JP2001501816A - 新規な腫瘍タンパク質 - Google Patents

新規な腫瘍タンパク質

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JP2001501816A JP10514835A JP51483598A JP2001501816A JP 2001501816 A JP2001501816 A JP 2001501816A JP 10514835 A JP10514835 A JP 10514835A JP 51483598 A JP51483598 A JP 51483598A JP 2001501816 A JP2001501816 A JP 2001501816A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、新規なヒト腫瘍タンパク質(集合的にTUPROと称する)及び、TUPROを同定しコードするポリヌクレオチドを提供する。本発明はまた、TUPROをコードする核酸配列を含む遺伝子組換え発現ベクター及び宿主細胞も提供する。本発明はまた、TUPRO又はTUPROに対するアンタゴニストを含む医薬品組成物、及びTUPROの発現が関係する疾病の治療のためのこれらの医薬品組成物の利用を提供する。更に、本発明は、TUPROの発現が関係する疾病の治療のためのTUPROをコードするポリヌクレオチドに対するアンチセンス分子の利用を提供する。本発明はまた、TUPROをコードするポリヌクレオチドのゲノム配列又は転写物とハイブリッド形成するポリヌクレオチド、又はその断片、若しくは相補配列、或いはTUPROに特異的に結合する抗TUPRO抗体を利用する診断検査法も提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 新規な腫瘍タンパク質技術分野 本発明は、新規なヒト腫瘍タンパク質の核酸及びアミノ酸配列、及び疾病の診 断、研究、予防、及び治療におけるこれらの配列の利用に関するものである。背景技術 腫瘍の進行の初期に関与する遺伝子を同定するための努力の中で、Bryne JA等 (1995,Cancer Res 55:2896-2903)は、ヒト乳癌及び基底細胞癌の中から、非腫 瘍組織と比較して腫瘍組織において一般に過剰発現される遺伝子を選別した。新 規な配列の1つD52は、癌細胞において異なった発現の仕方をし、他の遺伝子に 対して殆ど相同性を示さなかった。Chen SL等(1996,Oncogene 12:741-751)は 、通常の組織に由来する細胞系と比較して肺腫瘍に由来する細胞系においてその 発現レベルが高いことに基づいてD52を独立してクローン化した。最近、Byrne等 (1996,Genomics 35:523-532)は、D53と称するD52のヒトホモログについて報告 した。このD53は、D52と同時発現されることが多く、ヘテロ若しくはホモの二量 体を形成し得る。D52とD53の双方は、アミノ酸残基プロリン(P)、グルタミン 酸(E)、セル(S)、及びスレオニン(T)が豊富に存在する領域であるPEST ドメインを含む(Rechsteiner M(1990)Semin Cell Biol 1:433-440)。ヒトD52 では、37個のアミノ末端残基のうち18個がPESTドメイン残基である(Byrne 等,前出)。PESTドメインは、速やかに分解される酵素、転写制御因子、及びレ セプターシグナル伝達経路の構成要素と関連を有する(Loetscher P等(1991)J B iol Chem 266:11213-11220)。線虫のオプンリーディングフレーム(ORF)F13E6 .1は、D52に対して相同性 を有する(D52Wilson R等(1994)Nature 368:32-38)。腫瘍タンパク質及び疾病 癌は依然として公衆衛生上の主要な関心事であり、現時点での予防手段や治療 方法は多くの患者の必要性を満たしていない。例えば、米国人女性の8人の1人 がその生涯において乳癌を患う(Helzlsouer KJ(1994)Curr Opin Oncol 6:541-5 48)。更に、乳癌の発生率は毎年約1%上昇しつつある(Harris JR等(1992)N E ngl J Med 327:319-328)。50歳以上の男性が、前立腺癌にかかる可能性は9 .5%であり、前立腺癌で死亡する危険性は2.9%である(McLellan DL等(19 95)Can Med Assoc J 153:895-900)。 非腫瘍細胞と比較したとき、腫瘍細胞において異なって発現され得る遺伝子が ある。例えば、12リポオキシゲナーゼの発現濃度の上昇は、ヒト前立腺癌の進 行期及び低分化との相関性を有する(Gao X等(1995)Urology 46:227-237)。更 に、乳癌においてHER2遺伝子の動きは、ヒトの乳癌において最も初期の最も一般 的な遺伝子破壊の中で起こることを示唆している(Liu E等(1992)Oncogene 7:10 27-1032)。この相関性は、潜在性HER2特異的治療法の開発につながってきた(K ern JA等(1993)Am J Respir Cell Mol Biol)。 更に新しい腫瘍関連遺伝子の発見は、HER2及び12リポオキシゲナーゼより癌 の診断及び治療において有効な薬剤を提供し得る。新規な腫瘍関連遺伝子は、既 知の遺伝子とは異なるスペクトルの腫瘍型に対して特異的であり得る。新規な腫 瘍タンパク質は、癌の診断、予防、及び治療のための新しい薬剤を提供すること により従来より存在した必要性を満たすものである。発明の開示 本発明は、ぞれぞれヒトD52(GI 790225)及び線虫ORF ZK418.5 (GI 470373)に対する相同性を有するものとして特性化された、2つの新規な ヒト腫瘍タンパク質(以下それぞれTUPROA及びTUPROBと称するもの とし、集合的にTUPROと称するものとする)。従って、本発明は、腫瘍タン パク質の特徴を有する、配列番号:1及び配列番号:3のアミノ酸配列に示され た実質的に精製された腫瘍タンパク質を提供する。 本発明のある実施例は、TUPROをコードする単離され実質的に精製された ポリヌクレオチドを提供する。特定の実施例では、このポリヌクレオチドは、配 列番号:2及び配列番号:4のヌクレオチド配列である。更に、本発明は、厳密 な条件の下で、配列番号:2又は配列番号:4の配列とハイブリッド形成するポ リヌクレオチド配列を提供する。 本発明は更に、TUPROをコードする核酸配列、オリゴヌクレオチド、ペプ チド核酸(PNA)、その断片、一部分、又はアンチセンス分子に関するもので あり、またTUPRO若しくはその断片の生成方法に関するものであり、またT UPROをコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクター及び宿主細胞におけ るこの配列の利用に関するものである。本発明はまた、TUPROに特異的に結 合する抗体、及び実質的に精製されたTUJPRO、又はその断片、又はTUP ROのアンタゴニストを含む医薬品組成物にも関連する。図面の簡単な説明 第1A図、第1B図、及び第1C図は、新規な腫瘍タンパク質TUPROAの アミノ酸配列(配列番号:1)及び核酸配列(配列番号:2)を示す図である。 このアライメントはMacDNAsisソフトウエア(日立ソフトウエアエンジニアリン グ社,San Bruno CA)を用いて作製された。 第2A図、第2B図、及び第2C図は、新規な腫瘍タンパク質TUPROBの アミノ酸配列(配列番号:3)及び核酸配列(配列番号:4) を示す図である。 第3図は、配列番号:2のノーザン解析の結果を示した図である。このノーザ ン解析結果は、LIFESEQTMデータベース(Incyte Pharmaceuticals,Palo Alto CA )を用いて電子的に作製された。 第4A及び第4B図は、配列番号:4のノーザン解析の結果を示した図である 。 第5図は、TUPROA(配列番号:1)、ヒトD52(GI 790225;配列番号:5 )、及び線虫F13E6.1(GI 1072344;配列番号:6)の間のアミノ酸配列アライ メントを示した図である。このアライメントは、DNAStarソフトウエア(DNAStar Inc,Madison WI)のマルチシーケンスアライメントプログラムを用いて作製し た。 第6図は、TUPROB(配列番号:3)と線虫ORF ZK418.5(GI 470373;配 列番号:6)との間のアミノ酸配列アライメントを示した図である。 第7図は、TUPROA(配列番号:1)の疎水性プロット(MacDNAsisソフトウ エアを用いて作製)を示した図であり、X軸はアミノ酸の位置を表し、Y軸は負 の方向に疎水性のレベルを表す(第7図〜第10図も同様)。 第8図は、ヒトD52(配列番号:5)の疎水性プロットを示した図である。 第9図は、TUPROB(配列番号:3)の疎水性プロットを示した図である 。 第10図は、線虫ORF ZK418.5(配列番号:7)の疎水性プロットを示した図 である。発明の実施の形態 定義 本明細書において、「核酸配列」とは、一本鎖か二本鎖の、センス鎖、又はア ンチセンス鎖であるゲノムの若しくは合成起源のDNA、RNAや、オリゴヌク レオチド、ヌクレオチド、又はポリヌクレオチド、及びその断片又は一部分を意 味する。同様に、本明細書において「アミノ酸配列」とは、ペプチド若しくはタ ンパク質配列を意味する。 本明細書において「コンセンサス」とは、(1)再度シークエンシングされて 不要な塩基が分離された核酸配列か、(2)XL-PCR(Perkin Elmer)を用いて5 ’方向または3’方向に延長されて、再度シークエンシングされた核酸配列か、 (3)GCGフラグメントアセンブリシステム(GCG,Madison WI)を用いて2以上 のインサイト社クローン重複した配列を元に組み合わせて形成された核酸配列か 、若しくは(4)延長と組み合わせの双方によって形成された核酸配列の何れか を意味する。 本明細書において「ペプチド核酸」とは、リジンのようなアミノ酸残基及びア ミノ基が加えられたオリゴマーを含む分子を意味する。これらの小分子は、抗遺 伝子剤とも称され、核酸のこれらの相補的な(鋳型の)鎖に結合することにより 転写物の伸張を停止させる(Nielsen PE等(1993)Anticancer Drug Des 8:53-63 )。 本明細書で用いられるとき、TUPROとは、任意の種、特にウシ、ヒツジ、 ブタ、マウス、ウマ、及び好ましくはヒトを含む哺乳類から得られた、天然の、 合成の、半合成の、又は組換え体を起源とする実質的に精製されたTUPROの アミノ酸配列を意味する。 TUPROの「変異体」は、1又は2箇所以上のアミノ酸の「置換」により異 なるものとなったアミノ酸配列を有し得るものである。この変異体は「保存的」 変化を含むものであり得、この保存的変化においては例えばロイシンをイソロイ シンで置き換える場合のように置換されるアミノ酸が類似な構造的及び化学的特 性を有する。稀に、変異体が「非保 存的」に変化する場合もあり、この非保存的変化では例えばグリシンがトリプト ファンで置換される。類似した小変化には、アミノ酸の欠失、挿入、若しくはそ の両方も含まれ得る。例えばDNAStarソフトウエアのような従来より周知のコン ピュータプログラムを用いて、生物学的或いは免疫学的活性を損なわずに、置換 、挿入、又は除去できるアミノ酸及びそのアミノ酸の数を決定することができる 。 本明細書において「欠失」とは、1または2以上のヌクレオチド若しくはアミ ノ酸残基が欠ける、ヌクレオチド配列またはアミノ酸配列における変化として定 義される。 本明細書において「挿入」或いは「付加」とは、自然発生のTUPROと比較 して、結果的に1または2以上のヌクレオチド或いはアミノ酸残基の加わるよう なヌクレオチド配列或いはアミノ酸配列の変化を指す。 本明細書において「置換」とは、1または2以上のヌクレオチド或いはアミノ 酸を異なるヌクレオチド或いはアミノ酸に置換することによって生ずる変化を指 す。 用語「生物学的に活性」とは、自然発生のTUPROの構造的機能、調節機能 、又は生化学的機能を有するTUPROを意味する。同様に「免疫学的活性」と は、天然の、組換えの、又は合成のTUPRO、若しくはその任意のオリゴペプ チドが適当な動物や細胞における特定の免疫応答を誘発し、特定の抗体に結合す る能力として定義される。 本明細書において、「誘導体」なる用語は、化学的に修飾されたTUPROを コードする核酸、又はコードされたTUPROを意味する。このような修飾の例 には、水素からアルキル基、アシル基、又はアミノ基への置換がある。核酸誘導 体は、天然TUPROの必須の生物学的特性を保持しているポリペプチドをコー ドする。 本明細書において、「実質的に精製」なる用語は、この天然の環境か ら取り除かれ、天然にはそれが結合して存在する少なくとも1つの他の成分から 単離又は分離されて、少なくとも60%、好ましくは少なくとも75%、最も好 ましくは少なくとも90%遊離した核酸配列又はアミノ酸配列を有する分子を意 味する。 「厳密性」とは、典型的には、約Tm−5℃(プローブのTmより5℃下)か らTmの約20〜25℃下の範囲で発生する。当業者には理解できるように、厳 密性のあるハイブリダイゼーションでは、同一のポリヌクレオチド配列を同定、 つまり検出したり、或いは類似の、すなわち近縁なポリヌクレオチド配列を同定 、つまり検出するために用いることができる。 本明細書において、用語「ハイブリダイゼーション(ハイブリッド形成)」は「 核酸の鎖が塩基対合を介して相補鎖と結合する過程」(Coombs J(1994)Dictionar y of Biotechnology ,Stockton Press社,New York)を含む概念である。増幅とは 、核酸配列の複製を作り出すこととして定義され、通常周知のポリメラーゼ連鎖 反応(PCR)法により実行される(Dieffenbach CW and GS Dveksler(1995),P CR Primer,a Laboratory Mnual ,Cold Spring Harbor Press社,New york)。好適実施例 本発明は、新規なヒト腫瘍タンパク質、及びその核酸及びアミノ酸配列の疾病 の研究、診断、予防、及び治療における利用に関するものである。TUPROを コードする配列は、いくつかのタイプの腫瘍を有する種々の組織を起源とするc DNAライブラリーにおいて見いだされた(第3図、第4A図、及び第4B図参 照)。TUPROB発現は、腫瘍組織に由来するcDNAライブラリーと強い関 連性を有する(第4A図及び第4B図参照)。 本発明はまた、TUPRO変異体をその範囲に含む。好適なTUPR O変異体は、TUPROアミノ酸配列(配列番号:1又は配列番号:3)と少な くとも80%のアミノ酸配列類似性を有するものであり、より好適なTUPRO 変異体は、配列番号:1又は配列番号:3と少なくとも90%のアミノ酸配列類 似性を有するものであり、最も好適なTUPRO変異体は、配列番号:1又は配 列番号:3と少なくとも95%のアミノ酸配列類似性を有するものである。 