JP2001503842A - 異なった材料からなるチェーン部材及びその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明の対象は、エネルギーガイドチェーン用のチェーン部材（１）である。チェーン部材は、チェーン片（２）を有し、これらのチェーン片は、少なくとも１つの横棒によって互いに結合されている。それぞれのチェーン片（２）は、ピン（５）及びピン収容部（７）を有する。さらにチェーン片は、ストッパ（９）を有する。チェーン部材は、第１の合成物質からなる。本発明によるチェーン部材において、次のことが提案される。すなわちこれは、挿入体（１３，１５）を含む少なくとも１つの範囲を有し、この挿入体は、チェーン部材の表面の少なくとも一部を形成する。挿入体（１３，１５）は、チェーン部材の第１の合成物質と相違した少なくとも１つの第２の合成物質からなる。挿入体（１３，１５）は、２成分射出成形法にしたがって、結合要素（１４，１７）を介してチェーン片（２）に結合されている。

Description

【発明の詳細な説明】 異なった材料からなるチェーン部材及びその製造方法 本発明は、チェーン部材及びチェーン部材の製造方法に関する。 可動の装置及び機械は、ラインを介してあらゆる様式の消費媒体を供給され、 これらのラインは、エネルギーガイドチェーン内において案内される。エネルギ ーガイドチェーンは、互いに関節状に結合された多数のチェーン部材を含む。エ ネルギーガイドチェーンのチェーン部材が、合成物質からなることは周知である 。チェーン部材は、２つのチェーン片を有し、これらのチェーン片は、少なくと も１つの横棒によって互いに結合されている。横棒は、チェーン片と一片で構成 されていてもよい。隣接するチェーン部材の間の関節状の結合を構成するために 、それぞれのチェーン片は、ピンを有し、このピンは、隣接するチェーン部材の チェーン片の対応するピン収容部内に噛み合っている。隣接するチェーン部材の 間の揺動角を制限するために、少なくとも１つのチェーン片は、少なくとも１つ のストッパを有する。 エネルギーガイドチェーンの動作中に、隣接するチェーン部材の互いに相対的 に可動の部分は、磨耗を受ける。ピン及びピンが配置されたピン収容部の磨耗に よって、エネルギーガイドチェーンの機能の害が生じる。 ヨーロッパ特許第０１５４８８２号明細書によれば、エネルギーガイドチェー ンを構成するための提案が公知であり、ここではピンとピン収容部との間の互い に接する面に加えて、なお１つのチェーン部材の外側縁及び隣接するチェーン部 材の内側縁における比較的大きな面の間に支持部もあるので、比面圧が減少され る。このことは、ピンとピン収容部との間の磨耗の減少に貢献する。 エネルギーガイドチェーンの個々のチェーン部材は、動作中に、台上で摺動す る。エネルギーガイドチェーンの下側列の上において上側列が摺動することも可 能である。その際、かなりの磨耗現象、及び受 け入れられない騒音の発生にも至ることがある。ヨーロッパ０４１５０４９号明 細書によれば、エネルギーガイドチェーンが公知であり、それによりチェーン片 の狭い側に、良好な制動特性を有する摺動可能かつ磨耗の少ない合成物質からな る取り外し可能に取付けられた摺動滑走部を配置することが提案される。エネル ギーガイドチェーンのこの構成の利点は、エネルギーガイドチェーンがどのよう な用途に決められているかに応じて、選択的に摺動滑走部を有する又は持たない チェーン部材を動作させることができるという点にある。 このことを前提として、本発明の課題は、機能的に整合した範囲を有するよう に、チェーン部材を変形することにある。本発明の別の目的は、簡単に実施する ことができるチェーン部材の製造方法を提供することにある。 この課題を解決するために、請求の範囲第１項の特徴を有するチェーン部材、 及び請求の範囲第１１項の特徴を有する方法が提案される。