる配列およびすべてのH.pylori株に 共通の配列の同定を可能にする。一実施態様においては、本発明は、異なるH.p ylori株間を識別するプローブを含む核酸ならびにペプチドおよびポリペプチド 配列を提供する。株特異的成分も1種または2種以上のH.pylori株を選択的に 認識する抗体を誘発するまたはそれと反応する能力により機能的に同定すること ができる。 他の実施態様においては、本発明は、すべてのH.pylori株に共通であるが、 他の細菌種には見出されないプローブを含む核酸ならびにペプチドおよびポリペ プチド配列を提供する。 特殊な実施例:抗体およびワクチンの開発のための候補タンパク質抗原の決定 ワクチンの開発のための候補タンパク質抗原の選択はH.pyloriポリペプチド をコードする核酸から誘導することができる。第一に、ORFを他 の既知の放出または膜タンパク質に対するホモロジーについて分析し、Kleinら により記載された判別分析(Klein,P.,Kanehsia,M & DeLisi,C.,Biochimic a et Biophysica Acta 815,468-476,1985)を用いて予測される放出および膜 タンパク質について分析することができる。 ホモロジー検索は、予測されるそれぞれのORFアミノ酸配列を現時点においてG enBank,SWISS-PROTならびにPIRデータベースに見出されるすべての配列と比較 するためにWisconsin Sequence Analysis Package(Genetics Computer Group,U niversity Research Park,575 Science Drive,Madison,WI 53711)に含まれる BLASTアルゴリズムを用いて実施することができる。ORFとデータバンク配列の間 の局部的配列についてBLASTを検索し、この配列がデータベースに偶然に見出さ れる確率を示す確率評価を記録する。膜もしくは放出タンパク質に対して有意な ホモロジー(たとえば、ホモロジーがランダムな機会によるのみの1×10-6より 低い確率)を有するORFはワクチン開発のためのタンパク質抗原を提示する。可 能性のある機能は、他の生物体でクローン化された遺伝子に対する配列ホモロジ ーに基づいてH.pylori遺伝子に提供することができる。 判別分析(Kleinら、前出)はORFのアミノ酸配列を調べるために使用すること ができる。このアルゴリズムはORFのアミノ酸配列に含まれる固有の情報を使用 し、それを既知の膜および放出タンパク質の性質に由来する情報と比較する。こ の比較はどれが放出、膜結合または細胞質内タンパク質であるかを予想する。こ のアルゴリズムによって放出または膜結合として同定されたORFのアミノ酸配列 は多分、ワクチン開発のためのタンパク質抗原である。 表面を暴露された外膜タンパク質はH.pyloriに対する保護免疫応答を与える 最良の抗原であると思われる。これらの外膜タンパク質の予測の助けに使用でき るアルゴリズムの中には、それらのC−末端における両親媒性β−シート領域の 存在が包含される。グラム陰性菌中の多数の外膜タン パク質において検出されているこの領域は、C末端からほぼ1、3、5、7およ び9の位置における疎水性残基(PheまたはTyr)を特徴とする場合が多い(たと えば、図1のブロックF参照)。重要なことは、これらの配列は細胞質内タンパ ク質のC末端には検出されておらず、すなわち、一次配列データに基づくこれら のクラスのタンパク質の間の予備的識別を可能にすることである。この現象は以 前にStruyveら(J.Mol.Biol.218:141-148,1991)によって報告されている。 図1にはまた、H.pyloriの多くの外膜タンパク質中に見出される付加的なア ミノ酸配列モチーフを例示する。図1におけるアミノ酸配列の配置は5種のH.p yloriタンパク質の部分配列を示したもので(一文字アミノ酸コードで示す)、ア ミノ酸のSEQ ID NOを付し、N末端からC末端を左から右に示している。類似の アミノ酸残基の6個の独特なブロック(A〜Eと表示)が、多くの場合、外膜タ ンパク質のC末端付近の位置に認められる独特な疎水性残基(PheまたはTyr、ア ミノ酸残基の一文字コードによればFまたはY)を包含することがし見出された 。数種の共通のモチーフの存在がこの群のタンパク質のメンバーの間の類似性を 明瞭に確立している。 H.pyloriから単離された外膜タンパク質はさらに、図2にブロックで囲んだ アミノ酸残基中に例示されるように、成熟N末端付近(すなわち、分泌シグナル を除去するプロセッシング後)に、あるモチーフを共有する場合が多い。図2に は3種のH.pyloriタンパク質のN末端部分を示す(それらのアミノ酸SEQ ID NO によって指示し、N末端からC末端を左から右に示している)。 これらの共有される配列モチーフがきわめて重要であり、この群のタンパク質 間の類似性を確立することは本技術分野の熟練者には明らかである。 稀に、核酸配列中の与えられた位置における可能性のある多重ヌクレオチドの 間の識別が可能ではない。そのような場合には、アンビギュイティ は以下のようにアルファベットを延ばして表示される。 これらは公式のIUPAC-IUB一文字塩基コードである。 本発明のアミノ酸翻訳は不明瞭なコドンを文字「X」として翻訳することによ り核酸配列中のアンビギュイティを説明する。すべての場合、ある位置において 許容されるアミノ酸残基は標準遺伝子コードに基づく核酸配列の試験から明瞭で ある。 V.H .pylori核酸およびポリペプチドのフラグメントおよび類縁体の産生 配列表中に提供される本発明のH.pylori遺伝子産物の発見に基づき、本技術 分野の熟練者は開示された(H.pylori遺伝子の)構造をたとえばフラグメントま たは類縁体の産生により変更し、新たに産生した構造を活性について試験するこ とができる。フラグメントおよび類縁体の産生および試験を可能にする関連技術 分野における熟練者に周知の技術の例については以下に述べる。これらのまたは 類似の方法は、ポリペプチドのライブラリー、たとえば、ランダムペプチドのラ イブラリーまたはフラグメントも しくは細胞性タンパク質の類縁体のライブラリーの作成およびH.pyloriポリペ プチドを結合する能力についてのスクリーニングに使用することができる。この ようなスクリーニングはH.pyloriのインヒビターの同定に有用である。フラグメントの発生 タンパク質のフラグメントは数種の方法で、たとえば組換え、蛋白分解消化、ま たは化学的合成によって産生させることができる。ポリペプチドの内部または末 端フラグメントは、ポリペプチドをコードする核酸の一方の末端(末端フラグメ ントの場合)または両端(内部フラグメントの場合)から1個または2個以上のヌ クレオチドを除去することによって発生させることができる。突然変異させたDN Aの発現はポリペプチドフラグメントを産生する。「末端を1個ずつ切断してい く」エンドヌクレアーゼで消化すれば任意のアレイのフラグメントをコードする DNAを発生させることができる。あるタンパク質のフラグメントをコードするDNA はまた、ランダム剪定、制限消化または上述の方法の組合せにより発生させるこ とができる。 フラグメントはまた、たとえば慣用のMerrifield固相f-Mocまたはt-Boc化学の ような本技術分野で周知の技術を用いて化学的に合成することもできる。たとえ ば本発明のペプチドはフラグメントの重複のない所望の長さのフラグメントまた は所望の長さの重複するフラグメントに任意に分割することができる。核酸およびポリペプチドの変化:ランダム法 タンパク質のアミノ酸配列変異体は、タンパク質またはタンパク質の特定のド メインもしくは領域をコードするDNAのランダム突然変異誘発により調製するこ とができる。有用な方法には、PCR突然変異誘発および飽和突然変異誘発が包含 される。ランダムなアミノ酸配列変異体のライブラリーは縮重オリゴヌクレオチ ド配列セットの合成によっても発生させることができる(変異体のライブラリー におけるタンパク質のスクリーニング方 法は本明細書の別項で述べる)。 (A)PCR 突然変異誘発 PCR突然変異誘発においては、DNAのクローン化フラグメントにランダムな突然 変異を導入するために、忠実度の低下したTaqポリメラーゼを使用する(Leungら 、Techniquel:11-15,1989)。突然変異を誘発するDNA領域をポリメラーゼ連鎖反 応(PCR)を用い、Taq DNAポリメラーゼによるDNA合成の忠実度が低下する条件下 たとえばdGTP/dATP比5を使用しPCR反応にMn2+を加えて増幅する。増幅したDNA フラグメントのプールを適当なクローニングベクターに挿入し、ランダム突然変 異体ライブラリーを与える。 (B)飽和突然変異誘発 飽和突然変異誘発は、クローン化されたDNAフラグメント中への、多数の単一 塩基置換の迅速な導入を可能にする(Mayersら、Science 229:242,1985)。この 技術には、たとえば、インビトロにおける一本鎖DNAの化学的処理または放射線 照射、および相補性DNA鎖の合成による突然変異の発生が包含される。突然変異 の頻度は、処理の強度を調節することによって調節が可能で、本質的にすべての 可能な塩基置換を達成することができる。この操作は突然変異体フラグメントに ついての遺伝子の選択を包含しないので、中性置換ならびに機能を変化させる置 換の両方が得られる。点突然変異の分布が保存的配列要素に対して偏向すること はない。 (C)縮重オリゴヌクレオチド 同族体のライブラリーはまた縮重オリゴヌクレオチド配列のセットから発生さ せることもできる。縮重配列の化学的合成は、自動化DNA合成装置によって実施 することが可能で、ついで合成遺伝子は適当な発現ベクターにライゲートされる 。縮重オリゴヌクレオチドの合成は本技術分野において周知である(たとえばNar ang,SA,Tetrahedron 39:3,1983;Itakuraら、Recombinant DNA,Proc.3rd Cl eveland Symposium Macromolecules,ed.AG Walton,Amsterdam;Elsevier pp.2 73-289,1981;Itakuraら、 Annu.Rev.Biochem.53:323,1984;Itakuraら、Science 198:1056,1984;Ikeら 、Nucleic Acids Res.11:477,1983参照)。このような技術は他のタンパク質の 指示された進化にも使用されてきた(たとえば、Scottら、Science 249:386-390 ,1990;Robertsら、PANS 89:2429-2433,1992;Devlinら、Science 249:404-406 ,1990;Cwirlaら、PANS 87:6378-6382,1990;ならびに米国特許5,223,409、5,19 8,346および5,096,815参照)。核酸およびポリペプチドの変化:指示された突然変異誘発方法 非ランダムもしくは指示された突然変異誘発技術は、特異的な配列または特異 的な領域における突然変異を提供するために使用できる。これらの技術は、たと えばタンパク質の既知のアミノ酸配列の残基の欠失、挿入または置換を包含する 変異体の創成に使用することができる。突然変異の部位は個々にまたは一連に、 たとえば(1)最初に保存的アミノ酸の置換、ついで達成される結果に依存して より徹底的な選択、(2)標的残基の欠失、または(3)局在部位に隣接して同 種または異種クラスの残基の挿入、または選択1〜3の組合せによって修飾する ことができる。 (A)アラニン走査突然変異誘発 アラニン走査突然変異誘発は、突然変異の誘発に好ましい位置もしくはドメイ ンである所望のタンパク質のある種の残基または領域の同定に有用な方法である (Cunningham & Wells,Science 244:1081-1085,1989)。アラニン走査では、 標的残基の残基またはグループ(たとえば、Arg、Asp、His、LysおよびGluのよう な荷電残基)を同定し、中性または陰性に荷電したアミノ酸(とくに好ましくは アラニンまたはポリアラニン)で置換する。アミノ酸の置換は、細胞内部または 外部の周囲の水性環境とアミノ酸の相互作用に影響することがある。置換に対し て機能的な感受性を表すこれらのドメインはついで、置換部位にまたは置換部位 のためにさらにまたは他の変異体を導入することによって改良する。すなわち、 アミノ酸配列の変 異体の導入部位を予め決定する場合に、突然変異自体の性質を予め決定する必要 はない。たとえば、与えられた部位における突然変異の能率を至適化するために は、標的コドンまたは領域にアラニン走査またはランダム突然変異の誘発を行い 、発現した所望のタンパク質サブユニット変異体を所望の活性の至適な組合せに ついてスクリーニングする。 (B)オリゴヌクレオチド誘導突然変異誘発 オリゴヌクレオチド誘導突然変異誘発はDNAの置換、欠失および挿入変異体の 調製に有用な方法である(たとえば、Adelmanら、DNA 2:183,1983参照)。略述す れば、所望のDNAを、所望のタンパク質の不変のもしくはネイティブなDNA配列を 含有するプラスミドまたはバクテリオファージからの一本鎖型であるDNA鋳型に 対する突然変異をコードするオリゴヌクレオチドをハイブリダイズさせることに より変化させる。ハイブリダイゼーション後、DNAポリメラーゼを用いて、オリ ゴヌクレオチドプライマーを導入し、所望のタンパク質DNA中の選択された変化 をコードする鋳型の完全な第2の相補性鎖を合成する。一般的に、少なくとも長 さ25ヌクレオチドのオリゴヌクレオチドが用いられる。至適なオリゴヌクレオチ ドは、突然変異をコードするヌクレオチドのいずれかの側において鋳型に完全に 相補性の12〜15個のヌクレオチドを有する。これはオリゴヌクレオチドが一本鎖 DNA鋳型分子に適正にハイブリダイズすることを保証する。これらのオリゴヌク レオチドはたとえばCreaら(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 75:5765,1978)に よって記載されたような本技術分野で周知の技術を用いて容易に合成することが できる。 (C)カセット突然変異誘発 変異体の調製のための他の方法であるカセット突然変異誘発はWellsら(Gene3 4:315,1985)によって記載された技術に基づくものである。出発材料は突然変 異を誘発するタンパク質サブユニットDNAを包含するプラスミド(または他のベ クター)である。突然変異が誘発されるタンパク質サ ブユニットDNAにおけるコドン(単数または複数)が同定される。同定された突然 変異部位(単数または複数)の各側に、ユニークな制限エンドヌクレアーゼ部位 が存在しなければならない。このような制限部位がない場合は、上述のオリゴヌ クレオチド誘導突然変異誘発法を用いてそれらを所望のタンパク質サブユニット DNA中の適当な位置に導入して発生させる。プラスミドに制限部位が導入された のち、プラスミドをこれらの部位で切断して線状化する。制限部位の間にDNAの 配列をコードするが所望の突然変異を含有する二本鎖オリゴヌクレオチドを、標 準操作を用いて合成する。2個の鎖は別個に合成し、ついで標準操作を用いて互 いにハイブリダイズさせる。この二本鎖オリゴヌクレオチドがカセットと呼ばれ る。このカセットは、プラスミドへの直接ライゲーションを可能にするため、線 状化プラスミドの末端に匹敵する3'および5'末端を有するように設計される。こ のプラスミドはこの時点で、突然変異した所望のタンパク質サブユニットDNA配 列を含有する。 (D)コンビナトリアル突然変異誘発 コンビナトリアル突然変異誘発もまた、突然変異体の発生に使用することがで きる(Ladnerら、WO 88/06630)。この方法では、同族体または他の関連タンパ ク質のグループについてアミノ酸配列を、好ましくは出来るだけ最高のホモロジ ーが得られるように配置する。配置した配列の与えられた位置に現れるアミノ酸 のすべてがコンビナトリアル配列の縮重セットの作成に選択できる。変異体の多 様なライブラリーは核酸レベルにおけるコンビナトリアル突然変異誘発によって 発生させ、多様な遺伝子ライブラリーによってコードされる。たとえば、合成オ リゴヌクレオチドの混合物は潜在的な配列の縮重セットが個々のペプチドとして または縮重配列のセットを含むより大きな融合タンパク質のセットとして発現可 能な遺伝子配列に酵素的ライゲートすることができる。H .pylori核酸およびポリペプチドの他の修飾 H.pyloriポリペプチドの構造を、溶解度の上昇、安定性の増大(たとえば、エ クスビボにおける貯蔵寿命、およびインビボにおける蛋白分解的崩壊に対する抵 抗性)のような目的で修飾することが可能である。本明細書に記載するアミノ酸 置換、欠失または付加によってアミノ酸配列を変化させた修飾H.pyloriタンパ ク質またはペプチドを製造することができる。 H.pyloriペプチドはまた、システイン残基の好ましくはアラニン、セリン、 スレオニン、ロイシンまたはグルタミン酸残基による置換でジスルフィド結合に よるダイマー化が最小限になるように修飾することもできる。さらに、本発明の タンパク質のアミノ酸のフラグメントの側鎖を化学的に修飾することもできる。 他の修飾にはペプチドの環状化がある。 安定性および/または反応性を増大させるためには、H.pyloriポリペプチド は天然の対立遺伝子変異から生じるタンパク質のアミノ酸配列における1または 2以上の多型を導入するように修飾することができる。さらに、本発明の範囲に 含まれる修飾タンパク質の製造では、D−アミノ酸、非天然アミノ酸または非ア ミノ酸類縁体を置換または付加することもできる。またさらに、H.pyloriポリ ペプチドはA.Sehonおよび共同研究者の方法(Wieら、前出)に従ってポリエチ レングリコール(PEG)を用いて修飾し、PEGと接合したタンパク質を製造するこ ともできる。さらにPEGはタンパク質の化学的合成時に添加することも可能であ る。H.pyloriタンパク質の他の修飾には、還元/アルキル化(Tarr,Methods o f Protein Microcharacterization,J.E.Silver ed.,Humana Press,Clifton NJ 155-194,1986);アシル化(Tarr、前出);適当な担体への化学的な連結( Mishell & Shiigi,ed.,Selected Methods in Cellular Immunology,WH Freem an,San Francisco,CA,1980;米国特許4,939,239)または緩和なホルマリン処 理(Marsh,Int.Arch.Allergy Appli.Immunol.41:199-215,1971)がある。 H.pyloriタンパク質またはペプチドの精製を容易にし、また溶解度を上昇さ せるためには、ペプチド骨格にアミノ酸融合部位を付加することができる。たと えば、固定化金属イオン親和性クロマトグラフィーによる精製のためにはタンパ ク質にヘキサヒスチジンを付加することが可能である(Hochuli,E.ら、Bio/Te chnology,6:1321-1325,1988)。さらに、無関係な配列を含まないペプチドの 単離を容易にするためには、特異的なエンドプロテアーゼ切断部位を融合部位と ペプチドの間に導入することができる。 H.pyloriポリペプチド内のエピトープの適当な抗原プロセッシングを促進す るためには、組換えもしくは合成法により、それぞれ少なくとも1個のエピトー プからなる領域の間に適切なプロテアーゼ感受性部位を作成することができる。 たとえば、KKまたはRRのような荷電アミノ酸対をその組換え構築時にタンパク質 またはフラグメント内の領域間に導入することができる。得られたペプチドは、 カテプシンおよび/またはトリプシン様酵素による切断に感受性になり、1個ま たは2個以上のエピトープを含有するタンパク質部分が発生する。さらに、この ような荷電アミノ酸残基は、ペプチドの溶解度を上昇させることができる。ポリペプチドおよび類縁体のスクリーニングの一次的方法 生成した突然変異遺伝子産物のスクリーニングには様々な技術が本技術分野で 知られている。大きな遺伝子ライブラリーのスクリーニング技術は多くの場合、 遺伝子ライブラリーの複製可能な発現ベクターへのクローニング、得られたベク ターのライブラリーによる適当な細胞の形質転換、ついで所望の活性たとえばこ の場合はH.pyloriポリペプチドまたは相互作用タンパク質への結合の検出が、 検出された産物の遺伝子をコードするベクターの比較的容易な単離を促進する条 件下における遺伝子の発現を包含する。以下に記載する技術はそれぞれ、たとえ ばランダム突然変異誘発技術により創成される多数の配列のスクリーニングを、 高度のスループット 分析で実施することができる。 (A)ツーハイブリッドシステム 上述のシステムのようなツーハイブリッドアッセイ(本明細書に記載の他のス クリーニング方法と同様)は、ポリペプチドたとえば天然に存在するH.pylori ポリペプチドたとえば細胞性タンパク質のフラグメントもしくはは類縁体または H.pyloriタンパク質に結合するランダムに発生させたポリペプチドの同定に用 いることができる(H.pyloriドメインが餌タンパク質として用いられ、変異体の ライブラリーが魚融合タンパク質として発現される)。同様の様式によって、ツ ーハイブリッドアッセイ(本明細書に記載の他のスクリーニング方法と同様)はH .pyloriポリペプチドを結合するポリペプチドの発見に使用できる。 (B)ディスプレーライブラリー スクリーニングアッセイの一つのアプローチでは、候補ペプチドは細胞または ウイルス粒子の表面上に表示され、表示された産物を介して適当な受容体タンパ ク質を結合する特定の細胞またはウイルス粒子の能力が「パニングアッセイ」で 検出される。たとえば、遺伝子ライブラリーは細菌細胞の表面膜タンパク質の遺 伝子中にクローン化し、得られた融合タンパク質をパニングにより検出すること ができる(Ladnerら、WO 88/06630;Fuchsら、Bio/Technology 9:1370-1371,1 991;およびGowardら、TIBS 18:136-140,1992)。同様の様式で,検出可能なよ うに標識したリガンドは潜在的に機能性を有するペプチド同族体の評価に使用す ることができる。蛍光で標識したリガンドたとえば受容体はリガンド結合活性を 維持する同族体の検出に使用することができる。蛍光標識リガンドの使用は細胞 を可視的に検査して蛍光顕微鏡下に分離することを可能にするか、または細胞の 形態の蛍光活性化細胞ソーターによる分離を可能にする。 遺伝子ライブラリーはウイルス粒子の表面上で融合タンパク質として発現させ ることができる。たとえば線状ファージ系では異種ペプチド配列を 感染ファージの表面で発現させることが可能で、これにより2つの重要な利点が 付与される。第一にこれらのファージは1013ファージ/mlよりかなり高い濃度で 親和性マトリックスに適用できるので、多数のファージを一度にスクリーニング できる。第二に、各感染ファージはその表面上に遺伝子産物を表示するので、特 定のファージが親和性マトリックスから低収率でしか回収されなくても、ファー ジは感染の他のラウンドで増幅させることができる。ほぼ同一の大腸菌線状ファ ージのグループ、M13、fd.およびf1がファージディスプレーライブラリーには最 も頻繁に使用される。ファージgIIIまたはgVIIIコートタンパク質のいずれか を、ウイルス粒子の最終的なパッケージングを分裂させることなく融合タンパク 質の発生に用いることができる。異種エピトープはpIIIのNH2末端に発現させる ことが可能で、このようなエピトープをもつファージは、このエピトープを欠く 大過剰のファージから回収される(Ladnerら、PCT公開WO 90/02909;Garradら、 PCT公開WO 92/09690;Marksら、J.Biol.Chem.267:16007-16010,1992;Grif fithsら、EMBO J.12:725-734,1993;Clacksonら、Nature 352:624-628(1991); ならびにBarbasら、PNAS 89:4457-4461,1992)。 通常のアプローチでは大腸菌のマルトース受容体(外膜タンパク質、LamB)を ペプチド融合パートナー(Charbitら、EMBO 5:3029-3037,1986)として使用する 。オリゴヌクレオチドはLamB遺伝子をコードするプラスミド中に挿入し、タン パク質の細胞外ループの一つに融合するペプチドが製造されている。これらのペ プチドは、リガンドたとえば抗体への結合に利用することが可能であり、細胞を 動物に投与した場合に、免疫応答を誘発することができる。他の細胞表面タンパ ク質、たとえばOmpA(Schorrら、Vaccines 91:387-392,1991)、PhoE(Agterbe rgら、Gene 88:37-45,1990)およびPAL(Fuchsら、Bio/Tech 9:1369-1372,19 91)、ならびに大きな細菌表面構造はペプチドディスプレーのビヒクルとして用 いられてきた。ペプチドは、遺伝子情報の細菌間の交換のための導管、ピルスを 形 成するために重合するタンパク質であるピリンに融合することができる(Thiry ら、Appl.Environ.Microbiol.55:984-993,1989)。他の細胞との相互作用に おけるその役割のためピルスは細胞外周囲へのペプチドの提示のための有用な支 持体を提供する。ペプチドディスプレーに使用される他の大きな表面構造は、細 菌の運動器官、鞭毛である。サブユニットタンパク質のフラジェリンへのペプチ ドの融合は宿主細胞上に多くのペプチドコピーの濃密なアレイを提供する(Kuwa jimaら、Bio/Tech.6:1080-1083,1988)。他の細菌種の表面タンパク質もペプ チド融合パートナーとして役立ってきた。