本発明のヒト腫瘍タンパク質TUPROAをコードする核酸は、初めに、アミ ノ酸配列アライメントのコンピュータ検索によって、末梢血単核細胞からつくら れたcDNAライブラリー(TLYMNOR01)からのcDNAインサイト社クローン No.146723において同定された。以下のインサイト社のクローン(及びそれが 起源とするcDNAライブラリー)を延長し集合させてコンセンサス配列(配列 番号:2)を形成した。インサイト社クローンNo.146723(TLYMNOR01);イ ンサイト社クローンNo.763607(BRAITUT02);及びインサイト社クローンN o.601581(BRUSTNOT02)。TUPROA(配列番号:1)は配列番号:2の核 酸配列によってコードされる。 TUPROBは、初めに、前立腺腫瘍組織からつくられたcDNAライブラリ ーPROSTUT01からのcDNAインサイト社クローンNo.717832において同定さ れた。以下のインサイト社クローン(及びそれが起源とするcDNAライブラリ ー)を延長し集合させて、コンセンサス配列(配列番号:4)を形成した。イン サイト社クローンNo.717832(PROSTUT01);インサイト社クローンNo.27479 0(PANCDIT03);インサイト社クローンNo.628576(KIDNOT05);インサイト社 クローンNo.890214(STOMTUT01);インサイト社クローンNo.985742(LVE NNOT03);インサイト社クローンNo.1321834(BLADNOT04);インサイト社ク ローンNo.1398242 (BRAITUT08);及びインサイト社クローンNo.1733437(BRSTTUT08)。TU PROB(配列番号:3)は配列番号:4の核酸配列によってコードされる。 本発明は、TUPROA、ヒトD52(GI 790225;Byrne等,前出)、及び線虫F1 3E6.1(GI 107344;Wilson等,前出;第5図)の間の化学的及び構造的相同性に 部分的に基づいている。本発明はまた、TUPROB及び線虫ORF ZK418.5(470 373;Wilson等,前出;第6図)の間の化学的及び構造的相同性に部分的に基づい ている。この新規なTUPROAは204個のアミノ酸から長さを有し、ヒトD5 2と52%の同一性を共通に有している。新規なTUPROBは245個のアミ ノ酸からなる長さを有し、線虫ORF ZK418.5と40%のアミノ酸同一性を共通に 有している。第7図及び第8図に示すように、TUPROA及びヒトD52は、類 似の疎水性プロットを示し、これは類似の構造を有していることを示唆している 。TUPROBと線虫ORF ZK418.5は類似の疎水性プロットを有し、これは両者 の膜局所化を示唆している(第9図及び第10図)。TUPROA及びTUPR OBはそれぞれ、1つのNグリコシル化可能部位を有している。 TUPROコーディング配列 TUPROA及びTUPROBの核酸及び推定アミノ酸配列は、第1A図、第 1B図、第1C図、第2A図、第2B図、及び第2C図に示されている。本発明 によれば、TUPROのアミノ酸配列をコードする任意の核酸配列を用いて、T UPROを発現する組換え体分子をつくり出すことができる。ここに開示する特 定の実施例では、TUPROAの一部分をコードずるヌクレオチド配列は、初め に末梢血単核細胞cDNAライブラリー(TLYMNOR01)からインサイト社クロー ンNo.146723として単離された。ここに開示する別の特定の実施例では、TU PRO Bの一部分を=コードするヌクレオチド配列は、初めに前立腺腫瘍組織からつく られたcDNAライブラリー(PROSTUT01)からインサイト社クローンNo.717 832として単離された。 遺伝暗号の縮重の結果、既知の又は自然発生の遺伝子のヌクレオチド配列に対 して最小限の相同性しか有していないものも含まれる多数のTUPROコード化 ヌクレオチド配列が作り出され得る、ということは当業者には明らかであろう。 本発明は、特に、可能なコドン選択に基づく組み合わせの選択によりなされ得る 全ての可能な核酸配列の変化をその範囲に含んでいる。それらの組み合わせは、 自然発生のTUPROのヌクレオチド配列に当てはまる標準的なトリプレット遺 伝暗号に基づいて作り出されるものであり、このような全ての変異は、ここに具 体的に示されたものと考えられたい。 TUPRO及びその変異体をコードするヌクレオチド配列は適切に選択された 厳密性の条件の下で、自然発生配列のヌクレオチド配列とハイブリッド形成可能 なものであるのが好ましいが、概ね異なるコドン使用を有するTUPRO又はそ の変異体をコードするヌクレオチド配列を作り出すことは有益であり得る。コド ン選択は、特定のコドンが宿主によって使用される頻度に従って、特定の原核細 胞の、或いは真核細胞の発現宿主においでペプチドが発現する速度を高めるよう に選択され得る。TUPRO及びその誘導体をコードするヌクレオチド配列を、 コードされるアミノ酸配列を変更することなく実質的に変更する理由は、例えば 天然配列から作り出される転写物よりより長い半減期のようなより望ましい特性 を有するRNA転写物の産生のためである。 現在では、TUPRO又はその誘導体をコードするDNA配列、若しくはその 一部分を、完全に合成ケミストリにより作製して、その後、その合成遺伝子を任 意の入手可能なDNAベクター及び細胞系に、この出 願時点において周知の試薬を用いて挿入することができる。更に、合成ケミスト リを用いてTUPROをコードする配列又はその任意の部分に突然変異を誘発さ せることができる。 また本発明の範囲に含まれるものとして、種々の厳密性の条件の下で、第1A 図、第1B図、第1C図、第2A図、第2B図、及び第2C図のヌクレオチド配 列とハイブリッド形成可能なポリヌクレオチド配列がある。ハイブリダイゼーシ ョン条件は、Berger及びKimmel(1987,Guide to Molecular Cloning Techniques ,Methods in Enzymology ,Vol 152,Academic Press,San Diego CA)に記載されて いるように、核酸結合複合体またはプローブの融点(Tm)に基づいており、定 義された「厳密性」で用いられる基準を与える。上記文献は本明細書と一体に引 用されたものである。 本発明において用いられ得るTUPROをコードする変異核酸配列は、異なる ヌクレオチド残基の欠失、挿入並びに置換を含み、結果的に同一の、または機能 的に等価のTUPROポリペプチドをコードするポリヌクレオチドとなるもので ある。そのタンパク質も、サイレント変化を生ずるアミノ酸残基の欠失、挿入並 びに置換を含み、結果的に機能的に等価なTUPROとなる。慎重なアミノ酸置 換は、TUPROの生物学的活性が保持される限りにおいて、残基の極性、電荷 、溶解度、疎水性、親水性並びにまた両親媒性についての類似性に基づいてなさ れ得る。例えば負に荷電したアミノ酸にはアスパラギン酸及びグルタミン酸が含 まれ、正に荷電したアミノ酸にはリジン及びアルギニンが含まれ、同じ親水値を 持つ荷電していない極性頭基を有するアミノ酸には、ロイシン、イソロイシン、 バリン、グリシン、アラニン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン 、フェニルアラニン並びにチロシンが含まれる。 本発明の範囲に含まれるものとして、TUPROのアレルがある。こ こで用いる「アレル」或いは「アレル配列」とは、TUPROの別形態である。 アレルは変異、すなわち核酸配列の変化によって生じ、一般に変化したmRNA 或いはポリペプチドを生成するが、そのmRNA或いはポリペプチドの構造或い は機能は変更される場合もあれば、されない場合もある。遺伝子によっては、ア レル形態が存在しないもの、1つ存在するもの、或いは多数存在するものがある 。アレルを生じる変異は一般に、アミノ酸の自然な欠失、付加並びに置換に起因 する。このタイプの変化はそれぞれ単独で、或いは他の遺伝子の組み合わせて、 与えられた配列内の1又は2以上の位置で生じ得る。 DNA配列決定のための方法は周知であり、例えばDNAポリメラーゼI,Se quenase(商標)のクラノウフラグメント(US Biochemical社,Cleveland OH)、 Taqポリメラーゼ(Perkin Elmer社,Norwalk CT)、熱安定性T7ポリメラー ゼ(Amersham社,Chicago IL)、或いはGibco BRL(Gaithersburg MD)Methods社 から市販されているELONGASE増幅システムのような組換えポリメラーゼとプルー フリーディングエキソヌクレアーゼとの組み合わせのような酵素を使用する。好 ましくは、この処理は、Hamilton Micro Lab2200(Hamilton社,RenoNV)、Peltier Thermal Cycler(PTC200;MJ Reserch社,Watertown MA)並びにABI377DNAシー ケンサ(Perkin Elmer社)のような装置を用いて自動化される。 ポリヌクレオチド配列の延長 TUPROをコードするポリヌクレオチド配列は、部分的なヌクレオチド配列 と、プロモータ及び調節エレメントのような上流配列を検出するための当業者に は周知の様々な方法とを用いて延長することができる。Gobinda等(1993;PCR Me thods Applic 2:318-22)は既知の部位に隣接する未知の配列を検索するために 汎用プライマーを用いる直接的な方 法として「制限部位」ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法を開示している。ここ では、まずゲノムDNAが、既知の領域に対して特異的なプライマー及びリンカ ー配列に対するプライマーの存在下で増幅される。増幅された配列は、その同じ リンカープライマー及び最初のプライマーの内部に含まれる別の特異的プライマ ーを用いてPCRの2巡目にかけられる。PCRの各回の生成物は、適切なRN Aポリメラーゼを用いて転写され、逆転写酵素を用いて配列決定される。 逆PCR法を用いて、既知領域に基づく多様なプライマーを利用した配列の増 幅、または延長を行うことができる(Triglia等(1988)Nucleic Acids Res 16:818 6)。プライマーは、OLIGO(登録商標)4.06(National Biosciences社,Plymouth MN )或いは別の適切なプログラムを用いて設計され、長さが20〜30ヌクレオチ ドで、50%以上のGC含有率を有し、かつ約68〜72℃の温度で標的配列に アニールする。この方法ではいくつかの制限酵素を用いて、遺伝子の既知領域の 適当なフラグメントを生成する。次いでこのフラグメントは分子内ライゲーショ ンにより環状にされ、PCR用の鋳型として使用される。 キャプチャPCR法(Lagerstrom M等(1991)PCR Methods Applic 1:111-19 )は、ヒト及び酵母菌人工染色体(YAC)DNA内の既知の配列に隣接するD NAフラグメントのPCR増幅を行うための方法である。またキャプチャPCR では、多重制限酵素消化及びライゲーションによってPCR前にDNA分子の未 知の部分に、組換え二本鎖配列を配置する必要がある。 未知の配列を検索するために用いることができる別の方法は、Parker JD等の 方法である(1991;Nucleic Acids Res 19:3055-60)。更に、PCR、ネスト化 プライマー並びにPromoterFinderのライブラリーを用いて、ゲノムDNA内を歩 行させることができる(PromoterFinder(登 録商標)、Clontech社(Palo Alto CA))。このプロセスは、ライブラリーをス クリーニングする必要がなく、イントロン/エクソン接合部を探し出すのに有用 である。完全長cDNAをスクリーニングするための好適なライブラリーは、サ イズ選択された、より大きなcDNAを含むライブラリーである。またランダム プライミングした(rondom primed)ライブラリーは、遺伝子の5’及び上流領 域を含むより多くの配列を含むという点で好適である。ランダムプライミングし たライブラリーは、オリゴd(T)ライブラリーが完全長cDNAを生成しない 場合、特に有用である。またゲノムライブラリーは、プロモータ結合領域の5’ まで延長するために有用である。 サイズを分析したり、或いは配列決定やPCR処理の産物のヌクレオチド配列 を確認するための新しい方法はキャピラリー電気泳動法である。迅速な配列決定 のためのシステムは、Perkin elmer社、Beckman Instruments社(Fullerton CA )並びに他の企業から入手できる。キャピラリー電気泳動法では、電気泳動分離 のための流動性ポリマー、レーザで活性化される4つの異なる蛍光色素(各ヌク レオチドに対して1つ)を使用し、CCDカメラにより放射線の波長の検出を行 う。出力/光強度は適切なソフトウエア(例えばPerkin elmer社製のGenotyper (登録商標)及びSequence Navigator(登録商標))を用いて電気信号に変換さ れ、サンプルの負荷からコンピュータ解析及び電子データ表示までの全過程がコ ンピュータ制御される。キャピラリー電気泳動法は特定のサンプルの限定された 量の中に存在するDNAの小片の配列決定に特に適している。この方法により3 0分間でM13ファージDNAの350bpを再現可能な形で配列決定できたこ とが報告されている(Ruiz-Martinez MC等(1993)Anal Chem 65:2851-8)。 ヌクレオチド配列の発現 本発明により、TUPRO、そのポリペプチドの断片、融合タンパク質或いは その機能的等価物をコードするポリヌクレオチド配列を、適切な宿主細胞内での TUPROの発現を誘導する組換えDNA分子を生成するために用いることがで きる。遺伝暗号固有の縮重のために、概ね同一か或いは機能的に等価なアミノ酸 配列をコードする他のDNA配列も、TUPROのクローニングや発現のために 用いることができる。当業者には理解できるように、非自然発生コドンを有する TUPROコード化ヌクレオチド配列を生成することは有益であり得る。特定の 原核細胞或いは真核細胞の宿主において好適なコドン(Murray E等(1989);Nuclei c Acids Res 17:477-508)を選択して、例えば、TUPRO発現率を増大させた り、或いは自然発生配列から生成された転写産物より長い半減期のような望まし い特性を有する組換えRNA転写産物を生成することができる。 本発明のヌクレオチド配列は、様々な目的でTUPROをコードする配列を改 変するべく組換えられ得るが、このような改変には、限定はしないが遺伝子生成 物のクローニング、プロセシング並びにまた発現を修飾する改変が含まれる。例 えば、特定部位突然変異誘発のような当業者には周知の技術を用いて突然変異を 誘発させることによって、新しい制限部位の挿入、グリコシル化パターンの変更 、コドン選好の変化等をもたらすことができる。 