有利な変形は、請求 の範囲従属請求項の対象である。 エネルギーガイドチェーン用の第１の合成物質からなる本発明によるチェーン 部材は、２つのチェーン片を有し、これらのチェーン片は、少なくとも１つの横 棒によって互いに結合されている。それぞれのチェーン片は、ピン及びピン収容 部、及び少なくとも１つのストッパを有する。チェーン部材は、挿入体を含む少 なくとも１つの範囲によって傑出しており、この挿入体は、チェーン部材の表面 の少なくとも一部を形成する。挿入体は、第１の合成物質と相違した少なくとも １つの第２の合成物質からなる。挿入体は、多成分射出成形法にしたがって、少 なくとも結合要素を介してチェーン部材に結合されている。本発明によるチェー ン部材は、機能的な範囲を有し、これらの範囲は、挿入体によって形成されてい る。機能的な範囲における要求に相応して、挿入体の合成物質の適当な選択を行 なうことができる。チェーン部材の挿入体の結合は、多成分射出成形法にしたが って、とくに２成分射出成形法にしたがって、結合要素を介して行なわれる。そ れによ り挿入体とチェーン部材との間の確実な結合が達成される。多成分射出成形法は 、合成物質部分を製造するそれ自体周知の方法である。エネルギーガイドチェー ン内に案内されるラインのための拘束を行なう曲がりやすい横断橋絡片を製造す るために、エネルギーガイドチェーンの領域において、２成分射出成形法の使用 は、ドイツ連邦共和国特許第１９５１２０８８号明細書によって公知である。 結合要素の構成のために、結合要素は、大体において橋絡片状に形成されてい ることが提案される。なるべく結合要素は、大体において挿入体を導入する力に 対して横向きに延びている。結合要素のこの構成は、挿入体に作用するせん断力 が大きい際にも、挿入体のせん断が確実に阻止されるという利点を有する。 別の有利な思想によれば、結合要素が、大体において台形の横断面を有するこ とが提案される。台形横断面に代わって、これらの結合要素は、大体においてき のこ形の横断面を有することもできる。それにより挿入体とチェーン部材との間 の結合面が拡大される。チェーン部材の回りの挿入体が、チェーン部材と挿入体 との間の結合線が横断面で見て波形に延びているように構成されていることも可 能である。 別の有利な思想によれば、挿入体が、少なくとも部分的にピンを形成している ことが提案される。その際、ピンは、磨耗の少ない合成物質からなり、その際、 合成物質が摺動可能でもあることに注意するようにし、それによりピンとピン収 容部の間の摩擦力が減少される。 チェーン部材の挿入体の形の第２の合成物質からなるピンの構成によれば、ピ ン収容部も挿入体によって形成することができる。ピンとピン収容部との間の適 当な材料対形成によって、これらの間の磨耗が減少する。同時にピンとピン収容 部との間に大きな力が導入できるので、このようなチェーン部材から構成された エネルギーガイドチェーンは、大きなライン重量を吸収し、かつ／又は大きな片 持ち長さを橋絡することができる。 別の有利な思想によれば、チェーン部材が挿入体を有することが提 案され、この挿入体は、少なくとも部分的に少なくとも１つのチェーン片の長手 方向に延びた縁の表面を形成している。それにより摺動滑走部を有する一片のチ ェーン部材が形成され、このチェーン部材は、容易に製造することができる。 エネルギーガイドチェーンの動作中に、隣接するチェーン部材のチェーン片は 、互いに相対的に１つ又は複数のピンの回りで揺動する。揺動角を制限するため に、それぞれのチェーン片は、少なくとも１つのストッパを有する。隣接するチ ェーン部材のストッパが互いに当たる際、ささいとは言えない音響放射が生じる 。ストッパは圧力負荷を受ける。