たとえば、ブドウ球菌(Staphylococc us)のプロテインA、ならびにナイセリア(Neisseria)の外膜IgAプロテアーゼ (Hanssonら、J.Bacteriol.174:4239-4245,1992;およびKlauserら、EMBO J.9 :1991-1999,1990)である。 上述の線状ファージ系およびLamB系では、ペプチドおよびそれをコードするD NAの間に、表面にペプチドをもつ粒子(細胞またはファージ)内のDNAの拘束によ り物理的な連結が生じる。そのペプチドの捕獲は粒子とDNAを内部に捕獲する。 別の機構はペプチドとDNAの間の連結の形成にDNA結合タンパク質であるLacIを 使用する(Cullら、PNAS USA 89:1865-1869,1992)。このシステムはその3'末 端にオリゴヌクレオチドのクローニング部位を有するLacI遺伝子を含有するプ ラスミドを用いる。アラビノースにより制御される誘導下にLacIペプチド融合 タンパク質が産生する。この融合体は、LacOオペレーター(LacO)として知られ る短いDNA配列に結合するLacIの自然の能力を維持している。発現プラスミド上 に2個のLacOコピーを装着することによって、LacI−ペプチド融合はそれをコ ードするプラスミドに強固に結合する。各細胞中のプラスミドは単一のオリゴヌ クレオチド配列を含有するので、各細胞は単一のペプチド配列のみを発現し、そ のペプチドはその合成を指図するDNA配列と特異的かつしっかりと結合する。ラ イブラリーの細胞を穏やかに溶解させ、ペプチド−DNA 複合体を固定化受容体のマトリックスに暴露すると、活性なペプチドを含有する 複合体が回収される。会合したプラスミドDNAをついで、細胞に再導入して、増 幅およびDNA配列決定によってペプチドリガンドの同一性を決定する。この方法 の実際的な有用性の証明として、ドデカペプチドの大きなランダムライブラリー を作成し、オピオイドペプチドのダイノルフィンBに対するモノクローナル抗体 上で選択した。ペプチドのコホートを回収すると、すべてが、ダイノルフィンB の6残基部分に相当するコンセンサス配列を有した(Cullら、Proc.Natl.Acad .Sci.USA 89:1869,1992)。 ペプチド−オン−プラスミドと呼ばれることもあるこのスキームは2つの重要 な方法でファージディスプレー法とは異なっている。第一に、ペプチドは融合タ ンパク質のC末端に結合して、遊離のカルボキシ末端を有するペプチドとしてラ イブラリーメンバーのディスプレーが得られる。線状ファージコートタンパク質 、pIIIおよびpVIIIの両方を、それらのC末端によってファージに繋留し、ゲ ストタンパク質は外側に伸びたN末端ドメイン中に配置する。一部の設計におい ては、ファージディスプレーペプチドは融合タンパク質のアミノ末端にちょうど 配置される(Cwirlaら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:6378-6382,1990)。 第二の差はライブラリー中に実際に存在するペプチド集団に影響する生物学的偏 向のセットである。LacI融合分子は宿主細胞の細胞質に拘束される。ファージ コート融合は翻訳時に短時間細胞質に暴露されるが、内膜を通過して迅速にペリ プラスム間隙に分泌され、膜内にそれらのC末端疎水性ドメインによって繋留さ れたまま維持され、ペプチドを含有するN末端は周辺質中に突出し、この間ファ ージ粒子への組立を待っている。LacIならびにファージライブラリー中のペプ チドは種々の蛋白分解活性へのそれらの暴露の結果有意に異なる。ファージコー トタンパク質は、ファージへの導入に対する準備として、内膜を横切る輸送およ びシグナルペプチダーゼプロセッシングを必要 とする。ある種のペプチドはこれらの過程に有害に作用し、ライブラリー中には 十分に表示されない(Gallopら、J.Med.Chem.37(9):1233-1251,1994)。これ らの特定の偏向は、LacIディスプレーシステム中のファクターではない。 組換えランダムライブラリーに利用できる小さなペプチドの数は巨大である。 107〜109の独立のクローンのライブラリーが定常的に調製される。1011程度の大 きさの組換え型のライブラリーが創成されているが、このサイズはクローンライ ブラリーの実用上の限界に近い。ライブラリーのサイズにおけるこの限界は、DN A含有ランダムセグメントの宿主細菌細胞へのトランスフォームの工程で起こる 。この限界を回避するため、ポリゾーム複合体中で新生したペプチドのディスプ レーに基づくインビトロ系が最近開発された。このディスプレーライブラリー法 では、現在利用されているファージ/ファジミドまたはプラスミドライブラリー の場合よりも3〜6オーダー大きいライブラリーが産生される可能性がある。さ らにライブラリーの構築、ペプチドの発現およにスクリーニングは完全に細胞フ リーのフォーマットで行われる。 この方法の一つの応用(Gallopら、J.Med.Chem.37(9):1233-1251,1994)で は、1012のデカペプチドをコードする分子DNAライブラリーを構築し、このライ ブラリーを転写/翻訳系をインビトロカップリングした大腸菌S30で発現させた 。条件をリボゾームがmRNA上で停止するように選択したところ、ポリゾーム中に おけるRNAの実質的な量が蓄積し、それらをコードするRNAにまだ連結している新 生ペプチドを含有する複合体が生成した。ポリゾームはより慣用される組換えペ プチドディスプレーライブラリーのスクリーニングとほぼ同じ方法で固定化受容 体上で親和性精製するのに十分強固である。結合した複合体からRNAを回収し、c DNAに変換し、PCRにより増幅して次のラウンドの合成およびスクリーニングのた めの鋳型を製造する。ポリゾームディスプレー法は、ファージディスプレー系に カッ プリングさせることができる。数ラウンドのスクリーニング後に、ポリゾームの 濃縮されたプールからのcDNAをファージミドベクターにクローン化した。このベ クターは、コートタンパク質に融合したペプチドを表示するペプチド発現ベクタ ー、およびペプチド同定のためのDNAスクリーニングベクターの両方として作用 する。ポリゾーム由来のペプチドをファージ上で発現させることによって、この フォーマットでの親和性選択操作を継続するかまたは個々のクローン上のペプチ ドのファージELISAでの結合活性もしくは完全ファージELISAでの結合特異性をア ッセイすることができる(Barretら、Anal.Biochem.204:357-364,1992)。活性 ペプチドの配列の同定のためにはファージミド宿主によって産生されたDNAの配 列を決定する。ポリペプチドおよび類縁体の二次スクリーニング 上述の高度のスループットアッセイに続いて生物活性をさらに同定するため、 本技術分野の熟練者にたとえばアゴニストとアンタゴニストの識別を可能にする 二次スクリーニングを実施できる。使用される二次スクリーニングの種類は、試 験の必要がある所望の活性に依存する。たとえば、関連のあるタンパク質とその それぞれのリガンドの間の相互作用を阻害する能力を上述の一次スクリーニング の一つにより単離されたペプチドフラグメント群からのアンタゴニストの同定に 使用するアッセイを開発することができる。 すなわち、フラグメントおよび類縁体を発生させて、それらの活性を試験する 方法は本技術分野において周知である。関連のあるコア配列がいったん同定され れば、類縁体およびフラグメントを取得することは本技術分野の熟練者にとって は定常的な作業である。H .pyloriポリペプチドのペプチド模倣体 本発明はまた、主題のH.pyloriポリペプチドのタンパク質結合ドメインを減 少させるための模倣体たとえばペプチドまたは非ペプチド剤の産生 に関する。ペプチド模倣体はポリペプチドのそのカウンターリガンドに対する結 合、たとえばH.pyloriポリペプチドの場合の天然に存在するリガンドに対する 結合を分裂させることができる。ポリペプチドの分子認識に関与する主題のH.p yloriポリペプチドの重要な残基を決定して、H.pyloriポリペプチドの相互作用 ポリペプチドとの結合を競合的にまたは非競合的に阻害するH.pylori由来のペ プチド模倣体の産生に使用することができる(たとえば欧州特許出願EP-412,762A およびEP-B-31,080A参照)。 たとえば、走査突然変異誘発は相互作用ポリペプチドの結合に関与する特定の H.pyloriポリペプチドのアミノ酸残基のマッピングに使用することが可能であ り、相互作用ポリペプチドへの結合におけるそれらの残基を模倣し、したがって H.pyloriポリペプチドの結合を阻止し、それによりH.pyloriポリペプチドの機 能を妨害するペプチド模倣化合物(たとえば、ジアゼピンまたはイソキノリン誘 導体)を産生させることができる。たとえば、このような残基の非加水分解性ペ プチド類縁体は、ベンゾジアゼピン(たとえばFreidingerら、in Peptide Chemi stry and Biology,G.R.Marshall編,ESCOM Publisher:Leiden,Netherlands, 1988参照)、アゼピン(たとえば、Huffmanら、in Peptide Chemistry and Biolo gy,G.R.Marshall編,ESCOM Publisher:Leiden,Netherlands,1988参照)、置 換されたγ−ラクタム環(Garveyら、in Peptide Chemistry and Biology,G.R .Marshall編,ESCOM Publisher:Leiden,Netherlands,1988参照)、ケトメチ レン擬ペプチド(Ewensonら、J.Med.Chem.29:295,1986;Ewensonら、in Pepti des:Structure & Function(Proceedings of the 9th American Peptide Sympos ium)Pierce Chemical Co.Rockland,IL,1985)、β−ターンジペプチドコア(N agaiら、Tetrahedron Lett.26:647,1985;Satoら、J.Chem.Soc.Perkin Tran s.1:1231,1986)、およびβ−アミノアルコール(Gordonら、Biochem.Biophys .Res.Commun.126:419,1985;およびDannら、Biochem.Biophys.Res.Comm un.134:71, 1986)を用いて産生させることができる。 VI.H .pylori核酸およびポリペプチドのワクチン処方 本発明はまた、H.pylori感染に対する保護およびH.pylori感染の処置のため のワクチン組成物および処方(本明細書では交換可能に用いられる)を特徴とする 。本明細書で用いられる「H.pylori感染の処置」の語は、存在するまたは確立 されたH.pylori感染の処置を意味する。「H.pylori感染に対する保護」または 「予防的処置」の語は、H.pylori感染の危険がある患者における危険の低減ま たは感染の予防のためのH.pyloriワクチン処方の使用を意味する。一実施態様に おいては、ワクチン組成物は1種または2種以上の免疫原性成分たとえばH.pyl oriからの表面タンパク質またはその部分、および医薬的に許容される担体を含 有する。たとえば、一実施態様においては、本発明のワクチン処方は、同種また は異種H.pylori抗原からのH.pyloriポリペプチドまたはそのフラグメントの少 なくとも1種または組合せを含有する。本発明のワクチン処方に使用するための 核酸およびH.pyloriポリペプチドには、配列表に掲げた核酸およびポリペプチ ド、好ましくは表面タンパク質をコードするH.pylori核酸、および表面タンパ ク質またはそのフラグメントが包含される。たとえば、本発明のワクチン組成物 中に使用される好ましい核酸およびH.pyloriポリペプチドは、表1に掲げた細 胞エンベロープタンパク質をコードする核酸およびH.pylori細胞エンベロープ タンパク質の群から選択される。しかしながら、本発明においては、免疫原性H .pyloriタンパク質およびH.pyloriポリペプチドをコードする任意の核酸また はその部分が使用できる。これらのワクチンは治療的および/または予防的有用 性を有する。 本発明の一態様は、H.pyloriタンパク質の免疫原性フラグメント少なくとも 1種と医薬的に許容される担体を含有する、H.pylori感染に対する保護用ワク チン組成物を提供する。好ましいフラグメントには、少なくとも長さ約10アミノ 酸残基、好ましくは長さ約10〜20アミノ酸残基、さら に好ましくは長さ約12〜16アミノ酸残基のペプチドが包含される。 本発明の免疫原性成分は、たとえば完全長のH.pyloriタンパク質をコードす る核酸の相当するフラグメントから組換えによって産生されたポリペプチドをス クリーニングすることによって得られる。さらに、フラグメントはたとえば慣用 のMerrifieldの固相f-Mocまたはt-Moc化学のような本技術分野で周知の技術を用 いて化学的に合成することもできる。 一実施態様においては、免疫原性成分は、T細胞を刺激するペプチドの能力に よって同定される。たとえばT細胞増殖またはサイトカイン分泌によって測定さ れるT細胞刺激ペプチドは、本明細書においては、少なくとも1個のT細胞エピ トープからなると定義される。T細胞エピトープはアレルギーの臨床症状に関連 するタンパク質アレルゲンに対する免疫応答の開始および持続に関与するものと 考えられる。これらのT細胞エピトープは抗原提示細胞の表面上の適当なHLA分 子に結合することによりTヘルパー細胞のレベルにおける初期現象を誘発し、そ れによってエピトープの関連T細胞受容体をもつT細胞亜集団を刺激するものと 思われる。これらの現象は、T細胞の増殖、リンホカインの分泌、局所炎症反応 、抗原/T細胞相互作用部位への付加的免疫細胞の供給、および抗体の産生を導 くB細胞カスケードの活性化を招来する。T細胞エピトープは基本的要素もしく はT細胞受容体による認識の最小単位であり、この場合、エピトープは受容体認 識に必須のアミノ酸(たとえば、約6または7アミノ酸残基)からなる。T細胞 エピトープの配列を模倣するアミノ酸配列は本発明の範囲内に包含される。 他の実施態様においては、本発明の免疫原性成分はゲノムワクチンの接種によ り同定される。この基本的なプロトコールは、病原性ゲノムたとえばH.pylori ゲノムのすべてまたは部分から構成される発現ライブラリーを宿主を遺伝的に免 疫するに用いた場合には保護を付与できるという考え方に基づいている。この発 現ライブラリー免疫処置(ELI)は発現クローニ ングに類似し、遺伝子ワクチンとして作用できるプラスミドへ、病原体たとえば H.pyloriのゲノム発現ライブラリーを減数させるのに関与する。プラスミドは また、体液性反応を劇的に刺激できる遺伝子アジュバントをコードするように設 計することもできる。これらの遺伝子アジュバントは離れた部位への導入が可能 で、細胞外にも細胞内にも作用する。 これは、感染の危険のない生存/弱毒化病原体の多くの利点を有するワクチン 製造への新しいアプローチである。病原体DNAの発現ライブラリーを用いて宿主 を免疫し、それにより危険のない生存ワクチンの抗原提示作用を産生させる。た とえば本発明においては、H.pyloriゲノムまたはコスミドもしくはプラスミド クローンからのランダムフラグメント、ならびにゲノム配列決定によって同定さ れた遺伝子からのPCR産物が宿主の免疫に使用できる。このアプローチの実行可 能性は、Mycoplasma pulmonisで照明されていて(Barryら、Nature 377:632-635 ,1995)、齧歯類動物の天然病原体であるMycoplasma pulmonisの部分発現ライ ブラリーでも、その病原体からのチャレンジに対する保護を提供した。 ELIは、病原体の生物学についてほとんど分かっていなくても、ELIは候補遺伝 子をスクリーニングするため免疫系を用いることから、非感染性多重部分ワクチ ンの製造を可能にする技術である。いったん単離されれば、これらの遺伝子は遺 伝子ワクチンとしてまたは組換えタンパク質ワクチンの開発に用いることができ る。すなわち、ELIは系統的な著しく機械化された様式でのワクチンの製造を可 能にする。 免疫原性成分のスクリーニングは数種の異なるアッセイの1種または2種以上 を用いて達成できる。たとえば、インビトロにおいて、免疫原性が既知のまたは それが疑われるペプチドを、T細胞培養液中で適当なMHC分子を提供する抗原提 示細胞と接触させることによってペプチドのT細胞刺激活性をアッセイする。必 要な共刺激とともにMHC分子に会合した免疫原性H.pyloriペプチドのT細胞への 提示は、T細胞にサイトカインとくに インターロイキン−2およびインターロイキン−4の産生レベルの上昇を誘導す るシグナルを伝達する作用をもつ。培養上清を得て、インターロイキン−2およ び他の既知のサイトカインをアッセイする。たとえばインターロイキン−2の数 種の慣用アッセイの任意の1種を使用することができる。このようなアッセイは Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:1333,1989に記載されている。その関連部分は 引用により本明細書に導入される。インターフェロン産生のためのアッセイのキ ットもGenzyme Corporation(Cambridge,MA)から入手できる。 別法として、T細胞の増殖の一般的なアッセイには、トリチウム化チミジンの 取り込みの測定が包含される。T細胞の増殖はインビトロにおいて、培養細胞の 複製DNAに取り込まれた3H−標識チミジンの量を定量することにより測定するこ とができる。したがって、DNA合成の速度、さらには細胞の分裂速度も定量化す ることができる。 1種または2種以上の免疫原生成分(H.pyloriポリペプチドもしくはそのフ ラグメントまたはH.pyloriポリペプチドをコードする核酸もしくはそのフラグ メント)を含有する本発明のワクチン組成物または処方物には、好ましくは製薬 上許容される担体を包含する。「製薬上許容される担体」の語は、医薬投与と適 合性の、任意のすべての溶媒、分散媒、コーティング、抗細菌および抗かび剤、 等張化剤および吸収遅延剤等を包含するものである。適当な製薬上許容される担 体には、たとえば水、食塩水、リン酸緩衝食塩水、デキストロース、グリセロー ル、エタノール等、ならびにそれらの混合物が包含される。製薬上許容される担 体はさらに、H.pylori核酸またはポリペプチドの貯蔵寿命または有効性を高め る少量の補助物質、たとえば湿潤剤もしくは乳化剤、防腐剤または緩衝剤を包含 してもよい。H.pyloriポリペプチドを含有する本発明のワクチン処方では、ポ リペプチドは本明細書に記載の適当なアジュバントおよび/または送達系と共投 与することが好ましい。 本技術分野の熟練者には自明のように、本発明のDNAまたはタンパク質の治療 有効量はとくに、投与スケジュール、投与されるH.pylori核酸もしくはポリペ プチドの単位用量、タンパク質または核酸が他の治療剤と組み合わせて投与され るかどうか、患者の免疫状態および健康、ならびに特定のタンパク質または核酸 の治療活性に依存する。 ワクチン処方物は通常非経口的に、たとえば注射により皮下または筋肉内に投 与する。筋肉内免疫処置の方法はWolffら、Science 247:1465-1468,1990およ びSedegahら、Immunology 91:9866-9870,1994に記載されている。他の投与様式 には経口および経肺処方、坐剤、および経皮的適用が包含される。H.pylori感 染に対する保護を誘導するためには、経口免疫法が非経口法よりも好ましい(Czi nnら、Vaccine 11:637-642,1993)。経口処方にはたとえば通常用いられる賦形 剤、たとえば医薬用のマンニトール、ラクトース、でんぷん、ステアリン酸マグ ネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、炭酸マグネシウム等が包含され る。 一実施態様においてはワクチン処方には製薬上許容される担体としてアジュバ ントが包含される。本発明のワクチン処方物における使用に適当なアジュバント の例には、それらに限定されるものではないが、水酸化アルミニウム;N−アセ チル-ムラミル−L−スレオニル−D−イソグルタミン(thr-MDP);N−アセチ ル−nor−ムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミン(CGP11637、nor-MDPと も呼ばれる);N−アセチルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミニル− L−アラニン−2−(1',2'−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ヒドロキシホ スホリルオキシ)−エチルアミン(CGP19835A、MTP-PEとも呼ばれる);細菌からの 3種の成分を含有するRIBI;モノホスホリルリピドA;トレハロースジミコロエ ート;2%スクアレン/Tween 80エマルジョン中細胞壁骨格(MPL+TDM+CWS); およびコレラトキシンが包含される。他にもそのBサブユニットを含むコレラト キシンの非毒性誘導体、および/またはH.pyloriポリペプチドとコレ ラトキシンまたはそのBサブユニットの接合体もしくは遺伝子操作融合体、プロ コレラゲノイド、かびの多糖たとえばシゾフィラン、ムラミルジペプチド、ムラ ミルジペプチド誘導体、ホルボールエステル、大腸菌の不安定なトキシン、非H. pylori細菌の溶解物、ブロックポリマーまたはサポニンも使用できる。 他の実施態様においては、本発明の処方物は、製薬上許容される担体としてデ リバリー系を包含する。本発明のワクチン処方物における使用に適当なデリバリ ー系には、生物分解性マイクロカプセルまたは免疫刺激複合体(ISOCOM)、コキ レート、またはリポソーム、遺伝子操作によって弱毒化された生存ベクターたと えばウイルスまたは細菌、および組換え(キメラ)ウイルス様粒子たとえばブル ータングが包含される。本発明の別の態様では、ワクチン処方はデリバリー系と アジュバントを共に包含する。 ヒトにおけるデリバリー系には胃の酸性環境から抗原を保護し、H.pyloriを 不溶性の融合タンパク質として含有する腸放出性カプセルも包含される。本発明 のワクチンに適当な担体は腸溶カプセルおよびポリラクチド−グリコリドマイク ロスフェアである。適当な希釈剤は0.2N NaHCO3および/または食塩水である。 本発明のワクチンは、成人または小児に一次予防剤として、感染宿主における H.pyloriの撲滅の成功後の二次的防止として、またはH.pyloriによる感染の防 止のため疑わしい宿主に免疫応答を誘導する目的での治療剤として投与すること ができる。本発明のワクチンは本技術分野の熟練者により容易に決定される量を 投与される。すなわち成人の適当な投与量は10μg〜10g、好ましくは10μg〜10 0mg、たとえば50μg〜50mgの範囲である。成人における適当な投与量はまた、5 μg〜500mgの範囲である。同様の投与量が小児にも適用される。 使用されるアジュバントの量は、用いられるアジュバントの種類に依存する。 たとえば、粘液アジュバントがコレラトキシンである場合には、5μg〜50μgの 量たとえば10μg〜35μgが適切に使用される。マイクロカプセルの形態で使用さ れる場合には、その量はマイクロカプセルのマトリックス中に所望の投与量を達 成するために用いられる量に依存する。この量の決定は本技術分野の通常の熟練 者の技術の範囲内にある。 本技術分野の熟練者には自明のように、至適用量は、多かれ少なかれ患者の体 重、疾患、投与経路、および他の因子に依存する。同じく本技術分野の熟練者に は自明のように、適当な投与量レベルは、たとえば大腸菌溶解物に基づく既知の 経口ワクチン(1日6mg計540mgまで)の結果およびエンテロトキシン産生性大腸 菌精製抗原(1mg4用量)に基づいて得ることができる(Schulmanら、J.Urol. 150:917-921,1993;Boedeckerら、American Gastroenterology Assoc.999:A-22 2,1993)。投与の回数は疾患、処方および臨床試験からの有効性データに依存す ることになる。処置の過程に関して何らかの限定を意図するものではないが、処 置は一次免疫処置スケジュールにおいては1カ月にわたり3〜8用量以上を投与 することができる。 好ましい実施態様においては、本発明のワクチン組成物は死滅した全大腸菌プ レパレーションとその表面に発現された本発明のH.pylori免疫原性フラグメン トに基づくか、または死滅大腸菌が担体またはアジュバントとして働く大腸菌の 溶解物をベースとすることができる。 本技術分野の熟練者には自明であるように、本発明のワクチン組成物の一部は H.pylori感染の防止にのみ有用であり、一部はH.pylori感染の処置にのみ有用 であり、そして一部はH.pylori感染の防止および処置の両方に有用である。好 ましい実施態様においては、本発明のワクチン組成物は、H.pyloriに対する体 液性免疫および/または細胞性免疫を刺激することによってH.pylori感染に対 する保護を提供する。H.pylori感染の何 らかの症状の改善が、H.pyloriにより生じる疾患の処置に用いられる医薬の投 与量の低減または患者の血清または粘膜における抗体の産生の増大を含めて、所 望の臨床的ゴールであることを理解すべきである。 VII.H .pyloriポリペプチドと反応性の抗体 本発明はまた、主題のH.pyloriポリペプチドと特異的に反応する抗体も包含 する。