本発明の別の実施例では、天然TUPROコーディング配列、修飾TUPRO コーディング配列或いは組換えTUPROコーディング配列を非相同の配列に結 合して、融合タンパク質をコードする配列にする。例えば、TUPRO活性のイ ンヒビターを選別すべくペプチドライブラリーをスクリーニングするために、市 販の抗体により認識される異なるペプチドを発現するキメラTUPROタンパク 質をコード化することが役 立ち得る。融合タンパク質はTUPRO配列と異種のタンパク質配列との間の位 置に切断部位を包含するように設計することもでき、これによってTUPROを 切断して、異種の部分から分けて実質的に精製することが可能となる。 本発明の別の実施例では、TUPROコーディング配列は、当業者によく知ら れた化学的方法(Caruthers等(1980)Nuc Acids Res Symp Ser 7:215-223、Crea,H orn(1980)Nuc Acids Res 9:2331、Matteucci,Caruthers(1980)Tetrahedron Lett 21:719、Chow,Kempe(1981)Nuc Acids Res 9:2807-2817参照)を用いて、 全体的に、或いは部分的に合成することができる。別法では、TUPROアミノ 酸配列を、全体的に或いは部分的に合成する化学的方法を用いてタンパク質自体 を生成することがでぎる。例えば、種々の固相技術(Roberge JY等(1995)Scienc e 269:202-204)でペプチド合成を行うことができ、合成の自動化は、例えばABI 431Aペプチドシンセサイザ(Perkin Elmer)を製造者の指示に従って用いること により達成することができる。 この新たに合成されたペプチドは、分離用高速液体クロマトグラフィにより精 製することができる(例えばCreighton(1983)Proteins Structure And Molecu lar Principles ,WH Freeman and Co,New York参照)。合成されたペプチドの組 成は、アミノ酸解析或いはシークエンシングにより確認することができる(例え ばthe Edman degradation procedure;Creighton,上述)。さらにTUPROの アミノ酸配列、或いはその任意の部分を、その直接の合成の際に改変したり、ま た他の細胞内メディエータ或いはその任意の部分に由来する配列と化学的方法を 用いて結合して、変異体ポリペプチドを生成することができる。 発現系 生物学的に活性のTUPROを発現するために、TUPROコーディ ングヌクレオチド配列或いは機能的等価物は、適切な発現ベクター、すなわち挿 入されたコード化配列の転写及び翻訳に必要不可欠な要索を含むベクターに挿入 される。 TUPROコーディング配列及び適切な転写や翻訳の制御エレメントを含む発 現ベクターを構成するために当業者に周知の方法が用いられる。これらの方法に は、in vitro組換えDNA技術、合成技術、並びにin vivo組換え、即ち遺伝子 組換え技術が含まれる。このような技術は、Sambrook等(1989)Molecular Clon ing,A Laboratory Manual ,Cold Spring Harbor Press,Planview NY及びAusubel FM等Current Protocol in Molecular Biology,John Wilky &Sons,New Yorkに記 載されている。 種々の発現ベクター/宿主系を、TUPROコード化配列を保持し、かつ発現 するために利用することができる。このようなものには、限定はされないが、組 換えバクテリオファージ、プラスミド或いはコスミドDNA発現ベクターで形質 転換した細菌、酵母菌発現ベクターで形質転換した酵母菌、ウイルス発現ベクタ ー(例えばバキュロウイルス)を感染させた昆虫細胞系、ウイルス発現ベクター (例えばカリフラワーモザイクウイルスCaMV、タバコモザイクウイルスTMV)を トランスフェクトした、或いはバクテリア発現ベクター(例えばTi、或いはpBR3 22プラスミド)で形質転換した植物細胞系、或いは動物細胞系が含まれる。 これらの系の「制御エレメント」或いは「調節配列」は、その力及び特異性は 様々で、ベクターの非翻訳領域、エンハンサー、プロモータ及び3’非翻訳領域 であり、これらは転写及び翻訳を実行するために宿主細胞のタンパク質と相互作 用する。利用されるベクター及び宿主に応じて、構成的及び誘導性プロモータを 含む任意の数の適切な転写及び翻訳エレメントが用いられ得る。例えば、バクテ リア系においてクローニン グする際には、Bluescript(登録商標)ファージミド(Stratagene社,LaJolla CA)のハイブリッドlacZプロモータ及びptrp-lacハイブリッド並びに同様の誘導 性プロモータが用いられる。バキュロウイルスポリヘドリンプロモータは昆虫細 胞において用いられる。植物細胞のゲノム(例えば熱ショック,RUBISCO及びスト レージタンパク質遺伝子)に由来する、或いは植物ウイルス(例えばウイルス性 プロモータ或いはリーダー配列)に由来するプロモータ或いはエンハンサはベク ターにクローン化され得る。哺乳動物細胞では、哺乳動物遺伝子或いは哺乳動物 ウイルス由来のプロモータが最適である。TUPROの多数の複製を含む株細胞 を生成する必要がある場合には、SV40或いはEBVに基づくベクターを、適切な選 択マーカーと共に用いる。 細菌系では、TUPROの発現の用途に応じて多数の発現ベクターが選択され 得る。例えば抗体を誘発するために大量のTUPROが必要とされる場合は、容 易に精製される融合タンパク質を高濃度で発現できるベクターが望まれる。その ようなベクターには、限定はしないが、大腸菌クローニングベクター及び発現ベ クターBluescript(Stratagene社)(このベクターでは、TUPROコード化配 列が、アミノ基末端メチオニン及び後続のβ−ガラクトシダーゼの7残基の配列 を備えたフレーム内においてベクターに結合されてハイブリッドタンパク質が生 成される)や、pINベクター(Van Heeke&Schuster(1989)J Biol Chem 264:550 3-5509)等が含まれる。またpGEXベクター(Promage社、Madison WI)も、グル タチオンS−トランスファーゼ(GST)を有する融合タンパク質として異種ポリ ペプチドを発現するため用いられる。一般に、そのような融合タンパク質は可溶 性であり、グルタチオンアガロースビーズへの吸着に続き、遊離グルタチオンの 存在下における溶出により溶解した細胞から容易に精製できる。その系において 生成されたタ ンパク質はヘパリン、トロンビン或いはXA因子プロテアーゼ切断部位を含むよ うに設計され、対象となるクローン化ポリペプチドは随意にGST部分から放出さ れ得る。 酵母菌、サツカロミセスセレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)では、α因 子、アルコールオキシダーゼ及びPGHのような構成的或いは誘導性プロモータ を含む多数のベクターが用いられる。再検討する場合には、Ausubel等(前出) 及びGrant等(1987)Methods Enzymol 153:516-544を参照されたい。 植物発現ベクターを用いる場合には、TUPROをコードする配列の発現は、 多数の任意のプロモータにより促進される。例えばCaMVの35S及び19Sプロモータ (Brisson等(1984)Nature 310:511-514)のようなウイルス性プロモータは、 単独で、或いはTMV(Takamatsu等(1987)EMBO J 6:307-311)からのオメガ−リ ーダー配列と共に用いられる。別法では、RUBISCO(Coruzzi等(1984)EMBO J 3:16 71-1680)、Broglie等(1984)Science 224:838-843)の小サブユニット、或いは 熱ショックプロモータ(Winter J及びSinibaldi RM(1991)Results Probl Cell Di ffer 17:85-105)のような植物プロモータが用いられる。これらの構成は直接D NA形質転換或いは病原体媒介トランスフェクションにより植物細胞内に導入さ れる。そのような技術を再検討する場合には、Hobbs S及びMurry LE、McGraw Hi ll Yearbook of Science and Technology(1992)McGraw Hill NY,pp191-196及 びWeissbach and Weissbach(1988)Methods for Plant Molecular Bilogy,Acad emic Press NY,pp421-463を参照されたい。 TUPROを発現させるために用いることができる別の発現系は昆虫系である 。そのような系の一つでは、Autographa californica核多角体病ウイルス(AcNP V)がベクターとして用いられ、Spodoptera frugiperda 細胞或いはTrichoplusiaの幼虫において外来遺伝子を発現する。TU PROコード化配列は、ポリヘドリン遺伝子のような、ウイルスの非必須領域に クローニングされ、ポリヘドリンプロモータの制御下に置かれる。TUPROの 挿入が成功した場合には、ポリヘドリン遺伝子が不活性にされ、コートタンパク 質膜が欠如した変異体ウイルスが生成される。次いで、この変異体ウイルスは、 S.frugiperda細胞或いはTrichoplusiaの幼虫への感染させるために用いられ、そ の中でTUPROが発現される(Smith等(1983)J Virol 46:584、Engelhard E K等(1994)Proc Nat Acad Sci 91:3224-7)。 哺乳類宿主細胞では、多数のウイルス性発現系を利用することができる。発現 ベクターとしてアデノウイルスが用いられる場合には、TUPROのコード化配 列は、後期プロモータ及び三連リーダ配列からなるアデノウイルス転写物/翻訳 物複合体内に結合される。ウイルス性ゲノムの非必須領域への挿入により、感染 した宿主細胞でTUPROを発現することができる生存可能なウイルスになる( Logan及びShenk(1984)Proc Nat Acad Sci 81:3655-3659)。さらにラウス肉腫 ウイルス(RSV)エンハンサのような転写エンハンサを哺乳類宿主細胞内の発現 を増加させるために用いることができる。 また、TUPRO配列の効率的な翻訳のためには、特定の開始シグナルも必要 である。これらのシグナルには、ATG開始コドン及び隣接の配列が含まれる。T UPRO及びその開始コドン及び上流配列が適切な発現ベクター内に挿入される 場合には、追加の翻訳制御シグナルは不要である。しかしながらコード化配列、 或いはその一部のみが挿入される場合には、ATG開始コドンを含む外来の翻訳制 御シグナルが与えられなければならない。さらに、開始コドンは正しい読み枠内 にある必要があり、全インサートの転写を確実に行わなければならない。外来転 写エレメン ト及び開始コドンは、自然及び合成両方の様々な起源に由来するものであり得る 。発現の効果は、その細胞系に適切なエンハンサを含めることにより強化される (Scharf等(1994)Results Probl Cell Differ 20:125-62、Bitter等(1987)Meth ods Enzymol 153:516-544)。 さらに宿主細胞株は、挿入された配列を望ましい形に改変したり、発現したタ ンパク質のプロセシングを行う能力で選択される。このようなポリペプチドの修 飾は、限定はしないが、アセチル化、カルボキシル化、グリコシル化、リン酸化 、脂質化(lipidation)並びにアシル化を含む。またタンパク質の「プレプロ」 形態を切り離す、翻訳後プロセシングは、正しい挿入、折り畳み、並びにまた機 能の発揮のために重要である。CHO,HeLa,MDCK,293,WI38等のような異なる宿主細 胞は、そのような翻訳後活性のための特定の細胞機構及び特徴的な機構を有して おり、導入される外来タンパク質の修飾やプロセシングを確実に実行するべく選 択される。 長期間にわたって高収率の変異体タンパク質の生産を確保するためには、安定 した発現が望ましい。例えばTUPROを安定的に発現する株細胞は、ウイルス 由来の複製物、或いは内在性発現エレメント及び選択マーカー遺伝子を含む発現 ベクターを用いて形質転換される。ベクターの導入に続いて、細胞は、選択培地 に切り替えられる前に、濃縮培地内で1〜2日間成長させられる。選択マーカー は選択物への耐性を与え、導入された配列をDNA内に安定的に結合する細胞を 同定できるようにする。安定的に形質転換された細胞の耐性凝集塊はその細胞型 に適切な組織培養技術を用いて増殖することができる。 形質転換された株細胞を回収するために任意の数の選択系を用いることができ る。限定はしないが、選択系は単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ(Wigler 等(1977)Cell 11:223-32)及びアデニン ホスホリ ボシルトランスフェラーゼ(Lowy等(1980)Cell 22:817-23)遺伝子を含み、そ れぞれtk-及びaprt-細胞において用いられる。また代謝拮抗物質、抗生物質或い は除草剤への耐性を選択の基礎として用いることができる。例えばdhfrはメトト レキセートに対する耐性を与え(Wigler等(1980)Natl Acad Sci 77:3567)、npt はアミノグリコシッド剤、ネオマイシン及びG-418に対する耐性を与え(Colberr e-Garapin等(1981)J Mol Biol 150:1)、als或いはpatはクロルスルフロン(ch lorsulfuron)、フォスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼ(phosphinot ricin acetyltransferase)に対する耐性を与える(上記Murry)。さらに選択可 能な遺伝子として、例えば細胞がトリプトファンの代わりにインドールを利用で きるようにするtrpB、細胞がヒスチジンの代わりにヒスチノール(histinol)を 利用できるようにするhisDが記載されている(Hartman及びMulligan(1988)Pro c Nalt Acad Sci 85:8047)。最近になって、形質転換体を同定するためばかり ではなく、特定ベクター系による一過性の或いは安定なタンパク質発現の量を定 量するために広く用いられるβ−グルクロニダーゼ、アントシアニン及びルシフ ェリンのような標識による可視標識が非常によく用いられるようになった(Rhod es CA等(1995)Methods Mol Biol 55:121-131)。 