エネルギーガイドチェーンの動作中に、ストッ パが、常に定義された揺動角を可能にすることを保証するために、挿入体が、少 なくとも部分的にストッパの表面を形成していることが提案される。その際、挿 入体は、合成物質からなることができ、この合成物質は、チェーン片の合成物質 よりも大きな耐磨耗性を有する。挿入体が、制動する合成物質からなるので、音 響放射を減少することも可能である。 チェーン部材における挿入体は、チェーン部材の機能的な範囲を形成している 。挿入体は、複数の合成物質からなることもできる。その際、挿入体の構成は、 機能的な範囲の要求に合わせることができる。例えば挿入体を異なった色の２つ の合成物質から製造することも可能なので、合成物質層の切除の後に、別の色の 合成物質の層が見ることができるようになり、それによりチェーン部材の許容最 大磨耗を知らせることができる。 エネルギーガイドチェーン用の合成物質からなるチェーン片を製造するために 、まず第１の合成物質を型に挿入する方法が提案される。第１の合成物質が所定 の強さに達した場合、型挿入体を取出した後に、型挿入体によって空けられた空 間内に少なくとも１つの第２の合成物質を挿入する。その際、第２の合成物質は 、なるべく第１の合成物質よりも大きな耐磨耗性を有する。 チェーン部材の別の利点及び詳細を図面に示した実施例によって説 明する。ここでは： 図１は、チェーン部材の正面図を示し、 図２は、図１の切断線Ａ−Ａに沿った断面図を示し、 図３は、図１の切断線Ｂ−Ｂに沿った断面の平面図を示している。 図１に、合成物質からなるチェーン部材１が示されている。チェーン部材１は 、エネルギーガイドチェーンを形成するために設けられている。チェーン部材は 、２つのチェーン片２、３を有し、これらのチェーン片は、横棒４を介して互い に結合されている。図２から明らかなように、チェーン片２、３と横棒４は、Ｕ 字型のチェーン部材を形成している。チェーン片２、３と横棒は、一片で形成さ れている。このことは、どうしても必要というわけではない。横棒４は、チェー ン片２、３に取り外し可能に結合されていてもよい。それぞれのチェーン片２、 ３は、ピン５又は６、及びピン収容部７又は８を有する。図３による断面表示に おいて、チェーン片２、３のピン５、６及びピン収容部７、８が明らかである。 ピン５、６及びピン収容部７、８は、これらがエネルギーガイドチェーンの隣接 するチェーン部材の間の関節状の結合を可能にするように構成されている。隣接 するチェーン部材の間の揺動角を制限するために、チェーン部材はストッパを有 する。それぞれの片２、３は、ストッパ９又は１０を有する。ストッパ９又は１ ０の形は、ストッパの可能な実施例を示している。 本発明によるチェーン部材１は、挿入体を有する範囲を有し、これらの挿入体 は、チェーン部材１の表面の一部を形成する。挿入体は、チェーン片２、３の合 成物質とは相違した合成物質からなる。挿入体は、２成分射出成形法にしたがっ て、チェーン部材１に結合されている。 挿入体は、ピン５、６を形成している。挿入体は、結合要素１１を介してチェ ーン片２又は３に結合されている。結合要素１１は、橋絡片状に構成されている 。これらは、大体において台形の横断面を有する。図１から明らかなように、結 合要素１１は、ピン５の円周上に互 いに等間隔に形成されている。 図示した実施例において図３は、結合要素１１が、ピン５、６の近くにおいて チェーン片２の厚さの一部にわたってだけ延びていることを示している。チェー ン片２又は３の全厚さにわたる結合要素１１を形成することも可能である。 挿入体１２は、ピン収容部８の一部を形成している。挿入体１３は、ピン収容 部７の表面の一部を形成している。挿入体１２又は１３は、チェーン片２、３の 合成物質とは相違した合成物質からなる。挿入体１２又は１３は、結合要素１４ を介してチェーン片２又は３に結合されている。