抗タンパク質/抗ペプチド抗血清またはモノクローナル抗体は、標準プロ トコールに従って作成することができる(たとえば、Antibodies:A LaboratoryM anual,Harlow & Lane編,Cold Spring Harbor Press,1988参照)。哺乳動物た とえばマウス、ハムスターまたはウサギは免疫原性型のペプチドにより免疫処置 することができる。タンパク質またはペプチドに免疫原性を付与する技術には担 体への接合または本技術分野でよく知られた他の技術が包含される。主題のH.p yloriポリペプチドの免疫原性部分はアジュバントの存在下に投与できる。免疫 処置の過程は、血漿または血清中の抗体力価の検出によりモニターすることがで きる。標準ELISAまたは他のイムノアッセイが、抗原としての免疫原とともに抗 体レベルの評価に使用できる。 好ましい実施態様においては、本発明の抗体は本発明のH.pyloriポリペプチ ドの抗原決定基、たとえば配列表に含まれる本発明のポリペプチドの抗原決定基 または密接に関連するヒトまたは非ヒト哺乳動物ホモローグ(たとえば、90%相 同、さらに好ましくは少なくとも95%相同)である。さらに好ましい本発明の実 施態様においては、抗−H.pylori抗体は、たとえば配列表に含まれる本発明の 配列と80%以下の相同性を示すタンパク質とは実質的に交叉反応(すなわち、特 異的な反応)はしない。「実質的に交叉反応しない」とは、抗体が配列表に含ま れる本発明のタンパク質に対する結合親和性の10%未満、より好ましくは5%未 満、さらに好ましくは1%未満の結合親和性を非相同タンパク質に対して有する ことを意味する。最も好ましい実施態様においては、細菌および哺乳動物抗原の 間には 交叉反応はない。 本明細書において使用される抗体の語には、H.pyloriポリペプチドと特異的 に反応するそのフラグメントも包含する意図である。抗体は慣用の技術を用いて フラグメント化し、全抗体について上述したのと同じ方法で有用性をスクリーニ ングすることができる。たとえば、F(ab')2フラグメントは抗体をペプシンで処 理することによって発生させることができる。得られたF(ab')2フラグメントは ジスルフィド橋が減るように処置してFab'フラグメントを産生させることができ る。本発明の抗体にはさらに抗−H.pylori部分を有する二重特異性またはキメ ラ分子を包含する意図である。 H.pyloriポリペプチドまたはH.pyloriポリペプチド変異体に対して向けられ たモノクローナルおよびポリクローナル抗体(Ab)の両方ならびに抗体フラグメ ントたとえばFab'およびF(ab')2は、H.pyloriポリペプチドの作用を遮断して、 本発明の特定のH.pyloriポリペプチドの異常なまたは望ましくない細胞間シグ ナリングならびにH.pyloriの正常細胞機能における役割を本発明の抗−H.pylo riポリペプチド抗体のマイクロインジェクションにより研究可能にするために使 用することができる。 H.pyloriエピトープを特異的に結合できる抗体は、H.pylori抗原の発現の量 およびパターンを評価するための組織サンプルの免疫組織化学的染色にも使用す ることができる。抗H.pyloriポリペプチド抗体は臨床試験操作の一部として組 織または体液中のH.pyloriレベルの検出および評価のための免疫沈殿および免 疫ブロッティングにおいて診断的に使用できる。同様に、個体におけるH.pylor iポリペプチドレベルをモニターすることが可能であると、このような疾患に冒 されている個体のための所定の処置方法の有効性を決定可能にする。H.pylori ポリペプチドのレベルは体液たとえば尿サンプル中に見出される細胞中で、また はたとえば胃のバイオプシーにより得られる組織中で測定することがでできる。 抗−H.pylori 抗体を用いる診断アッセイには、たとえばH.pylori感染の早期診断に助するよ うに設計されるイムノアッセイが包含される。本発明はまた、特異的なH.pylor i抗原を用いてこの細菌に感染した個体からのサンプル中に含まれる抗体の検出 方法として使用できる。 本発明の抗−H.pylori抗体の他の適用には、発現ベクター、たとえばλgt11 、λgt18-23、λZAP、およびλORF8中に構築されたcDNAライブラリーの免疫学的 スクリーニングにおける適用がある。正しいリーディングフレームおよび方向性 で挿入されたコード配列を有するこのタイプのメッセンジャーライブラリーは融 合タンパク質を産生できる。たとえば、λgt11はアミノ末端がβ−ガラクトシダ ーゼアミノ酸配列から構成され、カルボキシ末端が異種ポリペプチドから構成さ れる融合タンパク質を産生することになる。本発明のH.pyloriポリペプチドの 抗原性エピトープはついで、たとえば抗−H.pyloriポリペプチド抗体感染プレ ートからリフトした反応性ニトロセルロースフィルターとしての抗体で検出する ことができる。すなわち、このアッセイにより評点されたファージを次に感染プ レートから分離するこどかできる。H.pylori遺伝子類縁体の存在は他の種から 検出し、クローン化することが可能であり、また他のアイソフォーム(スプライ シング変異体を含む)の検出およびクローン化が可能である。 VIII.本発明の核酸、ポリペプチドまたは抗体を含有するキット 本発明の核酸、ポリペプチドおよび抗体は他の試薬および用具と合わせてキッ トを形成させることができる。診断目的のキットは通常、バイアルまたは適当な 容器中の核酸、ポリペプチドまたは抗体を含む。キットは通常、ハイブリダイゼ ーション反応、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を実施するための他の試薬または水 性メジウム、塩、緩衝液等のような凍結乾燥成分の再構築のための試薬を含む。 キットはまた、サンプル処理のための試薬たとえば洗浄剤、カオトロピック塩等 の試薬も含む。キットはまたたとえば粒子、支持体、ウエル、ディップスティッ ク等の固定化手段。キット はまた、標識手段たとえば染料、発色試薬、放射性同位元素、蛍光剤、ルミネッ センスまたは化学ルミネッセンス剤、酵素、挿入剤も含んでよい。本明細書にお いて提供される核酸およびアミノ酸配列情報により、本技術分野の熟練者は、特 定の目的に有用なキットを容易に組み立てることができる。キットにはさらに使 用のための説明書を包含させることができる。 IX.H .pyloriポリペプチドを用いる薬剤のスクリーニングアッセイ 精製および組換えH.pyloriポリペプチドを利用することにより、本発明は、 この場合は本発明のH.pyloriポリペプチドの正常な細胞機能、またはそれらの 細胞間シグナリングにおける役割のアゴニストまたはアンタゴニストのいずれか である薬剤のスクリーニングに使用することができるアッセイを提供する。この ようなインヒビターまたはポテンシエーターはヒトにおけるH.pylori感染に対 抗する新たな治療剤として有用である。様々なアッセイフォーマットが満足され 、本発明を考慮すれば、本技術分野の熟練者により理解されるものと考えられる 。 化合物および天然抽出物のライブラリーを試験する多くの薬剤スクリーニング プログラムにおいては、与えられた期間に検索される化合物数を最大にするため に、高度のスループットアッセイが望ましい。たとえば、精製または半精製タン パク質に由来する細胞フリーシステムで実施されるアッセイが、試験化合物によ り仲介される分子標的の変化の迅速な展開および比較的容易な検出を可能にさせ うる点で「一次」スクリーンとして好ましい。さらに、試験化合物の細胞毒性お よび/または生物学的利用能の効果は一般にィンビトロシステムでは無視するこ とが可能で、一方、アッセイは、他のタンパク質との結合親和性の変動または分 子標的の酵素的性質における変化に表れるような分子標的に対する薬剤の効果に 対してもっぱら集中されることになる。したがって、本発明の例示的スクリーニ ングアッセイでは、関係する化合物を単離精製されたH.pyloriポリペプチドと 接触させる。 スクリーニングアッセイは、精製H.pyloriポリペプチドまたはそのフラグメ ント、たとえばそのポリペプチドの活性が検出可能な反応生成物を産生するよう な酵素活性を有するH.pyloriポリペプチドを用いてインビトロで構築される。 化合物の有効性は様々な濃度の試験化合物を用いて得られるデータから用量反応 曲線を発生させることにより評価できる。さらに、比較のためのベースラインを 提供するためにコントロールアッセイも実施できる。適当な生成物にはたとえば 検出の自動化が容易な、独特の吸収、蛍光、または化学ルミネッセンス性をもつ 化合物が包含される。様々な合成または天然に存在する化合物は、H.pyloriポ リペプチドの活性を阻害または増強する化合物を同定するアッセイによって試験 することができる。これらの活性な化合物の一部はまた、そのまままたは膜透過 性または溶解性を増大させる化学的変化を行ったのち、丸ごと生存H.pylori細 胞において同じ活性(たとえば酵素活性)を阻害または増強する。 本発明は以下の非限定的実施例によってさらに詳細に説明する。本出願を通じ て引用されたすべての参考文献および公開された特許出願の内容は、引用により 本明細書に組こまれる。 実施例 I.H .pylori DNAのクローニングおよび配列決定 H.pylori染色体DNAはSchleif R.F.& Wensink P.C.,Practical Methodsin M olecular Biology,p.98,Springer-Verlag,NY,1981に略述された基本的DNAプ ロトコールに従いそれをわずかに改変して単離した。簡略に述べれば、細胞をペ レット化し、TE(10mM Tris,1mM EDTA,pH7.6)に再懸濁し、ついでGES溶解緩 衝液(5.1Mグアニジウムチオシアナート、0.1 MEDTA,pH8.0,0.5%N−ラウリ ルザルコシン)を添加した。懸濁液を冷却し、酢酸アンモニア(NH4Ac)を終濃度 2.0Mになるように加えた。DNAを最初はクロロホルム、ついでフェノール−クロ ロホルムで抽出し、クロロホルムで再抽出した。DNAをイソプロパノールで沈殿 させ、2 回70%EtOHで洗浄し、乾燥してTEに再懸濁した。 全ゲノムH.pylori DNAを単離したのち、平均サイズ2000bpに噴霧した(Bodent eichら、Automated DNA Sequencing and Analysis(J.C.Venter,ed.),Academi c Press,1994)。噴霧後、DNAを濃縮して、標準1%アガロースゲル上で分離し た。サイズ約900〜1300bp、1300〜1700bp、1700〜2200bp、2200〜2700bpに相当 する数個の分画をゲルから切り取り、GeneClean操作によって精製した(Bio101 ,Inc.)。 精製したDNAフラグメントをついでT4DNAポリメラーゼを用いブラント末端とし た。充填したDNAをついで100〜1000倍モル過剰のユニークなBst XI−リンカーア ダプターにライゲートした。これらのリンカーはBst XI−切断pMPXベクターに相 補性で、オーバーハングは自己相補性ではない。したがって、リンカーはコンカ テメライズせず、切断ベクターはそれ自身容易にはリライゲートすることはない 。リンカー採用挿入体を1%アガロースゲル上で組みこまれていないリンカーか ら分離し、GeneC1eanを用いて精製した。リンカー採用挿入体はついで、各20 pM PXベクターにライゲートして、一連の「ショットガン」サブクローンライブラリ ーを構築した。ベクターはクローニング部位にアウトオブフレームlacZ遺伝子 を含んでいて、これはアダプターダイマーがクローン化されるとインフレームに なり、これらはその青色により回避される。 以後のすべての工程はChurch G.M.& Kieffer-Higginss.,Science 240:185- 188,1988に略述された多重DNA配列決定プロトコールに基づいた。このプロトコ ールの大きな改変のみを強調する。簡略に述べれば、ついで20ベクターのそれぞ れを、DH5αコンピーテント細胞にトランスフォームした(Gibco/BRL,DH5αト ランスフォーメーションプロトコール)。このライブラリーを、アンピシリン、 メチシリンおよびIPTG/Xgal含有抗生物質プレート上におけるプレーティングに よって評価した。プレートは37℃で一夜インキュベートした。成功したトランス フォーマントはついで、 クローンのプレーティングおよび多重プールへの収集に使用した。クローンを採 取し、40mlの増殖培養培地中にプールした。培養体を37℃で一夜増殖させた。DN AはQiagen Midi-prepキットおよびTip-100カラム(Qiagen,Inc.)を用いて精製し た。この方法で各プールあたり100μgのDNAが得られた。15個の96−ウエルプレ ートのDNAが発生し、読みの平均長250〜300塩基と推定される5〜10倍の配列重剰 が得られた。 これらの精製DNAサンプルはついで、化学分解法(Church G.M.& Kieffer-Hig ginss.,Science 240:185-188,1988)に基づく多重DNA配列決定、またはSequit hrem(Epicenter Technologies)ジデオキシ配列決定プロトコールにより配列を 決定した。配列決定反応物を電気泳動に付し、40cmゲルから直接移送電気泳動( Richterich P.& Church G.M.,Methods in Enzymology 218:187-222,1993)ま たはエレクトロブロッティング(Church、前出)によりナイロン膜に移した。各 ゲルあたり24個のサンプルを流した。成功した45個の膜は化学配列決定により、 8個はジデオキシ配列決定によって生成させた。DNAを紫外線に露出して膜に共 有結合させ、ベクター上のタグ配列に相補性の標識オリゴヌクレオチドにハイブ リダイズさせた(Church、前出)。膜を非特異的に結合したプローブを洗い落と すために洗浄し、個々の配列ラダーを可視化するためにX線フィルムに露出した 。オートラジオグラフィー後、ハイブリダイズしたプローブを65℃でインキュベ ートして除去し、他のタグ配列とともに、化学配列決定膜の場合には38回、ジデ オキシ配列決定膜の場合には10回、膜がプローブされるまでハイブリダイゼーシ ョンサイクルを反復した。すなわち、各ゲルから多数のフィルムが生成し、それ ぞれが新たな配列情報を含んでいた。新たなブロットを処理する場合は常に、プ ールのそれぞれに添加した内部標準配列を最初にプローブした。 フィルムのデジタルイメージを、レーザー走査デンシトメーター(Molecular Dynamics,Sunnyvale,CA)を用いて発生させた。デジタルイ メージはプログラムREPLICA(登録商標;Churchら、Automated DNA Sequencing and Analysis(J.C.Venter,ed.),Academic Press,1994)を使用して、コンピ ューターワークステーション(VaxStation 4000's)でプロセッシングした。イメ ージプロセッシングには、レーンの直線化、強度差を平滑化するためにコントラ スト調整および反復ガウスの脱畳み込みによる分解能の上昇が包含された。つい で配列を自動的にREPLICA(登録商標)に取り込み、プロジェクトデータベースに 保存する前に相互作用校正のために表示した。校正は、フィルムイメージの迅速 な可視走査、ついでベースコールを修飾するために表示イメージのバンド上でマ ウスのクリックによって行った。ゲノムDNAの同じ部分をカバーする多重配列の 読みが編集に適当な配列重剰を提供するので、多くの配列エラーが検出され補正 された。各配列には自動的に同定番号(マイクロタイタープレート、プローブ情 報、およびレーンセット番号に相当)が付された。この番号は配列の永久的同定 番号として役立つので、任意の特定の配列の起源は特殊化されたデータベースに 頼ることなく常に同定が可能である。 H.pylori配列の定常的な組立てはプログラムFALCON(Churchら、Automated DN A Sequencing and Analysis(J.C.Venter,ed.),Academic Press,1994)を用い 実施した。このプログラムは、大部分の配列について迅速で信頼性のあることが 証明されている。組立てられたコンティグはREPLICA(登録商標)と相互作用す るGenetics Computer Group(GCG,Devereuxら、Nucleic Acids Res.12:387-95 ,1984)によって開発されたGelAssembleの改良バージョンを使用して表示した。 これは多重配列ゲルイメージをREPLICA(登録商標)データベースから即座に呼出 すこと、ならびにコンティグの迅速な走査およびアッセンブリーにおける異なる 配列の読みの間に不一致が生じた場合のゲルトレースの校正を可能にする統合的 編集機能を提供する。 II.組換えH.pylori DNA配列の同定、クローニングおよび発現 H.pyloriからの膜および分泌タンパク質のクローニング、発現および精製を 容易にするために、強力な遺伝子発現システムである大腸菌における組換えタン パク質のクローニングおよび発現のためのpETシステム(Novagen)を選択した。 ペプチドタグ、His-TagをコードするDNA配列も組換えタンパク質産物の精製を容 易にするために関係するDNA配列の3'末端に融合させた。5'末端シグナル配列の 変化を回避するために、融合には3'末端を選択した。上述の例外としたppiBは 、発現研究における対照として使用するためにクローン化した遺伝子である。こ の研究では、H.pylori ppiBの配列は、この遺伝子のタンパク質産物がシグナ ル配列を含まず、細胞質ゾルタンパク質として発現することから、完全長遺伝子 の5'末端に融合したHis-TagをコードするDNA配列を含有する。 ヘリコバクター・ピロリのJ99株からの膜および分泌タンパク質のORFを含むDNA 配列のPCR増幅およびクローニング H.pyloriのJ99株から(本発明のDNA配列表から)クローニングのために選択さ れた配列をポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によるクローニング増幅のために準備し た。オープン・リーディング・フレーム(ORF)の5'および3'末端に特異的な合成 オリゴヌクレオチドプライマー(表3)を設計し、購入した(Gibco BRL Life T echnologies,Gaithersburg,MD,USA)。すべての順行性プライマー(配列の5' 末端に特異的)はNdeIを用いたHpSeq.4821082を除き5'末端の最端にNcoIクロ ーニング部位が含まれるように設計した。これらのプライマーは、バリン残基お よびネイティブなH.pyloriのDNA配列の残部のコード配列の前のメチオニン残基 においてタンパク質翻訳の開始が可能なように設計された。例外はイニシエータ ーのメチオニンの後に直ちにネイティブH.pylori DNA配列の残部が続くH.pylo ri配列4821082である。すべての逆行性プライマー(H.pyloriのORFの3'末端に特 異的)は、各H.pylori配列のpET-28bのリーディング・フレームへのクローニン グを可能にするEcoRI部位を5'末端の最端に包含した。 pET-28bベクターは、His-Tagからなる6個のヒスチジン残基(C末端の最端)を 含む付加的な20個のカルボキシ末端アミノ酸(HpSeq.26380318およびHpSeq.1464 0637中の19アミノ酸のみ)をコードする配列を提供する。上記の例外は上述のよ うに、ppiB遺伝子のベクター構築である。ppiB遺伝子の5'末端に特異的な合成 オリゴヌクレオチドプライマーは5'末端の最端にBamHI部位を、ppiB遺伝子の3 '末端に特異的なプライマーはその5'末端の最端にXhoI部位をコードさせた。表3 H.pylori DNA配列のPCR増幅に使用したオリゴヌクレオチドプライマー H.pyloriのJ99株から調製されたゲノムDNA(ATCC #55679;Genome Therapeut ics Corporation,100 Beaver Street,Waltham,MA 02154によって寄託)をPCR 増幅反応(Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley andSons,In c.,F.Ausubelら、ed.,1994)のためのDNA鋳型の起源として使用した。H.pyl ori ORFを含有するDNA配列を増幅するためには、ゲノムDNA(50ng)を、2mM MgC l2、所定のH.pylori ORFに相補性で隣接する合成オリゴヌクレオチドプライマ ー(順行および逆行プライマー)1μM、各デオキシヌクレオチドトリホスフェー ト:dATP、dGTP、dCTP、dTTP 0.2mM、ならびに2.5単位の熱安定性のDNAポリメラ ーゼ(Amplitaq,Roche Molecular Systems,Inc.,Branchburg,NJ,USA)を終 容量100μl中に含む反応バイアルに添加した。以下の熱サイクル条件を用いて、 Perkin Elmer Cetus/Gene Amp PCR System 9600熱サイクラーを用い、各ORFに ついて増幅されたDNA産物を得た。 タンパク質26054702、タンパク質7116626、タンパク質29479681、タンパク質3 0100332およびタンパク質4821082; 変性94℃で2分間、 2サイクル、94℃で15秒間、30℃で15秒間および72℃で1.5分間、 23サイクル、94℃で15秒間、55℃で15秒間および72℃で1.5分間、 反応は72℃6分間で終結させた。 タンパク質16225006; 変性94℃で2分間、 25サイクル、95℃で15秒間、55℃で15秒間および72℃で1.5分間、 反応は72℃6分間で終結させた。 タンパク質4721061; 変性94℃で2分間、 2サイクル、94℃で15秒間、36℃で15秒間および72℃で1.5分間、 23サイクル、94℃で15秒間、60℃で15秒間および72℃で1.5分間、 反応は72℃6分間で終結させた。 タンパク質26380318; 変性94℃で2分間、 2サイクル、94℃で15秒間、38℃で15秒間および72℃で1.5分間、 23サイクル、94℃で15秒間、62℃で15秒間および72℃で1.5分間、 反応は72℃6分間で終結させた。 タンパク質14640637; 変性94℃で2分間、 2サイクル、94℃で15秒間、33℃で15秒間および72℃で1.5分間、 30サイクル、94℃で15秒間、55℃で15秒間および72℃で1.5分間、 反応は72℃6分間で終結させた。 H.pylori ppiBの増幅条件; 変性94℃で2分間、 2サイクル、94℃で15秒間、32℃で15秒間および72℃で1.5分間、 25サイクル、94℃で15秒間、56℃で15秒間および72℃で1.5分間、 反応は72℃6分間で終結させた。 熱サイクル反応の完了後に、増幅されたDNAの各サンプルをQiaquick SpinPCR 精製キット(Qiagen,Gaithersburg,MD,USA)を用いて洗浄し精製した。増幅 したDNAサンプルすべてを制限エンドヌクレアーゼNcoIおよびEcoRI(New Engla nd BioLabs,Beverly,MA,USA)またはHpSeq.4821082(SEQ ID NO:1309)の場 合には、NdeIおよびEcoRI(Current Protocols in Molecular Biology,John W iley and Sons,Inc.,Ausubelら、ed.,1994)による消化に付した。DNAサンプ ルはついで1.0%NuSeive(FMC BioProducts,Rockland,ME,USA)アガロースゲ ル上で電気泳動に付した。DNAはエチジウムブロミドへの暴露および長波長UV照 射によって可視化した。アガロースゲルから単離されたスライス中に含有される DNAはBio101 GeneCleanキットプロトコール(Bio 101 Vista,CA,USA)を用い て 精製した。 pET-28b原核細胞発現ベクターへのH.pylori DNA配列のクローニング pET-28bベクターは、NcoIおよびEcoRI、またはH.pyloriタンパク質4821082 の場合はNdeIおよびEcoRI(Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley and Sons,Inc.,F.Ausubelら、ed.,1994)による消化でクローニングの ために調製した。ppiBをクローニングする場合は、挿入された遺伝子の5'末端 に融合できるHis-TagをコードするpET-28aベクターを用いて、ppiB遺伝子によ るクローニングのためのクローニング部位をBamHIおよびXhoI制限エンドヌク レアーゼによる消化によって調製した。 消化後、DNA挿入体を予め消化したpET-28b発現ベクター中にクローン化し(Cu rrent Protocols in Molecular Biology,John Wiley and Sons,Inc.,F.Ausu belら、ed.,1994)、例外としてppiBについて増幅した挿入体はpET-28a発現ベ クター中にクローン化した。ついでライゲーション反応の産物を用いて、以下に 記載のように大腸菌のBL21株をトランスフォームした(Current Protocols in M olecular Biology,John Wiley and Sons,Inc.,Ausubelら、ed.1994)。 