本発明のポリヌクレオチド配列を含む形質転換体の同定 マーカー遺伝子発現の存在/不存在は、対象の遺伝子も存在することを示唆す るが、その存在及び発現は確認されるべきである。例えばTUPROがマーカー 遺伝子配列内に挿入されるなら、TUPROを含む組換え細胞がマーカー遺伝子 の機能の存在により同定できる。別法ではマーカー遺伝子は、単一プロモータの 制御下でTUPRO配列と直列に配置することができる。誘導または選択に応じ てのマーカー遺伝子の発現は、通常さらにTUPROの発現をも示す。 この他、TUPROのコーディング配列を含み、さらにTUPROを発現する 宿主細胞が、当業者には周知の様々な手順により同定できる。これらの手順は、 限定はしないが、DNA−DNA或いはDNA−RNAハイブリダイゼーション 及び、核酸及びタンパク質の検出や定量、若しくはその両方を行うための膜、溶 液或いは破片ベースの技術を含むタンパク質バイオアッセイ或いはイムノアッセ イを含む。 TUPROポリヌクレオチド配列の存在は、TUPROのプローブ、一部、或 いはフラグメントを用いるDNA−DNA或いはDNA−RNAハイブリダイゼ ーション或いは、増幅により検出することができる。核酸増幅に基づくアッセイ では、TUPRO配列に基づくオリゴヌクレオチド或いはオリゴマーを使用し、 TUPROのDNA或いはRNAを含む形質転換体を検出する。本明細書におい て「オリゴヌクレオチド」或いは「オリゴマー」とは、プローブ或いは、PCR で増幅されるセグメントであるアンプリマーとして用いることができる、少なく とも10ヌクレオチド、多い場合には60ヌクレオチド、好適には15〜30ヌ クレオチド、より好適には20〜25ヌクレオチドの核酸配列を指す。このタン パク質に特異的なポリクローナル抗体及びモノクローナル抗体のいずれかを用い てTUPROポリペプチドの発現を検出し、測定するための種々のプロトコルが 当業者には周知である。このようなプロトコルの例としては、酵素結合免疫検定 法(ELISA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)及び蛍光表示式細胞分取器法(FACS )を含む。TUPROポリペプチド上で2つの非干渉なエピトープに対して反応 するモノクローナル抗体を利用する二部位モノクローナルベースイムノアッセイ (two-site,monoclonal-based immunoassay)は好適ではあるが、競合的結合ア ッセイも用いられる。これらアッセイの並びに他のアッセイは、Hampton R等(1 990,Serologivcal Methods,a Laboratory Manual, APS Press,St Paul MN)及びMaddox DE等(1983,I Exp Med 158:1211)等に記載 されている。 さらに多くの標識及び結合技術は当業者には周知であり、種々の核酸及びアミ ノ酸検査法において用いることができる。TUPROに関連する配列を検出する ための標識されたハイブリダイゼーション或いはPCRプローブを生成するため の手段には、オリゴ標識化、ニックトランスレーション法、末端標識化或いは標 識化ヌクレオチドを用いるPCR増幅などがある。別法では、TUPRO配列、 或いはその任意の部分が、mRNAプローブの生成のためにベクターにクローニ ングされる。そのようなベクターは当分野では周知であり、市販されており、T 7,T3或いはSP6並びに標識されたヌクレオチドのような適切なRNAポリ メラーゼの付加により、in vitroでのRNAプローブ合成のために用いることが できる。 Pharmacia Biotech社(Piscataway NJ)、Promega社(Madison WI)並びにUS Bi ochemical社(Cleveland OH)のようないくつかの企業がこれらの手順に対する 商用のキット及びプロトコルを提供している。適切なリポーター分子、すなわち 標識には、放射性核種、酵素、蛍光性剤、化学ルミネセンス剤或いは色素生成剤 や、基質、補助因子、インヒビター、磁気粒子或いはそれに類似のものが含まれ る。そのような標識の使用について記載している特許には、米国特許第3,817,83 7号、第3,850,752号、第3,939,350号、第3,996,345号、第4,277,437号、第4,275 ,149号並びに第4,336,241号がある。また、組換え免疫グロブリンの製造につい ては米国特許第4,816,567号に記載の方法を用いることができ、本明細書ととも に参照されたい。 TUPROの精製 TUPROをコードするヌクレオチド配列で形質転換された宿主細胞 は、細胞培地からコード化タンパク質を発現及び回収するために適切な条件下で 培養される。組換え細胞により生成されるタンパク質は、用いられる配列並びに またベクターに応じて、細胞内に分泌、つまり含有されるようにすることができ る。当業者には理解されるように、TUPROをコードするポリヌクレオチドを 含む発現ベクターは、原核細胞か、真核細胞の細胞膜を通してのTUPROの分 泌を誘導するシグナル配列を含むように設計される。他の組換え体作製物では、 TUPROを、可溶性タンパク質の精製を容易にするポリペプチドドメインをコ ードするヌクレオチド配列に結合することができる(Kroll DJ等(1993)DNA Ce ll Biol 12:441-53、融合タンパク質を含むベクターに関する上記論議も参照さ れたい)。 またTUPROは、タンパク質精製を容易にするために加えられた1または2 以上の付加的なポリペプチドドメインを備えた組換えタンパク質として発現され 得る。そのような精製を容易にするドメインには、限定はしないが、固定化金属 上での精製を可能にするヒスチジントリプトファンモジュールのような金属キレ ートペプチド(Porath J(1992)Protain Expr Purif 3:263-281)、固定化免疫 グロブリン上での精製を可能にするプロテインAドメイン、並びにFLAGS延 長/アフィニティ精製システムにおいて用いられるドメイン(Immunex社、Seatt le WA)が含まれる。精製ドメイン及びTUPRO間に第XA因子或いはエンテ ロキナーゼ(Invitrogen,San Diego CA)のような切断可能なリンカー配列を含 めるのは精製を促進するのに役立つ。このような発現ベクターの1つは、TUP ROを含む融合タンパク質の発現を提供し、かつ6個のヒスチジン残基、それに 続くチオレドキシン及びエンテロキナーゼ切断部位をコードする核酸を含む。ヒ スチジン残基によりIMIAC(固定化金属イオンアフィニティークロマトグラ フィー、Porathら(1992) Protein Expression and Purification 3:263-281に記載)上での精製を促進す ると共にエンテロキナーゼ切断部位は、融合タンパク質からの目的タンパク質の 精製のための手段となる。 組換え体の産生に加えて、TUPROのフラグメントは、固層技術を用いた直 接のペプチド合成で形成することもできる。(Stewartら(1969)Solid-Phase Pet ide Synthesis,WH Freeman Co,San Francisco;Merrifield J(1963)J Am Chem S oc 85:2149-2154を参照されたい)。in vitroタンパク質合成は手作業で行える が、自動化することもできる。自動的な合成は、例えば、Applied Biosystem 43 1Aペプチドシンセサイザ(Perkin Elmer,Foster City CA)を製造者の指示に従 って用いて行うことができる。TUPROの種々のフラグメントを個別に化学的 に合成し、化学的方法を用いて結合して完全長分子を作り出すことができる。 TUPROの使用 ここに開示する新規なヌクレオチド及びポリペプチド配列の利用の原理は、T UPROAと、ヒトの腫瘍タンパク質D52(GI 790225;Byrne等,前出)と、線虫 F13E6.1(GI 1072344;Wilson等,前出)との間の化学的及び構造的相同性、及び TUPROBと、線虫ORF ZK418.5(GI 470373;Wilson等,前出)との間の化学的 及び構造的相同性に部分的に基づいている。更に、ここに開示するノーザン解析 により、TUPRO分子が多くのタイプのヒトの癌に由来する細胞又は組織にお いて発現されることが分かった(第3図、第4A図、及び第4B図参照)。 腫瘍遺伝子における突然変異は、ヒトの腫瘍において極めて多く見られるが、 多くの例では、腫瘍の発生の開始及び化学療法に対して腫瘍が生存する能力の双 方に対して重要であると考えられている。腫瘍タンパク質は、腫瘍の発生のため に必要不可欠であり得、若しくは腫瘍の化学 療法に対する耐性を与え得る。従って、この腫瘍タンパク質は、新規な診断や治 療のための標的となり得る。従って、この新規なタンパク質TUPRO又はTU PRO誘導体を、癌の診断、予防、又は治療のために使用することが可能である 。TUPROタンパク質活性が望ましくないような状態では、細胞をTUPRO のアンタゴニストで処理することができる。また、TUPROアゴニストを用い て、TUPRO特異的腫瘍プロセスを不活性化することができる。 TUPROの抗体 TUPRO特異的抗体は、TUPROの発現が関係する病気や疾病の診断のた めに役立つ。このような抗体には、限定はしないが、ポリクローナル抗体、モノ クローナル抗体、キメラ抗体、一本鎖、Fabフラグメント並びにFab発現ラ イブラリにより生成されるフラグメントが含まれる。中和抗体、すなわちTUP ROポリペプチドの生物活性を抑制する抗体は、特に診断及び治療に好適である 。 抗体誘発のためのTUPROは生物学的活性を有している必要はないが、その タンパク質断片、つまりオリゴペプチドは抗原性でなければならない。特異的抗 体を誘発するために用いられるペプチドは、少なくとも5個のアミノ酸、好まし くは少なくとも10個のアミノ酸からなるアミノ酸配列を有する。これらの配列 は、天然タンパク質のアミノ酸配列の一部と同一のものであり、小さい自然発生 の分子の全アミノ酸配列を含み得る。TUPROアミノ酸の短いストレッチを、 キーホールリンペットヘモシアニン及びキメラ分子に対して産生された抗体のよ うな他のタンパク質の配列に融合することができる。TUPROに対する抗体の 生成のために、当分野においてよく知られる手順が用いられる。 抗体を産生するために、ヤギ、ウサギ、ラット、マウス等を含む種々の宿主は 、免疫学的特性を保持するTUPRO或いはその任意の部分、 フラグメント或いはオリゴペプチドを注入することにより免疫することができる 。宿主の種に応じて、種々のアジュバントが免疫学的反応を促進するために用い られる。そのようなアジュバントには、限定はしないが、フロイントのアジュバ ント、水酸化アルミニウムのような無機質ゲルアジュバント、リゾレシチンのよ うな表面活性物質アジュバント、プルロニックポリオールアジュバント、ポリア ニオンアジュバント、ペプチドアジュバント、油性乳剤アジュバント、キーホー ルリンペットヘモシニアンアジュバント並びにジニトロフェノールアジュバント が含まれる。BCG(カルメット-ゲラン杆菌)及びコリネバクテリウムパルヴ ム(Corynebacterium parvum)は有用なヒトアジュバントである。 TUPROに対するモノクローナル抗体は、培地中の連続株細胞によって抗体 分子の産生を行うための任意の技術を用いて調製される。これらは、限定はしな いが、Koehler及びMilstein(1975,Nature 256:495-497)に当初掲載されたハイ ブリドーマ技術、ヒトB細胞ハイブリドーマ技術(Kosbor等(1983)Immunol Today 4:72、Cote等(1983)Proc Natl Acad Sci 80:2026-2030)及びEBV−ハイブリ ドーマ技術(Cote等(1985)Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy,Alan RLiss Inc,pp77-96)を含む。 さらに、適切な抗原特異性並びに生物活性を有する分子を得るための「キメラ 抗体」の生成、即ちヒト抗体遺伝子へのマウス抗体遺伝子のスプライシングのた めに開発された技術が用いられる(Morrison等(1984)Proc Natl Acad Sci 81: 6851-6855)、Neuberger等(1984)Nature 312:604-608、Takeda等(1985)Natu re 314:452-454)。別法では、一本鎖抗体の生成のための周知技術(米国特許第 4,946,778号)を、TUPRO特異的一本鎖抗体を生成するために適用する。 また抗体は、リンパ球集団におけるin vivo産生を誘導することによ り、或いはOrlandi等(1989,Proc Natl Acad Sci 86:3833-3837)並びにWinter G及びMilstein C(1991,Nature 349:293-299)に開示されているような組換え体 免疫グロブリンライブラリー、または高度に特異的な結合試薬のパネルをスクリ ーニングすることによっても生成することができる。 TUPROに対する特異結合部位を含む抗体フラグメントも生成することがで きる。例えばこのようなフラグメントには、限定はしないが、抗体分子のペプシ ン消化により生成することができるF(ab’)2フラグメント及びF(ab’ )2フラグメントのジスルフィド架橋を減らすことにより生成することができる Fabフラグメントが含まれる。別法では、所望の特異性を有するモノクローナ ルFabフラグメントを迅速に、しかも容易に同定できるように、Fab発現ラ イブラリーを構築する(Huse WD等(1989)Science 256:1275-1281)。 確立された特異性を有するポリクローナル抗体或いはモノクローナル抗体のい ずれかを用いる競合的結合アッセイ或いは免疫放射定量測定法のための種々のプ ロトコルが当分野ではよく知られている。そのようなイムノアッセイでは、一般 に、TUPROとその特異的抗体(或いは類似のTUPRO結合分子)との間の 複合体の形成、並びに複合体形成の測定が行われる。特異的TUPROタンパク 質上の2つの非干渉性エピトープに対して反応するモノクローナル抗体を利用す る二部位モノクローナル用イムノアッセイが好適ではあるが、競合結合アッセイ も用いられる。これらの検査法はMaddox DE等(1983,J Exp Med 158:1211)に記 載されている。 TUPRO特異的抗体を用いる診断検査法 特定のTUPRO抗体は、TUPROの発現の誘発によって特性化される病気 或いは疾病の診断や、TUPROで治療されている患者のモニ タリングのためのアッセイにおいて役立つ。TUPROについての診断アッセイ は、ヒトの体液、細胞或いは組織の抽出物において、TUPROを検出するため の抗体或いは標識を利用する方法を含む。本発明のポリペプチド及び抗体は、修 飾の有無に拘わらず用いることができる。多くの場合、ポリペプチド及び抗体は 、共有結合、或いは非共有結合かのいずれかでそれらをリポーター分子と結合す ることにより標識される。