図３に関連して図１から明らか なように、結合要素１４は、ピン収容部７又は８の周範囲においてチェーン片２ 又は３の全厚さにわたって延びている。結合要素１４は、橋絡片状に形成されて いる。これらは、大体において台形横断面を有する。 チェーン部材１は、２つの挿入体１５、１６を有し、これらの挿入体は、チェ ーン片２又は３の長手方向に延びた縁１９の表面の一部を形成している。挿入体 １５又は１６は、結合要素１７又は１８を介してチェーン片２又は３に結合され ている。挿入体１５及び１６は、それぞれ１つの摺動滑走部を形成している。図 ２から明らかなように、台形横断面を有する結合要素は、挿入体１５又は１６の 一部だけにわたって延びている。 挿入体は、異なった合成物質からなることができる。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．２つのチェーン片（２，３）が設けられており、これらのチェーン片が、 少なくとも１つの横棒（４）によって互いに結合されており、かつそれぞれのチ ェーン片（２，３）が、ピン（５，６）及びピン収容部(７，８)、及び少なくと も１つのストッパ（９，１０）を有する、エネルギーガイドチェーン用の第１の 合成物質からなるチェーン部材（１）において、チェーン部材（１）が、挿入体 （５，６，１２，１３，１５，１６）を含む少なくとも１つの範囲を有し、この 挿入体が、チェーン部材（１）の表面の少なくとも一部を形成し、その際、挿入 体（５，６，１２，１３，１５，１６）が、第１の合成物質と相違した少なくと も１つの第２の合成物質からなり、かつ多成分射出成形法にしたがって、少なく とも結合要素（１１，１４，１７，１８）を介してチェーン部材（１）に結合さ れていることを特徴とする、エネルギーガイドチェーン用の第１の合成物質から なるチェーン部材(１)。 ２．結合要素（１１，１４，１７，１８）が大体において橋絡片状に形成され ていることを特徴とする、請求項１に記載のチェーン部材。 ３．結合要素（１１，１４，１７，１８）が、大体において台形の横断面を有 することを特徴とする、請求項１又は２に記載のチェーン部材。 ４．結合要素（１１，１４，１７，１８）が、大体においてきのこ形の横断面 を有することを特徴とする、請求項１又は２に記載のチェーン部材。 ５．挿入体（５，６）が、少なくとも部分的にピンを形成していることを特徴 とする、請求項１ないし４の１つに記載のチェーン部材。 ６．挿入体（１２，１３）が、少なくとも部分的にピン収容部（７，８）の表 面を形成していることを特徴とする、請求項１ないし５の１つに記載のチェーン 部材。 ７．挿入体（１５，１６）が、少なくとも部分的に少なくとも１つのチェーン 片（２，３）の長手方向に延びた縁（１９）の表面を形成していることを特徴と する、請求項１ないし６の１つに記載のチェーン部材。 ８．挿入体が、少なくとも部分的にストッパ（９，１０）の表面を形成してい ることを特徴とする、請求項１ないし７の１つに記載のチェーン部材。 ９．挿入体（５，６，９，１０，１２，１３，１５，１６）が、少なくとも１ つの第２の合成物質からなり、この合成物質が、第１の合成物質よりも大きな耐 磨耗性を有することを特徴とする、請求項１ないし８の１つに記載のチェーン部 材。 １０．挿入体（９，１０）が、制動する合成物質からなることを特徴とする、 請求項８に記載のチェーン部材。 １１．ピン（５，６）及びピン収容部(７，８)、及び少なくとも１つのストッ パ（９，１０）を有する、エネルギーガイドチェーン用の合成物質からなるチェ ーン片（２，３）又はチェーン部材の製造方法において、 第１の合成物質を型に挿入し、 第１の合成物質が所定の強さに達した後に型挿入体を取出し、 型挿入体によって空けられた空間内に少なくとも１つの第２の合成物質を挿入 する ことを特徴とする、エネルギーガイドチェーン用の合成物質からなるチェーン 片（２，３）又はチェーン部材の製造方法。