組換えプラスミドによるコンピーテントな細菌のトランスフォーメーション コンピーテントな細菌、大腸菌株BL21または大腸菌株BL21(DE3)を、クロー ン化されたH.pylori配列を有する組換えpET発現プラスミドにより、標準方法で トランスフォームした(Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley and Sons,Inc.,Ausubelら、ed.,1994)。略述すれば、1μlのライゲーション 反応物を50μlのエレクトロコンピーテント細胞と混合し、高圧のパルスを負荷 し、ついでサンプルを0.45mlのSOC培地(0.5%酵母エキス、2.0%トリプトン、10 mM NaCl、2.5mM KCl、10mM MgCl2、10mM MgSO4および20mMのグルコース)中、37 ℃で振盪しながら1時 間インキュベートした。サンプルを、ついで25μg/mlの硫酸カナマイシンを含 むLBアガールプレート上に播いて一夜増殖させた。BL21のトランスフォームされ たコロニーを採取し、分析して以下の記載のようにクローン化された挿入体を評 価した。 H.pylori配列を有する組換えpET発現プラスミドの同定 組換えpET-28b-H.pylori ORFでトランスフォームした個々のBL21クローンを 元のPCR増幅クローニング反応に用いたのと同じ各H.pylori配列に特異的な順行 および逆行プライマーを使用して、クローン化された挿入体のPCR増幅によって 分析した。成功した増幅は発現ベクター中におけるH.pylori配列のインテグレ ーションを確認した(Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley a nd Sons,Inc.,Ausubelら、ed.,1994)。 BL21トランスフォーマントからのプラスミドDNAの単離および調製 適切にクローン化されたH.pylori ORFをもつ組換えpET-28bベクターの個々の クローンを採取し、5mlのLB培地+25μg/mlの硫酸カナマイシン中で一夜インキ ュベートした。翌日プラスミドDNAを単離し、Qiagenプラスミド精製プロトコー ル(Qiagen Inc.,Chatsworth,CA,USA)により精製した。 組換えH.pylori配列の大腸菌内における発現 pETベクターは、クローニングまたはプラスミド調製の目的で大腸菌K−12株 たとえばHMS 174、HB 101、JM 109、DH5等任意の株中で増殖できる。発現のため の宿主には、T7 RNAポリメラーゼの遺伝子の染色体コピーを含有する大腸菌株が 包含される。これらの宿主は、lacI遺伝子、lacUV5プロモーターおよびT7 RNA ポリメラーゼの遺伝子をもつλ誘導体、バクテリオファージDE3の溶菌原である 。T7 RNAポリメラーゼはイソプロピル−B−D−チオガラクトシド(IPTG)の添 加により誘導し、このT7 RNAポリメラーゼを任意の標的プラスミド、たとえばT7 プロモーターおよび興味ある 遺伝子を有するpET-28bに転写する。使用した株にはBL21(DE3)(Studier,F.W. ,Rosenberg,A.H.,Dunn,J.J.& Dubendorff,J.W.,Meth.Enzymol.185:60-8 9,1990)を包含する。 組換えH.pylori配列の発現には、上述のようにして単離したプラスミドDNA 5 0ngを用いて上述のコンピーテントBL21(DE3)(pET発現システムキットの一部とし てNovagenから提供された)をトランスフォームした。lacZ遺伝子(β−ガラク トシダーゼ)をH.pylori組換え構築体について記載のpETシステム中で発現させ た。トランスフォームされた細胞をSOC培地中で1時間培養し、培養体をついで2 5μg/mlの硫酸カナマイシンンを含有するLBプレート上でプレーティングした。 翌日、細菌コロニーをプールし、25μg/mlの硫酸カナマイシンンを含有するLB 培地中600nMにおける光学密度が0.5〜1.0 O.D.単位になるまで増殖させ、この時 点で1mMのIPTGを培養液に3時間加え、H.pylori組換えDNA構築体の遺伝子発現 を誘導した。 IPTGで遺伝子発現の誘導後、細菌をSorvall RC-3B遠心分離器によって4℃、3 500×gにおいて15分間遠心分離してペレット化した。ペレットを50mlの冷却10m M Tris-HCl、pH8.0、0.1M NaClおよび0.1mM EDTA(STE緩衝液)に再懸濁した。 細胞をついで4℃、2000×gにおいて20分間遠心分離した。湿ったペレットペ秤 量し、タンパク質精製の準備ができるまで−80℃に凍結した。 III.大腸菌からの組換えタンパク質の精製 分析方法 精製タンパク質プレパレーションの濃度はアミノ酸含量から計算した吸光係数 を使用して分光光度法によって定量した(Perkins,S.J.,Eur.J.Biochem.157 :169-180,1986)。タンパク質濃度はまた、Bradford,M.M.,Anal.Biochem.72 :248-254,1976およびLowry,O.H.,Rosebrough,N.,Farr,A.L.& Randall,R .J.,J.Biol.Chem.193:265-275,1951の方 法により、標準としてウシ血清アルブミンを用いて測定した。 SDS−ポリアクリルアミドゲル(12%または4.0〜25%アクリルアミド勾配ゲル) はBioRad(Hercules,CA,USA)から購入し、クーマッシーブルーで染色した。 分子量マーカーにはウサギ骨格筋ミオシン(200kDa)、大腸菌ガラクトシダーゼ( 116kDa)、ウサギ筋ホスホリラーゼB(97.4kDa)、ウシ血清アルブミン(66.2kDa )、オバルブミン(45kDa)、ウシカルボニックアンヒドラーゼ(31kDa)、大豆 トリプシンインヒビター(21.5kDa)、卵白リゾチーム(14.4kDa)およびウシア プロチニン(6.5kDa)が包含された。 1.可溶性タンパク質の精製 すべての工程を4℃で実施した。凍結した細胞を解凍し、5容量の溶解緩衝液 (20mM Tris、pH7.9、0.5M NaCl、5mMイミダゾール)中に10%グリセロール、 0.1%2−メルカプトエタノール、200μg/mlリゾチーム、1mMフェニルメチル スルホニルフルオリド(PMSF)、およびそれぞれ10μg/mlのロイペプチン、アプ ロチニン、ペプスタチン、L−1−クロロ−3−[4−トシルアミド]−7−ア ミノ−2−ヘプタノン(TLCK)、L−1−クロロ−3−[4−トシルアミド]− 4−フェニル−2−ブタノン(TPCK)、ならびに大豆トリプシンインヒビターとと もに再懸濁し、小容量のマイクロフルイダイザー(M-110S型、Microfluidics Int ernational Corporation,Newton,MA)を数回通して破壊させた。得られたホモ ジネートを0.1%Brij 35とし、100,000×gで1時間遠心分離して澄明な上清を 得た(粗抽出物)。 0.8μmのSuporフィルター(Gelman Science,FRG)を通してろ過したのち、粗 抽出物を10%グリセロール、0.1%Brij 35および1mM PMSFを含有する溶解緩衝 液で予め平衡化したNi2+−ニトリロトリ酢酸−アガロース(NTA)の床容量5ml 上に直接負荷した(Hochuli,E.,Dbeli,H.& Schacheer,A.,J.Chromatogra phy 411:177-184,1987)。カラムを10 %グリセロール、0.1%Brij 35を含有する溶解緩衝液250ml(50床容量)で洗浄し 、10%グリセロール、0.05%Brij 35、1mM PMSFならびに20、100、200および50 0mMイミダゾールを含有する溶解緩衝液によって順次、連続工程で溶出した。分 画はOD280nmの吸収によってモニターし、ピーク分画をSDS-PAGEで分析した。組 換えタンパク質を含む分画は100mMイミダゾールで溶出した。 組換えタンパク質14640637ならびにタンパク質、β−ガラクトシダーゼ(lacZ) およびペプチジル−プロリルcis-transイソメラーゼ(ppiB) Ni2+-NTA−アガロースカラムからの組換えタンパク質含有分画をプールし、つ いで遠心ろ過(Centriprep-10,Amicon,MA)により約5mlに濃縮し、緩衝液A(1 0mM Hepes、pH7.5、150mM NaCl、0.1mM EGTA)で平衡化したSephacryl S-100HR ゲルろ過メジウムの180-mlカラム(1.6×91cm)に直接負荷し、緩衝液Aにより18m l/時間で流した。組換えタンパク質含有分画は280nmの吸収によって同定し、SD S-PAGEによって分析した。分画をプールし、遠心ろ過によって濃縮した。 組換えタンパク質7116626 Ni2+-NTA−アガロースカラムからの組換えタンパク質含有分画をプールし、1 literの透析緩衝液(10mM MOPS、pH6.5、50mM NaCl、0.1mM EGTA、0.02%Brij 3 5、および1mM PMSF)に一夜透析した。翌朝、微細な白色沈殿を遠心分離により 除去し、得られた上清を50mM NaClを含有する緩衝液B(10mM MOPS、pH6.5、0.1m M EGTA)で平衡化したMonoS高速液体クロマトグラフィーカラム(Pharmacia Biot echnology,Inc.,Piscataway,NJ,USA)8ml(8×75mm)に負荷した。カラム を、50mM NaClを含有する緩衝液B10床容量で洗浄し、NaClを増量する(50〜500m M)50-ml直線勾配で展開した。組換えタンパク質7116626は急峻なピークとして30 0mM NaClで溶出した。 2.封入体からの不溶性タンパク質の精製 以下の工程は4℃で実施した。細胞ペレットを10%グリセロール、200μg/ml のリゾチーム、5mMのEDTA、1mMのPMSFおよび0.1%メルカプトエタノールとと もに溶解緩衝液に再懸濁した。細胞破壊装置を通したのち、得られたホモジネー トを0.2%デオキシコール酸とし、10分間攪拌し、ついで20,000×gで30分間遠 心分離した。ペレットを10%グリセロール、10mMのEDTA、1%Triton X-100、1 mMのPMSFおよび0.1%メルカプトエタノールを含有する溶解緩衝液で洗浄し、つ いで1M尿素、1mMのPMSFおよび0.1%の2−メルカプトエタノール含有溶解緩 衝液で数回洗浄した。得られた白色ペレットは主として封入体からなり、破壊さ れなかった細胞および膜材料を含まない。 組換えタンパク質26054702、16225006、30100332、4721061 以下の工程は室温で実施した。精製した封入体を1mM PMSFおよび0.1%の2− メルカプトエタノールを含む溶解緩衝液中8.0M尿素20mlに溶解し、室温で1時 間インキュベートした。溶解しなかった物質を遠心分離によって除去した。澄明 な上清をろ過し、ついで、溶解緩衝液中8.0M尿素で予め平衡化したNi2+-NTA− アガロースカラムに直接負荷した。カラムを8.0M尿素、1.0mM PMSF、0.1%2− メルカプトエタノール含有溶解緩衝液250ml(50床容量)で洗浄し、8M尿素、1m M PMSF、0.1%2−メルカプトエタノール、ならびに20、100、200および500mMイ ミダゾールを含有する溶解緩衝液で順次、連続工程により展開した。分画はOD28 0 nmの吸収によりモニターし、ピーク分画をSDS-PAGEで分析した。組換えタンパ ク質を含む分画は100mMイミダゾールで溶出した。 組換えタンパク質29479681、26380318 封入体を含有するペレットを8M尿素、1mM PMSFおよび0.1%の2−メルカプ トエタノールを含有する緩衝液B中に溶解し、室温で1時間インキュベートした 。不溶性物質を20,000×gで30分間遠心分離して除去し、澄 明上清を緩衝液B、6M尿素、1mM PMSF、0.1%の2−メルカプトエタノールで 予め平衡化したSP-Sepharoseカラム15ml(1.6×7.5cm)上に負荷した。カラムを 10床容量で洗浄したのち、0〜500mMのNaCl直線勾配で展開した。 タンパク質サンプルの透析および濃縮 尿素は0.5%デオキシコール酸(DOC)を含むTris−緩衝食塩水(TBS;10mM Tr is pH8.0、150mM NaCl)中の尿素濃度を6M、4M、3M、2M、1M、0.5M そして最後には尿素を含まないTBSと連続的に低下させた溶液に透析することに よりタンパク質サンプルから徐々に除去した。各透析工程は室温で最低4時間行 った。 透析後に、Amicon撹拌セルを用いた加圧ろ過によってサンプルを濃縮した。タ ンパク質濃度は、Perkins(Eur.J.Biochem.157:169-180,1986)、Bradford(A nal.Biochem.72:248-254,1976)、およびLowry(J.Biol.Chem.193:265-27 5,1951)の方法を用いて測定した。 上述の方法で精製した組換えタンパク質を以下の表4にまとめる。表4 IV.H .pyloriタンパク質のワクチン候補としての分析 本発明のワクチン処方物に使用するためのH.pyloriタンパク質を解析するた めに、数種のH.pyloriタンパク質を発現させて免疫学的特徴を解析し、以下に 略述するように動物効力試験で調べた。特に、H.pyloriタンパク質の免疫調節作 用を、ヒトにおけるヒトH.pylori感染を模倣するマウス/H.pyloriモデルで検 討した。これらの試験では、H.pylori感染マウスにおける選択されたH.pylori ポリペプチドの経口的免疫処置の効果を決定した。 組換えヘリコバクター・ピロリ配列の同定、クローニングおよび発現 H.pyloriからの膜および/または分泌タンパク質のクローニング、発現およ び精製を容易にするために、大腸菌における組換えタンパク質のクローニングお よび発現のためのpET遺伝子発現システム(Novagen)を選択した。さらにそれら のアミノ末端にシグナル配列を有するタンパク質には、ペプチドタグ(His-Tag )をコードするDNA配列を、組換えタンパク質産物の精製を容易にするために、 関係するH.pylori DNA配列の5'末端に融合させた。 ヘリコバクター・ピロリのJ99株からの膜および分泌タンパク質のORFを含むDNA 配列のPCR増幅およびクローニング H.pyloriのJ99株から(本発明のDNA配列表から)クローニングのために選択さ れた配列をポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によるクローニング増幅のために調製し た。選ばれたすべての配列は外膜H.pyloriタンパク質をコードし、すべてが末 端フェニルアラニン残基を共有するvac9(SEQ ID NO:125)、vac10(SEQ ID NO:1 47)、vac22(SEQ ID NO:121)およびvac41(SEQ ID NO:176)配列である。同様 に、vac32(SEQ ID NO:108)、vac36(SEQ ID NO:149)、およびvac37(SEQ I D NO:139)配列は、すべて末端フェニルアラニン残基およびC末端におけるチ ロシンクラスターを共有する。ORFの予測される成熟5'末端および予測される翻 訳終結コドンの下流 (3')に特異的なそれぞれの関係するORFの合成オリゴヌクレオチドプライマー (表5)を設計し購入した(Gibco BRL LifeTechnologies,Gaithersburg,MD, USA)。すべての順行性プライマー(関係するORFの領域の5'末端に特異的)はBa mIII制限部位に続いてNdeI制限部位を包含するように設計された。これらのプ ライマーは、NdeI制限部位配列内にコードされたメチオニン残基でタンパク質 翻訳の開始が可能なように(非His−タグ組換えタンパク質を産生させる場合) またはネイティブなH.pyloriのDNAの残部のコード配列の前のHis−タグをコー ドするDNA配列とインフレームに融合するように(His−タグ組換えタンパク質を 産生させる場合)設計された。すべての逆行性プライマー(ORFの予測される翻訳 終結コドンの下流(3')に特異的)は5'末端にEcoRI制限部位を包含するように設計 した。プライマーのこの組合わせは関係するそれぞれのORFをpET-28b(His−タ グ組換えタンパク質を産生させる場合)またはpET30a(非His−タグまたはネイ ティブな組換えタンパク質を産生させる場合)にクローン化可能にすることにな る。pET28bベクターは、His-Tagを構成する6個のヒスチジン残基のストレッチ を含む付加的な20個のアミノ末端アミノ酸(およびNdeI制限部位内のメチオニン )をコードする配列を提供する。 H.pyloriのJ99株(ATCC 55679)から調製されたゲノムDNAをPCR増幅反応(Cu rrent Protocols in Molecular Biology,John Wiley and Sons,Inc.,F.Ausu bellらed.,1994)のためのDNA鋳型の起源として使用した。特異的なH.pylori ORFを含有するDNA配列を増幅するためには、ゲノムDNA(50ng)を、関係するORF に特異的な順行および逆行合成オリゴヌクレオチドプライマーの両方それぞれ20 0ng、および購入したPCR SuperMix(Gibco BRL Life Technologies,Gaithersbu rg,MD,USA)を計50μl含む反応管に導入した。PCR SuperMixは1.1×濃度で供 給され、22mM Tris-HCl(pH8.4)、55mM KCl、1.65mM MgCl2、各220mMのdATP、dCT P、dGTP、dTTP、22単位/mlの組換えTaqポリメラーゼおよび安定剤を含有する。 各ORFにつ いて増幅DNA産物を得るためには、Perkin Elmer Cetus/Gene Amp PCRシステム 熱サイクラーを用い、以下の熱サイクリング条件を採用した。 表5:オリゴヌクレオチドプライマー 配列Vac32、Vac9、およびVac22 変性94℃で30秒間、 35サイクル、94℃で15秒間、55℃で15秒間および72℃で1.5分間、 反応は72℃8分間で終結させた。 配列Vac10およびVac41 変性94℃で30秒間、 35サイクル、94℃で15秒間、55℃で15秒間および72℃で2.5分間、 反応は72℃8分間で終結させた。 配列Vac36およびVac37 変性、 2サイクル、94℃で15秒間、30℃で15秒間および72℃で1.5分間、 23サイクル、94℃で15秒間、55℃で15秒間および72℃で1.5分間、 反応は72℃6分間で終結させた。 熱サイクル反応の完了後、増幅されたDNAの各サンプルを1.0%アガロースゲル 上電気泳動に付した。DNAはエチジウムブロミドへの暴露ならびに長波長UV照射 によって可視化し、ゲルスライスに切り出した。DNAはWizard PCR Prepsキット( Promega Corp.,Madison,WI,USA)を用いて精製し、BamHIおよびEcoRIによっ て消化した(Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley and Sons, Inc.,F.Ausubelら、d.,1994)。消化されたPCRアンプリコンはついで前回と同 様に再び電気泳動に付し精製した。 H.pylori DNA配列のクローニングベクターへのライゲーション Vac9、10、22、31および32の場合には、pOK12ベクター(J.Vieira & J.Mess ing,Gene 100:189-194,1991)をBamHIおよびEcoRIによる消化でのクローニン グのために調製し、Vac41の場合はpSU21ベクター(B.Bartolomeら、Gene 102:7 5-78,1991)をBamHIおよびEcoRIによる消化でのクローニングのため調製した (Current Protocols in Molecular Biology,John Wileyand Sons,Inc.,F.A usubelら、ed.,1994)。ベクターは1.0%アガロースゲル上で電気泳動に付し、 Wizard PCR Prepsキット(Promega Corp.,Madison,WI,USA)を使用して精製し た。精製し、消化したベクターと精製し、消化した増幅H.pylori ORFのライゲ ーションののちに、ライゲーション反応産物を、標準方法(Current Protocols i n Molecular Biology,John Wiley and Sons,Inc.,F.Ausubelら、ed.,1994)に 従い大腸菌JM109コンピーテント細胞にトランスフォームした。個々の細菌コロ ニーをLB培地(pOK12ベースのプラスミドの場合は25μg/mlの硫酸カナマイシン 、pSU21ベースのプラスミドの場合は25μg/mlのクロラムフェニコールを添加) 中で一夜ついでMagic MiniPrepsシステム(Promega Corp.,Madison,WI,USA) を用いてプラスミドDNAプレパレーションによるインキュベーションによって正 しい組換えプラスミドを含むコロニーについてスクリーニングし、ついで、制限 消化により解析した(Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley a nd Sons,Inc.,F.Ausubelら、ed.,1994)。 H.pylori DNA配列のpET28bおよびpET30a原核細胞発現ベクターへのクローニン グ pET28bおよびpET30a発現ベクターは、いずれもNdeIとEcoRI消化によりクロ ーニング用に調製した(Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley and Sons,Inc.,Ausubelら、ed.,1994)。H.pylori DNA配列はNdeIおよびE coRI消化によって、pOK12(Vac9、10.23、31および32)またはpSU21(Vac41 )プラスミド骨格から除去した(Current Protocols in Molecular Biology,Jo hn Wiley and Sons,Inc.,Ausubelら、ed.,1994)。pET28b、pET30aおよびH. pylori DNA配列はすべて1%アガロースゲル上で電気泳動に付し、Wizard PCR P repsキット(Promega Corp.,Madison,WI,USA)を使用して精製した。精製し、 消化した発現ベクターおよび精製し、消化したH.pylori DNA配列のライゲーシ ョン後に、ライゲーション反応産物を大腸菌JM 109コンピーテント細胞にトラン スフォームした(Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons ,Inc.,F.Ausubelらed.,1994)。個々の細菌コロニーを上述のようにプラスミ ドDNAの調製によって正しい組換えプラスミドを含むコロニーについてスクリー ニングし、ついで制限消化プロファイルおよびDNA配列 決定により解析した(Current Protocols in MolecularBio1ogy,John Wiley and Sons,Inc.,F.Ausubelら、ed.,1994)。ついでこれらの組換えプラスミドを 用い特異的な大腸菌発現株をトランスフォームした。 組換え発現プラスミドによるコンピーテント細菌のトランスフォーメーション コンピーテントな細菌株BL21(DE3)、BL21(DE3)pLyS、HMS174(DE3)、HMS174(DE 3)pLysSを調製し、クローン化したH.pylori配列を有する組換えpET28b発現プラ スミドにより標準方法(Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley and Sons,Inc.,Ausubelら、ed.,1994)でトランスフォームした。これらの 発現宿主株はT7 RNAポリメラーゼの遺伝子の染色体コピーを含有する。これらの 宿主はバクテリオファージDE3の溶原菌であり、lacI遺伝子、lacUV5プロモータ ーおよびT7 RNAポリメラーゼの遺伝子を有するラムダ誘導体である。T7 RNAポリ メラーゼの発現はイソプロピル−β−D−チオガラクトシド(IPTG)の添加によ って誘導され、ついでT7 RNAポリメラーゼはT7プロモーター配列および関係す る遺伝子を有する標的プラスミドたとえばpET28bを転写する。 組換えH.pylori配列の大腸菌における発現 トランスフォーマントを25μg/mlの硫酸カナマイシンを含有するLBアガール プレート(pET28bベースの組換えプラスミドの維持を確証する)から収集し、25 μg/mlの硫酸カナマイシンを含有するLBブロスへの接種に使用し、600nmにおけ る光学密度が0.5〜1.0 OD単位に達するまで増殖させ、この時点で1mM IPTGを培 養液に加えてH.pylori組換えDNA構築体の遺伝子発現を1〜3時間誘導した。IP TGによって遺伝子の発現を誘導したのち、細菌を遠心分離してペレット化し、SD S-PAGE可溶化緩衝液に再懸濁してSDS-PAGEに付した(Current Protocols in Mol ecular Biology,John Wiley andSons,Inc.,F.Ausubelら,ed.,1994)。タ ンパク質はクーマシーブリリアントブルーで染色して可視化するか、あるいは特 異的な抗− Hisタグモノクローナル抗体(Clontech,Palo Alto,CA,USA)を使用して、標 準方法(Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley and Sons,Inc. ,F.Ausubelら、ed.,1994)によるウエスタンイムノブロッティングで検出した 。