種々のリポーター分子が周知となっており、その幾つ かについては上記した。 それぞれのタンパク質に対して特異的なポリクローナル抗体或いはモノクロー ナル抗体を用いて、TUPROポリペプチドを測定するための種々のプロトコル が当分野では周知である。その例として、酵素結合免疫測定法(ELISA)、ラジ オイムノアッセイ(RIA)並びに蛍光表示式細胞分取器法(FACS)がある。TU PROポリペプチド上の2つの非干渉性エピトープに対して反応するモノクロー ナル抗体を利用する二部位モノクローナル用イムノアッセイは好適ではあるが、 競合的結合アッセイも用いられる。これらのアッセイは、他にもあるが、Maddox DE等(1983,I Exp Med 158:1211)に記載されている。 疾病の診断の基礎を提供するために、TUPRO発現についての通常の値、す なわち標準値が確立されなければならない。これは複合体形成のために適切な条 件下で、ヒト或いは動物どちらでもよいが、正常の被験者から得られる体液或い は細胞抽出物と、TUPROに対する抗体とを結合することにより得ることがで きるが、これは当分野ではよく知られた技術である。標準的な複合体形成量は、 一連のポジティブコントロールの希釈系とそれを比較することにより定量され、 抗体の既知の量が既知の濃度の精製TUPROと結合される。その後正常サンプ ルから得られた標準値を、TUPROが関係する疾患を潜在的に患う被験者から のサンプルから得られた値と比較する。標準値と対象値との偏差によって疾病の 存在を確認できる。 薬物スクリーニング TUPROや、その触媒作用性または免疫原性フラグメント或いはオリゴペプ チドは、種々の任意の薬物スクリーニング技術において治療用化合物のスクリー ニングのために用いることができる。そのような試験において用いられるフラグ メントは、溶液に遊離した形態か、固体支持体へ付着したものか、細胞表面へ付 着したものか、或いは細胞内に存在するものであり得る。TUPROと試験され る薬剤との間の結合複合体形成が測定される。 薬物スクリーニングのための別の方法は、TUPROポリペプチドへの安定的 な結合親和性を有する化合物の高スループットスクリーニングを可能にするもの であり、1984年9月13日公告の欧州特許出願第84/03564号(Guysen)に詳 細に記載されている。この文献を本明細書に一体に参照されたい。概要としては 、多数の別々の小ペプチド試験用化合物をプラスチックピン或いはいくつかの他 の表面のような、固体基質上で合成する。ポリペプチド試験化合物をTUPRO フラグメントと反応させ、洗浄する。次いで結合TUPROを当分野で周知の方 法により検出する。また精製TUPROを前述の薬物スクリーニング技術におい て使用するために、プレート上に直接コーティングすることもできる。別法では 、ペプチドを捕捉し、固形支持体上にペプチドを固定するために非中和抗体を用 いる。 また本発明は、TUPROに結合し得る中和抗体特性が、TUPROとの結合 について特に試験化合物と競合する競合的薬物スクリーニングアッセイの使用も 意図している。このようにして、抗体を用いて1または2以上の抗原性決定基を TUPROと共通に有する任意のペプチドの 存在を検出することができる。 ポリヌクレオチドの診断的及び治療的使用 TUPROをコードするポリヌクレオチド、或いはその一部が診断並びにまた 治療目的で用いられる。診断目的の場合、本発明のTUPROは、TUPROの 発現が関与する生検組織における遺伝子発現を検出し、かつ定量するために用い られる。診断試験は、TUPROが存在、不存在、及び過剰発現の何れの状態に あるかを区別したり、治療的介入の際にTUPRO濃度の調節をモニタリングす るのに役立つ。本発明の範囲には、オリゴヌクレオチド配列、アンチセンスRN A及びDNA分子、及びPNAが含まれる。 本発明の別の側面は、TUPROまたは近縁な分子をコードするゲノム配列を 含むポリヌクレオチド配列を検出できるハイブリダイゼーションプローブ或いは PCRプローブを提供することである。そして、そのプローブの特異性、すなわ ち非常に高度な保存領域(例えば5’調節領域における10個の独特のヌクレオ チド)か、低度に保存的な領域(例えば特に3’領域におけるシステイン残基の 間の領域)の何れに由来するのかということや、ハイブリダイゼーション或いは 増幅の(高度の、中程度の或いは低度の)厳密性によって、そのプローブが自然 発生TUPROのみを同定するものであるか、或いはアレル配列や近縁な配列も 同定するものであるかが決まってくる。 プローブは近縁なインヒビターをコードする配列を検出するためにも用いるこ とができ、好ましくは、これらのTUPROの任意のものをコードする配列から 得られるヌクレオチドを少なくとも50%含むべきである。本発明のハイブリダ イゼーションプローブは、配列番号:2及び配列番号:4のヌクレオチド配列か 、プロモータ、エンハンサエレメント及び自然発生TUPROのイントロンを含 むゲノムの配列に由来する ものであり得る。ハイブリダイゼーションプローブは種々のリポータ分子により 標識することができ、この標識には、32Pや35Sのような放射性核種、アビジン /ビオチン結合系によりプローブに結合するアルカリホスファターゼのような酵 素標識等が含まれる。 TUPROのDNAに対する特異的ハイブリダイゼーションプローブの生成の ための他の手段は、mRNAプローブ産生用のベクターにTUPROやTUPR O誘導体をコードする核酸配列をクローン化することである。このようなベクタ ーは周知であって市販されており、T7やSP6 RNAボリメラーゼのような 適切なRNAポリメラーゼや適切な放射性標識ヌクレオチドを付加することによ り、in vitroでRNAプローブを合成するために用いることができる。 TUPROをコードするポリヌクレオチド配列を、TUPROの発現が関与す る病気や疾病の診断のために用いることができる。例えば、TUPROをコード するポリヌクレオチド配列を、TUPRO発現を検出するための生検組織や体液 の、ハイブリダイゼーションアッセイ或いはPCRアッセイにおいて用いること ができる。そのような定性的及び定量的方法の形態には、サザンブロット法或い はノーザンブロット法、ドットブロット法或いは他の膜用技術、PCR技術、デ ィップスティック試験法(試験紙法)、ピン或いはチップ技術及びELISA技術が 含まれる。これらの技術は全て、当分野ではよく知られており、実際に市販され ている多くの診断キットの基礎となっている。 ここに開示したTUPROをコードするヌクレオチド配列は、癌に関係する活 性化や誘導を検出するアッセイのための基礎を提供する。TUPROヌクレオチ ド配列は、既知の方法により標識され得、ハイブリダイゼーション複合体の形成 に適した条件の下で、患者の体液や組織のサンプルに加えられる。インキュベー ション時間の経過後、このサンプル を、ヌクレオチドが酵素で標識されている場合には所望に応じて色素(または他 の展開剤を要する標識)を含む適合性の液体で洗浄する。この適合性の液体をリ ンスした後、色素を定量して標準値と比較する。生検サンプルや抽出サンプルに おける色素の量が、比較用対照サンプルの色素量を著しく上回っている場合には 、このヌクレオチド配列はサンプルのヌクレオチド配列とハイブリッド形成して おり、サンプル内に著しく高い濃度のTUF−ROをコードするヌクレオチド配 列が存在していることは、関連する疾病が存在していることを示している。 このようなアッセイは、特定の治療行為の有効性を評価するため、動物実験、 臨床試験、或いは個々の患者の治療をモニタリングする際に用いることができる 。疾患を診断するための基礎を与えるために、TUPRO発現に対する正常な或 いは標準的なプロフィールが確立されなければならない。この標準プロフィール は、正常な被験者、すなわち動物或いはヒトから得られる体液或いは細胞抽出物 を、ハイブリダイゼーション或いは増幅に適切な条件下で、TUPRO或いはそ の一部と結合することにより確立される。標準的なハイブリッド形成は、正常被 験者に対して得られる値と、既知の実質的に精製されたTUPROの量が用いら れる同一の実験におけるポジティブコントロール希釈系列で得られる値とを比較 することにより定量することができる。正常なサンプルから得られた標準値は、 TUPRO発現に関連する障害或いは疾患を潜在的に患っている被験者からのサ ンプルから得られる値と比較される。標準値と被験者値との偏差から疾病の存在 が確認される。 ひとたび疾患が確認されると、現存する治療用薬剤が投与され、治療プロファ イルが作成される。このようなアッセイは、その数値が正常すなわち標準パター ンに向かって回復しているか否かを評価するために規則的に繰り返される。継続 的な治療プロファイルを用いて数日間或いは 数ヶ月の期間にわたる治療効果を示すことができる。 米国特許第4,683,195号、第4,800,195号並びに第4,965,188号に記載のような PCR法により、TUPRO配列に基づくオリゴヌクレオチドの追加の使用法が 提供される。このようなオリゴマーは一般には化学的に合成されるが、酵素を用 いて発生させたり、或いは組換え体を起源として生成することもできる。一般に オリゴマーは、通常特定の遺伝子或いは状態を同定するために最適な条件下で用 いられる2つのヌクレオチド配列、即ちセンス方向(5’→3’)のヌクレオチ ド及びアンチセンス方向(3’←5’)のヌクレオチドからなる。同一の2つの オリゴマー、入れ子才リゴマーの組、或いはオリゴマーの縮重プールでさえ、近 縁なDNAまたはRNA配列の検出や定量のためのより低い厳密性の条件下であ っでも用いることができる。 さらに特定の分子の発現を定量するための方法には、放射性標識(radiolabel ing)(Melby PC等1993 J Immunol Methods 159:235-44)或いはビオチン標識( Duplaa C等1993 Anal Biochem 229-36)ヌクレオチドの利用、制御核酸の同時増 幅(coamplification)の利用、並びに実験結果を補完して書かれた標準的なグ ラフ曲線の利用が含まれる。多数のサンプルの定量は、ELISA形式のアッセ イを実行することにより迅速に行うことができ、対象のオリゴマーが様々な希釈 溶液中に現れ、分光光度分析或いは比色分析反応により迅速に定量することがで きる。このタイプの確定診断により、健康の専門家が患者の積極的治療を開始し たり、病状の悪化を防ぐことが可能となる。同様に、当業者に周知のアッセイを 用いて、患者の治療の際に、その病状の進行をモニタリングすることができる。 また、まだ開発されていない分子生物学的技術でも、その新技術が既知のヌクレ オチド配列の性質、例えばトリプレット遺伝暗号、特異的塩基対形成等に基づく ものであれば、ここに開示したヌク レオチド配列をそれに利用することができる。 D52をコードする遺伝子へのその相同性、及びその発現プロファイルに基づき 、ここに開示するTUPROをコードするポリヌクレオチドは、癌の治療におい て役立ち得る。 レトロウイルス、アデノウイルス、ヘルペス或いはワクシニアウイルスに由来 する発現ベクター、或いは細菌性プラスミドに由来する発現ベクターは、標的の 器官、組織、または細胞群へのヌクレオチド配列の送達のために用いられる。当 業者によく知られた方法は、アンチTUPROを発現する組換えベクターを構築 するために用いることができる。例えばManiatis等(上記)及びAusubel等(上 記)に記載された技術を参照されたい。 完全長cDNA配列や調節エレメント、若しくはその両方を含むポリヌクレオ チドにより、研究者は遺伝子機能のセンス調節(Youssoufian H及びHF Lodish 1 993 Mol Cell Biol 13:98-104)、或いはアンチセンス調節(Eguchi等(1991)A nnu Rev Biochem 60:631-652)の調査用のツールとしてTUPROを用いること ができる。このような技術は、現在当分野ではよく知られており、センス或いは アンチセンスオリゴヌクレオチド、或いはより大きなフラグメントを、コーディ ング領域或いは制御領域に沿った様々な位置から設計することができる。 所望のTUPROコーディング断片を高度に発現する発現ベクターを細胞また は組織にトランスフェクトすることにより、TUPROをコードする遺伝子の機 能を停止させることができる。このような作製物は、翻訳不可能なセンス或いは アンチセンス配列とともに細胞から溢れ出し得る。DNAへの組み込みがない場 合ですら、このようなベクターは、全ての複製物が内在性ヌクレアーゼにより分 解されるまで、RNA分子を転写し続ける。このような一過性の発現は、非複製 ベクター(Mettler I,personal communication)でも1ヶ月以上、適当な複製エレメントがベクター 系の一部である場合には更に長い期間継続し得る。 上述のように、TUPROの制御領域、例えばプロモータ、エンハンサ或いは イントロンに対するアンチセンス分子、DNA、RNAまたはPNAを設計する ことにより遺伝子発現を修飾することができる。転写開始部位、例えばリーダー 配列の+10〜−10領域の間に由来するオリゴヌクレオヂドが好適である。ま たアンチセンス分子は、転写産物がリボソームへの結合するのを防止することに より、mRNAの翻訳を阻止するように設計される。同様に、抑制は、「三重ら せん」塩基対合法を用いて達成することができる。三重らせん対合は、二重らせ んが、ポリメラーゼ、転写因子、或いは調節分子を結合するべく十分に開かない ようにする。三重らせんDNAを用いた最近の治療法は、Gee JEら(Huber BE a nd BI Carr(1994)Molecular and Immunlogic Approaches,Futura Publishing Co ,Mt Kisco NY)により記載されている。 リボザイムはRNAの特異的切断を触媒することができる酵素性RNA分子で ある。リボザイムの作用の仕組みでは、相補的標的RNAへのリボザイム分子の 配列特異的ハイブリダイゼーションが行われ、その後エンドヌクレアーゼによる 切断(endonucleolytic cleavage)がなされる。発明の範囲内には、TUPRO のエンドヌクレアーゼによる切断を、特異的に及び効果的に触媒し得る、人工合 成のハンマーヘッド型リボザイム分子も含まれている。 任意の潜在性RNA標的内の特異的なリボザイム切断部位の最初の同定は、配 列GUA、GUU並びにGUCが後続するリボザイム切断部位に対する標的分子 を走査することにより行われる。一度同定されると、切断部位を含む標的遺伝子 の領域に対応する15〜20個のリボヌクレ オチドの間の短いRNA配列は、そのオリゴヌクレオチドの機能を停止させる2 次構造の特徴について評価される。また候補の標的の適切性の評価は、リボヌク レアーゼ保護アッセイを用いて相補的なオリゴヌクレオチドとのハイブリッド形 成に対する接触性を試験することにより行われる。 本発明のアンチセンス分子及びリボザイムは、RNA分子を合成するのための 当分野で周知の方法により調製することができる。これらの技術には、固相ホス ホラミダイト(phosphoramidite)化学合成のような化学合成オリゴヌクレオチ ドの技術が含まれる。別法では、RNA分子を、TUPROをコードするDNA 配列のin vivo及びin vitro転写により生成することができる。このようなDN A配列は、T7或いはSP6のような適切なRNAポリメラーゼプロモータを有 する多種のベクターに組み込まれる。別法では、構造的に或いは誘導的にアンチ センスRNAを合成するアンチセンスcDNA構成物が、株細胞、細胞或いは組 織内に導入される。 RNA分子は細胞内安定性を高め及び半減期を長くするために修飾することが できる。実行可能な修飾には、限定はしないが、その分子の5’並びにまた3’ 末端のフランキング配列の付加、或いは分子のバックボーン内にホスホジエステ ラーゼ連鎖ではなくホスホロチオネート(phosphorothioate)或いは2’O−メ チルを使用することを含む。このコンセプトは、PNAの産生において固有のも のであり、内在性エンドヌクレアーゼにより容易に認識されないアデニン、グア ニン、シチジン、チミン、及びウリジンのアセチル−、メチル−、チオ−、及び 類似の修飾形態とともに、イノシン、キュエオシン(queosine)、及びワイブト シン(Wybutosine)のような従来あまり用いられなかった塩基を含めることによ って、これら全ての分子に拡張することができる。 細胞或いは組織内にベクターを導入するための方法には、以下に議論される方 法が含まれ、これらの方法は、in vivo、in vitro、及びex vivo治療法に対しで も適切なものである。ex vivo治療法の場合には、患者から採取された幹細胞に ベクターを導入し、自家移植のためにクローンとして増殖して同じ患者に戻す方 法が、ここで引用されている米国特許第5,399,493号及び第5,437,994号に記載さ れている。トランスフェクションによる送達、リポソームによる送達は、当分野 でよく知られているものである。 更に、ここに開示するTUPROのヌクレオチド配列は、新技術、即ち、限定 はしないが、それがトリプレット遺伝暗号及び特異的塩基対合相互作用のような 特性を含む、現在周知のヌクレオチド配列の特性に依存する技術であれば、まだ 開発されていない分子生物学的技術においても用いることができる。 近緑なポリヌクレオチド配列の検出及びマッピング TUPROの核酸配列は、自然発生のゲノム配列のマッピングのためのハイブ リダイゼーションプローブを生成するために用いることができる。この配列は、 よく知られた技術を用いて、特定の染色体或いはその染色体の特定領域に対して マッピングすることができる。このような技術には、染色体を展着物(chromoso mal spreads)についてのin situハイブリダイゼーション(Verma等(1988)Hum an Chromosomes:A Manual of Basic Technique,Pergamon Press,New York)、 フローソーティング(flw-sorted)染色体調製法、或いは酵母菌人工染色体(Y ACs)、細菌性人工染色体(BACs)、細菌性P1構造体或いはPrice CM( 1993;Blood Rev 7:127-34)及びTrask BJ(1991;Trends Ganet 7:149-54)に概 要が示されている単染色体cDNAライブラリのような人工染色体構造が含まれ る。 染色体展着物についての蛍光in situハイブリダイゼーションの技術は、“Ver ma等(1988)Human Chromosomes:A Manual of Basic Technique,Pergamon Press ,New York”に記載されている。染色体調製物の蛍光in situハイブリダイゼー ション及び他の染色体マッピング技術は、追加の遺伝子地図データと関係を有す る。遺伝子地図データの例は、1994 Genome Issue of Science(265:1981f)に見 ることができる。物理的染色体地図上でのTUPROの位置と、特定の失敗(ま たは特定の疾病の素因)との相関関係を助けとして、ある遺伝病が関係するDN Aの領域を限界決定することができる。本発明のヌクレオチド配列を、健常者と 、キャリアまたは患者との遺伝子配列の違いを検出するために用いることができ る。 染色体調製物のin situハイブリダイゼーション及び確定された染色体マーカ ーを用いる連鎖解析のような物理的地図作成技術は、遺伝子地図を延長する際に 大変重要である。ヒトゲノムのSTSに基づく地図の最近の例は、Whitehead-MI T Center for genomic Reserch(Hudson TJら(1995)Science 270:1945-1954)か ら最近出版されている。多くの場合、特定のヒト染色体の数或いはアームが未知 であっても、マウスのような別の哺乳動物種の染色体上の遺伝子の配置から、関 連する標識を明らかにすることができる。新しい配列は、染色体の腕、或いはそ の一部への物理的マッピングにより割当てることができる。これは位置クローニ ング或いは他の遺伝子発見技術を用いて疾患遺伝子を調査する研究者に貴重な情 報を提供する。ひとたび毛細血管拡張性運動失調(AT)のような疾患或いは症 候群が、特定のゲノム領域、例えばAT〜11q22-23(Gatti等(1988)Nature 33 6:577-580)への遺伝子連鎖により粗く局所化されれば、その領域にマッピング される任意の配列は、さらなる研究のための関連する遺伝子、或いは調節遺伝子 を表すことができる。本 発明のヌクレオチド配列は、正常者とキャリアまたは患者との間の、転座、逆位 等による染色体位置の違いを検出するために用いることもできる。 医薬品組成物 本発明は、ヌクレオチド、タンパク質、抗体、アンタゴニスト、またはインヒ ビターを、単独で、或いは安定化化合物のような少なくとも1つの他の薬剤とと もに含んでいる医薬品組成物を、その範囲に含む。この医薬品組成物は、任意の 無菌の生体適合性製薬用担体に含めて投与されるが、このような担体には、限定 はしないが、生理食塩水、緩衝食塩水、ブドウ糖或いは水が含まれる。これらの 分子は、患者に対して、単体で、或いは他の薬品やホルモンと結合して、賦形剤 或いは製薬学的に許容される担体と混合される他の薬品組成物に入れて投与され 得る。本発明の一実施例では、製薬学的に許容される担体とは、製薬学的に不活 性なものである。医薬品組成物の投与 医薬品組成物は経口投与、或いは非経口投与される。非経口投与の方法には、 局所的投与、動脈内(腫瘍への直接の)投与、筋肉内投与、皮下投与、髄内投与 、くも膜下内投与、脳室内投与、静脈内投与、腹腔内投与或いは鼻腔内投与が含 まれる。活性成分に加えて、これらの薬品組成物は、薬学的に用いられ得る調合 物内への活性化合物の処理を容易にする賦形剤及び補助剤を含む適切な製薬学的 に許容される担体を含み得る。調合或いは投与に関する技術の詳細は、“Reming ton's Pharmaceutical Sciences”(Mack Publishing Co,Easton PA)の最新版 において見出すことができる。 経口投与用の医薬品組成物は、当分野でよく知られる製薬学的に許容される担 体を用いて適切な剤形に製剤される。このような担体により、 薬品組成物は、治療を受ける患者による経口及び鼻腔摂取のための、錠剤、丸剤 、カプセル剤、液体剤、ゲル剤、シロップ剤、スラリー剤、懸濁剤或いは類似の 剤形として処方される。 経口投与するための医薬品調製物は、活性化合物と固形の賦形剤とを結合する ことによって得ることができるが、所望に応じて、必要なら適切な補助剤を添加 した後、得られた混合物を粉砕し、顆粒の混合物を処理して、錠剤或いは糖衣剤 核を得ることができる。適切な賦形剤は、ラクトース、サクロース、マンニトー ル或いはソルビトールを含む砂糖のような糖質或いはタンパク質充填剤、とうも ろこし、小麦、米、じゃがいも等からのでんぷん、メチルセルロース、ヒドロキ シプロピルメチルセルロース或いはカルボキシルメチルセルロースナトリウムの ようなセルロース、アラビアゴム或いはトラガカントのようなゴム、並びにゼラ チン或いはコラーゲンのようなタンパク質である。必要ならば、架橋結合したポ リビニルピロリドン、寒天、アルギン酸ナトリウムのようなアルギン酸或いはア ルギン酸ナトリウムや、その塩のような、崩壊剤或いは可溶化剤が加えられる。 糖衣剤核は、濃縮砂糖溶液のような適切な錠皮を与えられるが、溶液はアラビ アゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポルゲル剤、ポリエチレングリ コール並びにまた二酸化チタン、ラッカー溶液及び適切な有機溶剤或いは溶剤混 合物が含み得る。錠剤の識別のため、すなわち活性化合物の量、すなわち投与量 を特徴付けるために染料或いは色素が錠剤或いは糖衣錠皮に加えられてもよい。 経口投与可能な製剤は、ゼラチンからなるプッシュフィットカプセル及びゼラ チンからなる柔らかい、密封されたカプセル、並びにグリセロール或いはソルビ トールのような錠皮を含む。プッシュフィットカプセルは、ラクトース或いはで んぷんのような充填剤或いは結合剤、タルク 或いはステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、並びに付加的には安定剤と混 合された活性処方組成物を含み得る。柔らかいカプセルでは、活性化合物は、安 定剤があるなしにかかわらず、脂肪油、液体パラフィン、液体ポリエチレングリ コールのような適切な液体に溶解或いは懸濁される。 非経口投与用の剤形は、水溶性の活性化合物の水溶液を含む。注射用として、 本発明の薬品組成物を水溶液、好適にはハンクの溶液、リンガー溶液或いは生理 緩衝食塩水のような生理学的に適合性の緩衝液に入れて製剤するこどができる。 水性の注入懸濁剤は、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、ソルビトール 或いはデキストランのような懸濁剤の粘性を高める物質を含み得る。更に、活性 成分の懸濁液は、適切な油性注入懸濁剤として調製される。適切な親油性の溶媒 或いは媒介物は、胡麻油のような脂肪油や、オレイン酸エチル、トリグリセリド 或いはリポソームのような合成脂肪酸エステルを含む。また懸濁剤は、所望に応 じて、それにより溶解度を増加し、非常に濃縮された溶液の調製ができるように なる適切な安定剤或いは薬剤を含んでもよい。 局所的投与または経鼻投与用には、浸透される特定の障壁に対して適切な浸透 剤を用いて調合が行われる。このような浸透剤は、一般的に周知である。製造と保管 本発明の薬品組成物は周知の方法、例えば従来の混合処理、溶解処理、顆粒化 処理、糖衣形成処理、研和処理、乳化処理、封入処理(entrapping)処理或いは凍 結乾燥処理により製造される。 この医薬品組成物は塩類として提供されることもあり、限定はしないが、塩酸 、硫酸、酢酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸等を含む、多くの酸とともに 形成することができる。塩は、対応する遊離塩基形態 である水性或いはプロトニック溶剤において、より可溶性が高くなる傾向がある 。他の場合には、好適な製剤は、1mM〜50mMのヒスチジン、0.1%〜2 %のショ糖、使用前に緩衝剤と結合させたpH範囲4.5〜5.5にある2%〜 7%のマンニトールにおける凍結乾燥粉末である。 製薬学的に許容される担体内に製剤された本発明の化合物を含む組成物は、調 製された後、適切な容器内に入れられて、さらに提示した疾病状態の治療のため にラベル付けされる。TUPROの投与のため、このようなラベルには、投与の 量、頻度、方法が表示される。治療上効果的な投与量 本発明において使用するために適切な医薬品組成物は、活性成分を所望の目的 を達成するに効果的な量だけ含む組成物である。効果的な投与量の決定は、当業 者の能力の範囲内で行うことができる。 任意の化合物について、治療的に有効な投与量は、初めに、新生物細胞、或い は通常マウス、ウサギ、イヌ、ブタのような動物モデルの何れかの細胞培地のア ッセイから推定される。次いで、このような情報を用いて、ヒトにおいて効果的 な投与量や投与経路を決定することができる。 治療的に有効な投与量とは、疾病状態を寛解するタンパク質、その抗体、アン タゴニスト、またはインヒビターの量である。そのような化合物の毒性及び治療 有効性は、例えばLD50(個体群の50%の致死投与量)及びED50(個体 群の50%において治療的に有効な投与量、50%有効量)を決定するための、 細胞培地或いは実験動物における標準的な製薬学的手順により決定することがで きる。毒性と治療有効性との間の投与量比は治療指数であり、LD50/ED5 0の比として表すことができる。大きな治療指数を示す医薬品組成物が好ましい 。これらの細胞培地のアッセイ及び付加的な動物研究から得られるデータは、ヒ トへの使用に対する投与量の範囲を決める際に用いることができる。そのような 化合物の投与量は、毒性がほとんど或いは全くなく、ED50を達成する循環濃 度の範囲内にあることが望ましい。投与量は、用いられる剤形、患者の感受性並 びに投与経路に応じてこの範囲内で変化する。 正確な投与量は治療されるべき患者を考慮して個々の医師により選択される。 投与量及び投薬量は、十分なレベルの活性部分を与え、かつ所定の効果を維持す るために調整される。考慮すべき付加的な要因は、疾患状態の重症度、または患 者の年齢、体重並びに性別、食事、投与の時間及び頻度、併用する薬剤、反応感 受性、並びに治療への耐性/反応を含む。長期的に作用する薬品組成物は3〜4 日毎に、1週間毎に、或いは半減期及び特定の処方のクリアランス速度に応じて 2週間に1度投与してもよい。 通常の投与量は0.1〜100,000μgの範囲にあって、全投与量は最大 約1gであり、投与経路に応じて変化する。特定の投与量或いは供給の方法に関 するガイダンスは、文献において見出すことができる。米国特許第4,657,760号 、第5,206,344号或いは第5,225,212号を参照されたい。当業者は、ヌクレオチド に対しては、タンパク質やインヒビター用の剤形とは異なる剤形を採用するであ ろう。同様に、ポリヌクレオチドまたはポリペプチドの送達は、特定の細胞、状 態、位置等によって決まってくる。 例えば、TUPRO又はTUPRO誘導体を適切な剤形で与えて、癌の進行を 止めることができる。 以下に本発明の実施例を示す。但し、以下の実施例は単なる例示であって、本 発明をこの実施例に限定しようとするものではない。 産業上の応用 1 cDNAライブラリーの作製TLYMNOR01cDNAライブラリー TLYMNOR01cDNAライブラリーは、24歳の白人男性から得られた非 接着性末梢血単核細胞から単離されたRNAを用いて作製された。