最高レベルの組換えタンパク質の産生を提供する宿主株を、ついで組換えタン パク質の精製のための大規模な誘導における使用に選択した。以下に掲げるタン パク質はすべて組換えにより発現させ、最高レベルの発現を与えた株である:BL 21(DE3)(vac31、vac26、vac37)、BL 21(DE3)pLysS(vac9、32)、HMS 174( DE3)(vac10、11)。 組換えタンパク質の精製および特異的抗血清の発生 大規模な培養液を接種し、上述のように増殖させ、ついで1mMのIPTGで3時間 誘導した。誘導後、細菌をSorvall遠心分離装置により3500×g、4℃で15分間 遠心分離してペレット化した。発現した組換えタンパク質は、すべて不溶性の封 入体分画中に存在した。封入体を標準プロトコール(Antibodies,ColdSpring Ha rbor Laboratory Press,E.Harlow & D.Lane,eds.,1988)に従って精製した 。vac32によって生成した組換えタンパク質は8M尿素に溶解し、ニッケルクロ マトグラフィー(ここではREF)によって部分精製した。変性組換えタンパク質 をSDS-PAGEゲル上電気泳動によって精製し、クーマシーブリリアントブルーで可 視化して、タンパク質をゲルから切り出し、ゲルスライスをホモジナイズした。 この材料を用いてマウスまたはウサギにおいて特異的なポリクローナル抗体を、 標準方法(Antibodies,ColdSpring Harbor Laboratory Press,E.Harlow & D .Lane,eds.,1988)に従って生成させた。 組換えタンパク質の免疫学的特徴の解析 抗体の産生を試みたすべての場合に高力価の抗血清が発生し、組換えタンパク 質の免疫原性が確認された。さらに、これらの特異的な抗血清を用いて、クロー ン化された遺伝子によりコードされたタンパク質がH.pylori内で発現したのか 否かを解析した。標準プロトコール(Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley and Sons,Inc.,Ausubelら、ed .,1994)を用いたウエスタンブロッティング解析により、H.pylori株J99はvaz 10、vac32、vac31、vac36抗血清と反応する期待される分子量のタンパク質を確 かに発現することが確認された。特異的抗血清はまた、世界中の異なる地理的場 所から得られた多数のH.pylori単離体の間の、またすべてのタイプの臨床的表 現たとえば胃炎、十二指腸潰瘍、胃潰瘍および胃癌からの抗原的保存レベルを決 定するためにも用いられた。すべての株が各抗血清と特異的に反応するタンパク 質を産生することが見出された。 さらに、株J99、17874、AH244およびSS1からのH.pylori細胞を様々な細胞分 画に分画化した(Doig & Trust,Infect.Immun.62:4526-4533,1994;O'Toole ら、J.Bacteriol.177:6049-6057,1995)。特異的な抗血清はこれらの分画のウ エスタンイムノブロッティングによるプローブに使用し、タンパク質が局在する 分画を同定した。すべての場合、免疫反応性タンパク質は、上述の配列の特徴お よびモチーフ検索から予想されたように、外膜内に存在した。 ワクチンとしてのタンパク質の有効性の証明有効性の試験のためのvac36の精製 以下のすべての工程は4℃で実施した。細胞ペレットを1gあたり5容量の溶 解緩衝液(50mMリン酸ナトリウム、pH8.0、0.5M NaCl、5mMイミダゾール)中 に、10mM EDTA、1mMフェニルメチルスルホニルフルオリド(PMSF)および0.1% のβ−メルカプトエタノールとともに再懸濁し、小容量のマイクロフルイダイザ ー(M−110S型、Microfluidics International Corporation,Newton,MA)を数 回通して破壊させた。得られたホモジネートを0.2%デオキシコール酸ナトリウ ム(DOC)とし、20分間撹拌し、ついで遠心分離(10,000×g、30分)した。ペ レットを10mM EDTA、1%Triton X-100、1mM PMSFおよび0.1%のβ−メルカプ トエタノ ールを含有する溶解緩衝液で2回、ついで1Mの尿素、1mM PMSFおよび0.1%の β−メルカプトエタノールを含有する溶解緩衝液で洗浄した。得られた白色のペ レットは主として封入体からなり、破壊されていない細胞および膜物質を含まな い。 封入体を、1mM PMSFおよび0.1%のβ−メルカプトエタノールの入った溶解緩 衝液中6Mのグアニジン塩酸塩20mlに溶解し、1時間氷上でインキュベートした 。溶解しなかった物質を遠心分離(100,000×g、30分)して除去した。澄明な 上清を0.8μmのSuporフィルター(Gelman Science,FRG)を通してろ過し、1mM P MSFおよび0.1%のβ−メルカプトエタノールを含有する溶解緩衝液中6Mのグア ニジン塩酸塩で予め平衡化したNi2+-NTA−アガロースカラム(Hochuliら、1987) 上に直接負荷した。カラムを6Mのグアニジン塩酸塩、1mM PMSFおよび0.1%の β−メルカプトエタノールを含有する溶解緩衝液20ml(2床容量)で洗浄し、つ いでグアニジン塩酸塩を0.5%Brij 35、1mM PMSF、0.1%β−メルカプトエタノ ールを含有する溶解緩衝液の直線勾配(6M〜0Mグアニジン塩酸塩)100mlによ って徐々に除去した。次に、カラムを0.5%Brij 35、1mM PMSFおよび0.1%β− メルカプトエタノールを含有する溶解緩衝液中イミダゾールを増量していく直線 勾配(5〜500mM)25mlによって展開した。組換えタンパク質は100mMイミダゾー ルを中心としたピークとして溶出した。 組換えタンパク質を含む分画をプールして、ついで遠心ろ過(Centriprep-10 、Amicon、MA)によって約8mlに濃縮し、緩衝液A(50mMリン酸ナトリウム、pH8 .0、500mM NaCl、0.1mM EGTA、1mM PMSF、0.1%β−メルカプトエタノール、0. 5%Brij 35)で平衡化したSephacryl S-100HRゲルろ過メジウムの350-mlカラム( 2.2×91cm)に直接負荷し、緩衝液A中30ml/時間で流した。組換えタンパク質 含有分画は280nmの吸収によって同定し、SDS-PAGEによって分析した。分画をプ ールし、1.5〜2mg/mlに濃縮し、10mMのリン酸カリウム、150mM NaCl、0.1mM EG TAおよび0.5 %Brij 35に対し透析した。透析液中のタンパク質の濃度を定量し、アリコート に分けて−20℃に凍結した。ヘリコバクター・ピロリ感染のマウスモデル H.pylori感染の超歯類モデルは、C57BL/6マウスをH.pylori Sydney株SS1 で感染させて作成し、組換えH.pylori vac36の有効性の評価に用いた。このマ ウス適合H.pylori株はcagA+、vacA+であり、C57BL/6マウスではヒトにおいて 認められるのに匹敵するコロナイゼーションレベルを示し、癒着基盤を形成し、 少なくとも8カ月間コロナイズし、慢性活動型胃炎および粘膜萎縮を誘発する(L eeら、Gastroenterology,112:1386-1397,1997)。用量反応試験では、106生物 体の単回接種によるチャレンジ後8週に、近交系C57BL/6およびBalb/Cの感 染率100%を示した。胃のH.pylori感染の評価 胃組織におけるH.pylori生物体の存在は胃組織の培養および定量的ウレアー ゼアッセイによって決定された。後者の方法では、総幽門洞領域のほぼ4分の1 を示す幽門洞の縦のセグメントを1mlの尿素ブロス中に置く。4時間後、尿素の 加水分解およびpHの上昇から生じた色の変化の程度をA550の分光光度法により定 量した(Foxら、Immunol.88:400-406,1996)。アッセイの感度はほぼ103H.pylo ri生物体である。陽性の(H.pylori感染)胃組織は非チャレンジ非感染年齢マ ッチ対照群マウスから導かれる平均A550値より2標準偏差以上の値を示すサンプ ルと定義された。免疫処置に対する胃組織における局所免疫応答の評価 食道から十二指腸接合部までの胃組織の縦の切片をOCT包埋化合物中に包埋し 、液体窒素中で凍結し、凍結切片をCD4+またはCD8+T細胞を認識するモノクロー ナル抗体、またはIgA含有(IgACC)血漿細胞(Pappoら、Infect.Immun.63:124 6-1252,1995)の同定のために、マウスIgAに対する抗血清で免疫染色した。局 所胃免疫応答の程度は検査した胃領域1mm2あたりのCD4+、CD8+またはIgACC細胞 の数として定量的に表された。精製組換えH.pylori vac36抗原の保護活性 H.pylori由来の精製組換えvac36抗原がH.pylori感染の確立を妨害する能力を マウスで調べた。6〜8週齢の雌性C57BL/6マウスの群(n=10)を1週間 隔で4回以下のように経口的に免疫処置した:1)100μgの組換えvac36抗原お よび10μgのコレラトキシン(CT)アジュバント、2)1mg H.pylori溶菌抗原お よび10μgのCT、および3)0.2M重炭酸塩緩衝液および10μgのCTアジュバ ント。マウスには2週後に3日連続して108H.pylori生物体の経口投与をチャレ ンジした。実験はチャレンジ後2週で完了し、H.pylori感染レベルを細菌のコ ロニー数および定量的ウレアーゼアッセイにより評価した。 vac36抗原による経口的免疫処置は、生存H.pylori生物体のチャレンジによるH .pylori感染の確立を妨害した。精製組換えvac36抗原で免疫処置したマウスは、 胃ウレアーゼ活性および細菌数アッセイで評価するとH.pyloriによるコロナイ ゼーションのレベルの有意な低下を示した(表6)。またvac36抗原による免疫処 置の結果、局所保護的胃免疫応答が発生した。非免疫処置H.pylori感染マウス と比較して、vac36-免疫処置マウスの胃組織には、CD4+T細胞およびIgACCの動 員数の増加が認められた(表7)。 表6: 組換えvac36抗原はH.pyloriのチャレンジからマウスを保護する a ウレアーゼ活性はn=10マウス/群からの二重幽門洞サンプルの平均A550 ±SEMとして表す。 b CTアジュバント単独で免疫処置したマウスと比較したWilcoxon順位和検定 による。 c 胃組織におけるH.pyloriのレベルを細菌数で評価して、平均コロニー形成単 位±SEMで表す。 表7: vac36-免疫処置マウスはH.pyloriによるチャレンジに対して局所胃免疫 応答を発生する a平均細胞数/mm2胃領域±SEM *非免疫処置H.pylori感染マウスと比較した場合のWilcoxon順位和検定 によりp<0.05 V.ヘリコバクター・ピロリ株における遺伝子の配列変動の分析 DNAおよび推定アミノ酸配列を比較するため、数種のH.pylori株から4種の遺 伝子をクローン化し配列を決定した。この情報はH.pylori J99株およびヒト患者 から単離された他のH.pylori株の間の配列の変動の決定に使用した。 染色体DNAの調製 培養したH.pylori株(表10に掲げる)をBLBB(1%トリプトン、1%ペプタミ ン、0.1%グルコース、0.2%酵母エキス、0.5%食塩、5%ウシ胎児血清)中でO D600が0.2になるまで増殖させた。細胞をSorvall RC-3Bにより4℃、3500×gに おいて15分間遠心分離し、ペレットを10mM Tris-HCl、0.1mM EDTA(TE)0.95ml に再懸濁した。リゾチームを終濃度1mg/mlになるように加え、同時にSDSを1 %、RNAse A+T1をそれぞれ0.5mg/mlおよび5単位/mlになるように加え、37 ℃で1時間インキュベートした。ついでプロテイナーゼKを終濃度0.4mg/mlに なるように加え、サンプルをさらに55℃で1時間以上インキュベートした。サン プルにNaClを濃度0.65mMまで加え、注意深く混合し、0.7M NaCl中10%CTAB(終 濃度は1%CTAB/70mM NaCl)を加え、ついで65℃で20分間インキュベートし た。この時点でサンプルをクロロホルム:イソアミルアルコールで抽出し、フェ ノールで抽出し、ついでクロロホルム:イソアミルアルコールで再度抽出した。 DNAをEtOH(1.5×容量)またはイソプロパノール(0.6×容量)のいずれかによ り−70℃で10分間沈殿させ、70%EtOHで洗浄し、TEに再懸濁した。 PCR増幅およびクローニング 12種のHelicobacter pylori株から調製したゲノムDNAをPCR増幅反応の鋳型D NAの原料として用いた(Current Protocols in MolecularBiology,John Wiley and Sons,Inc.,Ausubeltらed.,1994)、H.pylori ORFを含むDNA配列を増幅さ せるためには、ゲノムDNA(10ng)を、2mM MgCl2、所定のH.pylori ORFに相補 性の隣接合成オリゴヌクレオチドプライマー(順行および逆行プライマー、表8 参照)1μmol、0.2mMの各デオキシヌクレオチドトリホスフェート:dATP、dGTP 、dCTP、dTTPおよび熱安定性DNAポリメラーゼ(Amplitaq,Roche Molecular Sys tems,Inc.,Branchburg,NJ,USA)0.5単位を終容量20μlに含有する反応バイ アル中に二重に取り、反応させた。 表8: H.pylori DNA配列のPCRに使用したオリゴヌクレオチドプライマー 各ORFについて増幅されたDNA産物を得るためにはPerkin Elmer Cetus/Gene A mp PCR System 9600熱サイクラーを用い、以下の熱サイクリング条件を採用した 。 タンパク質7116626およびタンパク質346; 変性94℃で2分間、 2サイクル,94℃で15秒間,30℃で15秒間および72℃で1.5分間、 23サイクル,94℃で15秒間,55℃で15秒間および72℃で1.5分間、 反応は72℃6分間で終結させた。 タンパク質26054702;AH5,5155,7958,AH24およびJ99について; 変性94℃で2分間, 2サイクル,94℃で15秒間,30℃で15秒間および72℃で1.5分間、 25サイクル,94℃で15秒間,55℃で15秒間および72℃で1.5分間、 反応は72℃6分間で終結させた。 タンパク質26054702およびタンパク質294796813;AH4,AH15,AH61,5294,5 640,AH18およびHp244について; 変性94℃で2分間, 2サイクル,94℃で15秒間,30℃で20秒間および72℃で2分間、 25サイクル,94℃で15秒間,55℃で20秒間および72℃で2分間、 反応は72℃8分間で終結させた。 熱サイクル反応の完了後に、サンプルの各対を合わせて、以下に記載するよう にpCRクローニングベクター中へのクローニングにそのまま使用した。 pCR TAクローニングベクターへのH.pylori DNA配列のクローニング増幅された 挿入体はすべて、Original TAクローニングキット(Invitrogen,San Diego,CA )に記載の方法によりpCR 2.1ベクター中にクローン化した。ついで、ライゲー ション反応の産物を用いて、以下に記載するように大腸菌の株TOP 10F'(H.pylo ri配列350の場合にはINVaF')をトランスフォームした。 組換えプラスミドによるコンピーテント細菌のトランスフォーメーション コンピーテントな細菌、大腸菌株TOP 10F'または大腸菌株INVaF'を、クローン 化されたH.pylori配列を有する組換えpCR発現プラスミドにより、標準方法でト ランスフォームした(Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley an d Sons,Inc.,Ausubelら,ed.,1994)。略述すれば,0.5μmolのBME 2μl を50μlのコンピーテント細胞の各バイアルに添加した。ついで、ライゲーショ ン反応2μlをコンピーテント細胞と混合し、氷上で30分間インキュベートした 。細胞とライゲーション混合物を42℃で30秒間「熱ショック」に付し、次に、さ らに2分間氷上に置い たのち、サンプルを0.45mlのSOCメジウム(0.5%酵母エキス、2.0%トリプトン 、10mM NaCl、2.5mM KCl、10mM MgCl2、10mM MgSO4および20mMのグルコース)中 、37℃で振盪しながら1時間インキュベートした。サンプルを、ついで25μg/m lの硫酸カナマイシンまたは100μg/mlのアンピシリンを含むLBアガールプレー ト上に播いて一夜増殖させた。TOP 10F'またはINVaF'のトランスフォームされた コロニーを採取し、分析して、以下に記載するようにクローン化された挿入体を 評価した。 H.pylori配列を有する組換えPCRプラスミドの同定 組換えpCR-H.pylori ORFでトランスフォームした個々のTOP 10F'またはINVaF' クローンを元のPCR増幅クローニング反応に使用したのと同じそれぞれのH.pylor i配列に特異的な順行および逆行プライマーを用いて、クローン化された挿入体 のPCR増幅によって分析した。成功した増幅はクローニングベクター中におけるH .pylori配列の組込みを証明した(CurrentProtocols in Molecular Biology,Joh n Wiley and Sons,Inc.,Ausubelら,ed,1994)。 適切にクローン化されたH.pylori ORFをもつ組換えpCRベクターの個々のクロ ーンを採取して配列を解析した。配列の解析はベクター特異的プライマー(PCRI IまたはpCR 2.1,Invitrogen,San Diego,CAに見出される)および以下の表9 に掲げるようなORFに特異的な配列決定プライマーを用い、ABIシーケンサー(Pe rkin Elmer)により標準プロトコールで実施した。 表9: H.pylori DNA配列の配列決定に用いたオリゴヌクレオチドプライマー結果 これらの実験におけるPCRエラー率を確立するために、H.pylori株J99 からの5つの別個のPCR反応混合物より調製したタンパク質26054702の5つの個 々のクローンを、全長897ヌクレオチドにわたる累積計4485塩基のDNA配列につい て配列を決定した。5つのクローンのDNA配列を以前に異なる方法すなわちラン ダムショットガンクローニングおよび配列決定により得られたDNA配列と比較し た。本明細書に記載した実験についてのPCRエラー率は4485塩基中2塩基変化で あると決定され、これは推定エラー率0.04%以下に相当する。 DNA配列分析は、細菌Helicobacter pyloriの12種の異なる株から遺伝子として 同定されPCR法によって増幅された4種の異なるオープンリーディングフレーム について実施した。この試験に選択された4種のオープンリーディングフレーム 中の3種の推定アミノ酸配列は,他の細菌種中に存在する特定のタンパク質に、 統計的に有意なBLASTホモロジーを示した。それらのORFには、F.novicida におけるABCトランスポーターをコードするvalA & B遺伝子に相同なタンパク質2 6054702;H.influenzaeの外膜に存在するリポタンパク質e(P4)に相同なタン パク質7116626;大腸菌における鉄(III)二クエン酸トランスポートの外膜受容体 fecAに相同なタンパク質29479681が包含された。タンパク質346は公開されてい るデータベース中の配列と低いホモロジーを示したことから、未知のオープンリ ーディングフレームとして同定された。 H.pyloriの様々な株の間のORFにおける保存および変動の程度を評価するため に、DNA配列および推定タンパク質配列中の変化をH.pyloriのJ99株に見出された DNAおよび推定タンパク質配列と比較した(以下の表10参照)。結果はランダムシ ョットガンクローニングで配列を決定したH.pyloriのJ99株に対する同一性の百 分率として示す。J99株の配列における変動を制御するため、4種の各オープン リーディングフレームをJ99細菌株から再びクローン化して配列決定し、その配 列情報をJ99株のランダムショットガン配列決定によりクローン化した挿入体か ら収集した配列情 報と比較した。データは、DNA配列における変動が最低0.12%の差(タンパク質3 46,J99株)から約7%の変動(タンパク質26054702,株AH5)までの範囲があ ることを示している。推定されたタンパク質配列では、変動なし(タンパク質34 6,株AH18およびAH24)から7.66%ものアミノ酸変動(タンパク質26054702,株A H5)までを示している。VI.治療的標的の可能性としての必須H.pylori遺伝子を決定するための実験的ノ ックアウトプロトコール 治療的標的は、タンパク質産物が必須の細胞経路,たとえば細胞エンベロープ 合成、DNA合成、転写、翻訳、調節およびコロナイゼーション/毒力に重要な役 割を果たしていると思われる遺伝子から選択される。 H.pylori遺伝子/ORFの部分の欠失、ならびに細胞に必須の遺伝子を同定する ためのカナマイシン抵抗性カセットの挿入突然変異誘発のプロトコールは、以前 に公表された方法(Labigne-Rousselら,J.Bacteriology 170:1704-1708,1988 ;Coverら,J.Biological Chemistry 269:10566-10573,1994;Reyratら,Proc. Natl.Acad.Sci.92:8768-8772,1995)を改変したものである。結果は遺伝子 の「ノックアウト」である。 H.pylori遺伝子配列の同定およびクローニング ノックアウトの標的として選択される遺伝子またはORF(オープンリーディン グフレーム)の配列はH.pyloriゲノム配列から同定され、遺伝子/ORFを特異的 に増幅するプライマーの設計に使用される。すべての合成オロゴヌクレオチドプ ライマーは、OLIGOプログラム(National Bioscience,Inc.,Plymouth,MN 554 47,USA)の補助により設計され、Bibco/BRL Life Technologies(Gaithersbur g,MD,USA)から購入することができる。ORFが800〜1000塩基対より小さい場合 には、隣接プライマーはオープンリーディングフレームの外側から選択される。 Helicobacter pylori HpJ99株(ATCC 55679;Genome Therapeutics Corporati on,100 Beaver Street,Waltham,MA 02154により寄託された)から調製された をゲノムDNAをPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)によるORF増幅のための鋳型DNAの原 料として用いる(Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley and So ns,Inc.,F.Ausubelら編,1994)。H.pyloriからのゲノムDNAの調製のためには 、実施例Iを参照されたい。PCR増幅は、10ngのゲノムHpJ99DNAを、10mM Tris p H8.3、50mM KCl、2mM MgCl2、 2μMの合成オリゴヌクレオチドプライマー(順行=F1および逆行=R1)0.2m ,Mの各デオキシヌクレオチドトリホスフェート(dATP、dGTP、dCTP、dTTP)、な らびに1.25単位の熱に安定なDNAポリメラーゼ(Amplitaq,Roche MolecularSyste ms,Inc.,Branchburg,NJ,USA)を終容量40mlで含有する反応バイアルに導入す ることによりを実施する。PCRはPerkin Elmer Cetus/GeneAmp PCR System 9600 熱サイクラーで行う。 熱サイクリング反応の完了後、増幅したDNAの各サンプルをエチジウムブロミ ドで染色した2%TAEアガロースゲル上で可視化し(Current Protocols in Molec ular Biology,John Wiley and Sons,Inc.,F.Ausubelら編,1994)、期待され たサイズの単一産物が反応から生じたことを確認する。増幅されたDNAをついで 洗浄し、Qiaquick Spin PCR精製キット(Qiagen,Gaithersburg,MD,USA)を用 いて精製する。 PCR産物をTAクローニング戦略を用い(Current Protocols in MolecularBiolo gy,John Wiley and Sons,Inc.,Ausubelら編,1994)pT7Blue T-ベクター(カ タログ番号#69820-1,Novagen,Inc.,Madison,WI,USA)にクローン化する。P CR産物のベクターへのライゲーションは、6倍モル過剰のPCR産物、10ngのpT7Bl ue-Tベクター(Novagen)、1μlのT4 DNAリガーゼ緩衝液(New England Biolabs, Beverly,MA,USA)、ならびに200単位のT4 DNAリガーゼ(New England Biolabs )を終反応容量10μl中に混合することによって達成される。ライゲーションは1 6℃で16時間進行させる。 ライゲーション産物をエレクトロポレーションにコンピーテントなXL-Blueも しくはDH5-a大腸菌細胞(Clontech Lab.,Inc.Palo Alto,CA,USA)にエレクト ロポレートする(Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley andSon s,Inc.,Ausubelら編,1994)。略述すれば,1μlのライゲーション反応物を40 μlのエレクトコンピーテントな細胞と混合し、高圧パルス(25μFarad、2.5kV、 200Ω)に付したのち、サンプルを0.45 mlのSOCメジウム(0.5%酵母エキス、2%トリプトン、10mM NaCl、2.5mM KCl、 10mM MgCl2、10mM MgSO4および20mMグルコース)中37℃で振盪しながら1時間イ ンキュベートする。サンプルをついで、100μg/mlのアンピシリン、0.3%のX-g al、および100μg/mlのIPTGを含有するLB(10g/Lのバクトトリプトン、5 g/Lのバクト酵母エキス、10g/Lの食塩)プレートに播く。これらのプレー トを37℃で一夜インキュベートする。白色を呈するアンピシリン抵抗性コロニー を選択し、100μg/mlのアンピシリンを含有する5mlの液体LB中で増殖させ、 Qiagenミニプレッププロトコール(Qiagen,Gaithersburg,MD,USA)を用いて プラスミドDNAを単離する。 正しいH.pylori DNA挿入体がクローン化されたことを確証するため、これらの pT7BlueプラスミドDNAを、J99 H.pylori配列の最初の増幅に使用したのと同一の 順行および逆行プライマーを使用して、クローン化された挿入体のPCR増幅のた めの鋳型とする。2%TAE、エチジウムブロミド染色したアガロースゲル上で可 視化される、プライマーおよび正しいサイズのPCR産物の認知は、正しい挿入体 がクローン化されたことの確認である。各ノックアウト標的について2〜6個の このような確証クローンが得られ、−70℃で凍結して保存する。PCRによるエラ ーを最小限にするため、これらの確証クローンからのプラスミドDNAをプールし 、以後のクローニング工程に使用する。 ORF内で中断または欠失(250塩基対まで)しているH.pylori DNAの領域に隣接 しているが互いに逆方向に配置される第2のプライマー対を設計するため、遺伝 子/ORFの配列を再び使用する。前に単離されたクローンの環状プラスミドDNAの プールをPCRのこのラウンドの鋳型として使用する。この対の欠失プライマーの 増幅の方向は互いに異なるので、プライマーの間のORF部分は得られるPCR産物中 には含まれない。PCR産物は、各末端にH.pylori DNAおよび、それらの間に本質 的にはORFの一部分の欠失を 生じるpT7Blueベクター骨格を有するDNAの線状片である。PCR産物を1%TAE、エ チジウムブロミド染色アガロースゲル上で可視化し、正しいサイズの単一の産物 のみが増幅されたことを確認する。 カナマイシン抵抗性のカセット(Labigne-Rousselら,J.Bacteriology 170:17 04-1708,1988)は以前に用いられたTAクローニング法(Current Protocolsin Molecular Biology,John Wiley and Sons,Inc.,Ausubelら編,1994)によっ てこのPCR産物にライゲートする。Campylobacterカナマイシン抵抗性遺伝子を含 むカナマイシンカセットは組換えプラスミドpCTB8:kan(Coverら,J.Biol.Ch em.269:10566-10573,1994)のEcoRI消化を実施することにより得られる。適当 なフラグメント(1.4kb)を1%TAEゲル上に単離し、QIAquickゲル抽出キット( Qiagen,Gaithersburg,MD,USA)を用いて単離する。フラグメントは4μgのDN Aフラグメント、0.5mM dATP、dGTP、dCTP、dTTP 1μl、2μlのクレノウ緩衝液 (New England Biolabs)、および5単位のクレノウDNAポリメラーゼI大(クレノ ウ)フラグメント(New England Biolabs)を20μlの反応液中に混合し、30℃で 15分間インベートし、75℃に10分間加熱して酵素を不活性化する。クレノウ充填 プロトコールを使用して末端を修復する。このブラント末端カナマイシンカセッ トを、ついでQiaquickカラム(Qiagen,Gaithersburg,MD,USA)を通して精製 し、ヌクレオチドを除去する。ついで、ブラント末端のカナマイシンカセット5 μg、10mM Tris、pH8.3、50mM KCl、2mM MgCl2、5単位のDNAポリメラーゼ(Amp litaq,Roche Molecular Systems,Inc.,Branchburg,NJ,USA)、20μlの5mM dTTPを100μlの反応液中に混合し、反応液を37℃で2時間インベートすることに よって「T」オーバーハングを発生させる。「Kan-T」カセットはQIAquickカラ ム(Qiagen,Gaithersburg,MD,USA)を用いて精製する。欠失プライマーのPCR 産物(F2およびR2)は10〜20ngの欠失プライマ−PCR産物、50〜75ngのKan-T カセットDNA、1μlの10×T4 DNAリガー ゼ反応混合物、0.5μlのT4、DNAリガーゼ(New England Biolabs,Beverly,M A,USA)を反応液10μl中に混合し、16℃で16時間インベートして、Kan−Tカセ ットにライゲートする。 ライゲーション産物を上述のようにエレクトロポレーションにより、XL-1Blu eまたはDH5-a大腸菌細胞にトランスフォームする。SOC中に回収したのち、細胞 を100μg/mlのアンピシリンを含有するLBプレート上でプレーティングし、一 夜37℃で増殖させる。これらのプレートをついで25μg/mlのカナマイシンを含 有するプレート上でレプリカプレーティングして一夜増殖させる。得られたコロ ニーはpT7Blueベクターに存在するアンピシリン抵抗性遺伝子および新たに導入 されたカナマイシン抵抗性遺伝子の両方を有する。コロニーを25μg/mlのカナ マイシンを含有するLB中に採取し、プラスミドDNAをQiagenミニプレッププロ トコール(Qiagen,Gaithersburg,MD,USA)を用いて培養細胞から単離する。 カナマイシンがH.pylori遺伝子/ORFに挿入されたことを確証し、カナマイシ ン抵抗性遺伝子のH.pylori遺伝子/ORFに対する相対的な挿入方向を決定するた めに、PCR増幅による数種の試験をこれらのプラスミドで実施する。カナマイシ ンカセットがH.pylori配列に挿入されたことを確証するため、PCR増幅のための 鋳型としてプラスミドDNAを、H.pylori遺伝子/ORFのクローン化に最初に用いた プライマーのセットとともに使用する。正しいPCR産物は欠失した遺伝子/ORFの サイズであるが、1.4kbのカナマイシンカセットの付加によりサイズは増大する 。H.pylori遺伝子の発現に及ぼす可能性のあるカナマイシン抵抗性カセットの極 性作用を回避するため、ノックアウト遺伝子/ORFに関してのカナマイシン抵抗 性遺伝子の方向性を決定したところ、両方向とも結局はH.pyloriのトランスフォ ーメーションに使用される(下記参照)。カナマイシン抵抗性遺伝子の挿入方向を 決定するためには、プライマーはカナマイシン抵抗性遺伝子の末端から設計され る[Kan-1:5'-ATCTTACCTATCACCTCAAAT-3'(SEQ ID NO: 225)およびKan-2:5'-AGACAGCAACATCTTTGTGAA-3'(SEQ ID NO:256)]。それぞ れのクローニングプライマーをそれぞれのKanプライマーと組合わせて使用する ことにより(4つの組合せ)、H.pylori配列に対するカナマイシンカセットの方向 性を決定する。陽性のクローンを「A」方向性(H.pylori遺伝子とカナマイシ ン抵抗性遺伝子の両方について転写方向が同じである)または「B」方向性(H. pylori遺伝子の転写方向はカナマイシン抵抗性遺伝子の場合と逆である)と分類 する。同じ方向性(AまたはB)を共有するクローンを以後の実験のためにプー ルし、それぞれをH.pyloriにトランスフォームする。 プラスミドDNAのH.pylori細胞へのトランスフォーメーション トランスフォーメーションには、2種のH.pylori株を使用する。即ち、H.pylo ri配列データベースを得ているDNAを提供する臨床単離株のATCC55679、および継 代されマウスの胃でコロナイズする能力のある単離株、AH24を使用する。トラン スフォーメーションのための細胞はSheep-Bloodアガールプレート上またはブル セラ培養液中のいずれかで、37℃、10%CO2、100%湿度において増殖させる。指 数増殖期まで細胞を増殖させ、顕微鏡で調べて細胞が「健康」(細胞が活動的に 動いている)であり、夾雑していないことを確認する。プレート上で増殖させる 場合には細胞は滅菌ループでプレートから掻き取って収穫して、1mlのブルセラ 培地に懸濁し、遠心分離し(1分、エッペンドルフマイクロ遠心器の最高速度で) 、200μlのブルセラ培地に再懸濁する。ブルセラ培養液中で増殖させた場合は、 細胞を遠心分離し(Beckman TJ6遠心器中3000rpmで15分)、細胞ペレットを200μl のブルセラ培地に再懸濁する。細胞のアリコートを採取して、細胞濃度を計算す るために600nmにおける光学密度を測定する。再懸濁した細胞のアリコート(1 〜5OD600単位/25μl)を予め温めたSheep-Bloodアガールプレート上に取り、 プレートを37℃、6%CO2、100%湿度で、さらに4時間インキュベートする。こ のインキュベーション後に、10 μlのプラスミドDNA(100μg/μl)をこれらの細胞上にスポットする。陽性対 照(カナマイシン抵抗性遺伝子によりリボヌクレアーゼH遺伝子が中断したプラ スミドDNA)と陰性対照(プラスミドDNAなし)を平行して実験する。プレートを3 7℃、6%CO2に戻してさらに4時間インキュベートする。ついで細胞をブルセラ 培地中に浸した吸取紙を用いてプレート上に播き、37℃、6%CO2で20時間増殖 させる。細胞をついで25μg/mlのカナマイシンを含むSheep-Bloodアガールプレ ート上移し、37℃、6%CO2、100%湿度において3〜5日間増殖させる。コロニ ーが出現したならば、それらを採取し、25μg/mlのカナマイシンを含む新鮮なS heep-Bloodアガールプレート上でパッチとして再増殖させる。 トランスフォーマントのコロニーが、適当な染色体位置における同種組換えに よって生じたことを確証するため、3セットのPCR試験を実施する。PCRの鋳 型(コロニーからのDNA)は以下のように、迅速煮沸DNA調製法により得られる。 すなわちコロニーのアリコート(楊枝でのコロニーの穿刺)を100μlの1%Trit on X-100、20mM Tris、pH8.5に導入し、6分間煮沸する。等容のフェノール:ク ロロホルム(1:1)を加え、ボルテックス攪拌する。混合物を5分間マイクロ 遠心に付し、上清をPCRのDNA鋳型として以下のプライマーと組合わせて用い、適 切な染色体位置における相同組換えを確証する。 試験1.遺伝子/ORFの増幅に最初に用いたクローニングプライマーによるPCR 。正しい染色体位置における相同組換えの陽性結果は、欠失した遺伝子/ORFの サイズであることが期待されるが、1.4kbのカナマイシンカセットの付加により サイズが増大した単一PCR産物を示すことである。遺伝子/ORFと全く同サイズの PCR産物は遺伝子がノックアウトされず、トランスフォーマントは正しい染色体 位置における相同組換えの結果ではないことの証明である。 試験2.F3(遺伝子/ORFの上流配列から設計されたプライマーであ り、プラスミド上には存在しない)およびプライマーKan-1またはKan-2(カナ マイシン抵抗性遺伝子の末端から設計されたプライマー)によるPCRは用いられ るプラスミドDNAが「A」または「B」方向性のいづれであるかに依存する。正 しい染色体位置における相同組換えでは期待されるサイズ(すなわち位置F3か らカナマイシン抵抗性遺伝子の挿入部位まで)の単一PCR産物が生じる筈である 。正しくないサイズのPCR産物(単数または複数)がないということは、プラス ミドが正しい部位に挿入されておらず、遺伝子はノックアウトされなかったこと を証明する。 試験3.R3(遺伝子/ORFの下流配列から設計されたプライマーであり、プ ラスミド上には存在しない)およびプライマーKan-1もしくはKan-2によるPC Rは用いられるプラスミドDNAが「A」もしくは「B」方向性のいづれである かに依存する。正しい染色体位置における相同組換えでは期待されるサイズ(す なわち、カナマイシン抵抗性遺伝子の挿入部位からR3の下流位置まで)の単一 PCR産物が生じる筈である。この場合も、正しくないサイズのPCR産物(単 数または複数)がないことは、プラスミドが正しい部位に組み込まれておらず、 遺伝子はノックアウトされなかったことを証明する。 上述の3つのすべての試験について陽性の結果を示すトランスフォーマントは 、遺伝子がインビトロにおける生存には必須ではないことを示す。 トランスフォーマントについて上述の3つの試験のいずれかにおける陰性の結 果は、遺伝子が破壊されなかったこと、および遺伝子がインビトロにおける生存 に必須であることを示す。 2つの独立のトランスフォーメーションからコロニーは生じないが、中断され たリボヌクレアーゼHプラスミドDNAを有する陽性対照がトランスフォーマント を産生する場合は,プラスミドDNAをコロニー形成のためのプレーティングの前 にトランスフォーマント集団からのDNAについてPCRによりさらに分析する。これ はプラスミドが細胞内に入り、正しい部位で相 同組換えを受けることを証明する。略述すれば、プラスミドDNAを上述のトラン スフォーメーションプロトコールに従いインキュベートする。プラスミドDNAと のインキュベーション後直ちにH.pylori細胞からDNAを抽出し、DNAを上記試験2 および試験3の鋳型として使用する。試験2および試験3における陽性の結果は 、プラスミドDNAが細胞内に入り,正しい染色体位置で相同組換えを受けること ができることを証明する。試験2および試験3が陽性の場合には、生存能のある トランスフォーマントが得られないことは,遺伝子が必須であり、遺伝子の中断 を受けた細胞はコロニー形成ができないことを示す。 VII.高スループットの薬物スクリーニングアッセイ クローニング、発現およびタンパク質精製 高スループットの薬物スクリーニングアッセイに使用されるH.pylori標的遺伝 子およびそのタンパク質産物たとえばH.pylori酵素のクローニング、トランスフ ォーメーション、発現および精製は本質的に上記実施例IおよびIIの記載にほぼ 従い実施される。特定のH.pylori遺伝子産物、ペプチジル−プロピルcis−trans イソメラーゼについてのスクリーニングアッセイの開発および適用は特殊な実施 例として以下に記載する。 酵素アッセイ アッセイは、本質的にFischerらによる記載(Fischer,G.ら,Biomed.Biochi m.Acta43:1101−1111,1984)どおりである。このアッセイでは、試験ペプチ ド、N−スクシニル−Ala−Ala−Pro−Phe−p−ニトロアニリド(Sigma#S-738 8,ロット#84H5805)中のAla−Pro結合のcis-transイソメリゼーションを測定 する。このアッセイは、Ala−Pro結合がTRansである場合にのみ試験ペプチドを 切断するプロテアーゼの能力が生じるα−キモトリプシンとカップリングさせる 。アッセイにおける試験ペプチドのtrans異性体への変換はBeckman DU-650型分 光光度計により390nmで追跡する。データは毎秒、平均走査時間0.5秒で収集する 。ア ッセイは35mM Hepes pH8.0、終容量400μl中、10μMのα−キモトリプシン(ウシ 膵臓からの1−5型、Sigma#C-7762、ロット23H7020)および10nMのPPIaseを用 いて実施する。反応を開始させるためには、390μlの反応混合物に10μlの基質 (DMSO中2mMのN−スクシニル−Ala−Ala−Pro−Phe−p−ニトロアニリド)を 室温で加える。 粗製細菌抽出物における酵素アッセイ ブルセラ培地中Helicobacter pylori(株J99)50mlの培養液を、中対数期(OD6 00nm 〜1)に収穫して、以下のプロテアーゼインヒビター、すなわち1mM PMSF 、および各10μg/mlのアプロチニン、ロイペプチン、ペプスタチン、TLCK、TPC K、および大豆トリプシンインヒビターとともに溶解緩衝液中に再懸濁する。懸 濁液を3サイクルの凍結−解凍(−70℃に15分、ついで室温に30分)続いて超音 波処理(20秒の処置を3回)に付す。溶解物を遠心分離し(12,000×g,30分)、 上述のように上清の酵素活性をアッセイする。 多くのH.pylori酵素を大腸菌内で高レベルに活性型で発現させることができる 。このような高収率での精製タンパク質は多様な高スループット薬物スクリーニ ングアッセイのデザインを提供する。 VIII.末端切断遺伝子の発現およびタンパク質産生 組換えHelicobacter pylori配列の同定、クローニングおよび発現 H.pyloriからの膜タンパク質のクローニング、発現および精製を容易にする ために、大腸菌における組換えタンパク質のクローニングならびに発現のための pET遺伝子発現システム(Novagen)を選択した。さらにそれらのアミノ末端にシ グナル配列を有するタンパク質の場合は、ペプチドタグ(His-tag)をコードする DNA配列を関係するH.pylori DNA配列の5'末端に融合させて組換えタンパク質産 物の精製を容易にした。ある場合にはDNA配列をグルタチオン−S−トランスフ ェラーゼタンパク質とインフレームにクローン化してGST−融合タンパク質を生 成させた。この場合に使 用したベクターはPharmacia LKB(Uppsala,Sweden)からのpGEXシリーズとした。 Helicobacter pyloriのJ99株からの膜および分泌タンパク質のORFを含有するDNA 配列のPCR増幅およびクローニング H.pylori株J99からのクローニングに(本発明のDNA配列表から)選択した配列 を、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)による増幅クローニングのために調製した。ORF の予測される成熟5'末端、および予測される翻訳停止コドンの下流(3')もしくは コード領域内の特定の点に特異的な関係するORFの合成オリゴヌクレオチドプラ イマー(表11)を設計して、購入した(Gibco BRL Life Technologies,Gaither sburg,MD,USA)。順行プライマー(関係するORFの領域の5'末端に特異的)は すべてBamHIまたはNdeI制限部位を包含するように設計された。NdeI制限部位 配列内のこれらのプライマーはメチオニン残基(非His−タグ組換えタンパク質 を製造する場合にはNdeI制限部位配列内にコードされる)におけるタンパク質 の翻訳開始を可能にするか、またはHis−タグをコードするDNA配列とインフレー ムに融合させ(His−タグ組換えタンパク質を産生させるために)ついでネイテ ィブなH.pylori DNAの残部のコード配列が続くように設計された。BamHI制限部 位を有するプライマーは、pGEXベクター(Pharmacia LKB,Uppsala,Sweden)中の グルタチオン−S−トランスフェラーゼ遺伝子のC末端とH.pylori特異的な配 列がインフレームに融合するように作成された。逆行オリゴヌクレオチドプライ マーはすべて5'末端にEcoRI制限部位を包含するように設計された。いくつかの 逆行オリゴヌクレオチドプライマーはC末端のある部分が除去されてポリペプチ ドの末端切断が起こるように選択され、これらの場合には5'末端におけるEcoRI 制限部位に続いて翻訳終結コドンがくる。このプライマーの組合わせは関係する るORF(またはそのORFの部分)のpET28b(His−タグ組換えタンパク質を産生させ る)、pET30a(非His−タグ組換えタンパク質またはネイティブな組換えタンパク 質を産生させる)またはpGEX-4TもしくはpGEX-5Xシリーズ(GST融合タンパク質を 産生させる)へのクローン化を可能にする。pET28bベクターはHis-tagを構成す る6個のヒスチジン残基のストレッチを包含するさらに20アミノ末端アミノ酸を コードする配列(+NdeI制限部位内のメチオニン)を提供するが、pGEXベクター はH.pyloriタンパク質と融合し、26,000Daのグルタチオン−S−トランスフェ ラーゼタンパク質を形成する。 H.pylori株J99(ATCC 55679)から調製されたゲノムDNAをPCR増幅反応のため の鋳型DNAの原料として使用した(Current Protocolsin Molecular Biology,Joh n Wiley and Sons,Inc.,F.Ausubelら編,1994)。特異的なH.pylori ORFを含 有するDNA配列を増幅するためには、ゲノムDNA(50ng)を関係するORFに特異的 な順行および逆行両方の合成オリゴヌクレオチドプライマー200ng、および購入 したPCR SuperMix(GibcoBRL Life Technologies,Gaithersburg,MD,USA)45μl を、総容量50μl中に含む反応管に導入した。PCR SuperMixは1.1×濃度で供給さ れ、22mM Tris-HCl(pH8.4)、55mM KCl、1.65mM MgCl2、220μmolの各dATP、dG TP、dCTPおよびdTTP、22単位/mlの組換えTaqポリメラーゼならびに安定剤を含 有する。各ORFについて増幅DNA産物を得るためには、Perkin Elmer Cetus/Gene Amp PCR System熱サイクラーを用いて、以下の熱サイクリング条件を採用した。 表11:オリゴヌクレオチドプライマー Vac38配列(全長または末端切断配列) 変性94℃で30秒間、 35サイクル、94℃で15秒間、55℃で15秒間および72℃で1.5分間、 反応は72℃8分間で終結させた。 熱サイクル反応の完了後、増幅されたDNAの各サンプルを1.0%アガロースゲル 上電気泳動に付した。DNAはエチジウムブロミドへの暴露ならびに長波長UV照射 によって可視化し、ゲルスライスに切り出した。DNAはWizard PCR Prepsキット (Promega Corp.,Madison,WI,USA)を用いて精製し、BamひおよびEcoRIによ って消化した(Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley and Sons ,Inc.,F.Ausubelら編,1994)。消化されたPCRアンプリコンはついで前回と同 様に再び電気泳動に付し精製した。 H.pylori DNA配列のクローニングベクターへのライゲーション Vac41の場合は、pOK12ベクター(J.Vieira & J.Messing,Gene100:189-194 ,1991)をBamHIおよびEcoRIまたはNdeIおよびEcoRIによる消化 でのクローニングのため調製した(Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley and Sons,Inc.,F.Ausubelら編,1994)。ベクターは1.0%アガロ ースゲル上で電気泳動に付し、Wizard PCR Prepsキット(Promega Corp.,Madis on,WI,USA)を使用して精製した。精製、消化したベクターと精製し、消化し た増幅H.pylori ORFのライゲーションののちに、ライゲーションの反応産物を 、標準方法(Current Protocolsin Molecular Biology,John Wiley and Sons, Inc.,F.Ausubelら編,1994)に従い大腸菌JM109コンピーテント細胞にトラン スフォームした。個々の細菌コロニーをLB培地(+25μg/ml硫酸カナマイシン )中で一夜、ついでMagic MiniPrepsシステム(Promega Corp.,Madison,WI,U SA)を用いてプラスミドDNAプレパレーションによるインキュベーションによっ て正しい組換えプラスミドを含むコロニーについてスクリーニングし、ついで制 限消化により解析した(Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley and Sons,Inc.,F.Ausubelら編,1994)。 H.pylori DNA配列のpET28b、pET30aおよびpGEX4T-3原核細胞発現ベクターへのク ローニング pET28bおよびpET30a発現ベクターはいずれもNdeIとEcoRI消化によってクロ ーニング用に調製し、pGEX4T-3ベクターはBamHIとEcoRI消化によってクローニ ングのために調製した(Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley and Sons,Inc.,Ausubelら編,1994),H.pyloriのDNA配列は、NdeIおよびEcoR IあるいはBamHIおよびEcoRI消化によってpOK12プラスミド骨格から除去した(Cur rent Protocols in Molecular Biology,John Wiley and Sons,Inc.,Ausubel ら編,1994)。pET28b、pET30a、pGEX4T-3およびH.pylori DNA配列はすべて1% アガロースゲル上電気泳動に付し、Wizard PCR Prepsキット(Promega Corp.,M adison,WI,USA)を使用して精製した。