この細胞は、 Ficoll Hypaque上で精製され、回収され、GuSCNに溶解されて、塩化セシウムを 通してスピニングされて、ライブラリー作製用のRNAを得た。このRNAは、 オリゴdTを用いて初回剌激を与え、cDNAはmRNAから合成した。合成アダ プターオリゴヌクレオチドをcDNAの末端にリゲートし、cDNAをUni-ZAPT M XRベクターシステム(Stratagene)に挿入できるようにした。これによって高 効率の一方向性(センス方向)ラムダライブラリー作製が可能となり、cDNA を挿入したクローンを検出するためにブルー/ホワイトカラーセレクションを備 えたプラスミド系の利便性が利用できるようになった。別の一方向性ベクターに は、限定はされないが、pcDNAI(Invitrogen)やpSHlox-1(Novagen)がある。 二本鎖のcDNAを平滑末端化し、EcoRIアダプターをリゲートし、XhoIで切断 してサイズ選択し、ラムダUniZAPベクターのXhoI及びEcoRI部位にクローン化し た。 このcDNAライブラリーは、DNAプローブか抗体プローブの何れかでスク リ−ニングすることができ、pBluescript(登録商標)ファージミド(Stratagen e)はin vivoで速やかに切断され得る。このファージミドにより、プラスミド系 を利用してインサートの特性化や配列決定や、部位特異的突然変異誘発や、一方 向性欠失の形成、及び融合タンパク質の発現を容易に行うことができるようにな る。ライブラリーファージの粒子を大腸菌宿主菌株XL1-Blue(登録商標)(Stra tagene)に感染させた。この菌株は高い形質転換効率を有し、cDNAライブラ リー内に希に存在する少数のクローンを得る可能性を高めることができる。PROSTUT01cDNAライブラリー PROSTUT01cDNAライブラリーを、恥骨後前立腺摘除術によって50歳の白 人男性から切除した前立腺腫瘍組織(lot♯0024A;Mayo Clinic,Rochester MN) から作製した。病理学的報告によれば、この患者はMayoグレードの4段階の内の グレード3の腺癌を患っていた(Gleasonグレード3+3)。この腫瘍は前立腺 周囲組織に穿孔し、迷入していた。神経周囲の進入も見られた。患者の病歴によ れば排尿困難があり抗生物質による治療を行っていた。この患者については、失 神発作も報告されていたが、これには更なる治療は不要な状態であった。 この冷凍組織を、グアニジウムイソチオシアネート溶液の中で、Brinkmann Ho mogenizer Polytron-PT3000(Brinkmann Instruments,Inc.Westbury NY)を用い てホモジナイズして溶解した。この可溶化液を、Stratagene社のRNA単離プロ トコル(Stratagene Inc,San Diego CA)に従って、pH4.0の酸性フェノー ルで1回抽出した。この可溶化液は、pH4.0のフェノールクロロホルムでも う一度再抽出した。次に、0.3Mの酢酸ナトリウムと2.5倍量のエタノール を用いてRNAを沈殿させ、DEPC処理済みの水に再度懸濁し、37℃で25 分間DNアーゼ処理した。このRNAを等量の酸性フェノールで再度3回抽出し 、上述の条件を用いて再度沈殿させた。Qiagen Oligotexキット(QIAGEN Inc,C hatsworth CA)を用いてmRNAを単離し、これをcDNAライブラリーの作製 に用いた。 第1鎖のcDNA合成は、これもXhoI制限部位を有しているオリゴd(T)プ ライマー/リンカーを用いて行った。第2鎖合成は、DNAポリメラーゼI、大 腸菌リガーゼ、及びRNアーゼHの組み合わせを用いて行い、その後平滑末端化 されたcDNAにEcoRIアダプターを付加した。次に、このEcoRIアダプターを付 加した二本鎖のcDNAを、XhoI制限酵素で切断し、Sephacryl S400上で分画化 して、400bpを超え るサイズの配列を得た。このサイズ選択されたcDNAをLambdaZap(登録商標 )ベクターシステム(Stratagene,La Jolla CA)に挿入した。このベクターはpB luescriptTMファージミド(Stratagene)を含んでおり、大腸菌株XL1-BlueMRFTM (Stratagene)に入れて形質転換させた。 ファージミド形態の個々のcDNAクローンは、in vivo切除プロセスによっ て得られた。pBluescriptと同時感染されたf1ヘルパーファージの双方に由来す る酵素がDNAにニックを入れ、新たなDNA合成を開始させ、cDNAインサ ートを含むより小さい一本鎖の管状ファージミドDNA分子を生成した。このフ ァージミドDNAは放出され、単離され、新たな宿主細胞(SOLR,Stratagene) に再度感染させるために用いられた。βラクタマーゼの遺伝子を有しているファ ージミドが存在しているため、アンピシリン含有媒地上で形質転換された細菌が 成長可能であった。 2 cDNAクローンの単離及び配列決定 ファージミド形態の個々のcDNAクローンは、in vivo切除プロセスによっ て得られた。このプロセスでは、宿主菌株に、ラムダライブラリーファージとf1 ヘルパーファージの双方を同時感染させる。ライブラリーを含むファージとヘル パーファージの双方に由来するタンパク質はラムダDNAにニックを入れ、新た なDNA合成をラムダ標的DNA上の決まった配列から開始させ、pBluescript (登録商標)ファージミドと、cDNAインサートの全てのDNA配列を含んだ より小さい一本鎖の管状ファージミドDNAを形成した。このファージミドDN Aは細胞から分泌されて精製され、次に新たな宿主細胞に再度感染させるために 用いられた。この宿主細胞で、二本鎖のファージミドDNAが生成された。この ファージミドはβラクタマーゼの遺伝子を有しているため、新たに形質転換され た細菌は、アンピシリン含有媒地上で選択される。 QIAGEN(登録商標)のQIAwell-8 Plasmid Purification SystemTM、QIAwell P LUSTM、若しくはQIAwell ULTRATMDNA Purification System(QIAGEN Inc,Chats worth CA)を用いてファージミドDNAを精製した。このDNAはDNAシーク エンシング及び他の分析的操作のために既に調製された精製用レジンから溶出さ れた。 ライブラリーのランダムな単離物からのcDNAインサートの配列決定は、Sa nger F及びAR Coulson(1975:J Mol Biol 94:441f)の方法により、Hamilton Micr o Lab 2200(Hamilton,Reno NV)を、4台のPeltier Thermal Cyclers(PTC200 fro m MJ Research,Watertown MA)及びApplied Biosystems 377または373 DNA Seque ncing Systems(Perkin Elmer)と組み合わせて用いて行い、読み枠を決定した。 3 cDNAクローン及びそれらの推定タンパク質の相同性検索 Applied Biosystems社で開発された検索アルゴリズムを、INHERIT(商標)670 Sequence Analysis Systemに組み込んで用いて、各cDNAの配列をGenBankの 配列と比較した。このアルゴリズムでは、Pattern Specification Language(TR W社、LosAngeles CA)を用いて相同な領域を決定した。配列の比較をどのように 行うかを決定する3つのパラメータは、ウィンドウサイズ、ウィンドウオフセッ ト、及び誤差許容度であった。これら3つのパラメータの組を用いて、対象の配 列に対して相同な領域を含む配列をDNAデータベースから検索し、適切な配列 には、初期値とともにスコアが付けられた。これによって、これらの相同な領域 をドットマトリクスホモロジーブロット法を用いて検定し、相同な領域と偶然の 一致とを区別した。相同性検索の結果は、Smith-Watermanアライメントを用いて 表示した。 ペプチド及びタンパク質配列の相同性は、INHERIT(商標)670配列解析システ ムをDNA配列の相同性検索で用いたのと同様に用いて確か めた。Pattern Specification Language及びパラメータウインドウを用いて、タ ンパク質データベースから相同性領域を含む配列を検索し、その結果には初期値 とともにスコアを付けられた。ドットマトリクスホモロジーブロット法を用いて 検定し、有意な相同性を有する領域と偶然の一致とを区別した。 BLASTは、Basic Local Alignment Search Tool(Altschul SF(1993)JMol Evol 36:290-300;Altschul,SF等(1990)J Mol Biol 215:403-10)の略称であり、これ を用いて局部的な配列アライメントを検索した。BLASTはヌクレオチド及びアミ ノ酸配列の両方のアライメントを生成して配列類似性を求める。そのアライメン トの局所性のために、BLASTは厳密な一致、すなわちホモログを求める際に特に 有効である。BLASTは間隙を含まない一致を求めるのに役立つ。BLASTアルゴリズ ム出力の基本的な単位は、High-scoring Segment Pair(HSP)である。 HSPは2つの配列フラグメントからなり、両フラグメントは任意ではあるが、 そのアライメントが局所的に最大となっている等しい長さものであり、そのアラ イメントスコアはユーザにより設定された閾値すなわちカットオフスコアを満足 、即ち、カットオフスコアを超えている。BLASTアプローチは問い合わせ配列と データベース配列との間のHSPを見つけ出すものであり、見出された任意の一致 の統計的有意性を評価し、そのユーザが設定した有意性の閾値を満足する一致の みを報告するものである。パラメータEはデータベース配列一致を知らせるため の統計的に有意な閾値を確定するパラメータである。Eは全データベース検索の 情況においてHSP(或いはHSPの組)の発生の機会の期待される頻度の上側の境界 として解釈される。その一致がEを満足する任意のデータベース配列がプログラ ム出力において報告される。 4 ノーザン法による解析 ノーザン解析は、標識されたヌクレオチド配列と特定の細胞型または組織に由 来するRNAが結合したメンブランとのハイブリッド形成を伴う、遺伝子の転写 物の存在を検出するために用いられる実験技術である(Sambrookら、上述)。 類似のコンプュータ技術で、BLAST(Altschul SF 1993 and 1990,上述)を用 いてGenBankまたはLIFESEQ(商標)データベース(Incyte,Palo Alto CA)のよ うなデータベースにおける同一のまたは近縁な分子を検索した。この解析は、多 数の膜式ハイブリダイゼーションより非常に短時間で行うことができる。更に、 コンピュータ検索の感度を変更して、ある一致が正確な一致か、相同的であるか の分類を決定することができる。 検索の基準値は、プロダクトスコアであり、これは以下の式で定義されるもの である。 (配列の一致(%)×最大BLASTスコア(%))/100 このプロダクトスコアは、2つの配列間の類似性の程度、及び配列の長さの一致 の双方を考慮している。例えば、プロダクトスコアが40の場合は、一致は誤差 が1〜2%の範囲で正確であり、スコアが70の場合は正確に一致している。相 同な分子は、通常プロダクトスコアとして15〜40を示すものを選択すること により同定されるが、スコアの低いものは近縁関係にある分子として同定される 。 検索の結果は、(1)完全長配列、又はその部分が存在するライブラリー、( 2)配列の存在量(abundance)、及び(3)パーセント存在量(percent abund ance)のリストとして報告される。存在量は、特定の転写物の検出回数を直接反 映し、パーセント存在量は、存在量をライブラリー内で検出された配列の総数で 除したものである。 5 完全長まで、又は調節エレメントを回復するまでのTUPROの延 長 完全長TUPROの核酸配列(配列番号:2又は配列番号:4)は、部分的ヌ クレオチド配列を完全長まで延長するため、或いはゲノムライブラリから5’配 列を得るためのオリゴヌクレオチドプライマーを設計するために用いることがで きる。一方のプライマーはアンチセンス方向(XLR)の延長を開始するために 合成され、他方のプライマーはセンス方向(XLF)に配列を延長するために合 成される。これらのプライマーにより、周知のTUPRO配列を「外側に」延長 し、対象の制御領域の新しい未知のヌクレオチド配列を含むアンプリコンを生成 できるようになった(1995年6月7日出願の米国特許出願第08/487,112号を 本明細書と一体に参照されたい)。初期プライマーは、Oligo(登録商標)4.06 (National Biosciences社、Plymouth MN)、或いは他の適切なプログラムを用 いて、長さが22〜30ヌクレオチドで50%以上のGC含有率を有し、かつ約 68〜72℃の温度で標的配列にアニールするように設計することができる。結 果的にヘアピン構造及びプライマー−プライマー二量体化を生じる任意のヌクレ オチドのストレッチの延長はが回避される。 元の選択されたcDNAライブラリーか、ヒトゲノムライブラリーを用いて、 配列を延長する。後者のライブラリーは、5’上流配列を得るために最も役立つ 。必要なら、既知領域をさらに延長するために追加のプライマーの組が設計され る。 XL-PCRキット(Perkin Elmer社)のための指示に従って、酵素と反応混合物と を完全に混合することにより、高い忠実度の増幅が得られる。40pmolの各プラ イマーと、推奨された濃度のキットの他の全ての成分とから増幅を開始する場合 、PCRはPeltier Thermal Cycler(PTC200;MJ Reserch社、Watertown MA)を 用いて、以下のパラメ ータで実行される。 ステップ1 94℃で1分間(初期変性) ステップ2 65℃で1分間 ステップ3 68℃で6分間 ステップ4 94℃で15秒間 ステップ5 65℃で1分間 ステップ6 68℃で7分間 ステップ7 ステップ4〜6をさらに15サイクル反復 ステップ8 94℃で15秒間 ステップ9 65℃で1分間 ステップ10 68℃で7分15秒間 ステップ11 ステップ8〜10を12サイクル反復 ステップ12 72℃で8分間 ステップ13 4℃(その温度を保持) 反応混合物の5〜10μlのアリコットを、低濃度(約0.6〜0.8%)ア ガロースミニゲルにおける電気泳動で解析して、反応物が配列を延長するこどに 成功したか否かを決定する。最も大きな生成物或いはバンドを選択して、ゲルか ら切り出した。さらなる精製には、QIAQuick(登録商標)(QIAGEN社)のような 市販のゲル抽出法を用いる。DNA回収の後、クレノウ酵素を用いて一本鎖ヌク レオチドの延び出しを切り取り、再結合及びクロ−ニングを容易にする平滑末端 を作った。 