精製し消化された発現ベクターと精製 し消化されたH.pylori DNA配列のライゲーション後に、ライゲーション 反応産物を大腸菌JM109コンピーテント細胞にトランスフォームした(Current Pr otocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons,Inc.,F.Ausubelら編,19 94)。個々の細菌コロニーを上述のようにプラスミドDNAの調製によって正しい組 換えプラスミドを含むコロニーについてスクリーニングし、ついで制限消化プロ ファイルおよびDNA配列決定により解析した(Current Protocols in Molecular B iology,John Wiley and Sons,Inc.,F.Ausubelら編,1994)。ついでこれらの 組換えプラスミドを用い特異的な大腸菌発現株をトランスフォームした。 組換え発現プラスミドによるコンピーテント細菌のトランスフォーメーション コンピーテントな細菌株BL21(DE3)、BL21(DE3)pLyS、HMS174(DE3)およびHMS17 4(DE3)pLysSを調製し、クローン化したH.pylori配列をもつ組換えpET28b発現プ ラスミドにより標準方法でトランスフォームした(Current Protocols in Molecu lar Biology,John Wiley and Sons,Inc.,Ausubelら編,1994)。これらの発現 宿主株はT7 RNAポリメラーゼの遺伝子の染色体コピーを含有する。これらの宿主 はバクテリオファージDE3の溶原菌であり、lacI遺伝子、lacUV5プロモーターお よびT7 RNAポリメラーゼの遺伝子を有するラムダ誘導体である。T7 RNAポリメラ ーゼの発現はイソプロピル−β−D−チオガラクトシド(IPTG)の添加によって 誘導され、ついでT7 RNAポリメラーゼはT7プロモーター配列および関係する遺 伝子を有する標的プラスミドたとえばpET28bを転写する。 コンピーテントな細菌株JM109およびDH5αを調製し、はクローン化されたH.p ylori配列をもつ組換えpGEX4T-3発現プラスミドにより標準方法でトランスフォ ームした(Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley andSons,In c.,Ausubelら編,1994)。 組換えH.pylori配列の大腸菌における発現 トランスフォーマントを25μg/mlの硫酸カナマイシン(pET28bベース 組換えプラスミドの維持の確証)あるいは100μg/mlのアンピシリン(pGEX4T-3 ベース組換えプラスミドの維持の確証)を含有するLBアガールプレートから収集 し、25μg/ml硫酸カナマイシンまたは100μg/mlのアンピシリンを含有するLB ブロスへの接種に使用し、600nmにおける光学密度が0.5〜1.0 OD単位に達するま で増殖させ、この時点で、1mM IPTGを培養液に13時間添加してH.pylori組換 えDNA構築体の遺伝子発現を誘導した。IPTGにより遺伝子の発現を誘導したのち 、細菌を遠心分離してペレット化し、SDS-PAGE可溶化緩衝液に再懸濁しSDS-PAGE に付した(Current Protocolsin Molecular Biology,John Wiley & Sons,Inc. ,F.Ausubelら編,1994)。タンパク質はクーマシーブリリアントブルーで染色し て可視化するか、あるいは特異的抗−Hisタグモノクローナル抗体(Clontech,Pa lo Alto,CA,USA)または抗−GSTタグ抗体(Pharmacia LKB)を用いて、標準方 法(Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons,Inc.,F.A usubelら編,1994)によりウエスタンイムノブロッティングで検出した。ついで 最高レベルの組換えタンパク質の産生を提供する宿主株を、組換えタンパク質の 精製のための大規模な誘導における使用に選択した。使用された株はHMS174(DE3 )(pET28b−ベース構築体)およびDH5α(pGEX4T-3ベース構築体)であった。 C末端領域の除去はいずれのシステムにおいても発現のレベルを改良するよう であったが、この上昇はGST融合システムにおいて、はるかに顕著であった。産 生されたすべての組換えタンパク質は、DNA配列および必要に応じて融合タグの サイズに基づいて予測される分子量を示した。H.pyloriタンパク質の切断部分 は極めて疎水性のストレッチを含有し、これらの除去が発現の増大の理由と思わ れる。 均等物 本技術分野の熟練者によれば、本明細書に記載した特定の実施態様および方法 に均等な多くの態様および方法を、定常的にすぎない実験を用いて 認識しまたは確認することが可能であろう。このような均等な態様および方法は 請求された本発明の範囲に包含されるものとする。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07K 19/00 C12N 1/15 C12N 1/15 1/19 1/19 1/21 1/21 C12Q 1/68 A 5/10 C12P 21/02 C C12Q 1/68 C12N 15/00 ZNAA // C12P 21/02 5/00 A (31)優先権主張番号 08/891,928 (32)優先日 平成9年7月14日(1997.7.14) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG ,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT ,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA, CH,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,G B,GE,GH,HU,ID,IL,IS,JP,KE ,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS, LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,M X,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE ,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT, UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 カーボク,ジータ アメリカ合衆国マサチューセッツ州01760. ネイティック.ユニヴァーシティドライブ 19 (72)発明者 カストリオッタ,リリアン・マリー アメリカ合衆国マサチューセッツ州02158. ニュートン.チャールズバンクロード119

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.SEQ ID NO:98〜SEQ ID NO:194からなる群より選択されるアミノ酸配列と 少なくとも約60%の相同性を有するH.pyloriポリペプチドをコードするヌクレ オチド配列から構成される単離された核酸。 2.SEQ ID NO:98〜SEQ ID NO:194からなる群より選択されるH.pyloriポリペ プチドをコードするヌクレオチド配列から構成される単離された核酸。 3.SEQ ID NO:1〜SEQ ID NO:97またはそれらの相補体からなる群より選択さ れるヌクレオチド配列と少なくとも約60%の相同性を有するヌクレオチド配列か ら構成されるH.pyloriポリペプチドをコードする単離された核酸。 4.SEQ ID NO:1〜SEQ ID NO:97またはその相補体からなる群より選択される ヌクレオチド配列から構成される、請求項1記載の単離された核酸。 5.SEQ ID NO:1〜SEQ ID NO:97またはその相補体からなる群より選択される ヌクレオチド配列から構成される核酸に緊縮ハイブリダイゼーション条件下にハ イブリダイズするヌクレオチド配列からなるH.pyloriポリペプチドをコードす る単離された核酸分子。 6.配列が、SEQ ID NO:1〜SEQ ID NO:97またはその相補体からなる群より選 択されるヌクレオチド配列を有する核酸に緊縮ハイブリダイゼーション条件下に ハイブリダイズする、長さ少なくとも8ヌクレオチド配列から構成される単離さ れた核酸。 7.H.pyloriの細胞エンベロープポリペプチドもしくはそのフラグメントをコ ードするヌクレオチド配列からなる核酸であり、その核酸はSEQ ID NO:63、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:13、SEQ ID NO:14、 SEQ ID NO:23、SEQ ID NO:24、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:28、SEQ ID NO:5 0、SEQ ID NO:51、 SEQ ID NO:61、SEQ ID NO:79、SEQ ID NO:80、SEQ ID NO:84、SEQ ID NO:8 5、SEQ ID NO:91、SEQ ID NO:94、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO :26、SEQ ID NO:36、SEQ ID NO:42、SEQ ID NO:52、SEQ ID NO:22、SEQ ID NO:29、SEQ ID NO:30、SEQ ID NO:65、SEQ ID NO:66、SEQ ID NO:48、SEQ ID NO:49、SEQ ID NO:17、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:19、SEQ ID NO:43、 SEQ ID NO:44、SEQ ID NO:38、SEQ ID NO:39、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO: 2、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:34、SEQ ID NO:35、SEQ ID NO:60、SEQ ID N O:69、およびSEQ ID NO:83、またはその相補体からなる群より選択される単離 された核酸。 8.H.pyloriの細胞エンベロープポリペプチドまたはそのフラグメントはSEQ I D NO:63のヌクレオチド配列またはその相補体からなるH.pylori鞭毛関連ポリペ プチドまたはそのフラグメントである、請求項7記載の単離された核酸。 9.H.pyloriの細胞エンベロープポリペプチドまたはそのフラグメントはSEQ I D NO:48、SEQ ID NO:49、SEQ ID NO:17、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:19、SE Q ID NO:43、SEQ ID NO:44、SEQ ID NO:38、およびSEQ ID NO:39、またはそ の相補体からなる群より選択される核酸によってコードされるH.pylori内膜ポ リペプチドまたはそのフラグメントである、請求項7記載の単離された核酸。 10.H.pyloriの内膜ポリペプチドまたはそのフラグメントはSEQ ID NO:48、SE Q ID NO:49、SEQ ID NO:17、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:19、SEQ ID NO:43 、およびSEQ ID NO:44、またはその相補体からなる群より選択される核酸によ りコードされる輸送に関与するH.pyloriポリペプチドまたはそのフラグメント である、請求項9記載の単離された核酸。 11.H.pyloriの細胞エンベロープポリペプチドまたはそのフラグメント は、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:13、SEQ ID N O:14、SEQ ID NO:23、SEQ ID NO:24、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:28、SEQ I D NO:50、SEQ ID NO:51、SEQ ID NO:61、SEQ ID NO:79、SEQ ID NO:80、SE Q ID NO:84、SEQ ID NO:85、SEQ ID NO:91、SEQ ID NO:94、SEQ ID NO:5 、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:36、SEQ ID NO:42、SEQ ID NO :52、SEQ ID NO:22、SEQ ID NO:29、SEQ ID NO:30、SEQ ID NO:65、および SEQ ID NO:66、またはその相補体からなる群より選択される核酸によってコー ドされるH.pylori外膜ポリペプチドまたはそのフラグメントである、請求項7 記載の単離された核酸。 12.H.pylori外膜ポリペプチドまたはそのフラグメントはSEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:13、およびSEQ ID NO :14、SEQ ID NO:23、SEQ ID NO:24、SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:28、SEQ ID NO:42、SEQ ID NO:50、SEQ ID NO:51、SEQ ID NO:52、SEQ ID NO:61、SEQ ID NO:79、SEQ ID NO:80、SEQ ID NO:84、SEQ ID NO:85、 SEQ ID NO:91、およびSEQ ID NO:94またはその相補体からなる群より選択され る核酸によってコードされる末端フェニルアラニン残基を有するH.pyloriポリ ペプチドまたはそれらのフラグメントである、請求項11記載の単離された核酸。 13.H.pyloriの外膜ポリペプチドまたはそのフラグメントは、SEQ ID NO:11、 SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:36、SEQ ID NO:42、およびSEQ ID NO:52、または その相補体からなる群より選択される核酸によってコードされる末端フェニルア ラニン残基およびC末端チロシンクラスターを有するH.pyloriポリペプチドま たはそれらのフラグメントである、請求項12記載の単離された核酸。 14.H.pyloriの細胞エンベロープポリペプチドもしくはそのフラグメン トをコードするヌクレオチド配列からなる単離された核酸であって、そのポリペ プチドはSEQ ID NO:160、SEQ ID NO:104、SEQ ID NO:105、SEQ ID NO:106、SE Q ID NO:110、SEQ ID NO:111、SEQ ID NO:120、SEQ ID NO:121、SEQ ID NO :124、SEQ ID NO:125、SEQ ID NO:147、SEQ ID NO:148、SEQ ID NO:158、S EQ ID NO:176、SEQ ID NO:177、SEQ ID NO:181、SEQ ID NO:182、SEQ ID NO :188、SEQ ID NO:191、SEQ ID NO:102、SEQ ID NO:108、SEQ ID NO:123、S EQ ID NO:133、SEQ ID NO:139、SEQ ID NO:149、SEQ ID NO:119、SEQ ID NO :126、SEQ ID NO:127、SEQ ID NO:162、SEQ ID NO:163、SEQ ID NO:145、S EQ ID NO:146、SEQ ID NO:114、SEQ ID NO:115、SEQ ID NO:116、SEQ ID NO :140、SEQ ID NO:141、SEQ ID NO:135、SEQ ID NO:136、SEQ ID NO:98、SE Q ID NO:99、SEQ ID NO:103、SEQ ID NO:131、SEQ ID NO:132、SEQ ID NO: 157、SEQ ID NO:166、およびSEQ ID NO:180からなる群より選択される単離核酸 。 15.H.pylori細胞エンベロープポリペプチドまたはそのフラグメントはSEQ ID NO:160のアミノ酸配列からなるH.pylori鞭毛関連ポリペプチドまたはそのフラ グメントである、請求項14記載の単離された核酸。 16.H.pylori細胞エンベロープポリペプチドまたはそのフラグメントはSEQ ID NO:145、SEQ ID NO:146、SEQ ID NO:114、SEQ ID NO:115、SEQ ID NO:116 、SEQ ID NO:140、SEQ ID NO:141、SEQ ID NO:135、およびSEQ ID NO:136か らなる群より選択されるH.pylori内膜ポリペプチドまたはそのフラグメントで ある、請求項14記載の単離された核酸。 17.H.pylori内膜ポリペプチドまたはそのフラグメントは、SEQ ID NO:145、S EQ ID NO:146、SEQ ID NO:114、SEQ ID NO:115、SEQ ID NO:116、SEQ ID NO :140およびSEQ ID NO:141からなる群より選択される輸送に関与するH.pylori ポリペプチドまたはそのフラグメントである、 請求項16記載の単離された核酸。 18.H.pylori細胞エンベロープポリペプチドまたはそのフラグメントはSEQ ID NO:104、SEQ ID NO:105、SEQ ID NO:106、SEQ ID NO:110、SEQ ID NO:111 、SEQ ID NO:120、SEQ ID NO:121、SEQ ID NO:124、SEQ ID NO:125、SEQ ID NO:147、SEQ ID NO:148、SEQ ID NO:158、SEQ ID NO:176、SEQ ID NO:177 、SEQ ID NO:181、SEQ ID NO:182、SEQ ID NO:188、SEQ ID NO:191、SEQ ID NO:102、SEQ ID NO:108、SEQ ID NO:123、SEQ ID NO:133、SEQ ID NO:139 、SEQ ID NO:149、SEQ ID NO:119、SEQ ID NO:126、SEQ ID NO:127、SEQ ID NO:162、およびSEQ ID NO:163からなる群より選択されるH.pyloriの外膜ポ リペプチドまたはそのフラグメントである、請求項14記載の単離された核酸。 19.H.pyloriの外膜ポリペプチドまたはそのフラグメントはSEQ ID NO:104、S EQ ID NO:105、SEQ ID NO:106、SEQ ID NO:108、SEQ ID NO:110、SEQ ID NO :111、SEQ ID NO:120、SEQ ID NO:121、SEQ ID NO:123、SEQ ID NO:124、S EQ ID NO:125、SEQ ID NO:133、SEQ ID NO:139、SEQ ID NO:147、SEQ ID NO :148、SEQ ID NO:149、SEQ ID NO:158、SEQ ID NO:176、SEQ ID NO:177、S EQ ID NO:181、SEQ ID NO:182、SEQ ID NO:188、およびSEQ ID NO:191からな る群より選択され、末端フェニルアラニン残基を有するH.pyloriポリペプチド またはそれらのフラグメントである、請求項18記載の単離された核酸。 20.H.pyloriの外膜ポリペプチドまたはそのフラグメントはSEQ ID NO:108、S EQ ID NO:123、SEQ ID NO:133、SEQ ID NO:139およびSEQ ID NO:149からな る群より選択され、末端フェニルアラニン残基およびC末端チロシンクラスター を有するH.pyloriポリペプチドまたはそれらのフラグメントである、請求項19 記載の単離された核酸。 21.H.pyloriのサイトプラスムポリペプチドまたはそのフラグメントを コードするヌクレオチド配列からなる単離された核酸であり、核酸はSEQ ID NO :57、SEQ ID NO:58、SEQ ID NO:86、SEQ ID NO:87、SEQ ID NO:88、SEQ ID NO:89、SEQ ID NO:92およびSEQ ID NO:93またはそれらの相補体からなる群 より選択される単離された核酸。 22.H.pyloriのサイトプラスムポリペプチドまたはそのフラグメントは、mRNA 翻訳に関与するH.pyloriポリペプチドまたはそのフラグメントであり、核酸はS EQ ID NO:57およびSEQ ID NO:58またはその相補体からなる群より選択される 、請求項21記載の単離された核酸。 23.H.pyloriのサイトプラスムポリペプチドまたはそのフラグメントは、ゲノ ム複製、転写、組換えおよび修復に関与するH.pyloriポリペプチドまたはその フラグメントであり、核酸はSEQ ID NO:86およびSEQ ID NO:87またはその相補 体からなる群より選択される、請求項21記載の単離された核酸。 24.H.pyloriのサイトプラスムポリペプチドまたはそのフラグメントをコード するヌクレオチド配列からなる単離された核酸であり、ポリペプチドはSEQ ID N O:154、SEQ ID NO:155、SEQ ID NO:183、SEQ ID NO:184、SEQ ID NO:185、 SEQ ID NO:186、SEQ ID NO:189、およびSEQ ID NO:190からなる群より選択さ れる単離された核酸。 25.H.pyloriのサイトプラスムポリペプチドまたはそのフラグメントは、SEQ I D NO:154およびSEQ ID NO:155からなる群より選択されるmRNA翻訳に関与するH .pyloriポリペプチドまたはそのフラグメントである、請求項24記載の単離され た核酸。 26.H.pyloriのサイトプラスムポリペプチドまたはそのフラグメントはSEQ ID NO:183およびSEQ ID NO:184からなる群より選択されるゲノム複製、転写、組 換えおよび修復に関与するH.pyloriポリペプチドまたはそのフラグメントであ る、請求項24記載の単離された核酸。 27.H.pylori分泌ポリペプチドまたはそのフラグメントをコードするヌ クレオチド配列からなる単離された核酸であり、核酸はSEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:12、SEQ ID NO:20、SEQ ID NO:25、SEQ ID NO:31、SEQ ID NO:32、SEQ ID NO:45、SEQ ID NO:46、SEQ ID NO:53、S EQ ID NO:64、SEQ ID NO:67、SEQ ID NO:70、SEQ ID NO:77、SEQ ID NO:78 、SEQ ID NO:81、SEQ ID NO:82、SEQ ID NO:90、SEQ ID NO:95、およびSEQ ID NO:97またはそれらの相補体からなる群より選択される単離された核酸。 28.SEQ ID NO:100、SEQ ID NO:101、SEQ ID NO:107、SEQ ID NO:109、SEQ ID NO:117、SEQ ID NO:122、SEQ ID NO:128、SEQ ID NO:129、SEQ ID NO:1 42、SEQ ID NO:143、SEQ ID NO:150、SEQ ID NO:161、SEQ ID NO:164、SEQ ID NO:167、SEQ ID NO:174、SEQ ID NO:175、SEQ ID NO:178、SEQ ID NO:1 79、SEQ ID NO:187、SEQ ID NO:192、およびSEQ ID NO:194からなる群より選 択されるH.pylori分泌ポリペプチドまたはそのフラグメントをコードするヌク レオチド配列からなる単離された核酸。 29.H.pylori細胞性ポリペプチドまたはそのフラグメントをコードするヌクレ オチド配列からなる単離された核酸であり、核酸はSEQ ID NO:15、SEQ ID NO: 16、SEQ ID NO:21、SEQ ID NO:33、SEQ ID NO:37、SEQ ID NO:40、SEQ ID N O:41、SEQ ID NO:47、SEQ ID NO:54、SEQ ID NO:55、SEQ ID NO:56、SEQ I D NO:59、SEQ ID NO:62、SEQ ID NO:68、SEQ ID NO:71、SEQ ID NO:72、SE Q ID NO:73、SEQ ID NO:74、SEQ ID NO:75、SEQ ID NO:76およびSEQ ID NO :96またはそれらの相補体からなる群より選択される単離された核酸。 30.H.pylori細胞性ポリペプチドまたはそのフラグメントをコードするヌクレ オチド配列からなる単離された核酸であり、ポリペプチドはSEQ ID NO:112、SE Q ID NO:113、SEQ ID NO:118、SEQ ID NO:130、SEQ ID NO:134、SEQ ID NO :137、SEQ ID NO:138、SEQ ID NO:144、 SEQ ID NO:151、SEQ ID NO:152、SEQ ID NO:153、SEQ ID NO:156、SEQ ID N O:159、SEQ ID NO:165、SEQ ID NO:168、SEQ ID NO:169、SEQ ID NO:170、 SEQ ID NO:171、SEQ ID NO:172、SEQ ID NO:173およびSEQ ID NO:193からな る群より選択される単離された核酸。 31.SEQ ID NO:1〜SEQ ID NO:97またはそれらの相補体からなる群より選択さ れるヌクレオチド配列の少なくとも8ヌクレオチドから構成されるヌクレオチド 配列からなるプローブ。 32.請求項1〜7、14、21,.24、または27〜30のいずれか1項に記載の核酸が 転写調節エレメントと作動的に連結してなる組換え発現ベクター。 33.請求項32記載の組換え発現ベクターからなる細胞。 34.請求項33記載の細胞をポリペプチドの発現が可能な条件下に培養することか らなるH.pyloriポリペプチドの製造方法。 35.さらに細胞からポリペプチドを精製することからなる請求項34記載の方法。 36.サンプル中におけるHelicobacterの核酸の存在を検出する方法において(a )プローブとサンプル中のHelicobacterの核酸の間でハイブリッドを形成するよ うにサンプルを請求項6または31のいずれかに記載の核酸と接触させ、(b)工 程(a)において形成されたハイブリッドを検出し、ハイブリッドの検出により サンプル中のHelicobacterの核酸の存在を指示する方法。 37.SEQ ID NO:98〜SEQ ID NO:194からなる群より選択されるH.pyloriポリペ プチドと少なくとも約60%の相同性を有するアミノ酸配列からなる単離されたH .pyloriポリペプチド。 38.SEQ ID NO:1〜SEQ ID NO:97からなる群より選択されるヌクレオチド配列 と少なくとも約60%の相同性を有するヌクレオチド配列からなる核酸によってコ ードされる単離されたH.pyloriポリペプチド。 39.ポリペプチドはSEQ ID NO:1〜SEQ ID NO:97からなる群より選択さ れるヌクレオチド配列によりコードされる、請求項28記載の単離されたH.pylor iポリペプチド。 40.SEQ ID NO:1〜SEQ ID NO:97からなる群より選択されるヌクレオチド配列 またはそれらの相補体に緊縮ハイブリダイゼーション条件下にハイブリダイズす る核酸によってコードされる単離されたH.pyloriポリペプチド。 41.SEQ ID NO:97〜SEQ ID NO:194からなる群より選択されるアミノ酸配列か らなる単離されたH.pyloriポリペプチド。 42.SEQ ID NO:160、SEQ ID NO:104、SEQ ID NO:105、SEQ ID NO:106、SEQ ID NO:110、SEQ ID NO:111、SEQ ID NO:120、SEQ ID NO:121、SEQ ID NO:1 24、SEQ ID NO:125、SEQ ID NO:147、SEQ ID NO:148、SEQ ID NO:158、SEQ ID NO:176、SEQ ID NO:177、SEQ ID NO:181、SEQ ID NO:182、SEQ ID NO:1 88、SEQ ID NO:191、SEQ ID NO:102、SEQ ID NO:108、SEQ ID NO:123、SEQ ID NO:133、SEQ ID NO:139、SEQ ID NO:149、SEQ ID NO:119、SEQ ID NO:1 26、SEQ ID NO:127、SEQ ID NO:162、SEQ ID NO:163、SEQ ID NO:145、SEQ ID NO:146、SEQ ID NO:114、SEQ ID NO:115、SEQ ID NO:116、SEQ ID NO:1 40、SEQ ID NO:141、SEQ ID NO:135、SEQ ID NO:136、SEQ ID NO:98、SEQ I D NO:99、SEQ ID NO:103、SEQ ID NO:131、SEQ ID NO:132、SEQ ID NO:157 、SEQ ID NO:166、およびSEQ ID NO:180からなる群より選択される単離された H.pylori細胞エンベロープポリペプチドまたはそのフラグメント。 43.H.pylori細胞エンベロープポリペプチドまたはそのフラグメントはSEQ ID NO:160のアミノ酸配列からなるH.pylori鞭毛関連ポリペプチドまたはそれらの フラグメントである、請求項42記載の単離されたポリペプチド。 44.H.pylori細胞エンベロープポリペプチドまたはそのフラグメントは SEQ ID NO:145、SEQ ID NO:146、SEQ ID NO:114、SEQ ID NO:115、SEQ ID N O:116、SEQ ID NO:140、SEQ ID NO:141、SEQ ID NO:135、SEQ ID NO:136か らなる群より選択されるH.pylori内膜ポリペプチドまたはそのフラグメントで ある、請求項43記載の単離されたポリペプチド。 45.H.pylori内膜ポリペプチドまたはそのフラグメントは、SEQ ID NO:145、S EQ ID NO:146、SEQ ID NO:114、SEQ ID NO:115、SEQ ID NO:116、SEQ ID NO :140およびSEQ ID NO:141からなる群より選択される輸送に関与するH.pylori ポリペプチドまたはそのフラグメントである請求項44記載の単離されたポリペプ チド。 46.H.pylori細胞エンベロープポリペプチドまたはそのフラグメントは、SEQ I D NO:104、SEQ ID NO:105、SEQ ID NO:106、SEQ ID NO:110、SEQ ID NO:11 1、SEQ ID NO:120、SEQ ID NO:121、SEQ ID NO:124、SEQ ID NO:125、SEQ I D NO:147、SEQ ID NO:148、SEQ ID NO:158、SEQ ID NO:176、SEQ ID NO:17 7、SEQ ID NO:181、SEQ ID NO:182、SEQ ID NO:188、SEQ ID NO:191、SEQ I D NO:102、SEQ ID NO:108、SEQ ID NO:123、SEQ ID NO:133、SEQ ID NO:13 9、SEQ ID NO:149、SEQ ID NO:119、SEQ ID NO:126、SEQ ID NO:127、SEQ I D NO:162およびSEQ ID NO:163からなる群より選択されるH.pylori外膜ポリペ プチド、またはそのフラグメントである、請求項43記載の単離されたポリペプチ ド。 47.H.pylori外膜ポリペプチドまたはそのフラグメントは、SEQ ID NO:104、S EQ ID NO:105、SEQ ID NO:106、SEQ ID NO:108、SEQ ID NO:110、SEQ ID NO :111、SEQ ID NO:120、SEQ ID NO:121、SEQ ID NO:123、SEQ ID NO:124、S EQ ID NO:125、SEQ ID NO:133、SEQ ID NO:139、SEQ ID NO:147、SEQ ID NO :148、SEQ ID NO:149、SEQ ID NO:158、SEQ ID NO:176、SEQ ID NO:177、S EQ ID NO:181、SEQ ID NO: 182、SEQ ID NO:188およびSEQ ID NO:191からなる群より選択され、末端フェ ニルアラニン残基を有するH.pyloriポリペプチドまたはるそのフラグメントで ある、請求項46記載の単離されたポリペプチド。 48.H.pylori外膜ポリペプチドまたはそのフラグメントは、SEQ ID NO:108、S EQ ID NO:123、SEQ ID NO:133、SEQ ID NO:139およびSEQ ID NO:149からな る群より選択され、末端フェニルアラニン残基およびC末端チロシンクラスター を有するH.pyloriポリペプチドまたはるそのフラグメントである、請求項47記 載の単離されたポリペプチド。 49.SEQ ID NO:63、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:9、SEQ ID N O:13、SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:23、SEQ ID NO:24、SEQ ID NO:27、SEQ I D NO:28、SEQ ID NO:50、SEQ ID NO:51、SEQ ID NO:61、SEQ ID NO:79、SE Q ID NO:80、SEQ ID NO:84、SEQ ID NO:85、SEQ ID NO:91、SEQ ID NO:94 、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:36、SEQ ID NO :42、SEQ ID NO:52、SEQ ID NO:22、SEQ ID NO:29、SEQ ID NO:30、SEQ ID NO:65、SEQ ID NO:66、SEQ ID NO:48、SEQ ID NO:49、SEQ ID NO:17、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:19、SEQ ID NO:43、SEQ ID NO:44、SEQ ID NO:38、 SEQ ID NO:39、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:3 4、SEQ ID NO:35、SEQ ID NO:60、SEQ ID NO:69およびSEQ ID NO:83からな る群より選択される核酸によってコードされる単離されたH.pylori細胞エンベ ロープポリペプチドまたはそのフラグメント。 50.H.pylori細胞エンベロープポリペプチドまたはそのフラグメントはSEQ ID NO:63のヌクレオチド配列からなる核酸によってコードされるH.pylori鞭毛関 連ポリペプチドまたはそれらのフラグメントである、請求項49記載の単離された ポリペプチド。 51.H.pylori細胞エンベロープポリペプチドまたはそのフラグメントは SEQ ID NO:48、SEQ ID NO:49、SEQ ID NO:17、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:1 9、SEQ ID NO:43、SEQ ID NO:44、SEQ ID NO:38、SEQ ID NO:39からなる群 より選択される核酸によってコードされるH.pylori内膜ポリペプチドまたはそ のフラグメントである、請求項49記載の単離されたポリペプチド。 52.H.pylori内膜ポリペプチドまたはそれらのフラグメントは、SEQ ID NO:48 、SEQ ID NO:49、SEQ ID NO:17、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:19、SEQ ID NO :43およびSEQ ID NO:44からなる群より選択される核酸によりコードされる輸 送に関与するH.pyloriポリペプチドまたはそれらのフラグメントである、請求 項51記載の単離されたポリペプチド。 53.H.pyloriの細胞エンベロープポリペプチドまたはそれらのフラグメントはS EQ ID NO:7、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:13、SEQ ID NO:14 、SEQ ID NO:23、SEQ ID NO:24、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:28、SEQ ID NO :50、SEQ ID NO:51、SEQ ID NO:61、SEQ ID NO:79、SEQ ID NO:80、SEQ ID NO:84、SEQ ID NO:85、SEQ ID NO:91、SEQ ID NO:94、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:36、SEQ ID NO:42、SEQ ID NO:52、 SEQ ID NO:22、SEQ ID NO:29、SEQ ID NO:30、SEQ ID NO:65およびSEQ ID N O:66からなる群より選択される核酸によってコードされるH.pylori外膜ポリペ プチドまたはそのフラグメントである、請求項49記載の単離されたポリペプチド 。 54.H.pylori外膜ポリペプチドまたはそれらのフラグメントは、SEQ ID NO:7 、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:13、SEQ ID NO :14、SEQ ID NO:23、SEQ ID NO:24、SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:28、SEQ ID NO:36、SEQ ID NO:42、SEQ ID NO:50、SEQ ID NO:51、SEQ ID NO:52、 SEQ ID NO:61、SEQ ID NO:79、SEQ ID NO:80、SEQ ID NO:84、SEQ ID NO:8 5、SEQ ID NO:91およびSEQ ID NO:94からなる群より選択される核酸によりコ ードされ、末端フェニルアラニン残基を有するH.pyloriポリペプチドまたはる そのフラグメントである、請求項53記載の単離されたポリペプチド。 55.H.pylori外膜ポリペプチドまたはそれらのフラグメントは、SEQ ID NO:11 、SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:36、SEQ ID NO:42およびSEQ ID NO:52からなる 群より選択される核酸によってコードされ、末端フェニルアラニン残基およびC 末端チロシンクラスターを有するH.pyloriポリペプチドまたはるそのフラグメ ントである、請求項54記載の単離されたポリペプチド。 56.SEQ ID NO:154、SEQ ID NO:155、SEQ ID NO:183、SEQ ID NO:184、SEQ ID NO:185、SEQ ID NO:186、SEQ ID NO:189およびSEQ ID NO:190からなる群 より選択される単離されたH.pyloriサイトプラスムポリペプチドまたはそのフ ラグメント。 57.H.pyloriサイトプラスムポリペプチドまたはそのフラグメントはSEQ ID NO :154およびSEQ ID NO:155からなる群より選択されるmRNA翻訳に関与するH.py loriポリペプチドまたはそのフラグメントである、請求項56記載の単離されたポ リペプチド。 58.H.pyloriサイトプラスムポリペプチドまたはそのフラグメントはSEQ ID NO :183およびSEQ ID NO:184からなる群より選択されるゲノム複製、転写、組換 えおよび修復に関与するH.pyloriポリペプチドまたはそのフラグメントである 、請求項56記載の単離されたポリペプチド。 59.SEQ ID NO:57、SEQ ID NO:58、SEQ ID NO:86、SEQ ID NO:87、SEQ ID N O:88、SEQ ID NO:89、SEQ ID NO:92およびSEQ ID NO:93からなる群より選択 される核酸によってコードされる、単離されたH.pyloriサイトプラスムポリペ プチドまたはそのフラグメント。 60.H.pyloriサイトプラスムポリペプチドまたはそれらのフラグメントはmRNA 翻訳に関与するH.pyloriポリペプチドまたはそのフラグメントであり、そのポ リペプチドはSEQ ID NO:57およびSEQ ID NO:58からなる群より選択される核酸 によってコードされる請求項59記載の単離されたポリペプチド。 61.H.pyloriサイトプラスムポリペプチドまたはそれらのフラグメントはゲノ ム複製、転写、組換えおよび修復に関与するH.pyloriポリペプチドまたはその フラグメントであり、そのポリペプチドはSEQ ID NO:86およびSEQ ID NO:87か らなる群より選択される核酸によってコードされる請求項59記載の単離されたポ リペプチド。 62.ポリペプチドは、SEQ ID NO:112、SEQ ID NO:113、SEQ ID NO:118、SEQ ID NO:130、SEQ ID NO:134、SEQ ID NO:137、SEQ ID NO:138、SEQ ID NO:1 44、SEQ ID NO:151、SEQ ID NO:152、SEQ ID NO:153、SEQ ID NO:156、SEQ ID NO:159、SEQ ID NO:165、SEQ ID NO:168、SEQ ID NO:169、SEQ ID NO:1 70、SEQ ID NO:171、SEQ ID NO:172、SEQ ID NO:173およびSEQ ID NO:193か らなる群より選択される、単離されたH.pylori細胞性ポリペプチドまたはその フラグメント。 63.ポリペプチドはSEQ ID NO:15、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:21、SEQ ID NO :33、SEQ ID NO:37、SEQ ID NO:40、SEQ ID NO:41、SEQ ID NO:47、SEQ ID NO:54、SEQ ID NO:55、SEQ ID NO:56、SEQ ID NO:59、SEQ ID NO:62、SEQ ID NO:68、SEQ ID NO:71、SEQ ID NO:72、SEQ ID NO:73、SEQ ID NO:74、 SEQ ID NO:75、SEQ ID NO:76およびSEQ ID NO:96からなる群より選択される 核酸によってコードされる、単離されたH.pylori細胞性ポリペプチドまたはそ のフラグメント。 64.ポリペプチドは、SEQ ID NO:100、SEQ ID NO:101、SEQ ID NO:107、SEQ ID NO:109、SEQ ID NO:117、SEQ ID NO:122、SEQ ID NO:128、 SEQ ID NO:129、SEQ ID NO:142、SEQ ID NO:143、SEQ ID NO:150、SEQ ID N O:161、SEQ ID NO:164、SEQ ID NO:167、SEQ ID NO:174、SEQ ID NO:175、 SEQ ID NO:178、SEQ ID NO:179、SEQ ID NO:187、SEQ ID NO:192、およびSE Q ID NO:194からなる群より選択される、単離されたH.pylori分泌ポリペプチ ドまたはそのフラグメント。 65.ポリペプチドはSEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO :12、SEQ ID NO:20、SEQ ID NO:25、SEQ ID NO:31、SEQ ID NO:32、SEQ ID NO:45、SEQ ID NO:46、SEQ ID NO:53、SEQ ID NO:64、SEQ ID NO:67、SEQ ID NO:70、SEQ ID NO:77、SEQ ID NO:78、SEQ ID NO:81、SEQ ID NO:82、 SEQ ID NO:90、SEQ ID NO:95、およびSEQ ID NO:97からなる群より選択され る核酸によってコードされる、単離されたH.pylori分泌ポリペプチドまたはそ のフラグメント。 66.SEQ ID NO:98〜SEQ ID NO:194からなる群より選択されるアミノ酸配列が 非H.pyloriポリペプチドに作動的に連結してなるH.pyloriポリペプチドから構 成される融合タンパク質。 67.請求項1〜7、14、21、24または27〜30のいずれか1項に記載の少なくとも 1種の単離された核酸の有効量からなるH.pylori感染の予防または治療的処置 のためのワクチン処方物。 68.請求項37〜38、40〜42、49、56、59または62〜65のいずれか1項に記載の少 なくとも1種のH.pyloriポリペプチドまたはそのフラグメントの有効量からな る、H.pylori感染の予防または治療的処置のためのワクチン処方物。 69.さらに医薬的に許容される担体からなる請求項67記載のワクチン処方物。 70.さらに医薬的に許容される担体からなる請求項68記載のワクチン処方物。 71.医薬的に許容される担体はアジュバントからなる請求項69記載のワクチン処 方物。 72.医薬的に許容される担体はアジュバントからなる請求項70記載のワクチン処 方物。 73.医薬的に許容される担体は送達システムからなる請求項69記載のワクチン処 方物。 74.医薬的に許容される担体は送達システムからなる請求項70記載のワクチン処 方物。 75.送達システムは、生存ベクターからなる請求項73記載のワクチン処方物。 76.送達システムは、生存ベクターからなる請求項74記載のワクチン処方物。 77.生存ベクターは細菌またはウイルスである請求項75記載のワクチン処方物。 78.生存ベクターは細菌またはウイルスである請求項76記載のワクチン処方物。 79.医薬的に許容される担体はさらにアジュバントからなる請求項73記載のワク チン処方物。 80.医薬的に許容される担体はさらにアジュバントからなる請求項74記載のワク チン処方物。 81.H.pylori外膜ポリペプチドまたはそのフラグメントをコードする単離され た核酸の少なくとも1種の有効量からなり、核酸はSEQ ID NO:28、SEQ ID NO: 50、SEQ ID NO:24、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:52、SEQ ID NO:42、およびSE Q ID NO:79からなる群より選択される、H.pylori感染の予防または治療的処置 のためのワクチン処方物。 82.核酸はSEQ ID NO:52のヌクレオチド配列からなる請求項81記載のワクチン 処方物。 83.H.pylori外膜ポリペプチドまたはそのフラグメント少なくとも1種の有効 量からなり、ポリペプチドはSEQ ID NO:125、SEQ ID NO:147、SEQ ID NO:121 、SEQ ID NO:108、SEQ ID NO:149、SEQ ID NO:139およびSEQ ID NO:176から なる群より選択されるH.pylori感染の予防または治療的処置のためのワクチン 処方物。 84.ポリペプチドはSEQ ID NO:149のアミノ酸配列からなる請求項81記載のワク チン処方物。 85.さらに医薬的に許容される担体からなる請求項81または83記載のワクチン処 方物。 86.医薬的に許容される担体はアジュバントからなる請求項85記載のワクチン処 方物。 87.医薬的に許容される担体は送達システムからなる請求項85記載のワクチン処 方物。 88.送達システムは、生存ベクターからなる請求項87記載のワクチン処方物。 89.生存ベクターは細菌またはウイルスである請求項88記載のワクチン処方物。 90.医薬的に許容される担体はさらにアジュバントからなる請求項86記載のワク チン処方物。 91.患者おけるH.pylori感染の処置方法または感染の危険を低下させる方法に おいて、H.pylori感染の処置またはその危険の低下が達成されるように、患者 に請求項67記載のワクチン処方物を投与することからなる方法。 92.患者おけるH.pylori感染の処置方法または感染の危険を低下させる方法に おいて、H.pylori感染の処置またはその危険の低下が達成されるように、患者 に請求項68記載のワクチン処方物を投与することからなる方法。 93.患者におけるH.pylori感染の処置方法または感染の危険を低下させる方法 において、H.pylori感染の処置またはその危険の低下が達成されるように、患 者に請求項81記載のワクチン処方物を投与することからなる方法。 94.患者におけるH.pylori感染の処置方法または感染の危険を低下させる方法 において、H.pylori感染の処置またはその危険の低下が達成されるように、患 者に請求項83記載のワクチン処方物を投与することからなる方法。 95.ワクチン処方物の製造方法において、SEQ ID NO:98〜SEQ ID NO:194から なる群より選ばれる少なくとも1種の単離されたH.pyloriポリペプチドまたは そのフラグメントを医薬的に許容される担体と配合してワクチン処方物を形成さ せることからなる方法。 96.ワクチン処方物の製造方法において(a)SEQ ID NO:98〜SEQ ID NO:194か らなる群より選ばれる少なくとも1種の単離されたH.pyloriポリペプチドまた はそのフラグメントを準備し、(b)少なくとも1種の単離されたH.pyloriポリ ペプチドまたはそのフラグメントを医薬的に許容される担体と配合してワクチン 処方物を形成させることからなる方法。 97.ワクチン処方物の製造方法において(a)SEQ ID NO:98〜SEQ ID NO:194か らなる群より選ばれるH.pyloriポリペプチドまたはそのフラグメントの発現が 可能な条件下に細胞を培養し、(b)上記細胞から上記H.pyloriポリペプチドま たはそのフラグメントを単離し、(c)単離されたH.pyloriポリペプチドまたは そのフラグメントの少なくとも1種を医薬的に許容される担体と配合してワクチ ン処方物を形成させることからなる方法。 98.SEQ ID NO:1〜SEQ ID NO:97からなる群より選択される核酸配列によって コードされる少なくとも2種のH.pyloriポリペプチドまたはそのフラグメント からなるキメラH.pyloriポリペプチド。 99.SEQ ID NO:98〜SEQ ID NO:194からなる群より選択される少なくとも2種 のH.pyloriポリペプチドまたはそのフラグメントからなるキメラH.pyloriポリ ペプチド。
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