エタノール沈殿の後、生成物を13μlのリゲーション緩衝液内に再溶解し、 1μlのT4−DNAリガーゼ(15単位)及び1μlのT4ポリヌクレオチド キナーゼを加えて、その混合物を、室温で2〜3時間、或いは16℃で一昼夜イ ンキュベートする。コンピテントな大腸菌細胞(40μlの適切な溶媒内にある )を、3μlのリゲーション混合物を 用いて形質転換し、80μlのSOC培地(Sembrook J等、上記)で培養する。 37℃で1時間のインキュベーションの後、全ての形質転換混合物を、2xCa rbを含むLuria Bertani(LB)寒天(Sembrook J等、上記)上にのせる。後 日、いくつかのコロニーを各プレートから無作為に選択し.、適切な市販の無菌 の96穴マイクロタイタープレートの個々のウェル内に入れられた150μlの 液状LB/2xCarb培地で培養する。さらに後日、5μlの各オーバーナイ ト培養物を非無菌96穴プレート内に移し、水で1:10に希釈した後、各5μ lのサンプルをPCRアレイ内に移す。 PCR増幅の場合、rTthDNAポリメラーゼの4単位を含む18μlの濃 縮PCR反応混合物(3.3x)、ベクタープライマー、並びに延長反応に用い られる遺伝子特異的プライマーの一方或いは両方を各ウェルに加える。増幅は以 下の条件に従って行う。 ステップ1 94℃で60秒間 ステップ2 94℃で20秒間 ステップ3 55℃で30秒間 ステップ4 72℃で90秒間 ステップ5 ステップ2〜4をさらに29サイクル反復 ステップ6 72℃で180秒間 ステップ7 4℃(そのまま保持) PCR反応物のアリコットを、分子量マーカーと共にアガロースゲル上で移動 させる。PCR生成物のサイズを元の部分的なcDNAと比較して、適切なクロ ーンを選択し、プラスミドに結合して、配列決定を行う。 6 ハイブリダイゼーションプローブの標識及び使用 配列番号:2又は配列番号:4の配列に基づくハイブリダイゼーショ ンプローブは、cDNA、mRNA並びにゲノムDNAをスクリーニングするた めに用いられる。約20の塩基対からなるオリゴヌクレオチドの標識についで特 に記すが、大きなcDNAフラグメントの場合でも概ね同じ手順を用いる。オリ ゴヌクレオチドを、50pmolの各オリゴマーと、250mCiの[γ-32P] アデノシン三リン酸(Amersham社,Chicago IL)及びT4ポリヌクレオチドキナ ーゼ(DuPont NEN(商標)、Boston MA)とを組み合わせて用いて標識する。標 識されたオリゴヌクレオチドを、SephadexG-25超精細樹脂カラム(Pharmacia社 )を用いて精製する。それぞれ毎分107カウントを含む各部分を、以下のエン ドヌクレアーゼ(AseI,BglII,EcoRI,PstI,XbaI或いはPvuII;DuPont NEN(商標)) の1つを用いて消化されるヒトゲノムDNAの典型的な膜ハイブリダイゼーショ ン解析において用いる。 切断した各DNAを、0.7%アガロースゲル上で分画化して、ナイロン膜( Nytran Plus,Schleicher&Schuell,Durham NH)に移す。ハイブリダイゼーション は40℃で16時間かけて行う。非特異的シグナルを取り除くために、ブロット は、0.1xクエン酸ナトリウム食塩水及び0.5%ドデシル硫酸ナトリウムま で段階的に厳密性が増す条件下で、室温にて順次洗浄される。XOMATAR(登録商 標)フィルム(Kodak,Rochester NY)を、数時間かけてPhosphoimager cassette (Molecular Dynamics,Sunnyvale CA)においてブロットに露光された後ハイブ リダイゼーションパターンが視覚的に比較される。 7 アンチセンス分子 TUPROをコードする配列或いはその任意の一部は、自然発生の配列のin v ivoまたはin vitro発現を抑制するために用られる。約20塩基対からなるアン チセンスオリゴヌクレオチドの使用について特に記すが、より大きなcDNAフ ラグメントの場合でも概ね同じ手順を用いる ことができる。第1A図、第1B図、第1C図、第2A図、第2B図、及び第2 C図に示すようなTUPROのコード化配列に基づく相補的なオリゴヌクレオチ ド用いて、自然発生TUPROの発現を抑制することができる。この相補的なオ リゴヌクレオチドを第1A図、第1B図、第1C図、第2A図、第2B図、及び 第2C図に示す最も独特な5’配列から設計し、これを用いてプロモーターが結 合するのを阻害することにより転写を抑制したり、リボソームが転写物に結合す るのを阻害してTUPRO転写物の翻訳を抑制することができる。配列番号:2 又は配列番号:4のリーダー配列及び5’配列の適切な部分を用いることにより 、効果的なアンチセンスオリゴヌクレオチドは、第1A図、第1B図、第1C図 、第2A図、第2B図、及び第2C図に示すヌクレオチドのなかの、ポリペプチ ドのシグナル配列または初めの方のコーディング配列に翻訳される領域全体にわ たる15〜20個のヌクレオチドを含むようになる。 8 TUPROの発現 TUPROの発現は、cDNAを適切なベクター内にサブクローニングし、そ のベクターを宿主細胞にトランスフェクトすることによって行われる。クローニ ング用のpBluescriptベクターを、大腸菌株であるXL1-BlueMRF(商標)(Strata gene)においてTUPROを発現するのに用いる。クローニング部位の上流には 、β−ガラクトシダーゼに対するプロモータが存在し、その後ろにはアミノ基末 端メチオニン及びβ−ガラクトシダーゼの7残基が存在する。直後に続くこれら 8つの残基は、転写に役立つバクテリオファージプロモーターであり、多くの独 特の切断部位を含むリンカーである。 単離されたIPTGトランスフェクト菌株を標準的な方法を用いて誘導するこ とにより、初めのβガラクトシダーゼの7残基、約5〜15残 基のリンカー、及び完全長TUPROからなる融合タンパク質を作り出す。この シグナル配列は、後の行う活性のアッセイにおいて直接用いることができる菌培 地へのTUPROの分泌を誘導する。 9 TUPROの活性 TUPROがヒトD52とホモ二量体又はヘテロ二量体の何れかを形成する能力 は、Heymack JV等によって書かれたもののような一般的な免疫沈降技術(1995,J Biol Chem 270:12297-12304)によって測定することができる。ヒトD52とD53 ウサギ血清は、2つのタンパク質がアミノ酸同一性を全く有していない内部配列 に対応するペプチドに対して産生される。COS細胞に、ベクター単体、又はヒトD 52、TUPRO、又はその両方の発現プラスミドを一時的にトランスフェクトし 、トランスフェクタントから得られた媒体状勢を直接分析するか、或いは抗D52 モノクローナル抗体、若しくは抗TUPROモノクローナル抗体で免疫沈降させ た後に分析する。サンプルをSDS-PAGEにかけ、免疫ブロットする。重複した免疫 ブロットを、D52血清かTUPRO血清の何れかで探索する(Heymach等,前出) 。ペルオキシダーゼに共役した二次抗体を用いて、ホモ二量体及びヘテロ二量体 の形成が分かる。 10 TUPRO特異的抗体の産生 標準的なプロトコルを用いたウサギの免疫化及び抗体の産生には、PAGE電 気泳動法(Sambrook前出)を用いて精製されたTUPROを用いる。TUPRO から翻訳されたアミノ酸配列をDNAStarソフトウエア(DNASTAR社)を用いて解析 して免疫抗原性の高い領域を決定し、対応するオリゴペプチドを当業者には周知 の手段により合成して、当業者に周知の方法で抗体をを産生するために用いる。 C末端付近の、或いは隣接する親水性領域内のエピトープのような、適切なエピ トープを選択するための解析法は、Ausubel FM等(上記)の論文に記載されてお り、第4図及び第5図に示されている。 通常、約15残基の長さを有するオリゴペプチドを、Applied Biosystemsのペ プチドシンセサイザーModel431Aを用いてfmoc法ケミストリにより合成し、 M−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(MBS: Ausubel FM等、上記)を用いた反応によりキーホールリンペットヘモシニアン( KLH、Sigma)に結合する。フロイントの完全アジュバントにおけるオリゴペ プチド−KLH複合体を用いでウサギを免疫する。得られた抗血清の抗ペプチド 活性を検査するには、例えばペプチドをプラスチックに結合し、1%BSAを用い てブロックし.、ウサギ抗血清と反応させて洗浄し、さらに放射性ヨウ素標識さ れたヤギ抗ウサギIgGに反応させる。 11 特異的抗体を用いる自然発生TUPROの精製 自然発生TUPRO或いは組換えTUPROは、TUPROに対する特異的な 抗体を用いるイムノアフィニティークロマトグラフィにより精製することができ る。イムノアフィニティーカラムは、CnBr活性化Sepharose(Pharmacia Biotech 社)のような活性化クロマトグラフレジンとTUPRO抗体とを共有結合させる ことにより構成される。結合後、そのレジンを製造者の指示に従って、ブロック し洗浄する。 TUPROを含む培地をイムノアフィニティーカラムに通し、そのカラムをT UPROを優先的に吸収できる条件下で(例えば界面活性剤の存在下においで高 イオン強度緩衝剤で)洗浄する。このカラムを、抗体/TUPRO結合を切るよ うな条件下(例えばpH2〜3の緩衝剤、或いは高濃度の尿素またはチオシアン 酸塩イオンのようなカオトロピックイオン)で溶離させ、TUPROを回収する 。 12 TUPROと相互作用する分子の同定 TUPRO、或いはその生物学的に活性なフラグメントを、125I ボ ルトンハンター試薬を用いて標識する(Bolton,AE及びHunter,WM(1973)Biochem J 133:529)。96穴プレートのウェル内に前もって入れておいた候補分子を、 標識したTUPROとともに培養し、洗浄し、標識したTUPRO複合体を有す る任意のウェルをアッセイする。異なる濃度のTUPROを用いて得られるデー タを用いて、候補分子とTUPROの数、アフィニティー並びに会合度の数値を 計算する。 上記のすべでの刊行物及び特許明細書は、本明細書と一体に参照されたい。本 発明の記載した方法及びシステムの種々の変更例及び変形例は、本発明の範囲及 び精神から逸脱しないことは当業者には明らかであろう。本発明は特に好適な実 施例に関連して記載されているが、本発明の請求の範囲は、そのような特定の実 施例に不当に制限されるべきではないことを理解されたい。実際には、本発明を 実施するために記載された方法の種々の変更例は、分子生物学或いは関連する分 野の当業者には明らかなように、以下の請求項の範囲内に含まれるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 45/00 A61K 48/00 48/00 A61P 35/00 A61P 35/00 43/00 105 43/00 105 111 111 C07K 14/82 C07K 14/82 16/18 16/18 C12N 1/15 C12N 1/15 1/19 1/19 1/21 1/21 C12P 21/02 C 5/10 C12N 5/00 A C12P 21/02 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG ,KZ,MD,RU,TJ,TM),AT,AU,BR ,CA,CH,CN,DE,ES,FI,GB,IL, JP,KR,MX,NO,NZ,RU,SE,SG,U S (72)発明者 ゴリ、スリヤ・ケイ アメリカ合衆国カリフォルニア州94086・ サニーベイル・#338・アイリスアベニュ ー 620 (72)発明者 ヒルマン、ジェニファー・エル アメリカ合衆国カリフォルニア州94040・ マウンテンビュー・#12・モンロードライ ブ 230

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.配列番号:1のアミノ酸配列又はその断片を含む実質的に精製されたヒト腫 瘍タンパク質。 2.請求項1のタンパク質をコードする単離され精製されたポリヌクレオチド配 列。 3.配列番号:2の配列又はその変異体からなることを特徴とする請求項2に記 載の単離され精製されたポリヌクレオチド配列。 4.配列番号:2の配列又はその変異体に対して相補的なポリヌクレオチド配列 。 5.請求項2のポリヌクレオチド配列を含む組換え体発現ベクター。 6.請求項5のベクターを含む組換え体宿主細胞。 7.配列番号:1のポリペプチドを含むポリペプチドを生成する方法であって、 (a)該ポリペプチドの発現に適した条件の下で、請求項6の宿主細胞を培養 する過程と、 (b)前記宿主細胞の培地から該ポリペプチドを回収する過程とを含むことを 特徴とする配列番号:1のポリペプチドを含むポリペプチドの生成方法。 8.配列番号:1のアミノ酸配列を有する実質的に精製されたヒト腫瘍タンパク 質を、適切な製薬用担体と共に含む医薬品組成物。 9.請求項1のポリペプチドに特異的に結合する精製された抗体。 10.請求項1のポリペプチドの発生を特異的に調節又は延長する精製されたア ンタゴニスト。 11.請求項10のアンタゴニストを、適切な製薬用担体と共に含む医薬品組成 物。 12.治療が必要な患者に、請求項11の医薬品組成物を効果的な量だ け投与する過程を含むことを特徴とする癌の治療方法。 13.配列番号:3のアミノ酸配列又はその断片を含む実質的に精製されたヒト 腫瘍タンパク質。 14.請求項13のタンパク質をコードする単離され精製されたポリヌクレオチ ド配列。 15.配列番号:4の配列又はその変異体からなることを特徴とする請求項14 に記載の単離され精製されたポリヌクレオチド配列。 16.配列番号:4の配列又はその変異体に対して相補的なポリヌクレオチド配 列。 17.請求項14のポリヌクレオチド配列を含む組換え体発現ベクター。 18.請求項17のベクターを含む組換え体宿主細胞。 19.配列番号:3のポリペプチドを含むポリペプチドの生成のための方法であ って、 (a)該ポリペプチドの発現に適した条件の下で、請求項18の宿主細胞を培 養する過程と、 (b)前記宿主細胞の培地から該ポリペプチドを回収する過程とを含むことを 特徴とする配列番号:3のポリペプチドを含むポリペプチドの生成方法。 20.配列番号:3のアミノ酸配列を有する実質的に精製されたヒト腫瘍タンパ ク質を、適切な製薬用担体と共に含む医薬品組成物。 21.請求項13のポリペプチドに特異的に結合する精製された抗体。 22.請求項13のポリペプチドの活性を特異的に調節又は変調する精製された アンタゴニスト。 23.請求項22のアンタゴニストを適切な製薬用担体と共に含む医薬品組成物 。 24.治療が必要な患者に、請求項23の医薬品組成物を効果的な量だ け投与する過程を含むことを特徴とする癌の治療方法。
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